(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】吸込具
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
A47L9/04 A
(21)【出願番号】P 2021027243
(22)【出願日】2021-02-24
(62)【分割の表示】P 2019146347の分割
【原出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100157808
【氏名又は名称】渡邉 耕平
(72)【発明者】
【氏名】堀部 勇
(72)【発明者】
【氏名】藤田 孝一
(72)【発明者】
【氏名】羽田野 剛
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-111272(JP,A)
【文献】特開2010-110344(JP,A)
【文献】特開2011-50428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引式の清掃機器に取り付けられる吸込具であって、
塵埃が吸い込まれるように下方に開口した吸込口から上方に拡がる内部空間と、前記内部空間から前記清掃機器へ流れる空気の通路と、を形成しているケースと、
前記吸込口を通じて床面に接触するように前記内部空間内に
配置されている回転清掃体と、を備え、
前記ケースは、
前記内部空間の左端を区画している左側壁と、前記内部空間の右端を区画している右側壁と、前記内部空間の前方に配置された前壁
と、を含み、
前記左側壁及び前記右側壁のうち一方の側壁は、前記回転清掃体の基端を回転可能に片持ち支持しており、
前記回転清掃体は、前記回転清掃体の中心軸が前記回転清掃体の前記基端から
前記左側壁及び前記右側壁のうち他方の側壁に向けて前方に傾斜するように
延設されて
いるとともに、前記回転清掃体の前記基端から先端に向けて細くなっており、
前記回転清掃体に巻き付いた塵埃を除去するための空間が、前記回転清掃体の延設方向において前記回転清掃体の前記先端に隣接して形成されており、前記内部空間に向けて開口した前記通路の開口端の前方に位置している、
吸込具。
【請求項2】
前記空間は、前記内部空間に向けて開口した前記通路の
前記開口端の近傍に形成されている、請求項1に記載の吸込具。
【請求項3】
前記空間は、前記開口端の開口方向において並んでいる、請求項2に記載の吸込具。
【請求項4】
前記他方の側壁に回転可能に片持ち支持されている基端と、前記回転清掃体の前記先端に前記空間を介して対向している先端
と、を有している他の回転清掃体を更に備え、
前記他の回転清掃体は、前記吸込口を通じて前記床面に接触するとともに前記他の回転清掃体の前記先端に向けて細くなっている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の吸込具。
【請求項5】
前記回転清掃体及び前記他の回転清掃体は、前記空間について対称的な形状を有している、請求項4に記載の吸込具。
【請求項6】
前記
他方の側壁は、前記空間を介して前記回転清掃体の前記先端と対向してい
る、請求項1に記載の吸込具。
【請求項7】
前記回転清掃体の中心軸は、前記回転清掃体の前記基端から
前記他方の側壁に向けて下方に傾斜している、請求項1に記載の吸込具。
【請求項8】
前記回転清掃体は、
前記回転清掃体の前記基端から前記他方の側壁に向けて延設された芯棒部と、前記床面上の塵埃を掻き取るように前記芯棒部の外周面に設けられた掻取部と、を含み、
前記掻取部は、前記芯棒部の前記外周面上において螺旋状に延設され又は前記芯棒部の中心軸に対して立体的に交差するように傾斜して延設されている、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の吸込具。
【請求項9】
前記掻取部の突出量は、一様である、請求項8に記載の吸込具。
【請求項10】
前記芯棒部の前記外周面からの前記掻取部の突出量は、前記回転清掃体の前記先端に向けて小さくなっている、請求項8に記載の吸込具。
【請求項11】
前記掻取部は、弾性変形可能な材料から形成されている、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の吸込具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引式の清掃機器に取り付けられる吸込具に関する。
【背景技術】
【0002】
吸引式の清掃機器に取り付けられる様々な吸込具が開発されている(特許文献1を参照)。特許文献1の吸込具は、下方に開口した吸込口から上方に拡がる内部空間と、当該内部空間から清掃機器へ流れる空気の通路と、を形成しているケースを有している。吸込具は、ケースの内部空間内で回転可能に保持された回転清掃体を更に有している。回転清掃体は、吸込口に臨む位置でケースの側壁から吸込具の幅方向に延設されている。回転清掃体は、回転清掃体の延設方向において略中心の位置に向けて徐々に細くなっている。
