(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】貼付剤収納包装品の製造方法、及び、貼付剤収納包装品
(51)【国際特許分類】
A61J 1/00 20230101AFI20230810BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20230810BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230810BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230810BHJP
A61K 31/405 20060101ALI20230810BHJP
A61F 7/10 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A61J1/00 370C
A61K9/70 405
A61K45/00
A61P29/00
A61K31/405
A61F7/10 311Z
(21)【出願番号】P 2019078165
(22)【出願日】2019-03-26
【審査請求日】2022-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390011017
【氏名又は名称】ダイヤ製薬株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517277030
【氏名又は名称】金橋ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】守金 眞滋
(72)【発明者】
【氏名】守金 大蔵
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-79164(JP,A)
【文献】特開2014-128959(JP,A)
【文献】特開2009-45444(JP,A)
【文献】特開2011-57595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/00
A61K 9/70
A61K 45/00
A61P 29/00
A61K 31/405
A61F 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)シート状の保持部材と、前記保持部材に付着接合して積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた貼付剤と、(b)前記貼付剤を収納した包装用容器と、から構成されてなり、前記柔軟効能組成物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される、貼付剤収納包装品の製造方法であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
(A)効能組成物原料を調製する工程、
(B)保持部材の表面の所定の位置領域に前記効能組成物原料と剥離保護部材とを、該剥離保護部材が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、
ここで、前記効能組成物原料が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して、前記保持部材の表面に保持部材周辺余白部を形成する状態で、前記剥離保護部材が前記効能組成物原料と保持部材周辺余白部との表面側に位置する状態で、
前記保持部材に前記効能組成物原料と剥離保護部材とを積層し、
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、
ここで、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記効能組成物原料の表面を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した状態で、
前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封し、
及び、
(D)前記積層物収納包装品を構成する前記効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、前記柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、
ここで、前記剥離保護部材が、前記効能組成物原料の表面と端部を覆って密着すると共に、前記保持部材の前記保持部材周辺余白部の表面を覆って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく、前記保持部材に前記保持部材周辺余白部を形成した状態で、
前記包装用容器が、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、
前記効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成され、
これにより、
効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟状態を有する柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、
該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる、
を備えることを特徴とする貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項2】
(a)シート状の保持部材と、前記保持部材に付着接合して積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた貼付剤と、(b)前記貼付剤を収納した包装用容器と、から構成されてなり、前記柔軟効能組成物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持
部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される、貼付剤収納包装品の製造方法であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と水溶性高分子を含有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と、水溶性高分子とを含有する流動性を有する流動効能組成物原料から、時間の経過とともに、流動性のない粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成される性質を有し、
(A)
効能組成物原料を調製する工程、
ここで、前記効能組成物原料は流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料であり、
(B)保持部材の表面の所定の位置領域に、前記流動効能組成物原料と剥離保護部材とを、該剥離保護部材が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、
ここで、前記流動効能組成物原料は流動性を有し、
前記流動効能組成物原料が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して、
前記保持部材の表面に保持部材周辺余白部を形成する状態で、前記剥離保護部材が前記流動効能組成物原料と保持部材周辺余白部との表面側に位置する状態で、
前記保持部材に前記効能組成物原料と剥離保護部材とを積層し、
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、
ここで、前記流動効能組成物原料は所定形状を有するとともに流動性を維持し、
前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記流動効能組成物原料の表面を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した状態で、
前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封し、
及び、
(D)前記積層物収納包装品を構成する前記流動効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、
ここで、前記剥離保護部材が、前記流動効能組成物原料の表面と端部を覆って密着すると共に、前記保持部材の前記保持部材周辺余白部の表面を覆って密着する状態で、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく、前記保持部材に前記保持部材周辺余白部を形成した状態で、
前記包装用容器が、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、
前記流動効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成され、
これにより、
流動効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟状態を有する柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、
該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる、
を備えることを特徴とする貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項3】
(a)シート状の保持部材と、前記保持部材に付着接合して積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた貼付剤と、(b)前記貼付剤を収納した包装用容器と、から構成されてなり、前記柔軟効能組成物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される、貼付剤収納包装品の製造方法であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と水溶性高分子を含有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と、水溶性高分子とを含有する流動性を有する流動効能組成物原料から、時間の経過とともに、流動性のない粘着性と柔軟性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成される性質を有し、
前記柔軟効能組成物は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる
粘着性と柔軟状態を
有する性質を有し、
前記効能組成物原料は、第二冷却非変形温度に冷却された冷却非変形効能組成物原料であり、
(A)
効能組成物原料を調製する工程、
ここで、
効能組成物原料を調製する工程は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料を調製する流動効能組成物原料調製工程、
及び、
前記流動効能組成物原料を非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して所定形状を有する非変形状態の冷却非変形効能組成物原料を調製する冷却所定形状形成工程、
を備え、
(B)保持部材の表面の所定の位置領域に前記冷却非変形効能組成物原料と剥離保護部材とを、前記剥離保護部材が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、
ここで、前記冷却非変形効能組成物原料は非変形状態を維持し、
前記冷却非変形効能組成物原料が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して、前記保持部材の表面に保持部材周辺余白部を形成する状態で、前記剥離保護部材が前記冷却非変形効能組成物原料と保持部材周辺余白部との表面側に位置する状態で、
前記保持部材に前記冷却非変形効能組成物原料と剥離保護部材とを積層し、
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、
ここで、前記冷却非変形効能組成物原料は非変形状態を維持し、
前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記冷却非変形効能組成物原料の表面を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した状態で、
前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封し、
及び、
(D)前記積層物収納包装品を第三柔軟熟成温度に昇温させて、前記冷却非変形効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、
ここで、前記剥離保護部材が、前記冷却非変形効能組成物原料の表面と端部を覆って密着すると共に、前記保持部材の前記保持部材周辺余白部の表面を覆って密着する状態で、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく、前記保持部材に前記保持部材周辺余白部を形成した状態で、
前記包装用容器が、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、
前記流動効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成され、
これにより、
流動効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟状態を有する柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、
該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる、
を備えることを特徴とする貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項4】
(a)シート状の保持部材と、前記保持部材に付着接合して積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた貼付剤と、(b)前記貼付剤を収納した包装用容器と、から構成されてなり、前記柔軟効能組成物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される、貼付剤収納包装品の製造方法であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記柔軟効能組成物は、互いに異なる組成成分を含有する複数種類の柔軟効能組成物を備え、
前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物は、少なくとも、水と水溶性高分子を含有し、
前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物は、少なくとも、水と、水溶性高分子とを含有する流動性を有する流動効能組成物原料から、時間の経過とともに、流動性のない粘着性と柔軟性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成される性質を有し、
(A)
効能組成物原料を調製する工程、
ここで、
効能組成物原料を調整する工程は、流動可能な流動状態を有する複数種類の流動効能組成物原料を調製する流動効能組成物原料調製工程、
を備え、
効能組成物原料は、流動可能な流動状態を有する複数種類の流動効能組成物原料を備え、
前記複数種類の流動効能組成物原料のそれぞれの流動効能組成物原料は互いに異なる組成成分を含有し、
(B)保持部材の表面の所定の位置領域に、それぞれの流動効能組成物原料と剥離保護部材とを、前記剥離保護部材が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、
ここで、前記それぞれの流動効能組成物原料は所定形状を有するとともに流動性を有し、
(i)それぞれの流動効能組成物原料は保持部材の平面領域に互いに隣り合う位置に積層され、
及び/又は、
(ii)それぞれの流動効能組成物原料は保持部材の積層方向に互いに重なり合う位置に積層され、
前記複数種類の流動効能組成物原料が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して、前記保持部材の表面に保持部材周辺余白部を形成する状態で、前記剥離保護部材が前記複数種類の流動効能組成物原料と保持部材周辺余白部との表面側に位置する状態で、
前記保持部材に前記複数種類の流動効能組成物原料と剥離保護部材とを積層し、
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、
ここで、
前記複数種類の流動効能組成物原料のそれぞれの流動効能組成物原料は所定形状を有するとともに流動性を維持し、
前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記複数種類の流動効能組成物原料の表面を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した状態で、
前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封し、
及び、
(D)前記積層物収納包装品を構成するそれぞれの流動効能組成物原料を前記保持部材に接合させると共に前記それぞれの流動効能組成物原料を互いに接合させて、流動性のない柔軟状態のそれぞれの柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、
ここで、前記剥離保護部材が、前記複数種類の流動効能組成物原料の表面と端部を覆って密着すると共に、前記保持部材の前記保持部材周辺余白部の表面を覆って密着する状態で、
前記複数種類の流動効能組成物原料が前記保持部材の表面からはみ出すことなく、前記保持部材に前記保持部材周辺余白部を形成した状態で、
前記包装用容器が、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、
前記複数種類の流動効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟性を有する含水
ゲル状の柔軟効能組成物に熟成され、
これにより、
複数種類の流動効能組成物原料のそれぞれの流動効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟状態を有するそれぞれの柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、
該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる、
を備えることを特徴とする貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項5】
(a)シート状の保持部材と、前記保持部材に付着接合して積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた貼付剤と、(b)前記貼付剤を収納した包装用容器と、から構成されてなり、前記柔軟効能組成物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される、貼付剤収納包装品の製造方法であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と水溶性高分子を含有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と、水溶性高分子とを含有する流動性を有する効能組成物原料から、時間の経過とともに、流動性のない粘着性と柔軟性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成される性質を有し、
前記柔軟効能組成物は、互いに異なる組成成分を含有する複数種類の柔軟効能組成物を備え、
前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる
粘着性と柔軟状態を
有する性質を有し、
(A)
効能組成物原料を調製する工程、
この工程において、効能組成物原料を調製する工程は、
第一流動温度において流動可能な流動状態を有する複数種類の流動効能組成物原料を調製する流動効能組成物原料調製工程、ここで、前記複数種類の流動効能組成物原料のそれぞれの流動効能組成物原料は互いに異なる組成成分を含有し、
及び、
前記複数種類の流動効能組成物原料のそれぞれの流動効能組成物原料を非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して所定形状を有する非変形状態のそれぞれの冷却非変形効能組成物原料を調製する冷却所定形状形成工程、
を備え、
(B)保持部材の表面の所定の位置領域に前記それぞれの冷却非変形効能組成物原料と剥離保護部材とを、前記剥離保護部材が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、
ここで、前記それぞれの冷却非変形効能組成物原料は非変形状態を維持し、
(i)それぞれの冷却非変形効能組成物原料は保持部材の平面領域に互いに隣り合う位置に積層され、及び/又は、
(ii)それぞれの冷却非変形効能組成物原料は保持部材の積層方向に互いに重なり合う位置に積層され、
前記複数種類の冷却非変形効能組成物原料が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して、前記保持部材の表面に保持部材周辺余白部を形成する状態で、前記剥離保護部材が前記複数種類の冷却非変形効能組成物原料と保持部材周辺余白部との表面側に位置する状態で、
前記保持部材に前記複数種類の冷却非変形効能組成物原料と剥離保護部材とを積層し、
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、
ここで、前記
複数種類の冷却非変形効能組成物原料のそれぞれの冷却非変形効能組成物原料は非変形状態を維持し、
前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記複数種類の冷却非変形効能組成物原料の表面を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した状態で、
前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封し、
及び、
(D)前記積層物収納包装品を構成するそれぞれの冷却非変形効能組成物原料を前記保持部材に接合させると共に前記それぞれの冷却効能組成物原料を互いに接合させて、流動性のない柔軟状態のそれぞれの柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、
ここで、前記剥離保護部材が、前記複数種類の冷却非変形効能組成物原料の表面と端部を覆って密着すると共に、前記保持部材の前記保持部材周辺余白部の表面を覆って密着する状態で、
前記前記包装用容器が、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、
前記複数種類の冷却非変形効能組成物原料が前記保持部材の表面からはみ出すことなく、前記保持部材に前記保持部材周辺余白部を形成した状態で、
前記包装用容器が、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、
前記複数種類の冷却非変形効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成され、
これにより、
複数種類の冷却非変形効能組成物原料のそれぞれの冷却効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟状態を有するそれぞれの柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる、
を備えることを特徴とする貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項6】
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記(C)工程において、
前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、
変形可能な程度の柔軟性を有する包装用容器の中に位置する状態で、包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態で、前記包装用容器の開口部を密封して、前記包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態に形成された積層物収納包装品を調製する積層物包装工程を備え、
ここで、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記効能組成物原料の表面を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封し、
前記(D)工程において、
前記積層物収納包装品を構成する前記効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、前記柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程を備え、
前記剥離保護部材が、前記効能組成物原料の表面と端部を覆って密着すると共に、前記保持部材の前記保持部材周辺余白部に密着する状態で、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく、前記保持部材に前記保持部材周辺余白部を形成した状態で、
前記包装用容器が、該包装用容器の内側と外側との気圧差により、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、
前記効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成され、
これにより、前記包装用容器が該包装用容器の内側と外側との気圧差により前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した
貼付剤収納包装品が得られる、
ことを特徴とする請求項1乃至
5のいずれかに記載の貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項7】
前記包装用容器は
、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有するとともに、加熱により収縮する性質を有する熱収縮性包装用容器であり、
前記(C)工程において、
前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、
変形可能な程度の柔軟性を有するとともに、加熱により収縮する性質を有する熱収縮性包装用容器の中に位置する状態で、前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、熱収縮性を有する
熱収縮性包装用容器の中に位置する状態で、前記
熱収縮性包装用容器を加熱により熱収縮させるとともに前記
熱収縮性包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、
を備え、
ここで、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、熱収縮性包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記効能組成物原料の表面を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した状態で、前記熱収縮性包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記熱収縮性包装用容器の開口部を密封し、
前記(D)工程において、
前記積層物収納包装品を構成する前記効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、前記柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保
護部材積層物を調製する熟成工程を備え、
前記剥離保護部材が、前記効能組成物原料の表面と端部を覆って密着すると共に、前記保持部材の前記保持部材周辺余白部に密着する状態で、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく、前記保持部材に前記保持部材周辺余白部を形成した状態で、
前記熱収縮性包装用容器が、加熱による熱収縮作用により収縮して、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、
前記効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成され、
これにより、前記
熱収縮性包装用容器が熱収縮作用により
収縮して、前記熱収縮性包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した
貼付剤収納包装品が得られる、
ことを特徴とする請求項1乃至
5のいずれかに記載の貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項8】
前記包装用容器は、加熱により溶融融着する材料から構成され、
前記(C)工程において、
前記効能組成物原料が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部を形成する状態を維持すると共に、前記剥離保護部材が前記効能組成物原料の表面と保持部材周辺余白部の表面を覆って積層した状態で、
前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、変形可能な程度の柔軟性を有する包装用容器の中に位置する状態で、
前記包装用容器の開口部を加熱する
とともに押圧して、前記包装用容器の開口部を溶融融着して密封し、
これにより、前記包装用容器が該包装用容器の内側と外側との気圧差により前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した貼付剤収納包装品が得られる、
ことを特徴とする請求項
6に記載の貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項9】
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水溶性高分子と架橋剤とを含有し、
前記水溶性高分子は、少なくとも、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸中和物、ポリアクリル酸部分中和物、アクリル酸メタクリル酸共重合体、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシビニルポリマ-、及び、これらの塩類からなる群から選ばれる少なくとも一つの架橋性水溶性高分子を含有し、
前記(D)工程において、前記架橋性水溶性高分子が前記架橋剤との化学反応により架橋されて、これにより、効能組成物原料が流動性のない柔軟状態を有する柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の貼付剤収納包装品の製造方法。
【請求項10】
貼付剤と、前記貼付剤を収納した包装用容器とを備え、
前記貼付剤は、シート状の保持部材と、前記保持部材の表面の所定の位置領域に付着接合して配置されて積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備え
た保持部材・柔軟効能組成物・剥離部材積層物の形態を有し、
前記柔軟効能組成
物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される貼付剤収納包装品であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに、前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤が前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態を有し、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部を形成する状態を有し、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が前記柔軟効能組成物を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した形態で形成されてなり、
前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなり、
前記貼付剤は、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面領域に位置する状態で前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が、前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着すると共に前記柔軟効能組成物の表面と端部を覆ってなる状態を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が粘着性を有するとともに柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなる、
ことを特徴とする貼付剤収納包装品。
【請求項11】
貼付剤と、前記貼付剤を収納した包装用容器とを備え、
前記貼付剤は、シート状の保持部材と、前記保持部材の表面の所定の位置領域に付着接合して配置されて積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた保持部材・柔軟効能組成物・剥離部材積層物の形態を有し、
前記柔軟効能組成物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される貼付剤収納包装品であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態を有し、
前記柔軟効能組成物は、流動状態を有する流動効能組成物原料の形態から、流動性のない柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有してなり、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と水溶性高分子を含有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と、水溶性高分子とを含有する流動性を有する流動効能組成物原料から、時間の経過とともに、流動性のない粘着性と柔軟性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成される性質を有し、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材
周辺余白部を形成する状態を有し、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が前記柔軟効能組成物を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した形態で形成されてなり、
前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなり、
前記貼付剤は、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面領域に位置する状態で前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が、前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着すると共に前記柔軟効能組成物の表面と端部を覆ってなる状態を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が粘着性を有するとともに柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなる、
ことを特徴とする貼付剤収納包装品。
【請求項12】
貼付剤と、前記貼付剤を収納した包装用容器とを備え、
前記貼付剤は、シート状の保持部材と、前記保持部材の表面の所定の位置領域に付着接合して配置されて積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた保持部材・柔軟効能組成物・剥離部材積層物の形態を有し、
前記柔軟効能組成物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される貼付剤収納包装品であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤が前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態を有し、
前記柔軟効能組成物は、流動状態を有する流動効能組成物原料の形態から、流動性のない柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有してなり、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と水溶性高分子を含有し、
前記柔軟効能組成物は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料の形態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有する冷却非変形効能組成物原料の形態を有し、第二冷却非変形温度から昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する性質を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、該柔軟効能組成物が、前記第二冷却非変形温度における非変形状態を有する形態から、前記第三柔軟熟成温度における流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成された熟成形態を有してなる粘着性を有してなり、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部を形成する状態を有し、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が前記柔軟効能組成物を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した形態で形成されてなり、
前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなり、
前記貼付剤は、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面領域に位置する状態で前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が、前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着すると共に前記柔軟効能組成物の表面と端部を覆ってなる状態を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が粘着性を有するとともに柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなる、
ことを特徴とする貼付剤収納包装品。
【請求項13】
貼付剤と、前記貼付剤を収納した包装用容器とを備え、
前記貼付剤は、シート状の保持部材と、前記保持部材の表面の所定の位置領域に付着接合して配置されて積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた保持部材・柔軟効能組成物・剥離部材積層物の形態を有し、
前記柔軟効能組成は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される貼付剤収納包装品であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤が前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態を有し、
前記柔軟効能組成物は、流動状態を有する流動効能組成物原料の形態から、流動性のない柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有してなり、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と水溶性高分子を含有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と、水溶性高分子とを含有する流動性を有する効能組成物原料から、時間の経過とともに、流動性のない粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成される性質を有し、
前記柔軟効能組成物は、互いに異なる組成成分を含有する複数種類の柔軟効能組成物を有し、
前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物は、少なくとも粘着性を有すると共に、互いに異なる効能を奏し、
前記貼付剤は、シート状の保持部材と、前記保持部材の表面の所定の位置領域に配置されて接合された複数種類の柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面を覆って積層されたシート状の剥離保護部材とを備え、
(i)前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物は、所定形状を有し、前記保持部材の表面の平面領域に互いに隣り合う位置に配置されるとともに互いに接合されて構成されてなり、
又は、
(ii)前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物は、所定形状を有し、前記保持部材の表面の所定領域に互いに重なり合う位置に積層されて配置されて互いに接合されて構成されてなり、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部を形成する状態を有し、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層され
てなるとともに、前記剥離保護部材が前記柔軟効能組成物を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した形態で形成されてなり、
前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなり、
前記貼付剤は、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面領域に位置する状態で前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が、前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着すると共に前記柔軟効能組成物の表面と端部を覆ってなる状態を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が粘着性を有するとともに柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなる、
ことを特徴とする貼付剤収納包装品。
【請求項14】
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤が前記包装用容器に収納され密封されてなる形態は、
前記貼付剤が包装用容器の中に位置するとともに包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態で、前記貼付剤が前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態であって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部を形成する状態を有し、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が前記柔軟効能組成物を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した形態で形成されてなり、
前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなり、
前記貼付剤は、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面領域に位置する状態で前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が、前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着すると共に前記柔軟効能組成物の表面と端部を覆ってなる状態を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が粘着性を有するとともに柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなる、
ことを特徴とする請求項
10乃至13のいずれかに記載の貼付剤収納包装品。
【請求項15】
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤が前記包装用容器に収納され密封されてなる形態は、
前記包装用容器
が加熱により収縮する性質を有する熱収縮性包装用容器であり、
前記貼付剤が熱収縮性包装用容器の中に位置する状態で、前記熱収縮性包装用容器が加熱により熱収縮されてなる状態で前記貼付剤が前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態で
あって、
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、
前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部を形成する状態を有し、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が前記柔軟効能組成物を覆うと共に前記保持部材の保
持部材周辺余白部に密着した形態で形成されてなり、
前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなり、
前記貼付剤は、前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面領域に位置する状態で前記柔軟効能組成物が前記保持部材の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材が、前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着すると共に前記柔軟効能組成物の表面と端部を覆ってなる状態を有し、
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が粘着性を有するとともに柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなる、
ことを特徴とする請求項
10乃至13のいずれかに記載の貼付剤収納包装品。
【請求項16】
前記柔軟効能組成物は、更に、薬効成分を含有し、
前記包装用容器から取り出された前記貼付剤の剥離保護部材を前記柔軟効能組成物から剥離して、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用されたとき、前記柔軟効能組成物に含有されている前記薬効成分に起因する冷却効能及び/又は薬効を奏する、
ことを特徴とする請求項
10乃至15のいずれかに記載の貼付剤収納包装品。
【請求項17】
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、前記水溶性高分子と架橋剤とを含有し、
前記水溶性高分子は、少なくとも、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸中和物、ポリアクリル酸部分中和物、アクリル酸メタクリル酸共重合体、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシビニルポリマー、及び、これらの塩類からなる群から選ばれる少なくとも一つの架橋性水溶性高分子を含有し、
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と、水溶性高分子とを含有する流動性を有する効能組成物原料から、時間の経過に従って、流動性のない粘着性と柔軟性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成される性質を有する、
ことを特徴とする請求項9乃至16のいずれかに記載の貼付剤収納包装品。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に貼付することにより、冷感効能、温感効能、清涼効能、鎮痛効能、消炎効能、又は、その他の薬理効能、等の効能を奏する貼付剤を包装した貼付剤包装品に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の発熱に対する氷枕や氷のうの代わりに、携帯性、貼付性に優れている人体貼付用冷却材として、主として含水水溶性高分子を含有する含水ゲル組成物を備えた種々の冷却用貼付剤が提案されている。
また、含水水溶性高分子を含有する含水ゲル組成物に鎮痛成分、消炎成分などの薬効成分を含有し、人体に貼付することにより経皮的に作用して、その薬効成分に対応する効能を奏する種々の薬効用貼付剤が提案されている。
また、水を含有しない非水系組成物、合成ゴム、天然ゴム等の弾性を有する非水系弾性組成物に鎮痛成分、消炎成分などの薬効成分を含有し、人体に貼付することにより経皮的に作用して、その薬効成分に対応する効能を奏する種々の薬効用貼付剤が提案されている。
【0003】
例えば、特開2000-107219号公報(特許文献1)には、水溶性高分子からなりかつ水が40重量%以上含有された保水性母材と、該保水性母材内に分散保持された少なくとも表面が親水性を有する繊維とからなり、該繊維の少なくとも一部が上記保水性母材表面に露出している保冷・保湿用ゲルであって、保水性母材内に多量に保水することができ保湿能に優れており、また繊維によって該母材内を水分が移動し易く、且つこれらの繊維によって保水性母材から外部への水分の揮散も容易に起き、保冷能にも優れる効果が開示されている。
【0004】
特開2004-298474号公報(特許文献2)には、伸縮性シートの片面に複数個の突起が設けられた支持体の突起を有する面に(A)ポリアクリル酸及び/又はその塩、(B)架橋剤を配合した含水ゲルが塗工されてなる貼付剤であって、優れた指圧効果を発揮し、患部の高い血流改善・治療効果が得られる。また、柔軟性・弾力性を有する含水ゲル層がクッションとなり突起物による鋭い痛みを感じないため、長時間にわたって心地よい使用感を奏する効果が開示されている。
【0005】
特開2004-231577号公報(特許文献3)には、少なくとも水溶性高分子と水分と官能成分とを含む保水ゲル中に、アロマオイル、薬理活性物質などの官能成分を担持して徐放するゲル粒子が分散されてなるパッド材であって、保水ゲルを用いたパッド材を人体に貼付し続けた場合において、次第に、このパッド材による実質的な官能効果や感覚的な官能効果が低下するのを抑制し、長時間にわたって十分な官能効果を奏する効果が開示されている。
【0006】
特開2003-183156号公報(特許文献4)には、支持体に膏体層を設けてなる外用貼付剤において、該膏体層を形成する膏体組成物が、非水性基剤、インドメタシン等の薬効成分及びポリエチレングリコールを含有すること外用貼付剤であって、貼付剤の粘着性や使用感等を良好に保ちつつ、皮膚障害を抑制できる効果を奏することが開示されている。
【0007】
再表2001-47559号公報(特許文献5)には、支持体と該支持体上に塗工された薬物保持層とを有する外用貼付剤であって、前記薬物保持層が、水溶性高分子物質、架橋剤、水、及び保水剤を必須成分とする粘着性ゲル基剤に、薬効成分としてテトラカイン、プロカイン、ジブカイン、リドカイン、ベンゾカイン、キシロカイン、又はこれらの薬学的に許容される塩の化合物からなる局所麻酔剤及びケトプロフェン、ピロキシカム、フェルビナク、ブフェキサマク、スプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナック、イブプロフェン、又はこれらの薬学的に許容される塩の化合物からなる非ステロイド系消炎鎮痛剤を含有してなる薬物含有基剤からなる外用貼付剤であって、慢性関節リウマチ、変形性関節症、及び腰痛症からなる群から選択される炎症を伴う痛みに対する鎮痛用剤である外用貼付剤であって、慢性関節リウマチや変形性関節症、腰痛症等の炎症を伴う痛みの鎮痛効果を改善しうる効果が開示されている。
【0008】
特開2001-64161号公報(特許文献6)には、支持体部と膏体部からなる貼付剤において、膏体部を有し、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナク、又はクロモグリク酸などの水難溶性薬物を含有する貼付剤であって、剥がれ、めくれを生じす、且つ膏体表面についている剥離ライナーが剥がしやすく、肩、腰等へも貼付しやすく、剥がした際に膏体が皮膚表面に残らない使用性に優れた効果を奏することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2000-107219号公報
【文献】特開2004-298474号公報
【文献】特開2004-231577号公報
【文献】特開2003-183156号公報
【文献】再表2001-47559号公報
【文献】特開2001-64161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記従来の貼付剤、及び、貼付剤を包装用容器の中に収納した貼付剤収納包装品において、一般に、シート状の保持部材の表面に、含水ゲル組成物原料又は膏体組成物原料などの流動状態を有する効能組成物原料を積層し、さらに、その流動状態の効能組成物原料の表面に剥離保護部材を積層し、その後、積層された積層物のうちの流動状態の効能組成物原料を流動しない程度の柔軟状態に熟成して柔軟効能組成物に処理する熟成処理工程を含む方法により貼付剤を製造し、その後、更に、保持部材の表面に積層されるとともに柔軟状態に熟成処理された柔軟効能組成物と剥離保護部材とから構成されたその貼付剤を、水分透過や空気透過を抑制できる包装用容器に収納するとともに包装用容器を密封して貼付剤収納包装品を製造する方法により、貼付剤収納包装品が製造されている。
【0011】
従来の一般的な貼付剤収納包装品の製造方法の一例の製造工程を以下に説明する。
図12、
図13は、一般的な従来の貼付剤収納包装品の製造方法の製造工程の一例を説明する概略工程模式図である。
図13において、従来の貼付剤収納包装品の製造方法の一例は以下の工程により製造されている。
(a)工程:第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程.
