(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】天井構造およびその天井構造の施工方法
(51)【国際特許分類】
E04B 9/26 20060101AFI20230810BHJP
E04B 9/18 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
E04B9/26 C
E04B9/18 R
(21)【出願番号】P 2019123030
(22)【出願日】2019-07-01
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000177139
【氏名又は名称】三洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 純一
(72)【発明者】
【氏名】金井 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】橋本 慧一
(72)【発明者】
【氏名】白崎 了悟
(72)【発明者】
【氏名】高石 幸寿
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-034919(JP,U)
【文献】特開2017-145612(JP,A)
【文献】特開2002-038648(JP,A)
【文献】特開2018-031178(JP,A)
【文献】実開平02-134224(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋根裏部又は天井部に架設された構造材と、
前記構造材の側面部に沿って縦板部の上部が取り付けられ、下部に所定間隔をおいて係止凹部が形成された長尺状の受け部材と、
前記受け部材の下側にこれと交差する方向に配置され、左右の側板部の上部にそれぞれ縁部が形成された横材と、
前記横材を前記受け部材の下部に接続するためのクリップ部材と、を有し、
前記受け部材の下部に配置された前記横材の左右の縁部を、前記受け部材の該当位置に設けられた係止凹部にそれぞれ係止させ、前記横材を前記受け部材に仮固定し、
前記クリップ部材の背面部を前記受け部材に固定し、当該クリップ部材の側部を前記横材の側板部に固定して、前記横材を前記受け部材に本固定し、
前記横材の下部に天井面材を敷設することを特徴とする天井構造。
【請求項2】
前記受け部材の上側部の複数個所に上下に長い長孔を形成し、当該長孔を利用し、止着具を用いて前記受け部材を前記構造材に仮固定し、同時に前記長孔の範囲で前記受け部材の上下位置を調整し、さらに止着具を用いて
前記受け部材を前記構造材に本固定することを特徴とする請求項1に記載の天井構造。
【請求項3】
前記クリップ部材を、背面部と左右の側部を有する断面コの字状に形成し、前記背面部を前記受け部材の隣り合う前記係止凹部同士の間の部位に固定し、前記左右の側部をそれぞれ前記横材の左右の側板部に固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の天井構造。
【請求項4】
建物の屋根裏部又は天井部の構造材から吊り下げられた複数の吊り部材と、
前記吊り部材の下端部にそれぞれ上片部が取り付けられ、下部に所定間隔をおいて係止凹部が形成された長尺状の受け部材と、
前記受け部材の下側にこれと交差する方向に配置され、左右の側板部の上部にそれぞれ縁部が形成された横材と、
前記横材を前記受け部材の下部に接続するためのクリップ部材と、を有し、
前記受け部材の下部に配置された前記横材の左右の縁部を、前記受け部材の該当位置に設けられた係止凹部にそれぞれ係止させ、前記横材を前記受け部材に仮固定し、
前記クリップ部材を、背面部と左右の側部を有する断面コの字状に形成し、前記背面部を前記受け部材の隣り合う前記係止凹部同士の間の部位に固定し、前記左右の側部をそれぞれ前記横材の左右の側板部に固定して、前記横材を前記受け部材に本固定し、
前記横材の下部に天井面材を敷設することを特徴とする天井構造。
【請求項5】
前記受け部材の係止凹部を、当該受け部材の下部を左右対称のT字状に切り欠いた形状に形成し、前記受け部材の長尺方向の端部を、前記係止凹部の中心線に沿って切断した形状としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の天井構造。
【請求項6】
建物の屋根裏部又は天井部に架設された構造材の側面部を利用し、当該側面部に沿って長尺状の受け部材の縦板部の上部を取り付け、
前記受け部材の下側にこれと交差する方向に横材を配置し、
前記受け部材の下部に所定間隔をおいて形成された係止凹部に、前記横材の左右の側板部の上部に形成された縁部をそれぞれ係止させ、前記横材を前記受け部材に仮固定し、この後、
前記横材を前記受け部材の下部に接続するためのクリップ部材を用い、当該クリップ部材の背面部を前記受け部材に固定し、当該クリップ部材の側部を前記横材の側板部に固定して、前記横材を前記受け部材に本固定し、
