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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/56 20060101AFI20230810BHJP
【FI】
E06B9/56 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022039692
(22)【出願日】2022-03-14
(62)【分割の表示】P 2018145150の分割
【原出願日】2018-08-01
(65)【公開番号】P2022071218
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 英希
(72)【発明者】
【氏名】中島 勝輝
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特許第2637268(JP,B2)
【文献】特開2010-112049(JP,A)
【文献】特開平02-213582(JP,A)
【文献】特開2006-200153(JP,A)
【文献】特開昭51-074448(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1213949(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第1移動部材を駆動可能な第1駆動軸と、
前記ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、前記第1移動部材よりも上方に位置するように第2移動部材を駆動可能な第2駆動軸と、
前記第1駆動軸を回転駆動可能な第1プーリと、
前記第2駆動軸を回転駆動可能な第2プーリと、
一端が前記第1プーリに連結されて該プーリを所定の回転方向へ回転するように付勢する第1付勢部材と、
一端が前記第2プーリに連結されて該プーリを所定の回転方向へ回転するように付勢する第2付勢部材と、
前記第1プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられ、前記ヘッドボックスから垂下する第1操作コードと、
前記第2プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられ、前記ヘッドボックスから垂下する第2操作コードと
前記第1及び第2付勢部材それぞれの他端と連結されることにより該第1及び第2付勢部材を支持する支持部材と
を備え、
前記第1操作コードが前記第1プーリに巻き取られ、前記第2操作コードが前記第2プーリに巻き取られた状態において、前記第2操作コードの下端は、前記第1操作コードの下端よりも上方に位置する
ことを特徴とする遮蔽装置。
【請求項2】
前記支持部材には、前記第1付勢部材の他端を着脱自在に係止する第1係止部と、前記第2付勢部材の他端を着脱自在に係止する第2係止部とが設けられる
ことを特徴とする請求項記載の遮蔽装置。
【請求項3】
前記第1付勢部材及び前記第2付勢部材は、それぞれ渦巻状に巻回されたぜんまいバネであり、
前記第1係止部及び前記第2係止部の少なくとも一方は、対応する前記第1付勢部材または前記第2付勢部材が一方向に巻かれた状態においても逆方向に巻かれた状態においても共用可能に設けられている
ことを特徴とする請求項記載の遮蔽装置。
【請求項4】
ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第1移動部材を駆動可能な第1駆動軸と、
前記ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、前記第1移動部材よりも上方に位置するように第2移動部材を駆動可能な第2駆動軸と、
前記第1駆動軸を回転駆動可能な第1プーリと、
前記第2駆動軸を回転駆動可能な第2プーリと、
一端が前記第1プーリに連結されて該プーリを所定の回転方向へ回転するように付勢する第1付勢部材と、
一端が前記第2プーリに連結されて該プーリを所定の回転方向へ回転するように付勢する第2付勢部材と、
前記第1プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられ、前記ヘッドボックスから垂下する第1操作コードと、
前記第2プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられ、前記ヘッドボックスから垂下する第2操作コードと
前記第1操作コードに設けられ、該コードが前記第1プーリに所定量以上巻取られることを規制する第1ストッパと、
前記第2操作コードに設けられ、該コードが前記第2プーリに所定量以上巻取られることを規制する第2ストッパと
を備え、
前記第1操作コードが前記第1プーリに巻き取られ、前記第2操作コードが前記第2プーリに巻き取られた状態において、前記第2操作コードの下端は、前記第1操作コードの下端よりも上方に位置し、
前記第1及び第2操作コードの巻取りを規制した状態において、前記第1ストッパと前記第2ストッパとが、一方向に沿って並ぶように位置付けられる
ことを特徴とする遮蔽装置。
【請求項5】
ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第1移動部材を駆動可能な第1駆動軸と、
前記ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、前記第1移動部材よりも上方に位置するように第2移動部材を駆動可能な第2駆動軸と、
