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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】イオン検出器
(51)【国際特許分類】
   H01J 49/02 20060101AFI20230814BHJP
   H01J 43/24 20060101ALI20230814BHJP
   H01J 49/06 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
H01J49/02 500
H01J43/24
H01J49/06
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020101542
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021197235
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】小林 浩之
(72)【発明者】
【氏名】高塚 清香
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-073847(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0073548(US,A1)
【文献】特開平11-288684(JP,A)
【文献】特開2013-175440(JP,A)
【文献】米国特許第05326978(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0187057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 40/00-49/48
G01T 1/00-1/16
G01T 1/167-7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンの入射を受けて二次電子を発生させ、発生した前記二次電子を増倍しつつ出力するためのマイクロチャネルプレートと、
前記マイクロチャネルプレートの有効領域よりも狭い有効領域を有しており、前記マイクロチャネルプレートから出力された前記二次電子の入射を受け、入射した前記二次電子を増倍しつつ検出するための複数の電子衝撃型ダイオードと、
前記マイクロチャネルプレートと前記電子衝撃型ダイオードとの間に配置され、前記電子衝撃型ダイオードに向けて前記二次電子を集束するためのフォーカス電極と、
前記複数の電子衝撃型ダイオードのそれぞれに駆動電圧を印加する電圧供給部と、
を備え、
前記電圧供給部は、前記複数の電子衝撃型ダイオードのうちの少なくとも2つの前記電子衝撃型ダイオードのそれぞれに対して、互い異なる値の駆動電圧を印加することにより、互いのゲインを異ならせる、
イオン検出器。
【請求項2】
前記複数の電子衝撃型ダイオードのそれぞれの前記有効領域は、前記フォーカス電極による前記二次電子の集束範囲に含まれる、
請求項1に記載のイオン検出器。
【請求項3】
前記電子衝撃型ダイオードは、前記電子衝撃型ダイオードにおける二次電子の入射方向からみて、前記有効領域と、前記有効領域の周囲に位置する非有効領域と、を含み、
前記入射方向からみたとき、前記有効領域は前記非有効領域の中心に対して少なくとも一方向に偏在しており、
少なくとも2つの前記電子衝撃型ダイオードは、前記有効領域の偏在する側が隣り合うように配置されている、
請求項1又は2に記載のイオン検出器。
【請求項4】
前記フォーカス電極と前記電子衝撃型ダイオードとの間に配置され、少なくとも1つの前記電子衝撃型ダイオードに入射する前記二次電子の一部を遮蔽するマスクを備える、
請求項1~3のいずれか一項に記載のイオン検出器。
【請求項5】
前記マスクは、前記電子衝撃型ダイオードの電子入射面に形成されている、
請求項4に記載のイオン検出器。
【請求項6】
前記マスクは、前記電子衝撃型ダイオードの電子入射面から離間して配置されている、
請求項4に記載のイオン検出器。
【請求項7】
前記フォーカス電極と前記電子衝撃型ダイオードのとの間に配置され、前記電子衝撃型ダイオードの二次電子の入射方向からみて、前記複数の電子衝撃型ダイオードの有効領域よりも広い開口が形成されたカバーを備え、
前記マスクは、前記開口に設けられている、
請求項6に記載のイオン検出器。
【請求項8】
前記電圧供給部は、少なくとも2つの前記電子衝撃型ダイオードに対して、相対的に高いゲインの前記電子衝撃型ダイオードの検出範囲と、相対的に低いゲインの前記電子衝撃型ダイオードの検出範囲とが、互いに重複する重複範囲を有するように、前記駆動電圧を印加する、