(b)工程:保持部材21の表面の所定の位置領域に、流動効能組成物原料22aと剥離保護部材23とを、剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する剥離保護部材積層工程.
(c)工程:保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、第三柔軟熟成温度の雰囲気中で、流動効能組成物原料22aを流動性状態から流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成させて変化させるとともに柔軟効能組成物22を保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、流動効能組成物原料22aが柔軟効能組成物22に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を収納した貼付剤2が得られる.
(d)工程:貼付剤2を包装用容器3の中に位置する状態で、包装用容器3の開口部を密封して、包装用容器密封部3aを形成する。これにより、貼付剤2を収納した貼付剤収納包装品が得られる.
【0012】
図12において、従来の貼付剤収納包装品の製造方法の一例は以下の工程により製造されている。
(a)工程:第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程.
(b-イ)工程:保持部材21の表面の所定の位置領域に、流動効能組成物原料22aと剥離保護部材23とを、剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する剥離保護部材積層工程、ここで、流動効能組成物原料22aは保持部材21の表面の周辺部よりも内側に位置するように積層される.
(b-イ)工程に替えて、(b-ロ)工程:保持部材21の表面の所定の位置領域に、流動効能組成物原料22aと剥離保護部材23とを、剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する剥離保護部材積層工程、ここで、流動効能組成物原料22aは保持部材21の表面の周辺部と同じ位置に位置するように積層される.
(b-ハ)工程:(b-イ)工程又は(b-ロ)工程の後、時間が経過するに従って、流動効能組成物原料22aが流動性を有するために、流動効能組成物原料22aの厚さHが減少して厚さH2になると共に流動効能組成物原料22aが保持部材21の端面からはみ出し長さL2の状態ではみ出した状態になる。
又は、(b-ニ)工程:(b-イ)工程又は(b-ロ)工程の後、時間が経過するに従って、流動効能組成物原料22aが流動性を有するために、流動効能組成物原料22aの厚さHが減少して厚さH2になると共に流動効能組成物原料22aが保持部材21の端面からはみ出すと共に保持部材の端面方向に流れて長さL2の状態ではみ出すと共に流れ出した状態になる。
【0013】
(c-イ)工程:(b-ハ)工程の状態において、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、前記第一流動温度と同じ温度、又は、第三柔軟熟成温度の雰囲気中で、流動効能組成物原料22aを流動性状態から流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成させるとともに柔軟効能組成物22を保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、流動効能組成物原料22aが柔軟効能組成物22に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を収納した貼付剤2が得られる。ここで、はみ出している流動効能組成物原料22aも流動性状態から流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成される。
又は、(c-ロ)工程:(b-ニ)工程の状態において、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、前記第一流動温度と同じ温度、又は、第三柔軟熟成温度の雰囲気中で、流動効能組成物原料22aを流動性状態から流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成させるとともに柔軟効能組成物22を保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、流動効能組成物原料22aが柔軟効能組成物22に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を収納した貼付剤2が得られる。ここで、はみ出すと共に保持部材の端面方向に流れて付着している流動効能組成物原料22aも流動性状態から流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成される。
【0014】
(d-イ)工程:貼付剤2を包装用容器3の中に位置する状態で、包装用容器3の開口部を密封する、これにより、貼付剤2を収納した貼付剤収納包装品が得られる。ここで、はみ出している流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22は熟成された状態を維持する。
又は、(d-ロ)工程:貼付剤2を包装用容器3の中に位置する状態で、包装用容器3の開口部を密封する、これにより、貼付剤2を収納した貼付剤収納包装品が得られる。ここで、はみ出すと共に保持部材端面側に付着している流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22は熟成された状態を維持する。
このようにして、従来の貼付剤収納包装品が製造される。
【0015】
従来の貼付剤収納包装品の製造方法の他の一例は以下の工程により製造されている。
前述の
図12における(a)工程、及び、(b-イ)により調製された保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、包装用容器の中に位置して、包装用容器の開口部を密封する。
そして、包装用容器の中に収納された保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物の流動効能組成物原料22aが流動性のない柔軟性を有する柔軟効能組成物22に熟成されて変化し、これにより保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を収納した貼付剤2が得られる。
この従来の製造方法においても、
図12の(b-ハ)に示されるように、流動効能組成物原料22aが流動性を有するために、時間の経過に従って流動効能組成物原料22aの厚さHが減少して厚さH2になると共に流動効能組成物原料22aが保持部材21の端面からはみ出し長さL2の状態ではみ出した状態になり、はみ出すと共に保持部材の端面方向に流れて付着している流動効能組成物原料22aが(c-イ)に示されるように流動性状態から流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成される。
【0016】
上記のような従来の貼付剤を包装用容器の中に収納した貼付剤収納包装品において、保持部材と柔軟効能組成物と剥離保護部材とより構成される貼付剤を製造する工程と、その貼付剤を包装用容器の中に収納して密封する工程との2工程を要して製造されており、貼付剤収納包装品を製造するための更なる製造工程の効率化が要求されている。
【0017】
また、貼付剤が製造されてから包装用容器に収納されるまでの時間が長い場合には、製造工程中における柔軟効能組成物中に含有される成分の蒸発発散又は空気との化学反応による含有成分の劣化等による含有組成変化が発生し、そのために、貼付剤の品質が不安定になる傾向がある。
【0018】
また、従来の貼付剤収納包装品において、流動状態を有する効能組成物原料を保持部材の表面に積層する製造方法を含むことに起因して、柔軟状態に熟成した柔軟効能組成物の厚さ、平面形状、積層位置などの寸法精度や位置精度にバラツキが発生する傾向があり、不良品の発生の原因となっている。
【0019】
また、従来の貼付剤収納包装品において、保持部材と剥離保護部材との間に構成されている柔軟効能組成物が保持部材と剥離保護部材の間の端部からはみ出した貼付剤が製造されるという不良が生じる傾向がある。そのはみ出した柔軟効能組成物を構成する貼付剤を包装用容器の中に収納した場合に、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着し、貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が生じる傾向にある。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が粘着性を奏するために、そのはみ出した柔軟効能組成物を有する貼付剤を人体皮膚に貼付した状態において、保持部材に支持されていないそのはみ出して露出している柔軟効能組成物の部分が、衣服に接触して貼付剤が衣服に粘着する現象や、はみ出した柔軟効能組成物の一部分が保持部材の裏面側に露出して保持部材の裏面側の一部が粘着性を有する等の不快感を感じる傾向がある。
【0020】
また、保持部材と流動効能組成物原料と剥離保護部材とより構成される保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層物を包装用容器の中に収納して密封し、その収納密封状態で流動効能組成物原料を流動性のない柔軟効能組成物に熟成させる工程を備えた貼付剤収納包装品においても、保持部材と剥離保護部材との間に構成されている柔軟効能組成物が保持部材と剥離保護部材の間の端部からはみ出した貼付剤が製造されるという不良が生じる傾向がある。そのはみ出した柔軟効能組成物を構成する貼付剤が包装用容器の中に収納された状態になっている為に、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着し、貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が生じる。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が粘着性を奏するために、そのはみ出した柔軟効能組成物を有する貼付剤を人体皮膚に貼付した状態において、保持部材に支持されていないそのはみ出して露出している柔軟効能組成物の部分が、衣服に接触して貼付剤が衣服に粘着する現象や、はみ出した柔軟効能組成物の一部分が保持部材の裏面側に露出して保持部材の裏面側の一部が粘着性を有する等の不快感を感じる傾向がある。
【0021】
本発明は、上記課題を解決して、保持部材と柔軟効能物と剥離保護部材とを積層した貼付剤を収納した貼付剤収納包装品を従来よりも少ない工程により製造できる貼付剤収納包装品の製造方法及び貼付剤収納包装品を提供する。
また、上記課題を解決して、保持部材の表面に、柔軟効能組成物を、厚さ、面積、形状、積層位置などを高精度で積層形成可能である貼付剤収納包装品の製造方法及び貼付剤収納包装品を提供する。
また、上記課題を解決して、保持部材と剥離保護部材との間に構成されている柔軟効能組成物のはみ出し現象を抑制できる貼付剤収納包装品の製造方法及び貼付剤収納包装品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法は、(a)シート状の保持部材と、前記保持部材に付着接合して積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備えた貼付剤と、(b)前記貼付剤を収納した包装用容器と、から構成されてなり、前記柔軟効能組成物は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される、貼付剤収納包装品の製造方法であって、前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、(A)効能組成物原料を調製する工程、(B)保持部材の表面の所定の位置領域に前記効能組成物原料と剥離保護部材とを、前記剥離保護部材が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、及び、(D)前記積層物収納包装品を構成する前記効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟状態を有する柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる、構成を備えることを特徴とする。
【0023】
本発明の貼付剤収納包装品は、貼付剤と、前記貼付剤を収納した包装用容器とを備え、前記貼付剤は、シート状の保持部材と、前記保持部材の表面の所定の位置領域に付着接合して配置されて積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備え、前記柔軟効能組成は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される貼付剤収納包装品であって、前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤が前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態を有し、前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が粘着性を有するとともに柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明により下記の効果が得られる。
[方法効果ア:貼付剤密着収納]:
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法により、保持部材と熟成された柔軟効能物と剥離保護部材とを積層した貼付剤を製造する工程と該貼付剤を収納用容器に収納する工程との双方の工程を経ることなく、包装用容器の中に収納された状態で熟成された柔軟効能組成物を有する貼付剤を形成できると共に該熟成された柔軟効能組成物を有する貼付剤を収納した貼付剤収納包装品を得ることが可能になり、その結果、製造工程が従来よりも著しく簡略化され、量産性が向上し、著しいコストダウンが可能となる貼付剤収納包装品を製造できる効果が得られる。
また、柔軟効能組成物が包装用容器の中に収納された状態で熟成されるために、貼付剤が製造されてから包装用容器に収納されるまでの時間が短縮される。
更に、製造工程中における柔軟効能組成物中に含有される成分の蒸発発散又は空気との化学反応による含有成分の変質や劣化等による含有組成変化や化学的劣化が抑制されて、安定した品質を有する貼付剤が得られる。
更に、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成されて変化されるために、熟成中における効能組成物原料の形状が維持されるために、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が保持部材に支持されていなく貼付剤の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる。
【0025】
[構成効果ア:貼付剤収納包装品]:
本発明の貼付剤収納包装品において、貼付剤が包装用容器の中に位置するとともに包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する構成を備える構成により、柔軟効能組成物中に含有される成分の蒸発発散又は空気との化学反応による含有成分の変質や劣化等による含有成分の含有組成変化や化学的劣化が抑制されて、安定した品質を有する貼付剤収納包装品が得られる効果が得られる。
更に、熟成中における効能組成物原料の形状が維持されてなる構成を備えるために、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。
更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の製造工程を説明する工程説明図及び概略工程模式図である。
【
図2】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の製造工程を説明する工程説明図及び概略工程模式図である。
【
図3】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の概略工程模式図である。
【
図4】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の概略工程模式図である。
【
図5】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の概略工程模式図である。
【
図6】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の概略工程模式図である。
【
図7】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の概略工程模式図である。
【
図8】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の概略工程模式図である。
【
図9】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品に収納されている貼付剤の複数種類の柔軟効能組成物の配置を示す概略平面模式図である。
【
図10】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品に収納されている貼付剤に構成される柔軟効能組成物の形状を示す概略平面模式図である。
【
図11】本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の概略工程模式図である。
【
図12】従来の貼付剤収納包装品の製造方法の一例の製造工程を説明する概略工程模式図である。
【
図13】従来の貼付剤収納包装品の製造方法の一例の製造工程を説明する概略工程模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<貼付剤収納包装品の製造方法について>
以下に、本発明の貼付剤収納包装品の製造方法及び貼付剤収納包装品について、発明を実施するための形態について説明する。なお、図において、それぞれの構成要素の形状・長さ・大きさ・厚さ等の寸法は正確に示すものではなく、模式的な概略を示すものである。
【0028】
図1は本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の製造工程を説明する工程説明図及び概略工程模式図である。
図1の(A)、(B)、(C)、(D)の図示された概略工程模式図において、本発明の貼付剤収納包装品の製造方法は、(a)シート状の保持部材21と、前記保持部材21に付着接合して積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物22と、前記柔軟効能組成物22の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材23とを備えた貼付剤2と、(b)前記貼付剤1を収納した包装用容器3と、から構成されてなり、前記柔軟効能組成物22は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤2が包装用容器3から取り出され、取出された前記貼付剤2から前記剥離保護部材23が剥離されて、前記保持部材21に積層して接合された前記柔軟効能組成物22を人体皮膚に貼付して使用される、貼付剤収納包装品1の製造方法であって、下記の構成、工程を備える。
包装用容器3は、貼付剤2の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有する.
(A)効能組成物原料22aを調製する工程.
(B)保持部材21の表面の所定の位置領域に前記効能組成物原料22aと剥離保護部材23とを、該剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程.
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器3の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器3の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程.
(D)前記積層物収納包装品を構成する前記効能組成物原料22aを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成させるとともに該柔軟効能組成物22を前記保持部材21に付着接合させて、前記柔軟効能組成物22が前記保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、効能組成物原料22aが流動性のない粘着性と柔軟状態を有する柔軟効能組成物22に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる.
【0029】
この構成により、下記の効果が得られる。
本発明により下記の効果が得られる。
[方法効果ア:貼付剤密着収納]:
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法により、保持部材と熟成された柔軟効能物と剥離保護部材とを積層した貼付剤を製造する工程と該貼付剤を収納用容器に収納する工程との双方の工程を経ることなく、包装用容器の中に収納された状態で熟成された柔軟効能組成物を有する貼付剤を形成できると共に該熟成された柔軟効能組成物を有する貼付剤を収納した貼付剤収納包装品を得ることが可能になり、その結果、製造工程が従来よりも著しく簡略化され、量産性が向上し、著しいコストダウンが可能となる貼付剤収納包装品を製造できる効果が得られる。
更に、柔軟効能組成物が包装用容器の中に収納された状態で熟成されるために、貼付剤が製造されてから包装用容器に収納されるまでの時間が短縮される。
更に、その結果、製造工程中における柔軟効能組成物中に含有される成分の蒸発発散又は空気との化学反応による含有成分の変質や劣化等による含有組成変化や化学的劣化が抑制されて、安定した品質を有する貼付剤が得られる。
更に、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成されるために、また、熟成中における効能組成物原料の形状が維持されるために、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。
更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が保持部材に支持されていなく貼付剤の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる。
【0030】
<流動性を有する流動効能組成物原料を構成する方法について>
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の工程を備える製造方法も実施可能である。
前記効能組成物原料22aは流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aであり、前記効能組成物原料22aは流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aであって、下記の構成を備える。
(A)流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程.
(B)保持部材21の表面の所定の位置領域に、前記流動効能組成物原料22aと剥離保護部材23とを、該剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、ここで、流動効能組成物原料22aは所定形状を有するとともに流動性を有する.
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器3の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器3の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、ここで、前記流動効能組成物原料22aは所定形状を有するとともに流動性を維持する.
(D)前記積層物収納包装品を構成する流動効能組成物原料22aを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成させるとともに該柔軟効能組成物22を保持部材21に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、流動効能組成物原料22aが流動性のない粘着性と柔軟状態を有する柔軟効能組成物22に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が前記包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
【0031】
この構成により、下記の効果が得られる。
[方法効果イ:流動効能組成物原料]:
前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、包装用容器が保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料が保形成を有する流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成されて変化されるために、また、熟成中における流動効能組成物原料の形状が維持されるために、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている流動効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が保持部材に支持されていなく貼付剤の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる。
【0032】
なお、図示されていないが、(B)工程により得られた保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物、又は、(C)工程により得られた積層物収納包装品を所定間隔を有する2本ロールの間に通過させて、効能組成物原料の厚さを更に正確に整えるとともに、保持部材と効能組成物原料との密着性をさらに向上する工程を備える構成も実施可能である。
【0033】
保持部材21としては、特に限定されないが、例えば、微細凹凸表面を有する多孔性材料から構成される材料が望ましく実施可能であり、柔軟効能組成物22の一部が保持部材21の微細凹凸表面の凹凸の内部に入り込む状態で付着し、これにより柔軟状態の柔軟効能組成物22が保持部材21から剥がれることなく接合して構成される作用効果が得られる。
このような保持部材21としては、特に限定されないが、上記の柔軟効能組成物22が保持部材21に浸透して、柔軟効能組成物22が充分に保持されるものであればよく、例えば、各種の合成繊維及び天然繊維を用いた不織布又は織布等の繊維集合体、紙等の繊維集合体を用いることができる。また、保持部材21としては、特に、伸縮性を有する構造体が望ましく、保持部材21に含水ゲル状柔軟効能組成物などを積層した貼付剤を人体に貼って使用するときに、貼付剤を伸縮自在に人体に貼付可能であり、貼付した後においても人体の動きに対応して貼付剤が自在に伸縮し、保持部材21と柔軟効能組成物22との境界分離することなく、また、貼付剤2が人体から剥がれることなく安定して使用可能となる。
【0034】
剥離保護部材23は、粘着性を有する柔軟効能組成物22の表面に積層して柔軟効能組成物表面を保護し、使用時には、柔軟効能組成物22の表面から剥離除去される。
剥離保護部材23としては、特に限定されないが、ポリプロピレン製フィルム、ポリエチレン製フィルム、ポリエステル製フィルム、その他のプラスチック製フィルム等の、保存時に粘着性を有する柔軟効能組成物22の表面を保護可能な程度の機械的強度を有するとともに、使用時に容易に柔軟効能組成物22の表面から剥離可能な部材が使用出来る。
【0035】
貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有する包装用容器としては大気中の空気の侵入を抑制又は防止可能な構成を有するもの、所望の機能を有するもの等が使用できる。その包装用容器として使用可能な材料としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム製、金属箔製等の単層フィルム又は積層ラミネートフィルムが使用可能である。単層フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム、ポリアミド(ナイロン)製フィルム、ポリビニルアルコール製フィルム、ポリプロピレン製フィルム、ポリエチレン製フィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体製フィルム、ポリアクリロニトリル製フィルム、その他の変形可能なプラスチック製フィルムなどが使用可能である。また、積層ラミネットフィルムとしては、変形可能な上記のプラスチック製フィルム、金属箔シート(例えばアルミニウム箔シート)、紙シート、クラフト紙、織布製シート、不織布製シート、金属(例えばアルミニウム)蒸着プラスチック製シート等のシート状フィルムを、2種類以上を積層した積層ラミネートフィルムが使用可能である。
また、所望機能を有する包装用容器シートとしては、空気透過を抑制できる機能、屈曲強靭性を有する機能、皺防止性を有する機能、破れにくい機能、所望の裂破り性を有する機能、文字を印刷できる機能、その他の所望の機能を有するシート材料が使用できる。
気体、空気、湿度などの透過性を著しく抑制できる材質を使用した構成も望ましく使用可能であり、例えば、アルミニウム箔等の金属箔や、金属蒸着膜有するプラスチック製フィルムを構成した積層ラミネートフィルムが特に望ましく、これにより、貼付剤収納包装品の保存中における貼付剤に含有されている水等の含有成分の蒸散が抑制されると共に、外部からの空気や腐敗菌等の侵入に起因する柔軟効能組成物の劣化や腐敗が抑制される効果が得られる。
貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有する包装用容器の厚さとしては、特に限定されなく、材質により異なり、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの2層のラミネートフィルム、ポリエチレンテレフタレート/ポリアミド/高密度度ポリエチレンの多層のラミネートフィルム、ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの多層のラミネートフィルム、クラフト紙/アルミニウム箔/ポリエチレンの多層のラミネートフィルム、ポリアミド/アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの多層のラミネートフィルム、クラフト紙/ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリプロピレンの多層のラミネートフィルム、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート/アルミニウム箔/ポリエチレンの多層のラミネートフィルムであって、貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有するラミネートフィルム全体の厚さが約0.01~約0.3mmが望ましく実施可能である。ラミネートフィルムに構成されるそれぞれのプラスチック製フィルムシートの厚さは約10~約100μmが好ましく、アルミニウム箔の厚さは約5~約20μmが好ましく実施可能である。
また、包装用容器として、内層にポリエチレンやポリプロピレンを構成したラミネ-トフィルム製の包装用容器の開口部を加熱するとともに押圧して開口部を熱融着密封する構成も好ましく実施可能であり、これにより開口部の接合密封が容易に実施される。
【0036】
<冷却した冷却非変形効能組成物原料を構成する方法について>
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、柔軟効能組成物22としては、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物22も実施可能である。
すなわち、本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
図2は本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の他の製造工程を説明する工程説明図及び概略工程模式図である。
図2において、前記柔軟効能組成物22は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する。
前記効能組成物原料22aは、前記第二冷却非変形温度に冷却された冷却非変形効能組成物原料22aである。
そして、下記の構成を備えることを特徴とする。
(A)第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程、及び、前記流動効能組成物原料22aを非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して所定形状を有する非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bを調製する冷却所定形状形成工程.
(B)保持部材21の表面の所定の位置領域に前記冷却非変形効能組成物原料22bと剥離保護部材23とを、前記剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、ここで、前記冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を維持する.
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器3の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、ここで、前記冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を維持する.
(D)前記積層物収納包装品を第三柔軟熟成温度に昇温させて、前記冷却非変形効能組成物原料22bを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成させるとともに該柔軟効能組成物22を前記保持部材21に付着接合させて、柔軟効能組成物22が前記保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟状態を有する柔軟効能組成物22に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が前記包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
例えば、一実施例として、
図2において、効能組成物原料が、(A)工程において約-3℃に冷却され、(B)工程及び(C)工程においてその冷却状態を維持し、(D)工程において、約10℃~約30℃の室温雰囲気、又は約30℃~約60℃に昇温されて、その昇温の過程及び/又は昇温された室温において、効能組成物原料が含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成された構成になる方法が実施可能である。
【0037】
この構成により、下記の効果が得られる。
[方法効果ウ:冷却非変形効能組成物原料]:
前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、流動性のない冷却非変形効能組成物原料が流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成されて変化されるために、また、熟成中における効能組成物原料の形状が維持されるために、所望の形状を有する柔軟効能組成物を形成できるとともに、更に、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている流動効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止され、その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が保持部材に支持されていなく貼付剤の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる。更に、熟成中における含有成分の蒸発等に起因する含有成分の割合も変動することなく所望性能を有する貼付剤を安定して高精度で量産形成可能であり、その結果、良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤収納包装品を安定して量産することができ、著しいコストダウンが可能となる。
【0038】
なお、「熟成」は、「効能組成物原料から柔軟効能組成物に熟成させる」の意味であり、化学構造的に水溶性高分子などの含有成分が一次元の化学構造から架橋されて編目構造又は三次元の化学構造に変化する現象、又は、形状物性的に流動状態から流動状態のない非流動状態の柔軟状態に変化する現象、又は、冷却固体状態から昇温流動状態を得て流動状態のない非流動状態の柔軟状態に変化する現象を意味する。
例えば、「熟成」は、(C)工程により得られた積層物収納包装品は、(D)工程において約10℃以上の温度に昇温されて、その昇温の過程又は室温雰囲気において、架橋性水溶性高分子が架橋されて、効能組成物原料が流動状態のない非流動状態の柔軟状態に熟成されて変化する現象を意味する。例えば、効能組成物原料が冷却状態から約10℃~30℃の室温付近、又は約30℃~60℃まで昇温されて、その昇温の過程又は昇温された温度において架橋性水溶性高分子が架橋されて、効能組成物原料が流動状態のない非流動状態の柔軟状態に熟成されて変化する構成を意味する。
前記第一流動温度における柔軟効能組成物の「流動可能な流動状態」は、柔軟効能組成物を約200mlのポリスチレン製のカップ状容器に満たした状態に入れて、そのカップを約45度の角度に傾けた場合に、約5秒以内に柔軟効能組成物が容器から流動して変形し出すような性質を有する流動状態を意味する。
第二冷却非変形温度における柔軟効能組成物の「変形しない程度の非変形状態」は、外部から圧力を加えない静置状態でその柔軟効能組成物の形状が変形しない状態、及び/又は、先端刃先角度約30度、高さ約5mm幅の両刃形状の押切刃型を装着した平板型切断装置を用いて、冷却非変形効能組成物を切断した時、冷却非変形効能組成物が、変形することなく切断されて、所望の形状に切断分離された非変形状態を意味する。
第三柔軟熟成温度における「流動性のない柔軟状態」は、柔軟性を有すると共に、約1mm厚で300mm平方のポリエチレンテレフタレート製繊維を含有する屈曲柔軟性、空気湿度透過性を有する不織布製の保持部材の表面に、約3mm厚に塗布配置し、その柔軟効能組成物が配置された柔軟効能組成物を約45度の角度に60秒間維持した時に、柔軟効能組成物が流動することなく、変形することなく、元の形状を維持した非変形状態を維持する状態を意味する。
【0039】
<冷却切断した切断冷却非変形効能組成物原料を構成する方法について>
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において下記の構成の製造方法も実施可能である。
図3は本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の他の製造工程を説明する工程説明図及び概略工程模式図である。
図3において、前記柔軟効能組成物22は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において切断可能であるとともに切断前後に変形しない程度の非変形状態を有し、第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない柔軟状態を有し、前記効能組成物原料22aは、前記第二冷却非変形温度に冷却されるとともに該第二冷却非変形温度において切断された所定形状を有する切断冷却非変形効能組成物原料22cであって、下記の構成を備える。
(A)第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程、及び、前記流動効能組成物原料22aを非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bを形成し、その後、該冷却非変形効能組成物原料22bを所定形状に切断して切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する所定形状形成工程.
