(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】まつ毛パーマの施術方法およびまつ毛
(51)【国際特許分類】
A45D 2/48 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
A45D2/48
(21)【出願番号】P 2018159813
(22)【出願日】2018-08-28
【審査請求日】2021-07-27
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】321009063
【氏名又は名称】山本 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】若林幸恵
【合議体】
【審判長】柿崎 拓
【審判官】長馬 望
【審判官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-122442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 2/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
まつ毛におけるパーマをかける部位となるパーマ部と、前記まつ毛におけるパーマを回避する部位となる非パーマ部と、からなるまつ毛にエクステンション用まつ毛を付けるまつ毛パーマの施術方法であって、
前記非パーマ部を顔の肌の上に固定することにより退避させる工程と、
前記パーマをかける部位となる前記パーマ部に前記パーマをかける工程と、
前記非パーマ部が退避された状態を解除する工程と、
前記非パーマ部が退避された状態を解除する工程の後において、前記非パーマ部に前記エクステンション用まつ毛を付ける工程を含み、
前記パーマ部および前記非パーマ部は、目頭側および目尻側をパーマ部とし、前記パーマ部に囲まれた目の中央部側を非パーマ部とし、
前記エクステンション用まつ毛が付けられた非パーマ部の左右方向の位置と、前記目における虹彩の左右方向の位置とが一部または全部において重なることを特徴とするまつ毛パーマの施術方法。
【請求項2】
まつ毛におけるパーマをかける部位となるパーマ部と、前記まつ毛におけるパーマを回避する部位となる非パーマ部と、からなるまつ毛にエクステンション用まつ毛を付けるまつ毛パーマの施術方法であって、
前記非パーマ部を顔の肌の上に固定することにより退避させる工程と、
前記パーマをかける部位となる前記パーマ部に前記パーマをかける工程と、
前記非パーマ部が退避された状態を解除する工程と、
前記非パーマ部が退避された状態を解除する工程の後において、前記非パーマ部に前記エクステンション用まつ毛を付ける工程を含み、
前記パーマ部および前記非パーマ部は、目頭側および目尻側をパーマ部とし、前記パーマ部に囲まれた目の中央部側を非パーマ部とし、
前記エクステンション用まつ毛が付けられた非パーマ部の左右方向の位置と、前記目における瞳孔の左右方向の位置とが一部または全部において重なることを特徴とするまつ毛パーマの施術方法。
【請求項3】
前記非パーマ部を前記顔の肌の上に固定することにより退避させる工程の前において、前記顔の肌を固定する固定部材により涙袋とともに下まつ毛を被覆することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のまつ毛パーマの施術方法。
【請求項4】
前記非パーマ部を前記顔の肌の上に固定することにより退避させる工程は、前記非パーマ部を粘着部材により前記顔の肌の上に前記固定部材を介して固定することによって退避させる工程とすることを特徴とする請求項3に記載のまつ毛パーマの施術方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まつ毛パーマの施術方法およびまつ毛に関し、特にまつ毛におけるパーマをかける部位となるパーマ部と、まつ毛におけるパーマを回避する部位となる非パーマ部と、からなるまつ毛パーマの施術方法およびまつ毛に関する。
【背景技術】
【0002】
特に昨今は若者世代や女性を中心にまつ毛パーマがブームとなっている。このまつ毛パーマの施術方法は、例えば特許文献1に開示される技術が参照される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年はまつ毛パーマを施しながらまつ毛エクステンションも施すことが要求されており、かかる技術の確立が急務となっているが、パーマがかかったまつ毛に対してエクステンション用まつ毛を付けると、当該エクステンション用まつ毛が剥がれやすくなることがある。
