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特許7329884トレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検知システムおよび検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】トレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検知システムおよび検知方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/32 20060101AFI20230814BHJP
   G01M 3/20 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
G01M3/32 A
G01M3/20 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022012681
(22)【出願日】2022-01-31
(65)【公開番号】P2023008779
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】202110747794.8
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522042511
【氏名又は名称】ユニ-ヘリウム テスト テクノロジー (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】イン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジン ティングアン
(72)【発明者】
【氏名】ユア イェ
(72)【発明者】
【氏名】チェ ザウンシャン
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111912577(CN,A)
【文献】中国実用新案第210426902(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第109425469(CN,A)
【文献】特開2008-020422(JP,A)
【文献】国際公開第2011/158878(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00- 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーパック漏洩検出システムであって、
バッテリーパックを収容するように構成された試験キャビティを備えた試験コンテナーと、
バッテリーパックの内部をトレーサーガスで満たすように構成されたガス充填サブシステムと、
前記試験キャビティ内に配置され、密閉された前記試験キャビティ内のガスを攪拌するように構成されたガス攪拌サブシステムと、
少なくとも一部が前記試験キャビティ内に配設され、前記ガス攪拌サブシステムによって攪拌された前記試験キャビティ内のガスをリアルタイムでサンプリングし、当該ガスを分析して、前記試験キャビティ内の前記トレーサーガスの含有量変化率を取得するように構成された質量分析器と、
を備え、
前記ガス攪拌サブシステムにより、前記トレーサーガスで満たされ、前記試験キャビティ内に収容されたバッテリーパックから当該試験キャビティ内に漏れた当該トレーサーガスが当該試験キャビティ内の空気と混合されることによって、当該試験キャビティ内の当該トレーサーガスの均一な分布が実現され、
前記ガス攪拌サブシステムは、前記試験キャビティの上面近傍に設けられた少なくとも1つの攪拌ファンを含み、
前記試験キャビティの上面には、前記トレーサーガスを前記試験キャビティから排出するように構成されたガス排気ポートが設けられている
ことを特徴とするバッテリーパック漏洩検出システム。
【請求項2】
前記ガス充填サブシステムは、前記トレーサーガスを充填する前のバッテリーパックの内部を真空にするために使用される真空装置と、真空にしたバッテリーパックの内部に前記トレーサーガスを充填するために使用されるガス充填装置と、前記トレーサーガスの充填中のバッテリーパック内部の当該トレーサーガスの圧力及び濃度を監視するために使用される圧力監視装置及び濃度監視装置と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック漏洩検出システム。
【請求項3】
前記ガス充填サブシステムによって前記トレーサーガスが充填された後のバッテリーパック内部の内圧は、前記試験キャビティ内の圧力よりも高くなる
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック漏洩検出システム。
【請求項4】
試験キャビティ内に設けられた搬送機構をさらに備え、
前記搬送機構は、バッテリーパックを前記試験キャビティに出し入れるため搬送するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック漏洩検出システム。
【請求項5】
計算装置をさらに備え、
