(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】ティッシュペーパーロール用のチューブ状コア及びこうしたチューブ状コアを生産するための方法
(51)【国際特許分類】
A47K 10/16 20060101AFI20230810BHJP
B65H 75/08 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
A47K10/16 A
A47K10/16 D
B65H75/08
(21)【出願番号】P 2019543928
(86)(22)【出願日】2018-03-07
(86)【国際出願番号】 IB2018051473
(87)【国際公開番号】W WO2018163080
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】102017000025090
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519291526
【氏名又は名称】ビアジオッティ,ググリエルモ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ビアジオッティ,ググリエルモ
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-022306(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0167889(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0144590(US,A1)
【文献】実開昭62-140070(JP,U)
【文献】特開2011-212097(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01388517(EP,A2)
【文献】特表2013-518610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/16
B65H 75/08-75/32
B65D 3/00- 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティッシュペーパーロールまたは他のテープペーパー材料を巻き付けるために設計されたチューブ状コアであって、
- 螺旋状に巻き付けられた1つまたは複数のプライのティッシュペーパーの少なくとも1つのテープ(10)であって、チューブ状コア(1)の軸に垂直な任意の断面において、前記テープ(10)のスピンドル(M)に対する一周分であるコイル(S)が3以上の所定の数でオーバラップするように、巻き付け螺旋のピッチが前記テープ(10)自身の幅よりずっと小さいようなものである、螺旋状に巻き付けられた1つまたは複数のプライのティッシュペーパーの少なくとも1つのテープ(10);
- 前記テープ(10)の後続の部分的にオーバラップするコイル(S)のそれぞれの対の間に挿入されるように、前記テープ(10)と共に螺旋状に巻き付けられた接着剤フィルム(2)であって、前記コイル(S)を接続し、前記チューブ状コア(1)の必要な構造的強度を保証するために寄与することを意図される接着剤フィルム(2);
からなるチューブ状コア。
【請求項2】
複数のティッシュペーパーテープ(10)であって、テープ(10)自身の幅よりずっと小さい螺旋ピッチに従って螺旋状に巻き付けられる、複数のティッシュペーパーテープ(10)を提供すること、及び、各前記テープ(10)が、先行するテープ(10)の上に、前記テープ(10)のコイル(S)が前記チューブ状コア(1)の長手方向軸に沿って所定の量だけ平行に相違する位置になるように巻き付けられることを特徴とする、請求項1に記載のチューブ状コアの製造方法。
【請求項3】
前記接着剤フィルム(2)を、巻き付け方向に連続させ、同じ前記チューブ状コア(1)の長手方向において、螺旋形状にすることを特徴とする、請求項1または2に記載のチューブ状コアの製造方法。
【請求項4】
前記テープ(10)をスピンドル(M)に螺旋状に巻き付ける際に上に更なるテープが重ねられない部分の縁である閉鎖縁において前記接着剤フィルム(2)の上に更に重ねられる接着剤フィルム(2)
よりも狭い接着剤テープ(3)を貼付し、前記接着剤テープ(3)の下にあるコイル(S)に対する前記接着剤テープ(3)の締結を改善するようにすることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のチューブ状コアの製造方法。
