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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】データ伝送方法及び端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0446 20230101AFI20230814BHJP
   H04W 72/1268 20230101ALI20230814BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W72/1268
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020529435
(86)(22)【出願日】2017-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2017114875
(87)【国際公開番号】W WO2019109280
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-11-16
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】リン、ヤナン
【合議体】
【審判長】齋藤 哲
【審判官】中木 努
【審判官】本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-507281(JP,A)
【文献】特表2018-164158(JP,A)
【文献】vivo,On UL data transmission procedure,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #91 R1-1719796,2017年11月18日アップロード,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_91/Docs/R1-1719796.zip>
【文献】vivo,UL data transmission procedure,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #90bis R1-1717500,2017年10月3日アップロード,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1717500.zip>
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置は、第1リソースにおいて第1物理アップリンクチャネルを伝送することを前記端末装置に指示する第1シグナリングを受信することと、
前記端末装置は、前記第1物理アップリンクチャネルを伝送するための伝送パラメータがプリセット条件を満たすか否かを判断することと、
前記伝送パラメータが前記プリセット条件を満たすと、前記端末装置は、グラントフリー伝送に基づくデータである第1類データを前記第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することと、を含み、
前記第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータは、
前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータの伝送ブロックサイズ(TBS)を含み、
前記プリセット条件は、
前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSが前記第1類データのTBSに等しいことを含むことを特徴とするデータ伝送方法。
【請求項2】
前記伝送パラメータが前記プリセット条件を満たさないと、前記端末装置は、第2リソースにおいて伝送される物理アップリンクチャネルである第2物理アップリンクチャネルに前記第1類データを載せて伝送することを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラントフリー伝送はタイプ1の伝送とタイプ2の伝送を含み、前記タイプ1の伝送をRRCシグナリングによってマッチングして設定し、前記タイプ2の伝送をRRCシグナリングによって設定して物理層シグナリングによってアクティベーションすることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
端末装置であって、
第1リソースにおいて第1物理アップリンクチャネルを伝送することを前記端末装置に指示する第1シグナリングを受信することに用いられる受送信ユニットと、
前記第1物理アップリンクチャネルを伝送するための伝送パラメータがプリセット条件を満たすか否かを判断することに用いられる処理ユニットと、を備え、
前記受送信ユニットは更に、前記伝送パラメータが前記プリセット条件を満たすと、グラントフリー伝送に基づくデータである第1類データを前記第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することに用いられ、
前記第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータは、
前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータの伝送ブロックサイズ(TBS)を含み、
前記プリセット条件は、
前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSが前記第1類データのTBSに等しいことを含むことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
前記第1リソースは第2類データを伝送するためのリソースであり、前記第2類データはスケジューリング伝送に基づくデータであることを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記受送信ユニットは更に、
前記伝送パラメータが前記プリセット条件を満たさないと、第2リソースにおいて伝送される物理アップリンクチャネルである第2物理アップリンクチャネルに前記第1類データを載せて伝送することに用いられることを特徴とする請求項4又は5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記受送信ユニットは更に、
前記第2リソースを指示するための第2シグナリングを受信することに用いられることを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSが前記第1類データのTBSに等しいと、前記受送信ユニットは具体的に、
前記第1類データと第2類データを前記第1物理アップリンクチャネルに同時に載せて伝送することに用いられることを特徴とする請求項4~7のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項9】
前記グラントフリー伝送はタイプ1の伝送とタイプ2の伝送を含み、前記タイプ1の伝送をRRCシグナリングによってマッチングして設定し、前記タイプ2の伝送をRRCシグナリングによって設定して物理層シグナリングによってアクティベーションすることを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載の端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は無線通信分野に関し、より具体的に、データ伝送方法及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
5Gシステムでは、スケジューリングに基づく(grant based)アップリンク伝送及びグラントフリー(grant free)アップリンク伝送を同時にサポートする。スケジューリングに基づくアップリンク伝送に対して、基地局は端末装置にアップリンク許可情報(Uplink Grant、UL Grant)を送信して物理アップリンクチャネルの伝送をスケジューリングすることができ、グラントフリーアップリンク伝送に対して、端末装置は基地局のスケジューリングを待たずに、予め設定されるリソースを用いて直接にアップリンク伝送を行うことができる。
【0003】