前記計算装置は、前記質量分析器が取得した前記含有量変化率に基づいて、前記バッテリーパックの製品漏洩率を取得するために計算するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック漏洩検出システム。
【請求項6】
前記トレーサーガスは、ヘリウムまたは水素である
ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック漏洩検出システム。
【請求項7】
バッテリーパックの漏洩検出方法であって、次のステップ1~ステップ5を含み、
ステップ1:トレーサーガスをバッテリーパックの内部に充填すること、
ステップ2:前記バッテリーパックをトレーサーガスで満した後、当該バッテリーパックを試験キャビティに配置すること、
ステップ3:前記試験キャビティの上面近傍に設けられた少なくとも1つの攪拌ファンによって、密閉された当該試験キャビティに配置された前記バッテリーパックから漏れたトレーサーガスと当該試験キャビティ内の空気と混合し、当該トレーサーガスが当該試験キャビティ内に均一に分散されるようにすること、
ステップ4:所定のテスト時間、少なくとも一部が前記試験キャビティ内に配設された質量分析器によって、当該試験キャビティ内のガスをリアルタイムでサンプリングし、当該ガスをリアルタイムで分析し、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量変化率を取得し、取得した前記含有量変化率に基づいて製品漏洩率を計算し、計算した製品漏洩率によって前記バッテリーパックの密封要求が満たされているかどうかを判断すること、及び
ステップ5:前記試験キャビティの上面に設けられたガス排気ポートから当該試験キャビティ内のトレーサーガスを排出すること
ステップ1~ステップ5をこの順に実行する
ことを特徴とするバッテリーパックの漏洩検出方法。
【請求項8】
前記ステップ1において前記トレーサーガスが充填された後の前記バッテリーパックの内圧は、前記試験キャビティ内の大気圧よりも高く、
前記バッテリーパックに充填された前記トレーサーガスは、圧力差の作用下で前記バッテリーパックの潜在的な漏洩孔を通って前記試験キャビティに漏れる
ことを特徴とする請求項7に記載のバッテリーパックの漏洩検出方法。
【請求項9】
バッテリーパックの漏洩検出方法であって、次のステップ1~5を含み、
ステップ1:バッテリーパックを試験キャビティに配置し、当該バッテリーパックのガス充填孔にガス充填パイプを介してガス充填装置を接続すること、
ステップ2:前記ガス充填装置からトレーサーガスを供給し、当該トレーサーガスを前記バッテリーパックの内部に充填すること、
ステップ3:前記バッテリーパックをトレーサーガスで満たした後、前記試験キャビティの上面近傍に設けられた少なくとも1つの攪拌ファンによって、密閉された当該試験キャビティに配置された当該バッテリーパックから漏れたトレーサーガスと当該試験キャビティ内の空気と混合し、当該トレーサーガスが当該試験キャビティ内に均一に分散されるようにすること、
ステップ4:所定のテスト時間、少なくとも一部が前記試験キャビティ内に配設された質量分析器によって、当該試験キャビティ内のガスをリアルタイムでサンプリングし、当該ガスをリアルタイムで分析し、当該試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量変化率を取得し、取得した含有量変化率に基づいて製品漏洩率を計算し、計算した製品漏洩率によって前記バッテリーパックの密封要求が満たされているかどうかを判断すること、及び
ステップ5:前記試験キャビティの上面に設けられたガス排気ポートから当該試験キャビティ内のトレーサーガスを排出すること
ステップ1~ステップ5をこの順に実行する
ことを特徴とするバッテリーパックの漏洩検出方法。
【請求項10】
前記ステップ2において前記トレーサーガスが充填された後の前記バッテリーパックの内圧は、前記試験キャビティ内の大気圧よりも高く、
前記バッテリーパックに充填された前記トレーサーガスは、圧力差の作用下で前記バッテリーパックの潜在的な漏洩孔を通って前記試験キャビティに漏れる
ことを特徴とする請求項9に記載のバッテリーパックの漏洩検出方法。
【請求項11】
前記ステップ1において、前記ガス充填パイプはホースであることを特徴とする請求項9に記載のバッテリーパックの漏洩検出方法。
【請求項12】
前記ステップ4において、前記製品漏洩率は、次の計算式で計算し、
Q=ΔC*P *V
Q:前記製品漏洩率、単位は通常mbar・l/s、またはPa・m /sであり、
ΔC:前記試験キャビティ内の前記トレーサーガスの含有量変化率、単位は通常%/sであり、
:前記試験キャビティ内の圧力、典型的な単位はPaであり、
V:前記試験キャビティ内の正味容積、典型的な単位はm であり、
前記製品漏洩率が指定値よりも低い場合、前記バッテリーパックの密封性要求が満たされていると判断され、
前記製品漏洩率が前記指定値よりも大きい場合、前記バッテリーパックの密封要求が満たされていないと判断される
