(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】シースの可視化
(51)【国際特許分類】
A61B 5/25 20210101AFI20230810BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20230810BHJP
【FI】
A61B5/25
A61B5/33
(21)【出願番号】P 2019527555
(86)(22)【出願日】2018-01-19
(86)【国際出願番号】 US2018014430
(87)【国際公開番号】W WO2018136741
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-07
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ケー. オルソン
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-501557(JP,A)
【文献】特表2013-543743(JP,A)
【文献】特開2010-167101(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0305807(US,A1)
【文献】特表2016-525914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シース(10、110、210、310、410、500、600)であって、
内側ライナ(24)
であって、前記シース(10、110、210、310、410、500、600)を通り長手方向軸に沿って延びる中心の主管腔(20)を画定する内壁を含む、前記内側ライナと、
外側層(26)と、
前記外側層内に配置された網組みワイヤアセンブリ(36)と、
前記内側ライナ(24)の外側壁に結合された少なくとも1つの絶縁チューブ
であって、小管腔(381、382)を画定する前記少なくとも一つの絶縁チューブと、
前記小管腔(381、382)内に配置されている少なくとも1つのプルワイヤ(58)と、
複数個の電極タブ(422、424、426)と、導体部分(418、524、624)と、を含むトレーシングサポート(218、318、510、610)であって、前記導体部分(418、524、624)は、複数個の
導体トレース(44)を
含み、
前記トレーシングサポートは、各導体トレースが、前記複数個の電極タブ(422、424、426)のそれぞれの一つに接続されるように、電気的トレース工程、フォトエッチング工程、又は、追加製造処理を介して前記外側層に付加された導電性の材料を備え、
前記トレーシングサポートは、前記シースの外面上の周りで結合し、前記トレーシングサポートは、ベース材料と、複数個のギャップと、を含み、前記複数個のギャップは、前記トレーシングサポートの可撓性を可能にし、前記複数個の電極ダブ(422、424、426)のそれぞれは、電極を形成する、前記トレーシングサポートと、
前記複数個の電極タブ(422、424、426)によって形成された複数個の電極(14)
であって、前記シース(10、110、210、310、410、500、600)の遠位部分に結合され、前記複数個の電極(14)のそれぞれが、前記
導体トレース(44
)に電気的に結合され
ている、
前記複数個の電極(14)と、
を備える、シース。
【請求項2】
前記
導体トレース(44
)は、前記シースの中立軸に配置される、請求項1に記載のシース(10、110、210、310、410、500、600)。
【請求項3】
前記複数個の電極
タブ(14
)は、トレース材料を含む、請求項1
又は2に記載のシース(10、110、210、310、410、500、600)。
【請求項4】
前記シース(10、110、210、310、410、500、600)は、リフロー可能な材料を含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載のシース。
【請求項5】
前記リフロー可能な材料は、液晶ポリマーを含む、請求項
4に記載のシース(10、110、210、310、410、500、600)。
【請求項6】
前記網組みワイヤアセンブリ(36)は、長方形の横断面を備える、請求項
1に記載のシース(10、110、210、310、410、500、600)。
【請求項7】
前記複数個の
導体トレース(44)のうちの少なくとも1つは、前記網組みワイヤアセンブリ(36)と前記外側層(26)の外壁との間に配置される、請求項
1から6のいずれか一項に記載のシース(10、110、210、310、410、500、600)。
【請求項8】
前記小管腔(381、382)は、前記外側層(26)に結合される小さな中空の管を備える、請求項1から
7のいずれか一項に記載のシース(10、110、210、310、410、500、600)。
【請求項9】
医療用デバイスであって、
請求項1から
8のいずれか一項に記載のシース(10、110、210、310、410、500、600)と、
前記シース(10、110、210、310、410、500、600)の近位端に結合される作動器(60)であって、前記少なくとも1つのプルワイヤ(58)にさらに結合され、かつ、前記医療用デバイスの遠位端を偏向させることのできる、前記作動器(60)と、
を備える、医療用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【0002】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年1月19日に出願された米国特許仮出願第62/447,967号(’967出願)の利益を主張するものであり、それを、本明細書に完全に記載されている場合と同様に、本明細書に参照により組み込む。
【0003】
本開示は、医療用デバイスに属する製品に関する。より詳細には、本開示は、電気生理学(EP)診断、ならびに前記デバイスの位置特定および可視化を行うために取り付けられる1つまたは複数の電極を有する、例えば、カテーテルまたはシースなどの医療用デバイスに関し、導電性の構成要素の少なくとも一部を作成するために付加製造法が使用されてきた。
【背景技術】
【0004】
例えば、心臓に対して、または心臓内で様々な治療および/または診断用医療処置を行う場合、シースまたはカテーテルと呼ばれる医療用デバイスを使用することがよく知られている。患者の体内に挿入されると、シースは、第2の医療用デバイス(例えば、カテーテル、針、拡張器など)のために、患者の血管系を通る所望の解剖学的構造もしくは部位への経路を提供し、さらに、所望の解剖学的構造に対する第2の医療用デバイスの適正な位置決めもしくは配置も可能にする。カテーテルはまた、患者の体内に挿入され、所望の解剖学的構造もしくは部位へと移動させることができる。カテーテルは、次いで、診断、切除、または他の処置を実施することができる。
【0005】
従来のシースおよびその使用における1つの欠点は、シースおよび/またはその位置の可視化が、不可能ではないにしても難しいことである。その結果、医師が、電離放射線(例えば、X線透視装置による鋭いX線送達)を使用することなしに、医療処置の実施中に、シースおよび/またはその位置を見ることはできなかった。しかし、例えば、磁気ベースの、またロボットベースのガイドシステムなど、様々な自動化されたガイドシステムの出現、および使用が増加すると、このような可視化機能に対する必要性が高まってきている。
【0006】
自動化されたガイドシステムの使用における可視化の必要性に加えて、医師が医療用デバイスを手動で制御する場合にもこの機能に対する必要性が増加している。例えば、心臓の左側に実施される処置の場合、左心房から右心房を分離する中隔を横断するために、経中隔穿刺が使用される。このような処置では、長い小径の針がシース内の管腔を進ませられ、隔壁を穿刺するために使用される。穴が形成された後、シースが、穿刺手術によって作られた穴の中に挿入され、隔壁を横断して通り、それにより、シース内の別の医療用デバイスに対して左心房へのアクセスが提供される。例えばX線透視装置などの現在の可視化システムを用いると、経中隔横断点(およびそこにおけるシース)は、医師には視認できない。したがって、医師が、例えば、患者の動き、またはシースと共に使用される医療用デバイスの操作に起因して、デバイスを見失った場合、または経中隔アクセスが中断された場合にアクセスを回復することは、処置時間を増加させ、さらに隔壁の別の穿刺が必要になり得る。医師が使用しているディスプレイ上において、シースまたはシースを表すものの可視化がなされていないため、医師は、アクセスの回復をガイドして助ける参照物を有しない。
