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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】建築物
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/19 20060101AFI20230814BHJP
   E04B 1/342 20060101ALI20230814BHJP
   E04C 3/10 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
E04B1/19 A
E04B1/342 A
E04B1/19 F
E04B1/342 C
E04C3/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019043936
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020147922
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発行日 平成30年10月28日 刊行物 鉄構技術2018年11月号,第31巻通巻366号,66頁~75頁,株式会社鋼構造出版 開催日 平成30年11月15日~平成30年11月16日 集会名、開催場所 鋼構造シンポジウム2018 TFT(東京ファッションタウン)ビル9階(東京都江東区有明3丁目6番11号) ウェブサイトの掲載日 平成30年12月 4日 ウェブサイトのアドレス https://www.shimztechnonews.com/hotTopics/news/2018/2018-08.html ウェブサイトの掲載日 平成30年12月12日 ウェブサイトのアドレス https://www.shimz.co.jp/solution/ https://www.shimz.co.jp/solution/tech358/ ウェブサイトの掲載日 平成30年12月17日 ウェブサイトのアドレス https://www.shimztechnonews.com/topics/engineer/2018/2018-08.html
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】辰己 佳裕
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-141094(JP,A)
【文献】特開2005-068821(JP,A)
【文献】国際公開第2017/030159(WO,A1)
【文献】特開2003-193568(JP,A)
【文献】特公平07-047866(JP,B2)
【文献】特開平01-190845(JP,A)
【文献】特開平04-131446(JP,A)
【文献】特開2014-163173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00-1/36
E04C 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上弦材と、下弦材と、前記上弦材と前記下弦材との間に張設された斜材と、前記下弦材に設けられたPC鋼材と、を有し、水平方向に沿う第一方向に延在する第一トラス梁と、
上弦材と、下弦材と、前記上弦材と前記下弦材との間に張設された斜材と、前記下弦材に設けられたPC鋼材と、を有し、前記第一方向と直交し水平方向に沿う第二方向に延在する第二トラス梁と、
前記第一トラス梁の前記第一方向の両端部側に設けられた柱と、を備え、
前記第一トラス梁は、前記第二方向に離間して二列配置され、
該第二トラス梁は、前記第一トラス梁の前記第一方向の端部に配置され、
前記柱は、前記第二トラス梁の前記第二方向の両端部を支持し、
前記第一トラス梁と前記第二トラス梁との交差部分では、
前記第二トラス梁の前記PC鋼材は、前記第二方向に延在し、
前記第一トラス梁の前記PC鋼材の端部は、前記第二トラス梁の前記PC鋼材と間隔を有して配置され、
前記第一トラス梁の前記下弦材の端部の外側には、前記第一トラス梁の前記PC鋼材に張力を付与するジャッキを設置するための空間が形成されていることを特徴とする建築物。
【請求項2】
前記第一トラス梁及び前記第二トラス梁の少なくとも一方のトラス梁と前記柱との交差部分では、
前記トラス梁の前記PC鋼材の端部は、前記柱と間隔を有して配置され、
