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特許7330213部分的に液体で満たされた容器に運動を誘導するための自動検査システムの駆動機構を監視するための方法及び装置
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  • 特許-部分的に液体で満たされた容器に運動を誘導するための自動検査システムの駆動機構を監視するための方法及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】部分的に液体で満たされた容器に運動を誘導するための自動検査システムの駆動機構を監視するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20230814BHJP
   G01N 29/032 20060101ALI20230814BHJP
   G01N 23/04 20180101ALI20230814BHJP
【FI】
G01N21/90 D
G01N29/032
G01N23/04
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2020567802
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2019064746
(87)【国際公開番号】W WO2019234138
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】00737/18
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】513032334
【氏名又は名称】ヴィルコ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・シュティルニマン
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0248765(US,A1)
【文献】特開2017-201335(JP,A)
【文献】特開昭51-056287(JP,A)
【文献】特開2016-080609(JP,A)
【文献】特開2009-014705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01N 23/00 - G01N 23/2276
G01N 29/00 - G01N 29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(3)で部分的に満たされた容器(2)に動きを誘発するための自動検査システムの駆動機構(1)を監視するための方法であって:
- 前記容器(2)内の前記液体(3)の表面(4)の画像データをキャプチャするステップと;
- 前記画像データから、前記液体(3)の前記表面(4)の形状に関する形状データを抽出するステップと;
- 前記形状データに基づいて、前記容器(2)が動いているかどうかを検出するステップと;
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記画像データをキャプチャするステップは:
- 光学センサ(5);
- 超音波センサまたはレーザーベースの音響センサ(6);
- X線検出器(7);
の手段のうちの1つによって実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像データをキャプチャするステップが、前記光学センサ(5)によって実行される際:
- 前記容器(2)の下部照明、及び/または、上部照明、及び/または、背面照明、及び/または、側面照明、及び/または、前面照明、斜め下部照明、斜め上部照明、斜め背面照明または斜め前面照明を適用するステップ、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
偏光またはカラーフィルターを適用するステップをさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
10Hz~20kHzの周波数範囲の音響/音信号、及び/或いは、空気中で20kHz~1МHz、または、前記液体中で20kHz~25MHzの周波数範囲の音響/音信号を生成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記キャプチャするステップは、
- 前記液体(3)の前記表面(4)の少なくとも一部が配置されている前記容器(2)のセクションを含む関心領域(ROI)を判断するステップ、
を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記形状データを抽出するステップは
前記表面(4)の曲率または傾斜を判断するステップ;
- 前記容器(2)の壁(9)での前記表面(4)の高さと、前記容器(2)の中央領域内での前記表面(4)の高さと、の差(Δh)を判断するステップ;
- 前記液体(3)内の渦(v)または乱流の存在を判断するステップ;
のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
