(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】インターホン玄関装置、インターホンシステム、制御方法、通信装置、処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
H04M9/00 D
(21)【出願番号】P 2019075771
(22)【出願日】2019-04-11
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2018087722
(32)【優先日】2018-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八木 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚典
(72)【発明者】
【氏名】永井 奨士
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 健史
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-184232(JP,A)
【文献】特開2015-056853(JP,A)
【文献】特開2011-120098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 9/00- 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力により受け付けられた、呼出先を特定するための呼出先情報を、表示する表示部を備え、
前記表示部は、前記呼出先の呼出中である第1期間、及び前記呼出先と通話中である第2期間の少なくとも一方の期間内において、前記呼出先情報を、非表示又は視認性の低い低表示可能と
し、
前記低表示とは、
前記操作入力時に表示する前記呼出先情報の表示領域の少なくとも一部が欠落した部分表示、及び、
前記操作入力時に表示する前記呼出先情報よりも抽象化された抽象表示のうちのいずれか1つ以上を含む表示である、
インターホン玄関装置。
【請求項2】
所定の操作の受け付けに応じて、前記表示部は、前記呼出先情報を、前記非表示又は前記低表示に切り替える、
請求項1に記載のインターホン玄関装置。
【請求項3】
当該インターホン玄関装置の外部から受信する信号に応じて、前記表示部は、前記呼出先情報を、前記非表示又は前記低表示に切り替える、
請求項1又は請求項2に記載のインターホン玄関装置。
【請求項4】
前記表示部は、操作領域を画像表示し、
前記表示部は、前記操作領域へのタッチ操作を受け付けたときに、前記呼出先情報を、前記非表示又は前記低表示に切り替える、
請求項1~3のいずれか1項に記載のインターホン玄関装置。
【請求項5】
規定の操作の受け付けに応じて、前記表示部は、前記非表示又は前記低表示を解除する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のインターホン玄関装置。
【請求項6】
前記表示部は、更に、前記呼出先の呼出前である第3期間内においても、前記呼出先情報を、前記非表示又は前記低表示可能とする、
請求項1~5のいずれか1項に記載のインターホン玄関装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のインターホン玄関装置と、
前記呼出先であり、前記インターホン玄関装置と通信する通信装置と、
を備える、
インターホンシステム。
【請求項8】
インターホン玄関装置の制御方法であって、
前記インターホン玄関装置は、操作入力により受け付けられた、呼出先を特定するための呼出先情報を、表示する表示部を備え、
当該制御方法は、前記呼出先の呼出中である第1期間、及び前記呼出先と通話中である第2期間の少なくとも一方の期間内において、前記表示部に、前記呼出先情報を、非表示又は視認性の低い低表示させるステップを含み、
前記低表示とは、
前記操作入力時に表示する前記呼出先情報の表示領域の少なくとも一部が欠落した部分表示、及び、
前記操作入力時に表示する前記呼出先情報よりも抽象化された抽象表示のうちのいずれか1つ以上を含む表示である、
制御方法。
【請求項9】
コンピュータシステムに請求項8に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項に記載のインターホン玄関装置と通信する通信装置であって、
外部からの入力を受け付ける入力部と、
前記入力に応じて、前記呼出先情報を前記非表示又は前記低表示に切り替えるための信号を、前記インターホン玄関装置に送信する指示部と、
を備える、
通信装置。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか1項に記載のインターホン玄関装置と通信する通信装置の処理方法であって、
外部からの入力を受け付ける第1ステップと、
前記入力に応じて、前記呼出先情報を前記非表示又は前記低表示に切り替えるための信号を、前記インターホン玄関装置に送信する第2ステップと、
を含む、
処理方法。
【請求項12】
コンピュータシステムに請求項11に記載の処理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、インターホン玄関装置、インターホンシステム、制御方法、通信装置、処理方法、及びプログラムに関する。本開示は、より詳細には、例えば部屋番号等の呼出先情報を表示する表示部を備えるインターホン玄関装置、当該インターホン玄関装置を備えるインターホンシステム、当該インターホン玄関装置の制御方法、及びプログラムに関する。また本開示は、より詳細には、当該インターホン玄関装置と通信する通信装置、当該通信装置の処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インターホンシステムが記載されている。このインターホンシステムは、住戸の外玄関や集合住宅の共用玄関(ロビー)等に設置されるカメラ付きのインターホン子機(インターホン玄関装置)と、住戸内に設置されてインターホン玄関装置との間で通話を行うインターホン親機とで構成されている。
【0003】
例えば来訪者が、このインターホン玄関装置における操作入力部の操作部材を押し操作して住戸番号(呼出先情報)を入力し、確定させると、インターホン玄関装置から該当する親機へ呼出信号が送信される。なお、操作部材を押し操作して入力される内容(数字)は、インターホン玄関装置の表示器(表示部)に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、住戸番号等の呼出先情報がインターホン玄関装置の表示部に表示されると、入力を行った人(例えば来訪者)にとっては利便性が良いが、その呼出先情報が、インターホン玄関装置の周囲に居合わせた他人に知られる可能性がある。来訪者又は呼出先の住人等にとっては、呼出先情報が他人に知れられることを望まない場合もある。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、呼出先情報に関する秘匿性の向上を図ることができるインターホン玄関装置、インターホンシステム、制御方法、通信装置、処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るインターホン玄関装置は、表示部を備える。前記表示部は、操作入力により受け付けられた呼出先情報を表示する。前記呼出先情報は、呼出先を特定するための情報である。前記表示部は、前記呼出先の呼出中である第1期間、及び前記呼出先と通話中である第2期間の少なくとも一方の期間内において、前記呼出先情報を、非表示又は視認性の低い低表示可能とする。前記低表示とは、前記操作入力時に表示する前記呼出先情報の表示領域の少なくとも一部が欠落した部分表示、及び、前記操作入力時に表示する前記呼出先情報よりも抽象化された抽象表示のうちのいずれか1つ以上を含む表示である。
【0008】