【0007】
さらに、医療用デバイスの中を通る導電性ワイヤにより、医療用デバイスの近位端に電気的に接続される可視化、診断、または他の処置のための構成要素を備えるカテーテルおよびシースは、製作するのにコストおよび時間のかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本明細書の発明者は、従来のシースおよびカテーテルにおける1つまたは複数の欠点を最小化する、かつ/またはなくすシースおよびカテーテル設計、ならびに製作方法に対する必要性を認識してきた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、医療用デバイスは、内壁、外壁、およびシース本体を通り長手方向軸に沿って延びる中心の主管腔を備えるシース本体であって、中心の主管腔が、内壁により画定される前記シース本体と、前記シース本体を通って延びる少なくとも1つの外側管腔とを備えることができる。少なくとも1つの外側管腔は、内壁と外壁の間に配置され得る。医療用デバイスは、前記シース本体の遠位部分に結合される少なくとも1つの電極と、少なくとも1つの電気的トレースであって少なくとも1つの電極のそれぞれが、少なくとも1つの電気的トレースに結合され、また電気的トレースは、内壁と外壁の間に配置される、前記少なくとも1つの電気的トレースと、前記シース本体を通って延びる少なくとも1つの偏向要素と、シース本体の近位端に結合される作動器であって、少なくとも1つの偏向部材にさらに結合され、かつカテーテル導入器の遠位端を偏向させることのできる作動器と、をさらに備えることができる。
【0010】
別の実施形態では、シースは、内側ライナ、外側層、少なくとも1つの絶縁チューブ(spaghetti tube)、少なくとも1つのプルワイヤ、および複数の電気的トレースを備えることができ、ここで、内側ライナは内壁を備え、また内壁は、シースを通り長手方向軸に沿って延びる中心の主管腔を画定する。少なくとも1つの絶縁チューブは、小管腔を画定することができ、少なくとも1つのプルワイヤが小管腔内に配置され、また少なくとも1つの絶縁チューブが、内側ライナの外側壁に結合される。シースは、前記シースの遠位部分に結合される複数の電極をさらに備えることができ、複数の電極のそれぞれは、複数の電気的トレースの少なくとも1つに電気的に結合され、また複数の電気的トレースは、外側層内に配置することができる。
【0011】
本開示の前述の、および他の態様、特徴、細部、実用性、および利点は、以下の記述、および特許請求の範囲を読むことにより、また添付図面を検討することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本教示による医療用デバイスの一実施形態の等角図である。
【0013】
【
図2】線2/2に沿った、
図1で示された医療用デバイスの横断面図である。
【0014】
【
図3】
図1で示された医療用デバイスの一部を切り欠いた斜視図である。
【0015】
【
図4】本教示による医療用デバイスの一実施形態の側面図である。
【0016】
【
図5A】トレーシングサポートを備える医療用デバイスの一実施形態の等角図である。
【
図5B】トレーシングサポートを備える医療用デバイスの一実施形態の等角図である。
【0017】
【
図6】トレーシングサポートを備える医療用デバイスの別の実施形態の等角図である。
【0018】
【
図7】偏向された状態および偏向されていない状態における本教示による医療用デバイスの別の実施形態の側面図である。
【
図8】偏向された状態および偏向されていない状態における本教示による医療用デバイスの別の実施形態の側面図である。
【0019】
【
図9A】トレーシングサポートを備える医療用デバイスの別の実施形態の等角図である。
【
図9B】トレーシングサポートを備える医療用デバイスの別の実施形態の等角図である。
【0020】
【
図10A】トレーシングサポートを備える医療用デバイスの別の実施形態の等角図である。
【
図10B】トレーシングサポートを備える医療用デバイスの別の実施形態の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に参照される複数の図面においては、同一の構成要素を示す場合、同様の参照番号が使用される。
図1は、医療用デバイス10、すなわち、例えば人間または動物の心臓内で実施されるいくつかの診断および治療処置に関して使用される、例えば、また限定することなく、シースもしくはカテーテル導入器などの医療用デバイス10の一実施形態を示す。理解の容易と簡潔さのために、以下では、単に心臓分野で使用されるシース(シース10)を備える医療用デバイス10を対象として記述する。しかし、当業者であれば、以下の記述は、シース以外の医療用デバイスに適用可能であり、かつ心臓分野以外の用途に関して使用されるシースおよび医療用デバイスに対しても適用可能であることが理解されよう。したがって、シース以外の医療用デバイス、および心臓分野以外の用途で使用される医療用デバイス/シースは、依然として本開示の趣旨および範囲に含まれる。さらに、例えば、固定の湾曲したシースなど、偏向可能なシース以外のシースも、本開示の趣旨および範囲に含まれたままである。さらに偏向可能なカテーテル、および固定の湾曲したカテーテルもまた、本開示の趣旨および範囲に含まれている。
【0022】
図1を参照すると、一実施形態では、シース10は、細長い管状シャフト12と、その上に取り付けられた、または一体化された1つまたは複数の電極14(例えば、
図1の14
1、14
2、14
3)とを備える。シャフト12は、近位端16、遠位端18、および近位端16と遠位端18の間で延びる主管腔を有する(本明細書で使用される場合、「近位の」は、医師/臨床医付近のシース10の端部に向けた方向を指し、また「遠位の」は、医師/臨床医から離れる方向を指す)。主管腔は、シース10の長手方向軸22を画定し、かつ医療用デバイスをその中に受け入れるような寸法である。
図1で示されるように、また以下でより詳細に述べるように、電極14は、シャフト12に、その遠位端18で取り付けられる、またはその他の形で結合される。しかし、別の実施形態では、電極14の1つまたは複数のものを、遠位端18よりもさらに近位のシャフト12上の位置に取り付けることができる。さらにシャフト12は、真っ直ぐな外形を有することができるが、代替的に、固定の湾曲した形状/外形を有することもできる。シャフト12は、血管または別の解剖学的構造の中に挿入するように構成される。
【0023】
図2は、シャフト12の一実施形態の横断面図である。
図2は、シャフト12の少なくとも一部に対してリフロー処理を実施した後の組立の最終段階におけるシャフト12を示している。この実施形態では、またその最も一般的な形態において、シャフト12は、内側ライナ24と外側層26とを備える。シャフト12は、内面および外面を有する内側ライナ24を備えることができ、内面は主管腔20を画定する。一実施形態では、内側ライナ24は、例えば、Teflon(登録商標)管などの押し出されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)管から形成される。一実施形態では、PTFEは、エッチングされたPTFEを含む。この特定の材料から形成された内側ライナは、滑らかな管腔(管腔20)を生成し、その内部を、例えば、カテーテル、針、拡張器、および同様のものなど、シース10と共に使用される他の医療用デバイスが通過することができる。内側ライナ24は比較的薄い。例えば、一実施形態では、内側ライナ24は、0.0015インチ(0.0381mm)程度の厚さを有する。当業者であれば、内側ライナ24は、PTFE、またはエッチングされたPTFE以外の材料から形成できることが理解されよう。例えば、他の実施形態では、内側層は、例えば、限定することなく、ポリエーテルブロックアミド、ナイロン、および他の熱可塑性エラストマーなど、ポリマー材料から構成される。したがって、PTFE以外の材料から作られた内側ライナを有するシースは、依然として本開示の趣旨および範囲に含まれる。
