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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】灯火用トーチ
(51)【国際特許分類】
   F42B 4/26 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
F42B4/26
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019216828
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021085635
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501158996
【氏名又は名称】株式会社吉岡徳仁デザイン事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 徳仁
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-079764(JP,A)
【文献】特開2000-106003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42B 4/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に炎を灯す燃焼部を配置し、下部に使用者が手で握るグリップ部を形成した灯火用トーチであって、
前記灯火用トーチは、内周面が多角形断面形状を有する金属製の筒状体であるトーチ筐体と、前記燃焼部に気体燃料を供給する、円筒状の金属圧力容器であるボンベとを有し、
前記ボンベを前記燃焼部の下方かつ前記グリップ部より上方に配置することで、前記ボンベの周側面が前記トーチ筐体の内周面に上下方向に直接接触する線状の接触部が形成され、
複数の前記線状の接触部間において、前記ボンベの周側面と前記トーチ筐体の内周面の間に前記燃焼部に空気を給気するためのボンベ脇流路が形成されたことを特徴とする灯火用トーチ。
【請求項2】
請求項記載の灯火用トーチであって、
前記多角形断面は、正六角形、正五角形、正方形、正三角形のいずれかの形状から選択されることを特徴とする灯火用トーチ。
【請求項3】
請求項1または2記載の灯火用トーチであって、
前記燃焼部と前記ボンベは連結されたカートリッジであり、前記トーチ筺体に対して一体に着脱可能であることを特徴とする灯火用トーチ。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか記載の灯火用トーチであって、
前記トーチ筺体は、アルミの押し出し成型材であることを特徴とする灯火用トーチ。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか記載の灯火用トーチであって、
前記トーチ筺体は、前記燃焼部周囲の前記トーチ筺体の周囲には複数の穴が開口されており、前記燃焼部の炎が前記複数の穴を通して、前記トーチ筺体の周囲から吹き出すことを特徴とする灯火用トーチ。
【請求項6】
上部に炎を灯す燃焼部を配置し、下部に使用者が手で握るグリップ部を形成した灯火用トーチであって、
前記灯火用トーチは、金属製の筒状体であるトーチ筐体と、前記燃焼部に気体燃料を供給する、円筒状の金属圧力容器であるボンベとを有し、
前記トーチ筐体と前記ボンベとの間に所定の熱伝導率を有する複数のブリッジを配置し、前記ボンベの周側面と前記トーチ筺体の内周面とが間接的に接触し、
前記ブリッジ間に前記燃焼部に空気を給気するためのボンベ脇流路が形成されたことを特徴とする灯火用トーチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者がトーチ筺体の下部を握って保持し、上端近傍に配置される燃焼部に火を灯して使用する灯火用トーチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上端に火を灯す灯火用トーチとしては聖火トーチが典型的であるが、管状体であるトーチ筺体の上部側に燃焼部を、その下方に燃料ボンベを配置し、燃焼部に火を灯して使用する。従来例として、次のような灯火用トーチの先行技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-71896号
