(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】表示システムおよび制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230814BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
G06F3/041 512
G06F3/041 550
G06F3/041 522
G06F3/041 412
G06F3/044 124
(21)【出願番号】P 2020571080
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(86)【国際出願番号】 JP2020002023
(87)【国際公開番号】W WO2020162167
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2019020998
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】平井 敦士
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/166898(WO,A1)
【文献】特開2015-194987(JP,A)
【文献】特開2013-229010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示装置と、
前記第1表示装置に隣接して配置される第2表示装置と、
前記第1表示装置への物体のタッチを検出する第1タッチ検出回路と、
前記第2表示装置への物体のタッチを検出する第2タッチ検出回路と、
前記第1表示装置、前記第2表示装置、前記第1タッチ検出回路および前記第2タッチ検出回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記第1表示装置は、前記第2表示装置に隣接する第1タッチ検出領域を含み、
前記第2表示装置は、第2タッチ検出領域を含み、
前記第1表示装置における第1フレーム期間は、前記第1表示装置が画像を表示する第1表示期間と、前記第1タッチ検出回路が前記第1タッチ検出領域でタッチを検出する第1タッチ検出期間とを含み、
前記第2表示装置における第2フレーム期間は、前記第2表示装置が画像を表示する第2表示期間と、前記第2タッチ検出回路が前記第2タッチ検出領域でタッチを検出する第2タッチ検出期間とを含み、
前記第1タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、前記第2表示期間に重複する、ことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記第2タッチ検出領域は、前記第1表示装置に隣接し、
前記第2タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、前記第1表示期間に重複する、ことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記第1表示装置は、複数の第1タッチ検出領域を含み、当該複数の第1タッチ検出領域の少なくとも1つは前記第2表示装置に隣接し、
前記第2表示装置は、複数の第2タッチ検出領域を含み、当該複数の第2タッチ検出領域の少なくとも1つは前記第1表示装置に隣接し、
前記第1フレーム期間は、複数の第1表示期間と、複数の第1タッチ検出期間とを含み、第1表示期間と第1タッチ検出期間は交互に配置され、
前記第1タッチ検出回路は、第1タッチ検出期間毎に異なる第1タッチ検出領域でタッチを検出し、
前記第2フレーム期間は、複数の第2表示期間と、複数の第2タッチ検出期間とを含み、第2表示期間と第2タッチ検出期間は交互に配置され、
前記第2タッチ検出回路は、第2タッチ検出期間毎に異なる第2タッチ検出領域でタッチを検出し、
前記複数の第1タッチ検出期間のそれぞれの開始および終了タイミングは、前記複数の第2表示期間のいずれかに重複し、
前記複数の第2タッチ検出期間のそれぞれの開始および終了タイミングは、前記複数の第1表示期間のいずれかに重複する、ことを特徴とする請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記第1フレーム期間の開始タイミングは、前記第2フレーム期間の開始タイミングと異なる、ことを特徴とする請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記第1フレーム期間の開始タイミングは、前記第2フレーム期間の開始タイミングと一致し、
前記複数の第1表示期間は、それぞれ同じ長さであり、
前記複数の第2表示期間の1つは、第1表示期間より長く、
前記複数の第2表示期間の1つは、第1表示期間より短く、
前記複数の第2表示期間の残りは、第1表示期間と同じ長さである、ことを特徴とする請求項3に記載の表示システム。
【請求項6】
前記第1フレーム期間の開始タイミングは、前記第2フレーム期間の開始タイミングと一致し、
前記第1表示装置は、複数の第1タッチ検出領域を含み、当該複数の第1タッチ検出領域の1つは前記第2表示装置に隣接し、
前記第2表示装置は、複数の第2タッチ検出領域を含み、当該複数の第2タッチ検出領域の1つは前記第1表示装置に隣接し、
前記第1フレーム期間は、複数の第1表示期間と、複数の第1タッチ検出期間とを含み、第1表示期間と第1タッチ検出期間は交互に配置され、
前記第1タッチ検出回路は、第1タッチ検出期間毎に異なる第1タッチ検出領域でタッチを検出し、
前記第2フレーム期間は、複数の第2表示期間と、複数の第2タッチ検出期間とを含み、第2表示期間と第2タッチ検出期間は交互に配置され、
前記第2タッチ検出回路は、第2タッチ検出期間毎に異なる第2タッチ検出領域でタッチを検出し、
前記第2表示装置に隣接する第1タッチ検出領域でタッチ検出が行われる特定の第1タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、第2表示期間に重複し、
前記第1表示装置に隣接する第2タッチ検出領域でタッチ検出が行われる特定の第2タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、第1表示期間に重複し、
前記特定の第1タッチ検出期間以外の複数の第1タッチ検出期間の一部のそれぞれは、前記特定の第2タッチ検出期間以外の第2タッチ検出期間のいずれかに重複する、ことを特徴とする請求項2に記載の表示システム。
【請求項7】
前記複数の第1タッチ検出領域と前記複数の第2タッチ検出領域は、前記第1表示装置と前記第2表示装置の配置方向に沿った方向に並ぶ、ことを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載の表示システム。
【請求項8】
前記複数の第1タッチ検出領域と前記複数の第2タッチ検出領域は、前記第1表示装置と前記第2表示装置の配置方向に交差した方向に並ぶ、ことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の表示システム。
【請求項9】
前記第1表示装置は、前記複数の第1タッチ検出領域に複数ずつ配置された、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の第1共通電極を含み、
前記第2表示装置は、前記複数の第2タッチ検出領域に複数ずつ配置された、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の第2共通電極を含み、
前記表示システムは、
第1タッチ検出期間に、前記複数の第1共通電極に第1タッチ駆動信号を出力する第1駆動回路と、
第2タッチ検出期間に、前記複数の第2共通電極に第2タッチ駆動信号を出力する第2駆動回路と、
を備え、
前記第1タッチ検出回路は、検出対象の第1タッチ検出領域の第1共通電極から受信した第1タッチ検出信号にもとづいて、当該第1タッチ検出領域のタッチを検出し、
前記第2タッチ検出回路は、検出対象の第2タッチ検出領域の第2共通電極から受信した第2タッチ検出信号にもとづいて、当該第2タッチ検出領域のタッチを検出する、
