(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】コネクタブロック及び電線配索構造
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20230810BHJP
【FI】
H01R13/52 D
(21)【出願番号】P 2019151025
(22)【出願日】2019-08-21
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】大橋 平
(72)【発明者】
【氏名】石川 純平
(72)【発明者】
【氏名】大野 遼一
(72)【発明者】
【氏名】栗林 宏明
(72)【発明者】
【氏名】田島 一樹
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-074837(JP,A)
【文献】特開2019-046600(JP,A)
【文献】特開2011-236927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/533
H01R 31/06
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に固定される筐体と、
前記車両における上下方向の上方から垂下する垂下電線を含む少なくとも一対の電線それぞれの端部コネクタが、対をなすものどうし互いに接続された状態で配置される、前記筐体の内部又は外面に少なくとも1箇所設けられたコネクタ配置部と、
少なくとも1本の前記垂下電線を下方に向けて凸に湾曲させてから前記コネクタ配置部へと向かわせるように、前記筐体における前記コネクタ配置部よりも下方位置に設けられた、前記垂下電線の中途部分を保持するための電線保持部と、
を備え
、
前記筐体は、前記上下方向について、少なくとも1箇所の前記コネクタ配置部が集約的に設けられるコネクタ設置エリアと、当該コネクタ設置エリアよりも下方側で前記コネクタ配置部が設けられないコネクタ非設置エリアと、の2つのエリアに分割されており、
前記電線保持部が、前記コネクタ非設置エリアを前記下方位置として当該コネクタ非設置エリアに設けられていることを特徴とするコネクタブロック。
【請求項2】
前記電線保持部が、前記垂下電線を保持する保持クリップに設けられた係止突起が嵌入されて係止する被係止孔が形成された、前記筐体の外壁における前記下方位置の壁部分であることを特徴とする請求項1に記載のコネクタブロック。
【請求項3】
前記電線保持部が、前記筐体の前記下方位置から突出し、その先端に斜め下を向く斜壁が設けられた突起部であって、前記垂下電線を保持する保持クリップに設けられた係止突起が嵌入されて係止する被係止孔が前記斜壁に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のコネクタブロック。
【請求項4】
前記一対の電線が、一対の前記端部コネクタを介して前記コネクタ配置部を前記車両における水平方向に通過するように配索されることを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載のコネクタブロック。
【請求項5】
車両における上下方向の上方から垂下する垂下電線を含む少なくとも一対の電線と、
前記少なくとも一対の電線それぞれの端部コネクタを、対をなすものどうし互いに接続された状態で保持する、請求項1~4のうち何れか一項に記載のコネクタブロックと、
を備えたことを特徴とする電線配索構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に配索される電線の端部コネクタを保持するコネクタブロック、及び、そのようなコネクタブロックを用いた電線配索構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両に配索される電線の中には、車両の上下方向について上方から垂下して配索されるものがある。このような垂下電線は、その配索場所によっては水が伝い落ちる経路となる場合がある。このように垂下電線を伝う水は、例えば端部コネクタにまで伝い落ちて電気的な性能劣化の原因となる場合があり望ましくない。
【0003】
