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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】外側カバーを有するペン針組立品
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/00 20060101AFI20230814BHJP
   A61M 5/158 20060101ALI20230814BHJP
   A61M 5/32 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
A61M5/00 510
A61M5/158 500H
A61M5/32 500
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019529850
(86)(22)【出願日】2017-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 US2017064706
(87)【国際公開番号】W WO2018106686
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-11-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】201621333821.8
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201611110864.4
(32)【優先日】2016-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522179943
【氏名又は名称】エンベクタ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シー ゾン
(72)【発明者】
【氏名】ホワション ホアン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ フー
(72)【発明者】
【氏名】フェイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ティンティン ファン
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】栗山 卓也
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-40386(JP,A)
【文献】特開2007-14615(JP,A)
【文献】豪国特許出願公開第2009202158(AU,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が両手の使用を必要とすることなく片手でペン針送達デバイスに関して針ハブを結合および結合解除することを可能にする、ペン針送達デバイス用の針ハブ組立品であって、前記組立品は、
支持表面と接触しおよび外側カバーを、安定した直立姿勢におよび前記支持表面上に独立して保持するための構成および寸法を持つ底面、および前記底面と反対側の上面であって、前記上面は針ハブの端から延びるカニューレを有する針ハブを受け入れおよび封入するための寸法を持つ第1の開放ウェルを有する上面、を有する外側カバー、
前記針ハブに結合されおよび前記カニューレを覆う内側シールド、
を含み、および
前記外側カバーの前記上面は、前記内側シールドを受け入れるための寸法および構成を持つ前記第1の開放ウェルよりも小さい第2のウェルを有し、前記内側シールドは、前記内側シールドを前記第2のウェル内に挿入することによって保持され、それによって、前記内側シールドは、前記針ハブから分離され得ることを特徴とする針ハブ組立品。
【請求項2】
前記第1のウェルを閉鎖しおよび前記針ハブを封入するために前記上面に取り付けられる取り外し可能シールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の針ハブ組立品。
【請求項3】
前記シールは、前記外側カバーの前記上面、および前記針ハブの開放端、に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の針ハブ組立品。
【請求項4】
前記シールは、接着剤によって前記上面に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の針ハブ組立品。
【請求項5】
前記シールは、剥離可能ラベルであることを特徴とする請求項2に記載の針ハブ組立品。
