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特許7329245心血管性の効率に影響を与える栄養補助食品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】心血管性の効率に影響を与える栄養補助食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20230810BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 31/355 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 31/7028 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 31/728 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 36/05 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 36/324 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 36/82 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 36/9066 20060101ALI20230810BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20230810BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K9/48
A61K31/12
A61K31/122
A61K31/352
A61K31/355
A61K31/7028
A61K31/728
A61K36/05
A61K36/324
A61K36/82
A61K36/9066
A61K47/44
A61P9/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019540483
(86)(22)【出願日】2017-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2017104837
(87)【国際公開番号】W WO2018064966
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2019-06-05
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】62/404,853
(32)【優先日】2016-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519124800
【氏名又は名称】ベイジン ギンコ グループ バイオロジカル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING GINGKO GROUP BIOLOGICAL TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 1706, Tower A, Building 1, Tianzuo International Center, No. 12 Zhongguancun South Avenue, Haidian District, Beijing 100081, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヤンメイ
(72)【発明者】
【氏名】ディン,リーシン
【合議体】
【審判長】加藤 友也
【審判官】平塚 政宏
【審判官】中村 和正
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101053409(CN,A)
【文献】国際公開第2006/059730(WO,A1)
【文献】特開2010-43032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康な成人の運動中における有酸素性作業閾値の平均心拍数及び無酸素性作業閾値の平均心拍数を減少させるための、心臓滋養強壮作用を有する組成物であって、
前記組成物は、ヘマトコッカス・プルビアリス抽出物に由来するアスタキサンチンと、中鎖トリグリセリドである食用キャリアオイルと、D-α-トコフェロールである天然抗酸化物質と、を含む、組成物
【請求項2】
前記ヘマトコッカス・プルビアリス抽出物におけるアスタキサンチンの含有量が、1mg以上200mg以下である、請求項1に記載の組成物
【請求項3】
前記ヘマトコッカス・プルビアリス抽出物におけるアスタキサンチンの含有量が、1mg以上40mg以下である、請求項1に記載の組成物
【請求項4】
前記ヘマトコッカス・プルビアリス抽出物におけるアスタキサンチンの含有量が、1mg以上20mg以下である、請求項1に記載の組成物
【請求項5】
前記組成物は、さらに、
緑茶抽出物、
ケルセチン、
シアニジン-3-グルコシド(C3G)、
クルクミン/ウコン、
ボスウェリア(boswellia)、
ヒアルロン酸、のうちの一種又は複数種を含む、請求項1に記載の組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、栄養療法及び補助食品の分野に関する。より詳細には、本発明は、これらの分野の中でもとりわけ、心血管性の効率を改善する栄養療法及び補助食品に関する。
【背景技術】
【0002】
