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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】決済システム、決済方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20230810BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230810BHJP
【FI】
G06Q20/20 310
G07G1/12 321Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021198584
(22)【出願日】2021-12-07
(65)【公開番号】P2023084415
(43)【公開日】2023-06-19
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000102728
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三木 孝浩
(72)【発明者】
【氏名】板橋 幸平
(72)【発明者】
【氏名】坂元 陽亮
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/141589(WO,A1)
【文献】特開2021-018468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
POSサーバと決済処理サーバとが接続される決済システムであって、
前記POSサーバは、
前記POSサーバに接続されるPOS端末に対応する処理を行うPOS端末バーチャルマシンと、
前記POS端末バーチャルマシンと前記決済処理サーバの決済端末バーチャルマシンとの間において、前記POS端末からの要求に基づく決済データの通信を行う第1通信部とを有し、
前記決済処理サーバは、
前記決済処理サーバに接続される決済端末に対応する処理を行う決済端末バーチャルマシンと、
前記決済端末バーチャルマシンと前記POS端末バーチャルマシンとの間において、前記決済データの通信を行う第2通信部とを有し、前記POSサーバと相互認証処理、通信用鍵交換、又はスタータスに関する情報の送信を行い、
前記POSサーバは、
前記接続されるPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを前記決済処理サーバに送信するPOSリスト送信部と、
前記決済処理サーバと認証処理を行い、前記決済処理サーバとの通信が認められると、前記決済処理サーバから受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める第1認証部とを有し、
前記決済処理サーバは、
前記接続される決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを前記POSサーバに送信する決済端末リスト送信部と、
前記POSサーバと認証処理を行い、前記POSサーバとの通信が認められると、前記POSサーバから受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める第2認証部と有し、
前記POSサーバは、
決済方式に応じた決済をすることが可能な決済端末を前記決済端末リストの中から選択する決済端末選択部を有し、
前記第2通信部は、前記選択された決済端末に対して決済データを送信する
決済システム。
【請求項2】
前記決済端末リスト送信部は、接続される決済端末において利用可能な券種を示す券種情報を含む決済端末リストを前記POSサーバに送信する
請求項に記載の決済システム。
【請求項3】
前記POSリスト送信部は、接続されるPOS端末が属するグループを示すグループIDを含むPOSリストを前記決済処理サーバに送信し、
前記決済端末リスト送信部は、接続される決済端末が属するグループを示すグループIDを含む決済端末リストを前記POSサーバに送信し、
前記第1通信部は、決済データの送信元のPOS端末に割り当てられたグループIDに対応するグループIDが割り当てられた決済端末の決済端末バーチャルマシンと通信する
請求項2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記決済処理サーバは、
決済承認サーバに対して決済承認要求を送信する決済承認要求送信部と、
前記決済承認要求に応じて決済承認がされた後、決済端末バーチャルマシンからの決済承認を代理して前記決済承認サーバと通信を行う通信代理部と、
を有する請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の決済システム。
【請求項5】
前記決済端末バーチャルマシンは、
前記POS端末バーチャルマシンから決済依頼を受け付けると、決済依頼に基づく決済種別に応じた決済承認サーバに決済承認要求を送信し、当該決済承認サーバから承認されると、POS端末バーチャルマシンに前記第1通信部を介して決済処理結果を送信する
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の決済システム。
【請求項6】
前記POSサーバは、複数の前記POS端末と接続することが可能であり、
前記POSサーバは、異なるPOS端末からの接続要求を受けると、既に起動しているPOS端末バーチャルマシンとは異なるPOS端末バーチャルマシンであって接続要求元のPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンを起動する第1起動部を有し、
前記決済処理サーバは、複数の前記決済端末と接続することが可能であり、
前記決済処理サーバは、異なる決済端末からの接続要求を受けると、既に起動している決済端末バーチャルマシンとは異なる決済端末バーチャルマシンであって当該接続要求元の決済端末に対応する決済端末を起動する第2起動部を有する
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の決済システム。
【請求項7】
前記POSサーバは、
前記POS端末バーチャルマシンと前記決済端末バーチャルマシンとの接続相手を特定する接続データに基づいて、前記決済データを送信する対象の決済端末バーチャルマシンに対して決済データを送信する
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の決済システム。
【請求項8】
POSサーバと決済処理サーバとが接続される決済システムにおける決済方法であって、
前記POSサーバは、
前記POSサーバに接続されるPOS端末に対応する処理を行うPOS端末バーチャルマシンを有し、前記POSサーバの第1通信部が、前記POS端末バーチャルマシンと前記決済処理サーバの決済端末バーチャルマシンとの間において、前記POS端末からの要求に基づく決済データの通信を行い、
前記決済処理サーバは、
前記決済処理サーバに接続される決済端末に対応する処理を行う決済端末バーチャルマシンを有し、前記決済処理サーバの第2通信部が、前記決済端末バーチャルマシンと前記POS端末バーチャルマシンとの間において、前記決済データの通信を行い、
前記決済処理サーバは、前記POSサーバと相互認証処理、通信用鍵交換、又はスタータスに関する情報の送信を行い、
前記POSサーバのPOSリスト送信部が、
前記接続されるPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを前記決済処理サーバに送信し、
前記POSサーバの第1認証部が、
前記決済処理サーバと認証処理を行い、前記決済処理サーバとの通信が認められると、前記決済処理サーバから受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認め、
前記決済処理サーバの決済端末リスト送信部が、
前記接続される決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを前記POSサーバに送信し、
前記決済処理サーバの第2認証部が、
前記POSサーバと認証処理を行い、前記POSサーバとの通信が認められると、前記POSサーバから受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認め、
前記POSサーバの決済端末選択部が、
決済方式に応じた決済をすることが可能な決済端末を前記決済端末リストの中から選択し、
前記決済処理サーバの第2通信部が、
前記選択された決済端末に対して決済データを送信する
決済方法。
【請求項9】
POSサーバと決済処理サーバとが接続される決済システムにおけるPOSサーバであるコンピュータに実行させるプログラムであり、
前記決済処理サーバが、
前記決済処理サーバに接続される決済端末に対応する処理を行う決済端末バーチャルマシンと、
前記決済端末バーチャルマシンと、前記POSサーバに接続されるPOS端末に対応する処理を行うPOS端末バーチャルマシンとの間において、決済データの通信を行う第2通信部であり、前記POSサーバによって選択された決済端末に対して決済データを送信する第2通信部と、
前記接続される決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを前記POSサーバに送信する決済端末リスト送信部と、
前記POSサーバと認証処理を行い、前記POSサーバとの通信が認められると、前記POSサーバから受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める第2認証部と有し、前記POSサーバと相互認証処理、通信用鍵交換、又はスタータスに関する情報の送信を行う、機能を有しており、
前記プログラムは、
記POS端末バーチャルマシンを起動させるステップ、
前記POS端末バーチャルマシンと前記決済処理サーバの決済端末バーチャルマシンとの間において、前記決済データの通信を行うステップ、
前記接続されるPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを前記決済処理サーバに送信するステップ、
前記決済処理サーバと認証処理を行い、前記決済処理サーバとの通信が認められると、前記決済処理サーバから受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認めるステップ、
決済方式に応じた決済をすることが可能な決済端末を前記決済端末リストの中から選択するステップ
含むプログラム。
【請求項10】
POSサーバと決済処理サーバとが接続される決済システムにおける決済処理サーバであるコンピュータに実行させるプログラムであり、
前記POSサーバが、
前記POSサーバに接続されるPOS端末に対応する処理を行うPOS端末バーチャルマシンと、
前記POS端末バーチャルマシンと前記決済処理サーバの決済端末バーチャルマシンとの間において、前記POS端末からの要求に基づく決済データの通信を行う第1通信部と、
前記接続されるPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを前記決済処理サーバに送信するPOSリスト送信部と、
前記決済処理サーバと認証処理を行い、前記決済処理サーバとの通信が認められると、前記決済処理サーバから受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める第1認証部と、
決済方式に応じた決済をすることが可能な決済端末を前記決済端末リストの中から選択する決済端末選択部を有しており、
前記プログラムは、
前記決済処理サーバに接続される決済端末に対応する処理を行う決済端末バーチャルマシンを起動させるステップ、