請求項1~7のいずれか一項に記載のイオン検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン検出器に関する。本発明に係るイオン検出器は、例えば、質量分析において用いられ得る。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、質量分析計が開示されている。この質量分析計は、イオンビームに起因して二次電子を発生させる一対のミクロチャンネルプレートと、ミクロチャンネルプレートで発生した二次電子の一部を検出する第一アノードと、第一アノードの後段に配置され、ミクロチャンネルプレートで発生して第一アノードのパーフォレーションを通過した二次電子を検出する第二アノードと、を備えている。
【0003】
特許文献2には、従来のイオン検出器が開示されている。この従来のイオン検出器は、重なり合った2つのマイクロチャネルプレートと、マイクロチャネルプレートから出射された二次電子の大部分を検出する第1集電アノードと、マイクロチャネルプレートから出射された二次電子の残部を検出する第2集電アノードと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4869526号
【文献】特許第4848363号
【文献】特開2017-16918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された質量分析計では、第一アノードの全横断面積に対するパーフォレーションの横断面積の比を、入射する二次電子ビームに対し特定の程度のアテニュエーションを与えるように選択することにより、ダイナミックレンジの増大を図っている。また、特許文献2に記載されたイオン検出器では、2つの異なるサイズの第1集電アノード及び第2集電アノードを用いることにより、ダイナミックレンジの拡大を図っている。このように、上記技術分野にあっては、ダイナミックレンジの拡大が望まれている。
【0006】
一方、特許文献3には、荷電粒子の入射に応じて二次電子を出射するマイクロチャネルプレートと、マイクロチャネルプレートから出射された二次電子を集束するためのフォーカス電極と、集束された二次電子の入射を受けて、二次電子を増倍して検出する電子衝撃型ダイオードと、を備える荷電粒子検出器が記載されている。このような構成の荷電粒子検出器についても、上記のようにダイナミックレンジを拡大することが望ましい。
【0007】
そこで、本発明は、ダイナミックレンジを拡大可能なイオン検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るイオン検出器は、イオンの入射を受けて二次電子を発生させ、発生した二次電子を増倍しつつ出力するためのマイクロチャネルプレートと、マイクロチャネルプレートの有効領域よりも狭い有効領域を有しており、マイクロチャネルプレートから出力された二次電子の入射を受け、入射した二次電子を増倍しつつ検出するための複数の電子衝撃型ダイオードと、マイクロチャネルプレートと電子衝撃型ダイオードとの間に配置され、電子衝撃型ダイオードに向けて二次電子を集束するためのフォーカス電極と、複数の電子衝撃型ダイオードのそれぞれに駆動電圧を印加する電圧供給部と、を備え、電圧供給部は、複数の電子衝撃型ダイオードのうちの少なくとも2つの電子衝撃型ダイオードのそれぞれに対して、互い異なる値の駆動電圧を印加することにより、互いのゲインを異ならせる。
【0009】
このイオン検出器は、マイクロチャネルプレート、フォーカス電極、及び、電子衝撃型ダイオードを含む構成である。上述したように、このような構成のイオン検出器にあっても、ダイナミックレンジの拡大が望まれている。そこで、このイオン検出器では、複数の電子衝撃型ダイオードに駆動電圧を付与する電圧供給部が、少なくとも2つの電子衝撃型ダイオードのそれぞれに対して、互い異なる値の駆動電圧を印加することにより、互いのゲインを異ならせる。これにより、例えば、入射イオン数が少ない場合には、相対的にゲインの高い電子衝撃型ダイオードによる検出を採用すると共に、入射イオン数が多い場合には、相対的にゲインの低い電子衝撃型ダイオードによる検出を採用することによって、入射イオン数の広い範囲において好適な検出結果を得ることが可能となる。すなわち、このイオン検出器によれば、ダイナミックレンジを拡大可能である。
【0010】
本発明に係るイオン検出器では、複数の電子衝撃型ダイオードのそれぞれの有効領域は、フォーカス電極による二次電子の集束範囲に含まれてもよい。この場合、複数の電子衝撃型ダイオードの有効領域に一様に二次電子を入射させることが可能となる。
【0011】
本発明に係るイオン検出器では、電子衝撃型ダイオードは、電子衝撃型ダイオードにおける二次電子の入射方向からみて、有効領域と、有効領域の周囲に位置する非有効領域と、を含み、入射方向からみたとき、有効領域は非有効領域の中心に対して少なくとも一方向に偏在しており、少なくとも2つの電子衝撃型ダイオードは、有効領域の偏在する側が隣り合うように配置されていてもよい。この場合、電子衝撃型ダイオードの有効領域をより近接して配置することにより、デッドスペースを削減できる。
【0012】