端末装置がスケジューリングに基づくアップリンク伝送をサポートしつつ、グラントフリーアップリンク伝送もサポートする場合、同一の時間領域リソースにおいてUL Grantを受信したが、グラントフリー伝送用のリソースも存在すると、端末装置は効果的にデータ伝送を行うことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例はデータ伝送方法及び端末装置を提供し、端末装置は適切な伝送方式を効果的に選択でき、それにより、ネットワーク装置によりスケジューリングするリソース、又は、グラントフリー伝送を行うためのリソースにおいて、グラントフリー伝送に基づくデータを伝送する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1形態ではデータ伝送方法を提供し、
端末装置は、第1リソースにおいて第1物理アップリンクチャネルを伝送することを前記端末装置に指示する第1シグナリングを受信することと、
前記端末装置は、前記第1物理アップリンクチャネルを伝送するための伝送パラメータがプリセット条件を満たすか否かを判断することと、
前記伝送パラメータが前記プリセット条件を満たすと、前記端末装置は、グラントフリー伝送に基づくデータである第1類データを前記第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することと、を含む。
【0006】
従って、該端末装置はネットワーク装置がスケジューリングするリソースを判断することで、伝送待ちのグラントフリー伝送に基づくデータを、ネットワーク装置がスケジューリングするリソースにおいて伝送するか、又は、グラントフリー伝送用のリソースにおいて伝送するかを決定し、それにより、該端末装置はアップリンク許可情報を受信し、且つ許可不要な伝送用のリソースが存在する場合、リソースを柔軟に選択して、データ伝送を効果的に行うことができ、それにより、遅延が低く信頼性が高いサービス伝送のニーズを満たす。
【0007】
1つの可能な実施形態では、前記第1リソースは第2類データを伝送するためのリソースであり、前記第2類データはスケジューリング伝送に基づくデータである。
【0008】
例えば、該第1シグナリングはネットワーク装置が端末装置に送信したアップリンク許可情報(UL Grant)であってもよく、それにより、端末装置が該アップリンク許可情報の指示するリソースを用いてデータを送信するようにスケジューリングする。該アップリンク許可情報が指示するリソースは、例えば、時間周波数領域リソース、参照シンボル情報、変調符号化方式、電力制御パラメータ等のリソース情報を含んでもよい。
【0009】
1つの可能な実施形態では、前記第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータは、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータの伝送ブロックサイズ(TBS)、前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置、前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置、前記第1物理アップリンクチャネルの占有する時間領域長さ、及び前記第1物理アップリンクチャネルに載せられる第2類データが初めて伝送されるデータであるか否かのこと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
ここで、該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数とは、ネットワーク装置が元々スケジューリングしようとするデータのビット数を指し、即ち、第1シグナリングが指示する該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数である。該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSとは、ネットワーク装置が元々スケジューリングしようとするデータのTBSを指し、即ち、第1シグナリングが指示する該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSである。該第1物理アップリンクチャネルに載せられる第2類データが初めて伝送されるデータであるか否かとは、ネットワーク装置の元々スケジューリングしようとする第2類データが初めて伝送されるデータであるか否かである。
【0011】
1つの可能な実施形態では、前記方法は、前記伝送パラメータが前記プリセット条件を満たさないと、前記端末装置は、第2リソースにおいて伝送される物理アップリンクチャネルである第2物理アップリンクチャネルに前記第1類データを載せて伝送することを更に含む。
【0012】
具体的に、該端末装置は、第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータがプリセット条件を満たさないと判断すると、第1類データを伝送するための第2リソースから、第2物理アップリンクチャネルを選択して、伝送待ちの第1類データを該第2物理アップリンクチャネルに載せて伝送する。一方で、該端末装置は、該第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータがプリセット条件を満たすと判断すると、伝送待ちの該第1類データを第1シグナリングの指示する該第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することができる。
【0013】
1つの可能な実施形態では、前記方法は、前記端末装置が前記第1物理アップリンクチャネルを伝送しないことを更に含む。
【0014】
1つの可能な実施形態では、前記第1物理アップリンクチャネル及び前記第2物理アップリンクチャネルの同時送信に用いる総電力が制限されると、前記方法は、前記端末装置が前記第1物理アップリンクチャネルを伝送しないこと、又は、前記端末装置は前記第1物理アップリンクチャネルを伝送するための電力を低下させ、低下後の電力で前記第1物理アップリンクチャネルを伝送することを更に含む。
【0015】
すなわち、該第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータがプリセット条件を満たさないと、該端末装置は第2リソースにおける第2物理アップリンクチャネルで該第1類データを伝送し、このとき、該第1類データの正常伝送を優先に確保するために、該端末装置は一応第1物理アップリンクチャネルを伝送せず、又は、低い電力で該第1物理アップリンクチャネルを伝送することができる。
【0016】
1つの可能な実施形態では、前記端末装置が前記第1類データを第2物理アップリンクチャネルに載せて伝送する前に、前記方法は、前記端末装置は前記第2リソースを指示するための第2シグナリングを受信することを更に含む。
【0017】
1つの可能な実施形態では、前記プリセット条件は、
前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数が前記第1類データのビット数以上であること、
前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSが前記第1類データのTBS以上であること、
前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置と第2リソースの開始時間領域シンボルの位置との間が第1位置関係を満たすこと、
前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置と前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置との間が第2位置関係を満たすこと、
前記第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと前記第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さとの間が第1長さ関係を満たすこと、
前記第1物理アップリンクチャネルに載せられる第2類データが初めて伝送されるデータであること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0018】