【請求項6】
アレイ内に連結される複数の前記外側カバーをさらに含み、および各前記外側カバーは針ハブを含むことを特徴とする請求項1に記載の針ハブ組立品。
【請求項7】
前記複数の外側カバーは、隣接する外側カバー間に延びる壊れやすい線によって互いから分離されることを特徴とする請求項6に記載の針ハブ組立品。
【請求項8】
前記第1のウェルは、前記針ハブおよび内側シールドを受け入れるための寸法を有し、および前記第1のウェルは、前記針ハブと係合して、送達デバイスに対する前記針ハブの結合を可能にし、および前記針ハブおよび内側シールドは、前記送達デバイスに対する結合の後に、前記第1のウェルから分離され得ることを特徴とする請求項1に記載の針ハブ組立品。
【請求項9】
操作者が両手の使用を必要とすることなく片手でペン針送達デバイスに関して針ハブを結合および結合解除することを可能にする、ペン針送達デバイスと共に使用するための針ハブアレイであって、
連結される複数の外側カバーであって、各外側カバーは、支持表面と接触しおよび前記外側カバーを、安定した直立姿勢に保持するための寸法および構成を備える底面、および前記底面と反対側の上面であって、前記上面は、第1の寸法を持つ第1の開放ウェルおよび前記第1の寸法よりも小さい第2の寸法を持つ第2の開放ウェルを有する、上面、を有する、外側カバー、ならびに
各第1の開放ウェル内に受け入れられる針ハブであって、前記針ハブは、前記針ハブの端から延びるカニューレおよび前記カニューレを覆う内側シールドを有する、針ハブ、を含み、前記外側カバーは、前記針ハブおよび内側シールドを完全に封入し、前記外側カバーの前記上面における前記第1の開放ウェルは、前記針ハブおよび内側シールドを受け入れるための寸法を有し、および前記外側カバーの前記第2の開放ウェルは、前記内側シールドを受け入れるための寸法および構成を有し、前記内側シールドは、前記内側シールドを前記第2の開放ウェル内に挿入することによって保持されることを特徴とすることを特徴とする針ハブアレイ。
【請求項10】
各前記外側カバーは、前記第1のウェルを閉鎖するクロージャ部材を含むことを特徴とする請求項9に記載の針ハブアレイ。
【請求項11】
前記クロージャ部材は、前記第1のウェルを閉鎖するために前記上面に取り付けられる取り外し可能シールであることを特徴とする請求項10に記載の針ハブアレイ。
【請求項12】
前記外側カバーは、互いから分離可能であることを特徴とする請求項9に記載の針ハブアレイ。
【請求項13】
前記外側カバーは、隣接する外側カバー間に延びる壊れやすい線によって分離されることを特徴とする請求項9に記載の針ハブアレイ。
【請求項14】
前記第1のウェルは、摩擦嵌合によって前記針ハブを受け入れおよび保持するための寸法を持つ第1の部分、および前記内側シールドを受け入れるための寸法を有する第2の部分、を有することを特徴とする請求項9に記載の針ハブアレイ。
【請求項15】
前記第2のウェルは、摩擦嵌合によって前記内側シールドを受け入れおよび保持するための寸法を有することを特徴とする請求項14に記載の針ハブアレイ。
【請求項16】
前記第1のウェルおよび前記第2のウェルは、前記外側カバーの前記底面に開放底を有することを特徴とする請求項14に記載の針ハブアレイ。
【請求項17】
前記第1のウェルと前記第2のウェルとの間に延びおよび前記外側カバーを安定化させるために前記外側カバーの前記底面に底縁を有する接続部分をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の針ハブアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(a)の下、2016年12月6日に出願された中国実用新案出願番号第201621333821.8号、および2016年12月6日に出願された中国発明特許出願第201611110864.4号に基づく優先権を主張し、これらは参照によってその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、ペン針用のエンクロージャを形成する外側カバー(outer cover)を有するペン針組立品に関する。より具体的には、本発明は、概して、内側シールド(inner shield)を有する針ハブを保持するためおよび使用後の針ハブを保持するための第1のウェルを有して不注意な(inadvertent)針刺しのリスクを低減させる外側カバーに関する。外側カバーは、内側シールドを針ハブから内側シールドに手を触れる(handle)必要なく分離するための、内側シールドを受け入れるための第2のウェルを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2006/0229562号