そこで、従来、上記のような垂下電線を中途で下方に向けて凸に湾曲させて配索することで、垂下電線を伝う水を湾曲の最低点で滴下させて水切りをする等といった技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両に電線が配索される場合、周囲の部品や他の電線との干渉等により意図した湾曲形状で配索されなかったり、あるいは車両の走行振動等により配索形状が意図しない形状に変化してしまったりする場合がある。このような場合、十分な水切り性能が得られなくなる恐れがある。
【0006】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、十分な水切り性能を得つつ電線の配索を行うことができるコネクタブロック及び電線配索構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のコネクタブロックは、車両に固定される筐体と、前記車両における上下方向の上方から垂下する垂下電線を含む少なくとも一対の電線それぞれの端部コネクタが、対をなすものどうし互いに接続された状態で配置される、前記筐体の内部又は外面に少なくとも1箇所設けられたコネクタ配置部と、少なくとも1本の前記垂下電線を下方に向けて凸に湾曲させてから前記コネクタ配置部へと向かわせるように、前記筐体における前記コネクタ配置部よりも下方位置に設けられた、前記垂下電線の中途部分を保持するための電線保持部と、を備え、前記筐体は、前記上下方向について、少なくとも1箇所の前記コネクタ配置部が集約的に設けられるコネクタ設置エリアと、当該コネクタ設置エリアよりも下方側で前記コネクタ配置部が設けられないコネクタ非設置エリアと、の2つのエリアに分割されており、前記電線保持部が、前記コネクタ非設置エリアを前記下方位置として当該コネクタ非設置エリアに設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の電線配索構造は、車両における上下方向の上方から垂下する垂下電線を含む少なくとも一対の電線と、前記少なくとも一対の電線それぞれの端部コネクタを、対をなすものどうし互いに接続された状態で保持する、上述のコネクタブロックと、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコネクタブロック及び電線配索構造によれば、水が伝い落ちるような角度で垂下する垂下電線の中途部分を保持するための電線保持部がコネクタ配置部よりも下方位置に設けられている。これにより、垂下電線を伝い落ちる水は、上記の中途部分からコネクタ配置部の端部コネクタへと進むことができず、何処かの箇所で滴下することとなる。従って、垂下電線が、中途部分に至るまでどのような形状で配索されようとも、あるいは、中途部分までの形状が車両の走行振動によってどのような形状に変化しようとも、十分な水切り性能が得られることとなる。このように、上記のコネクタブロック及び電線配索構造によれば、十分な水切り性能を得つつ電線の配索を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】コネクタブロック及び電線配索構造の一実施形態を示す図である。
【
図2】
図1に示されている電線配索構造を、パネルを除去した状態で、このパネル側から示した図である。
【
図3】
図1に示されている電線配索構造を、
図1中の矢印V11方向から見た斜視図である。
【
図4】
図1に示されている電線配索構造を、
図1中の矢印V12方向から見た斜視図である。
【
図5】
図1~
図4に示されているコネクタブロックを、ハーネス用保持クリップ及び電線用保持クリップとともに示す斜視図である。
【
図6】
図5に示されているコネクタブロックを、ハーネス用保持クリップ及び電線用保持クリップが取り外された状態で示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、コネクタブロック及び電線配索構造の一実施形態について説明する。
【0012】
図1は、コネクタブロック及び電線配索構造の一実施形態を示す図である。
【0013】
この
図1に示されている電線配索構造1は、車両Cにおいて車体を構成するパネルPの内側に3本のワイヤハーネス10を配索するものである。各ワイヤハーネス10は、電線の束(以下、単に電線100と呼ぶ)が複数まとめられたものであり、各端部で複数の電線100に枝分かれしている。枝分かれした各電線100には、後で図示するように端部コネクタが設けられている。
【0014】