前記横材の下部に天井面材を敷設することを特徴とする天井構造の施工方法。
【請求項7】
建物の屋根裏部又は天井部の構造材から吊り下げられた複数の吊り部材を利用し、これら吊り部材の下端部にそれぞれ長尺状の受け部材の上片部を取り付け、
前記受け部材の下側にこれと交差する方向に横材を配置し、
前記受け部材の下部に所定間隔をおいて形成された係止凹部に、前記横材の左右の側板部の上部に形成された縁部をそれぞれ係止させ、前記横材を前記受け部材に仮固定し、この後、
前記横材を前記受け部材の下部に接続するためのクリップ部材を用い、
前記クリップ部材を、背面部と左右の側部を有する断面コの字状に形成し、前記背面部を前記受け部材の隣り合う前記係止凹部同士の間の部位に固定し、前記左右の側部をそれぞれ前記横材の左右の側板部に固定して、前記横材を前記受け部材に本固定し、
前記横材の下部に天井面材を敷設することを特徴とする天井構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井面材を天井の構造材等を利用して取り付ける天井構造、およびその天井構造の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の天井では母屋、梁等を利用して野縁材等を配置し、天井面材を敷設する天井構造が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の屋根裏天井構造は、
図8に示すように、建物の屋根部82を構成する屋根梁84の下面に固定された野縁86、野縁86の下面側に取付けられた天井面材88等を備え、野縁86を、仮吊具90を用いて屋根梁84に仮固定し、屋根梁84に野縁86を、固定用面材92を用いて本固定した後、仮吊具90を撤去し天井面材88を取り付けるというもので、これにより施工性が向上し施工時間の短縮が図れるというものである。
【0004】
特許文献2の天井構造は、天井下地面の下側に野縁を配置して、両端を野縁受けで支持し、水平に保持した野縁と天井下地面の間に一定のピッチで弾性体を接着剤で装着し、接着剤が硬化して接着固定部材となった後、野縁の下面に天井下地ボードを張り付けるというもので、これにより野縁を支持するために接着固定部材を用いているので、天井ふところを狭くでき又簡単に施工することができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-184569号公報
【文献】特開平9-72039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、前記特許文献1の屋根裏天井構造では、野縁86を、仮吊具90を用いて屋根梁84に仮固定するものの、野縁86の本固定後は仮吊具90を撤去する等の手間がかかりまた作業効率も悪いという問題がある。特許文献2の天井板取付け構造は、天井ふところは狭くなるものの、野縁を接着固定することから、耐久性等が懸念されるという問題がある。
【0007】
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、作業が容易に行えて施工性に優れ、また経済性にも優れた天井構造および天井構造の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の技術的課題を解決するため、本発明に係る天井構造は
図1等に示すように、建物の屋根裏部又は天井部に架設された構造材2と、前記構造材2の側面部14に沿って縦板部18の上部が取り付けられ、下部に所定間隔をおいて係止凹部22が形成された長尺状の受け部材4と、前記受け部材4の下側にこれと交差する方向に配置され、左右の側板部44の上部にそれぞれ縁部46が形成された横材6と、前記横材6を前記受け部材4の下部に接続するためのクリップ部材8と、を有し、前記受け部材4の下部に配置された前記横材6の左右の縁部46を、前記受け部材4の該当位置に設けられた係止凹部22にそれぞれ係止させ、前記横材6を前記受け部材4に仮固定し、前記クリップ部材8の背面部50を前記受け部材4に固定し、当該クリップ部材8の側部52を前記横材6の側板部44に固定して、前記横材6を前記受け部材4に本固定し、前記横材6の下部に天井面材10を敷設する構成である。
【0009】
本発明に係る天井構造は、前記受け部材4の上側部の複数個所に上下に長い長孔28を形成し、当該長孔28を利用し、止着具60を用いて前記受け部材4を前記構造材2に仮固定し、同時に前記長孔28の範囲で前記受け部材4の上下位置を調整し、さらに止着具60を用いて前記前記受け部材4を前記構造材2に本固定する構成である。
【0010】