ことを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載の表示システム。
【請求項10】
前記第1表示装置と前記第2表示装置は、水平方向に隣接して配置される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の表示システム。
【請求項11】
前記第1表示装置と前記第2表示装置は、垂直方向に隣接して配置される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の表示システム。
【請求項12】
第1表示装置と、
前記第1表示装置に隣接して配置される第2表示装置と、
前記第1表示装置への物体のタッチを検出する第1タッチ検出回路と、
前記第2表示装置への物体のタッチを検出する第2タッチ検出回路と、
を備える表示システムにおける制御方法であって、
前記第1表示装置は、前記第2表示装置に隣接する第1タッチ検出領域を含み、
前記第2表示装置は、第2タッチ検出領域を含み、
前記第1表示装置における第1フレーム期間は、前記第1表示装置が画像を表示する第1表示期間と、前記第1タッチ検出回路が前記第1タッチ検出領域でタッチを検出する第1タッチ検出期間とを含み、
前記第2表示装置における第2フレーム期間は、前記第2表示装置が画像を表示する第2表示期間と、前記第2タッチ検出回路が前記第2タッチ検出領域でタッチを検出する第2タッチ検出期間とを含み、
前記制御方法は、
前記第1タッチ検出期間の開始および終了タイミングが前記第2表示期間に重複するように、前記第1表示装置、前記第2表示装置、前記第1タッチ検出回路および前記第2タッチ検出回路を制御するステップを含む、ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチ検出機能を有する表示システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示画面においてGUIを表示し、ユーザの指などで表示画面を直接タッチすることで指示入力を行うタッチディスプレイを搭載した表示入力装置が普及している(例えば、特許文献1,2参照)。この種の表示入力装置は、表示装置に対してボタンやキーボードなど別途入力部を備える表示入力装置と比較して構成を簡素化できることから、携帯端末や設置スペースの限られる端末などで広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-132445号公報
【文献】特開2016-200886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチディスプレイを備える表示システムにおいて、更なる改善が必要とされる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示システムにおいて更なる改善を実現できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の表示システムは、第1表示装置と、第1表示装置に隣接して配置される第2表示装置と、第1表示装置への物体のタッチを検出する第1タッチ検出回路と、第2表示装置への物体のタッチを検出する第2タッチ検出回路と、第1表示装置、第2表示装置、第1タッチ検出回路および第2タッチ検出回路を制御する制御回路と、を備える。第1表示装置は、第2表示装置に隣接する第1タッチ検出領域を含む。第2表示装置は、第2タッチ検出領域を含む。第1表示装置における第1フレーム期間は、第1表示装置が画像を表示する第1表示期間と、第1タッチ検出回路が第1タッチ検出領域でタッチを検出する第1タッチ検出期間とを含む。第2表示装置における第2フレーム期間は、第2表示装置が画像を表示する第2表示期間と、第2タッチ検出回路が第2タッチ検出領域でタッチを検出する第2タッチ検出期間とを含む。第1タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、第2表示期間に重複する。
【0007】
本開示の別の態様は、制御方法である。この方法は、第1表示装置と、第1表示装置に隣接して配置される第2表示装置と、第1表示装置への物体のタッチを検出する第1タッチ検出回路と、第2表示装置への物体のタッチを検出する第2タッチ検出回路と、を備える表示システムにおける制御方法であって、第1表示装置は、第2表示装置に隣接する第1タッチ検出領域を含む。第2表示装置は、第2タッチ検出領域を含む。第1表示装置における第1フレーム期間は、第1表示装置が画像を表示する第1表示期間と、第1タッチ検出回路が第1タッチ検出領域でタッチを検出する第1タッチ検出期間とを含む。第2表示装置における第2フレーム期間は、第2表示装置が画像を表示する第2表示期間と、第2タッチ検出回路が第2タッチ検出領域でタッチを検出する第2タッチ検出期間とを含む。制御方法は、第1タッチ検出期間の開始および終了タイミングが第2表示期間に重複するように、第1表示装置、第2表示装置、第1タッチ検出回路および第2タッチ検出回路を制御するステップを含む。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様により、表示システムにおいて更なる改善を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態に係る表示システムのブロック図である。
【
図2】
図1の表示装置の回路構成を概略的に示す図である。
【
図4】第1表示装置における第1フレーム期間と、第2表示装置における第2フレーム期間のタイミングを示す図である。
【
図5】
図5(a)は、
図4の第1タッチ検出期間における表示装置の動作を説明する図であり、
図5(b)は、
図4の第2タッチ検出期間における表示装置の動作を説明する図である。
【
図6】比較例の表示システムの第1フレーム期間と第2フレーム期間のタイミングを示す図である。
【
図7】
図7(a)は、
図6の第1タッチ検出期間における表示装置の動作を説明する図であり、
図7(b)は、
図6の第2タッチ検出期間における表示装置の動作を説明する図である。
【
図8】
図1の表示システムの起動処理を示すフローチャートである。
【
図9】第2の実施の形態に係る第1フレーム期間と第2フレーム期間のタイミングを示す図である。
【
図10】第3の実施の形態に係る第1フレーム期間と第2フレーム期間のタイミングを示す図である。
【
図11】第4の実施の形態に係る第1フレーム期間と第2フレーム期間のタイミングを示す図である。
【
図12】第5の実施の形態に係る表示装置の動作を説明する図である。
【
図13】第6の実施の形態に係る表示装置の動作を説明する図である。
【
図14】第7の実施の形態に係る表示装置の動作を説明する図である。
【
図15】第8の実施の形態に係る表示システムのブロック図である。
【
図16】
図15の表示システムの起動処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
実施の形態を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。タッチディスプレイでは、動作安定性の観点からノイズの影響を低減することが望まれている。タッチディスプレイにおいて外部機器の動作などに由来する外来ノイズの影響を低減する技術として、たとえば既述の特許文献1と2の技術が知られている。
【0011】
ところで、2台のタッチディスプレイを並べて配置する場合がある。この配置では、各タッチディスプレイのタッチ駆動信号に由来するノイズが互いに干渉しあうことでタッチ検出に影響を与えるという課題を本発明者は発見した。この課題を解決するために、本開示に係る表示システムは以下のように構成される。
【0012】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、工程には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る表示システム1のブロック図である。表示システム1は、自動車などの車両に搭載された車載の表示システム1である一例について説明するが、用途は特に限定されず、携帯機器などに用いてもよい。