前記トラス梁の前記下弦材の端部の外側には、前記トラス梁の前記PC鋼材に張力を付与するジャッキを設置するための空間が形成されている請求項1に記載の建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、屋根の構造として、トラス構造が知られている。例えば、所定の方向(梁間方向)に延びるトラス梁が、所定の方向と直交する方向(桁行方向)に多数配置されたものが提案されている(下記の特許文献1参照)。このようなトラス構造の屋根では、トラス梁の下弦材に設けられたPC鋼材(ケーブル)を緊張させることで、PC鋼材の元に戻ろうとする圧縮力により、トラス梁を持ち上げて、トラス梁の鉛直方向の変形を低減するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公平7-47866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のトラス構造の屋根では、トラス梁が多数設置されるため、トラス梁を支持する柱を多数設ける必要があり、間取りのレイアウトが制限されてしまうという問題点がある。また、トラス梁の建設中には、トラス梁を支持する仮設柱を桁行方向の全スパンにわたって設ける必要があり、仮設柱の盛替等作業に時間を要するという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、無柱の大空間を構築できるとともに、工期短縮が可能な建築物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る建築物は、上弦材と、下弦材と、前記上弦材と前記下弦材との間に張設された斜材と、前記下弦材に設けられたPC鋼材と、を有し、水平方向に沿う第一方向に延在する第一トラス梁と、上弦材と、下弦材と、前記上弦材と前記下弦材との間に張設された斜材と、前記下弦材に設けられたPC鋼材と、を有し、前記第一方向と直交し水平方向に沿う第二方向に延在する第二トラス梁と、前記第一トラス梁の前記第一方向の両端部側に設けられた柱と、を備え、前記第一トラス梁は、前記第二方向に離間して二列配置され、該第二トラス梁は、前記第一トラス梁の前記第一方向の端部に配置され、前記柱は、前記第二トラス梁の前記第二方向の両端部を支持し、前記第一トラス梁と前記第二トラス梁との交差部分では、前記第二トラス梁の前記PC鋼材は、前記第二方向に延在し、前記第一トラス梁の前記PC鋼材の端部は、前記第二トラス梁の前記PC鋼材と間隔を有して配置され、前記第一トラス梁の前記下弦材の端部の外側には、前記第一トラス梁の前記PC鋼材に張力を付与するジャッキを設置するための空間が形成されていることを特徴とする。
【0007】
このように構成された建築物では、上弦材、下弦材、斜材及びPC鋼材により組み立てられた第一トラス梁は、二列配置されている。柱を第一トラス梁の第一方向の両端部側に設ければよく、多くの柱を必要としないため、無柱の大空間を構築することができる。
また、建設中に第一トラス梁を支持する仮設柱を第一トラス梁の二列分設置すればよいため、仮設柱の組み立て、解体にかかる時間が短縮され、工期を短縮することができる。
【0009】
このように構成された建築物では、トラス梁(第一トラス梁及び第二トラス梁)を第一方向及び第二方向の二方向に設置することで、二方向にわたってトラス梁のたわみを低減できるため、各トラス梁の梁せいを小さく抑えることができる。また、第一トラス梁の第一方向の両端部には柱が設けられていないため、将来等に建築物の第一方向に増築(拡張)することができる。
【0011】
このように構成された建築物では、第一トラス梁と第二トラス梁との交差部分では、第一トラス梁のPC鋼材の端部は、第二トラス梁のPC鋼材と間隔を有して配置されているため、第一トラス梁のPC鋼材と第二トラス梁のPC鋼材とが干渉することがない。また、第一トラス梁の下弦材の端部の外側の空間にジャッキを設置して、第一トラス梁のPC鋼材に張力を付与することができる。
【0012】
また、本発明に係る建築物は、前記第一トラス梁及び前記第二トラス梁の少なくとも一方のトラス梁と前記柱との交差部分では、前記トラス梁の前記PC鋼材の端部は、前記柱と間隔を有して配置され、前記トラス梁の前記下弦材の端部の外側には、前記トラス梁の前記PC鋼材に張力を付与するジャッキを設置するための空間が形成されていてもよい。
【0013】
このように構成された建築物では、第一トラス梁及び第二トラス梁の少なくとも一方のトラス梁と柱との交差部分では、トラス梁のPC鋼材の端部は柱と間隔を有して配置されているため、トラス梁のPC鋼材が柱に干渉することがない。また、トラス梁の下弦材の端部の外側の空間にジャッキを設置して、トラス梁のPC鋼材に張力を付与することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る建築物によれば、無柱の大空間を構築できるとともに、工期を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る建築物を示す図であり、断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る建築物を説明する図である。
図3図2の分解斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る建築物のトラス梁どうしの交差部分を示す図であり、(a)縦断面図、(b)平断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る建築物のトラス梁と柱との交差部分を示す図であり、(a)縦断面図、(b)平断面図である。
図6】本発明の一実施形態の変形例に係る建築物を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る建築物について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建築物を示す図であり、断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る建築物100は、構造体10と、構造体10を覆う屋根材11と、を少なくとも備えている。建築物100は、不図示の壁材や床材等も備えている。