【0005】
本発明は、まつ毛パーマを施しながらまつ毛エクステンション用も施す場合において、まつ毛に付けられたエクステンション用まつ毛が剥がれることを抑制することができるまつ毛パーマの施術方法およびまつ毛を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るまつ毛パーマの施術方法は、まつ毛におけるパーマをかける部位となるパーマ部と、前記まつ毛におけるパーマを回避する部位となる非パーマ部と、からなるまつ毛にエクステンション用まつ毛を付けるまつ毛の施術方法であって、前記非パーマ部に前記エクステンション用まつ毛を付ける工程を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、前記非パーマ部に前記エクステンション用まつ毛を付ける工程を含むことにより、まつ毛パーマを施しながら非パーマ部にのみエクステンション用まつ毛も施すことができる。すなわち、まつ毛パーマをかけることにより例えば湾曲したまつ毛にエクステンション用まつ毛を付けることは容易ではなく、本発明の如く非パーマ部にエクステンション用まつ毛を付けることにより、部分的なまつ毛パーマと部分的なまつ毛エクステンションを行うことができ、まつ毛に付けられたエクステンション用まつ毛が剥がれることを抑制することができる。
【0008】
前記パーマ部および前記非パーマ部は、目頭側からパーマ部、非パーマ部の順で連なることにより、上記の如く非パーマ部にエクステンションまつ毛を付ける場合において、手を触れることの多い目頭側にエクステンションまつ毛が付けられることが少なくなり、手の接触によりエクステンションまつ毛が脱落することを抑制することができる。
【0009】
前記パーマ部および前記非パーマ部は、目頭側からパーマ部、非パーマ部、パーマ部の順で連なることにより、上記の如く非パーマ部にエクステンション用まつ毛を付ける場合において、顔の横側からまつ毛を見たときにパーマ部がエクステンション用まつ毛によって見えづらくなることを抑制することができる。
【0010】
前記パーマ部および前記非パーマ部は、目頭側および目尻側をパーマ部とし、前記パーマ部に囲まれた目の中央部側を非パーマ部とすることにより、左右の目が離れた場合にあっても、第三者に左右の目が近づいた印象を与えることができる。
【0011】
前記エクステンション用まつ毛が付けられた非パーマ部の左右方向の位置と、前記目における虹彩の左右方向の位置とが一部または全部において重なることにより、パーマ部の位置が虹彩の位置と重なり、パーマ部が虹彩の色と同化することによって目視しづらくなることを抑制することができる。
【0012】
前記エクステンション用まつ毛が付けられた非パーマ部の左右方向の位置と、前記目における瞳孔の左右方向の位置とが一部又は全部重なることにより、パーマ部の位置が瞳孔の位置と重なり、パーマ部が瞳孔の色と同化することによって目視しづらくなることを抑制することができる。
【0013】
前記パーマ部および前記非パーマは、目頭側をパーマ部、目尻側を非パーマ部とすることにより、左右の目が近い場合にあっても、第三者に左右の目が離れた印象を与えることができる。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明に係るまつ毛は、まつ毛におけるパーマをかける部位となるパーマ部と、前記まつ毛におけるパーマを回避する部位となる非パーマ部と、からなるまつ毛であって、前記非パーマ部に前記エクステンション用まつ毛が付けられていることを特徴とする。
【0015】
前記パーマ部および前記非パーマ部は、目頭側からパーマ部、非パーマ部の順で連なる。
【0016】
前記パーマ部および前記非パーマ部は、目頭側からパーマ部、非パーマ部、パーマ部の順で連なる。
前記パーマ部および前記非パーマ部は、目頭側および目尻側をパーマ部とし、前記パーマ部に囲まれた目の中央部側を非パーマ部とする。
【0017】
前記エクステンション用まつ毛が付けられた非パーマ部の左右方向の位置と、前記目における虹彩の左右方向の位置とが一部または全部において重なる。
前記エクステンション用まつ毛が付けられた非パーマ部の左右方向の位置と、当該目における瞳孔の左右方向の位置とが一部または全部において重なる。
【0018】
