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特許7329873エレベータを停車するためのシステムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】エレベータを停車するためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
B66B1/18 J
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021121629
(22)【出願日】2021-07-26
(65)【公開番号】P2022027561
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】63/058,261
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521314231
【氏名又は名称】アパナ インダストリーズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】APPANA INDUSTRIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】アマルナウト アパナ ジュニア
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-345790(JP,A)
【文献】特開2010-006613(JP,A)
【文献】特開2015-048202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00- 1/52
B66B 3/00- 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエレベータかごを配置するための方法であって、
複数位置の各々における滞在者数を、
前記複数位置の各々において前記複数のエレベータかごを出る乗員の数を判断することと、
前記複数位置の各々から前記複数のエレベータかごに入る乗員の数を判断することと、
によって判断することと、
前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つが非アクティブ状態にあるときに、当該複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つを、前記複数位置の各々における前記滞在者数よりも多い総滞在者数を有する第1位置に移動させることと、
前記第1位置にある前記複数のエレベータかごの数が閾値を超える場合に、前記非アクティブ状態にある前記複数のエレベータかごのうちのあるサブセットを、前記第1位置の前記総滞在者数よりも少なく、かつ、前記第1位置を除く前記複数位置の各々における前記滞在者数よりも多い第2総滞在者数を有する第2位置に移動させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つが前記非アクティブ状態にあるときに、前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つを前記第1位置に停車させておくことをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のエレベータかごの各々がアクティブ状態にあるときに、前記複数のエレベータかごの乗員の数を判断することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数位置の各々における前記滞在者数を、
前記複数位置の各々において前記複数のエレベータかごを出る乗員の数と、
前記複数位置の各々から前記複数のエレベータかごに入る乗員の数と、
の差を計算することにより判断することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のエレベータかごの各々は、前記複数のエレベータかごの対応するエレベータかご内の乗員の数を示すデータを生成するように構成された計数装置を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記非アクティブ状態にある前記複数のエレベータかごのうち第2のサブセットを、前記複数位置の各々における前記滞在者数よりも多い第3総滞在者数を有する第3位置に移動させることをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第3位置の前記第3総滞在者数は、前記第1位置の総滞在者数及び前記第2位置の総滞在者数よりも少なく、前記非アクティブ状態の前記複数のエレベータかごは、前記第1位置及び前記第2位置を前記第3位置よりも優先するように構成される、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1位置及び前記第2位置の各々で前記非アクティブ状態にある前記複数のエレベータかごの数が前記閾値を超えるかどうかを判断することと、
前記非アクティブ状態にある前記複数のエレベータかごのうちの前記第2のサブセットを前記第3位置に移動させることと、
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
第1エレベータかごの乗員の数が前記第1エレベータかごの乗車定員を超えていると判断することと、
前記第1エレベータかごが呼び出しの対象から外れるように、前記第1エレベータかごが前記呼び出しを受信できないようにすることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1エレベータかごの乗員の数が前記第1エレベータかごの乗車定員を下回っていると判断することと、
前記第1エレベータかごが呼び出しを受信できるようにすることと、
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1エレベータかごは、前記第1エレベータかご内の乗員の数を計数するように構成された計数装置を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項12】
複数のエレベータかごを配置するためのシステムであって、
複数のエレベータかごの各々に配置された少なくとも1つの計数装置であって、前記複数のエレベータかご内の乗員の数を示すデータを生成するように構成された、計数装置と、
前記複数のエレベータかご内の前記乗員の数を示すデータを受信するように、前記複数のエレベータかごの各々の前記少なくとも1つの計数装置に動作可能に接続された発送コントローラと、
を備え、
前記発送コントローラは、複数位置の各々における滞在者数を、
前記複数位置の各々において前記複数のエレベータかごを出る乗員の数を判断することと、
前記複数位置の各々から前記複数のエレベータかごに入る乗員の数を判断することと、
によって判断するように構成され、
前記発送コントローラは、
前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つが非アクティブ状態にあるときに、当該複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つを、前記複数位置の各々における前記滞在者数よりも多い総滞在者数を有する第1位置に移動させるように構成され、かつ、
前記第1位置にある前記複数のエレベータかごの数が閾値を超える場合に、前記非アクティブ状態にある前記複数のエレベータかごのうちのあるサブセットを、前記第1位置の前記総滞在者数よりも少なく、かつ、前記第1位置を除く前記複数位置の各々における前記滞在者数よりも多い第2総滞在者数を有する第2位置に移動させるように構成される、
システム。
【請求項13】
前記発送コントローラは、前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つが前記非アクティブ状態にあるときに、前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つを前記第1位置に停車させておくように構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記発送コントローラは、前記複数位置の各々における前記滞在者数を、