本発明に係るイオン検出器は、フォーカス電極と電子衝撃型ダイオードとの間に配置され、少なくとも1つの電子衝撃型ダイオードに入射する二次電子の一部を遮蔽するマスクを備えてもよい。このように、入射イオンのゲインの制御に際して、マスクを用いてもよい。
【0013】
本発明に係るイオン検出器では、マスクは、電子衝撃型ダイオードの電子入射面に形成されていてもよいし、電子衝撃型ダイオードの電子入射面から離間して配置されていてもよい。
【0014】
本発明に係るイオン検出器は、フォーカス電極と電子衝撃型ダイオードのとの間に配置され、電子衝撃型ダイオードの二次電子の入射方向からみて、複数の電子衝撃型ダイオードの有効領域よりも広い開口が形成されたカバーを備え、マスクは、開口に設けられていてもよい。この場合、カバーに対してチャージアップ防止の機能を持たせつつ、マスクを構成できる。
【0015】
本発明に係るイオン検出器では、電圧供給部は、少なくとも2つの電子衝撃型ダイオードに対して、相対的に高いゲインの電子衝撃型ダイオードの検出範囲と、相対的に低いゲインの電子衝撃型ダイオードの検出範囲とが、互いに重複する重複範囲を有するように、駆動電圧を印加してもよい。この場合、重複範囲を利用して、当該2つの電子衝撃型ダイオードのキャリブレーションを行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ダイナミックレンジを拡大可能なイオン検出器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一実施形態に係るイオン検出器を示す図である。
図2図2は、図1に示されたイオン検出器を部分的に拡大して示す図である。
図3図3は、図1,2に示されたイオン検出器の一例を示す模式的な回路図である。
図4図4は、図1~3に示されたイオン検出器の作用・効果を説明するためのグラフである。
図5図5は、変形例に係るイオン検出器の模式的な回路図である。
図6図6は、別の変形例に係るイオン検出器の模式的な回路図である。
図7図7は、電子衝撃型ダイオードの変形例に係る平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、一実施形態に係るイオン検出器について説明する。各図の説明において、同一又は相当する要素には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
【0019】
図1は、一実施形態に係るイオン検出器を示す図である。図1の(a)は、全体の断面図であり、図1の(b)は図1の(a)に示された電子衝撃型ダイオードの平面図である。図1に示されるように、イオン検出器1は、第1ユニット100と第2ユニット200とを備えている。第1ユニット100は、マイクロチャネルプレート(MCP110)と、電子レンズ120と、メッシュ電極130と、を有する。イオン検出器1は、例えば、質量分析において用いられ得る。
【0020】
MCP110は、入力面110aと、入力面110aの反対側の出力面110bと、を有する円形板状を呈している。MCP110は、入力側電極111と出力側電極112とで把持されている。MCP110は、一例として、鉛ガラスを主成分とする薄型円盤状の構造体である本体を含み、本体には、円環状の外周部を除いて厚さ方向(入力面110aから出力面110bに向かう方向)に沿って延びた複数の貫通孔であるチャネルが形成されている。また、入力面110aの外周部、及び、出力面110bの外周部には、電極が形成されている。
【0021】
MCP110は、入力面110aからイオンの入射を受けて二次電子を発生させ、発生した二次電子を増倍しつつ出力面110bから出力するためのものである。MCP110におけるゲインは、MCP110の厚さに対応するチャネル長さとチャネル径との比と、材料固有の二次電子放出係数によって決定されるものであり、例えば1~10程度(例えば200)である。
【0022】
入力側電極111及び出力側電極112には、開口A1が形成されている。開口A1は、入力面110a及び出力面110bに直交すると共にMCP110の中心をとおる基準軸Axを中心とする円形に形成されている。開口A1は、MCP110の有効領域110Pを規定する。すなわち、基準軸Axに沿った方向からみて、MCP110における開口A1から露出した領域がMCP110の有効領域110Pとして規定される。
【0023】
電子レンズ120は、MCP110における出力面110b側に配置されている。電子レンズ120は、それぞれが基準軸Axを取り囲むように配置された一対のフォーカス電極121,122を含む。フォーカス電極121,122は、基準軸Axを中心とする円筒状に形成されている。フォーカス電極121は、絶縁スペーサを介してメッシュ電極130に固定され、フォーカス電極122は、絶縁スペーサを介してフォーカス電極121に固定されている。すなわち、メッシュ電極130は、MCP110と電子レンズ120(フォーカス電極121)との間に配置されている。
【0024】