【0003】
ケースが前方に移動すると、ケース内の回転清掃体は、床面に接触しながらケースの幅方向に延びる中心軸周りに回転する。回転清掃体の回転の結果、床面上の塵埃は、回転清掃体によって掻き取られる。このとき、毛髪といった長い塵埃が回転清掃体に巻き付くことがある。特許文献1によれば、回転清掃体は、回転清掃体の延設方向において略中心の位置に向けて徐々に細くなっているので、長い塵埃は、回転清掃体に螺旋状に巻き付く。長い塵埃が回転清掃体の延設方向において1箇所で回転清掃体に巻き付くことが防止されるので、回転清掃体に螺旋状に巻き付いた塵埃は、清掃機器の吸引力によって清掃機器内に吸い込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術は、長い塵埃を回転清掃体に螺旋状に巻き付かせることを可能にするけれども、長い塵埃全てが回転清掃体に螺旋状に巻き付くとは限らない。たとえば、長い塵埃の一部が他の部位と交差するように回転清掃体に巻き付くことがある。この場合には、塵埃は、清掃機器内に吸い込まれない。すなわち、塵埃は、回転清掃体に巻き付いたままになる。塵埃が巻き付いた部位では、回転清掃体は、床面に接触しにくくなるので、回転清掃体の清掃機能が悪くなる。回転清掃体の良好な清掃機能を再度得るためには、清掃機器内に吸い込まれることなく回転清掃体に巻き付いた塵埃を除去する必要がある。この場合、使用者は、鋏やカッターなどの切断具を用いて回転清掃体に巻き付いた塵埃を切断する必要がある。
【0006】
本発明は、回転清掃体に巻き付いた長い塵埃を容易に除去することを可能にする吸込具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る吸込具は、吸引式の清掃機器に取り付けられるように構成されている。吸込具は、塵埃が吸い込まれるように下方に開口した吸込口から上方に拡がる内部空間と、内部空間から清掃機器へ流れる空気の通路と、を形成しているケースと、吸込口を通じて床面に接触するように内部空間内に配置されている回転清掃体と、を備えている。ケースは、内部空間の左端を区画している左側壁と、内部空間の右端を区画している右側壁と、内部空間の前方に配置された前壁と、を含んでいる。左側壁及び右側壁のうち一方の側壁は、回転清掃体の基端を回転可能に片持ち支持している。回転清掃体は、回転清掃体の中心軸が回転清掃体の基端から左側壁及び右側壁のうち他方の側壁に向けて前方に傾斜するように延設されているとともに、回転清掃体の基端から先端に向けて細くなっている。回転清掃体に巻き付いた塵埃を除去するための空間が、回転清掃体の延設方向において回転清掃体の先端に隣接して形成されており、内部空間に向けて開口した通路の開口端の前方に位置している。
【0008】
上記の構成によれば、回転清掃体は、床面に接触しながら回転する。回転清掃体は、側方に延設されているので、床面上の塵埃は、回転清掃体の延設範囲に亘って回転清掃体によって掻き取られる。このとき、床面上の長い塵埃が回転清掃体に巻き付くことがある。回転清掃体は、先端に向けて細くなっているので、回転清掃体に巻き付いた塵埃は、回転清掃体の先端に向けて移動する。回転清掃体の延設方向において回転清掃体の先端に隣接して空間が形成されているので、回転清掃体の先端に到達した塵埃は、当該空間を通じて除去可能である。ケースは、内部空間の前方に配置された前壁を有しているので、清掃機器の吸引力は、ケースの前方の空間に作用しにくくなり、吸込口に集中する。回転清掃体の中心軸は、側壁から前方に傾斜しているので、回転清掃体は、先端に向けて細くなっているけれども、回転清掃体の先端部位を前壁に近接させることができる。回転清掃体の先端部位と前壁との間の空隙が過度に広くならないので、回転清掃体の先端部位の周囲における吸引力の低下が抑制される。
【0009】
上記の構成に関して、前記空間は、前記内部空間に向けて開口した前記通路の開口端の近傍に形成されていてもよい。
【0010】
上記の構成によれば、塵埃を除去するための空間は、通路の開口端の近傍に形成されているので、清掃機器からの吸引力は、塵埃を除去するための空間及び回転清掃体の先端に比較的強く作用する。したがって、塵埃を除去するための空間及び回転清掃体の先端に到達した塵埃は、清掃機器へ吸引されやすくなる。
【0011】
上記の構成に関して、前記空間は、前記開口端の開口方向において並んでいてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、塵埃を除去するための空間は、通路の開口端の開口方向において並んでいるので、塵埃を除去するための空間及び回転清掃体の先端に到達した塵埃は、清掃機器へ吸引されやすくなる。
【0013】
