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特許7329687ブロックチェーンベースの署名運送状返却方法、装置、機器及び可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-09
(45)【発行日】2023-08-18
(54)【発明の名称】ブロックチェーンベースの署名運送状返却方法、装置、機器及び可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0833 20230101AFI20230810BHJP
【FI】
G06Q10/0833
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022522265
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2020112018
(87)【国際公開番号】W WO2021120686
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】201911322241.7
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522147311
【氏名又は名称】北京京邦▲達▼▲貿▼易有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGBANGDA TRADE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 101, 1st Floor, No.2 Building, No.20 Suzhou Street, Haidian District Beijing 100080, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521456922
【氏名又は名称】北京京東振世信息技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Jingdong Zhenshi Information Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】6th Floor, No.76 Zhichun Road, Haidian District, Beijing 100086, China
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲叢▼▲慶▼
(72)【発明者】
【氏名】王振▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】者文明
(72)【発明者】
【氏名】▲喬▼▲曉▼▲強▼
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0037453(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0130394(US,A1)
【文献】国際公開第2018/176140(WO,A1)
【文献】特開2019-073394(JP,A)
【文献】特開2015-067389(JP,A)
【文献】特開2010-128535(JP,A)
【文献】特開2019-121198(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0232693(US,A1)
【文献】中国物流与採購聯合会,京東物流,物流+区塊鏈技術応用聯盟,中国物流与区塊鏈融合創新応用 藍皮書[オンライン],2019年01月,第12-15頁,[検索日 2023年5月2日],インターネット:<URL: http://www.chinawuliu.com.cn/file/file/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E7%89%A9%E6%B5%81%E4%B8%8E%E5%8C%BA%E5%9D%97%E9%93%BE%E8%9E%8D%E5%90%88%E5%88%9B%E6%96%B0%E5%BA%94%E7%94%A8%E8%93%9D%E7%9A%AE%E4%B9%A6.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムサーバは、荷送端末からの署名運送状返却要求を取得することと、
前記システムサーバは、前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得することと、
前記システムサーバは、ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得することと、
前記システムサーバは、前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信することと、を含むブロックチェーンベースの署名運送状返却方法。
【請求項2】
前記システムサーバは、前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証したことは、
前記システムサーバは、前記目標署名運送状情報に対してハッシュ処理を行い、検証対象ハッシュ値を得ることと、
前記検証対象ハッシュ値と前記目標ハッシュ値が一致する場合、前記システムサーバは、前記目標署名運送状情報が正しいと決定することと、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記システムサーバは、前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得する前に、
前記システムサーバは、注文情報、予め設定された荷送署名情報及び運送状リアルタイム状態情報に基づいて、プロセス運送状情報を作成又は更新することであって、前記プロセス運送状情報は、第1の運送状情報、第2の運送状情報又は署名運送状情報を含み、前記運送状リアルタイム状態情報は、発注状態、運送状態又は署名状態を含むことと、
前記システムサーバは、前記プロセス運送状情報を記憶し、前記プロセス運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶することと、を含み、
前記システムサーバは、前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得することは、
