(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20230814BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20230814BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230814BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20230814BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230814BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21V23/04 500
F21V23/00 120
F21V23/06
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2019119623
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岩村 祐輔
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-120730(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0117558(US,A1)
【文献】特開2015-065076(JP,A)
【文献】特表2017-522690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 23/04
F21V 23/00
F21V 23/06
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源に電力を供給する電源装置と、
前記電源装置と接続するコネクタと
、
前記光源が配置される光源基板と、
通信モジュールと
を備え、
前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられ
る、前記光源基板と重なる位置に配置され、
前記光源基板には、前記通信モジュールが通過可能である貫通孔が形成されており、
前記通信モジュールは、電波を受信するアンテナを有し、
前記アンテナは、前記光源基板から突出している、照明器具。
【請求項2】
前記光源は出射面を有し、
前記コネクタは、前記出射面側から前記通信モジュールが着脱可能に設けられる、請求項1に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置を備える照明器具が提案されている。特許文献1に記載の照明器具は、器具本体と、点灯ユニットとを備える。点灯ユニットは、取付板と、光源ユニットと、無線通信装置とを有する。無線通信装置は、アンテナと、筐体とを有する。筐体は、アンテナ収容部(アンテナ)がスリットに挿通された状態で取付板に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の照明器具では、照明器具に通信モジュール(無線通信装置)が固定されるため、容易に照明器具から通信モジュールを取り外すことができない。したがって、通信モジュールを容易に交換することができない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は通信モジュールを容易に交換することができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する照明器具は、光源と、電源装置と、コネクタと、光源基板と、通信モジュールとを備える。前記光源は、光を出射する。前記電源装置は、前記光源に電力を供給する。前記コネクタは、前記電源装置と接続する。前記コネクタは、前記通信モジュールが着脱可能に設けられる。前記コネクタは、前記光源基板と重なる位置に配置される。前記光源基板には、前記光源が配置される。前記光源基板には、前記通信モジュールが通過可能である貫通孔が形成される。前記通信モジュールは、電波を受信するアンテナを有する。前記アンテナは、前記光源基板から突出している。
【0007】