上記の構成に関して、吸込具は、他方の側壁に回転可能に片持ち支持されている基端と、回転清掃体の先端に空間を介して対向している先端と、を有している他の回転清掃体を更に備えていてもよい。他の回転清掃体は、吸込口を通じて床面に接触するとともに他の回転清掃体の先端に向けて細くなっていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、一対の回転清掃体はともに吸込口を通じて床面に接触するように側方に延設されているので、吸込具の移動に伴って床面上の塵埃を広い範囲に亘って掻き取ることができる。この間にこれらの回転清掃体に巻き付いた塵埃は、これらの回転清掃体がともに先端に向けて細くなっているので、これらの回転清掃体の先端に向けて移動する。これらの回転清掃体の先端の間に空間が形成されているので、これらの回転清掃体の先端に到達した塵埃は、空間を通じて除去可能である。
【0015】
上記の構成に関して、前記一対の回転清掃体は、前記空間について対称的な形状を有していてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、一対の回転清掃体は、空間について対称的な形状を有しているので、これらの回転清掃体の清掃能力は略均等になる。
【0017】
上記の構成に関して、他方の側壁は、空間を介して回転清掃体の先端と対向していてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、回転清掃体に巻き付いた塵埃は、回転清掃体の先端に向けて移動し、回転清掃体の先端とケースの側壁との間の空間を通じて除去される。
【0020】
上記の構成に関して、回転清掃体の中心軸は、回転清掃体の基端から他方の側壁に向けて下方に傾斜していてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、回転清掃体の中心軸は、回転清掃体の基端から下方に傾斜しているので、回転清掃体の先端を吸込口から下方に突出させることができる。したがって、回転清掃体は、先端に向けて細くなるけれども、回転清掃体の先端部位を床面に接触させることが可能になる。
【0022】
上記の構成に関して、回転清掃体は、回転清掃体の基端から他方の側壁に向けて延設された芯棒部と、床面上の塵埃を掻き取るように芯棒部の外周面に設けられた掻取部と、を含んでいてもよい。掻取部は、芯棒部の外周面上において螺旋状に延設され又は芯棒部の中心軸に対して立体的に交差するように傾斜して延設されていてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、掻取部は、芯棒部の外周面上において螺旋状に延設され又は芯棒部の中心軸に対して立体的に交差するように傾斜して延設されているので、床面上の塵埃に対して芯棒部の延設方向に力を作用させる。長い塵埃が掻取部に接触するとき、掻取部に対する塵埃の接触位置は、芯棒部の延設方向にずれやすくなるので、長い塵埃は、長い塵埃の一部が他の部位に重ならないように芯棒部に巻き付きやすくなる。
【0024】
上記の構成に関して、前記掻取部の突出量は、一様であってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、掻取部の突出量は一様であるので、掻取部の突出方向における変形のしやすさを略一定にすることができる。この場合、掻取部と床面との間に作用する力(すなわち、床面上の塵埃を掻き取るための力)も略一定になる。
【0026】
上記の構成に関して、前記芯棒部の前記外周面からの前記掻取部の突出量は、前記回転清掃体の前記先端に向けて小さくなっていてもよい。
【0027】
上記の構成によれば、回転清掃体の先端は、ケースの側壁から離れているので、回転清掃体の基端よりも変位しやすい。この場合、回転清掃体の先端付近において床面に作用する力(すなわち、床面上の塵埃を掻き取るための力)が弱くなりやすい。しかしながら、芯棒部の外周面からの掻取部の突出量は、回転清掃体の先端に向けて小さくなっているので、回転清掃体の先端の近くの部位ほど掻取部の突出方向において変形しにくくなっている。この結果、回転清掃体の先端の近くの掻取部は、床面上の塵埃に対して強い力(掻取力)を作用させることができる。回転清掃体の基端は、比較的変位しにくいので、回転清掃体の基端の近くの掻取部も床面上の塵埃に対して強い力(掻取力)を作用させることができる。
【0028】
上記の構成に関して、前記掻取部は、弾性変形可能な材料から形成されていてもよい。
【0029】
上記の構成によれば、掻取部が床面に当たると弾性的に撓み変形し、床面から離れると復元するので、床面上の塵埃が効果的に掻き取られる。
【発明の効果】
【0030】
上述の吸込具は、回転清掃体に巻き付いた長い塵埃を容易に除去することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】第1実施形態の吸込具が取り付けられた清掃機器の概略的な側面図である。
【
図5】吸込具の回転清掃体の概略的な正面図である。
【
図9】芯棒部の直径と掻取部の突出量との間の関係を表すグラフである。
【
