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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】照明装置のための拡散反射体
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230814BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20230814BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
F21S2/00 438
F21V5/00 530
F21V5/00 100
G02B5/02 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020542695
(86)(22)【出願日】2018-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 GB2018053043
(87)【国際公開番号】W WO2019077375
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】1717331.1
(32)【優先日】2017-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520139860
【氏名又は名称】オプトリカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149032
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 敏明
(72)【発明者】
【氏名】サヤル,ナビーン
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-124162(JP,A)
【文献】特開平10-021720(JP,A)
【文献】特開平07-161216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0116607(US,A1)
【文献】特開2010-146831(JP,A)
【文献】特開2010-008682(JP,A)
【文献】国際公開第2011/152446(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/00
G02B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置のための拡散反射体であって、
表面に1つ又は複数のインターフェース部が、配置されるバッキング部であって、インターフェース部が、少なくとも部分的に光学的に拡散反射性である、及び/又はバッキング部が光学的に拡散反射性である、前記バッキング部、
を含み、
インターフェース部は、インターフェース部を介してバッキング部を導光パネルに光学的に結合するように、照明装置の導光パネルの表面と、別個のそれぞれの接触界面を作るために、それぞれ適合される複数の別個の突起で形成される;及び、
インターフェース部は、界面エネルギーが低減されるように、前記接触界面を形成するように構成される光学的に透過性の界面材料を含み、結果として空気が接触界面から運ばれ、それにより、導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、前記接触界面で増加され、
突起部は、インターフェース部が、界面材料の表面領域を突起領域に分割する隣接する前記突起部の間に位置する界面材料の凹んだ表面領域によって提供される空隙部を含むように、バッキング部を被覆する界面材料の連続層である一体型台座層から突出しており、使用時に、界面材料は、界面材料の隣接する突起部によって導光パネルの対面する表面から分離して保持されることによって、界面材料が前記接触界面を形成するためにパネル表面に到達できない空隙領域によって分離された導光パネルとの前記接触界面を形成することができる、前記拡散反射体。
【請求項2】
導光パネル表面の表面エネルギーが、界面材料の表面エネルギーよりも高く、インターフェース部は、導光パネルの表面を自発的に濡らすように適合された自己濡れ性材料を含み、圧力なしで前記濡れが伝播する、請求項1に記載の拡散反射体。
【請求項3】
インターフェース部が、光学的に透過性であり、かつ光学的に反射性であるバッキング部の表面に配置され、反射性のバッキング部が拡散反射性であり、又は、インターフェース部が拡散反射性であり、バッキング部が実質的に透明である、請求項1~2のいずれか一項に記載の拡散反射体。
【請求項4】
導光装置であって、
パネル表面を含む導光パネル;
表面に1つ又は複数のインターフェース部が配置されるバッキング部を含む拡散反射体であって、インターフェース部が、光学的に透過性の界面材料を含み、少なくとも部分的に光学的に拡散反射性である、及び/又はバッキング部が、光学的に拡散反射性である、前記拡散反射体;を含み、かつ
インターフェース部は、界面エネルギーが低減されるように適合されるパネル表面の領域と、別個のそれぞれの接触界面をそれぞれ作る複数の別個の突起で形成され、結果として空気が界面から運ばれ、それにより、導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、インターフェース部を介してバッキング部を導光パネルへ光学的に結合するように、前記界面で増加され、
突起部は、インターフェース部が、界面材料の表面領域を突起領域に分割する隣接する前記突起部の間に位置する界面材料の凹んだ表面領域によって提供される空隙部を含むように、バッキング部を被覆する界面材料の連続層である一体型台座層から突出しており、界面材料は、界面材料の隣接する突起部によって導光パネルの対面する表面から分離して保持されることによって、界面材料が前記接触界面を形成するためにパネル表面に到達できない空隙領域によって分離された導光パネルとの前記接触界面を形成する、前記導光装置。
【請求項5】
インターフェース部が、光学的に透過性であり、かつ光学的に反射性であるバッキング部の表面に配置され、反射性のバッキング部が拡散反射性であり、又は、インターフェース部が拡散反射性であり、バッキング部が実質的に透明である、請求項4に記載の導光装置。
【請求項6】
導光パネル表面の表面エネルギーが、界面材料の表面エネルギーよりも高く、インターフェース部は、導光パネルの表面を自発的に濡らすように適合された自己濡れ性材料を含み、圧力なしで前記濡れが伝播する、請求項4~5のいずれか一項に記載の導光装置。
【請求項7】
照明装置のための拡散反射体を製造する方法であって、
バッキング部を提供すること;
光学的に透過性である界面材料を提供すること
バッキング部の表面上にある量の界面材料を配置すること、及び、それにより;
照明装置の導光パネルの表面と別個のそれぞれの接触界面を作るように適合される界面材料の複数の別個の突起を含むインターフェース部を形成し、バッキング部を接触界面を介して導光パネルに光学的に結合し、突起部は、インターフェース部が、界面材料の表面領域を突起領域に分割する隣接する前記突起部の間に位置する界面材料の凹んだ表面領域によって提供される空隙部を含むように、バッキング部を被覆する界面材料の連続層である一体型台座層から突出しており、使用時に、界面材料は、界面材料の隣接する突起部によって導光パネルの対面する表面から分離して保持されることによって、界面材料が前記接触界面を形成するためにパネル表面に到達できない空隙領域によって分離された導光パネルとの前記接触界面を形成することができ
インターフェース部が、光学的に少なくとも部分的に拡散反射性であり、及び/又はバッキング部が、光学的に拡散反射性であり;及び
界面材料は、界面エネルギーが低減されるように、前記接触界面を形成するように構成され、結果として空気が接触界面から運ばれ、それにより、導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、前記接触界面で増加される、前記界面材料の複数の別個の突起を形成すること
を含む、前記方法。
【請求項8】
導光パネル表面の表面エネルギーが、界面材料の表面エネルギーよりも高く、インターフェース部は、導光パネルの表面を自発的に濡らすように適合された自己濡れ性材料を含み、圧力なしで前記濡れが伝播する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
インターフェース部が、光学的に透過性であり、前記方法は、インターフェース部を光学的に反射性であるバッキング部の表面に配置することを含み、反射性のバッキング部は拡散反射性であり、インターフェース部が拡散反射性であり、前記方法は、バッキング部が実質的に透明であるバッキング部の表面にインターフェース部を配置することを含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
導光装置を製造する方法であって、
パネル表面を含む導光パネルを提供すること;
請求項のいずれか一項に記載の拡散反射体を提供すること;及び
前記複数の別個の突起により、界面エネルギーが低減されるように、パネル表面の領域と複数の別個のそれぞれの接触界面を作ることであって、結果として空気が接触界面から運ばれ、それにより、導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、接触界面を介して拡散反射体を導光パネルへ光学的に結合するように前記接触界面で増加される、前記パネル表面の領域と複数の別個のそれぞれの接触界面を作ること
を含む、前記方法。
【請求項11】
導光装置であって、
パネル表面を含む導光パネル;
表面に1つ又は複数のインターフェース部が配置されるバッキング部を含む拡散反射体であって、インターフェース部が、少なくとも部分的に光学的に拡散反射性である、及び/又はバッキング部が、光学的に拡散反射性である、前記拡散反射体;を含み、かつ
インターフェース部は、界面エネルギーが低減されるように適合されるパネル表面の領域と、別個のそれぞれの接触界面をそれぞれ作る複数の別個の突起で形成され、結果として空気が界面から運ばれ、それにより、導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、インターフェース部を介してバッキング部を導光パネルへ光学的に結合するように、前記界面で増加され
パネル表面の表面エネルギーが、界面材料の表面エネルギーよりも高い
前記導光装置。
【請求項12】
インターフェース部が、光学的に透過性の界面材料内に分散される光学的散乱含有物を含み、それにより光学的に透過性の界面材料内の光の拡散散乱を可能にする、請求項11に記載の導光装置。
【請求項13】
光学的に透過性の界面材料が、導光パネルの前記表面への拡散反射体の分離及び再付着を可能にする粘着性材料である、請求項11又は12に記載の導光装置。
【請求項14】
インターフェース部が、光学的に透過性であり、かつ光学的に反射性であるバッキング部の表面に配置され、反射性のバッキング部が拡散反射性であり、及び/又はインターフェース部が、拡散透過性である、請求項11~13のいずれか一項に記載の導光装置。
【請求項15】
インターフェース部が、実質的に全体的に拡散反射性であり、かつバッキング部の前記表面が、実質的に非反射性である、請求項11~14のいずれか一項に記載の導光装置。
【請求項16】
インターフェース部が、実質的に光学的に非拡散性であり、かつバッキング部の前記表面が、拡散反射性である、請求項11に記載の導光装置。
【請求項17】
バッキング部の前記表面が、光学的に粗く、及び/又はパターン加工又は織り目加工され、それにより拡散反射性表面を備える、請求項11~16のいずれか一項に記載の導光装置。
【請求項18】
バッキング部の前記表面が、光学的散乱含有物の分散物を含有する光学的に透明なマトリックス材料のコーティングを含み、それにより前記表面を拡散反射性にする、請求項11~17のいずれか一項に記載の導光装置。
【請求項19】
インターフェース部が、拡散透過性であり、かつバッキング部の前記表面が、実質的に非拡散的な鏡面反射体である、又は拡散反射性である、請求項11~18のいずれか一項に記載の導光装置。
【請求項20】
拡散反射体が、可撓性である、請求項11~19のいずれか一項に記載の導光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光体に関連する。本発明は、光源(例えば、1つ又は複数のLEDなど)と共に照明の目的に使用される導光体に関連している。さらに特に、本発明は、導光部の構造に光取り出し特性のパターン加工を必要としない導光部を含む導光体に関する。導光体は、例えば、LCD画面などの表示画面など、画面を背後から光を当てるための、部屋や空間を照明するための照明パネルに使用することができる。このような照明パネル(例えば、LEDランプ)は、機械、ユーティリティランプ、ビデオゲーム、フェスティバルライト、フラッシュライト、スポットライトなどに使用することができる。
【背景技術】
【0002】
照明パネルのための導光体を実装する現行の方法は、透明な導光パネル(例えば、アクリルなどのプラスチック)を用いて、そのパネルの外部表面で光取り出し特性パターンを形成することである。一例を図1A及び図2に概略的に示す。全内部反射(TIR)によるパネル内の誘導光は、内部でそのような表面特性に衝突すると、パネルから透過する。したがって、取り出される光は、所望のとおり照明のために使用される。
【0003】
表面パターン加工は、導光パネルの表面に機械加工される、又は印刷される(例えば、スクリーン印刷される)、又は代替的には、導光パネルは、射出成形によって直接的に光取り出し特性と一体的に形成される。
【0004】
図1Bは、図1Aによる照明パネルユニットの分解された形態の概観図を示し、構成部:構成部を保持するためのフレーム及びフレームカバー、導光パネルの縁を照明するためのLEDを含む複数のLEDストリップ(表面にレーザーで機械加工された光取り出し特性を有する)、背面反射部シート、及び拡散体を示す。複数のLEDの1つ又は複数の線形アレイ/ストリップからの光は、単純な突き合わせ結合を介して、片側、複数、又は全ての側面から、その縁にて、スラブに入射される。反射体シートは、導光パネルの背面に配置される。これは、後方表面を通って導光パネルの外へ伝達される光を反射させ、該パネルの前方表面へ戻す。拡散体は、導光パネルの前方表面に配置されており、後方反射光を受け取る。拡散体は、透過光を拡散して、パネルの前方表面で、本質的に均一な照明を生成する。
【0005】