【文献】米国特許出願公開第2007/0149924号
【背景技術】
【0004】
インスリンおよび他の注射可能薬(injectable medications)は、一般に、薬物送達ペンを用いて送達され、それによって使い捨てのペン針ハブはペンに取り付けられて、薬物容器(drug container)アクセスを容易にしおよび流体が容器から針を通って患者内に出ることを可能にする。
【0005】
様々なペン針送達デバイスは、物質を患者に分配するための技術分野において知られている。送達デバイスは、多くの場合、患者内に挿入するためのハブの患者端から延びるカニューレまたは針を有する使い捨ての針ハブを使用する。ハブの非患者端は、物質を患者に送達するためのペン送達デバイスに結合される。
【0006】
針ハブ組立品は、多くの場合、いくつかのばらの状態の(loose)針ハブを含有する容器内に包装される。針ハブは、包装から選択され、および患者に注射をするためのペン針送達デバイスに取り付けられ、および次いで、取り外されて廃棄される。針ハブ包装は、針ハブを封入する外側カバー、および外側カバーから剥離されて針ハブが取り外され得るようにキャビティを開放する取り外し可能シール、を含む。針ハブは、送達デバイス上に螺合される(threaded onto)ねじ山付き(threaded)非患者端を有し得る。取り付けられた針ハブを備える送達デバイスは、次いで、外側カバーから取り外される。内部針シールドは、デバイスが使える状態となるまでカニューレを覆うために、針ハブに取り付けられる。シールドは、物質を患者に送達するための使用のためのカニューレを露出させるために取り外される。使用後に、針ハブは、露出されたカニューレを封入するために、外側カバー内に挿入し戻され得る。ペン送達デバイスは、針ハブを外側カバー内部に残して針ハブから分離される。
【0007】
従来の(prior)デバイスは、針ハブへ接続しおよび針ハブを送達デバイスから取り外すために両手の使用を必要とする。外側カバー内に配置し戻される間、カニューレは、露出され、および偶発的な針刺しの高いリスクをもたらす。使用済みの針ハブおよびカニューレを外側カバーのキャビティ内へ位置付ける間に外側カバーを把持する手動操作は、偶発的な針刺しなしには困難であり得る。
【0008】
既存の(Existing)ペン針組立品は、Marshらに対する特許文献1およびR. Marshに対する特許文献2に開示されており、その両方の内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0009】
従来のデバイスは、意図される使用のために適当であったが、業界において、ペン針ハブ組立品のための改善された包装に対する継続的な要求がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、ペン針組立品のための包装を形成する外側カバーを有するペン針組立品を対象とする。特に、本発明は、不注意な針刺しのリスクを低減させる方法で使用され得る針組立品のための包装または外側カバーを対象とする。
【0011】
1つの実施形態において、ペン針組立品は、針ハブおよびカニューレを使用まで滅菌状態(sterile condition)に保持するように針ハブを受け入れるための外側カバーを含む。外側カバーは、操作者が内側シールドに手を触れることなく内側シールドが針ハブから取り外され得るように、針ハブから延びるカニューレを覆う内側シールドを受け入れるための凹部またはウェルを有する。
【0012】
別の態様に従って、内側シールドは、内側シールドが摩擦嵌合(friction fit)または干渉嵌合(interference fit)によって保持されるように、外側カバー内のウェル内に挿入され得る。針ハブおよびカニューレは、次いで、内側シールドがウェル内に保持されている間に、使用者が内側シールドに手を触れる必要なしに、内側シールドを分離するために引っ張られ得る。
【0013】
別の特徴に従って、針ハブおよびカニューレは、ペン針の使用後に外側カバー内の針ハブウェル内に挿入され得、そこでペン針送達デバイスは、針ハブから分離され得る。針ハブは、カニューレを封入しおよび不注意な針刺しのリスクを低減させるために、摩擦嵌合または干渉嵌合によって針ハブウェル内に保持される。保持された針ハブを備える外側カバーは、安全に廃棄され得る。
【0014】