【請求項5】
複数の前記テープ(10)をスピンドル(M)に同時に巻く場合に、最も螺旋の進行方向の側にある前記テープ(10)以外の前記テープ(10)において、各前記テープ(10)の前記接着剤フィルム(2)を、その前記テープ(10)の幅に等しくし、
複数の一部が重なり合った前記テープ(10)を備えるようにすることを特徴とする、請求項1または2に記載のチューブ状コアの製造方法。
【請求項6】
ティッシュペーパーロールまたは他のテープペーパー材料用のチューブ状コア(1)を生産するための方法であって、
- 同じ幅の少なくとも1つの相対リール(B)からティッシュペーパーの少なくとも1つのテープ(10)を巻き解くステップ;
- ティッシュペーパーテープ(10)を巻き解くステップの後に行われる前記テープ(10)の一方の側面への接着剤フィルム(2)の貼付であって、接着剤フィルム(2)の貼付は、直前のコイルにオーバラップするまたは後続のコイルによってオーバラップされることを意図される前記テープ(10)の幅の所定の部分上に実質的に均一に前記接着剤フィルム(2)を分配するように適合される、接着剤フィルム(2)の貼付ステップ;
- 前記接着剤フィルム(2)の貼付ステップの後に行われる前記ティッシュペーパーテープ(10)のスピンドル(M)上への巻き付けであって、前記テープ(10)のスピンドル(M)に対する一周分であるコイル(S)がそれぞれ直前のコイルに部分的にオーバラップし、及び前記チューブ状コア(1)の軸に垂直な任意の断面において少なくとも3つのコイルがオーバラップするように、前記テープ(10)の幅よりずっと小さいピッチを有する螺旋に従って実施される、巻き付けステップ;
を提供する方法。
【請求項7】
前記接着剤フィルム(2)は、前記スピンドル(M)上に巻き付けられる相対コイル(S)の内側表面になることを意図される前記テープ(10)の側面に貼付され、前記接着剤フィルム(2)の前記貼付は、前記テープ(10)の幅の所定の部分上に実質的に均一な方式で前記接着剤フィルム(2)を分配するように適合され、それにより、前記スピンドル(M)上に巻き付けると、前記接着剤フィルム(2)は、直前のコイルにオーバラップし、前記スピンドル(M)の外側表面に接触しないことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記巻き付けステップ中に、前記コイル(S)は前記スピンドル(M)に対して軸方向に摺動して、連続パイプ(T)を形成し、形成する前記連続パイプ(T)の切断フェーズは、前記連続パイプ(T)を、前記チューブ状コア(1)の長さに対応する長さのセクションになるように切断するために提供されることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記連続パイプ(T)の前記切断フェーズの前に、前記連続パイプ(T)の乾燥フェーズが設けられることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記チューブ状コア(1)の長手方向軸に沿って、所定の量だけ一部重なり合って同時に螺旋状に各前記テープは巻き付けられ、更に各前記テープが形成する各コイル(S)も部分的に重なり合った状態であるときの、その巻き付けられた螺旋に従って、対応するリール(B)からのティッシュペーパーの複数の前記テープ(10)の同時巻き解き、及び、前記スピンドル(M)上への複数の前記テープ(10)の同時巻き付けを提供することを特徴とする、請求項6または7から9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティッシュペーパーロール、不織布、または他のテープ材料がその上に巻き付けられるチューブ状コアの生産に特に関連する、ペーパー業界の技術部門に属する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、こうしたコアは、好ましくは、それ自体知られているチュービング機またはチューブ成形機等の知られている機械によって厚紙で作られ、それらの機械は、前記厚紙の1つまたは複数のテープを金属スピンドルにコイル状に巻き付けて、連続パイプを形成する。
【0003】
出口において、チューブは、巻き付けられなければならないことになるティッシュペーパーロールの幅に対応するサイズに切断され、その後、ペーパーロールの幅のロールを形成するリワインダーに給送される。
【0004】
