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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】内視鏡装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20230810BHJP
【FI】
A61B1/00 654
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019219332
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021087604
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 貴裕
【審査官】田辺 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-509267(JP,A)
【文献】特開平11-225941(JP,A)
【文献】特開2007-68708(JP,A)
【文献】特開2010-162274(JP,A)
【文献】国際公開第2019/087549(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部と、
ハンガーに懸架可能に構成されるジョイント部を有し、前記ジョイント部を介して前記ハンガーに接続される操作部と、
前記ジョイント部及び前記操作部の内部に配置され処置具を通過させる処置具管路と、
前記操作部に固定されるプレートと、
前記ジョイント部の内部に設けられ、互いに連結され前記処置具管路の配設方向に沿った長手方向を有する複数のパーティション構造部材を含み、前記プレートに固定されるフレームと
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記フレームは、前記プレートに前記フレームを固定するためのネジのためのネジ穴を有する、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記フレームは、前記プレートに対し前記フレームを位置合わせするための位置合わせ用ピンを挿入するためのピン穴を備える、請求項1又は2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記複数のパーティション構造部材の各々は、矩形の箱型形状を有する、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記複数のパーティション構造部材は、前記長手方向に対し並列に配列される、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記複数のパーティション構造部材のうちの一のパーティション構造部材は、他のパーティション構造部材に挟まれる位置に並列に配置され、
前記一のパーティション構造部材の底板の厚さは、前記他のパーティション構造部材の底板の厚さよりも大きい、請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記一のパーティション構造部材は、その上面に貫通穴を有すると共に、前記貫通穴の下方において、前記フレームを前記プレートに固定するためのネジ穴を有する、
請求項6に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記一のパーティション構造部材は、前記操作部の側の端部において、下面に対し傾斜した傾斜部を有すると共に、前記傾斜部の位置に対応する下面に位置決めピンを通過させるためのピン穴を備える、請求項7に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記プレートは、前記処置具管路の配設方向に沿って延びるリブを含むリブ構造を有する、請求項1に記載の内視鏡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関し、より詳しくは、内視鏡をハンガーに懸架可能に構成された内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡分野において、遠隔操作可能に構成された処置具(ロボット処置具)を含む内視鏡装置が知られている。処置具は、内視鏡から離れた位置にあるマスタシステムにおいて医師により制御される。内視鏡の内部に挿通された処置具がマスタシステムからの制御の内容に従って動作する。
【0003】
例えば、特許文献1には、次のような内視鏡手術システムが記載されている。
(1)遠隔操作が可能な処置具を用いた内視鏡には、その操作部にジョイント部が設けられる。
(2)遠隔操作が可能な処置具を用いた内視鏡手術システムは、内視鏡を懸架可能な専用ハンガーを有する。専用ハンガーは前述のジョイント部に対して着脱可能なコネクタ部を有する。ジョイント部がコネクタ部を介して専用ハンガーに着脱可能とされる。
(3)手術中に専用ハンガーに内視鏡をジョイント部を介して取り付けることで、手術中にオペレータが内視鏡を把持し続ける必要がなくなり、オペレータの疲労を軽減し、また安定した内視鏡手術を実行することができる。
(4)遠隔操作が可能な処置具は、マスタアンドスレーブシステムにより制御される。