また、本発明に係る天井構造は、建物の屋根裏部又は天井部の構造材から吊り下げられた複数の吊り部材72と、前記吊り部材72の下端部にそれぞれ上片部20が取り付けられ、下部に所定間隔をおいて係止凹部22が形成された長尺状の受け部材4と、前記受け部材4の下側にこれと交差する方向に配置され、左右の側板部44の上部にそれぞれ縁部46が形成された横材6と、前記横材6を前記受け部材4の下部に接続するためのクリップ部材8と、を有し、前記受け部材4の下部に配置された前記横材6の左右の縁部46を、前記受け部材4の該当位置に設けられた係止凹部22にそれぞれ係止させ、前記横材6を前記受け部材4に仮固定し、前記クリップ部材8の背面部50を前記受け部材4に固定し、当該クリップ部材8の側部52を前記横材6の側板部44に固定して、前記横材6を前記受け部材4に本固定し、前記横材6の下部に天井面材10を敷設する構成である。
【0011】
また、本発明に係る天井構造は、前記受け部材4の係止凹部22を、当該受け部材4の下部を左右対称のT字状に切り欠いた形状に形成し、前記受け部材4の長尺方向の端部を、前記係止凹部22の中心線に沿って切断した形状とした構成である。
【0012】
本発明に係る天井構造は、前記クリップ部材8を、背面部50と左右の側部52を有する断面コの字状に形成し、前記背面部50を前記受け部材4の隣り合う前記係止凹部22同士の間の部位に固定し、前記左右の側部52をそれぞれ前記横材6の左右の側板部44に固定した構成である。
【0013】
本発明に係る天井構造の施工方法は、建物の屋根裏部又は天井部に架設された構造材2の側面部14を利用し、当該側面部14に沿って長尺状の受け部材4の縦板部18の上部を取り付け、前記受け部材4の下側にこれと交差する方向に横材6を配置し、前記受け部材4の下部に所定間隔をおいて形成された係止凹部22に、前記横材6の左右の側板部44の上部に形成された縁部46をそれぞれ係止させ、前記横材6を前記受け部材4に仮固定し、この後、前記横材6を前記受け部材4の下部に接続するためのクリップ部材8を用い、当該クリップ部材8の背面部50を前記受け部材4に固定し、当該クリップ部材8の側部52を前記横材6の側板部44に固定して、前記横材6を前記受け部材4に本固定し、前記横材6の下部に天井面材10を敷設する方法である。
【0014】
また、本発明に係る天井構造の施工方法は、建物の屋根裏部又は天井部の構造材から吊り下げられた複数の吊り部材72を利用し、これら吊り部材72の下端部にそれぞれ長尺状の受け部材4の上片部20を取り付け、前記受け部材4の下側にこれと交差する方向に横材6を配置し、前記受け部材4の下部に所定間隔をおいて形成された係止凹部22に、前記横材6の左右の側板部44の上部に形成された縁部46をそれぞれ係止させ、前記横材6を前記受け部材4に仮固定し、この後、前記横材6を前記受け部材4の下部に接続するためのクリップ部材8を用い、当該クリップ部材8の背面部50を前記受け部材4に固定し、当該クリップ部材8の側部52を前記横材6の側板部44に固定して、前記横材6を前記受け部材4に本固定し、前記横材6の下部に天井面材10を敷設する方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る天井構造によれば、構造材に取り付けた受け部材の下部に配置された横材の左右の縁部を、受け部材の係止凹部にそれぞれ係止させ、横材を受け部材に仮固定し、クリップ部材の背面部を受け部材に固定し、クリップ部材の側部を横材の側板部に固定して、横材を受け部材に本固定し、記横材の下部に天井面材を敷設する構成としたから、建物の構造材が有効に利用でき、また受け部材の下部に横材を取り付ける際には、受け部材に横材を簡単に仮固定することができ、横材の取り付け(本固定)作業が容易に行えて施工性に優れ、また部品点数も少なく経済性にも優れるという効果を奏する。
【0016】
本発明に係る天井構造によれば、受け部材の上側部の複数個所に上下に長い長孔を形成し、当該長孔を利用し、止着具を用いて受け部材を構造材に仮固定し、同時に長孔の範囲で受け部材の上下位置を調整し、さらに止着具を用いて受け部材を構造材に本固定する構成としたから、構造材に対する受け部材の高さ位置調整が容易に行え、受け部材の仮固定及び本固定が有効に行えるという効果がある。
【0017】
本発明に係る天井構造によれば、吊り部材に取り付けた受け部材の下部に配置された横材の左右の縁部を、受け部材の該当位置に設けられた係止凹部にそれぞれ係止させ、横材を受け部材に仮固定し、クリップ部材の背面部を受け部材に固定し、クリップ部材の側部を横材の側板部に固定して、横材を受け部材に本固定し、横材の下部に天井面材を敷設する構成としたから、建物の構造材が有効に利用でき、また受け部材の下部に横材を取り付ける際には、受け部材に横材を簡単に仮固定することができ、横材の取り付け(本固定)作業が容易に行えて施工性に優れ、また部品点数も少なく経済性にも優れるという効果を奏する。
【0018】