前記パーマ部および前記非パーマは、目頭側をパーマ部、目尻側を非パーマ部とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、まつ毛パーマを施しながらまつ毛エクステンション用も施す場合において、まつ毛に付けられたエクステンション用まつ毛が剥がれることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係るまつ毛パーマの施術方法を説明するための正面図である。
【
図2】まつ毛パーマの施術方法を説明するための
図1に続く正面図である。
【
図3】
図1から
図2の状態を側面から見た図であり、(a)は
図1の状態を示す側面図、(b)は非パーマ部のまつ毛の位置を肌から離間する位置から退避する位置とした状態を示す側面図、(b)は
図2の状態を示す側面図である。
【
図4】まつ毛パーマの施術方法を説明するための
図2および
図3に続く正面図である。
【
図5】まつ毛パーマの施術方法を説明するための
図4に続く正面図である。
【
図6】まつ毛パーマの施術方法に用いられる狭持器具の構成を示す図で、(a)は狭持器具を閉塞した状態を示す正面図、(b)は同側面図、(c)は上面図、(d)は下面図、(e)は狭持器具を開放した状態を示す正面図である。
【
図7】狭持器具によりまつ毛を狭持する状態を示す図で、(a)は狭持前の状態を示す側面図(可動体が枠体の下部側に位置する状態)、(b)は狭持前の状態を示す(a)に続く側面図(可動体が枠体の中間部に位置する状態)、(c)は狭持後の状態を示す拡大側面断面図である(可動体が枠体の上部側に位置する状態)。
【
図8】まつ毛パーマの施術方法を説明するための
図5に続く正面図である。
【
図9】まつ毛パーマの施術方法を説明するための
図8に続く正面図である。
【
図10】まつ毛パーマの施術方法を説明するための
図9に続く正面図である。
【
図11】まつ毛パーマの施術方法を説明するための
図10に続く正面図である。
【
図12】まつ毛パーマの施術方法を説明するための
図11に続く正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るまつ毛パーマの施術方法を詳細に説明する。
図1~
図5、
図8~
図12は、まつ毛パーマの施術方法を説明するための図、
図6は、まつ毛パーマの施術方法に用いられる狭持器具の構成を示す図、
図7は狭持器具によりまつ毛を狭持する状態を示す図である。なお、以下の説明においては、
図1および
図3に示すように、主に顔1を正面から見た状態および顔1を側面から見た状態を基準に方向を定義するものとする。
【0022】
すなわち、本発明のまつ毛パーマの施術方法は、まつ毛5より詳しくは上まつ毛5(以下まつ毛5,5a´,5b´というときは上まつ毛を指すものとする)にパーマおよび付けまつ毛40を施す施術方法としている。
【0023】
なお、本発明においては、付けまつ毛40は、まつ毛エクステンションに用いられるエクステンション用まつ毛40としている(以下、付けまつ毛40は、エクステンション用まつ毛40とする)。
また、本発明において、エクステンションとは、付け毛を付ける(装着する)ことを指し、例えば毛を長く見せたり、アクセサリーのように用いることができる。更に、エクステンション用まつ毛とは、エクステンションに用いられる付けまつ毛をいい、まつ毛エクステンションとは、まつ毛に対して行うエクステンションを指す。
【0024】
更にまた、本発明においてまつ毛とは、人間のまつ毛に加え、動物やマネキンのまつ毛や付けまつ毛のように人間以外の生物のまつ毛や人工的に作られたまつ毛も含む。すなわちエクステンション用まつ毛もまつ毛の一部とみなす。
【0025】
本施術方法では、
図1に示すように、まず人体の顔1の目2の周囲における肌3に該肌3を固定するための肌固定部材10を施す。
【0026】
すなわち、肌固定部材10を、目2の上方側において瞼3aの両端側を上方に引っ張り上げるように、かつ、眉毛4まで被覆するように縦に並行に2本施す。そして、肌固定部材10を、目2の下方側において涙袋3bとともに、下まつ毛を被覆するように左右方向に1本施す。つまり、後述する狭持器具30によりパーマ部5bのまつ毛5b´を挟んで上方を向く位置に固定する工程の前に、狭持器具30と接触する目2の周囲の肌3に該肌3を固定する肌固定部材10を施しておく。
【0027】