本願に開示する照明器具において、前記光源は出射面を有することが好ましい。前記コネクタは、前記出射面側から前記通信モジュールが着脱可能に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明器具によれば、通信モジュールを容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本実施形態に係る照明器具の構成を示す分解斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る照明器具の構成を示す分解斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る無線通信部の構成を示す斜視図である。
【
図5】(a)は、電源装置とコネクタとを示す模式的な平面図である。(b)および(c)は、コネクタの近傍を示す模式的な斜視図である。
【
図6】コネクタの近傍を示す模式的な断面図である。
【
図7】コネクタの近傍を示す模式的な断面図である。
【
図8】本実施形態に係る本体部、光源部、および光源カバーの構成を示す分解斜視図である。
【
図9】
図8に示す本体部、光源部、および光源カバーの模式的な部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る照明器具100について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明器具100を示す図である。
【0014】
図1に示すように、照明器具100は、天井面Cのような取付け面に取り付けられる。本実施形態において、照明器具100は、平面視略円形形状のシーリングライトである。
【0015】
次に、
図2および
図3を参照して、本実施形態に係る照明器具100の構成について説明する。
図2および
図3は、本実施形態に係る照明器具100の構成を示す分解斜視図である。詳しくは、
図2は、上方から見た照明器具100を示す。
図3は、下方から見た照明器具100を示す。
【0016】
図2および
図3に示すように、照明器具100は、本体カバー1、アダプター2、電源部3、無線通信部4(
図3)、コネクタ5、本体部6、光源部7、光源カバー8、およびセード9を備える。以下では、照明器具100のうち、本体カバー1が設けられる側を「照明器具100の上側」とし、その反対側を「照明器具100の下側」として本実施形態を説明する。また、照明器具100を平面視したときの径方向を「径方向DR」として、本実施形態を説明する。
【0017】
本体カバー1は、本体部6と連結する。本実施形態において、本体カバー1は、ビスなどの締結部材によって本体部6と連結する。本体カバー1は、金属製の板状部材である。本体カバー1は、光源部7および電源部3の少なくとも一方から発せられる熱を吸収して外部へ放熱する材料であることが好ましい。本体カバー1は、例えば、鉄などの金属を材料として含む。
【0018】
アダプター2は、電源部3に外部電源電圧を供給する。アダプター2は、連結部材21と配線部材22とを有する。連結部材21は、配線部材22と本体カバー1とを連結する。配線部材22は、電源部3とソケットとを電気的に接続する。ソケットは、天井面Cに設けられる。アダプター2は、例えば、引掛けシーリングアダプターである。
【0019】
電源部3は、無線通信部4および光源部7に電力を供給する。詳しくは、電源部3は、無線通信部4と、光源部7の光源73とに電力を供給する。電源部3は、電源装置31および電源ケース32を有する。電源装置31は、電源回路および電力制御回路を含む。電源回路は、アダプター2を介して供給される外部電源電圧を内部電源電圧に変換する。電源回路は、内部電源電圧を無線通信部4および光源部7へ供給する。電力制御回路は、電源回路が供給する内部電源電圧を制御する。詳しくは、電源回路が供給する電流の電流値が無線通信部4から送信される通信信号に対応する一定値となるように内部電源電圧を制御する。この結果、無線通信部4から送信される通信信号に対応する光量および相関色温度を有する光が照明器具100から出射される。電源装置31は、電源ケース32に収容される。電源ケース32は、本体部6に配置される。電源ケース32には、貫通孔321が形成されている。貫通孔321は、無線通信部4が通過可能である。
【0020】
無線通信部4は、同じ通信規格を利用して無線通信を行う通信機器と通信する。具体的には、無線通信部4は、通信機器から送信された信号(電波)を少なくとも受信する。無線通信部4は、「通信モジュール」の一例である。本実施形態に係る無線通信部4は、通信機器との間で各種信号(電波)を送受信する。無線通信部4および通信機器は、例えば、無線通信部4と通信機器とをペアリングするための設定信号を互いに送受信する。無線通信部4と通信機器とをペアリングすることにより、無線通信部4と通信機器との間で無線通信が可能になる。本実施形態において、無線通信部4は、ZIGBEE(登録商標)のような近距離無線規格を利用して無線通信を行う。また、通信機器は、照明器具100から出射される光の光量および相関色温度の少なくとも一方を制御する信号を送信する。通信機器は、例えば、ネットワークに接続されたブリッジである。なお、通信機器は、ブリッジに限定されず、例えば、ネットワークに接続されたルーターであってもよい。ネットワークは、例えば、無線LAN(Local Area Network)である。あるいは、通信機器は、スマートフォンであってもよい。