前記決済端末バーチャルマシンと前記POS端末バーチャルマシンとの間において、前記決済データの通信を行うステップ、
前記POSサーバと相互認証処理、通信用鍵交換、又はスタータスに関する情報の送信を行うステップ、
前記接続される決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを前記POSサーバに送信するステップ、
前記POSサーバと認証処理を行い、前記POSサーバとの通信が認められると、前記POSサーバから受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認めるステップ、
前記選択された決済端末に対して決済データを送信するステップ
含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システム、決済方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャッシュレスレジスタ等のPOS端末と、決済端末とがレジに設置され、決済処理を行う決済システムがある。このような決済システムでは、POS端末において商品を登録し、登録された商品の価格を合計した合計金額を決済端末に送信している。また、決済システムは、1つのPOS端末に対して1つの決済端末がローカルなシリアルケーブル、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して接続され、通信が行われる。
決済端末は、合計金額を受信すると、クレジットカード決済、電子マネー決済、コード決済、等のいずれかの決済方法に基づいて決済処理をし、その処理結果をPOS端末に送信する。POS端末は、決済端末から処理結果を受信すると、決済処理を終了させる。
決済システムの一例は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-128843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、POS端末、決済端末にそれぞれインストールされている決済処理用アプリケーションソフトウェアをバージョンアップする場合には、各POS端末、各決済端末にそれぞれ更新用のプログラムを配信し、インストールする必要がある。更新用プログラムの配信は、POS端末、決済端末に対する通信の負荷がかかるとともに、更新に関する管理の負担がかかる。また、配信先のPOS端末、決済端末の機種によっては、その機種に応じたプログラムを配信しなければならないため、更新にかかる管理の負担が大きい。また、POS端末と決済端末とが1対1の関係となるように接続されていることから、POS端末と決済端末とを連動させるにあたり、いずれかの端末において故障等の不具合が発生すると、その機能を有する代替の端末を準備したり、端末自体の修理対応等をしたりしなければならず、柔軟な対応が難しいため、対応の負担が大きい。さらに、POS端末と決済端末を1対1の関係となるように接続する場合、これらをローカルで接続し、かつ、これらのハードウェア及びソフトウェアに依存した接続設定をする必要があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、POS端末と決済端末とを管理する負荷を低減することができる決済システム、決済方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、POSサーバと決済処理サーバとが接続される決済システムであって、前記POSサーバは、前記POSサーバに接続されるPOS端末に対応する処理を行うPOS端末バーチャルマシンと、前記POS端末バーチャルマシンと前記決済処理サーバの決済端末バーチャルマシンとの間において、前記POS端末からの要求に基づく決済データの通信を行う第1通信部とを有し、前記決済処理サーバは、前記決済処理サーバに接続される決済端末に対応する処理を行う決済端末バーチャルマシンと、前記決済端末バーチャルマシンと前記POS端末バーチャルマシンとの間において、前記決済データの通信を行う第2通信部とを有し、前記POSサーバと相互認証処理、通信用鍵交換、又はスタータスに関する情報の送信を行い、前記POSサーバは、前記接続されるPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを前記決済処理サーバに送信するPOSリスト送信部と、前記決済処理サーバと認証処理を行い、前記決済処理サーバとの通信が認められると、前記決済処理サーバから受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める第1認証部とを有し、前記決済処理サーバは、前記接続される決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを前記POSサーバに送信する決済端末リスト送信部と、前記POSサーバと認証処理を行い、前記POSサーバとの通信が認められると、前記POSサーバから受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める第2認証部と有し、前記POSサーバは、決済方式に応じた決済をすることが可能な決済端末を前記決済端末リストの中から選択する決済端末選択部を有し、前記第2通信部は、前記選択された決済端末に対して決済データを送信する決済システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、POSサーバと決済処理サーバとが接続される決済システムにおける決済方法であって、前記POSサーバは、前記POSサーバに接続されるPOS端末に対応する処理を行うPOS端末バーチャルマシンを有し、前記POSサーバの第1通信部が、前記POS端末バーチャルマシンと前記決済処理サーバの決済端末バーチャルマシンとの間において、前記POS端末からの要求に基づく決済データの通信を行い、前記決済処理サーバは、前記決済処理サーバに接続される決済端末に対応する処理を行う決済端末バーチャルマシンを有し、前記決済処理サーバの第2通信部が、前記決済端末バーチャルマシンと前記POS端末バーチャルマシンとの間において、前記決済データの通信を行い、前記決済処理サーバは、前記POSサーバと相互認証処理、通信用鍵交換、又はスタータスに関する情報の送信を行い、前記POSサーバのPOSリスト送信部が、前記接続されるPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを前記決済処理サーバに送信し、前記POSサーバの第1認証部が、前記決済処理サーバと認証処理を行い、前記決済処理サーバとの通信が認められると、前記決済処理サーバから受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認め、前記決済処理サーバの決済端末リスト送信部が、前記接続される決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを前記POSサーバに送信し、前記決済処理サーバの第2認証部が、前記POSサーバと認証処理を行い、前記POSサーバとの通信が認められると、前記POSサーバから受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認め、前記POSサーバの決済端末選択部が、決済方式に応じた決済をすることが可能な決済端末を前記決済端末リストの中から選択し、前記決済処理サーバの第2通信部が、前記選択された決済端末に対して決済データを送信する決済方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、POSサーバと決済処理サーバとが接続される決済システムにおけるPOSサーバであるコンピュータに実行させるプログラムであり、前記決済処理サーバが、前記決済処理サーバに接続される決済端末に対応する処理を行う決済端末バーチャルマシンと、前記決済端末バーチャルマシンと、前記POSサーバに接続されるPOS端末に対応する処理を行うPOS端末バーチャルマシンとの間において、決済データの通信を行う第2通信部であり、前記POSサーバによって選択された決済端末に対して決済データを送信する第2通信部と、前記接続される決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを前記POSサーバに送信する決済端末リスト送信部と、前記POSサーバと認証処理を行い、前記POSサーバとの通信が認められると、前記POSサーバから受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める第2認証部と有し、前記POSサーバと相互認証処理、通信用鍵交換、又はスタータスに関する情報の送信を行う、機能を有しており、前記プログラムは、記POS端末バーチャルマシンを起動させるステップ、前記POS端末バーチャルマシンと前記決済処理サーバの決済端末バーチャルマシンとの間において、前記決済データの通信を行うステップ、前記接続されるPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを前記決済処理サーバに送信するステップ、前記決済処理サーバと認証処理を行い、前記決済処理サーバとの通信が認められると、前記決済処理サーバから受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認めるステップ、決済方式に応じた決済をすることが可能な決済端末を前記決済端末リストの中から選択するステップ含むプログラムである。
【0009】
また、本発明の一態様は、POSサーバと決済処理サーバとが接続される決済システムにおける決済処理サーバであるコンピュータに実行させるプログラムであり、前記POSサーバが、前記POSサーバに接続されるPOS端末に対応する処理を行うPOS端末バーチャルマシンと、前記POS端末バーチャルマシンと前記決済処理サーバの決済端末バーチャルマシンとの間において、前記POS端末からの要求に基づく決済データの通信を行う第1通信部と、前記接続されるPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを前記決済処理サーバに送信するPOSリスト送信部と、前記決済処理サーバと認証処理を行い、前記決済処理サーバとの通信が認められると、前記決済処理サーバから受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める第1認証部と、決済方式に応じた決済をすることが可能な決済端末を前記決済端末リストの中から選択する決済端末選択部を有しており、前記プログラムは、前記決済処理サーバに接続される決済端末に対応する処理を行う決済端末バーチャルマシンを起動させるステップ、前記決済端末バーチャルマシンと前記POS端末バーチャルマシンとの間において、前記決済データの通信を行うステップ、前記POSサーバと相互認証処理、通信用鍵交換、又はスタータスに関する情報の送信を行うステップ、前記接続される決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを前記POSサーバに送信するステップ、前記POSサーバと認証処理を行い、前記POSサーバとの通信が認められると、前記POSサーバから受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末のそれぞれについて決済処理を行う対象として認めるステップ、前記選択された決済端末に対して決済データを送信するステップ含むプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、POS端末、決済端末の管理にかかる負荷を低減することができる。