本開示の一態様に係るインターホンシステムは、上記インターホン玄関装置と、前記呼出先であり、当該インターホン玄関装置と通信する通信装置と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る制御方法は、インターホン玄関装置の制御方法である。前記インターホン玄関装置は、表示部を備える。前記表示部は、操作入力により受け付けられた呼出先情報を表示する。前記呼出先情報は、呼出先を特定するための情報である。前記制御方法は、前記呼出先の呼出中である第1期間、及び前記呼出先と通話中である第2期間の少なくとも一方の期間内において、前記表示部に、前記呼出先情報を、非表示又は視認性の低い低表示させるステップを含む。前記低表示とは、前記操作入力時に表示する前記呼出先情報の表示領域の少なくとも一部が欠落した部分表示、及び、前記操作入力時に表示する前記呼出先情報よりも抽象化された抽象表示のうちのいずれか1つ以上を含む表示である。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに上記制御方法を実行させる。
【0011】
本開示の一態様に係る通信装置は、上記インターホン玄関装置と通信する。前記通信装置は、入力部と、指示部と、を備える。前記入力部は、外部からの入力を受け付ける。前記指示部は、前記入力に応じて、前記呼出先情報を前記非表示又は前記低表示に切り替えるための指示信号を、前記インターホン玄関装置に送信する。
【0012】
本開示の一態様に係る処理方法は、上記インターホン玄関装置と通信する通信装置の処理方法である。前記処理方法は、第1ステップと、第2ステップと、を含む。前記第1ステップにて、外部からの入力を受け付ける。前記第2ステップにて、前記入力に応じて、前記呼出先情報を前記非表示又は前記低表示に切り替えるための指示信号を、前記インターホン玄関装置に送信する。
【0013】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに上記処理方法を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、呼出先情報に関する秘匿性の向上を図ることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るインターホン玄関装置の正面図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態に係るインターホンシステムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3A及び
図3Bは、同上のインターホン玄関装置の表示部で出力される案内画像の概念図である。
【
図5】
図5は、同上のインターホンシステムにおける動作を説明するためのタイミング図である。
【
図9】
図9は、同上のインターホンシステムにおける変形例(変形例3)の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(1)概要
以下の実施形態において説明する
図1~
図8Eは、模式的な図であり、
図1~
図8E中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0017】
本実施形態に係るインターホンシステム10は、例えばマンション等の集合住宅に適用される集合住宅用のインターホンシステムである。インターホンシステム10では、
図2に示すように、子機1と各親機2(通信装置)とが制御装置3を介して通信を行う。ただし、本実施形態に係るインターホンシステム10は、集合住宅以外に、事務所、店舗、学校若しくは介護施設等の非住宅施設等に適用されてもよい。
【0018】
本実施形態に係るインターホン玄関装置は、ここでは一例として、インターホンシステム10における子機1であることを想定する(
図2参照)。子機1は、例えば、ロビー等の集合住宅の共用部に設置される共用端末(ロビーインターホン)である。子機1は、例えば複数棟にわたって親機2との間で通信(例えば、通話、及び映像信号の送信等)を行うように構成されてもよい。
【0019】
ここで子機1(インターホン玄関装置)は、
図1に示すように、表示部18を備える。表示部18は、操作入力により受け付けられた呼出先情報A1を表示する。呼出先情報A1は、呼出先C1を特定するための情報であり、一例として部屋番号(数字)である。ここでは呼出先C1は、例えば親機2に相当する。なお、集合住宅の管理室又は多目的ルーム等に設置されている親機2が呼出先C1となる場合、表示部18は、数字以外に文字等で表示を行ってもよい。
【0020】
そして、表示部18は、呼出先C1の呼出中である第1期間T1(
図5参照)、及び呼出先C1と通話中である第2期間T2(
図5参照)の少なくとも一方の期間内において、呼出先情報A1を、非表示又は視認性の低い低表示可能とする。なお、
図3A及び
図3Bでは、子機1の撮像部11で撮像されている操作者H1自身の映像が表示部18の表示画面180に出力されている。
【0021】
この構成によれば、第1期間T1及び第2期間T2の少なくとも一方の期間内において、呼出先情報A1が、非表示又は視認性の低い低表示可能とするため、呼出先情報A1が他人に知られる可能性を低減できる。したがって、呼出先情報A1に関する秘匿性の向上(セキュアの向上)を図ることができる。
【0022】
(2)詳細
次に、本実施形態に係る子機1(インターホン玄関装置)及びインターホンシステム10についてより詳細に説明する。
【0023】
以下では、ロビー等の共用部の造営面(例えば壁面)に子機1が取り付けられた状態での、水平面に対して垂直な(直交する)方向を「上下方向」とし、子機1を正面から見て下方(鉛直方向)を「下方」として説明する。また、上下方向と直交し、かつ造営面に平行な方向を「左右方向」とし、子機1を正面から見て右方を「右方」、左方を「左方」として説明する。さらに、上下方向と左右方向との両方に直交する方向、つまり造営面に直交する方向を「前後方向」とし、造営面の裏側(壁裏側)を「後方」として説明する。ただし、これらの方向は、子機1の使用方向を限定する趣旨ではない。
【0024】
(2.1)全体構成
まず、インターホンシステム10の全体構成について
図2を参照して説明する。
【0025】
本実施形態に係るインターホンシステム10は、
図2に示すように、子機1と、複数台(
図2では2台)の親機2と、制御装置3と、複数台(
図2では2台)のドアホン4と、複数台(
図2では2台)の分岐器5と、を備えている。
【0026】
複数台の親機2の各々は、例えば、集合住宅の各住戸内に設置される住戸端末である。各親機2は、子機1との間で通信(例えば、通話、及び映像信号の受信等)を行うように構成されている。各親機2は、子機1の撮像部11で撮影された映像を表示する表示部22を有している。親機2は、集合住宅の管理室及び多目的ルーム等にも設置されてもよい。多目的ルームは、例えば、集会場、ゲストルーム、キッズルーム、パーティールーム等の、集合住宅内の共用部施設である。
【0027】
制御装置3は、子機1と各親機2との間において、呼出制御を行い、信号を中継するように構成されている。制御装置3は、例えば、管理室に設置されている。制御装置3は、例えば、来訪者が子機1を用いて親機2を呼び出したときに、子機1と親機2との間で送受信される信号を中継する。
【0028】
複数台のドアホン4の各々は、例えば、集合住宅の各住戸の外玄関に設置されている。複数台のドアホン4は、複数台の親機2と一対一に対応している。各ドアホン4は、対応する親機2との間で通信(例えば、通話、及び映像信号の送信等)を行うように構成されている。なお、多目的ルーム等に設置されている親機2に対しては、ドアホン4が接続されてなくてもよい。
【0029】
子機1は、第1幹線61を介して制御装置3に接続されている。複数台の分岐器5の各々は、第2幹線62に挿入されており、第2幹線62に対して複数台の親機2を接続可能にする。本実施形態では、第2幹線62から複数の分岐線63に分岐しており、複数台の分岐器5は、第2幹線62における複数の分岐線63の分岐点にそれぞれ設けられている。これにより、各親機2は、分岐器5を介して第2幹線62に対して接続可能になる。
【0030】