【文献】特開2019-102415号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トーチ筺体をアルミ合金などの金属で形成した場合、上端に灯る炎はトーチ筺体を上端から徐々に加熱し、使用者が握る本体の下部に位置するグリップ部まで熱を持たせてしまう。このため、金属製のトーチは、長時間、使用者がトーチを持ち続けることが難しく、タオルなどの断熱材を巻き付けて断熱して保持する必要があった。
【0005】
また、トーチ筺体のグリップの加熱問題を克服するために、このグリップ部に最初から断熱性があるプラスチック材やラバー材を取り付ける構造とすることもできるが、金属地肌を全体に活かしたい創作意図があると、グリップ部に取り付ける断熱材はトーチ全体のデザインに制約を与えてしまう。
【0006】
一方、燃料ボンベは燃料を燃焼部に供給する過程で、気化熱により冷却効果を有するため、トーチ筺体の上端を燃料ボンベの周面に嵌め込んで固定すればトーチ筺体を冷却することができるが、単純に燃料ボンベを管状体のトーチ筺体に嵌め込むと、トーチ筺体下方から給気ができなくなってしまい、燃焼部において燃料を円滑に燃焼させることができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、トーチ上端に灯る炎の熱がトーチ筺体または一部を通じてグリップ部に伝わりづらい灯火用トーチとするとともに、給気をトーチ筺体の下方から行うことができる灯火用トーチを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の灯火用トーチの代表的な構成は、 上部に炎を灯す燃焼部を配置し、下部に使用者が手で握るグリップ部を形成した灯火用トーチであって、 前記灯火用トーチは、内周面が多角形断面形状を有する金属製の筒状体であるトーチ筐体と、前記燃焼部に気体燃料を供給する、円筒状の金属圧力容器であるボンベとを有し、前記ボンベを前記燃焼部の下方かつ前記グリップ部より上方に配置することで、前記ボンベの周側面が前記トーチ筐体の内周面に上下方向に直接接触する線状の接触部が形成され、複数の前記線状の接触部間において、前記ボンベの周側面と前記トーチ筐体の内周面の間に前記燃焼部に空気を給気するためのボンベ脇流路が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の灯火用トーチによれば、気体燃料を消費することによってその気化熱で冷却されるボンベの周面の一部が金属製のトーチ筺体の内周面に接触しているために、燃焼部からトーチ筺体に伝わる熱が冷却され、グリップ部に伝わらないため、長時間、トーチを燃焼させても使用者がグリップ部に高熱を感じることがない構造となる。
【0010】
また、ボンベの周面の一部がトーチ筺体内面に間接的に、または直接的に接していても、ボンベの周面の他部には上方の燃焼部に、下方から給気するための通気路が形成されるので、燃焼部に下方から円滑に給気して、燃焼性能が損なわれない構造となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態の灯火用トーチの説明図である。
図2】本発明の第2実施形態の灯火用トーチの説明図である。
図3】本発明の第3実施形態の灯火用トーチの説明図である。
図4】本発明の第4実施形態の灯火用トーチの説明図である。
図5】本発明の第5実施形態の灯火用トーチの説明図である。
図6】本発明の第6実施形態の灯火用トーチの説明図である。
図7】本発明の第7実施形態の灯火用トーチの説明図である。
図8】本発明の第8実施形態の灯火用トーチの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
本発明の灯火用トーチの第1実施形態を、図1を用いて以下に説明する。図1(a)は本発明の第1実施形態の灯火用トーチの側面図、図1(b)は同灯火用トーチの平断面図、図1(c)は同図(b)のs-s線で切断した同灯火用トーチの側断面図である。
【0013】
図1(a)乃至図1(c)に示すように、本実施形態の灯火用トーチAは、断面が直径40mm程度の真円の円筒状形状を有するトーチ筺体1A(1)の内部に、燃焼部であるガス燃焼機2とその下方に取り付けられた直径30mm程度のボンベ3とから成る燃焼ユニットを挿入して構成される。
【0014】