より具体的には、POS端末、決済端末における決済処理用アプリケーションをバーチャルマシンにおいて実行するようにしたので、決済処理用アプリケーションソフトウェアの更新が必要である場合には、バーチャルマシンにおけるプログラムを更新すればよい。そのため、POS端末や決済端末に決済処理用アプリケーションソフトウェアを配信する必要がない。
また、本発明によれば、POS端末、決済端末における決済処理用アプリケーションをバーチャルマシンにおいて実行するようにしたので、POS端末または決済端末として利用する機器に不具合があったとしても、柔軟な対応が可能となる。さらに、POS端末と決済端末をローカルで接続する必要がないため、ローカルの接続設定も不要であり、POS端末、決済端末のハードウェア及びソフトウェアに依存しない連携をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の一実施形態による決済システムSの構成を示す概略ブロック図である。
図2】POSリストの一例を示す図である。
図3】決済端末リストの一例を示す図である。
図4】決済システムSの動作を説明するシーケンス図である。
図5】固定接続モードにおいてPOS端末4と決済端末5とを接続する動作を説明する図である。
図6】可変接続モードにおいてPOS端末4と決済端末5とを接続する動作を説明する図である。
図7】可変接続モードにおいてPOS端末4と決済端末5とを接続する動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による決済システムについて図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施形態による決済システムSの構成を示す概略ブロック図である。
《決済システムS》
決済システムSは、POSサーバ1、決済処理サーバ2、決済承認サーバ3、POS端末4、決済端末5を含む。決済システムSにおいて、POSサーバ1と決済処理サーバ2が通信可能に接続され、決済処理サーバ2と決済承認サーバ3が通信可能に接続される。
決済承認サーバ3は、決済処理サーバ2から、キャッシュレス決済を行うことができるか否か承認要求を受信すると、キャッシュレス決済を許可するか否かの判定を行い、判定結果を決済処理サーバ2に送信する。キャッシュレス決済は、クレジットカードを利用するクレジット決済、電子マネーを利用する電子マネー決済、コードを利用するコード決済等がある。この実施形態において、決済承認サーバ3は1つである場合について説明するが、キャッシュレス決済の種別が異なる場合であって決済承認が必要な決済については、その決済の種別に応じて異なる決済承認サーバ3がそれぞれ設けられてもよい。また、キャッシュレス決済のサービスを提供する提供会社が異なる場合、提供会社毎にそれぞれ異なる決済承認サーバ3が設けられてもよい。
【0013】
POS端末4は、POSサーバ1に通信可能に接続される。POS端末4は、POSサーバ1に対して1台接続することもできるが、複数台接続することもできる。ここではPOS端末4aとPOS端末4bの2台が接続されている場合が図示されているが、1台のみ接続されてもよいし、3台以上接続されてもよい。本開示では、POS端末4a、POS端末4bを特に識別せずに説明する場合にはPOS端末4と称する場合がある。POS端末4は、1つの店舗において必要に応じて追加で登録することで利用可能な台数を増やすことができ、登録を削除することで利用可能な台数を減らすこともできる。
【0014】
決済端末5は、決済処理サーバ2に通信可能に接続される。決済端末5は、決済処理サーバ2に対して1台接続することもできるが、複数台接続することもできる。ここでは決済端末5aと決済端末5bの2台が接続されている場合が図示されているが、1台のみ接続されてもよいし、3台以上接続されてもよい。本開示では、決済端末5a、決済端末5bを特に識別せずに説明する場合には決済端末5と称する場合がある。決済端末5は、1つの店舗において必要に応じて追加で登録することで利用可能な台数を増やすことができ、登録を削除することで利用可能な台数を減らすこともできる。
【0015】
この決済システムSに接続されるPOS端末4の台数と、決済システムSに接続される決済端末5は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、この決済システムSにおいて、複数のPOS端末4のうち少なくとも1台のPOS端末4と、複数の決済端末5のうち少なくとも1台の決済端末5とが同じ店舗において利用される。例えば、決済システムSにおいて、POS端末4が5台、決済端末5が10台接続される場合、2台のPOS端末4と4台の決済端末5とが第1店舗において利用され、3台のPOS端末4と6台の決済端末5とが第1店舗とは異なる第2店舗において利用される。店舗は、例えば、アパレル商品を取り扱う店舗、コンビニエンスストア、スーパー等であってもよい。
【0016】
《POSサーバ1》
POSサーバ1は、通信部11、記憶部12、制御部13、仮想化管理部14、決済処理部15、POS端末バーチャルマシン16を含む。
【0017】
通信部11は、POS端末4と通信を行う機能と、決済処理サーバ2と通信を行う機能とを有する。通信部11は、POSリスト送信部116、第1通信部117、第1認証部118の機能を含む。これら機能については後述する。
通信部11は、決済端末バーチャルマシンと通信をする場合、処理データの送信または受信を行うことができればよい。すなわち、通信部11は、認証時または決済処理時において決済端末バーチャルマシンを通信相手として処理データの送信または受信を行う。処理データは、認証データと決済データとのうち少なくともいずれか一方のデータが含まれるデータである。
例えば、通信部11は、認証処理を行う場合に、通信を行う対象の決済端末バーチャルマシン26を接続データに基づいて特定し、特定された決済端末バーチャルマシンに対して認証データを送信する。
通信部11は、決済処理を行う場合に、接続データに基づいて、決済データを送信する対象の決済端末バーチャルマシン26を特定し、特定された決済端末バーチャルマシンに対して決済データを送信する。
認証データは、認証処理に関するデータである。
決済データは、決済処理に関するデータである。決済データは、例えば、どのPOS端末バーチャルマシン16と、どの決済端末バーチャルマシン26とが通信を行うか、その通信相手を表す宛先情報を含む。宛先情報は、通信相手を特定することが可能な識別情報(例えば、決済端末バーチャルマシンIDまたはPOS端末バーチャルID)を含むものであり、グループIDをさらに含むようにしてもよい。
また決済データは、宛先情報の他に、決済金額、利用券種、レシート印字情報を含むことができる。レシート印字情報は、決済内容を表すデータと、印字の有無を示すデータを含む。決済内容は、決済日時、決済店舗名、商品名、商品の価格、決済金額、決済処理を行った決済端末名等を含む。印字の有無は、レシートを印字するか否かを指定するデータである。
記憶部12は、各種データを記憶する。
制御部13は、POSサーバ1の各部を制御する。
【0018】
仮想化管理部14は、POSサーバ内においてPOS端末バーチャルマシンに関する処理を行う。POS端末バーチャルマシンは、POSサーバ1において稼動するバーチャルマシンである。POS端末バーチャルマシンは、POS端末として機能するための決済処理用アプリケーションを実行する。
ここで、POSサーバ1は、バーチャルマシンを稼動させる機能を有するコンピュータである。
仮想化管理部14は、POSサーバ1において、POS端末バーチャルマシンを制御するソフトウェアであってもよい。
仮想化管理部14は、POS端末4からPOSサーバ1に対して送信される接続要求に応じて、POSサーバ1内に設けられる物理マシンにバーチャルマシン(仮想マシン)を起動させ、当該バーチャルマシンを動作させる。
また、仮想化管理部14は、POS端末バーチャルマシンを起動させる機能の他に、POS端末バーチャルマシンを停止させる機能を有する。
また、仮想化管理部14は、異なるPOS端末4から接続要求を受信した場合には、要求元のPOS端末4毎にそれぞれ異なるPOS端末バーチャルマシンを機能する。
【0019】
POS端末バーチャルマシン16は、POSサーバ1に接続されるPOS端末4に対応する処理を行う。例えば、POS端末バーチャルマシンは、従来においてPOS端末が実行していた一部の機能を実現する決済処理用アプリケーションを実行する。これにより、POS端末バーチャルマシンは、POS端末が実行していた機能のうち少なくとも一部の機能を、POS端末に代わって実現する。この場合、POS端末は、決済処理のうち少なくとも一部の処理をPOS端末バーチャルマシンにおいて実行してもらうことできるので、POS端末に実装するソフトウェアを少なくすることができる。
【0020】
ここで、POS端末の機能を実現するための決済処理用アプリケーションソフトウェアの更新が必要である場合には、POS端末バーチャルマシンにおけるプログラムを更新する。従来では、POS端末に決済処理用アプリケーションを書き込み、POS端末において決済処理用アプリケーションを実行させるが、この決済システムSでは、上述のように、決済処理用アプリケーションをPOS端末ではなく、POS端末バーチャルマシンにおいて実行させるようにしたので、POS端末に決済処理用アプリケーションソフトウェアを配信する必要がない。例えば、POS端末4が複数台あったとしても、各POS端末4に対して更新用プログラムを配信する必要がない。POS端末4は、POSサーバ1に対して処理要求を送信し、POSサーバ1から送信される各種データを受信できればよい。例えばPOS端末4は、決済処理に係る入力と出力に関する機能を有していればよい。
【0021】
仮想化管理部14は、第1起動部141とリスト管理部142とを含む。
第1起動部141は、POS端末4から接続要求を受けると、接続要求元のPOS端末4に対応するPOS端末バーチャルマシンを起動する。
また、第1起動部141は、POSサーバ1に対して複数台のPOS端末4が接続される場合には、異なるPOS端末4毎に、それぞれ異なるPOS端末バーチャルマシンを起動する。より具体的には、第1起動部141は、異なるPOS端末からの接続要求を受けると、既に起動しているPOS端末バーチャルマシンとは異なるPOS端末バーチャルマシンであって接続要求元のPOS端末に対応するPOS端末バーチャルマシンを起動する。
第1起動部141は、接続要求元のPOS端末4を識別するPOS端末識別情報と、POS端末VM_IDとを対応づけする管理データを生成し、仮想化管理部14の内部に設けられた記憶領域に記憶する。ここで、第1起動部141は、接続要求を受信した際に、POS端末4から、当該POS端末4に割り当てられているPOS端末識別情報を取得する。第1起動部141は、POS端末4から接続要求を受けると、POS端末バーチャルマシンを起動してPOS端末VM_IDを割り当て、割り当てたPOS端末バーチャルマシンIDと、接続要求の際に得られるPOS端末識別情報とを対応づけて管理データとして仮想化管理部14の記憶領域に記憶する。
【0022】
リスト管理部142は、POSサーバ1において起動しているPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを生成する。POSリストは、起動しているPOS端末バーチャルマシンを特定することが可能な情報が含まれる。
図2は、POSリストの一例を示す図である。例えば、POSリストは、POS端末バーチャルマシン識別情報(以下、POS端末VM_IDと称する)とグループIDのデータを含む。
POS端末バーチャルマシン識別情報は、起動しているPOS端末バーチャルマシンを識別する識別情報である。
グループIDは、加盟店または店舗を識別可能な識別情報である。例えば、グループIDは、チェーン店の店舗については、各店舗(例えば、「コンビニA ○○駅前店」)のそれぞれに異なるグループIDが割り当てられる。