(B)保持部材21の表面の所定の位置領域に前記切断冷却非変形効能組成物原料22cと剥離保護部材23とを、前記剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、ここで、前記切断冷却非変形効能組成物原料22cは非変形状態を維持する.
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器3が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器3の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、ここで、前記切断冷却非変形効能組成物原料22cは非変形状態を維持する.
(D)前記積層物収納包装品を第三柔軟熟成温度に昇温させて、前記切断冷却非変形効能組成物原料22cを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成させるとともに該柔軟効能組成物22を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物22が前記保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、効能組成物原料が粘着性と柔軟状態を有する流動性のない柔軟効能組成物22に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が前記包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
例えば、一実施例として、
図3において、効能組成物原料が、(A)工程において約-3℃に冷却されて切断され、(B)工程及び(C)工程においてその冷却状態を維持し、(D)工程において、約10℃~約30℃の室温雰囲気、又は約30℃~約60℃に昇温されて、その昇温の過程及び/又は昇温された温度において、効能組成物原料が含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成された構成になる方法が実施可能である。
【0040】
この構成により、下記の効果が得られる。
[方法効果エ:切断冷却非変形効能組成物原料]:
前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]及び[方法効果ウ:冷却非変形効能組成物原料]が得られると共に、該冷却非変形効能組成物原料を所定形状に切断して切断冷却非変形効能組成物原料を調製する所定形状形成工程において所望の平面形状や厚さ形状に精確に切断可能であり、且つ、包装用容器に密着されて収納されている為にその所望形状が熟成工程中にも変動しなく、所望形状を有する貼付剤収納包装品を容易に製造可能になる。また、熟成された後の粘着性を有する柔軟効能組成物を切断する場合には、一般に、粘着性に起因して容易に切断し難く、刃型の刃先に柔軟効能組成物の残渣等が付着して繰り返し切断が困難である等の課題があるが、これに対して、本発明の方法により、上記の課題を解決して、所望の形状に切断できると共に柔軟効能組成物の残渣等の付着物の量を抑制できるなど不都合なく容易に切断可能になり、その結果、保持部材に積層される柔軟効能組成物を、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて高精度で形成可能となる。また、包装用容器に収納された状態で熟成された柔軟効能組成物に変化して形成されるために、含有する組成成分割合も変動することなく安定した品質を有する貼付剤収納包装品を量産形成可能である。良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤収納包装品を安定して量産することができ、コストダウンが可能となる。
【0041】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
図4は本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の他の製造工程を説明する工程説明図及び概略工程模式図である。
本構成は、前述の(B)工程において、以下の構成を備える。
(B)保持部材21の表面に所定の間隔を空けた余白部を形成する位置領域に、切断されたそれぞれの切断冷却非変形効能組成物原料22cを位置するとともに、剥離保護部材23が表面側に位置する状態でそれぞれの切断冷却非変形効能組成物原料22cを覆って剥離保護部材23を積層し、その後、前記余白部の位置でそれぞれの切断冷却非変形効能組成物原料22cを間に挟んだ状態で剥離保護部材2と保持部材21とを切断して、このようにして複数個の保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、ここで、前記切断冷却非変形効能組成物原料22cは非変形状態を維持する。 その他の工程は、前述の
図3における説明と同じである。
この構成により、前述の[方法効果エ:切断冷却非変形効能組成物原料]と同じ効果が得られる。
【0042】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
図5は本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の他の製造工程を説明する工程説明図及び概略工程模式図である。
本構成は、前述の(A)及び(B)工程において、以下の構成を備える。
(AB)第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料を調製する流動効能組成物原料調製工程、及び、前記流動効能組成物原料を非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して非変形状態の冷却非変形効能組成物原料を形成し、保持部材の表面の所定の位置領域に前記切断冷却非変形効能組成物原料と剥離保護部材とを前記剥離保護部材が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、その後、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を所定形状に切断して複数個の保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する、このようにして複数個の保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。ここで、前記切断冷却非変形効能組成物原料は非変形状態を維持する。
その他の工程は、前述の
図3における説明と同じである。
例えば、
図5に示されるように、(D)工程において、約10℃以上の室温、又は室温以上の温度に昇温されて、効能組成物原料が流動性のない粘着性と柔軟性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる。
この構成により、前述の[方法効果エ:切断冷却非変形効能組成物原料]の効果が得られる。
【0043】
冷却非変形効能組成物22bを所定形状に切断する切断方法としては、特に限定されないが、例えば、
図3、
図4に示されるように、所定の厚さを有する薄板シート状冷却非変形効能組成物22bを所望の平面形状に切断する方法、及び/又は、塊状の冷却非変形効能組成物22bを所望の厚さ形状に切断する方法が実施可能である。また、切断装置としては、平板型押圧切断装置、平板型押圧切抜装置、ロール型押圧切断装置又はロール型押圧切抜装置を使用して、所定形状に切断することができる。
切断形状としては、特に限定されないが、例えば、薄板シート状冷却非変形効能組成物22bが、任意の所望の形状に切断されて、熟成された柔軟効能組成物22が得られる。
薄板シート状冷却非変形効能組成物を所望の形状に切断する工程、熟成工程を得て形成される柔軟効能組成物22の一実施例が
図10に示される。
図10は、本発明の一実施例の貼付剤収納包装品に収納されている貼付剤に構成される柔軟効能組成物22の形状を示す概略平面模式図である。平面図において、
図10の(A)は略長方形であり、(B)は略ハート形であり、(C)及び(D)は所定の領域が除去された形状を有する一部除去形状を有する。
切断工程において、塊状の冷却非変形効能組成物22bを複数個に切断して、複数個の切断冷却非変形効能組成物22cを形成することもできる。
【0044】
<水溶性高分子を含有する構成について>
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を有する製造方法が実施可能である。
前記柔軟効能組成物は、少なくとも、水と、水溶性高分子とを含有する含水ゲル状の柔軟効能組成物であり、前記柔軟効能組成物は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる保形成と粘着性と柔軟状態をするゲル状の柔軟状態を有する性質を有する、ことを特徴とする。
【0045】
この構成により、下記の効果が得られる。
[方法効果サ:水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物]:
柔軟効能組成物22は、少なくとも水と水溶性高分子を含有し、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、前記第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、前記第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない柔軟状態を有するとともに粘着性を有する含水ゲル状柔軟効能組成物22である構成により、前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、更に、含水ゲル状の柔軟効能組成物22はそのゲル成分を自由に設計可能であり、貼付剤2を人体に貼付した時に、水に起因する快適な冷感が得られると共に、含水ゲル状の柔軟効能組成物22は人体皮膚に無害であり、皮膚に優しい貼付剤が得られる。
更に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている含水ゲル状柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤が得られるようになり、その結果、はみ出した含水ゲル状柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便も解消される。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
更に、熟成中における含有成分である水の蒸発等に起因する含有成分の割合も変動することなく所望性能を有する貼付剤2を安定して高精度で量産形成可能であり、その結果、良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤収納包装品を安定して量産することができ、著しいコストダウンが可能となる貼付剤収納包装品1が得られる。
含水ゲル状柔軟効能組成物としては、架橋された含水ゲル状柔軟効能組成物が望ましく実施される。
【0046】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を有する製造方法が実施可能である。
前記柔軟効能組成物22は、少なくとも、水と、架橋性水溶性高分子と、前記水溶性高分子を化学式構造において3次元化学構造に架橋するための架橋剤、とを含有する含水ゲル状の柔軟効能組成物であり、前記(A)工程、前記(B)工程、前記(C)工程における効能組成物原料に含有される水溶性高分子は架橋されない状態で存在し、前記(D)工程における熟成工程において、水溶性高分子と架橋剤との化学反応により前記水溶性高分子が架橋されて3次元網目化学的構造を生成し、これにより、流動性のないゲル状柔軟状態を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成される、ことを特徴とする。
【0047】
前記架橋性水溶性高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸中和物、ポリアクリル酸部分中和物、アクリル酸メタクリル酸共重合体、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシビニルポリマ-、及び、これらの塩類からなる群から選ばれる少なくとも一つの架橋性水溶性高分子であり、前記(D)工程において、前記架橋性水溶性高分子が前記架橋剤との化学反応により架橋されて、これにより、効能組成物原料が流動性のない柔軟状態を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる。 これらの架橋性水溶性高分子は化学構造式において架橋反応可能な官能基を有し、水溶液中において化学構造的に三次元構造に架橋される。
塩類としては、ナトリウム、カリウム、又はリチウムなどの金属塩などが望ましく、また、カルシウム、亜鉛、又はマグネシウムなどの金属塩も使用可能である。アルキルセルロースのアルキル基としてはメチル基、エチル基、又はプロピル基を有する化合物が使用できる。カルボキシビニルポリマ-としては架橋性を有するカルボキシビニルポリマ-が実施可能である。
【0048】
これらの架橋性水溶性高分子は、2価の金属イオン化合物や3価の金属イオン化合物などの架橋剤を混合することにより、化学構造式において網目構造及び又は三次元構造に架橋されて、流動性のない柔軟軟質状態で、保形性と保水性を有すると共に粘着性を有するゲル状態に熟成されて変化される。
架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、ミョウバン、カリミョウバン、鉄ミョウバン、水酸化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄、アンミニウムミョウバン、グリシンアルミニウム、アルミニウムグリシネート、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クエン酸鉄、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化アルミニウムマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどがあげられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
水と水溶性高分子と架橋剤とを含有する流動性柔軟効能組成物は、常温状態、又は、昇温状態において、流動性を有する流動性柔軟効能組成物から、水溶性高分子が化学構造的に編目構造又は三次元構造に架橋されて流動性のない保形性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物の形態に熟成されて変化される。
架橋剤の種類を選択して含有することにより、所望の温度又は速度で水溶性高分子を架橋させることが可能である。例えば、貼付剤収納包装品の製造方法における(D)工程において、架橋性水溶性高分子を含有する効能組成物原料を約10℃~約30℃の室温付近の温度領域で、水溶性高分子を化学構造式において網目構造及び/又は三次元構造に架橋して、流動性のない柔軟軟質状態で保形性と保水性を有すると共に粘着性を有するゲル状態に熟成して変化することが可能である。また、約10℃以下においては著しく架橋速度が遅く、約30℃~60℃の温度領域では架橋が促進されて短時間で製造する製造方法も実施可能である。
【0049】
上記の含水ゲル状の柔軟効能組成物において、水、架橋性水溶性高分子、架橋剤の含有割合は、特に限定されないが、例えば、柔軟効能組成物の全量に対して、水の含有量が約10重量%~約98重量%(望ましくは、約30重量%~約95重量%)、架橋性水溶性高分子の含有量が約0.5重量%~約20重量%(望ましくは、約1重量%~約10重量%)、架橋剤の含有量が約0.001重量%~約1重量%(望ましくは、約0.002重量%~約0.5重量%)の組成物が実施可能である。
水の含有量が約10重量%未満の場合、又は、架橋性水溶性高分子の含有量が約20重量%を超える場合には、架橋性水溶性高分子を完全に溶解できない状態が生じて所望の物性を有する柔軟効能組成物が得られない傾向がある。
水の含有量が約98重量%を超える場合、又は、架橋性水溶性高分子の含有量が約0.5重量%未満の場合には、所望の柔軟性、保形成、粘着性を奏する含水ゲル状の柔軟効能組成物が得られない傾向がある。
架橋剤の含有量が約0.001重量%の場合には、架橋反応が不充分であり、所望の柔軟性、保形成、粘着性を奏する含水ゲル状の柔軟効能組成物が得られない傾向がある。架橋剤の含有量が約1重量%を超える場合には、効能組成物原料の混合調製中に急激な架橋反応が生じて、流動性を有する効能組成物原料が得られなく、また、保持部材に効能組成物原料を所望に積層できない傾向がある。
【0050】
上記の1種又は2種以上の架橋性水溶性高分子に加えて、更に、架橋性のない非架橋性水溶性高分子と併用する構成も実施可能である。
効能組成物原料として、架橋性水溶性高分子を含有すると共に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、でん粉アクリル酸共重合体、アルキルセルロース、グラフト澱粉、アルギン酸、ゼラチン、カラギーナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、ジェランガム、アーネストガム、アガロース、デキストリン、グルコマンナン、ポリグルタミン酸、及び、これらの塩等の合成水溶性高分子及び/又は天然水溶性高分子の1種以上の非架橋性水溶性高分子を含有する構成も実施可能である。
架橋性水溶性高分子、架橋剤、非架橋性水溶性高分子、その他の添加物等の種類、及び、これらの水溶性高分子の分子量・重合度等を適宜選択することにより、所望の粘着性、柔軟性、保形成を有する柔軟効能組成物を所望に設計して調製できる。
【0051】
上記の架橋性水溶性高分子を含有する構成により、前述の[方法効果ア]を有すると共に下記[方法効果サ‐a]、[方法効果サ‐b]の効果が得られる。
[方法効果サ‐a:架橋性水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物・室温熟成]:
本構成において、前述の[方法効果サ]が得られると共に、架橋性水溶性高分子と架橋剤との双方の種類を所望に設計して含有せしめることにより、所望の温度で架橋されて熟成された含水ゲル状柔軟効能組成物を得ることが可能である。例えば、約30℃を超える温度に昇温する工程を有することなく、約30℃以下の温度で架橋された含水ゲル状柔軟効能組成物を得ることが可能である。すなわち、(A)工程において「室温の約10℃~約30℃の雰囲気で、流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料を調製する流動効能組成物原料調製工程」を有すると共に、(D)工程において「室温の約10℃~約30℃の雰囲気中で、前記積層物収納包装品を構成する前記効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させて変化させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより効能組成物原料が流動性のない柔軟状態を有する柔軟効能組成物に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる」を有する構成が実施可能である。換言すれば、(A)工程、(D)工程のいずれの工程においても、室温の約10℃~約30℃の雰囲気で製造する構成が実施可能である。
また、この構成により、昇温による水の蒸散が抑制されて含有組成の変動が防止されると共に、昇温に起因する含有成分の熱劣化が抑制される効果が得られる。
更に、含水ゲル組成物はそのゲル成分や薬効成分を自由に設計可能であり、貼付剤を人体に貼付した時に、含水成分に起因する適度の冷感と共に、薬効成分に起因する薬効を奏する貼付剤が得られ、また、皮膚炎症を最小限に抑制可能で皮膚に優しい貼付剤が得られる。
更に、包装用容器の中に収納された状態で効能組成物原料が架橋されて3次元網目化学的構造を生成し、流動性のないゲル状柔軟状態を有する熟成された含水ゲル状柔軟効能組成物を得ることができるために、熟成中における水分などの蒸発に起因する効能組成物の含有組成変化が著しく抑制されて、所望の粘着性や柔軟性を有する貼付剤を安定して製造可能になる。
更に、架橋剤の種類を選択することにより、常温付近で架橋することが可能になるため、包装用容器の中に収納された状態で効能組成物原料を架橋して架橋された柔軟効能組成物を製造でき、架橋された貼付剤を包装容器の中に収納する場合と比べて、製造時間を著しく短縮可能になる。
更に、加熱昇温の為に必要な電力費用も低減されて安価に製造できる効果が得られる。
また、所望の種類の架橋剤を選択して含有することにより、約30℃以下においては著しく架橋速度が遅く約30℃~60℃の温度領域で架橋が促進されて短時間で製造する製造方法も実施可能である。この方法により、流動効能組成物原料の流動性を有する時間が永いために、(A)工程の流動効能組成物原料を調製してから(C)工程の積層物包装工程までの時間を所望に設計できる製造方法が得られる。
【0052】
[方法効果サ‐b:架橋性水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物・はみ出し抑制]:
上記の架橋性水溶性高分子を含有する含水ゲル状柔軟効能組成物が構成される製造方法により、前述の[方法効果サ]が得られると共に、更に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている含水ゲル状柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤が得られるようになり、その結果、はみ出した柔軟効能組成物22が包装用容器3の内面に粘着することに起因する貼付剤2を包装用容器3から容易に取り出せないという不便も解消され、更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した含水ゲル状柔軟効能組成物22が保持部材21に支持されていないために生じる貼付剤2の表面が粘着性を奏することによる使用者の不快感も著しく抑制された貼付剤収納包装品1を製造できる効果が得られる。
【0053】
特に、水と架橋性水溶性高分子と架橋剤とを含有する含水ゲル状柔軟効能組成物を含有する構成において、第一流動温度が常温の約10℃~約30℃の範囲であり、第二冷却非変形温度が約5℃未満の温度領域であり、第三柔軟熟成温度が常温の約10℃~約30℃の範囲である、構成が実施可能である。本構成において、架橋性水溶性高分子と架橋剤との双方の種類を所望に設計して含有せしめることにより、約30℃を超える温度に昇温する工程を有することなく、約30℃以下の温度で架橋された含水ゲル状柔軟効能組成物を得ることが可能である。
すなわち、(A)工程において「室温の約10℃~約30℃の雰囲気で、流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料を調製する流動効能組成物原料調製工程」を有すると共に、(D)工程において「室温の約10℃~約30℃の雰囲気中で、前記積層物収納包装品を構成する前記効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させて変化させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより効能組成物原料が流動性のない柔軟状態を有する柔軟効能組成物に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる」を有する構成が実施可能である。
換言すれば、(A)工程、(D)工程のいずれの工程においても、室温の約10℃~約30℃の雰囲気で製造する構成が実施可能である。
この構成により、昇温による水の蒸散が抑制されて含有組成の変動が防止されると共に、昇温に起因する含有成分の熱劣化が抑制される効果が得られる。更に、加熱昇温の為に必要な電力費用も低減されて安価に製造できる効果が得られる。
【0054】
<水溶性高分子を含有し架橋剤を含有しない柔軟効能組成物を備えた構成について>
柔軟効能組成物として、架橋性水溶性高分子及び/又は非架橋性水溶性高分子を含有し、架橋剤を含有しない柔軟効能組成物を備えた構成も実施可能である。
水溶性高分子としては、前述の架橋性高分子、及び/又は非架橋性水溶性高分子が使用可能である。
【0055】
架橋性水溶性高分子及び/又は非架橋性水溶性高分子を含有し、架橋剤を含有しない流動効能組成物原料1aは、例えば、第一流動温度としての約10℃~約70℃(望ましくは約15℃~約60℃)において、流動可能な流動状態であり、第二冷却非変形温度としての低温の約5℃以下の低温領域(望ましくは約-20℃~約3℃)において、非流動性になるとともに切断可能であって切断時に変形しない程度の非変形状態になり、非変形状態から第三柔軟熟成温度としての約10℃~約50℃(望ましくは約15℃~約40℃)に処理する過程において化学構造的に架橋されて流動性のない含水ゲル状柔軟効能組成物になる性質を有するものが実施可能である。
このような、第一流動温度、第二冷却非変形温度、第三柔軟熟成温度は、用いる流動効能組成物原料の種類により異なる。
【0056】
第一流動温度が、約10℃以下になるに従って、流動性が減少して、原材料の混合などの作業性が劣り、生産性に劣る傾向にあり、また、約70℃を超える場合には、含有成分が熱により劣化したり、又は、含有水分が蒸発する等の不都合が生じる傾向がある。
第二冷却非変形温度が約5℃を超える温度領域においては、その温度が上がるに従って、流動性が徐々に増して、切断作業時に、効能組成物原料が再癒着して精度良く切断できなくなる傾向があり、また、切断に使用する刃型に効能組成物原料が付着して量産性に劣る傾向がある。第二冷却非変形温度が約-20℃以下の場合には、容易に切断可能であるが、しかしながら、約-20℃以下の温度に設定するための電力費用が高価になり、製造コストが上がる傾向がある。
第三柔軟熟成温度として、約10℃以下の場合には、柔軟効能組成物がやや硬くなり、人体に貼付した時に違和感を与える傾向があり、また、約50℃を超える場合には、柔軟効能組成物が柔らかくなりすぎて、使用時に違和感を与える傾向がある。
【0057】
[方法効果サ‐c:水溶性高分子・架橋剤なし・含水ゲル状柔軟効能組成物]:
柔軟効能組成物として、架橋性水溶性高分子及び/又は非架橋性水溶性高分子を含有し、架橋剤を含有しない柔軟効能組成物を備えた構成により、
前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、更に、含水ゲル状の柔軟効能組成物22はそのゲル成分を自由に設計可能であり、貼付剤2を人体に貼付した時に、水に起因する快適な冷感が得られると共に、含水ゲル状の柔軟効能組成物22は人体皮膚に無害であり、皮膚に優しい貼付剤が得られる。
更に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている含水ゲル状柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤が得られるようになり、その結果、はみ出した含水ゲル状柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便も解消される。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
更に、熟成中における含有成分である水の蒸発等に起因する含有成分の割合も変動することなく所望性能を有する貼付剤2を安定して高精度で量産形成可能であり、その結果、良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤収納包装品を安定して量産することができ、著しいコストダウンが可能となる貼付剤収納包装品1が得られる。
含水ゲル状柔軟効能組成物としては、架橋された含水ゲル状柔軟効能組成物が望ましく実施される。
【0058】
<薬効成分、pH調節剤、防腐剤、その他の添加剤を含有する柔軟効能組成物について>
柔軟効能組成物22としては、さらに、経皮吸収性を有する薬効成分を含有し、人体の皮膚に貼付したとき、薬効成分が発揮する薬効を奏する柔軟効能組成物が使用できる。
薬効成分としては、特に限定されないが、例えば、インドメタシン、ロキソプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、ケトプロフェン、ジクロフェナック、ジクロフェナックナトリウム、ピロキシカム、スプロフェン、イブプロフェン、ケトロラク、リドカイン、フルルビプロフェン、テルビナフィン、カプサイシン、オオバクエキス、メフェナム酸、グリチルリチン酸ジカリウム、メントール、カンフル、ヒアルロン酸類、サルチル酸エステル、アルブチン、酢酸トコフェロール、アラントイン、ビタミン類、アズレン類、アクリノール、オオバクエキス、その他の植物エキス、アルブチン、酢酸トコフェロール、ビタミンC類、水溶性アズレン、ポリフェノール、エコンザイム、プラセンタエキス、等の鎮痛剤、消炎剤、栄養剤、精神安定剤、温熱剤、冷感剤、保湿剤、美白剤、皮膚しみそばかす消滅剤、その他の経皮吸収性薬剤などが使用出来る。
【0059】
上記の薬効成分を含有する構成により次の効果が得られる。
[方法効果セ:薬効成分含有柔軟効能組成物]:
柔軟効能組成物22としては、さらに、経皮吸収性を有する薬効成分を含有する構成により、その含有する薬効成分に対応する薬効を奏する貼付剤収納包装品が得られる。
【0060】
含水ゲル状柔軟効能組成物に、これらの薬効成分に加えて、外用医薬品または化粧品に使用される防腐剤、殺菌剤、アロマオイル、芳香剤、香料、着色剤、抗酸化剤、酸化防止剤、皮膚吸収促進剤、紫外線吸収剤、無機充填材、多価アルコール類、シリコーン油類、界面活性剤、粘性調整剤、微粉末、その他の所望の添加剤も添加含有可能である。
含水ゲル状柔軟効能組成物からこれらの成分が身体の貼付部位に徐々に伝わり、保冷・保湿効果と共に、これらの含有成分に起因する効果も得られるようになる。
【0061】
上記のアロマオイル、芳香剤としては、特に限定されないが、例えば、一般にアロマテラピーに用いられる精油成分(精油類)をそのまま用いることができる。精油成分としては、例えばワンダー・セラー著「アロマテラピーのための84の精油成分」、フレグランスジャーナル社に記載されているものが挙げられる。具体的には、アニス、カモミール、キャロットシード、グレープフルーツ、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレピン、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、ヤグルマギク、アーモンド、ショウノウ、スモモ、タンポポ、チモ、ノイバラ、ハッカ、モモ、ユーカリ、ヨクイニン、ラベンダ、レンギョウ等からの抽出物を挙げることができるが、別段これらに限定されない。
【0062】
さらに、含水ゲル状柔軟効能組成物において、揮散による状発熱により冷却・保冷効果を高める低級アルコールや,メントール,ハッカ油等の冷感剤、カプサイシン、トウガラシエキス等の温熱剤を添加含有する組成物も実施可能である。なお、上記の含水ゲル状柔軟効能組成物においては、クエン酸、酒石酸、水酸化ナトリウム、乳酸等のpH調節剤を添加含有して、pHを4~10の範囲、より好ましくは、pH6~8の範囲に調整することが望ましい。
【0063】
含水ゲル状柔軟効能組成物の所望の粘着性や柔軟性を得るために粘着付与剤、軟化剤、可塑剤等を含有した構成も実施できる。粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、ポリテルペン、フェノール樹脂、キシレン樹脂、その他脂肪族系樹脂、石油系樹脂、脂環式炭化水素樹脂等が使用できる。
軟化剤、可塑剤としては、ポリブテン、ポリイソブチレン、シリコーン、ワセリン、固形パラフィン、流動パラフィン、リモネン、ピネン、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ハッカ油、ゴマ油、ダイズ油、綿実油、トウモロコシ油、卵黄油、紅花油等が使用できる。
【0064】
皮膚吸収促進剤としては、ラノリン、流動パラフィン、ミツロウ、メントール、リモネン、ピネン、ピペリトン、テルピノール、カルベオール、ホホバ油、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ油、パーシック油、ハッカ油、ゴマ油、ダイズ油、ミンク油、綿実油、トウモロコシ油、等が使用できる。
多価アルコール類としては、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、オクタンジオール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、等が使用できる。
シリコーン油としては、メチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン等が使用できる。
【0065】
<含水ゲル状柔軟効能組成物:冷却した冷却非変形効能組成物原料を備える構成について>
特に、水と架橋性水溶性高分子と架橋剤を含有する含水ゲル状柔軟効能組成物を含有する構成において、流動性を有する含水ゲル組成物原料22aを、冷却して、流動性のない非流動形態又は非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bに調製した状態で、保持部材に積層する積層部材積層工程を備えた構成が実施可能であり、この構成により次の効果が得られる。
[方法効果シ:架橋性水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物・冷却]:
上記の[方法効果ア]、[方法効果サ‐a]、[方法効果サ‐b]が得られると共に、特に、前述の[方法効果ウ:冷却非変形効能組成物原料]が著しく発揮される。
【0066】
<含水ゲル状柔軟効能組成物:冷却し切断した切断冷却非変形効能組成物原料を備える構成について>
特に、水と架橋性水溶性高分子を含有する含水ゲル状柔軟効能組成物を含有する構成において、流動性を有する含水ゲル組成物原料22aを、冷却して、流動性のない非流動形態又は非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bに調製した状態で、切断して切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する所定形状形成工程を備えた構成が実施可能であり、この構成により次の効果が得られる。
[方法効果ス:水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物・冷却・切断]:
流動性を有する含水ゲル組成物原料22aを、冷却して、流動性のない非流動形態又は非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bに調製した状態で、切断して切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する所定形状形成工程を備えた構成により、(方法効果サ:水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物)が得られると共に、精度良く切断して所定形状の切断冷却非変形効能組成物原料を得ることができる。
更に、前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]及び[方法効果ウ:冷却非変形効能組成物原料]が得られると共に、該冷却非変形効能組成物原料22bを所定形状に切断して切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する所定形状形成工程を備える場合には、所望の平面形状や厚さ形状に精確に切断可能であり、且つ、包装用容器に密着されて収納されている為にその所望形状が熟成工程中にも変動しなく、所望形状を有する貼付剤を容易に製造可能になる。
また、熟成された後の粘着性を有する含水ゲル状柔軟効能組成物22を切断する場合には、一般に、粘着性に起因して容易に切断し難く、刃型の刃先に含水ゲル状柔軟効能組成物22の残渣等が付着して繰り返し切断が困難である等の課題があるが、これに対して、本発明の方法により、上記の課題を解決して、所望の形状に切断できると共に含水ゲル状柔軟効能組成物22の残渣等の付着物の量を抑制できるなど不都合なく容易に切断可能になり、その結果、保持部材に積層される含水ゲル状柔軟効能組成物22を、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて高精度で形成可能となる。また、密閉された包装用容器に収納された状態で熟成された含水ゲル状柔軟効能組成物22が得られる為に、含有する組成成分割合も変動することなく、含有成分割合の変動のない安定した品質を有する貼付剤収納包装品を得ることができ、良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤を安定して量産することができ、著しいコストダウンが可能となる。
更に、切断時に使用される刃型に、含水ゲル組成物が付着するという欠点が抑制され、量産時の不良発生が抑制されて、生産性が著しく向上する。
【0067】
<複数の効能柔軟組成物を保持部材の平面領域に積層する貼付剤収納包装品の製造方法について>
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
前記柔軟効能組成物22は、互いに異なる組成成分を含有する複数種類の柔軟効能組成物22を備え、前記効能組成物原料22aは流動可能な流動状態を有する複数種類の流動効能組成物原料22aを備え、下記の構成を備える。
(A)流動可能な流動状態を有する複数種類の流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程、ここで、前記複数種類の流動効能組成物原料22aのそれぞれの流動効能組成物原料22aは互いに異なる組成成分を含有する.