栄養補助食品は、健康状態及び/又は身体能力を改善するために日常的に使用されている。栄養補助食品は、特定の健康状態及び/又は能力のメリットを提供するために調整することができる一方、そのようなメリットを、具体的に、心血管性の効率改善によって提供する補助食品は比較的少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、栄養療法及び補助食品、より詳細には、個人の心血管性の効率を改善する栄養療法及び補助食品に関する。様々な実施形態についての以下の詳細な記述は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、様々な実施形態を単に例示するにすぎない。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書において、量、濃度、及び他の数値データは範囲形式で提示してもよい。そのような範囲形式は、単に簡潔にするために使用されており、実際に列挙されている数値のみを含むわけではなく、各数値及び部分範囲が実際に列挙されているかのように、各数値又はその範囲内に包含される部分範囲のすべてを含むことを柔軟に解釈するべきである。例えば、1mg~200mgの量とは、1mg及び約200mgという明確に列挙された制限範囲を含むだけではなく、2mg、3mg、4mg等の個々の量、及び10mg~50mg、20mg~100mg等の部分範囲も含むと解釈されるべきである。特に指示しない限り、全範囲は両端値を含む。「心血管性の効率」及び「心臓滋養強壮」(cardio tonic)という用語は、実施例1及び「実施形態の詳細」の項で述べているように定義される。
【0005】
本明細書にて開示された栄養補助食品は、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)に由来するアスタキサンチンを含んでよい。
【0006】
例えば、幾つかの実施形態では、栄養補助食品が、ヘマトコッカス科由来の緑藻植物門の淡水産種であるヘマトコッカス・プルビアリス由来のアスタキサンチンを含んでよい。これらの種は、強抗酸化物質であるアスタキサンチンの含有量が多いことでよく知られている。アスタキサンチンの多くは、休止細胞に存在しており、これらの休止細胞は、環境条件が通常の細胞成長にとって好ましくないときに生成されて急速に増殖する。そのような条件の例には、強い光、高い塩分濃度、及び栄養素の低供給が含まれる。ヘマトコッカス・プルビアリスの鮮赤色は、アスタキサンチンによって生じており、このアスタキサンチンは、直射日光に晒されたとき、紫外線の有害な影響から休止嚢胞を保護すると考えられている。
【0007】
幾つかの実施形態では、ヘマトコッカス・プルビアリス(Astazine規格を記述)の抽出物が、アスタキサンチンを提供する栄養補助食品として使用されている。一実施形態では、栄養補助食品は:ヘマトコッカス・プルビアリス抽出物、食用キャリアオイル、及び天然抗酸化物質を含む。
【0008】
幾つかの実施形態では、この食用キャリアオイルは、中鎖トリグリセリドである。
【0009】
幾つかの実施形態では、この天然抗酸化物質は、D-α-トコフェロールである。
【0010】
幾つかの実施形態では、ヘマトコッカス・プルビアリス(Astazine規格を記述)の抽出物が、ヘマトコッカス・プルビアリス物質に由来するアスタキサンチンの1mg~200mgの間、40mg~200mgの間;70mg~200mgの間;100mg~200mgの間;150mg~200mgの間;15mg~150mgの間;15mg~100mgの間;15mg~50mgの間、40mg~130mgの間;又は40mg~75mgの間のアスタキサンチンを提供する栄養補助食品として使用されている。
【0011】
ヘマトコッカス・プルビアリス物質由来のアスタキサンチンに加えて、本明細書にて開示された幾つかの栄養補助食品は、1つ又は複数の以下の成分:緑茶、緑茶抽出物、ケルセチン、シアニジン3-グルコシド(C3G)、クルクミン/ウコン、ボスウェリア、又はヒアルロン酸を含んでよい。
【0012】
例えば、幾つかの実施形態では、栄養補助食品(例えば、頓服用に包装された栄養補助食品)が、5mg~400mgの間、50mg~400mgの間、75mg~400mgの間;125mg~400mgの間、25mg~200mgの間;25mg~100mgの間;25mg~75mgの間;又は75mg~125mgの間の量のC3Gを含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、栄養補助食品(例えば、頓服用に包装された栄養補助食品)が、5mg~150mgの間の量で緑茶抽出物を含んでよい。幾つかの実施形態では、栄養補助食品中の緑茶抽出物の量が15mg~50mgの間であってよい。
【0014】
幾つかの実施形態では、栄養補助食品中のヒアルロン酸の量が、5mg~150mgの間であってよい。幾つかの実施形態では、栄養補助食品中のクルクミン/ウコンの量が、15mg~250mgの間であってよい。幾つかの実施形態では、ケルセチンの量が、1mg~200mgの間であってよい。幾つかの実施形態では、栄養補助食品中のボスウェリアの量が約1mg~100mgの間であってよい。
【0015】
幾つかの実施形態では、栄養補助食品が、液体カプセル又はソフトゲルカプセルの形状で処方されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、栄養補助食品の成分が、カプセル封入用のベース液又はベースオイル中に混合されてよい。幾つかの実施形態では、この液体又はソフトゲルのカプセルが、1mg~1,000mgの間の重量であってよい。幾つかの実施形態では、この栄養補助食品が、頓服用に包装されてよい。
【0016】
幾つかの実施形態では、この栄養補助食品が、心臓血管特性を示してもよい。換言すれば、幾つかの実施形態では、この栄養補助食品を健康な成人に投与するとき、心血管性の効率を改善させる効果がある。例えば、幾つかの実施形態では、栄養補助食品を摂取することによって、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、又は10%を超える最大下運動又は身体的活動中、心拍数を減少させることができる。
【0017】
幾つかの実施形態では、この栄養補助食品を健康な成人に投与するとき、有酸素性作業閾値及び無酸素性作業閾値の収縮期において心拍数を減少させる効果がある。例えば、幾つかの実施形態では、この栄養補助食品が、健康な成人で毎分5~20回及び/又は毎分10~15回の間で平均心拍数を減少させることができる。したがって、この栄養補助食品は、心血管性の効率の改善と関連する1つ又は複数の健康上のメリットを提供することができる。
【0018】