【0024】
シャフトは、内側ライナ24、および特にその外面30に隣接して配置された外側層26をさらに備えることができる。一実施形態では、外側層26は、その中に、1つまたは複数の小管腔381、382を含み、1つまたは複数の小管腔381、382は、以下でより詳細に述べるように、例えば、シース10に対する操作機構に関連付けられたステアリングまたはプルワイヤなどの偏向可能な要素を受け入れかつ収容するように適合され、それに対して結合される。外側層26は、少なくとも1つの導体44(例えば、電気的トレースもしくはフィルム)をさらに備えることができる。以前のシースおよびカテーテルは、外側層内の管腔内に配置された、またはその他の形で、シースもしくは他の医療用デバイスの遠位部分から、デバイスの近位端へと送られた電線を備えていた。しかし、医療用デバイスの限られた寸法、およびデバイスを通して送る必要があり得る構成要素の数の多さのため、デバイスの遠位部分にある構成要素をより近位の位置に接続する電線を備えたデバイスを製作することは、ひどく時間およびコストのかかるおそれがある。さらに、中を通って延びる電線を備えたデバイスを製作することは、非常に熟練した作業を必要とする可能性があり、その複雑な性質は、多数のデバイスを、製作中に破棄する必要が生ずるおそれがある。しかし、本明細書で述べるように、電気的トレースもしくはフィルムを用いることは、デバイスの製作コストを減少させると共に、製作の複雑さを減らすことができる。こうすることは、デバイスの遠位部分にある構成要素を、デバイスのより近位部分に電気的に接続するための時間を減少させると共に、製作中に破棄する必要のあるデバイスの数を減少させることができる。シャフト12の主管腔20は、他の医療用デバイスがその中を自由に通過できるように開放された状態に保つ必要があるため、小管腔38および少なくとも1つの導体44は、シャフト12の外側層26内に配置される。
【0025】
外側層26は、単一のポリマー材料から形成され得る、または代替的に、異なる構成要素/材料(例えば、様々な管材料および編組体)の組合せから形成することができ、シャフト12の少なくとも一部に対してリフロー処理を適用した後、外側層26を形成するように組み合わされる。一実施形態では、外側層26は、内側ライナ上に配置されるポリマー材料の1つまたは複数の層を備える。ポリマー材料は、以下で論ずるトレーシングサポートを備えることができる、または、ポリマー材料は、内側層の上に嵌合するような寸法の1つまたは複数の押出しポリマー管の形態とすることができる。トレーシングサポートまたはポリマー管は、例えば、限定することなく、ポリエーテルブロックアミド(例えば、Pebax(登録商標))、ポリアミド(例えば、ナイロン)、PTFE、エッチングされたPTFE、および他の熱可塑性エラストマーなど、任意の数のポリマー材料のうちの1つまたは複数のものを含むことができる。
【0026】
ポリマー管は、管材の単一の部分、または管材の複数の部分から形成することができる。単一部分から形成されるか、それとも複数部分から形成されるかにかかわらず、管は、全体を通して一様な硬度またはデュロメータを有することができる。代替的に、管の異なる部分が、異なるデュロメータを有することができる(例えば、シャフト12は、近位端16から遠位端18へと可変のデュロメータを有することができる)。管が複数の部分から形成される実施形態では、その部分は、端部間で共に固定することができる、または隣接する部分の一部で互いに重なることができる。これらの部分は、それに対して実施されるリフロー処理中に共に結合され、または接着されて、外側層26を形成することができる。さらに一実施形態では、シャフト12の遠位端18に配置された、または電極14が取り付けられる、もしくはその他の形で配置される場所、またはその近くにおけるシャフト12上の任意の他の位置に配置された管の1つまたは複数の部分は、半透明もしくは透明であるように形成される。
【0027】
外側層は、シース10の内側ライナ24と外側面46の両方に隣接し、かつその間に配置された網組みワイヤアセンブリ36をさらに備えることができる。一実施形態では、網組みワイヤアセンブリ36および外側層26の配置および構成は、管またはトレーシングサポートのポリマー材料が、シャフト12に対して行われるリフロー処理中に、網組みワイヤアセンブリ36の網組みの中に溶けて流入するように行われる。別の実施形態では、網組みワイヤアセンブリ36および外側層26の配置および構成は、管またはトレーシングサポートのポリマー材料が、シャフト12に対して行われるリフロー処理中に、網組みワイヤアセンブリ36の網組みの外側の一部の中に溶けて流入するように行われる。この実施形態では、リフローされた外側層は、網組みがシャフト内に存在するほど深く流れることはない。シャフト12の全長(すなわち、近位端16から遠位端18まで)、またはシャフト12の全長未満に延びることのできる網組みワイヤアセンブリ36は、シャフト12の構造的な完全性を維持し、かつさらに、内側の部材が、シャフト12の近位端16から遠位端18にトルクを伝達できるようにする。
【0028】
一実施形態では、網組みワイヤアセンブリ36は、ステンレス鋼の網組みを備え、網組みの各ワイヤは、0.002インチ×0.006インチ(0.051mm×0.152mm)の寸法を備えた長方形の横断面を有する。しかし、当業者であれば、網組みワイヤアセンブリは、ステンレス鋼以外の材料、またはステンレス鋼に加えてさらなる材料から形成できることが理解されよう。例えば、別の実施形態では、網組みワイヤアセンブリは、ニッケルチタン(ニチノールとしても知られている)網組みを含む。さらに、網組みワイヤアセンブリは、例えば、丸い、または円形横断面形状など、上記で特に提供されたもの以外の寸法もしくはワイヤサイズ、および横断面形状を有することができ、またさらに、全体を通して変化する網組み密度を含むことができる。異なる網組みワイヤサイズは、異なるシャフトトルク、および機械的特性を可能にする。したがって、ステンレス鋼以外の材料、および/または上記に記載のもの以外の寸法を備える網組みワイヤアセンブリは、依然として本開示の趣旨および範囲内に含まれる。
【0029】
上記で簡単に述べたように、一実施形態では、外側層26は、その中に配置され、それに結合された1つまたは複数の小管腔381、382をさらに含む。各小管腔は、シース10の操作機構の、プルワイヤ58など偏向可能な要素を受け入れ、かつ収容するように適合される。一実施形態では、シース10は、1つまたは複数の押出し管を含み、そのそれぞれ1つが、対応する小管腔を画定する。絶縁チューブとしても知られる管は、例えば、限定することなく、PTFEなどの当技術分野で知られたいくつかの材料から形成することができる。一実施形態では、管は、ポリマー管における材料のものよりも高い融点を有する材料から形成され、したがって、管は、シャフトがリフロー処理を受けたとき、溶けることはない。管は、内側ライナ24の外面30に固定される、または接着され得る。管は、例えば、接着剤を用いるなど、いくつかの方法で固定することができる。適切な1つの接着剤は、シアノアクリレートである。シャフト12がリフロー処理を受けた後、管のポリマー材料は、絶縁チューブを囲んでカプセル化し、その結果、絶縁チューブ、したがって、小管腔が、シャフトの外側層内に配置されることになる。
【0030】
小管腔は、シース10の長手方向軸22に対して軸方向に延びる。シース10の操作機構のプルワイヤ58を収容する小管腔は、シャフト12の近位端16から遠位端18へと延びることができる。代替的に、それらは、近位端16から、プルワイヤが操作機構の別の構成要素に結合されるシャフト12の点まで延びていてもよい。
【0031】