ことを特徴とする請求項7又は請求項9に記載のバッテリーパックの漏洩検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2021年7月1日に出願された中国特許出願第202110747794.8号に基づいており、その優先権を主張しており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、バッテリーパック漏洩検知の技術分野、特に、トレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検知システムおよび検知方法に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー車の急速な開発に伴い、バッテリーパックの防水保護要求は益々高くなり、IP67、さらにはIP68の保護要求が出されるようになっている。従来のガス検知方法は、環境温度の変化やバッテリーパックの体積変化などの様々な影響を受けるため、検知要求を満たしていない。市場では、IP67およびIP68に対応する信頼性の高い防水グレード試験を実現するために、より高精度の検出方法が必要となってきた。
【0004】
ヘリウムは不活性ガスで分子が小さいので、微細な穴からの漏洩を検出するために、トレーサーガスとしてヘリウムが一般的に使用されており、真空チャンバ内で漏れたヘリウムを質量分析機器で検知、高精度の漏洩測定が迅速に実現されている。
【0005】
しかしながら、上記の方法は真空下で実施する必要がある。一方、バッテリーパックは変形しやすく、内外の大きな圧力差に耐えることができないため、バッテリーパック内外の圧力差をコントロールする必要がある。内部と外部の圧力差生じないように設計されている。
【0006】
しかし、新たな問題をもたらしている。つまり、バッテリーパック内部が真空状態の場合、バッテリーパック内のバッテリーセルは真空状態になり、圧力差の作用によりバッテリーセルが膨張し始め、バッテリーセルの安全弁が損傷し、バッテリーパックの安全性が著しく危険に晒される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上に鑑み、本発明は、トレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検知システムおよび検知方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における第1の態様において、以下のエレメントを含むバッテリーパック漏洩検出システムを提供する。これらのエレメントは、つまり、
バッテリーパックを収容するように構成された試験キャビティを備えた試験コンテナーと、
バッテリーパックの内部を一定量のトレーサーガスで満たすように構成されたガス充填サブシステムと、
試験キャビティ内に配置され、試験キャビティ内の空気を攪拌するように構成されたガス攪拌サブシステムと、
を含み、
上記ガス攪拌サブシステムにより、バッテリーパックから試験キャビティに漏れたトレーサーガスが加速されて、試験中の空気と混合して、試験キャビティ内の漏洩トレーサーガスの均一な分布を実現する。
【0009】
さらに、試験分析サブシステムを含み、この試験分析サブシステムは、試験キャビティ内のトレーサーガスをサンプリングし、サンプリングされたガスを分析して、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量情報を取得するように構成されており、これにより、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量に基づいて、バッテリーパックの密封要求が満たされているかどうかを判断する。
【0010】
そして、ガス充填サブシステムは、バッテリーパック内部を真空にするために使用される真空装置と、バッテリーパック内部にトレーサーガスを充填するために使用されるガス充填装置と、バッテリーパック内部のトレーサーガスの圧力を監視するために使用される圧力監視装置と、バッテリーパック内部のトレーサーガスの濃度を監視するために使用される濃度監視装置と、を含む。
【0011】
さらに、ガス充填サブシステムは、トレーサーガスがバッテリーパックに充填された後、バッテリーパックの内圧が試験キャビティ内の圧力よりも高くなるように構成されている。
【0012】
そして、ガス攪拌サブシステムは、少なくとも1つの攪拌ファンを含む。
【0013】
さらに、試験コンテナーの上面には、漏れたトレーサーガスを試験キャビティから排出するように構成されたガス排気ポートが設けられている。
【0014】
そして、搬送機構が試験キャビティ内に設けられ、この搬送機構は、バッテリーパックを試験キャビティに出し入れするため搬送するように構成されている。
【0015】
さらに、試験分析サブシステムは、質量スペクトル試験分析サブシステムである。
【0016】
そして、試験分析サブシステムは、質量分析器および計算装置を含み、質量分析器は、試験キャビティ内のトレーサーガスをサンプリングし、サンプリングされたガスに対して、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量を判断するように構成されている。計算装置は、バッテリーパックの製品漏洩率を取得するために計算するように構成されている。
【0017】
さらに、トレーサーガスはヘリウムまたは水素である。
【0018】
本発明における第2の態様は、以下のステップを含むバッテリーパックの漏洩検出方法を提供する。
【0019】
