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特許7329501曲面ディスプレイデバイスの組み立て方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】曲面ディスプレイデバイスの組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20230810BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20230810BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230810BHJP
   G09F 9/35 20060101ALI20230810BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
G02F1/1333
G02F1/13357
G09F9/30 308Z
G09F9/35
G09F9/00 342
G09F9/00 350Z
G09F9/00 366A
G09F9/00 313
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020513738
(86)(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 EP2018073817
(87)【国際公開番号】W WO2019048452
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】1714297.7
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】523163255
【氏名又は名称】フレックスエネーブル テクノロジー リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100162765
【弁理士】
【氏名又は名称】宇佐美 綾
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ヘンリー リーブス
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0324045(US,A1)
【文献】特開2008-309813(JP,A)
【文献】特開2013-134808(JP,A)
【文献】国際公開第2015/133346(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/13357
G02F 1/15-1/19
G09F 9/30
G09F 9/35
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイデバイスを強制的に曲げて前記ディスプレイデバイスの凹状内側表面を曲面物体の凸状外側表面に適合させることを含み、
前記曲面物体の前記凸状外側表面が、前記ディスプレイデバイスの前記凹状内側表面よりも小さい曲率半径を有し、
前記曲面物体が、前記凸状外側表面から前記曲面物体の内側まで延在する貫通孔を備え、
前記ディスプレイデバイスを強制的に曲げて前記ディスプレイデバイスの前記凹状内側表面を前記曲面物体の前記凸状外側表面に適合させることが、前記ディスプレイデバイスのコネクタを前記貫通孔に通し、その後、前記貫通孔の領域に機械的支持を提供した後に行われ、
前記ディスプレイデバイスが、前記ディスプレイデバイスの平坦なコンポーネントを強制的に曲げて順番に曲表面に積層することを含む方法によって成形される、方法。
【請求項2】
前記ディスプレイデバイスが、
第1のコンポーネントを強制的に曲げて、曲面コンポーネントの曲表面に適合させることと、
強制的に曲げられた構成の前記第1のコンポーネントを、前記曲面コンポーネントの前記曲表面に接着させて、前記ディスプレイデバイスの第2のコンポーネントを強制的に曲げて、前記第1のコンポーネントの外側表面に適合させることと、強制的に曲げられた構成の前記第2のコンポーネントを、前記第1のコンポーネントに接着させることと、を含む方法によって成形され、
前記第1および第2のコンポーネントが各々、タッチセンサコンポーネントまたはタッチセンサコンポーネントのコンポーネントフィルム、液晶セルで使用するための一対の直交偏光シートのうちの1つ以上、2つの含有フィルムの間に含まれる液晶材料を含む液晶セル、1つ以上のカプセル化フィルム、1つ以上の拡散シート、液晶セルで使用するためのバックライトコンポーネント、発光ダイオードユニット、および発光ダイオードユニットで使用するための円形偏光子コンポーネントまたはそのコンポーネントフィルム、のうちの1つまたは2つ以上のそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記曲面コンポーネントが凹状表面を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記曲面コンポーネントが凸状表面を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記曲面コンポーネントが、1つ以上の凹状部分と1つ以上の凸状部分との組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のコンポーネントを前記曲面コンポーネントの前記曲表面に強制的に曲げることが、前記第1のコンポーネントの増加する遠位部分を、前記曲面コンポーネントの増加する遠位部分に連続的に曲げることを含む、請求項2~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1のコンポーネントの増加する遠位部分を、前記曲面コンポーネントの増加する遠位部分に連続的に曲げることが、前記第1のコンポーネントの前記増加する遠位部分と前記曲面コンポーネントの前記増加する遠位部分とを、前記曲面コンポーネントの前記増加する遠位部分のそれぞれの局所法線に平行な方向に、連続的に一緒に押し付けることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記曲面物体が円筒形コンポーネントであり、前記ディスプレイデバイスが、前記曲面物体の周りに実質的に360度延在するように、前記曲面物体に積層される、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記曲面コンポーネントが、比較的剛性の一時的キャリアの曲表面上に支持された比較的可撓性のウィンドウ/カバーコンポーネントを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記ディスプレイデバイスが、
第1の偏光子コンポーネントを強制的に曲げて、前記曲面コンポーネントの前記曲表面に適合させ、かつ前記強制的に曲げられた構成の前記第1の偏光子コンポーネントを、前記曲面コンポーネントの前記曲表面に接着させることと、
その後、液晶ディスプレイセルコンポーネントを強制的に曲げて、前記第1の偏光子コンポーネントの曲表面に適合させ、かつ前記強制的に曲げられた構成の前記液晶ディスプレイセルコンポーネントを、前記第1の偏光子コンポーネントの前記曲表面に接着させることと、
第2の偏光子コンポーネントを強制的に曲げて、前記液晶ディスプレイセルコンポーネントの曲表面に適合させ、かつ前記強制的に曲げられた構成の第2の偏光子コンポーネントを、前記液晶ディスプレイセルコンポーネントの前記曲表面に接着させることと、を含む、方法によって成形される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