リスト管理部142は、POS端末4から接続要求を受信すると、その要求元のPOS端末4に対応するPOS端末バーチャルマシンのPOS端末_VM-IDと、グループIDとを対応づけ、POSリストに書き込む。より具体的には、例えば、POS端末識別情報とグループIDとが対応づけられた店舗POS端末データが記憶部12に予め記憶されている。リスト管理部142は、要求元のPOS端末4から送信されるPOS端末識別情報に対応するグループIDを店舗POS端末データに基づいて特定し、この特定されたグループIDと、接続要求元のPOS端末に対応するPOS端末_VM-IDと対応づけてPOSリストに書き込む。
【0023】
リスト管理部142は、第1起動部141がPOS端末バーチャルマシンを起動することに応じて、その起動されたPOS端末バーチャルマシンに対するPOS端末VM_IDをPOSリストに追加し、起動しているPOS端末バーチャルマシンが停止すると、その停止したPOS端末VM_IDをPOSリストから削除する。POS端末バーチャルマシンの停止は、仮想化管理部14が行う。
例えば、仮想化管理部14は、POS端末4から停止要求を受信すると、停止要求元のPOS端末4に対応するPOS端末バーチャルマシンを停止させ、停止要求とともにPOS端末4から得られるPOS端末識別情報を管理データから取得してリスト管理部142に出力し、削除要求をする。リスト管理部142は、削除要求を受けると、削除要求された対象のPOS端末4に対応するPOS_識別情報を削除する。
【0024】
決済処理部15は、決済処理に関する各種処理を行う。決済処理部15は、決済端末選択部151を含む。決済端末選択部151は、決済方式に応じた券種に基づく決済をすることが可能な決済端末5を決済端末リストの中から選択する。この選択は、例えば次のようなケースがある。
【0025】
(ケース1:規定の決済端末を選択)
決済端末選択部151は、いずれの決済端末5を利用するかについて、特に外部から選択指示が入力されていない場合には、複数の決済端末のうち、予め定められた規定の決済端末を決済することが可能な決済端末として選択する。
例えば、通常は、POSレジの横に設置された決済端末を選択する。この場合、既定の端末を選択することを表す指示の入力が入力装置を介して店員または管理者から入力された場合、その後については、店員から決済端末を選択する指示の入力がなくても、既定の決済端末を決済端末選択部151が選択する。入力装置は、POS端末4に設けられた物理的な選択ボタンから入力を受け付けるようにしてもよいし、POS端末4の画面上に表示された選択ボタンに対する操作入力をタッチパネルによって受け付けるようにしてもよい。
【0026】
(ケース2:消費者からの要望に応じて選択)
決済端末選択部151は、消費者から、決済に用いる券種が指定された場合、その券種に対応することが可能な決済端末を選択する。例えば、既定の決済端末を用いて決済する運用をしていたところ、消費者から、現在選択されている既定の決済端末では決済処理できない券種が指定される場合がある。この場合、決済端末選択部151は、消費者から要望された券種に応じた決済端末を指定する指示の入力を入力装置によって店員から受け付け、指定された決済端末について、決済処理を行う対象の決済端末として選択する。これにより、消費者の要望に応じた券種によって決済可能な決済端末が選択される。
この場合、通常利用している決済端末(既定の決済端末)とは異なる決済端末を利用する場合であっても、柔軟に対応することができる。
【0027】
(ケース3:異常状態に応じて選択)
決済端末選択部151は、利用する対象の決済端末において異常が生じた場合、その異常が発生した決済端末とは異なる決済端末券種に対応することが可能な決済端末を選択する。例えば、レジの横に設置された決済端末を既定の決済端末として利用する運用をしていたところ、既定の決済端末に不具合が生じる場合がある。この場合、決済端末選択部151は、不具合が生じた決済端末とは異なる決済端末を指定する指示を入力装置によって店員から受け付け、指定された決済端末について、決済処理を行う対象の決済端末として選択する。これにより、ある決済端末に異常が発生した場合であっても、利用する決済端末の切り替えを行うことで、不具合が生じていない決済端末を利用して決済を行うことができ、不具合発生時における迅速な決済端末の交換が可能になる。
【0028】
(ケース4:商品登録のたびに決済端末を選択)
決済端末選択部151は、既定の決済端末を用いるのではなく、商品登録のたびに、店員から入力装置を介して、使用する決済端末の選択入力を受け付け、その選択入力された決済端末を選択するようにしてもよい。
例えば、店舗内において利用可能な決済端末が複数あり、そのいずれかがレジの横に設置され、別の決済端末が店員によって携帯され店舗内のいずれかの場所にいる場合がある。その店員が消費者に対する接客をし、商品の購入が決まった場合、店員がPOS端末4まで移動して商品登録等の決済の手続を行い、自分が携帯している決済端末に対して決済処理を行う決済端末として指定する。店員は、接客していた場所に戻り、消費者に対し、店員が携帯している決済端末を利用して決済するように案内することができる。これにより、接客した場所において消費者に決済をしてもらうことができる。この場合、消費者にレジ横の決済端末がある場所まで移動してもらうことがなく、また、店員が消費者からクレジットカードを預かり、レジ横の決済端末まで移動して決済を行い、接客した場所まで戻り、消費者にクレジットカードを返却するという運用を行う必要がない。クレジットカードを店員が消費者から預かる必要がないので、消費者に対し、クレジットカードが自分の手元から離れてしまうことについての不安を与える可能性を低減することができる。また、店員にとって、預かったクレジットカードを管理しなければならないという負担を無くすことができる。
また、別の場面として、例えば、レジの近傍に複数台の決済端末が配置されており、空いている決済端末を店員が選択し、その空いている決済端末によって決済をするよう消費者に案内することができる。これにより、第1の決済端末において消費者が決済を行う際、クレジットカードを取り出すために時間がかかっていたとしても、店員は、次の消費者の決済を行う際に、その決済端末とは別の第2の決済端末を選択し、当該次の消費者に対して第2の決済端末を利用して決済するよう案内することができる。これにより、混雑を緩和することができる。
【0029】
また、券種に応じた決済端末の選択は、決済処理サーバ2からPOSサーバ1に対し、決済端末リストを送信することによってPOSサーバが行う場合について説明するが、決済処理サーバが選択するようにしてもよい。決済処理サーバが決済端末を選択する場合、決済処理サーバ2が、決済端末と取扱可能な券種情報とを対応関係を表す券種データを記憶しておき、決済処理サーバ2が、券種に応じた決済処理が可能な決済端末がいずれであるかについて、POSサーバまたはPOS端末4に通知するようにしてもよい。決済処理サーバ2は、この通知をするにあたり、POSサーバ1から券種が指定された場合には、その券種に応じた決済端末を選択し、POSサーバまたはPOS端末に通知するようにしてもよい。
【0030】
POSリスト送信部116は、POSサーバ1に対して接続されるPOS端末4に対応するPOS端末バーチャルマシンに関するPOSリストを決済処理サーバに送信する。送信されるPOSリストは、リスト管理部142によって生成されたPOSリストである。
また、POSリスト送信部116は、POSリストを送信する場合、接続されるPOS端末が属するグループを示すグループIDを含むPOSリストを決済処理サーバに送信することもできる。
【0031】
第1通信部117は、POS端末バーチャルマシン16と決済処理サーバ2の決済端末バーチャルマシン26との間において、POS端末4からの要求に基づく決済データの通信を行う。
第1通信部117は、POS端末バーチャルマシン16と決済端末バーチャルマシン26との接続相手を特定する接続データに基づいて、通信する対象の決済端末バーチャルマシン26に対して通信を行う。
ここで、接続データは、接続先を決めることができるデータであればよい。例えば、接続データは、固定接続モードに基づく接続先であってもよいし、可変接続モードに基づく接続先であってもよい。固定接続モードと可変接続モードのいずれのモードを用いるかについては、POSサーバ1において決められるようになっている。
【0032】
固定接続モードは、POS端末バーチャルマシンと決済端末バーチャルマシンとにおいて接続する対象が予め定められたモードである。固定接続モードを用いる場合、特に新たな指定がなければ、店舗の開店時から閉店時までの間において、POS端末バーチャルマシンと決済端末バーチャルマシンとを接続する関係を固定化した状態で利用することができる。
【0033】
可変接続モードは、決済を行う時点において、POS端末バーチャルマシンに対して接続する決済端末バーチャルマシンを定めるモードである。
POS端末と決済端末とがそれぞれ複数台あるような店舗においては、取引(決済処理)の度に、利用する決済端末を選択できると利便性が良い場合がある。例えば、POS端末4に対して隣接して決済端末5が設置されており、他の決済端末5が、店内のいずれかの位置にいる消費者に接客している店員が携帯している場合がある。このような場合には、消費者に接客している店員が携帯している決済端末5を選択することで、消費者は離れた位置(POS端末4に隣接する決済端末5)にある決済端末5まで移動して決済を行う必要がなくなり、店員は、離れた位置にある決済端末5まで消費者を誘導する必要がない。また、ある決済端末5において決済処理に時間がかかっている場合には、次の決済処理をする消費者については、決済処理が行われていない決済端末5を選択することで、決済をするために消費者を待たせる時間が長引かないようにすることができる。
【0034】
ここで、接続先となる決済端末5の選択は、POS端末4に設けられた選択ボタンを店員が押下することで指定することができる。複数の決済端末5のうちいずれか1つを指定する選択ボタンが押下されると、そのボタンに割り当てられていた決済端末5に対応する決済端末バーチャルマシンが接続先として指定される。
POS端末4において、いずれかの決済端末5の選択ボタンが押下されると、POS端末4を操作する店員は、いずれの決済端末5が選択されているかを把握することができるが、いずれの決済端末5が選択されているかについて、決済端末5の近傍にいる店員あるいは消費者も把握しやすいことが好ましい。この場合、選択された決済端末5から、選択されていることを報知するようにしてもよい。報知する機能は、決済端末5に設けられた発光部を発光させる機能であってもよいし、選択されたことを表す音をスピーカから放音する機能であってもよい。
【0035】
また、第1通信部117は、決済データの送信元のPOS端末4に割り当てられたグループIDに対応するグループIDが割り当てられた決済端末5の決済端末バーチャルマシンに対して、決済データを送信する。
【0036】
第1認証部118は、接続してもよい対象のPOS端末4について、POS端末識別情報を記憶領域に記憶しており、接続要求元のPOS端末4から接続要求とともに送信されたPOS端末識別情報が記憶領域に予め登録されていた場合には、POSサーバ1とPOS端末4との通信接続を許可し、POS端末バーチャルマシンに起動を指示する。一方、第1認証部118は、登録されていなければ、接続を許可しない。接続してもよい対象のPOS端末識別情報については、決済システムSを利用する店舗の情報とともに、予め記憶される。
【0037】
第1認証部118は、決済処理サーバ2に対して認証データを送信し、決済処理サーバ2と認証処理を行う。第1認証部118は、認証処理を行ったことによって決済処理サーバ2から通信相手として認められると、決済処理サーバ2から受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末5のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める認証処理を行う。