前記第1駆動軸を回転駆動可能な第1プーリと、
前記第2駆動軸を回転駆動可能な第2プーリと、
一端が前記第1プーリに連結されて該プーリを所定の回転方向へ回転するように付勢する第1付勢部材と、
一端が前記第2プーリに連結されて該プーリを所定の回転方向へ回転するように付勢する第2付勢部材と、
前記第1プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられ、前記ヘッドボックスから垂下する第1操作コードと、
前記第2プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられ、前記ヘッドボックスから垂下する第2操作コードと
を備え、
前記第1操作コードが前記第1プーリに巻き取られ、前記第2操作コードが前記第2プーリに巻き取られた状態において、前記第2操作コードの下端は、前記第1操作コードの下端よりも上方に位置し、
前記第1プーリ及び前記第2プーリは、一方向に沿って並設され、
前記第1操作コードを前記ヘッドボックス外へ導出する導出部と、前記第2操作コードを前記ヘッドボックス外へ導出する導出部とが、前記第1及び第2プーリが並設される方向と略同方向に沿って並設される
ことを特徴とする遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、2つの遮蔽材を有する遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの遮蔽材が並設されるブラインド、カーテン、間仕切り等の遮蔽装置が知られており、この種の遮蔽装置においては、最下端に配置されたボトムレールと、このボトムレールとヘッドボックスとの間に配置された中間バーとをそれぞれ別個に昇降させることによって、ボトムレールと中間バーとの間に配された第1遮蔽材と、中間バーとヘッドボックスとの間に配された第2遮蔽材とがそれぞれ昇降される。
【0003】
このような2つの遮蔽材を有する遮蔽装置に関して、下記特許文献1に示される遮蔽装置が知られている。この遮蔽装置は、無端状の操作コードと、操作コードが巻き掛けられるプーリと、プーリと一体回転するように連結され操作力が伝達されて回転する操作軸と、操作軸と一体回転可能かつ操作軸上を軸方向に摺動可能なクラッチと、クラッチの軸方向両側にそれぞれ配置され、第1遮蔽材を昇降させる第1駆動軸に駆動力を伝達する第1伝達部材及び第2遮蔽材を昇降させる第2駆動軸に駆動力を伝達する第2伝達部材とを有する操作装置を備えており、操作軸の回転方向によってクラッチの摺動方向が決定され、操作軸上を摺動したクラッチが一方の伝達部材と係合することにより、操作軸の回転が一方の伝達部材を介していずれか一方の駆動軸に伝達されることを特徴とする。
【0004】
このような遮蔽装置によれば、1本の操作コードで操作軸がいずれか一方に回転されるように操作することによって、回転方向に応じて決定されるクラッチの摺動方向によって、回転が伝達される伝達部材が第1伝達部材または第2伝達部材に切り替えられ、いずれかの駆動軸への回転の伝達を1つのクラッチユニットにより行うことができる。これによって、遮蔽装置の操作装置の部品点数を削減して省スペース化を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-220077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に示される遮蔽装置によれば、1本の操作コードが遮蔽装置の前後方向における室内側及び室外側の2箇所から垂下し、これらの操作コードの垂下位置は、遮蔽装置の幅方向、即ちヘッドボックスの長手方向において略一致した位置となっている。このため、特に垂下される操作コードに捩れが生じて前後の操作コードが入れ替わるような状況において、室内側から垂下する操作コードと室外側から垂下する操作コードとを判別しにくい、という問題があった。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、2種類の操作コードを判別しやすい状態でヘッドボックスから垂下させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第1移動部材を駆動可能な第1駆動軸と、前記ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、前記第1移動部材よりも上方に位置するように第2移動部材を駆動可能な第2駆動軸と、前記第1駆動軸を回転駆動可能な第1プーリと、前記第2駆動軸を回転駆動可能な第2プーリと、一端が前記第1プーリに連結されて該プーリを所定の回転方向へ回転するように付勢する第1付勢部材と、一端が前記第2プーリに連結されて該プーリを所定の回転方向へ回転するように付勢する第2付勢部材と、前記第1プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられ、前記ヘッドボックスから垂下する第1操作コードと、前記第2プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられ、前記ヘッドボックスから垂下する第2操作コードとを備え、前記第1操作コードが前記第1プーリに巻き取られ、前記第2操作コードが前記第2プーリに巻き取られた状態において、前記第2操作コードの下端は、前記第1操作コードの下端よりも上方に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2種類の操作コードを判別しやすい状態でヘッドボックスから垂下させることができる遮蔽装置を提供することができる。本発明のその他の効果については、以下の発明を実施するための形態の項でも説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