一般的に、導光パネルに入射される光は、パネルの対向する両方の内側表面の間の全体的な内部反射によってパネル内に誘導される。ただしそれらが滑らかな場合である(図2を参照)。しかしながら、パネルの反射面が粗く形成されている場合、光線が粗い領域に当たるたびに、一部の光がパネルから漏れるように、光線がその粗い領域を通ってパネルの外に部分的に透過することができる。これは、入射光線によって対応する角度が、パネル内の全内部反射の臨界角度(θ)未満である、パネルの局所表面法線との角度(又は入射)に対応する場合発生する。これは、導光スラブの表面に沿って、この条件が発生するように成形された「光取り出し」表面特性を有する表面を提供することによって、所望の位置で発生するように設計される。
【0006】
臨界角度は、パネル材料の屈折率(n)と、光の内部的な反射/透過の位置に隣接するパネルの外表面との近接の境界面にある媒体の屈折率(n)に関する鏡面反射のスネルの法則により定義される:
【数1】
【0007】
明るく均一な光出力を生成するために、このような粗い領域(光取り出し特性として知られる)は、機械加工、スクリーン印刷、又は射出成形のいずれかによって、導光パネルの表面(通常はプラスチックプレート)にて、選択的に作成される。これらの領域は通常、数百ミクロン~数ミリメートルの大きさの範囲であり、光伝播理論によって決定される特定の設計に従う。
【0008】
アクリルスラブの表面にこのような光取り出し特性を作成するために利用できる方法(つまり、レーザー機械加工、一般に白いドットのスクリーン印刷である印刷、又は射出成形)は、パターン加工を一度に一枚ずつ行う必要があるという意味で、本質的に高価で逐次的である。これらの方法ではまた、取り出し特性の精度がどのぐらい達成されるか、及びそれらがどのぐらい密接して配置できるかに制限も課す。より薄い光パネルには、より細かく密接に配置された光取り出し特性が必要である。
【0009】
レーザー機械加工を制限するものは、多数の導光の特性をパターン加工するために必要とされる時間及びそれに関連する費用である。射出成形には、各設計に固有である高価な成形器具が必要であるため、新しい設計又はサイズを製造するたびに変更する必要がある。射出成形ではまた、より薄い導光が成形中及び成形解除の際に破損するため、導光の厚さも制限される。スクリーン印刷は比較的に費用を低くできるが、作成可能な光取り出し特性の大きさ及び分布の点で、設計上の制限がある。これらすべての方法に共通する問題は、パターン加工工程が、導光パネルの製造に大幅な費用を加えてしまうことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明はこれらの制限に対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
概要
本発明者らは、光取り出し特性を備えた導光パネル/スラブをパターン加工する必要がなく、効率的な導光パネル/スラブを生成することが可能であり、これにより、導光パネルのパターン加工にかかる高額な費用を削減できることを発見した。これにより、導光パネル/スラブの輝度の向上もまた提供することができる。
【0012】
第1の態様では、本発明は、照明装置のための拡散反射体を提供し、前記拡散反射体が、表面に1つ又は複数のインターフェース部が配置されるバッキング部を含み、インターフェース部が、少なくとも部分的に光学的に拡散反射性である、及び/又はバッキング部が、光学的に拡散反射性であり;インターフェース部が、インターフェース部を介してバッキング部を導光パネルに光学的に結合するように、照明装置の導光パネルの表面と、別個のそれぞれの接触界面を作るために、それぞれ適合される複数の別個の突起で形成される;かつ、インターフェース部が、界面エネルギーが低減されるように、前記接触界面を形成するために構成される光学的に透過性の界面材料を含み、結果として空気が接触界面から運ばれ、それにより、導光パネルにより導かれる光の全内部反射の臨界角度が接触界面で増加する。導光パネルは、好ましくは拡散反射体に滑らかな表面(光学的に滑らか)を与える。導光パネルは、拡散反射体に湾曲した表面を備えることができるが、通常は平面であってもよく、可撓性があってもよい。インターフェース部は、光学的に透過的(例えば、部分的又は完全に透過的)であり、光学的に反射性であり得るバッキング部の表面(例えば、部分的又は完全に反射性)に配置することができる。バッキング部は、光学的に拡散反射性であり得、及び/又はインターフェース部が光学的に拡散透過性であり得る。インターフェース部が、部分的に光学的に拡散反射性(すなわち、部分的に拡散透過性でもある)であり得、又は実質的に、完全に光学的に拡散反射性であり得、かつバッキング部の表面は、実質的に光学的に非反射性(例えば、本質的に完全に透過性)であり得る。
【0013】
インターフェース部は、界面材料が取り付け/印刷又は配置される透明な基材(例えば、構造的支持体)を含むことができ、導光パネルとの濡れ性界面を形成するために、界面材料の「自由」な表面を与えることが可能である(又は利用可能になることができる)。インターフェース部の透明な基材は、バッキング部(反射バッキング部である得る、又はそうでない場合がある)に取り付け/配置/構成することができる。
【0014】
このような拡散反射体を用いて、マイクロ構造突起を含有する、光学的に透過性又は拡散反射性(例えば、透明、又は少なくとも部分的に拡散性)の界面材料のパターン加工フィルムを、導光パネル/スラブの外側表面に配置して、突起が接触する導光パネル/スラブの内部の光反射特性を変化させることが可能である。したがって、界面材料は、照明装置の導光パネルの表面エネルギーパラメータを利用して、界面から空気を運び、導光パネル及び界面材料の突起が直接的に光学的に結合される(エアギャップがない状態)表面領域を形成する「濡れ」工程を促進する。界面を形成する2つの材料の光学屈折率の比([外部界面材料]/[内部界面材料];n/n)は、界面材料の突起が存在しなく、空気のみが導光パネルの表面に直接存在するためにそのような界面が存在しない場合に比べて増加する。従って、導光パネルの濡れ表面部は、他の場合よりも、使用の導光パネル内で導かれる少数の光線によって満たされる、若しくは任意にそれらのどれもが満たさない、全内部反射(TIR)のより大きな臨界角を必要とする。
【0015】
好ましくは、複数の突起は、前記接触界面を介して、導光パネルと界面材料の突起とが直接光学的に結合される複数のそれぞれの表面領域を提供するために配置される。これらの表面領域の集合表面積は、使用時にインターフェース部が広がる導光パネルの表面積の少なくとも10%(好ましくは10%を大幅に超える)であり得る、そして使用時にインターフェース部が広がる導光パネルの表面積の、好ましくは、少なくとも25%である、又はより好ましくは、少なくとも50%、又はさらにより好ましくは、少なくとも60%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%である。これらの表面領域の集合表面積は、使用時にインターフェース部が広がる導光パネルの表面積の、10%~95%、又はさらに好ましくは、25%~95%の間、又はよりさらに好ましくは、50%~95%の間、又は25%~75%の間、又は40%~75%の間、又は50%~75%の間であり得る。好ましくは、表面領域の集合表面積は、使用時にインターフェース部が広がる導光パネルの表面積の95%以下である。もちろん、表面領域の集合表面積は、使用時にインターフェース部が広がる導光パネルの表面積の100%未満である。問題となる割合は、問題となるパネルのサイズに依存し得る。複数の突起は、平面図/領域において任意の所望の形状であってもよく、いくつかの好ましい実施例には、正方形、長方形;円形;楕円形;細長いもの;又は多数のこれらの形状の混合を含む。
【0016】
拡散反射体に、光学的拡散構成部(インターフェース部又は/及びバッキング部など)が存在すると、導光体内のTIRの経路を単に再開させるだけではなく、代わりに、戻りの光が、導光パネルの対向する平面(例えば、TIRに使用されるもの)のそれぞれ及び導光パネルを完全に通過することにより、導光パネルを通って透過させることを許す方向に反射光を導光パネルに戻すことができる。これにより、戻りの光は、導光パネルから取り出され、照明の目的で使用されることが可能である。
【0017】
パネル表面領域の濡れ部の界面を渡る屈折率の比(n/n)の増加は、(非濡れ部と比較して)導光パネル内の光の全内部反射の臨界角の値を増加させ、その結果、そのような濡れ界面に導かれる光線は、導光パネル内で完全に内部反射される可能性は低くなり、導波路パネルの外へ部分的に透過される可能性が高くなる。これは、TIRの臨界角の値を増加させることで、ランダムな入射角で界面領域に入射する光線の確率/割合を減らすためであり、臨界角/TIRの条件を満たす。
【0018】
この確率/割合は、装置が使用されるとき、光源(例えば、LED)によって導光パネルに入射される入力光の円錐角を制約することによって低減され得る。この円錐角は、導光パネル内の鏡面反射によって導かれる光線の最小入射角の値を効果的に決定する(光の内部散乱は無視する)。この最小角度がTIRの臨界角よりも小さい場合、次いで、濡れ界面を介して外側に光の透過が起こる。
【0019】
照明で使用するための導光パネルを通して透過光線を戻すように方向付けるために、この出力光は、拡散反射体が導光パネル上に配置される場合、拡散反射体によって拡散反射される(例えば、透過拡散体を介す)。
【0020】
図1及び図2に示されるような導光パネルの表面の表面処理(例えば、パターン加工、粗加工など)は必要ないことに注意されたい。その結果、例えば、拡散反射体と組み合わせにおいて、実質的に滑らかな表面の光学的に透明な材料の平面かつパターン加工されていない導光パネル又はプレート(又はスラブ)を、簡単に使用することができる。LEDなどの光源、又は一連のLED(例えば、既存の照明パネルで使用されているものと同じ又は類似のものなど)は、導光パネルを用いて通常の方法で使用することができる。導光パネル又はスラブが、例えば、LEDなどの単一又は複数の光源から光が結合される部品であることに注意されたい。導光パネル材料は、既存の照明パネル及び導光パネル/スラブで使用される材料と化学的及び光学的に同じ、又は類似し得る。
【0021】
このようにして、導光パネルの表面の物理構造に取り出し特性を直接適用することの難しさ、かつ費用のかかることを行う必要がなく、導光パネルから効果的に光り取り出しを提供することが可能となる。その代わりに、拡散反射体の光取り出し特性(界面材料へ光学的に結合される光学的な拡散構成部)がこの役割を行う。
【0022】
界面材料の屈折率は、導光スラブの材料の屈折率未満であり得る。例えば、界面材料の屈折率は、導光スラブの材料の屈折率の値よりも最大10%小さい値(例えば、5%~10%の間の小さい値)であり得る。例えば、導光スラブの材料が約1.49の屈折率を持つPMMAの場合、界面材料の屈折率は約1.34の低さであり得る。ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)は、「アクリル性」又は「アクリル性ガラス」としても知られており、いくつかの他のもののうち、「プレキシグラス」(RTM)、「アクリライト」(RTM)、「ルーサイト」(RTM)、及び「パーペックス」(RTM)などの商品名でも知られている。それは、透明な熱可塑性樹脂であり、ガラスに代わる軽量又は飛散防止の代替品として、シート形状でよく使用される。
【0023】
界面材料に比較的低い屈折率を使用する利点は、導光パネルから界面材料に、界面材料中へ透過される光の屈折角度を増加させることにある。この結果には、(a)屈折光線のより長い光路(すなわち、より多くの「グランシング」)であって、界面材料を通って光学的にバッキング部に通過する際に、界面材料が拡散的に透過性である場合に光拡散の確率を増加させる;(b)屈折光線がバッキング部の対向面を照らす場所でのより大きな入射角(すなわち、より多くの「グランシング」)であって、それが照らすその表面の面積を増加させ、表面が拡散的に屈折性である場合に、それにより光拡散の確率を増加させる、
を含む。
【0024】
代替的な実施形態では、界面材料の屈折率は、導光スラブの材料の屈折率を超えることがあり得る(例えば、少なくとも10%を超える)。界面材料に比較的高い屈折率を使用する利点は、導光パネルと界面材料との間の界面でのいずれのTIRが起こる可能性を取り利除くことにある。これは、導光パネル内のその界面で内部的に入射する光線が、界面を通り、導光パネルから界面材料へ、界面材料中にそれらの光の少なくともある割合で透過することを意味する。これは、導光パネルから拡散反射体への光の結合を強化するのに役立つことができるが、バッキング表面に向かう界面材料へのより小さい、より少ない屈折の視射角となってしまう。
【0025】
インターフェース部は、実質的に光学的に非拡散性であり得る。バッキング部の表面は、光学的に拡散反射性であり得る。
【0026】
バッキング部の表面は光学的に粗くてもよく、及び/又はパターン加工又は織り目加工されてもよく、それにより拡散的な反射性表面を提供する。バッキング部の表面は、光学的散乱含有物の分散物を含有する光学的に透明なマトリックス材料のコーティングを含むことができ、それにより表面を拡散反射性にする。
【0027】
インターフェース部は、拡散的に透過性であり得る。バッキング部の表面は、実質的に非拡散的な鏡面反射体であってもよく、又は拡散的な反射性であってもよい。バッキング部は、当業者が容易に利用できるような、金属製のフィルム又はシート、ミラーフィルム又はミラーシート、又は多層の誘電反射体を含み得る。拡散反射体は、インターフェース部が、光学的に透過的な界面材料内に分散される光学的散乱含有物を含み、それにより光学的透過性界面材料内の光の拡散散乱を可能にするように構成され得る。
【0028】
バッキング部は、拡散反射性のバッキング部であり得る。拡散反射性のバッキング部は、粗い表面(例えば、光の波長よりも大きい空間スケールで光学的に粗い)を含む。このような反射表面は、反射性のバッキング部の基材へ、白色塗料又は粉末系コーティングの表面によって提供され得る。粉末系コーティングは、適切な有機結合材(エポキシ又はアクリル結合材など)中に粉末の分散物(例えば、顔料、Ti0、BaS0、Al、又はそれらの混合物(通常は白色))を含み得る。代替的には、物理的な粗加工、織り目加工又はパターン加工された反射表面が使用され得る。このような粒子状分散物は、標準的なコーティング方法によって基材にコーティングされ得、そして熱的に又はUV光を使用して乾燥させることができる。コーティング内のこのような分散物(例えば、顔料)における粒子サイズ(例えば、平均直径)は、1ミクロン未満、又は最大数100ミクロン(例えば、0.5ミクロン<[平均直径]<300ミクロン)であり得る。このような拡散反射体は、好ましくは、90~98%の間の反射率を備えるように構成される。適切な拡散反射体は:Brightview Technologies、住所:4022 Stirrup Creek Drive#301,Durham,NC27703,USA;又はYongtek、住所:12F,No.86-2,Yiwen 1st St.,Taoyuan Dist.,Taoyuan City 33045, Taiwan;又はAojia Optical Chaozhou Xinde Packing Materials、中国;又はShenzhen Tospon LED Lighting Co.Ltd、住所:5F,Building 31,Taoyuan industrial park,Huangtian,Xixiang,Baoan,Shenzhen,Chinaから市販される。