前記複数位置の各々において前記複数のエレベータかごを出る乗員の数と、
前記複数位置の各々から前記複数のエレベータかごに入る乗員の数と、
の差を計算することにより判断するように構成される、
請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記発送コントローラは、
第1エレベータかごの乗員の数が前記第1エレベータかごの乗車定員を超えて、前記第1エレベータかごを呼び出しの対象から外すように前記第1エレベータかごが前記呼び出しを受信できないようにするか、または、
前記第1エレベータかごの乗員の数が前記第1エレベータかごの乗車定員を下回り、前記第1エレベータかごが前記呼び出しを受信できるようにするか、
を判断するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
複数のエレベータかごの交通流を制御するためのシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行された時に、前記プロセッサに複数の動作を実行させる命令を格納するメモリと、
を備え、
前記複数の動作は、
複数位置の各々における滞在者数を、
前記複数位置の各々において前記複数のエレベータかごを出る乗員の数を判断することと、
前記複数位置の各々から前記複数のエレベータかごに入る乗員の数を判断することと、
によって判断することと、
前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つが非アクティブ状態にあるときに、当該複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つを、前記複数位置の各々における前記滞在者数よりも多い総滞在者数を有する第1位置に移動させることと、
前記第1位置にある前記複数のエレベータかごの数が閾値を超える場合に、前記非アクティブ状態にある前記複数のエレベータかごのうちのあるサブセットを、前記第1位置の前記総滞在者数よりも少なく、かつ、前記第1位置を除く前記複数位置の各々における前記滞在者数よりも多い第2総滞在者数を有する第2位置に移動させることと、
を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、概して、エレベータの交通量を制御するためのシステムおよび方法に関し、特に各位置における相対的な滞在者数に基づいて非アクティブ(アイドル)状態にあるエレベータかごを1または複数の位置に配置するエレベータ制御システムの例に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータシステムは、一般に、エレベータかごに対する呼び出し要求がないときには、そのエレベータかごを、その前に使用された位置に維持しておくことがある。すなわち、エレベータかごは、前回の移動を完了したときに、最後に移動した位置(たとえば、フロア)に停車される。そのようなシステムにおいて、エレベータかごは、次の呼び出しが受信されるまで、その位置でアイドル状態のままで置かれることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第3,851,733号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/121147号明細書
【文献】米国特許第3,207,266号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最後に使用された位置に非アクティブ状態のエレベータかごを維持していると、他の位置よりも乗員が少ない位置にエレベータかごを配置することになり得る。その結果、エレベータかごは、ある位置(たとえば、フロア)からの呼び出し要求に、その位置での滞在者数に基づいて応答するために、より長い距離を移動する必要があり、将来的な呼び出し要求が生じる可能性が高くなり、それにより、交通量が減少し、乗車希望者の待ち時間が長くなる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
非アクティブ状態のエレベータかごをより多くの乗員がいる位置に配置可能なシステムを提供することによって、呼び出しに応答するときの移動距離を最小限に抑えることができ、それによって交通量が増加し、乗車希望者の待ち時間を短縮することが可能になる。
【0006】
一例によれば、複数のエレベータかごを配置するための方法は、複数位置の各々における滞在者数を、前記複数位置の各々において前記複数のエレベータかごを出る乗員の数を判断することと、前記複数位置の各々から前記複数のエレベータかごに入る乗員の数を判断することと、によって判断することを含む。前記方法は、前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つが非アクティブ状態にあるときに、当該複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つを、前記複数位置の各々における滞在者数よりも多い総滞在者数を有する第1位置に移動させることを含む。
【0007】
別の例によれば、複数のエレベータかごを配置するためのシステムは、複数のエレベータかごの各々に配置された少なくとも1つの計数装置を含む。前記少なくとも1つの計数装置は、前記複数のエレベータかご内の乗員の数を示すデータを生成するように構成される。前記システムは、前記複数のエレベータかご内の前記乗員の数を示すデータを受信するように、前記複数のエレベータかごの各々の前記少なくとも1つの計数装置に動作可能に接続された発送コントローラを含む。前記発送コントローラは、複数位置の各々における滞在者数を、前記複数位置の各々において前記複数のエレベータかごを出る乗員の数を判断することと、前記複数位置の各々から前記複数のエレベータかごに入る乗員の数を判断することと、によって判断するように構成される。前記発送コントローラは、前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つが非アクティブ状態にあるときに、当該複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つを、前記複数位置の各々における滞在者数よりも多い総滞在者数を有する第1位置に移動させるように構成される。
【0008】
さらなる例によれば、複数のエレベータかごの交通流を制御するためのシステムは、プロセッサと、前記プロセッサによって実行された時に、前記プロセッサに複数の動作を実行させる命令を格納するメモリと、を含み、前記複数の動作は、複数位置の各々における滞在者数を、前記複数位置の各々において前記複数のエレベータかごを出る乗員の数を判断することと、前記複数位置の各々から前記複数のエレベータかごに入る乗員の数を判断することと、によって判断することを含む。前記複数の動作は、前記複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つが非アクティブ状態にあるときに、当該複数のエレベータかごのうちの少なくとも1つを、前記複数位置の各々における滞在者数よりも多い総滞在者数を有する第1位置に移動させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ネットワークを介して通信する1または複数の装置を含む発送システムを示す図。
図2図1に示す発送システムと相互作用する複数のエレベータかごを含む作業環境の概略図。
図3図2に示す作業環境からのエレベータかご内部の上面図。
図4図1に示す発送システムからのコンピュータ装置のハードウェア構成要素の概略図。
図5図1に示す発送システムを用いてエレベータかごを配置する例示的な方法のフロー図。
図6図1に示す発送システムを用いてエレベータかごでの呼び出しの対象から外す例示的な方法のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を示し、明細書とともに、本開示の原理を説明するのに有用である。