前記システムサーバは、前記署名運送状返却要求に対応する署名運送状情報を目標署名運送状情報とすることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記システムサーバは、注文情報、予め設定された荷送署名情報及び運送状リアルタイム状態情報に基づいて、プロセス運送状情報を作成又は更新することは、
前記システムサーバは、物流端末からの署名運送状要求を受信する場合、前記物流端末に第2の運送状情報を送信し、前記物流端末は、前記荷送署名情報が正しいと検証した際に、前記第2の運送状情報に基づいて荷受端末に前記第2の運送状情報を示す符号化画像を提供することであって、前記第2の運送状情報は、運送状態を示す運送状リアルタイム状態情報、前記注文情報、前記予め設定された荷送署名情報を含むことと、
前記システムサーバは、荷受端末から署名運送状情報を受信し、前記署名運送状情報が正しいことを検証することであって、前記署名運送状情報は、荷受署名情報、前記第2の運送状情報及び署名状態を示す運送状リアルタイム状態情報を含み、前記署名運送状情報は、前記荷受端末が前記符号化画像をスキャンして前記第2の運送状情報を得るときに送信され、且つ前記署名運送状情報を送信する前に、前記荷受端末はさらに、前記荷送署名情報が正しいことを検証することと、を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記システムサーバは、前記プロセス運送状情報を記憶し、前記プロセス運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶することは、
前記システムサーバは、前記署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記署名運送状情報を記憶し、前記署名運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶することを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記システムサーバは、前記署名運送状情報が正しいと検証したことは、
前記システムサーバは、前記署名運送状情報に含まれる前記荷受署名情報が正しいことを検証し、前記荷受署名情報が示す身分情報と前記注文情報に示す荷受人情報が一致することを決定することを含み、前記荷受署名情報は、荷受デジタル証明書と荷受デジタル署名を含み、前記荷受デジタル署名は荷受端末ユーザ情報にバインドされる請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記荷送署名情報は、予め設定された荷送デジタル証明書、予め設定された荷送デジタル署名を含み、
前記システムサーバは、物流端末からの署名運送状要求を受信するとき、前記物流端末に第2の運送状情報を送信する前に、
前記システムサーバは、前記注文情報、発注状態を示す運送状リアルタイム状態情報、予め設定された荷送デジタル証明書、及び予め設定された荷送デジタル署名に基づいて、第1の運送状情報を作成することをさらに含み、前記第1の運送状情報は、前記注文情報、前記発注状態を示す運送状リアルタイム状態情報、前記予め設定された荷送デジタル証明書及び前記予め設定された荷送デジタル署名をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記システムサーバは、物流端末からの署名運送状要求を受信するとき、前記物流端末に第2の運送状情報を送信する前に、
前記システムサーバは、前記第1の運送状情報を物流端末に送信して、前記物流端末が、前記荷送デジタル証明書と前記荷送デジタル署名が正しいと検証したとき、前記第1の運送状情報を受信することと、
前記システムサーバは、前記物流端末から第2の運送状情報を受信することであって、前記第2の運送状情報は、前記物流端末が運送状態に基づいて前記第1の運送状情報における運送状リアルタイム状態情報を更新した後の運送状情報であることと、をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記システムサーバは、前記プロセス運送状情報を記憶し、前記プロセス運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶することは、
前記システムサーバは、前記第1の運送状情報のハッシュ値を前記ブロックチェーンに記憶すること、
及び/又は、前記システムサーバは、前記第2の運送状情報を記憶し、前記第2の運送状情報のハッシュ値を前記ブロックチェーンに記憶することをさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
荷送端末からの署名運送状返却要求を取得するための要求受信モジュールと、
前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得するための第1の検索モジュールと、
ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得するための第2の検索モジュールと、
前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信するための返却処理モジュールと、を含むブロックチェーンベースの署名運送状返却装置。
【請求項11】
電子機器であって、メモリ、バス、前記バスを介して前記メモリに接続されるプロセッサ及びコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムは前記メモリに記憶され、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを実行するとき、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のブロックチェーンベースの署名運送状返却方法を実行するために用いられる電子機器。
【請求項12】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムはプロセッサによって実行されるとき、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のブロックチェーンベースの署名運送状返却方法を実現するために用いられるコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫物流技術分野に関し、特に、ブロックチェーンベースの署名運送状返却方法、装置、機器及び可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引の発展に伴い、物流管理は徐々に商品流通過程の重要な面となっている。従来の物流業務操作では、物流会社は荷物配送に成功した後、荷受人が署名した伝票情報を荷送人に返す必要がある。どのように署名運送状返却の効率、信頼性を高めるかは物流業務において解決すべき問題の1つである。