この認証処理を行うことによって、第1認証部118は、決済処理サーバ2に対する認証処理において、通信を行う相手として認められた場合には、決済処理サーバ2に属する決済端末バーチャルマシンのそれぞれについて通信を行う相手として通信を行うことができる。これにより、第1認証部118は、決済端末バーチャルマシンが複数ある場合であっても、1回の認証処理を行い、決済端末リストをもとに、複数の決済端末バーチャルマシンについてまとめて認証することができる。
【0038】
第1認証部118は、予め決められた更新タイミングが到来すると、決済処理サーバ2と通信を行い、その時点において最新の決済端末リストを決済処理サーバ2から受信する。これにより、その時点において起動している決済端末5に対応する決済端末バーチャルマシン26を把握することできる。すなわち、店舗の営業時間の途中の段階から出勤する店員、バックヤードにおいて別の業務を行っていた店員があるタイミングから接客エリアにおいて決済端末5を携帯して接客業務を開始する店員、他の店員と接客業務を交代することでバックヤードの業務に移行することで決済端末5の電源をオフにする店員等がいる場合であっても、その時点において起動している決済端末5に応じた決済端末バーチャルマシン26を把握することができる。これにより、決済を行う時点において決済処理を行わせることが可能(利用可能)な決済端末5を把握し、その中から決済端末5を利用することができる。
更新タイミングは、一定時間毎であってもよいし、予め決められた時刻であってもよいし、決済端末リストを更新する指示がPOS端末4に対して店員等から入力されたタイミングであってもよい。
【0039】
《決済処理サーバ2》
決済処理サーバ2は、通信部21、記憶部22、制御部23、仮想化管理部24、決済処理部25、決済端末バーチャルマシン26を含む。
【0040】
通信部21は、決済端末5と通信を行う機能と、POSサーバ1と通信を行う機能と、決済承認サーバ3と通信を行う機能とを有する。記憶部22は、各種データを記憶する。
通信部21は、決済端末リスト送信部216、第2通信部217、第2認証部218の機能を含む。これら機能については後述する。
制御部23は、POSサーバ1の各部を制御する。
【0041】
仮想化管理部24は、決済処理サーバ2内において決済端末バーチャルマシンに関する処理を行う。決済端末バーチャルマシンは、決済処理サーバ2において稼動するバーチャルマシンである。決済端末バーチャルマシンは、決済端末として機能するための決済処理用アプリケーションを実行する。
ここで、決済処理サーバ2は、バーチャルマシンを稼動させる機能を有するコンピュータである。
仮想化管理部24は、決済処理サーバ2において、決済端末バーチャルマシンを制御するソフトウェアであってもよい。
仮想化管理部24は、決済端末5から決済処理サーバ2に対して送信される接続要求に応じて、決済処理サーバ2内に設けられる物理マシンにバーチャルマシンを起動させ、当該バーチャルマシンを動作させる。
また、仮想化管理部24は、決済端末バーチャルマシンを起動させる機能の他に、決済端末バーチャルマシンを停止させる機能を有する。
また、仮想化管理部24は、異なる決済端末5から接続要求を受信した場合には、要求元の決済端末5毎にそれぞれ異なるPOS端末バーチャルマシンを機能する。
【0042】
決済端末バーチャルマシン26は、決済処理サーバ2に接続される決済端末5に対応する処理を行う。
例えば、決済端末バーチャルマシン26は、決済端末が実行する少なくとも一部の機能を実現する決済処理用アプリケーションを実行する。これにより、決済端末バーチャルマシンは、従来における決済端末が実行していた機能のうち少なくとも一部の機能を、決済端末に代わって実現する。この場合、決済端末は、決済処理のうち少なくとも一部の処理を決済端末バーチャルマシンにおいて実行してもらうことできるので、決済端末に実装するソフトウェアを少なくすることができる。
【0043】
ここで、決済端末における決済処理用アプリケーションソフトウェアの更新が必要である場合には、決済端末バーチャルマシンにおけるプログラムを更新する。従来では、決済端末に決済処理用アプリケーションを書き込み、決済端末において決済処理用アプリケーションを実行させるが、この決済システムSでは、上述のように、決済処理用アプリケーションを決済端末ではなく、決済端末バーチャルマシンにおいて実行させるようにしたので、決済端末に決済処理用アプリケーションソフトウェアを配信する必要がない。例えば、決済端末5が複数台あったとしても、各決済端末5に対して更新用プログラムを配信する必要がない。この場合、決済端末5は、決済処理サーバ2に対して処理要求を送信し、決済処理サーバ2から送信される各種データを受信できればよく、決済処理については、決済端末バーチャルマシンにおいて実行してもらうことができる。この場合、決済端末5は、例えば、決済処理に係る入力と出力に関する機能を有していればよい。
【0044】
仮想化管理部24は、第2起動部241とリスト管理部242とを含む。
第2起動部241は、決済端末5から接続要求を受けると、接続要求元の決済端末5に対応する決済端末バーチャルマシンを起動する。第2起動部241は、決済端末バーチャルマシンを起動してもよい対象の決済端末について、決済端末識別情報を記憶しており、接続要求元の決済端末5から接続要求とともに送信された決済端末識別情報が記憶領域に予め登録されていた場合には、起動してもよいと判定し、決済端末バーチャルマシンを起動し、登録されていなければ、決済端末バーチャルマシンを起動しないようにしてもよい。決済端末バーチャルマシンを起動してもよい対象の決済端末については、決済システムSを利用する店舗の情報とともに、予め記憶される。
【0045】
また、第2起動部241は、決済処理サーバ2に対して複数台の決済端末5が接続される場合には、異なる決済端末5毎に、それぞれ異なる決済端末バーチャルマシンを起動する。より具体的には、第2起動部241は、異なる決済端末からの接続要求を受けると、既に起動している決済端末バーチャルマシンとは異なる決済端末バーチャルマシンであって接続要求元の決済端末に対応する決済端末バーチャルマシンを起動する。
第2起動部241は、接続要求元の決済端末5を識別する決済端末識別情報と、決済端末バーチャルマシン識別情報(以下、決済端末VM_IDと称する)とを対応づけする管理データを生成し、仮想化管理部24の内部に設けられた記憶領域に記憶する。ここで、第2起動部241は、接続要求を受信した際に、決済端末5から、当該決済端末5に割り当てられている決済端末識別情報を取得する。第2起動部241は、決済端末5から接続要求を受けると、決済端末バーチャルマシンを起動して決済端末VM_IDを割り当て、割り当てた決済端末VM_IDと、接続要求の際に得られる決済端末識別情報とを対応づけて管理データとして仮想化管理部24の記憶領域に記憶する。
【0046】
リスト管理部242は、決済処理サーバ2において起動している決済端末バーチャルマシンに関する決済端末リストを生成する。決済端末リストは、起動している決済端末バーチャルマシンを特定することが可能な情報が含まれる。
図3は、決済端末リストの一例を示す図である。例えば、決済端末リストには、決済端末バーチャルマシン識別情報(決済端末VM_ID)、グループID、決済端末対応リーダ情報、券種のデータを含む。
決済端末VM_IDは、起動している決済端末バーチャルマシンを識別する識別情報である。
グループIDは、加盟店または店舗を識別可能な識別情報である。グループIDは、例えば、決済端末5から接続要求を受信すると、店舗決済端末データを参照することで、リスト管理部242がその要求元の決済端末5から送信される決済端末識別情報に対応するグループIDを特定し、この特定されたグループIDと、接続要求元の決済端末に対応する決済端末_VM-IDと対応づけて決済端末リストに書き込む。店舗決済端末データは、決済端末識別情報とグループIDとを対応づけたデータであり、記憶部12に予め記憶されていればよい。
決済端末対応リーダ情報は、決済端末が対応しているリーダの種類を表す。リーダの種類は、例えば、「磁気」、「IC」、「NFC」、「カメラ」がある。「磁気」は、クレジットカード等の決済媒体に搭載された磁気ストライプ読み取ることで、当該磁気ストライプに記憶されたデータを取得する機能を表す。「磁気」のリーダが搭載された決済端末は、磁気ストライプが搭載されたクレジットカード等の決済媒体を用いた決済を行うことができる。
「IC」は、クレジットカード等の決済媒体に搭載されたIC(Integrated Circuit)チップの端子に対し、決済端末のリーダの読取ピンを接触させて通信を行う機能を表す。「IC」のリーダが搭載された決済端末は、ICチップが搭載されたクレジットカード等の決済媒体を用いた決済を行うことができる。
「NFC」は、クレジットカードの決済媒体に搭載されたNFC(Near field communication)による通信機能と近距離無線通信を行うことが可能な機能を表す。「NFC」の機能が搭載された決済端末は、NFC通信機能が搭載されたクレジットカード等の決済媒体を用いた決済を行うことができる。
「カメラ」は、コード決済を行う場合に用いられるコードを撮影する機能を表す。コードは、例えば、一次元バーコード又は二次元バーコード等のコードであり、消費者から提示される。コードには、消費者のクレジットカード、銀行口座、電子マネー等の支払元を特定する情報が含まれる。また、コードには、支払金額を表す情報が含まれる場合もある。「カメラ」の機能が搭載された決済端末は、消費者から提示されるコードを撮影することで、コードを用いた決済を行うことができる。
ここで、決済端末5は、磁気ストライプを読み取る磁気読取機能、ICチップの端子と接触することによって通信を行う接触式読取機能、ICチップとNFCによって通信を行うNFC機能のうち少なくともいずれか1つを搭載した決済用デバイスを用いるようにしてもよい。NFCの機能は、近距離無線通信技術を利用して通信を行うことができる機能であればよく、規格はいずれであってもよい。
この決済端末対応リーダ情報において、「0」は、決裁端末に機能が搭載されていないことを表し、「1」は、決裁端末に機能が搭載されていることを表す。
例えば、1行目に示された決済端末については、「磁気」が「0」に設定されており、「IC」と「NFC」と「カメラ」が「1」に設定されているため、「IC」と「NFC」と「カメラ」の3つの機能を備えていることを表す。また、例えば、2行目に示された決済端末については、「磁気」と「IC」と「カメラ」が「0」に設定されており、「NFC」が「1」に設定されているため、「NFC」の機能を備えていることを表す。
【0047】
券種は、決済端末5において使用可能な券種を表す。券種は、決済の種別を表す。券種は、例えば、「クレジット」、「電子マネー」、「コード」がある。
「クレジット」は、クレジットカードを利用する決済種別である。「電子マネー」は、予めチャージされた電子マネーから支払う決済種別である。「コード」は、コードを利用する決済種別である。
「クレジット」、「電子マネー」、「コード」は、それぞれ、ブランド毎に分類される。ブランドは、決済サービスの提供元を表す。
「クレジット」のブランドは、例えば、クレジットカードを提供するブランドであり、図3では、「A」と「B」のブランドがある場合について図示されている。
「電子マネー」のブランドは、例えば、交通系の企業が提供するブランド、流通系の企業が提供するブランド等があり、図3では、「C」と「D」のブランドがある場合について図示されている。