ディスプレイデバイスを組み立てる方法であって、
第1のコンポーネントを強制的に曲げて、曲面コンポーネントの曲表面に適合させ、かつ強制的に曲げられた構成の前記第1のコンポーネントを、前記曲面コンポーネントの前記曲表面に接着させることを含み、
前記第1のコンポーネントを前記曲面コンポーネントの前記曲表面に強制的に曲げることが、前記第1のコンポーネントの増加する遠位部分と前記曲面コンポーネントのそれぞれの増加する遠位部分とを、前記曲面コンポーネントの前記増加する遠位部分のそれぞれの局所法線に平行な押し付け方向に、連続的に一緒に押し付けることを含み、
前記第1のコンポーネントの前記増加する遠位部分を前記曲面コンポーネントの前記増加する遠位部分に曲げることが、平面ベースの上で自由に回転させるために前記平面ベース上に前記曲面コンポーネントを載せること、及び、前記平面ベース上で前記曲面コンポーネントを回転させながら、前記第1のコンポーネントの前記増加する遠位部分と、前記曲面コンポーネントの前記増加する遠位部分とを連続的に一緒に押し付けることを含む、方法。
【請求項12】
前記曲面コンポーネントが、前記ディスプレイデバイスの外側の視認表面を成形する凸面を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記曲面コンポーネントがユーザーの指の押圧作用下で変形可能である、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
曲面ディスプレイは、様々な広い分野で関心が高まっている。
【背景技術】
【0002】
本出願の発明者は、曲面ディスプレイデバイスの製造に関して広範な研究を行ってきた。本出願の発明者は、いくつかの技術的問題を特定し、かつそれらの技術的問題の解決策を考案した。
【0003】
例えば、曲面ディスプレイデバイスを製造するための1つの技術は、ディスプレイデバイスのコンポーネント(液晶ディスプレイ(LCD)デバイスの場合、タッチセンサコンポーネント、2つの直交偏光子、および制御回路などを含むLCセル、または発光ダイオード(LED)デバイスの場合、タッチセンサコンポーネント、円形偏光子コンポーネント、および制御回路などを含む発光ユニットなど)を、自然に平坦な構成に一緒に積層することと、アセンブリ全体を強制的に曲げて、アセンブリ全体を曲面支持コンポーネントに積層することと、を含む。本出願の発明者は、自然に平坦なデバイスアセンブリを曲面支持コンポーネントに積層する際に、ディスプレイ面積の少なくともいくつかの領域での表示品質の潜在的な低下の問題を特定し、この問題の解決に取り組んだ。
【0004】
また、ディスプレイデバイスの外側表面での反射は、フラットディスプレイよりも曲面ディスプレイの視聴体験に大きな影響を与える可能性があり、本出願の発明者は、高度に指向性の照明条件で良好な表示品質を示す曲面ディスプレイデバイスの製造を容易にする製造技術の考案に取り組んだ。
【発明の概要】
【0005】
本明細書によって、ディスプレイデバイスを組み立てる方法であって、第1のコンポーネントを強制的に曲げて、曲面コンポーネントの曲表面に適合させることと、強制的に曲げられた構成の第1のコンポーネントを、曲面コンポーネントの曲表面に接着させて、次に、ディスプレイデバイスの第2のコンポーネントを強制的に曲げて、第1のコンポーネントの外側表面に適合させることと、強制的に曲げられた構成の第2のコンポーネントを、第1のコンポーネントに接着させることと、を含み、第1および第2のコンポーネントが各々、タッチセンサコンポーネントまたはタッチセンサコンポーネントのコンポーネントフィルム、液晶セルで使用するための一対の直交偏光シートのうちの1つ以上、2つの含有フィルムの間に含まれる液晶材料を含む液晶セル、1つ以上のカプセル化フィルム、1つ以上の拡散シート、液晶セルで使用するためのバックライトコンポーネント、発光ダイオードユニット、および発光ダイオードユニットで使用するための円形偏光子コンポーネントまたはそのコンポーネントフィルム、のうちの1つまたは2つ以上のそれらの組み合わせを含む、方法が提供される。
【0006】
一実施形態によれば、その曲表面は、凹状表面を含む。
【0007】
一実施形態によれば、その曲表面は、凸状表面を含む。
【0008】
一実施形態によれば、その曲表面は、1つ以上の凹状部分と1つ以上の凸状部分との組み合わせを含む。
【0009】
一実施形態によれば、その第1のコンポーネントをその曲面コンポーネントのその曲表面に強制的に曲げることは、その第1のコンポーネントの増加する遠位部分を、その曲面コンポーネントの増加する遠位部分に連続的に曲げることを含む。
【0010】
一実施形態によれば、その第1のコンポーネントの増加する遠位部分を、その曲面コンポーネントの増加する遠位部分に連続的に曲げることは、その第1のコンポーネントのその増加する遠位部分とその曲面コンポーネントのその増加する遠位部分とを、その曲面コンポーネントのその増加する遠位部分のそれぞれの局所法線に平行な方向に、連続的に一緒に押し付けることを含む。
【0011】
本明細書によってさらに、上記で説明されたようなディスプレイデバイスを組み立てて、次いで、そのディスプレイデバイスを強制的に曲げて、その第1の曲面コンポーネントよりも小さい曲率半径を有する第2の曲面コンポーネントの曲表面に適合させることを含む、方法が提供される。
【0012】
一実施形態によれば、第2の曲面コンポーネントは、円筒形コンポーネントであり、ディスプレイデバイスは、第2の曲面コンポーネントの周りに実質的に360度延在するように、第2の曲面コンポーネントに積層される。
【0013】
一実施形態によれば、その曲面コンポーネントは、比較的剛性の一時的キャリアの曲表面上に支持された比較的可撓性のウィンドウ/カバーコンポーネントを含む。
【0014】
一実施形態によれば、方法は、第1の偏光子コンポーネントを強制的に曲げて、曲面コンポーネントの曲表面に適合させ、かつ強制的に曲げられた構成の第1の偏光子シートを、曲面コンポーネントの曲表面に接着させることと、その後、液晶ディスプレイセルコンポーネントを強制的に曲げて、第1の偏光子コンポーネントの曲表面に適合させ、かつ強制的に曲げられた構成の液晶ディスプレイセルコンポーネントを、第1の偏光子コンポーネントの曲表面に接着させることと、第2の偏光子コンポーネントを強制的に曲げて、液晶ディスプレイセルコンポーネントの曲表面に適合させ、かつ強制的に曲げられた構成の第2の偏光子シートを、液晶ディスプレイセルコンポーネントの曲表面に接着させることと、を含む。
【0015】
本明細書によってさらに、ディスプレイデバイスを組み立てる方法であって、第1のコンポーネントを強制的に曲げて、曲面コンポーネントの曲表面に適合させ、かつ強制的に曲げられた構成の第1のコンポーネントを、曲面コンポーネントの曲表面に接着させることを含み、その第1のコンポーネントをその曲面コンポーネントのその曲表面に強制的に曲げることが、その第1のコンポーネントの増加する遠位部分とその曲面コンポーネントのそれぞれの増加する遠位部分とを、その曲面コンポーネントのその増加する遠位部分のそれぞれの局所法線に平行な押し付け方向に、連続的に一緒に押し付けることを含む、方法が提供される。
【0016】
本明細書によってさらに、曲面ディスプレイデバイスを製造する方法であって、外側コンポーネントを、平坦な構成での1つ以上の表面処理にかけることと、外側コンポーネントの自然構成を、曲面構成に変換することと、次に、1つ以上の他のディスプレイデバイスコンポーネントを、曲面構成の外側コンポーネントに積層することと、を含む、方法が提供される。