【0003】
従来の物流業務操作では、物流配送員は運送状を印刷し、顧客が受領した後、紙の署名運送状を荷送人に郵送するか、紙の署名運送状を写真に撮って電子写真を形成してオンラインで荷送人に渡す必要がある。
【0004】
しかし、紙の署名運送状は紛失や破損しやすく、従来の署名運送状返却方法では効率が高くないとともに、信頼性が高くないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、ブロックチェーンベースの署名運送状返却方法、装置、機器及び可読記憶媒体を提供し、署名運送状返却の効率と信頼性を高める。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例の第1の態様では、ブロックチェーンベースの署名運送状返却方法を提供し、
荷送端末からの署名運送状返却要求を取得することと、
前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得することと、
ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得することと、
前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信することと、を含む。
【0007】
本発明の実施例の第2の態様によれば、ブロックチェーンベースの署名運送状返却装置を提供し、
荷送端末からの署名運送状返却要求を取得するための要求受信モジュールと、
前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得するための第1の検索モジュールと、
ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得するための第2の検索モジュールと、
前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信するための返却処理モジュールと、を含む。
【0008】
本発明の実施例の第3の態様では、電子機器を提供し、メモリ、プロセッサ及びコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムは前記メモリに記憶され、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを実行するとき、本発明の第1の態様及び第1の態様の様々な設計可能な前記ブロックチェーンベースの署名運送状返却方法を実行するために用いられる。
【0009】
本発明の実施例の第4の態様では、可読記憶媒体を提供し、前記可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムはプロセッサによって実行されるとき、本発明の第1の態様及び第1の態様の様々な設計可能な前記ブロックチェーンベースの署名運送状返却方法を実現するために用いられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明で提供されるブロックチェーンベースの署名運送状返却方法、装置、機器及び可読記憶媒体は、荷送端末からの署名運送状返却要求を取得し、前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得し、ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得し、前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信し、これにより、目標署名運送状情報の改ざん不可能なブロックチェーン記憶を実現し、署名運送状返却の効率を向上させるとともに、署名運送状返却の信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例に係るブロックチェーンベースの署名運送状返却の応用シーンの概略図である。
図2】本発明の実施例に係るブロックチェーンベースの署名運送状返却方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施例に係る別のブロックチェーンベースの署名運送状返却方法のフローチャートである。
図4】本発明の実施例に係るブロックチェーンベースの署名運送状返却装置の概略構造図である。
図5】本発明の実施例に係る別のブロックチェーンベースの署名運送状返却装置の概略構造図である。
図6】本発明の実施例に係る電子機器のハードウェアの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下では、本発明の実施例における図面を組み合わせて、本発明の実施例における技術案を明確に完全に説明し、明らかに、説明した実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明における実施例に基づいて、当業者は、創造的な労働がない前提で取得される他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0013】
本発明の明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(存在であれば)は、特定の順序又は前後の順序を記述するのではなく、類似の対象を区別するために用いられる。このように使用されるデータは、本明細書で説明される本発明の実施例が、本明細書で図示又は説明されているもの以外の順序で実施されることができるように、適切な場合に交換されることが理解されるべきである。
【0014】
理解すべきものとして、本発明の様々な実施例において、各プロセスの番号の大きさは、実行順序の前後を意味するものではなく、各プロセスの実行順序は、その機能及び内在論理によって決定されるべきであり、本発明の実施例の実施プロセスを何ら限定するものではない。
【0015】
理解すべきものとして、本発明において、「含む」と「有する」ならびにそれらの任意の変形は、非排他的な包含を包含することを意図し、例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、または機器は、必ずしも明示的に列挙されたステップまたはユニットに限定される必要はなく、明示的に列挙されていない、またはこれらのプロセス、方法、製品、または機器に固有の他のステップまたはユニットを含んでもよい。