実施形態の様々な特徴は、基本的に、針ハブ上のカニューレを覆う内側シールドを有する針ハブを受け入れる外側カバーを含むペン針組立品のための包装を提供することによって達成される。外側カバーは、上面、ならびに組立品のための支持表面と接触しおよび外側カバーを直立姿勢(upright position)に支持するための構成および寸法を持つ底面、を有する。外側カバーの上面は、使える状態となるまで針ハブおよび内側シールドを受け入れおよび格納するための寸法を持つ第1の開放ウェルを有する。外側カバーは、摩擦嵌合によってまたは干渉嵌合によって針ハブを保持し得る。外側カバーの上面は、内側シールドを受け入れおよび針ハブからの分離後に内側シールドを保持するための寸法を持つ内側シールドウェルを含む。
【0015】
1つの実施形態において、内側シールドウェルは、内側シールドをウェル内へ挿入することにより、針ハブがペン針に取り付けられたときに物質を患者に送達するためのカニューレを露出させるために内側シールドを分離するために外方に引っ張られ得る十分な力で内側シールドを把握するように、摩擦嵌合または干渉嵌合によって内側シールドを受け入れるための寸法を有する。針ハブおよびカニューレの使用後に、針ハブは、針ハブウェル内に挿入され、そこで、針ハブは、ペン針が針ハブから操作者が針ハブに手を触れることなく分離されそれによって不注意な針刺しのリスクを低減し得るように、把握される。1つの実施形態において、針ハブは、摩擦嵌合もしくは干渉嵌合によって、または使用された針ハブを外側カバーに取り付けるための他の機械的接続によって、把握され得る。
【0016】
本発明の特徴は、ペン針送達デバイス用のペン針組立品を提供することによってさらに達成され、そこで組立品は、外側カバー、針カニューレを有する針ハブ、およびカニューレを覆う内部針シールドを含む。針ハブは、ペン針送達デバイスへの結合のための非患者端を備える本体を含み、そこで針ハブは、患者端から延びるカニューレを有する。内側シールドは、カニューレを覆うために針ハブに結合される。外側カバーは、支持表面と接触しおよび外側カバーを直立姿勢に保持するための寸法および構成を持つ底面を有する。外側カバーは、針ハブおよび内側シールドを受け入れる針ハブウェルを形成する第1のウェルを備える上面を有する。上面は、内側シールドを受け入れるための寸法を持つ内部針シールドウェルを形成する第2のウェルを有する。第2のウェルは、第1のウェルの寸法よりも小さい寸法を有する。内側シールドは、操作者が内側シールドを手動で取り外す必要なしにカニューレを露出させるために内側シールドが針ハブから取り外され得るように内側シールドを把握するために、摩擦または干渉嵌合によって第2のウェル内に受け入れられ得る。使用後に、針ハブは、ペン針が針ハブから分離され得および使用済みのまたは使用された針ハブが処分のために外側カバー内に保持され得るように、針ハブを把握するために第1のウェル内に挿入し戻され得る。
【0017】
本発明の目的、利点、および顕著な特徴は、添付図面と併せて本発明の例示的な実施形態を開示する以下の詳細な説明から、明らかになるであろう。
【0018】
本発明の様々な実施形態の上述の利益および他の利点は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から、および添付図面から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ペン送達デバイス、針ハブ、内側シールドおよびカバーを示す1つの実施形態におけるペン針組立品の分解斜視図である。
図1A】針ハブを封入する取り外し可能シールおよび内側シールドのためのキャビティを示す針ハブ組立品を含有するための外側カバーの斜視図である。
図2】使用前または使用後に分離され得る針ハブのアレイの上面図である。
図3図2のアレイの斜視図である。
図4図2のアレイの端面図である。
図5図2のアレイの断面図である。
図6】針ハブと結合するために位置付けられたペン針送達デバイスの斜視図である。
図7】外側カバー内に挿入されたペン針送達デバイスの側面図である。
図8】針ハブに接続されたペン針送達デバイスの断面図である。
図9】外側カバーから取り外されている針ハブの断面図である。
図10】針ハブの内側シールドを受け入れるためのウェル上方に位置付けられた針ハブを示す断面図である。
図11】内側シールドを受け入れるためのウェル上方に位置付けられた針ハブを示す斜視図である。
図12】ウェル内に位置付けられた内側シールドを示す断面図である。
図13】内側シールドから分離された針ハブを示す斜視図である。
図14】ウェル内に挿入された使用された針ハブを示す断面図である。