図10】第2実施形態の吸込具の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施形態>
図1は、吸込具100が取り付けられた清掃機器101の概略的な側面図である。
図1を参照して、清掃機器101が説明される。
【0033】
図1は、清掃機器101として、電気掃除機を示している。清掃機器101は、吸引ファン(図示せず)や吸引ファンを駆動するモータ(図示せず)を内蔵する本体部102と、本体部102から延設されたホース103とを備えている。清掃機器101は、ホース103の中間位置に設けられた操作部104を更に備えている。吸込具100は、ホース103の先端に接続されている。操作部104は、ホース103に沿って設けられた配線を通じて本体部102と吸込具100とに電気的に接続されている。操作部104は、使用者の操作を受けて、本体部102及び吸込具100の駆動部位を作動させたり停止させたりするための指令信号を生成するように構成されている。
【0034】
吸込具100の概略的な斜視図が、
図2及び
図3に示されている。
図2は、吸込具100の下部を主に示している。
図3は、吸込具100の上部を主に示している。吸込具100の概略的な正面図が、
図4に示されている。
図1乃至
図4を参照して、吸込具100が説明される。
【0035】
吸込具100は、床面F上の塵埃が吸い込まれる吸込口111を形成しているケース120と、ケース120をホース103の先端に接続するように構成された接続部130と、塵埃を掻き取るように構成された2つの回転清掃体141,142とを備えている。吸込具100は、吸込具100の前後方向の移動を補助するローラ151~154を更に備えている。吸込口111は、床面Fに対向するように下方に開口しているとともに左右方向に長い矩形状の領域である。
【0036】
ケース120は、吸込口111から上方に拡がる内部空間112を形成するように構成された左右方向に長い中空の箱構造を有している。内部空間112は、空気及び塵埃が流れることを許容するとともに回転清掃体141,142を収容するための空間として用いられる。
【0037】
ケース120は、前壁121、後壁122、側壁123,124、上壁125及び保持アーム126を含んでいる。前壁121、後壁122、側壁123,124及び上壁125は、吸込口111及び内部空間112を形成している部位である。保持アーム126は、ローラ153,154を保持する部位である。
【0038】
前壁121は、内部空間112の前方で立設された左右方向に長い部位である。前壁121の下縁には、上方に凹んだ3つの凹部113が形成されている。これらの凹部113は、前壁121の下縁を長手方向に略等分する位置に形成されている。
【0039】
側壁123,124それぞれは、中空構造を有している。側壁123,124内には、回転清掃体141,142を駆動するための駆動機構(たとえば、モータや駆動ベルト)が配置されている。駆動機構は、操作部104に対する操作の下で作動したり停止したりするように操作部104に電気的に接続されている。駆動機構は、側壁123,124の内面(すなわち、内部空間112に臨む面)から突出し、回転清掃体141,142に接続された回転シャフトを有している。
【0040】
側壁123,124それぞれの下面の後端には、凹部114が形成されている。側壁123の凹部114内には、ローラ151が配置されている。側壁124の凹部114内には、ローラ152が配置されている。側壁123,124は、ローラ151,152の一部が側壁123,124の下面から下方に突出するようにローラ151,152を回転可能に保持している。
【0041】
後壁122は、内部空間112の後方で立設された左右方向に長い部位である。後壁122の下面は、側壁123,124の下面と略面一である。後壁122の内面(すなわち、内部空間112に臨む面)は、底面視において前方に突出したV字形状をなす。後壁122の内面と前壁121の内面(すなわち、内部空間112に臨む面)との間の距離は、左右方向における内部空間112の略中心位置で最も短くなっている。後壁122及び前壁121の内面間の距離は、側壁123,124に近づくにつれて徐々に大きくなっている。
【0042】
後壁122内には、前後方向に延設された通路116が形成されている。通路116の略矩形状の開口端115は、後壁122の内面に現れ前方に開口している。開口端115は、左右方向において後壁122内面の略中央に形成されている。後壁122内には、開口端115から後方に延び接続部130に繋がる通路116が形成されている。通路116は、空気及び塵埃が内部空間112から清掃機器101へ流れる流動経路として用いられる。
【0043】
後壁122の内部には、通路116から離隔された2つの内部空間が通路116の右側及び左側に形成されている。これらの内部空間は、回転清掃体141,142を駆動するための駆動機構を配置するために利用される。
【0044】
上壁125は、内部空間112の上側に配置され、ケース120の上面を形成している。ケース120の上面は、上方に湾曲している。