【0016】
理解すべきものとして、本発明において、「複数」とは、2つ以上を意味する。「及び/又は」は関連オブジェクトを説明する関連関係にすぎず、3つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、AとBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3つの状況を表すことができる。文字「/」は、通常、前後の関連オブジェクトが「又は」の関係であることを表す。「A、B及びCを含む」、「A、B、Cを含む」とは、A、B、Cの三者を含むことを意味し、「A、B又はCを含む」とは、A、B、Cの三者の1つを含むことを意味し、「A、B及び/又はCを含む」とは、A、B、C三者のうちのいずれか1つ又はいずれか2つ又は3つを含むことを意味する。
【0017】
理解すべきものとして、本発明において、「Aに対応するB」、「Aが対応するB」、「AとBが対応する」又は「BとAが対応する」は、BがAに関連しており、AによってBを決定することができることを表す。AによってBを決定することは、AのみによってBを決定するのを意味するものではなく、A及び/又は他の情報によってBを決定してもよい。AとBのマッチングは、AとBの類似度が予め設定された閾値以上である。
【0018】
文脈に応じて、ここで使用する「場合」は、「とき」又は「際に」又は「決定に応答する」又は「検出に応答する」と解釈することができる。
【0019】
理解すべきものとして、本発明において、署名運送状とは、荷受端末が署名した後の運送状を意味するので、運送状は、荷受端末が署名する前の運送状、及び荷受端末が署名した後の署名運送状を含む。運送状情報は、荷送端末情報、運送状識別子、荷受端末情報などを含むが、これらに限定されない。署名運送状情報は、運送状情報、及び荷受端末で書き込まれた荷受署名情報を含む。
【0020】
以下、具体的な実施例で本発明の技術案を詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施例を互いに組み合わせてもよく、同じまたは類似の概念またはプロセスについては、いくつかの実施例では説明を繰り返さない場合もある。
【0021】
従来の署名運送状返却操作では、物流会社は運送状を印刷し、顧客が受領した後、紙の署名運送状を荷送人に郵送するか、紙の署名運送状を写真に撮って電子写真を形成してオンラインで荷送人に渡す必要がある。通常、紙の伝票を印刷した後の状態は、署名待ち、倉庫に戻る済み、署名運送状返却待ち、業者への送付、完了、キャンセルなどの状態がある。システムでは、紙の伝票を宅配便番号と宅配会社名情報に関連付ける必要がある。紙の伝票と組み合わせて、オンラインの電子伝票の状態は、キャンセル、撮影待ち、撮影済み確認待ち、撮影完了などの状態があり、まず電子伝票画像を指定サーバシステムにアップロードした後、画像アドレスと運送状番号を注文システムなどに手動で同期させる必要がある。運送状は、複数の異なるシステム、例えば注文システム、配送システム、中間の他の伝送システムなどを流れる必要があるため、システム間はインターフェースまたはメッセージの形態でデータのインタラクションを完成する。
【0022】
従来の署名運送状返却方式は、紙の伝票に対する返却であり、紙の伝票が紛失しやすく、運営コストが高く、かつ偽造されやすく、それに、紙の伝票を撮影して指定サーバにアップロードし、画像アドレス情報を運送状に関連付けて情報システムに記録することについて、手書き署名の画像は光学文字認識(Optical
Character Recognition、OCRと略称する)ができず、写真がはっきりしないなどの問題があるため、伝票ごとに手動で審査する必要があり、操作が複雑であるとともに誤り率も高い。それだけでなく、従来の署名運送状返却では、運送状又は署名運送状のデータフローは複数のシステムで流れ、システム間でデータ同期の問題があり、特に異なる企業間でデータを共有する際に信頼の問題がある。このことから、従来の署名運送状返却方法には、効率と信頼性が高くないという問題がある。
【0023】
本発明の実施例に係るブロックチェーンベースの署名運送状返却応用シーンの概略図である図1を参照する。図1に示すように、業務システム1は、注文情報を入力し、荷送端末6からの署名運送状返却サービス命令を受信すると、署名運送状返却サービスを開始する。業務システム1は、生成した運送状情報を状態同期によりブロックチェーン5に記憶し、配送システム2は、配送中に運送状態の変更が発生すると、変更された運送状態をブロックチェーンに同期して記憶する。配送端末3は、例えば配送員のハンディターミナルであり、配送員が配送を行う際に、配送端末3により署名対象書類の電子版を取得し、運送状情報の二次元コードを生成し、荷受ユーザに示す。荷受ユーザは、荷受端末4によって、二次元コードをスキャンして署名し、署名後の署名運送状情報をブロックチェーンにアップロードして記憶する。荷送ユーザは、荷送端末6により返却された署名運送状をクエリし、ブロックチェーンに記憶された署名運送状情報に基づいて検証し、正しいと検証すければ返却された目標署名運送状情報をダウンロードし得る。図1に示すシーンでは、業務システム1、配送システム2、配送端末3及び荷受端末4は、いずれも自分の段階において、運送状状態が変化した場合、状態をブロックチェーン5に同期させ、ブロックチェーンの改ざん不可能な特性を利用して、運送状情報の信頼できる記憶と更新を実現する。最後に、荷送端末6が自発的に署名運送状返却プロセスを開始し、荷送端末6は、返却された署名運送状をクエリしたと、ブロックチェーン5から対応するデータをダウンロードして返却された署名運送状を検証し、正しいと検証すければ返却された署名運送状を受信し、このようにして、ブロックチェーンベースの改ざん不可能な記憶特性に基づいて、信頼できる署名運送状検証と効率的な署名運送状返却を実現する。
【0024】
本発明の実施例に係るブロックチェーンベースの署名運送状返却方法のフローチャートである図2を参照する。図2に示す方法の実行主体は、ソフトウェア及び/又はハードウェア装置、例えばシステムサーバ又はシステムサーバに内蔵されたソフトウェアモジュールであってもよい。システムサーバは、例えばユーザが端末機器を利用して閲覧する物流運送状ウェブページをサポートするバックグラウンド管理サーバ(例のみ)など、様々なサービスを提供するサーバであってもよい。バックグラウンド管理サーバは、受信した物流情報クエリ要求、署名運送状返却要求などのデータに対して検索、分析などの処理を行い、処理結果(例えば目標署名運送状情報)を端末機器にフィードバックすることができる。図2に示す方法はステップS101~ステップS104を含む。具体的には以下の通りである。