(B)保持部材21の表面の所定の位置領域に、それぞれの流動効能組成物原料22aと剥離保護部材23とを、前記剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、ここで、前記それぞれの流動効能組成物原料22aは所定形状を有するとともに流動性を有し、(i)それぞれの流動効能組成物原料22aは保持部材21の平面領域に互いに隣り合う位置に積層される、又は、(ii)それぞれの流動効能組成物原料22aは保持部材21の積層方向に互いに重なり合う位置に積層される.
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器3の中に位置する状態で、前記包装用容器3が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器3の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、ここで、前記それぞれの流動効能組成物原料22aは所定形状を有するとともに流動性を維持する.
(D)前記積層物収納包装品を構成するそれぞれの流動効能組成物原料22aを前記保持部材21に接合させると共に前記それぞれの流動効能組成物原料22aを互いに接合させて、流動性のない柔軟状態のそれぞれの柔軟効能組成物22に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物22が前記保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、それぞれの流動効能組成物原料22aが流動性のない柔軟状態を有するそれぞれの柔軟効能組成物22に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤2が前記包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
【0068】
この構成により下記の効果が得られる。
[方法効果カ:複数種類の流動効能組成物原料]:
前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で複数種類の流動効能組成物原料21aが複数種類の効能組成物22に変化して熟成されるために、組成成分の異なる複数種類の柔軟効能組成物を、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて複数種類の柔軟効能組成物を高精度で形成可能となり、また、含有する組成成分割合も変動することなく安定して量産形成可能になる。例えば、他の含有成分との相溶性や溶解性の異なる複数種類の効能成分を含有する貼付剤の製造において、それぞれの効能成分に最適な複数種類の効能組成物原料22aを調製して、それらの複数種類の効能組成物原料22aを平面領域及び/又は積層方向に配置して、所望の貼付剤2を容易に製造できる。
更に、包装用容器3が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、複数種類の流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aが流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成されて変化されるために、また、熟成中における複数種類の流動効能組成物原料22aの形状が維持されるために、保持部材21と剥離保護部材23とに挟まれている複数種類の流動効能組成物原料22aの保持部材21と剥離保護部材23との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物22が包装用容器3の内面に粘着することによる貼付剤2を包装用容器3から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物22が保持部材21に支持されていなく貼付剤2の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる。
【0069】
特に、複数種類の柔軟効能組成物が一つの保持部材の表面領域において互いに隣り合う位置に設置された構成においては下記の効果が得られる。
[方法効果カ-a:複数種類の流動効能組成物原料・平面]:
上記の[方法効果カ:複数種類の流動効能組成物原料]に加えて、さらに、一つの保持部材の表面領域において互いに隣り合う位置に設置された異なる組成成分を有する柔軟効能組成物の領域を有する貼付剤を容易に形成することが可能となり、その結果、所望の品質を有する貼付剤を安定して量産することができる。例えば、冷却効能を奏する柔軟効能組成物領域、鎮痛効能を奏する柔軟効能組成領域、強い粘着性を発揮する柔軟効能組成領域などを、保持部材の表面領域の横方向に、互いに交互に形成することにより、所望の効能を発揮するとともに優れた粘着性能を有する貼付剤包装品を得ることができる。
【0070】
また、特に、複数種類の柔軟効能組成物が一つの保持部材の表面領域において積層方向に重なり合う位置に設置された構成においては下記の効果が得られる。
[方法効果カ-b:複数種類の流動効能組成物原料・積層]:
上記の[方法効果カ:複数種類の流動効能組成物原料]に加えて、さらに、一つの貼付剤の表面において積層方向に互いに重なり合って異なる組成成分を有する柔軟効能組成物を有する貼付剤を容易に形成することが可能となり、その結果、所望の品質を有する貼付剤を安定して量産することができる。例えば、複数種類の溶解性や相溶性の異なる効能成分を含有する貼付剤において、それぞれの効能成分に最適な複数種類の効能組成物原料を調製して積層方向に配置して所望の効能を奏する貼付剤を容易に製造できる。
【0071】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、
図7、
図8に示される構成を備える製造方法も実施可能である。
図7、
図8は本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の他の製造工程を説明する工程説明図及び概略工程模式図であり、
図7は複数種類の柔軟効能組成物を積層方向に重なり合う位置に積層した構成を備え、
図8は複数種類の柔軟効能組成物を平面領域に互いに隣り合う位置に積層した構成を備える。
本発明の他の貼付剤収納包装品の製造方法は、以下の構成を備える。
前記柔軟効能組成物22は互いに異なる組成成分を含有する複数種類の柔軟効能組成物を備える。
前記複数種類の柔軟効能組成物22のそれぞれの柔軟効能組成物は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する。
前記効能組成物原料22aは前記第二冷却非変形温度に冷却された複数種類の冷却非変形効能組成物原料22bを備える。
そして、以下の工程を有する。
(A)第一流動温度において流動可能な流動状態を有する複数種類の流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程、ここで、前記複数種類の流動効能組成物原料22aのそれぞれの流動効能組成物原料は互いに異なる組成成分を含有し、及び、前記複数種類の流動効能組成物原料22aのそれぞれの流動効能組成物原料を非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して所定形状を有する非変形状態のそれぞれの冷却非変形効能組成物原料22bを調製する冷却所定形状形成工程.
ここで、前記それぞれの冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を有し、(i)それぞれの冷却非変形効能組成物原料22bは、切断されることなく所定の形状を有する、及び/又は、(ii)それぞれの冷却非変形効能組成物原料22bを切断して、それぞれの冷却非変形効能組成物原料は、所定の形状に切断された所定の形状を有する.
(B)保持部材の表面の所定の位置領域に前記それぞれの冷却非変形効能組成物原料と剥離保護部材23とを、前記剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、ここで、前記それぞれの冷却非変形効能組成物原料は非変形状態を維持し、(i)それぞれの冷却非変形効能組成物原料は保持部材の平面領域に互いに隣り合う位置に積層される、及び/又は、(ii)それぞれの冷却非変形効能組成物原料は保持部材の積層方向に互いに重なり合う位置に積層される.
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、ここで、前記それぞれの冷却非変形効能組成物原料は非変形状態を維持する.
(D)前記保持部材の表面に位置するそれぞれの流動効能組成物原料を前記保持部材に接合させると共に前記それぞれの流動効能組成物原料を互いに接合させて、流動性のない柔軟状態のそれぞれの柔軟効能組成物に熟成させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、それぞれの流動効能組成物原料が流動性のない柔軟状態を有するそれぞれの柔軟効能組成物に熟成された構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる。
なお、
図7、
図8においては、前記(A)工程が、「(ii)それぞれの冷却非変形効能組成物原料22bを切断して、それぞれの冷却非変形効能組成物原料は、所定の形状に切断された所定の形状を有する」の構成について示したものであり、「(i)それぞれの冷却非変形効能組成物原料22bは、切断されることなく所定の形状を有する」の構成は図示されていない。
【0072】
前記(A)工程において、「(i)それぞれの冷却非変形効能組成物原料22bは、切断されることなく所定の形状を有する」構成においては下記の効果が得られる。
[方法効果キ:複数種類の冷却非変形効能組成物原料・冷却]:
前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で複数種類の冷却非変形効能組成物原料が熟成されるために、組成成分の異なる複数種類の柔軟効能組成物22を、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて著しく高精度で形成可能となり、また、含有する組成成分割合も変動することなく安定して量産形成可能になる。例えば、他の含有成分との相溶性や溶解性の異なる複数種類の効能成分を含有する貼付剤の製造において、それぞれの効能成分に最適な複数種類の効能組成物原料を調製して、それらの複数種類の効能組成物原料を平面領域及び/又は積層方向に配置して、所望の貼付剤を容易に製造できる。
更に、包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、複数種類の冷却固化された非変形状態を有する冷却非変形効能組成物原料22コが流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成されて変化されるために、熟成中における複数種類の冷却非変形効能組成物原料の形状が維持されるために、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている複数種類の冷却非変形効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が保持部材に支持されていなく貼付剤の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる。更に、熟成中における含有成分の蒸発等に起因する含有成分の割合も変動することなく所望性能を有する貼付剤を安定して高精度で量産形成可能であり、その結果、良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤収納包装品を安定して量産することができ、著しいコストダウンが可能となる。
【0073】
特に、前記(B)工程において、複数種類の柔軟効能組成物が一つの保持部材の表面領域において互いに隣り合う位置に設置された構成においては下記の効果が得られる。
[方法効果キ-a:複数種類の冷却非変形効能組成物原料・冷却・平面]:
上記の[方法効果キ:複数種類の冷却非変形効能組成物原料・冷却]に加えて、さらに、一つの貼付剤の表面領域において互いに隣り合う位置に設置された異なる組成成分の領域を有する貼付剤を容易に形成することが可能となり、その結果、所望の品質を有する貼付剤を安定して量産することができる。例えば、冷却効能を奏する貼付剤領域、鎮痛効能を奏する貼付剤領域、強い粘着性を発揮する貼付剤領域などを、保持部材の表面領域の横方向に、互いに交互に形成することにより、所望の効能を発揮するとともに優れた粘着性能を有する貼付剤包装品を得ることができる。
【0074】
特に、前記(B)工程において、複数種類の柔軟効能組成物が一つの保持部材の表面領域において互いに重なり合って積層された構成においては下記の効果が得られる。
[方法効果キ-b:複数種類の冷却非変形効能組成物原料・冷却・積層]:
上記の[方法効果キ:複数種類の冷却非変形効能組成物原料・冷却]に加えて、さらに、一つの貼付剤の表面において積層方向に互いに重なり合って異なる組成成分を有する貼付剤を容易に形成することが可能となり、その結果、所望の品質を有する貼付剤を安定して量産することができる。例えば、複数種類の溶解性や相溶性の異なる効能成分を含有する貼付剤において、それぞれの効能成分に最適な複数種類の冷却非変形効能組成物原料を調製して積層方向に配置して所望の効能を奏する貼付剤を容易に製造できる。
【0075】
前記(A)工程において、(ii)それぞれの冷却非変形効能組成物原料を切断して、それぞれの冷却非変形効能組成物原料は、所定の形状に切断された所定の形状を有する、工程を備えることにより、下記の効果が得られる。
[方法効果キ-c:複数種類の冷却非変形効能組成物原料・冷却切断]:
特に、(ii)それぞれの冷却非変形効能組成物原料22bを切断して、それぞれの冷却非変形効能組成物原料は、所定の形状に切断された所定の形状を有する、工程を備えることにより、上記の(方法効果キ:複数種類の冷却非変形効能組成物原料・冷却切断)に加えて、更に、切断時の変形が抑制されて、所望形状に容易に高精度で切断可能になり、複雑な形状を有する所望の平面形状や厚さ形状に精確に切断可能であり、且つ、包装用容器に密着されて収納されている為にその所望形状が熟成工程中にも変動しなく、所望形状を有する貼付剤を容易に製造可能になる。組成成分の異なる複数種類の柔軟効能組成物を、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて複数種類の柔軟効能組成物を高精度で形成可能となり、また、含有する組成成分割合も貼付剤製品において変動することなく安定して高精度で量産形成可能であり、その結果、良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤を安定して量産することができる。例えば、保持部材の表面に強い粘着力を有する第一形状の柔軟効能組成物を積層し、その第一形状の柔軟効能組成物の表面の内側領域に、冷却効能又は鎮痛効能を奏する第二形状柔軟効能組成物を積層して形成することにより、周囲において強い粘着力を有し、内側領域において冷却効能又は鎮痛効能を奏する貼付剤を得ることができる。
【0076】
<貼付剤の形状に沿って包装用容器が変形して密着する状態に形成する貼付剤収納包装品の製造方法について>
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
前記(C)工程において、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態で、前記包装用容器の開口部を密封して、前記包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態に形成された積層物収納包装品を調製する積層物包装工程を備え、これにより、前記包装用容器が該包装用容器の内側と外側との気圧差により前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した積層物収納包装品が得られる。
図6は、本発明の一実施例の貼付剤収納包装品の製造方法の概略工程模式図であり、特に、「前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程」についての実施例を模式図的に示す。
図6の(A)に示されるように、前記(C)工程において、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器3の中に位置する状態で、包装用容器3の中が大気圧よりも低い減圧状態で、前記包装用容器3の開口部を密封して、前記包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態に形成された積層物収納包装品を調製する積層物包装工程を備え、これにより、前記包装用容器3が該包装用容器の内側と外側との気圧差により前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した積層物収納包装品が得られる。
【0077】
この構成により、下記の効果が得られる。
[方法効果ク:減圧密着]:
保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態で、包装用容器3の開口部を密封して、包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態に形成された積層物収納包装品を調製する積層物包装工程を備えた構成により、包装用容器3が該包装用容器の内側と外側との気圧差により、包装用容器3を容易に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形させた積層物収納包装品を容易に得ることが可能になり、その結果、包装用容器3が貼付剤2の形状に沿って密着した状態を有する貼付剤収納包装品1を安定して量産可能になる。
特に、保持部材21として微細凹凸表面を有する多孔性材料から構成される保持部材を構成する貼付剤において、包装用容器の内側と外側の気圧差に起因して、微細凹凸表面を有する不織布製の保持部材21の表面に付着している効能組成物原料22aが剥離保護部材23を介して、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の表面側と裏面側とに位置するフィルム状の包装用容器に挟まれた状態で、保持部材21と効能組成物原料22aとが互いに加圧され、これにより、効能組成物原料22aの一部が保持部材21の微細凹凸表面の凹凸の内部に入り込む状態を形成し、その状態で効能組成物原料22aが架橋して熟成されて流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に変化され、このようにして柔軟状態の柔軟効能組成物22が保持部材21から剥がれることなく接合して構成される貼付剤が形成される作用効果が得られる。
保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、二本ロールによる加圧又は平板式加圧ブレスによる加圧等の加圧手段を経ることなく、包装用容器の内側と外側の気圧差に起因して、効能組成物原料22aの一部が保持部材21の微細凹凸表面の凹凸の内部に入り込む状態で付着するとともに熟成されて流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22が保持部材21から剥がれることなく接合した貼付剤を製造可能になる、その結果、製造工程が簡略化され、安価に量産可能になる効果も得られる。
【0078】
大気圧よりも低い減圧状態としては、特に限定されないが、包装用容器の内部と大気圧との差異による圧力により包装用容器が変形可能な程度の減圧状態が望ましく、例えば、約5mmHgから約700mmHgの範囲が望ましい。特に望ましくは、減圧状態としては、約20mmHgから約600mmHgの範囲が特に望ましい。なお、大気圧は約760mmHgである。
約5mmHgよりも高真空の場合には、減圧状態にするために長時間の真空吸引作業を必要とするため、生産性に劣る傾向があるとともに、柔軟効能組成物に含有される成分の気化・蒸発等による含有成分の変質の発生が懸念されることがある。約700mmHg~約760mmHgの場合には大気圧との差が少ないために、包装用容器が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着して変形する状態が少なり、貼付剤の形状に沿って密着して変形した状態を有する貼付剤収納包装品が得られなくなる傾向がある。
【0079】
保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態で、包装用容器の開口部を密封して、包装用容器の中が大気圧よりも低い減圧状態に形成された積層物収納包装品を調製する積層物包装工程としては、特に限定されないが、例えば下記の方法が実施可能である。
・減圧密封方法a:
図6の(A)に示されるように、保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の上方向と下方向の双方の位置に、包装用容器となる包装用容器用シートを位置した状態で、その積層物を包装用容器用シートの間に位置するとともに減圧雰囲気の中に位置した状態で、包装用容器用シートの開口部を密封して包装用容器密封部3aを形成し、その後、その密封した袋状包装用容器を大気雰囲気に戻す方法。これにより、包装用容器を容易に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形させた積層物収納包装品を容易に製造できる。
・減圧密封方法b:
図6の(B)に示されるように、開口部を有する袋状の包装用容器の中に保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を収納した状態で、該袋状包装用容器の中のみを減圧状態にした状態で、袋状の包装用容器の開口部を密封して包装用容器密封部3aを形成し、その後、その密封した袋状包装用容器を大気雰囲気に戻す方法。これにより、包装用容器を容易に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形させた積層物収納包装品を容易に製造できる。
・減圧密封方法c:
図6の(B)に示されるように、開口部を有する袋状の包装用容器の中に保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を収納した状態で、その積層物を収納した袋状包装用容器を減圧雰囲気の中に位置した状態で、袋状包装用容器の開口部を密封して包装用容器密封部3aを形成し、その後、その密封した袋状包装用容器を大気雰囲気に戻す方法。これにより、包装用容器を容易に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形させた積層物収納包装品を容易に製造できる。
【0080】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
前記包装用容器は加熱により収縮する性質を有する熱収縮性包装用容器であり、前記(C)工程において、前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、熱収縮性を有する熱収縮性包装用容器3cの中に位置する状態で、前記熱収縮性包装用容器3cを加熱により熱収縮させるとともに前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、これにより、前記熱収縮性包装用容器3cが熱収縮作用により前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した積層物収納包装品が得られる、ことを特徴とする。
【0081】
この構成により、下記の効果が得られる。
[方法効果ケ:熱収縮密着]:
保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、熱収縮性を有する熱収縮性包装用容器の中に位置する状態で、前記熱収縮性包装用容器を加熱により熱収縮させるとともに前記熱収縮性包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程を備えた構成により、熱収縮性包装用容器が該熱収縮性包装用容器の熱収縮作用により収縮して、包装用容器を容易に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形させた積層物収納包装品を容易に得ることが可能になり、その結果、包装用容器が貼付剤の形状に沿って密着した状態を有する貼付剤収納包装品を安定して量産可能になる。
【0082】
保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、熱収縮性を有する包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器を加熱により熱収縮させるとともに前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程としては、特に限定されないが、例えば下記の熱収縮包装(シュリンク包装)方法が実施可能である。
・熱収縮密封包装方法a:
図6の(C)に示されるように、開口部を有する袋状の熱収縮性包装用容器3、3cの中に保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を収納した状態で、該熱収縮性袋状包装用容器を加熱するとともに袋状の熱収縮性包装用容器3、3cの開口部を密封する方法。これにより、熱収縮性包装用容器3、3cを容易に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形させた積層物収納包装品を容易に製造できる。
・熱収縮密封包装方法b:
図6の(A)に示されるように、保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の上方向と下方向の双方の位置に、包装用容器となる熱収縮性を有する熱収縮性包装用容器用シートを位置した状態で、その積層物を熱収縮性包装用容器用シートの間に位置するとともに加熱すると共に包装用容器用シートの開口部を密封する方法。これにより、熱収縮性包装用容器を容易に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形させた積層物収納包装品を容易に製造できる。
これらの熱収縮密封包装方法は、汎用されているシュリンク包装装置を使用して実施可能である。例えば、赤外線加熱・遠赤外線加熱・スチーム加熱等の加熱方式、トンネル式連続加熱・バッチ式加熱等の量産無機装置、その他の方法に実施可能である。
また、熱収縮性包装用容器に使用される材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等が使用される。
【0083】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
前記包装用容器は、加熱により溶融融着する材料から構成され、前記(C)工程において、前記包装用容器3の開口部を加熱することにより、前記包装用容器3の開口部が溶融融着して接合されて密封される、ことを特徴とする。
【0084】
この構成により、下記の効果が得られる。
[方法効果クケ:開口部熱融着接合]:
包装用容器が加熱により溶融融着する材料から構成され、包装用容器の開口部を加熱することにより、前記包装用容器の開口部が溶融融着して接合されて密封される工程を備えた構成により、包装用容器を容易に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形させた積層物収納包装品を容易に得ることが可能になり、その結果、包装用容器が貼付剤の形状に沿って密着した状態を有する貼付剤収納包装品を安定して量産可能になる。
【0085】
減圧状態で密封する包装用容器において、熱融着密封可能な包装用容器に使用される材料としては、特に限定されないが、例えば、少なくとも、熱融着可能なプラスチック製フィルムと所望機能を有するシート状材料との積層フィルムが使用できる。熱融着可能なプラスチック製フィルムとしては、ポリエチレン製フィルム、ポリプロピレン製フィルムなどが使用される。所望機能を有するシート状材料としては、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)製フィルム、ポリアミド(ナイロン)製フィルム、紙、織布、不織布、金属箔(例えばアルミニウム箔)、金属蒸着フィルム(例えばアルミニウム蒸着ポリエステルフィルム)、その他の汎用のプラスチック製フィルムが使用できる。所望機能を有するシートとしては、空気透過を抑制できる機能、屈曲強靭性を有する機能、皺防止性を有する機能、破れにくい機能、所望の裂破り性を有する機能、文字を印刷できる機能、その他の所望の機能を有するシート材料が使用できる。
なお、本構成において、包装用容器の開口部を加熱するとともに押圧する構成も実施可能であり、これにより開口部の接合が容易に実施される。
【0086】
<保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面に積層された柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納した貼付剤収納包装品の製造方法について>
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の構成も実施可能である。
前記(B)工程において、前記柔軟効能組成物22が前記保持部材21の表面からはみ出すことなく前記保持部材21の表面領域に位置する状態で前記効能組成物原料と剥離保護部材とを積層する.前記(C)工程において、前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記柔軟効能組成物を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した形態で、前記包装用容器が前記積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封する.
【0087】
この構成により下記の効果が得られる。
[方法効果コ:はみ出すことなく保持部材の表面領域に位置する柔軟効能組成物]:
前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤2が得られるようになり、その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便も解消され、更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0088】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の工程を備える製造方法も実施可能である。
前記(B)工程において、前記効能組成物原料が前記保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、前記剥離保護部材が前記効能組成物原料と保持部材周辺余白部との表面側に位置する状態で、前記効能組成物原料と剥離保護部材とを積層する.
前記(C)工程において、前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記剥離保護部材が前記柔軟効能組成物を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部に密着した形態で、前記包装用容器が前記積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封する.
例えば、
図1の(B)工程、
図2の(B)工程、
図3の(B)工程において、効能組成物原料22aが保持部材21の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、保持部材21の表面に積層される。
【0089】
この構成により下記の効果が得られる。
[方法効果コ-a:保持部材周辺余白部]:
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、特に、「(B)工程において、効能組成物原料が保持部材の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部を形成する状態で、剥離保護部材が前記効能組成物原料と保持部材周辺余白部との表面側に位置する状態で、効能組成物原料と剥離保護部材とを積層し、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、剥離保護部材が柔軟効能組成物を覆うと共に保持部材の保持部材周辺余白部に密着した形態で、包装用容器が前記積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、包装用容器の開口部を密封する、を備えた構成」により、前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤が得られるようになり、その結果、はみ出した柔軟効能組成物22が包装用容器3の内面に粘着して貼付剤2を包装用容器3から容易に取り出せないという不便も解消され、更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物22が保持部材21に支持されていないために生じる貼付剤2の表面が粘着性を奏することによる使用者の不快感も著しく抑制された貼付剤収納包装品1を製造できる効果が得られる。
【0090】
保持部材21の表面の周辺よりも内側領域に位置する保持部材周辺余白部21aにおいて、保持部材表面の周辺から柔軟効能組成物22までの距離、すなわち、保持部材周辺余白部21aの幅寸法としては、少なくとも、効能組成物原料22の厚さ寸法と同等以上の距離・長さ寸法が望ましい。例えば、保持部材21に積層される効能組成物原料22の厚さが2mmである場合には、保持部材周辺余白部21aの幅寸法は、約2mm以上が望ましい。これにより、柔軟効能組成物22のはみ出しが抑制される。保持部材周辺余白部21aの幅寸法が効能組成物原料22の厚さ寸法よりも短い場合には、柔軟効能組成物22のはみ出しを抑制する効果が低下する傾向がある。
【0091】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法において、下記の工程を備える構成も実施可能である。
前記(B)工程において、前記効能組成物原料が前記保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面に位置すると共に前記効能組成物原料の端面が前記保持部材と前記剥離部材との間から露出する状態になるように前記効能組成物原料を前記保持部材の表面に積層するとともに前記剥離部材を前記効能組成物原料の表面に積層する.