【0014】
表示システム1は、ホスト10と、第1表示モジュール20aと、第2表示モジュール20bとを備える。以下、第1表示モジュール20aと第2表示モジュール20bを区別しない場合には表示モジュール20と呼ぶ。表示モジュール20は、表示パネルとも呼ばれる。
【0015】
ホスト10は、ラジオ、カーナビゲーション、Bluetooth(登録商標)通信などの各種機能を実行するとともに、2つの表示モジュール20を制御する。ホスト10は、制御装置12を備える。
【0016】
制御装置12は、たとえばCPUであり、ホストCPUとも呼ばれる。制御装置12は、画像データDDと制御データCDを2つの表示モジュール20に供給し、これらのデータをもとに2つの表示モジュール20を制御する。
【0017】
第1表示モジュール20aは、第1表示装置22aと、第1表示制御装置24aとを備える。第2表示モジュール20bは、第2表示装置22bと、第2表示制御装置24bとを備える。以下、第1表示装置22aと第2表示装置22bを区別しない場合には表示装置22と呼び、第1表示制御装置24aと第2表示制御装置24bを区別しない場合には表示制御装置24と呼ぶ。
【0018】
2つの表示装置22は、たとえば、カーナビゲーション画面などが表示される車室内のセンターディスプレイなどとして利用され、水平方向または垂直方向に隣接して配置される。2つの表示装置22は、カーナビゲーション画面などの1画面の一部ずつをそれぞれ表示して、2つの画面で1画面を構成してもよいし、一方がカーナビゲーション画面などの第1の画面を表示し、他方が第1の画面とは異なるテレビ画面などの第2の画面を表示してもよい。
【0019】
表示装置22は、インセル型のIPS(In Plane Switching)方式の液晶表示装置であり、タッチディスプレイとして構成され、タッチ位置を検出可能である。表示装置22の構成は、例えば、以下に説明する周知の構成となっている。
【0020】
図2は、
図1の表示装置22の回路構成を概略的に示す。
図2は、各構成要素の概略的な配置も示す。表示装置22は、行方向に延びる複数のゲート線G1,G2,・・・と、列方向に延びる複数のソース線S1,S2,・・・と、複数の画素スイッチング素子30と、複数の画素電極32と、複数の共通電極34とを備える。各画素スイッチング素子30は、薄膜トランジスタであり、ゲート線とソース線の交点付近に画素に対応して設けられる。各画素スイッチング素子30において、ゲートにはゲート線が接続され、ソースにはソース線が接続され、ドレインには画素電極32が接続される。1つの共通電極34に対して、複数の画素スイッチング素子30と複数の画素電極32が配置される。画素電極32と共通電極34との間の電界により液晶層が制御される。共通電極34は、画像表示およびタッチ検出に共用される。そのため、電極の層数を削減して、表示装置22を薄く構成できる。
【0021】
図3は、
図2の共通電極34の配置を示す上面図である。複数の共通電極34は、マトリクス状に配置される。第1表示装置22aの各共通電極34は、信号線36で第1表示制御装置24aに接続され、第2表示装置22bの各共通電極34は、信号線36で第2表示制御装置24bに接続される。
【0022】
表示装置22は、自己容量方式によりタッチ位置を検出する。表示装置22の表示面に指が近づくと、共通電極34と指の間に静電容量が発生する。静電容量が発生すると共通電極34における寄生容量が増加し、共通電極34にタッチ駆動信号を供給するときの電流が増加する。この電流の変動量にもとづいてタッチ位置が検出される。
【0023】
図1に戻る。第1表示制御装置24aは、たとえばICとして構成され、ホスト10からの制御データCDと画像データDDにしたがって第1表示装置22aを制御する。第1表示制御装置24aは、第1制御回路70aと、第3駆動回路72aと、第1駆動回路74aと、第1タッチ検出回路76aとを備える。
【0024】
第1制御回路70aは、たとえばマイコンで構成され、第3駆動回路72aと第1駆動回路74aの信号生成タイミング、第1タッチ検出回路76aのタッチ検出タイミングなどを制御する。
【0025】
第1制御回路70aは、第1フレーム期間に、表示画像の1フレームが第1表示装置22aに描画され、かつ、1画面のタッチ検出が少なくとも1回実行されるよう、第3駆動回路72a、第1駆動回路74aおよび第1タッチ検出回路76aを制御する。第1フレーム期間は、第1垂直同期期間とも呼べる。第1フレーム期間の詳細は後述する。
【0026】
第3駆動回路72aは、第1制御回路70aの制御にしたがい、第1基準クロック信号を生成する。第3駆動回路72aは、第1制御回路70aの制御にしたがい、ホスト10からの画像データDDにもとづいて、生成された第1基準クロック信号に同期したソース信号SSを生成する。第3駆動回路72aは、第1制御回路70aの制御にしたがい、生成された第1基準クロック信号に同期したゲート信号GSを生成する。
【0027】
第3駆動回路72aは、ソース信号SSを第1表示装置22aの複数のソース線に順次供給し、ゲート信号GSを第1表示装置22aの複数のゲート線に順次供給する。
【0028】
第3駆動回路72aは、第1基準クロック信号を第1駆動回路74aに供給する。第1駆動回路74aは、第1制御回路70aの制御にしたがい、予め定められた固定電圧である基準電圧VCOM、および、第1基準クロック信号に同期した矩形波のタッチ駆動信号TXを生成する。第1駆動回路74aは、
図3の信号線36を介して、基準電圧VCOMまたはタッチ駆動信号TXを第1表示装置22aの全体の複数の共通電極34に供給する。
【0029】
第1タッチ検出回路76aは、第1表示装置22aへの物体のタッチを検出する。第1タッチ検出回路76aは、第1制御回路70aの制御にしたがい、共通電極34にタッチ駆動信号TXが供給されたときのタッチ検出信号RXを共通電極34から受け、タッチ検出信号RXにもとづいてタッチ位置を検出する。第1タッチ検出回路76aは、検出したタッチ位置の情報を第1制御回路70aに出力する。
【0030】
第1制御回路70aは、第1タッチ検出回路76aからのタッチ位置の情報にもとづいてタッチ位置の座標データTDを導出し、その座標データTDをホスト10の制御装置12に出力する。制御装置12は、座標データTDに応じて各種処理を実行する。
【0031】
第3駆動回路72aは、第1基準クロック信号にもとづいて、たとえば第1フレーム期間の開始タイミング毎に同期信号SYを第2表示制御装置24bに出力する。同期信号SYの出力タイミングは、第1表示制御装置24aと第2表示制御装置24bの間で信号を同期させることができれば、特に限定されない。
【0032】
第2表示制御装置24bは、たとえばICとして構成され、ホスト10からの制御データCDと画像データDD、第1表示制御装置24aからの同期信号SYにしたがって第2表示装置22bを制御する。第2表示制御装置24bの基本的な動作は、第1表示制御装置24aの動作と共通するが、動作タイミングが異なる。第2表示制御装置24bは、第2制御回路70bと、第4駆動回路72bと、第2駆動回路74bと、第2タッチ検出回路76bとを備える。
【0033】
第2制御回路70bは、たとえばマイコンで構成され、同期信号SYにもとづいて、第4駆動回路72bと第2駆動回路74bの信号生成タイミング、第2タッチ検出回路76bのタッチ検出タイミングなどを制御する。第2制御回路70bと前述の第1制御回路70aをまとめて制御回路と呼べる。
【0034】
第2制御回路70bは、第2フレーム期間に、表示画像の1フレームが第2表示装置22bに描画され、かつ、1画面のタッチ検出が少なくとも1回実行されるよう、第4駆動回路72b、第2駆動回路74bおよび第2タッチ検出回路76bを制御する。第2制御回路70bは、同期信号SYにもとづいて、第2フレーム期間の開始タイミングが第1フレーム期間の開始タイミングから所定時間だけ遅れるよう制御する。第2フレーム期間は、第2垂直同期期間とも呼べる。第2フレーム期間の詳細は後述する。