上記に加えて、一実施形態では、シース10のシャフト12は、その外面上に熱収縮材料40の層をさらに含むことができる。熱収縮材料40は、外側層26が、内側ライナ24と熱収縮材料40との間に配置されるように、外側層26のポリマー材料に隣接して配置される。熱収縮材料40は、様々なタイプの熱収縮材料のうちのいくつかから形成することができる。一実施形態では、熱収縮材料は、フルオロポリマーまたはポリオレフィン材料を含み、より詳細には、シャフト16の外側層26上に嵌合するような寸法の材料から形成された管である。熱収縮材料に対する適切な材料の一例は、フッ化エチレンプロピレン(FEP)である。
【0032】
熱収縮材料40の1つの目的は、シース10の製作工程に関連する。より具体的には、製作中に、シャフト12は、例えば、リフロー処理などの熱処理工程を受ける。この処理中、熱収縮材料40は、適切な量の熱に曝されたとき収縮を生ずる。シャフト12に加えられた熱はまた、ポリマー管のポリマー材料を溶融させ、熱収縮材料の収縮がポリマー材料を、内側ライナ24および管(管38を含むシース10の実施形態の場合)と接触するように流入させると共に、シャフト12の網組みワイヤアセンブリ36の中に流入させる(網組みワイヤアセンブリを含むシース10の実施形態の場合)。一実施形態では、熱収縮材料40は、シャフト12の最も外側の層として残る。しかし、別の実施形態では、熱収縮材料40は、リフロー処理の後に除去され、したがって、ポリマー管が、シャフト12の最も外側の層になる。したがって、完全に組み立てられたとき熱収縮材料40を有するシース10と、完全に組み立てられたとき熱収縮材料40を有しないシースは共に、本開示の趣旨および範囲に含まれる。
【0033】
一実施形態では、シャフト12は、シャフト12全体、およびそれに取り付けられた電極14を覆うことのできる、または単にその一部である滑らかなコーティング(図示せず)をさらに含むことができる。一実施形態では、コーティングはシロキサンを含む。しかし、他の実施形態では、コーティングは、例えば、Hydromer(登録商標)、またはHydak(登録商標)コーティングなど、任意の数の適切な親水性コーティングのうちの1つを含むことができる。ポリマー管または熱収縮層(シャフト12が熱収縮層を有する場合)に隣接することのできる滑らかなコーティングの目的は、シャフト12に、鋭いエッジのない滑らかで、滑りやすい表面を提供することであり、したがって、シャフトが、解剖学的構造内に挿入されたとき、容易に移動できるようにする。
【0034】
上記で簡単に述べたように、そして以下でより詳細に述べられるが、シース10は、シャフト12に取り付けられた、またはその他の形で一体化された1つまたは複数の電極14を含む。
図1で示されるように、電極14は、シャフト12の遠位端18に、またはその近くに配置することができ、またいくつかの間隔を空けた構成を有することができる。さらに、または代替的に、1つまたは複数の電極14は、遠位端18からさらに近位方向に配置することができる。以下でより詳細に述べるように、一実施形態では、シャフト12は偏向させることができる。このような実施形態では、電極14は、シャフト12の偏向可能部分および/または偏向不能部分に取り付けることができる。一実施形態では、電極14は、シャフト12の外面と同一高さであり、したがって、シャフト12の中にはめ込まれている。
【0035】
電極14は、任意の数のタイプの電極を備えることができ、また任意の数の目的に対して使用することができる。例えば、電極14は、付加的に製作された、またはその他の形で付着させた電極、磁気コイル、リング電極、チップ電極、またはそれらの組合せのうちの1つまたは複数のものを含むことができる。さらに電極14は、いくつかの目的に対して、または1つまたは複数の機能を実施するために使用することができる。例えば、電極14は、心臓のペーシング、心電計(ECG)信号の監視、電極14の、したがってシース10の場所/位置検出、マッピング、シース10の可視化、および同様の目的に使用することができる。さらに電極14の1つまたは複数のものは、例えば、プラチナもしくは別の高密度材料など、例えば、限定することなく、金属材料などの放射線不透過性材料から形成することができる。こうすることは、例えば、X線透視システムなどのX線ベースの可視化システムにより電極14の可視化を可能にする。
【0036】
シース10の別の実施形態では、1つまたは複数の導電体を備える可撓性のある回路が、外側層26内に配置される。可撓性のある回路46は、シャフト12の近位端16から遠位端18へと延びることができる。代替的に、可撓性のある回路は、近位端16から、電極が結合されるシャフト12上の点へと延びることができる。可撓性のある回路は、1つまたは複数の電極14と電気的な結合するように構成される。
【0037】
当業者であれば、小管腔がシャフト12の外側層内に配置されることに関する記述を除き、シャフト12の構造および構成に関する上記の記述は、シャフト12が、そこに配置される可撓性のある回路を含む実施形態に対しても同等の効力を与えることが理解されよう。
【0038】
一実施形態では、シース10は操作可能であり得る(すなわち、シャフト12の遠位端18を、シース10の長手方向軸22に対して1つまたは複数の方向に偏向させることができる)。一実施形態では、シース10の動きは、医師により手動で制御され、また動作させることができる。しかし別の実施形態では、シース10の動きは、例えば、限定することなく、ロボットベースのシステム、または磁気ベースのシステムなど、自動化されたガイドシステムにより、制御され、かつ動作させることできる。
【0039】
シース10が医師の制御用に構成された一実施形態では、シース10は操作機構を含む。操作機構など、1つの操作機構の詳細な記述は、2006年12月29日に出願された「Steerable Catheter Using Flat Pull Wires and Method of Making Same」と題する米国特許出願公開第2007/0299424号に記載されており、その開示を、全体的に参照により本明細書に組み込む。したがって、
図1および
図2を参照して、操作機構を簡単に説明するものとする。一実施形態では、操作機構は、ハンドル54と、シース10のシャフト12に配置されたプルリング56と、ハンドル54およびプルリング56の両方に結合され、かつシース10のシャフト12内に配置されたプルワイヤ58などの1つまたは複数の偏向要素とを備える。
【0040】
図1で示されるように、ハンドル54は、シャフト12に、その近位端16で結合される。一実施形態では、ハンドル54は、医師/臨床医がシース10を保持するための場所を提供し、かつ一実施形態では、特に、1つまたは複数の方向への、シャフト12の遠位端18の動き(すなわち、偏向)を生ずるように動作可能である。ハンドル54は、当技術分野で従来からのものであり、ハンドル54の構成は変わり得ることが理解されよう。
【0041】
一実施形態では、ハンドル54は、ハンドル54上、またはその近傍に配置された作動器60であって、操作機構のプルワイヤ58に結合された作動器60を含む。作動器60は、選択的に操作されて、遠位端18を1つまたは複数の方向に偏向させるように構成される。より具体的には、作動器60を操作することにより、プルワイヤ58を、押すまたは引っ張るようにし(プルワイヤの長さが増加または減少する)、それにより、プルリング56の、したがって、シャフト12の動きを生ずる。作動器60は、当技術分野で知られたいくつかの形態をとることができる。例えば、作動器60は、一方に回転させたとき、シース10、および特にそのシャフト12を一方向に偏向させ、また他方に回転させたとき、別の方向に偏向させる
図1で示された回転可能な作動器を備えることができる。さらに作動器60は、シャフト12が偏向できる程度を制御することができる。例えば、作動器60は、シャフト12を偏向させて、シャフトの柔らかな曲線を生成させることができる。さらに、または代替的に、作動器60は、シャフト12を偏向させて、よりきつい曲線を生ずるようにすることができる(例えば、シャフト12の遠位端18が、シャフト軸22に対して180度偏向する)。回転可能な作動器だけが本明細書で詳細に述べられているが、作動器60は、シース、または他の医療用デバイスの遠位部分の動きを生ずる当技術分野で知られた任意の形態をとり得ることが理解されよう。
【0042】
作動器60は、操作機構のプルワイヤ58に結合される。一実施形態では、プルワイヤ58は、シャフト12の外側層26内に位置する。より具体的には、プルワイヤ58は、外側層における小管腔38