【0017】
一実施形態によれば、表面処理は、外側コンポーネントの表面に1つ以上のコーティングを適用すること、および/または外側コンポーネントの表面を印刷することを含む。
【0018】
一実施形態によれば、その変換することは、熱成形を含む。
【0019】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照しながら、単なる実施例として以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図1B】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図1C】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図1D】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図1E】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図1F】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図1G】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図1H】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図1I】本発明の実施形態による技術の実施例を示す。
図2図1の技術でコンポーネントを曲表面に積層するための技術の実施例を示す。
図3図1の技術の円筒形ディスプレイユニットの製造への適用を示す。
図4A】本発明の別の実施形態による技術の実施例を示す。
図4B】本発明の別の実施形態による技術の実施例を示す。
図4C】本発明の別の実施形態による技術の実施例を示す。
図4D】本発明の別の実施形態による技術の実施例を示す。
図4E】本発明の別の実施形態による技術の実施例を示す。
図4F】本発明の別の実施形態による技術の実施例を示す。
図5図4Fの製品の物体表面への適用を示す。
図6図4A図4Fの技術のための光変調器コンポーネントの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に詳細に説明する実施例は、LCDディスプレイデバイスの製造を含むが、同じ種類の技術が、発光コンポーネント(発光材料および制御回路を含む)および円形偏光子コンポーネントのうちの1つ以上を含む複数の個別コンポーネントを含み得る、LEDディスプレイデバイス(有機発光ダイオード(OLED)デバイスなど)、タッチセンサコンポーネント、ならびに1つ以上のカプセル化フィルムの製造に等しく適用可能である。
【0022】
以下に説明する例示的な技術は、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の凸面がディスプレイデバイスの外側の視認表面を成形する、ディスプレイデバイスの製造を含む。しかしながら、同じ種類の技術は、他の構成を有するディスプレイデバイスに等しく適用可能である。
【0023】
また、以下で説明する例示的な技術は、比較的単純な曲面構成(単一の曲率軸を有する)を有するディスプレイデバイスの製造を含むが、より詳細に後述するように、同じ種類の技術は、例えば、1つ以上の凹状部分と1つ以上の凸状部分との組み合わせを有する構成などの、より複雑な曲面構成を有するディスプレイデバイスの製造に等しく適用可能である。
【0024】
また、以下で説明する例示的な技術は、例示的な順序での複数のコンポーネントの実施例の構成を含むが、これらの技術は、他の順序での同じコンポーネントの構成(それらのそれぞれの機能が維持される範囲)、および/または1つ以上の付加的なコンポーネントの追加、および/または1つ以上のコンポーネントの省略/交換に等しく適用可能である。
【0025】
図1は、ウィンドウ/カバーコンポーネントへの順次積層のための一セットの個別のLCDコンポーネントの一実施例を示しているが、以下で説明するように、他の実施例は、タッチセンサモジュール、および/または例えば、水分の侵入に対するLCセルコンポーネントの敏感な部分を保護する1つ以上の個別のカプセル化層(図1の実施例ではLCセルコンポーネントの外側一体部分)などの、他の個々のコンポーネントの順次積層を含み得る。
【0026】
図1の実施例におけるウィンドウ/カバーコンポーネント2に順次適用される個別の可撓性のLCDコンポーネント6、8、10は各々、平坦な自然/静止構成で製造されており、ここで、コンポーネントの自然/静止構成は、コンポーネントが外力がない場合に採用される傾向がある構成、ならびに個別のLCDコンポーネントの各々を平坦な構成から曲げて、かつそれらの各々を曲げられた構成に保持するための外力を加える必要がある構成である。
【0027】
図1Aを参照すると、ウィンドウ/カバーコンポーネント2は、最初のその自然構成が平坦である透明プラスチックのシート(例えば、アクリルシート)を含み、すなわち、ウィンドウ/カバーコンポーネント2は、ウィンドウ/カバーコンポーネント2に外力が加えられない場合における、実質的に平坦な構成を採用する傾向がある。次に、ディスプレイデバイスの外側の視認表面を成形するウィンドウ/カバーコンポーネント2の表面は、例えば、1つ以上の傷耐性ハードコーティング、アンチグレアコーティングおよび反射防止コーティングなどの、1つ以上のコーティング(例えば、スプレーコーティング)を生成するための1つ以上の処理を受ける。特に、製品のディスプレイデバイスが非常に指向性の高い外部照明条件で使用されている場合、重いマットのアンチグレアコーティングは、ディスプレイの視認体験を大幅に向上することができる。ウィンドウ/カバーコンポーネント2はまた、例えば、表示面積の外側のディスプレイデバイスの内部構造体(例えば、ルーティングラインなど)を隠すために表示面積の外側に不透明な背面塗料を印刷することなど、平坦な構成にある1つ以上の領域に塗料で印刷され得る。ウィンドウ/カバーコンポーネント2が平坦な構成にある間にこれらの処理を実行すると、高品質のコーティングおよび/または正確な印刷の生成が容易になる。
【0028】
図1Bを参照すると、ウィンドウ/カバーコンポーネント2の静止(自然)構成は、その後、例えば、熱成形によって曲面構成に変更され、これは、プラスチックウィンドウ/カバーコンポーネント2を柔軟な成形温度に加熱することと、加熱されたコンポーネントを、例えば鋳型を使用して所望の形状に成形することと、を伴う。この実施例では、ウィンドウ/カバーコンポーネント2の厚さは、約0.3mm以下であり、これにより、ウィンドウ/カバーコンポーネント2の外側表面に傷耐性のハードコーティングが適用された後であっても、ウィンドウ/カバー部品2の熱成形が容易になる。
【0029】
曲面静止構成を有するプラスチックウィンドウ/カバーコンポーネント2を製造する技術の別の実施例は、例えば、以下に説明する積層エイド4を使用して、プラスチックフィルムサブコンポーネントの1つを応力のかかった曲面構成に曲げることによって、第1のプラスチックフィルムサブコンポーネント(例えば、ハードコート、平面アクリルシート)の1つの表面積を、第2のプラスチックフィルムサブコンポーネント(例えば、同じ厚さの別のハードコート平面アクリルシート)のより小さい表面積に結合することと、積層エイド4上のプラスチックフィルムサブコンポーネントの他のもう一方を原位置(in situ)で結合することと、を含む。この代替技術は、曲表面をコーティングする必要のない、硬質コーティングを有する曲面ウィンドウ/カバーコンポーネントの製造をなおもさらに容易にする。