【0045】
接続部130は、左右方向において吸込具100の略中心位置で後壁122の後面(後壁122の内面とは反対側の面)から後方に突出した保持部131と、保持部131によって上下に回動可能に保持された接続筒132とを含んでいる。保持部131は、上部が切り欠かれた筒構造を有している。接続筒132の前端は、保持部131内に挿入され、保持部131によって上下に回動可能に保持されている。接続筒132の後端は、ホース103の先端に接続可能に構成されている。接続筒132の内部空間は、後壁122の形成された通路116に連通している。
【0046】
保持アーム126は、保持部131の下部を取り囲むように後壁122の後面から延出した略U字状の部位である。保持アーム126の下面は、側壁123,124及び後壁122の下面と略面一である。保持アーム126の下面の後端部位には、ローラ153,154が収容されるように上方に凹設された凹部117が形成されている。ローラ153,154は、ローラ153,154の一部が保持アーム126の下面から下方に突出するように凹部117に収容され、保持アーム126によって回転可能に形成されている。
【0047】
回転清掃体141は、側壁123の内面から側方(右方)に延設された芯棒部161と、床面F上の塵埃を掻き取るように芯棒部161の外周面に設けられた複数の掻取部162とを有している。芯棒部161は、左右方向における内部空間112の長さの半分よりも若干短い。芯棒部161の基端は、側壁123の内面の近傍(側壁123の右側)に位置し、側壁123に内蔵された駆動機構の回転シャフトに接続されている。したがって、回転清掃体141の基端は、駆動機構の回転シャフト及び側壁123によって支持されている。
【0048】
芯棒部161は、基端から先端に向けて細くなる細長い円錐台形状を有している。芯棒部161の中心軸(すなわち、回転軸)は、前壁121に最も近い位置で規定される芯棒部161(円錐台)の母線が前壁121の内面と略平行になるように芯棒部161の基端から前方に傾斜している。上述の如く、後壁122の内面は、底面視においてV字形状をなすように屈曲しているので、後壁122に最も近い位置で規定される芯棒部161の母線は、後壁122の内面に対しても略平行である。加えて、芯棒部161の中心軸は、最も下側で規定される芯棒部161の母線が側壁123,124及び後壁122の下面に略平行になるように芯棒部161の基端から下方に傾斜している。
【0049】
複数の掻取部162それぞれは、芯棒部161の基端から先端までの区間に亘って延設された帯状の部位である。掻取部162は、弾性変形可能な材料から形成されている。たとえば、掻取部162は、多数のブラシ毛を用いて形成されていてもよいし、帯状のエラストマや帯状の弾性樹脂を用いて形成されていてもよいし、帯状の布材を用いて形成されていてもよい。
【0050】
掻取部162は、芯棒部161の基端から先端までの区間に亘って略一様な突出量で芯棒部161の外周面から突出している。掻取部162の突出量は、掻取部162が吸込口111を通じて下方に突出し、床面Fに接触する値に設定されている。
【0051】
掻取部162は、芯棒部161の中心軸に対して非平行である。詳細には、掻取部162は、芯棒部161の中心軸に対して立体的に交差するように延設されている。すなわち、掻取部162の基端及び先端の芯棒部161の周方向における位置は、互いに相違している。
【0052】
回転清掃体142は、回転清掃体141と左右対称である。すなわち、回転清掃体142の先端は、回転清掃体141の先端に対向している。回転清掃体142は、回転清掃体142の先端から側壁124に向けて側方に延設されている。回転清掃体142の芯棒部161の基端は、側壁124の近傍に位置し、側壁124に内蔵された駆動機構の回転シャフトに接続されている。したがって、回転清掃体142の基端は、駆動機構の回転シャフト及び側壁124によって支持されている。
【0053】
回転清掃体141,142は、左右方向における内部空間112の長さの半分よりも若干短いので、回転清掃体141,142の先端の間には、空間118が形成されている。すなわち、空間118は、回転清掃体141,142の延設方向において回転清掃体141,142の先端に隣接して形成されている。回転清掃体141,142は、空間118について左右対称な形状を有している。空間118は、回転清掃体141,142に巻き付いた長い塵埃(たとえば、毛髪)を除去するために利用される。
【0054】
空間118は、通路116の開口端115の近傍(開口端115の前方)に位置している。詳細には、空間118は、開口端115の開口方向において開口端115と並んでいる。空間118は、左右方向において内部空間112の略中心に形成されている。
【0055】