【0029】
反射粒子/顔料は、界面材料(濡れ材料)中に直接分散され得、次いでバッキング部に塗布して上述の複数の突起を形成する。この場合、インターフェース部が拡散反射するようになり、それによって、突起によって提供される濡れ領域に落ちる導光パネル内からの光はすぐに、その領域の粒子/顔料によって、バッキング部によって反射されない場合でも、散乱及び反射されるようになる。逆に、濡れていない(例えば、エアギャップ/空隙が存在する)導光パネル表面の領域に落ちる光は、パネル内で継続的にTIRを行う。
【0030】
好ましくは、導光パネル表面の表面エネルギーは、界面材料の表面エネルギーよりも高い。固体の原子/分子は、相互作用力によって互いに拘束される。このような物質の内部では、原子/分子の相互作用力が互いに平衡する。外部からの界面の力が、失われている、又は著しく弱いことは、正味の力は該固体内に向かうことになる。原子/分子を界面にもたらすためには、この力に対して仕事が行われる必要がある。この仕事は、潜在エネルギーとして原子/分子に保存される。したがって、ΔAによる界面の増加はエネルギーΔWintを必要とする。自由界面エネルギーは、ΔWint/ΔAの比率として定義される。
【0031】
表面エネルギーは濡れ現象に影響する。例えば、固体基材に液体を1滴置くと、基材の表面エネルギーが変化し得る。このような場合、基材は「濡れている」と呼ばれる。よく知られているように、ヤングの公式を使用して、空気雰囲気で基材上の液滴の接触角(θ)を観察することにより、実験的に濡れを測定することが可能である。
【数2】
ヤングの公式は、界面エネルギーに対する触角に関し、γs-gは個体/基材と空気(気体)相との間の界面エネルギー、γs-lは基材と液体との間の界面エネルギー、そしてγl-gは液体と気相との間の界面エネルギーである。90度未満の接触角は、問題の液体に対して「濡れる」基材表面であることを示す。これは、基材と液体との間の界面エネルギーによって影響される。同じ原理が、流動性又は流動可能な液体ではないが、界面の表面エネルギーを減らす働きをする「濡れ性」又は「粘着性」の材料などの他の濡れ界面材料にも適用される。
【0032】
高及び低エネルギー基材の濡れは、以下のように発生する。固体基材の表面エネルギーは、基材を結合する相互作用によって決定される。低エネルギー基材よりも、高エネルギー基材の方がより容易に濡れ性である。基材が、液体又は濡れを行う物質よりも高い表面エネルギーを有する場合、より完全な濡れが発生する。
【0033】
拡散反射体の光学的に透過性の界面材料は、粘着性のある材料で、拡散反射体を導光体の前記表面から分離及び再付着を可能にする。
【0034】
拡散反射体は可撓性であり得る。この可撓性により、反射体を導光パネルの表面により簡単に適用することができる。バッキング部は、可撓性材料シート(例えば、反射材料、透明材料)を含むことができる。界面材料は、バッキング部の表面上に対して非流動可能性又は非流動性である非固体材料であり得る。界面材料は、可撓性、可鍛性及び/又は延性であり得る。界面材料は、順応性又は変形可能性(例えば、塑性的又は弾性的)、又は可鍛性、印刷可能性、流動可能性、又は分離可能性であり、印刷工程によって透過シートの基材の表面に界面材料を適用できる。
【0035】
第2の態様では、本発明は、導光装置を提供することができ、該導光装置は:パネル表面を含む導光パネル;表面に1つ又は複数のインターフェース部が配置されるバッキング部を含む拡散反射体を含み、インターフェース部は少なくとも部分的に光学的に拡散反射性である、及び/又はバッキング部は光学的に拡散反射性である;及びインターフェース部は、それらの界面エネルギーが低減されるように、適合されるパネル表面の領域と、別個のそれぞれの接触界面をそれぞれ作る複数の別個の突起で形成され、結果として空気が界面から運ばれ、それにより導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、インターフェース部を介してバッキング部を導光パネルに光学的に結合するように前記界面で増加する。拡散反射体は、好ましくは、上記の本発明の第1の態様に従うことが可能である。
【0036】
好ましくは、複数の突起は、前記接触界面を介して、導光パネルと界面材料の突起とが直接に光学的に結合される複数のそれぞれの表面領域を備える。これらの表面領域の集合表面積は、使用時に、インターフェース部が広がる導光パネルの表面積の少なくとも10%(好ましくは10%を大幅に超える)であり得る、そして好ましくは、使用時に、インターフェース部が広がる導光パネルの表面積の、少なくとも25%である、又はより好ましくは、少なくとも50%、又はさらにより好ましくは少なくとも60%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%である。これらの表面領域の集合表面積は、インターフェース部が広がる導光パネルの表面積の10%~95%、又はさらに好ましくは25%~95%の間、又はよりさらに好ましくは50%~95%の間、又は25%~75%の間、又は40%~75%の間、又は50%~75%の間であり得る。好ましくは、表面領域の集合表面積は、使用時に、インターフェース部が広がる導光パネルの表面積の95%以下である。もちろん、表面領域の集合表面積は、インターフェース部が広がる導光パネルの表面積の100%未満である。問題となる割合は、問題となるパネルのサイズに依存し得る。複数の突起は、平面図/領域において任意の所望の形状であってもよく、いくつかの好ましい実施例には、正方形、長方形、円形、楕円形、細長いもの、又は多数のこれらの形状の混合を含む。
【0037】
導光装置では、インターフェース部が実質的に光学的に非拡散性であり得、かつ光学的に透過性の界面材料を含むことができる。光学的なバッキング部の表面は、拡散反射性である。
【0038】
導光装置では、バッキング部の表面は光学的に粗くてもよく、及び/又はパターン加工又は織り目加工されてもよく、それにより拡散的な反射性表面を備える。バッキング部の表面は、光学的散乱含有物の分散物を含有する光学的に透明なマトリックス材料のコーティングを含むことができ、それにより表面を拡散反射性にする。
【0039】
導光装置のインターフェース部は、拡散的に透過性であり得る。導光装置では、バッキング部の表面は、実質的に非拡散的な鏡面反射体であってもよく、又は拡散的な反射性であってもよい。
【0040】
インターフェース部は、光学的に透過性の界面材料内に分散される光学的散乱含有物を含み得、それにより光学的透過性界面材料内の光の拡散散乱を可能にする。
【0041】
導光装置の光学的に透過性の界面材料は、粘着性のある材料で、拡散反射体を導光体の表面から分離及び再付着を可能にする。界面材料は接着剤であり得、導光体の表面に接着するように配置され得る。
【0042】
導光装置では、拡散反射体が可撓性であり得る。
【0043】
好ましくは、導光装置のパネル表面の表面エネルギーが、界面材料の表面エネルギーよりも高い。
【0044】
導光パネルが、好ましくは、光伝搬損失が少ない光学的に透明な材料で作成される。導光パネルが、無色又は着色され得る。導光パネルに使用される材料は、実質的に光学的に透明である1つ以上の種類のポリマーを含み得る、又は任意の組成の結晶材料又はガラス材料含み得る。ポリマー材料の一般的な例としては、PMMA[ポリ(メチルメタクリレート)]及びその共重合体、ガラス代替としてよく使用される透明熱可塑性樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は他の実質的に光学的に透明なポリマーがある。ガラス状導光パネル材料の例としては、ソーダ石灰ガラス又はウィンドウガラス、ホウケイ酸塩又はシリカガラスである。導光パネルは、任意の形状(一般的には正方形、長方形、又は円形)であり得、均一な厚みを有し得、又は可変の厚みを有し得る(楔形など)。
【0045】
望ましくは、拡散反射体は、それが導光パネルの表面に機械的又は手動で適用されることを可能にするために、可撓性、変形可能性、又は同様に可鍛性である。界面材料は、順応性又は変形可能性(例えば、塑性的又は弾性的)、又は可鍛性、印刷可能性、流動可能性、又は印刷可能であり、印刷工程によって透過シートの基材の表面に界面材料を適用できるようにすることができる。その結果、ある量の拡散反射体を、導光装置とは独立して、シート形態に製造することができ、この量(又はその「形状に裁断される」一部)は、本明細書でより詳しく説明されるとおり、該装置を製造する工程で導光パネルに事後的に適用されることができる。
【0046】
拡散反射体部は、導光パネルに接触して配置されるシートとして提供され得る。拡散反射体部は、照明に使用する導光パネルを介して戻る方向に、導光パネルから取り出される光を反射するために構成され得る。拡散反射体部は、白色反射コーティング又は他の多層反射体を有するPET基材から形成される、拡散反射体バッキングシートを含むことができる。多層反射体の適切な例としては、Optical Systems Division,3M Center,Building 235-1 E-54,St.Paul,MN 55144-1000,USAにある、3M Optical Systemsで製造される「Vikuiti(商標)Enhanced Specular Reflector-ESR」などがある。
【0047】
該装置は、光源を含むことができ、導光パネルの1つ以上の縁を介し導くために、導光パネルに光を入射するように構成され得る。1つ以上のLEDをその/各々の光源として使用することができる。使用されるLEDは、金属又はプラスチックの可撓性ストリップ上に個別又は集合的に取り付けられ、導光パネルの縁にて所望の位置にLEDを配置するために、アセンブリ全体が、適合される適切な筐体内に配置されることができる。あるいは、出力光線プロファイルを制御するために、均一性を改良する拡散体及び任意に光学フィルム(すなわち、視準又は光出力を広げるため)を使用することもできる。LEDは、任意の色又は色温度であり得、任意の方法でパッケージされ得る。本発明者らは、本発明の実施形態による導光装置を含む光パネルが、輝度の変動が少ない(高い均一性)大量の照明(高効率)を与え、かつ使用されるLED又は導光パネルの色に応じて複数の色の光を放出できることを見出した。
【0048】
バッキング部の界面材料(例えば、シート)は、有機材料のコーティングであり得る。バッキング部の表面は、拡散反射体又は鏡面反射体(つまり、ミラー様コーティングが施されたもの)であり得る。このコーティングの特性は、コーティングされる基材シートが導光パネル/スラブに接触して用いられる場合、導光パネル/スラブを濡れさせることができることである(例えば、任意に接触圧力が該2つに適用される場合など)。この濡れ挙動は、コーティングによって提示される突起が導光パネル/スラブに接触するスポット/位置にて、濡れ領域が形成され、その領域から空気が外へ運ばれる事象を特徴とする(つまり、濡れ材料とプレート/スラブ表面との間にエアギャップが存在しない)。コーティングは、このような濡れ挙動を自発的に示すように適合され得る(自己濡れ性を特徴とする)、又は特定の圧力を適用することが必要であり得る。界面材料のこのコーティングは、基材シートが、導光パネル/スラブから簡単に分離できるように、接着結合を形成するが導光パネル/スラブを濡らすように、又は導光パネル/スラブ表面との永久的又は実質的な結合を形成しないように適合されるように接着特性を有してもよい。界面材料のコーティングは、このような濡れ挙動を複数回表示し得る(例えば、シートが、取り外し及び複数回再適用/再配置して、毎回同様の濡れ挙動を示すことができる)、又は効果が一度しか見られないこともある(導光パネル/スラブからシートの取り外しが、濡れ効果を部分的又は完全に減少させる)。
【0049】
適切な界面材料が、いくつかの方法で実現され得る。このような界面材料のコーティングを実現する1つの方法は、軟質で順応性のポリマー又はゴム材料を合成することであり得る。一般的に、ガラス転移温度(T)が十分に低い適切な材料の多くは、この要件を満たすことが可能である。表面の濡れは、いくつかの方法で達成することができる。上記のとおり、1つは、粘着性のある材料(例えば、接着剤)を使用することができる。1つは、完全に硬化(乾燥化)の順応性材料を使用することができ、特定の圧力を加えることにより濡れ領域が作成されることが可能である。1つは、濡れが自発的に起こり、いずれの圧力なしで伝播する自己濡れ性材料を使用することができる。「粘着性」材料は、その「T」値に関係なく、界面材料に存在する化学基に応じる圧力の適用で、通常化学結合を形成する。順応性材料(例えば、室温で順応性)は、典型的には/好ましくは、0℃よりも低い又はそれに近い「T」値を有する。順応性界面材料の表面エネルギーは、導光プレートの表面の表面エネルギーと桁が同じ、又はさらにより高くすることができる。加えられた圧力により、あらゆる表面エネルギー障壁を克服することができる。表面エネルギーが低く、「T」値が低い界面材料を使用する利点は、自己濡れ性の場合のように圧力をかけずに自然に起こることである。T値に適用されるとおりの「低い」という用語は、室温で濡れが生じる導光パネルへの拡散反射体の適用(例えば、ラミネート)の文脈で考慮される。例えば、Tの値が低いとは、典型的には、Tの値が約20℃、又は20℃未満、又は好ましくは0(ゼロ)℃未満(すなわち、負の値)を意味する。いくつかの例では、T値が-30℃未満、又は50℃未満の材料を含み、もちろん、本発明はこれらの低いT値に限定されないが、所望に応じてそれらを任意に使用できる。
【0050】
シリコーン素材は、滑らかな表面を自然に濡らす(自己濡れ性)することができる。これらの材料(シリコーン又はシリコーンを含む材料)は、適切な界面材料の例である。低い表面エネルギーは、濡れ及び自己濡れ挙動につながる要因である。フッ素化材料、ポリウレタン材料、アクリルアクリレートは、適切な界面材料のさらなる例である。それらは適切な表面エネルギーである低いT値を有し、かつプラスチック表面での濡れを示す可撓性及び順応性のある材料である。