【0021】
無線通信部4は、コネクタ5を介して電源装置31と接続する。無線通信部4は、通信機器から受信した電波に応じて電源装置31に通信信号を送信する。通信信号は、例えば、照明器具100から出射される光の光量および相関色温度の少なくとも一方を制御する制御信号である。また、無線通信部4は、電源装置31から照明器具100の状態を示す信号を受信する。無線通信部4は、照明器具100の状態を示す信号(電波)を通信機器へ送信する。照明器具100の状態を示す信号は、例えば、照明器具100の調光状態および調色状態の少なくとも一方を示す。
【0022】
コネクタ5には、無線通信部4が挿入される。コネクタ5は、電源装置31と接続する。コネクタ5は、無線通信部4が着脱可能に設けられる。例えば、コネクタ5は、無線通信部4が差し込み可能である。無線通信部4をコネクタ5へ差し込むことによって、無線通信部4をコネクタ5に容易に取り付けることができる。したがって、無線通信部4を照明器具100に容易に取り付けることができる。また、無線通信部4をコネクタ5から引き抜くことによって、無線通信部4をコネクタ5から容易に取り外すことができる。このように、照明器具100は、無線通信部4を容易に取り付けまたは取り外しできる。したがって、照明器具100は、容易に無線通信部4を交換することができる。このように、照明器具100は、ネジのような他の固定部材を使うことなく、適度な力で無線通信部4を抜き差しすることによって、無線通信部4を容易に取り付けまたは取り外しできる。
【0023】
本実施形態では、コネクタ5は、出射面73a側から無線通信部4が着脱可能に設けられる。コネクタ5は、光源基板70と重なる位置に配置される。
【0024】
本体部6は、本体カバー1、アダプター2、電源部3、光源部7、光源カバー8、およびセード9を支持する。本体部6は、本体シャーシ61、および金具62を有する。本体シャーシ61は、中央部分が下方に凹む円盤状の金属部材である。本体シャーシ61の材料は、光源部7から発生される熱を吸収して外部へ放熱する材料であることが好ましい。本体シャーシ61は、例えば、鉄のような金属を材料として含む。
【0025】
本体シャーシ61は、第1保持面61aおよび第1保持面61aとは反対側の第2保持面61bを有する。第1保持面61aと第2保持面61bとは平行である。本実施形態において、第1保持面61aは、本体シャーシ61の上面を構成し、第2保持面61bは、本体シャーシ61の下面を構成する。本体シャーシ61は、「電源収容部」の一例である。
【0026】
本体シャーシ61は、開口部611、収容空間612、内周部613、中間部614および外周部615を有する。開口部611は、本体シャーシ61の略中央に設けられる。開口部611は、本体シャーシ61を貫通する。開口部611の形状は、平面視略円形形状である。開口部611には、アダプター2が挿通される。
【0027】
収容空間612は、本体シャーシ61の凹んだ部分に設けられる。詳しくは、収容空間612は、本体シャーシ61の第1保持面61a側に設けられる。収容空間612は、上方が開口する。収容空間612は、開口部611の外周に沿って設けられる。収容空間612は、内周部613の第1保持面61a、および中間部614の第1保持面61aによって構成される。
【0028】
収容空間612には、電源部3が配置される。換言すると、電源部3は、本体シャーシ61の第1保持面61a側に配置される。したがって、本体シャーシ61は、電源装置31を収容する。
【0029】
内周部613は、開口部611から径方向DRに外側へ向けて延びる。中間部614は、内周部613の外縁から径方向DRの外側へ延びる。詳しくは、中間部614の形状は、径方向DRの外側に向かうにつれて高くなる上傾斜である。外周部615は、中間部614の外縁から径方向DRの外側に向けて延びる。
【0030】
本体カバー1は、第1保持面61aに配置される。本体カバー1は、収容空間612を覆うように本体シャーシ61と連結する。本体カバー1と本体シャーシ61とが連結すると、電源部3が本体カバー1によって覆われる。