【0030】
上述のように、ウィンドウ/カバーコンポーネント2の自然/静止構成は曲面構成であり、ウィンドウ/カバーコンポーネントは、外力がない場合、曲面構成を採用する傾向があり、言い換えれば、ウィンドウ/カバーコンポーネントを、その曲面構成から、例えば平面構成に曲げるためには、外力が必要になる。ウィンドウ/カバーコンポーネントがその曲面静止構成から強制的に曲げられたときに、ウィンドウ/カバーコンポーネントをその曲面静止構成に戻すように作用する内部応力が、ウィンドウ/カバーコンポーネント内に生成される。
【0031】
図1Cを参照すると、次に、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2は、積層エイド4が曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2を所望の曲面構成に保持するのに役立つように、剛性または半可撓性の積層エイド4の曲面内側表面(少なくともウィンドウ/カバーコンポーネント2より剛性である)を一時的に固定し(または、上述の代替技術の場合、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2を製造するために保持し)、LCDコンポーネントを曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に連続的に積層するプロセス中に、機械的な支持を提供する。ウィンドウ/カバーコンポーネント2がより厚くおよび/またはより構造的完全性を有し、積層プロセス中に加えられた外力に応じて所望の構成を保持するのに十分な弾性を有する代替例では、積層エイド4は省略され得る。
【0032】
次に、図1Dを参照すると、この実施例では、平坦な静止構成および約60ミクロンの全厚を有する第1の可撓性の偏光子シート6が、強制的に曲げられ、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の内側の凹面に積層される。図1Dに示すように、偏光子シート6は、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の全面積を占有しない場合がある。偏光子シート6が曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に積層されるとき、偏光子シート6に予め適用された感圧接着剤(図示せず)の層は、偏光子シート6を曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に固定する。
【0033】
次に、図1Eを参照すると、この実施例では、平坦な静止構成および約140ミクロンの全厚を有するLCセルコンポーネント8がまた、第1の偏光子シート6の凹面に強制的に曲げられて積層される。第1の偏光子シート6の凹面に予め適用された感圧接着剤(図示せず)の層は、LCセル8が第1の偏光子シート6に積層されるときに、LCセルコンポーネント8を第1の偏光子シート6に固定する。LCセルコンポーネント8は、(i)例えば、ピクセル電極の電位を制御するためのピクセル電極およびTFT回路を定義する層のスタックを支持する第1の可撓性の支持フィルムと、1つ以上のドライバーチップと、第2の可撓性の支持フィルムとの間に含まれる液晶材料の厚さを含む。2つの支持フィルム間のスペーサーは、ディスプレイ面積全体にわたって非常に均一な厚さのLC材料を促進し、スペーサーは、例えば、液晶材料を含む支持フィルムのうちの1つに形成されてもよい。ピクセル電極およびTFT回路を定義する層のスタックは、例えば、有機絶縁体、半導体層、および金属導体層を含むことができる。この実施例では、LCセル8コンポーネントはまた、LCセルの敏感な要素を外部環境からの水分の侵入から保護するための外側のカプセル化フィルム/層も含んでいるが、後述するように、水分の侵入に対する保護は、代替的に、カプセル化フィルムをLCセルに個別に積層することによって実現され得る。
【0034】
図1の実施例では、第1の偏光子シート6に積層した後のLCセルコンポーネント8の縁部は、第1の偏光子シート6の縁部と実質的に位置合わせされる。
【0035】
次に、図1Fを参照すると、この実施例では、平坦な静止構成および約60ミクロンの全厚を有する第2の偏光子シート10が、強制的に曲げられ、LCセルコンポーネント8の凹面に積層される。第2の偏光子シート10がLCセルコンポーネント8に積層されるとき、第2の偏光子シート10に予め適用された感圧接着剤(図示せず)の層は、第2の偏光子シート10をLCセルコンポーネント8に固定する。また、この実施例では、第2の偏光子シート10の縁部は、LCセルコンポーネント8の縁部と実質的に位置合わせされている。
【0036】
図1Gを参照すると、偏光子シート6、10およびLCセルコンポーネント8のスタックがウィンドウ/カバーコンポーネント2の全面積を占めないこの実施例では、偏光子シートおよびLCセルのスタックを正確に受容するための孔を定義するガスケットコンポーネント12は、ウィンドウ/カバーコンポーネント2のカバーされていない周辺面積に積層されて、ウィンドウ/カバーコンポーネント2の全面積にわたって実質的に均一な厚さを有するモノリシックユニットを作成する。
【0037】
図1Hを参照すると、比較的剛性の曲面形成体14は、平坦な構成で製造され、かつ1つ以上の縁部光源18および導光板コンポーネント16を含む、バックライトユニットを収容するように構成されている窪みを画定する。導光板コンポーネント16は、縁部光源18からの光を受け取り、受け取った光を導光コンポーネント16全体に方向付け、かつ光が光源18から導光コンポーネント16を横切って伝搬するのにつれて、導光板コンポーネント16の上側表面から伝搬された光の増加する大きな割合を放出する。したがって、導光板コンポーネント16は、導光板コンポーネント16の全面積にわたって実質的に均一な強度で、縁部光源12からの光を導光板コンポーネント16の上側表面から分配する。曲面形成体14は、その上側表面が、曲面形成体14に収容されたバックライトユニットの上側表面と実質的に同一平面になるように設計されている。平らな静止構成を有する拡散シート20は、バックライトユニットを収容する窪みの外側の縁部で、曲面形成体14の上側表面に強制的に曲げられて、かつ積層される。拡散シート20に適用された感圧接着剤(図示せず)は、拡散シート20が曲面形成体14に積層されるときに、拡散シート20を曲面形成体14に固定する。その光学機能に加えて、拡散シート20は、曲面形成体14の窪み内に曲面構成でバックライトユニットを保持するのにさらに役立つ。
【0038】
最後に、図1Iを参照すると、図1Gの積層ユニットが、積層エイド4から解放され、図1Hのユニット13に積層される。第2の偏光子シート10およびガスケット12および/または拡散シート20に適用された感圧接着剤(図示せず)は、図1Hのユニットに積層される際に図1Gの積層ユニットを、図1Hのユニット13に固定する。一変形例によれば、曲面ウィンドウ/カバーの縁部フレーム部分は、ガスケット12によって覆われずに残され、曲面形成体14の縁部フレーム部分は、拡散シートによって覆われずに残され、そして、ウィンドウ/カバーコンポーネント2のこれらの縁部フレーム部分と曲面形成体14とは、互いに直接的に接着結合されている。
【0039】