図15】ウェル内に挿入された使用された針ハブを示す斜視図である。
図16】針ハブから分離されたペン針送達デバイスを示す斜視図である。
図17】使用された針ハブから分離されたペン針送達デバイスを示す断面図である。
図18】外側カバーの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を通して、同様の参照番号は、同様の部品、構成成分、および構成を指すことは理解されよう。
【0021】
本発明は、ペン送達デバイスと共に使用するためのペン針組立品を対象とする。本発明は、さらに、針ハブ用のペン針組立品を対象とし、そこで針ハブは、偶発的な針刺しのリスクを低減させるために使用後にエンクロージャを形成する外側カバー内に配置され得る。
【0022】
当業者によって、本開示は、以下の記載において明らかにされまたは図面に例示される構造の詳細および構成成分の配置へのその適用に限定されないことは理解されよう。本明細書中の実施形態は、様々な方法で修正され実施されまたは実行され得る。開示の実施形態の特徴は、他の実施形態の特徴と共に使用されまたは他の実施形態の特徴と組み合わされる、異なる実施形態の置換される特徴であり得る。また、本明細書中で使用される言葉遣い(phraseology)および用語(terminology)は、説明の目的のためであり、および限定しているとみなされるべきではないことは理解されよう。本明細書における「含む(including)」、「含む(comprising)」、または「有する(having)」およびそれらの変形の使用は、以降に列挙されるアイテムおよびそれらの等価物、ならびに付加的なアイテムを包含することを意味する。そうではないと限定されない限り、本明細書における用語「接続され(connected)」、「結合され(coupled)」、および「据え付けられ(mounted)」、ならびにそれらの変形は、広く使用され、および直接的および間接的な接続、結合、および据え付けを包含する。加えて、用語「接続され(connected)」および「結合され(coupled)」およびそれらの変形は、物理的または機械的接続または結合に制限されない。さらに、上に(up)、下に(down)、底(bottom)、および上(top)のような用語は、相対的であり、および例示を助けるために採用されるが、限定的ではない。
【0023】
針ハブ組立品は、便利かつ容易な組み立て、および露出された針カニューレに手を触れることが減らされたペン送達デバイスに関する針ハブ組立品の取り外しを可能にし得る。針ハブ用の外側カバーは、ペン送達デバイスが針ハブに片手で取り付けられ、それによって、露出された針カニューレを備える針ハブに手を触れることによる針刺しのリスクを低減し得るように、テーブルのような平坦な表面上に配置され得る。
【0024】
ペン針送達デバイス10は、図1に示されるように、典型的には、用量ノブ/ボタン、外部スリーブ12、およびキャップを含む。用量ノブ/ボタンは、使用者が注射されるべき薬の投与量を設定することを可能にする。外部スリーブ12は、薬を注射するときに、使用者によって把握される。キャップは、シャツポケット、財布、または他の適当な場所にペン注射器デバイス10を安全に保持し、および偶発的な針刺し損傷からのカバー/保護を提供するために、使用者によって使用される。
【0025】
標準的なペン針送達デバイスにおいて、投薬および送達機構は全て、外部スリーブ12内部で見られ、およびそれらは従来技術の知識を有する者によって理解されるので、本明細書により詳細には記載されない。薬剤カートリッジ(medicament cartridge)は、典型的には、知られている取り付け手段を介して標準的なペン注射器ハウジングに取り付けられる。薬剤カートリッジ内部におけるプランジャまたはストッパの遠位移動(distal movement)は、薬がリザーバハウジング内に押し込められることを引き起こす。薬剤カートリッジは、セプタムによってシールされ、およびリザーバまたはハウジング内部に位置するセプタム貫通針カニューレによって穿刺される。リザーバハウジングは、好ましくは、薬剤カートリッジ上に螺着される(screwed onto)が、他の取り付け手段が使用され得る。ペン針送達デバイスは、業界において知られている標準的なペン送達デバイスであり得るので、ペン針送達デバイスは詳細には示されない。
【0026】