ここでは、3本のワイヤハーネス10のうち図中左側の第1ハーネス11からの3本の第1電線101が、図中右手前側の第2ハーネス12からの2本の第2電線102及び右奥側の第3ハーネス13からの1本の第3電線103と、一対一に対をなしている。また、第3ハーネス13からの1本の第3電線103が、第1電線101と同じ側に下方から回り込んで配索されて、第2ハーネス12からの1本の第2電線102と対をなしている。そして、これら4対の電線100が、コネクタブロック20に接続状態で保持される端部コネクタを介してコネクタ接続されている。各対の電線100は、車両Cの上下方向D11に直交するとともに、パネルPにおけるコネクタブロック20の取付け面に沿った水平方向D12(即ち、この車両Cの前後方向)にコネクタブロック20を通過して配索されている。
【0015】
図2は、
図1に示されている電線配索構造を、パネルを除去した状態で、このパネル側から示した図である。また、
図3は、
図1に示されている電線配索構造を、
図1中の矢印V11方向から見た斜視図であり、
図4は、
図1に示されている電線配索構造を、
図1中の矢印V12方向から見た斜視図である。
【0016】
まず、コネクタブロック20は、そのパネルP側の側面に設けられた2箇所のクリップ21によってパネルPに固定される。このコネクタブロック20に、4対の電線100それぞれの端部コネクタ150が、対をなすものどうし互いに接続された状態で保持されている。即ち、3本の第1電線101の第1コネクタ151が、2本の第2電線102の第2コネクタ152及び1本の第3電線103の第3コネクタ153と、一対一に接続された状態でコネクタブロック20に保持されている。また、1本の第3電線103の第3コネクタ153が、1本の第2電線102の第2コネクタ152と接続された状態でコネクタブロック20に保持されている。
【0017】
ここで、本実施形態では、上述した4対の電線100のうち、第2ハーネス12からの3本の第2電線102と、第3ハーネス13からの2本の第3電線103とが、車両Cにおける上下方向D11の上方から垂下する垂下電線110となっている。そして、コネクタブロック20には、これら5本の垂下電線110のうちの4本を保持するために、第2電線保持部22と第3電線保持部23とが設けられている。
【0018】
第2電線保持部22は、第2ハーネス12からの3本の第2垂下電線112を、第2ハーネス12としてまとめて保持するための部位で、第2ハーネス12を保持するハーネス用保持クリップ24の固定箇所となっている。この第2電線保持部22は、ハーネス用保持クリップ24を介して、3本の第2垂下電線112を、第2ハーネス12としてまとめて下方に向けて凸に湾曲させてから、コネクタブロック20における第2コネクタ152の配置箇所へと向かわせる。
【0019】
また、第3電線保持部23は、第3ハーネス13からの2本の第3垂下電線113のうち大きく迂回路をとって配索される1本を保持するための部位で、この1本の第3垂下電線113を直に保持する電線用保持クリップ25の固定箇所となっている。この第3電線保持部23は、1本の第3垂下電線113を、下方に向けて凸に湾曲した迂回路を経由させてから、コネクタブロック20における第3コネクタ153の配置箇所へと向かわせる。
【0020】
図5は、
図1~
図4に示されているコネクタブロックを、ハーネス用保持クリップ及び電線用保持クリップとともに示す斜視図である。また、
図6は、
図5に示されているコネクタブロックを、ハーネス用保持クリップ及び電線用保持クリップが取り外された状態で示す分解斜視図である。
【0021】
このコネクタブロック20は、上述した電線配索構造1における複数の端部コネクタ150の保持と、電線100の配索を行うために、以下のような構成を有している。即ち、このコネクタブロック20は、筐体26と、4箇所のコネクタ配置部27と、第2電線保持部22と、第3電線保持部23と、を備えている。
【0022】
筐体26は、複数の矩形筒状の小部屋が組み合わされて全体として縦長の矩形状をなすように形成された樹脂部材である。この筐体26におけるパネルP側の側面に、コネクタブロック20をパネルPに固定するための2箇所のクリップ21が設けられている。コネクタブロック20は、この筐体26の縦長形状における長手方向が、車両Cの上下方向D11に向くようにパネルPに固定される。
【0023】
コネクタ配置部27は、上述した4対の電線100それぞれの端部コネクタ150が、対をなすものどうし互いに接続された状態で配置されるもので、筐体26の内部に2箇所、外面に2箇所が設けられている。筐体26の内部のコネクタ配置部27は、筐体26をなす複数の小部屋のうちの上下2段の2つがこれに当る。筐体26の外面のコネクタ配置部27は、上面に1箇所が設けられ、中段の段差部の上面に1箇所が設けられている。
