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特許7329119商品情報管理装置、商品情報管理方法及び商品情報管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-08
(45)【発行日】2023-08-17
(54)【発明の名称】商品情報管理装置、商品情報管理方法及び商品情報管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20230809BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022176145
(22)【出願日】2022-11-02
【審査請求日】2022-11-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508342998
【氏名又は名称】株式会社セブン&アイ・ホールディングス
(73)【特許権者】
【識別番号】591156788
【氏名又は名称】株式会社セブン-イレブン・ジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 信行
(72)【発明者】
【氏名】我妻 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】三好 大悟
(72)【発明者】
【氏名】新居 義典
(72)【発明者】
【氏名】石津 直樹
(72)【発明者】
【氏名】長尾 大志
(72)【発明者】
【氏名】安孫子 幸平
(72)【発明者】
【氏名】石川 桃子
(72)【発明者】
【氏名】小田 尚史
(72)【発明者】
【氏名】落合 剛弘
【審査官】星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-051696(JP,A)
【文献】特開2020-007148(JP,A)
【文献】特開2020-173789(JP,A)
【文献】特開2003-203109(JP,A)
【文献】特開2004-307110(JP,A)
【文献】特開2003-176025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配送機に積付ける商品が注文されたときに、注文された商品に対応する商品情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された商品情報に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定する特定部と、
前記特定部により特定された商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品を配送機に積付けるための積付情報を提供する提供部と、
を備え
前記特定部は、前記抽出部により抽出された商品情報に、商品のサイズ及び/又は重量が含まれない場合に、前記抽出部により抽出された商品情報と類似度が高い商品情報に含まれる商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を推定する、
商品情報管理装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記抽出部により抽出された商品情報に含まれる商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定する、
請求項1記載の商品情報管理装置。
【請求項3】
前記類似度は、前記抽出部により抽出された商品情報を解析し、解析した情報と他の商品に対応する商品情報との間の類似度である、
請求項記載の商品情報管理装置。
【請求項4】
前記抽出部により抽出された商品情報を解析することには、前記抽出部により抽出された商品情報を形態素解析し、特徴量化することが含まれる、
請求項記載の商品情報管理装置。
【請求項5】
前記積付情報には、配送機への積付け状態を描いた図、及び積荷の重心位置が含まれる、
請求項1記載の商品情報管理装置。
【請求項6】
配送機に積載して配送する商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、前記積付情報を出力する数理モデルを、さらに備え、
前記提供部は、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を前記数理モデルに入力し、前記数理モデルから出力される前記積付情報を提供する、
請求項1記載の商品情報管理装置。
【請求項7】
前記商品情報には、商品を管理するための温度帯が含まれる、
請求項1記載の商品情報管理装置。
【請求項8】
プロセッサにより実行される方法であって、
配送機に積付ける商品が注文されたときに、注文された商品に対応する商品情報を抽出するステップと、
抽出された商品情報に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定するステップと、
特定された商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品を配送機に積付けるための積付情報を提供するステップと、
を含み、
前記特定するステップは、前記抽出するステップにおいて抽出された商品情報に、商品のサイズ及び/又は重量が含まれない場合に、前記抽出するステップにおいて抽出された商品情報と類似度が高い商品情報に含まれる商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を推定する、