図1のこの実施例では、水分の侵入に対するLCセルの敏感な部分のカプセル化は、第1の偏光子シート6を介して曲面ウィンドウ/カバー2に積層されたLCセルコンポーネント8の一体の外側部分を形成するカプセル化フィルム/層によって達成される。しかしながら、1つの例示的な変形例によれば、カプセル化フィルムは、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に別個に積層される。例えば、積層シーケンスは、第1の平坦なカプセル化フィルムを、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の曲表面に曲げて積層することと、平坦な第1の偏光子シート6を、第1のカプセル化フィルムの曲表面に曲げて積層することと、平坦なLCセルコンポーネント8を、第1の偏光子シート6の曲表面に曲げて積層することと、平坦な第2の偏光子シート10を、LCセルコンポーネント8の曲表面に曲げて積層することと、平らな第2のカプセル化フィルムを、第2の偏光子シート10の曲表面に曲げて積層することと、からなるシーケンスを含んでもよい。この例示的な変形例では、2つの偏光シート6、10およびLCセルコンポーネント8のウィンドウ/カバーコンポーネント2への順次積層は、平坦な構成の2つの直交偏光シートおよびLCセルのアセンブリを含むLCディスプレイモジュールを製造すること、ならびに単一の積層動作で、LCディスプレイモジュールを曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に(第1のカプセル化フィルムを介して)強制的に曲げて積層することによって置き換えられ得る。
【0040】
別の例示的な変形例では、図1に示す積層シーケンスの前に、まず平坦なタッチセンサモジュールを強制的に曲げて、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に積層する。この例示的な変形例では、2つの偏光シート6、10およびLCセルコンポーネント8のウィンドウ/カバーコンポーネントへの順次積層は、平坦な構成の2つの直交偏光シートおよびLCセルのアセンブリを含むLCディスプレイモジュールを製造すること、ならびに単一の積層動作で、平坦なLCディスプレイモジュールを曲面タッチセンサコンポーネント(それ自体が曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に積層されている)に強制的に曲げて積層することによって置き換えられ得る。タッチセンサコンポーネントの曲面ウィンドウ/カバーコンポーネントへの積層には、それ自体としてタッチセンサコンポーネントの2つのコンポーネントフィルムの順次積層が含まれ得る。別の例示的な変形例は、(a)上述の代替技術に従って、2つの平面プラスチックフィルムサブコンポーネント(例えば、ハードコートされた平面アクリルシート)から曲面ウィンドウコンポーネントを製造することと、(b)少なくとも2つの平面プラスチックフィルムコンポーネントを準備することであって、その各々が平面静止構成で一緒に結合された2つ以上のプラスチックフィルムサブコンポーネントを含む、準備することをし、次に、少なくとも2つの平面プラスチックフィルムコンポーネントを、曲面ウィンドウコンポーネントに順次積層することと、を含む。例えば、2つの平面プラスチックフィルムコンポーネントのうちの一方は、2つの偏光子シートのうちの上部の1つ(ならびに例えば、接着剤フィルム、塗装ウィンドウフィルム、およびカプセル化フィルム)を構成し得、2つの平面プラスチックフィルムコンポーネントのうちの他方は、LCセルおよび2つの偏光シートの下部の1つ(および例えば、別のカプセル化フィルム)を構成し得る。
【0041】
平坦なディスプレイコンポーネントを強制的に曲げて順番に曲表面に積層することを含む上述の順次積層プロセスの後に、結果として生じる曲面ユニット全体を、より小さな曲率半径を有する別の曲表面に強制的に曲げて積層してもよい。例えば、図1Hのユニットの凸状外側表面は、図1Gの積層ユニットの凹状内側表面よりも小さい曲率半径を有し得、1つの例示的な技術は、図1Gの積層された曲面ユニットを全体として強制的に曲げて、図1Gの積層された曲面ユニットを図1Hのユニットに積層することを含む。技術のこの組み合わせ、すなわち、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の凹状表面へのディスプレイコンポーネントの連続的な強制屈曲-積層と、それに続く、より小さな曲率半径を有する凸状表面への結果として生じる積層されたアセンブリの強制屈曲-積層は、例えば、図3に示すように、円筒形の物体の周りを実質的に360度拡張するディスプレイなど、実質的に360度のディスプレイの製造を容易にし、ここで、ユニット13の形成体14は中空円筒であり、図1Gの積層されたユニットは、円筒ユニット13の周りに実質的に360度で積層されている。この技術の組み合わせは、真空積層技術を使用して、可撓性の積層アセンブリを製造する場合に特に有利な場合がある。
【0042】
図1の形成体14がディスプレイデバイスからシリンダーの内部へのコネクタのための貫通孔を備えた中空シリンダーを含む実施例では(例えば、シリンダーの内部に位置する駆動電子装置)、技術は、特に、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2が比較的薄く、構造的完全性が比較的小さく、ユーザの指の押圧作用下で著しく変形可能である実施例において、貫通孔の領域にいくつかの機械的支持(パディング)を提供して(コネクタを配置した後)、図1Gの曲面ユニットの積層により均一な機械的応答表面を提供すること(したがって、図1Gのユニットに適用されたいくつかの力をより均等に分散させること)を含み得る。
【0043】
積層シーケンスにおいて先行する個別のコンポーネントの凹状表面に適合するための各個別のコンポーネントの強制的な曲げは、例えば、図2に示される種類の真空成形積層技術またはローラー積層技術によって実行されてもよい。図2は、第1の個別のコンポーネントAを曲面支持体Bの表面に強制的に曲げて積層する実施例についてのローラー積層技術を示している。
【0044】
曲面支持コンポーネントB(例えば、図1の積層されたエイド4および曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の組み合わせを含んでもよい)は、平面ベース30の表面上で自由に回転するために平面ベース30に載っている。次いで、第1のコンポーネントA(例えば、図1の第1の偏光子シートであり得る)の縁部分および曲面支持コンポーネントBの対応する部分が、平面ベース30の上側表面に垂直な方向(図2において赤い矢印で示されている)で積層ローラー32に力を加えることによって、平面ベース30の上側表面と積層ローラー32との間に強制的に挟まれる。平面ベースの上側表面に垂直な方向にローラーに力を加え続けながら、ローラー14を、平面ベース12の上側表面上で(ローラー14を示す円の内側に示された黒い矢印で示されるように、平面ベース12の上側表面に平行な方向に)移動させ、それにより、徐々に増加する遠位部分(コンポーネントAの開始縁部および曲面支持コンポーネントBのそれぞれの対応する部分から遠い部分を強制的に一緒に挟む。上述のように、曲面支持コンポーネントBは、平面ベース30の上側表面上で自由に回転し、かつ積層ローラー32がローラー32の上側表面にわたって移動する作用の下で平面ベース30の上側表面上を回転し、その結果、適宜ローラー32と接触するコンポーネントAの部分の局所法線(およびまた曲面支持コンポーネントBのそれぞれの部分の局所法線)が常に平面ベース30の上側表面に実質的に垂直であるため、積層ローラー32および平面ベース30によってコンポーネントAおよび曲面支持コンポーネントBに加えられる圧力は、コンポーネントAのそれぞれの部分および曲面支持コンポーネントBの対応する部分に実質的に垂直な方向に常に作用する。