【0024】
これら4箇所のコネクタ配置部27のうち、筐体26の上面に設けられた第1配置部271には、第1電線101の第1コネクタ151と第3電線103の第3コネクタ153とが接続状態で配置される。筐体26の内部における上段側に位置する第2配置部272には、第2電線102の第2コネクタ152と第3電線103の第3コネクタ153とが接続状態で配置される。また、筐体26の内部における下段側に位置する第3配置部273には、第1電線101の第1コネクタ151と第2電線102の第2コネクタ152とが接続状態で配置される。そして、段差部の上面に位置する第4配置部274には、第1電線101の第1コネクタ151と第2電線102の第2コネクタ152とが接続状態で配置される。
【0025】
そして、第2電線保持部22が、3本の第2垂下電線112をまとめて下方に向けて凸に湾曲させてから第2配置部272、第3配置部273、及び第4配置部274のそれぞれへと向かわせるように、第2ハーネス12の中途部分を保持するために設けられている。また、第3電線保持部23が、1本の第3垂下電線113を下方に向けて凸に湾曲させてから第2配置部272へと向かわせるように、第3垂下電線113の中途部分を保持するために設けられている。
【0026】
第2電線保持部22及び第3電線保持部23は、筐体26において4箇所のコネクタ配置部27が設けられるコネクタ設置位置26aよりも、車両Cの上下方向D11における下方となる下方位置26bに設けられている。即ち、第2電線保持部22は、3本の第2垂下電線112が向かう第2配置部272、第3配置部273、及び第4配置部274の何れよりも下方に設けられている。また、第3電線保持部23は、1本の第3垂下電線113が向かう第2配置部272よりも下方に設けられている。
【0027】
また、第2電線保持部22は、筐体26における上記の下方位置26bから突出し、その先端に斜め下を向く斜壁221が設けられた突起部となっている。この第2電線保持部22における斜壁221に、ハーネス用保持クリップ24に設けられた係止突起241が嵌入されて係止する被係止孔222が設けられている。他方、第3電線保持部23は、電線用保持クリップ25に設けられた係止突起251が嵌入されて係止する被係止孔231が形成された、筐体26の外壁における下方位置26bの壁部分となっている。
【0028】
以上に説明した実施形態のコネクタブロック20及び電線配索構造1によれば、水が伝い落ちるような角度で垂下する垂下電線110の中途部分を保持するための第2電線保持部22及び第3電線保持部23がコネクタ配置部27よりも下方位置26bに設けられている。これにより、垂下電線110を伝い落ちる水は、上記の中途部分からコネクタ配置部27の端部コネクタ150へと進むことができず、何処かの箇所で滴下することとなる。従って、垂下電線110が、中途部分に至るまでどのような形状で配索されようとも、あるいは、中途部分までの形状が車両Cの走行振動によってどのような形状に変化しようとも、十分な水切り性能が得られることとなる。このように、本実施形態のコネクタブロック20及び電線配索構造1によれば、十分な水切り性能を得つつ電線100の配索を行うことができる。
【0029】
ここで、本実施形態では、第3電線保持部23が、電線用保持クリップ25の係止突起251が嵌入されて係止する被係止孔231が形成された筐体26の壁部分となっている。この構成によれば、筐体26の壁部分がそのまま第3電線保持部23として利用されるので、コネクタブロック20の形状を単純化でき、製造コストを抑えることができる。また、被係止孔231を設けることで、垂下電線110のサイズ等に合せて適切な電線用保持クリップ25を選択的に用いて配索することができるので、高い自由度の下で配索を行うことができる。
【0030】
また、本実施形態では、第2電線保持部22が、ハーネス用保持クリップ24の係止突起241が嵌入されて係止する被係止孔222が先端に斜壁221に形成された突起部となっている。この構成でも、配索対象の垂下電線110のサイズ等に合ったハーネス用保持クリップ24を選択的に用いることできる。更に、ハーネス用保持クリップ24の取付け箇所が斜め下を向く斜壁221となっているので、垂下電線110の水を、この斜壁221に沿って配索される部分から効果的に滴下させることができる。
【0031】