ステップ1:トレーサーガスをバッテリーパックの内部に充填する。
【0020】
ステップ2:バッテリーパックがトレーサーガスで満たされた後、バッテリーパックを試験キャビティに配置する。
【0021】
ステップ3:試験キャビティ内の空気を攪拌し、バッテリーパックから漏れたトレーサーガスを加速して、漏れたトレーサーガスが試験キャビティ内に均一に分布するように試験キャビティ内の空気と混合させる。
【0022】
ステップ4:試験のために指定されたテスト時間が過ぎた後、試験キャビティ内のトレーサーガスをサンプリングし、サンプリングされたガスを分析して、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量情報を取得し、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量に基づいて、バッテリーパックの密封要求が満たされているかどうかを判断する。
【0023】
さらに、ステップ2において、トレーサーガスが電池パックに充填された後、バッテリーパックの内圧は、試験キャビティ内の圧力よりも高く、その結果、バッテリーパック内に充填されたトレーサーガスは、圧力差の作用下でバッテリーパックの潜在的な漏洩孔から試験キャビティに漏れる。この際、試験キャビティ内の圧力が大気圧である。
【0024】
そして、ステップ4において、試験キャビティ内のトレーサーガスが試験中にリアルタイムでサンプリングされ、質量分析器を介して、サンプリングされたガスに対してリアルタイムで分析を実行し、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量変化率を取得する。
【0025】
さらに、バッテリーパックの製品漏洩率は、以下の計算式により計算される。
Q=ΔC*P*V
Q:製品漏洩率、単位は通常mbar・l/s、またはPa・m3/sである。
ΔC:試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量変化率、単位は通常%/sである。
:試験キャビティ内の圧力、典型的な単位はPaである。
V:試験キャビティ内の正味容積、典型的な単位はmである。
【0026】
製品の漏洩率が指定値よりも低い場合、バッテリーパックの密封要求が満たされていると判断される。
製品の漏洩率が指定値よりも大きい場合、バッテリーパックの密封要求が満たされていないことが判断される。
【0027】
本発明における第3の態様は、以下のステップを含むバッテリーパックの漏洩検出方法を提供する。
【0028】
ステップ1:バッテリーパックを試験キャビティに配置し、ガス充填パイプを介してガス充填装置をバッテリーパックのガス充填孔に接続する。
【0029】
ステップ2:トレーサーガスをバッテリーパックの内部に充填する。
【0030】
ステップ3:バッテリーパックがトレーサーガスで満たされた後、試験キャビティ内の空気を攪拌し、バッテリーパックから漏れたトレーサーガスを加速し、試験キャビティ内の空気と混合させて、トレーサーガスは試験キャビティ内に均一に分散されるようになる。
【0031】
ステップ4:試験のため指定されたテスト時間が過ぎた後、試験キャビティ内のトレーサーガスをサンプリングし、サンプリングされたガスを分析し、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量情報を取得する。そして、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量に基づいて、バッテリーパックの密封要求が満たされているかどうかを判断する。
【0032】
さらに、ステップ2において、トレーサーガスがバッテリーパックに充填された後、バッテリーパックの内部圧力は、試験キャビティ内の圧力よりも高く、その結果、電池パック内に充填されたトレーサーガスは、圧力差の作用下でバッテリーパックの潜在的な漏洩孔から試験キャビティに漏れる。この際、試験キャビティ内の圧力が大気圧である。
【0033】
ステップ1において、ガス充填パイプはホースである。
【0034】
さらに、ステップ4において、試験キャビティ内のトレーサーガスが試験中にリアルタイムでサンプリングされ、質量分析器を介して、サンプリングされたガスに対してリアルタイムで分析を実行し、試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量変化率を取得する。
【0035】
さらに、バッテリーパックの製品漏洩率は、以下の計算式により計算される。
Q=ΔC*P*V
Q:製品漏洩率、単位は通常mbar・l/s、またはPa・m3/sである。
ΔC:試験キャビティ内のトレーサーガスの含有量変化率、単位は通常%/sである。
:試験キャビティ内の圧力、典型的な単位はPaである。
V:試験キャビティ内の正味容積、典型的な単位はmである。
【0036】
製品の漏洩率が指定値よりも低い場合、バッテリーパックの密封要求が満たされていると判断される。
【0037】
製品の漏洩率が指定値よりも大きい場合、バッテリーパックの密封要求が満たされていないことが判断される。
【発明の効果】
【0038】
本発明の有益な効果は次のとおりである。