【0051】
あるいは、拡散反射体(例えば、シート)が導光パネル/スラブに接触して用いられる時に、なお濡れ性、又は「粘着性」のある界面材料を使用して、濡れ挙動を実現することもできる。このような「粘着性」の界面材料(例えば、コーティング)は、望ましくは、以下に記載されるとおり、前記複数の別個の突起を備えるためにパターン加工されることに注意することが重要である。このような粘着性表面を含有するフィルムを導光パネルの滑らかな表面(例えば、ガラス、プラスチック、又は結晶プレートなど)にラミネートすると、空気が外へ運ばれ、そして濡れ領域が形成される。
【0052】
拡散反射体は、導光パネルの上に物理的に配置することができ、かつ自然に濡れさせるためにそれに接触させて配置されることができる。一つはまた、濡れ性及び反応性物質(すなわち、光開始剤を有するモノマー又はオリゴマー製剤)に取り出し特性を形成して、導光パネルにそれを接触させた後に界面材料中でそれらが反応又は硬化することができ、その結果プレートと透過シートとの間に物理的又は化学的な結合を形成することができるようにすることができる。
【0053】
重要な点は、コーティング又はパターン加工された透過シートが導光パネルに接触する場所では、2つの表面との間で濡れ又は結合が生じる必要があり、それらの間に挟まれた空気が実質的に外へ運ばれる必要があることである。
【0054】
前述したとおり、光結合効率における屈折率の役割は、濡れ性層を形成する界面材料の屈折率がより高くなると、導光パネルをコーティングする界面材料の低い屈折率と比較して導光パネルの外へ結合される光の割合が高くなることである。逆の場合も同様である。したがって、厚みに応じて各導光体に所望の又は最適な光を与えるように、必要に応じて界面材料のこのコーティングの屈折率の選択が、かつ界面材料によって備えられる濡れ性層のパターン設計が実施され得る。
【0055】
界面材料の配合は、1つ以上の低いTのモノマー若しくはオリゴマー、又は低いTのモノマーの事前配合ポリマーを含むことができる。例えば、配合は、0~90重量%の間の1つ以上の低いTの単一機能アクリル酸(又はメタクリル酸)、又はビニルモノマーを含むことができる。これらの%値は重量%(つまり、重量による)である。
【0056】
アクリル材料の製造元から利用することができる低粘度、高反応性、良好な接着性などの特性の組み合わせを提供するこのような様々なモノマーが存在する。このようなモノマーのいくつかの重要な例には(ただし、これらに限定されない):アクリル酸エチル、アクリル酸エチルヘキシル(EHA)、2(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOA、例えば、Sartomer社の商品SR256、住所:Sartomer Americas、502 Thomas Jones Way、Exton、PA 19341、USA)、フェニルチオエチルアクリレート(PTEA)、オクタデシルアクリレート(ODA)、イソオクチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート(Sartomer社のCD504)、イソトリデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、エトキシル化ネオペンチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、又は対応するメタクリレートがある。
【0057】
任意に、界面材料の配合には、0重量%~50重量%の1つ以上の二重又は多機能性である低いTのモノマー、特に長いアルキル鎖又はエトキシル化される鎖を有するものを含むことができる。これは、上記の配合に加えて、又は一部であり得え、例えば、配合の構成要素としてであり得る。いくつかの例には(ただし、これに限定されない):ポリプロピレングリコール(700)ジアクリレート-PPG(700)DA、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート-PEG(600)DA、トリエチレングリコールジメタクリレート-TEGDMA、エトキシル化(10)ビスフェノール-Aジメタクリレート-BPA(10)EODMA、エトキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート-TMP(6)EOTA、エトキシル化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート-TMP(9)EOTA、エトキシル化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート-TMP(15)EOTA、エトキシル化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート-TMP(20)EOTA、エトキシル化(5)ペンタエリスリトールテトラアクリレート-PPTT、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート-TMP(3)POTA-T、ビス(EO)20フェノールAジアクリレート、ビス(EO)30フェノールAジアクリレート、ノニルフェノール(EO)8アクリレート、トリメチロールプロパン[3PO]トリアクリレート-TMP3POTA、Sartomer社のアクリレートエステル-SR9045、又は対応するメタクリレートを含む。
【0058】
界面材料の配合は、0重量%~100重量%の低いTのオリゴマーを含むことができる。様々なこのようなオリゴマーは、様々な化学製造元から入手できる。これらは、低いTと高粘度、優れた機械的及び光学的特性、並びに低黄変の優れた組み合わせを提供する。例には(ただし、これらに限定されない):脂肪族ウレタンジアクリレート[Allnex社(旧Cytec社)、(住所:Frankfurt,The Squaire,Am Flughafen,D 60549 Frankfurt am Main,Germany)のEbecryl230、270、841 1及び8296など]、Qualipoly Chemicals社、(住所:Qualipoly Chemicals No.2,Yong Gong 5th Rd.,Yong An Dist.,Kaohsiung City,82841,Taiwan)のQualicure GU3001 Z、GU3010Z、GU3030Z、GU3290M、GU3300W、及びGU3300Z、脂肪族モノアクリレートオリゴマー(Sartomer社のCN152など)、芳香族ウレタンアクリレート(Saromer社 CN9761及びAllnex社、旧Cytec社のEbecryl 4827など)、ポリエステル芳香族ウレタンジアクリレート(Qualipoly Chemicals社、台湾のQualicure GU3701Wなど)、ポリエーテルアクリレート(Allnex社、旧Cytec社のEbecryl 81)、エポキシアクリレート(Allnex社、旧Cytec社のEbecryl 3212)を含む。また、Sartomer社の様々なウレタンアクリレートオリゴマー(例えば Sartomer社のCN934、CN962、CN964、CN965、CN966H90、CN972、CN973H85、CN980、及びCN9002、又はIGM Resins社、住所:IGM Resins B.V.,Gompenstraat 49,5145 Waalwijk,The NetherlandsのPhotomer6629、6630、6576)も挙げられる。入手可能な場合は、同様のメタクリレートを使用することもできる。
【0059】
界面材料の配合には、低いTのポリブタジエン由来のアクリレート(例えば、Cray Valley社、住所:Total Cray Valley, Eagleview Corporate Center,665 Stockton Drive,Suite 100,Exton,PA 19341,USAのRicon134、142、150などのビニル含有ポリブタジエン、又は大阪有機化学工業株式会社、住所:大阪市中央区安土町1-7-20新富山ビル5階、541-0052、日本のBAC-45などのヒドロキシ末端ポリブタジエンジアクリレート)を含むことができる。
【0060】
界面材料の配合はまた、配合の機械的、レオロジー的、接着性又は光学的特性を改善するために、上記配合物に対して、0重量%~30重量%の標準UV硬化性モノマー(すなわち、T>0)又はオリゴマーを含むこともできる。これらの成分は、単一又は多数の機能を有することができ、かつコーティング業界で使用されている一般的な種類のいずれかであってもよい。このようなモノマーの例としては、Sartomer社のCN131 B、CN704、CN291、CN9200、CN991、9761A75、CN2208、及びCN2295がある。
【0061】
界面材料の配合では、自己配合されるオリゴマー又はポリマーによってオリゴマーの分画を補完又は完全に置換することもできる。このようなオリゴマー又はポリマーは、上記の低いTのモノマーの部分的又は完全な重合によって合成されることができる。これは、必要なモノマー(又はモノマーの混合物)を必要なUV開始剤の存在下で強いUV光を短時間使用して光重合させた後、反応容器を酸素で流して、光開始剤を非活性化することで反応を停止することでも実施される。重合度及び粘度は、反応時間を変化させることで経験的に制御することができる。あるいは、一つは、所望のモノマーと1つ以上の溶媒及び熱開始剤を混合し、次いで反応混合物に窒素を通過させながら、反応容器を加熱することでこれらを反応させることができる。撹拌及び窒素は、2時間~24時間の継続期間後に停止することができる。次いで溶媒は、還流反応によってモノマーで置換されることができる。
【0062】
また、様々な工程上の利益を実現するために、様々なUVコーティング配合に添加できるコーティング添加剤も存在する。様々な界面活性剤(Evonik社のTego Twin4100、Tego Wet270、 Allnex 社、旧Cytec社のAdditol VXL 4930 など)及び抗酸化剤(Ciba-Geigy社、住所:BASF Metals Ltd,21 st Floor,1 10 Bishopsgate,London EC2N 4AYのIrganox1010など)の使用は、UVコーティング剤の当業者によく知られるこのような添加剤の例である。このような添加剤は、必要に応じて本発明者らの配合に添加されることも可能である。さらに、上記の配合に追加のロジン又は炭化水素タイプの粘着性樹脂を使用することで、配合の粘着性を高めることもできる。例えば、C9炭化水素樹脂(Cray Valley社のNorsolene S1 15 C9)、又はStaybelite Resle-E、Tacolyn3179H樹脂、又はEastman Chemical社、住所:Eastman Chemical Ltd 200 South Wilcox Drive,Kingsport,TN 37660,USAのForal(登録商標)AX-E樹脂である。
【0063】
別のアプローチとしては、濡れ性配合を作成するためにUV硬化性シリコーンを使用することができる。Sartomer社、Allnex社(旧Cytec社)、Miwon Chemicals Lfcf社、住所:325-1,Seoksu 2-Dong,Manan-Gu,Anyang-Si,Gyonggi-Do,430-806,South Korea、又はDegussa社、住所:Evonik Industries AG,Rellinghauser StraBe 1-11,45128 Essen,Germanyなどの化学製造元から様々なこのようなシリコーンアクリレートが入手できる。例えば、Sartomer CN990、Sartomer CN9800、Sartomer PRO-21536、Ebecryl 350、Miramer SIP-900、Tego RAD 2300、RAD2400、RAD2500、RAD2600、RAD2700、RC711及びRC902である。1つ以上のこれらのシリコーンは、適切な光開始剤の存在下で、お互い混合させる、又は1つ以上の上記の低いT又は標準アクリレートを一緒に混合させて、コーティング及びUV硬化を形成することができる。一般的に、シリコーンアクリレートは屈折率が低いため、制御された屈折率の濡れ性配合を生成する良好な手段である。
【0064】
同様に、様々な化学製造元から入手できる多数のフッ素化アクリレート又はフッ素化ビニルのモノマー又はオリゴマーが存在し、重合時に順応性かつ濡れ性のポリマーを形成し、かつ一般に低いガラス転移温度(T)を示すことが当業者に周知でもある。このようなフッ素化UV重合可能性アクリレート又はビニル前駆体は、適切な光開始剤又は熱開始剤と共同させて、所望のコーティングを形成するために使用されることもできる。このようなフッ素化モノマーのいくつかの例には、ヘプタフルオロブチルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ペンタフルオロプロピルアクリレート、パーフルオロデシルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘネニコサフルオロドデシルアクリレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレートなど、又は対応するメタクリレートがある。また、様々なフッ素化オリゴマーがあり、その例は:Sartomer社のフッ素化アクリレートオリゴマーCN4002、Cytonix社(住所:Cytonix LLC,Suite 130,8000 Virginia Manor Road,Beltsville,MD 20705,USA)の様々なフルオロアルキル製品(例えば、FluoAcryl4298)及びMiwon Chemicals(韓国)のMiramer LR2000及びLR6000がある。
【0065】