使用者は、操作部104を操作し、本体部102及び吸込具100内の駆動機構を起動し、吸込具100を前後に動かす。本体部102の作動の結果、内部空間112内の空気は、通路116、接続部130及びホース103を通じて本体部102内に吸い込まれる。床面F上の塵埃は、空気とともに本体部102内に吸い込まれる。吸込具100内の駆動機構の結果、回転清掃体141,142は回転する。この結果、掻取部162は、床面Fを擦り、床面F上の塵埃を掻き取る。したがって、塵埃は、床面Fから効果的に除去される。
【0056】
回転清掃体141,142の回転の結果、長い塵埃が回転清掃体141,142に巻き付くことがある。長い塵埃の一部が他の部分に重なると、長い塵埃は、回転清掃体141,142に巻き付いた状態を維持しやすくなる。この場合、清掃機器101からの吸引力だけでは長い塵埃を回転清掃体141,142から除去することは困難である。
【0057】
長い塵埃の一部が他の部分に重なるように長い塵埃が回転清掃体141,142に巻き付くと、
図5(回転清掃体141,142の概略的な正面図)に示されるように、塵埃の断面は、回転清掃体141,142の中心軸に略直交するように並ぶ。この場合、回転清掃体141,142に対する塵埃の巻き付き力は、回転清掃体141,142の中心軸に対して略直角の方向に作用する。
【0058】
上述の如く、芯棒部161が円錐台形状を有している一方で掻取部162の突出量が略一様であるので、回転清掃体141,142の全体的な外観形状は、
図5に示されるように基端から先端に向けて細くなる略円錐台形状である。この場合、巻き付き力の分力のうち一方は、回転清掃体141,142の先端に向かう方向に作用する。したがって、回転清掃体141,142に巻き付いた塵埃は、分力によって回転清掃体141,142の先端に向けて移動する。
【0059】
回転清掃体141,142の先端間には、空間118が形成されている。したがって、回転清掃体141,142の先端に向けて移動し空間118に到達した塵埃は、空間118を通じて回転清掃体141,142から除去される。
【0060】
空間118は、通路116の開口端115の近傍に位置しているので、清掃機器101の吸引力は、空間118(及び回転清掃体141,142の先端)に比較的強く作用する。空間118は、開口端115の開口方向において開口端115と並んでいるので、空間118を通じて除去された長い塵埃は、通路116に直接的に吸引される。
【0061】
吸込具100は、左右方向に並んだ回転清掃体141,142を用いて床面F上の塵埃を掻き取る。したがって、回転清掃体141,142の長さが左右方向における内部空間112の長さの半分未満であっても、広い領域に亘って床面F上の塵埃を掻き取ることができる。
【0062】
回転清掃体141,142の長さが左右方向における内部空間112の長さの半分未満であるので、吸込具100は、単一の回転清掃体が左右方向における内部空間112の長さに亘って設けられている構造と較べて頑健な構造を有する。すなわち、回転清掃体141,142の先端を押し上げる力が回転清掃体141,142に作用したとき、回転清掃体141,142の基端(すなわち、駆動機構との接続部)に加わる負荷は比較的小さくなる。
【0063】
回転清掃体141,142は、左右対称の構造を有している。したがって、吸込具100の左部分と右部分の間で略等しい清掃能力が得られる。
【0064】
回転清掃体141,142の中心軸は、回転清掃体141,142の基端から下方に傾斜し、最も下側で規定される回転清掃体141,142の母線は、後壁122及び側壁123,124の下面に略平行になっている。したがって、回転清掃体141,142は、回転清掃体141,142の基端から先端までの区間に亘って床面Fに略一様な力で接触することができる。
【0065】
回転清掃体141,142の中心軸は、回転清掃体141,142の基端から前方に傾斜し、前壁121に最も近い位置で規定される回転清掃体141,142の母線は、前壁121の内面に略平行になっている。回転清掃体141,142と前壁121の内面との間の空隙は、回転清掃体141,142の基端から先端までの区間に亘って略一様な大きさになっているので、空隙の大きさの変化による吸引力の変動は略生じない。
【0066】
後壁122の内面は、回転清掃体141,142の傾斜に合わせてV字状に屈曲している。したがって、回転清掃体141,142と後壁122の内面との間の空隙も、回転清掃体141,142の基端から先端までの区間に亘って略一様な大きさになっている。したがって、空隙の大きさの変化による吸引力の変動は略生じない。
【0067】
掻取部162が回転清掃体141,142の中心軸に対して立体的に交差していないとき、
図5を参照して説明された塵埃の巻き付き状態が生じやすくなる。たとえば、掻取部162が設けられていない芯棒部161が、芯棒部161の中心軸に対して直交する方向に延びる塵埃に乗っかったまま回転すると、塵埃は、芯棒部161の長手方向において一箇所で芯棒部161に巻き付く。回転清掃体141,142の中心軸に対して立体的に交差するように掻取部162が設けられると(