ペン針送達デバイス10は、送達デバイス10のねじ山付き端(threaded end)18上に螺着する(screw onto)雌ねじを備える接続用非患者端を有する図1に示される針ハブ16に接続される。針カニューレ20は、物質を患者に送達するための針ハブ16の患者端から延びる。外側カバー22は、使用前および後に偶発的な針刺しから患者を保護するために針カニューレを覆うために提供され得る。内側シールド24は、カニューレを封入するために針ハブ16の該端から延びるポストを覆って設けられる。使用の間、針ハブ16はペン送達デバイスに接続され、および内側シールドは取り外される。使用後に、外側カバーは、概して、針カニューレを覆うために針ハブ上に配置し戻される。カバーの付いた針ハブは、次いで、ペン針送達デバイスから取り外され、および廃棄される。
【0027】
本組立品において、ペン針送達デバイスは、ペン針組立品の針ハブに接続するのに適する。ペン針組立品は、図1Aに示されるような外側カバー30、針ハブ16、内側シールド24、および取り外し可能シール44を含む。1つの実施形態において、外側カバー30は、ペン針組立品のための針ハブ16のエンクロージャまたはパッケージングシステム(packaging system)を形成する。外側カバー30は、針ハブの運送および出荷(shipping and handling)の間、針ハブ16のためのエンクロージャまたはパッケージングを形成する。外側カバー30は、単一のペン針組立品を有する単一の針ハブのための図1Aに示されるような単一のユニットであり得る。図2から図5に示される他の実施形態において、外側カバー30は、各々が単一の針ハブ16を含有してペン針組立品のアレイを形成する複数の外側カバー30のアレイ32であり得る。ペン針組立品および外側カバー30のアレイ32は、ペン針の使用前または後の個々の外側カバー30の分離を可能にする、壊れやすい線(frangible line)34、切り取り線(perforated lines)、または他の機構によって連結され得る。外側カバー30は、所望されるように個々のペン針組立品の部分組立品に分離され得る。
【0028】
各外側カバー30は、上面36および底面38を含む。1つの実施形態において、上面36は、実質的に平坦な平面部材37によって画定される。針ハブ16を受け入れおよび格納するための寸法を持つ第1のウェル40を形成する凹部、および針ハブ組立品の内側シールド24を受け入れるための第2のウェルを形成するために間隔が空けられた第2のウェル42を形成する第2の凹部は、上面36に形成される。示されるように、内側シールド24用のウェル42は、針ハブ16用のウェル40の寸法よりも小さい直径を有する。
【0029】
図1Aに示されるようなクロージャ部材を形成するシール44は、使える状態となるまで針ハブ組立品を封入するために第1のウェル40の上を覆うために上面36に取り付けられる。1つの実施形態におけるシール44は、カニューレ20のための滅菌されたおよび清潔な(clean)エンクロージャを提供するために、針ハブ16の開放端および外側カバーの上面36に取り付けられ得る。示される実施形態において、シール44は、使用時に使用者によって容易に取り外され得る感熱性のもしくは加熱活性化型の接着剤(adhesive)または感圧性の接着剤のような接着剤によって取り付けられる可撓性シールである。シール44は、好ましくは、取り外し可能なシールであり、および針ハブ16を露出させるために、開いた第1のウェル40および上面から使用者によって剥離および分離され得る。シール44は、取り外し可能または剥離ラベルであり得る。他の実施形態において、シールは、ウェル40を閉鎖しおよび針ハブ16を使用まで清潔なおよび滅菌状態に維持することのできる、他の形態の適当なシールであり得る。アレイ32は、また、針ハブ16を含有する外側カバー30の各ウェル40を閉鎖するシール44を有する。例示の容易のために、図2および図3にシール44は示されないが、針ハブ16の使用前に、各ウェル40は、使える状態となるまで針ハブ16を清潔なおよび滅菌状態に維持するためにそれぞれのシール44によって閉鎖されることは理解されよう。示されるように、上面36は、シール44の場所および位置を示す凹部またはしるし(indicia)を有する。
【0030】
外側カバー30およびアレイ32の底面38は、使用の間、外側カバーおよびアレイが安定しおよび独立して(in a stand-alone manner)使用されることができるように、テーブルの上のような実質的に平坦な表面上に置くように構成される実質的に平坦な底を形成する。底面38は、外側カバー30および/またはアレイ32が直立姿勢に支持されるように、寸法を有する。底面38は、支持表面上に置かれたときに外側カバーの摺動移動(sliding movement)を抑制するための、テクスチャ表面または滑り止め材料(slip resistant material)の適当なコーティングを有し得る。1つの実施形態において、外側カバーは、操作者が片手を使用して針ハブ組立品をペン送達デバイスに接続して偶発的な針刺しのリスクを低減させ得るように、組立品を安定化させる。
