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  • 特許-荷役車両 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】荷役車両
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/48 20060101AFI20230814BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
B60P1/48 A
B60P3/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020062675
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021160465
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 俊博
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-274849(JP,A)
【文献】特開2013-220765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/48
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延びるように車幅方向に所定の間隔を置いて配置され、車幅方向での断面形状で空間を取り巻く内面を有する左右一対のシャシフレームと、前記シャシフレーム上に搭載され、架装物が連結される左右一対のサブフレームと、該左右一対のサブフレームの後端部のそれぞれに固定され、上下方向に延びるとともに前記左右一対のシャシフレームの後端に対向位置する左右一対の垂下フレームと、該左右一対の垂下フレーム間に固定されるバンパと、を備えた荷役車両であって、
前記左右一対のシャシフレームの前記内面に前記左右一対の垂下フレームに対して対向するように固定された左右一対の固定部材と、該左右一対の固定部材と前記左右一対の垂下フレームとを車両前後方向から貫通して連結するための締結部材と、前記左右一対の垂下フレームのうちの少なくとも一方の垂下フレームとこれに対向する前記固定部材との間に配置され、両者間に発生する隙間を埋めるスペーサと、を備えていることを特徴とする荷役車両。
【請求項2】
前記スペーサには、前記締結部材を貫通可能な貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の荷役車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架装物の一例である荷役装置を用いて、例えば荷役対象物であるコンテナを、車台と地上との間で積み下ろす、又は車台上でダンプ(傾斜)させてコンテナ内の積み荷(収容物)を降ろすことができる荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
上記荷役車両は、車幅方向に所定の間隔を置いて車両前後方向に延びるように配置された左右一対のシャシフレーム(公報では、車体フレーム)と、前記シャシフレーム上に搭載され、荷役装置が連結される左右一対のサブフレーム(公報では、サブシャーシ)と、該左右一対のサブフレームの後端部にそれぞれ固定され、上下方向に延びる左右一対の垂下フレームと、該左右一対の垂下フレームに固定されるバンパと、を備えている。
【0003】
ここで、左右一対のシャシフレーム及び左右一対のサブフレームには、長さ寸法(車両前後方向の寸法)の製造誤差が生じることがある。また、左右一対のシャシフレーム同士が左右方向で連結されるとともに、左右一対のサブフレーム同士も左右方向で連結されるため、連結時にも車両前後方向に寸法誤差が生じることがある。このため、左右一対のシャシフレーム上に左右一対のサブフレームを搭載する際に、左右一方のシャシフレームの後端にシャシフレームと同一側の一方の垂下フレームの前面を隙間なく配置したとしても、左右他方のシャシフレームの後端とシャシフレームと同一側の他方の垂下フレームの前面との間に隙間が発生してしまう。
【0004】