【0035】
第4駆動回路72bは、第2制御回路70bの制御にしたがい、第2基準クロック信号を生成する。第4駆動回路72bは、第2制御回路70bの制御にしたがい、ホスト10からの画像データDDにもとづいて、生成された第2基準クロック信号に同期したソース信号SSを生成する。第4駆動回路72bは、第2制御回路70bの制御にしたがい、生成された第2基準クロック信号に同期したゲート信号GSを生成する。
【0036】
第4駆動回路72bは、ソース信号SSを第2表示装置22bの複数のソース線に順次供給し、ゲート信号GSを第2表示装置22bの複数のゲート線に順次供給する。
【0037】
第4駆動回路72bは、第2基準クロック信号を第2駆動回路74bに供給する。第2駆動回路74bは、第2制御回路70bの制御にしたがい、基準電圧VCOM、および、第2基準クロック信号に同期した矩形波のタッチ駆動信号TXを生成する。第2駆動回路74bは、
図3の信号線36を介して、基準電圧VCOMまたはタッチ駆動信号TXを第2表示装置22bの全体の複数の共通電極34に供給する。
【0038】
第2タッチ検出回路76bは、第2表示装置22bへの物体のタッチを検出する。第2タッチ検出回路76bは、第2制御回路70bの制御にしたがい、共通電極34にタッチ駆動信号TXが供給されたときのタッチ検出信号RXを共通電極34から受け、タッチ検出信号RXにもとづいてタッチ位置を検出する。第2タッチ検出回路76bは、検出したタッチ位置の情報を第2制御回路70bに出力する。
【0039】
第2制御回路70bは、第2タッチ検出回路76bからのタッチ位置の情報にもとづいてタッチ位置の座標データTDを導出し、その座標データTDを制御装置12に出力する。
【0040】
制御装置12、第1制御回路70a、第2制御回路70bの構成は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ素子、マイクロコンピュータ、DSP、ROM、RAM、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源としてファームウェア等のプログラムを利用できる。
【0041】
図4は、第1表示装置22aにおける第1フレーム期間Faと、第2表示装置22bにおける第2フレーム期間Fbのタイミングを示す。
【0042】
第1フレーム期間Faは、9つの第1表示期間Daと、2つの第1タッチ検出期間T1aと、2つの第1タッチ検出期間T2aと、2つの第1タッチ検出期間T3aと、2つの第1タッチ検出期間T4aとを含む。第1表示期間Daと第1タッチ検出期間は交互に配置される。第1フレーム期間Faにおいて、第1表示期間Da、第1タッチ検出期間T1a、第1表示期間Da、第1タッチ検出期間T2a、第1表示期間Da、第1タッチ検出期間T3a、第1表示期間Da、第1タッチ検出期間T4a、第1表示期間Da、第1タッチ検出期間T1a、第1表示期間Da、第1タッチ検出期間T2a、第1表示期間Da、第1タッチ検出期間T3a、第1表示期間Da、第1タッチ検出期間T4a、第1表示期間Daは、この順に並ぶ。
【0043】
第2フレーム期間Fbは、9つの第2表示期間Dbと、2つの第2タッチ検出期間T1bと、2つの第2タッチ検出期間T2bと、2つの第2タッチ検出期間T3bと、2つの第2タッチ検出期間T4bとを含む。第2表示期間Dbと第2タッチ検出期間は交互に配置される。第2フレーム期間Fbにおいて、第2表示期間Db、第2タッチ検出期間T1b、第2表示期間Db、第2タッチ検出期間T2b、第2表示期間Db、第2タッチ検出期間T3b、第2表示期間Db、第2タッチ検出期間T4b、第2表示期間Db、第2タッチ検出期間T1b、第2表示期間Db、第2タッチ検出期間T2b、第2表示期間Db、第2タッチ検出期間T3b、第2表示期間Db、第2タッチ検出期間T4b、第2表示期間Dbは、この順に並ぶ。
【0044】
複数の第1タッチ検出期間T1aからT4aのそれぞれの開始および終了タイミングは、複数の第2表示期間Dbのいずれかに重複する。
【0045】
複数の第2タッチ検出期間T1bからT4bのそれぞれの開始および終了タイミングは、複数の第1表示期間Daのいずれかに重複する。
【0046】
第1表示期間Daの長さは、第2表示期間Dbの長さと等しい。第1タッチ検出期間T1aからT4a、第2タッチ検出期間T1bからT4bのそれぞれの長さは等しい。第1表示期間Da、第2表示期間Dbのそれぞれの長さは、第1タッチ検出期間T1aからT4a、第2タッチ検出期間T1bからT4bのそれぞれの長さより長い。
【0047】
第1フレーム期間Faの長さは、第2フレーム期間Fbの長さと等しい。第1フレーム期間Faの開始タイミング(時刻t1)は、第2フレーム期間Fbの開始タイミング(時刻t2)とは異なる。
【0048】
第1フレーム期間Faの第1表示期間Daの数、第2フレーム期間Fbの第2表示期間Dbの数は、それぞれ「9」に限定されない。第1フレーム期間Faの第1タッチ検出期間の数、第2フレーム期間Fbの第2タッチ検出期間の数は、それぞれ「8」に限定されない。
【0049】
図5(a)は、
図4の第1タッチ検出期間T4aにおける表示装置22の動作を説明する図である。
図5(b)は、
図4の第2タッチ検出期間T1bにおける表示装置22の動作を説明する図である。
【0050】
第1表示装置22aと第2表示装置22bは、観察者から見て水平方向に隣接して配置される。
【0051】
第1表示装置22aは、第2表示装置22bに近づく方向に順に並ぶ第1タッチ検出領域R1a,R2a,R3a,R4aを含む。つまり第1タッチ検出領域R1a,R2a,R3a,R4aは、第1表示装置22aと第2表示装置22bの配置方向に沿った方向である水平方向に並ぶ。最も右側の第1タッチ検出領域R4aは、第2表示装置22bに隣接する。第1表示装置22aの全体の複数の共通電極34は、第1タッチ検出領域R1aからR4aのそれぞれに複数ずつ配置される。
【0052】
第2表示装置22bは、第1表示装置22aから離れる方向に順に並ぶ第2タッチ検出領域R1b,R2b,R3b,R4bを含む。つまり第2タッチ検出領域R1b,R2b,R3b,R4bは、水平方向に並ぶ。最も左側の第2タッチ検出領域R1bは、第1表示装置22aに隣接する。第2表示装置22bの全体の複数の共通電極34は、第2タッチ検出領域R1bからR4bに複数ずつ配置される。1つの表示装置22のタッチ検出領域の数は「4」に限定されない。
【0053】
図4に戻り、第1表示装置22aは、第1表示期間Da毎に1フレームを1/9ずつ表示する。第1フレーム期間Faの9つの第1表示期間Daにより、1フレームが表示される。具体的には第1表示期間Daの間、第3駆動回路72aは、複数のソース線にソース信号SSを供給し、対象のゲート線にゲート信号GSを供給し、第1駆動回路74aは複数の共通電極34に基準電圧VCOMを供給する。第1表示期間Daにはタッチ駆動信号TXは共通電極34に供給されない。
【0054】
第1タッチ検出回路76aは、第1タッチ検出期間毎に異なる第1タッチ検出領域でタッチを検出する。つまり第1タッチ検出回路76aは、第1タッチ検出期間T1aの間、第1タッチ検出領域R1aでタッチを検出し、第1タッチ検出期間T2aの間、第1タッチ検出領域R2aでタッチを検出し、第1タッチ検出期間T3aの間、第1タッチ検出領域R3aでタッチを検出し、第1タッチ検出期間T4aの間、第1タッチ検出領域R4aでタッチを検出する。第1フレーム期間Faの8つの第1タッチ検出期間により、1画面のタッチ検出が2回実行される。
【0055】
具体的には第1駆動回路74aは、第1タッチ検出期間の間、第1表示装置22aの全体の複数の共通電極34にタッチ駆動信号TXを供給する。第1タッチ検出回路76aは、第1タッチ検出期間の間、検出対象の第1タッチ検出領域の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、検出対象の第1タッチ検出領域のタッチを検出する。タッチ検出期間には基準電圧VCOMは共通電極34に供給されない。
【0056】