【0031】
図18に示されるように、ウェル40およびウェル42は、互いから間隔が空けられており、および実質的に同一の深さを有して支持表面を形成する。接続部分46は、ウェル40とウェル42との間に直接的に延びる。1つの実施形態において、接続部分48はウェル40とウェル42との間に延び、および実質的にL字形状を有して、安定化構成を提供するのを手伝う。各接続部分46および48は、外側カバー30を直立姿勢に支持することのできる支持表面および底面を形成する寸法を持つように、ウェル40およびウェル42の高さに対応する高さを有する。接続部分46および48は、支持表面に置かれたときに、カバーのための安定化表面を形成するように、カバー30の底面38において底縁を有する。接続部分46、48の底端は、また、テクスチャ付け(textured)または滑り止め材料またはコーティングを有し得る。
【0032】
図2を参照して、外側カバー30内のウェル40は、針ハブ16および内側シールド24を独立型(stand-alone)組立品または包装として受け入れおよび支持するための寸法を有する。図5および図9に示されるように、ウェル40は、針ハブ16を受け入れるウェルを形成する実質的に環状または円形の側壁53を備える第1の部分50を有する。 示される実施形態において、針ハブ16は、ウェル40の第1の部分50の円形の側壁53と噛合する実質的に円筒形の側壁52を有する。1つの実施形態において、第1の部分50の側壁53は、格納の間および使用後に針ハブ16をウェル40内部に保持するための、側壁52の外面と係合するための形状および寸法を有する。1つの実施形態において、ウェル40の側壁52は、図9に示されるような、針ハブ16の外面を把握できる、長手方向に延びるリブ54を備えて形成され得る。リブ54は、送達デバイス10を針ハブ16上に螺着させるための外側カバー30に関する回転に抵抗するために針ハブ16の外壁52内に形成される凹部と係合するように、配向され得る。他の実施形態において、ウェル40の側壁53は、針ハブ16の外面52と係合するための漸進的なテーパ(gradual taper)を有する。上面36におけるウェル40の開放上端は、使用された針ハブをウェル40内に挿入するのを助けるための傾斜表面(inclined surface)を形成する面取りされた内部縁(inner edge)を有し得る。ウェル40の側壁53および/またはリブ54と針ハブ16の側壁52との間の係合力は、針ハブをウェル40内部に保持するための摩擦嵌合であり得る。他の実施形態において、係合力は、干渉嵌合または他の機械的接続によるものであり得る。
【0033】
円錐形状部分56は、図9示されるような第1の部分50の底端から長手方向延長部分58まで延びる。示される実施形態において、長手方向延長部分58は、底面38に開放底端60を有する。他の実施形態において、底端部分58は、閉鎖され得る。長手方向延長部分58は、内側シールド24をカニューレおよび針ハブを清潔なおよび滅菌状態に維持するための原配置(original arrangement)に受け入れるための形状および寸法を有する。長手方向延長部分58は、底面38に向かって集中する漸進的なテーパを有し得る。長手方向延長部分58は、針ハブ16が取り外されたときに内側シールドが針ハブ16に接続されたままであるように、内側シールドを捕捉することなく、内側シールドを受け入れる。
【0034】
第2のウェル42は、内側シールド24をペン針送達デバイス10から分離するために、内側シールドがウェル42内部に捕捉されおよび保持され得る方法で、内側シールド24を受け入れおよび係合するのに十分な寸法および形状を有する。図10に示されるように、ウェル42は、内壁62を備える長手方向の寸法および開放底端64を有する。示される実施形態において、内壁62は、上面36の上端の第1の実質的に円筒形の部分66および底面38に向かって集中する第2のテーパ状部分68を有する。テーパ状部分68は、ウェル42内に挿入されたときの内側シールド24の外面と係合するための把握面を形成する。上面36における第2のウェル42の開放上端は、内側シールド24をウェル42内に挿入するのを助けるための面取りされた内部縁を有する。
【0035】