UV光の存在下で、上記で配合されたものなどのフリーラジカル硬化配合物の光重合を可能にするために、1重量%~10重量%の1つ以上の光開始剤も上記混合物に添加される。光開始剤の選択はいくつかの要因に依存し、これらはポリマーの科学及び技術の当業者によって十分に理解されている。業界から入手できるこのような光開始剤は多数存在するが、限られる数の例としては:アセトフェノン、アントラキノン、アントラキノン-2-スルホン酸、ナトリウム塩一水和物、(ベンゼン)トリカルボニルクロム、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン/1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾイルビフェニル、ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、クロロチオキサンテン-9-オン、(クメン)シクロペンタジエニル鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、ジエトキシアセトフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ジメチルベンジル、ジメチルベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド/2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、エトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、メチルベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、安息香酸メチル、メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、フェナントレンキノン、フェノキシアセトフェノン、チオキサンテン-9-オンがある。これらの光開始剤は、Ciba-Geigy社のIrgacure 184、651、819、907、1173、2959、又はLamberti社、住所:Lamberti USA Inc.,Eight Tower Bridge,Suite 1000-161 Washington Street,19428 Conshohocken,PA,USAのEsacure KIP100Fなどの様々な商品名で一般に販売されている。
【0066】
上記の配合物前駆体は、フリーラジカル硬化性前駆体である。しかしながら、陽イオン重合を用いてUV硬化を実現できることが高分子化学の専門家に周知である。一般的に、フリーラジカル重合は瞬時に行われるため、高速のフィルムのスループットを実現できるが、酸素阻害に対する高い感度を有する。しかしながら、好ましい実施形態の拡散反射フィルムはUV硬化を受けている間にドラムの周りに巻き付けることができるので、酸素阻害は、UVエンボス加工を含む本発明の用途では一般に問題ではない。フリーラジカル重合は、硬化速度の点で好ましい選択である。陽イオン硬化は、幅広い特性を持つ材料の選択肢を広げるという点で利点を与えることができる。ほとんどのカチオン性UV樹脂配合物が、脂環式エポキシ系であるのは、これらの分子のエポキシド基は、鎖状脂肪族又は芳香族エポキシ分子と比較して最も反応性が高い傾向があるためである。カチオン硬化開始剤の限られる数の例としては:ロドニウム及びスルホニウム塩、ケトン/アミン、ホスフィンオキシド、ベンゾイルゲルマン、ハロゲン化アルキル、ビストリアリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩、ジアルキル及びシクロアルキルスルホニウム塩、フェニルエチニルスルホニウム塩、アシルスルホニウム塩、チアントレニウム塩、オニウム塩、アニリニウム塩、ホスホニウム塩及びチオピリリウム塩及びチアゾリニウム塩がある。
【0067】
本出願のパターン加工層を作成するには、光重合が最も実用的な方法であるが、対応する鋳型及び1つ以上の熱開始剤を使用することによって、又は光開始剤と熱開始剤の組み合わせを使用して、利用できるUVエネルギー及び熱エネルギーの両方を使用することによって、そのようなパターンを生成することもできる。このような熱開始剤の例の数は限られるが、(ただし、これらに限定されない):2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、5tert-ブチルヒドロペルオキシドベンゼン、tert-ブチルペルアセテートベンゼン、tert-ブチルペルオキシド、tert-アミルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシド及びtert-ブチルペルオキシベンゾエートがある。
【0068】
第3の態様では、本発明は、照明装置のための拡散反射体を製造する方法を提供することができ、該方法は:1つ又は複数のインターフェース部が少なくとも部分的に光学的に拡散反射性である、及び/又はバッキング部が光学的に拡散反射性である、バッキング部を提供すること;界面材料を提供すること;バッキング部の表面上にある量の界面材料を配置すること、及びそれにより;照明装置の導光パネルの表面と、別個のそれぞれの接触界面を作るために、接触界面を介してバッキング部を導光パネルに光学的に結合するために、それぞれ適合される界面材料の複数の別個の突起を形成することであって;界面材料が、界面エネルギーが低減されるように、前記接触界面を形成するために構成されて、結果として接触面からの空気が運ばれ、それにより前記接触界面での導光パネルにより導かれる光の全内部反射の臨界角が増大する、前記界面材料の複数の別個の突起を形成することを含む。
【0069】
インターフェース部は光学的に透過性であり得、そして該方法は、反射バッキング部が拡散的な反射性である、及び/又はインターフェース部が拡散的な透過性である、光学的に反射性であるバッキング部の表面上にインターフェース部を配置することを含み得る。インターフェース部は実質的に完全な拡散反射性であり得、かつバッキング部の表面は実質的に非反射性であり得る。
【0070】
第4の態様では、本発明は導光装置を製造する方法を提供し、該方法は:パネル表面を含む導光パネルを提供すること;前記の方法に従う拡散反射体を提供すること;及び複数の個別の突起により、界面エネルギーが減少するように、パネル表面の領域との複数の別個のそれぞれ接触界面を作ることであって、結果として空気が該界面から運ばれ、それにより導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、接触界面を介して導光体に拡散反射体を光学的に結合するように前記接触界面で増加される、前記接触界面を作ることを含む。
【0071】
界面材料の表面に形成される複数の突起は、本発明のいずれの態様において、「パターン加工」の工程によって形成され得る。パターン加工の目的は、導光体表面の領域と複数の別個の接触界面を作ることを可能にすることであり、界面材料が接触面を形成するためにパネル表面に接触しないこのような接触界面の領域的空隙によって、隣接の接触界面が分離される。この空隙は、界面材料の隣接する突起によって導光パネルの対面する表面から分離して保持される突起の間に位置する界面材料の凹んだ表面領域によって備えられ得る。これにより、界面材料の表面が、次の2つの種類に効果的に分離/分割される:(1)複数の突起による界面材からの突出、及び(2)突起間における界面材表面のその他の部分。
【0072】
したがって、パターン加工の目的は、バッキング部上の界面材料の表面領域のこの分離又は分割を、界面材料が導光パネルを濡らすことができる領域、及びパネル表面に到達して濡らすことができない領域に形成することである。このようなパターン加工は、使用において導光パネルの出力表面全体に、出力光の出力強度の空間的分布を実質的に均一にするために望ましい。表面全体に実質的に空間的に均一な光出力を備えた導光パネルの生成には、その表面全体、例えば、その表面の縁及び角からその中心までに配置される光取り出し特性の空間勾配(例えば、突起が占める界面材料の表面領域の空間的変化)も必要である。この段階的なパターンにより、該パネル内部で利用できる光が、入力光源(LEDなど)から離れて移動し、その一部がすでに取り出されるにしたがって減少するという事実にもかかわらず、導光パネルから出てくる光が均一であることを確かにする。
【0073】
取り出し特性の空間的勾配は、それらの面積について(つまり、突起/スポットサイズが変化するが、それらの間隔を同じまま)、又は間隔の変化について(サイズは同じで、間隔が変化する)、又は一般に両方のいずれの観点であることが可能である。界面材料のパターン加工により、導光パネルの照明出力面の表面領域全体で、全体的な光出力が実質的に空間的に、望ましく均一であるように、濡れ領域から取り出される光が縁から中心へ変化することを許容する(これは、拡散反射体が接触している表面と反対のパネル表面である)。そのようなパターン加工設計は、当技術分野でよく知られている光学設計プログラム(例えば、Zemax、Tracepro、ASAP又はLighttoolsとして知られている製品)を使用するなど、光学的非順次光線追跡シミュレーションを使用して作成できる。このようなパターンは、それが必要とする照明器のサイズに特定的であることができる、又はこのようなパターンは、本発明による拡散反射体のシートから異なるサイズの領域を切り取ることができるように、より包括的であることができる。
【0074】
上記のとおり、本発明のバッキング部上の界面材料の突起の設計パターンを転写する実用的な方法は、マスターツールの使用を含み得る。マスターツールは、コーティング加工/印刷加工/エンボス加工の機器の金型/押印機の表面に形成される界面材料に所望のパターンの「ネガ(negative)」形状からなり得る。フィルム上へのこれらのパターンの複製は様々な方法により実施され得る。例えば、金型/押印機を繰り返し使用することで複製が可能になる。UVエンボス加工(UVキャスト硬化としても知られる)によるグラビアコーティングを用いたUVパターン加工は適切な方法である。しかしながら、このような特性は、パターンを形成するための業界で一般的に知られている他の多くの方法(例えば、フレキソ、リソフラフィー、インクジェット印刷、スクリーン印刷、及びこれらの組み合わせ又はバリエーション)で作成することもできる。
【0075】
最も好ましくは、パターン領域を形成する界面材料の表面から、複数の突起のそれぞれの突起の最上部表面が、好ましくは実質的に平坦かつ滑らか(相当な山及び溝がないこと)であり、突起のスポット領域全体が導光プレート表面に濡れることを確かにする。
【0076】
UVエンボス加工は、高忠実度の超微細パターンを作成するための好ましい手段であるが、そのようなパターンは、熱エンボス又はホットエンボス加工によって作成することもできる。上記の濡れ材料は、高温でホットマスター又は金型ツールによってプレスされ、したがって選択領域上に永続的な圧痕を作成することができ、これは導光プレートと接触する領域及び接触しない領域のUVエンボスパターンに作用が類似する。
【0077】
該作用はまた、界面材料の均一な非パターン層を使用して、次いで印刷によって上部に完全な乾燥又は硬化領域を形成することによって作成することもでき、それにより、コーティングが導光プレートに接触して用いられる際に濡れ領域及び非濡れ領域を作成する。これは、乾燥又は硬化をもたらすインク(例えば、フレキソ印刷、グラビア印刷、リソグラフィー印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷)を選択的に適用すること、通常温度又は高温で圧力により界面材料の選択領域を単純に圧縮すること、又は機械装置若しくはレーザーによって選択的に濡れ性界面材料を損傷又は破壊することによって実現することができる。あるいは、バッキング部(例えば、シート)に圧痕をプレスして、コーティング表面がバッキング部の圧痕に沿って、それにより界面材料の上部表面に隆起領域又は陥没領域が作成されるように、界面材料のコーティングが圧痕のあるバッキング部に適用されることも可能である。これにより、拡散反射体を導光プレートに接触させることにおいて、空間的なパターン加工/選択的な濡れ性をもたらす。界面材料の突起のパターンはまた、非濡れ性材料を導光パネルの表面に印刷し、次に界面材料(濡れ性)でコーティングされるバッキング部/シートを導光パネルのパターン表面にラミネートすることができ、2つの間に空気のない濡れ領域を形成することによって作成されることも可能である。拡散反射体を導光パネル表面に対してプレスして、パターン加工されたパネル表面の自由表面領域を埋めるという物理的作用により、可鍛性界面材料が非濡れ性材料の周りに鋳型成形/形成され、界面材料の前記複数の突起が形成されることをもたらす。界面材料のパターン加工は、最終製品を実現するより実用的な方法である。
【0078】
本現行の発明の利点が提供するのは、拡散反射体が、一般的に利用可能なウィブ/フィルム処理装置を使用して、高スループットかつ高速でフィルムとして、1つの場所で製造されることが可能であることである(数フィート/分(つまり、約0.1m/s)から最大数百フィート/分(つまり、約1m/s)までの速度)が一般的である)。上記で説明したとおり、導光プレートを製造する現在のすべての方法は遅く、1つずつにそれらの連続した製造を必要とする。上記で記載したとおり、拡散反射体のフィルムのロールは、任意の必要なサイズ又は形状に切断することができ、実質的に透明な材料の非パターン加工導光プレートに取り付け又はラミネートされて、遠隔地に出荷されることが可能である。これにより、輸送コスト及び物流コストを大幅に削減し、環境的な利点もまた提供することができる。
【0079】
今日、レーザー機械加工又は射出成形などの方法によって、プラスチック材料を直接簡単に表面パターン加工できるため、導光パネルは一般にプラスチック(好ましくはアクリルポリマー又はコポリマー)で作られている。フロートガラスは安価に入手でき、ガラスは難燃性及びまたコストの面で大きな利益をもたらす。しかしながら、直接的な表面パターンガラスプレートの経済的な手段はない。本発明により、ガラスの物理表面に直接パターン加工する必要がなく、ガラスプレートの導光パネルを採用することが可能となり、したがってエンドユーザーに大きな利益をもたらす。
【0080】
本発明によれば、拡散反射体が取り付けられた導光プレートは、1つ、2つ、又はすべての側面にLEDを含有する筐体に配置することができる。LEDの電源がオンの場合、界面材料との界面を形成する導光プレートの領域が光取り出し特性として振る舞い、したがって導光プレートから外へ出る光を拡散反射体に結合し、導光プレートを介して拡散反射して戻り、そしてその自由前面から外へ出て、前面で光の発光を生成する。拡散フィルム又はプレートを、導光プレートの前面に配置して、出力光をさらに拡散させることができ、光出力をさらにより均一にする。あるいは、既知の輝度向上フィルムを使用して達成されるような光コリメーションの目的で、拡散体の前面に1つ又は複数の光学フィルムを配置してもよい。
【0081】