トーチ筺体1は、一例として、アルミなどの金属の押し出し成型により形成した金属製の筒状体である。トーチ筺体1は、上部1aの天面が開放され、この部分にガス燃焼装置2が露出し、周側面に複数の細かい穴10が開口されている。このため、ガス燃焼装置に灯火した場合、周面の穴10を通して炎がトーチ筺体1Aの外側に噴き出すことにより、灯火容積を大きくして、より大きな、明るい炎を灯火することができる。
【0015】
また、トーチ筺体1は、下部1bが灯火用トーチ1の使用者が握るグリップ部11となるとともに、底面が開口され、この部分にガス燃焼機2へ燃焼用の空気を供給する、空気取り入れ口P1が形成されている。
【0016】
ボンベ3は円筒状の金属製圧力容器であって、ブタンやプロパンなどの燃焼用ガスを貯蔵する。ボンベ3の上部は径が小さくなった圧力調整機3aが取り付けられており、これがガス燃焼機2に連結されている。また、ボンベ3の下部も同様に小径の底部3bを有している。
【0017】
トーチ筺体1の内側には、ボンベ3を挿入した際に、その底部3bの底部を差し込む支持リブ4を有している。この支持リブ4は、トーチ筺体1の横断面において等角度、例えば90度で互いに間隔を空けて配置されている(図1(c)において4a、4cの2つのみ図示する)。また、その上方には、同様に等角度、例えば90度で互いに間隔を空けて、ブリッジたる4つのスペーサリブ5(図1(c)において5a、5cの2つのみ図示する)を配置している。スペーサリブ5は、熱伝導率の高いアルミなどの金属で形成され、ボンベ3の周側面とトーチ筺体1の内周面とを間接的に接触させ、かつ距離を保持する機能を有する。なお、支持リブ4はボンベ3の下部位置を位置決めするためのものであり、ゴムやプラスチックで成型してもよいが、スペーサリブ5と同様に金属で形成してもよい。
【0018】
それぞれ支持リブ4a乃至4d、スペーサリブ5a乃至5dのかかる構造により、ボンベ3の側面とトーチ筺体1の間には、ボンベ3の上方と下方の流路に連通するように、ボンベ脇流路P3が形成されることになる。
【0019】
このように、トーチ筺体1の下方から上方に向けて、トーチ筺体1下端の空気取入れ口P1、トーチ筺体1内部の下部流路P2、ボンベ3の側面のボンベ脇流路P3、そしてガス燃焼機2の側面の燃焼器脇流路P4から成る空気流路P1乃至P4が形成されることになる。
【0020】
次に、本実施形態の灯火用トーチ1Aの作用効果を説明する。ボンベ3のバルブ(図示せず)を開き、ガス燃焼機2に点灯すると、ボンベ3から供給される燃焼ガスは、空気流通路P1乃至P4を介して供給される空気によって燃焼を続ける。この際、ガス燃焼機2の炎により炙られたトーチ筺体1の上部1aは加熱されることとなり、その熱はトーチ筺体1の全体に伝わる。
【0021】
一方、ボンベ3は内部の燃料を放出するに従って内部の圧力が減圧する。この際、燃料の気化により、ボンベ3の熱が奪われ、ボンベ3の表面は冷却されることとなる。この冷却効果は、ボンベ3の周側面を固定するスペーサリブ5を介して、トーチ筺体1の表面に及ぶ。このため、ガス燃焼機2の炎の熱は、トーチ筺体1のボンベ3収納位置以下には伝わらず、もしくは削減されて、グリップ部11が、使用者が保持できなくなるほど熱くなることを防止することができるという効果を有する。
【0022】
加えて、一般にボンベ3は自らの気化熱の放出で一定以上冷却されると、気化熱を内部の燃焼ガスに与えられずに減圧して、ガス燃焼機2の炎が小さくなってしまう。しかしながら、本実施形態では、炎による熱は、トーチ筺体1の上部1aからリブ5に伝わり、ボンベ3の周側面を効率よく温める効果を有する。このため、本実施形態の灯火用トーチAでは、ボンベ3の過冷却を防止して、炎の火力を良好に保つと事ができるという効果を奏することができる。
【0023】
また、雨天に使用する場合は、トーチ筺体1の上端から入り込む雨滴は、トーチ筺体1の内側面を伝い、空気流路を通って、空気取り入れ口P1から円滑に排水することができる。このため、ガス燃焼機2の燃焼に影響を与えることなく、また、トーチ筺体1の内部に水が溜まることを防止することもできる。
【0024】
なお、本実施形態の灯火用トーチAでは、ボンベ3の燃料を全て消費したら、ボンベ3をガス燃焼機2とともにユニットとして一体に交換することで、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0025】