検出するステップは、以下:
- 前記表面(4)の形状が、事前定義された許容範囲内で事前定義されたテンプレートと一致するかどうかを判断するステップ;
- 曲率半径が事前定義された値を超えているかどうかを判断するステップ;
- 前記高さの差(Δh)が事前定義された値を超えているかどうかを判断するステップ;
のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記キャプチャするステップ及び/または前記抽出するステップは、自動化されたエッジ検出及び/または特徴認識を適用するステップを備えることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記抽出するステップは、特定の事前定義されたグレーレベル間隔内または特定の事前定義されたグレーレベル値を超える強度を有する対象領域(ROI)の領域内のピクセルの数を判断し、かつ、事前定義された閾値と前記数を比較するステップを備える請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
判断するステップは、
- 前記形状データに基づいて前記容器(2)の動きの強さを判断するステップ、
を備えることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記キャプチャするステップ及び前記抽出するステップは、複数回繰り返され、判断するステップは、
- 異なる時間に判断された前記形状データに基づいて、前記容器(2)動きの強さの変化を判断するステップ、
を備えることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
液体(3)中に存在する粒子を識別するための方法であって、容器の動き誘発ステップと、請求項1~12のいずれか一項の駆動機構(1)を監視する方法をさらに備えることを特徴とする方法。
【請求項14】
物質及び液体(3)を混合するための、または容器内の液体物質を遠心分離するための方法であって、容器(2)の動き、例えば、前記容器(2)の回転、振動、振とう、ガタガタ揺らす、または、揺動を誘発するステップを備え、請求項1~12のいずれか一項の駆動機構(1)を監視する方法さらに備えることを特徴とする方法。
【請求項15】
液体(3)で部分的に満たされた容器(2)に動きを誘発するための自動検査システムの駆動機構(1)を監視するための装置であって:
- 画像センサを備える画像装置(10)と;
- 前記画像装置(10)に動作可能に接続された画像分析プロセッサ(11)と;
を備え、
- 前記画像装置(10)は、前記容器(2)内の前記液体(3)の表面(4)の画像データをキャプチャするように適合されており、
- 前記画像分析プロセッサ(11)は、前記画像データから前記表面(4)の形状に関する形状データを抽出して、前記形状データに基づいて前記容器(2)が動いているかを検出するように適合されていることを特徴とする装置。
【請求項16】
前記画像分析プロセッサ(11)に動作可能に接続されたモーションインジケータ(14)をさらに備え、前記モーションインジケータ(14)は、前記形状データに基づいて前記容器(2)の動きの状態に関する情報を表示するように適合されていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記画像装置(10)は:
- 光学センサ(5)と、前記容器(2)の下部照明、上部照明、背面照明、側面照明、及び、前面照明のいずれかまたは任意の組み合わせを提供するように適合された照明ユニット(8);
- 超音波源(12)と、超音波トランスデューサーまたはレーザーベースの音響センサ(6);並びに、
- X線源(13)とX線検出器(7);
のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
当該装置は、前記光学センサ(5)及び前記照明ユニット(8)が使用される際、光学広角レンズまたは望遠レンズまたはズームレンズまたはマクロレンズのうち一つをさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
偏光またはカラーフィルターをさらに備えることを特徴とする請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記超音波源(12)は、10Hz~20kHzの周波数範囲の音響/音信号、及び/或いは、空気中で20kHz~1МHz、または、前記液体中で20kHz~25MHzの周波数範囲の音響/音信号を生成するように適合されている請求項17に記載の装置。
【請求項21】
特定の事前定義されたグレーレベル間隔内または特定の事前定義されたグレーレベル値を超える強度を有する対象領域(ROI)の領域内のピクセルの数を判断するように適合されているピクセルカウンタをさらに備え、かつ、事前定義された閾値と前記数を比較するためのコンパレータをさらに備えることを特徴とする請求項15~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