導光プレートのパターン加工の既存の方法の別の主要な制限(低い製造速度及び大幅に高い費用に加えて)は、これらの方法では、実際には比較的大きなサイズの特性しか作成できないということである。現在の最新技術の導光体の表面に形成された光取り出し特性は、主にサイズが250ミクロンより大きく、一般に約0.5ミリメートル~約2mmである。この問題は、明るい領域(つまり、光が取り出されている領域)が周囲の暗い領域(光が外へ出ていない領域)と比較して大幅に明るいように見えることである。それ故、現在の光パネルには、均一な照明を作成するための「ホットスポット」をなくすために、非常に厚い拡散体(ミリメートルオーダーの厚さ)を必要とする。この厚みの拡散体は、全く望ましくないことに、パネルの費用、重量及び厚さを加える。
【0082】
本発明の利点は、導光プレートを濡らす界面材料の任意の1つ以上の突起の領域を、必要に応じて、それぞれ著しく小さくすることができ(例えば、<<250ミクロン)、数百ナノメートル~数十ミクロンと小さい領域であることが可能である。したがって、作成された導光パネルの光出力は、いずれの拡散体を使用しなくても、はるかにより均一に見える。あるいは、厚い拡散体の代わりに、薄膜拡散体(例えば、厚さ50~250ミクロンの厚さ)を使用し、これにより、パネルの厚さ、重量、費用を削減する。これらのより細かい濡れ特性により、はるかに薄い(例えば、500ミクロン~2mmの厚さ)導光パネルも可能になる。
【0083】
本発明の導光体を採用する照明装置の光源(例えば、LED)は、すべて同じ種類、又は2つ以上の種類であってもよい。例えば、異なる色/色温度、異なる出力、異なる強度、異なるスタイルなどが使用できる。本発明を組み込んだLEDランプでは、LEDが、離散的(例えば、個別に制御して、それらを個別にオン及びオフすることができる、又は個別に電力を供給できる)、又はストライプ形態(1組の駆動条件で)であり得る。
【0084】
本発明を組み込んだ、導光表面に直接的に掲載されるパターン加工を有しないパネル光は、驚くほど効果的であることがわかっている。全ルーメン出力は、同一のLEDを使用する同一形態要素の最先端レーザー機械加工の光ガイドの場合と比較して最大12%高くなっていることがわかった。本発明の態様では、上記のとおり導光装置を含むパネルライト装置又はバックライト装置が提供される。
【0085】
拡散反射体は、パターン加工された界面材料の上部表面の保護剥離ライナーを含むことができる。この剥離ライナーは、拡散反射板を導光パネルの表面に貼り付ける直前に取り外すことができる。
【0086】
拡散反射体の代替的実施形態では、界面材料はバッキング部に配置され、硬化される。次いで適切な印刷方法(好ましくは、フレキソ法)を使用して、硬化界面材料(濡れ層)の上部に非濡れ性材料を使用して適切なパターンが印刷され、そして硬化される。印刷された非濡れ性材料のパターンは、非濡れ性材料が存在しないそれらのパターンの部分にて、パターンの界面材料(濡れ性)を露出したままにする。上記で製造したフィルムを導光パネルの平らな面に貼り付け/プレスする場合、露出した界面材料(濡れ層)が導光層の表面を濡らすが、印刷領域(非濡れ性)は濡れない。したがって、導光パネルの表面には、パターンの濡れ性界面材料の突起が形成されている。この例における突起は、濡れ材の非常に小さな隆起であり、高さ/突起のわずか数ナノメートルのオーダーであり得ることを理解されたい。この代替的方法は、必要に応じて非常に小さな突起を作成する際に信頼性が高くかつ効果的であることがわかっている。
【0087】
拡散反射体は、そのバッキング部を介して、剥離ライナーを提供する実質的な剥離特性を持つフィルムに取り付け/適用することができる。このスタックは、導光パネルの表面に濡れ性界面材料を適用する場合、剥離ライナーを剥がして、導光パネル表面上にパターン加工された拡散反射体を残すことができるようになっている。
【0088】
界面材料の直接ホットエンボスは、上記のとおり界面材料の突起が、このような圧痕の間の領域によって形成されるように、そこに恒久的な圧痕を作成するために使用できる。
【0089】
界面材料の突起の間に位置する領域は、非濡れ導光パネルの対向面と、存在する界面材料又は界面材料の突起の間に界面材料が存在しない場合はバッキング部のいずれかとの間のエアギャップを画定する空隙を含むことができる。界面材料の突起の間に位置する領域は、界面材料と導光パネルの表面との間の接触を防止する非濡れ性材料で満たされていてもよい。非濡れ性材料は、好ましくは、導光パネルの材料よりも低い屈折率を有する。非濡れ性材料は、好ましくは、界面材料よりも低い屈折率を有する。
【0090】
さらなる態様では、本発明は、照明装置用の拡散反射体を提供し、前記照明装置用の拡散反射体が:反射性バッキング部は、拡散反射性である、及び/又は1つ又は複数のインターフェース部が、拡散反射性である、表面に光学的透過性インターフェース部が配置される光学的反射性バッキング部を含み、;インターフェース部が、インターフェース部を介して反射性バッキング部を導光パネルに光学的に結合するように、照明装置の導光パネルの表面と複数の別個のそれぞれの接触界面を形成するためにそれぞれ適合される複数の別個の突起で形成される;及びインターフェース部が、界面エネルギーが低減されるように、前記接触界面を形成するために構成される光学的に透過性の界面材料を含み、結果として空気が接触界面から運ばれ、それにより、導光パネルによる導光の全内部反射の臨界角度が、前記接触界面で増加する。
【0091】
別の態様では、本発明は、導光装置を提供し、該導光装置は:パネル表面を含む導光パネル;反射性バッキング部は拡散反射性である、及び/又は1つ又は複数のインターフェース部は拡散反射性である、光学的反射性バッキング部及び反射性バッキング部の表面上に配置される光学的透過性インターフェース部を含む拡散反射体を含み;かつ、インターフェース部が、それらの界面エネルギーが低減されるように、適合されるパネル表面の領域と別個のそれぞれの接触界面をそれぞれ作る、複数の別個の突起で形成され、結果として空気が界面から運ばれ、それにより導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、インターフェース部を介して裏部を導光体に光学的に結合するように前記界面で増加する。
【0092】
別のさらなる態様では、本発明は照明装置のための拡散反射体を製造する方法を提供し、該方法は:反射性バッキング部は拡散反射性である、及び/又は1つ又は複数のインターフェース部は拡散反射性である;光学的に反射性のバッキング部を提供すること;光学的に透過性の界面材料を提供すること;反射性バッキング部の表面上に、ある量の界面材料を配置すること;及びそれにより、接触材料を介して反射性のバッキング部を導光パネルに光学的に結合するように、照明装置の導光パネルの表面との別個のそれぞれの接触界面を作るためにそれぞれ適合される界面材料の複数の別個の突起を形成することであって;界面材料が、界面エネルギーが減少するように、前記接触界面を形成するために構成され、結果として空気が接触界面から運ばれ、それにより、導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が前記接触界面で増加する、前記界面材料の複数の別個の突起を形成することを含む。
【0093】
なおさらなる態様では、本発明は導光装置を製造する方法を提供し、該方法は:パネル表面を含む導光パネルを提供すること;前記のいずれの態様に従う拡散反射体を提供すること;及び前記複数の個別の突起により、界面エネルギーが減少するように、パネル表面の領域との複数の別個のそれぞれ接触界面を作ることであって、結果として空気が界面から運ばれ、それにより、導光パネルによって導かれる光の全内部反射の臨界角が、接触界面を介して導光体に拡散反射体を光学的に結合するように、前記接触界面で増加される、前記接触界面を作ることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0094】
図1A図1Aは、従来技術に従う照明パネルユニットを示す概略図である。
図1B図1Bは、分解された形態の照明パネルユニットの図であり、構成部:フレーム及びフレームカバー、複数のLEDストリップ、導光プレート及び拡散体を示す。
図2図2は、図1の照明パネルの導光パネル内での全内部反射(TIR)の光学工程を図示した図である。
図3図3は本発明の実施形態に従う透過シートを示す図である。
図4A図4Aは、図3の透過シートの一部を拡大した図であり、パターン加工されコーティングされた界面材料を示す。図4Aは、本発明の拡散要素が除かれる仮定の構成を示す。
図4B図4Bは、透過シートの一部を拡大した図であり、パターン加工されコーティングされた界面材料を示す。図4Aは、発明の拡散要素が除かれる仮定の配列を示すが、図4Bは、存在する2つの異なる拡散要素及びそれらの光学効果を示す。
図4C図4Cは、透過シートの一部を拡大した図であり、パターン加工されコーティングされた界面材料を示す。図4Aは、発明の拡散要素が除かれる仮定の配列を示すが、図4Cは、存在する2つの異なる拡散要素のうちの1つ及びそれらの光学効果を示す。
図5図5は、本発明の実施例に従う、拡散反射体、光、及び拡散反射体を含む照明パネルを製造する工程を示す概略図である。
図6A図6A及び6Bはそれぞれ、その界面材料のパターン加工表面から見られるとおりの拡散反射板のそれぞれの例を示しており、突起のパターンを示す。
図6B図6A及び6Bはそれぞれ、その界面材料のパターン加工表面から見られるとおりの拡散反射板のそれぞれの例を示しており、突起のパターンを示す。
図7図7は、図3による分解された形態の照明パネルユニットの図であり、構成部:フレーム及びフレームカバー、複数のLEDストリップ、拡散性逆反射体シート、導光パネル示す。
【発明を実施するための形態】
【0095】
本発明の実施形態の例は、図3に図式的に示される。特に、図3は、拡散性反射シート4が積層された背面の平面に光学的透過性プラスチック又はガラスの長方形又は正方形のフラットシートを含む平面導光パネル2を含む導光パネルの断面図を図式的に示す。拡散反射体は、界面材料5のパターン層が配置された表面に、拡散反射体又は鏡面金属化シートなどの反射性バッキング材6の可撓性シートを含む。拡散性反射体の界面材料は、導光パネル表面2の領域と接触する表面領域を含む。界面材料5は、パネル表面との濡れ界面を介してこの接触を形成する。濡れ界面は、界面エネルギーが低減されるように適合される。空気は該界面から運ばれる。界面材料5は、(介在するエアギャップなしで)導光パネル2の表面に直接光学的に結合されるようになる。導光パネル2によって導かれる光の全内部反射の臨界角度が界面で増加するように、界面材料5の屈折率が空気の屈折率を超えている。導光パネルの濡れ表面部分は、全内部反射(TIR)のためのより大きな臨界角が必要である。いくつかの実施形態では、反射性バッキング部は、光学的拡散性インターフェース部と組み合わせて使用する場合、金属化シートなどの形態の鏡面反射体であり得る。他の実施形態では、反射性バッキング部は、非拡散性インターフェース部と組み合わせて、又は光学的拡散性インターフェース部と組み合わせてのいずれかで使用する場合、拡散反射体であり得る。
【0096】
拡散反射体シートが接触する導光パネル2の表面領域は、光取り出し特性を提供するために、実質的に滑らか、かつ実質的に表面の織り目又はパターン加工がない。むしろ、滑らかな表面と拡散反射体シートの界面材料との界面領域は、そのような表面の織り目加工又はパターン加工を必要とせずに、必要な光取り出し特性を提供する。その結果、光は、拡散反射体シートによって導光パネルから取り出されることができ、かつ導光パネルを通過/渡り、全反射を避ける方向に(拡散的に)向きを変えられることができ、かつ該光を導光パネルの上部表面を通り、その表面に隣接する光学拡散体シート17への通過を許容する。
【0097】
導光パネル表面に接触して配置される界面材料の表面には、所定の特別な構成又はパターンで界面材料の表面全体に構成される界面材料の複数の別個の突起(60、図4B)がある。各突起の最上部又は末端の表面は、導光パネル2の対する表面と接触界面を形成し、前者を後者に光学的に結合する。界面材料5は、パネル表面との濡れ界面を介してこの接触界面を形成する。複数の突起は、平面図/領域において任意の所望の形状であってもよく、いくつかの好ましい実施例には、正方形、長方形、円形、楕円形、細長いもの;又は多数のこれらの形状の混合を含む。隣接する突起の間に配置された界面材料の表面のくぼみ(70、図4B)は、界面材料と導光パネルの表面の間にこのような接触界面が形成されていない領域を画定する。これらの空隙領域は、好ましい実施形態では空気によって占有される、又は導光パネルの材料及び界面材料の両方の屈折率よりも大幅に低い屈折率を有する非濡れ性材料(例えば、導光パネルの表面にパターンとして事前に印刷されたものなど)によって占有され得る。
【0098】
動作中、LED8からの光は、単純な突き合わせ結合を介して、単一、複数、又はすべての縁側から、その縁にて導光パネル2に入射される。光線は導光パネルに入射される、又は該パネルの対向する平行な内部面間(a)で、上部表面(内部)と、拡散反射体シート4の界面材料との界面/接触を形成していない、下部表面(内部)の部分(a)の両方でのTIRの工程により反射される。拡散反射体シート4は、導光パネルの背面に配置される。これは、導光パネル2の外へ、その背面を介して透過される光(b)を該パネルの前面に戻る方向へ拡散反射する。拡散体17は導光パネル2の前面に配置され、戻る反射光(b)を受ける。拡散体17は、透過光を拡散して、該パネルの前面で、本質的に均一な照明を生成する。
【0099】
図4A及び4Bは、図3の透過シートの一部を拡大した図であり、パターン加工されコーティングされた界面材料を示す。図4Aは、本発明の拡散要素が除かれる仮定の改変された構成を示すが、図4Bは、存在する2つの異なる拡散要素及びそれらの光学効果を示す。本発明は、これらの2つの拡散要素のいずれか1つ、又は両方を適用することで実現できる。
【0100】
図4Aを参照すると、図3の拡散反射体シートの抽象的に改変された形態の図式的な断面図が示されており、光学拡散要素は、反射性バッキング層6及び界面(濡れ性)層5の本体中から除かれている。この仮定のシナリオでは、インターフェース層の材料は完全に光学的に透明、かついずれの光学的に散乱する粒子の分散を含有せず、そのため本質的に非拡散性にする。同様に、界面材料がコーティングされている反射性バッキング層6の表面も単純に滑らかな鏡面反射体であり、光学的に拡散性にすることができる表面の織り目加工、パターン加工又はコーティングを有していない。
【0101】