各親機2は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して制御装置3に接続されている。各ドアホン4は、接続線64を介して対応する親機2に接続されている。第1幹線61、第2幹線62、分岐線63及び接続線64の各々は、例えば、ツイストペアケーブルからなる。
【0031】
(2.2)子機
次に、子機1の構成について説明する。子機1は、
図2に示すように、撮像部11と、子機側伝送部12と、子機側制御部13と、複数の押しボタンP1と、映像処理部15と、記憶部16と、センサ17と、表示部18と、を有している。複数の押しボタンP1及び表示部18は、子機側操作部14を構成する。さらに、子機1は、親機2との間で通話を実現するための通話部19(スピーカ及びマイクロホンを含む)等を有している。また、子機1は、上述した構成要素を収容又は保持する筐体X1(
図1参照)を有している。
【0032】
筐体X1は、全体としてへん平な矩形の箱形状に形成されている。筐体X1は、
図1に示すように、その正面側において、正面視が矩形の本体カバーX10と、本体カバーX10の周囲を囲む矩形枠状の化粧カバーX11とを有している。撮像部11は、本体カバーX10の前面の上部中央において露出するように配置されている。表示部18は、本体カバーX10の前面における撮像部11の直ぐ下に配置されている。複数の押しボタンP1は、本体カバーX10の前面における表示部18より下側に配置されている。
【0033】
本体カバーX10は、その前面における撮像部11の左横に複数の窓孔X12を有している。窓孔X12は、親機2の側の人と通話する人(例えば操作者H1)が発した音声を、通話部19のマイクロホンに導入するための貫通孔である。本体カバーX10は、その前面における右下隅に複数の音響孔X13を有している。音響孔X13は、通話部19のスピーカからの受話音を外部に導出するための貫通孔である。
【0034】
撮像部11は、撮像素子を有し、被写体を撮像するためのカメラである。ここでは被写体は、来訪者等の操作者H1とする。本実施形態では、操作者H1が子機1を操作する際に少なくとも操作者H1の顔を撮像できるように、撮像部11の撮像エリア(視野)は、子機1の前方に設定されている。本実施形態では、撮像部11は動画を撮像するカメラである。さらに、本実施形態では、撮像部11はカラー画像を撮像するカメラである。
【0035】
撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサである。撮像部11は、被写体からの光をレンズ等の光学系によって撮像素子の撮像面(受光面)上に結像させ、撮像素子にて被写体からの光を電気信号に変換する。そして、撮像部11は、撮像素子の出力信号を映像信号として映像処理部15へ出力する。
【0036】
子機側伝送部12は、親機2と通信するための通信インタフェースである。子機側伝送部12は、第1幹線61を介して制御装置3に接続されている。
図2では、第1幹線61を1本の線で示している。子機側伝送部12は、制御装置3の通信部32を介して、親機2との間で双方向に通信可能に構成されている。子機側伝送部12は、親機2に対して通信信号を送信するように構成されている。通信信号には、音声信号、映像信号及び制御信号等が含まれている。また、子機側伝送部12は、通信部32を介して親機2から送信される通信信号を受信し、受信した通信信号を復調することで音声信号等を取得する。音声信号は、子機側制御部13を介して通話部19へ出力される。
【0037】
子機側操作部14は、人(操作者H1)の操作入力を受け付けるように構成されている。子機側操作部14は、
図1に示すように、複数の押しボタンP1(
図2では1個のブロックで図示)、及びタッチパネル式の表示部18から構成された、入力インタフェースである。複数の押しボタンP1は、例えば、0~9の数字ボタン(テンキー)N1、アスタリスク(*)ボタンN2、消ボタンN3、呼出ボタンN4、及び4つの機能ボタン140等を有している。例えば、操作者H1が、子機1で、部屋番号(住戸番号)「1024号室」の住人を呼び出したい場合、数字ボタンN1を順に押していき、呼出先情報A1に相当する部屋番号を入力する。入力された呼出先情報A1は、数字ボタンN1を1つ押すたびに順次、表示部18に映し出される。最後に、操作者H1が、呼出ボタンN4を押すことで、呼出先情報A1の入力が確定されて、部屋番号「1024」の住戸の親機2(呼出先C1)に対して呼出が実行される。
【0038】
映像処理部15は、撮像部11から出力される映像信号を受けて、信号処理により映像信号に含まれる映像を処理するように構成されている。映像処理部15は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のデバイスにて実現される。
【0039】
センサ17は、例えば焦電型の赤外線センサであり、人等が動く際に生じる赤外線の変化量を検出することによって人等を検出する。センサ17は省略されていてもよい。
【0040】
子機側制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが子機側制御部13として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0041】
子機側制御部13は、撮像部11及び子機側伝送部12を制御するように構成されている。さらに、子機側制御部13は、映像処理部15及び表示部18を制御するように構成されている。
【0042】
子機側制御部13は、撮像部11を制御することによって、撮像部11に映像を撮像させる。本実施形態では、子機側制御部13は、例えば、センサ17で来訪者等の人を検出すると撮像部11を起動して人の撮像を開始する。子機側制御部13は、表示部18を制御することによって、部屋番号の入力を案内する案内画像に、撮像部11で撮像中のリアルタイムの映像を重ねて、表示画面180に出力する(
図3A参照)。また、子機側制御部13は、呼出先C1である親機2を呼出中、及び子機1と親機2との間で通信中に撮像部11で撮像した映像を、親機2に送出する。
【0043】
子機側制御部13は、子機側伝送部12を制御することによって、子機側伝送部12に親機2への通信信号を送信させ、かつ子機側伝送部12に親機2からの通信信号を受信させる。親機2への通信信号には、音声信号、映像信号及び制御信号等が含まれている。また、親機2からの通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。
【0044】
子機側制御部13は、映像処理部15を制御することによって、映像処理部15に撮像部11からの映像信号に含まれる映像を処理させる。映像処理部15にて処理された映像は、子機側伝送部12から親機2に送信される。
【0045】
子機側制御部13は、複数の押しボタンP1にて受け付けた操作入力に応じて、各種の機能を実行するように構成されている。子機側制御部13は、現在、表示部18の表示画面180で表示中の案内画像との関係性に基づき、当該案内画像と対応する機能を実行するように構成されている。例えば、子機側制御部13は、表示画面180で部屋番号の入力を催促する案内画像が表示されている最中に、数字ボタンN1が操作されると、入力された数字を表示画面180上に出力していく。そして、子機側制御部13は、部屋番号の入力後、呼出ボタンN4が操作されると、呼出先C1である親機2の呼出を開始する。
【0046】
また子機側制御部13は、各機能ボタン(ファンクションキー)140が操作入力を受け付けたときに、所定の機能を実行する。子機側制御部13は、例えば、一番左の機能ボタン140が押されると、日本語の文字案内情報を英語の文字案内情報に切り替える。また子機側制御部13は、例えば、左から二番目の機能ボタン140が押されると、管理室に対して直接呼出を実行する。
【0047】
記憶部16は、読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部16は、例えばフラッシュメモリである。記憶部16は、撮像部11で撮像した映像を記憶する。本実施形態の記憶部16は、子機側制御部13の外部に設けられているが、子機側制御部13の内部に設けられていてもよい。すなわち、記憶部16は、子機側制御部13の内蔵メモリであってもよい。