【0031】
金具62は、本体シャーシ61の第2保持面61bに配置される。本体シャーシ61は、金具62を介してセード9を保持する。
【0032】
光源部7は、光を出射する。光源部7は、光源基板70を有する。本実施形態において、光源部7は、2つの光源基板70を有する。光源基板70は、プリント基板である。光源基板70は、例えば、ガラスエポキシ樹脂を材料として含む。
【0033】
各光源基板70は、第1基板面70aおよび第1基板面70aとは反対側の第2基板面70bを有する。第1基板面70aと第2基板面70bとは平行である。本実施形態において、第1基板面70aは、光源基板70の下面を構成し、第2基板面70bは、光源基板70の上面を構成する。
【0034】
2つの光源基板70の形状はそれぞれ、平面視略半円環状である。2つの光源基板70は、平面視略円環形状を形成するように本体シャーシ61の第2保持面61b側に配置される。詳しくは、2つの光源基板70は、第2基板面70bが第2保持面61bと接触するように本体シャーシ61に配置される。本実施形態において、2つの光源基板70は、ビスなどの締結部材によって、本体シャーシ61と連結する。
【0035】
2つの光源基板70のうちの一方には、貫通孔75が形成されている。貫通孔75は、無線通信部4が通過可能である。以下、2つの光源基板70のうち、無線通信部4と対向する光源基板70を「第1光源基板71」と記載し、他方の光源基板70を「第2光源基板72」と記載する。
【0036】
光源部7は、複数の光源73および2つの光源基板コネクタ74をさらに有する。光源73は、例えば、SMD(Surface Mount Device)チップである。
【0037】
複数の光源73は、光を出射する。複数の光源73は、出射面73aを有する。複数の光源73は、出射面73a側に光を出射する。本実施形態において、出射面73a側は、下側である。複数の光源73は、第1光源基板71の第1基板面70aおよび第2光源基板72の第1基板面70aに分散して配置される。以下、複数の光源73のうち、第1光源基板71の第1基板面70aに配置される光源73を「第1光源731」と記載し、第2光源基板72の第1基板面70aに配置される光源73を「第2光源732」と記載する。第1光源基板71の第1基板面70aには、複数の第1光源731が配置される。第2光源基板72の第1基板面70aには、複数の第2光源732が配置される。
【0038】
2つの光源基板コネクタ74は、第1光源基板71の第1基板面70aおよび第2光源基板72の第1基板面70aにそれぞれ配置される。以下、第1光源基板71の第1基板面70aに配置される光源基板コネクタ74を「第1光源基板コネクタ741」と記載し、第2光源基板72の第1基板面70aに配置される光源基板コネクタ74を「第2光源基板コネクタ742」と記載する。第1光源基板コネクタ741および第2光源基板コネクタ742は、電力線を介して電源装置31にそれぞれ接続する。
【0039】
第1光源基板コネクタ741は、複数の第1光源731と電気的に接続する。第1光源731には、第1光源基板コネクタ741を介して電源部3から内部電源電圧が供給される。第2光源基板コネクタ742は、複数の第2光源732と電気的に接続する。第2光源732には、第2光源基板コネクタ742を介して電源部3から内部電源電圧が供給される。各光源73は、内部電源電圧が供給されると、光を出射する。
【0040】
光源カバー8は、光源部7を覆う。光源カバー8は、平面視略円環形状である。光源カバー8は、光源部7を覆うように本体シャーシ61と連結する。光源カバー8は、例えば、ビスのような締結部材によって本体シャーシ61と連結する。本実施形態において、光源カバー8は、複数の光源73から出射される光を拡散させる。光源カバー8は、無線通信部4が送受信する電波が遮られることを抑制する素材を材料として含むことが好ましい。光源カバー8は、例えば、樹脂を材料として含む。
【0041】
セード9は、金具62を介して、本体シャーシ61の第2保持面61bに着脱自在に配置される。セード9が第2保持面61bに配置されると、光源部7および光源カバー8がセード9によって覆われる。セード9は、無線通信部4が送受信する電波が遮られることを抑制する素材を材料として含むことが好ましい。セード9は、例えば、樹脂を材料として含む。
【0042】
照明器具100は、緩衝部材100cをさらに備える。緩衝部材100cは、天井面Cに対する照明器具100の移動を抑制する。緩衝部材100cによって、照明器具100のガタツキが抑制される。