1、38
2内に配置され、かつハンドル54からプルリング56まで延びるように構成される(
図3で最もよく示されている)。一実施形態では、プルワイヤ58は、長方形の横断面を有する。しかし、他の実施形態では、プルワイヤ58は、例えば、限定することなく、丸い、または円形の横断面形状など、長方形以外の横断面形状を有することができる。
【0043】
操作機構は、いくつかの異なるプルワイヤ構成を備えることができる。例えば、操作機構は、4本のプルワイヤ58を含むことができる。その実施形態では、プルワイヤ58は、互いに90度離れて配置される。別の実施形態では、操作機構は、2本のプルワイヤ58を備える。このような実施形態では、プルワイヤ58は、互いに180度離れて配置される。
【0044】
プルワイヤ58は、第1の端部で作動器60に、また第2の端部でプルリング56に結合される。
図3は、切り欠いたプルリング56を囲む外側層26を有するシャフト12の一部の図である。
図3で示されるように、プルリング56は、シャフト12に、その遠位端18で、またはその近くで固定される。プルリング56が固定される一手段は、2006年12月29日に出願された「Steerable Catheter Using Flat Pull Wires and Method of Making Same」と題する米国特許出願公開第2007/0199424号に記述されており、その開示全体を、上記で参照により組み込まれている。したがって、プルワイヤ58が引っ張られる、かつ/または押されると、プルワイヤ58はプルリング56を引く、および押し、それにより、シャフト12を動かす(例えば、偏向させる)。したがって、医師は、作動器60を操作して、シャフト12の遠位端18を一定方向に動かす。作動器60が、適切なプルワイヤ58を引っ張る、かつ/または押すと、プルリング56が、したがって、シャフト12が指示されたように動く。
【0045】
上記で簡単に述べたように、別の実施形態では、シース10は、手動制御用に構成されるのではなく、自動化されたガイドシステムにより制御される。一実施形態では、自動化されたガイドシステムは、ロボットシステムである。このような実施形態では、シース10は、ロボットシステムと結合され、かつロボットシステムと協調し、かつその制御下で動作して、シャフト12の遠位端18の動きを生ずる操作機構を含む。ロボットシステムが、それにより医療用デバイスの動きを制御する装置/構成の詳細な記述は、2009年3月27日に出願された「Robotic Catheter System with Dynamic Response」と題するPCT特許出願第PCT/2009/038597号(国際公開第WO/2009/120982号)、および2008年12月31日に出願された「Robotic Catheter System」と題する米国特許出願公開第2009/0247993号に記載されており、その開示を、全体的に、参照により本明細書に組み込む。このような実施形態では、制御デバイスは制御装置により制御され、それは、次いで、完全に自動化され、かつ/またはシース10の駆動もしくは操作に関するユーザ入力に応じることができる。
【0046】
自動化されたシース制御システムの説明は、1つの特定のロボットシステムに関するものであったが、他の自動化されたガイドシステム、および他のタイプのロボットシステムを使用することもできる。したがって、ロボットシステム以外の自動化されたガイドシステム、および上記で特に述べたもの以外のロボットベースの自動化されたガイドシステムは、依然として本開示の趣旨および範囲に含まれる。
【0047】
図4は、本開示によるシース110の別の実施形態の側面図を示す。シース110は、シース本体120、遠位端114、第1の電極124、第2の電極126、遠位先端118、および吸引孔122を備える。第1の電極124および第2の電極126は、シース本体120に結合することができる。別の実施形態では、第1の電極124および第2の電極126は、シース本体120に一体化することができる。この実施形態では、第1の電極124および第2の電極126は、本明細書で述べられるように、シース本体120内に一体化することができる。シース本体120は、本出願を通して述べられるように、共にリフローされ得る、またはその他の形で互いに結合され得る複数の層を備えることができる。シース本体120の最も外側の層は、材料に組み込まれた、または材料の上部に印刷された電気的トレースを有する材料を備えることができる。材料は、次いで、シース110に結合される、またはリフローされ得る。シース110は、直線部分112、および湾曲した部分116をさらに備えることができる。第1の電極124は、シース110の直線部分112上に、かつ湾曲した部分116および第2の電極126の近位に配置することができる。第2の電極126は、遠位先端118に隣接して、かつ吸引孔122の近位に配置することができる。吸引孔122は、シース本体120の外面から、シース本体120の内面まで延びる貫通孔を備えることができる。シース本体120の内面は、シース110の遠位先端118から、シース110の近位端まで延びる管腔を画定することができる。吸引孔122は、第2の医療用デバイスが、シースの管腔を通って移動しているとき、またはその遠位端から延びているとき、流体をシースの管腔からシースの外側部分へと移動させることができる。
【0048】
図5Aは、本明細書で述べるシース210の一実施形態の等角図を示す。シース210は、シース本体214、遠位端部分212、および吸引孔216を備えることができる。シース本体214は、上記で論じたように、内側層および外側層を備えることができる。外側層は、トレーシングサポート218を備えることができる。トレーシングサポート218は、ベース材料220、複数の電極部位224、複数の間隙222、および複数の導電体(図示せず)を備えることができる。ベース材料220は、電気的なトレース、フォトエッチング、またはベース材料に導電性材料を加える付加製造工程を受け入れることのできる材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ベース材料220は、リフローされ得る材料、またはリフロー可能な材料をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ベース材料220は、ポリウレタン、Pebax、ナイロンブレンド、液晶ポリマー、ポリアミド、またはリフロー可能もしくはリフローされ得るものとして当業者には知られているはずの他の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、ベース材料にポリアミドを使用することは、ポリアミドの剛性が製作コストおよび困難さを高める可能性があるので除外され得る。ベース材料が平坦である間に、複数の電極および複数の導体をベース材料に加えることができるが、そうではない場合、シースの最終的な構成においてそれらは見られなくなる。いくつかの実施形態では、複数の導体のそれぞれは、個々の導体に結合することができる。複数の導体のそれぞれは、次いで、導体が結合される電極からシースの近位端へと近位方向に延びることができる。他の実施形態では、複数の導体のそれぞれは、トレーシングサポートに沿った近位方向に延びることができ、かつそれぞれが、シースに沿ったより近位の場所において、別個の導体に結合することができる。いくつかの実施形態では、複数の電極および複数の導体が、上記で述べた工程の1つを介して、トレーシングサポートに付加された後、材料の付加された層が、複数の導体の上部に加えられて、トレーシングサポートの外側の材料もしくは物質との干渉もしくは他の相互作用を受けないように導体を封止する、または阻止することができる。別の実施形態では、材料のさらなる層はまた、複数の電極部位の外側部分を覆うこともできる。
【0049】