本発明の漏洩検出方法は、大気圧下でバッテリーパックの密封性能を試験することができ、その結果、バッテリーパックは、IP67およびIP68に対応する密封要求を満たすことができる。この方法は、従来のガス検知方法では測定精度が不十分なためにIP67およびIP68の試験要件を満たせないという問題を解決するだけでなく、従来の真空ヘリウム検出方法がバッテリーパック内のバッテリーセルを損傷するという問題も解決可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下、本発明のいくつかの特定の実施形態は、添付の図面を参照しながら、例示的であるが限定的ではない方式で詳細に説明される。当業者は、これらの図面が必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解すべきである。
【0040】
図1】本発明の第1の実施形態に係るトレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検知システムを示すブロック図である。
図2図1に示すバッテリーパック漏洩検知システムにおけるガス充填サブシステムを示すブロック図である。
図3図1に示すバッテリーパック漏洩検出システムの試験分析サブシステムを示すブロック図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るバッテリーパック漏洩検知方法を実施するための構造を示す概略図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係るバッテリーパック漏洩検知方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の第3の実施形態に係るバッテリーパック漏洩検知方法を実施するための構造を示す概略図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係るバッテリーパック漏洩検知方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、以下の特定の実施形態および添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。本発明を実施するための手順、条件、実験方法等は、以下に具体的に述べる内容を除き、当該技術分野における一般的な知識および一般的な常識であり、本実施形態によって特に限定されるわけではない。
【0042】
[第1の実施形態]
1~図3に示されるように、本発明における第1の実施形態は、トレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検出システムに関する。漏洩検知システム10は、バッテリーパック20の密封要求が満たされているかどうかを検知するために使用される。 バッテリーパック20は、典型的には、車両で使用することができる車両バッテリーパックであり得る。漏洩検知システム10は、試験コンテナー11、ガス充填サブシステム12、ガス攪拌サブシステム13、および試験分析サブシステム14を含む。
【0043】
ガス充填サブシステム12は、一定量のトレーサーガスでバッテリーパック20の内部を充填するために使用され、トレーサーガスは、ヘリウムまたは水素、またはトレーサーガスとして機能することができる他のガスであり得る。具体的には、この実施形態では、ガス充填サブシステム12は、バッテリーパック20の内部を真空化するために使用される真空装置112(真空ポンプなど)と、トレーサーガスを内部に充填するために使用されるガス充填装置122と、バッテリーパック20の内部のトレーサーガスの圧力を監視するために使用される圧力監視装置123と、バッテリーパック20の内部のトレーサーガスの濃度を監視するために使用される濃度監視装置124とを含んでいる。バッテリーパック20の内部容積は比較的大きく、バッテリーパック20の内部構造は比較的複雑であるため、ガス充填サブシステム12は、充填されたトレーサーガスがバッテリーパック20内に均一に分配されるようにしなければならない。
【0044】
トレーサーガスがバッテリーパック20に充填された後、バッテリーパック20の内部圧力は、試験キャビティ111内の圧力よりも高く、トレーサーガスは、バッテリーパック20内に均一に分配される。ここで、試験キャビティ111内の圧力は大気圧である。一例では、バッテリーパック20は、試験キャビティ111に配置される前にトレーサーガスで満たされる。別の例では、バッテリーパック20は、試験キャビティ111に配置された後、トレーサーガスで満たされる。つまり、トレーサーガスをバッテリーパック20に充填することは、試験キャビティ111の外側または試験キャビティ111の内側の何れかで行うことができる。
【0045】
試験コンテナー11は、トレーサーガスが充填されたバッテリーパック20に対して累積試験を実施し、バッテリーパック20の密封要求が満たされているかどうかを判断するために使用される。バッテリーパック20を収容するために使用される試験キャビティ111は、試験コンテナー11の内部に設置されている。バッテリーパック20の密封性能が良くない場合、充填されたトレーサーガスは、バッテリーパック20の漏洩孔から試験キャビティ111に漏れ、漏れたトレーサーガスが試験キャビティ111に蓄積し、試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量が増える。
