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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】チャイルドセーフティシート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20230814BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20230814BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20230814BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
B60N2/28
B60N2/90
G08B21/02
G08B21/00 M
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021180442
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2020151477の分割
【原出願日】2020-09-09
(65)【公開番号】P2022036942
(43)【公開日】2022-03-08
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】201910855970.2
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】郭 征文
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109177830(CN,A)
【文献】特開2005-247277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/28
B60N 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドセーフティシートであって、
前記チャイルドセーフティシートを拘束するために車両に設けられた対応する構造と係合するために展開可能な複数の拘束デバイスであって、前記複数の拘束デバイスが、ストラップ及び前記ストラップの自由端に設けられたテザーコネクタを有する第1の拘束デバイスを含み前記第1の拘束デバイスが、アイドル位置及び展開位置を有し、前記第1の拘束デバイスが、当該チャイルドセーフティシートを拘束するために車両に設けられた対応する構造と係合するために前記展開位置にあるように構成された、複数の拘束デバイスと、
直列回路に直列に接続されたアラートデバイス及びスイッチであり、前記スイッチは、前記第1の拘束デバイスに動作可能に結合され、開状態及び閉状態を有し、前記スイッチの前記開状態及び閉状態のそれぞれは、前記第1の拘束デバイスの前記アイドル位置及び展開位置のうち1つに一意的に対応する、アラートデバイス及びスイッチと、
を含み、
ここで、前記直列回路が閉じているとき、前記アラートデバイスはアラート信号を発するように作動可能である、チャイルドセーフティシート。
【請求項2】
前記第1の拘束デバイスが前記アイドル位置にあるとき、前記スイッチは前記閉状態にある、請求項1に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項3】
前記スイッチは、バイアスされたスイッチを含む、請求項1又は2に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項4】
前記第1の拘束デバイスはスイッチングアクチュエータに接続されており、前記第1の拘束デバイスが前記アイドル位置と前記展開位置との間を移動するとき、前記スイッチを前記開状態と前記閉状態との間で切り替えるように、前記スイッチングアクチュエータは、前記スイッチから離れるか又は近づくように移動可能である、請求項1、2又は3に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項5】
前記第1の拘束デバイスが前記アイドル位置にあるとき前記スイッチは閉じたままであるように、前記スイッチングアクチュエータは前記スイッチから離間しており、前記第1の拘束デバイスが前記展開位置に動かされると、前記スイッチが開くように、前記スイッチングアクチュエータが前記スイッチと接触しているか、又はそれに近接している、請求項4に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項6】
前記第1の拘束デバイスは、連結部を介して前記スイッチングアクチュエータに接続されている、請求項4又は5に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項7】
前記連結部は、ケーブル又は可撓性ストリップである、請求項6に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項8】
前記スイッチングアクチュエータは、前記スイッチングアクチュエータを前記スイッチから離れるように付勢するように構成されたばねにさらに接続される、請求項4乃至7のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項9】
センサ及び制御信号エミッタをさらに含み、前記センサは、前記第1の拘束デバイスが前記アイドル位置又は前記展開位置にあるかどうかを検出するように構成され、前記制御信号エミッタは、前記センサから受信した検出信号に従って、前記スイッチを前記開状態と前記閉状態との間で切り替える制御信号を出力するように動作可能である、請求項1に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項10】
前記センサは、前記第1の拘束デバイスが前記アイドル位置又は前記展開位置にあるかどうかを検出するために、前記第1の拘束デバイスと組み立てられる、請求項9に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項11】
背もたれ部分を有するチャイルドシートを含み、前記第1の拘束デバイスの前記ストラップは前記チャイルドシートに接続され、前記背もたれ部分の上部で伸長可能である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項12】
前記複数の拘束デバイスが、車両において当該チャイルドセーフティシートを拘束するように動作可能な第2の拘束デバイスであって
前記第2の拘束デバイスは、アイドル位置及び展開位置を有し、
前記第2の拘束デバイスは、当該チャイルドセーフティシートを拘束するために車両に設けられた対応する構造と係合するために前記展開位置にあるように構成された、第2の拘束デバイスを備え
第2のスイッチが、前記第2の拘束デバイスに動作可能に結合され、前記直列回路に直列に接続され、前記第2のスイッチが、開状態及び閉状態を有し、前記第2のスイッチの前記開状態及び閉状態のそれぞれは、前記第2の拘束デバイスの前記アイドル位置及び展開位置のうち1つに対応する、請求項1に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項13】
前記第2のスイッチは、バイアスされたスイッチを含む、請求項12に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項14】
前記第2の拘束デバイスはスイッチングアクチュエータに接続されており、前記第2の拘束デバイスが前記アイドル位置と前記展開位置との間を移動するとき、前記第2のスイッチを前記開状態と前記閉状態との間で切り替えるように、前記スイッチングアクチュエータは、前記第2のスイッチから離れるか又は近づくように移動可能である、請求項12又は13に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項15】