メッシュ電極130は、グランド電位に設定されており、MCP110の出力面110b付近に存在する電子を電子レンズ120側へ引き出すように機能する。フォーカス電極121,122は、MCP110と後述する電子衝撃型ダイオードとの間に配置され、MCP110から出力された二次電子を電子衝撃型ダイオードに向けて集束するためのものである。
【0025】
図2は、図1に示されたイオン検出器を部分的に拡大して示す図である。図2の(a)は、図1の(a)の領域ARの拡大図であり、図2の(b)は領域ARの部分的な側面図である。図1,2に示されるように、第2ユニット200は、フォーカス電極122におけるMCP110と反対側に設けられている。第2ユニット200は、カバー210と、複数(ここでは2つ)の電子衝撃型ダイオード220A,220Bと、を有する。
【0026】
電子衝撃型ダイオード220A,220Bは、シングルチャネルの素子である。電子衝撃型ダイオード220A,220Bは、それぞれ、MCP110から出力され、フォーカス電極121,122によって集束された二次電子の入射を受け、入射した二次電子を増倍しつつ検出するためのものである。電子衝撃型ダイオード220A,220Bは、例えばアバランシェダイオードである。この場合、電子衝撃型ダイオード220A,220Bのゲインは、例えば、電子衝突ゲインにおいて100~800(例えば400)、アバランシェゲインにおいて1~10(例えば50)である。これにより、イオン検出器1のトータルゲインは、例えば10程度(一例として2×10)である。
【0027】
電子衝撃型ダイオード220Aは、基板203Aに搭載されている。基板203Aは、絶縁スペーサ201を介してフォーカス電極122に取り付けられ、イオン検出器1の底部を構成するベース202に固定されている。電子衝撃型ダイオード220Bは、同様にベース202に固定された基板203Bに搭載されている。
【0028】
電子衝撃型ダイオード220Aは、MCP110及びフォーカス電極121,122側に臨み、二次電子の入射を受ける電子入射面200Aを含む。電子衝撃型ダイオード220Aは、二次電子の入射方向(基準軸Axに沿った方向)からみて、電子入射面200Aの中心に位置し、電子を検出する有効領域221Aと、有効領域221Aの周囲に位置し、例えばマスクによって覆われて電子を検出しない非有効領域222Aと、を含む。
【0029】
電子衝撃型ダイオード220Bは、MCP110及びフォーカス電極121,122側に臨み、二次電子の入射を受ける電子入射面200Bを含む。電子衝撃型ダイオード220Bは、二次電子の入射方向(基準軸Axに沿った方向)からみて、電子入射面200Bの中心に位置し、電子を検出する有効領域221Bと、有効領域221Bの周囲に位置し、例えばマスクに覆われて電子を検出しない非有効領域222Bと、を含む。電子衝撃型ダイオード220A,220Bの有効領域221A,221Bは、MCP110の有効領域110Pよりも狭い。電子衝撃型ダイオード220A,220Bのそれぞれの有効領域221A,221Bは、電子入射面200A,200Bにおけるフォーカス電極121,122による二次電子の集束範囲に含まれている。
【0030】
電子衝撃型ダイオード220A,220Bは、ここでは、基準軸Axを中心として対称的に配置されている。より具体的には、一対の電子衝撃型ダイオード220A,220Bは、互いの電子入射面200A,200Bによって(或いは電子入射面200A,200Bを延長した平面によって)MCP110と反対側に凸となる角部が形成されるように配置され、基板203A,203Bを介してベース202に支持されている。ここでは、電子入射面200A,200Bによって形成される角部は、基準軸Axを頂点とする。なお、ここでは、電子衝撃型ダイオード220A,220Bを搭載する基板203A,203B自体が、MCP110と反対側に凸となる角部を形成するように傾斜している。
【0031】
これにより、例えば、電子衝撃型ダイオード220A,220Bを電子入射面200A,200Bが同一平面上に位置するように配置した場合と比較して、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの有効領域221A,221Bの間の距離DAが短縮される。すなわち、有効領域221A,221Bが近接配置される。
【0032】
一方、電子衝撃型ダイオード220Aには、二次電子の検出信号を出力するための出力端子223A(出力ポート(同軸コネクタ))が設けられている。出力端子223Aは、基板203Aにおける電子衝撃型ダイオード220Aが設けられた面と反対側の面から突出して延在している。また、電子衝撃型ダイオード220Bには、同様の目的の出力端子223B(出力ポート(同軸コネクタ))が設けられている。出力端子223Bは、基板203Bにおける電子衝撃型ダイオード220Bが設けられた面と反対側の面から突出して延在している。
【0033】
そして、出力端子223A,223B(出力端子223A,223Bの延在方向の延長線)は、電子入射面200A,200B、及び、MCP110側に凸となる角部を形成するように配置されている。ここでは、電子入射面200A,200Bによって形成される角部と、出力端子223A,223Bによって形成される角部とは、互いに逆方向に凸となっている。