1つの可能な実施形態では、前記第1位置関係は、
前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置と前記第2リソースの開始時間領域シンボルの位置が同じであること、
前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の前に位置し、且つ前記第1リソースの開始時間領域シンボルと前記第2リソースの開始時間領域シンボルとの間の時間差が第1閾値以下であること、
前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の後に位置すること、
前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の後に位置し、且つ前記第1リソースの開始時間領域シンボルと前記第2リソースの開始時間領域シンボルとの間の時間差の絶対値が第2閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0019】
1つの可能な実施形態では、前記第2位置関係は、
前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置と前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置が同じであること、
前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の後に位置し、且つ前記第1リソースの末端時間領域シンボルと前記第2リソースの末端時間領域シンボルとの間の時間差が第3閾値以下であること、
前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の前に位置すること、
前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の前に位置し、且つ前記第1リソースの末端時間領域シンボルと前記第2リソースの末端時間領域シンボルとの間の時間差の絶対値が第4閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0020】
1つの可能な実施形態では、前記第1長さ関係は、前記第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと前記第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さが同じであること、前記第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと前記第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さとの差が第5閾値以上であって第6閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0021】
1つの可能な実施形態では、前記方法は、
前記端末装置は閾値情報を指示するための指示情報を受信すること、又は、
前記端末装置は前記端末装置に予め記憶される前記閾値情報を取得することを更に含み、
前記閾値情報は、第1閾値、第2閾値、第3閾値、第4閾値、第5閾値及び第6閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
1つの可能な実施形態では、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数が前記第1類データのビット数以上であり、又は、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSが前記第1類データのTBS以上であると、前記端末装置が前記第1類データを前記第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することは、前記端末装置が前記第1類データと第2類データを前記第1物理アップリンクチャネルに同時に載せて伝送することを含む。
【0023】
第2形態では、上記第1形態又は第1形態のいずれかの選択可能な実施形態における端末装置の操作を実行可能な端末装置を提供する。具体的に、該端末装置は上記第1形態又は第1形態のいずれかの可能な実施形態における端末装置の操作を実行するためのモジュールユニットを備えてもよい。
【0024】
第3形態では、プロセッサ、送受信機及びメモリを備える端末装置を提供する。該プロセッサ、送受信機及びメモリの間には内部接続通路を介して相互に通信する。該メモリは命令を記憶することに用いられ、該プロセッサは該メモリに記憶される命令を実行することに用いられる。該プロセッサが該メモリに記憶される命令を実行するとき、該実行によって該端末装置に第1形態又は第1形態のいずれかの可能な実施形態における方法を実行させ、又は、該実行によって該端末装置に第2形態に係る端末装置を実現させる。
【0025】
第4形態では、プログラムが記憶されるコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記プログラムは端末装置に上記第1形態、及びその様々な実施形態におけるいずれかのデータ伝送方法を実行させる。
【0026】
第5形態では、入力インターフェース、出力インターフェース、プロセッサ及びメモリを備えるシステムチップを提供し、該プロセッサは該メモリに記憶される命令を実行することに用いられ、該命令が実行されるとき、該プロセッサは前述第1形態又は第1形態のいずれかの可能な実施形態における方法を実現できる。
【0027】
第6形態では、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行するとき、該コンピュータに上記第1形態又は第1形態のいずれかの可能な実施形態における方法を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は本願の実施例の応用シーンのアーキテクチャ模式図である。
図2図2は本願の実施例のデータ伝送方法の模式的なフローチャートである。
図3図3は本願の実施例の第1リソースと第2リソースの模式図である。
図4図4は本願の実施例の第1リソースと第2リソースの他の模式図である。
図5図5は本願の実施例の端末装置の模式的なブロック図である。
図6図6は本願の実施例の端末装置の構造模式図である。
図7図7は本願の実施例のシステムチップの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例における技術案について説明する。
【0030】
なお、本願の実施例の技術案は様々な通信システム、例えば、移動体通信用グローバル(Global System of Mobile Communication、GSM)システム、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access、WCDMA)システム、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)システム、LTE周波数分割複信(Frequency Division Duplex、FDD)システム、LTE時分割複信(Time Division Duplex、TDD)、汎用移動通信システム(Universal Mobile Telecommunication System、UMTS)、及び将来の5G通信システム等に適用される。
【0031】
本願は端末装置を参照しながら各実施例について説明する。端末装置とはユーザー装置(User Equipment、UE)、アクセス端末、加入者ユニット、加入者サイト、移動サイト、移動局、遠隔局、遠隔端末、移動装置、ユーザー端末、端末、無線通信装置、ユーザーエージェント又はユーザーデバイスを指してもよい。アクセス端末はセルラーホン、コードレス電話、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol、SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(Wireless Local Loop、WLL)ステーション、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、無線通信機能を有するハンドヘルドデバイス、計算装置又は無線モデムに接続される他の処理装置、車載装置、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワークにおける端末装置、又は将来進化のパブリックランドモバイルネットワーク(Public Land Mobile Network、PLMN)における端末装置等であってもよい。