本開示の態様は、添付の図面に示されている実施形態に関連して実施されてもよい。これらの図面は、本開示の異なる態様を示し、適切な場合、異なる図の同様の構造、構成要素、材料、および/または要素を示す参照符号には、同様の番号が付されている。具体的に示されているもの以外の構造、構成要素、および/または要素の様々な組み合わせが企図され、本開示の範囲内にあることが理解される。本明細書に記載される多くの態様および実施形態が存在する。当業者は、特定の態様または実施形態の特徴が、本開示に記載されている他の態様または実施形態のいずれかまたはすべての特徴と併せて使用されてもよいことを容易に認識するであろう。
【0011】
本開示の発送システムは、様々な実施形態の形態であってもよく、そのいくつかは、図によって示され、以下でさらに説明される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はともに、例示的かつ説明的なものであり、特許請求するものとして特徴を制限するものではない。本明細書で使用される場合、「備える」、「含む」、またはそれらの他の変形は、要素のリストを含む処理、方法、物品、または装置がそれらのみを含むというような排他的なものではなく、そのような処理、方法、物品、または装置に明示的に記載されていない、または固有ではない他の要素を含む場合があることを意図する。加えて、「例示的」という用語は、本明細書では、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。本明細書で開示または請求されるすべての数値(すべての開示された値、限定、および範囲を含む)は、開示された数値から(異なる変動が指定されない限り)+/-10%の変動を有する可能性があることに留意されたい。さらに、特許請求の範囲において、値、限定、および/または範囲は、値、限定、および/または範囲の+/-10%を意味する。
【0012】
図1は例示的な発送システム100を示し、発送システム100は、運行コントローラ105、呼び出し装置110、入力装置120、計数装置125、および発送コントローラ130を備えてもよい。発送システム100の1または複数の装置は、ネットワーク115を介して、任意の構成で、互いに通信されてもよい。例えば、発送システム100の装置は、有線接続または無線接続などを介して互いに通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワーク115は、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、パーソナルエリアネットワーク(「PAN」)などであってもよい。ネットワーク115はさらにインターネットを含んでもよく、発送システム100の装置間で提供される情報および/またはデータは、オンラインで(例えば、他の装置またはインターネットに接続されたネットワークから離れた位置から)発生してもよい。他の実施形態では、ネットワーク115はブルートゥース(登録商標)の技術および/または電波周波数を利用してもよい。
【0013】
運行コントローラ105は、輸送ユニットに動作可能に接続されてもよく、また、輸送ユニットの運行データを検出して、例えば発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置に送信するように構成されてもよい。例えば、運行コントローラ105は、輸送ユニットの1または複数のパラメータ(例えば、運行データ)を測定および記録してもよく、パラメータには、現在位置、移動方向、移動速度、ドアの位置、状況(例えば、アクティブ状態、非アクティブ状態、移動状態、停車状態、アイドル状態など)などが含まれるが、これらに限定されない。運行コントローラ105は、コンピュータ装置を含んでもよく、コンピュータ装置は、運行データを生成、記憶、および送信するための1または複数のハードウェア構成要素(例えば、プロセッサ、メモリ、センサ、通信モジュールなど)を有する。本明細書でさらに詳細に説明するように、運行コントローラ105は建物内に配置されるエレベータかごに動作可能に接続されていてもよく、発送システム100は各エレベータかごに対して少なくとも1つの運行コントローラ105を含んでもよい。
【0014】
引き続き図1を参照すると、呼び出し装置110は、輸送ユニットの外側に配置されてもよく、また、輸送ユニットにアクセスするための1または複数の乗車希望者からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。例えば、ユーザ入力は、輸送ユニットからの輸送を要求する呼び出しを示してもよい。呼び出し装置100は、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置に呼び出し要求を送信するように構成されてもよい。呼び出し装置110は、キーパッド、タッチスクリーンディスプレイ、マイク、ボタン、スイッチなどを含んでもよい。呼び出し装置110は、さらに、呼び出し要求の現在位置(例えば、第1位置)および/または行き先位置(例えば、第2位置)を示す複数位置からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。
【0015】
本明細書でさらに詳細に説明するように、呼び出し装置110は建物内に配置してもよく、発送システム100は建物の各フロアに対して少なくとも1つの呼び出し装置100を有してもよい。呼び出し装置100は、呼び出し要求に応答するために建物のフロアに到着するように割り当てられたエレベータかごを識別するメッセージを発送システム100の1または複数の装置(例えば、発送コントローラ130)から送信するように構成されてもよい。メッセージは、例えば、文字、音声、図形などを含む、様々な適切な態様を介して、呼び出し装置100によって通信されてもよい。
【0016】
入力装置120は、輸送ユニットの内部に配置されてもよく、また、輸送ユニットの1または複数の乗員からのユーザ入力を受け取るように構成されてもよい。例えば、ユーザ入力は、輸送ユニットのリダイレクトを要求するコマンドを示してもよい。入力装置120は、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置にコマンドを送信するように構成されてもよい。入力装置120は、キーパッド、タッチスクリーンディスプレイ、マイク、ボタン、スイッチなどを含んでもよい。本明細書で詳細に説明するように、入力装置120はエレベータかご内に配置されてもよく、発送システム100は建物内のエレベータかご毎に少なくとも1つの入力装置100を含んでもよい。他の実施形態では、入力装置120は、発送システム100から完全に省略されてもよい。
【0017】
引き続き図1を参照すると、計数装置125は、輸送ユニットの内部に配置されてもよく、また、輸送ユニットの乗員データを検出して、例えば、発送コントローラ130などの発送システム100の1または複数の装置に送信するように構成されてもよい。例えば、計数装置125は、輸送ユニット内に位置する物体の数を測定および記録してもよく、その測定および記録の対象は乗員、各自の持ち物、荷物、手荷物などを含むが、これらに限定されない。計数装置125は、例えば、センサ、カメラ、光線、赤外線検出器などのような輸送ユニットの内部に面する光学システムを含んでもよい。本明細書でさらに詳細に説明されるように、計数装置125は建物内に配置されるエレベータかごに接続されてもよく、発送システム100は建物のエレベータかご毎に少なくとも1つの計数装置125を含んでもよい。
【0018】