図2】実施形態に係る遮蔽装置を模式的に示す概略平面透視図である。
図3】実施形態に係る遮蔽装置が備える操作装置の構成を示す平面図である。
図4】実施形態に係る操作装置の構成を示す斜視図である。
図5】実施形態に係る操作装置を第1連動部材側方から見た分解斜視図である。
図6】実施形態に係る操作装置を第2連動部材側方から見た分解斜視図である。
図7図3に示されるA-A線断面図であり、(a)は第1操作コードの非操作時の状態を示し、(b)は第1操作コードの操作時の状態を示す。
図8図3に示されるB-B線断面図であり、(a)は第2操作コードの非操作時の状態を示し、(b)は第2操作コードの操作時の状態を示す。
図9】実施形態に係る操作装置が備える伝達機構を示す側面図である。
図10図3に示されるC-C線断面図である。
図11図3に示されるD-D線断面図であり、(a)は第1操作コードの非操作時の状態を示し、(b)は第1操作コードの操作時の状態を示す。
図12図3に示されるE-E線断面図であり、(a)は第1操作コードの非操作時の状態を示し、(b)は第1操作コードの操作時の状態を示す。
図13】第1操作コードを引き下げた状態を示す遮蔽装置の正面図である。
図14】第2操作コードを引き下げた状態を示す遮蔽装置の正面図である。
図15】他の実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態においては、遮蔽装置が設けられた際の室内側の面を正面、室外側の面を背面、正面及び背面に直交する方向を前後方向、遮蔽装置の長手方向を左右方向と称して以後説明を行う。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
(全体構成)
先ず、本実施形態に係る遮蔽装置の操作装置を備える遮蔽装置の全体構成について説明する。図1図2は、それぞれ、本実施形態に係る遮蔽装置の正面図、概略平面透視図である。なお、図1においては、ヘッドボックスのみが縦断面で示される。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る遮蔽装置1は、横型のプリーツスクリーンであり、ヘッドボックス2と、第1移動部材としてのボトムレール31と、紐状またはテープ状に形成された2本の昇降コード32と、第1遮蔽材としてのスクリーン33と、第2移動部材としての中間バー41と、紐状またはテープ状に形成された2本の調光コード42と、第2遮蔽材としてのスクリーン43と、操作装置5とを備える。
【0014】
ヘッドボックス2は、ブラケット(不図示)を介して窓枠等に固定され、内部に収容空間を有した長尺の箱状に形成される。ヘッドボックス2内には、第1駆動軸201aと、2つの第1巻取ドラム202aと、第1ストッパ203aと、第1ブレーキ204aと、第2駆動軸201bと、2つの第2巻取ドラム202bと、第2ストッパ203bと、第2ブレーキ204bとが収容される。第1駆動軸201a、2つの第1巻取ドラム202a、第1ストッパ203a、及び第1ブレーキ204aは、ボトムレール31を昇降する第1駆動系を構成する。また、第2駆動軸201b、2つの第2巻取ドラム202b、第2ストッパ203b、及び第2ブレーキ204bは、中間バー41を昇降する第2駆動系を構成する。本実施形態において、第1駆動系は後方側に配され、第2駆動系は前方側に配され、第1駆動系と第2駆動系とが前後方向に互いに位置を異ならせて並設されるが、例えば、第1駆動系と第2駆動系とを上下方向に位置を異ならせるように並設しても良く、第1駆動系と第2駆動系の配列を前後方向あるいは上下方向に逆にしても良い。
【0015】
第1駆動軸201a及び第2駆動軸201bは、それぞれ、左右方向に延在する角柱状の部材であり、ヘッドボックス2内において軸心方向を左右方向に向けて回転可能に軸支される。ここで、第1駆動軸201aの軸心は、第2駆動軸201bの軸心の後方に位置し、軸心の位置が前後方向に異なっている。なお、以降の説明においては、第1駆動軸201aの軸心を第1軸心と呼称し、第2駆動軸201bの軸心を第2軸心と呼称する。
【0016】
2つの第1巻取ドラム202aは、それぞれ、第1駆動軸201aと一体回転するように第1駆動軸201aに貫通され、2つの昇降コード32のうち対応する昇降コード32の一端が巻取及び巻解き可能に連結される。2つの第2巻取ドラム202bは、それぞれ、第2駆動軸201bと一体回転するように第2駆動軸201bに貫通され、2つの調光コード42のうち対応する調光コード42の一端が巻取及び巻解き可能に連結される。第1ストッパ203aは、第1駆動軸201aの回転を拘束する。第2ストッパ203bは、第2駆動軸201bの回転を拘束する。第1ブレーキ204aは、第1駆動軸201aの回転を減速する。第2ブレーキ204bは、第2駆動軸201bの回転を減速する。
【0017】