そこで、垂下フレームの左右方向外側の側面に前側に延びる固定板を固定し、その固定板の前側部をシャシフレームの左右方向外側の側面に固定している。これにより、シャシフレームの後端と垂下フレームの前面との間に隙間が発生しても、バンパからの荷重を垂下フレームから固定板を介してシャシフレームに伝えることができるようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6386418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、シャシフレームとサブフレームとの連結は、シャシフレームに対して架装物を取り外し可能とするため、左右方向から締結部材であるボルトにより連結する場合がある。例えば、シャシフレームと固定板とを左右方向からボルト止めした場合に、バンパに荷重が加わると、垂下フレームに車両前後方向の荷重が加わり、その変位を受け止める固定板の荷重は、シャシフレームの左右側面と平行に加わる。このため、固定板とシャシフレームとを前記のように左右方向から連結しているボルトに前後方向のせん断力が加わり、ボルトが切断されてしまう虞がある。なお、固定板と垂下フレームとをボルトで固定している場合も、前記同様の虞がある。
【0007】
そこで本発明は、垂下フレームに車両前後方向の荷重が加わっても、締結部材が切断されることを抑制することができる荷役車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の荷役車両は、車両前後方向に延びるように車幅方向に所定の間隔を置いて配置され、車幅方向での断面形状で空間を取り巻く内面を有する左右一対のシャシフレームと、前記シャシフレーム上に搭載され、架装物が連結される左右一対のサブフレームと、該左右一対のサブフレームの後端部のそれぞれに固定され、上下方向に延びるとともに前記左右一対のシャシフレームの後端に対向位置する左右一対の垂下フレームと、該左右一対の垂下フレーム間に固定されるバンパと、を備えた荷役車両であって、前記左右一対のシャシフレームの前記内面に前記左右一対の垂下フレームに対して対向するように固定された左右一対の固定部材と、該左右一対の固定部材と前記左右一対の垂下フレームとを車両前後方向から貫通して連結するための締結部材と、前記左右一対の垂下フレームのうちの少なくとも一方の垂下フレームとこれに対向する前記固定部材との間に配置され、両者間に発生する隙間を埋めるスペーサと、を備えていることを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、シャシフレームの内面に固定された固定部材と垂下フレームとを車両前後方向から締結部材で貫通して連結することによって、バンパからの前後方向の荷重が締結部材の締結方向に伝わるため、締結部材にせん断力が加わることがない。また、垂下フレームとこれに対向する固定部材との間にスペーサを配置しているので、バンパから垂下フレームにかかる荷重が、締結部材とスペーサの両方を介して伝わるため、締結部材にかかる荷重をスペーサで分散できる。よって、垂下フレームに車両前後方向の荷重が加わっても、締結部材が切断されることを抑制することができる。
【0010】
また、本発明の荷役車両は、前記スペーサには、前記締結部材を貫通可能な貫通孔が形成されていてもよい。
【0011】
上記構成によれば、締結部材をスペーサの貫通孔を通すことによって、固定部材と垂下フレームとを連結する連結作業中に、スペーサが固定部材と垂下フレームとの間から不測に落下することを防止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、シャシフレームの内面に固定された固定部材と垂下フレームとを車両前後方向から締結部材で貫通して連結するとともに、垂下フレームとこれに対向する固定部材との間にスペーサを配置することによって、垂下フレームに車両前後方向の荷重が加わっても、締結部材が切断されることを抑制することができる荷役車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】コンテナを搭載した本発明の荷役車両の全体側面図である。
図2】シャシフレームと垂下フレームとの連結構造を示す車両後部の一部断面にした拡大図である。
図3】ジャッキ装置の側面図である。