容器(2)内の液体(3)中に存在する粒子を識別するための自動検査システムであって、前記容器(2)の回転、振動、振とう、ガタガタ揺らす、または、揺動を誘発するように適合された駆動機構(1)を備え、かつ、請求項15~20のいずれか一項に記載の装置をさらに備えることを特徴とする自動検査システム。
【請求項23】
物質及び液体を混合するための、または、容器内の液体物質を遠心分離するための自動化されたシステムであって、前記容器の回転、振動、振とう、ガタガタ揺らす、または、揺動を誘発するように適合された駆動機構を備え、かつ、請求項15~20のいずれか一項に記載の装置をさらに備えることを特徴とする自動化されたシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動検査システムに関するものであり、特に、部分的に液体で満たされた容器に動きを誘発するための自動検査システムの駆動機構を監視するための方法及び対応する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動検査機は通常、容器に液体を充填した後、充填レベルをチェックし、容器が正しく密閉されているか、つまり漏れがないことを確認し、容器の内容物が、液体内の固体粒子として現れることがよくある不純物で汚染されているかどうかを調べるために、使用される。さらに、容器に引っかき傷、ひび、変形などの欠陥があるかどうかが通常チェックされる。一般的な液体容器は、例えば飲料用のボトル及び缶、化粧品または化学薬品、並びに、製薬/医薬品用のバイアル、アンプル、カープル、注射器である。検査プロセスの一環として、容器は通常、すべての側面から見られ得るように回転させられる。多くの場合、容器はまた、渦を巻くように容器の垂直軸の周りで急速に回転させられ、これにより、液体内に存在する望ましくない固体粒子をはっきりと見えるようにする。さらに、容器に含まれる異なる液体成分を混合するために、容器を回転させる必要があることもよくある。この目的のために、取り扱われる、特に試験される容器、すなわち試験中のユニット/装置は、例えば、サーボドライブまたはステッピングなどの電気モーターによって推進される回転板上に配置されるなど回転機構に配置される、または、モーターまたは自走プレス部材と作動回転ディスクとの間にクランプされる。或いは、容器は、回転する以外の方法で攪拌され、例えば、容器内の液体を攪拌するために、容器は、振動、振とう、ガタガタ揺らされる、または、揺れ動かされ得る。
【0003】
正しい取り扱いと検査のために、容器が実際に回転していることを確認する必要がある。例えば、プレート/ディスクが正しく、できれば正しい速度/回転速度で駆動されていることを確認する必要がある。従って、容器に動きを誘発することを目的とした駆動機構が正しく動作しているかどうか、つまり、容器を回転、振動、左右に揺れるなどの動きを引き起こしているかを確認する必要がある。これは通常、駆動機構自体を監視することによって実現される。例えば、容器を回転させるために、容器は、例えば、駆動される回転プレートと、容器と共に回転可能なプレス部材と、の間にクランプされる。回転の監視は、回転板の回転速度を測定し、測定した回転速度を回転板の目標回転速度と比較することで実行できる。これにより、容器の回転を効果的に監視することができる。ただし、必要な監視装置には非常にコストがかかり得、検査機に設置するために余分なスペースが必要になる。
【0004】
従って、特定の用途によっては、代替案が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、液体で部分的に満たされた容器に運動を誘発するための自動検査システムの駆動機構を監視するための代替手段、特に代替の運動監視方法ならびに代替の運動監視装置を提供することである。この目的は、請求項1に記載の方法ならびに請求項9に記載の装置によって達成される。本発明による方法及び装置の特定の実施形態は、従属請求項に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、液体で部分的に満たされた容器に動きを誘発するための自動検査システムの駆動機構を監視するための方法であって:
- 容器内の液体の表面の測定データ、特に画像データをキャプチャするステップと;
- 測定データ、特に画像データから、液体の表面の形状に関する形状データを抽出するステップと;
- 形状データに基づいて、容器が動いているかどうかを検出するステップと;
を備える方法を提供する。
【0007】
従って、本発明は、自動視覚検査がすでに他の目的に使用されており、画像システム(光学、音響、またはX線/高エネルギー放射線ベースのいずれか)などの必要なハードウェアリソースが利用可能であり、さらに、特にこのタスクを実行できる追加のソフトウェアモジュールを含めるだけで、動きの検出/監視を実行するために使用できる。
【0008】
本発明は、駆動機構自体を監視する従来技術の解決策に勝る利点を有し、容器内の液体の動き、及び、液体を含む容器の動きが検出される。このようにして、駆動機構によって容器及び/または容器内の液体に誘発されることを意図した動きが現実して効果的である、すなわち、容器及び/または液体が実際に動いていることが保証される。
【0009】