【0025】
S101では、荷送端末からの署名運送状返却要求を取得する。
【0026】
荷送端末は、例えば、システムサーバが目標署名運送状情報を取得したとき、署名運送状返却要求に従って荷送端末に署名運送状返却を行うように、注文を生成すると同時に又はその後に署名運送状返却要求を送信することができる。
【0027】
S102では、前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得する。
【0028】
署名運送状返却要求には、荷送ユーザが返却したい署名運送状識別子、例えば運送状識別子が含まれていることが理解される。運送状識別子は例えば、運送状番号である。システムサーバは、署名運送状返却要求を受信するとき、署名運送状返却要求から運送状識別子を解析し得、運送状識別子に基づいて該運送状識別子に対応する運送状が署名されたかどうかを検索し、署名された署名運送状情報を検索した場合、該署名された署名運送状情報を目標署名運送状情報とする。目標署名運送状情報が検索されていない場合、目標署名運送状情報が検索されるまで、荷受端末に未署名のメッセージを返すか、現在の段階の運送状情報を荷送端末に返す。
【0029】
S103では、ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得する。
【0030】
ブロックチェーンには、すべての運送状情報に対応するハッシュ値が記憶され、目標署名運送状情報が検索され得るとき、そのハッシュ値もブロックチェーンに予め記憶されるべきである。例えば、各署名運送状情報はいずれも1つのブロックチェーン記憶識別子に対応し、ブロックチェーン記憶識別子は、署名運送状情報に対応するハッシュ値がブロックチェーンでの記憶位置を示すために用いられる。目標署名運送状情報に対応するブロックチェーン記憶識別子を取得し、該ブロックチェーン記憶識別子でブロックチェーンにおいて検索し、目標ハッシュ値を取得する。該目標ハッシュ値は、予め記憶された正しい目標署名運送状情報を示し、ステップS102で得られた目標署名運送状情報と比較するための検証根拠とすることができる。
【0031】
S104では、前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信する。
【0032】
例えば、前記目標署名運送状情報に対してハッシュ処理を行い、検証対象ハッシュ値を得る。次に、検証対象ハッシュ値と目標ハッシュ値が一致するか否かを判断する。
【0033】
前記検証対象ハッシュ値と前記目標ハッシュ値が一致する場合、前記目標署名運送状情報が正しいと決定する。正しいと決定された前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信するとともに、正しいと検証された結果又は証憑を荷送端末に送信することもできる。
【0034】
前記検証対象ハッシュ値と前記目標ハッシュ値が一致しない場合、前記目標署名運送状情報にエラーがあると決定する。荷送端末と業務システムに検証エラーのプロンプト情報を返して、業務システムにエラー処理を促すことができる。
【0035】
本実施例に係るブロックチェーンベースの署名運送状返却方法によれば、荷送端末からの署名運送状返却要求を取得し、前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得し、ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得し、前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信し、このようにして、目標署名運送状情報の改ざん不可能なブロックチェーン記憶を実現し、署名運送状返却の効率を向上させるとともに、署名運送状返却の信頼性を向上させる。
【0036】
上記の実施例に基づき、ステップS102又はステップS101の前に、運送状情報の作成、同期及び更新のプロセスを行うことも可能であり、その実現形態は様々であってもよく、以下、図面及び具体的な実施例に関連して例示と説明する。
【0037】
本発明の実施例に係る別のブロックチェーンベースの署名運送状返却方法のフローチャートである図3を参照する。図3に示す方法は、ステップS201~ステップS206を含み、具体的には以下の通りである。
【0038】
S201では、注文情報、予め設定された荷送署名情報及び運送状リアルタイム状態情報に基づいて、プロセス運送状情報を作成又は更新し、ここで、前記プロセス運送状情報は、第1の運送状情報、第2の運送状情報又は署名運送状情報を含み、前記運送状リアルタイム状態情報は、発注状態、運送状態又は署名状態を含む。
【0039】
貨物状態情報の変更に伴い、プロセス運送状情報は様々な状態を有してもよく、例えばプロセス運送状情報は、荷受署名情報が書き込まれていない第1の運送状情報と第2の運送状情報、及び荷受署名情報が書き込まれた署名運送状情報を含んでもよい。システムサーバは、注文情報、予め設定された荷送署名情報及び運送状リアルタイム状態情報に基づいて、プロセス運送状情報の作成と更新を実現する。ここで、更新の実質的なステップは、他の端末で完成され、システムサーバによって受信、検証及び記憶されてもよい。前記荷送署名情報は例えば予め設定された荷送デジタル証明書、予め設定された荷送デジタル署名を含む。
【0040】
いくつかの実施例では、プロセス運送状情報は署名運送状情報を含む。ステップS201において、プロセス運送状情報に対する更新形態は様々であってもよい。一実現形態は、例えば、配送員が貨物を配達する際に、荷受ユーザに運送状二次元コードを提供する必要がある場合、物流端末を介してシステムサーバに署名運送状要求を送信する。システムサーバは、物流端末からの署名運送状要求を受信する場合、前記物流端末に第2の運送状情報を送信し、このようにして、前記物流端末は、前記荷送署名情報が正しいと検証した際に、前記第2の運送状情報に基づいて荷受端末に前記第2の運送状情報を示す符号化画像を提供する。ここで、前記第2の運送状情報は、運送状態を示す運送状リアルタイム状態情報、前記注文情報、前記荷送署名情報を含む。ここでの符号化画像は、例えば二次元コード画像である。前記荷送署名情報は、例えば予め設定された荷送デジタル証明書、予め設定された荷送デジタル署名を含む。物流端末は荷送署名情報が正しいことを検証するプロセスは、例えば荷送人が事前に権威認証センターを通じてそのデジタル身分(公開鍵、秘密鍵)を裏書し、公開鍵に対応する所有者が署名本人であることを証明し、携帯電話番号の実名、銀行カード、顔照合、身分証明書を手にするなどの形態で署名アカウントの真実性とコンプライアンスを確保し、荷送デジタル証明書の裏書を実現し、それから物流端末が第2の運送状情報を受信する場合、第2の運送状情報における荷送デジタル証明書に従って、認証センターに荷送デジタル証明書の有効性を検証し、さらに有効であると確認された荷送デジタル証明書で荷送デジタル署名の合法性を検証する。合法であると確認した場合、前記荷送デジタル証明書と前記荷送デジタル署名が正しいと検証されることを確認すると意味する。署名検証のプロセスは、本発明の実施例に限定されない。