【0043】
続いて、
図4を参照して、本実施形態に係る無線通信部4の構成について説明する。
図4は、本実施形態に係る無線通信部4の構成を示す斜視図である。
【0044】
図4に示すように、無線通信部4は、本体基板41、アンテナ基板42、スイッチボタン43、ランプ44、通信制御回路45、および端子部46を有する。
【0045】
図4に示すように、本体基板41は、第1本体基板面41a、および第1本体基板面41aとは反対側の第2本体基板面41bを有する。第1本体基板面41aには、アンテナ基板42、スイッチボタン43、およびランプ44が配置される。
【0046】
アンテナ基板42は、アンテナ423を含む。アンテナ423は、無線通信に使用される電波を送信または受信する。アンテナ基板42は、第1アンテナ基板面42a、および第1アンテナ基板面42aとは反対側の第2アンテナ基板面42bを有する。アンテナ423は、第2アンテナ基板面42bに設けられる。アンテナ基板42が第1本体基板面41aに配置された状態において、第1アンテナ基板面42aと第1本体基板面41aとは平行である。詳しくは、第1アンテナ基板面42aは、第1本体基板面41aに接触する。なお、第2アンテナ基板面42bは、「アンテナ実装面」の一例である。
【0047】
アンテナ基板42は、アンテナ領域421を有する。アンテナ423は、アンテナ領域421に設けられる。アンテナ領域421は、平面視略矩形形状である。アンテナ423は、例えば、アンテナ基板42に形成された金属パターンである。
【0048】
スイッチボタン43は、作業者により操作されることで、例えば、通信制御回路45の動作をリセットする。
【0049】
ランプ44は、点滅または点灯することにより、通信制御回路45の通信状態または異常状態を通知する。ランプ44は、例えば、LEDである。
【0050】
通信制御回路45は、無線通信を制御する。通信制御回路45は、アンテナ423が受信する電波に基づいて通信信号を生成する。
【0051】
端子部46は、無線通信部4がコネクタ5に取り付けられている状態で、コネクタ5と電気的に接続する。したがって、無線通信部4がコネクタ5に取り付けられている状態で、コネクタ5を介して電源装置31と接続する。通信制御回路45が生成した通信信号は、端子部46およびコネクタ5を介して、電源装置31へ送信される。電力制御回路は、通信信号に基づいて電源回路が供給する電力を制御する。この結果、複数の光源73の点灯状態が通信信号に対応する状態となる。
【0052】
また、電力制御回路は、電源部3の状態を示す信号を端子部46へ送信する。通信制御回路45は、電源部3の状態を示す信号をアンテナ423から発生させる。この結果、通信機器が電源部3の状態を示す信号を受信する。
【0053】
続いて、
図5(a)~
図5(c)および
図6を参照して、本実施形態に係る無線通信部4のコネクタ5への取り付けについて説明する。
図5(a)は、電源装置31とコネクタ5とを示す模式的な平面図である。
図5(b)および
図5(c)は、コネクタ5の近傍を示す模式的な斜視図である。
図6は、コネクタ5の近傍を示す模式的な断面図である。
図5(a)から
図5(c)は、下方から見た図である。
図5(b)は、無線通信部4を取り付ける前の状態を示す模式的な斜視図である。
図5(c)は、無線通信部4が取り付けられた状態を示す模式的な斜視図である。
図6は、無線通信部4が取り付けられた状態を示す模式的な断面図である。
【0054】
図5(a)に示すように、電源装置31は、電源回路311と、電力制御回路312とに加えて、さらに電源基板313を含む。なお、電源回路311は、トランスなどの電子部品から構成されているが、
図5(a)では簡略表記している。電源基板313は、プリント基板である。電源基板313は、例えば、ガラスエポキシ樹脂を材料として含む。電源基板313には、コネクタ5と、電源回路311と、電力制御回路312とが配置される。コネクタ5と、電源回路311と、電力制御回路312とは、導電パターンを介して接続されている。
【0055】
図5(b)に示すように、コネクタ5は、本体部51と、差込口52と、端子部53とを有する。本体部51は、例えば、略直方体状である。差込口52は、本体部51に設けられる。差込口52の内周面には、端子部53が設けられる。なお、無線通信部4の端子部46は、複数の電極を含む。
図5(b)においては、端子部46の電極を簡略的に記載している。また、端子部53は、端子部46の電極に対応するように、複数の電極から構成されている。