【0045】
コンポーネントAおよび/またはコンポーネントBに予め適用された接着剤の層は、積層ローラー32が平面ベース30上を移動する際に、コンポーネントAの連続部分を曲面支持コンポーネントBのそれぞれの部分に接着する役割を果たす。
【0046】
一変形例によれば、積層プロセス中のローラー14に対する曲面支持コンポーネントBの配向(曲面支持コンポーネントBおよびローラー14のうちの1つ以上を移動させることによる)は、より積極的に制御されて(例えば、平面ベース30を横切るローラーの移動に合わせて自動で動作するメカニズムにより)、それにより、曲面支持コンポーネント2および/またはコンポーネントAの連続部分が一緒に積層されるときに、曲面支持コンポーネント2および/またはローラー14の配向の所望の変化が達成される。一実施例では、ローラー14は、ローラー14が常に曲面支持コンポーネントBの表面に垂直な方向の曲面支持コンポーネントに対して押し付けられるように、曲面支持コンポーネントBに対してローラー14(より具体的には、ローラー14を押す機械要素)の配向を変えるロボットアームに装着される。
【0047】
上述のように、上記の技術は、より複雑な構成を有する曲面ディスプレイデバイスの製造に等しく適用可能である。例えば、図1に示す曲面構成は、単一の曲率軸のみを有し、LCセルコンポーネント8の一部を成形する上述のドライバーチップ(複数可)の縁部と交差しない。しかし、代替の曲面構成は、互いに平行であり得、または互いに非平行であり得る複数の曲率軸を有することができるが、互いに交差したり、またはLCセルコンポーネント8の一部を成形するドライバーチップの縁部と交差したりしない。複数の曲率軸を持つ構成の場合、曲率方向は、各曲率軸で同じであってもよく、または例えば、S字形の構成を成形するために、1つ以上の曲率軸で曲率方向に変化があってもよい。
【0048】
図4A図4Fは、別の実施形態による技術の別の実施例を示している。図4A図4Fの技術はまた、曲面構成を有するデバイスを製造するために、図1の技術で使用される曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2への複数の実質的に平面のコンポーネントの順次積層を含む。剛性の積層エイド4は、図4A図4Fには示されていない。「プラスチックフィルムコンポーネント」という用語は、少なくとも1つ以上のプラスチックフィルムを含むコンポーネントを指す。
【0049】
タッチセンサ機能を有する第1のプラスチックフィルムコンポーネント40は、実質的に平面の静止構成で準備され、応力がかかった構成で曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合される。第1のプラスチックフィルムコンポーネント40は弾性的に可撓性であり、プラスチックフィルムコンポーネント40がその平面静止構成から強制的に曲げられたときに、第1のプラスチックフィルムコンポーネント40内に内部応力が発生し、これは第1のプラスチックフィルムコンポーネント40を、その平面静止構成に戻すように作用する。曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2と第1のプラスチックフィルムコンポーネント40との間の接着結合の強度、および/または曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の曲げ剛性は、第1のプラスチックフィルムコンポーネント40が弛緩して、その平面静止構成に戻る傾向に対して、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2および第1のプラスチックフィルムコンポーネント40を曲面構成に保持するのに十分である。
【0050】
タッチセンサコンポーネント40は、曲面ウィンドウカバーコンポーネント2の全面積を占有しない。第1のガスケットコンポーネント52(これも実質的に平面構成で準備される)はまた、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合され、タッチセンサコンポーネント40を囲み、かつタッチセンサコンポーネント40からデバイスの背面までの電気コネクタ58を収容するスペースは除く、タッチセンサコンポーネント40によって覆われていない曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の内側表面のすべての面積を実質的に覆う。第1のガスケットコンポーネント52は、タッチセンサコンポーネント40の周りに適合するウィンドウ520を画定する。タッチセンサコンポーネント40およびガスケットコンポーネント52の曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2への結合は、例えば、乾式結合積層技術を含み得る。
【0051】
光変調機能を有する第2のプラスチックフィルムコンポーネント42は、実質的に平面の静止構成で準備され、タッチセンサコンポーネント40を介して曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合される。第2のプラスチックフィルムコンポーネント42はまた弾性的に可撓性であり、第2のプラスチックフィルムコンポーネント42がその平面静止構成から強制的に曲げられたときに、第2のプラスチックフィルムコンポーネント42内に内部応力が発生し、これは第2のプラスチックフィルムコンポーネント42を、その平面静止構成に戻すように作用する。中間アセンブリの曲げ剛性および/または中間アセンブリと第2のプラスチックフィルムコンポーネント42との間の接着結合の強度は、結果として生じるアセンブリを曲面構成に保持するのに十分であり、それは第2のプラスチックフィルムコンポーネントが弛緩して、その平面静止構成に戻る傾向に反する。
【0052】
この実施例では、第2のプラスチックフィルムコンポーネント42は、3つの事前に準備されたプラスチックフィルムサブコンポーネント:下部偏光フィルターコンポーネント132、電気制御回路およびカラーフィルターアレイが組み込まれ、かつチップオンフレックス(COF)ユニットに事前に結合された液晶セル、ならびに上部偏光フィルターコンポーネント130、のセットを含む。この実施例では、タッチセンサコンポーネント40を介して曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合アセンブリを結合する前に、3つのサブコンポーネントはすべて、それぞれ実質的に平面の静止構成で準備され、それらの平面の静止構成で互いに結合される。一変形例によれば、事前に準備された個別のプラスチックフィルムサブコンポーネントは、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2上で原位置で一緒に結合される。より詳細には、サブコンポーネントのセットの各プラスチックフィルムサブコンポーネントは、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に既に結合されているプラスチックフィルムサブコンポーネント(複数可)のいずれかを介して、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に順番に結合される。各結合は、例えば、乾式結合積層技術により達成され得る。