導電材料がベース材料に加えられた後、トレーシングサポート218は、シースの外側上に、かつその周囲に巻いて配置され得る。トレーシングサポート218は、次いで、シースの外側に結合することができる。トレーシングサポート218は、接着剤により結合することができる、またはトレーシングサポートは、シース上でリフローされ得る。トレーシングサポートをシースに結合するために接着剤が使用される実施形態では、接着剤は、シアノアクリレート、エポキシ、または当業者には知られているはずの他の接着剤を含むことができる。一実施形態では、トレーシングサポートは、シースの外側円周を全体的に囲むことができる。他の実施形態では、トレーシングサポートは、シースの一部だけを囲むことができる。
図4で示されるように、トレーシングサポートは、シースの外側円周の一部を覆うことができ、次いで、リフロー処理を介してシースと一体化される、またはその他の形で、混合され得る。トレーシングサポートをシース上にリフローすることにより、シースは、概して円形の外周を備え、かつシースの別の部品もしくは部分を連結することから通常であれば存在するおそれのあるエッジ部を除去することができる。一実施形態では、導電体は、直線もしくはほぼ直線に沿ってわずかに間隔が空けられ、かつトレーシングサポートの下方に延びることができる。この実施形態では、トレーシングサポートをシースに結合するとき、複数の電極部位からトレーシングサポートの近位端へと延びる導体は、歪みを最小化するために、偏向の中心線に沿って配置することができる。このことは、シースが2つの異なる方向に偏向できる実施形態において、導体は、偏向面の中間で延びる、または偏向面から最も離れた点で延びることができる。一実施形態では、導体は、偏向面から、シースの外側面に沿って90度に配置することができる。他の実施形態では、それらは、偏向の平面から離れた他の部分に配置することができる。示された実施形態では、複数の間隙222が、トレーシングサポートの可撓性を可能にするために、かつ/またはシース210に加える材料の量を減らすように構成され得る。示された実施形態では、複数の間隙222の1つは、複数の電極のそれぞれの間に配置される。他の実施形態では、間隙は、いくつかの電極の間にだけ、または他のものよりも大きな動きを受けるシースの部分において存在することができる。一実施形態では、複数の間隙は、シースを偏向させたとき、偏向するシースの部分上に配置される電極の間に配置することができる。他の実施形態では、複数の間隙は、シースを偏向させたとき、偏向しないシースの部分上に配置される電極の間に配置することができる。さらに他の実施形態では、複数の間隙を、トレーシングサポートから除くことができる。この実施形態では、トレーシングサポートは、遠位端から近位端まで連続することができ、本明細書で述べる間隙は含まれない。
【0050】
一実施形態では、導体は、トレーシングサポートの外側に面する部分上に印刷することができる。トレーシングサポートをシース上でリフローさせたとき、導体は、トレーシングサポートの内側部分の中へと一体化され得る。別の実施形態では、導体は、トレーシングサポートの外側に面する部分上に印刷することができ、また材料の別の層を、トレーシングサポート上に追加することができる。シースがリフロー処理を介して配置されたとき、追加された層は、トレーシングサポートおよび下にあるシースの層と一体化して、導体を覆って保護することができる。この工程は、シース内に導体を埋め込む、またはその他の形で混合することができる。別の実施形態では、導体は、トレーシングサポートの内側に面する部分上に印刷することができる。トレーシングサポートをシース上でリフローさせたとき、導体は、トレーシングサポートの内側部分の中に一体化され得る。この実施形態では、トレーシングサポートは、導体が配置される内側に面する部分から、本明細書で述べる少なくとも1つの電極が配置され得る外側に面する部分まで通過できる導体の一部をさらに備えることができる。内側部分から外側部分へと導体の一部を延ばすことにより、少なくとも1つの電極が、導体に電気的に結合され得る。
【0051】
別の実施形態では、少なくとも1つの電極から、シースのより近位部分へと延びる導体が、シースの外周の周りに、渦巻きもしくは螺旋状のパターンで配置され得る。この実施形態では、トレーシングサポートは、シースに結合される前に、シースの外側部分に巻かれて構成されるように製作することができる。導体が渦巻きまたは螺旋状パターンで巻かれたとき、導体に対する歪みは、シースの長手方向軸に沿ったほぼ直線に延びる導体と比較したとき、導体に対する歪みは低減または最小化され得る。一実施形態では、トレーシングサポートは、それ自体に結合されて、シースの上に配置されるような寸法であり、かつそのように構成された中空の管を形成することができる。トレーシングサポートは、次いで、シースの近位端および遠位端でリフローされ得る。トレーシングサポートをシースの近位端および遠位端でリフローすることにより、トレーシングサポートは、シースの遠位端と近位端の中間で浮いた状態になり得る。近位端および遠位端におけるトレーシングサポートの部分をリフローさせることにより、これらのリフローされた部分の中間における浮いた部分は、導体に対する歪みを低減させ、かつ耐久性を向上させることができる。別の実施形態では、トレーシングサポートを、シースの遠位端上でリフローさせることができ、またリフローされた部分の近位のトレーシングサポートは、浮いた状態になり得る。さらに別の実施形態では、トレーシングサポートの遠位端、近位端、および中央部分を、シース上でリフローさせることができる。一実施形態では、導体は、狭い間隔でシースの外周の周りに巻くことができる。他の実施形態では、導体は、広い間隔でシースの外周の周りに巻くことができる。導体の間隔は、シースの材料および幾何形状により、決定することができ、また特定の材料および幾何形状に対して曲げ歪みを処理できる間隔で円周の周りに巻かれるように構成することができる。
【0052】
図5Bは、トレーシングサポートが、シース上に巻かれてリフローされた後の
図5Aのシースを示す。シース240は、シース本体244と、複数の電極部位254とを備えることができる。
図5Bで分かるように、トレーシングサポートは、いまや完全にシースに一体化され、結合されている。
【0053】
図6は、本明細書で述べるシース310の別の実施形態の等角図を示す。シース310は、シース本体314、遠位端部分312、吸引孔316、およびトレーシングサポート318を備えることができる。トレーシングサポート318は、ベース材料320、複数の電極部位324、複数の間隙322、少なくとも1つの延長された間隙326、および複数の導体(図示せず)を備えることができる。前述のように、ベース材料320は、電気的なトレース、フォトエッチング、またはベース材料に導電性材料を加えるための付加製造工程を受け入れることのできる材料を含むことができる。
図6のトレーシングサポートは、少なくとも1つの延長された間隙326をさらに備える。少なくとも1つの延長された間隙326は、複数の電極324の近位に配置することができる。示された実施形態は、単一の延長された間隙を示しているが、さらなる延長された間隙を、示されたものの近位に配置することができる。少なくとも1つの延長された間隙326は、トレーシングサポートに可撓性を持たせるようにし、かつ/またはシース310に加えられた材料の量を低減するために使用することができる。さらに、トレーシングサポートに可撓性を持たせることができ、かつ/またはシースに加えられた材料の量を低減するために、本明細書で述べられる他の方法を使用することができる。
【0054】
図7および
図8は、上記で述べたシース410の別の実施形態の側面図を示している。
図7のシース410は、偏向された状態で示されている。
図8のシース410は、偏向されていない状態で示されている。シース410は、シース本体414、遠位部分412、偏向可能な部分420、吸引孔416、第1の電極422、第2の電極424、第3の電極426、および導体部分418を備えることができる。第1の電極422、第2の電極424、および第3の電極426は、シース410の長手方向軸に沿って分離することができる。示された実施形態における第1の電極422、第2の電極424、および第3の電極426は、スポット電極を備えることができる。他の実施形態では、シースは、1つの電極、2つの電極、または他の量の電極を備えることができる。さらに他の実施形態では、シース上に配置される1つまたは複数の電極は、シースの外周の周りで延びるリング電極を備えることができる。別の実施形態では、リング電極は、シースの外側部分に露出された導体の一部に結合することができる。リング電極は、当業者には知られているはずの構成を備えることができ、リングが導体に電気的に結合されるように、かしめる、接着剤で固定する、またはその他の形でシースに結合することができる。さらに他の実施形態では、1つまたは複数の電極は、シースの外周の一部の周りで延びる電極を備えることができる、または