【0048】
表示部18は、例えば、液晶のタッチパネルディスプレイからなる表示画面180を有している。表示部18は、上述の通り、子機側操作部14の一部を構成する。表示部18は、子機側制御部13の制御下で、
図3A~
図4Bに示すように、基本案内画像G0、第1案内画像G1~第3案内画像G3を出力(画像表示)する。基本案内画像G0は、呼出先情報A1(部屋番号)の入力を、来訪者に催促する画像である。第1案内画像G1は、呼出先情報A1を、1桁ずつ入力される度に表示(提示)する画像である。第2案内画像G2は、呼出先情報A1に該当する親機2(呼出先C1)を呼出中であることを案内する画像である。第3案内画像G3は、子機1が親機2と通話中であることを案内する画像である。これらの案内画像G0~G3は、単なる一例であり、案内画像の種類の数、及びその表示内容は、特に限定されない。
【0049】
ここで表示部18は、子機側制御部13の制御下で、呼出先C1の呼出中である第1期間T1及び呼出先C1と通話中である第2期間T2のうち、第2期間T2において、呼出先情報A1を、視認性の低い低表示にする。視認性の低い低表示は、一例として、操作入力時に表示する呼出先情報A1の第1画像B1(
図3B及び
図6A参照)よりも抽象化された表示であり、モザイク表示とする。すなわち、表示部18は、第2期間T2において、モザイク加工が施された第2画像B2を表示する。第2画像B2は、無加工の第1画像B1に比べて視認性が低い。モザイク処理は、ぼかし処理でも反転処理でもよい。モザイク処理は、可逆変換可能であるものが望ましい。
【0050】
また第2期間T2より前についても、表示部18は、子機側制御部13の制御下で、所定の操作の受け付けに応じて、呼出先情報A1を低表示に切り替える。所定の操作とは、表示部18へのタッチ操作でもよいし、いずれかの押しボタンP1(例えばアスタリスクボタンN2、消ボタンN3、呼出ボタンN4又は機能ボタン140)への押し操作でもよい。機能ボタン140への押し操作の場合、表示部18は、機能ボタン140を押すことで低表示に切り替わることが操作者H1に分かるような案内表示を行なってもよい。つまり、子機1は、低表示化への切替に関する操作入力が無くても、通話中の第2期間T2の開始時(
図5の時刻t4)には低表示化が実行されるが、第2期間T2より前では、操作者H1により低表示の有効/無効を選択できるように構成されている。第2期間T2より前とは、例えば、第1期間T1と、呼出前である第3期間T3とを含む。第3期間T3は、一例として、操作者H1が子機側操作部14へ最初に操作入力を行なった時点から呼出先情報A1の入力を確定する呼出ボタンN4を押した時点までの期間である。
【0051】
さらに表示部18は、子機側制御部13の制御下で、規定の操作の受け付けに応じて、低表示を解除する。規定の操作とは、表示部18へのタッチ操作でもよいし、いずれかの押しボタンP1(例えばアスタリスクボタンN2、消ボタンN3、呼出ボタンN4又は機能ボタン140)への押し操作でもよい。機能ボタン140への押し操作の場合、表示部18は、機能ボタン140を押すことで低表示が解除されることが操作者H1に分かるような案内表示を行なってもよい。 以下、表示部18へのタッチ操作について説明する。
【0052】
表示部18は、
図3Bに示すように、例えば「ON」と表記された四角いボタン形状の操作領域R1を画像表示する。操作領域R1の横には「モザイク」と表記されている。操作者H1が「ON」と表記された操作領域R1内を指先でタッチすることで、子機側制御部13は、呼出先情報A1を低表示化するための切替処理を実行する。すなわち、子機側制御部13は、現在、表示中の第1画像B1に対してモザイク処理を施した第2画像B2を生成し、表示部18に第2画像B2を表示させる。図示例では、「ON」と表記された操作領域R1は、一例として、第1案内画像G1の画面状態時に表示されているが、他の案内画像の画面状態時にも表示されてもよい。
【0053】
また表示部18は、モザイク処理が施された第2画像B2を表示中において、例えば「OFF」と表記された操作領域R1を画像表示する。操作者H1が「OFF」と表記された操作領域R1内を指先でタッチすることで、子機側制御部13は、呼出先情報A1の低表示化を解除するための解除処理を実行する。すなわち、子機側制御部13は、現在、表示中の第2画像B2を、元の第1画像B1に復元して表示部18に表示させる。
【0054】
このように表示部18が「ON」又は「OFF」と表記された操作領域R1を画面上に表示させることで、操作者H1は、任意のタイミングで、呼出先情報A1を低表示に切り替えたりその低表示を解除できたりする。そのため、利便性が向上される。また、本実施形態では、表示部18が低表示への切替及び低表示の解除のための入力インタフェースとして機能するため、例えば、専用の押しボタンを表示部18の周囲に設けたり既存のいずれかの押しボタンP1にその機能を割り振ったりする必要がない。
【0055】
解除機能は、必須の構成ではなく、子機1は、低表示への切替機能だけを有してもよい。具体的には、例えば、表示部18は、低表示に切り替えるための操作領域や案内を表示しているときに押し操作を受け付けて低表示に切り替えると、操作領域や案内を非表示にしてもよい。この場合、低表示の解除を不可とすることで、例えば、子機1の近くに居合わせた、操作者H1以外の者が割り込んで操作し、呼出先情報A1が確認されてしまうという事態を防止できる。
【0056】
(2.3)親機の構成
次に、親機2の構成について説明する。親機2は、
図2に示すように、親機側伝送部21と、表示部22と、親機側制御部23と、親機側操作部24と、映像処理部25と、記憶部26と、通知部27と、を有している。さらに、親機2は、子機1及びドアホン4との間で通話を実現するための通話部29(スピーカ及びマイクロホンを含む)等を有している。
【0057】
親機側伝送部21は、子機1及びドアホン4と通信するための通信インタフェースである。親機側伝送部21は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して制御装置3に接続されている。
図2では、第2幹線62及び分岐線63を1本の線で示している。親機側伝送部21は、制御装置3の通信部32を介して、子機1との間で双方向に通信可能に構成されている。親機側伝送部21は、子機1に対して通信信号を送信するように構成されている。通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。また、親機側伝送部21は、通信部32を介して子機1から送信される通信信号を受信し、受信した通信信号を復調することで音声信号及び映像信号等を取得する。音声信号は、親機側制御部23を介して通話部29へ出力され、映像信号は、親機側制御部23を介して表示部22へ出力される。
【0058】
表示部22は、映像処理部25からの映像(例えば子機1の撮像部11で撮像された映像)を表示するように構成されている。表示部22は、例えば液晶ディスプレイである。親機2がタッチパネルディスプレイを備えている場合には、タッチパネルディスプレイが表示部22と親機側操作部24とを兼ねてもよい。
【0059】
親機側操作部24は、人(例えば住人)の操作を受け付けるように構成されている。親機側伝送部21が住人を呼び出すための呼出信号を受信している状態で、親機側操作部24に対して所定の操作(例えば押し操作)が行われると、子機1と親機2との間で音声通話が可能な状態となる。
【0060】
映像処理部25は、親機側伝送部21にて受信した子機1からの映像信号を受けて、信号処理により映像信号に含まれる映像を処理するように構成されている。映像処理部25は、例えば、複数の映像を合成する合成処理を行うように構成されている。映像処理部25は、例えば、DSP又はFPGA等のデバイスにて実現される。
【0061】
親機側制御部23は、例えば、CPU及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが親機側制御部23として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0062】