発送コントローラ130は、輸送ユニットの外側に配置されてもよく、また、発送システム100の1または複数の装置からデータ(例えば、運行データ、呼び出し要求、リダイレクトコマンド、乗員データなど)を受信するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、複数の輸送ユニットのうちの少なくとも1つの輸送ユニットを、乗車を希望している乗車希望者から受信した呼び出し要求の位置に発送する判断をするように構成してもよい。発送コントローラ130は、さらに、発送システム100の1または複数の装置から受信したデータに基づいて、複数位置(例えば、建物内)の滞在者数を判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、非アクティブ状態の輸送ユニットを、他の複数位置の滞在者数よりも多い総滞在者数を有する位置に移動させるための1または複数のプロセス(図5を参照)を実行するように動作可能なコンピューティング装置(図4参照)を含んでもよい。発送コントローラ130は、さらに、輸送ユニットの現在の乗員数がその乗車定員を超えたときに、輸送ユニットを動作不能にして呼び出し要求を受信できないようにするための1または複数のプロセス(図6を参照)を実行するように動作可能であってもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、発送コントローラ130は建物内に配置される複数のエレベータかごに動作可能に接続されてもよく、発送システム100は各建物に対して少なくとも1つの発送コントローラ130を含んでもよい。
【0019】
ここで図2を参照すると、発送システム100は、建物(例えば、施設、工場、店舗、学校、家、オフィス、および他の様々な構造物)などの作業環境200で利用されてもよい。この例では、輸送ユニットは、建物内に1または複数のエレベータかごを含んでもよい。作業環境200は単なる例示であり、発送システム100は、本開示の範囲から逸脱しない限り、本明細書に示され、説明される環境以外の様々な他の適切な環境で利用され得ることを理解されたい。例えば、作業環境は、輸送ユニットがバス、電車、地下鉄車両、メトロ車両、車両などを含むような、大量輸送システムを含んでもよい。本例では、作業環境200は、建物内の複数位置を定義する複数のフロア、例えば、第1フロア204A、第2フロア204B、第3フロア204C、および第4フロア204Dを含んでもよい。他の実施形態では、作業環境200の構築は、追加のおよび/またはより少ないフロアを含んでもよいことを理解されたい。
【0020】
作業環境200は、さらに、各エレベータシャフト内に配置される少なくとも1つのエレベータかごを有する1または複数のエレベータシャフトを含んでもよい。この例では、作業環境200は、第1エレベータかご210を有する第1エレベータシャフト202と、第2エレベータかご220を有する第2エレベータシャフト212とを含む。図示は省略するが、作業環境200は、追加の(例えば複数の)エレベータシャフトおよび/またはエレベータかごを含んでもよい。各エレベータかご210,220は、エレベータかご210,220をエレベータシャフト202,212内で、フロア204A~204Dに対して移動させるように構成される滑車システム208に接続されてもよい。滑車システム208は、エレベータシャフト202,212内でエレベータかご210,220を移動させるための様々な機械的および/または電気的機構を含んでもよく、こうした機構には、例えばモーター、ケーブル、釣り合いおもり、滑車などが含まれるが、これらには限られないことを理解されたい。
【0021】
さらに図2を参照すると、各エレベータかご210,220は、例えば、無線接続および/または有線接続209を介して、滑車システム208に動作可能に接続される少なくとも1つの運行コントローラ105を含んでもよい。運行コントローラ105は、滑車システム208の相対運動を検出することによってエレベータかご210,220からの運行データ(例えば、状況)を測定するように構成される。各エレベータかご210,220は、さらに、キャビン内に位置する1または複数の乗員10からのユーザ入力を受容するために、エレベータかご210,220のキャビン内に配置される少なくとも1つの入力装置120をさらに含んでもよい。
【0022】
各フロア204A~204Dは、エレベータかご210,220のエレベータドア207がそれぞれフロア204A~204Dの位置にあるときに、エレベータかご210,220へのアクセスを提供する1または複数の呼び出し装置110およびアクセスドア206を含んでもよい。呼び出し装置110は、複数のフロア204A~204Dのうちの1つに位置する1または複数の乗車希望者20からのユーザ入力を受信するように構成されてもよい。例えば、呼び出し装置110は、エレベータかご210,220のうちの少なくとも1つを介する輸送を要求する呼び出しを示すユーザ入力を受信するように構成されてもよい。呼び出し装置100は、呼び出し要求を発送コントローラ130に送信するように構成されてもよく、その呼び出し要求は、呼び出し要求が発信される作業環境200内の現在位置を示すデータを含んでもよい。呼び出し要求は、さらに、乗車希望者が輸送を求めている作業環境200内の行き先位置を示すデータを含んでもよい。
【0023】
さらに図2を参照して、各エレベータかご210,220は、さらに、キャビン内に配置される少なくとも1つの計数装置125を含んでもよい。計数装置125は、各エレベータかご210,220の内壁(例えば、天井)に沿って配置されてもよく、また、キャビン内の乗員10の数を検出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、計数装置125は、エレベータかご210,220内で検出された1または複数の物体を区別するように動作可能であってもよい。
【0024】
例えば、図3に見られるように、計数装置125は、キャビン内に存在してエレベータかご210,220の容量を占有するアイテム(例えば、乗員10、付随的な物12など)と、エレベータかご210,220の容量を占有しないとみられるキャビン内のアイテム(例えば、レール14など)と、を検出するように構成されてもよい。計数装置125は、エレベータかご210,220内で検出されたアイテムの数を測定し、そのように測定されたものを乗員データとして記録してもよい。本明細書でさらに説明するように、計数装置125は、複数位置にいる乗員(滞在者)の数を判断するために、各エレベータかご210,220の乗員データをネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信するように構成されてもよい。
【0025】
ここで図4を参照すると、発送コントローラ130は、発送コントローラ130がデータ(例えば、運行データ、呼び出し要求、コマンド、乗員データなど)の受信、情報(例えば、乗車定員)の処理、および/または、1つ以上の処理の実行(図5図6参照)を可能にする複数のハードウェア構成を組み込んだコンピュータ装置を含んでもよい。発送コントローラ130の例示的なハードウェア構成は、少なくとも1つのプロセッサ132、少なくとも1つの通信モジュール134、および少なくとも1つのメモリ136を含んでもよい。いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、コンピュータ、モバイルユーザ装置、リモートステーション、サーバ、クラウドストレージなどを含んでもよい。図示の実施形態では、発送コントローラ130は、発送システム100の他の装置とは別の装置として本明細書に示されて記載されているが、他の実施形態では、発送コントローラ130の1または複数の態様は、発送システム100の1または複数の他の装置と統合されていてもよい。別の言い方をすれば、本明細書に示されて記載されている発送コントローラ130の例示的なハードウェア構成は、運行コントローラ105、呼び出し装置110、入力装置120、および/または計数装置125のうちの1または複数と一体化されていてもよい。
【0026】
プロセッサ132は、機械で読み取り可能な命令を実行可能な任意のコンピュータ装置を含んでもよく、その命令は、例えばメモリ136などの非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されていてもよい。一例として、プロセッサ132は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、および/またはプログラムを実行するために必要な計算および論理演算を実行するように動作可能な他の任意のコンピュータ処理ユニットを含んでもよい。本明細書で詳細に説明するように、プロセッサ132は、例えば、区域ロジック138などの、メモリ136に格納された命令に従って1または複数の動作を実行するように構成される。