ロールを相対チューブ状コアに巻き付けた後、ロールは、商業化に適するサイズのロールを得るために更に軸方向に分割される。
【0005】
チューブ状コアを実現するための厚紙の選択は、良好な機械抵抗と、低コストの原材料、ならびにティッシュペーパーロールが完全に使用されてしまったときの容易な廃棄及び同材料の再利用を全て満足させる必要性による。
【0006】
チューブ状コアは紙材料チューブ状コアと呼ばれ、さらにまたペーパーと共に廃棄可能であるが、下水管を確実に詰まらせることになるため、トイレに投げ捨てることは可能でない。
【0007】
厚紙は、実際には、ティッシュペーパーよりずっとゆっくりと水を吸収するため、分解するのに長い時間がかかる。
【0008】
そのため、その急速な分解に頼って下水道を通して直接廃棄できるティッシュペーパーと違って、厚紙コアは、他の固体廃棄物の廃棄についての通常の手順、すなわち、別個の収集、紙ビンの生ごみ処理機による撤去、清掃センターへの移送等に従うべきである。
【0009】
本発明者等は、問題が、そのグローバルな次元で考えて、コストと環境影響の両方の観点で、決して無視できるものではないことを理解している。
【0010】
この欠点を克服するために、チューブ状コアがティッシュペーパーを含むことが同様に望ましいだろうが、克服されるべき技術的問題は、こうしたコアに、軸方向と半径方向の両方の応力に対する必要な機械抵抗を与えることである。
【0011】
国際公開第2009/007551号は、ティッシュペーパーで作ったチューブ状コア及びそれを得るための方法を記載する。
【0012】
前記コアは、チューブ状コアを厚紙で作る従来の技法に従って、すなわち巻き付けのピッチを巻き付けられるテープの幅に正確に等しくしてコイルを正確に並べて設置することによって螺旋状に巻き付けられる、澱粉を少なくとも局所的に含浸されたティッシュペーパーの少なくとも1つのテープによって構成される;澱粉は、コア自身の構造的剛性を増す機能を託される。
【0013】
螺旋状に巻き付けられるティッシュペーパーが、必要とされるコンシステンシー及び剛性(rigidity)を有するために、実施形態の特有の方法が提供され、その方法は、
- 1つまたは複数のプライを有するティッシュペーパーの2つのテープを、プライの間に接着剤層を挿入しながら結合すること;
- プライの所望の総数ならびに所望のコンシステンシー及びコシ(stiffness)が達成されるまで、それぞれの接着剤層を挿入しながら、最初の2つのテープに1つまたは複数のプライを有する更なるテープを結合すること
を可能にする。
【0014】
プライの間に挿入される接着剤は、片栗粉または片栗粉とポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールの混合物からなる。
【0015】
ここで述べた従来の方法に従って得られ、上記文書の説明に示され、従来の厚紙コアの機械的強度と比較されたチューブ状コアの機械的強度に関する結果が、信頼性があることを考慮すると、満足のいく結果に達することができることを推測できる。
【0016】
上述した方法と同様の生産方法によってティッシュで作られるチューブ状コアを記載する更なる特許文章は、例えば、米国特許第20160144590号明細書及び米国特許第20110287273号明細書である。同様にこれらの文書において、ティッシュペーパーテープは、好ましくはセルロース澱粉で作られた接着剤によって含浸されかつ接合された2つ以上のオーバラップしたプライで作られる。その後、厚紙のものと同様の厚さ及びコンシステンシーを有する、得られたペーパーテープは、厚紙テープから始めて、チューブ状コアを生産するために慣例的に使用される方法で螺旋状に巻き付けられる。より具体的には、テープは、連続的に並んで配置されたままである複数のコイルになるように、金属スピンドルにヘリックス状に巻き付けられる。コイルは、接着剤のテープによって、または第1のテープ上に更なるテープを第1のテープと同じピッチであるが第1のテープに関してヘリックスをずらした状態でヘリックス状に巻き付けることによって、互いに接続するため、第2のテープは、下にあるテープのコイルのシームラインを覆う。上で引用した文書の方法によって得られる従来のティッシュコアと厚紙コアの両方において、テープがヘリックス状に巻き付けられたコイルは必ず互いに隣接し、テープの大きい厚さ及びコシによってオーバラップしない可能性があり、そのことは、巻き付けられた材料のしわ及び/または折り目、したがって、使用不能製品及び/またはマシーンジャムを引起すだろう。