商品情報管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
配送機に積付ける商品が注文されたときに、注文された商品に対応する商品情報を抽出する抽出部、
前記抽出部により抽出された商品情報に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定する特定部、
前記特定部により特定された商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品を配送機に積付けるための積付情報を提供する提供部、
として機能させ
前記特定部は、前記抽出部により抽出された商品情報に、商品のサイズ及び/又は重量が含まれない場合に、前記抽出部により抽出された商品情報と類似度が高い商品情報に含まれる商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を推定する、
商品情報管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品情報管理装置、商品情報管理方法及び商品情報管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットで注文した商品をドローンや搬送ロボットなどの無人配送機で配送するサービスが開発されている。下記特許文献1には、異なる種類の食料品や飲料品を自律車両で効率的に配達する技術が開示されている。この技術では、温度帯の異なる保管ユニットを車両に設け、注文された商品の目標温度に基づいて、配達する商品の収容場所を割り当てている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2020-529660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、無人配送機などの比較的小さな配送機は、荷室サイズや積載量などが比較的小さいことや少ないこともあり、目標温度に基づいて収容場所を割り当てるだけでは、商品を効率よく積付けることはできない。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、配送機に商品を積付ける際の効率を向上させることができる商品情報管理装置、商品情報管理方法及び商品情報管理プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る商品情報管理装置は、配送機に積付ける商品が注文されたときに、注文された商品に対応する商品情報を抽出する抽出部と、抽出部により抽出された商品情報に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定する特定部と、特定部により特定された商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品を配送機に積付けるための積付情報を提供する提供部と、を備える。
【0007】
この態様によれば、配送機に積付ける商品が注文されるたびに、注文された商品に対応するサイズ及び/又は重量を特定し、特定したサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品を配送機に積付けるための積付情報を提供することができる。
【0008】
これにより、店舗での梱包作業や重量計測作業などに要する負荷を軽減することができるため、注文から配達までの即時性を担保することが可能となる。
【0009】
上記態様において、特定部は、抽出部により抽出された商品情報に含まれる商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定してもよい。
【0010】
これにより、商品のサイズや重量を事前に登録しておくことで、より精度の高い積付け情報を提供することが可能となる。
【0011】
上記態様において、特定部は、抽出部により抽出された商品情報に、商品のサイズ及び/又は重量が含まれない場合に、抽出部により抽出された商品情報と類似度が高い商品情報に含まれる商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を推定してもよい。
【0012】
これにより、配送機で配送する商品の中にサイズや重量が登録されていない商品が含まれていても、サイズや重量が登録されている類似商品に基づいて、サイズや重量が登録されていない商品のサイズや重量を予測し、注文された商品に対応する積付け情報を提供することが可能となる。
【0013】
上記態様において、類似度は、抽出部により抽出された商品情報を解析し、解析した情報と他の商品に対応する商品情報との間の類似度であってもよい。
【0014】
上記態様において、抽出部により抽出された商品情報を解析することには、抽出部により抽出された商品情報を形態素解析し、特徴量化することが含まれてもよい。
【0015】
上記態様において、積付情報には、配送機への積付け状態を描いた図、及び積荷の重心位置が含まれてもよい。これにより、積付け作業に不慣れな店員が作業する場合であっても、重心位置や積付け状態を描いた図に従って商品を積付けることができ、配送機が傾いたりすることなく安定した状態で配送させることが可能となる。
【0016】