【0027】
引き続き図4を参照すると、メモリ136は、発送システム100の動作をサポートする様々なプログラムされたアルゴリズムおよびデータを含んでもよい。メモリ136は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードドライブ、および/または機械で読み取り可能な命令を格納可能な任意の装置など、データおよびアルゴリズムを格納するのに適した任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでもよい。メモリ136は1または複数のデータセットを含んでもよく、このデータセットは、例えば運行コントローラ105から受信された運行データ140、計数装置125から取得されたエレベータ乗員データ142および/または区域内乗員(滞在者)データ144(総称して「乗員データ」と呼ぶ)などを含むが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書でさらに説明するように、エレベータ乗員データ142は、計数装置125によって各エレベータかご210,220のキャビン内で検出されたリアルタイム計数の乗員10(および/または付随的な物12)の数を含んでもよい。区域内乗員データ144は、計数装置125によって少なくとも1つのエレベータかご210,220内で以前に検出され、作業環境200内の複数位置のうちの少なくとも1つに輸送される乗員10の数を含んでもよい。言い換えると、区域内乗員データ144は、複数のエレベータかご210,220のうち少なくとも1つによって、複数のフロア204A~204Dのうちの少なくとも1フロアに輸送される乗員10の数に対応するものであってもよい。発送コントローラ130は、区域内乗員データ144をメモリ136に格納し、乗員10の数を、その作業環境200内の対応する行き先(例えば、フロア204A~204D)に関連付けるように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、運行コントローラ105から受信した運行データ140を受信し、エレベータ乗員データ142と相関させて、区域内乗員データ144を判断するようにしてもよい。
【0029】
発送コントローラ130は、さらに、少なくとも1人の乗員10を輸送するために1または複数のエレベータかご210,220が1または複数のフロア204A~204Dに発着したことを判断すると、区域内乗員データ144を定期的に更新するように構成されてもよい。すなわち、発送コントローラ130は、(例えば、各エレベータかご210,220の計数装置125によって検出される)各フロア204A~204Dに発着する乗員10の数を判断することに基づいて、各フロア204A~204Dにおける現在の乗員10の数を含むように区域内乗員データ144を継続的に変更してもよい。
【0030】
さらに、メモリ136は、区域ロジック140などの機械読み取り可能な命令を格納する非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでもよい。一例では、区域ロジック140は、複数のエレベータかご210,220のうちの1または複数がいつ非アクティブ状態にあるか、また、非アクティブ状態にある間にエレベータかごをどの位置(例えば、第一位置)に停車させるか、を発送システム100が判断することを可能にする実行可能な命令を含んでもよい。区域ロジック140の実行可能な命令は、さらに、発送システム100が、複数位置(例えば、フロア204A~204D)のリアルタイムの滞在者数(例えば、区域内乗員データ144)を判断して、残りの複数位置の滞在者数よりも多い総滞在者数を有する第1位置を識別することを可能にしてもよい。
【0031】
発送ロジック140は、さらに、各エレベータかご210,220内に物理的に存在する乗員10の数(例えば、エレベータ乗員データ142)に基づいて、各エレベータかご210,220の乗車定員を判断することを容易にしてもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、発送システム100は、各エレベータかご210,220内に存在する乗員10の数が、各エレベータかご210,220の乗車定員を超えるかどうかを判断するように構成されてもよい。少なくとも1つのエレベータかご210,220の乗車定員を超えると、発送システム100は、そのエレベータかごが、輸送を希望する乗車希望者20からの追加の呼び出し要求に応答しないようにしてもよい。すなわち、発送システム100は、複数のエレベータかご210,220のうちのどれを新しい呼び出し要求に対して発送するかを判断する際に、エレベータかごの乗員10の数が乗車定員を超えなくなるまで、そのエレベータかごを考慮の対象から外すようにしてもよい。
【0032】
図5を参照すると、発送システム100を使用して複数位置の滞在者数を判断し、滞在者数がより多い位置に非アクティブ状態のエレベータかごを配置する例示的な方法300が示されている。本明細書に示されて説明されているステップ、およびそれらが提示される順序は単に例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態が追加のステップを含んだり、および/または、より少ないステップを含んだりしてもよいことを理解されたい。さらに、発送システム100は、本明細書でさらに詳細に説明される例示的な方法400(図6参照)など、1または複数の他の処理と併せて例示的な方法300を実行してもよいことを理解されたい。
【0033】
ステップ302において、発送システム100は、作業環境200内の複数位置のうち第1位置で呼び出し要求を受信してもよい。呼び出し要求は、例えば、第1フロア204Aといった位置(例えば、到着位置)で呼び出し装置110を作動させる乗車希望者20に対応して開始されてもよい。呼び出し装置100はネットワーク115を介して呼び出し要求を発送コントローラ130に送信してもよく、呼び出し要求は呼び出し要求が発信された到着位置(例えば、第1フロア204A)を示すデータを含んでもよい。呼び出し要求は、さらに、乗車希望者20が移動しようとする作業環境200内の行き先位置(例えば、第2フロア204B)を示すデータを含んでもよい。
【0034】
ステップ304において、発送コントローラ130は、対応する運行コントローラ105から各エレベータかご210,220の運行データ140を回収して、例えば、各エレベータかご210,220の現在位置、移動方向、移動速度など、各エレベータかご210,220の様々な移動パラメータを判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、対応する計数装置125から各エレベータかご210,220のエレベータ乗員データ142を回収して、各エレベータかご210,220内の現在の乗員10の数を判断してもよい。発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220の運行データ140およびエレベータ乗員データ142を分析して、どのエレベータかご210,220を到着位置に発送するかを判断するように構成されてもよい。
【0035】
本例では、第1エレベータかご210は、複数のエレベータかご210,220のうちで、第1フロア204A(例えば、到着位置)に発送するための最適なエレベータかごとして判断されてもよい。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、呼び出し装置110と通信して、到着位置にいる乗車希望者20にメッセージを送信するように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、呼び出し要求に応答するように割り当てられた第1エレベータかご210の識別情報を通信してもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が到着するであろう第1エレベータシャフト202を識別してもよい。メッセージは、例えば、ディスプレイ(例えば、文字形式、画像形式など)、スピーカ(例えば、音声形式)などを介することを含む、様々な適切な形式で、呼び出し装置110を介して送信されてもよい。本明細書でさらに詳細に説明するように、発送コントローラ130は、1または複数のエレベータかご210,220が乗車定員を超えたときに、そのエレベータかご210,220を呼び出し要求に対して発送することを禁止するようにしてもよい(図6参照)。