幾つかの実施形態では、心臓滋養強壮作用(cardio tonic effect)を促進する又は心血管性の効率を改善する薬剤を調製する際に、前述の栄養補助食品のいずれかを使用することが企図される。
【実施例1】
【0019】
試験計画
ヘマトコッカス・プルビアリス由来のアスタキサンチンを含む栄養補助食品カプセルを使用する効果を評価するための研究を行った。より詳細には、健康な被験者に12mgのアスタキサンチンを8週間摂取してもらった。より詳細には、このアスタキサンチン栄養補助食品を、表1に示す成分と混和した。また、表1は各成分の量も示している。
【0020】
【表1】
【0021】
背景として、運動選手がアスタキサンチンを4週間摂取することで、比較的高い運動強度において運動能力の様々な測定値が改善することを示した。例えば、アスタキサンチン摂取によって、高強度である1200m走後の乳酸蓄積が軽減し、さらにパワー発揮能力が著しく改善されて高強度である20kmの自転車タイムトライアルではより速い完走に繋がった。
【0022】
我々は、健常者がアスタキサンチン(12mg/日)を8週間摂取する試験を行い、高・低強度の運動中の心肺機能に対する効果を評価した。
【0023】
28名の健常者(男性=14名、女性=14名、年齢=42歳)に、12mg/日のAX(ヘマトコッカス・プルビアリス藻抽出物)又はプラセボを8週間摂取する二重盲検並行群間比較試験を行った。この摂取期間の前後に、被験者に対して、最大ランニングテスト(トレッドミル上のVO2max(最大酸素摂取量))及び最大サイクリングテスト(自転車エルゴメータ上のワット数)を実施した。
【0024】
試験結果
アスタキサンチンの摂取によって、最大酸素摂取量(ランニング中のVO2max)又は最大パワー発揮能力(サイクリング中のワット数)を含む高強度運動条件における改善は見られなかった。興味深く、さらに意外なことに、アスタキサンチングループの被験者は、プラセボグループと比較して最大下ランニング強度(有酸素性作業閾値及び無酸素性作業閾値の両方)にて、有意~10%低い平均心拍数を示し、アスタキサンチン摂取の高い「心臓滋養強壮」効果及び最大下有酸素性持久強度における優れた代謝効率を示唆している、しかし最大努力下では見られなかった。
【0025】
要するに、12mg/日のアスタキサンチンを8週間摂取したことによって、最大下有酸素性持久強度における心拍数が減少し、この持久強度における平均心拍数は、~137bpm(有酸素性作業閾値)から~146bpm(無酸素性作業閾値)であるが、より高い「ピーク」強度(例えば、自転車タイムトライアル中の152bpm又はピークランニングVO2maxの166bpm)では同じ効果は見られなかった。これらの試験結果は予想外で、新たな発明であることを示しており、それによってアスタキサンチン摂取が、より短距離でより高い強度の労力にて競うアスリートにとっては必ずしもそうとは限らないものの、長距離走及び超長距離走の持久走運動選手(例えば、マラソン選手、アイアンマン・トライアスロン選手、及び超長距離ランナー/サイクリスト)にとって、有益な身体機能補助になると見なされ得る。さらに、意外なことに、これらのデータは、アスタキサンチン摂取が、高齢の被験者及び心筋梗塞後、心不全、スタチン服用、ミトコンドリア機能不全、慢性疲労、及び関連する状態を抱える者を含むアスリート以外の対象者にも有益であり得るという一般的な「心臓滋養強壮」効果をもたらし、別の発明がある可能性を示唆する。
【0026】
本明細書全体を通じて各実施形態への言及は、その実施形態に関連して述べる詳細な特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて列挙されるような引用された語句、又はその変形形態は、必ずしも、すべてが同じ実施形態を意味するとは限らない。
【実施例2】
【0027】
処方2:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを1%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表2)
【0028】
【表2】
【実施例3】
【0029】
処方3:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを20%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表3)
【0030】
【表3】
【実施例4】
【0031】
処方4:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを10%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表4)
【0032】
【表4】
【実施例5】
【0033】
処方5:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを20%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表5)
【0034】
【表5】
【実施例6】
【0035】
処方6:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを10%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表6)
【0036】
【表6】
【実施例7】
【0037】
処方7:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを20%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表7)
【0038】
【表7】
【0039】
54名の健常者(男性=30名、女性=24名、年齢=39歳)に、処方2~7(ヘマトコッカス・プルビアリス藻抽出物を含有する)のソフトカプセルを8週間摂取してもらった(各グループに健常者が9名ずつ)。この摂取期間の前後で、被験者に、最大ランニングテスト(トレッドミル上のVO2max(最大酸素摂取量))及び最大サイクリングテスト(自転車エルゴメータ上のワット数)を実施した。また、生体電気インピーダンスによって、体重、体脂肪率、及び基礎代謝率を含む身体組成を測定した。
【0040】