測定データ、特に画像データをキャプチャする方法の一実施形態では:
- 光学センサ(5)、より具体的にはカメラ;
- 音響センサ(6)、特に超音波センサまたはレーザーベースの音響センサ;
- X線検出器(7);
の手段のうちの1つによって実行される。
【0010】
さらなる実施形態では、本方法は、前記測定データ、特に前記画像データをキャプチャするステップが、前記光学センサ(5)によって実行される際:
- 前記容器(2)の下部照明、及び/または、上部照明、及び/または、背面照明、及び/または、側面照明、及び/または、前面照明、特に、斜め下部照明、斜め上部照明、斜め背面照明または斜め前面照明を適用するステップ、
をさらに備える。
【0011】
さらなる実施形態では、本方法は、光学フィルタリング、特に偏光または色フィルタリングを適用するステップを備える。
【0012】
さらなる実施形態では、本方法は、10Hz~20kHzの周波数範囲の音響/音信号、及び/或いは、空気中で20kHz~1mL、または、液体中で最大25MHzの周波数範囲の音響/音信号を生成するステップを備える。
【0013】
この方法のさらなる実施形態では、キャプチャするステップは、
- 液体の表面の少なくとも一部が配置されている容器のセクションを含む関心領域を判断するステップ、
を備える。
【0014】
本方法のさらなる実施形態では、形状データを抽出するステップは:
- 表面の形状を判断するステップ;
- 表面の構造を判断するステップ;
- 表面の輪郭を判断するステップ;
- 表面の曲率または傾斜を判断するステップ;
- 特に、容器の縦軸、より具体的には、容器の垂直軸において容器の壁での表面の高さと、容器の中央領域内の表面の高さと、の高さの差を判断するステップ;
- 液体内の渦または乱流の存在を判断するステップ;
のうちの少なくとも1つを備える。
【0015】
本方法のさらなる実施形態では、検出するステップは:
- 表面(4)の形状が、事前定義された許容範囲内で事前定義されたテンプレートと一致するかどうかを判断するステップ;
- 曲率半径が事前定義された値を超えているかどうかを判断するステップ;
- 高低差が事前定義された値を超えているかどうかを判断するステップ;
の少なくとも1つを備える。
【0016】
本方法のさらなる実施形態では、キャプチャするステップ及び/または抽出するステップは、自動化されたエッジ検出及び/または特徴認識を適用するステップを備える。
【0017】
本方法のさらなる実施形態では、抽出するステップは、ピクセルカウントするステップ、特に、特定の事前定義されたグレーレベル間隔内または特定の事前定義されたグレーレベル値を超える強度を有する対象領域内のピクセルの数を判断し、かつ、事前定義された閾値とその数とを比較するステップを備える。
【0018】
本方法のさらなる実施形態では、判断するステップは、
- 形状データに基づいて容器の動きの強さ/速さを判断するステップ、
を備える。
【0019】
本方法のさらなる実施形態では、
キャプチャするステップ及び抽出するステップは、複数回、特に少なくとも1回繰り返され、判断するステップは、
- 異なる時間に判断された形状データに基づいて、容器の動きの変化、特に動きの強さ/速さの変化を判断するステップ、
を備える。
【0020】
本発明のさらなる態様として、容器内の液体を検査するための方法、特に液体中に存在する(固体)粒子を識別するための方法が提案され、例えば、容器を回転、振動、振とう、ガタガタ揺らす、または、揺り動かすといった容器の動き誘発し、上記で指定された実施形態のいずれか1つまたはこれらの実施形態の組み合わせによる提案された動き監視/検出方法をさらに備える。
【0021】
本発明のさらなる態様として、物質及び液体を混合するための、または容器内の液体物質を遠心分離するための方法が提案され、例えば、容器を回転、振動、振とう、ガタガタ揺らす、または、揺り動かすといった容器の動きを誘発するステップを備え、上記で指定された実施形態のいずれか1つまたはこれらの実施形態の組み合わせによる提案された動き監視/検出方法をさらに備える。
【0022】
さらに、本発明は、部分的に液体で満たされた容器に運動を誘発するための自動検査システムの駆動機構を監視するための装置に関し、装置は:
- 測定装置、特に、画像センサを備える画像装置と;
- プロセッサ、特に、測定装置、特に画像装置に動作可能に接続された画像分析プロセッサと;
を備え、
- 測定装置、特に画像装置は、測定データ、特に、容器内の液体の表面画像データをキャプチャするように適合されており、
- プロセッサプロセッサ、特に画像分析プロセッサは、測定データから、特に画像データから表面の形状に関する形状データを抽出して、形状データに基づいて容器が動いているかを検出するように適合されている。
【0023】
次いで、容器の動きの状態に関する動きデータを、プロセッサ、特に画像分析プロセッサによって出力することができる。
【0024】
一実施形態では、装置は、プロセッサ、特に画像分析プロセッサに動作可能に接続されたモーションインジケータをさらに備え、モーションインジケータは、モーションデータに基づいて容器の動きの状態に関する情報を表示するように適合されている。
【0025】