第2表示装置22bは、第2表示期間Db毎に1フレームの1/9の画像を表示する。第2フレーム期間Fbの9つの第2表示期間Dbにより、1フレームが表示される。具体的には第2表示期間Dbの間、第4駆動回路72bは、複数のソース線にソース信号SSを供給し、対象のゲート線にゲート信号GSを供給し、第2駆動回路74bは複数の共通電極34に基準電圧VCOMを供給する。第2表示期間Dbにはタッチ駆動信号TXは共通電極34に供給されない。
【0057】
第2タッチ検出回路76bは、第2タッチ検出期間毎に異なる第2タッチ検出領域でタッチを検出する。つまり第2タッチ検出回路76bは、第2タッチ検出期間T1bの間、第2タッチ検出領域R1bでタッチを検出し、第2タッチ検出期間T2bの間、第2タッチ検出領域R2bでタッチを検出し、第2タッチ検出期間T3bの間、第2タッチ検出領域R3bでタッチを検出し、第2タッチ検出期間T4bの間、第2タッチ検出領域R4bでタッチを検出する。第2フレーム期間Fbの8つの第2タッチ検出期間により、1画面のタッチ検出が2回実行される。
【0058】
具体的には第2駆動回路74bは、第2タッチ検出期間の間、第2表示装置22bの全体の複数の共通電極34にタッチ駆動信号TXを供給する。第2タッチ検出回路76bは、第2タッチ検出期間の間、検出対象の第2タッチ検出領域の複数の共通電極34から受信したタッチ検出信号RXにもとづいて、検出対象の第2タッチ検出領域のタッチを検出する。タッチ検出期間には基準電圧VCOMは共通電極34に供給されない。
【0059】
図5(a)に示すように、
図4の第1タッチ検出期間T4aの間、第1表示装置22aでは第2表示装置22bに隣接する第1タッチ検出領域R4aのタッチ検出が実行され、第2表示装置22bでは画像表示が実行される。つまり、第1タッチ検出領域R4aのタッチ検出中、第2表示装置22bではタッチ検出が実行されず、したがって第2表示装置22bではタッチ駆動信号TXが複数の共通電極34に供給されない。
【0060】
図5(b)に示すように、
図4の第2タッチ検出期間T1bの間、第2表示装置22bでは第1表示装置22aに隣接する第2タッチ検出領域R1bのタッチ検出が実行され、第1表示装置22aでは画像表示が実行される。つまり、第2タッチ検出領域R1bのタッチ検出中、第2表示装置22bではタッチ検出が実行されず、したがって第1表示装置22aではタッチ駆動信号TXが複数の共通電極34に供給されない。
【0061】
ここで、比較例について説明する。
図6は、比較例の表示システムの第1フレーム期間Faと第2フレーム期間Fbのタイミングを示す。比較例では、第1フレーム期間Faの開始タイミングと第2フレーム期間Fbの開始タイミングが一致し、対応する第1表示期間Daの開始タイミングと第2表示期間Dbの開始タイミングが一致し、対応する第1タッチ検出期間の開始タイミングと第2タッチ検出期間の開始タイミングが一致することが、本実施の形態と異なる。つまり、比較例では、2つの表示装置22において、画像表示が同時に実行され、タッチ検出が同時に実行される。
【0062】
図7(a)は、
図6の第1タッチ検出期間T4aにおける表示装置22の動作を説明する図である。
図7(b)は、
図6の第2タッチ検出期間T1bにおける表示装置22の動作を説明する図である。
【0063】
図7(a)に示すように、第1タッチ検出期間T4aの間、第1表示装置22aでは第2表示装置22bに隣接する第1タッチ検出領域R4aのタッチ検出が行われ、第2表示装置22bでは第2タッチ検出領域R4bのタッチ検出が行われる。つまり、第1タッチ検出領域R4aのタッチ検出中、第2表示装置22bの全体の複数の共通電極34にタッチ駆動信号TXが供給される。よって、第1表示装置22aに最も近い第2表示装置22bの共通電極34に供給されたタッチ駆動信号TXによりノイズが発生し、そのノイズが第1タッチ検出領域R4aの共通電極34の電荷に影響を与える可能性がある。その結果、第1タッチ検出領域R4aのタッチ検出信号RXが変化し、第1タッチ検出回路76aは、第1タッチ検出領域R4aに物体が接触していなくても接触があったと誤検出する可能性がある。
【0064】
図7(b)に示すように、第2タッチ検出期間T1bの間、第2表示装置22bでは第1表示装置22aに隣接する第2タッチ検出領域R1bのタッチ検出が行われ、第1表示装置22aでは第1タッチ検出領域R1aのタッチ検出が行われる。この場合も、第2表示装置22bに最も近い第1表示装置22aの共通電極34に供給されたタッチ駆動信号TXによりノイズが発生し、そのノイズにより第2タッチ検出領域R1bのタッチ検出信号RXが変化し、第2タッチ検出回路76bは、第2タッチ検出領域R1bに物体が接触していなくても接触があったと誤検出する可能性がある。
【0065】
比較例に対して、本実施の形態では、
図4,5(a),5(b)を参照して説明したように、第2表示装置22bに隣接する第1タッチ検出領域R4aのタッチ検出中、第2表示装置22bの共通電極34にタッチ駆動信号TXが供給されないため、第2表示装置22bのタッチ駆動信号TXによるノイズの影響を受けない。また、第1表示装置22aに隣接する第2タッチ検出領域R1bのタッチ検出中、第1表示装置22aの共通電極34にタッチ駆動信号TXが供給されないため、第1表示装置22aのタッチ駆動信号TXによるノイズの影響を受けない。よって、比較例よりも誤検出を抑制できる。
【0066】
次に、以上の構成による表示システム1の全体的な動作を説明する。
図8は、
図1の表示システム1の起動処理を示すフローチャートである。ホスト10は第1表示制御装置24aと第2表示制御装置24bを起動し(S10)、第1表示制御装置24aは第2表示制御装置24bに同期信号SYを送信し(S12)、第2表示制御装置24bは、受信した同期信号SYにもとづいて第2フレーム期間Fbの開始タイミングを設定し(S14)、処理を終了する。
【0067】
本実施の形態によれば、第2表示装置22bに隣接する第1タッチ検出領域R4aの第1タッチ検出期間T4aの開始および終了タイミングは、第2表示期間Dbに重複するので、第1タッチ検出領域R4aのタッチ検出は、第2表示装置22bでのタッチ検出によるノイズの影響を受けない。よって、第1タッチ検出領域R4aのタッチ検出において誤検出を抑制できる。
【0068】
また、第1表示装置22aに隣接する第2タッチ検出領域R1bの第2タッチ検出期間T1bの開始および終了タイミングは、第1表示期間Daに重複するので、第2タッチ検出領域R1bのタッチ検出は、第1表示装置22aでのタッチ検出によるノイズの影響を受けない。よって、第2タッチ検出領域R1bのタッチ検出において誤検出を抑制できる。
【0069】
また、第1フレーム期間Faの開始タイミングは第2フレーム期間Fbの開始タイミングと異なり、第1フレーム期間Fa内の各期間の長さおよび配置は第2フレーム期間Fb内の各期間の長さおよび配置と共通である。よって、表示システム1の構成の複雑化を抑制できる。
【0070】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第2フレーム期間Fbにおいて最初の第2表示期間Dbが他の第2表示期間Dbより長く、最後の第2表示期間Dbが他の第2表示期間Dbより短いことが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0071】
図9は、第2の実施の形態に係る第1フレーム期間Faと第2フレーム期間Fbのタイミングを示す。第1フレーム期間Faの開始タイミングは、第2フレーム期間Fbの開始タイミングと一致する。第1フレーム期間Faの構成は第1の実施の形態と同一である。
【0072】
第2フレーム期間Faの最初の第2表示期間Db、すなわち複数の第2表示期間Dbの1つは、第1表示期間Daより長い。第2フレーム期間Fbの最後の第2表示期間Db、すなわち複数の第2表示期間Dbの1つは、第1表示期間Daより短い。第2フレーム期間Fbの2番目から最後の1つ前までの第2表示期間Db、すなわち複数の第2表示期間Dbの残りは、第1表示期間Daと同じ長さである。
【0073】