親機側制御部23は、親機側伝送部21及び表示部22を制御するように構成されている。さらに、親機側制御部23は、映像処理部25を制御するように構成されている。親機側制御部23は、親機側伝送部21を制御することによって、親機側伝送部21に子機1への通信信号を送信させ、かつ親機側伝送部21に子機1からの通信信号を受信させる。子機1への通信信号には、音声信号及び制御信号等が含まれている。また、子機1からの通信信号には、音声信号、映像信号及び制御信号等が含まれている。親機側制御部23は、表示部22を制御することによって、子機1から送られてくる映像を表示部22に表示させる。
【0063】
記憶部26は、読み書き可能なメモリで構成されている。記憶部26は、例えばフラッシュメモリである。記憶部26は、子機1から送られてきた映像を記憶する。本実施形態では、記憶部26は、親機側制御部23の外部に設けられているが、親機側制御部23の内部に設けられていてもよい。すなわち、記憶部26は、親機側制御部23の内蔵メモリであってもよい。
【0064】
通知部27は、例えば呼出音を出力するように構成されている。親機側制御部23は、子機1からの呼び出しがあると、所定のタイミングで通知部27に呼出音を出力させる。言い換えると、親機側制御部23は、子機1からの呼び出しがあると、子機1からの呼び出しがあったことを通知する通知動作を通知部27に行わせる。なお、通知部27は、呼出音ではなく、音声を出力するように構成されてもよい。
【0065】
(2.4)制御装置の構成
次に、制御装置3の構成について説明する。制御装置3は、
図2に示すように、信号処理部31と、通信部32と、を有している。
【0066】
通信部32は、子機1及び親機2と通信するための通信インタフェースである。通信部32は、第1幹線61を介して子機1に接続されている。また、通信部32は、第2幹線62、分岐線63及び分岐器5を介して親機2に接続されている。通信部32は、子機1の子機側伝送部12との間で双方向に通信可能に構成されている。また、通信部32は、親機2の親機側伝送部21との間で双方向に通信可能に構成されている。つまり、通信部32は、親機側伝送部21と子機側伝送部12との間の通信を中継するように構成されている。したがって、通信部32は、子機1の子機側伝送部12から送信される通信信号を中継して複数台の親機2に送信する。ここで、子機1から送信される通信信号には、送信先となる親機2を特定するための情報(例えばアドレス等)が含まれている。このため、複数台の親機2のうち自己に割り当てられたアドレスと通信信号に含まれるアドレスとが一致する親機2のみが通信信号を受信することができる。また、通信部32は、複数台の親機2の各々から送信される通信信号を中継して子機1に送信する。
【0067】
信号処理部31は、例えば、CPU及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが信号処理部31として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0068】
信号処理部31は、通信部32を制御するように構成されている。具体的には、信号処理部31は、通信部32を制御することによって、子機1から送信される通信信号を複数台の親機2に送信させ、かつ複数台の親機2の各々から送信される通信信号を子機1に送信させる。
【0069】
(2.5)インターホンシステムの動作
以下、インターホンシステム10の動作について
図3A~
図5を参照しながら説明する。
【0070】
まず、子機1のセンサ17が時刻t0(
図5参照)で来訪者を検出すると、子機1は、撮像部11を起動し、表示部18の表示画面180にて、
図3Aに示す基本案内画像G0を出力する。基本案内画像G0は、呼出先情報A1(部屋番号)の入力を催促する文字案内情報を含む。また、基本案内画像G0には、来訪者自身の映像が重ねて出力される。
【0071】
続いて
図5の時刻t1で、来訪者が、基本案内画像G0に従い、子機側操作部14を用いて呼出先情報A1の入力を開始したとする(図示例では1024号室)。時刻t1は、子機側操作部14への最初の操作入力が行われた時刻である。ここでは、「1」の数字ボタンN1が最初に押されることになるが、管理室へ直接呼び出しを実行する場合、数字ボタンN1ではなく、機能ボタン140が最初に押される場合もある。あるいは、「ON」表記の操作領域R1が表示部18に表示されていれば、操作領域R1が最初に押される場合もある。
【0072】
操作者H1により呼出先情報A1の入力が開始されると、子機1は、基本案内画像G0から、
図3Bに示す第1案内画像G1に画面表示を遷移させる。表示部18は、呼出先情報A1が1桁ずつ入力される度に順次第1案内画像G1に出力していく。最後に、操作者H1が呼出ボタンN4を押すことで呼出先情報A1の入力が確定され(時刻t2)、子機1は、制御装置3を介して、呼出先C1である1024号室の親機2にて、呼出を開始させる。この説明例では、第3期間T3は、例えば、時刻t1~t2の期間である。図示例では、第1案内画像G1内に「ON」表記の操作領域R1が表示されているが、ここでは、操作者H1は、第3期間T3内に操作領域R1をタッチしなかったとする。なお、呼出先情報A1の入力を確定する呼出ボタンN4を押す前に、操作者H1が操作領域R1をタッチすれば、呼出先情報A1は、第3期間T3内に低表示されることになる。
【0073】
子機1は、時刻t2に呼出ボタンN4が押されることで、第1案内画像G1から、
図4Aに示す第2案内画像G2に画面表示を遷移させる。第2案内画像G2では、例えば「このままお待ちください」という案内情報が提示される。一方、親機2では、時刻t2から、呼出音の出力が開始される。
【0074】
仮に、第2案内画像G2の画面状態にて、操作者H1が「ON」表記の操作領域R1にタッチ操作したとする(時刻t3)。すると、子機1は、第2案内画像G2に表示されていた呼出先情報A1の第1画像B1を、低表示化された第2画像B2に切り替える。時刻t3以降、呼出先情報A1は、視認性の低い状態で画像表示される。また子機1は、低表示の実行中、低表示を解除するための「OFF」表記の操作領域R1を表示する。
【0075】
ここで、時刻t4に、呼出先C1である1024号室の住人が親機2にて応答したとする。子機1は、親機2との通話を開始し、第2案内画像G2から、
図4Bに示す第3案内画像G3に画面表示を遷移させる。第3案内画像G3においても、呼出先情報A1の低表示は、通話が終了するまで(時刻t5)継続される。図示例では、例えば、第1期間T1は、時刻t2~t4の期間であり、第2期間T2は、時刻t4~t5の期間である。この説明例では、時刻t4の時点で低表示が既に実行中であるが、もし、低表示が実行されていなければ、子機1は、時刻t4に第1画像B1を第2画像B2に切り替える。
【0076】
このように本実施形態では、呼出先情報A1が視認性の低い低表示となるため、呼出先情報A1が、子機1の周囲に居合わせた他人に知られる可能性を低減できる。したがって、呼出先情報A1に関する秘匿性の向上を図ることができる。
【0077】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、上記実施形態に係る子機側制御部13と同様の機能は、インターホン玄関装置(子機1)の制御方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0078】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
【0079】
本開示における子機1は、例えば、子機側制御部13等に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における子機側制御部13としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0080】