前記(C)工程において、
前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封する。
【0092】
例えば、
図11に示されるように、前記柔軟効能組成物22は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有し、前記効能組成物原料22aは、前記第二冷却非変形温度に冷却された冷却非変形効能組成物原料22aであって、下記の構成を備える。
(A)第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程、及び、前記流動効能組成物原料22aを非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して所定形状を有する非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bを調製する冷却所定形状形成工程.
(B)保持部材21の表面の所定の位置領域に前記冷却非変形効能組成物原料22bと剥離保護部材23とを、前記剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する積層部材積層工程、ここで前記冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を維持するとともに、前記効能組成物原料が前記保持部材の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面に位置すると共に前記効能組成物原料の端面が前記保持部材と前記剥離部材との間から露出する状態になるように前記効能組成物原料を前記保持部材の表面に積層するとともに前記剥離部材を前記効能組成物原料の表面に積層する、前記冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を維持する.
(C)前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器3の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する積層物包装工程、ここで、前記冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を維持する.
(D)前記冷却非変形効能組成物原料22bを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成させて変化させるとともに該柔軟効能組成物22を前記保持部材21に付着接合させて、柔軟効能組成物22が前記保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、効能組成物原料が流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が前記包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
例えば、一実施例として、
図8において、効能組成物原料が、(A)工程において約-3℃に冷却されて、(B)工程及び(C)工程においてその冷却状態を維持し、(D)工程において、約10℃~約30℃の室温雰囲気、又は約30℃~約60℃に昇温されて、その昇温の過程及び/又は昇温された温度において、効能組成物原料が含水ゲル状の柔軟効能組成物に熟成された構成になる方法が実施可能である。
【0093】
この構成により、下記の効果が得られる。
[方法効果コ-b:柔軟効能組成物の端面密着包装]:
この構成により、前述の[方法効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている柔軟効能組成物22が保持部材と剥離保護部材の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制された貼付剤2が得られるようになり、その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便も解消され、更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0094】
なお、上記の構成において、流動効能組成物原料22aと剥離部材23を保持部材21の表面に積層し、その後、その保持部材21と流動効能組成物原料22aと剥離部材23との積層物を包装用容器の中に収納するとともに、包装用容器がその積層物の形状に沿って密着する状態で密封し、その密封された状態で流動効能組成物原料22aを流動性のない柔軟効能組成物の形態に熟成して変化させる工程を有する構成も実施可能である。この構成により、前述の[方法効果コ:柔軟効能組成物の端面密着包装]と同じ効果が得られる。
【0095】
<貼付剤を収納した貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品1は、貼付剤2と、前記貼付剤2を収納した包装用容器3とを備え、前記貼付剤2は、シート状の保持部材21と、前記保持部材21の表面の所定の位置領域に付着接合して配置されて積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物22と、前記柔軟効能組成物22の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材23とを備え、前記柔軟効能組成22は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤2が前記包装用容器3から取り出され、取出された前記貼付剤2から前記剥離保護部材21が剥離されて、前記保持部材23に積層して接合された前記柔軟効能組成物22を人体皮膚に貼付して使用される貼付剤収納包装品であって、前記包装用容器3は、前記貼付剤2の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に位置するとともに前記包装用容器3が前記貼付剤2の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に収納されて密封されてなる形態を有し、前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤2の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物22が粘着性を有するとともに柔軟状態を有する柔軟効能組成物22の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなることを特徴とする。
【0096】
この構成により下記の効果が得られる。
[構成効果ア:貼付剤収納包装品]:
本発明の貼付剤収納包装品において、貼付剤が包装用容器の中に位置するとともに包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、柔軟効能組成物が柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する構成を備える構成により、柔軟効能組成物中に含有される成分の蒸発発散又は空気との化学反応による含有成分の変質や劣化等による含有成分の含有組成変化や化学的劣化が抑制されて、安定した品質を有する貼付剤収納包装品が得られる効果が得られる。
更に、熟成中における流動効能組成物原料の形状が維持されてなる構成を備えるために、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている流動効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0097】
<貼付剤の形状に沿って密着する包装用容器を備えた貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が、流動状態を有する流動効能組成物原料の形態から、流動性のない柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する、構成を備えてなることを特徴とする。
【0098】
この構成により下記の効果が得られる。
[構成効果イ:貼付剤収納包装品]:
前述の(構成効果ア)が得られると共に、保持部材21に積層される柔軟効能組成物22を、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて高精度で形成されると共に、また、含有する組成成分割合も熟成中等において変動することなく安定した所望の品質を有する貼付剤収納包装品1が得られる。更に、保持部材21と剥離保護部材23とに挟まれている流動効能組成物原料21aの保持部材21と剥離保護部材23との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物22が包装用容器3の内面に粘着することに起因する貼付剤2を包装用容器3から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物22が保持部材21に支持されていなく貼付剤2の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0099】
<冷却非変形効能組成物原料から熟成されてなる柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納する貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記柔軟効能組成物22は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aの形態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有する冷却非変形効能組成物原料22bの形態を有し、第二冷却非変形温度から昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物22の形態に熟成されてなる熟成形態を有する性質を有し、前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物が、前記第二冷却非変形温度における非変形状態を有する形態から、前記第三柔軟熟成温度における流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成された熟成形態を有してなる、構成を備えてなることを特徴とする。
【0100】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果ウ:冷却非変形効能組成物原料]:
前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、保持部材21と剥離保護部材23とに挟まれている効能組成物22の保持部材21と剥離保護部材23との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物22が包装用容器3の内面に粘着することに起因する貼付剤2を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消され貼付剤収納包装品1が得られる。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出している柔軟効能組成物が保持部材21に支持されていなく貼付剤の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。更に、熟成中における含有成分の蒸発等に起因する含有成分の割合も変動することなく所望性能を有する貼付剤を安定して高精度で量産形成可能であり、その結果、良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤収納包装品1を安定して量産することができ、著しいコストダウンが可能となる貼付剤収納包装品1が得られる。
【0101】
<切断冷却非変形効能組成物原料から熟成されてなる柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納する貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記柔軟効能組成物は、第一流動温度において流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料22aの形態を有し、第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において切断前後に変形しない程度の非変形状態を有するとともに切断された切断冷却非変形効能組成物原料22cの形態を有し、第二冷却非変形温度から昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物22の形態に熟成された熟成形態を有する性質を有する.
前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に位置するとともに前記包装用容器3が前記貼付剤2の形状に沿って密着する状態で、前記柔軟効能組成物22が、前記第二冷却非変形温度における非変形状態を有する形態から、前記第三柔軟熟成温度における流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物22の形態に熟成された熟成形態を有する.
前記貼付剤2は、前記保持部材21と、切断時に変形しない程度の非変形状態を有する前記第二冷却非変形温度において切断された所定形状を有するとともに前記第三柔軟熟成温度において前記保持部材21の表面の所定の位置領域に配置されて接合された柔軟効能組成物22と、前記保持部材21の表面に接合された柔軟効能組成物22の表面を覆って設置された剥離保護部材23とを備えてなる。
【0102】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果エ:切断冷却非変形効能組成物原料]:
前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]及び[構成効果ウ]が得られると共に、所定形状に切断されている切断冷却非変形効能組成物原料22cが精確な所望の平面形状や厚さ形状を有し、且つ、包装用容器3に密着されて収納されている為に、所望形状を有する貼付剤収納包装品が得られる。
また、所望の形状に切断され形状を維持する柔軟効能組成物が構成されている為に、保持部材に積層される柔軟効能組成物が、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて高精度で形成可能となる。また、包装用容器3に収納された状態で熟成された柔軟効能組成物22を構成するために、熟成された柔軟効能組成物22の組成成分割合も変動することなく安定した組成成分割合の柔軟効能組成物22を構成する貼付剤収納包装品1が得られる。このように、良品歩留まりが著しく向上され、所望の品質を有する貼付剤を安定して量産することができ、コストダウンされた貼付剤収納包装品が得られる。
【0103】
<減圧密封されてなる貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に位置するとともに前記包装用容器3が前記貼付剤2の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤2が前記包装用容器3に収納され密封されてなる形態は、前記貼付剤2が包装用容器3の中に位置するとともに包装用容器3の中が大気圧よりも低い減圧状態で、前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に収納されて密封されてなる形態であることを特徴とする。
【0104】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果ク:減圧密着]:
前記貼付剤2が包装用容器3の中に位置するとともに包装用容器3の中が大気圧よりも低い減圧状態で、前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に収納されて密封されてなる形態を有し、包装用容器3が貼付剤2の形状に沿って密着する状態を有する構成を備えた構成により、前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、包装用容器3が貼付剤2の形状に沿って密着した状態を有する貼付剤収納包装品1が安定して量産された製品が得られる。また、保持部材21と剥離保護部材23とに挟まれている柔軟効能組成物22の保持部材21と剥離保護部材23との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器2の内面に粘着することに起因する貼付剤2を包装用容器3の中から容易に取り出せないという不便が解消され貼付剤収納包装品1が得られる。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
特に、保持部材21として微細凹凸表面を有する多孔性材料から構成される材料を構成する貼付剤において、包装用容器の内側と外側の気圧差に起因して、保持部材21の表面に付着している効能組成物原料22が剥離保護部材23を介して、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の表面側と裏面側とに位置するフィルム状の包装用容器に挟まれた状態で、保持部材21と効能組成物原料22とが互いに加圧され、これにより、柔軟効能組成物22の一部が保持部材21の微細凹凸表面の凹凸の内部に入り込む状態で付着するとともに、熟成されて流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22が保持部材21から剥がれることなく接合して構成される貼付剤が得られる作用効果が得られる。
【0105】
<熱収縮性包装用容器に密封されてなる貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に位置するとともに前記包装用容器3が前記貼付剤2の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤2が前記包装用容器3に収納され密封されてなる形態は、前記包装用容器3は加熱により収縮する性質を有する熱収縮性包装用容器3であり、前記貼付剤2が熱収縮性包装用容器3の中に位置する状態で、前記熱収縮性包装用容器3が加熱により熱収縮されてなる状態で前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に収納されて密封されてなる形態である、ことを特徴とする
【0106】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果ケ:熱収縮密着]:
包装用容器3は加熱により収縮する性質を有する熱収縮性包装用容器3であり、貼付剤2が熱収縮性包装用容器の中に位置する状態で、熱収縮性包装用容器3が加熱により収縮されてなる状態で前記貼付剤2が前記包装用容器3の中に収納されて密封されてなる形態である、構成により、前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、
包装用容器3が貼付剤2の形状に沿って密着した状態を有する貼付剤収納包装品1が安定して量産された製品が得られる。また、保持部材21と剥離保護部材23とに挟まれている柔軟効能組成物22の保持部材21と剥離保護部材23との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器3の内面に粘着することに起因する貼付剤2を包装用容器3から容易に取り出せないという不便が解消され貼付剤収納包装品が得られる。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0107】
[構成効果クケ:開口部熱融着接合]:
前記包装用容器の開口部が溶融融着して接合されて密封されてなる構成により、容易に貼付剤の形状に沿って密着された積層物収納包装品を容易に得ることが可能になり、また、包装品の内部への空気の侵入が抑制されて、包装用容器が貼付剤の形状に沿って密着した状態を長期間にわたって維持できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0108】
<水と水溶性高分子を含有する柔軟効能組成物について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記柔軟効能組成物22は、少なくとも水と水溶性高分子を含有し、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、前記第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、前記第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない柔軟状態を有するとともに粘着性を有する含水ゲル状柔軟効能組成物22である、ことを特徴とする。
水溶性高分子としては、前述の架橋性水溶性高分子、及び/又は非架橋性の水溶性高分子が含有されてなる構成が実施可能である。
【0109】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果サ:水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物]:
柔軟効能組成物22は、少なくとも水と水溶性高分子を含有し、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、前記第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、前記第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない柔軟状態を有するとともに粘着性を有する含水ゲル状柔軟効能組成物22である構成により、前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、更に、含水ゲル状の柔軟効能組成物22はそのゲル成分を自由に設計可能であり、貼付剤2を人体に貼付した時に、水に起因する快適な冷感が得られると共に、含水ゲル状の柔軟効能組成物22は人体皮膚に無害であり、皮膚に優しい貼付剤が得られる。
更に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている含水ゲル状柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤が得られるようになり、その結果、はみ出した含水ゲル状柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便も解消される。更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
更に、熟成中における含有成分である水の蒸発等に起因する含有成分の割合も変動することなく所望性能を有する貼付剤2を安定して高精度で量産形成可能であり、その結果、良品歩留まりを著しく向上可能で、所望の品質を有する貼付剤収納包装品を安定して量産することができ、著しいコストダウンが可能となる貼付剤収納包装品1が得られる。
含水ゲル状柔軟効能組成物としては、架橋された含水ゲル状柔軟効能組成物が望ましく実施される。
【0110】
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記柔軟効能組成物22は、少なくとも水と水溶性高分子と、該水溶性高分子を化学構造的に架橋可能な架橋剤を含有し、第一流動温度において流動可能な流動状態を有し、前記第一流動温度よりも低温の第二冷却非変形温度において変形しない程度の非変形状態を有し、前記第二冷却非変形温度を昇温した第三柔軟熟成温度において流動性のない柔軟状態を有するとともに粘着性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物22であり、前記水溶性高分子は、少なくとも、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸中和物、ポリアクリル酸部分中和物、アクリル酸メタクリル酸共重合体、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシビニルポリマ-及び、これらの塩類からなる群から選ばれる少なくとも一つの架橋性水溶性高分子であることを特徴とする。
【0111】
柔軟効能組成物22が架橋性水溶性高分子と架橋剤とを含有する構成において、例えば、第一流動温度は常温の約25℃付近であり、第三柔軟熟成温度は常温付近の約25℃付近であって、第三柔軟熟成温度の約25℃付近において含有される水溶性高分子が三次元の化学構造に架橋されて流動性のない柔軟状態を有するとともに粘着性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物22に熟成されて変化する、構成であって、貼付剤と、前記貼付剤を収納した包装用容器とを備え、前記貼付剤は、シート状の保持部材と、前記保持部材の表面の所定の位置領域に付着接合して配置されて積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材を備え、前記柔軟効能組成は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される貼付剤収納包装品であって、下記の構成を備える貼付剤収納包装品が実施可能である。
前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、第一流動温度は常温の約25℃付近において流動性を有する効能組成物原料を備えた貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記貼付剤が前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態を有し、第三柔軟熟成温度の約25℃付近において、流動性を有する効能組成物原料を備えた前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記効能組成物原料が化学構造的に架橋されて流動性を有する流動形態から流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する。
【0112】
また、他の構成として、下記の構成も実施可能である。
例えば、第一流動温度は常温の約25℃付近であり、第二冷却非変形温度は約3℃以下の冷却された温度であり、第三柔軟熟成温度は常温付近の約25℃付近であって、第三柔軟熟成温度の約25℃付近において含有される水溶性高分子が三次元の化学構造に架橋されて流動性のない柔軟状態を有するとともに粘着性を有する含水ゲル状の柔軟効能組成物22に熟成されて変化する、構成であって、貼付剤と、前記貼付剤を収納した包装用容器とを備え、前記貼付剤は、シート状の保持部材と、前記保持部材の表面の所定の位置領域に付着接合して配置されて積層された柔軟性を有する柔軟効能組成物と、前記柔軟効能組成物の表面に使用時に剥離可能に積層されたシート状の剥離保護部材とを備え、前記柔軟効能組成は粘着性を有し、使用時に、前記貼付剤が前記包装用容器から取り出され、取出された前記貼付剤から前記剥離保護部材が剥離されて、前記保持部材に積層して接合された前記柔軟効能組成物を人体皮膚に貼付して使用される貼付剤収納包装品であって、前記包装用容器は、前記貼付剤の形状に沿って変形可能な程度の柔軟性を有し、第一流動温度は常温の約25℃付近において流動性を有する効能組成物原料を、第二冷却非変形温度としての約マイナス2℃に冷却した所定形状を有する冷却非変形効能組成物原料を備えた保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物前記包装用容器の中に収納されて密封されてなる形態を有し、第三柔軟熟成温度の約25℃付近において、効能組成物原料を備えた前記貼付剤が前記包装用容器の中に位置するとともに前記包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、前記効能組成物原料が化学構造的に架橋されて流動性を有する流動形態から流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成されてなる熟成形態を有する。
【0113】
上記の架橋性水溶性高分子を含有する構成により、前述の[構成効果ア]を有すると共に下記の[構成効果サ‐a]、[構成効果サ‐b]の効果が得られる。
[構成効果サ‐a:架橋性水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物・室温熟成]:
本構成において、前述の[構成効果サ]が得られると共に、架橋性水溶性高分子と架橋剤との双方の種類を所望に設計して含有せしめることにより、所望の温度で架橋されて熟成された含水ゲル状柔軟効能組成物を得ることが可能である。例えば、約30℃を超える温度に昇温する工程を有することなく、約30℃以下の温度で架橋された含水ゲル状柔軟効能組成物を得ることが可能である。すなわち、(A)工程において「室温の約10℃~約30℃の雰囲気で、流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料を調製する流動効能組成物原料調製工程」を有すると共に、(D)工程において「室温の約10℃~約30℃の雰囲気中で、前記積層物収納包装品を構成する前記効能組成物原料を流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成させて変化させるとともに該柔軟効能組成物を前記保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより効能組成物原料が流動性のない柔軟状態を有する柔軟効能組成物に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる」を有する構成が実施可能である。換言すれば、(A)工程、(D)工程のいずれの工程においても、室温の約10℃~約30℃の雰囲気で製造する構成が実施可能である。
また、この構成により、昇温による水の蒸散が抑制されて含有組成の変動が防止されると共に、昇温に起因する含有成分の熱劣化が抑制される効果が得られる。
更に、含水ゲル組成物はそのゲル成分や薬効成分を自由に設計可能であり、貼付剤を人体に貼付した時に、含水成分に起因する適度の冷感と共に、薬効成分に起因する薬効を奏する貼付剤が得られ、また、皮膚炎症を最小限に抑制可能で皮膚に優しい貼付剤が得られる。
更に、包装用容器の中に収納された状態で効能組成物原料が架橋されて3次元網目化学的構造を生成し、流動性のないゲル状柔軟状態を有する熟成された含水ゲル状柔軟効能組成物を得ることができるために、熟成中における水分などの蒸発に起因する効能組成物の含有組成変化が著しく抑制されて、所望の粘着性や柔軟性を有する貼付剤を安定して製造可能になる。
更に、架橋剤の種類を選択することにより、常温付近で架橋することが可能になるため、包装用容器の中に収納された状態で効能組成物原料を架橋して架橋された柔軟効能組成物を製造でき、架橋された貼付剤を包装容器の中に収納する場合と比べて、製造時間を著しく短縮可能になる。
更に、加熱昇温の為に必要な電力費用も低減されて安価に製造できる効果が得られる。
また、所望の種類の架橋剤を選択して含有することにより、約30℃以下においては著しく架橋速度が遅く約30℃~60℃の温度領域で架橋が促進されて短時間で製造する製造方法も実施可能である。この方法により、流動効能組成物原料の流動性を有する時間が永いために、(A)工程の流動効能組成物原料を調製してから(C)工程の積層物包装工程までの時間を所望に設計できる製造方法が得られる。
【0114】
[構成効果サ‐b:架橋性水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物・はみ出し抑制]:
上記の架橋性水溶性高分子と架橋剤を含有する含水ゲル状柔軟効能組成物が構成される製造方法により、前述の[構成効果サ]が得られると共に、更に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている含水ゲル状柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤が得られるようになり、その結果、はみ出した柔軟効能組成物22が包装用容器3の内面に粘着することに起因する貼付剤2を包装用容器3から容易に取り出せないという不便も解消され、更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した含水ゲル状柔軟効能組成物22が保持部材21に支持されていないために生じる貼付剤2の表面が粘着性を奏することによる使用者の不快感も著しく抑制された貼付剤収納包装品1を製造できる効果が得られる。
【0115】
<水溶性高分子を含有し架橋剤を含有しない柔軟効能組成物を備えた構成について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
柔軟効能組成物として、架橋性水溶性高分子及び/又は非架橋性水溶性高分子を含有し、架橋剤を含有しない柔軟効能組成物を備えた構成も実施可能である。
水溶性高分子としては、前述の架橋性高分子、及び/又は非架橋性水溶性高分子が使用可能である。
[構成効果サ‐c:架橋剤を含有しない水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物]:
水溶性高分子を含有し架橋剤を含有しない柔軟効能組成物を備えた構成において、前述の[構成効果サ:水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物]と類似の効果が得られる。
【0116】
第二冷却非変形温度に冷却されてなる水溶性高分子を含有する冷却非変形効能組成物原料から熟成されてなる冷却含水ゲル状柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納貼付剤収納包装品は、下記の効果を奏する。
[構成効果シ:水溶性高分子・含水ゲル状柔軟効能組成物・冷却]:
上記の[構成効果ア]、[構成効果サ‐a]、[方法効果サ‐b]が得られると共に、特に、前述の[構成効果ウ:冷却非変形効能組成物原料]が著しく発揮される。
【0117】
第二冷却非変形温度に冷却されて切断されてなる水溶性高分子を含有する切断冷却非変形効能組成物原料から熟成されてなる冷却含水ゲル状柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納貼付剤収納包装品は、下記の効果を奏する。
[構成効果ス:水溶性高分子・切断冷却含水ゲル状効能組成物]:
貼付剤2は、保持部材21と、切断時に変形しない程度の非変形状態を有する前記第二冷却非変形温度において切断された所定形状を有するとともに前記第三柔軟熟成温度において前記保持部材の表面の所定の位置領域に配置されて接合された柔軟効能組成物22と、保持部材21の表面に接合された柔軟効能組成物22の表面を覆って設置された剥離保護部材23とを備えてなる、構成により、前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]、[構成効果ウ]及び[構成効果エ]が得られると共に、所定形状に切断されている切断含水ゲル状柔軟効能組成物が精確な所望の平面形状や厚さ形状を有し、且つ、包装用容器に密着されて収納されている為に、所望形状を有する貼付剤収納包装品が得られる。
また、所望の形状に切断された切断含水ゲル状柔軟効能組成物が構成されている為に、保持部材に積層される切断含水ゲル状柔軟効能組成物が、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて高精度で形成可能となる。また、包装用容器3に収納された状態で熟成された切断ゲル状柔軟効能組成物を構成するために、熟成された切断ゲル状柔軟効能組成物の組成成分割合も変動することなく安定した組成成分割合の切断ゲル状柔軟効能組成物を構成する貼付剤含有製品が得られる。
また、含水ゲル状柔軟効能組成物原料22aを、冷却して、冷却非変形効能組成物原料22bに調製した状態で切断されてなる所定形状の切断冷却非変形効能組成物原料22cを構成する構成において、切断時に使用される刃型に、含水ゲル状効能組成物原料が付着するという欠点が抑制され、量産時の不良発生も抑制されて、生産性が著しく向上する。
このように、良品歩留まりが著しく向上され、所望の品質を有する貼付剤を安定して量産することができ、コストダウンされた貼付剤含有製品が得られる。
切断含水ゲル状柔軟効能組成物としては、架橋された切断含水ゲル状柔軟効能組成物、が望ましく実施される。
【0118】
<複数種類の柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納した貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記柔軟効能組成物22は互いに異なる組成成分を含有する複数種類の柔軟効能組成物を有し、前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物22は、少なくとも粘着性を有すると共に互いに異なる効能を奏し、前記貼付剤2は、シート状の保持部材21と、前記保持部材21の表面の所定の位置領域に配置されて接合された複数種類の柔軟効能組成物22と、前記柔軟効能組成物22の表面を覆って積層されたシート状の剥離保護部材23とを備え、(i)前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物22は、所定形状を有し、前記保持部材21の表面の平面領域に互いに隣り合う位置に配置されるとともに互いに接合されて構成されてなり、又は、(ii)前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物22は、所定形状を有し、前記保持部材21の表面の所定領域に互いに重なり合う位置に積層されて配置されて互いに接合されて構成されてなり、前記貼付剤2が前記包装用容器3中に位置するとともに前記包装用容器3が前記貼付剤2の形状に沿って密着する状態で、前記複数種類の柔軟効能組成物22が柔軟状態を有する柔軟効能組成物22の形態に熟成された熟成形態を有してなる、構成を備えてなることを特徴とする。
【0119】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果カ:複数種類の柔軟効能組成物]:
前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、組成成分の異なる複数種類の柔軟効能組成物22を、所望の厚さ、面積、形状、重量、積層位置などにおいて高精度で形成可能となり、また、含有する組成成分割合も変動することなく安定して量産形成可能になる。
更に、熟成中における複数種類の柔軟効能組成物の形状が維持されるために、保持部材21と剥離保護部材23とに挟まれている複数種類の柔軟効能組成物の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤2を包装用容器3から容易に取り出せないという不便が解消される。
更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0120】
[構成効果カ-a:複数種類の柔軟効能組成物・平面]:
上記の[構成効果カ:複数種類の柔軟効能組成物]に加えて、さらに、一つの保持部材21の表面領域において互いに隣り合う位置に設置された異なる組成成分の領域を有する柔軟効能組成物22を容易に形成することが可能となり、その結果、所望の品質を有する貼付剤収納包装品1が安定して得られる。例えば、冷却効能を奏する貼付剤領域、鎮痛効能を奏する柔軟効能組成物領域、強い粘着性を発揮する柔軟効能組成物領域などを、保持部材21の表面領域の平面方向に、互いに交互に形成することにより、優れた冷却効能及び/又は鎮痛消炎効能等の所望の効能を発揮するとともに優れた粘着性能を有する貼付剤2を備えた貼付剤収納包装品1を得ることができる。
【0121】