【0032】
本願はネットワーク装置を参照しながら各実施例を説明する。ネットワーク装置は端末装置と通信するための装置であってもよく、例えば、GSMシステム又はCDMAにおける基地局(Base Transceiver Station、BTS)であってもよく、WCDMAシステムにおける基地局(NodeB、NB)であってもよく、更にLTEシステムにおける進化型基地局(Evolutional Node B、eNB又はeNodeB)であってもよく、或いは、該ネットワーク装置は中継局、アクセスポイント、車載装置、ウェアラブルデバイス及び将来の5Gネットワークにおけるネットワーク側装置又は将来進化のPLMNネットワークにおけるネットワーク側装置等であってもよい。
【0033】
図1は本願の実施例の応用シーンの模式図である。図1における通信システムはネットワーク装置10と端末装置20を備えてもよい。ネットワーク装置10は端末装置20に通信サービスを提供してコアネットワークに接続することに用いられ、端末装置20はネットワーク装置10から送信された同期信号、ブロードキャスト信号等を検索することでネットワークにアクセスして、ネットワークと通信することができる。図1に示される矢印は、端末装置20とネットワーク装置10との間のセルラーリンクによって行われるアップリング/ダウンリンク伝送を示すことができる。
【0034】
本願の実施例におけるネットワークとは、パブリックランドモバイルネットワーク(Public Land Mobile Network、PLMN)、又はデバイスツーデバイス(Device to Device、D2D)ネットワーク、又はマシンツーマシン/マン(Machine to Machine/Man、M2M)ネットワーク、又は他のネットワークを指してもよく、図1は簡略化した例示的な模式図であり、ネットワークは他の端末装置を備えてもよく、図1に示されていない。
【0035】
5Gシステムには、多くの特殊なサービスタイプ、例えば低遅延・高信頼サービス(Ultra Reliable & Low Latency Communication、URLLC)が導入される。URLLCサービスの特徴は、非常に短い(例えば1ms)遅延内に非常に高い確実性(例えば99.999%)の伝送を達成することである。この目標を達成するために、グラントフリー伝送(Grant free)を提案して、遅延が低く信頼性が高いサービス伝送ニーズを満たす。当業者であれば分かるように、グラントフリー伝送は他の名称と呼ばれてもよく、例えば非スケジューリング伝送、無スケジューリング伝送、許可不要な伝送等と呼ばれる。
【0036】
本願の実施例では、前記データはサービスデータ又はシグナリングデータを含んでもよい。グラントフリー伝送用の伝送リソースは、
無線フレーム、サブフレーム、シンボル等の時間領域リソース、
サブキャリア、リソースブロック等の周波数領域リソース、
送信アンテナ、ビーム等の空間領域リソース、
スパースコード多重アクセス(Sparse Code Multiple Access、「SCMA」と略称される)コードブックグループ、低密度シグネチャ(Low Density Signature、「LDS」と略称される)グループ、CDMAコードグループ等のコードドメインリソース、
アップリンクパイロット周波数リソース、
ハイバードリソース、
チャネルコーディング方式、のうちの1種又は複数種の組合せを含むがこれらに限られない。
【0037】
以上のような伝送リソースは、アップリンク送信電力上限制御等のアップリンク電力制御、伝送ブロックサイズ、ビットレート、変調次数の設定等の変調符号化方式の設定、ハイブリッド自動再送要求(Hybird Automatic Repeat reQuest、「HARQ」と略称される)メカニズム等の再伝送メカニズムを含むがそれらに限らない制御メカニズムに基づいて伝送されてもよい。
【0038】
グラントフリー伝送は、予め設定された又は半持続状態のリソース設定方式を用い、端末装置は送信する必要があるアップリンクデータを有する場合、基地局のスケジューリングを待たずに、予め設定されたリソースでアップリンクデータを直接に送信することができる。グラントフリー伝送はリソース要求(Schedule Request、SR)及びバッファステータスレポート(Buffer Status Report、BSR)等のプロセスを省略して、端末装置の有効な伝送時間を増加させる。
【0039】
現在、グラントフリー伝送の設定方式はタイプ1(Type 1)及びタイプ2(Type 2)の2種のタイプを有する。Type1は無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)シグナリングで、グラントフリー伝送用のリソースを半静的に設定し、該リソースは少なくとも時間周波数領域リソース、参照シンボル情報、変調符号化方式、電力制御パラメータ等を含む。Type2はRRCシグナリングと物理層シグナリングとの組合せの方法を用い、グラントフリー伝送用のリソースを半静的に設定し、又は動的にアクティベーション/ディアクティベーションして設定し、RRCシグナリングで設定するリソースは少なくとも、時間領域リソースサイクル及び電力制御パラメータ等を含み、物理層シグナリングで設定するリソースは少なくとも周波数領域リソース、参照シンボル情報、変調符号化方式等を含む。
【0040】
また、5Gシステムではスケジューリングに基づくアップリンクデータの伝送を依然としてサポートする。端末装置が基地局スケジューリングに基づく伝送方式をサポートし、即ち、基地局が端末装置にUL grantを送信してデータ伝送をスケジューリングし、同時に、グラントフリー伝送に基づく伝送方式もサポートする場合、基地局がグラントフリー伝送のデータの送信状況を予め把握できないため、グラントフリー伝送(grant free)及びスケジューリングに基づく伝送(grant-based)を同時にサポートする端末装置は、同じ時間領域リソースにおいて、対応するUL grantスケジューリングのリソース情報を受信するが、グラントフリー伝送を実行可能なグラントフリー伝送用のリソースも存在する場合、端末装置はどのリソースを用いるかが分からず、データ伝送を効果的に行うことができない。
【0041】
本願の実施例は、ネットワーク装置がスケジューリングするリソースを判断することで、伝送待ちのグラントフリー伝送に基づくデータをネットワーク装置のスケジューリングするリソースにおいて伝送するか、又は、グラントフリー伝送用のリソースにおいて伝送するかを決定する。ネットワーク装置がスケジューリングするリソースでのデータ伝送は信頼性及び効率が高いため、該端末装置はアップリンク許可情報を受信し、且つ伝送待ちの許可不要な伝送に基づくデータが存在すると、信頼的で効果的な方式でデータ伝送を行うことができ、それにより遅延が低く信頼性が高いサービス伝送ニーズを満たす。
【0042】
図2は本願の実施例のデータ伝送方法の模式的なフローチャートである。図2に示される方法は端末装置により実行されてもよく、該端末装置は例えば図1に示される端末装置20であってもよい。図2に示されるように、該データ伝送方法は以下のステップ210~240を含む。
【0043】
210では、端末装置は、第1リソースにおいて第1物理アップリンクチャネルを伝送することを該端末装置に指示する第1シグナリングを受信する。
【0044】
選択肢として、該第1リソースは第2類データを伝送するためのリソースであり、該第2類データはスケジューリング伝送(grant-based)に基づくデータである。
【0045】
例えば、該第1シグナリングはネットワーク装置が端末装置に送信したアップリンク許可情報(UL Grant)であってもよく、それにより該アップリンク許可情報が指示するリソースでデータを送信するように端末装置をスケジューリングする。該アップリンク許可情報が指示するリソースは、例えば、時間周波数領域リソース、参照シンボル情報、変調符号化方式、電力制御パラメータ等のリソース情報を含んでもよい。