また、子機1における複数の機能が、1つの筐体に集約されていることは子機1に必須の構成ではなく、子機1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、子機側制御部13等、子機1の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、上記実施形態のように、子機1の全ての機能が、1つの筐体に集約されていてもよい。
【0081】
(3.1)変形例1(非表示)
基本例では、呼出先情報A1を視認性の低い低表示可能とするものである。しかし、子機1の表示部18は、呼出先情報A1を非表示可能としてもよい(
図6B参照)。
図6Bでは、呼出先情報A1の4桁の数字が、全てアスタリスク表記に切り替わる。この場合も、表示部18は、案内画像にて、呼出先情報A1の非表示への切替、及び非表示の解除が可能な操作領域を出力することが好ましい。なお、非表示の期間と低表示の期間とは、混在してもよい。例えば、表示部18は、第1期間T1において呼出先情報A1を低表示とし、第2期間T2において呼出先情報A1を非表示としてもよい。また、
図6Bの例では、表示部18は、呼出先情報A1の4桁の数字を、全てアスタリスク表記に置き換えることで非表示としているが、記号等を何も表示しない、つまり「空白」とすることで非表示としてもよい。
【0082】
また呼出先情報A1の非表示は、4桁の数字が一括で非表示に切り替わる以外に、段階的に非表示となるものでもよい。例えば、
図8A~
図8Eに示すように、操作者H1が数字1桁を入力するたびに、僅かの間(例えば1秒間)だけ、無加工の数字を表示し、瞬時にその表示が非表示に切り替わるものでもよい。この場合、呼出先情報A1は、第3期間T3内に非表示されることになる。
【0083】
(3.2)変形例2(他の低表示)
基本例では、低表示は、モザイク表示により実現される。しかし、操作入力時に表示する呼出先情報A1の第1画像B1(
図3B及び
図6A参照)よりも視認性の低い表示であれば、モザイク表示に限定されない。
【0084】
低表示は、例えば、以下に示す第1表示、第2表示、及び第3表示のうちのいずれか1つ以上を含む表示であってもよい。
【0085】
第1表示は、操作入力時に表示する呼出先情報A1(
図6A参照)の表示サイズよりも小さい表示である。
図6Cは、第1表示の例(第3画像B3)を示す。第3画像B3の数字サイズ(フォントサイズ)は、第1画像B1の数字サイズよりも小さい。
【0086】
第2表示は、操作入力時に表示する呼出先情報A1の表示領域の少なくとも一部が欠落した表示である。
図6Dは、第2表示の例(第4画像B4)を示す。第4画像B4は、第1画像B1に含まれていた4つの数字「1024」のうち「0」と「4」が欠落した状態である。第2表示は、「0」や「4」といった数字単位で欠落する以外に、例えば数字「0」の上半分が欠落して略「U」で表示するといったように、数字そのものが部分的に欠落した状態であってもよい。
【0087】
第3表示は、操作入力時に表示する呼出先情報A1よりも抽象化された表示である。基本例のモザイク表示は、第3表示に含まれる。
図7A~
図7Cは、モザイク表示以外の他の第3表示の例を示す。
図7Aの例(第5画像B5)では、呼出先情報A1が「住人」という属性情報の表示に抽象化されている。
図7Bの例(第6画像B6)では、呼出先情報A1が「管理室」という属性情報の表示に抽象化されている。
図7Cの例(第7画像B7)では、呼出先情報A1が歪んだ数字の表示に抽象化されている。
【0088】
また低表示は、
図7Dに示す第8画像B8のように、元の第1画像B1の数字よりも色の薄い状態での表示でもよい。また低表示は、呼出先情報A1の数字の色が周囲の色に近い色(例えば同系色)に調整された表示でもよい。また低表示は、
図7Eに示す第9画像B9のように、点滅表示でもよい。点滅表示の場合、例えば消えている期間の方が、見えている期間よりも十分に長いことが好ましい。
【0089】
この構成によれば、簡単な構成(画像処理のみ)で、呼出先情報A1の低表示化を図ることができる。
【0090】
(3.3)変形例3(親機又は情報端末からの指示)
基本例では、呼出先情報A1は、子機1に対する所定の操作の受け付けに応じて、低表示される。基本例における所定の操作は、表示部18へのタッチ操作、又は押しボタンP1(アスタリスクボタンN2、消ボタンN3、呼出ボタンN4又は機能ボタン140)への押し操作である。つまり、基本例では、子機1は、操作者H1の判断により、低表示(非表示でもよい)の有効/無効を選択できるように構成されている。
【0091】
しかし、子機1は、外部からの信号(例えば後述する指示信号又は設定信号)を受信することで、呼出先情報A1を、低表示(又は非表示)に切り替えるように構成されてもよい。
【0092】
まず、親機2(通信装置)が「指示信号」を子機1に送信する構成について、
図9を参照しながら説明する。なお、基本例の親機2と実質的に共通する構成要素については、
図9における図示、及び説明を適宜に省略することがある。
【0093】
親機2(通信装置)は、
図9に示すように、指示部Y1と、入力部Y2と、を備えている。
【0094】
入力部Y2は、外部(例えば住人)からの入力を受け付けるように構成される。ここでは、入力部Y2は、例えば、住人からの押し操作による入力を受け付ける、親機側操作部24(押しボタン)により構成される。ただし、親機2の表示部22がタッチパネル式の液晶ディスプレイであれば、入力部Y2は、住人からのタッチ操作等による入力を受け付ける表示部22により構成されてもよい。さらにあるいは、入力部Y2は、住人からの音声入力を受け付ける、マイクロホンにより構成されてもよい。
【0095】
指示部Y1は、入力部Y2への入力に応じて、呼出先情報を低表示(又は非表示)に切り替えるための指示信号を、子機1に送信するように構成される。ここでは、親機側制御部23が、指示部Y1を更に有している。言い換えると、親機側制御部23が、指示部Y1としての機能を更に有している。
【0096】
一方、子機1の子機側制御部13は、親機2から指示信号を受信すると、当該指示信号に応じて、表示部18の呼出先情報A1を、低表示(又は非表示)に切り替える。子機側制御部13は、例えば、呼出中の第1期間T1内に指示信号を受信すると、ただちに呼出先情報A1を低表示(又は非表示)に切り替える。
【0097】
親機2は、呼出中(又は通話中)に、子機1における呼出先情報A1の表示状況(例えば低表示か否か)を、表示部22等から通知するように構成されることが望ましい。
【0098】
この構成によれば、親機2からの入力により、呼出先情報A1に関する秘匿性の向上を図ることができる。
【0099】
子機1を操作する者の中には、自分で子機1に所定の操作を行って呼出先情報A1を低表示(又は非表示)に切り替えるという行為を怠ったり失念したりする可能性がある。特に、例えば子供は、呼出先情報A1の秘匿性に対する意識が低い傾向にあり、また普段から子機1の操作を行い慣れている場合、その行為を怠り易い。
【0100】
これに対して、親機2から、子機1における呼出先情報A1を低表示(又は非表示)に切り替えることができる。そのため、住人(例えば親)が、呼出中の第1期間T1内に入力部Y2へ入力することで、子機1を操作する子供が上記行為を怠っても、対処できる。なお、基本例では、通話中の第2期間T2の開始時(
図5の時刻t4)には自動的に低表示化が実行されるが、仮に通話中の第2期間T2の開始時に自動的に低表示化が実行されない構成であっても、親機2の入力部Y2への入力により低表示化が可能となる。
【0101】
次に、情報端末50(通信装置)が、親機2を介して、「指示信号」を子機1に送信する構成について、
図9を参照しながら説明する。
【0102】
以下、情報端末50について説明する。情報端末50は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、又はタブレット等の、通信可能な携帯型の端末である。情報端末50は、近距離無線通信を利用し、住戸E1内のルータ60(
図9参照)を介して親機2と通信を行う専用のアプリケーションソフト(第1通信アプリケーションソフト)をインストールしている。情報端末50を携帯する住人が宅内に居る場合、情報端末50は、第1通信アプリケーションソフトを起動することにより、親機2と通信を行う。