このように肌固定部材10により固定することで、瞼3aが固定されるとともに、瞼3aが引っ張り上げられるため、まつ毛5の根元が視認し易くなる。また、瞼3aが引っ張り上げられるため、例えば、瞼3aが奥二重である場合にも、まつ毛5の根元と瞼3aとを誤認することが少なくなり、エクステンション用まつ毛40を瞼3aに誤って付けることを少なくすることができる。更に、肌固定部材10により、涙袋3bとともに、下まつ毛を被覆することにより、本施術方法の対象とならない下まつ毛をパーマ液等から保護することができる。
【0028】
なお、本施術方法においては、肌固定部材10は、テープ状の部材とし、テープ状の部材を肌3の上より詳しくは瞼3aおよび涙袋3bの上に貼り付けることにより、肌3を固定することとしている。
【0029】
次いで、
図2および
図3に示すように、まつ毛5におけるパーマを回避する部位となる非パーマ部5aのまつ毛5a´を、肌3の上に固定より詳しくは肌固定部材10を介して目2の下方側の涙袋3bの上に固定することにより、肌3から離間する位置6から涙袋3bに固定する位置7に退避させる。
【0030】
この退避させる工程は、非パーマ部5aにおけるまつ毛5a´を、粘着部材20により目2の下方側の涙袋3bの上に肌固定部材10を介して貼ることによって固定し退避させる工程としており、粘着部材20は、テープ状の部材としている。なお、退避させる工程は、非パーマ部5aにおけるまつ毛5a´を、粘着剤により目2の下方側の涙袋3bの上に肌固定部材10を介して固定することによって退避させる工程としてもよい。粘着剤は、例えば糊とすることができる。
【0031】
この退避させる工程により、非パーマ部5aの左右方向の位置は、目2における虹彩2aの左右方向の位置または瞳孔2bの左右方向の位置と一部または全部において重なるように設定される(
図12参照)。
【0032】
続いて、
図4および
図5に示すように、まつ毛5におけるパーマをかける部位となるパーマ部5bに肌3から離間する位置6においてパーマをかける工程を行う。このパーマ部5bのまつ毛5b´にパーマをかける工程は、パーマをかける前に、肌3から離間する位置6において狭持器具30によりパーマ部5bのまつ毛5b´を挟んで更に上方に向く位置に固定する工程を更に含む(なお、肌3から離間する位置6は、上方に向く位置を含む)。
【0033】
ここで、狭持器具30は、
図6に示すように、目2の周囲における顔1の形状に対応するように、正面から見たときに湾曲した形状に形成されている。狭持器具30は、第1の狭持体31と第2の狭持体32を有し、第1の狭持体31と第2の狭持体32との間にパーマ部5bのまつ毛5b´を挟んで上方に向く位置に固定することができる。
【0034】
すなわち、第1の狭持体31と第2の狭持体32は、相互に相対位置を変更可能に形成されており、第1の狭持体31は、湾曲した枠状に形成された枠体31としている。枠体31の内部空間の上部側には該上部側を閉塞するように湾曲した形状の板状体31aが備えられている。
【0035】
第2の狭持体32は、湾曲した板状の可動体32とし、枠体31内を上下方向に可動可能に形成されている。
図7に示すように、可動体32を板状体31aと重なるように枠体31の上部側に可動させて、板状体31aの前面側31a´と可動体32の後面側32´によりパーマ部5bのまつ毛5b´を挟んで上方に向く位置に固定することができる。可動体32と板状体31aの位置関係は、可動体32を前方側、板状体31aを後方側としている。
【0036】
なお、狭持器具30は、可動体32を板状体31aと重なるように可動させたときに、可動体32の位置を固定する可動体固定部材33を有している。
【0037】
可動体固定部材33は、板状または棒状に形成されるとともに、基端側を、枠体31の下辺部に軸体を介して回動可能に設けられている。また、可動体固定部材33は、先端側を、可動体32の下端と係脱自在に形成されている。
【0038】
これにより、可動体32を板状体31aと重なるように上方に可動させたときに、可動体固定部材33を回動させて先端側を可動体32の下端に係止させることにより可動体32の位置を固定することができる(可動体32は、可動体固定部材33の先端側と枠体31の上辺部側との間に固定される)。また、可動体32の位置を固定した状態から可動体固定部材33を下方側に回動させて、前記係止した状態を解除することにより、可動体32を枠体31内において下方側に可動可能とすることができる。
【0039】
ここで、パーマ部5bにパーマをかける工程は、パーマ部におけるまつ毛5b´にパーマ液を付けることによりパーマをかける工程とすることができる。
【0040】