外側カバー30は、使える状態となるまで格納され得る針組立品を形成するために、針ハブ16を包装された組立品として含有する。針ハブ16が使える状態となったとき、シール44は、外側カバー30および/または針ハブ16から剥離されて、ウェル40およびウェル40内に含有される針ハブ16を露出する。図2および図3は、個々の外側カバー30の各々から取り外されるシールを示すが、典型的には、シールは、物質を患者に注射するために針ハブが必要とされたときに、一度に一つずつ分離される。
【0036】
使用の間、図6から図8に示されるように、ペン針送達デバイス10は、送達デバイス10を針ハブ16に結合させるために、開放ウェル40の上方に位置付けられ、およびウェル40内に挿入される。1つの実施形態において、針ハブ16は、針ハブと外側カバーとの間の移動が限定された状態で送達デバイス10が針ハブ16に結合され得るように、ウェル40内に十分な力によって保持される。概して、送達デバイス10の結合機構は、当技術分野において知られているような針ハブ16の雌ねじと係合するねじ山付き端を有する。ウェル40は、針ハブ16が針ハブ16と外側カバー30との間の移動が限定された状態でウェル40内に保持されると同時に、送達デバイス10が針ハブ16上に螺着され得るように、針ハブ16と十分な力で係合する。
【0037】
送達デバイスが針ハブ16上に螺合された後、針ハブは、図9に示されるように、内側シールド24が取り付けられた状態でウェル40から引き出される。送達デバイス10は、次いで、図10および図11に示されるように、内側シールド24がウェル42と位置合わせされた状態で、第2のウェル42の上方に位置付けられる。内側シールド24は、次いで、図12に示されるように、第2のウェル42内に挿入され、そこで、ウェル42の側壁は、ペン針送達デバイス10がカバー30から引き離されるときに、内側シールド24がウェル42内部に保持されるように、内側シールドの外面と十分な力で係合する。このように、針ハブ16は、送達デバイス10に接続され得、および内側シールド24は、使用者がカバーまたは内側シールドに手を触れる必要なしに、およびカニューレに対する最小限の露出および偶発的な針刺しの最小限のリスクを伴って、針ハブ16のポストから分離され得る。図13に示される取り付けられた針ハブ16を備える送達デバイスは、物質を患者に注射および送達するために使える状態となっている。
【0038】
針ハブ16が使用された後、使用された針ハブを安全な方法で廃棄する必要がある。図14に示されるように、使用された針ハブ16は、送達デバイス10にまだ取り付けられている間に、ウェル40内に挿入し戻され、そこで針ハブ16は、使用された針ハブ16から送達デバイス10が分離されるのを可能にするために十分な力によって、把握される。本実施形態において、送達デバイス10は、針ハブ16から螺着解除され得る。送達デバイス10は、次いで、図16および図17に示されるように針ハブ16から分離される。図17に示されるように、使用された針ハブ16および内側シールド24は、使用後に、それぞれのウェル40および42内部に保持される。送達デバイス10は、次いで、清潔な、使用されていない針ハブ16に結合することによって、再び使用され得る。使用された針ハブ16および内側シールドを保持する外側カバー30は、次いで、安全な場所で廃棄され得る。針ハブ16は、好ましくは、適切な処分のために、外側カバーのウェル内部に保持される。それぞれの針ハブ16および内側シールド24を備える外側カバー30は、アレイ32から分離されおよび個々に廃棄され得る。あるいはまた、各針ハブは、使用されおよびそれぞれのウェルに戻され得、およびアレイは、全ての針ハブが使用されたときにユニットとして廃棄される。
【0039】
本明細書に記載される実施形態に対して本発明の範囲から逸脱することなく変更がなされてもよいことは当業者によって理解されよう。異なる実施形態および請求項の特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、互いに組み合わされてもよいことは、特に注意されたい。そのような変更および組み合わせの全ては、本発明の範囲内であるとみなされ、これは、添付の請求項およびそれらの等価物によって定義される。
【0040】
上述の実施形態および利点は、単に例示的であり、および本発明の範囲を限定するように解釈されるべきではない。本発明の例示の実施形態の記載は、例示的であることが意図され、および本発明の範囲を限定することは意図されない。様々な修正、変更、および変形は、当業者に明らかとなり、および本発明の範囲内に入ることが意図される。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18