装置のさらなる実施形態では、測定装置(10)、特に画像装置は:
- 光学センサ(5)、より具体的にはカメラ。
- 容器の下部照明、及び/または、上部照明、及び/または、背面照明、及び/または、側面照明、及び/または、前面照明、特に、斜め下部照明、斜め上部照明、斜め背面照明または斜め前面照明を提供するように適合された照明ユニット;
- 音響(音)源(12)、特に超音波源;
- 音響(音)センサ(6)、特に超音波センサ、より具体的には超音波トランスデューサー、またはレーザーベースの音響センサ;
- X線源;
- X線検出器;
のうちの少なくとも1つを備える。
【0026】
さらなる実施形態では、装置は、レンズ、特に光学広角レンズまたは望遠レンズまたはズームレンズまたはマクロレンズを備える。或いは、例えば、磁石または電磁石構成を使用して、例えば、X線源によって放射された放射線を方向付けまたは集束させることができる電磁レンズが採用され得る。
【0027】
さらなる実施形態では、装置は、光学フィルター、特に偏光フィルターまたはカラーフィルターを備える。
【0028】
装置のさらなる実施形態では、音響/音源は、10Hz~20kHzの周波数範囲における音響/音信号、及び/或いは、空気中で20kHzから1mLの音響/音信号、または、液体中で最大25MHzの周波数範囲における超音波信号を生成するように適合されている。
【0029】
さらなる実施形態では、装置は、特定の事前定義されたグレーレベル間隔内または特定の事前定義されたグレーレベル値を超える強度を有する対象領域内のピクセルの数を判断するピクセルカウンタを備える。次いで、この数は、コンパレータによって事前定義された閾値と比較される。
【0030】
本発明のさらなる態様として、容器内の液体を検査するための、特に液体中に存在する(固体)粒子を識別するための自動検査システムが提案され、例えば、容器を回転、振動、振とう、ガタガタ揺らす、または、揺り動かすといった容器の動きを誘発するように適合された駆動機構を備え、さらに、上記で指定された実施形態のいずれか1つまたはこれらの実施形態の組み合わせによる提案された動き監視/検出装置を備える。
【0031】
本発明のさらなる態様として、物質及び液体を混合するための、または容器内の液体物質を遠心分離するための自動化されたシステムが提案され、例えば、容器を回転、振動、振とう、ガタガタ揺らす、または、揺り動かすといった容器の動きを誘発するように適合された駆動機構を備え、かつ、上記で指定された実施形態のいずれか1つまたはこれらの実施形態の組み合わせによる提案された動き監視/検出装置をさらに備える。
【0032】
上記の実施形態の組み合わせは、さらにさらに、より具体的な実施形態をもたらすことができることが具体的に指摘されている。
【0033】
本発明は、非限定的な特定の実施形態によって、及び以下を示す添付の図面を参照して、以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明による装置の第1の実施形態の概念図である。
図2】本発明による装置の第2の実施形態の概念図である。
図3】本発明による装置の第3の実施形態の概念図である。
図4】対象領域が容器に含まれる液体の表面を包含する、試験中の容器の断面図である。
図5】対象領域が容器に含まれる液体の表面を取り囲んでいる、試験中の容器の断面図の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、本発明による装置の第1の実施形態の概念図を示している。試験される容器2は、モーター17によって推進されるプレートまたはディスク16などの回転機構1に取り付けられ、その結果、容器2は、その長手方向/垂直軸aを中心に回転する。容器が予想通りに回転している場合、容器2が回転して静止していない場合のように、容器2内の液体3の表面4は平坦で水平ではない。代わりに、液体3は、回転によって引き起こされる遠心力のために、中心軸aから離れて容器2の壁9に向かって押しやられるであろう。従って、壁9の表面4と軸aとの間に高さの差Δhが存在する。強い回転が加えられると、漏斗のような形状の渦巻きvまたは渦、或いはより全体的に強い乱流が液体3の表面4に形成される。
【0036】
本発明の方法によれば、容器2の回転が検出された上で、表面4の形状を分析するため、または表面4の特定の特徴、例えばその曲率などを抽出するために、表面4の画像データがキャプチャされる。図1に示される実施形態では、カメラ、すなわち光学センサ5が、画像データをキャプチャするための画像装置10として使用される。カメラは、液体3の表面4の鮮明で詳細な画像を最適にキャプチャするために、広角レンズまたは望遠レンズまたはズームレンズまたはマクロレンズなどのレンズ15を備え得る。コントラストを改善するために、容器2の下部、上部、背面、側面、及び/または前面の照明をもたらすように適合された照明ユニット8を使用し得る。照明は、例えば、照明ユニット8を、容器2が配置/取り付けられているプレートまたはディスク16に統合することによって、容器2に直接結合され得る。容器2が作られる材料、例えばガラスまたはプラスチック、及び、容器2内の液体3は、照明ユニット8によって放射される光の導波路として機能し得る。照明ユニット8は、可視光、赤外線(IR)光または紫外線(UV)光を放射し得る。さらに、偏光フィルターまたはカラーフィルターなどの光学フィルターを、照明ユニット8及び/またはカメラ5に配置し得、例えば、レンズ15に取り付けることができる。