[構成効果カ-b:複数種類の柔軟効能組成物・積層]:
上記の[構成効果カ:複数種類の柔軟効能組成物]に加えて、さらに、保持部材の表面において積層方向に互いに重なり合って異なる組成成分を有する柔軟効能組成物を容易に形成することが可能となり、その結果、所望の品質を有する貼付剤2を安定して量産することができる。例えば、複数種類の溶解性や相溶性の異なる効能成分を含有する柔軟効能組成物において、それぞれの効能成分に最適な複数種類の柔軟効能組成物が積層方向に配置されてなる所望の効能を奏する貼付剤収納包装品1が容易に得られる。
【0122】
<保持部材21の表面からはみ出すことなく前記保持部材の表面に積層された柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納した貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記貼付剤2は、前記柔軟効能組成物22が前記保持部材21の表面からはみ出すことなく前記保持部材21の表面領域に位置する状態で前記柔軟効能組成物22が前記保持部材21の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材23が前記柔軟効能組成物22の表面を覆ってなる状態を有し、前記包装用容器3が前記剥離保護部材23の表面に密着した形態で形成されてなり、前記包装用容器3が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなる、構成を備えることを特徴とする。
【0123】
この構成により下記の効果が得られる。
[構成効果コ:はみ出すことなく保持部材の表面領域に位置する柔軟効能組成物]:
前述の[構成効果ア:貼付剤密着収納]が得られると共に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤2が得られるようになり、その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便も解消され、更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0124】
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記貼付剤2は、前記柔軟効能組成物22が前記保持部材21の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部21aを形成する状態で前記柔軟効能組成物22が前記保持部材21の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材23が前記柔軟効能組成物22を覆うと共に前記保持部材の保持部材周辺余白部21aに密着した形態で形成されてなり、前記包装用容器3が前記貼付剤2の形状に沿って密着する状態で構成されてなる、構成を備えることを特徴とする。
【0125】
この構成により下記の効果が得られる。
[構成効果コ-a:保持部材周辺余白部]:
貼付剤2は、柔軟効能組成物22が保持部材21の表面の周辺よりも内側領域に位置して保持部材周辺余白部21aを形成する状態で柔軟効能組成物22が保持部材21の表面に積層されてなるとともに、剥離保護部材23が柔軟効能組成物22を覆うと共に保持部材21の保持部材周辺余白部21aに密着した形態で形成されてなり、包装用容器3が貼付剤2の形状に沿って密着する状態で構成されてなる構成」により、前述の[構成効果コ]が得られると共に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている柔軟効能組成物22が保持部材21と剥離保護部材23の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制され貼付剤2が得られるようになり、その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便も解消され、更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0126】
保持部材21の表面の周辺よりも内側領域に位置する保持部材周辺余白部21aにおいて、保持部材の周辺から柔軟効能組成物22の周辺までの距離、すなわち、保持部材周辺余白部21aの幅寸法としては、少なくとも、柔軟効能組成物22の厚さ寸法と同等以上の距離・長さ寸法が望ましい。例えば、保持部材21に積層される柔軟効能組成物の厚さが2mmである場合には、保持部材周辺余白部21aの幅寸法は、約2mm以上が望ましい。これにより、柔軟効能組成物22のはみ出しが抑制された貼付剤が得られる。保持部材周辺余白部21aの幅寸法が柔軟効能組成物22の厚さ寸法よりも短い場合には、柔軟効能組成物のはみ出し抑制の効果が低下する傾向がある。
本構成は、例えば、
図1の(D)、
図2の(D)、
図3の(D)に図示されている。
【0127】
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
前記貼付剤2は、前記柔軟効能組成物22が前記保持部材21の表面からはみ出すことなく前記保持部材21の表面領域に位置すると共に前記柔軟効能組成物の端面が露出する状態で前記柔軟効能組成物22が前記保持部材21の表面に積層されてなるとともに、前記剥離保護部材23が前記柔軟効能組成物22の表面を覆ってなる状態を有し、前記包装用容器3が前記剥離保護部材23の表面と前記柔軟効能組成物の端面に密着した形態で形成されてなり、前記包装用容器3が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなる、構成を備えることを特徴とする。
【0128】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果コ-b:柔軟効能組成物の端面密着包装]:
「貼付剤は、柔軟効能組成物の端面が露出する状態で柔軟効能組成物が保持部材の表面に積層されてなるとともに、剥離保護部材が柔軟効能組成物の表面を覆うと共に、包装用容器が剥離保護部材の表面と柔軟効能組成物の端面に密着した形態で形成されてなり、包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で構成されてなる構成」により、前述の[構成効果コ]が得られると共に、特に、保持部材21と剥離保護部材23との間に構成されている柔軟効能組成物22が保持部材と剥離保護部材の間の端部からはみ出す現象が著しく抑制された貼付剤2が得られるようになり、その結果、そのはみ出した柔軟効能組成物を構成する貼付剤を包装用容器の中に収納した場合にはみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着することに起因する貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便も解消され、更に、貼付剤2を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材21の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【0129】
<薬効成分を含有する柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納した貼付剤収納包装品について>
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成も実施可能である。
前記柔軟効能組成物22は水及び/又は薬効成分を含有し、前記包装用容器3から取り出された前記貼付剤2の剥離保護部材23を前記柔軟効能組成物22から剥離して、前記保持部材21に積層して接合された前記柔軟効能組成物22を人体皮膚に貼付して使用されたとき、前記柔軟効能組成物22に含有されている前記水及び/又は前記薬効成分に起因する冷却効能及び/又は薬効を奏する、ことを特徴とする。
【0130】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果セ:冷却効能・薬効]
前記柔軟効能組成物22が、冷却効能又は冷感効能を奏する成分、及び/又は薬効を奏する薬効成分を含有してなる構成も実施可能であり、このような冷却効能又は冷感効能を奏する成分及び/又は薬効を奏する薬効成分を含有する貼付剤を人体の皮膚に貼付したときに、優れた冷却感又は冷感及び/又は薬効が得られる。
冷却効能又は冷感効能を奏する成分としては、特に制限されないが、例えば、水、メントールなどが実施可能である。
薬効を奏する薬効成分としては、特に制限されないが、例えば、経皮吸収性を有する薬効成分であって、前述のインドメタシン、ロキソプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、ケトプロフェン、ジクロフェナック、ジクロフェナックナトリウム、イブプロフェン、ケトロラク、リドカイン、フルルビプロフェン、テルビナフィン等の鎮痛消炎効能を奏する薬効成分が実施可能である。
【0131】
本発明の貼付剤収納包装品において、下記の構成を備える製造方法も実施可能である。
前記柔軟効能組成物22は互いに組成成分の異なる複数種類の柔軟効能組成物22を有し、前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物22は互いに異なる効能を奏し、前記複数種類の柔軟効能組成物のそれぞれの柔軟効能組成物22は前記保持部材の表面の所定領域に設置されて構成されてなり、(i)変形しない程度の非変形状態を有する前記第二冷却非変形温度において所定形状を有するとともに前記第三柔軟熟成温度において前記保持部材の表面の平面領域に互いに接合された所定形状を有する前記それぞれの柔軟効能組成物22が、前記保持部材21の表面の平面領域に互いに隣り合う位置に配置されるとともに互いに接合されて構成されてなり、前記複数種類の柔軟効能組成物22は、少なくとも、経皮吸収性の薬効成分を含有する第一柔軟効能組成物と、人体皮膚に貼付したときに前記第一柔軟効能組成物よりも強い粘着性を奏する第二柔軟効能組成物とを備えてなる、ことを特徴とする。
【0132】
この構成により、下記の効果が得られる。
[構成効果カ-a:経皮吸収性薬効成分と強粘着性・平面]:
この構成により、貼付剤収納包装品に収納されている貼付剤2を人体皮膚に貼付した場合に、所望の経皮吸収性薬効を奏する貼付剤収納包装品が得られる。例えば、鎮痛消炎剤を含有する柔軟効能組成物を備える構成においては鎮痛消炎効能を有すると共に強い粘着力を奏する効能を奏する貼付剤収納包装品が得られる。又は、鎮痛消炎剤を含有する柔軟効能組成物とメントールを含有する柔軟効能組成物とを備えた構成において、前述の鎮痛消炎効能を有すると共に優れた冷感を奏する貼付剤収納包装品が得られる。
【実施例】
【0133】
以下、本発明の貼付剤の製造方法及び貼付剤について典型的実施例を説明する。
【0134】
(典型的実施例1:各種流動効能組成物原料の調製)
(典型的実施例1-1)
流動可能な流動状態を有するA1流動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程:
約25℃の室温雰囲気中において、ポリアクリル酸とポリアクリル酸ナトリウムとカルボキシメチルセルロースナトリウムと水とを混合して第一溶解物を得る。別途、ポリビニルアルコールを水に添加して溶解して第二溶解物を得る。これら第一溶解物と第二溶解物とグリセリンとパラベンとメントールと酒石酸と架橋剤と残りの水を加えて、よく撹拌混合する。これに別途用意した架橋剤水溶液を加えて混合する。
このようにして、ポリアクリル酸2g、ポリアクリル酸ナトリウム4g、ポリビニルアルコール3g、グリセリン18g、カルボキシメチルセルロースナトリウム1g、メントール約0.1g、パラベン約0.1g、微量の酒石酸、微量の架橋剤(硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム)、及び、水(残部)合計100gを含有するA1流動効能組成物原料22aを調製する。
このようにして調製されたA1流動効能組成物原料22aは、第一流動温度としての約10℃以上の温度領域で流動可能な流動状態を有し、第二冷却非変形温度としての約3℃以下の温度領域で切断可能な非変形状態になり、第三非流動温度としての約7℃~約30℃の温度領域で流動性のない含水ゲル状柔軟効能組成物になる。なお、A1流動効能組成物原料22aは第三非流動温度としての約7℃~約30℃の温度領域で、含有されている水溶性高分子が架橋されて化学構造式において三次元構造の網目構造になって、流動性のない粘着性を有するとともに保形性を有する含水ゲル状柔軟効能組成物に熟成されて変化する性質を有する。また、第三非流動温度において非流動状態になった含水ゲル状柔軟効能組成物は、約40度に昇温した場合においても非流動状態を維持する性質を有する。
この含水ゲル状柔軟効能組成物を構成した貼付剤は、人体に貼付されて使用された場合、冷却効能又は冷感効能を奏する効果を有する。
また、A1流動効能組成物原料22aは、約25℃の室温雰囲気中において、架橋剤の混合直後から架橋反応が進行して、ゲル状の流動状態から、徐々に、流動性のない柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成して変化する性質を有する。通常、架橋剤の混合直後から徐々に流動性が低くなり、約60分後には流動性のない非流動状態になり、更に、時間の経過とともに更に架橋反応が進行して、所定の粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成して変化する性質を有する。
【0135】
(典型的実施例1-2)
流動可能な流動状態を有するA2動効能組成物原料22aを調製する流動効能組成物原料調製工程:
前述の典型的実施例1-1において、さらに、鎮痛消炎効能を奏する薬効成分としてのインドメタシン約0.1gを加えて混合・溶解する工程を有する。このようにして、各成分が均一に混合されたA2流動効能組成物原料22aを調製する。
このようにして調製されたA2流動効能組成物原料13aは、第一流動温度としての約10℃以上の温度領域で流動可能な流動状態を有し、第二冷却非変形温度としての約3℃以下の温度領域で切断可能な非変形状態になり、第三非流動温度としての約7℃~約30℃の温度領域で流動性のない含水ゲル状柔軟効能組成物になる。
なお、A2流動効能組成物原料22aは第三非流動温度としての約7℃~約30℃の温度領域で、含有されている水溶性高分子が架橋されて化学構造式において網目構造になって、流動性のない粘着性を有するとともに保形性を有する含水ゲル状柔軟効能組成物に熟成されて変化する性質を有する。また、第三非流動温度において非流動状態になった含水ゲル状柔軟効能組成物は、約40度に昇温した場合においても非流動状態を維持する性質を有する。
この含水ゲル状柔軟効能組成物を構成した貼付剤は、人体に貼付されて使用された場合、冷却効能又は冷感効能を奏するとともに鎮痛消炎効能を奏する効果を有する。
また、A1流動効能組成物原料22aは、約25℃の室温雰囲気中において、架橋剤の混合直後から架橋反応が進行して、ゲル状の流動状態から、徐々に、流動性のない柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成して変化する性質を有する。通常、架橋剤の混合直後から徐々に流動性が低くなり、約60分後には流動性のない非流動状態になり、更に、時間の経過とともに更に架橋反応が進行して、所定の粘着性と柔軟性を有する柔軟効能組成物に熟成して変化する性質を有する。
【0136】
(典型的実施例2-1)
冷却効能又は冷感効能を奏する含水ゲル状の柔軟効能組成物を備えた貼付剤を収納した貼付剤収納包装品の製造方法の典型的実施例について、
図1に示される貼付剤収納包装品の製造方法を説明する。
【0137】
・[A工程:流動効能組成物原料調製工程]:
前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。
【0138】
・[B工程:積層部材積層工程:保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層工程]:
図1の(B)に示されるように、ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約50mm、横幅約120mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約50mm、横幅約120mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、前記A工程により調製されたA1流動効能組成物原料22aを、そのA1流動効能組成物原料の調製後から約20分以内に、厚さ約2mm、縦幅約40mm、横幅約110mmの形状で付着して積層するとともに、その流動効能組成物原料22aと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層し、このようにして保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。
この工程において、保持部材21の表面の保持部材周辺余白部21aの内側に、縦幅約40mm、横幅約110mmの形状のプラスチック製の枠体を設置し、その枠体の内側に流動性ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを投入して保持部材周辺余白部21aを形成する形態になるように厚さ約2mm、縦幅約40mm、横幅約110mmの形状を有するA1流動効能組成物原料22aを保持部材21の表面に積層する。
【0139】
・[C:積層物包装工程]工程:
図1の(C)に示されるように、ポリエチレンフィルム(厚さ約40μm)とアルミニウム箔(厚さ約9μm)とポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ約12μm)との3層からなり、各層が数μm厚の接着剤により接合されてなる厚さ約0.07mm(厚さ約70μm)のフィルム状の包装用容器3を準備する。ここで、フィルム状の包装用容器3はその周囲が開口された状態を有するとともに、少なくとも保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の大きさ(縦幅約50mm、横幅約120mm)よりも約5mm以上大きな形状を有する。別途、真空ポンプとチャンバー内部にヒートシール装置を備えると共にチャンバーの内部を減圧可能な真空包装装置(図示なし)を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、A1流動効能組成物原料の調製後から約30分以内に、上記の保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、ポリエチレン層が互いに対向する状態で位置する上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に位置し、その状態で真空包装装置の内部を約100mmHg以下の減圧状態に減圧して、減圧状態で保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。
その後、チャンバーの内部を大気圧(約760mmHg、常圧)に戻す。これにより、包装用容器3の周囲が熱融着シールされると共に、包装用容器3の内部が減圧状態になり、その包装用容器3の中に収納された保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物が包装用容器3の中に位置する状態で、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になった積層物収納包装品が調製される。すなわち、包装用容器の内部と外部との気圧差により、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。
ここで、剥離保護部材23が効能組成物原料22aの表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。
【0140】
・[D:効能組成物原料熟成工程]工程:
図1の(D)に示されるように、(C)工程により調製された積層物収納包装品を、約25℃の室温雰囲気中に約60分以上載置する。
約25℃雰囲気中に載置された状態で、積層物収納包装品を構成する流動効能組成物原料22aを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋させて熟成させて変化させるとともに、柔軟効能組成物22を保持部材21に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を形成する。これにより、流動効能組成物原料22aが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
【0141】
ここで、包装用容器3は剥離保護部材23を介して流動効能組成物原料22aの表面と端部と保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態を維持した状態で、流動効能組成物原料22aが柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて、保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。すなわち、剥離保護部材23が柔軟効能組成物22の表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する貼付剤収納包装品が得られる。特に、柔軟効能組成物22は、保持部材21の表面からはみ出すことなく保持部材21の周辺余白部21aを形成した状態で保持部材21の表面に付着形成された貼付剤収納包装品が得られる。
【0142】
また、包装用容器の内側と外側の気圧差に起因して、微細凹凸表面を有する不織布製の保持部材21の表面に付着している効能組成物原料22aが剥離保護部材23を介して、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の表面側と裏面側とに位置するフィルム状の包装用容器に挟まれた状態で、保持部材21と効能組成物原料22aとが互いに加圧され、これにより、効能組成物原料22aの一部が保持部材21の微細凹凸表面の凹凸の内部に入り込む状態を形成し、その状態で効能組成物原料22aが架橋して熟成されて流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に変化される。このようにして柔軟状態の柔軟効能組成物22が保持部材21から剥がれることなく接合して構成される貼付剤が形成される。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0143】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られるとともに、[方法効果イ]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[方法効果サ‐b]、[構成効果イ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ‐b]、[構成効果コ-a]、等の作用効果が得られる。
【0144】
本実施例の前述の(C)工程において、真空包装装置の内部を約600mmHgの減圧状態に減圧した構成においても、上記と同じ効果が得られる。また、真空包装装置の内部を約30mmHgの減圧状態に減圧した構成においても、上記と同じ効果が得られる。
【0145】
(典型的実施例2-2)
冷却効能又は冷感効能と鎮痛消炎効能を奏する含水ゲル状柔軟効能組成物を備えた貼付剤収納包装品の一実施例を説明する。
前述の典型的実施例2において、A1流動効能組成物原料22aに替えて、
前記の(典型的実施例1-2)において調製された鎮痛効能を奏する架橋性を有する含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを準備する。
その他の工程は、前述の(典型的実施例2-1)の工程と同じ工程を備える。
これにより、流動効能組成物原料22aが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0146】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、[方法効果イ]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[方法効果サ‐b]、[構成効果イ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ‐b]、[構成効果コ-a]、及び、[方法効果セ]、[構成効果セ]等の作用効果が得られる。
【0147】
(比較例2a)
前記典型的実施例2-1において、それぞれの工程に替えて、
図12に示される従来の製造工程に一部類似の下記の工程を備える。
・[
図12(a)工程に類似の工程]:
約25℃の室温雰囲気中において、前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。
【0148】
・[
図12(b-イ)工程に類似の工程]:
ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約50mm、横幅約120mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約50mm、横幅約120mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、A工程により調製されたA1流動効能組成物原料22aを、そのA1流動効能組成物原料の調製後から約20分以内に、移し替えて積層するとともに剥離保護部材23を積層する。このようにして、厚さ約2mm、縦幅約40mm、横幅約110mmの流動効能組成物原料22aと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。この工程において、保持部材21の表面の保持部材周辺余白部21aの内側に、縦幅約40mm、横幅約110mmの形状のプラスチック製の枠体を設置し、その枠体の内側に流動性ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを投入して保持部材周辺余白部21aを形成する形態になるように厚さ約2mm、縦幅約40mm、横幅約110mmの形状を有するA1流動効能組成物原料22aを保持部材21の表面に積層する。
【0149】
・[
図12(b-ハ)工程、(c-イ)工程に類似の工程]:
約25℃雰囲気中に載置された状態で、流動効能組成物原料22aを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋させて熟成させて変化させるとともに、柔軟効能組成物22を保持部材21に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を形成する。これにより、流動効能組成物原料22aが柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成する。
ここで、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材においては、
図12(b‐ハ)に示されるように、流動効能組成物原料22aが架橋するまでの流動効能組成物原料22aが流動性を有するために、流動効能組成物原料22aの厚さHが減少して厚さH2になると共に流動効能組成物原料22aが保持部材21の端面からはみ出し長さL2の状態ではみ出した状態になる。
そして、
図12(c‐イ)に示されるように、時間の経過とともに流動効能組成物原料22aは流動性状態から流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化するとともに柔軟効能組成物22を保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた貼付剤が得られる。ここで、はみ出している流動効能組成物原料22aも流動性状態から流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成されて変化される。
【0150】
・[
図12(d-イ)工程に類似の工程]:
前記典型的実施例2-1において使用したものと同じ厚さ約0.1mm以下のフィルム状の包装用容器3を準備し、その上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に前記(c‐イ)工程により調製された貼付剤を位置する状態で、貼付剤の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の包装用容器3の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。このようにして、貼付剤を包装用容器3の中に収納した貼付剤収納包装品が得られる。ここで、包装用容器3は貼付剤に密着する状態で収納されない。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
すなわち、柔軟効能組成物22が貼付剤の端面からはみ出した状態となる貼付剤収納包装品1が得られる。
【0151】
(比較例2b)
前記典型的実施例2-1において、それぞれの工程に替えて、
図12に示される従来の製造工程に一部類似の下記の工程を備える。
[典型的実施例2-1のA工程(流動効能組成物原料調製工程に準じる工程]:[
図12(a)工程に類似の工程]:
約25℃の室温雰囲気中において、前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。
【0152】
[典型的実施例2-1のB工程(積層部材積層工程:保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層工程に準じる工程)]:[
図12(b-イ)工程に類似の工程]:
ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約50mm、横幅約120mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約50mm、横幅約120mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、A工程により調製されたA1流動効能組成物原料22aを、そのA1流動効能組成物原料の調製後から約20分以内に、移し替えて積層するとともに剥離保護部材23を積層する。このようにして、厚さ約2mm、縦幅約40mm、横幅約110mmの流動効能組成物原料22aと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。この工程において、保持部材21の表面の保持部材周辺余白部21aの内側に、縦幅約40mm、横幅約110mmの形状のプラスチック製の枠体を設置し、その枠体の内側に流動性ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを投入して保持部材周辺余白部21aを形成する形態になるように厚さ約2mm、縦幅約40mm、横幅約110mmの形状を有するA1流動効能組成物原料22aを保持部材21の表面に積層する。
【0153】
・[C:積層物包装工程]工程:
前記典型的実施例2-1において使用したものと同じ厚さ約0.1mm以下のフィルム状の包装用容器3を準備し、
約25℃の室温雰囲気中及び常圧雰囲気中において、A1流動効能組成物原料の調製後から約30分以内に、上記の保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、ポリエチレン層が互いに対向する状態で位置する上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に位置し、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。このようにして、包装用容器3の中に保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物が密封されて収納された積層物収納包装品が得られる。ここで、包装用容器3は保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物に密着する状態で収納されない。
【0154】
・[D:効能組成物原料熟成工程]工程:
上記(C)工程により調製された積層物収納包装品を、約25℃の室温雰囲気中に約60分以上載置する。
約25℃雰囲気中に載置された状態で、流動効能組成物原料22aを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋させて熟成させて変化させるとともに、柔軟効能組成物22を保持部材21に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を形成する。これにより、流動効能組成物原料22aが柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
ここで、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材においては、
図12(b‐ハ)に示されるように、流動効能組成物原料22aが架橋するまでの流動効能組成物原料22aが流動性を有するために、流動効能組成物原料22aの厚さHが減少して厚さH2になると共に流動効能組成物原料22aが保持部材21の端面からはみ出し長さL2の状態ではみ出した状態になる。
そして、
図12(d‐イ)に示されるように、時間の経過とともに流動効能組成物原料22aは流動性状態から流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化するとともに柔軟効能組成物22を保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた貼付剤を収納した貼付剤2が得られる。ここで、はみ出している流動効能組成物原料22aも流動性状態から流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成されて変化される。
すなわち、柔軟効能組成物22が貼付剤の端面からはみ出した状態となる貼付剤収納包装品1が得られる。
【0155】
(比較例2c)
(比較例2c)
包装用容器として、上面開口された収容凹部とその凹部の周縁に形成された鍔とを有するブリスタ型容器本体と容器蓋体とを備えた包装用容器を構成する貼付剤収納包装品について説明する。一般に、ブリスタ型容器本体としては、携帯時、流通時、保存時等に加わる力に耐える機械的強度を有するように設計された材質を有するものが好ましく実施されている。すなわち、外圧に耐える機械的強度を有し、外圧により変形しないように構成されたブリスタ型容器本体が構成されている。本比較例において、ブリスタ型容器本体として、上面開口された収容凹部(横約55mm、縦約125mmm、深さ約3mm)とその凹部の周縁に形成された鍔(鍔の幅約5mm)とを有する厚さ約0.7mmのPET(ポリエチレンテレフタレート)製のブリスタ型容器が構成される。ブリスタ型容器の収容凹部の大きさは、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の大きさ(縦幅約50mm、横幅約120mm)よりも約5mm以上大きな形状を有する。また、容器蓋体としては、典型的実施例2-1に構成される包装用容器と同じ材質の熱融着密封可能であるとともに変形可能な柔軟性を有するラミネートフィルムが構成される。
【0156】
・[A工程:流動効能組成物原料調製工程]:
前述の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。
・[B工程:積層部材積層工程:保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層工程]:
前述の(典型的実施例2-1)と同じ工程により、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。
【0157】
・[C:積層物包装工程]工程:
約25℃の室温雰囲気中において、A1流動効能組成物原料の調製後から約30分以内に、上記(B)工程により調製された保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、包装用容器3の中に位置し、その状態で真空包装装置の内部を約100mmHg以下の減圧状態に減圧して、減圧状態で、ブリスタ型容器本体の鍔と容器蓋体とを互いに溶融融着して接合して密封する。その後、チャンバーの内部を常圧(約760mmHg)に戻す。これにより、包装用容器3の周囲が熱融着シールされると共に、包装用容器3の内部が減圧状態になった積層物収納包装品が調製される。
ここで、形成される積層物収納包装品の容器蓋体は保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるが、しかしながら、ブリスタ型容器本体は変形することなく、減圧密封前と同じ形状を維持している。
【0158】
・[D:効能組成物原料熟成工程]工程:
前述の(典型的実施例2-1)と類似の工程により、(C)工程により調製された積層物収納包装品を、約25℃の室温雰囲気中に約60分以上載置する。これにより、流動効能組成物原料22aが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
ここで、流動効能組成物原料22aが、保持部材21の周辺からはみ出した状態となり、そのはみ出し状態で柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて、保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
すなわち、柔軟効能組成物22が貼付剤の端面からはみ出した状態となる貼付剤収納包装品1が得られる。
【0159】
(比較例2a、比較例2b、比較例2cにより製造された貼付剤収納包装品の状態のまとめ)
上記の比較例2a、比較例2b及び比較例2cのいずれの貼付剤収納包装品においても、保持部材と剥離保護部材との間に構成されている柔軟効能組成物が保持部材と剥離保護部材の間の端部からはみ出した貼付剤が製造されるという不良が生じる傾向がある。そのはみ出した柔軟効能組成物を構成する貼付剤を包装用容器の中に収納した場合に、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着し、貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が生じる傾向にある。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が粘着性を奏するために、そのはみ出した柔軟効能組成物を有する貼付剤を人体皮膚に貼付した状態において、保持部材に支持されていないそのはみ出して露出している柔軟効能組成物の部分が、衣服に接触して貼付剤が衣服に粘着する現象や、はみ出した柔軟効能組成物の一部分が保持部材の裏面側に露出して保持部材の裏面側の一部が粘着性を有する等の不快感を感じる傾向がある。
【0160】
(典型的実施例3-1)
含水ゲル状の柔軟効能組成物を備えた貼付剤収納包装品の製造:
図2に示される効能組成物原料を冷却する工程を備えた貼付剤収納包装品の製造方法の典型的実施例について説明する。
【0161】
・[A工程:流動効能組成物原料調製工程]:
前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。約25℃の室温雰囲気中において、含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約40mm、横幅約110mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
・[(A)冷却所定形状形成工程]:
前記流動効能組成物原料22aを容れたポリスチレン製容器を、非変形状態になる約-10~約3℃の第二冷却非変形温度に冷却して、流動効能組成物原料22aを非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bに調製する。これにより、厚さ約2mm、縦幅約40mm、横幅約110mmの非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bを調製する。
【0162】
・[B工程:積層部材積層工程:保持部材・冷却非変形効能組成物原料・剥離保護部材積層工程]:
図2の(A)に示されるように、別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約50mm、横幅約120mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、前記A工程により調製された冷却非変形効能組成物原料22bを積層するとともに、その冷却非変形効能組成物原料22bと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層し、このようにして保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。ここで、冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を維持する。
【0163】
・[C:積層物包装工程]工程:
図2の(B)に示されるように、ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約50mm、横幅約120mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
また、ポリエチレンフィルムとアルミ箔とポリエチレンテレフタレートフィルムとの3層からなる厚さ約0.1mm以下のフィルム状の包装用容器3を準備する。ここで、フィルム状の包装用容器3はその周囲が開口された状態を有する。
保持部材21の表面の所定の位置領域に冷却非変形効能組成物原料22bと剥離保護部材23を、剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。ここで、冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を維持する、
別途、真空ポンプとチャンバー内部にヒートシール装置を備えると共にチャンバーの内部を減圧可能な真空包装装置(図示なし)を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、上記の保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、ポリエチレン層が互いに対向する状態で位置する上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に位置し、その状態で真空包装装置の内部を約100mmHg以下の減圧状態に減圧して、減圧状態で保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。
その後、チャンバーの内部を常圧(約760mmHg)に戻す。これにより、包装用容器3の周囲が熱融着シールされると共に、包装用容器3の内部が減圧状態になり、その包装用容器3の中に収納された保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物が包装用容器3の中に位置する状態で、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になった積層物収納包装品が調製される。すなわち、包装用容器の内部と外部との気圧差により、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。
ここで、剥離保護部材23が冷却非変形効能組成物原料22bの表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。ここで、前記冷却非変形効能組成物原料22bは非変形状態を維持する。
【0164】
・[D:効能組成物原料熟成工程]工程:
図2の(D)に示されるように、(C)工程により調製された積層物収納包装品を、約25℃の室温雰囲気中に約60分以上載置する。
約25℃雰囲気中に載置された状態で、積層物収納包装品を構成する冷却非変形効能組成物原料22bは、約25℃に昇温する過程及び約25℃において、流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化させるとともに、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合されて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物が形成される。これにより、冷却非変形効能組成物原料22bが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2が形成されると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0165】
ここで、包装用容器3は剥離保護部材23を介して冷却非変形効能組成物原料22bの表面と端部と保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態を維持した状態で、効能組成物原料が柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて、保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。すなわち、剥離保護部材23が柔軟効能組成物22の表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する貼付剤収納包装品が得られる。特に、柔軟効能組成物22は、保持部材21の表面からはみ出すことなく保持部材21の周辺余白部21aを形成した状態で保持部材21の表面に付着形成された貼付剤収納包装品が得られる。
【0166】
また、包装用容器の内側と外側の気圧差に起因して、微細凹凸表面を有する不織布製の保持部材21の表面に付着している冷却非変形効能組成物原料22bが剥離保護部材23を介して、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の表面側と裏面側とに位置するフィルム状の包装用容器に挟まれた状態で、保持部材21と冷却非変形効能組成物原料22bとが互いに加圧される。約25℃に昇温する過程及び約25℃において冷却非変形効能組成物原料22bは流動性を有する効能組成物原料22aの形態になると共にその効能組成物原料22aの一部が保持部材21の微細凹凸表面の凹凸の内部に入り込む状態を形成し、その状態で効能組成物原料が架橋して熟成されて流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に変化される。このようにして柔軟状態の柔軟効能組成物22が保持部材21から剥がれることなく接合して構成される貼付剤が形成される。
【0167】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、[方法効果ウ]、[方法効果ク]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[構成効果サ‐b]、[方法効果シ]、[構成効果ウ]、[構成効果ク]、[構成効果サ]、[構成効果サ‐a]、[構成効果サ‐b]、[構成効果コ‐a]、等の作用効果が得られる。
【0168】
本実施例の前述の(C)工程において、真空包装装置の内部を約600mmHgの減圧状態に減圧した構成においても、上記と同じ効果が得られる。また、真空包装装置の内部を約30mmHgの減圧状態に減圧した構成においても、上記と同じ効果が得られる。
【0169】
(典型的実施例3-2)
冷却効能又は冷感効能と鎮痛消炎効能を奏する含水ゲル状柔軟効能組成物を備えた貼付剤収納包装品の一実施例を説明する。
前述の典型的実施例3-1において、A1流動効能組成物原料22aに替えて、
前記の(典型的実施例1-2)において調製された鎮痛効能を奏する架橋性を有する含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを準備する。
その他の工程は、前述の(典型的実施例3)の工程と同じ工程を備える。
これにより、流動効能組成物原料22aが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
【0170】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、[方法効果ウ]、[方法効果ク]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[構成効果サ‐b]、[方法効果シ]、[構成効果ウ]、[構成効果ク]、[構成効果サ]、[構成効果サ‐a]、[構成効果サ‐b]、[構成効果コ‐a]、及び、[方法効果セ]、[構成効果セ]等の作用効果が得られる。
【0171】
(比較例3)
前述の比較例2a及び比較例2bと同じ製造方法により貼付剤を収納した貼付剤収納包装品を調製する。
その結果、いずれの貼付剤収納包装品においても、保持部材と剥離保護部材との間に構成されている柔軟効能組成物が保持部材と剥離保護部材の間の端部からはみ出した貼付剤が製造されるという不良が生じる。そのはみ出した柔軟効能組成物を構成する貼付剤を包装用容器の中に収納した場合に、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着し、貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が生じる。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が粘着性を奏するために、そのはみ出した柔軟効能組成物を有する貼付剤を人体皮膚に貼付した状態において、保持部材に支持されていないそのはみ出して露出している柔軟効能組成物の部分が、衣服に接触して貼付剤が衣服に粘着する現象や、はみ出した柔軟効能組成物の一部分が保持部材の裏面側に露出して保持部材の裏面側の一部が粘着性を有する等の不快感を感じる。
【0172】
(典型的実施例4-1)
含水ゲル状の柔軟効能組成物を備えた貼付剤収納包装品の製造:
図3に示される効能組成物原料を冷却するとともに切断する工程を備えた貼付剤収納包装品の製造方法の典型的実施例について説明する。
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法は下記の工程を備える。
・[A工程:流動効能組成物原料調製工程及び冷却切断による所定形状形成工程]:
図3(A)に示されるように、前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。約25℃の室温雰囲気中において、含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約120mm、横幅約330mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
図3(A)に示されるように、ポリスチレン製容器の中に容れられた流動効能組成物原料22aを約-10~約3℃の非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して、非変形状態の冷却非変形効能組成物原料を形成し、その後、該冷却非変形効能組成物原料22bを切断して、複数個(9個)の所定形状(縦幅約40mm、横幅約110mm、高さ約2mmの略長方形のシート状)の切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する。
本工程において先端刃先角度30度、高さ約5mmの両刃形状を有する押切刃型を平板型切断装置の上盤に装着するとともに、冷却状態の冷却非変形効能組成物原料22bを平板型切断装置の下盤に配置した状態で、上盤を稼働して、冷却非変形効能組成物原料22bを切断してシート状長方形の切断冷却非変形効能組成物原料22cを得る。
切断時に、冷却非変形効能組成物原料22bは、流動することなく、変形することなく、切断されて、正確に分離された所望のシート状長方形の切断冷却非変形効能組成物原料22cが得られた。すなわち、所望の厚さ、面積、形状、重量などにおいて高精度な所望の形状の切断冷却非変形効能組成物原料22cが得られた。また、切断動作後の押切刃型の刃先には冷却非変形効能組成物の残渣等の付着物は認められなかった。
【0173】
・[B工程:積層部材積層工程]:
図3(B)に示されるように、前記典型的実施例3-1において構成した不織布製の保持部材と同じ不織布製の保持部材21、及び剥離保護部材23を準備する。
該保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、前記A工程により調製された切断冷却非変形効能組成物原料22cを積層するとともに、その切断冷却非変形効能組成物原料22cと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層し、このようにして保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。ここで、切断冷却非変形効能組成物原料22cは非変形状態を維持する。
【0174】
・[C:積層物包装工程]工程:
図3の(C)に示されるように、ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約50mm、横幅約120mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
また、ポリエチレンフィルムとアルミ箔とポリエチレンテレフタレートフィルムとの3層からなる厚さ約0.1mm以下のフィルム状の包装用容器3を準備する。ここで、フィルム状の包装用容器3はその周囲が開口された状態を有する。
保持部材21の表面の所定の位置領域に切断冷却非変形効能組成物原料22cと剥離保護部材23を、剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。ここで、切断冷却非変形効能組成物原料22cは非変形状態を維持する。
別途、真空ポンプとチャンバー内部にヒートシール装置を備えると共にチャンバーの内部を減圧可能な真空包装装置(図示なし)を準備する。
【0175】
約25℃の室温雰囲気中において、上記の保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、ポリエチレン層が互いに対向する状態で位置する上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に位置し、その状態で真空包装装置の内部を約100mmHg以下の減圧状態に減圧して、減圧状態で保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。
その後、チャンバーの内部を常圧(約760mmHg)に戻す。これにより、包装用容器3の周囲が熱融着シールされると共に、包装用容器3の内部が減圧状態になり、その包装用容器3の中に収納された保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物が包装用容器3の中に位置する状態で、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になった積層物収納包装品が調製される。すなわち、包装用容器の内部と外部との気圧差により、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。
ここで、剥離保護部材23が切断冷却非変形効能組成物原料22cの表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。ここで、切断冷却非変形効能組成物原料22cは非変形状態を維持する。
【0176】
・[D:効能組成物原料熟成工程]工程:
図3の(D)に示されるように、(C)工程により調製された積層物収納包装品を、約25℃の室温雰囲気中に約60分以上載置する。
約25℃雰囲気中に載置された状態で、積層物収納包装品を構成する切断冷却非変形効能組成物原料22cは、約25℃に昇温する過程及び約25℃において、流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化させるとともに、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合されて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物が形成される。これにより、切断冷却非変形効能組成物原料22cが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2が形成されると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0177】
ここで、包装用容器3は剥離保護部材23を介して切断冷却非変形効能組成物原料22cの表面と端部と保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態を維持した状態で、効能組成物原料が柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて、保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。すなわち、剥離保護部材23が柔軟効能組成物22の表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する貼付剤収納包装品が得られる。特に、柔軟効能組成物22は、保持部材21の表面からはみ出すことなく保持部材21の周辺余白部21aを形成した状態で保持部材21の表面に付着形成された貼付剤収納包装品が得られる。
【0178】
また、包装用容器の内側と外側の気圧差に起因して、微細凹凸表面を有する不織布製の保持部材21の表面に付着している切断冷却非変形効能組成物原料22cが剥離保護部材23を介して、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の表面側と裏面側とに位置するフィルム状の包装用容器に挟まれた状態で、保持部材21と切断冷却非変形効能組成物原料22cとが互いに加圧される。約25℃に昇温する過程及び約25℃において切断冷却非変形効能組成物原料22cは流動性を有する効能組成物原料22aの形態になると共にその効能組成物原料22aの一部が保持部材21の微細凹凸表面の凹凸の内部に入り込む状態を形成し、その状態で効能組成物原料が架橋して熟成されて流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に変化される。このようにして柔軟状態の柔軟効能組成物22が保持部材21から剥がれることなく接合して構成される貼付剤が形成される。
【0179】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、前述の[方法効果エ]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[方法効果サ-b]、[方法効果ス]、[構成効果エ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a]、[構成効果サ-b]、[構成効果コ-a]等の作用効果が得られる。
【0180】
本実施例の前述の(C)工程において、真空包装装置の内部を約600mmHgの減圧状態に減圧した構成においても、上記と同じ効果が得られる。また、真空包装装置の内部を約30mmHgの減圧状態に減圧した構成においても、上記と同じ効果が得られる。
【0181】
(典型的実施例4-2)
冷却効能又は冷感効能と鎮痛消炎効能を奏する含水ゲル状柔軟効能組成物を備えた貼付剤収納包装品の一実施例を説明する。
前述の典型的実施例4-1において、A1流動効能組成物原料22aに替えて、
前記の(典型的実施例1-2)において調製された鎮痛効能を奏する架橋性を有する含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを準備する。
その他の工程は、前述の(典型的実施例4-1)の工程と同じ工程を備える。
これにより、流動効能組成物原料22aが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
【0182】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、前述の[方法効果エ]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[方法効果サ-b]、[方法効果ス]、[構成効果エ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a]、[構成効果サ-b]、[構成効果コ-a]、及び、[方法効果セ]、[構成効果セ]等の作用効果が得られる。
【0183】
(典型的実施例4-3)
前述の典型的実施例4-1の[A工程:冷却切断による所定形状形成工程]において、
ポリスチレン製容器の中に容れられた流動効能組成物原料22aを約-10~約3℃の非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して、非変形状態の冷却非変形効能組成物原料22bを形成し、その後、該冷却非変形効能組成物原料22bを切断して、
図10の(A)~(D)に示されるような所定形状の切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する工程も実施可能である。
この場合、保持部材21、剥離保護部材23として、切断冷却非変形効能組成物原料22cに相似する形状を有する保持部材21、剥離保護部材23が構成される。
また、
図10の(C)、(D)に示されるような貫通孔を有する切断冷却非変形効能組成物原料22cの調製の場合には、保持部材21も切断冷却非変形効能組成物原料22cと同じ貫通孔を有する形状に形成する。
その他の工程は、前述の典型的実施例4-1に類似する工程が実施される。これにより、貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
【0184】
本実施例において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、前述の[方法効果エ]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[方法効果サ-b]、[方法効果ス]、[構成効果エ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a]、[構成効果サ-b]、[構成効果コ-a]等の作用効果が得られる。
【0185】
(典型的実施例4-4)
前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、上記の含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約110mm、横幅約50mm、高さ約40mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約40mmになるように投入する。
前述の典型的実施例4-1の[A工程:冷却切断による所定形状形成工程]に替えて下記の工程を有する。
ポリスチレン製容器の中に容れられた上記の流動効能組成物原料22aを約-10~約3℃の非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して、非変形状態の冷却非変形効能組成物原料を形成し、その後、該冷却非変形効能組成物原料22bを約2mm間隔で切断して、複数個(25個)の所定形状(縦幅約40mm、横幅約110mm、高さ約2mm)の切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する。
冷却非変形効能組成物原料22bを切断する方法としては、包丁類似の刃型の使用による切断、又は、ワイヤーによる切断などが実施可能である。
その他の工程は、前述の(典型的実施例4-1)の工程と同じ工程を備える。
これにより、流動効能組成物原料22aが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0186】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、前述の[方法効果エ]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[方法効果サ-b]、[方法効果ス]、[構成効果エ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a]、[構成効果サ-b]、[構成効果コ-a]等の作用効果が得られる。
【0187】
(比較例4)
前述の典型的実施例4-1の[A工程:冷却切断による所定形状形成工程]において、[A工程:流動効能組成物原料調製工程]により調製される、縦幅約120mm、横幅約330mm、厚さ約2mmの含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを冷却することなく包丁刃又は押切刃を用いて、縦幅約40mm、横幅約110mm、高さ約2mmの切断冷却非変形効能組成物原料22cになるように切断動作を実施した結果、切断動作後に、流動効能組成物原料が直ぐに流動変形して、再び、切断された流動効能組成物原料が互いに混ざりあって、正確に切断できなかった。
また、切断動作後には、押切刃型7の刃先には多量の流動効能組成物原料の残渣が付着していた。
すなわち、本比較例の方法において、所望形状を有する貼付剤収納包装品の製造には課題がある。
【0188】
(典型的実施例5-1)
複数種類の柔軟効能組成物原料を備えた貼付剤収納包装品の製造方法に関する典型的実施例について説明する。本実施例は、
図8に示されるような、冷却状態で切断された複数種類の切断冷却非変形効能組成物原料を保持部材の平面領域に積層して形成した貼付剤収納包装品に関する。
【0189】
・[A工程:流動効能組成物原料調製工程及び冷却切断による所定形状形成工程]:
前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。別途、前記の(典型的実施例1-2)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、上記の含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約140mm、横幅約200mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
別途、約25℃の室温雰囲気中において、含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを、縦幅約140mm、横幅約200mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
上記により調製されたポリスチレン製容器の中に容れられたA1流動効能組成物原料22a、及び、ポリスチレン製容器の中に容れられたA2流動効能組成物原料22aを、約-10~約3℃の非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して、非変形状態のA1冷却非変形効能組成物原料及びを非変形状態のA2冷却非変形効能組成物原料を形成し、その後、A1冷却非変形効能組成物原料22b及びA2冷却非変形効能組成物原料を切断して、複数個の所定形状(縦幅約140mm、横幅約25mm、高さ約2mm)のA1切断冷却非変形効能組成物原料22c及びA2切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する。
【0190】
・[B工程:積層部材積層工程]:
ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約150mm、横幅約110mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約150mm、横幅約110mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、
図9(C)に示されるように、保持部材21の表面に、約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、前記(A)工程により調製された所定形状(縦幅約140mm、横幅約25mm、高さ約2mm)のそれぞれのA1切断冷却非変形効能組成物原料22cとA2切断冷却非変形効能組成物原料22cを保持部材21の表面の平面領域に互いに隣り合う状態で積層するとともに、これらのA1切断冷却非変形効能組成物原料22cとA2切断冷却非変形効能組成物原料22cと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層し、このようにして保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。
【0191】
・[C工程:積層物包装工程]:
ポリエチレンフィルムとアルミ箔とポリエチレンテレフタレートフィルムとの3層からなる厚さ約0.1mm以下のフィルム状の包装用容器3を準備する。ここで、フィルム状の包装用容器3はその周囲が開口された状態を有する。
保持部材21の表面の所定の位置領域にA1切断冷却非変形効能組成物原料22cとA2切断冷却非変形効能組成物原料22c剥離保護部材23を、剥離保護部材23が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。 別途、真空ポンプとチャンバー内部にヒートシール装置を備えると共にチャンバーの内部を減圧可能な真空包装装置(図示なし)を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、上記の保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を、ポリエチレン層が互いに対向する状態で位置する上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に位置し、その状態で真空包装装置の内部を約100mmHg以下の減圧状態に減圧して、減圧状態で保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。
その後、チャンバーの内部を常圧(約760mmHg)に戻す。これにより、包装用容器3の周囲が熱融着シールされると共に、包装用容器3の内部が減圧状態になり、その包装用容器3の中に収納された保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物が包装用容器3の中に位置する状態で、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になった積層物収納包装品が調製される。すなわち、包装用容器の内部と外部との気圧差により、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。
ここで、剥離保護部材23が切断冷却非変形効能組成物原料22cの表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。
本工程において、A1切断冷却非変形効能組成物原料22cとA2切断冷却非変形効能組成物原料22cは非変形状態を維持する。
このようにして、保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、包装用容器が保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する。
【0192】
・[D工程:効能組成物原料熟成工程]:
(C)工程により調製された積層物収納包装品を、約25℃の室温雰囲気中に約60分以上載置する。
約25℃雰囲気中において、積層物収納包装品を構成するA1断冷却非変形効能組成物原料22cとA2断冷却非変形効能組成物原料22cは、約25℃に昇温する過程及び約25℃において、流動性のない柔軟状態のA1柔軟効能組成物22とA2柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化させるとともに、A1柔軟効能組成物22とA2柔軟効能組成物22が、互いに接合した状態で保持部材21に付着接合されて、保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物が形成される。これにより、それぞれの効能組成物原料が流動性のないそれぞれの柔軟効能組成物に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる。
このようにして、縦幅約150mm、横幅約110mmの大きさ形状の貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0193】
ここで、包装用容器3は剥離保護部材23を介してA1切断冷却非変形効能組成物原料22cとA2切断冷却非変形効能組成物原料22cの表面と端部と保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態を維持した状態で、それぞれの効能組成物原料がA1柔軟効能組成物22とA2柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて、保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。すなわち、剥離保護部材23がA1柔軟効能組成物22とA2柔軟効能組成物22の表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する貼付剤収納包装品が得られる。特に、柔軟効能組成物22とA2柔軟効能組成物22は、保持部材21の表面からはみ出すことなく保持部材21の周辺余白部21aを形成した状態で保持部材21の表面に付着形成された貼付剤収納包装品が得られる。
【0194】
また、包装用容器の内側と外側の気圧差に起因して、微細凹凸表面を有する不織布製の保持部材21の表面に付着しているA1切断冷却非変形効能組成物原料22cとA2切断冷却非変形効能組成物原料22cが剥離保護部材23を介して、保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の表面側と裏面側とに位置するフィルム状の包装用容器に挟まれた状態で、保持部材21とそれぞれの切断冷却非変形効能組成物原料22cとが互いに加圧される。約25℃に昇温する過程及び約25℃においてそれぞれの切断冷却非変形効能組成物原料22cは流動性を有する効能組成物原料22aの形態になると共にそれぞれの効能組成物原料22aの一部が保持部材21の微細凹凸表面の凹凸の内部に入り込む状態を形成し、その状態でそれぞれの効能組成物原料が架橋して熟成されて流動性のない柔軟状態のそれぞれの柔軟効能組成物22に変化される。このようにしてA1柔軟効能組成物22とA2柔軟効能組成物22が互いに接合すると共に保持部材21に剥がれることなく接合して構成される貼付剤が形成される。
【0195】
本実施例において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、[方法効果エ]、[方法効果カ]、[方法効果カ-a]、[方法効果キ]、[方法効果キ-c]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ-a]、[方法効果サ-b]、[方法効果ス]、[構成効果エ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a]、[構成効果サ-b]、[構成効果カ]、[構成効果カ-a]、[構成効果コ-a]、等の作用効果が得られる。
【0196】
(典型的実施例5-2)
複数種類の柔軟効能組成物原料を備えた貼付剤収納包装品の製造方法に関する典型的実施例について説明する。本実施例は、冷却状態で切断された複数種類の切断冷却非変形効能組成物原料を保持部材の積層方向に積層して形成した貼付剤収納包装品に関する。
前述の典型的実施例5-1に類似すると共に、一部の構成に替えて、下記の構成を備える。
【0197】
・[A工程:流動効能組成物原料調製工程・冷却切断による所定形状形成工程]:
前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。別途、前記の(典型的実施例1-2)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、上記の含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約140mm、横幅約200mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
別途、約25℃の室温雰囲気中において、含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを、縦幅約140mm、横幅約200mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
上記により調製されたポリスチレン製容器の中に容れられたA1流動効能組成物原料22a、及び、ポリスチレン製容器の中に容れられたA2流動効能組成物原料22aを、約-10~約3℃の非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して、非変形状態のA1冷却非変形効能組成物原料及びを非変形状態のA2冷却非変形効能組成物原料を形成し、その後、A1冷却非変形効能組成物原料22b及びA2冷却非変形効能組成物原料を切断して、複数個の所定形状(縦幅約140mm、横幅約70mm、高さ約2mm)のA1切断冷却非変形効能組成物原料22c及びA2切断冷却非変形効能組成物原料22cを調製する。
【0198】
・[B工程:積層部材積層工程]:
ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約150mm、横幅約80mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約150mm、横幅約80mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、
図7に示されるように、保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、前記(A)工程により調製されたA1切断冷却非変形効能組成物原料22cとA2切断冷却非変形効能組成物原料22cを保持部材21の表面の積層方向に互いに重なり合う状態で積層するとともに、これらのA1切断冷却非変形効能組成物原料22cとA2切断冷却非変形効能組成物原料22cと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層し、このようにして保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。
【0199】
・[C工程:積層物包装工程]:
前述の典型的実施例5-1と同じ方法により、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する。
【0200】
・[D工程:効能組成物原料熟成工程]:
前述の典型的実施例5-1と同じ方法により、前記保持部材の表面に位置する流動効能組成物原料を前記保持部材に接合させると共に前記それぞれの流動効能組成物原料を互いに接合させて、流動性のない柔軟状態のそれぞれの柔軟効能組成物に熟成させて変化させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、それぞれの効能組成物原料が流動性のないそれぞれの柔軟効能組成物に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる。