図5(b)においては、端子部53は、目視できない位置に設けられているため、複数の電極の記載を省略している。
【0056】
図5(b)に示す状態から、無線通信部4を上方向に移動させ、無線通信部4を差込口52に差し込むことによって、
図5(c)に示すように、無線通信部4がコネクタ5に取り付けられる。無線通信部4がコネクタ5に取り付けられることによって、無線通信部4の端子部46と、コネクタ5の端子部53とが接触する。したがって、無線通信部4は、コネクタ5と電気的に接続する。また、コネクタ5は、導電パターンを介して、電源回路311と接続している。したがって、電源回路311は、導電パターンおよびコネクタ5を介して、内部電源電圧を無線通信部4に供給する。
【0057】
図6に示すように、アンテナ423は、光源基板70から突出していることが好ましい。詳しくは、アンテナ423は、光源基板70から下側に突出することが好ましい。すなわち、アンテナ423は、光源基板70から出射面73a側に突出することが好ましい。アンテナ423が、光源基板70から突出することによって、アンテナ423に到達する電波が妨害されにくくなるため、アンテナ423の通信感度を向上させることができる。アンテナ423が、光源基板70から突出することによって、ユーザーが指で無線通信部4を掴みやすくなるため、無線通信部4をコネクタ5に容易に着脱することができる。
【0058】
以上、
図1~
図6を参照して説明したように、照明器具100では、コネクタ5は、無線通信部4(通信モジュール)が着脱可能に設けられる。したがって、無線通信部4を照明器具100に容易に取り付けることができる。また、無線通信部4を照明器具100から容易に取り外すことができる。その結果、無線通信部4を容易に交換することができる。例えば、無線通信部4が故障して交換したい場合に、別の無線通信部4に容易に交換することができる。また、通信モジュールを別の通信規格の通信モジュールに容易に交換することができる。例えば、通信規格がZIGBEE(登録商標)の通信モジュールから、通信規格がブルートゥース(登録商標)の通信モジュールに交換することができる。
【0059】
また、コネクタ5は、出射面73a側から無線通信部4(通信モジュール)が着脱可能に設けられる。したがって、無線通信部4を容易に交換することができる。例えば、本体シャーシ61が本体カバー1に取り付けられた状態で、無線通信部4を容易に交換することができる。したがって、光源カバー8およびセード9を取り外すだけで、無線通信部4を容易に交換することができる。
【0060】
また、光源基板70の貫通孔75と、電源ケース32の貫通孔321と同様に、光源カバー8にも貫通孔を形成してもよい。光源カバー8の貫通孔は、無線通信部4が通過可能である。したがって、無線通信部4を光源カバー8から突出した状態で取り付けることができる。その結果、無線通信部4の交換をセード9のみを取り外すだけで行うことができる。
【0061】
また、コネクタ5は、光源基板70と重なる位置に配置される。光源基板70には、貫通孔75が形成される。貫通孔75は、無線通信部4(通信モジュール)が通過可能である。したがって、無線通信部4を貫通孔75から突出させることができる。その結果、照明器具100を天井面Cに設置したとき、無線通信部4が下方に突出して配置されるため、無線通信部4の通信感度を向上させることができる。
【0062】
また、アンテナ423は、光源基板70から突出している。したがって、無線通信部4の通信感度を向上させることができる。
【0063】
なお、
図1~
図6を参照して説明した照明器具100では、コネクタ5は、出射面73a側から無線通信部4が着脱可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コネクタ5は、出射面73a側とは異なる側から無線通信部4が着脱可能に設けられていてもよい。
【0064】
図7を参照して、コネクタ5の配置の他例について説明する。
図7は、コネクタ5の近傍を示す模式的な断面図である。
【0065】
図7に示すように、コネクタ5は、出射面73a側(下側)とは異なる側から無線通信部4が着脱可能に設けられている。詳しくは、コネクタ5は、出射面73a側とは反対側(上側)から無線通信部4が着脱可能に設けられている。したがって、無線通信部4を容易に交換することができる。本体カバー1には、貫通孔11が形成されている。貫通孔11は、無線通信部4が通過可能である。したがって、無線通信部4を本体カバー1から上側に突出した状態で取り付けることができる。
図7に示す構成は、照明器具100の下側から見えにくい位置に無線通信部4が配置されるため、照明器具100の美観を損ねにくい。