本発明に係る天井構造によれば、受け部材の係止凹部を、当該受け部材の下部を左右対称のT字状に切り欠いた形状に形成し、受け部材の長尺方向の端部を、係止凹部の中心線に沿って切断した形状としたから、受け部材の下部に取り付ける横材の接続位置が正確かつ簡単に定められるという効果がある。
【0019】
本発明に係る天井構造によれば、クリップ部材を、背面部と左右の側部を有する断面コの字状に形成し、背面部を受け部材の隣り合う係止凹部同士の間の部位に固定し、左右の側部をそれぞれ横材の左右の側板部に固定したから、クリップ部材を用いた受け部材に対する横材の接続が容易かつ強固に行えるという効果がある。
【0020】
本発明に係る天井構造の施工方法においても、前記天井構造と同様の効果が期待できることから、建物の構造材が有効に利用でき、また受け部材の下部に横材を取り付ける際には、受け部材に横材を簡単に仮固定することができ、横材の取り付け(本固定)作業が容易に行えて施工性に優れ、また部品点数も少なく経済性にも優れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施の形態に係り、天井構造の要部を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図を示す。
【
図2】実施の形態に係る受け部材を示す図(全体図及び端部部分拡大図)である。
【
図3】実施の形態に係る受け部材の下部部分拡大図である。
【
図4】実施の形態に係り、受け部材の下部に横材を係止(仮固定)させた図である。
【
図5】実施の形態に係るクリップ部材を示す図であり、(a)は正面図、(b)は底面図、(c)は側面図をそれぞれ示す。
【
図6】実施の形態に係り、他の形態の構造材((a)は断面が正方形、(b)は断面が長方形)を用いた天井構造の要部(側面)を示す図である。
【
図7】実施の形態に係り、吊り部材に受け部材を取り付けた天井構造の要部(側面)を示す図である。
【
図8】従来例に係る屋根裏天井構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施の形態に係る天井構造を示したものである。この天井構造は、所謂直張りの天井構造であり、建物の屋根裏部、天井部等に架設された構造材2、この構造材2に取り付けられる受け部材4、野縁材或いは野縁受け材等の横材6、受け部材4に横材6を取り付けるためのクリップ部材8等を有している。横材6の下部には、天井板等の天井面材10を取り付け敷設する。
【0023】
前記構造材2は、屋根裏部の母屋材、或いは天井部の梁材等、水平(横)方向などに向けて架設される長尺材である。構造材2の材料としては、断面C字状、断面ロの字状等の鋼材、金属材、他に木製の角材等、一面が下方或いは斜め下方に向いた側面部が形成された材料が用いられる。また、構造材2として、角形鋼材、H形鋼材、L形鋼材など平坦な側面部を有する鋼材等も使用可能である。
【0024】
ここでは、構造材2として、上面部12、縦向きの平坦な側面部14、下面部16からなる断面C字状の鋼材が用いられた形態を適用する。構造材2は、側面部14が下向き(縦向き)に配設されたもの、或いは側面部14が斜め下向きに傾斜して配設されたものは適用可能である。
【0025】
図2に示すように、前記受け部材4は長尺板状の材料である。受け部材4は、平坦な板状の縦板部18が、左右(横)方向に長く形成された形状である。また、受け部材4の縦板部18の上部には、上片部20が横向きに屈曲形成されている。
受け部材4の上片部20は、受け部材4自体の補強及び受け部材4の取り付け等のために用いられる。受け部材4は、ここでは鋼板を用いているが、他にはアルミニウム等の軽金属、合成樹脂材等を用いることができる。
【0026】
受け部材4(縦板部18)の下部側には、上方に切欠き形成された係止凹部22が下部の辺に沿って一定間隔で形成されている。また、係止凹部22間には円形の孔部24が設けられている。係止凹部22は、受け部材4の下部に取り付けられる野縁材6の仮固定等のために用いる。
受け部材4の上部側は、上片部20を含めて受け部材4を取り付けるために機能し、下部側は横材6を支持するために機能する。
【0027】
また、受け部材4の縦板部18の上部側には、一方(図中左側)の端部近傍から、他方(図中右側)の端部近傍にかけて、等間隔に、それぞれ上下一対の固定孔26,26が設けられている(ここでは10箇所)。また、受け部材4の前記一方の端部近傍には、固定孔26,26の内側に上下に長い長孔28が設けられ、当該長孔28の内側には横に長い横長孔29が設けられている。これら長孔28および横長孔29は、中央寄りの他の固定孔26,26(但し一つ置き)にも同様の形態で設けられている。横長孔29は、受け部材4の固定用の予備の孔として用いられる。
【0028】
また、受け部材4の縦板部18の他方の端部近傍の固定孔26,26の内側には、横に長い横長孔29が設けられ、当該横長孔29の内側には上下に長い長孔28が設けられている。これら横長孔29および長孔28は、中央寄りの他の固定孔26,26(但し一つ置き)にも同様の形態で設けられている。