界面材料は、導光パネル2の対向する表面に接触して、最上又は末端の表面を有する界面材料の複数の別個の突起60が存在する。これは、前者を後者に光学的に結合する。隣接する突起の間に配置される界面材料の表面のくぼみ70は、空気によって占有される空隙領域を画定する。導光パネルに沿ってその対向する内面の間に導かれる光線は、導光パネルの上面による各内部反射(a)で、及び直接隣接する導光パネルの下部表面の部分で、及び導光パネルが界面材料5の突起70と接触していないエアギャップ20でTIRを受ける。これらの内部反射は、入射角及び反射角θでそれぞれ発生する。
【0102】
ただし、接触界面が界面材料60の突起で形成されている領域で、光が導光パネルの下部内部表面に衝突する場合、光の透過は該界面を介して可能である。透過光線は、屈折角θの角度で界面材料(図4Aの「y」と示された位置)に入る。この角度はまた、図4Aに示される鏡面反射体バッキング40の鏡面反射表面で、透過光線の鏡面反射の角度も定義する。結果は、スネルの法則に従う:
【数3】
であり、界面材料5への屈折の角度を定義する。ここで、nは導光パネル2の材料の屈折率の値であり、nは界面材料5の屈折率の値である。同様に、鏡面反射体バッキング40での鏡面反射は、界面材料の突起と導光パネルの下部表面(図4Aの「Y」と示された位置)との間の界面に、該表面にてθに等しい入射角で、透過光線を戻し、その上で、該反射光線は、θに等しい反射角で導光パネルへ反射され戻される。スネルの法則によると:
【数4】
したがって、
【数5】
これは、θ=θの場合にのみ真である。しかし、θはTIRが発生する導光パネルの内面での入射角であるため、反射体により導光パネルに戻される反射光線は、全内部反射の往路を単純に再開し、界面材料5の突起60は、光線が導光パネルの上面を透過することを可能にする角度で光線を導光パネルに再進入させることができない。
【0103】
この状況は、拡散反射体(4)に含まれる拡散光学要素(5及び/又は6)の一方又は両方を備えることにより、本発明によって解決される。第1の拡散光学素子は、光学的に粗く、パターン化又は構造化された反射表面を備えること、又はインターフェイス材料がコーティングされているバッキング層の表面に提供される拡散コーティング材料を備えることである。第2の拡散光学素子は、界面/濡れ性材料5内に分散される、光学的な拡散的な散乱粒子7を備えることである。図4Bに示される例では、これら2つの異なる拡散性光学素子(5、6)の両方が一緒に提供されているように示されるが、これら2つの拡散性光学素子のいずれか1つを単独で使用することもできるということを理解する必要がある。
【0104】
図4Cは、バッキング層が非反射性であり、実質的に光学的に透明な基材3の例を示す。この場合、インターフェース部は、量子ドット、蛍光体、及び又は発光体など、多数の光散乱/反射粒子、及び/又は機能的光活性粒子7の分散物で含浸される濡れ性界面材料を含む。このような結果を得るためこれらの粒子の濃度が選択される場合、導光部分から取り出される光が部分的透過性として、該層が目的をもって動作するように、インターフェース部が部分的に拡散的に透過/反射性であってもよい。その結果、所望に応じて、導光部を介して出力される拡散的な反射光、及び透明バッキング層/部から出力される拡散性透過光により、光パネルアッセンブリ全体の両側から照明出力を提供することになる。部分反射率は、拡散的に透過性インターフェース部へ戻す/反射される光の量又は比率、及びパネルアセンブリの裏表面から透過される光の量又は比率を制御するように、透明バッキング層の光出力表面の隣接又は全体に配置される、又はバッキング層自体によって/の内部に形成される、特定の光学フィルム(反射構成のプリズマティックフィルム又はピラミッドフィルムなど)を使用してさらに制御できる。
【0105】
拡散反射性インターフェース部(完全反射又は部分反射)を提供することで、他の実施形態におけるバッキング部によって他に提供される独立型の反射体を取り外しすることにより、より良い製造の容易さ及び製造費用の削減を実現できる。界面材料に使用できる基本的な配合は、本明細書に記載されている他の実施形態(つまり、反射性バッキング部を採用するそれらの実施形態)と同一のままであってもよい。しかしながら、導光パネルからの外へ結合される光が散乱され、少なくともその一部が、1つ以上の事象の結果として導光パネルへ後方散乱/反射されるために、1つ以上の種類の散乱粒子がこれらの界面材料に分散される。
【0106】
粒子の大きさ、その屈折率、及び濡れ性界面材料(バインダー媒体)内の均一分散の提供は、後方散乱の効率を制御する上で重要な要素である。最も効率的な光散乱のために、散乱粒子の直径は、散乱する光の波長の半分未満である必要があることは、最新技術から知られている。人間の目は黄緑色光(波長約0.55ミクロン)に最も敏感であるため、インターフェース部の理論上の最適粒子径は、直径0.2~0.3ミクロンである。また、散乱粒子の屈折率と分散される界面材料の屈折率との間の差が大きいほど、光散乱が大きくなる。したがって、例えば、Ti0のルチル型(アナターゼ相よりも屈折率が高い)は、光を散乱させるのにはるかに効率的であり、好ましくは、界面材料内の粒子包含に使用される材料である。
【0107】
また、界面材料の散乱粒子の体積濃度(界面材料の全体積に対する粒子の体積比)が一定の値を超えると、粒子の密集により回折光散乱が減少することも知られている。さらに、粒子の凝集を避けるためには、インターフェース部の粒子を好ましく分散させることが重要である。十分に制御されたサイズの間隔の広い粒子は、光を回折する最もよい能力を提供し、これはこの機能的なコーティングシステムの設計における重要な考察となる。
【0108】
2つ以上の異なる種類の粒子(化学組成、屈折率、粒子サイズにおいて)は、光の後方散乱を最適化するのに有用である。本発明者らは、次のような好ましい組み合わせを見出した:一方の種類は、平均直径0.2~0.3ミクロンの粒子(ルチルTi0など)であり、効果的な散乱を提供する、及び他の種類は、より大きなサイズ範囲(通常は1.0~2.0ミクロン)の平均直径を持つ粒子(BaS0など)であり、より小さな散乱粒子に適したスペーサーとして機能する。
【0109】
一般的な種類の粒子の例(ただし、これらに限定されない)として、使用できるものは:Ti0、Al、ZnO、MgO、Si0、Zr0、ZnS、Hf、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化インジウム、リトポン、アルミノケイ酸塩、酸化イットリウムアルミニウムなどの1種類以上の無機酸化物粒子である。特に、この種類の粒子のうち、Ti0粒子が有用である。このような粉末は、Venator Materials PLC社のTi-Pureの粉末シリーズで提供されているものとして当業者に容易に入手できる。この種類の粒子の中でも特に有用なのは、BaS0(例えば、Venator Materials PLC社、住所は10001 Woodloch Forest Drive,Suite 600,The Woodlands,Texas,USA-77380の「Blanc Fixe」シリーズで入手可能、又はOptoPolymer GmbH社、住所はLilienthalallee 7,D-80807 Munich,Germanyから入手可能な光ポリマー粉末)である。
【0110】
他の非酸化物又は多元素酸化物粒子には:窒化アルミニウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムを含む。
【0111】
ポリマー粒子には:ポリアミド、アクリル及びフルオロポリマー粒子であり、例えば、Arkema社から当業者に容易に入手可能なものなど(住所は、Arkema Group,420 rue d’Estienne d’Orves,92700 Colombes,France)、コポリエステル/ポリアミド、メチレンジアミノメチルエーテル及びポリメチル尿素粒子であり、例えば、Deuteron社から用意に入手可能なものなど、PTFEマイクロパウダーであって、例えば、Sharmock technologies社から容易に入手可能な「フルオロスパース」粒子など(住所は、Sharmock Technologies Inc.,Foot of Pacific Street,Newark,NJ 071 14,USA)を含む。
【0112】
ガラス及び鉱物の粒子が使用されることができ、当業者に容易に入手されることが可能である。
【0113】
さらに、コーティング業界で使用される1種類以上の一般的なマット剤(「マット」仕上げを提供するために部品に追加される粒子)を使用して、散乱を補完することができる。当業者が容易に入手可能な一般的な例には、例えば、Elementis社のマット剤の「Bentone」シリーズ(住所はElementis Specialties, Inc.,469 Old Trenton Road,East Windsor,NJ 08512,USA)、及びEvonik社(住所は、Evonik Industries AG,Rellinghauser StraBe1-11,45128 Essen,Germany)のマット剤の「Acematt」シリーズを含む。
【0114】
散乱に加えて、特殊な機能を持つ粒子には:演色評価数の調整並びに特定のスペクトル出力のための量子ドット、蛍光体、ルミノファー、CNT(カーボンナノチューブ)及びグラフェンを含む。
【0115】
インターフェース部を透過性(例えば、透明)バッキング部と組み合わせて使用する場合は、界面材料の次の配合が使用され得る(例えば、図4C)。
【実施例
【0116】
実施例A
第1の実施例では界面材料の配合は以下を含んだ:12重量%のSartomer CN965(Arkema社、旧Sartomer社)、7重量%のSartomer CN966H90(Arkema社)、20重量%のSartomer CN9002(Arkema社)、8重量%のSartomer SR285(Arkema社)及び27重量%のフェニルチオエチルアクリレートを一緒に混合した。Lamberti社の3重量%の光開始剤Esacure KT046、ドイツのTego社の1重量%のTego分散剤652、及びAllnex社の1%のAdditol VXL4930をそれに加えた。最後に、5重量%のTi0粉末R405(Sachtleben社)、8重量%の硫酸バリウム粉末Blanc Fixe Micro(ドイツBrentag社)、及び8重量%の別のBaS0、光学ポリマー(Opto-polymer)(ドイツOpto-polymer社)も分散機(IKA Ultra Turrex Disperser)を使用して追加及び分散した。得られた配合物を、ロールツーロールUVコーティング機を使用して透明なPETフィルムに適用し、本明細書で論じたパターン設計に従ってパターン加工した。自然な濡れ特性を持つ透明なパターン層は、これにより得られ、この層を4mm厚のクリーンなアクリルスラブにラミネートした。層をこのような表面に適用することができ、粘着性を損なうことなく何度も取り外しすることができる。この得られたスラブを、次いで、2つの側面にあるLEDと共にフレームに配置した。上部には薄膜拡散体を使用した。LEDのスイッチをオンにすると、同じLEDを有する市販のレーザー機械加工導光パネルよりもはるかに明るく非常に均一な光が得られた。
【0117】
実施例B
42重量%のSartomer CN9002(Arkema社、旧Sartomer社)を使用して、15重量%のSartomer SR256(Arkema社)、10重量%のSartomer SR285(Arkema社)、及び15重量%のフェニルチオエチルアクリレートを共に混合した。0.5重量%のSartomer SR9051(Akema社)もまた接着性を向上させるために添加された。Lamberti社の4重量%の光開始剤Esacure KT046、0.5重量%のTego Disperse652(ドイツ、Tego社)、及び1%のAdditol VXL4930(Allnex社)をそれに加えた。最後に、2重量%のTi0粉末R405(Sachtleben社)、3重量%の硫酸バリウム粉末Blanc Fixe Micro(ドイツBrentag社)、及び8重量%の別のBaS0、光学ポリマー(Opto-polymer)(ドイツOpto-polymer社)もIKA Ultra Turrex Disperserを使用して添加及び分散した。得られた配合物を、ロールツーロールUVコーティング機を使用して透明なPETフィルムに塗布し、本明細書で論じたパターン設計に従ってパターン加工した。自然な濡れ特性を持つ透明なパターン層は、これにより得られ、これを4mm厚のクリーンなアクリルスラブにラミネートした。この得られたスラブを、次いで、2つの側面にあるLEDと共にフレームに配置した。該LEDパネルは、同じLEDを持つ市販のレーザー加工された導光パネルよりもはるかに明るくとても均一な光の結果となった。
【0118】
実施例C
19重量%のSartomer CN9002(Arkema社、旧Sartomer社)を使用して、7重量%のSartomer CN966H90(Arkema社)、7重量%のSartomer SR285(Arkema社)、12重量%のSartomer CN965(Arkema社、旧Sartomer社)及び26重量%のフェニルチオエチルアクリレートを共に混合した。0.5重量%のSartomer SR9051(Akema社)もまた接着性を向上させるために添加された。Lamberti社の3重量%の光開始剤Esacure KT046、1重量%のTego Disperse652(ドイツ、Tego社)、及び1重量%のAdditol VXL4930(Allnex社)をそれに添加した。最後に、10重量%のTi0粉末R405(Sachtleben社)、及び14重量%の硫酸バリウム粉末光学ポリマー(Opto-polymer)(ドイツOpto-polymer社)もまたIKA Ultra Turrex Disperserを使用して添加及び分散した。得られた配合物を、ロールツーロールUVコーティング機を使用して透明なPETフィルムに塗布し、本明細書で論じたパターン設計に従ってパターン加工した。自然な濡れ特性を持つ透明なパターン層は、これにより得られ、これを4mm厚のクリーンなアクリルスラブにラミネートした。この得られたスラブを、次いで、2つの側面にあるLEDと共にフレームに配置した。該LEDパネルは、同じLEDを持つ市販のレーザー加工された導光パネルよりもはるかに明るくとても均一な光の結果となった。
【0119】
実施例D
以下の実施例では、両側を照射することができる導光体を可能にする(すなわち、部分的に透過し、部分的に反射する)。
【0120】