【0103】
また情報端末50は、インターネット等の公衆網NT1、サーバ装置250、及びルータ60を介して、親機2(又は制御装置3)と通信を行う専用のアプリケーションソフト(第2通信アプリケーションソフト)をインストールしている。情報端末50を携帯する住人が宅外に居る場合、情報端末50は、第2通信アプリケーションソフトを起動することにより、親機2(又は制御装置3)と通信を行う。親機2(又は制御装置3)には、情報端末50の識別情報(電話番号、Macアドレス情報等)が予め登録されている。なお、住人の所在が宅内か宅外かについて、例えば、親機2の親機側操作部24として設けられている「不在ボタン」を住人が予め押して申告することで住人の在・不在が管理されてもよい。なお、
図9は、一例として、情報端末50を携帯する住人が宅外に居る場合における、情報端末50及び親機2間の通信を示す。
【0104】
また子機1は、住戸E1内の親機2を介して、情報端末50へ呼出信号や、映像信号等を送信する。子機1は、制御装置3を介して、情報端末50へ呼出信号や、映像信号等を送信してもよい。情報端末50を携帯する住人が宅内に居る場合、親機2は、ルータ60を介して、呼出信号を情報端末50に送信する。情報端末50を携帯する住人が宅外に居る場合、親機2は、識別情報と共に呼出信号をサーバ装置250に送信し、サーバ装置250は、受け取った識別情報に対応する情報端末50に呼出信号を送信する。情報端末50を携帯する住人が宅外に居る場合、制御装置3が、公衆網NT1に接続されているゲートウェイを介して、識別情報と共に呼出信号をサーバ装置250に送信してもよい。そしてサーバ装置250は、受け取った識別情報に対応する情報端末50に呼出信号を送信してもよい。したがって、操作者H1が子機1から呼出を実行すれば、情報端末50にも呼出音が出力され、住人は、情報端末50を用いて、宅内でも宅外でも操作者H1の映像を見ながら、通話が可能である。
【0105】
ここで、情報端末50(通信装置)は、
図9に示すように、処理部51と、入力部52と、を備えている。
【0106】
入力部52は、外部(例えば住人)からの入力を受け付けるように構成される。ここでは、入力部52は、例えば、情報端末50が備えるタッチパネル式の液晶ディスプレイ(表示部)により構成される。入力部52は、住人からのタッチ操作等による入力を受け付ける。なお、入力部52は、情報端末50が備える押しボタン式の操作部により構成されてもよい。すなわち、入力部52は、住人からの押し操作による入力を受け付けてもよい。さらにあるいは、入力部52は、情報端末50が備えるマイクロホンにより構成されてもよい。すなわち、入力部52は、住人からの音声入力を受け付けてもよい。
【0107】
処理部51は、例えば、CPU及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。そして、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが処理部51として機能する。CPUが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。処理部51は、
図9に示すように、指示部510を有している。言い換えると、処理部51は、指示部510としての機能を有している。
【0108】
指示部510は、入力部52への入力に応じて、呼出先情報を低表示(又は非表示)に切り替えるための指示信号を、子機1に送信するように構成される。指示部510は、情報端末50を携帯する住人が宅内に居る場合、ルータ60及び親機2を介して、指示信号を子機1に送信する。また指示部510は、情報端末50を携帯する住人が宅外に居る場合、公衆網NT1、サーバ装置250、ルータ60、及び親機2を介して、指示信号を子機1に送信する。サーバ装置250は、例えば、情報端末50から、親機2の識別情報と共に指示信号を受信すると、対応する識別情報の親機2へ指示信号を送信する。指示部510は、情報端末50を携帯する住人が宅外に居る場合、公衆網NT1、サーバ装置250、ゲートウェイ、及び制御装置3を介して、指示信号を子機1に送信してもよい。
【0109】
一方、子機1の子機側制御部13は、情報端末50から、親機2(又は制御装置3)等を介して指示信号を受信すると、当該指示信号に応じて、表示部18の呼出先情報A1を低表示(又は非表示)に切り替える。子機側制御部13は、例えば、呼出中の第1期間T1内に指示信号を受信すると、ただちに呼出先情報A1を低表示(又は非表示)に切り替える。
【0110】
情報端末50は、呼出中(又は通話中)に、子機1における呼出先情報A1の表示状況(例えば低表示か否か)を、表示部等から通知するように構成されることが望ましい。
【0111】
この構成によれば、情報端末50からの入力により、呼出先情報A1に関する秘匿性の向上を図ることができる。
【0112】
ところで、親機2及び情報端末50は、呼出先情報A1の低表示(又は非表示)に関する設定を子機1に対して事前に行えてもよい。言い換えると、子機1は、外部からの信号として「設定信号」を予め受信することで、呼出先情報A1を、低表示(又は非表示)に切り替えるように構成されてもよい(事前設定)。事前設定は、例えば、低表示の有効、無効についての設定を含み得る。また事前設定は、非表示の有効、無効についての設定を含み得る。また事前設定は、低表示か非表示かの選択に関する設定を含み得る。
【0113】
親機2は、特定操作を受け付けることで、表示部22に設定画面を表示させて、住人からの設定画面へのタッチ操作等を通じて、事前設定を受け付けるように構成される。また情報端末50は、特定操作を受け付けることで、表示部に設定画面を表示させて、住人からの設定画面へのタッチ操作等を通じて、事前設定を受け付けるように構成される。親機2及び情報端末50は、事前設定を受け付けると、子機1に設定信号を送信する。子機1は、受信した設定信号に応じて、その設定内容を自機の記憶部16に記憶させる。そして、子機1は、実際に操作者H1からの部屋番号の入力が発生すると、記憶部16を参照し、入力された部屋番号に対応する設定内容に準じて、呼出先情報A1の低表示(又は非表示)を実行(又は非実行)する。この構成においても、親機2又は情報端末50からの入力により、呼出先情報A1に関する秘匿性の向上を図ることができる。
【0114】
なお、変形例3における通信装置(親機2及び情報端末50)と同様の機能は、通信装置(親機2及び情報端末50)の処理方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0115】
(3.4)その他の変形例
基本例では、低表示への切替に関する操作入力が無くても、低表示化が実行される期間は、通話中の第2期間T2だけであるが、呼出中の第1期間T1も含んでもよいし、更に第3期間T3も含んでもよい。
【0116】
基本例では、子機1は、低表示への切替に関する操作入力が無くても、通話中の第2期間T2では低表示を実行する。しかし、子機1は、通話中の第2期間T2も、操作者H1により低表示化の有効、無効を選択できるように構成されてもよい。
【0117】
基本例では、子機1は、低表示への切替やその解除に関する操作入力を受け付け可能に構成されている。しかし、そのような操作入力を受け付ける構成は、子機1において必須の構成ではない。子機1は、所定のタイミングで非表示又は低表示への切替を実行するように構成されてもよい。
【0118】
基本例では、表示部18は、タッチパネル式の液晶ディスプレイであるが、タッチパネル式でなくてもよい。子機側操作部14は、複数の押しボタンP1のみから構成されてもよい。すなわち、低表示(又は非表示)への切替、及び低表示(又は非表示)の解除は、いずれかの押しボタンP1へ押し操作により行われてもよい。
【0119】
基本例では、部屋番号の入力及び確定が、複数の押しボタンP1への押し操作により行われる。しかし、複数の押しボタンP1は、子機1にとって必須の構成要素ではない。子機側操作部14は、表示部18のみから構成され、部屋番号の入力及び確定も、表示部18へのタッチ操作により行われてもよい。