【0053】
第2のプラスチックフィルムコンポーネント42の一実施例が、図3に概略的に示されている。導体、半導体および絶縁体層のスタック114は、プラスチック支持フィルム116上に原位置で成形される。スタック114は、ピクセル電極118のアレイと、ピクセル電極118のアレイの外側の導体を介して各ピクセル電極を独立して制御するための電気回路と、を画定する。スタック114は、例えば、TFTのそれぞれの行にゲート電極を各々提供し、かつ画素電極のアレイの外側まで延在する、ゲート導体のアレイと、TFTのそれぞれの列にソース電極を各々提供し、かつピクセル電極のアレイの外側まで延在する、ソース導体のアレイと、を含む薄膜トランジスタのアクティブマトリクスアレイを画定することができる。各ピクセル電極はそれぞれのTFTと関連付けられ、かつ各TFTは、ゲート導体およびソース導体の一意の組み合わせと関連付けられ、これにより、各ピクセル電極は、すべての他のピクセルとは独立してアドレス指定され得る。
【0054】
実質的に均一な厚さの液晶材料120が、ピクセル電極118のアレイと、別のプラスチック支持フィルム上に支持されたカラーフィルターのアレイを含むカウンターコンポーネント122との間に含まれる。COFユニット124は、ピクセル電極118のアレイの外側の支持フィルム116の一部分に結合されて、(i)ピクセル電極118のアレイの外側の領域内のスタック114によって画定される導体(例えば、ソースおよびゲートアドレス導体)のアレイと、(ii)COFユニットの部分を成形する1つ以上のドライバーチップ126の端子に接続される、COFユニットの導体の対応するアレイとの間の導電接続を形成する。
【0055】
図4A図4Fに示すように、光変調器コンポーネント42はまた、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の全面積を占有しない。第2のガスケットコンポーネント54(これも実質的に平面構成で準備される)はまた、第1のガスケットコンポーネント52を介して曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合され、光変調器コンポーネント42を囲み、かつ光変調器コンポーネント42(およびタッチセンサコンポーネント40)からデバイスの背面までの電気コネクタ58を収容するスペースは除く、光変調器コンポーネント42によって覆われていない曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の内側表面のすべての面積を実質的に覆う。第2のガスケットコンポーネント54は、光変調器コンポーネント42の周りに適合するウィンドウ540を画定する。光変調器コンポーネント42および第2のガスケットコンポーネント54の曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2への結合は、例えば、乾式結合積層技術を含み得る。
【0056】
光放散器機能を有する第3のプラスチックフィルムコンポーネント44は、実質的に平面の静止構成で準備され、タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、および上述のガスケットコンポーネント52、54を介して、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合される。放散器コンポーネント44は、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2のすべての縁部まで延在しているが、タッチセンサコンポーネント40および光変調器コンポーネント42からの電気コネクタ58がデバイスの背面に通る、貫通孔を画定する。放散器コンポーネント44および第2のガスケットコンポーネント54の曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2への結合は、例えば、乾式結合積層技術を含み得る。バックライト機能を有する第4のプラスチックフィルムコンポーネント46は、実質的に平面の静止構成で準備され、タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、および放散器コンポーネント44を介して、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に(結合の有無にかかわらず)適用される。バックライトコンポーネント46はまた、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の全面積を占有しない。第3のガスケットコンポーネント56(これも実質的に平面の静止構成で準備される)は、第1および第2のガスケットコンポーネントを介して曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合され、バックライトコンポーネント46を囲み、かつバックライトコンポーネント46(ならびにまたタッチセンサコンポーネント40および光変調器コンポーネント42)からデバイスの背面までの電気コネクタ58を収容するスペースは除く、バックライトコンポーネント46によって覆われていない曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の内側表面のすべての面積を実質的に覆う。第3のガスケットコンポーネント56は、バックライトコンポーネント46の周囲に適合するウィンドウ560を画定する。
【0057】
背面カバー機能を提供する第5のプラスチックフィルムコンポーネント48は、実質的に平面の静止構成で準備され、タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、放散器コンポーネント44、および上述のガスケットコンポーネント52、54、56を介して、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合される。背面カバーコンポーネント48は、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2のすべての縁部まで延在しているが、タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、およびバックライトコンポーネント46からの電気コネクタ58がデバイスの背面に通る、貫通孔480を画定する。背面カバーコンポーネント48および第2のガスケットコンポーネント56の曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2への結合は、例えば、乾式結合積層技術を含み得る。一実施例では、バックライトコンポーネント46は、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に(タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42および放散器コンポーネント44を介して)結合されておらず、背面カバーコンポーネント48は曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の後ろの曲面構成でバックライトコンポーネント46を保持するように機能し、かつ/またはバックライトコンポーネント46は、それらの間に結合のない複数の緩く組み立てられたサブコンポーネントを含み、背面カバーコンポーネント48は、バックライトコンポーネント46を構成する複数のサブコンポーネントがバラバラになるのを防ぐように機能する。一実施例では、この背面カバーコンポーネント48はまた、ヒートシンクとして機能する。一実施例では、背面カバーコンポーネントは、強化金属箔を含む。