図4図2におけるIV-IV線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る荷役車両について説明する。図1に示すように、荷役車両Vは、左右一対のシャシフレームF,F(図1では左側のみ図示)の前方に運転室Caを搭載し、シャシフレームF,Fの後方に左右一対のサブフレーム(荷役フレームともいう)1,1(図1では左側のみ図示)を搭載している。シャシフレームF,F及びサブフレーム1,1は、前後方向に長い縦フレームが左右方向に間隔を置いて配置され、かつ、車幅方向での断面形状で空間を取り巻く内面を有するように車幅方向(左右方向)内方が開口した断面形状コの字状に構成されている。これら2組の左右の縦フレーム同士それぞれが、左右方向に延びる横フレーム(図示せず)で連結されている。前記サブフレーム1上に、荷役対象物であるコンテナCtが搭載される。サブフレーム1,1の後部のそれぞれには、ジャッキ装置Dが設けられている。これらジャッキ装置Dは、コンテナCtを積み下ろしする作業時や積み込みする作業時の他、ダンプさせる作業時に、斜め前方に向いているジャッキ部5を手動により回転させて二点鎖線で示す垂直となる作業姿勢に姿勢変更させることによって、作業中に前輪が大きく浮き上がることがないように地上GRに荷役車両Vを安定させるためのものである。
【0015】
サブフレーム1,1の後端部には、図1に示すように、左右方向外側に突設される左右一対の案内ローラ2,2(図1では左側のみ図示)が回転自在に取り付けられている。これら案内ローラ2,2は、サブフレーム1,1上のコンテナCtを地上に降ろす際や、コンテナCtを地上からサブフレーム1,1上に搭載する際に、回転しながらコンテナCtを移動案内する。尚、コンテナCtを地上に降ろす又は地上からサブフレーム1,1上に搭載するために用いる荷役装置(架装物の一例)の具体的構成は、汎用のものであるため、説明は省略する。
【0016】
ジャッキ装置Dは、左右に設けられ、同一構成であるため、左側のジャッキ装置Dについて説明する。左側のジャッキ装置Dは、図2及び図3に示すように、左側のサブフレーム1の後端部の下面1Aに溶接により固定され、上下方向に延びる垂下フレーム3と、垂下フレーム3内に突出する着脱可能なピン4に当接することにより、図3に実線で示す前方斜め下方へ向いた傾斜姿勢(走行する時に格納される格納姿勢)に保持されるジャッキ部5と、を備えている。ピン4は、後述する左右の側部3C,3Dのうちの左右方向外側に位置する左側部3Cから外側に突出するT字状の操作レバー部6に連結されており、操作レバー部6を引き抜くことにより、ジャッキ部5の後壁5bが当接しないように、ピン4を垂下フレーム3の外部へ引き抜くことができる。
【0017】
ジャッキ部5は、それの上端部が垂下フレーム3の下部に横軸心X回りで揺動可能に取り付けられた脚部5Aと、脚部5Aの下端部に回転可能に取り付けられたローラ5Rと、を備えている。脚部5Aは、前壁5a、後壁5b、左右の壁5c,5dと、を備え、左右の壁5c,5dの左右方向外側に位置する壁5cの外面に、脚部5Aを横軸心X回りで揺動操作するためのコの字状の取っ手部7を備えている。コンテナCtを積み下ろしする作業時に、ジャッキ部5を格納姿勢(傾斜姿勢)から作業姿勢(垂直姿勢)に姿勢変更する場合には、取っ手部7を掴んだ状態で、ピン4にジャッキ部5の後壁5bが当接しないように、操作レバー部6を引き抜いた後、ジャッキ部5を回動させて作業姿勢(垂直姿勢、図3の2点鎖線参照)にする。続いて、引き抜いた操作レバー部6を持って、作業姿勢になったジャッキ部5に形成の貫通孔5Sと後述する垂下フレーム3の左側部3Cに形成の貫通孔3cとに亘るようにピン4を貫通させることによって、ジャッキ部5を作業姿勢に保持できる。
【0018】