図6(掻取部162の概略図)を参照)、掻取部162は、塵埃との接触部位において塵埃に対して斜め方向に力を作用させる。この結果、掻取部162と塵埃との接触部位は回転清掃体141,142の長手方向に徐々に変化しやすくなる。接触部位の移動の結果、塵埃は、回転清掃体141,142の長手方向において一箇所で巻き付かず、回転清掃体141,142の外周面に螺旋状に巻き付きやすくなる。この場合、塵埃は、回転清掃体141,142に巻き付いたとしても、清掃機器101の吸引力によって回転清掃体141,142から除去され得る。
【0068】
上述の実施形態に関して、回転清掃体141,142それぞれは、複数の掻取部162を有している。しかしながら、回転清掃体141,142それぞれは、1つの掻取部162を有していてもよい。この場合、掻取部162は、芯棒部161の外周面を螺旋状に巻き付くように形成されることが好ましい(
図7(回転清掃体141,142の概略図)を参照)。この場合においても、掻取部162は、芯棒部161の中心軸に対して非平行に延設されているので、長い塵埃との接触位置を芯棒部161の長手方向に徐々に移動させる効果が得られる。
【0069】
上述の実施形態に関して、回転清掃体141,142の間には、空間118が形成されている。すなわち、回転清掃体141,142は、連結されていない。しかしながら、吸込具100は、
図8(回転清掃体141,142の概略的な正面図)に示されるように、回転清掃体141,142の先端同士を連結している連結部材143を更に備えていてもよい。連結部材143は、回転清掃体141,142の先端から取り外し可能に構成されている。たとえば、連結部材143は、ユニバーサルジョイントであってもよい。
【0070】
吸込具100の使用時に連結部材143に集まった塵埃は、連結部材143が回転清掃体141,142の先端から取り外されると、連結部材143とともに取り除かれる。連結部材143が、回転清掃体141,142の先端から取り外されると、回転清掃体141,142の先端に隣接した空間118が形成される。回転清掃体141,142の先端付近の塵埃は、空間118を通じて除去可能である。
【0071】
回転清掃体141,142の先端同士が、連結部材143によって接続されているので、回転清掃体141,142は、ケース120によって両持ち支持される。回転清掃体141,142それぞれがケース120によって片持ち支持される構造(
図2を参照)と較べて、
図8に示される回転清掃体141,142の連結構造は頑健になる。
【0072】
上述の実施形態に関して、芯棒部161は、基端から先端に向けて細くなるテーパ形状を有している。しかしながら、
図9のグラフ(芯棒部161の直径と掻取部162の突出量との間の関係を表すグラフ)に示されるように、芯棒部161の直径は、芯棒部161の基端から先端までの区間に亘って略一定であってもよい。この場合、掻取部162は、掻取部162の突出量が芯棒部161の基端から先端に向けて小さくなるように形成される。
【0073】
芯棒部161の先端は、側壁123,124から離れているので、芯棒部161の基端と較べて上方に変位しやすい。芯棒部161の先端における掻取部162の突出量は、比較的小さくなっているので、芯棒部161の先端における掻取部162は、比較的弾性変形しにくくなっている。芯棒部161の先端の上方への変位は、掻取部162の床面Fに対する接触を弱めるように作用するけれども、芯棒部161の先端における掻取部162の変形しにくさは、床面Fに対する掻取部162の接触を強める。したがって、これらの効果は相殺される。芯棒部161の基端における掻取部162の突出量は、比較的大きいので、芯棒部161の基端における掻取部162は、比較的弾性変形しやすい。芯棒部161の基端は、比較的上方に変位しにくくなっている。掻取部162の弾性変形のしやすさは、床面Fに対する掻取部162の接触を弱めるけれども、芯棒部161の上方への変位のしにくさは、床面Fに対する掻取部162の接触を強めるように作用するので、これらの効果は相殺される。
【0074】
<第2実施形態>
第1実施形態の吸込具100は、2つの回転清掃体141,142を有している。しかしながら、吸込具100は、1つの回転清掃体141を有していてもよい(
図10(吸込具100の概略的な斜視図)を参照)。
図1及び
図10を参照して、1つの回転清掃体141を有する第2実施形態の吸込具100が説明される。
【0075】
回転清掃体141の基端は、側壁123の内面の近傍に位置している。回転清掃体141は、側方(右方)に延び、回転清掃体141の先端は、側壁124の近くに位置している。すなわち、回転清掃体141の先端は、側壁124の内面に対向している。回転清掃体141の先端と側壁124との間には、空間118が形成されている。空間118には、回転清掃体141の先端と側壁124とを連結する連結部材143が配置されている。
【0076】