【0017】
さらに、上で概説された方法の実装は、多数のプライによって形成されるテープをそれによって得る、作動ピッチならびに特定の機械の必要性を、チューブを形成するときにそれらを使用できる前に判定する。
【0018】
さらに、こうして形成されるチューブ状コアは、ティッシュで作られるが、もはや転動不能であるため、ペーパーを更なる量のトイレットペーパーまたはキッチンペーパーとして使用することは可能でない、なぜならば、チューブ状コアが、いずれにしても、剛性でありかつ非常に制限された表面を有することになるからである。
【0019】
これらの制限が、生産速度、使用し易さ、ならびに、より多くのプライを有するテープを作るために必要とされる機械類のコストの点で、負の側面をどのように構成するかを理解することは容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】国際公開第2009/007551号
【文献】米国特許第20160144590号明細書
【文献】米国特許第20110287273号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
したがって、本発明の目的は、チューブ状コアに巻き付けられることを意図されるティッシュペーパーと同様のティッシュペーパーで作られるティッシュペーパーロール用のチューブ状コアを提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、チューブ状コアに巻き付けられることを意図されるティッシュペーパーと同様のティッシュペーパーで作られるチューブ状コアを提供することであり、そのチューブ状コアは、連続チューブ状コアの生産のために特に設計された単純かつ安価な機械を使用することによって生産することができる。
【0023】
本発明の別の目的は、チューブ状コアに巻き付けられることを意図されるティッシュペーパーと同様のティッシュペーパーのチューブ状コアを生産するための方法を提案することであり、その方法は、多数のプライを有するティッシュペーパーのテープを調製するための知られている技術の方法において提供される予備ピッチをなくすのに適する。
【0024】
本発明の別の目的は、ティッシュペーパーで作られるチューブ状コアであって、使用するのに適した機械抵抗を有し、適切な接着剤量を使用して作られチューブ状コアのそれぞれのエリアが均質でなければならない、チューブ状コアを提供することである。
【0025】
本発明の更なる目的は、生産時間及びコストの有意の変動をもたらすことなく、得られるティッシュチューブ状コアの機械特性を修正できることである。
【0026】
本発明のなお別の目的は、チューブ状コアであって、チューブ状コア上に巻き付けられたロールのティッシュペーパーが使い尽くされると、そのロールのティッシュペーパーと同様に使用できるティッシュペーパーで構成されたチューブ状コアを提案することである。
【0027】
本発明の別の目的は、チューブ状コアが、そのまま廃棄される、または、ロールのティッシュペーパーのようにたとえトイレット排出されても何らかの使用のために使用されることを可能にすることである。
【0028】
本発明の更なる目的は、極端に高い効率を有するチューブ状ティッシュコアを生産するための方法を提案することである。
【0029】
本発明の別の目的は、機械の管理のために機械の周りに存在するスタッフの必要性を減らすことができる方法を提案することである。
【0030】
本発明の別の目的は、巻き付けられるロールを商業的幅のロールに切断するために慣例的に使用される円形ナイフの摩滅に関係するロールの生産コストを低減できる方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
上記のまた他の目的は、ティッシュペーパーロールまたは他のテープ材料を巻き付けるためのチューブ状コアによって得られ、チューブ状コアは、
- 螺旋状に巻き付けられた1つまたは複数のプライを有するティッシュペーパーの少なくとも1つのテープであって、前記チューブ状コアの軸に垂直な汎用セクションにおいて、前記テープの3以上の所定の数のコイルが重なるように、巻き付けヘリックスのピッチがテープの幅よりずっと小さいようなものであるテープ;
- 前記テープの後続の部分的にオーバラップするコイルのそれぞれの対の間に挿入されるように、前記テープと共に螺旋状に巻き付けられた接着剤であって、前記コイルを接続し、前記チューブ状コアの必要な構造的強度を保証するために寄与することを意図される接着剤フィルム