【0036】
ステップ306~310において、発送コントローラ130は、複数位置の乗員人数を判断するように構成されてもよい。例えば、ステップ306において、発送コントローラ130は、呼び出し要求に応答するときに、計数装置125からエレベータ乗員データ142を回収することによって、第1エレベータかご210に入る乗員10の数を判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が第1フロア204A(例えば、到着位置)に到着し、そこから1または複数の乗員10を受容することに対応して、エレベータ乗員データ142を回収してもよい。計数装置125は、第1エレベータかご210のエレベータ乗員データ142を示す信号をネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、到着位置から受容した乗員10の数を判断するために、第1フロア204Aに到着する前の第1エレベータかご210内の乗員10の数を、第1フロア204Aを出発した後の第1エレベータかご210内の乗員10の数と比較してもよい。言い換えると、発送コントローラ130は、(第1フロア204Aからの)呼び出し要求に応答する前の第1エレベータかご210の乗員の数と、第2フロア204Bへの呼び出し要求を完了する前の第1エレベータかご210の乗員の数との差を計算してもよい。本例では、第1エレベータ210は、到着位置で呼び出し要求に応答する前の乗員10は0人で、到着位置から行き先(例えば、第2フロア204B)に出発するときには1人の乗員10を含んでもよい。したがって、発送コントローラ130は、1人の乗員10が第1フロア204Aから第1エレベータかご210に入ったと判断するように構成されてもよい。
【0038】
引き続き図5を参照すると、ステップ308において、発送コントローラ130は、呼び出しの完了後に計数装置125からエレベータ乗員データ142を回収することによって、第1エレベータかご210を出る乗員10の数を判断するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が第2フロア204B(例えば、行き先)に到着し、1人または複数の乗員10をそこに降ろすことに応じて、エレベータ乗員データ142を回収してもよい。例えば、計数装置125は、行き先に到着したときに第1エレベータかご210内に残っている更新された乗員10の数を検出するように構成されてもよい。計数装置125は、第1エレベータかご210のエレベータ乗員データ142を示す信号をネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、発送コントローラ130は、(例えば、行き先位置から出発した後に)第1エレベータかご210に残っている更新された乗員10の数を、行き先に到着する前の第1エレベータかご210内の乗員10の数(例えば、ステップ306でのエレベータ乗員データ)と比較してもよい。本例では、第1エレベータ210は、行き先位置への呼び出し要求を完了する前に1人の乗員10を含んでもよく、行き先位置から出発する際に乗員10が0人でもよい。したがって、発送コントローラ130は、1人の乗員10が第2フロア204Bで第1エレベータかご210を出たと判断してもよい。計数装置125は、ステップ306,308において、第1エレベータかご210内の乗員10および/または物12(図3参照)の総数を検出するように構成されてもよい。したがって、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210内の乗員10の数を判断するときに、計数装置125によって検出された1または複数の物12を考慮するようにしてもよい。
【0040】
引き続き図5を参照して、ステップ310において、到着位置および行き先位置での滞在者数を判断するために、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210から受信したエレベータ乗員データ142をメモリに格納された区域内乗員データ144に組み込むように構成されてもよい。例えば、メモリ136は、複数のフロア204A~204Dの各々についての区域内乗員データ144を含んでもよく、これは、各フロア204A~204Dにおける現在の滞在者数を示してもよい。発送コントローラ130は、到着位置(例えば、第1フロア204A)から第1エレベータかご210に入る乗員10の数および行き先位置(例えば、第2フロア204B)で第1エレベータかご210を出る乗員10の数に基づいて、1または複数位置の現在の滞在者数を更新してもよい。
【0041】
本例では、発送コントローラ130は、1人の乗員10、すなわち、到着位置から第1エレベータかご210によって受容された乗員10の数によって、第1フロア204Aに対応する現在の滞在者数(例えば、区域内乗員データ144)を変更してもよい。この場合、区域内乗員データ144の形でメモリ136に格納された第1フロア204Aの現在の滞在者数は、1人分、減じられてもよい。発送コントローラ130は、さらに、1人の乗員10、すなわち、第1エレベータかご210によって行き先位置に輸送された乗員10の数によって、第2フロア204Bに対応する現在の滞在者数を変更してもよい。この場合、区域内乗員データ144の形でメモリ136に格納された第2フロア204Bの現在の滞在者数は、1人分、加算されてもよい。発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220のうちの少なくとも1つが乗員10を到着位置から行き先位置に輸送するときに、複数のフロア204A~204Dの各々について区域内乗員データ144を継続的に更新するように構成されてもよい。
【0042】
引き続き図5を参照すると、ステップ312において、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210の動作状況を判断するように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210が追加の呼び出し要求に応答するように割り当てられていると判断してもよい。この場合、第1エレベータかご210はアクティブ状態であってもよく、発送コントローラ130は、ステップ304で追加の呼び出し要求の到着位置に第1エレベータかご210を発送するように構成されてもよい。これに代えて、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210内に位置する乗員10の既存の呼び出しに基づいて、移動すべき追加の行き先位置を有すると判断してもよい。この場合、第1エレベータかご210はアクティブ状態であってもよく、発送コントローラ130は、ステップ304で第1エレベータかご210を発送するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、第1エレベータかご210にそれ以上の呼び出し要求が割り当てられなくなったとき、および/または第1エレベータかご210が既存の呼び出しからの追加の行き先位置を含まなくなったときに、第1エレベータかご210が非アクティブ状態にあると判断してもよい。
【0043】