本実施形態においては、スペーサリブ5の数を4つとしたが、ボンベ3による冷却効果は、スペーサリブ5の長さと数に比例するため、これらは適宜設計変更することができる。
<第2実施形態>
【0026】
次に、本発明の第2実施形態を、図2を用いて以下に説明する。図2(a)は本発明の第2実施形態の灯火用トーチの側面図、図2(b)は同灯火用トーチの平断面図、図2(c)は同図(b)のs1-s1線で切断した同灯火用トーチの側断面図、図2(d)は同図(b)のs1-s1線で切断した同灯火用トーチの側断面図である。第1実施形態と同じ部材や構成は同じ符号を付けて説明を省略する。
【0027】
図2(a)乃至図2(d)に示すように、本実施形態の灯火用トーチBは、断面が長径40mm、短径30mm
程度の楕円の円筒状形状を有するトーチ筺体1B(1)の内部に、第1実施形態と同様の構成を有する、ガス燃焼機2とボンベ3とから成る燃焼ユニットを挿入して構成される。
【0028】
図2(c)及び図2(d)に示すように、ボンベ3の周側面は、トーチ筺体1の短径部において、その内周面に線状に直接接しており、接触部Xが2筋形成される。一方、ボンベ3の周側面は、トーチ筺体1の長径部において、その内周面との間に空間が生じ、ここにボンベ脇流路P3が形成される。
【0029】
本実施形態のトーチBにおいても、ボンベ3の下部を位置決めする支持リブ4は設けられるが、図2(b)に示すように、スペーサリブ5は設けず、長径に沿って2つの支持リブ4a、4bのみを設けており、両者間は間隔が空いているため、ボンベ脇流路P3が空気取り入れ口P1との間で断絶することはない。
【0030】
次に、本実施形態の灯火用トーチBの作用効果を説明する。ボンベ3は、トーチ筺体1に接触部Xにおいて直接接するために、その気化熱の冷却効果をもって、トーチ筺体1の上部から伝わる熱を冷却することができ、ガス燃焼機2の炎からの熱が、トーチ筺体1の下部のグリップ部11に伝わって、使用者が持てなくなることを防止する。また、同時にボンベ3を接触部Xからの熱によって温めることができるため、ボンベ3の過冷却を防ぎ、燃料の供給圧力を好適な状態に保つことができることは、第1実施形態と同様である。
【0031】
また、ボンベ3の側面には、ボンベ脇流路P3を形成するため、ガス燃焼部2の炎の燃焼用空気を空気流路P1乃至P4を通して円滑に供給することがで、またこの空気流路P1乃至P4を使用して、雨滴を円滑に排出することができる効果も第1実施形態と同様である。
【0032】
なお、ボンベ3とトーチ筺体1とを連結する2つの接触部Xは、第1実施形態のスペーサリブ5による4つの接触部より少なくなるが、ボンベ3による冷却効果が不足するときは、第1実施形態のようにスペーサ5をボンベ脇流路P3内に補助的に設けてもよい。
<第3実施形態>
【0033】
次に、本発明の第3実施形態を、図3を用いて以下に説明する。図3(a)は本発明の第3実施形態の灯火用トーチの側面図、図3(b)は同灯火用トーチの平断面図、図3(c)は同図(b)のs-s線で切断した同灯火用トーチの側断面図で切断した同灯火用トーチの側断面図である。前実施形態と同じ部材や構成は同じ符号を付けて説明を省略する。
【0034】
図3(a)乃至図3(c)に示すように、本実施形態の灯火用トーチCは、断面が短径30mm程度の正六角形の形状を有するトーチ筺体1C(1)の内部に、第1実施形態と同様の構成を有する、ガス燃焼機2とボンベ3とから成る燃焼ユニットを挿入して構成される。
【0035】
図3(b)及び図3(c)に示すように、ボンベ3の周側面は、トーチ筺体1の内周面において六角形の各辺で直接接しており、上下方向に伸びる線状の接触部Xが6筋形成される。一方、ボンベ3の周側面は、トーチ筺体1の、30mm以上の長径部において、その内周面との間に空間が生じ、ここにボンベ脇流路P3が形成される。
【0036】
本実施形態のトーチCにおいても、ボンベ3の下部を位置決めする支持リブ4は設けられるが、図3(c)に示すように、スペーサリブ5は設けず、接触部X下方の延長線上に支持リブ4a、4bのみを設けており、両者間は間隔が空いているため、ボンベ脇流路P3が空気取り入れ口P1との間で断絶することはない。
【0037】
以上のように構成した本実施形態の灯火用トーチCは、第2実施形態と同様の作用効果を有することができる。なお、第2実施形態では2筋であった接触部Xが本実施形態では6本となるため、トーチ筺体1の周面をより均一に冷却を施すことができる。