からなる。
【0032】
上述したチューブ状ティッシュコアは、特に経済的かつ有利であり、なぜならば、コアに巻き付けられるテープ材料の使用が終了すると、コアは、ティッシュペーパーの慣例上意図される使用を可能にするために大きい表面積かつ十分に軟質のティッシュシートを得るように、コアを巻き解くことによって使用することができるからである。
【0033】
上記目的は、ティッシュペーパーロール用のチューブ状コアを生産するための方法によって同様に達成され、方法において、
- 少なくとも1つのティッシュペーパーリールの巻き解き;
- 前記リールから巻き解かれるティッシュペーパーテープのスピンドル上への巻き付けであって、形成中の各コイルがテープ自身の全体幅の約数に比例する幅で直前のコイルにオーバラップするようなピッチの、ヘリックス螺旋に従って実施される巻き付け;
- テープの一方の側面への接着剤フィルムの塗布であって、前記リールからの巻き解きとスピンドル上への巻き付けとの間に行われ、直前のコイルにオーバラップするまたは後続のコイルによってオーバラップされることを意図されるテープの幅の所定の部分にわたって実質的に均一に接着剤フィルムを分配するために提供される接着剤フィルムの塗布、
が規定される。
【0034】
本発明の特徴は、特許請求項に述べられるものに従いかつ添付図面の助けを借りて、目的において言及された、ティッシュペーパーロール用のチューブ状コアを作るための方法及びこの方法によって作られるチューブ状コアの好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】当該の方法による、スピンドルの周りに形成される第1のタイプのチューブ状ティッシュペーパーコアを、不等角投影図で概略的に示す図である。
【
図2】同じ方法に従って形成される第2のタイプのチューブ状コアを、
図1と同様の図で示す図である。
【
図3】スピンドル上に形成される本発明によるチューブ状コアの長手方向セクションの、著しく拡大したスケールにおける詳細図であり、スピンドル自身上へのティッシュペーパーコイルのオーバラップを強調するためのものである。
【
図4】方法の実装のために使用可能な連続チューブ成形機を側面から概略的に示す図である。
【
図5】
図5の機械を平面図で概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
上記図において、本発明のチューブ状ティッシュペーパーコアの対象物が参照1によって全体として示されている。
【0037】
チューブ状コア1は、導入部で既に述べたように、示さない家庭用使用または産業用使用のためのティッシュペーパーロールが巻き付けられる中心コアを構成することを意図される。
【0038】
本発明によれば、チューブ状コア1は、1つまたは複数の螺旋巻き付け式プライを有する少なくとも1つのティッシュペーパーテープ10であって、前記チューブ状コア1の軸に垂直な汎用セクションにおいて前記ティッシュペーパーのコイルSの数がテープ10の幅値及びヘリックスのピッチ値に応じて3以上であるように、巻き付けヘリックスのピッチがテープ10自身(
図1)の幅よりずっと小さいようなものである、1つまたは複数の螺旋巻き付け式プライを有する少なくとも1つのティッシュペーパーテープ10からなる。
【0039】
コイルSのそれぞれの連続する対の下に、接着剤フィルム2が挿入され、接着剤フィルム2は、オーバラップされるテープ幅のほぼ全体部分にわたって実質的に均一に分配される。
【0040】
好ましくは、接着剤フィルム2は、巻き付け方向に従って連続であり、したがってチューブ状コア1においてヘリカル螺旋形状を同様にとって前記コイルSを重ねて接続しコイルSを実質的に単体にし、それにより前記チューブ状コア1の必要な構造的強度を保証することに決定的に寄与する。
【0041】
コイルSのコイルを巻き付けるために選択されるピッチにしたがって、前記チューブ状コア1の軸に垂直な汎用セクションにおいてオーバラップする、より多いまたはより少ないコイルが存在するであろう。
【0042】
ヘリックスのピッチの値を減少させ、その結果、チューブ状コア1の単位長当たりにより多くのコイルSを得ることによって、チューブ状コア1の構造的強度が増加するであろう。
【0043】
オーバラップするコイルの数は、3から200の間の範囲に含まれ、家庭用使用のためのティッシュペーパーロールの場合、前記チューブのコストを厚紙チューブのコストと同等にするために、好ましくは、10から30の間である。
【0044】