【0029】
図2及び3に示すように、受け部材4の下部側に設けた係止凹部22は、左右対称の茸状或いはT字状に切欠かれた形状である。このため、係止凹部22は、中心線(P)に対して左右対称の形状である。係止凹部22には、具体的には、受け部材4の下端部から上方に切り欠かれた入口部32、及び入口部32の上部に形成され入口部32よりも横幅の広い係止部34が設けられている。係止部34の下部側には、入口部32の上部から左右に広がる形状の係止当部36が形成されている。
【0030】
また、受け部材4の左右の端部は、それぞれ係止凹部22の中心線(P)に沿って切断した片半の係止凹部23の形状に形成されている。つまり、各端部は、左右対称形状の係止凹部22の中心線(P)の片側(片半分)の形状である。
このため、受け部材4の端部を他の受け部材4の端部と突き合せた場合(左の片半の係止凹部23と右の片半の係止凹部23とを一体化)には、この部位に一つの係止凹部22が形成される。このため、隣り合う受け部材4同士は、どの箇所を見ても係止凹部22が等間隔に形成される形態となる。そして、受け部材4は、必要により複数個を横に並べて接続(延設)して使用することができる。
【0031】
また、受け部材4の縦板部18の両端部の中央部近傍には、それぞれ位置を決めるために切り欠いた位置決め部30が形成されている。受け部材4同士を並べて延設する場合、両受け部材4同士の上下位置が正確に合っているか否かを、位置決め部30同士が合っていることで確認することができる。
【0032】
前記横材6としては、天井面材を取り付ける野縁材、或いは野縁材を受ける野縁受け材等が該当する。野縁受け材を横材とした場合には、この野縁受け材の下部に野縁材を接続して用いる。ここでは、横材6として野縁材6を用いる。
野縁材6は、上部が開口された断面U字状の長尺材である。野縁材6は、鋼板等の金属板材、或いはアルミニウム等の軽量金属が用いられる。野縁材6は、底板部42、この左右部から立ち上る側板部44,44、及び各側板部の上部から、内側に逆U字状に屈曲形成された縁部46,46からなる。
【0033】
図4は、受け部材4の係止凹部22に係止された野縁材6を示したものである。
ここで、隣り合う係止凹部22間の中心線同士の間隔(L)は、野縁材6の側板部44,44同士の間隔(M)と同一(L=M)にしている。また、受け部材4の隣り合う係止凹部22に野縁材6の左右の縁部46,46をそれぞれ係止させた状態では、野縁材6の縁部46,46は、係止凹部22(係止部34)の内側(他の縁部46側)に当接する状態となることが好ましい。
【0034】
詳しくは、受け部材4に野縁材6を係止させる際、係止凹部22の入口部32から係止部34に突入した野縁材6の縁部46は、その端部(下方向き)が係止凹部22の係止当部36に当たって係止される。この場合、野縁材6の側板部44,44は、少し外向きに開いた状態で、係止凹部22の係止部34に突入し、突入後は側板部44,44のバネ力で内向きに閉じる方向に作用し、野縁材6の縁部46が係止部34の側部に当たる状態となり、前記係止当部36への係止が行われる。
【0035】
このため、野縁材6の縁部46は、下方向の力が作用しても、その先端部が係止凹部22の係止当部36に当接し、この係止状態が維持され野縁材6が外れることはない。
ここでは、受け部材4に形成された各係止凹部22同士の間隔(L)は全て一定としている。このため、受け部材4の下部に野縁材6を配置する場合、何れの係止凹部22(及び隣り合う係止凹部22)であっても自由に選択可能であり、所望する係止凹部22に取り付けることができる。
【0036】
また、特定の隣り合う係止凹部22同士の間隔(L)を、野縁材6の側板部同士の間隔(M)と同じ(L=M)とし、他の隣り合う係止凹部22同士の間隔(L)を自由に設定するようにしてもよい。但し、この場合、前記特定の隣り合う係止凹部22同士の間にのみ野縁材6の配置が可能となる。また、前記特定の隣り合う係止凹部22同士は、所定の間隔(一定の間隔)をおいて複数個所設けることとしてもよい。
【0037】
図5に示すように、前記クリップ部材8は、背面部50と左右の側部52,52を有する断面コの字状の形状である。クリップ部材8は、板状の鋼材等を屈曲加工して得たものである。各側部52,52の下部側には、背面部50との間が切欠かれた側片部54,54が形成されている。
【0038】
前記背面部50は、左右部位の下部側がそれぞれ切欠かれた凹部56,56が形成され、また中央部の下部寄りの位置にバーリング加工等によるネジ孔部58が形成されている。このネジ孔部58には、内周部にネジ溝が刻設されている。
また、前記各側部52の背面部50側は、それぞれ前記凹部56が少し食い込んだ状態で切り欠かれている。そして、各側部52の下部側の側片部54の中央部にはそれぞれ孔部55が設けられ、また下部の左右の角部はそれぞれ面取り部57が形成された形状である。