【0046】
220では、該端末装置は、該第1物理アップリンクチャネルを伝送するための伝送パラメータがプリセット条件を満たすか否かを判断する。
【0047】
選択肢として、該第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータは、該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数、該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータの伝送ブロックサイズ(TBS)、該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置、該第1リソースの末端時間領域シンボルの位置、該第1物理アップリンクチャネルの占有する時間領域長さ、該第1物理アップリンクチャネルに載せられる第2類データが初めて伝送されるデータであるか否かのこと、のうちの少なくともの1つを含む。
【0048】
ここで、該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数とは、ネットワーク装置が元々スケジューリングしようとするデータのビット数を指し、即ち、第1シグナリングが指示する該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数である。該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSとは、ネットワーク装置が元々スケジューリングしようとするデータのTBSを指し、即ち、第1シグナリングが指示する該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSである。該第1物理アップリンクチャネルに載せられる第2類データが初めて伝送されるデータであるか否かとは、ネットワーク装置が元々スケジューリングしようとする第2類データが初めて伝送されるデータであるか否かである。
【0049】
220の後、該端末装置は230又は240を実行できる。該第1物理アップリンクチャネルを伝送するための伝送パラメータがプリセット条件を満たすと、230を実行し、該伝送パラメータが該プリセット条件を満たさないと、240を実行する。
【0050】
230では、該伝送パラメータが該プリセット条件を満たすと、該端末装置は、第1類データを該第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送する。
【0051】
該第1類データはグラントフリー伝送(grant free)に基づくデータである。
【0052】
240では、該伝送パラメータが該プリセット条件を満たさないと、該端末装置は該第1類データを第2物理アップリンクチャネルに載せて伝送し、該第2物理アップリンクチャネルは第2リソースにおいて伝送される物理アップリンクチャネルである。
【0053】
選択肢として、該第2リソースは第1類データを伝送するためのリソースであり、即ちグラントフリー伝送用のリソースである。
【0054】
該端末装置はネットワーク装置から送信された、該第2リソースを指示するための第2シグナリングを受信して、該第2リソースを取得することができ、又は、該第2リソースは該端末装置に予め設定されたものであってもよく、即ち、端末装置とネットワーク装置との間で予め決定されたものである。
【0055】
具体的に、該端末装置は第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータがプリセット条件を満たさないと判断すると、第1類データを伝送するための第2リソースから、第2物理アップリンクチャネルを選択し、伝送待ちの第1類データを該第2物理アップリンクチャネルに載せて伝送する。
【0056】
該端末装置は該第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータがプリセット条件を満たすと判断すると、伝送待ちの該第1類データを第1シグナリングの指示する該第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することができる。このとき、選択肢として、該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数が該第1類データのビット数以上であり、又は、該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータの伝送ブロックサイズ(Transport Block Size、TBS)が該第1類データのTBS以上であると、該端末装置は該第1類データと伝送待ちの第2類データを該第1物理アップリンクチャネルに同時に載せて伝送することができる。該伝送待ちの第2類データはネットワーク装置が元々スケジューリングしようとするデータであってもよい。
【0057】
選択肢として、240では、該伝送パラメータが該プリセット条件を満たさないと、該端末装置は該第1物理アップリンクチャネルを伝送しなくてもよい。
【0058】
選択肢として、240では、該伝送パラメータが該プリセット条件を満たさないと、該第1物理アップリンクチャネル及び該第2物理アップリンクチャネルの同時送信に用いる総電力が制限されると、該端末装置は該第1物理アップリンクチャネルを伝送せず、又は、該端末装置は該第1物理アップリンクチャネルを伝送するための電力を低下させ、低下後の電力で該第1物理アップリンクチャネルを伝送する。
【0059】
すなわち、該第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータがプリセット条件を満たさないと、該端末装置は第2リソースにおける第2物理アップリンクチャネルで該第1類データを伝送し、このとき、該第1類データの正常伝送を優先に確保するために、該端末装置は一応第1物理アップリンクチャネルを伝送せず、又は、低い電力で該第1物理アップリンクチャネルを伝送する。
【0060】
従って、本願の実施例では、該端末装置はネットワーク装置がスケジューリングするリソースを判断し、伝送待ちのグラントフリー伝送に基づくデータをネットワーク装置のスケジューリングするリソースにおいて伝送するか、又は、グラントフリー伝送用のリソースにおいて伝送するかを決定する。ネットワーク装置がスケジューリングするリソースでのデータ伝送は信頼性及び効率が高いため、該端末装置はアップリンク許可情報を受信し、且つ伝送待ちの許可不要な伝送に基づくデータが存在すると、信頼的で効果的な方式でデータ伝送を行うことができ、それにより遅延が低く信頼性が高いサービス伝送ニーズを満たす。
【0061】
本願の実施例では、該端末装置は該第1物理アップリンクチャネルを伝送するための伝送パラメータがプリセット条件を満たすか否かを判断するとき、
該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数が該第1類データのビット数以上であること、
該第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSが該第1類データのTBS以上であること、
該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置と第2リソースの開始時間領域シンボルの位置との間が第1位置関係を満たすこと、
該第1リソースの末端時間領域シンボルの位置と該第2リソースの末端時間領域シンボルの位置との間が第2位置関係を満たすこと、
該第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと該第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さとの間が第1長さ関係を満たすこと、
該第1物理アップリンクチャネルに載せられる第2類データが初めて伝送されるデータであること、のうちの少なくとも1つのプリセット条件を用いることができる。
【0062】