ステップ312で第1エレベータかご210が非アクティブ状態にあると判断することに対応して、発送コントローラ130は、ステップ314で複数位置から最多滞在者数を含む第1位置を判断するように構成されてもよい。すなわち、発送コントローラ130は、複数位置の区域内乗員データ144を相互に比較して、各位置での現在の滞在者数を評価するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、第1位置が、残りの複数位置の滞在者数よりも多い最多滞在者数を有すると判断してもよい。本例では、図2に見られるように、第1フロア204Aの乗員20は0人であってもよく、第2フロア204Bは、(例えば、少し前に第1エレベータかご210によってそこに輸送された)1人の乗員20を含んでもよく、第3フロア204Cは、2人の乗員20を含んでもよく、第4フロア204Dは3人の乗員20を含んでもよい。したがって、発送コントローラ130は、第4フロア204Dが、残りのフロア204A~204Cの現在の滞在者数よりも多い現在の滞在者数を有する、と判断してもよい。
【0044】
引き続き図5を参照すると、ステップ316において、発送コントローラ130は、第1位置に配置された他の非アクティブ状態のエレベータかご220の数が規定閾値を超えるかどうかを判断してもよい。例えば、規定閾値は、メモリ136に格納されてもよく、発送システム100のオペレータによって選択的に調整可能であってもよい。いくつかの実施形態では、規定閾値は、少なくとも1つのエレベータかごを含んでもよい。他の実施形態では、規定閾値は、作業環境200に含まれる複数のエレベータかご210,220の割合であってもよい。第1位置に配置された非アクティブ状態のエレベータかご220の数が閾値を超えないと判断することに対応して、発送コントローラ130は、ステップ318で、第1エレベータかご210を第1位置に移動させるように構成されてもよい。
【0045】
本例では、規定閾値は2つのエレベータかごを含んでもよく、発送コントローラ130は、第1位置に位置する1つのエレベータかご(例えば、第2エレベータかご220)を識別してもよい。したがって、発送コントローラ130は、第1エレベータかご210を第4フロア204Dに発送するように構成されてもよい。第1エレベータかご210は、第1エレベータかご210が非アクティブ状態のままである間は、第4フロア204Dに配置されていてもよい。言い換えると、第1エレベータかご210は、複数のフロア204A~204Dのうちの1つからの呼び出し要求が(例えば、呼び出し装置110を介して)発送コントローラ130によって第1エレベータかご210に割り当てられるまで、第4フロア204Dに停車していてもよい。第1エレベータかご210が第4フロア204Dに維持されており、かつ、その第4フロア204Dが残りの複数のフロア204A~204Cの滞在者数よりも多い滞在者数を含んでいれば、第1エレベータかご210で将来の呼び出し要求に応答するための最短移動距離が最小化され得ることを理解されたい。
【0046】
あるいは、第1位置に配置された非アクティブ状態のエレベータかご220の数がステップ316で規定閾値を超えると判断することに対応して、発送コントローラ130は、第1位置よりも少ない最多滞在者数を有する第2位置を複数位置から判断するように構成されてもよい。例えば、ステップ320において、発送コントローラ130は、複数位置の区域内乗員データ144を相互に比較して、第1位置を除く残りの複数位置の滞在者数よりも多い最多滞在者数を有する第2位置を判断するように構成されてもよい。本例では、第1フロア204Aの乗員20は0人であり、第2フロア204Bには1人の乗員20を含み、第3フロア204Cは2人の乗員20を含み、第4フロア204Dは3人の乗員20を含む(図2を参照)。したがって、発送コントローラ130は、残りのフロア204A~204Bの滞在者数に対して、第4フロア204Dが最多の滞在者数を含み、第3フロア204Cが2番目に多い滞在者数を含むと判断してもよい。
【0047】
本例では、規定閾値は1のエレベータかごを含んでもよく、発送コントローラ130は、第1位置に位置する1のエレベータかご(例えば、第2エレベータかご220)を識別してもよい。したがって、発送コントローラ130は、ステップ322で第1エレベータかご210を第3フロア204Cに発送するように構成されてもよい。第1エレベータかご210は、第1エレベータかご210が非アクティブ状態のままである間、第3フロア204Cに配置されてもよい。言い換えると、第1エレベータかご210は、複数のフロア204A~204Dのうちの1つからの呼び出し要求が、発送コントローラ130によって第1エレベータかご210に割り当てられるまで、第3フロア204Cに停車してもよい。第1エレベータかご210が第3フロア204Dに配置され、第2エレベータかご220が第4フロア204Dに配置され、フロア204C~204Dが残りの複数のフロア204A~204Bに対して最多の滞在者数を含む場合、エレベータかご210,220のいずれかで将来の呼び出し要求に応答するための最短移動距離が最小化され得ることを理解されたい。
【0048】
発送コントローラ130は、複数のフロア204A~204Dの各々の現在の滞在者数(例えば、区域内乗員データ144)を定期的に再評価するように構成されてもよいことを理解されたい。したがって、発送コントローラ130は、更新された区域内乗員データ144に基づいて、1または複数の非アクティブ状態のエレベータかご210,220を修正された第1位置および/または第2位置に移動させてもよい。例えば、(ステップ314で識別される)第1位置が、もはや他の複数位置よりも多い滞在者数を有さないと判断されたことに対応して、発送コントローラ130は、非アクティブ状態のエレベータかご210,220を、最多滞在者数を有する修正された第1位置に再配置するように構成されてもよい。発送コントローラ130は、さらに、(ステップ320で識別される)第2位置が、もはや他の複数位置と比較して2番目に多い滞在者数を有さないと判断してもよく、その結果、第2位置にある非アクティブ状態のエレベータかごは、2番目に多い滞在者数を有する修正された第2位置に再配置される。
【0049】
いくつかの実施形態では、方法300は、第2位置にある非アクティブ状態のエレベータかごの数が規定閾値を超える場合に、1または複数の非アクティブ状態のエレベータを追加位置(たとえば、第3位置など)に配置するためのさらなるステップを含んでもよい。他の実施形態では、任意の非アクティブ状態のエレベータかご210,220が第1位置に配置されるように、規定閾値を完全に省略してもよい。さらなる実施形態では、規定閾値は、作業環境200の交通流パターンに基づいて、発送コントローラ130によって自動的に調整されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、1または複数の交通流パターンをマッピングするために、運行データ140、エレベータ乗員データ142、区域内乗員データ144等に基づいてモデルを構築するように構成されてもよい。データは、ある期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月、1年など)にわたって集められ、モデルを構築するためにメモリ136に格納されてもよい。
【0050】
規定閾値は、モデルから判断された1または複数の交通流パターンに基づいて修正されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、特定の期間(例えば、日、週、月、年など)の間に予め規定された間隔で規定閾値を増加および/または減少させるように構成されてもよい。この場合、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220を介して作業環境200内の交通流を促進するために、適宜に規定閾値を定期的に調整してもよい。さらに、発送コントローラ130は、モデルの交通流パターンに少なくとも部分的に基づいて、第1位置および/または第2位置を判断するように構成されてもよい。例えば、発送コントローラ130は、特定の期間(例えば、日、週、月、年など)の間に予め規定された間隔で残りのフロアより多くの滞在者数を有する1または複数のフロア204A~204Dを識別するようにしてもよい。この場合、発送コントローラ130は、第1位置および/または第2位置の判断を定期的に調整して、複数のエレベータかご210,220を介して作業環境200内の交通流を促進してもよい。
【0051】