本発明によるチューブ状コアの形成を予定されるマルチプライティッシュペーパーのテープを、プライを結合する種々の手段を設けることによって提供することができ、種々の手段は、平滑プライの単純な糊付けから、糊付け技法、ティップ/ティップまたはティップ/ブランクまたは平滑プライに対するティップ等の当業者に知られている方法の使用に及ぶことが留意されるべきである。
【0045】
チューブ状コア1の変形実施形態において、複数(
図2の非制限的な例では2)のティッシュペーパーテープ10を使用することが想定され、各テープ10は、その幅よりずっと小さいヘリックスピッチに従って螺旋状に巻き付けられ、より正確には幅の約数に比例する。
【0046】
有利には、各テープ10は、直前のテープ上に巻き付けられるため、相対コイルSは、上記チューブ状コア1の長手方向軸に沿って所定の量だけずらされる。
【0047】
図2において、2つのテープ、それぞれ第1のテープ10’及び第2のテープ10’’が示され、第2のテープ10’’はその幅の端の近くで第1のテープにオーバラップする。
【0048】
各テープ10’、10’’の内側表面であって、スピンドルMに巻き付けられる相対コイルの内側表面になることをより正確には意図される内側表面上で、相対接着剤フィルム2が、直前のコイル上にオーバラップしその結果スピンドルMと接触しない幅の部分に等しい幅を持って、適した位置(
図2)に塗布される。
【0049】
示す有利な実施形態において、第2のテープ10’’は、接着剤の量が接着剤フィルム2の残りの部分より多い狭い接着剤テープ3を更に備え、狭い接着剤テープ3は、閉鎖縁に対応して設置されて、下にあるコイルに対する接着剤テープ3の締結を改善することが実現される。前記狭い接着剤テープ3が、単一巻き付け式テープを有する実施形態の変形において同様に存在する可能性がある、または、全く設けられない場合があることが留意されるべきである。幾つかのテープの場合、更なる変形として、第2のテープ10’’がスピンドルMのいずれの部分にも直接接触しないため、第2のテープ10’’において接着剤フィルム2が全幅であることが可能である。
【0050】
チューブ状コア1の更なる実施形態(図示せず)において、第2のテープ10’’が第1のテープ10’に巻き付けられる
図2の実施形態の例と同様に、それぞれが直前のテープに巻き付けられる幾つかのテープ10を使用することが想定される。
【0051】
第1のテープに続く各テープ10の接着剤フィルム2は、有利には、テープ自身の幅に等しい幅である。
【0052】
図3は、スピンドルM上へのティッシュペーパーテープ10の漸進的巻き付け(
図1及び
図2に同様に示され、以下で更に述べられることになる)が、連続パイプとしての形成においてチューブ状コア1の厚さの増加をどのように決定するかを示すために、6回オーバラップするテープによって形成されるチューブの断面図を示す。
【0053】
テープは、スピンドルM自身から出るまで、同じ
図3において矢印Zで示す方向に軸方向に延在する。
図3の例において、チューブは、7つのコイルによって形成されるため、テープは、その幅の6/7の接着剤フィルム2について覆われ、同じ幅について次のコイルが載置され、一方、テープは、その幅の残りの7番目の幅について、接着剤がなく、スピンドルMと接触状態である。
【0054】
各テープ10のヘリカルコイルSを部分的に克服することを想定する独創的な技術解決策が、これがただ1つである変形の場合と複数の変形が存在するときの両方において、ティッシュペーパーの固有の特性であって、オーバラップするエリア内に作成されるピッチに対応して成形されかつテープの後続のオーバラップによってスピンドルの径より大きい径に適合するために拡張するのに十分にしなやか(yielding)かつ弾性がある、ティッシュペーパーの固有の特性によって可能にされることを強調することが非常に重要である。
【0055】
ティッシュペーパーのこれらの固有の特性は、接着剤フィルム2の塗布によって与えられる湿気の寄与によって更に高められる。
【0056】
コイルのオーバラップによる折り目及びしわの形成をもたらすことになるテープの厚さ及び剛性に関しては、述べた従来技術の場合と同様に、チューブ状コアを形成するためのこの技術解決策が、厚紙テープを使用することによって、または、接着剤及び澱粉の塗布によってオーバラップされ補剛される多数のティッシュテープからなるティッシュテープを使用することによって、採用されない可能性があることが更に指摘される。
【0057】