選択肢として、該第1位置関係は、該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置と該第2リソースの開始時間領域シンボルの位置が同じであること、該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が該第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の前に位置し、且つ該第1リソースの開始時間領域シンボルと該第2リソースの開始時間領域シンボルとの間の時間差が第1閾値以下であること、該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が該第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の後に位置すること、該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が該第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の後に位置し、且つ該第1リソースの開始時間領域シンボルと該第2リソースの開始時間領域シンボルとの間の時間差の絶対値が第2閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0063】
選択肢として、該第2位置関係は、該第1リソースの末端時間領域シンボルの位置と該第2リソースの末端時間領域シンボルの位置が同じであること、該第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が該第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の後に位置し、且つ該第1リソースの末端時間領域シンボルと該第2リソースの末端時間領域シンボルとの間の時間差が第3閾値以下であること、該第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が該第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の前に位置すること、該第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が該第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の前に位置し、且つ該第1リソースの末端時間領域シンボルと該第2リソースの末端時間領域シンボルとの間の時間差の絶対値が第4閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0064】
選択肢として、該第1長さ関係は、該第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと該第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さが同じであること、該第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと該第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さとの差が第5閾値以上であって第6閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0065】
選択肢として、該端末装置が該第1物理アップリンクチャネルを伝送するための伝送パラメータがプリセット条件を満たすか否かを判断する前に、該方法は、該端末装置は閾値情報を指示するための指示情報を受信すること、又は、該端末装置は該端末装置に予め記憶される該閾値情報を取得することを更に含む。該閾値情報は、第1閾値、第2閾値、第3閾値、第4閾値、第5閾値及び第6閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0066】
図3に示される第1リソース及び第2リソースを例として、該プリセット条件は、該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置と第2リソースの開始時間領域シンボルの位置が同じであり、且つ該第1リソースの末端時間領域シンボルの位置と該第2リソースの末端時間領域シンボルの位置が同一であることであると仮定する。該第1リソースはネットワーク装置が第1シグナリングによって指示した第1物理アップリンクチャネルの所在するリソースであり、該第2リソースはグラントフリー伝送用のリソースである。それで分かるように、該第1リソースと該第2リソースの占有する時間領域リソースが同じであるため、該プリセット条件を満たすと、該端末装置は伝送待ちの該第1類データ、即ちグラントフリー伝送のデータを該第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することができる(太い黒フレームに示される)。
【0067】
また、図4に示される第1リソース及び第2リソースを例として、該プリセット条件は、該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置と第2リソースの開始時間領域シンボルの位置が同じであることであり、又は、該プリセット条件は、該第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の後に位置し、且つ該第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が該第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の前に位置することであると仮定する。該第1リソースはネットワーク装置が第1シグナリングによって指示した第1物理アップリンクチャネルの所在するリソースであり、該第2リソースはグラントフリー伝送用のリソースであり、且つグラントフリー伝送のデータは該第2リソースに含まれる複数のサブリソースで重複送信される。それで分かるように、該第1リソースと該第2リソースとの間が該プリセット条件を満たすため、該端末装置は伝送待ちの該第1類データ、即ちグラントフリー伝送のデータを該第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することができる(太い黒フレームに示される)。
【0068】
なお、本願の様々な実施例では、上記各プロセスの番号の大きさは実行順序を意味するものではなく、各プロセスの実行順序はその機能及び内部論理によって決定されるべきであり、本願の実施例の実施プロセスを限定するものではない。
【0069】
以上では本願の実施例によるデータ伝送方法について詳細に説明し、以下、図5及び図6を参照しながら、本願の実施例による装置について説明し、方法実施例で説明される技術的特徴は以下の装置実施例に適用される。
【0070】
図5は本願の実施例による端末装置500の模式的なブロック図である。図5に示されるように、該端末装置500は受送信ユニット510と処理ユニット520を備え、
受送信ユニット510は、第1リソースにおいて第1物理アップリンクチャネルを伝送することを前記端末装置に指示する第1シグナリングを受信することに用いられ、
処理ユニット520は、前記第1物理アップリンクチャネルを伝送するための伝送パラメータがプリセット条件を満たすか否かを判断することに用いられ、
前記受送信ユニット510は更に、前記伝送パラメータが前記プリセット条件を満たすと、グラントフリー伝送に基づくデータである第1類データを前記第1物理アップリンクチャネルに載せて伝送することに用いられる。
【0071】
従って、該端末装置はネットワーク装置がスケジューリングするリソースを判断して、伝送待ちのグラントフリー伝送に基づくデータをネットワーク装置のスケジューリングするリソースにおいて伝送するか、又は、グラントフリー伝送用のリソースにおいて伝送するかを決定する。ネットワーク装置がスケジューリングするリソースでのデータ伝送は信頼性及び効率が高いため、該端末装置はアップリンク許可情報を受信し、且つ伝送待ちの許可不要な伝送に基づくデータが存在すると、信頼的で効果的な方式でデータ伝送を行うことができ、それにより遅延が低く信頼性が高いサービス伝送ニーズを満たす。
【0072】
選択肢として、前記第1リソースは第2類データを伝送するためのリソースであり、前記第2類データはスケジューリング伝送に基づくデータである。
【0073】