【0034】
カバー210は、フォーカス電極122と電子衝撃型ダイオード220A,220Bとの間に配置されており、例えば絶縁スペーサ201等を介してフォーカス電極122とベース202とに挟持されている。カバー210には、基準軸Axを中心とする開口A2が形成されている。電子衝撃型ダイオード220A,220Bにおける二次電子の入射方向からみて、開口A2は、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの有効領域221A,221Bよりも広い。特に、開口A2は、有効領域221A,221Bが並ぶ方向を長手方向とする長穴である。これにより、有効領域221A,221Bは、電子衝撃型ダイオード220A,220Bにおける二次電子の入射方向からみて、開口A2から露出される。なお、開口A2は、開口A1よりも狭い。カバー210は、例えば、ステンレス鋼から構成される。
【0035】
引き続いて、イオン検出器1の電気的な接続関係について説明する。図3は、図1,2に示されたイオン検出器の一例を示す模式的な回路図である。図3に示されるように、イオン検出器1は、主要部と電圧供給回路とを備える。主要部は、上述した第1ユニット100及び第2ユニット200から構成される。第1ユニット100において、MCP110の入力面110aと出力面110bとの間の抵抗値は、例えば10MΩとされる。メッシュ電極130は、抵抗R1と抵抗R2との間に接続されており、抵抗R2を介してグランド電位GNDに接続されている。フォーカス電極121は、MCP110の出力面110bと同電位に設定される。フォーカス電極122は、抵抗R3を介してマイナス電位に接続される。
【0036】
第2ユニット200において、電子衝撃型ダイオード220Aは、抵抗R4を介してマイナス電位に接続された一方の端子と、容量C1を介してグランド電位GNDに接続された他方の端子と、を備える。電子衝撃型ダイオード220Aの検出信号は、出力端子223Aに接続された信号線500Aから取り出される。電子衝撃型ダイオード220Bは、抵抗R5を介してマイナス電位に接続される一方の端子と、容量C2を介してグランド電位GNDに接続される他方の端子と、を備える。電子衝撃型ダイオード220Bの検出信号は、出力端子223Bに接続された信号線500Bから取り出される。
【0037】
電圧供給回路は、電源部300及び電源部(電圧供給部)400を含む。電源部300は、端子T1を介してMCP110の入力面110aの電位を設定するための電源V1と、MCP110の出力面110bに接続された端子T2と端子T1との間に所定の電位差を確保するための電源V2と、を含む。電源V1は、グランド電位GNDと端子T1との間に配置され、端子T1の電位を例えば-7kVに設定するための起電力を生じさせる。電源V2は、入力面110aと出力面110bとの電位差として、例えば0~3.5kV程度の電位差を確保するように起電力を生じさせる。
【0038】
電源部400は、端子T3及び抵抗R4を介して電子衝撃型ダイオード220Aの一方の端子に接続される電源V3と、端子T4及び抵抗R5を介して電子衝撃型ダイオード220Bの一方の端子に接続される電源V4と、を含む。電源V3は、グランド電位GNDと端子T3との間に配置され、端子T3の電位を例えば350Vに設定するための起電力を生じさせる。電源V4は、グランド電位GNDと端子T4との間に配置され、端子T4の電位を、端子T3の電位と異なる電位であって、例えば250Vに設定するための起電力を生じさせる。
【0039】
つまり、電源部400は、電子衝撃型ダイオード220A,220Bのそれぞれに駆動電圧を印加するためのものであり、電子衝撃型ダイオード220A,220Bのそれぞれに対して、互い異なる値の駆動電圧を印加することにより、互いのゲインを異ならせる。電子衝撃型ダイオード220A,220Bのゲインの差は、例えば10倍程度である。このように、イオン検出器1では、MCP110から出射された二次電子が、フォーカス電極121,122で集束されつつ、ゲインの異なる複数(ここでは2つ)の電子衝撃型ダイオード220A,220Bに入力されることとなる。
【0040】
引き続いて、イオン検出器1の作用・効果について説明する。図4は、図1~3に示されたイオン検出器の作用・効果を説明するためのグラフである。図4の(a)は、1つの電子衝撃型ダイオードを用いた場合(或いは、複数の電子衝撃型ダイオードを同一のゲインで用いた場合)の例である。この場合には、ゲインが相対的に高い場合(ラインL1)では、イオン検出器に多量のイオンが入射すると(入射イオン数が大きくなると)、検出器の飽和又はディジタイザでのオーバーレンジが生じる。一方、この場合には、ゲインが相対的に低い場合(ラインL2)、シングルイオンの検出が困難となる。したがって、ゲインを変更しながら複数回の測定が必要となる。
【0041】