【0039】
次に、前記天井構造およびその施工方法について説明する。
建物の構造躯体に係る構造材2として、母屋材2はそれぞれ屋根裏に沿う状態で横向き(水平)に配置される。また、各母屋材2同士は、通常屋根裏の傾斜面の上部から下部にかけて階段状(高低差)に配置され、屋根の傾斜により各母屋材2同士は高さが異なる。
【0040】
このため、受け部材4は母屋材2に沿って取り付けられるが、受け部材4の下部にこれと交差(直交)する向きに取り付けられる野縁材6は、屋根の傾斜角度と同様な角度で傾斜した状態で配置される。また、野縁材6の下部(底板部42)に取り付けられる天井面材10は、自然と野縁材6の傾斜角度、つまり屋根の傾斜角度と同様な傾斜角度(傾斜面)で敷設される。
【0041】
なお、建物の構造材2として、梁材等の架設の高さが一定(水平位置)のものを用いる場合には、受け部材4及び野縁材6等は何れも水平に配置され、天井面材10についても水平な状態で敷設される。また、構造材2として、例えば建物の屋根が比較的平坦な(屋上形式)屋根裏の母屋材2については、何れの母屋材2も高さが一定に架設されるため、この場合も同様に水平な状態で敷設される。
【0042】
前記母屋材2を利用して受け部材4が取り付けられるが、この場合、母屋材2の側面部14の下寄りの箇所に受け部材4を取り付ける。ここでは、母屋材2の側面部14は縦(垂直)向きの平坦な面であり、受け部材4の縦板部18は下向きに配置される。
他に、母屋材2の側面部14が斜め下方に傾斜した形態であっても、同様に側面部14の下寄りの箇所に受け部材4を取り付けることができる。この場合、受け部材4は斜め下向きに傾斜した状態で配置される。
【0043】
受け部材4を構造材2の側面部14に取り付ける際、その配置の上下位置により天井面材10の敷設位置が決定される。この場合、受け部材4に設けた上下に長い長孔28を利用する。受け部材4を構造材2に取り付けるとき、この受け部材4の上下位置を決める際、当該長孔28に止着具としてのネジ60で仮止め(仮固定)する。なお、ネジ60としては、セルフドリリングネジ等が用いられる。
【0044】
長孔28は、一つの受け部材4に6箇所設けられており、必要な箇所の長孔28をネジ60で仮止めし、受け部材4の全体の高さ位置が定められた高さに配置されているかを確認する。そして、ネジ60のねじ込み具合により、受け部材4を長孔28の範囲で上下に移動させ、受け部材4の高さ位置を調整する。受け部材4の高さが決まれば、長孔28へのネジ60をかたく締めておく。
【0045】
受け部材4は、構造材2の側面部14の下寄りの位置に配置する。具体的には、構造材2の側面部14の下端部に、受け部材4の上下の略中央部が配置される位置に取り付ける。
なお、前後の必要な箇所にそれぞれ受け部材4を配置し(仮固定)、これらの係止凹部22間に野縁材6を仮係止させ、野縁材6の配置状態により受け部材4の高さ位置を確認するようにしても良い。
受け部材4の位置が決まれば、受け部材4の各固定孔26にネジ60を螺着し、受け部材4を母屋材2に固定(本固定)する。
【0046】
また、受け部材4の長さは、例えば2000~3000mmである。このため、母屋材2の長さによっては、複数の受け部材4を横に並べて配置する。そして、隣り合う受け部材4間は、各端部同士を突合して配置する。この際、各受け部材4の各端部に設けられた位置決め部30を互いに合致させることで、両受け部材4の配置位置が正確に定まる。
【0047】
さらに、受け部材4の端部を他の受け部材4の端部と突き合せた場合、一方の受け部材4の片半の係止凹部23と他方の受け部材4の片半の係止凹部23同士が一体化し、この部位に一つの係止凹部22が形成される。これにより、複数の受け部材4が形状的に一体化し、一個の受け部材4と同様の形態で配置することができる。
このように、隣り合う受け部材4同士は、どの箇所を見ても係止凹部22が等間隔に形成される形態となる。そして、受け部材4は、必要により複数個を横に並べて接続(延設)して使用することができる。
【0048】
受け部材4は母屋材2に沿って配置され、受け部材4の端部は、通常母屋材2の端部近傍に位置する。他の母屋材2についても、同様に受け部材4を配置する。各母屋材2同士は、屋根の傾斜により高さが異なり(階段状)、各受け部材4についても同様である。
このため、受け部材4と交差(直交)して取り付けられる野縁材6は、傾斜(屋根の傾斜角度と同様)した状態で配置される。また受け部材4は、互いに平行な状態で複数列並べて配置する。
【0049】
受け部材4間に野縁材6を架け渡す際には、野縁材6を前後(傾斜方向)の各受け部材4の該当する係止凹部22に取り付ける。この際、各受け部材4の端部は、係止凹部22が全て同じ位置に配置されるようにしておく。これにより、受け部材4間に架け渡される野縁材6の取り付け場所等が簡単かつ正確に定められる。