<第4実施形態>
【0038】
次に、本発明の第4実施形態を、図4を用いて以下に説明する。図4(a)は本発明の第4実施形態の灯火用トーチの側面図、図4(b)は同灯火用トーチの平断面図、図4(c)は同図(b)のs-s線で切断した同灯火用トーチの側断面図で切断した同灯火用トーチの側断面図である。前実施形態と同じ部材や構成は同じ符号を付けて説明を省略する。
【0039】
図4(a)乃至図4(c)に示すように、本実施形態の灯火用トーチDは、断面が最短径30mm程度の正五角形の形状を有するトーチ筺体1D(1)の内部に、第1実施形態と同様の構成を有する、ガス燃焼機2とボンベ3とから成る燃焼ユニットを挿入して構成される。
【0040】
図4(b)及び図4(c)に示すように、ボンベ3の周側面は、トーチ筺体1の内周面において断面五角形の各辺において直接接しており、上下方向に伸びる線状の接触部Xが形成される。一方、ボンベ3の周側面は、トーチ筺体1の長径部において、その内周面との間に空間が生じ、ここにボンベ脇流路P3が形成される

【0041】
本実施形態のトーチDにおいても、ボンベ3の下部を位置決めするように保持する支持リブ4は設けられるが、図4(c)に示すように、スペーサリブ5は設けず、接触部X下方の延長線上に複数の支持リブ4のみを設けている。各支持リブ4は互いに間隔が空いているため、ボンベ脇流路P3が空気取り入れ口P1との間で断絶することはないことは第1乃至第3実施形態と同じである。
【0042】
以上のように構成した本実施形態の灯火用トーチDは、第2実施形態と同様の作用効果を有することができる。
<第5実施形態>
【0043】
次に、本発明の第5実施形態を、図5を用いて以下に説明する。図5(a)は本発明の第5実施形態の灯火用トーチの側面図、図5(b)は同灯火用トーチの平断面図、図5(c)は同図(b)のs-s線で切断した同灯火用トーチの側断面図で切断した同灯火用トーチの側断面図である。前実施形態と同じ部材や構成は同じ符号を付けて説明を省略する。
【0044】
図5(a)乃至図5(c)に示すように、本実施形態の灯火用トーチEは、断面において各辺の長さが30mm程度の正方形の形状を有するトーチ筺体1E(1)の内部に、第1実施形態と同様の構成を有する、ガス燃焼機2とボンベ3とから成る燃焼ユニットを挿入して構成される。
【0045】
図5(b)及び図5(c)に示すように、ボンベ3の周側面は、トーチ筺体1の内周面において断面正方形の各辺において直接接しており、上下方向に伸びる線状の接触部Xが4筋形成される。一方、トーチ筺体1の断面正方形の角部においては、ボンベ3の周側面とトーチ筺体1の内周面との間に空間が生じ、ここにボンベ脇流路P3が形成される。
【0046】
本実施形態のトーチEにおいても、ボンベ3の下部を位置決めする支持リブ4は設けられるが、図5(c)に示すように、スペーサリブ5は設けず、接触部X下方の延長線上に複数の支持リブ4のみを設けている。各支持リブ4間は間隔が空いているため、ボンベ脇流路P3が空気取り入れ口P1との間で断絶することがないことは、第1乃至第4実施形態と同じである。
【0047】
以上のように構成した本実施形態の灯火用トーチEは、第2実施形態と同様の作用効果を有することができる。
<第6実施形態>
【0048】
次に、本発明の第6実施形態を、図6を用いて以下に説明する。図6(a)は本発明の第6実施形態の灯火用トーチの側面図、図6(b)は同灯火用トーチの平断面図、図6(c)は同図(b)のs-s線で切断した同灯火用トーチの側断面図で切断した同灯火用トーチの側断面図である。前実施形態と同じ部材や構成は同じ符号を付けて説明を省略する。
【0049】
図6(a)乃至図6(c)に示すように、本実施形態の灯火用トーチFは、断面において最短径が30mm程度となる正三角形の形状を有するトーチ筺体1F(1)の内部に、第1実施形態と同様の構成を有する、ガス燃焼機2とボンベ3とから成る燃焼ユニットを挿入して構成される。
【0050】
図6(b)及び図6(c)に示すように、ボンベ3の周側面は、トーチ筺体1の内周面において断面三角形の各辺において直接接しており、上下方向に伸びる線状の接触部Xが4筋形成される。一方、トーチ筺体1の断面三角形の角部においては、ボンベ3の周側面とトーチ筺体1の内周面との間に空間が生じ、ここにボンベ脇流路P3が形成される。
【0051】