【0066】
なお、
図1~
図7を参照して説明した照明器具100では、コネクタ5は、光源基板70と重なる位置に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コネクタ5は、光源基板70と重ならない位置に設けられていてもよい。
【0067】
図8および
図9を参照して、コネクタ5の配置の他例について説明する。
図8は、本実施形態に係る本体部6、光源部7、および光源カバー8の構成を示す分解斜視図である。
図8は、斜め下方から見た本体部6、光源部7、および光源カバー8を示す。
図9は、
図8に示す本体部6、光源部7、および光源カバー8の模式的な部分断面図を示す。
図9は、コネクタ5の近傍を示す。
図9は、
図8のIX-IX線に沿った断面を示す。なお、
図9においては、セード9など、説明に不要な構成については図示を省略している。
【0068】
図8および
図9に示すように、本実施形態では、コネクタ5は、本体シャーシ61の内部に配置される。詳しくは、コネクタ5は、収容空間612に配置される。本実施形態では、コネクタ5は、信号線および電力線を介して、
図2を参照して説明した電源装置31と電気的に接続する。
【0069】
本体シャーシ61には、貫通孔616が形成される。本実施形態では、貫通孔616は、本体シャーシ61の中間部614に配置される。貫通孔616は、無線通信部4が通過可能である。貫通孔616は、光源基板70と重ならい位置に配置される。詳しくは、貫通孔616は、平面視において、光源基板70よりも外側に位置するように配置される。さらに詳しくは、貫通孔616は、径方向外側を向くように配置される。無線通信部4は、光源73の照射範囲に入らない位置に配置される。詳しくは、無線通信部4は、光源73の照射方向が下方向であるのに対して、光源73よりも上側に配置される。したがって、光源73から出射された光が無線通信部4によって遮られることを抑制することができる。その結果、照明器具100の発光ムラを抑制することができる。
【0070】
アンテナ423は、本体シャーシ61から突出していることが好ましい。詳しくは、アンテナ423は、本体シャーシ61から径方向DRの外側に突出することが好ましい。アンテナ423が、本体シャーシ61から突出することによって、アンテナ423の通信感度を向上させることができる。
【0071】
また、本実施形態では、本体シャーシ61に貫通孔616が形成されている。したがって、光源基板70に貫通孔を形成しなくてもよい。その結果、光源基板70の配線パターンの設計の自由度を向上させることができる。
【0072】
以上、図面(
図1~
図9)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(5))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0073】
(1)本発明の実施形態では、照明器具100は、コネクタ5を1つ備えていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、照明器具100は、複数のコネクタ5を備えていてもよい。
【0074】
(2)本実施形態において、光源部7が複数の光源73を有したが、光源部7が有する光源73の数は1つであってもよい。
【0075】
(3)本実施形態において、光源部7が2つの光源基板70を有したが、光源部7が有する光源基板70の数は、1つまたは3つ以上であってもよい
【0076】
(4)本発明の実施形態では、シーリングライトに本発明が適用される場合を説明したが、本発明は、例えば、ベースライトまたはダウンライトにも適用可能である。
【0077】
(5)コネクタ5に無線通信部4を着脱可能に取り付ける構成の一例を説明する。例えば、コネクタ5の差込口52または端子部53には弾性部材が設けられている。コネクタ5に無線通信部4の端子部46を差し込むと、コネクタ5に設けられた弾性部材の圧力で無線通信部4の端子部46がコネクタ5に挟持される。その結果、無線通信部4の端子部46がコネクタ5に差し込まれた状態が保持される。一方、弾性部材の圧力に抗して無線通信部4に適度な力を加えて引き抜くことによって、無線通信部4の端子部46はコネクタ5から引き抜かれる。
【符号の説明】
【0078】
4 無線通信部(通信モジュール)
5 コネクタ
31 電源装置
61 本体シャーシ(電源収容部)
70 光源基板
73 光源
73a 出射面
75 貫通孔
100 照明器具
423 アンテナ
616 貫通孔