ただし、処置具を用いて手術を行うにあたり、内視鏡にて観察される視野を確保するため、専用ハンガーに懸架された内視鏡操作部を回転、揺動させて使用することが必要となる場合がある。このような回転や揺動により、ジョイント部に対する機械的負荷が掛かることから、内視鏡操作部に設けられたジョイント部には、それぞれの操作に応じた機械的強度が求められる。
【0004】
また、このような内視鏡手術システムにおいては、手術の毎に内視鏡操作部に設けられたジョイント部を専用ハンガーに接続して使用する必要があるので、内視鏡操作部に設けられたジョイント部は、そのような繰り返しの着脱に耐え得る機械的強度が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2018-509267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ハンガーに内視鏡を懸架可能な内視鏡装置において、ハンガーへの着脱や、ハンガーへ接続時の各種内視鏡操作に対する機械的強度及び耐久性を高めることができる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る内視鏡装置は、挿入部と、ハンガーに懸架可能に構成されるジョイント部を有し、前記ジョイント部を介して前記ハンガーに接続される操作部と、前記ジョイント部及び前記操作部の内部に配置され処置具を通過させる処置具管路と、前記操作部に固定されるプレートと、前記ジョイント部の内部に設けられ、互いに連結され前記処置具管路の配設方向に沿った長手方向を有する複数のパーティション構造部材を含み、前記プレートに固定されるフレームとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の内視鏡によれば、ハンガーに内視鏡を懸架可能な内視鏡装置において、ハンガーへの着脱や、ハンガーへ接続時の各種内視鏡操作に対する機械的強度及び耐久性を高めることができる内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】発明の実施の形態に係る内視鏡手術システムの全体構成を説明する概略図である。
図2】内視鏡100の先端部1011の構造を説明する概略斜視図である。
図3】手元操作部102及びジョイント部103の構造の詳細を説明する斜視図である。
図4】手元操作部102及びジョイント部103の構造の詳細を説明する平面図である。
図5】手元操作部102及びジョイント部103の構造の詳細を説明する断面図である。
図6】手元操作部102及びジョイント部103の構造の詳細を説明する断面図である。
図7】フレーム304の構造の一例を説明する斜視図である。
図8】フレーム304の構造の一例を説明する平面図である。
図9】フレーム304の構造の一例を説明する正面図である。
図10】フレーム304の構造の一例を説明する断面図である。
図11】プレート303の構造の一例を説明する斜視図である。
図12】プレート303の構造の一例を説明する斜視図である。
図13】ネジS2の取り付け部分付近の断面図である。
図14】ネジS4の取り付け部分付近の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
【0011】
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0012】
図1を参照して、発明の実施の形態に係る内視鏡手術システム(内視鏡装置)の全体構成を説明する。この内視鏡手術システムは、内視鏡100と、マスタシステム200とから大略構成される。
【0013】
内視鏡100は、挿入部を被検者の体内に挿入して被検部の画像を撮像する撮像装置であり、後述するように、各種処置具を内部に挿入可能に構成される。処置具は、マニュアル処置具とロボット処置具(マニピュレータ)とを含む。マニュアル処置具は、一般的な内視鏡に使用される処置具(例えば止血や局注などの一般的な内視鏡的手術の際に使用される処置具)であり、後述する処置具挿入口102Fから挿入され得る。一方、ロボット処置具(マニュピュレータ)は、後述するマスタシステム200のコントローラ202によって制御される処置具(スレーブ)である。ロボット処置具は、後述する処置具挿入口102D又は102Eから挿入され得る。
【0014】
内視鏡100は、挿入部101と、手元操作部102と、ユニバーサルケーブル105と、コネクタ部106とを備えている。挿入部101は更に、先端部1011と、湾曲部1012と、可撓管部1013とを備えている。また手元操作部102はジョイント部103を備えている。
【0015】
先端部1011は、挿入部101の端部に設けられており、その内部に撮像素子を備えると共に、各種管路の端部を有している。また、湾曲部1012は、手元操作部102の湾曲調整ノブ102Aにおける操作により能動的に湾曲可能に構成されている部分である。また、可撓管部1013は、手元操作部102の操作とは無関係に外力により受動的に湾曲可能な部分である。
【0016】
可撓管部1013は、その一端において手元操作部102と接続されている。手元操作部102は、例えば湾曲調整ノブ102A、及び操作ボタン102Bを備えており、内視鏡100による観察及び撮像のための各種操作をオペレータに行わせる。
【0017】