【0019】
図2は、建築物100を説明する図である。なお、図2において、屋根材11の図示を省略している。
図2に示すように、建築物100は、平面視略長方形状をなしている。ここで、建築物100の長手方向をX方向とし、短手方向をY方向とする。
【0020】
図3は、図2の分解斜視図である。なお、図3において、屋根材11の図示を省略している。
図3に示すように、構造体10は、Yトラス梁(第二トラス梁)2Yと、Xトラス梁(第一トラス梁)2Xと、鉄骨組材3と、を備えている。
【0021】
Yトラス梁2Yは、Y方向(第二方向)に延在している。Yトラス梁2Yは、X方向に離間して4箇所に配置されている。4箇所のYトラス梁2Yを、それぞれYトラス梁2Y1,2Y2,2Y3,2Y4とする。Yトラス梁2Y1,2Y4は、建築物100のX方向の両端部側にそれぞれ配置されている。Yトラス梁2Y2,2Y3は、建築物100のX方向の中央2箇所に配置されている。Yトラス梁2Y2,2Y3どうしは、連結材13等により連結されている。
【0022】
Xトラス梁2Xは、X方向(第一方向)に延在している。Xトラス梁2Xは、Y方向の中央側に、Y方向に離間して二列に配置されている。
【0023】
各列で、Xトラス梁2Xは、X方向に間隔を有して配置されている。X方向に並ぶXトラス梁2Xの間に、Yトラス梁2Y2,2Y3が配置されている。換言すると、Yトラス梁2Yは、Xトラス梁2XのX方向の両端部に配置されている。Xトラス梁2Xどうしは、連結材14等により連結されている。
【0024】
以下、Xトラス梁2X及びYトラス梁2Yを、総称してトラス梁2と称することがある。
図4は、トラス梁2どうしの交差部分を示す図であり、(a)縦断面図、(b)平断面図である。なお、Xトラス梁2Xの構成とYトラス梁2Yの構成とは同様であるため、図4を用いて、トラス梁2の構成について説明する。
トラス梁2は、上弦材21と、下弦材22と、上弦材21と下弦材22との間に張設された斜材23a及び束材23bと、下弦材22に設けられたPC鋼材24と、を有している。本実施形態では、上弦材21、下弦材22及び斜材23は、H型鋼で構成されている。
【0025】
PC鋼材24を緊張させることで、PC鋼材24の元に戻ろうとする圧縮力(プレストレス)により、トラス梁2を持ち上げて、トラス梁2の鉛直方向の変形を低減することができる。
【0026】
図3に示すように、Yトラス梁2YのY方向の両端部には、柱41が設けられている。柱41は、Xトラス梁2XのX方向の両端部には設けられておらず、Yトラス梁2YのY方向の両端部を支持している。このようにして、柱41は、Xトラス梁2XのX方向の両端部2a側(Xトラス梁2XのX方向の両端部2aからY方向に離間した位置)に設けられている。本実施形態では、Yトラス梁2YのY方向の両端部を支持する柱41はCFT造とされている。
【0027】
Yトラス梁2YよりもY方向の端部側には、PC鋼材が設けられていない一般トラス4梁4が設けられている。Yトラス梁2Yと一般トラス梁4とは、連結材15により連結されている。一般トラス梁4のY方向の両端部には、柱42が設けられている。
【0028】
鉄骨組材3は、鉄骨等の鋼材がX方向及びY方向に連結され枠組部51と、枠組部51を支持する柱52と、を有している。図2に示すように、鉄骨組材3は、Xトラス梁2X及びYトラス梁2Yに支持されている。トラス梁2と鉄骨組材3との間には、上下方向の段差が形成されている。
【0029】
次に、Yトラス梁2YとXトラス梁2Xとの交差部分の構成について説明する。
図4に示すように、Yトラス梁2YとXトラス梁2Xとの交差部分では、Yトラス梁2YのPC鋼材24(以下、PC鋼材24Yとする)は、分断されることなく、Y方向に延びている。一方、Xトラス梁2XのPC鋼材24(以下、PC鋼材24Xとする)はYトラス梁2Yにまで到達せず、PC鋼材24Xの端部24aはPC鋼材24YとX方向に間隔を有して配置されている。
【0030】
Xトラス梁2Xの下弦材22の端部22aには、下弦材22の延在方向(X方向に延びる)に延びるトラス接合部27が設けられている。トラス接合部27には、上下方向に貫通する空間S1が形成されている。空間S1には、PC鋼材24に張力を付与するジャッキ(不図示)を設置可能とされている。
【0031】
次に、トラス梁2と柱41との交差部分の構成について説明する。
図5は、Yトラス梁2Yと柱41との交差部分を示す図であり、(a)縦断面図、(b)平断面図である。なお、Yトラス梁2Yと柱41との交差部分の構成とXトラス梁2Xと柱41との交差部分の構成とは同様であるため、図5を用いて、(Xトラス梁2X及びYトラス梁2Yを含めた)トラス梁2と柱41との交差部分の構成について説明する。
図5に示すように、トラス梁2と柱41との交差部分では、トラス梁2のPC鋼材24は柱41にまで到達せず、PC鋼材24の端部24bは柱41とトラス梁2の延在方向に間隔を有して配置されている。
【0032】