【0050】
さて、前記配置された受け部材4の下部に、これと交差(直交)する方向に野縁材6を取り付ける。この野縁材6の取り付けに際しては、先ず野縁材6を受け部材4に仮止め(仮固定)し、さらにクリップ部材8を用いて両者を接合し固定(本固定)する。
なお、野縁材6は、屋根裏に階段状に配置された各母屋材2(高低差)に沿う状態となるため、屋根の傾斜角度と同程度の傾斜角を有して配置される。
【0051】
また、受け部材4に取り付ける野縁材6の位置決めに際しては、受け部材4の下部に係止凹部22が規則的に設けられていることから、野縁材6を取り付けるべき位置の係止凹部22を記録(端部から何番目か等)しておけば、野縁材6の取り付け箇所(位置決め)が正確に定められる。また、隣り合う野縁材6同士の間隔についても、両野縁材6間の係止凹部22の並び状態(個数等)を定めておけば、全体の野縁材6の配置位置が正確に決められる。
【0052】
野縁材6は受け部材4の下部に配置し、取り付け箇所に該当する両(隣り合う)係止凹部22,22に係止させる。そして、野縁材6の両側板部44,44を、それぞれ両係止凹部22,22に差し込む。この場合、野縁材6の各側板部44の上部に形成された各縁部46を、それぞれ各係止凹部22に係止させる。
【0053】
このとき、内側に屈曲形成された縁部46は、係止凹部22の係止当部36に係止され、野縁材6は受け部材4に対して係止状態が維持されるため簡単には外れない。これにより、野縁材6は受け部材4に仮固定される。受け部材4と野縁材6が交差(直交)する箇所では、同様にして受け部材4に野縁材6を仮固定する。
なお、野縁材6は受け部材4の面に対して、直角より傾斜(屋根の傾斜)した状態で配置されるが、野縁材6の縁部46と受け部材4の係止凹部22との係止状態に何ら影響はない。
【0054】
受け部材4に野縁材6を仮固定した後、クリップ部材8を用いて野縁材6を受け部材4に固定(本固定)する。クリップ部材8は、受け部材4の下寄りの部位に取り付ける。これによりクリップ部材8は、構造材2の側面部14の下端部より下方に配置される。また、野縁材6は構造材2の少し下方に配置され、野縁材6の下部に取り付ける天井面材10は構造材2の近くに敷設される。
【0055】
この場合、先ずクリップ部材8を受け部材4に取り付ける。クリップ部材8は、その背面部50を受け部材4の該当する部位(野縁材6の中心上方)の前部に配置し、また側部52,52はそれぞれ野縁材6の側板部44,44の外側に配置する。そして、受け部材4の孔部24を利用し、受け部材4側からネジ62(又はボルト)を挿入し、クリップ部材8の背面部50に設けたネジ孔部58に螺着する。これで、受け部材4の下部側にクリップ部材8が取り付けられる。
【0056】
さらに、クリップ部材8の側部52,52の各孔部55から、内側の野縁材6の側板部44に向けてネジ64を螺着する。これにより、クリップ部材8を介して、受け部材4の下部に野縁材6が接合(本固定)される。したがって野縁材6は、受け部材4の係止凹部22により及びクリップ部材8を介して、受け部材4に支持され取り付けられる。
なお、野縁材6が傾斜して配置されていても、クリップ部材8の側部52に対して、野縁材6の側板部44は平面同士が合う形態であるため、両者の接合における前記傾斜による影響はない。
【0057】
前記受け部材4の下部への野縁材6の仮固定により、前記クリップ部材8の取付け及び、これによる受け部材4と野縁材6との接合作業(本固定)が、少人数の作業員により容易に行える。
野縁材6の取付けを終えると、各野縁材6の下部に天井面材10を取り付け、全体に敷設する。天井面材10としては、石膏ボード材、波形状板材等が用いられる。通常、天井面材10は矩形状であり、この場合、例えば天井面材10の縦又は横の辺の長さを隣り合う野縁材6同士の間隔と同じように設定す
ればよい。
【0058】
なお、横材として野縁受け材を用いることもできる。この場合、当該野縁受け材の断面形状を前記野縁材6と同様に形成し、前記受け部材4の下部に野縁材6を取り付けたのと同様に、野縁受け材を取り付ける。さらに、野縁受け材の下部にこれと交差(直交)する方向に野縁材を配置し、接続具を用いて野縁受け材に野縁材を取り付ける。そして、当該野縁材の下部に天井面材10を取り付けるようにすればよい。
【0059】
図6(a)(b)は、他の形態に係る構造材2を用いた天井構造(側面)を示したものである。これら構造材2は、何れも断面矩形状の角鋼管からなり、各側面部14に受け部材4を取り付けた形態を示したものである。
なお、これら天井構造は、構造材2の形状以外の形態は、前記天井構造と同様であり、またその施工方法についても同様であり、これら同様のものについては同じ符号を用いて、ここでの詳しい説明は省略する。
【0060】