28重量%のSartomer CN9002(Arkema社、旧Sartomer社)を使用して、10重量%のSartomer CN966H90(Arkema社)、8重量%のSartomer SR285(Arkema社)、15重量%のSartomer CN965(Arkema社、旧Sartomer社)及び20重量%のフェニルチオエチルアクリレートを共に混合した。0.5重量%のSartomer SR9051(Akema社)もまた接着性を向上させるために添加された。Lamberti社の3重量%の光開始剤Esacure KT046、1重量%のTego Disperse652(ドイツ、Tego社)、及び1重量%のAdditol VXL4930(Allnex社)をそれに添加した。最後に、14重量%の硫酸バリウム粉末光学ポリマー(Opto-polymer)(ドイツOpto-polymer社)もまたIKA Ultra Turrex Disperserを使用して添加及び分散した。得られた配合物を、ロールツーロールUVコーティング機を使用して透明なPETフィルムに塗布し、本明細書で論じたパターン設計に従ってパターン加工した。自然な濡れ特性を持つ透明なパターン層は、これにより得られ、これを4mm厚のクリーンなアクリルスラブにラミネートした。この得られたスラブを、次いで、2つの側面にあるLEDと共にフレームに配置した。該LEDパネルは、導光体の前並びに背の領域を均一に照射する非常に明るいパネルである結果となった。図3及び4B~4Cでは、インターフェース層5は、空隙、エアギャップ、又は非濡れ性材料の間隔によって、間隔を空けたパターンの突起を示す上部表面を含む。これらの突起は、バッキング層/部が取り付けられている界面材料の連続層である、一体型の「台座(pedestal)層」から突き出ている。台座層は、パターン構造の下の平面層であり、これらのパターンの台座として機能する。この台座層の厚さは、本明細書のいずれの実施形態では、5~50ミクロンの範囲であり得る。本発明者らは、台座層がより薄い(又は不在)場合、他では失われる更なる高角度の光を捕らえるのに役立ち、したがって、光パネルアセンブリを使用において、より均一に照明させるのに役立つように、この厚さ範囲(5~50ミクロン、好ましくは10~25ミクロン)の台座層を採用することが有利であることを見出した。
【0121】
例として図3、4B及び4Cなどに例示されるとおり、拡散性光学素子を提供する結果として、図4Aに示されるとおりの鏡面反射体バッキングによる屈折光線の反射に固有の反射対称性を破壊し、これにより、条件θ=θとなる。拡散反射体シート4へ屈折される光線の光拡散の作用は、屈折した光を、事実上ランダム(θ=ランダム)である方向/角度において導光パネル2に向けて戻すことである。このランダムな方向の分布の中には、方向転換された光線が照明に使用するための出力光として導光パネルを透過することを可能にする非常に多くの方向が存在する。
【0122】
図5は、次のステップに従って、拡散反射体シート4を製造する工程を図式的に示す。
【0123】
ステップI:例えば、以下により詳細に記載されるとおりの要素化学物質の混合物と、他の機械的に順応性である組成物を硬化させるために紫外線(UV)光に反応性である光開始剤物質を一緒に含む、界面材料6の組成物を準備する。いくつかの形態では、光学的散乱粒子の分散物が、組成に混合されてもよい。
【0124】
ステップII:光学的に粗い、パターン化又は構造化された、又は表面に拡散材料のコーティングを施した、拡散反射表面を有する、バッキング材料4の可撓性シートを準備する。バッキング材料の表面に、ある量の界面材料(硬化されていない)をコーティングする。いくつかの実施形態では、バッキング材料の可撓性シートは単に鏡面反射表面を示してもよく、又は透明かつ非反射性であってもよく、この場合、表面にコーティングされたある量の界面材料には、前述の光学的散乱粒子の分散を含有する必要がある。バッキング材料の可撓性シートは、バッキング材料のロールから広げることができる連続ウェブとして提供することができ、未硬化の界面材料のコーティングは、広げられるときにバッキング材料に連続的に適用することができる。
【0125】
ステップIII:コーティングされたバッキング材料を、印刷機構に通す。該印刷機構は以下を含む:(1)コーティングされたバッキング材料を、対向するローラーがそれらの間にコーティングされたバッキング材料を受け入れるように間隔をあけ作動する、第1の対のローラー10の間に通過させ、そうすることで、バッキング材料の表面全体に界面材料のコーティングを実質的に均一な厚さに広げる;(2)続いて、コーティングされたバッキング材料を、対向するローラーがそれらの間にコーティングされたバッキング材を受け入れるように間隔をあけ作動する第2の対のローラー11及び12の間に通過させ、そうすることで、所定の突起のパターンをインプリント又はエンボス加工して、界面材料のコーティングの最上部の露出した表面で、くぼみから分離される。第2のローラーの対の1つのローラーは、印刷ローラー12であり、その作動面には、印刷ローラーの作用によって印刷される界面材料の表面にエンボス加工される突起のパターンを反転して映す窪み13のパターンが形成されている(すなわち、界面材料5の表面に生成されるエンボス加工される突起パターンの「ネガ」)。エンボス加工中、紫外線ランプ14は、印刷ローラー12が界面材料に係合する間に、界面材料にUV放射15を照射する。これは、界面材料の組成に含まれる光開始剤を開始させ、突起のエンボスパターンを恒久的にもたらすために、界面材料を硬化させる役割を果たす。
【0126】
ステップIV:エンボス加工された界面材料5及びバッキング材料シートは、その後印刷ローラー12から分離され、窪み70から分離された突起60のパターンを示す界面(濡れ性)材料5が豊富である拡散反射シートを露出させる。
【0127】
ステップV:可撓性拡散反射体シートは、界面材料5の突起の上面と導光パネルの対向する平滑面との間に濡れ性界面が形成されるように、手動的又は機械的に導光パネル2へ適用される。
【0128】
パネル照明装置の製造工程もまた、図5に示され、ステップVで得られた導光パネルを提供し、光源8(例えば、LED)を含有する照明装置のフレーム内にその製品を取り付けることを単純に含み、光源は、導光体内で全内部反射するよう照明光を導光パネルに照射するように配置され、それにより、拡散反射体シート4によって提供される取り出し特性により、図5のステップVIに図式的に示されるとおり、使用時に誘導光の取り出しを可能にする。図7は、ステップVから得られる一般的な照明パネルユニットの図を示すが、構成部をより良く理解及び示すために分解形式で示している:フレームは、導光パネルを受け入れるための窪みを備えるために、導光パネルの最上面が提示される(組み立てられた状態の場合)フレームの開口部と一致して構造化及び配置される(拡散反射体が取り付けられている);及びフレームカバーは、フレームの背面を覆い、導光パネルを所定の位置に保持する;フレームの開口部の縁の周囲に配置された複数のLEDストリップは、その縁を介して導光パネルに光を照射する際に使用する。光学拡散シートパネル(示さず)は、パネルからの光出力を受けるために導光パネルの最上表面全体に広がり、照明光として、照明パネルユニットから出るときにその光を弱めるように、フレーム内の開口部の適切な位置に配置することができる。
【0129】
図6は、上記のステップVで製造された拡散反射体シート4の上面図を示す。それぞれの別個の突起のパターンが鮮明に見られ、上記のとおり、それぞれの突起の最上表面が、導光パネルとの濡れ性界面を形成するために、構成及び配置される分離された領域を提示し、それによって突起間の界面材料の表面の窪みが、窪みがあることの効力によってこのような界面を形成することを防ぐ。
【0130】
界面材料及び/又は透過シートの配合及び実装の実施例は以下のとおりである。インターフェース部を反射性又は透過性のバッキング部と組み合わせて使用する場合は、これらの界面材料の配合が使用され得る(例えば、図3又は4B又は4C)。
【0131】
実施例1
界面材料の配合は以下を含む:30重量%のフェニルチオエチルアクリレート及び10重量%のEOEOAを、60重量%のSartomer CN966H90(Arkema社、旧Sartomer社)と合わせて、混合した。また、Lamberti社の3重量%の光開始剤Esacure KT046及び1.5重量%のIrgacure184及び0.5重量%のIrgacure1173をそれに添加した。得られた配合物を、ロールツーロールUVコーティング機を使用して、拡散反射性バッキング表面/部に適用し、上記で論じたパターン設計に従ってパターン加工した。あるいは、ロールツーロールUVコーティング機を使用して、ポリエステル表面に適用し、上記で論じたパターン設計に従ってパターン加工してもよく、次いで得られるフィルムを、商業用反射体フィルムにラミネートすることもできる。この層をクリーンなガラス又はアクリル表面に固定することができ、粘着性を損なうことなく何度も取り外しすることができる。自然な濡れ特性及び約1.53の屈折率を持つ透明なパターン層が実現し、これを4mm厚のクリーンなアクリル又はガラスのスラブにラミネートした。該層は、このような表面に適用することができ、粘着性を損なうことなく何度も取り外しすることができる。この得られたスラブを、次いで、4つの側面全てにあるLEDと共にフレームに配置した。上部には薄膜拡散体を使用した。LEDのスイッチをオンにすると、同じLEDを有する市販のレーザー機械加工導光パネルよりもはるかに明るく非常に均一な光が得られた。
【0132】
実施例2
界面材料の配合は以下を含む:24重量%のフェニルチオエチルアクリレート及び16重量%のEOEOAを、55重量%のSartomer CN965(Arkema社、旧Sartomer社)と合わせて、混合した。また、Lamberti社の3重量%の光開始剤Esacure KT046及び1.5重量%のIrgacure184及び0.5重量%のIrgacure1173をそれに添加した。得られた配合物を、ロールツーロールUVコーティング機を使用してポリエステル表面に適用し、上記で論じたパターン設計に従ってパターン加工した。次いで、このフィルムを市販の反射体フィルムにラミネートした。得られた良好な濡れ特性を示すパターン層を、ローラーを使用してわずかに圧力をかけて、厚さ4mmのアクリルスラブにラミネートした。この透明な層をクリーンなアクリル表面に固定することができ、粘着性を損なうことなく何度も取り外しすることができる。次いで、この得られるスラブを、4側面全てにLEDを有するLED光パネルとして組み立て、そして上部に薄膜拡散体を取り付けた。LEDのスイッチをオンにすると、同じLEDを持つ市販のレーザー機械加工導光パネルよりもはるかに明るく非常に均一な光が得られた。
【0133】
実施例3
20重量%のSartomer CN131B、25重量%のエチルヘキシルアクリレート、45重量%のEOEOA及び20重量%のCN9800を、Lamberti社の3重量%のEsacure KT046及び1.5重量%のIrgacure184及び光開始剤として0.5重量%とIrgacure1173と混合し、そして完全に混合した。得られた配合物を、ロールツーロールUVコーティング機を使用してポリエステル表面に適用し、上記で論じたとおり光学的に決定される設計に従ってパターン加工した。次いで、このフィルムを市販の反射体フィルムにラミネートした。この層をアクリル表面に、粘着性を損なうことなく何度も再配置することができる。この層を、前記のとおりLEDパネルに組み立てた。その結果、非常に良好な均一性の明るいLEDパネル光をもたらした。
【0134】
実施例4
62.5重量%のMiramer SIP-900を35重量%のSartomer CN9800と混合し、2.5重量%のTego光開始剤A18をそれに添加して混合した。この配合物を反射体フィルムにコーティングし、UVエンボス加工機を使用してパターン加工した。これにより、約1.45の屈折率を有する透明な自己濡れ性層が得られ、アクリル導光スラブを容易に濡らし、簡単に再配置することができた。このフィルムを導光スラブにラミネートし、4つのLEDストリップからのLED光を4つの側面すべてから結合した場合、明るく均一なパネル光がもたらされた。
【0135】
実施例5
15重量%のオクタフルオロペンチルアクリレートを50重量%のFluorAcryl4298及び30重量%のMiramer LR2000と混合した。4重量%のEsacure KT046及び1重量%のIrgacure184を光開始剤としてこれらに添加し、よく混合した。これを、反射性コーティングで前コーティングした50ミクロンの厚さのPETフィルムに適用し、UVエンボス加工を使用してパターン加工した。これにより、1.4未満の屈折率を有する透明な濡れ性コーティングが得られた。このコーティングは、アクリル導光スラブにラミネートする際に、アクリル導光スラブを容易に濡らし、LEDのストリップからの光を導光スラブに結合すると、実質的に均一な明るい光を与えた。このようなコーティングの屈折率は、成分の相対的な比率を変更することによって変化させることが可能であり、これにより、照明パネル/照明装置の開始部及び中心部で取り出される光の相対的な比率を変化させることを許容する。
【0136】
本発明のいくつかの好ましい実施形態を示して説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を加えることができることは当業者には理解されよう。
【0137】
本出願に関連して本明細書と同時に又は以前に提出され、本明細書で公に閲覧できるすべての文書及び文献に注意が向けられ、そのようなすべての文書及び文献の内容は参照として本明細書に組み込まれる。本明細書に開示されているすべての特性(添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)、及び/又はそのように開示されている方法又は工程のすべてのステップは、そのような特性及び/又はステップが相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書で開示されるそれぞれの特性(添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)は、特に明記されていない限り、同一、同等、又は類似の目的を果たす代替的特性に置き換えることができる。したがって、特に明記されていない限り、公開されるそれぞれの特性は、一般的な一連の同等又は類似の特性の一例にすぎない。本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書で開示された特性(添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)の任意の新規のもの、若しくは任意の新規の組み合わせ、又はそのように開示された任意の方法又は工程のステップの任意の新規のもの、若しくは任意の新規の組み合わせまで及ぶ。

図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7