このようにして、縦幅約150mm、横幅約80mmの大きさ形状の貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0201】
本実施例において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、[方法効果エ]、[方法効果カ]、[方法効果カ-b]、[方法効果キ]、[方法効果キ-c]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ-a]、[方法効果シ]、[構成効果エ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a]、[構成効果サ-b]、[構成効果カ]、[構成効果カ-b]、[構成効果コ-a]、等の作用効果が得られる。
【0202】
(典型的実施例5-3)
複数種類の柔軟効能組成物原料を備えた貼付剤収納包装品の製造方法に関する他の典型的実施例について説明する。本実施例は、複数種類の流動効能組成物原料を保持部材の平面方向に積層して形成した貼付剤収納包装品に関する。
前述の典型的実施例5に類似すると共に、一部の構成に替えて、下記の構成を備える。
【0203】
・[A工程:流動効能組成物原料調製工程]:
前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。別途、前記の(典型的実施例1-2)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを準備する。
【0204】
・[B工程:積層部材積層工程:保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層工程]:
ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約110mm、横幅約150mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約110mm、横幅約150mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、上記のA工程により調製されたA1流動効能組成物原料22aとA2流動効能組成物原料22aを、これらの流動効能組成物原料の調製後から約20分以内に、厚さ約2mm、縦幅約100mm、横幅約35mmの形状で、
図9(C)に示されるように、剥離保護部材23の平面領域に交互に付着して積層するとともに、その流動効能組成物原料22aと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層し、このようにして保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。
この工程において、保持部材21の表面の保持部材周辺余白部21aの内側に、縦幅約100mm、横幅約35mmの形状のプラスチック製の枠体を設置し、その枠体の内側に流動性ゲル状のそれぞれの流動効能組成物原料22aを投入して保持部材周辺余白部21aを形成する形態になるように厚さ約2mm、縦幅約100mm、横幅約35mmの形状を有する2個ずつのA1流動効能組成物原料22aとA2流動効能組成物原料22aを保持部材21の表面に積層する。
【0205】
・[C工程:積層物包装工程]:
前述の典型的実施例5-1と同じ方法により、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する。ここで、前記それぞれの流動効能組成物原料は所定形状を有するとともに流動性を維持する。
【0206】
・[D工程:熟成工程]:
前述の典型的実施例5-1と同じ方法により、前記保持部材の表面に位置するそれぞれの流動効能組成物原料を前記保持部材に接合させると共に前記それぞれの流動効能組成物原料を互いに接合させて、流動性のない柔軟状態のそれぞれの柔軟効能組成物に熟成させて変化させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する。これにより、それぞれの流動効能組成物原料が流動性のないそれぞれの柔軟効能組成物に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる、
このようにして、縦幅約110mm、横幅約150mmの大きさ形状を有する貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0207】
本実施例において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、[方法効果イ]、[方法効果カ]、[方法効果カ-a]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ-a]、[方法効果サ-b]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a][構成効果カ]、[構成効果カ-a]、[構成効果コ-a]、等の作用効果が得られる。
【0208】
(典型的実施例5-4)
複数種類の柔軟効能組成物原料を備えた貼付剤収納包装品の製造方法に関する他の典型的実施例について説明する。
本実施例は、複数種類の冷却非変形効能組成物原料を保持部材の平面方向に積層して形成した貼付剤収納包装品に関する。
前述の典型的実施例5-1に類似すると共に、一部の構成に替えて、下記の構成を備える。
【0209】
・[A工程:流動効能組成物原料調製工程・冷却による所定形状形成工程]:
前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを準備する。別途、前記の(典型的実施例1-2)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを準備する。
上記の含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、約25℃の室温雰囲気中において、縦幅約140mm、横幅約70mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
別途、上記の含水ゲル状のA2流動効能組成物原料22aを、約25℃の室温雰囲気中において、縦幅約140mm、横幅約70mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
上記により調製されたポリスチレン製容器の中に容れられたA1流動効能組成物原料22a、及び、ポリスチレン製容器の中に容れられたA2流動効能組成物原料22aを、約-10~約3℃の非変形状態になる第二冷却非変形温度に冷却して、非変形状態のA1冷却非変形効能組成物原料及びを非変形状態のA2冷却非変形効能組成物原料を形成する。
【0210】
・[B工程:積層部材積層工程]:
保持部材の表面の所定の位置領域に前記それぞれの冷却非変形効能組成物原料と剥離保護部材とを、前記剥離保護部材が表面側に位置する状態で積層して保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。ここで、それぞれの冷却非変形効能組成物原料は保持部材の積層方向に互いに重なり合う位置に積層される。
【0211】
・[C工程:積層物包装工程]:
前述の典型的実施例5-1と同じ方法により、前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を、包装用容器の中に位置する状態で、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態になるように、前記包装用容器の開口部を密封して、積層物収納包装品を調製する。
【0212】
・[D工程:効能組成物原料熟成工程]:
前述の典型的実施例5-1と同じ方法により、前記保持部材の表面に位置する効能組成物原料を前記保持部材に接合させると共に前記それぞれの効能組成物原料を互いに接合させて、流動性のない柔軟状態のそれぞれの柔軟効能組成物に熟成させて変化させて、柔軟効能組成物が前記保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を調製する熟成工程、これにより、それぞれの効能組成物原料が流動性のないそれぞれの柔軟効能組成物に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤を形成すると共に、該貼付剤が前記包装用容器に収納された貼付剤収納包装品が得られる。
このようにして、縦幅約150mm、横幅約80mmの大きさ形状の貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0213】
本実施例において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、[方法効果ウ]、[方法効果キ]、[方法効果キ‐a]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果シ]、[構成効果ウ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a]、[構成効果カ]、[構成効果カ-b]、[構成効果コ-a]、等の作用効果が得られる。
【0214】
また、上記の典型的実施例5-2、5-3、5-4において、包装用容器の内側と外側の気圧差に起因して、微細凹凸表面を有する不織布製の保持部材21の表面に付着しているA1柔軟効能組成物22及び又はA2柔軟効能組成物22が、互いに接合すると共に、不織布製の保持部材21の表面の微細凹凸の内部に入り込む状態を形成し、これらの柔軟効能組成物22が保持部材21に剥がれることなく接合して構成される貼付剤が形成される。
【0215】
(比較例5a)
前記典型的実施例5-3において、それぞれの工程に替えて、
図12に示される従来の製造工程に一部類似の下記の工程を備える。
・[
図12(a)工程に類似の工程]:
約25℃の室温雰囲気中において、前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約40mm、横幅約110mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
別途、約25℃の室温雰囲気中において、前記の(典型的実施例1-2)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約40mm、横幅約110mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
【0216】
・[
図12(b-イ)工程に類似の工程]:
ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約110mm、横幅約150mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約110mm、横幅約150mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、上記工程により調製されたA1流動効能組成物原料22aとA2流動効能組成物原料22aを、これらの流動効能組成物原料の調製後から約20分以内に、厚さ約2mm、縦幅約100mm、横幅約35mmの形状で、
図9(C)に示されるように、剥離保護部材23の平面領域に交互に付着して積層するとともに、その流動効能組成物原料22aと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層し、このようにして保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。
【0217】
・[
図12(b-ハ)工程、(c-イ)工程に類似の工程]:
約25℃雰囲気中に載置された状態で、A1流動効能組成物原料22aとA2流動効能組成物原料22aを流動性のないそれぞれの柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋させて熟成させて変化させるとともに、それぞれの柔軟効能組成物22を保持部材21に付着接合させて、それぞれの柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を形成する。これにより、それぞれの流動効能組成物原料22aがそれぞれの柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成する。
ここで、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材においては、
図12(b‐ハ)に示されるように、それぞれの流動効能組成物原料22aが架橋するまでの流動効能組成物原料22aが流動性を有するために、流動効能組成物原料22aの厚さHが減少して厚さH2になると共に流動効能組成物原料22aが保持部材21の端面からはみ出し長さL2の状態ではみ出した状態になる。
そして、
図12(c‐イ)に示されるように、時間の経過とともにそれぞれの流動効能組成物原料22aは流動性状態から流動性のないそれぞれの柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化するとともにそれぞれの柔軟効能組成物22を保持部材に付着接合させて、それぞれの柔軟効能組成物22が保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた貼付剤が得られる。ここで、はみ出している流動効能組成物原料22aも流動性状態から流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成されて変化される。
【0218】
・[
図12(d-イ)工程に類似の工程]:
前記典型的実施例5-3において使用したものと同じ厚さ約0.1mm以下のフィルム状の包装用容器3を準備し、その上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に前記(c‐イ)工程により調製された貼付剤を位置する状態で、貼付剤の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の包装用容器3の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。このようにして、貼付剤を包装用容器3の中に収納した貼付剤収納包装品が得られる。ここで、包装用容器3は貼付剤に密着する状態で収納されない。
【0219】
(比較例5b)
・[
図12(a)工程に類似の工程]:
約25℃の室温雰囲気中において、前記の(典型的実施例1-1)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約140mm、横幅約70mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
別途、約25℃の室温雰囲気中において、前記の(典型的実施例1-2)において調製された架橋性を有する含水ゲル状のA1流動効能組成物原料22aを、縦幅約140mm、横幅約70mm、高さ約2mm以上のポリスチレン製容器の中に厚さ約2mmになるように投入する。
【0220】
・[
図12(b-イ)工程に類似の工程]:
ポリエチレンテレフタレート製繊維及びその他の繊維、結合剤等を含有する厚さ約1mm、縦幅約150mm、横幅約80mmの屈曲柔軟性、伸縮性、空気湿度透過性を有するニードルパンチ不織布製の保持部材21を準備する。この不織布製の保持部材は微細構造の観点において絡まった繊維間に無数の微細空隙と微細凹凸表面を有する。
別途、厚さ0.1mm以下、縦幅約150mm、横幅約80mmのポリプロピレン製の剥離保護部材23を準備する。
約25℃の室温雰囲気中において、保持部材21の表面に約5mmの保持部材周辺余白部21aを形成する状態で、上記工程により調製されたA1流動効能組成物原料22aとA2流動効能組成物原料22aを、これらの流動効能組成物原料の調製後から約20分以内に、それぞれの流動効能組成物原料22aを、厚さ約2mm、縦幅約140mm、横幅約70mmの形状で、剥離保護部材23の積層方向に付着して積層するとともに、その流動効能組成物原料22aと保持部材周辺余白部21aとを覆う状態で剥離保護部材23を積層し、このようにして保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。
【0221】
・[
図12(b-ハ)工程、(c-イ)工程に類似の工程]:
約25℃雰囲気中に載置された状態で、A1流動効能組成物原料22aとA2流動効能組成物原料22aを流動性のないそれぞれの柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋させて熟成させて変化させるとともに、それぞれの柔軟効能組成物22が互いに接合されると共に保持部材21に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を形成する。これにより、それぞれの流動効能組成物原料22aがそれぞれの柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成する。
ここで、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材においては、
図12(b‐ハ)に類似して、それぞれの流動効能組成物原料22aが架橋するまでの流動効能組成物原料22aが流動性を有するために、流動効能組成物原料22aの厚さHが減少して厚さH2になると共に流動効能組成物原料22aが保持部材21の端面からはみ出し長さL2の状態ではみ出した状態になる。
そして、
図12(c‐イ)に示されるように、時間の経過とともにそれぞれの流動効能組成物原料22aは流動性状態から流動性のないそれぞれの柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化するとともにそれぞれの柔軟効能組成物22を保持部材に付着接合させて、それぞれの柔軟効能組成物22が保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた貼付剤が得られる。ここで、はみ出している流動効能組成物原料22aも流動性状態から流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成されて変化される。
【0222】
・[
図12(d-イ)工程に類似の工程]:
前記典型的実施例5-3において使用した包装用容器3と同じラミネート構成を有する厚さ約0.1mm以下のフィルム状の包装用容器3を準備し、その上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に前記(c‐イ)工程により調製された貼付剤を位置する状態で、貼付剤の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の包装用容器3の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。このようにして、貼付剤を包装用容器3の中に収納した貼付剤収納包装品が得られる。ここで、包装用容器3は貼付剤に密着する状態で収納されない。
このようにして、縦幅約150mm、横幅約80mmの大きさ形状の貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0223】
上記の比較例5a、及び比較例5bのいずれの貼付剤収納包装品においても、保持部材と剥離保護部材との間に構成されている柔軟効能組成物が保持部材と剥離保護部材の間の端部からはみ出した貼付剤が製造されるという不良が生じる傾向がある。そのはみ出した柔軟効能組成物を構成する貼付剤を包装用容器の中に収納した場合に、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着し、貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が生じる。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が粘着性を奏するために、そのはみ出した柔軟効能組成物を有する貼付剤を人体皮膚に貼付した状態において、保持部材に支持されていないそのはみ出して露出している柔軟効能組成物の部分が、衣服に接触して貼付剤が衣服に粘着する現象や、はみ出した柔軟効能組成物の一部分が保持部材の裏面側に露出して保持部材の裏面側の一部が粘着性を有する等の不快感を感じる傾向がある。
【0224】
(典型的実施例6-1)
加熱により収縮する性質を有する熱収縮性包装用容器の中に収納された貼付剤収納包装品について説明する。
前述の典型的実施例2-1と同じ工程により、[A工程:流動効能組成物原料調製工程]、及び[B工程:積層部材積層工程:保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材積層工程]により保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する。
【0225】
・[C:積層物包装工程]工程:
図1の(C)に示されるように、保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の上方向と下方向の双方の位置に、包装用容器となる熱収縮性を有する熱収縮性包装用容器用シートを位置した状態で、その積層物を熱収縮性包装用容器用シートの間に位置するとともに加熱すると共に包装用容器用シートの開口部を密封する。これにより、前記包装用容器が熱収縮作用により前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した積層物収納包装品を調製する。ここで、剥離保護部材23が効能組成物原料22aの表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。
熱収縮性包装用容器の材料として、ポリ塩化ビニル製のフィルムが使用される。
【0226】
典型的実施例2‐1と類似の[D:効能組成物原料熟成工程]工程により、(C)工程により調製された積層物収納包装品を、約25℃の室温雰囲気中に約60分以上載置する工程により、約25℃雰囲気中に載置された状態で、積層物収納包装品を構成する流動効能組成物原料22aを流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋させて熟成させて変化させるとともに、柔軟効能組成物22を保持部材21に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を形成する。これにより、流動効能組成物原料22aが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成すると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0227】
ここで、包装用容器3は剥離保護部材23を介して流動効能組成物原料22aの表面と端部と保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態を維持した状態で、流動効能組成物原料22aが柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて、保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。すなわち、剥離保護部材23が柔軟効能組成物22の表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する貼付剤収納包装品が得られる。特に、柔軟効能組成物22は、保持部材21の表面からはみ出すことなく保持部材21の周辺余白部21aを形成した状態で保持部材21の表面に付着形成された貼付剤収納包装品が得られる。
【0228】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において、前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られるとともに、[方法効果イ]、[方法効果ケ]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[構成効果イ]、[構成効果ケ]、[構成効果クケ]、[構成効果サ-a]、[構成効果サ‐b]、[構成効果コ-a]、等の作用効果が得られる。
【0229】
(典型的実施例6-2)
加熱により収縮する性質を有する熱収縮性包装用容器の中に収納された貼付剤収納包装品であって、効能組成物原料を冷却するとともに切断する工程を備えた貼付剤収納包装品の製造方法の典型的実施例について説明する。
前述の典型的実施例4‐1と同じ工程により、[A工程:流動効能組成物原料調製工程及び冷却切断による所定形状形成工程]、及び[B工程:積層部材積層工程]により保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物を調製する
【0230】
・[C:積層物包装工程]工程:
図3の(C)に示されるように、保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の上方向と下方向の双方の位置に、包装用容器となる熱収縮性を有する熱収縮性包装用容器用シートを位置した状態で、その積層物を熱収縮性包装用容器用シートの間に位置するとともに加熱すると共に包装用容器用シートの開口部を密封する。これにより、前記包装用容器が熱収縮作用により前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した積層物収納包装品を調製する。ここで、剥離保護部材23が効能組成物原料の表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する積層物収納包装品が得られる。ここで、切断冷却非変形効能組成物原料は非変形状態を維持する。
熱収縮性包装用容器の材料として、ポリ塩化ビニル製のフィルムが使用される。
【0231】
典型的実施例4‐1と類似の[D:効能組成物原料熟成工程]工程により、(C)工程により調製された積層物収納包装品を、約25℃雰囲気中に載置された状態で、積層物収納包装品を構成する切断冷却非変形効能組成物原料22cは、約25℃に昇温する過程及び約25℃において、流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化させるとともに、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合されて、柔軟効能組成物22が保持部材21に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物が形成される。これにより、切断冷却非変形効能組成物原料22cが粘着性を有すると共に流動性のない柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2が形成されると共に、該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0232】
ここで、包装用容器3は剥離保護部材23を介して切断冷却非変形効能組成物原料22cの表面と端部と保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態を維持した状態で、効能組成物原料が柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて、保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた該貼付剤2が包装用容器3に収納された貼付剤収納包装品1が得られる。すなわち、剥離保護部材23が柔軟効能組成物22の表面と端部を覆って密着すると共に保持部材21の周辺余白部21aに密着する状態であって、包装用容器3が保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態を有する貼付剤収納包装品が得られる。特に、柔軟効能組成物22は、保持部材21の表面からはみ出すことなく保持部材21の周辺余白部21aを形成した状態で保持部材21の表面に付着形成された貼付剤収納包装品が得られる。
【0233】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、前述の[方法効果エ]、[方法効果ケ]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ]、[方法効果サ-a]、[方法効果シ]、[方法効果ス]、[構成効果エ]、[構成効果ケ]、[構成効果クケ]、[構成効果サ]、[構成効果サ-a]、[構成効果サ-b]、[構成効果コ]、[構成効果コ-a]等の作用効果が得られる。
【0234】
なお、(典型的実施例6-1)及び(典型的実施例6-2)の[C:積層物包装工程]において、
図6の(C)に示されるように開口部を有する袋状の熱収縮性包装用容器3、3cの中に保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物を収納した状態で、該熱収縮性袋状包装用容器を加熱するとともに袋状の熱収縮性包装用容器3、3cの開口部を密封する。これにより、前記包装用容器が熱収縮作用により前記保持部材・効能組成物原料・剥離保護部材積層物の形状に沿って密着する状態になって変形した積層物収納包装品を調製する、工程も実施可能である。
【0235】
(比較例6)
前記典型的実施例6-1において、それぞれの工程に替えて、
図12に示される従来の製造工程に一部類似の下記の工程を備える。
前述の比較例2aに記載と類似の方法により、[
図12(a)工程に類似の工程]、[
図12(b-イ)工程に類似の工程]、及び[
図12(b-ハ)工程、(c-イ)工程に類似の工程]により、流動効能組成物原料22aが柔軟効能組成物22に熟成されて変化した構成を有する保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材を備えた貼付剤2を形成する。
[
図12(b-ハ)工程、(c-イ)工程に類似の工程]において、保持部材・流動効能組成物原料・剥離保護部材においては、
図12(b‐ハ)に示されるように、流動効能組成物原料22aが架橋するまでの流動効能組成物原料22aが流動性を有するために、流動効能組成物原料22aの厚さHが減少して厚さH2になると共に流動効能組成物原料22aが保持部材21の端面からはみ出し長さL2の状態ではみ出した状態になる。
【0236】
そして、
図12(c‐イ)に示されるように、時間の経過とともに流動効能組成物原料22aは流動性状態から流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物22に架橋されて熟成されて変化するとともに柔軟効能組成物22を保持部材に付着接合させて、柔軟効能組成物22が保持部材に付着接合した保持部材・柔軟効能組成物・剥離保護部材積層物を備えた貼付剤が得られる。ここで、はみ出している流動効能組成物原料22aも流動性状態から流動性のない粘着性を有する柔軟状態の柔軟効能組成物22に熟成されて変化される。
【0237】
・[
図12(d-イ)工程に類似の工程]:
前記典型的実施例6-1において使用したものと同じポリ塩化ビニル製のフィルム状の包装用容器3を準備し、その上下2枚のフィルム状の包装用容器3の間に前記(c‐イ)工程により調製された貼付剤を位置する状態で、貼付剤の周囲から約5mm以上の間隔をあけた領域の包装用容器3の開口部をヒートシール装置により押圧・加熱して、包装用容器3の開口部を溶融融着して接合して密封する。このようにして、貼付剤を包装用容器3の中に収納した貼付剤収納包装品が得られる。ここで、包装用容器3は貼付剤に密着する状態で収納されない。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0238】
上記の比較例6の貼付剤収納包装品において、保持部材と剥離保護部材との間に構成されている柔軟効能組成物が保持部材と剥離保護部材の間の端部からはみ出した貼付剤が製造されるという不良が生じる傾向がある。そのはみ出した柔軟効能組成物を構成する貼付剤を包装用容器の中に収納した場合に、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着し、貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が生じる。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が粘着性を奏するために、そのはみ出した柔軟効能組成物を有する貼付剤を人体皮膚に貼付した状態において、保持部材に支持されていないそのはみ出して露出している柔軟効能組成物の部分が、衣服に接触して貼付剤が衣服に粘着する現象や、はみ出した柔軟効能組成物の一部分が保持部材の裏面側に露出して保持部材の裏面側の一部が粘着性を有する等の不快感を感じる傾向がある。
【0239】
(典型的実施例7)
以下の処方の架橋剤を含有しないB1流動効能組成物原料22aを調製する。
ポリアクリル酸2g、ポリアクリル酸ナトリウム中和物5g、でん粉アクリル酸共重合体2g、カルボキシメチルセルロース1g、カルボキシビニルポリマ1g、ポリビニルアルコール3g、ソルビトール10g、メントール0.1g、シリカ粉末1g、パラベン0.1g、及び、水(残部)合計100gを加えたものを約60~80℃に加熱しながら撹拌し、各成分が均一に混合された流動性を有するB1流動効能組成物原料22aを調製する。
このようにして調製されたB1流動効能組成物原料22aは、第一流動温度としての約50℃以上の温度領域で流動可能な流動状態を有し、第二冷却非変形温度としての約3℃以下の温度領域で切断可能な非変形状態になり、第三非流動温度としての約7℃~約30℃の温度領域で流動性のない含水ゲル状柔軟効能組成物になる。流動性のない含水ゲル状柔軟効能組成物になった柔軟効能組成物は40℃以上に昇温した状態においても流動性のない非流動性を維持する形態を有する
【0240】
このようにして調製したB1流動効能組成物原料22aを使用して、前述の(典型的実施例4-1)と類似の方法により、貼付剤収納包装品を調製する。
すなわち、(典型的実施例4-1)おけるA1効能組成物原料に替えて、上記のB1効能組成物原料を使用して、前述の(典型的実施例4-1)と類似の[A工程:流動効能組成物原料調製工程及び冷却切断による所定形状形成工程]、[B工程:積層部材積層工程]、[C:積層物包装工程]工程、[D:効能組成物原料熟成工程]工程により、貼付剤収納包装品を調製する。
このようにして、縦幅約50mm、横幅約120mmの大きさの貼付剤を収納した貼付剤収納包装品が得られる。
【0241】
本実施例の貼付剤収納包装品の製造方法又は本実施例の貼付剤収納包装品において前述の[方法効果ア]、[構成効果ア]が得られると共に、前述の[方法効果エ]、[方法効果ク]、[方法効果クケ]、[方法効果コ-a]、[方法効果サ‐a]、[方法効果サ-b]、[方法効果ス]、[構成効果エ]、[構成効果ク]、[構成効果クケ]、[構成効果サ-b]、[構成効果サ-c]、[構成効果コ-a]等の作用効果が得られる。
【0242】
(典型的実施例8)
前述の典型的実施例2-1、典型的実施例3-1、及び典型的実施例4-1において、それぞれの実施例の(C)工程に替えて、下記の工程を備える。
・[C:積層物包装工程]工程:
図1の(C)に示されるように、ポリエチレンフィルム(厚さ約40μm)とアルミニウム箔(厚さ約9μm)と白色クラフト紙(厚さ約50μm)との3層からなり、各層が数μm厚の接着剤により接合されてなる厚さ約0.10mm(厚さ約100μm)のフィルム状の包装用容器3を準備する。
その他の工程は、前述の典型的実施例2-1、典型的実施例3-1、及び典型的実施例4-1と同じである。
これにより、前述のそれぞれの典型的実施例と同じ効果が得られる。
【0243】
(典型的実施例9)
前述の典型的実施例2-1、典型的実施例3-1、及び典型的実施例4-1において、それぞれの実施例の(C)工程に替えて、下記の工程を備える。
・[C:積層物包装工程]工程:
図1の(C)に示されるように、ポリエチレンフィルム(厚さ約40μm)とポリアミド(厚さ約12μm)とポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ約12μm)との3層からなり、各層が数μm厚の接着剤により接合されてなる厚さ約0.07mm(厚さ約70μm)のフィルム状の包装用容器3を準備する。
その他の工程は、前述の典型的実施例2-1、典型的実施例3-1、及び典型的実施例4-1と同じである。
これにより、前述のそれぞれの典型実施例と同じ効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0244】
本発明の貼付剤収納包装品の製造方法により、保持部材と熟成された柔軟効能物と剥離保護部材とを積層した貼付剤を製造する工程と該貼付剤を収納用容器に収納する工程との双方の工程を経ることなく、包装用容器の中に収納された状態で熟成された柔軟効能組成物を有する貼付剤を形成できると共に該熟成された柔軟効能組成物を有する貼付剤を収納した貼付剤収納包装品を得ることが可能になり、その結果、製造工程が従来よりも著しく簡略化され、量産性が向上し、著しいコストダウンが可能となる貼付剤収納包装品を製造できる効果が得られる。
また、柔軟効能組成物が包装用容器の中に収納された状態で熟成されるために、貼付剤が製造されてから包装用容器に収納されるまでの時間が短縮され、その結果、製造工程中における柔軟効能組成物中に含有される成分の蒸発発散又は空気との化学反応による含有成分の変質や劣化等による含有組成変化や化学的劣化が抑制されて、安定した品質を有する貼付剤が得られる。
更に、前記包装用容器が前記保持部材・効能組成物原料・剥離部材積層物の形状に沿って変形して密着する状態で、流動可能な流動状態を有する流動効能組成物原料が流動性のない柔軟状態の柔軟効能組成物に熟成されて変化されるために、熟成中における流動効能組成物原料の形状が維持され、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている流動効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着し、貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、はみ出した柔軟効能組成物が保持部材に支持されていなく貼付剤の表面が粘着性を有することに起因していた使用者の不快感が解消され、快適に使用できる。
【0245】
本発明の貼付剤収納包装品において、貼付剤が包装用容器の中に位置するとともに包装用容器が前記貼付剤の形状に沿って密着する状態で、柔軟効能組成物が流動性のない非流動形態に変化されてなる柔軟状態を有する柔軟効能組成物の形態に熟成された熟成形態を有してなる構成を備える構成により、柔軟効能組成物中に含有される成分の蒸発発散又は空気との化学反応による含有成分の変質や劣化等による含有成分の含有組成変化や化学的劣化が抑制されて、安定した品質を有する貼付剤収納包装品が得られる効果が得られる。 更に、熟成中における流動効能組成物原料の形状が維持されてなる構成を備えるために、保持部材と剥離保護部材とに挟まれている流動効能組成物原料の保持部材と剥離保護部材との間からのはみ出しが防止される。その結果、はみ出した柔軟効能組成物が包装用容器の内面に粘着し、貼付剤を包装用容器から容易に取り出せないという不便が解消される。更に、貼付剤を人体皮膚に貼付する場合に、保持部材の表面又は側面からみ出している柔軟効能組成物が粘着性を有することに起因していた貼付した状態における使用者の不快感が解消され、快適に使用できる貼付剤収納包装品が得られる。
【符号の説明】
【0246】
1 貼付剤収納包装品
2 貼付剤
21 保持部材
21a 保持部材周辺余白部
22 柔軟効能組成物、含水ゲル状柔軟効能組成物
22a 効能組成物原料、流動効能組成物原料、
22b 効能組成物原料、冷却非変形効能組成物原料
22c 効能組成物原料、切断冷却非変形効能組成物原料
23 剥離保護部材
3 包装用容器
3a 包装用容器密封部
3c 熱収縮性包装用容器