ジョイント部103は、手元操作部102の一部を構成し、内視鏡100を懸架するため、ハンガー104(後述)に懸架した状態で接続され得ると共に手元操作部102に接続されるよう構成された接続部材である。ジョイント部103の構造の詳細は後述する。なお、ジョイント部103及びケース102Cには、処置具を挿入させるための処置具挿入口102D~102Fが設けられている。
【0018】
なお、ジョイント部103とハンガー104との間の接続部の具体的構造については、例えば特表2018-509267号公報に開示のような構造を採用することが可能である。
【0019】
手元操作部102の反対側からは、コネクタ部106に向けてユニバーサルケーブル105が延びている。ユニバーサルケーブル105は、挿入部101と同様に、その内部にライトガイド、各種配線、各種管路を含んでいる。コネクタ部106は、内視鏡100を後述するプロセッサ211に接続させるための各種コネクタを含んでいる。
【0020】
マスタシステム200は、一例として、入力デバイス202、ディスプレイ203、及びコントローラ204を備えている。マスタシステム200は、一例として、内視鏡100を把持して手元操作部102を操作する内視鏡医Bとは別の医師Aにより操作されることも可能である。
【0021】
コントローラ204は、詳細の図示は省略するが、一例としてレバー、ボタン、フットペダルなどの組合せにより構成され、内視鏡100内のロボット処置具の操作・位置決め等のため、医師Aにより操作される。内視鏡医Bは、内視鏡100を保持して、医師Aの指示に従い、所望の箇所に内視鏡100の先端部1011を移動させるよう、手元操作部102の操作及び挿入部101の操作を実行する。医師Aは、こうして内視鏡100により撮像されディスプレイ203に表示された画像に基づき、コントローラ204を操作して、ロボット処置具の操作を実行する。
【0022】
内視鏡手術システムは、プロセッサ211、送気送水部212、吸引部213、モータボックス214、マスタスレーブシステム用プロセッサ215、ディスプレイ216等を備えている。
【0023】
プロセッサ211は、内視鏡100からの画像信号を受信して所定の信号処理を実行する。プロセッサ211は、その内部に被写体を照射するための照射光を発する光源を備えていてもよい。送気送水部212は、被検体に対して供給される水流、又は空気流を放出するための制御を実行する。吸引部213は、内視鏡100を介して被検者の体内から吸引された体液や切除物を吸引するためのポンプ及びタンク(図示せず)を備えている。
【0024】
モータボックス214は、内視鏡100のロボット処置具を駆動するための駆動力を発生させるための各種モータを格納している。各種モータは、マスタシステム200から発信された制御信号に従って生成された駆動信号に基づいて動作する。マスタスレーブシステム用プロセッサ215は、マスタシステム200からの指示に従い、モータボックス214を介してロボット処置具に対する各種制御を実行する。ディスプレイ216は、例えばプロセッサ211でのデータ処理結果等に基づく表示を行うための表示装置である。
【0025】
前述のプロセッサ211、送気送水部212、吸引部213、モータボックス214、マスタスレーブシステム用プロセッサ215は、ラックLに収納される。ラックLは更に、前述のジョイント部103と接続されて内視鏡100を懸架させるためのハンガー104を備えている。
【0026】
図2を参照して、内視鏡100の先端部1011の構造を説明する。内視鏡100の先端部1011には、配光レンズ112A、112Bが配置され、挿入部101の内部には、先端部1011からコネクタ部106に亘って、ライトガイドLGa、LGbが延びている。プロセッサ211内の光源装置からの光が、このライトガイドLGa、LGbにより導光され、先端部1011に配置された配光レンズ112A、112Bにより、被検体に向けて照射される。
【0027】
また、内視鏡100は、図2に示すように、先端部1011において対物レンズ113と撮像素子117を備えている。先端部1011に設けられる対物レンズ113は、被検体からの散乱光や反射光を集光して、撮像素子117の受光面上に被検体の像を結像させる。
【0028】
撮像素子117は、一例としてCCD(Charge Coupled Device)、又はCMOSセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Sensor)により構成され得る。撮像素子117は、プロセッサ301から電気配線118を介して供給される信号(ゲインコントロール信号、露出制御信号、シャッタ速度制御信号など)により制御されるとともに、プロセッサ211に対し、撮像された画像の画像信号を電気配線118及びA/D変換回路(図示せず)を介して供給するようにされている。
【0029】
また、先端部1011の端面には、各種管路の端部又は開口として、送気送水口114、副送水口115、及び処置具口116A~Cが設けられている。送気送水口114は、先端部1011の洗浄等のための水流、又は空気流を導入するため、送気送水管路121に接続されている。
【0030】
また、副送水口115は、視野内の汚物除去のための副送水を導入するため、副送水管路122に接続されている。管路121、122は、先端部1011、湾曲部1012、可撓管部1013、手元操作部102、及びユニバーサルケーブル105の内部に沿って延びるように配置されている。