【0041】
上記の実施例において、荷受端末は、前記符号化画像をスキャンして前記第2の運送状情報を得るとき、荷送署名情報の正確性を先に検証することができる。荷送署名情報が予め設定された荷送デジタル証明書、予め設定された荷送デジタル署名を含む実施例において、認証センターに荷送デジタル証明書の有効性を検証し、さらに有効であると確認された荷送デジタル証明書で荷送デジタル署名の合法性を検証してもよい。合法であると確認された場合、前記荷送デジタル証明書と前記荷送デジタル署名が正しいと検証されることを確認すると意味する。正しいと検証されると確認したら、予め記憶された荷受署名情報に基づいて、署名運送状情報を取得する。署名運送状情報は、荷受署名情報、前記第2の運送状情報及び署名状態を示す運送状リアルタイム状態情報を含む。荷受端末は、署名運送状情報をシステムサーバに送信する。具体的には、荷受端末が署名運送状情報を物流端末に送信し、物流端末により署名運送状情報をシステムサーバに転送してもよいし、荷受端末が直接署名運送状情報をシステムサーバに送信してもよい。システムサーバは、荷受端末から署名運送状情報を受信し、前記署名運送状情報が正しいことを検証することにより、運送状態が署名状態に変更するプロセスにおいて、プロセス運送状情報の更新(第2の運送状情報から署名運送状情報に更新する)を完了する。
【0042】
ここで、前記署名運送状情報が正しいことを検証する形態は、前記署名運送状情報に含まれる前記荷受署名情報が正しいと検証し、前記荷受署名情報に示す身分情報と前記注文情報に示す荷受人情報が一致すると確認することであってもよい。ここで、前記荷受署名情報は荷受デジタル証明書と荷受デジタル署名を含み、前記荷受デジタル署名は荷受端末ユーザ情報にバインドされる。例えば、荷受ユーザは、事前に権威CA(Certification Authority)センターを通じてそのデジタル身分(公開鍵、秘密鍵)を裏書し、公開鍵に対応する所有者が署名本人であることを証明し、携帯電話番号の実名、銀行カード、顔照合、身分証明書を手にするなどの形態で署名アカウントの真実性とコンプライアンスを確保し、荷受署名情報の裏書を実現する。注文情報に示す荷受人情報は、例えば荷受人の名前、身分証明書番号、顔画像及び/又は携帯電話番号であり、荷受署名情報に示す身分情報は、荷受ユーザが荷受署名のために、例えばCAセンターで事前に裏書する情報である。ここでの身分情報と荷受人情報とのマッチングは、一致していると理解できる。例えば、張三の携帯電話から送信された荷受署名情報が有効であると検証し、かつ張三が裏書する署名情報が正しいと検証すれば、システムサーバは、荷受人が張三本人であると認めてもよい。システムサーバは、デジタル署名により、迅速な署名検証を実現する。
【0043】
別の実施例では、プロセス運送状情報は第1の運送状情報と第2の運送状情報を含む。前記荷送署名情報は、例えば予め設定された荷送デジタル証明書、予め設定された荷送デジタル署名を含む。ステップS201において、プロセス運送状情報に対する作成と更新の形態は様々であってもよい。一実現形態において、物流端末からの署名運送状要求を受信すると、前記物流端末に第2の運送状情報を送信する前に、第1の運送状情報を作成するプロセス、及び/又は第2の運送状情報を取得するプロセスがあってもよい。第1の運送状情報を作成するプロセスは、例えば、システムサーバが注文情報、発注状態を示す運送状リアルタイム状態情報、予め設定された荷送デジタル証明書、予め設定された荷送デジタル署名に基づいて、第1の運送状情報を作成する。ここで、前記第1の運送状情報は、前記注文情報、前記発注状態を示す運送状リアルタイム状態情報、前記予め設定された荷送デジタル証明書及び前記予め設定された荷送デジタル署名を含む。第2の運送状情報を取得するプロセスは、例えば、物流端末からの署名運送状要求を受信すると、前記物流端末に第2の運送状情報を送信する前に、システムサーバがまた前記第1の運送状情報を物流端末に送信し、このようにして、前記物流端末が、前記荷送デジタル証明書と前記荷送デジタル署名が正しいと検証したとき、前記第1の運送状情報を受信する。システムサーバはまた、作成された第1の運送状情報をローカル又はクラウド記憶ユニットに記憶することができ、ここでの第1の運送状情報は、発注状態に対応する運送状の内容情報として理解することができ、例えば、業務注文識別子(例えば業務システムにおける注文番号)、運送状識別子(例えば運送状番号)、荷送人識別子(例えば売り手名)、注文日、及び配送人識別子(例えば宅配会社名)などの情報を含んでもよい。物流端末は第1の運送状情報を受信した後、処理を行い、第1の運送状情報に対応する貨物に対して、入庫、出庫、運送などの操作を行い、運送状態が変更する場合、システムサーバに第2の運送状情報を送信する。システムサーバは、前記物流端末から第2の運送状情報を受信し、ここで、前記第2の運送状情報は、前記物流端末が運送状態に基づいて前記第1の運送状情報における運送状リアルタイム状態情報を更新した後の運送状情報である。ここでの運送状態は、例えば入庫、出庫、運送位置などの情報であってもよく、物流端末によって実際の状況に応じて設定されてもよい。
【0044】
S202では、前記プロセス運送状情報を記憶し、前記プロセス運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶する。
【0045】
システムサーバは、上記の様々な実施例におけるプロセス運送状情報を生成又は受信するとともに、ローカル又はクラウドの記憶、及びブロックチェーンのハッシュ値記憶を行う。
【0046】
具体的に、例えば、署名運送状情報を受信して前記署名運送状情報が正しいと検証したとき、前記署名運送状情報を記憶し、前記署名運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶する。
【0047】
また例えば、第1の運送状情報を作成し得るとき、作成して得られた第1の運送状情報のハッシュ値を前記ブロックチェーンに記憶する。