選択肢として、前記第1物理アップリンクチャネルの伝送パラメータは、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータの伝送ブロックサイズ(TBS)、前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置、前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置、前記第1物理アップリンクチャネルの占有する時間領域長さ、及び前記第1物理アップリンクチャネルに載せられる第2類データが初めて伝送されるデータであるか否かのこと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0074】
選択肢として、前記受送信ユニット510は更に、前記伝送パラメータが前記プリセット条件を満たさないと、第2リソースにおいて伝送される物理アップリンクチャネルである第2物理アップリンクチャネルに前記第1類データを載せて伝送することに用いられる。
【0075】
選択肢として、前記受送信ユニット510は更に、前記第1物理アップリンクチャネルを伝送しないことに用いられる。
【0076】
選択肢として、前記第1物理アップリンクチャネル及び前記第2物理アップリンクチャネルの同時送信に用いる総電力が制限されると、前記受送信ユニット510は更に、前記第1物理アップリンクチャネルを伝送しないこと、又は、前記第1物理アップリンクチャネルを伝送するための電力を低下させ、低下後の電力で前記第1物理アップリンクチャネルを伝送することに用いられる。
【0077】
選択肢として、前記受送信ユニット510は更に、前記第2リソースを指示するための第2シグナリングを受信することに用いられる。
【0078】
選択肢として、前記プリセット条件は、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数が前記第1類データのビット数以上であること、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSが前記第1類データのTBS以上であること、前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置と第2リソースの開始時間領域シンボルの位置との間が第1位置関係を満たすこと、前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置と前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置との間が第2位置関係を満たすこと、前記第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと前記第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さとの間が第1長さ関係を満たすこと、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられる第2類データが初めて伝送されるデータであること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0079】
選択肢として、前記第1位置関係は、前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置と前記第2リソースの開始時間領域シンボルの位置が同じであること、前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の前に位置し、且つ前記第1リソースの開始時間領域シンボルと前記第2リソースの開始時間領域シンボルとの間の時間差が第1閾値以下であること、前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の後に位置すること、前記第1リソースの開始時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの開始時間領域シンボルの位置の後に位置し、且つ前記第1リソースの開始時間領域シンボルと前記第2リソースの開始時間領域シンボルとの間の時間差の絶対値が第2閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0080】
選択肢として、前記第2位置関係は、前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置と前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置が同じであること、前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の後に位置し、且つ前記第1リソースの末端時間領域シンボルと前記第2リソースの末端時間領域シンボルとの間の時間差が第3閾値以下であること、前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の前に位置すること、前記第1リソースの末端時間領域シンボルの位置が前記第2リソースの末端時間領域シンボルの位置の前に位置し、且つ前記第1リソースの末端時間領域シンボルと前記第2リソースの末端時間領域シンボルとの間の時間差の絶対値が第4閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0081】
選択肢として、前記第1長さ関係は、前記第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと前記第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さが同じであること、前記第1物理アップリンクチャネルの時間領域長さと前記第2物理アップリンクチャネルの時間領域長さとの差が第5閾値以上であって第6閾値以下であること、のうちのいずれかを含む。
【0082】
選択肢として、前記処理ユニット520は更に、前記受送信ユニット510によって、閾値情報を指示するための指示情報を受信すること、又は、前記端末装置に予め記憶される前記閾値情報を取得することに用いられ、前記閾値情報は、第1閾値、第2閾値、第3閾値、第4閾値、第5閾値及び第6閾値のうちの少なくとも1つを含む。
【0083】
選択肢として、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのビット数が前記第1類データのビット数以上であり、又は、前記第1物理アップリンクチャネルに載せられるデータのTBSが前記第1類データのTBS以上であると、前記受送信ユニット510は具体的に、前記第1類データと第2類データを前記第1物理アップリンクチャネルに同時に載せて伝送することに用いられる。
【0084】
なお、該端末装置500は上記方法実施例における端末装置により実行される方法200に対応する操作を実行することができ、簡明のために、ここで繰り返して説明しない。
【0085】
図6は本願の実施例による端末装置600の構造模式図である。図6に示されるように、該端末装置はプロセッサ610、送受信機620及びメモリ630を備え、該プロセッサ610、送受信機620及びメモリ630の間には内部接続通路を介して相互に通信する。該メモリ630は命令を記憶することに用いられ、該プロセッサ610は該メモリ630に記憶される命令を実行して、該送受信機620による信号の受送信を制御することに用いられる。
【0086】
選択肢として、該プロセッサ610はメモリ630に記憶されるプログラムコードを呼び出して、方法実施例における端末装置により実行される方法200に対応する操作を実行することができ、簡明のために、ここで繰り返して説明しない。
【0087】
なお、本願の実施例のプロセッサは信号の処理能力を有する集積回路チップであってもよい。実施プロセスでは、上記方法実施例の各ステップはプロセッサにおけるハードウェアの集成論理回路又はソフトウェア形態の命令で遂行することができる。上記プロセッサは汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲート又はトランジスタロジックデバイス、離散ハードウェアユニットであってもよい。本願の実施例に開示されている各方法、ステップ及びロジックブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサーであってもよく、又は、いかなる通常のプロセッサ等であってもよい。本願の実施例に開示されている方法のステップは、ハードウェアデコードプロセッサによる遂行、又は、デコードプロセッサにおけるハードウェア及びソフトウェアモジュールの組合せによる遂行として直接に具現されてもよい。ソフトウェアモジュールはランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ又は電気的に消去可能なプログラマブルメモリ、レジスタ等の本分野の成熟した記憶媒体に位置してもよい。該記憶媒体はメモリに位置し、プロセッサはメモリにおける情報を読み取り、そのハードウェアと組み合わせて上記方法のステップを遂行する。