「コード」のブランドは、例えば、コードを生成するアプリケーションソフトウェアの提供元のブランド、コードそのもの生成して提供する提供元のブランド等があり、図3では、「E」と「F」のブランドがある場合について図示されている。
【0048】
この各ブランドにおいて、「0」と「1」は、決裁端末がブランドに対応しているか否かを表す。より具体的には、「0」は決裁端末がブランドに対応していないことを表し、「1」決裁端末がブランドに対応していることを表す。
例えば、1行目に示された決済端末については、「クレジット」のブランド「A」と「B」が「1」に設定され、「電子マネー」のブランド「C」と「D」が「0」に設定され、「コード」のブランド「E」と「F」が「1」に設定されている。このため、1行目に示された決済端末は、「クレジット」のブランド「A」と「B」、「コード」のブランド「E」と「F」に対応しており、「電子マネー」のブランド「C」と「D」に対応していないことを表す。
この図3に示すような決済端末リストを用いる場合、例えば、消費者から券種を「コード」として指定された支払いの要望を受けた場合には、コードを読み取るためカメラが必要となる。そのため、決済端末選択部151は、券種「コード」が指定された場合、ブランド「E」と「F」のいずれかのブランドであって、かつ、決済端末対応リーダ情報の「カメラ」に対して「1」が設定された、1行目に示す決済端末と3行目に示す決済端末とのどちらかの端末装置によって支払が可能であると特定する。
また、例えば、消費者から券種を「クレジット」として指定された支払いの要望を受けた場合には、クレジットカードを読み取るための「磁気」と「IC」と「NFC」のいずれかの機能が必要となる。そのため、決済端末選択部151は、券種「クレジット」が指定された場合には、ブランド「A」と「B」のいずれかのブランドであって、かつ、決済端末対応リーダ情報の「磁気」と「IC」と「NFC」の少なくともいずれかに対して「1」が設定された、1行目に示す決済端末と3行目に示す決済端末とのどちらかの端末装置によって支払が可能であると特定する。なお、この場合において、消費者から提示されたクレジットカードに磁気テープのみ搭載されている場合、決済端末選択部151は、3行目に示す決済端末によって支払が可能であると特定する。
【0049】
また、決済端末5は、汎用デバイスを用いることができる。汎用デバイスとしては、例えば、スマートフォンまたはタブレットを用いるようにしてもよい。この場合、決済端末として機能するためのアプリケーションソフトウェアをスマートフォンまたはタブレットにインストールし、当該アプリケーションソフトウェアを実行することで、決済端末として機能することができる。スマートフォンまたはタブレットを決済端末5として用いる場合、スマートフォンまたはタブレットには、NFC(Near Field Communication)による通信機能を有する機種がある。決済端末5が、NFCによる通信機能を有する場合、消費者から提示されるNFCに対応したクレジットカードと通信を行うことによって、クレジットカードを用いた決済を行うことができる。
また、決済端末5が、NFC機能による通信機能を有する場合、消費者から提示されるNFCに対応した電子マネーカードと通信を行うことによって、電子マネーによる決済を行うことができる。
また、決済端末5は、スマートフォンまたはタブレットであって、カメラを搭載する機種である場合、消費者が提示する決済用コード(例えばバーコードまたは二次元バーコード)をカメラによって読み取り、決済用コードを解釈することによって決済を行うコード決済機能を有する。
【0050】
リスト管理部242は、第2起動部241が決済端末バーチャルマシンを起動することに応じて、その起動された決済端末バーチャルマシンに対する決済端末VM_IDを決済端末リストに追加し、起動している決済端末バーチャルマシンが停止すると、その停止した決済端末VM_IDを決済端末リストから削除する。決済端末バーチャルマシンの停止は、仮想化管理部24が行う。
例えば、仮想化管理部24は、決済端末5から停止要求を受信すると、停止要求元の決済端末5に対応する決済端末バーチャルマシンを停止させ、停止要求とともに決済端末5から得られる決済端末識別情報を管理データから取得してリスト管理部242に出力し、削除要求をする。リスト管理部242は、削除要求を受けると、削除要求された対象の決済端末5に対応する決済端末_識別情報を削除する。
【0051】
決済処理部25は、決済処理に関する各種処理を行う。
決済処理部25は、第3認証部251を含む。
第3認証部251は、決済処理サーバ2と決済承認サーバ3との間において決済承認処理を行う。第3認証部251は、決済承認要求送信部2511を含む。決済承認要求送信部2511は、決済承認サーバに対して決済承認要求を送信する。第3認証部251から決済承認要求が送信されたことに応じて、決済承認サーバ3が認証処理を行い、その認証結果を決済処理部25(第3認証部251)に送信する。この認証結果が、決済処理を行うことを認めることを表す場合には、クレジットカードを用いた決済を行うことが可能となる。
【0052】
ここで、決済承認処理は、クレジットカード決済を行う場合に、決済処理サーバ2とクレジットカード会社が運営する決済承認サーバ3との間で決済処理に関する通信を行い、利用可能な決済端末であるかを認証する処理である。一般に、決済承認処理は、決済承認サーバに対して決済端末が決済承認要求を送信し、決済承認サーバにおいて、その要求元の決済端末が正当な決済端末であるか等について決済承認が行われる。また、店舗において利用する決済端末を新たに設置する場合には、クレジットカード会社に設置申請書を提出し、設置に対する承認を事前に受けておく必要がある。決済処理サーバ2について決済承認サーバ3から決済承認を受けた後、いずれかの決済端末バーチャルマシン26から決済処理要求があった場合、後述する通信代理部20は、決済処理サーバ2について既に決済承認を受けているため、決済承認を受けた決済端末であるとして、決済承認サーバと通信を行う。これにより、通信代理部20が、直接的に決済承認を受けていない決済端末バーチャルマシン26を代理して、決済承認サーバ3と通信を行う。決済承認サーバ3から見た場合、いずれの決済端末バーチャルマシン26の処理に基づく決済処理であっても、承認済みの1台の決済端末と決済処理をしているかのようにして処理を進めることができる。そのため、個別の決済端末バーチャルマシン26が決済承認要求を送信することなく、決済処理を行うことができる。
【0053】
決済端末リスト送信部216は、決済処理サーバ2に対して接続される決済端末5に対応する決済端末バーチャルマシン26に関する決済端末リストをPOSサーバ1に送信する。
決済端末リスト送信部216は、接続される決済端末5において利用可能な券種を示す券種情報を含む決済端末リストをPOSサーバ1に送信する。
決済端末リスト送信部216は、接続される決済端末5が属するグループを示すグループIDを含む決済端末リストをPOSサーバ1に送信する。
【0054】
第2通信部227は、決済端末バーチャルマシン26とPOS端末バーチャルマシン16との間において、決済端末5からの要求に基づく決済データの通信を行う。
第2通信部227は、POS端末バーチャルマシン16と決済端末バーチャルマシン26との接続相手を特定する接続データに基づいて、通信する対象のPOS端末バーチャルマシン16に対して通信を行う。
第2通信部227は、POS端末バーチャルマシンと通信をする場合、処理データの送信または受信を行うことができればよい。すなわち、第2通信部227は、認証時または決済処理時においてPOS端末バーチャルマシンを通信相手として処理データの送信または受信を行う。
第2通信部227は、決済端末選択部151によって選択された決済端末に対して決済データを送信する。
【0055】
第2認証部228は、接続してもよい対象の決済端末5について、決済端末識別情報を記憶領域に記憶しており、接続要求元の決済端末5から接続要求とともに送信された決済端末識別情報が記憶領域に予め登録されていた場合には、決済処理サーバ2と決済端末5との通信接続を許可し決済端末バーチャルマシンに起動を指示する。一方、第2認証部228は、登録されていなければ、接続を許可しない。接続してもよい対象の決済端末識別情報については、決済システムSを利用する店舗の情報とともに、予め記憶される。
【0056】
第2認証部228は、POSサーバ1に対して認証データを送信し、POSサーバ1と認証処理を行う。第2認証部228は、認証処理を行ったことによってPOSサーバ1から通信相手として認められると、POSサーバ1から受信したPOSリストに含まれる複数のPOS端末4のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める認証処理を行う。
この認証処理を行うことによって、第2認証部228は、POSサーバ1に対する認証処理において、通信を行う相手として認められた場合には、POSサーバ1に属するPOS端末バーチャルマシンのそれぞれについて通信を行う相手として通信を行うことができる。これにより、第2認証部228は、POS端末バーチャルマシンが複数ある場合であっても、1回の認証処理を行い、POSリストをもとに、複数のPOS端末バーチャルマシンについてまとめて認証することができる。
また、第2認証部228は、決済端末5から接続要求に応じて認証処理を行う。
【0057】
決済端末バーチャルマシン26は、POS端末バーチャルマシン16から決済依頼を受け付けると、決済依頼に基づく決済種別に応じた決済承認サーバに決済承認要求を送信し、当該決済承認サーバ3から承認する旨の応答を受信すると、POS端末バーチャルマシン16に対して、第1通信部を介して決済処理結果を送信する。
【0058】
通信代理部20は、決済承認要求に応じて決済承認がされた後、決済端末バーチャルマシン26からの決済承認を代理して決済承認サーバと通信を行う。通信代理部20は、第3認証部251によって決済承認サーバ3に対する決済承認が完了しているため、いずれかの決済端末バーチャルマシン26から決済処理の要求があった場合に、決済端末バーチャルマシン26と決済承認サーバ3との間における通信を中継(代理)することができる。
【0059】
上述の制御部13、仮想化管理部14、決済処理部15、POSリスト送信部116、第1通信部117、第1認証部118は、例えばCPU(中央処理装置)等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成されてよい。また、制御部23、仮想化管理部24、決済処理部25、決済端末リスト送信部216、第2通信部217、第2認証部218、通信代理部20については、CPU(中央処理装置)等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成されてよい。
【0060】
記憶部12、記憶部22は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この記憶部12、記憶部22は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0061】
次に、決済システムSの動作について説明する。
図4は、決済システムSの動作を説明するシーケンス図である。
店舗において店員は、営業日における営業を開始するにあたり、POS端末4の電源をオンにする(ステップS11)。
POS端末4は、電源がオンになると、POSサーバ1に接続要求と自身のPOS端末4に割り当てられたPOS端末識別情報とを送信し、相互認証処理と通信用鍵交換処理を行う(ステップS12)。
POSサーバ1の第1認証部118は、POS端末4から接続要求とPOS端末識別情報とを受信したことに応じて、認証処理を行う。ここでは、POS端末4から送信されるPOS端末識別情報が、通信可能なPOS端末としてPOSサーバ1に登録されている場合には、通信可能なPOS端末として判定する。