ボトムレール31は、2本の昇降コード32の他端が接続され、遮蔽装置1において最下端に位置するようにヘッドボックス2から吊り下げ支持され、左右方向に長尺に形成された部材である。中間バー41は、2本の調光コード42の他端が接続され、上下方向においてヘッドボックス2とボトムレール31との間に位置するようにヘッドボックス2から吊り下げ支持され、左右方向に長尺に形成された部材である。スクリーン33は、上端が中間バー41の下面に連結されるとともに下端がボトムレール31の上面に連結され、上下方向に折りたたみ可能なプリーツ状に形成され、2本の昇降コード32が部分的に上下方向に挿通される遮蔽部材である。スクリーン43は、上端がヘッドボックス2の下面に連結されるとともに下端が中間バー41の上面に連結され、上下方向に折りたたみ可能なプリーツ状に形成され、2本の調光コード42が部分的に上下方向に挿通される遮蔽部材である。
【0018】
(操作装置5の概略構成)
次に、本実施形態に係る操作装置5の概略構成について説明する。操作装置5は、図1及び図2に示すようにヘッドボックス2の左右端部の一方、本実施形態においては右側端部に設けられており、本体ケース51と、第1操作コード52aと、第2操作コード52bとを備え、本体ケース51内部には、各操作コードが巻き解き及び巻き取り可能に巻回された第1プーリ53a及び第2プーリ53b等からなる駆動機構が内蔵されている。
【0019】
第1操作コード52aは、紐状またはテープ状に形成され、巻取及び巻解き可能に第1プーリ53aに一端が連結されたコード部材521aと、コード部材521aの他端に設けられた把持部522aと、一端と他端との間における所定位置に固定的に設けられたストッパ523aとを有する。把持部522aは、遮蔽装置1の操作者が第1操作コード52aを操作、具体的には、コード部材521aが第1プーリ53aから巻解かれるように下方に引く際に、操作者が把持するために設けられる部材である。ストッパ523aは、コード部材521aが第1プーリ53aにより所定量以上に巻取られることを規制する。なお、コード部材521aとストッパ523aの構造は、異なる2つのコード同士がストッパ523a内で連結される構造であってもよく、1本のコードの途中にストッパ523aが固定される構造であってもよい。
【0020】
第2操作コード52bは、紐状またはテープ状に形成され、第1操作コード52aと同一方向に巻取及び巻解き可能に第2プーリ53bに一端が連結されたコード部材521bと、コード部材521bの他端に設けられた把持部522bと、一端と他端との間における所定位置に固定的に設けられたストッパ523bとを有する。把持部522b及びストッパ523bは、把持部522a及びストッパ523aと同様のものであるため、ここでの説明は省略する。当然第1操作コード52aと同様に、コード部材521bとストッパ523bの構造は、異なる2つのコード同士がストッパ523b内で連結される構造であってもよく、1本のコードの途中にストッパ523bが固定される構造であってもよい。
【0021】
本体ケース51は、内部に上述した駆動機構を内蔵すると共に、図1に示すようにストッパ523aを収容可能な収容空間511aと、ストッパ523bを収容可能な収容空間511bとが形成されている。収容空間511a,511bは、本体ケース51の左右方向略中央における正面側下端部に並設するように位置付けられており、コード部材521a,521bが第1及び第2プーリ53a,53bにそれぞれ巻き取られている状態(以後、この状態を非操作状態と称する)において、ストッパ523a,523bを収容する。
【0022】
また、収容空間511a,511bに収容されたストッパ523a,523bを導出するために、外部と収容空間511a,511bとをそれぞれ個別に連通する開口が本体ケース51に形成されている。当該開口は、収容空間511a,511bの正面及び下面が開放するように正面及び下面の2面に連続して形成されており、したがってストッパ523a,523bはその正面及び下面が露出した状態で収容空間511a,511bにそれぞれ導入及び導出可能に収容される。
【0023】
また、収容空間511a,511bは、その天井壁にコード部材521a,521bが挿通可能でありストッパ523a,523bが挿通不能な図示しない挿通孔が設けられており、この挿通孔を通ってコード部材521a,521bを本体ケース51内外へ出し入れ可能にしている。したがって非操作状態としてコード部材521a,521bが各プーリに完全に巻き取られている状態においても、その天井壁にストッパ523a,523bが当接することでストッパ523a,523bが本体ケース51内へ侵入することを防止している。これにより、コード部材521a,521bの各プーリへの所定量以上の巻き取りを規制し、延いてはコード部材521a,521bの本体ケース51内への導入を規制している。
【0024】
(操作装置5の詳細構成)
次に、操作装置5の詳細構成について、図3図9を用いて説明する。図3は本実施形態に係る操作装置の構成を示す平面図であり、図4はその斜視図である。図5は本実施形態に係る操作装置を第1連動部材側から見た分解斜視図であり、図6は第2連動部材側方から見た分解斜視図である。図7図3に示されるA-A線断面図であり、(a)は第1操作コードの非操作時の状態を示し、(b)は第1操作コードの操作時の状態を示す。図8図3に示されるB-B線断面図であり、(a)は第2操作コードの非操作時の状態を示し、(b)は第2操作コードの操作時の状態を示す。図9は本実施形態に係る操作装置が備える伝達機構を示す側面図である。なお、説明上、各図においては本体ケース51を省略している。
【0025】