本実施の形態によれば、第1フレーム期間Faの開始タイミングは、第2フレーム期間Fbの開始タイミングに一致するので、たとえば第1表示装置22aと第2表示装置22bで1画像の一部ずつを分担して表示する場合、第1表示装置22aの画像と第2表示装置22bの画像との間でちらつきが視認され難くできる。よって、表示システム1の画像の表示品質を向上できる。
【0074】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、隣の表示装置22に隣接しない複数のタッチ検出領域の複数のタッチ検出期間の一部は、表示期間と重複しないことが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0075】
図10は、第3の実施の形態に係る第1フレーム期間Faと第2フレーム期間Fbのタイミングを示す。第1フレーム期間Faの開始タイミングは、第2フレーム期間Fbの開始タイミングと一致する。第1フレーム期間Faの構成は第1の実施の形態と同一である。
【0076】
第2表示装置22bに隣接する第1タッチ検出領域R4aでタッチ検出が行われる特定の第1タッチ検出期間T4aの開始および終了タイミングは、第2表示期間Dbに重複する。
【0077】
第1表示装置22aに隣接する第2タッチ検出領域R1bでタッチ検出が行われる特定の第2タッチ検出期間T1bの開始および終了タイミングは、第1表示期間Daに重複する。
【0078】
第1タッチ検出期間T1aの開始および終了タイミングも、第2表示期間Dbに重複する。第2タッチ検出期間T4bの開始および終了タイミングも、第1表示期間Daに重複する。
【0079】
第1タッチ検出期間T2aの全体は、第2タッチ検出期間T2bに重複する。第1タッチ検出期間T3aの全体は、第2タッチ検出期間T3bに重複する。つまり、特定の第1タッチ検出期間T4a以外の複数の第1タッチ検出期間の一部、すなわち第1タッチ検出期間T2a,T3aのそれぞれは、特定の第2タッチ検出期間T1b以外の第2タッチ検出期間のいずれかに重複する。
【0080】
本実施の形態では、比較例の第2フレーム期間Fbの第2タッチ検出期間T1bとT4bを第1表示期間Daに重複するように移動し、それに伴い第2タッチ検出期間T1bとT4bのそれぞれの前後の第2表示期間Dbの長さを変更したとも言える。第2タッチ検出期間T1bとT4bのそれぞれは、前に移動してもよいし、後に移動してもよい。
本実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果が得られる。
【0081】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、一部の第1表示期間Daの長さが第3の実施の形態から変更される。以下、第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0082】
図11は、第4の実施の形態に係る第1フレーム期間Faと第2フレーム期間Fbのタイミングを示す。本実施の形態でも、第1タッチ検出期間T1aとT4aのそれぞれの開始および終了タイミングは、第2表示期間Dbに重複する。第2タッチ検出期間T1bとT4bのそれぞれの開始および終了タイミングは、第1表示期間Daに重複する。
【0083】
2つの第1タッチ検出期間T1aのうち最初のものは、2つの第2タッチ検出期間T1bのうち最初のものより前に配置される。2つの第1タッチ検出期間T1aのうち2番目のものは、2つの第2タッチ検出期間T1bのうち2番目のものより後に配置される。
【0084】
2つの第2タッチ検出期間T4bのうち最初のものは、2つの第1タッチ検出期間T4aのうち最初のものより後に配置される。2つの第2タッチ検出期間T4bのうち2番目のものは、2つの第1タッチ検出期間T4aのうち2番目のものより後に配置される。
【0085】
本実施の形態では、比較例の第1フレーム期間Faの第1タッチ検出期間T1aを第2表示期間Dbに重複するように移動し、それに伴い第1タッチ検出期間T1aの前後の第2表示期間Dbの長さを変更したとも言える。その上で、比較例の第2フレーム期間Fbの第2タッチ検出期間T4bを第1表示期間Daに重複するように移動し、それに伴い第2タッチ検出期間T4bの前後の第2表示期間Dbの長さを変更したとも言える。第1タッチ検出期間T1aと第2タッチ検出期間T4bのそれぞれは、前に移動してもよいし、後に移動してもよい。第1タッチ検出期間T1aと第2タッチ検出期間T4bの代わりに、第1タッチ検出期間T4aと第2タッチ検出期間T1bのそれぞれを移動してもよい。
本実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果が得られる。
【0086】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、タッチ検出領域は垂直方向に並ぶことが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0087】
図12は、第5の実施の形態に係る表示装置22の動作を説明する図である。第1表示装置22aの第1タッチ検出領域R1aからR4aと、第2表示装置22bの第2タッチ検出領域R1bからR4b(図示せず)は、第1表示装置22aと第2表示装置22bの配置方向に交差した方向、すなわち垂直方向に並ぶ。つまり、第1タッチ検出領域R1aからR4aは、第2表示装置22bに隣接し、第2タッチ検出領域R1bからR4bは、第1表示装置22aに隣接する。
【0088】
第1の実施の形態と同様に、第1タッチ検出期間T1aからT4aのそれぞれの開始および終了タイミングは、複数の第2表示期間Dbのいずれかに重複し、第2タッチ検出期間T1bからT4bのそれぞれの開始および終了タイミングは、複数の第1表示期間Daのいずれかに重複する。
【0089】
そのため、
図12に示すように、第1表示装置22aの第1タッチ検出領域R1aでタッチ検出が行われる間、第2表示装置22bは画像を表示する。第1タッチ検出領域R2aからR4aのそれぞれでタッチ検出が行われる間も、第2表示装置22bは画像を表示する。同様に、第2表示装置22bの第2タッチ検出領域R1bからR4bのそれぞれでタッチ検出が行われる間、第1表示装置22aは画像を表示する。
【0090】
よって、第1タッチ検出領域R1aからR4aのタッチ検出において、第2表示装置22bでのタッチ検出によるノイズの影響を受けず、第2タッチ検出領域R1bからR4bのタッチ検出においても、第1表示装置22aでのタッチ検出によるノイズの影響を受けない。したがって、タッチ検出領域が垂直方向に並ぶ場合にも、タッチ検出において誤検出を抑制できる。また、表示システム1の構成の自由度を向上することもできる。
【0091】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態では、表示装置22は垂直方向に隣接し、タッチ検出領域は水平方向に並ぶことが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0092】
図13は、第6の実施の形態に係る表示装置22の動作を説明する図である。第1表示装置22aと第2表示装置22bは、垂直方向に隣接して配置される。第1表示装置22aの第1タッチ検出領域R1aからR4a(図示せず)と、第2表示装置22bの第2タッチ検出領域R1bからR4bは、第1表示装置22aと第2表示装置22bの配置方向に交差した方向、すなわち水平方向に並ぶ。つまり、第1タッチ検出領域R1aからR4aは、第2表示装置22bに隣接し、第2タッチ検出領域R1bからR4bは、第1表示装置22aに隣接する。
【0093】
図13に示すように、第2表示装置22bの第2タッチ検出領域R1bでタッチ検出が行われる間、第1表示装置22aは画像を表示する。第2タッチ検出領域R2bからR4bのそれぞれでタッチ検出が行われる間も、第1表示装置22aは画像を表示する。同様に、第1表示装置22aの第1タッチ検出領域R1aからR4aのそれぞれでタッチ検出が行われる間、第2表示装置22bは画像を表示する。よって、タッチ検出において誤検出を抑制できる。また、表示システム1の構成の自由度を向上することもできる。
【0094】
(第7の実施の形態)