通信可能なPOS端末として判定されると、第1認証部118は、POS端末4に対して接続を許可するとともに、仮想化管理部14に起動を指示する。POSサーバ1の仮想化管理部14は、POS端末4から送信される接続要求について第1認証部118に認証され、起動が指示されると、POS端末4に応じたPOS端末バーチャルマシンを起動する。
【0062】
次に、POS端末4は、通信可能であることが認められ接続が許可されると、通信用鍵をPOSサーバ1と交換する。そしてPOS端末4は、POSサーバ1に対する接続がリンクアップし、通信可能となる(ステップS13)。これにより、決済処理を行うことが可能となる。
【0063】
一方、決済端末5を携帯する店員は、決済端末5の電源をオンにする(ステップS41)。
決済端末5は、電源がオンになると、決済処理サーバ2に接続要求と自身の決済端末5に割り当てられた決済端末識別情報とを送信し、相互認証処理と通信用鍵交換処理を行う(ステップS31)。
決済端末5の第2認証部228は、決済端末5から接続要求と決済端末識別情報とを受信したことに応じて、認証処理を行う。ここでは、決済端末5から送信されるPOS端末識別情報が、通信可能な決済端末として決済処理サーバ2に登録されている場合には、通信可能なPOS端末として判定する。
通信可能な決済端末として判定されると、第2認証部228は、決済端末5に対して接続許可するとともに、仮想化管理部24に起動を指示する。決済処理サーバ2の仮想化管理部24は、決済端末5から送信される接続要求について第2認証部228に認証され、起動が指示されると、決済端末5に応じた決済端末バーチャルマシンを起動する。
【0064】
次に、決済端末5は、通信可能であることが認められ接続が許可されると、通信用鍵を決済処理サーバ2と交換する。そして決済端末5は、決済処理サーバ2に対する接続がリンクアップし、通信可能となる(ステップS32)。これにより、決済処理を行うことが可能となる。
【0065】
POS端末4は、接続がリンクアップすると、POS処理開始要求をPOSサーバ1に送信する(ステップS14)。POSサーバ1は、POS処理開始要求を受信すると、決済処理サーバ2と相互認証処理及び通信用鍵交換をする(ステップS21)。
POSサーバ1は、決済処理サーバ2と相互認証を行い、決済処理サーバ2から通信相手として認められると、決済処理サーバ2と通信用の鍵の交換を行う。そしてPOSサーバ1は、決済処理サーバ2から受信した決済端末リストに含まれる複数の決済端末5のそれぞれについて決済処理を行う対象として認める認証処理を行う。これにより、POSサーバ1の第1認証部118は、決済処理サーバ2と認証処理を行うことで、決済端末バーチャルマシンのそれぞれと個別に認証処理を行うことなく通信を行うことができる。
【0066】
次に、消費者が来店し、購入対象の商品がレジまで持参されると、店員は、商品の登録操作をする。登録操作は、例えば、商品に取り付けられたバーコードを、POS端末4に接続されたバーコードリーダによって読み取らせる操作である。
POS端末4は、登録操作に応じて、バーコードリーダによって読み取られたバーコードに対応する商品コードを取り込むことによって登録処理を行う(ステップS15)。商品コードは、商品を識別する識別情報が含まれるデータである。
購入商品が複数ある場合、それぞれの商品のバーコードを読み取ることによって、各商品を登録することができる。ここでは、POS端末4は、POSサーバ1に対し、登録された商品に関する商品登録データを自身に割り当てられたPOS端末識別情報とともに送信する。
POSサーバ1の通信部11は、POS端末4から商品登録データとPOS端末識別情報とを受信すると、POS端末識別情報に応じたPOS端末バーチャルマシン16に対して商品登録データを出力する。POS端末バーチャルマシン16は、POS端末4から送信される商品登録データを受信すると、商品登録データを決済対象のデータとして記憶部12に記憶する(ステップS22)とともに、バーコードに応じた商品情報を記憶部12から読み出し、読み出した商品情報をPOS端末4に送信する。
【0067】
POS端末4は、POSサーバ1から送信される商品情報を受信すると、POS端末4の表示画面に表示する。例えば、商品Aについて商品登録がなされた場合には、「商品A 1000円」のように、商品名と商品価格が表示される。購入対象の商品が複数ある場合、商品のバーコードが読み取られた商品のそれぞれについて、順次POSサーバ1から商品情報を受信し、商品名と商品の価格を表示画面に表示することができる。
POS端末4は、バーコードを読み取る機能があれば、購入対象の商品に関する登録は、POS端末バーチャルマシン16によって行ってもらうことができるため、POS端末4は、商品情報を予め記憶しておく必要がなく、また、登録された商品に対応する価格を読み出す処理をしなくてもよい。また、POS端末4は、バーコードを読み取ることができればよいため、POSレジのような専用品ではなく、汎用デバイスを用いることができる。汎用デバイスとしては、例えば、スマートフォンまたはタブレットを用いることもできる。POS端末としてスマートフォンまたはタブレットを用いる場合、バーコードをカメラで撮像し、撮像画像からバーコードを認識し、認識結果に応じた商品コードを生成する機能を有していればよい。
【0068】
POS端末4は、決済対象の商品についてバーコードの読み取りが終了すると、店員から入力される小計操作を受け付け(ステップS16)、小計操作されたことを表す操作信号を自身に割り当てられたPOS端末識別情報ととともにPOSサーバ1に送信する。
POSサーバ1は、POS端末4から操作信号とPOS端末識別情報とを受信すると、POS端末識別情報に対応するPOS端末バーチャルマシン16に操作信号とPOS端末識別情報とを出力する。この操作信号とPOS端末識別情報とを取得したPOS端末バーチャルマシン16は、操作信号を解釈することで小計操作であることを特定し、商品登録処理において登録された各商品の価格を合計することで小計処理を行う(ステップS23)。ここでは、消費税の計算も行う。POS端末バーチャルマシン16は、小計金額が求まると、小計金額と消費税額とをPOS端末識別情報を宛先として通信部11を介して送信する。POS端末4は、小計金額と消費税額とをPOSサーバ1から取得する。
【0069】
POS端末4は、小計金額と消費税額とを表示画面に表示する。消費者は、小計金額と消費税額とを確認し、支払方法を決める。ここでは、例えば、クレジットカードのNFCを用いて決済を行うこととし、消費者から店員にクレジットカードのNFCによる決済を行うことが伝えられる。店員は、消費者の意向に基づいて、POS端末4に、クレジットカードのNFCによる決済を行うことを表すボタンを押下する(ステップS17)。
POS端末4は、クレジットカードのNFCによる決済を行うことが指示されると、小計金額、消費税額、支払方法(クレジットカードのNFCによる決済)を、決済データとしてPOSサーバ1に送信する。
【0070】
POS端末4に対応するPOS端末バーチャルマシン16は、POS端末4から決済データを受信すると、接続データに基づいて、送信先の決済端末バーチャルマシン26に対して決済データを送信する。決済端末バーチャルマシン26は、決済端末5に対して決済データを送信する。決済端末は、決済端末バーチャルマシン26から決済データ(小計金額、消費税額、支払方法(クレジットカードのNFCによる決済))を受信すると、小計金額、消費税額をそれぞれ表示画面に表示するとともに、クレジットカードをNFCによって読み取らせるよう促すメッセージを表示する。
【0071】
消費者は、決済端末の表示画面に表示された小計金額、消費税額を確認した後、NFCの機能が搭載されたクレジットカードを決済端末5に近接させる。
決済端末5は、NFCの機能が搭載されたクレジットカードが通信可能な距離の範囲内に近づけられると、そのクレジットカードのNFC機能と非接触通信を行うことでクレジットカードの読み取りを行う(ステップS42)。クレジットカードの読み取りが行われると、決済端末5は、読み取ったクレジットカードの情報を利用し、その後の決済処理を行う。決済処理サーバ2の決済端末バーチャルマシンは、決済端末5と通信を行い、決済処理を行う。
【0072】
以上説明した実施形態によれば、POS端末4に接続されたPOSサーバ1と、決済端末5に接続された決済処理サーバ2とを通信可能に接続するようにしたので、従来のように、店舗と本部との間の通信環境に依存せず、通信を行うことができる。また、帯域保証ネットワークを利用した通信も可能となる。
【0073】
図5は、固定接続モードにおいてPOS端末4と決済端末5とを接続する動作を説明する図である。
ここでは、接続データには、POS端末4aに対応するPOS端末バーチャルマシン16aと、決済端末5bに対応する決済端末バーチャルマシン26bとを接続し、POS端末4bに対応するPOS端末バーチャルマシン16bと、決済端末5dに対応する決済端末バーチャルマシン26dとを接続することを表すデータが含まれる場合について説明する。
またここでは、接続モードが固定接続モードに設定される。そしてPOS端末4aの電源が投入されたことに応じて、POS端末4aに対応するPOS端末バーチャルマシン16aが起動して接続がリンクアップし、POS端末4bの電源が投入されたことに応じて、POS端末4bに対応するPOS端末バーチャルマシン16bが起動して接続がリンクアップする。また、決済端末5bの電源が投入されたことに応じて、決済端末5bに対応する決済端末バーチャルマシン26bが起動して接続がリンクアップし、決済端末5dの電源が投入されたことに応じて、決済端末5dに対応する決済端末バーチャルマシン26dが起動して接続がリンクアップする。
【0074】
そしてPOS端末4aにおいて商品登録処理、商品登録の内容に基づく小計処理、支払方法の指定がなされると(ステップS101)、POS端末バーチャルマシン16aは、接続データに基づいて、接続先となる決済端末バーチャルマシン26に対して決済データを送信する。ここでは、接続データとして、POS端末バーチャルマシン16aの接続先が決済端末バーチャルマシン26bとして定められているため、POS端末バーチャルマシン16aは、接続データを参照し、決済端末バーチャルマシン26bに決済データを送信する(ステップS102)。決済端末バーチャルマシン26bは、POS端末バーチャルマシン16aから決済データを受信すると、決済端末5bとの間において、受信した決済データに基づく決済処理を行う(ステップS103)。
【0075】
また、POS端末4bにおいて決済が行われる場合、POS端末4bから支払方法が指定されると(ステップS111)、POS端末バーチャルマシン16bは、接続データに基づいて、接続先となる決済端末バーチャルマシン26dに対して決済データを送信する(ステップS112)。決済端末バーチャルマシン26dは、POS端末バーチャルマシン16bから決済データを受信すると、決済端末5dとの間において、受信した決済データに基づく決済処理を行う(ステップS113)。
【0076】
図6は、可変接続モードにおいてPOS端末4と決済端末5とを接続する動作を説明する図である。
ここでは、接続モードが可変接続モードに設定される。また、POS端末4とPOS端末バーチャルマシン16との接続のリンクアップ、決済端末5と決済端末バーチャルマシン26との接続のリンクアップがそれぞれなされ、POSサーバと決済処理サーバとの相互認証処理が完了しているものとして説明する。
POSサーバ1の第1認証部118は、一定時間毎に決済処理サーバ2に決済端末リストの送信要求をし、決済端末リストを受信し、記憶部12に上書きして記憶することで更新する(ステップS201)。これにより、接続可能な決済端末5がいずれであるかを把握することができ、接続することができる決済端末5を特定することができる。ここでは、決済端末リストに含まれるグループIDを参照することで、店舗毎に接続可能な決済端末5を把握することができる。