図3図6に示すように、操作装置5は駆動機構として、第1プーリ53a、第2プーリ53b、支持部材54、第1付勢部材55a、第2付勢部材55b、第1連動部材56a、第2連動部材56b、及び伝達機構57を備える。第1プーリ53a、第1付勢部材55a、及び第1連動部材56aが独立して前述した第1駆動系と連結され、第2プーリ53b、第2付勢部材55b、第2連動部材56b、伝達機構57が独立して前述した第2駆動系と連結される。したがって、操作装置5は、第1駆動系と第2駆動系とで2つの異なるスクリーンを個別に昇降操作することを可能としている。
【0026】
第1プーリ53aは、コード部材521aの一端が連結されると共にその周壁にコード部材521aが巻取及び巻解可能に巻回されており、本実施形態においては前後方向前方からコード部材521aが垂下するように巻回されている。第1プーリ53aの一方側、ここでは左右方向右側端部には第1付勢部材55aを囲繞すると共にこれを支持部材54と協働して収容する囲繞部531aが設けられている。囲繞部531aを形成する周壁の一部は分離しており、これが第1付勢部材55aの一端を着脱自在に係止する外方係止部532aとなっている。また、第1プーリ53aは後述する支持部材54の第1支軸541aにより相対回転可能に軸支されており、したがってコード部材521aの引き下げに応じて回転する。
【0027】
一方、第2プーリ53bは、コード部材521bの一端が連結されると共にその周壁にコード部材521bが巻取及び巻解可能に巻回されており、後述する支持部材54の第2支軸541bにより回転可能に軸支され、コード部材521bの引き下げに応じて回転する。第2プーリ53bは第1プーリ53aと同一構成のものであり、したがって上述した囲繞部531aに対応する囲繞部531b、外方係止部532aに対応する外方係止部532bがそれぞれ設けられている。
【0028】
本実施形態における第1プーリ53a及び第2プーリ53bは、支持部材54を境に略面対称となるように互いの囲繞部側を向かい合わせにし、且つ回転軸心が同軸となるように左右方向に沿って並設されている。したがって、第1プーリ53aは左右方向左側に回転力が伝達され、第2プーリは左右方向右側に回転力が伝達されるようになっている。
【0029】
支持部材54は、第1プーリ53a及び第2プーリ53bの間に配設され、本体ケース51内壁に固定された左右方向に直交する方向に延在する板状部材であり、その両面には面外方向にそれぞれ突出する前述した第1支軸541a,第2支軸541bが設けられている。第1支軸541aは、先端部において第1プーリ53aを回転可能に軸支しており、その後端部、即ち根元部分には内方係止部542aが形成されている。一方、第2支軸541bは、先端部において第2プーリ53bを回転可能に軸支しており、その後端部には内方係止部542bが形成されている。
【0030】
内方係止部542aは、図7(a)に示すように前後方向に延在して周方向に湾曲する形状となっており、前後方向前方側が第1支軸541aに連結され、第1付勢部材55aの他端がその表面に沿って巻き掛けられることによりこれを係止する。一方、内方係止部542bは、図8(a)に示すように内方係止部542aと同様の形状となっており、第2付勢部材55bの他端がその表面に沿って巻き掛けられることによりこれを係止する。内方係止部542a,542bは付勢部材他端が巻き掛けられるという簡単な形態で当該他端を係止するため、容易に付勢部材を着脱自在とすることができる。これは前述した外方係止部532a,532bにおいても同様である。
【0031】
本実施形態においては第1付勢部材55a,第2付勢部材55bが同一方向に巻回されるため、内方係止部542a,542bは互いに面対称となるように形成されている。なお、内方係止部542a,542bはこの形状に限定するものではなく、付勢部材を係止可能であれば延在する方向や形状は適宜であり、例えば前後方向後方側が支軸に連結される形態や支軸から分離される形態でもよく、前者の場合、付勢部材は本実施形態と逆巻きとすることができ、後者の場合、付勢部材はその巻き方向を状況に応じて可変とすることができる。
【0032】
このように、本実施形態においては支持部材54により第1プーリ53a及び第2プーリ53bと、第1付勢部材55a及び第2付勢部材55bとの支持を、それぞれ1つの部材で共通化している。また、支持部材54は、第2駆動軸201bが第1駆動軸201aの前方側に配設されているため、第2駆動軸201bを挿通するための挿通孔543が設けられている。第2駆動軸201bとの干渉を回避可能であれば、挿通孔543に代わりスリットや支持部材54の前後方向長さを縮める等してもよい。
【0033】
第1付勢部材55aは、図5及び図7(a)に示すように渦巻状に巻回されたぜんまいバネであり、第1プーリ53aの囲繞部531a内に収容される。具体的には、図7(a)に示すように巻回された状態で一端が第1プーリ53aの外方係止部532aに巻き掛けられて係止されると共に、他端が第1支軸541aの内方係止部542aに巻き掛けられて係止される。これにより、第1操作コード52aを巻き取る方向(以後巻取方向と称し、その逆を巻解方向と称する)に回転するよう第1プーリ53aを常時付勢しているが、ストッパ523aによって第1操作コード52aの所定量以上の巻取が規制されている。この状態において第1操作コード52aが引き下げられると、図7(b)に示すように第1プーリ53aが巻解方向に回転し、当該回転に応じて第1付勢部材55aが次第に縮径し、第1支軸541a後端部に限界まで巻き付いた状態において当該回転が規制される。
【0034】