ここで図6を参照すると、発送システム100を使用して、乗車定員を超えたときにエレベータかごが追加の呼び出し要求を受信できないようにする例示的な方法400が示されている。本明細書に示されて説明されているステップ、およびそれらが提示される順序は単に例示的なものであり、本開示の範囲から逸脱することなく、さらなるステップが追加されたり、および/または、より少ないステップとされたりして、様々な構成に含まれてもよいことを理解されたい。さらに、発送システム100は、上記の例示的な方法300などの1または複数の他の処理と併せて例示的な方法400を実行してもよいことを理解されたい。
【0052】
ステップ402において、発送システム100は、作業環境200内の複数位置のうちの1つで呼び出し要求を受信してもよい。呼び出し要求は、その位置(フロア204A~204Dのうち1つ)で呼び出し装置110を作動させる乗車希望者20に対応して開始されてもよい。呼び出し装置100は、呼び出し要求をネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信してもよい。ステップ404において、発送コントローラ130は、対応する計数装置125から各エレベータかご210,220のエレベータ乗員データ142を回収して、各エレベータかご210,220内の現在の乗員10の数を判断してもよい。計数装置125は、対応するエレベータかご210,220のエレベータ乗員データ142を示す信号をネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信してもよい。
【0053】
さらに図6を参照すると、ステップ406において、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220のエレベータ乗員データ142を分析して、乗員10の数が各エレベータかご210,220の事前規定されたエレベータの定員を超えるかどうかを判断するように構成されてもよい。複数のエレベータかご210,220の各々は、互いに異なる、事前規定された乗車定員を含んでもよいことを理解されたい。事前規定された乗車定員は、例えば、メモリ136内など、発送システム100内に格納されていてもよい。いくつかの実施形態では、事前規定された乗車定員は、発送システム100のオペレータによって選択的に変更されてもよい。
【0054】
他の実施形態では、発送コントローラ130は、運行データ140、エレベータ乗員データ142、区域内乗員データ144など1または複数のパラメータに基づいて、複数のエレベータかご210,220の各事前規定された乗車定員を自動的に調整するように構成されてもよい。先に詳細に説明したように、発送コントローラ130は、モデルから判断された1または複数の交通流パターンに基づいて、発送コントローラ130がエレベータ210,220の事前規定された乗車定員を調整し得るように、データに基づいてモデルを構築するように構成されてもよい。
【0055】
引き続き図6を参照すると、ステップ406でエレベータかご(例えば、第1エレベータかご210、第2エレベータかご220など)内の乗員10の数が事前規定された乗車定員を超えないと判断したことに対応して、発送コントローラ130は、ステップ408で、エレベータかごが呼び出し要求を受信できるようにするように構成してもよい。すなわち、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220のうちのどれを呼び出し要求に発送するかを判断する際に、エレベータかごが利用可能な状況にあるかを考慮して判断してもよい。ステップ406でエレベータかごの乗員10の数が事前規定された乗車定員を超えていると判断したことに対応して、発送コントローラ130は、ステップ410で、エレベータかごが呼び出し要求を受信できないようにするように構成されてもよい。この場合、発送コントローラ130は、複数のエレベータかご210,220のうちのどれを呼び出し要求に発送するかを判断する際に、そのエレベータかごが考慮対象から外されるように、エレベータかごが利用できない状況にあると判断してもよい。
【0056】
ステップ412において、発送コントローラ130は、ステップ404に戻ってエレベータかご内の乗員10の数を(例えば計数装置125を介して)再評価する前に、規定期間(例えば、1秒、1分など)待機するように構成されてもよい。この場合、発送コントローラ130は、更新された乗員10の数がもはやそのエレベータかごの乗車定員を超えなくなったと判断したときに、エレベータかごの作動状況(例えば、利用可能、利用不可、動作可能、動作不能など)を更新するように構成されてもよい。あるいは、計数装置125は、対応するエレベータかご210,220内の更新された乗員数を示す信号をネットワーク115を介して発送コントローラ130に送信するように構成されてもよい。この場合、計数装置125からの信号の受信により、発送コントローラ130によるエレベータかご210,220の作動状況の再評価を行うようにしてもよい。他の実施形態では、発送コントローラ130は、ステップ402で受信された特定の呼び出し要求に対してエレベータかごを完全に対象から外すように、例示的な方法400からステップ412を省略してもよい。
【0057】
例示的な方法300,400など、本明細書に示され、説明される発送システム100の1または複数の処理は、他の様々な作業環境で実装され得ることを理解されたい。一例では、発送システム100は、バスサービス、電車サービス、地下鉄サービス、メトロサービス、乗り合いサービスなどの輸送システムにおいて例示的な方法300,400のうちの1または複数を適用するように構成されてもよい。例示的な方法300に関して、発送システム100は、複数位置(例えば、バス停、電車の停車駅、地下鉄の停車駅、メトロの停車駅など)での滞在者数を判断して、非アクティブ状態の輸送ユニット(例えば、バス、電車、地下鉄、メトロ、車両など)をより多い滞在者数を有する位置に配置するようにしてもよい。
【0058】
例示的な方法400に関して、発送システム100は、輸送ユニット(例えば、バス、電車、地下鉄、メトロ、車両など)がその乗車定員を超えたときには、追加の呼び出し要求および/または乗員を受け入れないようにしてもよい。この場合、輸送ユニットは、その位置(例えば、停車位置)を迂回する、および/または、(例えば、ドアを開けないことによって)輸送ユニットへの乗員の受け入れを禁止するようにしてもよい。いくつかの実施形態では、発送システム100は、乗員データを示す情報を送信するために1または複数のリモートステーションと通信するように構成されてもよい。例えば、発送システム100は、1または複数の現在の輸送ユニットがその乗車定員を超えた場合に、1または複数位置にある追加の輸送ユニット(例えば、バス、電車、地下鉄、メトロ、車両など)からの支援を要求するアラートをリモートステーションに送信してもよい。発送システム100は、以前の乗員データに基づいて予想される乗員の数に対応するために、1または複数位置で、または1または複数の予め規定された間隔で、必要になる輸送ユニットの最小数を判断することによって、交通流を促進し得ることを理解されたい。
【0059】
本明細書で使用されるすべての技術的および科学的な用語は、特に明記しない限り、本開示の分野に属する当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において、単数形で記載した場合には、文脈が明らかに他のことを示していない限り、複数であることを含む。
【0060】
上記の説明は例示的なものであり、限定的な意図で記載されたものではない。当業者は、本開示の一般的な範囲から逸脱することなく、様々な修正および/または変更を行うことができる。例えば、すでに記載されているように、上記の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。さらに、上記の実施形態の一部は、本開示の範囲から逸脱することなく省略されてもよい。さらに、特定の状況または材料を、それらの範囲から逸脱することなく、様々な実施形態の教示に適合させるために修正してもよい。上記の説明を検討すれば、他の多くの実施形態も当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6