すなわち、狭持器具30は、可動体32に、前面側から後面側に貫通する複数の穴32aが設けられており、パーマ液を複数の穴32aに流し込むことにより、可動体32の後面側32´と板状体31aの前面側31a´との間に挟み込まれたパーマ部5bのまつ毛5b´にパーマ液を付けることができる。
【0041】
続いて、
図8に示すように、パーマ部5bにおけるパーマをかける工程の後に狭持器具30を顔1から外し、
図9に示すように、非パーマ部5aが退避された状態を解除する工程を行う。この解除する工程は、粘着部材20を肌3から剥がしたり、水等で粘着剤を溶かすことにより行うことができる。
【0042】
次いで、
図10および
図11に示すように、退避された状態を解除する工程の後に、非パーマ部5aのまつ毛5a´にエクステンション用まつ毛40を付ける工程を行う。
【0043】
このエクステンション用まつ毛40をまつ毛5a´に付ける工程は、非パーマ部5aのまつ毛5a´と目2の下方側の涙袋3bとの間を仕切る仕切り板50を載置して行うことができる。
【0044】
つまり、仕切り板50の上に非パーマ部5aのまつ毛5a´を載せて均しながらエクステンション用まつ毛40を付ける工程を行う。エクステンション用まつ毛40を付ける工程は、例えば、ピンセット等を用いて、エクステンション用まつ毛40を1本1本、非パーマ部5aのまつ毛5a´に付けることにより行うことができる。また、仕切り板50には、溝を設けることとして、まつ毛5a´を1本1本溝に入れながらエクステンション用まつ毛40を付けることとしてもよい。
【0045】
このように本発明のまつ毛パーマの施術方法を実施することにより、以下のまつ毛5を提供することができる。
【0046】
すなわち、
図12に示すように、まつ毛5におけるパーマをかける部位となるパーマ部5bと、まつ毛5におけるパーマを回避する部位となる非パーマ部5aと、からなるまつ毛5を形成することができ、まつ毛5は、非パーマ部5aのまつ毛5a´にエクステンション用まつ毛40が付けられていることとすることができる。
【0047】
また、パーマ部5bおよび非パーマ5aが、目頭側からパーマ部5b、エクステンション用まつ毛40が付けられた非パーマ部5aの順で連なるまつ毛5を提供することができる。
【0048】
より詳しくは、パーマ部5bおよびエクステンション用まつ毛40が付けられた非パーマ部5aが、目頭側からパーマ部5b、エクステンション用まつ毛40が付けられた非パーマ部5a、パーマ部5bの順で連なるまつ毛5を提供することとし、更に詳しくは、パーマ部5bおよびエクステンション用まつ毛40が付けられた非パーマ部5aが、目頭側および目尻側をパーマ部5bとし、パーマ部5bに囲まれた目2の中央部側をエクステンション用まつ毛40が付けられた非パーマ部5aとするまつ毛5を提供することができる。
【0049】
また、エクステンション用まつ毛40が付けられた非パーマ部5aの左右方向の位置と、目2における虹彩2aの左右方向の位置または瞳孔2bの左右方向の位置とが一部または全部において重なるまつ毛5を提供することができる。
【0050】
以上説明したように、本発明によれば、まつ毛5におけるパーマを回避する部位となる非パーマ部5aのまつ毛5a´を退避させる工程と、まつ毛5におけるパーマをかける部位となるパーマ部5bにパーマをかける工程と、を含むことにより、パーマ部5bと非パーマ部5aを区分けすることができ、まつ毛5におけるパーマを回避する非パーマ部5a以外のまつ毛5b´にのみパーマをかけることができる。
【0051】
また、退避させる工程は、非パーマ部5aにおけるまつ毛5a´を、粘着部材20または粘着剤により肌3に退避させる工程とすることにより、パーマ部5bにおけるまつ毛5b´と非パーマ部5aにおけるまつ毛5a´を区分けすることができる。また、非パーマ部5aにパーマ液が付着することを抑制することができる。
【0052】
更に、非パーマ部5aの左右方向の位置と、目2における虹彩2aの左右方向の位置または瞳孔2bの左右方向の位置とが一部または全部において重なることにより、パーマ部5bの位置が虹彩2aの左右方向の位置または瞳孔2bの左右方向の位置と重なり、パーマ部5bが虹彩2aまたは瞳孔2bの色と同化することによって目視しづらくなることを抑制することができる(まつ毛パーマをかけるとまつ毛5が湾曲して短くなり虹彩2aや瞳孔2bの黒色と同化し易くなる)。
【0053】
更にまた、本発明によれば、非パーマ部5aにエクステンション用まつ毛40を付ける工程を含むことにより、より詳しくは、パーマ部5bにおけるパーマをかける工程の後に非パーマ部5aが退避された状態を解除する工程と、退避された状態を解除する工程の後に、非パーマ部5aのまつ毛5a´にエクステンション用まつ毛40を付ける工程と、を含むことにより、まつ毛パーマを施しながらエクステンション用まつ毛40も施すことができる。