上記態様において、配送機に積載して配送する商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、積付情報を出力する数理モデルを、さらに備え、提供部は、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を数理モデルに入力し、数理モデルから出力される積付情報を提供してもよい。
【0017】
上記態様において、商品情報には、商品を管理するための温度帯が含まれてもよい。これにより、注文された商品を温度帯別に分けて配送することが可能となる。
【0018】
本発明の他の態様に係る商品情報管理方法は、プロッセサにより実行される方法であって、配送機に積付ける商品が注文されたときに、注文された商品に対応する商品情報を抽出するステップと、抽出された商品情報に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定するステップと、特定された商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品を配送機に積付けるための積付情報を提供するステップと、を含む。
【0019】
本発明の他の態様に係る商品情報管理プログラムは、コンピュータを、配送機に積付ける商品が注文されたときに、注文された商品に対応する商品情報を抽出する抽出部、抽出部により抽出された商品情報に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定する特定部、特定部により特定された商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品を配送機に積付けるための積付情報を提供する提供部、として機能させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、配送機に商品を積付ける際の効率を向上させることができる商品情報管理装置、商品情報管理方法及び商品情報管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る商品情報管理装置を含む情報処理システムの構成を例示する図である。
図2】商品情報管理装置の物理的な構成を例示する図である。
図3】商品情報管理装置の機能的な構成を例示する図である。
図4】積付情報を例示する概念図である。
図5】類似商品の商品情報からサイズや重量を取得する際の手順の一例を説明するための概念図である。
図6】商品情報管理装置における動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
[情報処理システムの概要]
図1を参照して、実施形態に係る商品情報管理装置1を含む情報処理システムの構成について説明する。情報処理システムは、商品情報管理装置1と、ネットコンビニシステム2と、を備える。
【0024】
ネットコンビニシステム2は、ネットコンビニとしてのサービスを提供するシステムである。ネットコンビニは、コンビニエンスストアの店舗で販売している商品をネットワーク経由で販売し、スマートフォンなどで注文された商品を、店舗から自宅などの指定された場所まで届けるサービスである。
【0025】
ネットコンビニシステム2は、例えば、システムを統括して管理する管理サーバ、コンビニエンスストアの各店舗に配置される店舗装置、及び店員や配送員などが使用する作業用端末などを含むことができる。
【0026】
商品情報管理装置1は、例えば、店舗やネットコンビニで販売される商品に関する情報を管理するサーバ装置である。
【0027】
商品情報管理装置1及びネットコンビニシステム2は、ネットワークNを介して通信できるように構成される。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせなどのいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0028】
[商品情報管理装置の物理的な構成]
図2に示すように、商品情報管理装置1は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ11と、通信インターフェース12と、記憶装置13とを備える。
【0029】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサである。このプロセッサ11は、記憶装置13に格納されているプログラム131を実行することで、後述する各種の機能を実現する。
【0030】
通信インターフェース12は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の装置と通信するハードウェアモジュールである。
【0031】
記憶装置13は、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。この記憶装置13は、例えば、プログラム131や、データベース132に登録される各種データ、後述するAIモデルなどを記憶する記憶部として機能する。
【0032】
各種データとして、例えば、店舗やネットコンビニで販売される商品に関する商品情報、及び商品の配送に用いる車両に関する車両情報などが含まれる。
【0033】
商品情報には、例えば、商品ID、商品名称、商品の価格、商品のサイズ、商品の重量、商品の管理温度帯、商品の回転可否、商品カテゴリ、商品説明、及び商品の画像などを含むことができる。
【0034】
商品のサイズには、商品の外形寸法である商品の長さ、幅及び高さの他、商品を梱包した時の外形寸法である梱包時の長さ、幅及び高さを含むことができる。また、商品の重量には、商品の重量の他、商品を梱包した時の重量を含むことができる。梱包時のサイズや重量は、保冷材や緩衝材、間仕切りなどを含めたものであってもよい。