【0048】
さらに例えば、第2の運送状を受信するとき、第2の運送状情報を記憶し、前記第2の運送状情報のハッシュ値を前記ブロックチェーンに記憶する。
【0049】
各状態のプロセス運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶し、ブロックチェーン記憶情報の改ざん不可能な特性を利用することにより、ハッシュ値の信頼できる記憶を実現する。
【0050】
S203では、荷送端末からの署名運送状返却要求を取得する。
【0051】
S204では、前記署名運送状返却要求に対応する署名運送状情報を目標署名運送状情報とする。
【0052】
上記の署名運送状情報を取得する実施例において、前記署名運送状返却要求に対応する署名運送状情報を目標署名運送状情報とすることができる。
【0053】
S205では、ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得する。
【0054】
S206では、前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信する。
【0055】
図3に示す実施例におけるステップS203~ステップS206の実現形態と技術的効果は、図2に示すステップS101~S104と類似するので、ここでは繰り返さない。
【0056】
本実施例は、物流プロセスにおいて、ブロックチェーンでプロセス運送状情報の作成と更新を記録し、デジタル署名でプロセス運送状情報伝送プロセスの信頼性を向上させ、署名運送状返却における検証のためにデータ基礎を提供し、最終的に得られる署名運送状情報の信頼性を向上させる。
【0057】
本発明の実施例に係るブロックチェーンベースの署名運送状返却装置の概略構造図である図4を参照する。図4に示すブロックチェーンベースの署名運送状返却装置40は、
荷送端末からの署名運送状返却要求を取得するための要求受信モジュール41と、
前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得するための第1の検索モジュール42と、
ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得するための第2の検索モジュール43と、
前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信するための返却処理モジュール44とを含む。
【0058】
本発明に係るブロックチェーンベースの署名運送状返却装置によれば、荷送端末からの署名運送状返却要求を取得し、前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得し、ブロックチェーンから前記目標署名運送状情報に対応する目標ハッシュ値を取得し、前記目標ハッシュ値で前記目標署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記目標署名運送状情報を前記荷送端末に送信し、このようにして、目標署名運送状情報の改ざん不可能なブロックチェーン記憶を実現し、署名運送状返却の効率を向上させるとともに、署名運送状返却の信頼性を向上させる。
【0059】
選択的に、返却処理モジュール44は、前記目標署名運送状情報をハッシュ処理し、検証対象ハッシュ値を得、前記検証対象ハッシュ値と前記目標ハッシュ値が一致すれば、前記目標署名運送状情報が正しいと決定するために用いられる。
【0060】
本発明の実施例に係る別のブロックチェーンベースの署名運送状返却装置の概略構造図である図5を参照する。図5に示すブロックチェーンベースの署名運送状返却装置40は運送状処理モジュール45をさらに含む。
【0061】
運送状処理モジュール45は、前記第1の検索モジュール42が前記署名運送状返却要求に基づいて、予め記憶された目標署名運送状情報を取得する前に、注文情報、予め設定された荷送署名情報及び運送状リアルタイム状態情報に基づいて、プロセス運送状情報を作成又は更新することであって、ここで、前記プロセス運送状情報は、第1の運送状情報、第2の運送状情報又は署名運送状情報を含み、前記運送状リアルタイム状態情報は、発注状態、運送状態又は署名状態を含むこと、及び前記プロセス運送状情報を記憶し、前記プロセス運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶すること、に用いられる。
【0062】
これに応じて、第1の検索モジュール42は、前記署名運送状返却要求に対応する署名運送状情報を目標署名運送状情報とするために用いられる。
【0063】
選択的に、運送状処理モジュール45は、物流端末からの署名運送状要求を受信するとき、前記物流端末に第2の運送状情報を送信し、前記物流端末が、前記荷送署名情報が正しいと検証した場合、前記第2の運送状情報に基づいて、前記第2の運送状情報を示すための符号化画像を荷受端末に提供することであって、前記第2の運送状情報は、運送状態を示す運送状リアルタイム状態情報、前記注文情報、前記予め設定された荷送署名情報を含むこと、及び、荷受端末から署名運送状情報を受信し、前記署名運送状情報が正しいことを検証することのために用いられ、ここで、前記署名運送状情報は、荷受署名情報、前記第2の運送状情報及び署名状態を示す運送状リアルタイム状態情報を含み、前記署名運送状情報は、前記荷受端末が前記符号化画像をスキャンして前記第2の運送状情報を得るときに送信され、且つ前記署名運送状情報を送信する前に、前記荷受端末はさらに、前記荷送署名情報が正しいことを検証する。
【0064】
選択的に、運送状処理モジュール45は、前記署名運送状情報が正しいと検証した場合、前記署名運送状情報を記憶し、前記署名運送状情報のハッシュ値をブロックチェーンに記憶するために用いられる。
【0065】
これに応じて、第1の検索モジュール42は、前記署名運送状返却要求に対応する署名運送状情報を目標署名運送状情報とするために用いられる。
【0066】
選択的に、運送状処理モジュール45は、前記署名運送状情報に含まれる前記荷受署名情報が正しいことを検証し、前記荷受署名情報が示す身分情報と前記注文情報に示す荷受人情報が一致することを決定するために用いられ、ここで、前記荷受署名情報は、荷受デジタル証明書と荷受デジタル署名を含み、前記荷受デジタル署名は荷受端末ユーザ情報にバインドされる。
【0067】