【0046】
ガス攪拌サブシステム13は、試験コンテナー11の試験キャビティ111内に配置されている。ガス攪拌サブシステム13は、試験キャビティ111内の空気を攪拌するために使用される。その結果、バッテリーパック20から漏れたトレーサーガスは、試験キャビティ111内の空気と混合するように加速されて、試験キャビティ111内の漏洩ガス(トレーサーガス)の均一な分布が迅速に実現できる。具体的には、この実施形態では、ガス攪拌サブシステム13は、少なくとも1つの攪拌ファン311を含む。この攪拌ファン311は、漏れたトレーサーガスが試験キャビティ111内に均一に分布するように、トレーサーガスを攪拌するために使用される。特定の実施形態では、試験キャビティ111内に配置および分布された複数の攪拌ファン311があり、攪拌ファン311の位置分布および開放周波数は、試験コンテナー11の異なるサイズおよび/または形状に応じて調整することができる。例えば、攪拌ファン311は、試験コンテナー11の天板(ラベル付けされていない)の内面に取り付けられ得る。試験中、攪拌ファン311は、空気を攪拌するために特定の周波数およびモードで始動される。これにより、トレーサーガスが試験キャビティ111内に迅速かつ均一に分配されるように、試験キャビティ111内の空気が撹拌されて混合が加速される。
【0047】
試験コンテナー11は、ガス攪拌および蓄積試験のための密閉ボックスである。具体的には、試験コンテナー11の片側には、バッテリーパック20の出し入れ用の扉112が設けられている。試験コンテナー11の上面には、漏洩検出試験が終了した後に、トレーサーガスを排出するためのガス排出ポート114が設けられている。これにより、次の漏洩検出試験が始まる前に、試験キャビティ111内にトレーサーガスが残っていない。ここで、ガス排出ポート114は、 試験コンテナー11の天板を貫通して設けられてもよい。また、試験コンテナー11の下に支持フレーム15を設けてもよく、試験コンテナー11は支持フレーム15に支持されている。さらに、試験キャビティ111に搬送機構113を設けており、この搬送機構113を用いて試験キャビティ111にバッテリーパック20を出し入れするためにバッテリーパック20を搬送する。
【0048】
トレーサーガスがバッテリーパック20に充填された後、トレーサーガスが充填されたバッテリーパック20は、試験キャビティ111内に配置され、ガス攪拌サブシステム13は、試験キャビティ111内のガスを加速するように働き始める。バッテリーパック20の内圧は、試験キャビティ111内の圧力よりも大きいため、バッテリーパック20内のトレーサーガスは、圧力差の作用によって、バッテリーパック20の潜在的な漏洩孔を通って試験キャビティ111に漏れて、試験キャビティ111内の空気と混合される。ガス攪拌サブシステム13の攪拌作用下で、トレーサーガスと試験キャビティ111内の空気との混合は、より速く、より均一になり、トレーサーガスが試験キャビティ111内に均一に分布するようになる。
【0049】
次に、試験分析サブシステム14を用いて、試験キャビティ111内のトレーサーガスをサンプリングし、サンプリングされたガスを分析し、試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量情報を取得する。このように、試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量に基づいて、バッテリーパック20の密封要求が満たされたかどうかを判断することができる。試験分析サブシステム14は、典型的には、質量分析サブシステムであり得る。この実施形態では、試験分析サブシステム14は、ヘリウム質量分析計または水素質量分析計であり得る質量分析計141と、コンピュータであり得る計算装置142とを含む。質量分析計141は、試験キャビティ111内のトレーサーガスをサンプリングし、サンプリングされたガスに対して分析を実行して、試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量を判断するために使用される。バッテリーパック20の製品漏洩率を求めるには、次の式を使用すればよい。
【0050】
Q=ΔC*P*V
Q:製品漏洩率、単位は通常mbar・l/s、またはPa・m3/sである。
ΔC:試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量変化率、単位は通常%/sである。
:試験キャビティ111内の圧力、典型的な単位はPaである。
V:試験キャビティ111内の正味容積、典型的な単位はmである。
【0051】
上記の漏洩検知システムに基づいて、本発明はさらに、トレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検知方法を提供する。これについては、以下で説明する。
【0052】
[第2の実施形態]