【0035】
車両情報には、例えば、車両ID、車両の種類、車両の荷室サイズ、車両の重量制限、車両の稼働状況、車両の積載状況、及び車両の現在位置などを含むことができる。
【0036】
車両の種類には、例えば、大型トラック、中型トラック、小型トラック、冷凍冷蔵車、小型自動車、軽自動車、自動二輪車、自転車、及び無人配送機などが含まれる。
【0037】
なお、商品情報、車両情報及びAIモデルは、商品情報管理装置1とは別の装置に記憶させてもよいし、他のシステムと共用させてもよい。
【0038】
プログラム131は、所定の処理を行うためのコンピュータプログラムであり、商品情報管理装置1のメインプログラムや、そのメインプログラムの動作中に適宜呼び出されて実行される複数のソフトウェアモジュールを有する。ソフトウェアモジュールは、それぞれ特定の処理を実行するためにモジュール化されたサブプログラムであり、例えば、プロシージャ、サブルーチン、メソッド、関数及びデータ構造などを用いて作成される。
【0039】
[商品情報管理装置の機能的な構成]
本実施形態に係る商品情報管理装置1は、例えば、ネットコンビニで注文された商品を配送する手段として無人配送機が選択された場合に、注文された商品を無人配送機に積付ける際の積付情報を提供する機能や、ネットコンビニで注文された商品の商品情報に商品のサイズや重量などが含まれない(登録されていない)場合に、類似する商品の商品情報を用いて、注文された商品の積付情報を提供する機能を有する。無人配送機には、例えば、ドローンや、搬送ロボットなどが含まれる。各機能の詳細は後述する。
【0040】
図3を参照して、商品情報管理装置1のプログラム131を実行することで実現される機能について説明する。商品情報管理装置1は、機能的な構成として、例えば、学習部111と、抽出部112と、特定部113と、提供部114とを有する。各部について、以下に説明する。
【0041】
学習部111は、無人配送機に積載して配送する候補となる複数の商品に関する情報及び無人配送機に関する情報を入力とし、それらの商品を効率よく無人配送機に積付けた状態を表す積付情報を出力とするAIモデルを作成(学習)する。学習部111により作成されたAIモデルは、記憶装置13に格納される。
【0042】
学習時にAIモデルに入力する情報として、例えば、商品名称、商品の数量、商品のサイズ、商品の重量、商品の管理温度帯及び商品の回転可否などの商品に関する情報と、無人配送機の荷室サイズ及び無人配送機の重量制限などの無人配送機に関する情報を用いることが好ましい。
【0043】
AIモデルを学習する際に、モデルに入力する各商品の商品に関する情報や無人配送機に関する情報に基づいて、例えば、温度管理が必要な商品については温度帯別に配置位置を分けるようにすることや、回転可能な商品については荷室に効率よく商品が収まるように商品の向きを最適化すること、配送時の安定性を高めるために積荷全体の重心が荷室の中央付近に位置するように配置することなどが、できる限り最適に実現されるように、AIモデルの学習とAIモデルの評価とを繰り返し行うことが好ましい。
【0044】
これにより、配送する商品を温度帯別に分け、かつ商品がつぶれることや、中身がこぼれないように、安定して配送することが可能な積付けアルゴリズムを提供することができる。
【0045】
また、AIモデルを学習する際の目的関数として、例えば、使用する箱の個数を最小化する関数や、箱間の重量分散を最小化する関数、マージンを最大化する関数、商品の重心と箱の中心との距離を最小化する関数などを用いることが好ましい。
【0046】
AIモデルから出力させる積付情報として、例えば、商品の配送に必要な無人配送機の台数、積荷の合計重量、積荷の重心座標、及び無人配送機への積付け状態を描いた図などを含むことが好ましい。図4に、積付情報の一例を示す。
【0047】
図4の積付情報4には、例示的に、配送に必要な無人配送機の台数、積荷の合計重量及び積荷の重心座標(重心位置)を表示する欄4aと、無人配送機への積付け状態を3次元で描画した図を表示する欄4bと、積荷の内訳を表示する欄4cとが設けられている。
【0048】
このような積付情報4を店舗に提供することで、積付け作業に不慣れな店員が作業する場合であっても、重心座標や積付け状態を描いた図に従って商品を積付けることで、無人配送機が傾いたりすることなく安定した状態で配送させることが可能となる。
【0049】
図3の抽出部112は、無人配送機に積付ける商品がネットコンビニで注文されたときに、記憶装置13に記憶されている商品情報から、注文された各商品に対応する商品情報を抽出する。注文された商品が無人配送機に積付ける商品であるかどうかは、例えば、ネットコンビニシステム2から受信する注文情報に含まれる配送手段を参照することで判別することができる。
【0050】
具体的に、抽出部112は、注文情報の配送手段が無人配送機である場合に、注文された商品が無人配送機に積付ける商品であると判定する。配送手段は、例えば、ネットコンビニで商品を注文する際に顧客が選択するなどして指定することができる。
【0051】
特定部113は、抽出部112により抽出された商品情報に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び重量を特定する。商品のサイズ及び重量を特定する方法について、以下の(1)と(2)に場合分けして説明する。
【0052】