これに対して、図4の(b)に示されるように、本実施形態に係るイオン検出器1では、入射イオン数が小さい場合には、相対的に高いゲインの電子衝撃型ダイオードの検出信号(ラインL3)を利用してシングルイオンを好適に検出可能であると共に、入射イオン数が大きい場合には、相対的にゲインが低く、飽和する入射イオン数の上限が大きい電子衝撃型ダイオードの検出信号(ラインL4)を利用して、検出器の飽和の影響を低減できる。つまり、イオン検出器1によれば、ダイナミックレンジの拡大が図られる。
【0042】
なお、イオン検出器1では、電源部400が、電子衝撃型ダイオード220A,220Bに対して、相対的に高いゲインの電子衝撃型ダイオードの検出範囲(ここでは入射イオン数1~1000程度の範囲)と、相対的に低いゲインの電子衝撃型ダイオードの検出範囲(ここでは入射イオン数10~10000程度の範囲)とが、互いに部分的に重複する重複範囲Sを有するように、駆動電圧を印加する。
【0043】
重複範囲Sは、相対的に低いゲインの電子衝撃型ダイオードの検出可能な入射イオン数の下限(ここでは10程度)と、相対的に高いゲインの電子衝撃型ダイオードの検出可能な入射イオン数の上限(ここでは1000程度)との間の範囲である。このような重複範囲Sを設けることにより、当該重複範囲Sを利用して、互いにゲインの異なる電子衝撃型ダイオードのキャリブレーションを行うことが可能となる。
【0044】
以上説明したように、イオン検出器1は、MCP110、フォーカス電極121,122、及び、電子衝撃型ダイオード220A,220Bを含む構成である。このような構成のイオン検出器1にあっても、ダイナミックレンジの拡大が望まれている。そこで、このイオン検出器1では、電源部400が、2つの電子衝撃型ダイオード220A,220Bのそれぞれに対して、互い異なる値の駆動電圧を印加することにより、互いのゲインを異ならせる。これにより、例えば、入射イオン数が少ない場合には、相対的にゲインの高い電子衝撃型ダイオードによる検出を採用すると共に、入射イオン数が多い場合には、相対的にゲインの低い電子衝撃型ダイオードによる検出を採用することによって、入射イオン数の広い範囲において好適な検出結果を得ることが可能となる。すなわち、このイオン検出器1によれば、ダイナミックレンジを拡大可能である。なお、イオン検出器1では、このようにゲインの異なる複数の電子衝撃型ダイオードを用いるに際して、シングルチャネルの素子を複数用いることにより、マルチチャネルの素子を用いる場合と比較してクロストークを抑制できる。
【0045】
また、イオン検出器1では、電子衝撃型ダイオード220A,220Bのそれぞれの有効領域221A,221Bは、フォーカス電極121,122による二次電子の集束範囲に含まれている。このため、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの有効領域221A,221Bに一様に二次電子を入射させることが可能である。
【0046】
また、イオン検出器1では、一対の電子衝撃型ダイオード220A,220Bが、互いの電子入射面200A,200BによってMCP110と反対側に凸となる角部が形成されるように配置されている。このため、互いの電子入射面200A,200Bが同一平面上に配置される場合と比較して、互いの有効領域221A,221Bをより近接して配置可能である。
【0047】
なお、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの有効領域221A,221Bをより近接して配置することにより、フォーカス電極121,122による二次電子の集束径内に有効領域221A,221Bを含ませることが可能となり、或いは、フォーカス電極121,122によってより狭い範囲に二次電子を集束することが可能となり、ひいては、入射イオンのトータルゲインを確実に確保することが可能となる。
【0048】
また、イオン検出器1は、フォーカス電極121,122と電子衝撃型ダイオード220A,220Bのとの間に配置され、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの二次電子の入射方向からみて、有効領域221A,221Bよりも広い開口A2が形成されたカバー210を備えている。このため、カバー210によってチャージアップの防止が図られる。
【0049】
また、イオン検出器1では、開口A2は、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの有効領域221A,221Bが並ぶ方向を長手方向とする長穴である。このため、上記のように有効領域221A,221Bがより近接配置された一対の電子衝撃型ダイオード220A,220Bに対して、カバー210の長穴を介して好適に二次電子を入射させることができる。
【0050】