各垂下フレーム3は、前後方向中間部から後方斜め下方に延びるように前後方向中間部で折り曲げられた板状の天側部3Aと、板状の前側部3B、板状の左右の側部3C,3D、板状の後側部3Eの4つの側部からなる平面視略四角形状に構成され、天板部3Aの前側部上端がサブフレーム1の後端部の下面1Aに当接した状態で溶接により固定される(図2参照)。この垂下フレーム3を固定したサブフレーム1をシャシフレームF上に載置すると、垂下フレーム3の前側部3Bの上側部がシャシフレームFの後端面fに対向する状態となる。この状態で後述する固定部材8に垂下フレーム3が締結部材であるボルト9により固定される。前側部3Bには、対向位置する後述する固定部材8の3個の貫通孔8Kの中心にそれぞれ一致するように3個の貫通孔3Kが上下方向に間隔を置いて形成されている。尚、垂下フレーム3がシャシフレームFよりも左右方向外側に突出する大きな左右幅を有しているため、図4に示すように、3個の貫通孔3Kが前側部3Bの左右方向内側寄りに形成される。また、前側部3Bの後面3bには、前記貫通孔3Kに対応する位置に該貫通孔3Kを貫通するボルト9の先端が螺合するナット10が溶接又は接着剤により固定されている(図2参照、図3では省略している)。また、前側部3Bの下側部は、前記ジャッキ部5を前方斜め下方に突出させるため、開放されている。左右一対の垂下フレーム3,3の後側部3Eの後面の下側部分のそれぞれに、左右方向に延びるバンパ11(図1及び図4参照)が固定されている。
【0019】
図4に示すように、各シャシフレームFの後端部(後端よりも少し前側部)の内面、つまり各シャシフレームFを構成する上板部12の内面12Aと、下板部13の内面13Aと、横板部14の内面14Aとに当接した状態で固定部材8を溶接している。固定部材8は、上下方向に長い縦長状の前後方向視において略長方形状の板部材から構成され、シャシフレームFに垂下フレーム3を連結するために用いられる。尚、固定部材8の4つのコーナー部のうちの左右方向一方側の上下のコーナー部が面取りされた面取り部8Rを備えており、シャシフレームFの2つのコーナー部の丸くなった内面に面取り部8R側を向けて固定部材8を配置することで、横板部14の内面14Aに固定部材8の外側面8Bを確実に当接させて、シャシフレームFの内部に固定部材8を確実に収まるように配置できる。固定部材8には、前記ボルト9を貫通させるための貫通孔8Kが、上下方向に間隔を置いて複数形成されている(図2では3個であるが、1個又は2個あるいは4個以上の任意の個数であってもよい)。
【0020】
図2及び図4に示すように、左右一対の垂下フレーム3,3とこれに対向する固定部材8,8との間にそれぞれ配置されて、両者間に発生する隙間を埋めるスペーサ15を備えている。これは、左右一対のシャシフレームF,F及び左右一対のサブフレーム1,1には、長さ寸法(車両前後方向の寸法)の製造誤差が生じることがあるだけでなく、左右一対のシャシフレームF,F同士が左右方向で連結されるとともに、左右一対のサブフレーム1,1同士も左右方向で連結されるため、組付時にも車両前後方向に寸法誤差が生じることがある。このため、左右一対のシャシフレームF,F上に左右一対のサブフレーム1,1を搭載する際に、左右一方のシャシフレームFの後端にシャシフレームFと同一側の一方の垂下フレーム3の前面を隙間なく配置したとしても、左右他方のシャシフレームFの後端とシャシフレームFと同一側の他方の垂下フレーム3の前面との間に隙間が発生してしまうため、該隙間を前記スペーサ15で埋めるためである。このスペーサ15は、固定部材8よりも一回り小さな外形を有しかつ固定部材8の後側面8Cに当接した状態においてシャシフレームFの後端よりも後側へ突出する前後方向の厚みを有する縦長状の略長方形状に構成されている。このように、シャシフレームFの後端面fよりも後側へスペーサ15の後端部が突出することにより、バンパ11からの衝撃力が垂下フレーム3にかかった場合に、垂下フレーム3の前側部3Bの前面3fが、コの字状のシャシフレームFの後端面fに当接するのではなく、スペーサ15の後面15Bの広い範囲で当接するので、バンパ11からの衝撃力で垂下フレーム3が変形しにくい。スペーサ15には、前記ボルト9が貫通する貫通孔15Kが上下方向に3個形成されている。これら3個の貫通孔15Kは、固定部材8にスペーサ15を配置した時に、3個の貫通孔15Kの中心が固定部材8の3個の貫通孔8Kの中心にそれぞれ一致するように形成されている。尚、スペーサ15の4つの角部のそれぞれには、面取りされた面取り部15R(図4参照)を備えている。
【0021】