(1)抽出された商品情報に商品のサイズ及び重量が含まれる場合
特定部113は、抽出部112により抽出された商品情報に含まれる商品のサイズ及び重量に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び重量を特定する。
【0053】
(2)抽出された商品情報に商品のサイズ及び重量が含まれない場合
特定部113は、抽出部112により抽出された商品情報と類似する商品情報に含まれる商品のサイズ及び重量に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び重量を推定(特定)する。以下に、推定する手順の一例について具体的に説明する。
【0054】
最初に、特定部113は、抽出部112により抽出された商品情報を解析し、解析した情報と、記憶装置13に記憶されている他の商品に対応する商品情報との類似度を算出する。
【0055】
商品情報を解析することには、例えば、商品情報を形態素解析し、特徴量化することが含まれる。形態素解析及び特徴量化は、公知の技術を適用することができる。解析する商品情報の一例として、例えば、商品名称、商品カテゴリ、商品説明及び商品の画像などを用いることができる。
【0056】
続いて、特定部113は、抽出部112により抽出された商品情報との類似度が高い商品情報に含まれる商品のサイズ及び重量を取得する。商品のサイズ及び重量を取得する商品情報は、類似度が最も高い商品情報であってもよいし、類似度が高い商品情報の中から選択された商品情報であってもよい。
【0057】
続いて、特定部113は、取得した商品のサイズ及び重量を、注文された商品に対応する商品のサイズ及び重量であると推定する。
【0058】
このように、類似商品のサイズ及び重量に基づいて推定することで、全ての商品のサイズ及び重量を登録する手間を削減することが可能となる。例えば、複数の種類があり、かつサイズ及び重量が同等の商品については、一種類の商品のみを登録しておくことで、他の種類の商品の登録を省略することができる。具体的に、おにぎりには、梅、鮭、昆布などの種類があるが、梅おにぎりのサイズ及び重量を登録しておくことで、鮭おにぎりや昆布おにぎりのサイズ及び重量については、梅おにぎりのサイズ及び重量から類推して特定することができる。
【0059】
ここで、特定部113が特定する情報は、商品のサイズ及び重量であることには限定されず、商品のサイズ及び重量のいずれか一方であってもよいし、さらに他の情報を追加してもよい。他の情報として、例えば、商品の管理温度帯及び商品の回転可否などを含むことができる。
【0060】
提供部114は、例えば、注文された商品に関する情報及び注文された商品を配送する無人配送機に関する情報を、AIモデルに入力し、AIモデルから出力される積付情報をネットコンビニシステム2に提供する。
【0061】
AIモデルに入力する情報として、例えば、注文情報に含まれる商品の名称及びその数量と、特定部113により特定された商品のサイズ、商品の重量、商品の管理温度帯及び商品の回転可否と、車両情報に含まれる無人配送機の荷室サイズ及び無人配送機の重量制限と、を用いることが好ましい。なお、AIモデルに入力する情報には、少なくとも商品のサイズ及び商品の重量のいずれかが含まれていることが好ましい。
【0062】
ネットコンビニシステム2に提供された積付情報は、例えば、対象となる店舗の店舗装置や作業用端末で閲覧することができる。
【0063】
図5を参照し、類似商品の商品情報から商品のサイズ及び重量を取得する方法の一例について説明する。
【0064】
最初に、特定部113は、抽出部112により抽出された商品情報に商品のサイズ及び重量が含まれていない商品として注文商品5aを特定する。続いて、特定部113は、注文商品5aの商品情報を形態素解析及び特徴量化するなどして解析情報5bを生成する。
【0065】
続いて、特定部113は、解析情報5bと、記憶装置13に記憶されている他の商品の商品情報との間の類似度をそれぞれ算出し、類似度が高い商品を類似商品5cとして選定する。続いて、特定部113は、類似商品5cの商品情報に含まれる商品のサイズ及び重量などの情報5dを取得し、取得した商品のサイズ及び重量を、注文商品5aのサイズ及び重量であると推定する。
【0066】
[商品情報管理装置の動作]
図6を参照し、商品情報管理装置1の動作の一例について説明する。
【0067】
最初に、商品情報管理装置1の抽出部112は、無人配送機に積付ける商品がネットコンビニで注文されたかどうかを判定する(ステップS101)。この判定がNOである場合(ステップS101;NO)に、抽出部112は、この判定を繰り返し実行するか、YESになるまで待機する。
【0068】
上記ステップS101で、無人配送機に積付ける商品がネットコンビニで注文されたと判定された場合(ステップS101;YES)に、商品情報管理装置1の抽出部112は、注文された商品の商品情報を記憶装置13から抽出する(ステップS102)。
【0069】
続いて、商品情報管理装置1の特定部113は、上記ステップS102で抽出された商品情報に商品のサイズ及び重量が含まれるかどうかを判定する(ステップS103)。この判定がYESである場合(ステップS103;YES)に、商品情報管理装置1の特定部113は、抽出された商品情報に含まれる商品のサイズ及び重量を、注文された商品のサイズ及び重量であると特定する(ステップS104)。そして、後述するステップS106に処理を移行する。
【0070】