図4図5に示されるように、本発明の第2実施形態は、トレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検出方法に関する。この実施形態では、バッテリーパック20は、試験キャビティ111に配置される前にトレーサーガスで満たされる。すなわち、バッテリーパック20は、試験コンテナー11の外側で、トレーサーガスで満たされる。トレーサーガスで充填された後、バッテリーパック20は、漏洩検出試験のために試験コンテナー11に入れられる。なお、漏洩検出方法には、次の手順が含まれている。
【0053】
ステップ1:トレーサーガスをバッテリーパック20の内部に充填する。
【0054】
具体的には、ステップ1において、ガス充填装置122は、まず、ガス充填ステーション内のガス充填パイプ125を介してバッテリーパック20のガス充填孔21に接続される。その結果、一定量のトレーサーガスは、試験コンテナー11の外側にあるガス充填装置122およびガス充填パイプ125を介してバッテリーパック20の内部に充填される。充填されたトレーサーガスは、バッテリーパック20内に均一に分配される。ここで、トレーサーガスは、 トレーサーガスとして機能することができるヘリウムまたは水素または他のガスであり、ガス充填パイプ125はホースであり得る。トレーサーガスの充填中、バッテリーパック20内のトレーサーガスの圧力および濃度は、圧力監視装置123および濃度監視装置124によってそれぞれ監視される。このような監視は、バッテリーパック20内のトレーサーガスの圧力および濃度が所定の要求を満たせるまで行われる。トレーサーガスがバッテリーパック20に充填された後、バッテリーパック20はガス充填パイプ125から切り離される。トレーサーガスがバッテリーパック20に充填された後、バッテリーパック20の内部圧力は、試験キャビティ111内の圧力よりも高く、その結果、バッテリーパック20に充填されたトレーサーガスは、圧力差の作用下でバッテリーパック20の潜在的な漏洩孔を通って試験キャビティ111に漏れる。ここで、試験キャビティ111内の圧力は大気圧である。
【0055】
ステップ2:バッテリーパック20がトレーサーガスで満たされた後、バッテリーパック20は、試験キャビティ111に配置される。
【0056】
具体的には、ステップ2において、バッテリーパック20がトレーサーガスで満たされた後、バッテリーパック20は、試験キャビティ111内に配置される。ここで、バッテリーパック20は、運搬機構113によって試験キャビティ111に入るように運搬され得る。次に、試験コンテナー11のドア112が閉じられる。
【0057】
ステップ3:試験キャビティ111内の空気を攪拌し、バッテリーパック20から漏れたトレーサーガスを加速して、試験キャビティ111内の空気と混合させる。これにより、漏れたトレーサーガスがキャビティ111に均一に分散される。
【0058】
具体的には、ステップ3において、試験キャビティ111内の空気を攪拌して、試験キャビティ内において漏れたトレーサーガスの均一な分布を実現するために、少なくとも1つの攪拌ファン131を試験キャビティ111内に配置し使用することができる。
【0059】
ステップ4:試験のため指定された期間が過ぎた後、試験キャビティ111内のトレーサーガスをサンプリングし、サンプリングされたガスを分析し、試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量情報を取得する。このように、試験キャビティ111内のたトレーサーガスの含有量に基づいて、バッテリーパック20の密封要求が満たされたかどうかを判断する。
【0060】
具体的には、ステップ4において、一例として、質量分析器141を使用し、試験中に試験キャビティ111内のトレーサーガスをリアルタイムでサンプリングする。サンプリングされたガスに対してリアルタイムで分析を実行し、試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量の変化率を取得する。最後に、バッテリーパック20の製品漏洩率は、以下の計算式によって計算される。
【0061】
Q=ΔC*P*V
Q:製品漏洩率、単位は通常mbar・l/s、またはPa・m3/sである。
ΔC:試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量変化率、単位は通常%/sである。
:試験キャビティ111内の圧力、典型的な単位はPaである。
V:試験キャビティ111内の正味容積、典型的な単位はmである。
【0062】
ステップ5:試験が終了した後、試験コンテナー11の扉112を開け、バッテリーパック20を試験コンテナー11から取り出す。
【0063】
上記の漏洩検知試験により、製品の漏洩率が規定値よりも低い場合、バッテリーパックの密封要求が満たされていると判断される。製品の漏洩率が規定値よりも大きい場合は、バッテリーパックの密封要求が満たされていないと判断される。
【0064】
[第3の実施形態]
図6図7に示すように、本発明の第3の実施形態は、トレーサーガス累積試験に基づくバッテリーパック漏洩検出方法に関する。 この実施形態では、バッテリーパック20は、試験キャビティ111に配置された後、トレーサーガスで満たされる。すなわち、トレーサーガスで満たされていないバッテリーパック20は、試験コンテナー11に入れられ、次いで、バッテリーパック20は、試験コンテナー11の内部においてトレーサーガスで満たされる。この漏洩検出方法は、以下のステップを含む。
【0065】