一方、第2付勢部材55bは、図6及び図8(a)に示すように第1付勢部材55aと同一構成のものであり、第2プーリ53bの囲繞部531b内に収容され、第2プーリ53bの外方支持部532b及び第2支軸541bの内方支持部542bにより係止される。また、第2付勢部材55bは、図6に示すように第2プーリ53b及びコード部材521bと同様、支持部材54を境に第1付勢部材55aと面対称となるよう巻回された状態で第2プーリ53b内に配設されており、第2プーリ53bを巻取方向に回転するよう常時付勢している。したがって、第1付勢部材55aと同様に、第2操作コード52bが引き下げられると、図8(b)に示すように第1プーリ53aの回転に応じて第2付勢部材55bが次第に縮径し、第2支軸541bに限界まで巻き付いた場合に当該回転が規制される。
【0035】
以上のように本実施形態においては、第1プーリ53aと第2プーリ53bとが支持部材54を境に面対称に配置されると共に、コード部材521aとコード部材521b、及び第1付勢部材55aと第2付勢部材55bも支持部材54を境にそれぞれ面対称となるよう巻回されている。これにより図4に示されるように、第1プーリ53a及び第2プーリ53bは、巻取方向及び巻解方向を同一として回転させ、コード部材521a,521bを共に前後方向前方側から並設して垂下させている。
【0036】
第1連動部材56aは、図5及び図6に示されるように、第1プーリ53aに組み付けられた後述するクラッチ機構を覆うように取り付け可能な蓋状に形成されている。第1連動部材56aにおけるクラッチ機構を覆う部分の周壁内周面には、当該クラッチ機構と係合及び係合解除可能に径内方向へ突出する係合突起561aが周方向に一定間隔を空けて複数形成されている。これにより、第1連動部材56aは第1プーリ53aの回転に応じて、一体回転または相対回転することができる。また、第1連動部材56aはその左右方向左側面の略中央に面外方向に突出する筒状突起が形成されており、これに第1駆動軸201aが一体回転するよう挿入されている。これにより第1連動部材56aは第1プーリ53aと一体回転する場合にはその回転を第1駆動軸201aに伝達する。
【0037】
第2連動部材56bは、図5及び図6に示されるように、第2プーリ53bに組み付けられた後述するクラッチ機構を覆うように取り付け可能な蓋状に形成されており、クラッチ機構を覆う部分の周壁内周面には、第1連動部材56aと同機能の係合突起561bが複数形成されている。一方、第2連動部材56bはその左右方向右側面の略中央に伝達機構57の第1ギヤ571が設けられており、当該第1ギヤ571と回転軸心が同一に一体回転する。
【0038】
伝達機構57は、図9に示すように、第2連動部材56bと一体回転可能に連結された第1ギヤ571と、第2駆動軸201bと一体回転可能に連結された第2ギヤ572と、第1ギヤ571と第2ギヤ572との間に介在されてそれぞれのギヤと噛み合うことにより、第1ギヤ571の回転力を第2ギヤ572へ伝達する第3ギヤ573とを備える。
【0039】
本実施形態においては左右方向左から第1駆動軸201a、第1連動部材56a、第1プーリ53a、第2プーリ53b、及び第2連動部材56bの順に配設されると共に、それぞれの回転軸心が第1軸心と同軸上に配設されている。一方、上述したように第2駆動軸201bの第2軸心は第1軸心の前後方向前方に位置している。さらに、操作装置5がヘッドボックス2の左右方向右端部に設けられており、第2プーリ53bの回転力が左右方向右側に入力される状態となっている。したがって、第2プーリ53bと第2駆動軸201bとの間に上述した3つのギヤからなる伝達機構57を介在させることにより、第2プーリ53bの回転を第2駆動軸201bと略同位置の軸心位置の回転に変換して第2駆動軸201bに伝達するようにしている。
【0040】
次に、各プーリに設けられたクラッチ機構の構成について、図10図12を用いて詳細に説明する。図10図3に示されるC-C線断面図である。図11図3に示されるD-D線断面図であり、(a)は第1操作コードの非操作時の状態を示し、(b)は第1操作コードの操作時の状態を示す。図12図3に示されるE-E線断面図であり、(a)は第1操作コードの非操作時の状態を示し、(b)は第1操作コードの操作時の状態を示す。なお、第1プーリ53aと第2プーリ53bとに組み付けられたクラッチ機構は同一構成のものであるため、ここでは第1プーリ53aのクラッチ機構を例にとり説明を行い、第2プーリ53bのクラッチ機構については説明を省略する。
【0041】
図10に示すように、クラッチ機構は中継軸581と、クラッチドラム582と、クラッチピン583(図12参照)と、ガイドワッシャ584と、カムドライブ585とを備える。
【0042】
中継軸581は、図10図12に示すように一端が他端より小径に形成された略筒状をなしており、当該一端が第1支軸541aに嵌入し、他端がクラッチドラム582の中空部に嵌入してこれを相対回転不能に支持している。クラッチドラム582は図10図12に示すように、中空円筒状をなして中継軸581が嵌入されており、その周壁にクラッチバネが嵌合している。
【0043】
クラッチピン583は、図12に示すように円柱状をなしてガイドワッシャ584とカムドライブ585との間に摺動可能に挟まれた状態で配設されており、径方向に沿って進退することにより第1連動部材56aに対し第1プーリ53aの回転の伝達/非伝達を行う。より具体的には、第1連動部材56aの係合突起561aに対して係合した場合には、第1プーリ53aの回転が第1連動部材56aへ伝達され、当該係合が解除された場合には、第1プーリ53aの回転の伝達が解除される。
【0044】