上記ステップS103で、抽出された商品情報に商品のサイズ及び重量が含まれないと判定された場合(ステップS103;NO)に、商品情報管理装置1の特定部113は、抽出された商品情報を解析し、記憶装置13に登録されている他の商品情報との類似度を算出する(ステップS105)。
【0071】
続いて、商品情報管理装置1の特定部113は、類似度が高い商品情報に含まれる商品のサイズ及び重量を、注文された商品のサイズ及び重量であると推定する(ステップS106)。
【0072】
続いて、商品情報管理装置1の提供部114は、注文された商品に関する情報及び無人配送機に関する情報をAIモデルに入力し、AIモデルから出力される積付情報をネットコンビニシステム2に提供する(ステップS107)。そして本動作を終了する。
【0073】
上述したように、実施形態に係る商品情報管理装置1によれば、無人配送機に積付ける商品が注文されるたびに、注文された商品に対応するサイズ及び重量を特定し、特定したサイズ及び重量に基づいて、注文された商品を無人配送機に積付けるための積付情報を提供することができる。
【0074】
これにより、店舗での梱包作業や重量計測作業などに要する負荷を軽減することができるため、注文から配達までの即時性を担保することが可能となる。
【0075】
それゆえ、実施形態に係る商品情報管理装置1によれば、無人配送機に商品を積付ける際の効率を向上させることができる。
【0076】
また、実施形態に係る商品情報管理装置1によれば、無人配送機で配送する商品の中に、商品のサイズ及び重量が未登録の商品が含まれる場合に、その商品の商品情報を解析し、登録されている他の商品情報と比較して、類似度が高い他の商品情報のサイズ及び重量を、その商品のサイズ及び重量であると推定することができる。
【0077】
これにより、注文された商品の中にサイズ及び重量が登録されていない商品が含まれていても、サイズ及び重量が登録されている類似商品に基づいて、サイズ及び重量が登録されていない商品のサイズ及び重量を予測し、注文された商品に対応する積付け情報を提供することが可能となる。
【0078】
[変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0079】
上述した実施形態では、無人配送機に積付ける商品がネットコンビニで注文されたときに、注文された商品に対応する積付情報を出力してネットコンビニシステム2に提供しているが、積付情報を提供するタイミングは、運用に合わせて適宜設定することができる。
【0080】
例えば、ネットコンビニで注文されたときに生成される注文情報をネットコンビニシステム2から受け付けたときに、積付情報を出力してネットコンビニシステム2に提供してもよい。
【0081】
また、例えば、ネットコンビニシステム2の作業用端末から積付情報の提供が要求されたときに、作業用端末に積付情報を提供してもよい。この場合、例えば、以下の手順で作業用端末に積付情報を提供することができる。
【0082】
最初に、店員が、ネットコンビニで注文された各商品を店舗で確保する際に、作業用端末のバーコードスキャン機能を利用して各商品のバーコードを順次読み込む。続いて、その注文が無人配送機で配送する注文である場合に、例えば作業用端末に表示される積付情報を要求するためのボタンを店員が押下する。これにより、ネットコンビニで注文された各商品の積付情報を要求するメッセージが作業用端末から商品情報管理装置1に送信され、その要求に対応する各商品の積付情報が商品情報管理装置1から作業用端末に提供される。
【0083】
また、上述した実施形態では、AIモデルを用いて積付情報を出力しているが、これに限定されず、数理モデルを用いて積付情報を出力することができる。数理モデルには、AIモデルの他、例えば、所定のルールを設定したモデルや所定のルールを実現するための関数(数式)を含むモデルなどが含まれる。所定のルールとして、例えば、重い商品を下に配置するなどの積付けに関するルールを適宜設定することができる。
【0084】
また、上述した実施形態では、配送手段が無人配送機である場合に、積付情報を提供しているが、積付情報を提供するのは、配送手段が無人配送機である場合に限定されず、有人配送機である場合にも本発明を適用することができる。
【0085】
また、上述した実施形態におけるプログラムは、CD、DVDなどの光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)を通じて、又は通信ネットワークなどを介してサーバ装置(媒体)からダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【符号の説明】
【0086】
1…商品情報管理装置、2…ネットコンビニシステム、4…積付情報、11…プロセッサ、12…通信インターフェース、13…記憶装置、111…学習部、112…抽出部、113…特定部、114…提供部、131…プログラム、132…データベース
【要約】
【課題】配送機に商品を積付ける際の効率を向上させることができる商品情報管理装置を提供する。
【解決手段】商品情報管理装置1は、配送機に積付ける商品が注文されたときに、注文された商品に対応する商品情報を抽出する抽出部112と、抽出部112により抽出された商品情報に基づいて、注文された商品に対応する商品のサイズ及び/又は重量を特定する特定部113と、特定部113により特定された商品のサイズ及び/又は重量に基づいて、注文された商品を配送機に積付けるための積付情報を提供する提供部114と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6