サブフレーム1,1に固定された垂下フレーム3,3を、シャシフレームF,Fに固定された固定部材8,8にボルト9により連結する連結作業について説明する。まず、シャシフレームF,Fに、垂下フレーム3,3が取り付けられたサブフレーム1,1を載置する。これにより、各垂下フレーム3の前側部3Bの上部がシャシフレームFの後端面fに対向する状態となる。この状態で一方の垂下フレーム3の前側部3Bとこれに対向する一方の固定部材8との間にスペーサ15を配置する。このとき、スペーサ15の3個の貫通孔15Kと固定部材8の3個の貫通孔8Kと垂下フレーム3の3個の貫通孔3Kとが一致するように、スペーサ15及び垂下フレーム3を配置する。この状態において、3本のボルト9をそれぞれ、前方から固定部材8の貫通孔8K、スペーサ15の貫通孔15K、垂下フレーム3の前側部3Bの貫通孔3Kに貫通させてから、垂下フレーム3の前側部3Bの後面3bに備えたナット10にボルト9の先端部を螺合させることにより、一方の固定部材8とこれに対向する一方の垂下フレーム3とを車両前後方向からボルト9で連結することができる。引き続いて、前述同様に、他方の垂下フレーム3の前側部3Bとこれに対向する他方の固定部材8との間にスペーサ15を配置してから、他方の固定部材8と他方の垂下フレーム3とを車両前後方向からボルト9で連結することで、連結作業が完了する。
【0022】
前述のように、シャシフレームF,Fの内面に固定された固定部材8,8と垂下フレーム3,3とを車両前後方向から締結部材であるボルト9で連結することによって、バンパ11からの前後方向の荷重がボルト9の締結方向に伝わる。また、垂下フレーム3,3とこれに対向する固定部材8,8との間のそれぞれにスペーサ15を配置しているので、バンパ11から垂下フレーム3,3にかかる荷重が、ボルト9とスペーサ15の両方を介して伝わるため、ボルト9にかかる荷重をスペーサ15で分散できる。よって、垂下フレーム3に車両前後方向の荷重が加わっても、ボルト9が切断することを抑制することができる。
【0023】
また、ボルト9を固定部材8の貫通孔8K、スペーサ15の貫通孔15K、垂下フレーム3の貫通孔3Kに通してから、ボルト9の先端を垂下フレーム3の後面3bに備えたナット10に螺合するため、固定部材8と垂下フレーム3とを連結する連結作業中に、スペーサ15が固定部材8と垂下フレーム3との間から不測に落下することを防止できる。
【0024】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではない。本発明は、コンテナを搭載した荷役車両に適用した場合について説明したが、車台上でダンプ(傾斜)のみが行えるダンプ車、多段式の伸縮ブーム及びコンクリートポンプを搭載したコンクリート車等の各種の荷役車両であってもよい。
【0025】
上記実施形態では、スペーサ15を左右一対の垂下フレーム3,3とこれに対向する固定部材8,8との間にそれぞれ配置したが、スペーサ15を一方の垂下フレーム3とこれに対向する一方の固定部材8との間のみに配置してもよい。
【0026】
また、上記実施形態では、スペーサ15に締結部材であるボルト9を貫通させる貫通孔15Kを形成したが、貫通孔を省略して、垂下フレーム3とこれに対向する固定部材8との間にスペーサを挟み込んだ状態で実施してもよい。
【0027】
また、上記実施形態では、締結部材としてボルト9を用いたが、リベット、圧入ピン、ロックピン等を用いてもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、シャシフレームF,F及びサブフレーム1,1が、左右方向内方にのみ開口される断面形状コの字形状のものから構成したが、左右方向内方及び外方の両方に開口される断面形状I型又は断面形状ロの字(矩形状)のものであってもよい。
【符号の説明】
【0029】
1…サブフレーム、1A…下面、2…案内ローラ、3…垂下フレーム、3A…天側部、3A…天板部、3B…前側部、3C,3D…左右の側部、3E…後側部、3K…貫通孔、3b…後面、3c…貫通孔、3f…前面、4…ピン、5…ジャッキ部、5A…脚部、5R…ローラ、5S…貫通孔、5a…前壁、5b…後壁、5c,5d…左右の壁、6…操作レバー部、7…取っ手部、8…固定部材、8B…外側面、8C…後側面、8K…貫通孔、8R…面取り部、9…ボルト(締結部材)、10…ナット、11…バンパ、12…上板部、12A…内面、13…下板部、13A…内面、14…横板部、14A…内面、15…スペーサ、15B…後面、15K…貫通孔、15R…面取り部、Ca…運転室、Ct…コンテナ、D…ジャッキ装置、F…シャシフレーム、GR…地上、V…荷役車両、X…横軸心、f…後端面
図1
図2
図3
図4