【0120】
基本例、変形例1~2における非表示及び各種の低表示の機能は、子機1の設置環境又は要望等に応じて適宜に変更可能であってもよい。例えば、子機1の施工者又は管理者が、子機側操作部14の表示部18へのタッチ操作を介して、非表示の機能と低表示の機能のうちいずれか一方を選択できてもよい。また、低表示の機能を選択した場合、複数種類ある低表示の機能のうちどの機能を採用するか選択できてもよい。
【0121】
上述した各種の低表示の機能は、組み合わせて適用されてもよい。呼出先情報A1が「1024」という数字4桁の場合、1つ1つの数字に対して異なる低表示の機能が割り当てられてもよい。例えば「1」はモザイク表示、「0」は数字サイズを小さく、「2」は色を薄く、「4」は歪んだ数字表示とされてもよい。
【0122】
(4)利点
以上説明したように、第1の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)は、表示部(18)を備える。表示部(18)は、操作入力により受け付けられた呼出先情報(A1)を表示する。呼出先情報(A1)は、呼出先(C1)を特定するための情報である。表示部(18)は、呼出先(C1)の呼出中である第1期間(T1)、及び呼出先(C1)と通話中である第2期間(T2)の少なくとも一方の期間内において、呼出先情報(A1)を、非表示又は視認性の低い低表示可能とする。第1の態様によれば、呼出先情報(A1)に関する秘匿性の向上を図ることができる。
【0123】
第2の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様において、所定の操作の受け付けに応じて、表示部(18)は、呼出先情報(A1)を、非表示又は低表示に切り替えることが好ましい。第2の態様によれば、任意のタイミングで、非表示、又は低表示に切り替えることができ、利便性が向上される。
【0124】
第3の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1又は第2の態様において、インターホン玄関装置(子機1)の外部から受信する信号に応じて、表示部(18)は、呼出先情報(A1)を、非表示又は低表示に切り替えることが好ましい。第3の態様によれば、インターホン玄関装置(子機1)の外部から、非表示、又は低表示に切り替えることができ、利便性が向上される。
【0125】
第4の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様~第3の態様のいずれか1つにおいて、表示部(18)は、操作領域(R1)を画像表示することが好ましい。表示部(18)は、操作領域(R1)へのタッチ操作を受け付けたときに、呼出先情報(A1)を、非表示又は低表示に切り替えることが好ましい。第4の態様によれば、任意のタイミングで、非表示、又は低表示に切り替えることができ、利便性が向上される。また、専用の押しボタンを設ける必要がない。
【0126】
第5の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおいて、規定の操作の受け付けに応じて、表示部(18)は、非表示又は低表示を解除することが好ましい。第5の態様によれば、任意のタイミングで、非表示、又は低表示を解除することができ、利便性が向上される。
【0127】
第6の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、低表示とは、第1表示、第2表示、及び第3表示のうちのいずれか1つ以上を含む表示であることが好ましい。第1表示は、操作入力時に表示する呼出先情報(A1)の表示サイズよりも小さい表示である。第2表示は、操作入力時に表示する呼出先情報(A1)の表示領域の少なくとも一部が欠落した表示である。第3表示は、操作入力時に表示する呼出先情報(A1)よりも抽象化された表示である。第6の態様によれば、簡単な構成(画像処理のみ)で、呼出先情報(A1)の低表示化を図ることができる。
【0128】
第7の態様に係るインターホン玄関装置(子機1)に関して、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、表示部(18)は、更に、呼出先(C1)の呼出前である第3期間(T3)内においても、呼出先情報(A1)を非表示又は低表示可能とすることが好ましい。第7の態様によれば、呼出先情報(A1)に関する秘匿性が更に向上される。
【0129】
第8の態様に係るインターホンシステム(10)は、第1~第7の態様のいずれか1つにおけるインターホン玄関装置(子機1)と、呼出先(C1)であり、インターホン玄関装置(子機1)と通信する通信装置(親機2)と、を備える。第8の態様によれば、呼出先情報(A1)に関する秘匿性の向上を図ることができるインターホン玄関装置(子機1)を備えたインターホンシステム(10)を提供できる。
【0130】
第9の態様に係る制御方法は、インターホン玄関装置(子機1)の制御方法である。インターホン玄関装置(子機1)は、表示部(18)を備える。表示部(18)は、操作入力により受け付けられた呼出先情報(A1)を表示する。呼出先情報(A1)は、呼出先(C1)を特定するための情報である。制御方法は、呼出先(C1)の呼出中である第1期間(T1)、及び呼出先(C1)と通話中である第2期間(T2)の少なくとも一方の期間内において、表示部(18)に、呼出先情報(A1)を、非表示又は視認性の低い低表示させるステップを含む。第9の態様によれば、呼出先情報(A1)に関する秘匿性の向上を図ることが可能な制御方法を提供できる。
【0131】
第10の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに第9の態様における制御方法を実行させる。第10の態様によれば、呼出先情報(A1)に関する秘匿性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
【0132】
第11の態様に係る通信装置(親機2、情報端末50)は、第1~第7の態様のいずれか1つにおけるインターホン玄関装置(子機1)と通信する。通信装置(親機2、情報端末50)は、入力部(Y2、52)と、指示部(Y1、510)と、を備える。入力部(Y2、52)は、外部からの入力を受け付ける。指示部(Y1、510)は、入力に応じて、呼出先情報を非表示又は低表示に切り替えるための信号(指示信号又は設定信号)を、インターホン玄関装置(子機1)に送信する。第11の態様によれば、通信装置(親機2、情報端末50)からの入力により、呼出先情報(A1)に関する秘匿性の向上を図ることができる。
【0133】
第12の態様に係る処理方法は、第1~第7の態様のいずれか1つにおけるインターホン玄関装置(子機1)と通信する通信装置(親機2、情報端末50)の処理方法である。処理方法は、第1ステップと、第2ステップと、を含む。第1ステップにて、外部からの入力を受け付ける。第2ステップにて、入力に応じて、呼出先情報を非表示又は低表示に切り替えるための信号(指示信号又は設定信号)を、インターホン玄関装置(子機1)に送信する。第12の態様によれば、呼出先情報(A1)に関する秘匿性の向上を図ることが可能な処理方法を提供できる。
【0134】
第13の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに第12お態様における処理方法を実行させる。第13の態様によれば、呼出先情報(A1)に関する秘匿性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
【0135】
第2~7の態様に係る構成については、インターホン玄関装置(子機1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0136】
10 インターホンシステム
1 子機(インターホン玄関装置)
18 表示部
2 親機(通信装置)
50 情報端末(通信装置)
A1 呼出先情報
C1 呼出先
R1 操作領域
T1 第1期間
T2 第2期間
T3 第3期間
Y1、510 指示部
Y2、52 入力部