また、本実施形態では、各対の電線100が、一対の端部コネクタ150を介してコネクタ配置部27を車両Cにおける水平方向D12に通過するように配索される。この構成によれば、コネクタ配置部27の近傍で電線100が水平方向D12を向くので、水が電線100を伝ってコネクタ配置部27の端部コネクタ150へと一層達し難くなっており、水切り性能を一層向上させることができる。
【0032】
尚、以上に説明した実施形態はコネクタブロック及び電線配索構造の代表的な形態を示したに過ぎず、コネクタブロック及び電線配索構造は、これに限定されるものではなく種々変形して実施することができる。
【0033】
例えば、上述した実施形態では、3本のワイヤハーネス10から枝分かれした4対の電線100それぞれの端部コネクタ150を、対をなすものどうし互いに接続された状態で保持するコネクタブロック20が例示されている。また、そのようなコネクタブロック20を用いて4対の電線100、及び、それらをまとめた3本のワイヤハーネス10を配索する電線配索構造1が例示されている。しかしながら、電線配索構造における配索対象の電線の本数や、ワイヤハーネスとしてまとめられているか否かといった電線形態、またコネクタブロックで保持される端部コネクタの数等については、これらに限るものではなく、適宜に設定し得るものである。
【0034】
また、上述した実施形態では、3本の第2垂下電線112を第2ハーネス12としてまとめて保持するための第2電線保持部22と、1本の第3垂下電線113を直に保持するための第3電線保持部23と、を有するコネクタブロック20が例示されている。しかしながら、コネクタブロックは、これに限るものではなく、複数本の垂下電線をハーネスとしてまとめて保持する電線保持部のみを有するものであってもよく、あるいは、垂下電線を1本ずつ直に保持する電線保持部のみを有するものであってもよい。また、どのような形態の電線保持部を幾つ設けるかについても適宜に設定し得るものである。
【0035】
また、上述した実施形態では、ハーネス用保持クリップ24や電線用保持クリップ25の係止突起241,251が係止する被係止孔222,231が設けられた第2電線保持部22や第3電線保持部23が例示されている。しかしながら、電線保持部は、これらに限るものではなく、例えば、筐体の外壁に、電線やハーネスを保持するクリップが一体成形されたもの等であってもよい。ただし、上記のような被係止孔222,231を設けることで、適切な保持クリップを選択的に用いて高い自由度の下で配索を行うことができる点は上述した通りである。
【0036】
また、上述した実施形態では、筐体26の外壁の一部分となった第3電線保持部23の他に、筐体26から突出し、その先端に斜壁221が設けられた第2電線保持部22を備えたコネクタブロック20が例示されている。しかしながら、コネクタブロックは、これに限るものではく、筐体の外壁の一部分となった電線保持部のみを備えたものであってもよく、筐体から突出して先端に斜壁が設けられた電線保持部のみを備えたものであってもよい。ただし、前者の電線保持部によればコネクタブロックの製造コストを抑えることができ、後者の電線保持部によれば垂下電線の水を効果的に滴下させることができる点は、各々上述した通りである。
【0037】
また、本実施形態では、各対の電線100がコネクタ配置部27を水平方向D12に通過するコネクタブロック20が例示されている。しかしながら、電線がコネクタ配置部をどのような方向に通過するかは任意に設定し得るものである。ただし、電線の通過方向を水平方向とすることで水切り性能を一層向上させることができる点も上述した通りである。
【符号の説明】
【0038】
1 電線配索構造
10 ワイヤハーネス
11 第1ハーネス
12 第2ハーネス
13 第3ハーネス
20 コネクタブロック
21 クリップ
22 第2電線保持部
23 第3電線保持部
24 ハーネス用保持クリップ
25 電線用保持クリップ
26 筐体
26a コネクタ設置位置
26b 下方位置
27 コネクタ配置部
100 電線
101 第1電線
102 第2電線
103 第3電線
110 垂下電線
112 第2垂下電線
113 第3垂下電線
150 端部コネクタ
151 第1コネクタ
152 第2コネクタ
153 第3コネクタ
222,231 被係止孔
241,251 係止突起
271 第1配置部
272 第2配置部
273 第3配置部
274 第4配置部
C 車両
P パネル
D11 上下方向
D12 水平方向