さらに、イオン検出器1では、電子衝撃型ダイオード220A,220Bのそれぞれには、電子入射面200A,200Bと反対側において、検出信号を出力するための出力端子223A,223Bが設けられている。そして、出力端子223A,223Bは、電子入射面200A,200B側に凸となる角部を形成するように配置されている。上記のように一対の電子衝撃型ダイオード220A,220Bの有効領域221A,221Bを近接配置する場合には、このように出力端子223A,223Bを配置することができる。
【0051】
以上の実施形態は、本発明に係るイオン検出器の一例を示したものである。したがって、本発明に係るイオン検出器は、上述したものを任意に変形したものとされ得る。引き続いて、変形例について説明する。
【0052】
図5は、変形例に係るイオン検出器の模式的な回路図である。図5に示されるように、イオン検出器1Aは、イオン検出器1と比較して、電源部400に代えて電源部400Aを備える点においてイオン検出器1と相違しており、他の点でイオン検出器1と一致している。電源部(電圧供給部)400Aは、抵抗R6、端子T3、及び、抵抗R4を介して電子衝撃型ダイオード220Aの一方の端子に接続されると共に、抵抗R7、端子T4、及び、抵抗R5を介して電子衝撃型ダイオード220Bの一方の端子に接続される単一の電源V5を含む。また、電源部400Aは、抵抗R6とグランド電位GNDとの間に介在されたツェナーダイオードD1と、抵抗R7とグランド電位GNDとの間に介在されたツェナーダイオードD2と、を含む。
【0053】
このような電源部400Aによっても、例えば抵抗R6と抵抗R7との抵抗値の相対的な関係を調整することによって、2つの電子衝撃型ダイオード220A,220Bのそれぞれに対して、互い異なる値の駆動電圧を印加し、互いのゲインを異ならせることができる。また、イオン検出器1にあっては、ツェナーダイオードD1,D2を用いることで、1つの電源V5によって2つの電子衝撃型ダイオード220A,220Bに電圧を供給できる。
【0054】
図6は、別の変形例に係るイオン検出器の模式的な回路図である。図6に示されるように、イオン検出器1Bは、電圧供給回路として電源部600を含む。電源部600では、電源V1が、端子T1を介してMCP110の入力面110aに接続されている。電源V1は、イオン検出器1Bをフローティングするための機能を有する。電源部600は、電源V6及び電源V7を有している。電源V6は、入力面110aに接続された端子T1と出力面110bに接続された端子T2との間に介在されている。電源V6は、MCP110に電圧(例えば0V~1000V)を印加するためのものである。電源V7は、端子T2と端子T3との間に介在されている。電源V7は、MCP110よりも後段のフォーカス電極121,122や電子衝撃型ダイオード220A,220Bに電圧(例えば3kV~7kV)を供給するためのものである。
【0055】
また、抵抗R1,R2は、メッシュ電極130及びフォーカス電極121,122に電位を供給するためのブリーダー抵抗となる。容量C1,C2は、高速信号がグランド電位GNDを介して電子衝撃型ダイオード220A,220Bの他方の端子まで低インピーダンスで戻り得るループを形成している。容量C1,C2と抵抗R4,R5とは、ローパスフィルタを構成しており、電源のノイズを除去する機能を有する。抵抗R3は、フォーカス電極122とグランド電位GNDとのカップリングを防ぐための機能を有する。
【0056】
容量C3は、電子衝撃型ダイオード220Aの出力端子223Aに接続された信号線500Aに設けられており、容量C4は、電子衝撃型ダイオード220Bの出力端子223Bに接続された信号線500Bに設けられている。容量C3,C4は、カップリングコンデンサであり、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの他方の端子の電位を保ちながら高周波信号を通す。信号線500Aにおける容量C3の前段には、抵抗R9が接続されている。また信号線500Bにおける容量C4の前段には、抵抗R10が設けられている。
【0057】
抵抗R9,R10は、ブロッキング抵抗であって、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの一方の端子に電位を与えながら、信号が電源部600に戻ることを防ぐ機能を有する。抵抗R2と抵抗R9,R10との間には、それぞれ、ツェナーダイオードD3が設けられたラインと、抵抗R8及びツェナーダイオードD4が設けられたラインとが形成されている。抵抗R8は、ツェナーダイオードD3,D4の間の電位差を吸収するための機能を有する。
【0058】
イオン検出器は、正負のイオンを検出する場合にはフローティングされる。その際、ツェナーダイオードD3,D4を用いることにより、電源を増やすことなく、電子衝撃型ダイオード220A,220Bに電圧を供給することができる。例えば、ツェナーダイオードD3として350Vのものを、ツェナーダイオードD4に250Vのものを使用すれば、電子衝撃型ダイオード220A,220Bに互いに異なる電圧を付与できる。
【0059】