【0088】
理解できるように、本願の実施例におけるメモリは揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、又は、揮発性及び不揮発性メモリの両方を含んでもよい。不揮発性メモリは読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(Programmable ROM、PROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable PROM、EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Electrically EPROM、EEPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは外部バッファとするランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)であってもよい。制限的でなく例示的な説明により、多くの形態のRAM、例えば、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic RAM、DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Double Data Rate SDRAM、DDR SDRAM)、強化同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM、ESDRAM)、同期接続ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchlink DRAM、SLDRAM)及びダイレクトメモリーバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM、DR RAM)は使用可能である。なお、本明細書に記載のシステムと方法のメモリは、これらといずれかの他の適切なタイプのメモリを含むがこれらに限定されないことを図る。
【0089】
図7は本願の実施例のシステムチップの構造模式図である。図7のシステムチップ700は入力インターフェース701、出力インターフェース702、少なくとも1つのプロセッサ703、及びメモリ704を備え、前記入力インターフェース701、出力インターフェース702、前記プロセッサ703及びメモリ704の間には内部接続通路を介して相互に接続される。前記プロセッサ703は前記メモリ704におけるコードを実行することに用いられる。
【0090】
選択肢として、前記コードが実行されるとき、前記プロセッサ703は方法実施例における端末装置により実行される方法200を実現できる。簡明のために、ここで繰り返して説明しない。
【0091】
理解されるように、本発明の実施例では、「Aに対応するB」とは、BがAと関連付けられており、Aに基づいてBを決定できることを示す。ただし、Aに基づいてBを決定することは、Bの決定がAに基づくものだけであることを意味せず、A及び/又は他の情報に基づいてBを決定してもよい。
【0092】
更に、本明細書における「及び/又は」という用語は、関連対象を説明する関連関係のものに過ぎず、3種の関係が存在し得ることを表す。例えば、A及び/又はBは、Aが独立して存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが独立して存在することの3種の状況を表すことができる。また、本明細書における文字「/」は通常、前後の関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0093】
当業者が理解できるように、本明細書に開示されている実施例に説明されている各例示のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。これらの機能がハードウェア又はソフトウェアにより実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計上の制約条件に決められる。当業者は各特定の応用に対して異なる方法で、説明されている機能を実現してもよいが、このような実現は本願の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0094】
当業者であれば明白に理解できるように、説明を簡便で簡潔にする目的で、前述したシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、前述した方法の実施例における対応のプロセスを参照でき、ここで繰り返して説明しない。
【0095】
本願に係る幾つかの実施例において、理解されるように、開示されるシステム、装置及び方法は他の方式で実現されてもよい。例えば、上記の装置実施例は単に模式的なものであり、例えば、該ユニットの区分は論理的な機能区分に過ぎず、実際の実施では別の区分方式があってもよく、例えば、複数のユニット又はコンポーネントが組み合わせられてもよく、又は別のシステムに統合されてもよく、又は一部の特徴が省略されてもよく、又は実行されなくてもよい。一方、表示又は検討される相互間の結合又は直接結合又は通信接続は、幾つかのインターフェース、装置又はユニットを介した間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形態であってもよい。
【0096】
分離部材として説明された前記ユニットは物理的に分離したものであってもでなくてもよく、ユニットとして表示された部材は物理ユニットであってもよく、物理ユニットでなくてもよく、即ち、一箇所に位置してもよく、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実際の需要に応じてその一部又は全部のユニットを選択して、本実施例案の目的を実現してもよい。
【0097】
また、本発明の各実施例において、各機能ユニットは1つの監視ユニットに統合されてもよく、各ユニットは独立して物理的に存在してもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0098】
前記機能がソフトウェア機能ユニットの形で実現され、そして独立した製品として販売又は使用される場合、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本願の技術案の本質又は従来技術に貢献する部分、又は該技術案の一部はソフトウェア製品の形式で具現されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は1つの記憶媒体に記憶され、1台のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク装置等であってもよい)に本願の各実施例の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。前述の記憶媒体はUSBディスク、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる各種の媒体を含む。
【0099】
以上の説明は本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲を制限するためのものではなく、当業者が本願に開示される技術的範囲内において容易に想到し得る変更や置換は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は特許請求の範囲に記載の保護範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7