ガイドワッシャ584は、図10に示すように、中空円盤状をなしてその中空部に中継軸581及びクラッチドラム582が貫通し、相対回転可能に支持されている。また、ガイドワッシャ584は、図12に示すように、第1プーリ53a側、即ち左右方向右側の面にクラッチピン583の進退動作を案内する一対の突起5841が周方向に等間隔離間して3組、カムドライブ585と一体回転するための突起5842が周方向に所定距離離間して2組面外方向に突出するよう設けられている。
【0045】
カムドライブ585は、図10に示すように、略中空円盤状をなしてその中空部にクラッチドラム582が貫通し、相対回転可能に支持されている。また、カムドライブ585には、図11及び図12に示すように、第1プーリ53aに設けられ第1連動部材56a側に突出すると共に周方向に等間隔離間した3つの突起533a(図12参照)がそれぞれ個別に挿通されて、第1プーリ53aと一体回転可能に係合する3組の開口5851が突起533aと同間隔離間して設けられる。また、カムドライブ585の第1連動部材56a側の面には面外方向に突出する円筒部5850が形成されており、その円筒部5850の周壁には、クラッチピン583を進退移動させるカム面を有して周方向に等間隔離間した3組の突起5852が径外方向に突出するように設けられると共に、突起5842に当接可能な突起5853が径内方向に突出するように設けられている。カムドライブ585はガイドワッシャ584と互いに相対回転可能であるが、突起5842と突起5853とが当接した際には相対回転が規制され、一体回転する。
【0046】
(装置動作)
以上のように構成された操作装置5の動作を、図13及び図14を用いて説明する。ここでは第1操作コード52aにより第1プーリ53aを操作し、第1駆動系を駆動させる場合を例にとり説明を行う。第2操作コード52bにより第2プーリ53bを操作する場合は、第1プーリ53aを操作する場合と比較して、駆動対象が第2駆動系である点、第2プーリ53bの回転力を伝達機構57を介して第2駆動系へ伝達する点以外は同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0047】
既にスクリーン33が最下降位置まで降下された状態においては、図11(a)に示すように第1プーリ53aの突起533aがカムドライブ585の開口5851縁に当接しておらず、図12(a)に示すようにクラッチピン583が第1連動部材56aの係合突起561aと係合していない状態となっている。ここで操作者が第1操作コード52aを引き下げ始めると、コード部材521aが第1プーリ53aより巻き解かれることにより第1プーリ53aが巻解方向へ回転し、第1付勢部材55aが回転に応じて縮径することとなる(図7(b)参照)。続いて、第1プーリ53aの巻解方向への回転と共に突起533aが同巻解方向へ回転移動し、図11(b)に示すように開口5851と接触する。当該接触により、第1プーリ53aとカムドライブ585とが一体回転し始める。
【0048】
この一体回転に応じてカムドライブ585の突起5852及び突起5853が巻解方向に回転移動し、突起5852のカム面とクラッチピン583とが当接してクラッチピン583が径外方向に移動し、図12(b)に示すように第1連動部材56aの係合突起561aに係合する。当該係合時には、同図に示すようにガイドワッシャ584の突起5842とカムドライブ585の突起5853とが当接した状態となる。これにより、第1プーリ53aの回転が第1連動部材56aを介して第1駆動軸201aに伝達され、これらが一体的に巻解方向に回転する。この第1駆動軸201aの回転に応じて第1巻取ドラム202aが昇降コード32を巻き取ることにより、図13に示すようにボトムレール31を上昇移動させてスクリーン33を上昇させることができる。
【0049】
ある程度の距離第1操作コード52aを引き下げた状態、例えば最大限度まで第1操作コード52aを引き下げた後に手を離すと、第1付勢部材55aの反発力により第1プーリ53aが巻取方向に回転、即ち引き下げた場合と逆回転してコード部材521aを巻き取ることとなる。これに応じて第1プーリ53aが逆回転し、カムドライブ585及びその突起5852が逆回転することにより当該突起5852とクラッチピン583とが離間し、クラッチピン583が径内方向に摺動可能な状態となるため、クラッチピン583と第1連動部材56aとの係合が解除される。したがって、第1駆動軸201aには第1プーリ53aの逆回転が伝達することはない。
【0050】
以上のクラッチ機構の動作により、ある程度第1操作コード52aを引き下げる操作、当該操作後に戻る動作が繰り返しなされる度に、第1駆動軸201aの回転、非回転が繰り返しなされて引き下げ操作量に応じた所定距離毎ボトムレール31及びスクリーン33が上昇する。これによって最上昇位置までスクリーン33を上昇させるに必要な第1操作コード52aの長さを短くすることができる。
【0051】
また、上昇させたボトムレール31及びスクリーン33を降下させたい場合は、第1操作コード52aを軽く引き下げることで、第1ストッパ203aを解除し、第1ブレーキ204aの作用で一定速度を維持しながらボトムレール31及びスクリーン33を最下降位置まで下降させることができる。当然、当該状態において第1操作コード52aを離すとコード部材521aのみが巻き取られ、その巻き取り後にもう一度引き下がることによりスクリーン33をその操作量に応じて上昇させることができる。
【0052】