【0037】
次に、キャプチャされた画像データは、画像分析プロセッサ11によって処理され、画像分析プロセッサ11は、例えば、エッジ検出及び/または特徴認識を実行し、表面4の形状に関する抽出された形状データに基づいて、容器2が回転しているかどうかを検出する。次に、検出された回転データは、回転インジケータ14に提供され得、回転インジケータ14は、例えば、モーター17に接続された制御ユニット(図示せず)に信号を送信する。
【0038】
図2は、本発明による装置の第2の実施形態の概念図を示している。この実施形態では、音響変換器、すなわち、音響/音センサ6と共に音響/音源12が、測定データをキャプチャするための測定装置10として使用される。音は、10Hz~20kHzの可聴周波数範囲、及び/或いは、空気中で20kHz~1MHz、または液体で最大25MHzの周波数範囲の超音波信号であり得る。音響センサ6は、レーザーベースの音響センサであり得る。音響センサ6によって提供される測定データは、プロセッサ11によって処理される。測定データは、適切な画像分析プロセッサによって処理することができる画像データ(例えば、ソナーまたは超音波画像のような)の形態をとり得る。この実施形態は、不透明な容器、すなわち、光が容器2の壁9または液体3を通過することできない容器に特に適している。
【0039】
図3は、本発明による装置の第3の実施形態の概念図を示している。この実施形態では、X線源13(または他の高エネルギー放射線源)が、測定データをキャプチャするための画像装置10としてX線検出器7(または他の高エネルギー放射線検出器)と共に使用される。この実施形態もまた、光学的に不透明な容器及び/または液体に特に適している。
【0040】
図4は、試験中の容器2の断面図を示しており、関心領域ROIは、容器2に含まれる液体3の表面4を包含している。最初は、関心領域ROIがわからない可能性があり、装置の操作者によって手動で、または例えば画像分析プロセッサ11の助けを借りて自動的に調整される必要がある。図4では、液体3が、容器2の回転によって容器2の壁9にどのように押し付けられるかがはっきりと見え、これにより、液体3の表面4が壁9でΔhの高さが増加した湾曲した形状を有する。また、容器2が左右に揺れる場合、(容器2の断面図に見られるように)2つの対向する壁9の間の液体3の表面4の顕著な高さの差Δhがあるだろう。
【0041】
上記の例では、回転運動が容器2に誘導される。しかしながら、容器2は、例えば、容器を振動、振とう、ガタガタ揺らす、または、振り動かすなどの他の方法で容器2を攪拌するプレート/ディスク16上に配置/取り付けられ得、例えば、特定のアプリケーションでは並進運動を含む。
【0042】
図5は、関心領域のROIが長方形としてマークされた、試験中の容器2の断面図の写真を示している。見てわかるように、液体3の表面4は、攪拌による液体3の乱流表面上に反射するため、照明ユニット8(この場合は容器2の下方にある)からの光の反射により、写真では暗い領域として表示される。関心領域ROIは、例えば、グリッドによって複数のフィールドに分割され得、グリッドの各フィールド内の暗い(例えば、黒)ピクセルの数は、ピクセルカウンタを使用して判断され得る。続いて、事前定義された閾値を超える多数の暗いピクセルを含むそれらのフィールドの位置が決定され得、これに基づいて、表面4の形または形状に関する情報が確立される。この情報から、容器2が回転、振動、振とう、ガタガタ揺れる、または、揺り動かされている(例えば、動きの特定の状態または種類)のかを検出し得る。容器の動きの強さ、例えば容器の回転速度ですら判断することも可能である。さらに、一連の画像をキャプチャすることにより、動きの強さ、例えば回転速度が変化しているかどうか、つまり増加、減少、または安定しているかどうかを判断することが可能である。
【0043】
ピクセルカウンタを使用する本発明の特に単純な実施例では、特定の事前定義されたグレーレベル値を超える強度を有する関心領域全体内のピクセルの数は、ピクセルカウンタで判断される(例えば、「暗い」ピクセルを数える)。この数が事前定義された閾値を超える場合、液体3及び容器2は動いていると見なされる。ピクセルカウンタで決定される数が多いほど、液体3及び容器2の動きが強くなる。従って、動きの強さは、ピクセルカウンタで判断される暗いピクセルの数からも判断され得る。従って、時間の経過に伴うこの数の増加は、液体3及びその容器2の動きが強くなることを示し、時間の経過に伴うこの数の減少は、液体3及びその容器2の動きが弱くなることを示す。
【符号の説明】
【0044】
1 駆動機構
2 容器
3 液体
4 表面
5 光学センサ、カメラ
6 音響/音センサ
7 X線検出器
8 照明ユニット
9 容器壁
10 測定/画像装置
11 (画像解析)プロセッサ
12 音響/音源
13 X線源
14 モーション/回転インジケータ
15 レンズ
16 回転/可動プレート/ディスク
17 モーター
図1
図2
図3
図4
図5