同図(a)は、断面正方形状の構造材2を用いたものであり、受け部材4は、構造材2の側面部14の下寄りの箇所に取り付ける。具体的には、構造材2の側面部14の下端部に、受け部材4の上下の略中央部が配置される位置に取り付ける。受け部材4の位置が決まれば、受け部材4の各固定孔26にネジ60を螺着し、受け部材4を構造材2に固定する。
【0061】
また同図(b)は、断面が上下に長い長方形状の構造材2を用いたものである。
この場合も、受け部材4は、構造材2の側面部14の最も下寄りの位置に配置し、構造材2の側面部14の下端部に、受け部材4の上下の略中央部が配置される位置に取り付ける。受け部材4の位置が決まれば、受け部材4の各固定孔26にネジ60を螺着し、受け部材4を構造材2に固定する。
【0062】
前記何れの天井構造についても、クリップ部材8を用いた、野縁材6の受け部材4への取付け形態、施工方法は前記天井構造と同様である。
このように、受け部材4を構造材2に取り付ける場合、通常、構造材2の側面部14の下端部に受け部材4の上下の略中央部が配置される位置に取り付ける。これは、受け部材4の下部に横材(野縁材6)を取り付け、構造材2の下方にこれと交差(直交)する方向に横材6を配置させるためである。
【0063】
図7は、受け部材4を吊り部材72に取り付けた形態の天井構造(側面)を示したものである。前記実施の形態では、受け部材4の縦板部18を構造材2に固定したが、ここでは受け部材4の上片部20を吊り部材72に取り付ける形態である。
この天井構造は、構造材2に替えて吊り部材72に受け部材4を取り付けた点以外は、前記実施の形態に係る天井構造及びその施工方法と同様であり、これら同様のものについては同じ符号を用い、またここでの詳しい説明は省略する。
【0064】
建物の構造材2として、各母屋材2同士は、通常屋根裏の傾斜面の上部から下部にかけて階段状(高低差)に配置され、屋根の傾斜により各母屋材2同士は高さが異なる。ここで、これら母屋材等の構造材2を利用して受け部材4を例えば水平に配置する場合、前記吊り部材72を用い、前記各母屋材2から吊り部材72を吊り下げ、それらの下端部の高さを略一定にする。
そして、これら各吊り部材72の下端部に受け部材4を取り付けると、受け部材4は水平に配置できる。また、構造材2の下方の天井裏に少し空間を設けたい場合等には、前記吊り部材72を用いることができる。
【0065】
吊り部材72は、棒状(ボルト状)の鋼材からなり、その下部側にはナット74用のネジ溝76が刻設されている。吊り部材72を用いた場合、受け部材4の上片部20をこの吊り部材72に取り付け、受け部材4を固定保持する。
吊り部材72は、一つの受け部材4を支持するために複数個設ける。吊り部材72は、例えば、受け部材4の縦板部18に設けられた、構造材2に固定するための固定孔26の配置箇所、と同様な箇所に設けることとしても良い。
【0066】
ここで、吊り部材72に受け部材4を取り付けるため、受け部材4の上部に設けた上片部20は横に延設し、ある程度の幅のある形状としている。また、上片部20には取り付けのためのボルト孔78を設けている。
取り付けでは、吊り部材72の下部のネジ溝76にナット74を螺合し、吊り部材72の下端部を、受け部材4の上片部20のボルト孔78から差し込む。そして、下部側から別のナット74をねじ込み、両ナット74,74で吊り部材72の下端部を受け部材4の上片部20に固定する。
【0067】
構造材2等から吊り下げられた各吊り部材72は、それらの下端部が略同程度の高さになるように揃え、また一列に配置する。そして、各吊り部材72の下端部に受け部材4を取り付け、当該受け部材4を水平に支持する。
また、複数の受け部材4を長尺方向に並べて配置する場合には、各受け部材4の端部に設けた位置決め部30を利用し、両受け部材4同士を突合させた状態でそれぞれの位置決め部30を合致させることで、両受け部材4を直線状に配置できる。
【0068】
受け部材4は、互いに平行な状態で複数列並べて配置する。吊り部材72に支持させた受け部材4に、横材6(野縁材6)を取り付ける形態等は、前記構造材2に取り付けた受け部材4に、クリップ部材8を用いて横材6(野縁材6)を取り付ける形態等と同様である。野縁材6の下部には天井面材10を取り付け、全体に敷設する。
【0069】
従って、前記実施の形態によれば、建物の構造材等が有効に利用でき、また受け部材の下部に野縁材を取り付ける際には、受け部材に野縁材を簡単に仮固定することができ、野縁材の取り付け(本固定)作業が容易かつ強固に行え、このため施工性に優れて工期も短縮でき、また部品点数も少なく経済性にも優れるという効果がある。
【符号の説明】
【0070】
2 構造材(母屋材)
4 受け部材
6 横材(野縁材)
8 クリップ部材
10 天井面材
14 側面部
18 縦板部
20 上片部
22 係止凹部
28 長孔
44 側板部
46 縁部
50 背面部
52 側部
60 止着具(ネジ)
72 吊り部材