【0058】
1つの例示的な変形例によれば、平面プラスチックフィルム背面カバーコンポーネント48は、別の曲面積層エイドの凸状表面上に応力をかけた曲面構成で一時的に装着され:プラスチックフィルムガスケットコンポーネントは、曲面積層エイドの原位置で背面カバーコンポーネントに結合され、ガスケットコンポーネントによって画定されたウィンドウ内にバックライトコンポーネントを挿入し、平面放散器コンポーネント44は、曲面積層エイドの原位置でガスケットコンポーネントを介して背面カバーコンポーネント48に結合され、得られた曲面結合アセンブリは、曲面積層エイドから取り外され、かつタッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、および上述のガスケットコンポーネント52、54を介して曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合される。
【0059】
(例えば、感圧性)接着剤のフィルム50(また実質的に平坦な静止構成で準備される)は、物体表面へのデバイスの適用を容易にするために、背面カバーコンポーネント48の背面に適用される。接着剤のフィルム50は、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2のすべての縁部まで延在しているが、タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、およびバックライトからの電気コネクタ58がデバイスの背面に通る、貫通孔を画定する。接着剤フィルム50は、デバイスを物体表面に結合するために使用される前に、接着剤フィルム50を保護するために、剥離可能なライナー(図示せず)によって保護されていてもよい。
【0060】
タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、およびバックライトコンポーネント46からの電気コネクタ58を収容するために残されたスペース/貫通孔内の電気コネクタ58の周りの空きスペースは、シーラント60で満たされる。シーラント60は、これらの電気コネクタ58の領域で曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2に加えられる力が、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の後ろの上述のコンポーネントのスタックを介して転換され、かつ曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2および/または電気コネクタ58を損傷しないことを確実する。
【0061】
ガスケットコンポーネント52、54、56およびシーラントの使用により、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネント2の全面積にわたって、厚さおよびユーザ感触の点で実質的にモノリシックなデバイスが提供される。応力のかかった曲面構成で一緒に結合されたコンポーネント間の接着結合は、コンポーネントが平面構成に弛緩する傾向に対して、結果として生じる結合されたアセンブリを曲面構成に保持するのに十分に強固である。ウィンドウ/カバーコンポーネント2は、ウィンドウ/カバーコンポーネント2に応力がかかった構成で結合された平面プラスチックフィルムコンポーネントのいずれよりも大きな曲げ剛性を有する必要はないが、一実施例では、ウィンドウ/カバーコンポーネント2は、応力を加えられた構成でウィンドウ/カバーコンポーネント2に結合された平面プラスチックフィルムコンポーネントのいずれよりも大きな曲げ剛性を有する。
【0062】
図4Fは、タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、およびバックライトコンポーネント46の各々について、デバイスの背面を越えて延在する複数の別個の電気コネクタ50を示している。1つの例示的な変形例では、これらの別個の電気コネクタは、タッチセンサコンポーネント40、光変調器コンポーネント42、およびバックライトコンポーネント46のすべてに役立つ単一の電気コネクタのみがデバイスの背面から延在するように、デバイス内に編成される。
【0063】
図5は、図4のデバイスを物体表面に適用した実施例を示している。この実施例では、物体80は、図4Fのデバイスの厚さと実質的に等しい深さを有する窪み82を画定する表面を有し、電気コネクタ(複数可)58が物体80の背面に通されることを可能にするのに十分な大きさの貫通孔84を画定する。図4Fのデバイスは、窪み82内に位置し、かつ接着剤フィルム50を使用して窪み82の下部表面に結合される。一実施例では、図4Fのデバイスは、適用される曲面物体表面の曲率に厳密に近似するように設計されてもよい。別の実施例では、図4Fのデバイスは、適用される曲面物体表面の曲率半径よりも大きい内側曲率半径を有するように意図的に設計されてもよく、これにより、デバイスの物体表面への積層が容易になり得る。別の実施例では、図4Fのデバイスは、適用される曲面物体表面の曲率半径よりも小さい内側曲率半径を有するように意図的に設計されてもよく、これにより、接着剤フィルム50への依存を減らして、デバイスを物体表面上の所定の位置に保持することができ、例えば、より弱い接着剤の使用を容易にすることができる。
【0064】
一変形例では、物体80自体にバックライトが組み込まれ、バックライトコンポーネントおよび背面カバーコンポーネントが、図4Fのデバイスから省略されている。デバイスを物体80に結合するために使用される接着剤フィルム50は、代わりに放散器コンポーネント44の背面に結合される。
【0065】
曲面LCDデバイスの実施例について上述したすべての技術はまた、曲面有機発光ダイオード(OLED)デバイスなどの他の種類の曲面ディスプレイデバイスの製造に適用可能である。例えば、本発明の実施形態による曲面OLEDデバイスの製造は、例えば、曲面ウィンドウ/カバーコンポーネントに平坦な発光ユニットと、平坦なタッチセンサコンポーネントまたはそのコンポーネントフィルム、平坦な円形偏光子コンポーネント(直線偏光子および4分の1波長板を含む)またはそのコンポーネントフィルム、ならびに発光ユニットを酸素および水分の侵入から保護するための1つ以上のカプセル化フィルムのうちの1つ以上と、を連続的に曲げて積層することを含んでもよい。
【0066】
上記で明示的に述べた修正に加えて、説明した実施形態の様々な他の修正を本発明の範囲内で行うことができることは、当業者には明らかであろう。
【0067】
出願人は、これによって、そのような特徴または特徴の組み合わせが本明細書で開示されるいくつかの問題を解決するかどうかに関係なく、かつ特許請求の範囲に限定されることなく、そのような特徴または組み合わせを、当業者の共通の一般的な知識に照らして、全体として本明細書に基づいて実行することができる程度まで、本明細書に記載の各個々の特徴および2つ以上のそのような特徴の任意の組み合わせを単独で開示する。出願人は、本発明の態様が、そのような個々の特徴または特徴の組み合わせから成り得ることを示している。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6