【0054】
すなわち、まつ毛パーマをかけられた湾曲したまつ毛5にエクステンション用まつ毛40を付けることは容易ではなく、本発明の如く非パーマ部5aにエクステンション用まつ毛40を付けることとすれば、部分的なまつ毛パーマと部分的なまつ毛エクステンションを行うことができ、パーマ部5bにエクステンション用まつ毛40を付ける場合に比べて、エクステンション用まつ毛40が剥がれることを抑制することができる(パーマをかけたまつ毛5にエクステンション用まつ毛40を付けると脱落もし易くなる)。
【0055】
また、パーマ部5bおよび非パーマ部5aは、目頭側からパーマ部5b、非パーマ部5aの順で連なることにより、上記の如く非パーマ部5aにエクステンション用まつ毛40を付ける場合において、手を触れることの多い目頭側にエクステンション用まつ毛40が付けられることが少なくなり、手の接触によりエクステンション用まつ毛40が脱落することを抑制することができる。
【0056】
パーマ部5bおよび非パーマ部5aは、目頭側からパーマ部5b、非パーマ部5a、パーマ部5bの順で連なることにより、上記の如く非パーマ部5aにエクステンション用まつ毛40を付ける場合において、顔1の横側からまつ毛5を見たときにパーマ部5bがエクステンション用まつ毛40によって見えづらくなることを抑制することができる。
【0057】
更に、パーマ部5bおよび非パーマ部5aは、目頭側および目尻側をパーマ部5bとし、パーマ部5bに囲まれた目2の中央部側を非パーマ部5aとすることにより、左右の目2が離れた場合にあっても、第三者に左右の目2が近づいた印象を与えることが可能となる。
【0058】
なお、本発明は特許請求の範囲に記載した発明の範囲内において種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
【0059】
すなわち、上述した実施形態にあっては、狭持器具30を用いてまつ毛パーマを行うこととしているが、狭持器具30を用いずにまつ毛パーマを行うこととしても所要の効果を奏する。ただし、狭持器具30を用いてまつ毛パーマを行うこととするとより効率的であり好ましい。
【0060】
また、上述した実施形態にあっては、パーマ液を付けてまつ毛パーマを行うこととしているが、パーマ液を用いずにまつ毛5に熱をかけてパーマを行うこととしても所要の効果を奏する。
【0061】
更に、上述した実施形態にあっては、狭持器具30において、可動体32と板状体31aの位置関係を可動体32を前方側、板状体31aを後方側とすることとしているが、可動体32を後方側、板状体31aを前方側とすることとしてもよい。すなわち、可動体32を板状体31aと重なるように枠体31の上部側に可動させることとすればよく、板状体31aの前面側と可動体32の後面側または板状体31aの後面側と可動体32の前面側のいずれかによりパーマ部5bのまつ毛5b´を挟んで上方に向く位置に固定すればよい。また、可動体32に、前面側から後面側に貫通する複数の穴32を設けることとしているが、可動体32を後方側、板状体31aを前方側とするときは、板状体31aに、前面側から後面側に貫通する複数の穴を設けることとすればよい。
【0062】
また、上述した実施形態にあっては、パーマ部5bおよび非パーマ部5aは、目頭側および目尻側をパーマ部5bとし、パーマ部5bに囲まれた目2の中央部側を非パーマ部5aとしているが、
図13に示すように、パーマ部5bおよび非パーマ5aは、目頭側より詳しくは左右方向において目頭側から虹彩2aを全て含む範囲をパーマ部5b、目尻側より詳しくは左右方向において目尻側の虹彩2aを除外した範囲を非パーマ部5bとすることができる。この場合にあっては、第三者に左右の目2が離れた印象を与えることが可能となる。
【符号の説明】
【0063】
1:顔
2:目
2a:虹彩
2b:瞳孔
3:肌
3a:瞼
3b:涙袋
5:まつ毛
5a:非パーマ部
5a´:非パーマ部のまつ毛
5b:パーマ部
5b´:パーマ部のまつ毛
6:肌から離間する位置
7:肌に固定する位置
10:肌固定部材
20:粘着部材
30:狭持部材
31:第1の狭持体(枠体)
31a:板状体
31a´:前面側
32:第2の狭持体(可動体)
32´:後面側
32a:穴
33:可動体固定部材
40:付けまつ毛(エクステンション用まつ毛)
50:仕切り板