【0077】
POS端末バーチャルマシン16は、決済端末リストを定期的に読み出す(ステップS202)。これによりPOS端末バーチャルマシン16は、アクティブ状態(接続可能)である決済端末5を特定する(ステップS203)。POS端末バーチャルマシン16が複数起動している場合、この処理を各POS端末バーチャルマシン16が実行するようにしてもよい。例えば、ここでは、決済端末リストに決済端末バーチャルマシン26a、決済端末バーチャルマシン26b、決済端末バーチャルマシン26c、決済端末バーチャルマシン26dについて含まれている場合には、接続可能な決済端末が、決済端末5a、決済端末5b、決済端末5c、決済端末5dであることを特定することができる。
可変接続モードにおいては、決済の都度、決済端末5を選択することができるが、選択するにあたり、接続可能な決済端末がいずれであるかを把握した上で選択する。これにより、決済端末5が任意のタイミングで起動または停止する場合であっても、非アクティブ状態の決済端末5を選択してしまうことを防止することができる。
また、決済端末リストには、グループIDが含まれている。そのため、POS端末4が所属する店舗のグループIDに対応する決済端末バーチャルマシンを抽出した上で、接続可能な決済端末バーチャルマシンを特定することができる。
【0078】
図7は、可変接続モードにおいてPOS端末4と決済端末5とを接続する動作を説明する図である。図7における処理は、図6に示す処理が行われた後に実行される。
消費者が商品を購入するにあたり、POS端末4aにおいて商品登録が行われると、POS端末4aは、POSサーバ1に接続可能な決済端末5について問い合わせ要求を送信する(ステップS401)。POSサーバ1のPOS端末バーチャルマシン16aは、POS端末4aに対して決済端末リストを送信する(ステップS402)。POS端末4aは、受信した決済端末リストに基づいて、POS端末4aの表示画面に接続可能な決済端末リストを表示する(ステップS403)。決済端末リストを表示する場合、決済端末VM_IDを表示してもよいし、決済端末VM_IDに対応する決済端末5を表示するようにしてもよい。店員は、この表示画面に基づいて、接続可能な決済端末5を確認し、その中から決済処理を行う対象の決済端末5を指定する操作入力をする(ステップS404)。ここでは、例えば、決済端末5bを指定する操作入力がなされたものとして説明する。
【0079】
POS端末4aは、接続対象として決済端末5bが指定されると、POSサーバ1に対して決済端末5bが利用可能な状態であるか否かの問い合わせを送信する。POSサーバ1のPOS端末バーチャルマシン16aは、この問い合わせを受信すると、決済端末5bが他のPOS端末と決済処理を行っている途中であるか否かを判定することで、利用可能な状態であるか否かを特定する。例えばPOS端末バーチャルマシン16aは、決済端末5bに対応する決済端末バーチャルマシン26bに利用可能であるか否かを問い合わせる要求を送信する(ステップS405)。
決済端末バーチャルマシン26bは、POS端末バーチャルマシン16aからの問い合わせ要求に応じてステータスを返信する(ステップS406)。決済端末バーチャルマシン26bは、他のPOS端末バーチャルマシン16との間で決済処理を行っている場合には、利用不可であること表すステータスを返信し、決済処理を行っていない場合には、利用可能であることを表すステータスを返信する。ここで決済端末バーチャルマシン26bは、決済端末5bに対し、決済処理を行う対象として決済端末5bが選択されたことを示す通知を送信するようにしてもよい。これにより、決済端末5bは、この通知を受信し、決済処理を行う決済端末として選択されたことを示す報知をする。
【0080】
POS端末バーチャルマシン16aは、受信したステータスに基づいてPOS端末4aに決済端末5bの取引開始操作が可能であるか否かを通知する(ステップS407)。
POS端末4aは、この通知を受信すると、取引開始操作が可能であるか否かを表示画面上に表示する(ステップS408)。店員は、取引開始操作が可能であることが表示されている場合には、決済処理の実行ボタンを押し、取引開始操作が不可である場合には、別の決済端末5を選択し直す。
POS端末4は、店員によって決済処理実行ボタンが押下されると、決済データをPOSサーバ1に送信する(ステップS409)。POSサーバ1のPOS端末バーチャルマシン16aは、決済データを受信すると、決済端末バーチャルマシン26bに決済データを送信する(ステップS410)。決済端末バーチャルマシン26bは、決済データを受信すると、決済端末5bと決済データに基づく決済処理を行う(ステップS411)。
【0081】
ここで、券種がクレジットカードの磁気、IC、NFCのいずれかである場合、決済処理を進めるにあたり、決済承認サーバ3と決済端末5との間において決済承認処理が必要となるが、ここでは、決済処理サーバ2の第3承認部が、任意のタイミング(一定期間毎、または、特定の時刻等)で決済承認処理を実行する。通信代理部20は、第3認証部251によって決済承認サーバ3に対する決済承認が完了しているため、いずれかの決済端末バーチャルマシン26から決済処理の要求があった場合であっても、決済端末バーチャルマシン26と決済承認サーバ3との間における通信を中継することができる。これにより、決済承認サーバ3から見た場合、既に決済承認がなされた決済端末と通信を行っているものとして処理を進めることができる。また、決済端末バーチャルマシン26は、決済承認サーバ3に対して直接的に決済承認処理を行っていなくても、通信代理部20が決済承認サーバ3に対して通信を行ってもらえる。そのため、各決済端末5は、それぞれ決済承認サーバ3と直接的に決済承認処理を行う必要がない。また、店舗は、決済端末5を新たに設置する場合であっても、設置申請書等の提出を行わなくても済む。また、相互認証の暗号方式がバージョンアップされる場合であっても、第3認証部251がバージョンアップをすればよく、各決済端末5がバージョンアップしなくてもよい。
【0082】
以上説明した実施形態によれば、POS端末における決済処理用アプリケーションと、決済端末における決済処理用アプリケーションとをそれぞれ、バーチャルマシンにおいて実行するようにしたので、決済処理用アプリケーションソフトウェアの更新が必要である場合には、バーチャルマシンにおけるプログラムを更新すればよい。そのため、POS端末や決済端末に決済処理用アプリケーションソフトウェアを配信する必要がない。
また、本実施形態によれば、POSサーバと決済処理サーバとを接続し、使用可能券種を含めた決済端末に関する情報を集約し、サーバにて一元管理することができる。一元管理をすることによって、決済処理を行う対象の決済端末を柔軟に選択することも可能となる。
【0083】
また、以上説明した実施形態によれば、POSサーバ1と決済処理サーバ2との間において認証処理(相互認証)を行うようにしたので、この相互認証において通信相手として認められた場合には、各POS端末バーチャルマシン16と各決済端末バーチャルマシン26とをそれぞれ利用可能として認証が完了する。そのため、各POS端末と各決済端末とが直接通信をしてお互いに認証処理をする必要がない。
また、事前に相互認証を行っておくようにしたので、決済処理の要求があった場合には、POS端末バーチャルマシン16と決済端末バーチャルマシン26とが通信を行う際、この段階において認証処理を行う必要がないため、決済処理にかかる時間が長引いてしまうことを防止することができる。
【0084】
また、以上説明した実施形態において、決済処理サーバ2が複数の店舗における決済端末を管理する場合、第3認証部251は、管理対象の店舗のうち、ある店舗を代表して決済承認サーバ3に対して承認要求を送信し、承認された場合には、その店舗のグループIDと承認OKであることを表す結果を対応づけて記憶しておく。そして、その店舗に属する決済端末バーチャルマシン26から決済承認サーバ3に対する通信要求があった場合には、その決済端末バーチャルマシン26のグループIDに基づき、承認OKのデータが対応付けて記憶されているか否かを判定し、記憶されていれば、その決済端末バーチャルマシン26からの通信要求を決済承認サーバ3に送信することができる。決済承認結果とグループIDと対応づけて記憶することで、その店舗に属する決済端末であれば、いずれの決済端末であっても、個別に決済承認処理を行っていなくても、代理することができる。
【0085】
また、以上説明した実施形態によれば、決済端末リストに、券種の情報を含むようにしたので、POS端末4において、決済端末5を選択するにあたり、消費者から要望された券種に対応する決済端末5がいずれであるかを簡単に把握することができる。これにより、消費者が望む券種に対応する決済端末5を簡単に選択することができる。
【0086】
なお、従来のシステムでは、POS端末と決済端末がローカルな環境において接続される。そのため、POS端末は、複数メーカからハードウェアが提供されており、また、ハードウェアにおいて実行されるソフトウェアについても、ディビジョンやバージョンが異なる。そのため、決済端末の機能は、POS端末の環境に依存することになり、POS端末と決済端末とを連動(例えば、シリアル通信、LAN等の通信環境等を含む)させるためには、POS端末の環境に依存することになる。そのため、POS端末を利用した決済システムを開発する場合、POS端末の環境を考慮しなければならないため開発コストが嵩み、また、柔軟性がないという問題があった。本願発明では、POS端末は、POSサーバ1と通信することができればよいため、汎用的なハードウェアを利用することが可能となり、開発コストを抑えることが可能であり、また、柔軟性を向上させることができる。
【0087】
以上説明した実施形態において、POSサーバ1は、クラウドサーバであってもよい。また、決済処理サーバ2は、クラウドサーバであってもよい。
【0088】
以上説明した実施形態においては、店舗が用意した決済端末5を決済処理に用いる場合について説明したが、消費者が所有するスマートフォンまたはタブレットに、決済端末5の機能を実現するためのアプリケーションソフトウェアをインストールし、消費者が用意した決済端末を決済に用いるようにしてもよい。
【0089】
上述した実施形態におけるPOSサーバ1または決済処理サーバ2をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0090】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1…POSサーバ、2…決済処理サーバ、3…決済承認サーバ、4…POS端末、4a…POS端末、4b…POS端末、5…決済端末、5a…決済端末、5b…決済端末、5c…決済端末、5d…決済端末、11…通信部、12…記憶部、13…制御部、14…仮想化管理部、15…決済処理部、16…POS端末バーチャルマシン、16a…POS端末バーチャルマシン、16b…POS端末バーチャルマシン、20…通信代理部、21…通信部、22…記憶部、23…制御部、24…仮想化管理部、25…決済処理部、29…決済端末バーチャルマシン、26a…決済端末バーチャルマシン、26b…決済端末バーチャルマシン、26c…決済端末バーチャルマシン、26d…決済端末バーチャルマシン、116…POSリスト送信部、117…第1通信部、118…第1認証部、141…第1起動部、142…リスト管理部、151…決済端末選択部、226…決済端末リスト送信部、227…第2通信部、228…第2認証部、241…第2起動部、242…リスト管理部、251…第3認証部、2511…決済承認要求送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7