トラス梁2の下弦材22の端部22aには、下弦材22の延在方向に延びる柱接合部28が設けられている。柱接合部28には、上下方向に貫通する空間S2が形成されている。空間S2には、PC鋼材24に張力を付与するジャッキ(不図示)を設置可能とされている。
【0033】
次に、Xトラス梁2Xと鉄骨組材3との間の段差部分の構成について説明する。
図1に示すように、天井CとXトラス梁2Xとは、斜材61aで連結されている。斜材61aは、上方に向かうにしたがって次第に対の列をなすXトラス梁2Xに近接するように傾斜配置されている。斜材61aにより、Xトラス梁2Xは、対の列をなすXトラス梁2Xから離間する方向に倒れることが抑制されている。
【0034】
各Xトラス梁2Xは、鉄骨組材3の枠組部51に斜材61bで支持されている。斜材61bは、上方に向かうにしたがって次第に対の列をなすXトラス梁2Xから離間するように傾斜配置されている。斜材61bにより、Xトラス梁2Xは、対の列をなすXトラス梁2Xに近接する方向に倒れることが抑制されている。
【0035】
Xトラス梁2Xにおける対の列をなすXトラス梁2Xから離間する側には、垂れ壁62が設けられている。垂れ壁62には、窓63が設けられている。
【0036】
このように構成された建築物100では、上弦材21、下弦材22、斜材23及びPC鋼材24により組み立てられたXトラス梁2Xは、二列配置されている。柱41を、Xトラス梁2XのX方向の両端部側、つまりXトラス梁2XのX方向の両端部に配置されたYトラス梁2YのY方向の両端部に設ければよい。よって、例えばXトラス梁2XのX方向の両端部を直接支持する柱等が不要となり多くの柱を必要としないため、無柱の大空間を構築することができる。
【0037】
また、建設中にXトラス梁2Xを支持する仮設柱をXトラス梁2Xの二列分設置すればよいため、仮設柱の組み立て、解体にかかる時間が短縮され、工期を短縮することができる。
【0038】
また、トラス梁2(Xトラス梁2X及びYトラス梁2Y)をX方向及びY方向の二方向に設置することで、二方向にわたってトラス梁2のたわみを低減できるため、各トラス梁2の梁せい(トラスせい)を小さく抑えたり、トラス断面を小さくしたりして、鉄骨数量を削減することができる。
【0039】
また、Xトラス梁2XのX方向の両端部をYトラス梁2Yで支持することで、Xトラス梁2XのX方向の両端部を直接支持する柱41が不要となるため、将来等に建築物100のX方向に増築(拡張)することができる。
【0040】
また、Xトラス梁2XとYトラス梁2Yとの交差部分では、Xトラス梁2XのPC鋼材24Xの端部24aは、Yトラス梁2YのPC鋼材24YとX方向に間隔を有して配置されているため、PC鋼材24XとPC鋼材24Yとが干渉することがない。
【0041】
また、Xトラス梁2Xの下弦材22の端部22aの外側の空間S1にジャッキを設置して、Xトラス梁2XのPC鋼材24Xに張力を付与することができる。
【0042】
また、トラス梁2と柱41との交差部分では、トラス梁2のPC鋼材24の端部24bは柱41とトラス梁2の延在方向に間隔を有して配置されているため、トラス梁2のPC鋼材24が柱41に干渉することがない。
【0043】
また、トラス梁2の下弦材22の端部22aの外側の空間S2にジャッキを設置して、トラス梁2のPC鋼材24に張力を付与することができる。
【0044】
また、Xトラス梁2Xに沿って垂れ壁62が設けられ、垂れ壁62には窓63が設けられているため、窓63から採光を確保したり、換気したりすることができる。
【0045】
(変形例)
次に、上記に示す実施形態の変形例について、主に図6を用いて説明する。
以下の変形例において、前述した実施形態で用いた部材と同一の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6に示すように、本変形例では、構造体10Aは、Xトラス梁(第一トラス梁)2Xと、鉄骨組材3と、を備えている。
【0046】
Xトラス梁2Xは、X方向(第一方向)に延在している。Xトラス梁2Xは、Y方向の中央側に、Y方向に離間して二列に配置されている。
【0047】
各列で、Xトラス梁2Xは、構造体10AのX方向の略全長にわたって延在している。Xトラス梁2Xどうしは、連結材16により連結されている。
【0048】
Xトラス梁2XのX方向の両端部には、柱41が設けられている。本実施形態では、柱41はCFT造とされている。
【0049】
このように構成された建築物では、上弦材21、下弦材22、斜材23及びPC鋼材24により組み立てられたXトラス梁2Xは、二列配置されている。柱41をXトラス梁2XのX方向の両端部に設ければよく、多くの柱を必要としないため、無柱の大空間を構築することができる。
【0050】
また、建設中にXトラス梁2Xを支持する仮設柱をXトラス梁2Xの二列分設置すればよいため、仮設柱の組み立て、解体にかかる時間が短縮され、工期を短縮することができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0052】
2X…Xトラス梁(第一トラス梁)
2Y…Yトラス梁(第二トラス梁)
3…鉄骨組材
10…構造体
11…屋根材
21…上弦材
22…下弦材
23…斜材
24…PC鋼材
41…柱
62…垂れ壁
63…窓
100…建築物
図1
図2
図3
図4
図5
図6