ここで、図7の(a)に示されるように、イオン検出器1~1Bでは、電子衝撃型ダイオード220A,220Bの一部を切除することにより、有効領域221A,221Bをより近接して配置することができる。ここでは、二次電子の入射方向からみたときの電子衝撃型ダイオード220A,220Bの互いに対向する一対の辺の長さを短縮するように、非有効領域222A,222Bの一部を切除する。
【0060】
これにより、電子衝撃型ダイオード220A,220Bでは、二次電子の入射方向からみたとき、有効領域221A,221Bが非有効領域222A,222Bの中心に対して一方向(切除した側)に偏在されることとなる。したがって、2つの電子衝撃型ダイオード220A,220Bを、当該有効領域221A,221Bの偏在する側が隣り合うように配置することにより、有効領域221A,221Bをより近接して配置することが可能となる。
【0061】
また、図7の(b)に示されるように、イオン検出器1~1Bは、複数の電子衝撃型ダイオードのうちの少なくとも1つの電子衝撃型ダイオード(ここでは電子衝撃型ダイオード220B)に入射する二次電子の一部を遮蔽するマスクMを備えることができる。マスクMは、フォーカス電極122と電子衝撃型ダイオード220Bとの間の任意の位置に配置され得る。一例として、マスクMは、電子衝撃型ダイオード220Bの電子入射面200Bに形成され得る。この場合、マスクMは、例えば電子衝撃型ダイオード220Bのプロセス後に電子入射面200Bとなる表面にAlを蒸着することによる成膜や、プロセス中に電子衝撃型ダイオード220の電子入射面200Bとなる表面側からのイオン注入による成膜等によって形成され得る。
【0062】
一方、マスクMは、電子入射面200Bから離間して配置されてもよい。この場合、マスクMは、例えば、フォーカス電極121,122によって集束された二次電子の電子衝撃型ダイオード220Bに向かう軌道上にメッシュを設けることによって形成されてもよい。また、この場合、マスクMは、カバー210の開口A2に設けられていてもよい。
【0063】
さらには、複数の電子衝撃型ダイオードのうちの少なくとも1つを、その有効領域の一部が二次電子の集束径の外側に位置するようにシフトして配置することにより、当該電子衝撃型ダイオードへの二次電子の入射量を制御してもよい。
【0064】
以上のように、イオン検出器1~1Bでは、複数の電子衝撃型ダイオードのうちの少なくとの2つの電子衝撃型ダイオードのゲインを互いに異ならせる方法として、駆動電圧を異ならせる方法、マスクを用いて二次電子を遮蔽する方法、及び、有効領域をシフトさせて入射する二次電子の量を調整する方法を、任意の組み合わせで採用することができる。すなわち、一例として、ある一対の電子衝撃型ダイオードに対して上記の方法のうちのある1つの方法を適用しつつ、別の一対の電子衝撃型ダイオードに対して上記の方法の別の方法を適用してもよい。また、上位の方法を任意に適用し、3つ以上の電子衝撃型ダイオードのゲインを互いに異ならせてもよい。
【0065】
さらには、イオン検出器1~1Bでは、複数の電子衝撃型ダイオードのうちの少なくとの2つの電子衝撃型ダイオードのゲインを互いに異ならせる観点からは、図2の(b)に示されるような、一対の電子衝撃型ダイオード220A,220Bを、互いの電子入射面200A,200BによってMCP110と反対側に凸となる角部が形成されるように配置する構成は必須ではない。また、イオン検出器1~1Bでは、有効領域210A,210Bをより近接配置する観点からは、少なくとも2つの電子衝撃型ダイオードのゲインを互いに異ならせる構成は必須ではない。
【0066】
また、図2の(b)に示される例とは反対に、一対の電子衝撃型ダイオード220A,220Bを、互いの電子入射面200A,200Bによって(或いは電子入射面200A,200Bを延長した平面によって)MCP110側に凸となる角部が形成されるように配置してもよい。この場合、出力端子223A,223B(出力端子223A,223Bの延在方向の延長線)は、電子入射面200A,200B、及び、MCP110と反対側に凸となる角部を形成するように配置されてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、2つの電子衝撃型ダイオード220A,220Bを備える例について説明したいが、イオン検出器1~1Bは、3つ以上の電子衝撃型ダイオードを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…イオン検出器、110…MCP(マイクロチャネルプレート)、110a…入力面、110b…出力面、110P…有効領域、121,122…フォーカス電極、200A,200B…電子入射面、210…カバー、220A,220B…電子衝撃型ダイオード、221A,221B…有効領域、222A,222B…非有効領域、223A,223B…出力端子、400,400A…電源部(電圧供給部)、A2…開口、M…マスク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7