【0031】
このような管路121~122に加え、内視鏡100の内部には、処置具管路119A~Cが設けられている。処置具管路119A~Cは、鉗子等の処置具をその内部に進退自在に通過させることが可能に、手元操作部102及び/又はジョイント部103の内部に配置されている。処置具管路119A~Cの先端は、先端部1011において処置具口116A~Cを構成している。また、処置具管路119A~119Cのうちの2つは、処置具挿入口102D及び102Eまで連通し、残りの1つは処置具挿入口102Fに連通しており、吸引管路としても使用される。なお、処置具管路119A~Cのうちの少なくとも1つは、吸引管路を兼用してもよい。
【0032】
図3図6を参照して、手元操作部102及びジョイント部103の構造の詳細を説明する。図3は、手元操作部102及びジョイント部103の斜視図であり、手元操作部102のカバーの一部を除外した状態を図示している。また、図4は手元操作部102及びジョイント部103の斜視図の平面図であり、図5及び図6は、図4のA-A及びB-B断面図である。
【0033】
図3に示すように、手元操作部102を構成するケース102C、及びジョイント部103の内部に、プレート301~303、及びフレーム304を備えている。図3は、ケース102C及びジョイント部103の内部の構成のうち、プレート301~303、及びフレーム304のみを図示し、その他の構成要素については図示を省略している。
【0034】
プレート301~303は、それぞれ略平面の板形状を有しているが、一例として、プレート303は、処置具管路119A~Cの配設方向に沿って延びるリブ構造を有していても良い。また、フレーム304は、後述するように、互いに連結され処置具管路119A~Cの配設方向に沿った長手方向を有する複数のパーティションを有するパーティション構造部材を含むよう構成される。
【0035】
プレート301~303は、後述するように互いにネジ等により互いに連結・固定されており、フレーム304もプレート303に連結されて、これにより、フレーム304がジョイント部103の内部に配置されている。なお、プレート302には、プレート302の平面と略直交する方向に延びる接続板305も設けられている。接続板305は、ユニバーサルケーブル105を手元操作部102に接続・固定するための固定部材である。
【0036】
図4に示すように、プレート301は、プレート302に対し、複数のネジS1により固定されている。また、プレート302は、プレート303に対し、複数のネジS2により固定されている。また、プレート303は、フレーム304に対し、位置合わせ用ピンP1により位置決めされると共に、2個のネジS3及び1個のS4により固定されている。そして、フレーム304に対し、後述する手段によりジョイント部103が固定される。なお、図4に拡大して示すように、プレート302及び303は、操作ボタン102Bから延びるL字型固定具309及びネジS6により、ケース102Cに対して固定されている。
【0037】
このように、ケース102C及びジョイント部103が、プレート301~303及びフレーム304に対し固定される。なお、プレート301~303及びフレーム304は、アルミニウム又はステンレスを材料として構成され得る。なお、ケース102Cは、プレート301~303の面垂直方向への移動を抑制するためのストッパ102STが設けられている。
【0038】
図6は、図4におけるB-B断面図であり、ジョイント部103の、フレーム304、及びプレート303に対する接続の状態を図示している。ケース102Cは、図6に示すように、ジョイント部103側の端部において突起部Edを有しており、プレート303の一端がこの突起面Edに接触するよう、プレート303が配置されることにより、プレート303がケース102Cに対して位置決めされる。一方、プレート303に固定されたフレーム304に対して、ジョイント部103が取り付けられる(後述する固定環308を用いて固定される)。
【0039】
図7図10を参照して、フレーム304の構造の一例を説明する。図7は、フレーム304の構造を説明する斜視図であり、図8はフレーム304の下面(底板)の平面図であり、図9は正面図であり、図10は断面図である。フレーム304は、図9に示すように、処置具管路119A~119Cの配設方向(長手方向)に沿った長手方向を有する複数本(例えば3本)の矩形の箱型で中空のパーティション構造部材401~403を並列に配列して構成される。このようなパーティション構造を有することにより、フレーム304は、引張方向、回転方向、揺動に対する十分な機械的強度を与えられる。
【0040】
パーティション構造部材401及び403に挟まれた位置にある中央のパーティション構造部材402は、その上面において、貫通穴404を有する。この貫通穴404の直下の下面には、図8に示すように、前述のネジS4用のネジ穴408が設けられている。また、このネジ穴408よりも手前の位置には、位置合わせ用ピンP1を挿入するためのピン穴405が設けられている。
【0041】