なお、第2操作コード52bを引き下げた場合は、第2プーリ53bの回転力が伝達機構57を介して第2駆動軸201bに伝達される以外は第1操作コード52a操作時と略同等の動作によりスクリーン43を上昇させることができる。つまりコード部材521bが第2プーリ53bより巻き解かれることにより第2プーリ53bが巻解方向へ回転し、当該回転がクラッチ機構へ伝達される。上述したクラッチ機構の動作により、巻解方向への回転が第2連動部材56b及び第2連動部材56bと一体的に設けられた第1ギヤ571へ伝達されて同方向へ回転し、第3ギヤ573、第2ギヤ572が連動して回転することにより第2駆動軸201bが同方向へ回転することとなる。この第2駆動軸201bの回転に応じて第2巻取ドラム202bが調光コード42を巻き取ることにより、図14に示すように中間バー41を上昇移動させてスクリーン43を上昇させることができる。
【0053】
以上に説明した本実施形態によれば、第1プーリ53aと第2プーリ53bとを左右方向に沿って並設することにより、第1操作コード52a及び第2操作コード52bを同じく左右方向に沿って並設されるように垂下することができるため、第1操作コード52aと第2操作コード52bとを左右方向において互いに異なる位置に垂下させ、2種類の操作コードを判別しやすい状態で垂下させることができる。これらのコードの絡まり等を低減できる。また、これらを容易に判別することが可能となるため第1駆動系、第2駆動系の操作側を迷うことなく、操作性を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態においては、第1プーリ53aと第2プーリ53bとを面対象に配設し、支持部材54により第1プーリ53a及び第2プーリ53bと第1付勢部材55a及び第2付勢部材55bとの支持を、それぞれ共通化したため、各プーリを近接して配置することができ、それぞれ個別に支持する形態と比較して操作装置5の小型化を実現できる。また、第1プーリ53aと第2プーリ53bとが支持部材54を介して互いに相対回転可能にされているため、第1操作コード52aと第2操作コード52bとを同時に操作することも可能となる。
【0055】
また、支持部材54左右両面に設けられた第1及び第2支軸541a,541bに内方係止部542a,542bが形成されているため、簡単な構成で各付勢部材に連結された各プーリを左右に配置することができ、クラッチ機構や第1及び第2連動部材56a,56bといった操作装置5の構成要素も左右に配置することができるため、操作装置5をより小型化することが可能となる。また、内方係止部542a,542bの形状に応じて第1及び第2付勢部材55a,55bの巻き方を変更可能とすることができるため、プーリの回転方向を選択することができ、操作位置の左右切り替えも可能となる。
【0056】
また、第1プーリ53aと第2プーリ53bとを面対称に配置してコード部材及び付勢部材の巻き方を同方向にしたため、操作コードをそれぞれ前後方向前方から垂下させることができ、前後方向で互い違いに操作コードが垂下される場合と比較して操作コードの操作性を向上させることができる。
【0057】
また、伝達機構57を用いることにより駆動軸を各プーリから異なる回転軸心となる位置に配設することができるため、操作装置5の配置や構成要素の配置に自由度を持たせることが可能となる。
【0058】
なお、以上に説明した本実施形態においては、図1に示すように第1操作コード52aと第2操作コード52bとを同一量垂下するようにしているが、図15に示すように、ボトムレール31と中間バー41との高さの違いに合わせて第1操作コード52aの長さを第2操作コード52bの長さより長くする等、互いの長さを異ならせるようにしてもよい。このように構成することにより、第1操作コード52aと第2操作コード52bとの判別を更に容易にすることができる。
【0059】
また、第1プーリ53aと第2プーリ53bとの回転軸心が第1軸心と同軸であると説明したが、1つ又は複数のギヤからなる伝達機構を適宜設けることにより、各プーリが互いに回転軸心が異なるように設けられていてもよい。
【0060】
また、外方係止部532a,532bを各プーリに設け、内方係止部542a,542bを支持部材54に設けたが、これに限定するものではなく、外方係止部532a,532bを支持部材54に設け、内方係止部542a,542bを各プーリに設けるようにしてもよい。
【0061】
また、第1駆動軸201aの回転により移動される第1移動部材と、第2駆動軸201bの回転により移動される第2移動部材とを、それぞれ、上下方向に移動されるボトムレール31、中間バー41としたが、第1移動部材及び第2移動部材の移動方向はいずれの方向であっても良く、第1移動部材及び第2移動部材は前後に配列されてそれぞれ上下方向又は左右方向に移動するものであっても良い。また、遮蔽装置としてプリーツスクリーンを例に挙げて説明したが、横型ブラインド、縦型ブラインド、ロールスクリーン、ハニカムスクリーン、たくし上げカーテン、アコーディオンドアといったブラインド、カーテン、又は間仕切り等の遮蔽装置に適用できる。
【0062】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0063】
1 遮蔽装置
2 ヘッドボックス
201a 第1駆動軸
201b 第2駆動軸
31 ボトムレール(第1移動部材)
41 中間バー(第2移動部材)
53a 第1プーリ
53b 第2プーリ
54 支持部材
542a,542b 内方係止部(第1及び第2係止部)
55a 第1付勢部材
55b 第2付勢部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15