そうでない場合、上で述べた本発明によるチューブ状コア1は、チューブを形成しリールを巻き解くためにセクションにおいて修正された伝統的なチューブ成形機によって、または
図4及び
図5に概略的に示され、ティッシュペーパーの連続パイプTの形成のために特に設計される特別なチューブ成形機Aによって、有利に実現される可能性がある。
【0058】
機械Aは、1つまたは複数のプライを有するティッシュペーパーのリールBを、水平軸に関して回転可能に支持し、リールBから、指示的に最小限20cmと最大限約170cmとの間の所定の幅の前記テープ10が巻き解かれ、テープ10は、上で述べたスピンドルMに方向付けられ、スピンドルMは、作られる前記チューブTの内側の径に等しい径を有する円柱シャフトからなる。
【0059】
リールBとスピンドルMとの間に、接着剤塗布器ローラーRCが存在し、接着剤塗布器ローラーRCは、スピンドルMへの巻き付け時に内側になることを意図されるテープ10の面を検出し、予想される幅の接着剤フィルム2を貼る。
【0060】
スピンドルMは、リールBの水平軸のようにその水平軸を持って配置することができるが、コイルSの巻き付けヘリックスの角度(特に、
図5を参照されたい)に対応する角度だけ、水平面上で、リールBに対して傾斜する。
【0061】
テープ10は、その後、スピンドルMの周りに配置されたベルト牽引要素TCの助けを借りてスピンドルMにヘリカル螺旋状に漸進的に巻き付けられ、ベルト牽引要素TCは、固定されるが、同様に有利には、ティッシュペーパー自身によってまたは特別なトランスミッションによって回転状態で牽引されて、運動の軸方向成分のみに対するスピンドルとチューブの内部表面との間の滑りを低減できる。
【0062】
その形成後のティッシュペーパーの連続パイプTは、テープ上に直前に塗布された糊の乾燥に有利である加熱要素Rを通過し、所定の長さに達すると、特別な切断部材(
図5のボックスCに概略的に示す)によって形成中の後に続く連続パイプから切取られるため、得られるチューブ状コア1を、ロールのティッシュペーパーを巻き付け状態で受取るために、下流に配置されかつ図示しないリワインディング機に給送することができる。
【0063】
通常、前記リワインディング機は、後続の長手方向分割のためにその後得られる最終ロールの幅の数倍程度の広さのティッシュペーパーバンドと共に働き、したがってチューブ状コア1はその結果、対応する長さ、すなわちティッシュペーパーロールが最終的に巻き付けられることになるチューブ状コア1の各ピースの長さの倍数の長さを有するであろう。
【0064】
例えば上記のチューブ成形機Aによって実装することができる、本発明において提供される方法によれば、チューブ状コア1の生産は、
- 同じ幅を有する少なくとも1つの相対リールBから少なくとも1つのティッシュペーパーテープ10を巻き解くステップと;
- 前記リールBによって保持されるティッシュペーパーテープ10をスピンドルM上に巻き付けるステップであって、この巻き付けるステップは、テープの幅よりずっと小さくかつテープ10の全体幅の約数に比例するピッチでヘリカル螺旋に従って実施されるため、形成中の各コイルSは、先行するコイルの2つ以上に部分的に載置され、そのとき前記コイルSは、連続パイプTを形成するために、巻き付け中に前記スピンドルMに対して軸方向に摺動する状態にある、巻き付けるステップと;
- スピンドルMに巻き付けられる相対コイルの内部表面になることを意図される前記テープ10の側面上に接着剤2を塗布するステップであって、前記接着剤2の塗布は、前記リールBからの前記巻き解きと前記スピンドルMへの前記巻き付けとの間に行われ、前記接着剤2の塗布は、前記テープ10の幅の所定の部分上に実質的に均一に前記接着剤2を分配するように適合され、それにより、前記接着剤フィルム2は、前記スピンドルMに巻き付けると、先行するコイルにオーバラップし、スピンドルMの外側表面に接触しない、塗布するステップと;
- 種々のコイルの間に存在する糊の層の乾燥を保証するために、こうして形成されたチューブを加熱するステップと;
- 前記チューブ状コア1の長さに対応する長さに、形成中の連続パイプTを切断するステップと
を含む。
【0065】
方法は、実施形態の変形において、前記チューブ状コア1の長手方向軸に沿って互いに所定の量だけ好ましくはずらしたそれぞれのヘリカル螺旋に従って、対応するリールBからの複数のティッシュペーパーテープ10の同時巻き解き及び上記スピンドルMへの上記複数のテープ10の同時巻き付けを可能にする。
【0066】