第7の実施の形態では、表示装置22は垂直方向に隣接し、タッチ検出領域は垂直方向に並ぶことが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0095】
図14は、第7の実施の形態に係る表示装置22の動作を説明する図である。第1表示装置22aと第2表示装置22bは、垂直方向に隣接して配置される。第1表示装置22aの第1タッチ検出領域R1aからR4a(図示せず)と、第2表示装置22bの第2タッチ検出領域R1bからR4bは、第1表示装置22aと第2表示装置22bの配置方向に沿った方向、すなわち垂直方向に並ぶ。つまり、第1タッチ検出領域R4aは、第2表示装置22bに隣接し、第2タッチ検出領域R1bは、第1表示装置22aに隣接する。
【0096】
図14に示すように、第2表示装置22bの第2タッチ検出領域R1bでタッチ検出が行われる間、第1表示装置22aは画像を表示する。同様に、第1表示装置22aの第1タッチ検出領域R4aでタッチ検出が行われる間も、第2表示装置22bは画像を表示する。よって、タッチ検出において誤検出を抑制できる。また、表示システム1の構成の自由度を向上することもできる。
【0097】
(第8の実施の形態)
第8の実施の形態では、ホスト10の制御装置12が第1表示装置22aと第2表示装置22bに同期信号SYを送信することが第1の実施の形態と異なる。以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0098】
図15は、第8の実施の形態に係る表示システム1のブロック図である。制御装置12は、たとえば第1フレーム期間の開始タイミング毎に共通の同期信号SYを第1表示制御装置24aと第2表示制御装置24bに送信する。第1表示制御装置24aは、第2表示制御装置24bに同期信号を送信しない。
【0099】
図16は、
図15の表示システム1の起動処理を示すフローチャートである。ホスト10は、第1表示制御装置24aと第2表示制御装置24bを起動し(S20)、第1表示制御装置24aと第2表示制御装置24bに同期信号SYを送信する(S22)。ホスト10は、駆動タイミングを指示する制御データCDを第1表示制御装置24aに送信し(S24)、第1表示制御装置24aは、受信した同期信号SYに同期して、受信した制御データCDに従った駆動タイミングで第1表示装置22aを駆動し(S26)、処理を終了する。またホスト10は、S24と並行して、駆動タイミングを指示する制御データCDを第2表示制御装置24bに送信する(S28)。第2表示制御装置24bは、受信した同期信号SYに同期して、受信した制御データCDに従った駆動タイミングで第2表示装置22bを駆動し(S30)、処理を終了する。
【0100】
本実施の形態によれば、表示システム1の構成の自由度を向上できる。
【0101】
以上、本開示について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0102】
例えば、3以上の表示装置22が隣接して配置されてもよい。実施の形態では表示制御装置24が表示モジュール20に含まれるが、表示制御装置24はホスト10に含まれてもよい。実施の形態では第3駆動回路72aと第4駆動回路72bがそれぞれ基準クロック信号を生成するが、第1駆動回路74aと第2駆動回路74bがそれぞれ基準クロック信号を生成してもよい。フレーム期間は、タッチ検出領域の数と同数のタッチ検出期間を含んでもよいし、タッチ検出領域の数の3倍以上のタッチ検出期間を含んでもよい。これらの変形例では、表示システム1の構成の自由度を向上できる。
【0103】
また、第5または第6の実施の形態を第2の実施の形態と組み合わせてもよい。第7の実施の形態を第2から第4の実施の形態のいずれかと組み合わせてもよい。第8の実施の形態を第2から第7の実施の形態のいずれかと組み合わせてもよい。組合せによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果をあわせもつ。
【0104】
表示装置22は、例えば以下に説明する構成を有してもよい。
図17は、
図1の表示装置22の縦断面図である。表示装置22は、厚さ方向に沿って順に重ねて配置されるバックライトユニット40、下偏光板42、薄膜トランジスタ基板(以下、TFT基板と呼ぶ)44、液晶層52、カラーフィルタ基板54、上偏光板56、接合層58、および、保護層60を備える。
【0105】
以下の説明では、表示装置22の厚さ方向のうち、TFT基板44に対して保護層60が位置する側を前面側とし、その逆を背面側とする。
【0106】
表示装置22は、バックライトユニット40から出射された光を用いて、画像光を前面側、即ち観察者側に出射する。
【0107】
TFT基板44は、ガラス基板46、ガラス基板46の前面側に配置された複数のゲート電極48、複数のソース電極50、および、複数の共通電極34を有する。図示は省略するが、TFT基板44は、
図2の複数のゲート線G1,G2,・・・、複数のソース線S1,S2,・・・、複数の画素電極32および複数の画素スイッチング素子30も有する。TFT基板44の前面側に配置された液晶層52は、画素電極32と共通電極34との間に発生する横方向の電界により制御される。
【0108】
接合層58は、透光性を有し、上偏光板56と保護層60とを接合する。接合層58は、例えば、OCR(Optically Clear Resin)などの液状の透明樹脂、または、OCA(Optically Clear Adhesive)などの透明粘着シートが硬化したものである。
【0109】
保護層60は、表示装置22を保護するための透光性を有する層であり、ガラス基板またはプラスチック基板などで構成される。保護層60は、カバーレンズなどとも呼ばれる。
【0110】
本開示の一態様に係る表示システムは、
第1表示装置と、
前記第1表示装置に隣接して配置される第2表示装置と、
前記第1表示装置への物体のタッチを検出する第1タッチ検出回路と、
前記第2表示装置への物体のタッチを検出する第2タッチ検出回路と、
前記第1表示装置、前記第2表示装置、前記第1タッチ検出回路および前記第2タッチ検出回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記第1表示装置は、前記第2表示装置に隣接する第1タッチ検出領域を含み、
前記第2表示装置は、第2タッチ検出領域を含み、
前記第1表示装置における第1フレーム期間は、前記第1表示装置が画像を表示する第1表示期間と、前記第1タッチ検出回路が前記第1タッチ検出領域でタッチを検出する第1タッチ検出期間とを含み、
前記第2表示装置における第2フレーム期間は、前記第2表示装置が画像を表示する第2表示期間と、前記第2タッチ検出回路が前記第2タッチ検出領域でタッチを検出する第2タッチ検出期間とを含み、
前記第1タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、前記第2表示期間に重複する。
この態様によると、第1タッチ検出期間に第2表示装置は画像を表示するので、第1タッチ検出期間に第2表示装置でのタッチ検出によるノイズの発生を抑制できる。よって、第1タッチ検出領域のタッチ検出において誤検出を抑制できる。
【0111】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第2タッチ検出領域は、前記第1表示装置に隣接し、
前記第2タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、前記第1表示期間に重複する、としても良い。
この場合、第2タッチ検出期間に第1表示装置は画像を表示するので、第2タッチ検出期間に第1表示装置でのタッチ検出によるノイズの発生を抑制できる。よって、第2タッチ検出領域のタッチ検出において誤検出を抑制できる。
【0112】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第1表示装置は、複数の第1タッチ検出領域を含み、当該複数の第1タッチ検出領域の少なくとも1つは前記第2表示装置に隣接し、