パーティション構造部材402の手前側の端面は、このピン穴405への位置合わせ用ピンP1の挿入を容易にするため、下面に対し所定の傾斜を有する傾斜部409とされている。すなわち、傾斜部409は、ピン穴405の近傍に設けられている。また、パーティション構造部材402の中空部には、図10に示すように、中空部を遮断する内部側面412が設けられている。この内部側面412は、パーティション構造部材402の機械的強度を向上させるのに寄与する。
【0042】
また、左右両側のパーティション構造部材401及び403は、図8及び図9に示すように、内部側面411及び413を備えている。この内部側面411及び413も、内部側面412と同様に、パーティション構造部材401及び403の機械的強度を向上させるのに寄与する。
【0043】
加えて、パーティション構造部材401及び403は、その内部に、処置具管路119B及び119Cを接続するための口金306を備えている。口金306は、内部側面411及び413を貫通すると共に、固定環307によりフレーム304の端面、具体的には内部側面411及び413に固定される。フレーム304は、ジョイント部103の端面において固定環308により固定されることにより、フレーム304にジョイント部103及び口金306が固定される。なお、パーティション構造部材401~403の下面の厚さに関しては、中央のパーティション構造部材402の下面422の厚さが、左右のパーティション構造部材401及び403の下面421、423の厚さよりも大きくされている(図9参照)。ジョイント部103をハンガー104に取り付けた状態で手元操作部102に回転方向に力を与えた場合、最も負荷がかかる箇所がネジS4の箇所である。そのため、パーティション構造部材402の下面422の厚さをより大きくすることにより、フレーム304の強度を向上させることができる。なお、パーティション構造部材402の厚い下面422に用いるネジは、下面421、423に用いるネジよりも大きなネジを使用するのが好適である。
【0044】
また、左右両側のパーティション構造部材401及び403は、その下面の端部において、前述のネジS3を挿入するためのネジ穴406及び407を備えている。なお、ネジ穴406及び407の位置は任意であるが、ネジS4用のネジ穴408と二等辺三角形を構成するような配置とされることが好ましい。また、図7に示す構造例では、左右両側のパーティション構造部材401及び403の上面は、ネジ穴406及び407へのネジS3の螺合を容易にするため、パーティション構造部材402に比べ後退した位置に端部を有する。ただし、パーティション構造部材402と同様に上面に貫通穴404と同様の貫通穴を設けることにより、上面の端部をより前面側に設けることも可能である。
【0045】
図11及び図12を参照して、プレート303の構造の一例を説明する。図11はプレート303の上面側を上にした斜視図であり、図12は下面側を上にした斜視図である。図12に示すように、プレート303は、管路の長手方向に沿って延びるリブL1~L3を有するリブ構造である。このリブ構造を与えられたプレート303と、複数個のパーティション構造部材402を連結したフレーム304とにより、手元操作部102は高い機械的強度を与えられ、高い信頼性を得ることができる。なお、フレーム304のパーティション構造部材の側面は、リブ構造と同様に引張方向の強度向上に寄与し得る。
【0046】
なお、図13図5の符号C付近の拡大図)に示すように、プレート302は、プレート303を固定するためのネジS2のネジ穴において、位置調整用スペースG1を備えている。この位置調整用スペースG1により、位置合わせ用ピンP1により位置決めされたフレーム304及びプレート303に対し、製品間のサイズのバラつきに拘わらず、プレート302の取り付けが容易となる。
【0047】
また、図14図5の符号D付近の拡大図)に示すように、ケース102Cの端部には突起部Edが設けられ、その内側面にプレート303の一端303Sが当接される。この端部303Sの突起部Edへの当接と、位置合わせ用ピンP1の挿入によりプレート303及びフレーム304のケース102Cへの位置決めがなされる。ネジS4の取付性の向上のため、貫通穴404の端面404Sは、ケース102Cの端面102Sと一致するように形成されることが好ましい。
【0048】
[その他]
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
100…内視鏡、 101…挿入部、 1011…先端部、 1012…湾曲部、 1013…可撓管部、 102…手元操作部、 102A…湾曲調整ノブ、 102B…操作ボタン、 102C…ケース、 103…ジョイント部、 104…ハンガー、 105…ユニバーサルケーブル、 106…コネクタ部、 112A、112B…配光レンズ、 113…対物レンズ、 114…送気送水口、 115…副送水口、 116A~C…処置具口、 117…撮像素子、 118…電気配線、 119A~C…処置具管路、 200…マスタシステム、 202…入力デバイス、 203…ディスプレイ、 204…コントローラ、 211…プロセッサ、 212…送気送水部、 213…吸引部、 214…モータボックス、 215…マスタスレーブシステム用プロセッサ、 216…ディスプレイ、 301~303…プレート、 304…フレーム、 305…接続板、 306…口金、 307、308…固定環。
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