別の実施形態において、接着剤フィルム2は、テープ10のスピンドルMに巻き付けられたコイルSを参照して外側に設けられ、その結果、前記接着剤フィルムが塗布される幅部分は修正され、それはこの場合、後続のコイルSが接着剤フィルム2を完全に覆うようなものでなければならない。
【0067】
上記から、当該の本発明の特有の特性は非常に明白であり、その特性は、厚紙コアによって実現されるものと同様に連続パイプを形成することが可能である方法と併せて、チューブ状コアに巻き付けられるロールのティッシュペーパーと同様のティッシュペーパーで作られ家庭用使用または産業用使用のために意図されるチューブ状コアの実現を可能にする。。
【0068】
本発明によって達成される別の有利な目標は、多数のプライを有するティッシュペーパーのテープを調製するための知られている技術の方法において設けられる、チューブ状コアの実際の形成を開始する前の予備ステップをなくし、生産コストを大幅に節約したことである。
【0069】
本発明に従って作られるティッシュペーパーのチューブ状コアは、テープのヘリカルコイルのオーバラップ部分及びヘリカルコイル間に挿入される接着剤フィルムのおかげで、軸方向と半径方向の両方においてチューブ状コアが実施しなければならない機能に適し、かつチューブ状コアの各ゾーンにおいて均一な、機械抵抗を有する。このため、ティッシュペーパーロールは、消費者が使用することを見出すティッシュペーパーの前記コアに関して、伝統的な厚紙コアに関するものと非常に似ている形態の安定性及び規則性に関して自己アピールし、また同様にロールの生産者は、ロールの処理及び格納の種々のフェーズにおける必要な効率を保証している、こうして生産されるチューブの安定性に頼ることができる。
【0070】
容易さが強調されなければならず、その容易さによって、提案される発明において、生産時間、したがってコストを大幅に修正することなく、ティッシュペーパーのチューブ状コアの所望の機械特性を修正し、同時巻き付けにおいてヘリカルコイルのピッチとテープの数の両方を修正することが可能である。例えば、本発明によれば、チューブ状コアの厚さを増すために、同じティッシュテープの巻き付けヘリックスのピッチを修正し、そうして多数のオーバラップしたコイルを得ることで十分であるのに対して、一方、従来のチューブ状ティッシュコア及び関連する実現方法では、多数のテープを巻き付けることが必要とされるだろう。
【0071】
ティッシュペーパーで同様に作られるチューブ状コアを有するロールを有しているため、ティッシュペーパーを使い切ってしまうと、或る量の予備製品が入手可能であり、予備製品は、ロールペーパーの使用と同様のまたは更に異なる使用のために使用できる。
【0072】
特にトイレットペーパーのロールの場合、ロールのティッシュペーパーのように、トイレットの排出を通して、チューブ状コアをそのまま廃棄するまたは何らかの方法で使用することが可能でありかつそれは禁忌ではない。同様にキッチンペーパーのロールの場合、本発明によるチューブ状コアを、転動させずキッチンペーパーとして使用することができる。
【0073】
機械であって、比較的低速度で連続して生産し、その機械において、オポーチュンデバイス(opportune device)によって全体作業シフト(whole work shift)のためにチューブを生産できるほどに径及び幅が大きいリールによってペーパーを給送できる、機械によってチューブが作られるため、本発明の方法によって得ることができる高い効率が強調される
【0074】
これは、前記知られている技法に従って、厚紙またはティッシュテープから始めてチューブ状コアを生産する従来のチュービングに関して起こる機械担当要員の存在の必要性を低減する。前記知られている技法において、厚紙またはティッシュロールは、関連するアップロードによって連続する変更を必要とするほどに短い持続期間を有する。
【0075】
強調される別の利点は、ロールを得るために長いロールを分割する切断機械に搭載される円形ナイフの持続期間の増加である;実際には、円形ナイフは、厚紙チューブの切断及び厚紙チューブ内の不純物によってスリップアウトする傾向があり、円形ナイフは、結果として生じる摩滅に伴って、連続する研ぎを必要とする。
【0076】
しかしながら、上記説明が、例示的かつ非制限的価値を有し、したがって、技術的及び/または機能的理由で、チューブ状ティッシュペーパーコアにおいて及び/または述べられたステップを実施するときに必要になる場合がある詳細の任意の変形が、添付特許請求項によって規定される同じ保護範囲内に入るため、考慮されることが理解される。