本実施形態のトーチFにおいても、ボンベ3の下部を位置決めする支持リブ4は設けられるが、図6(c)に示すように、スペーサリブ5は設けず、接触部X下方の延長線上に複数の支持リブ4のみを設けている。各支持リブ4間は間隔が空いているため、ボンベ脇流路P3が空気取り入れ口P1との間で断絶することがないことは、第1乃至第5実施形態と同じである。
【0052】
以上のように構成した本実施形態の灯火用トーチFは、第2実施形態と同様の作用効果を有することができる。なお、ボンベ3による冷却効果が不足するときは、第1実施形態のようにスペーサ5をボンベ脇流路P3内に取り付けて、間接的にボンベ3とトーチ筺体1を連結してもよい。
<第7実施形態>
【0053】
次に、本発明の第7実施形態を、図7を用いて以下に説明する。図7(a)は本発明の第7実施形態の灯火用トーチの側面図、図7(b)は同灯火用トーチの平断面図、図7(c)は同図(b)のs-s線で切断した同灯火用トーチの側断面図で切断した同灯火用トーチの側断面図である。前実施形態と同じ部材や構成は同じ符号を付けて説明を省略する。
【0054】
図7(a)乃至図7(c)に示すように、本実施形態の灯火用トーチGは、トーチ筺体1G(1)の上部が、断面正三角形の形状を有し、トーチ筺体1の下部、グリップ部11が断面円形の形状を有する。トーチ筺体1F(1)の、断面正三角形を有する上部の内側に、第1実施形態と同様の構成を有する、ガス燃焼機2とボンベ3とから成る燃焼ユニットを挿入して構成される。
【0055】
上記のような断面形状の変更は、いずれかの断面を押出成型で形成した後、鍛造によって行っても良いし、また鋳造成型で一体に作ることもできる。
【0056】
図7(b)及び図7(c)に示すように、トーチ筺体1の内周面とボンベ3の周側面との間に接触部Xが形成され、さらにその間にボンベ脇流路P3が形成されることについては、第6実施形態と同様である。
【0057】
本実施形態の灯火用トーチGによっては、グリップ11部が使用者が握りやすい径に設計することができる一方、トーチ筺体1の上部をこれに制約されない大きさで設計することができるため、トーチ筺体1の形状の自由度を確保することができる。
<第8実施形態>
【0058】
最後に、本発明の第8実施形態を、図8を用いて以下に説明する。図8(a)は本発明の第8実施形態の灯火用トーチの側面図、図8(b)は同灯火用トーチの平断面図、図8(c)は同図(b)のs-s線で切断した同灯火用トーチの側断面図で切断した同灯火用トーチの側断面図である。前実施形態と同じ部材や構成は同じ符号を付けて説明を省略する。
【0059】
図8(a)乃至図8(c)に示すように、本実施形態の灯火用トーチHは、トーチ筺体1H(1)は、外周面が断面円形で、内周面が第3実施形態と同様の断面正六角の形状を有する。
【0060】
本実施形態の灯火用トーチHで示すように、本発明においては、本件発明はボンベ3の外周面とトーチ筺体1の内面との、直接的あるいは間接的な接触によってボンベ3による冷却効果が発揮される。このため、トーチ筺体1の外周面は自由にデザインすることができる。
<その他のバリエーション>
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限られることなく、多様な構成を採用することができる。例えば、本発明においては、通気路は少なくともボンベ3の周面外側に形成されていればよく、空気取り入れ口はトーチ筺体1の底面に形成することに限られない。例えば、空気取り入れ口をボンベ3より下のトーチ筺体1の周側面に形成してもよい。また、トーチ筺体1の内周面の断面形状は、ボンベ3の外周面のそれより一部が外側に膨らんで、両者間に空気流路P3が形成されればよく、例えば星形断面や花びら断面のような形状であってもよい。
【0062】
本発明にかかる灯火用トーチは、オリンピックなどの聖火トーチとして使用できることはもちろん、アウトドアにおける松明といった照明器具や、暖炉器具やオーブンなどの着火装置としても用いることができる。
【符号の説明】
【0063】
A、B、C、D、E、F、G 灯火用トーチ
1(1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G) トーチ筺体
11 グリップ部
12 燃焼部
2 燃焼装置
3 ボンベ
4 支持リブ
5 スペーサリブ(ブリッジ)
P1、P2、P3、P4 通気路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8