図7および
図8で示されたものとは異なる形状および寸法のスポット電極を備えることができる。さらに別の実施形態では、電極は、シャフトの外周の周りに巻き付き、それに結合され得るタブを備えることができる。様々な実施形態では、タブは、シースの外側の円周全体、またはその部分的な円周の周りで延びるように構成することができる。タブは、ベース層に付加的に加えられた導電材料を含むことができる。トレーシングサポートに関して上記で論じたものと同様の工程を使用することができる。示された実施形態は、医療用デバイスに沿って、均等に間隔を空けた電極を示しているが、他の実施形態では、電極は、中立面から様々な長さおよび方向で配置され得る。電極を様々な長さおよび方向で配置することにより、空間における分離された特有の3D位置が達成され、撮像システムに可視化を投影するための医療用デバイスの中心線を決定することができる。
【0055】
シース410の導体部分418は、上記で論じたベース材料と、複数の導体とを備えることができる。複数の導体は、シースの電極を、シースの近位端において、コネクタまたは他のデバイスに電気的に接続することができる。示された実施形態では、導体部分は、第1の電極に電気的に結合される第1の導体と、第2の電極に電気的に結合される第2の導体と、第3の電極に電気的に結合される第3の導体とを備えることができる。複数の導体は、次いで、シースの中立軸に沿って、より近位の位置へと延びることができる。シースの中立軸は、プルワイヤから、円周周りに各方向にほぼ同じ距離であるシースの外周に沿った位置を含むことできる。一実施形態では、複数の導体が、シースの近位端へと延びることができる。別の実施形態では、複数の導体は、シースのより近位位置へと延びることができ、また導体のそれぞれは、次いで、シースの近位端へと延びる、またはシースの近位端に結合された作動器の近位端へと延びることのできる別の導電体に結合することができる。
【0056】
図9Aは、本明細書で述べるトレーシングサポート510の別の実施形態の等角図を示す。トレーシングサポート510は、複数の電極部位522と、導体部分524とを備えることができる。本明細書で述べるように、トレーシングサポートは、可撓性のある材料を含むことができる。トレーシングサポート510は、本明細書で述べるように、シースの周りに巻いてリフローさせることができる。
図9Bは、シース上に巻かれて、リフローされた後の
図9Aのトレーシングサポートの等角図を示す。シース500は、シース本体514、およびトレーシングサポート510を備えることができる。トレーシングサポートは、複数の電極部位522および導体部分524を備えることができる。上記で述べたように、示された実施形態では、複数の電極部位522のそれぞれは、シース本体514の外側周りに巻き付いてリング電極を形成する。
【0057】
図10Aは、本明細書で述べるトレーシングサポート610の別の実施形態の等角図を示す。トレーシングサポート610は、複数の電極部位622導体部分624を備えることができる。本明細書で述べるように、トレーシングサポートは、可撓性のある材料を含むことができる。トレーシングサポート610は、本明細書で述べるように、シースの周りに巻かれて、リフローさせることができる。示された実施形態では、複数の電極部位622のそれぞれは、トレーシングサポート610の長手方向軸620の同じ側に配置される。複数の電極部位を、長手方向軸の同じ側に配置することにより、電極部位のそれぞれは、シース上に巻かれて、リフローさせたとき、電極の連続的な線を形成することができる。他の実施形態では、複数の電極部位は、異なる構成で配置することができる。一実施形態では、複数の電極は、トレーシングサポートの長手方向軸の側面を交互に変えることができる。別の実施形態では、複数の電極の1つは、長手方向軸の反対側に配置することができる。さらに別の実施形態では、複数の電極部位のそれぞれは、長手方向軸の同じ側に配置できるが、電極部位のそれぞれを、導体部分の主部分に結合する様々な長さの導体部分を備えることができる。その結果、複数の電極部位のそれぞれの配置は、最終的な製作前に変えることができ、また決定することができる。
図10Bは、シース上に巻かれて、リフローされた後の、
図10Aのトレーシングサポートの等角図を示す。シース600は、シース本体614およびトレーシングサポート610を備えることができる。トレーシングサポートは、複数の電極部位622および導体部分624を備えることができる。上記で述べたように、複数の電極部位のそれぞれは、シースの連続的な線、または平面に沿って配置することができる。
【0058】
上記の記述は、偏向可能なシースを記述することに焦点を当てているが、本明細書で述べられる構成要素はまた、固定の湾曲した導入器、固定の湾曲したカテーテル、偏向可能なカテーテル、および他の医療用デバイスで利用することもできる。これらのデバイスは、少なくとも1つの電極を備えることができる。いくつかの実施形態では、これらのデバイスは、10個の電極、20個の電極、または診断もしくは治療目的に対して使用されるさらに多くのものを備えることができる。
【0059】
さらに、本開示を実施できる少なくともいくつかの方法の理解を容易にするために、ある程度具体的に、いくつかの実施形態を上記で述べてきているが、当業者であれば、本開示の範囲および添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、開示された諸実施形態に対して数多くの改変を行うことも可能である。上記の記述に含まれる、または添付図面で示されるすべての事項は、例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと解釈すべきであるように意図される。したがって、本明細書の例および実施形態は、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。細部または構造の変更は、本教示から逸脱することなく行うことができる。前述の記述および以下の特許請求の範囲は、すべてのこのような修正および変形を包含するように意図される。
【0060】
様々な装置、システム、および方法に関する様々な実施形態が本明細書で述べられる。本明細書で述べられた、また添付図面で示された実施形態の全体的な構造、機能、製作、および使用の十分な理解を提供するために、数多くの特有の細部が記載されている。しかし、当業者であれば、諸実施形態は、このような特有の細部なしに実施され得ることが理解されよう。他の例では、よく知られた動作、構成要素、および要素は、本明細書で述べられる実施形態を曖昧にしないために、詳細には述べていない可能性がある。当業者であれば、本明細書で述べられ、かつ示された実施形態は非限定的な例であり、したがって、本明細書で開示された特有の構造的、かつ機能的な細部は、代表的なものであって、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではないことが理解されるはずであり、その範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されよう。
【0061】
本開示で使用される場合、用語「含む(including)」、「備える/含む(comprising)」、およびその変形形態は、その他の形で明示的に指定されない限り、「含むが、それだけに限らない」ことを意味する。本開示で使用する場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その」という用語は、その他の形で明示的に指定されない限り、「1つまたは複数の」を意味する。
【0062】