前記第2表示装置は、複数の第2タッチ検出領域を含み、当該複数の第2タッチ検出領域の少なくとも1つは前記第1表示装置に隣接し、
前記第1フレーム期間は、複数の第1表示期間と、複数の第1タッチ検出期間とを含み、第1表示期間と第1タッチ検出期間は交互に配置され、
前記第1タッチ検出回路は、第1タッチ検出期間毎に異なる第1タッチ検出領域でタッチを検出し、
前記第2フレーム期間は、複数の第2表示期間と、複数の第2タッチ検出期間とを含み、第2表示期間と第2タッチ検出期間は交互に配置され、
前記第2タッチ検出回路は、第2タッチ検出期間毎に異なる第2タッチ検出領域でタッチを検出し、
前記複数の第1タッチ検出期間のそれぞれの開始および終了タイミングは、前記複数の第2表示期間のいずれかに重複し、
前記複数の第2タッチ検出期間のそれぞれの開始および終了タイミングは、前記複数の第1表示期間のいずれかに重複する、としても良い。
この場合、誤検出を抑制できる。
【0113】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第1フレーム期間の開始タイミングは、前記第2フレーム期間の開始タイミングと異なる、としても良い。
この場合、第1フレーム期間内の各期間の長さおよび配置と、第2フレーム期間内の各期間の長さおよび配置とを共通化できるので、構成の複雑化を抑制できる。
【0114】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第1フレーム期間の開始タイミングは、前記第2フレーム期間の開始タイミングと一致し、
前記複数の第1表示期間は、それぞれ同じ長さであり、
前記複数の第2表示期間の1つは、第1表示期間より長く、
前記複数の第2表示期間の1つは、第1表示期間より短く、
前記複数の第2表示期間の残りは、第1表示期間と同じ長さである、としても良い。
この場合、第1フレーム期間の開始タイミングと、第2フレーム期間の開始タイミングとが一致するので、第1表示装置と第2表示装置の画像の表示品質を向上できる。
【0115】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第1フレーム期間の開始タイミングは、前記第2フレーム期間の開始タイミングと一致し、
前記第1表示装置は、複数の第1タッチ検出領域を含み、当該複数の第1タッチ検出領域の1つは前記第2表示装置に隣接し、
前記第2表示装置は、複数の第2タッチ検出領域を含み、当該複数の第2タッチ検出領域の1つは前記第1表示装置に隣接し、
前記第1フレーム期間は、複数の第1表示期間と、複数の第1タッチ検出期間とを含み、第1表示期間と第1タッチ検出期間は交互に配置され、
前記第1タッチ検出回路は、第1タッチ検出期間毎に異なる第1タッチ検出領域でタッチを検出し、
前記第2フレーム期間は、複数の第2表示期間と、複数の第2タッチ検出期間とを含み、第2表示期間と第2タッチ検出期間は交互に配置され、
前記第2タッチ検出回路は、第2タッチ検出期間毎に異なる第2タッチ検出領域でタッチを検出し、
前記第2表示装置に隣接する第1タッチ検出領域でタッチ検出が行われる特定の第1タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、第2表示期間に重複し、
前記第1表示装置に隣接する第2タッチ検出領域でタッチ検出が行われる特定の第2タッチ検出期間の開始および終了タイミングは、第1表示期間に重複し、
前記特定の第1タッチ検出期間以外の複数の第1タッチ検出期間の一部のそれぞれは、前記特定の第2タッチ検出期間以外の第2タッチ検出期間のいずれかに重複する、としても良い。
この場合、第1フレーム期間の開始タイミングと、第2フレーム期間の開始タイミングとが一致するので、第1表示装置と第2表示装置の画像の表示品質を向上できる。
【0116】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記複数の第1タッチ検出領域と前記複数の第2タッチ検出領域は、前記第1表示装置と前記第2表示装置の配置方向に沿った方向に並ぶ、としても良い。
この場合、表示システムの構成の自由度を向上できる。
【0117】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記複数の第1タッチ検出領域と前記複数の第2タッチ検出領域は、前記第1表示装置と前記第2表示装置の配置方向に交差した方向に並ぶ、としても良い。
この場合、表示システムの構成の自由度を向上できる。
【0118】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第1表示装置は、前記複数の第1タッチ検出領域に複数ずつ配置された、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の第1共通電極を含み、
前記第2表示装置は、前記複数の第2タッチ検出領域に複数ずつ配置された、画像表示およびタッチ検出に共用される複数の第2共通電極を含み、
前記表示システムは、
第1タッチ検出期間に、前記複数の第1共通電極に第1タッチ駆動信号を出力する第1駆動回路と、
第2タッチ検出期間に、前記複数の第2共通電極に第2タッチ駆動信号を出力する第2駆動回路と、
を備え、
前記第1タッチ検出回路は、検出対象の第1タッチ検出領域の第1共通電極から受信した第1タッチ検出信号にもとづいて、当該第1タッチ検出領域のタッチを検出し、
前記第2タッチ検出回路は、検出対象の第2タッチ検出領域の第2共通電極から受信した第2タッチ検出信号にもとづいて、当該第2タッチ検出領域のタッチを検出する、としても良い。
この場合、画像表示およびタッチ検出に共用される第1共通電極と第2共通電極により、第1表示装置と第2表示装置を薄く構成できる。
【0119】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第1表示装置と前記第2表示装置は、水平方向に隣接して配置される、としても良い。
この場合、表示システムの構成の自由度を向上できる。
【0120】
本開示の一態様に係る表示システムにおいて、例えば、
前記第1表示装置と前記第2表示装置は、垂直方向に隣接して配置される、としても良い。
この場合、表示システムの構成の自由度を向上できる。
【0121】
本開示の一態様に係る制御方法は、
第1表示装置と、
前記第1表示装置に隣接して配置される第2表示装置と、
前記第1表示装置への物体のタッチを検出する第1タッチ検出回路と、
前記第2表示装置への物体のタッチを検出する第2タッチ検出回路と、
を備える表示システムにおける制御方法であって、
前記第1表示装置は、前記第2表示装置に隣接する第1タッチ検出領域を含み、
前記第2表示装置は、第2タッチ検出領域を含み、
前記第1表示装置における第1フレーム期間は、前記第1表示装置が画像を表示する第1表示期間と、前記第1タッチ検出回路が前記第1タッチ検出領域でタッチを検出する第1タッチ検出期間とを含み、
前記第2表示装置における第2フレーム期間は、前記第2表示装置が画像を表示する第2表示期間と、前記第2タッチ検出回路が前記第2タッチ検出領域でタッチを検出する第2タッチ検出期間とを含み、
前記制御方法は、
前記第1タッチ検出期間の開始および終了タイミングが前記第2表示期間に重複するように、前記第1表示装置、前記第2表示装置、前記第1タッチ検出回路および前記第2タッチ検出回路を制御するステップを含む。
この態様によると、第1タッチ検出回路が第1タッチ検出領域でタッチを検出する第1タッチ検出期間に、第2表示装置は画像を表示するので、第2表示装置でのタッチ検出によるノイズの発生を抑制できる。よって、第1タッチ検出領域のタッチ検出において誤検出を抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本開示は、タッチ検出機能を有する表示システムおよび制御方法に利用できる。
【符号の説明】
【0123】
1…表示システム、22a…第1表示装置、22b…第2表示装置、34…共通電極、70a…第1制御回路、70b…第2制御回路、74a…第1駆動回路、74b…第2駆動回路、76a…第1タッチ検出回路、76b…第2タッチ検出回路。