選択的に、前記荷送署名情報は、予め設定された荷送デジタル証明書、予め設定された荷送デジタル署名を含む。運送状処理モジュール45は、物流端末からの署名運送状要求を受信するとき、前記物流端末に第2の運送状情報を送信する前に、さらに注文情報、発注状態を示す運送状リアルタイム状態情報、予め設定された荷送デジタル証明書、及び予め設定された荷送デジタル署名に基づいて、第1の運送状情報を作成するために用いられ、ここで、前記第1の運送状情報は、前記注文情報、前記発注状態を示す運送状リアルタイム状態情報、前記予め設定された荷送デジタル証明書及び前記予め設定された荷送デジタル署名を含む。
【0068】
選択的に、運送状処理モジュール45は、物流端末からの署名運送状要求を受信するとき、前記物流端末に第2の運送状情報を送信する前に、さらに、前記第1の運送状情報を物流端末に送信し、前記物流端末が、前記荷送デジタル証明書と前記荷送デジタル署名が正しいと検証したとき、前記第1の運送状情報を受信し、前記物流端末から第2の運送状情報を受信するために用いられ、ここで、前記第2の運送状情報は、前記物流端末が運送状態に基づいて前記第1の運送状情報における運送状リアルタイム状態情報を更新した後の運送状情報である。
【0069】
選択的に、運送状処理モジュール45はさらに、前記第1の運送状情報のハッシュ値を前記ブロックチェーンに記憶すること、
及び/又は、前記第2の運送状情報を記憶し、前記第2の運送状情報のハッシュ値を前記ブロックチェーンに記憶することのために用いられる。
【0070】
本発明の実施例に係る電子機器のハードウェアの概略構造図である図6を参照する。該電子機器60は、プロセッサ61、メモリ62及びコンピュータプログラムを含み、ここで、
メモリ62は、前記コンピュータプログラムを記憶するために用いられ、該メモリ62はフラッシュメモリ(flash)であってもよい。前記コンピュータプログラムは、例えば上記の方法を実現するアプリケーション、機能モジュールなどであってもよい。
プロセッサ61は、前記メモリに記憶されているコンピュータプログラムを実行して、上記のブロックチェーンベースの署名運送状返却方法におけるシステムサーバが実行する各ステップを実現するために用いられる。具体的には、前述方法実施例における関連説明を参照してもよい。
【0071】
選択的に、メモリ62は、独立していてもよいし、プロセッサ61と一体に集積されてもよい。
【0072】
前記メモリ62がプロセッサ61から独立したデバイスである場合、前記機器はさらに、
前記メモリ62とプロセッサ61を接続するためのバス63を含んでもよい。
【0073】
本発明はさらに可読記憶媒体を提供し、前記可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、上記の様々な実施形態で提供されるブロックチェーンベースの署名運送状返却方法を実現することに用いられる。
【0074】
ここで、可読記憶媒体は、コンピュータ記憶媒体であってもよいし、通信媒体であってもよい。通信媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所へ容易に伝送する任意の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータがアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。例えば、可読記憶媒体はプロセッサに結合され、プロセッサが該可読記憶媒体から情報を読み取り、且つ該可読記憶媒体に情報を書き込むことができるようにする。もちろん、可読記憶媒体は、プロセッサの構成要素であってもよい。プロセッサと可読記憶媒体は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuits、ASICと略称される)に配置されてもよい。なお、該ASICは、ユーザ機器に配置されてもよい。もちろん、プロセッサと可読記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとして通信機器に配置されてもよい。可読記憶媒体は読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク及び光データ記憶機器などであってもよい。
【0075】
本発明はさらにプログラム製品を提供し、該プログラム製品は実行命令を含み、該実行命令は可読記憶媒体に記憶されている。機器の少なくとも1つのプロセッサは、可読記憶媒体から該実行命令を読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサが該実行命令を実行することにより、機器に上記の様々な実施形態で提供されるブロックチェーンベースの署名運送状返却方法を実施させる。
【0076】
上記の機器の実施例において、理解すべきものとして、プロセッサは、中央処理ユニット(英語:Central
Processing Unit、略称:CPU)であってもよいし、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(英語:Digital Signal Processor、略称:DSP)、特定用途向け集積回路(英語:Application
Specific Integrated Circuit、略称:ASIC)などであってもよい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよく、又は該プロセッサは任意の従来のプロセッサなどであってもよい。本発明に関連して開示される方法のステップは、ハードウェアプロセッサによって実行されるように直接具体化することができ、又はプロセッサにおけるハードウェア及びソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行されてもよい。
【0077】
最後に説明すべきものとして、以上の各実施例は、本発明の技術案を説明するためにのみ使用され、それらに限定されるものではない。上記の各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、依然として上記の各実施例に記載された技術案を修正したり、一部又は全部の技術的特徴を均等に置換したりすることができ、これらの修正又は置換は、本発明の各実施例の技術案の範囲から対応する技術案の本質を逸脱させないことを理解すべきである。
【0078】
本願は、2019年12月20日に中国特許局に提出した、出願番号が201911322241.7であり、出願名称が「ブロックチェーンベースの署名運送状返却方法、装置、機器及び可読記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全ては援用により本発明に組み合わせられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6