本明細書を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「実施形態」、または同様のものへの参照は、その実施形態に関して述べられた特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通した場所で、「様々な実施形態で」、「いくつかの実施形態で」、「一実施形態で」、「実施形態で」または同様のフレーズの出現は、必ずしもすべて同じ実施形態を参照するものではない。さらに特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。したがって、1つの実施形態に関して示された、または述べられた特定の特徴、構造、または特性は、限定することなく、1つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造、または特性と、全体的に、または部分的に組み合わせることができる。
【0063】
プロセスステップ、方法ステップ、アルゴリズム、または同様のものは、一連の順序で述べることができるが、このようなプロセス、方法、およびアルゴリズムは、代替の順序で動作するように構成することができる。言い換えると、記述され得るステップのいずれのシーケンスもしくは順序も、必ずしもステップがその順序で実施すべきであるという要件を示していない。本明細書で述べられるプロセス、方法、およびアルゴリズムのステップは、実際的な任意の順序で実施することができる。さらにいくつかのステップは、同時に実施することもできる。
【0064】
本明細書で、単一のデバイスまたは製品が述べられるとき、単一のデバイスまたは製品に代えて、複数のデバイスまたは製品を使用できることが容易に明らかになろう。同様に、本明細書で複数のデバイスまたは製品が述べられる場合、複数のデバイスまたは製品に代えて、単一のデバイスまたは製品を使用できることが容易に明らかになろう。デバイスの機能または特徴は、代替的に、このような機能または特徴を有するものとして明示的に述べられていない1つまたは複数の他のデバイスにより実施することができる。
【0065】
「近位の」、および「遠位の」という用語は、臨床医が、患者を治療するために使用される器具の一端を操作することに関連して、本明細書を通して使用できることが理解されよう。「近位の」という用語は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、また「遠位の」という用語は、臨床医から最も遠くに位置する部分を指す。しかし、外科的な器具は、多くの方向および位置で使用することができ、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであるようには意図されていない。他のすべての方向的、または空間的な参照(例えば、上側、下側、上方向、下方向、左、右、左側、右側、上部、底部、上、下、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)は、本開示の読者の理解を助けるための識別目的のためだけに使用され、特に本開示の位置、方向、または使用に関して限定を生成するものではない。結合参照(例えば、取り付けられる、結合される、接続される、および同様のものなど)は、広く解釈されるべきであり、かつ要素間の接続の中間部材を含み、また要素間の相対的な動きを含むことができる。したがって、結合参照は、必ずしも、2つの要素が直接的に、かつ互いに固定された関係で接続されることを示唆するものではない。
【0066】
本明細書に参照により組み込まれると述べられたいずれの特許、出版物、または他の開示資料は、全体的に、または部分的に、組み込まれた資料が、既存の定義、陳述、本開示に記載された他の開示資料と矛盾しない程度に限って本明細書に組み込まれる。したがって、必要な程度に応じて、本明細書に明示的に記載された本開示は、参照により本明細書に組み込まれたどの矛盾する資料にも取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込むと述べられているが、既存の定義、陳述、または本明細書の記載の他の開示資料と矛盾するいずれの資料、またはその一部も、組み込まれた資料と既存の開示資料との間で矛盾が何も生じない程度に組み込まれるに過ぎない。
【0067】
上記の論議および説明に基づいて、当業者であれば、本明細書で示され、かつ述べられた例示的な実施形態および適用に厳密に従うことなく、様々な修正および変更を、様々な実施形態に加え得ることが容易に理解されよう。このような修正は、特許請求の範囲に記載された諸態様を含む本開示の様々な態様の真の趣旨および範囲から逸脱することはない。
以下は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
[項目1]
シース本体であって、内壁、外壁、および前記シース本体を通り長手方向軸に沿って延びる中心の主管腔を備え、前記中心の主管腔は、前記内壁により画定される、前記シース本体と、
前記シース本体を通って延びる少なくとも1つの外側管腔であって、前記内壁と前記外壁の間に配置される、前記少なくとも1つの外側管腔と、
前記シース本体の遠位部分に結合される少なくとも1つの電極と、
少なくとも1つの電気的トレースであって、前記少なくとも1つの電極のそれぞれが少なくとも1つの電気的トレースに結合され、また前記電気的トレースが、前記内壁と前記外壁の間に配置される、前記少なくとも1つの電気的トレースと、
前記シース本体を通って延びる少なくとも1つの偏向要素と、
前記シース本体の近位端に結合される作動器であって、前記少なくとも1つの偏向部材にさらに結合され、かつカテーテル導入器の遠位端を偏向させることのできる、前記作動器と、
を備える、医療用デバイス。
[項目2]
前記シース本体は、内側ライナおよび外側層をさらに備える、項目1に記載の医療用デバイス。
[項目3]
前記少なくとも1つの電気的トレースは、前記外側層の内側部分内に配置される、項目2に記載の医療用デバイス。
[項目4]
前記シース本体は、網組みワイヤアセンブリをさらに備える、項目1に記載の医療用デバイス。
[項目5]
前記網組みワイヤアセンブリは、長方形の横断面を備える、項目4に記載の医療用デバイス。
[項目6]
前記外側管腔は、前記外面に結合される小さな中空の管を備える、項目1に記載の医療用デバイス。
[項目7]
前記電気的トレースは、前記シースの中立軸に配置される、項目1に記載の医療用デバイス。
[項目8]
前記少なくとも1つの電極は、スポット電極を備える、項目1に記載の医療用デバイス。
[項目9]
前記少なくとも1つの電極は、リング電極を備える、項目1に記載の医療用デバイス。
[項目10]
前記少なくとも1つの電極は、トレース材料を含む、項目1に記載の医療用デバイス。
[項目11]
前記シース本体は、液晶ポリマーを含む、項目1に記載の医療用デバイス。
[項目12]
シースであって、
内側ライナと、外側層と、少なくとも1つの絶縁チューブと、少なくとも1つのプルワイヤと、複数の電気的トレースと、を備え、
前記内側ライナは内壁を備え、また前記内壁は、前記シースを通り長手方向軸に沿って延びる中心の主管腔を画定し、
前記少なくとも1つの絶縁チューブは小管腔を画定し、前記少なくとも1つのプルワイヤは、前記小管腔内に配置され、また前記少なくとも1つの絶縁チューブは、前記内側ライナの外側壁に結合され、また、
前記シースの遠位部分に結合される複数の電極であって、そのそれぞれが、前記複数の電気的トレースの少なくとも1つに電気的に結合される、前記複数の電極、をさらに備え、
前記複数の電気的トレースは、前記外側層内に配置される、シース。
[項目13]
前記複数の電気的トレースは、前記シースの中立軸に配置される、項目12に記載のシース。
[項目14]
前記複数の電極は、複数のスポット電極を備える、項目12に記載のシース。
[項目15]
前記複数の電極は、複数のリング電極を備える、項目12に記載のシース。
[項目16]
前記複数の電極は、トレース材料を含む、項目12に記載のシース。
[項目17]
前記シースは、リフロー可能な材料を含む、項目12に記載のシース。
[項目18]
前記リフロー可能な材料は、液晶ポリマーを含む、項目12に記載のシース。
[項目19]
前記外側層内に配置された網組みワイヤアセンブリをさらに備える、項目12に記載のシース。
[項目20]
前記複数の電気的トレースは、前記網組みワイヤアセンブリと、前記外側層の外壁との間に配置される、項目19に記載のシース。