参加者が、15分以内に最大酸素消費量及び随意的な疲労に達するよう、ランニングVO2max評価を計画した。この手順は、参加者自身で選択した簡単なジョギングで徐々にウォーミングアップをした後、体力を消耗するまで毎分、漸進的に速度と傾斜を上げることからなる。心拍数(毎分の拍数、bpm)及び酸素消費量(ml/kg/min)を、最大及び二点の最大下レベル(有酸素性作業閾値、AeT及び無酸素性作業閾値、AT)で記録した。参加者自身の選択した運動量で最も高い平均ワット数を発電し、かつ90rpm(80~100rpmの範囲)のケイデンス(ペダル回転数)を目標とするように指導を受けた参加者を対象として、20分のタイムトライアルによってこのサイクリングワット数の評価を実施した。
【0041】
処方7の栄養補助食品は、健常者全員に投与したとき、有酸素性作業閾値(AeT)及び無酸素性作業閾値(AT)の収縮期に心拍数を減少する効果があることを試験結果は示した。最大下運動において、処方2~7グループの平均心拍数は、134~149bpm(AeT)から131~159bpm(AT)であったが、より高いピーク強度(例えば、自転車タイムトライアル中の~154~158bpm又はピークランニングVO2maxにおける~165~172bpm)ではなかった。全処方グループにおいて、最大下ランニング心拍数が、AeTで1~10%及びATでは1~9.8%減少し、その処方2のグループ(アスタキサンチン及び緑茶抽出物)並びに処方4(アスタキサンチン及びC3G)は、摂取前より心拍数が著しく減少したことを示した。補助食品を投与した前後を比較して、実施例2グループにおいて被験者の有酸素性作業閾値(AeT)平均心拍数は8.9%減少し、被験者の無酸素性作業閾値(AT)平均心拍数は8.0%減少しており、これら実施例1~7グループ中では、実施例4グループが最良のグループとなる。実施例4グループでは、AeT平均心拍数が12.2%減少し、AT平均心拍数は9.8%減少した。
【実施例8】
【0042】
処方8:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを10%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表8)
【0043】
【表8】
【実施例9】
【0044】
処方9:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを20%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表9)
【0045】
【表9】
【実施例10】
【0046】
処方10:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを5%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表10)
【0047】
【表10】
【実施例11】
【0048】
処方11:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを10%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表11)
【0049】
【表11】
【実施例12】
【0050】
処方12:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを5%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表12)
【0051】
【表12】
【実施例13】
【0052】
処方13:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを10%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表13)
【0053】
【表13】
【実施例14】
【0054】
処方14:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを5%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表14)
【0055】
【表14】
【実施例15】
【0056】
処方15:ヘマトコッカス・プルビアリス藻(アスタキサンチンを20%含有する)由来の天然アスタキサンチン含有抽出物から調製したソフトカプセル(表15)
【0057】
【表15】
【0058】
48名の健常者(男性=24名、女性=24名、年齢=42歳)に処方8~15(ヘマトコッカス・プルビアリス藻抽出物を含有する)ソフトカプセルを8週間摂取してもらった(各グループに健康な被験者が6名ずつ)。この摂取期間の前後に、被験者に最大ランニングテスト(トレッドミル上のVO2max)及び最大サイクリングテスト(自転車エルゴメータ上のワット数)を実施した。
【0059】
8つの処方栄養補助食品を健常者全員に投与するとき、有酸素性作業閾値(AeT)及び無酸素性作業閾値(AT)の収縮期に心拍数が減少するのに効果的であることを試験結果は示した。処方11のグループには、他のグループよりさらに効果があった。処方11のグループ(AX、D-α-トコフェロール、クルクミン/ウコン、及びシアニジン3-グルコシド(C3G))の被験者は、プラセボグループと比較して、最大下ランニング強度(有酸素性作業閾値と無酸素性作業閾値の両方)で~10%も有意に低い平均心拍数を示しており、この栄養補助食品は、健康な成人で毎分約18回(bpm)及び/又は毎分約15回(bpm)の平均心拍数を減少し得る。
【0060】
本発明は、各請求項に記載の発明がそこに明示的に列挙されている特徴以外の特徴を必要とすることを意図するものではない。続く請求項の記載からわかるように、発明の態様は、上で開示した一実施形態における特徴すべてを含むわけではない。したがって、本明細書において、「特許請求の範囲」は、この「実施形態の詳細」に明示的に組み込まれる。各請求項は、本発明の実施形態として個別にそれ自体で成立している。本発明には、独立請求項及びそれらの従属請求項のすべての組合せが含まれる。
【0061】
本発明の趣旨から逸脱することなく上述の実施形態の詳細に対して変更を行えることは当業者には明白であろう。