回転清掃体141の中心軸は、最も下側で規定される芯棒部161の母線が床面Fに略平行になるように基端から下方に傾斜している。回転清掃体141の中心軸は、前壁121に最も近い位置で規定される芯棒部161の母線が前壁121の内面に略平行になるように基端から前方に傾斜している。
【0077】
前壁121及び側壁123は、第1実施形態の前壁121及び側壁123と略同じである。しかしながら、側壁124及び後壁122は、第1実施形態の側壁124及び後壁122とは相違している。
【0078】
側壁124は、回転清掃体142を駆動する駆動機構を収容する必要がないので、第1実施形態の側壁124よりも薄く形成されている。側壁124は、回転清掃体141の先端に対向する位置において貫通孔が形成された主壁127と、主壁127の貫通孔を塞ぐとともに連結部材143の一端部に接続されたプラグ片128とを含んでいる。プラグ片128は、主壁127及び連結部材143から取り外し可能である。
【0079】
後壁122の下面には、ローラ151が収容された凹部119が形成されている。凹部119は、左右方向において後壁122の下面の略中央に形成されている。ローラ151が凹部119に設けられている一方で、第2実施形態の吸込具100は、第1実施形態に関連して説明されたローラ152~154を有していない。したがって、第2実施形態の吸込具100は、これらのローラ152~154の取り付け用の部位(すなわち、凹部114及び保持アーム126)も有していない。凹部119の左側における後壁122の内部空間は、回転清掃体141を駆動する駆動機構を収容するために用いられる。
【0080】
後壁122は、通路116の形成位置においても、第1実施形態の後壁122とは相違している。すなわち、第2実施形態の後壁122は、左右方向において後壁122の略中央ではなく、当該中央位置よりも側壁124の近くに形成されている。したがって、通路116の開口端115は、回転清掃体141と側壁124との間の空間118の近傍に現れる。
【0081】
後壁122の内面は、回転清掃体141と後壁122の内面との間の空隙が左右方向において略一定になるように、側壁123から側壁124に向けて前方に傾斜している。
【0082】
接続部130は、通路116の形成位置に合わせて後壁122の後面に設けられている。すなわち、接続部130は、左右方向における後壁122の後面の中央位置よりも側壁124の近くで、後壁122の後面から後方に延出している。
【0083】
第2実施形態の吸込具100は、第1実施形態の吸込具100と同様に、基端から先端に向けて細くなる回転清掃体141を有しているので、回転清掃体141に巻き付いた長い塵埃を空間118へ促すことができる。塵埃は、空間118に設けられた連結部材143に溜まることがあるけれども、使用者がプラグ片128及び連結部材143を順次取り外すことによって吸込具100から除去することができる。
【0084】
回転清掃体141の基端は、駆動機構の回転シャフト及び側壁123によって支持されている。回転清掃体141の先端は、連結部材143を介して側壁124によって支持されている。すなわち、回転清掃体141は、側壁123,124によって両持ち支持されている。したがって、吸込具100は、片持ち支持された回転清掃体141を有する吸込具100よりも頑健な構造を有している。
【0085】
第1実施形態の吸込具100とは異なり、第2実施形態の吸込具100は、回転清掃体142を有していない。したがって、第2実施形態の吸込具100は、回転清掃体142を駆動するための駆動機構を必要としない。この結果、第2実施形態の吸込具100は、第1実施形態の吸込具100よりも少ない部品を用いて作成される。
【0086】
回転清掃体141及び駆動機構が頑健な構造を有しているならば、回転清掃体141は、片持ち支持されてもよい(
図11(吸込具100の概略的な斜視図)を参照)。この場合、吸込具100は、連結部材143を有さなくてもよい。加えて、側壁124には貫通孔が形成されなくてもよいし、貫通孔を塞ぐプラグ片128も必要とされない。したがって、吸込具100は、簡素な構造を有する。
【0087】
上述の実施形態に関して、清掃機器101として、使用者自身が吸込具100を動かす電気掃除機が例示されている。しかしながら、吸込具100は、自動的に移動するロボット掃除機に接続されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本実施形態の原理は、清掃作業に用いられる装置に好適に利用される。
【符号の説明】
【0089】
100・・・・・・・・・・吸込具
101・・・・・・・・・・清掃機器
111・・・・・・・・・・吸込口
112・・・・・・・・・・内部空間
115・・・・・・・・・・開口端
116・・・・・・・・・・通路
118・・・・・・・・・・空間
120・・・・・・・・・・ケース
121・・・・・・・・・・前壁
123,124・・・・・・側壁
141,142・・・・・・回転清掃体
143・・・・・・・・・・連結部材
161・・・・・・・・・・芯棒部
162・・・・・・・・・・掻取部
F・・・・・・・・・・・・床面