ステップ1:バッテリーパック20を試験キャビティ111内に配置し、ガス充填装置122を、ガス充填パイプ125を介してバッテリーパック20のガス充填孔21に接続する。
【0066】
具体的には、ステップ1において、バッテリーパック20は、運搬機構113を介して試験キャビティ111に入るために運搬される。ガス充填装置122を、ガス充填パイプ125を介して電池パック20のガス充填孔21に接続した後、試験コンテナー11のドア112が閉じられる。ここで、ガス充填パイプ125はホースであり得る。
【0067】
ステップ2:トレーサーガスをバッテリーパック20の内部に充填する。
【0068】
具体的には、ステップ2において、試験コンテナー11の内側にあるガス充填装置122およびガス充填パイプ125を介して、一定量のトレーサーガスが電池パック20の内部に充填される。充填されたトレーサーガスは、バッテリーパック20内に均一に分配される。ここで、トレーサーガスは、ヘリウムまたは水素、またはトレーサーガスとして機能することができる他のガスであり得る。トレーサーガスの充填中、バッテリーパック20内のトレーサーガスの圧力および濃度は、圧力監視装置123および濃度監視装置124によってそれぞれ監視される。このような監視は、バッテリーパック20内のトレーサーガスの圧力および濃度が事前設定された要求を満たすまで行われる。バッテリーパック20がトレーサーガスで充填された後、ガス充填装置122とガス充填パイプ125との間の接続は中止される。例えば、ガス充填装置122またはガス充填パイプ上に設けられたスイッチ(図示せず)が遮断される。これにより、充填されたトレーサーガスがガス充填パイプ125を通って逃げないように、充填パイプ125はオフにされる。トレーサーガスが電池パック20に充填された後、電池パック20の内部の内圧は、試験キャビティ111内の圧力よりも高く、その結果、電池パック20に充填されたトレーサーガスは、圧力差の作用下で、電池パック20の潜在的な漏れ孔を通って試験キャビティ111に漏れる。ここで、試験キャビティ112内の圧力が大気圧である。
【0069】
ステップ3:バッテリーパック20がトレーサーガスで満たされた後、試験キャビティ111内の空気を攪拌し、バッテリーパック20から漏れ出たトレーサーガスを試験キャビティ111内の空気と混合させる。これにより、トレーサーガスが試験キャビティ111内に均一に分布するようになる。
【0070】
具体的には、ステップ3において、試験キャビティ111内の空気を攪拌して試験キャビティ111内にトレーサーガスの均一な分布を実現するために、少なくとも1つの攪拌ファン311を試験キャビティ111内に配置して使用する。
【0071】
ステップ4:試験のために指定されたテスト時間が過ぎた後、試験キャビティ111内のトレーサーガスをサンプリングし、サンプリングされたガスを分析して、試験キャビティ111内のトレーサーガスの量情報を取得する。このように、試験キャビティ111内のトレーサーガスの量情報に基づいて、バッテリーパック20の密封要求が満たされたかどうかを判断する。
【0072】
具体的には、ステップ4において、一例として、質量分析器141を使用し、試験中に試験キャビティ111内のトレーサーガスをリアルタイムでサンプリングし、サンプリングされたガスに対してリアルタイムで分析を実行して、 試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量変化率を取得する。最後に、バッテリーパック20の製品漏洩率は、以下の計算式によって計算される。
【0073】
Q=ΔC*P*V
Q:製品漏洩率、単位は通常mbar・l/s、またはPa・m3/sである。
ΔC:試験キャビティ111内のトレーサーガスの含有量変化率、単位は通常%/sである。
:試験キャビティ111内の圧力、典型的な単位はPaである。
V:試験キャビティ111内の正味容積、典型的な単位はmである。
【0074】
ステップ5:試験が終了した後、試験コンテナー11の扉112を開け、バッテリーパック20のガス充填孔からガス充填パイプ125を取り外し、バッテリパック20を試験コンテナーから取り出す。
【0075】
上記の漏洩検知試験により、製品の漏洩率が規定値よりも低い場合、バッテリーパックの密封要求が満たされていると判断される。一方、製品の漏洩率が指定値よりも大きい場合は、バッテリーパックの密封要求が満たされていないと判断される。
【0076】
本発明の有益な効果は次のとおりである。
つまり、本発明の漏洩検出方法により、大気圧下でバッテリーパックの密封性を試験することができる。その結果、バッテリーパックは、IP67およびIP68に対応するシーリンググレード要件を満たすことが可能となる。この方法により、従来のガス検知方法では測定精度が不十分なためにIP67およびIP68の試験要件を満たせないという問題を解決するだけでなく、従来の真空ヘリウム検出方法がバッテリーパック内のバッテリーセルを損傷するという問題も解決できる。
【0077】
本発明は、上記の実施形態に限定されるわけではない。当業者にとって起こり得る変形および利点は、本発明の概念から逸脱することなく本発明に組み込まれており、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7