前記第2の拘束デバイスが前記展開位置にあるとき前記第2のスイッチは閉じたままであるように、前記スイッチングアクチュエータは前記第2のスイッチから離間しており、前記第2の拘束デバイスが前記アイドル位置に動かされると、前記第2のスイッチが開くように、前記スイッチングアクチュエータが前記第2のスイッチと接触しているか、又はそれに近接している、請求項14に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項16】
前記スイッチングアクチュエータは、前記第2の拘束デバイスに固定的に接続されている、請求項14又は15に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項17】
前記スイッチングアクチュエータは、前記第2の拘束デバイスに固定的に接続されたバーを含む、請求項16に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項18】
支持ベースと、背もたれ部分を有するチャイルドシートとを含み、前記第1の拘束デバイスは前記チャイルドシートに接続され、前記背もたれ部分の上部で伸長可能であり、前記第2の拘束デバイスは、前記支持ベースに接続されている、請求項12乃至17のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項19】
前記第2の拘束デバイスは、車両に設けられたISOFIXアンカーと係合するように動作可能なラッチデバイス、当該チャイルドセーフティシートの底部に展開可能な、車両の床に接触するための支持脚、又は当該チャイルドセーフティシートから展開可能な、車両シートのシートバックに接触する拡張パーツを含む、請求項12乃至15のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【請求項20】
前記アラート信号は、音、光、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のチャイルドセーフティシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2019年9月10日に出願された中国特許出願第201910855970.2号の優先権を主張する2020年9月9日に出願された特願2020-151477号の分割出願である。
【0002】
バックグラウンド
1.発明の分野
本発明は、チャイルドセーフティシートに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
チャイルドセーフティシートは、典型的には、自動車車両に使用され、偶発的な衝突の際に子供を適切に拘束する。一般に、ラッチデバイス及びトップテザーは、チャイルドセーフティシートを車両に取り付けるために、それぞれ、サポートベース及びチャイルドシートの上部に提供され得る。さらに、前記チャイルドセーフティシートには、前記ラッチデバイスと前記トップテザーが正しく取り付けられていない場合に介護者に警告できるアラート装置が付いている場合がある。例えば、中国出願の公開番号CN109177830Aは、ラッチデバイス及びトップテザーの位置を検出するためのセンサを使用するアラート装置、及び前記センサから検出信号を受信し、制御信号をアラートエミッタに出力する信号処理ユニットを開示する。残念ながら、この構造は複雑であり、応答時間が長くなる可能性があり、部品の損傷又は欠陥が原因で障害が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】CN109177830A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、不適切な設置が行われたときに介護者に警告することができ、少なくとも前述の問題に対処することができる、少なくとも前述の問題に対処する、改善されたチャイルドセーフティシートが必要とされている。
【0006】
概要
本願は、構造が単純であり、車両シートへのチャイルドセーフティシートの不適切な設置を効果的に警告することができるアラートシステムを有するチャイルドセーフティシートについて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、当該チャイルドセーフティシートは、拘束デバイス、並びに、直列回路に直列に接続されたアラートデバイス及びスイッチを含む。拘束デバイスは、ストラップ及びストラップの自由端に設けられたテザーコネクタを含み、拘束デバイスは、アイドル位置及び展開位置を有し、拘束デバイスは、チャイルドセーフティシートを拘束するために車両に設けられた対応する構造と係合するために展開位置にあるように構成される。スイッチは、拘束デバイスに動作可能に結合され、開状態及び閉状態を有し、スイッチの開状態及び閉状態のそれぞれは、拘束デバイスのアイドル位置及び展開位置のうち1つに一意的に対応する。直列回路が閉じているとき、アラートデバイスはアラート信号を発するように作動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面の簡単な説明
図1図1は、車両シート上のチャイルドセーフティシートの不適切な設置を警告するアラートシステムの一実施形態を示す回路図である。
図2図2は、前記アラートシステムを組み込むことができるチャイルドセーフティシートの一実施形態を示す斜視図である。
図3図3は、図2に示すチャイルドセーフティシートを示す別の斜視図である。
図4図4は、そのそれぞれの展開位置に拘束デバイスを有する、図2に示すチャイルドセーフティシートを示す側面図である。
図5図5は、図2に示されるチャイルドセーフティシートのいくつかのさらなる構造の詳細を示す斜視図である。
図6図6は、そのそれぞれのアイドル位置に前記拘束デバイスを有する、図2に示されるチャイルドセーフティシートを示す側面図である。
図7図7は、図1のチャイルドセーフティシートにおける前記アラートシステムの適用を示す概略平面図である。
図8図8及び9は、前記チャイルドセーフティシートに設けられた前記拘束デバイスの異なるアイドル位置と展開位置に対応する、2つの異なる構成における図7のアラートシステムを示す2つの概略平面図である。
図9図8及び9は、前記チャイルドセーフティシートに設けられた前記拘束デバイスの異なるアイドル位置と展開位置に対応する、2つの異なる構成における図7のアラートシステムを示す2つの概略平面図である。
図10図10は、前記アラートシステムの変形構造を組み込んだ前記チャイルドセーフティシートを示す側面図である。
図11図11は、図10のチャイルドセーフティシートに設けられた前記アラートシステムのさらなる構造の詳細を示す概略平面図である。
図12図12は、前記アラートシステムの別の変形構造を組み込んだ前記チャイルドセーフティシートを示す側面図である。
図13図13は、図12のチャイルドセーフティシートに設けられた前記アラートシステムのさらなる構造の詳細を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、車両シート上のチャイルドセーフティシートの不適切な設置を警告するアラートシステム10の一実施形態を示す回路図である。図1を参照すると、アラートシステム10は、電源19で電力を供給できる、直列回路に直列に接続された2つのスイッチ13及び14並びにアラートデバイス17を含み得る。スイッチ13は、チャイルドセーフティシートに設けられた第1の拘束デバイスに動作可能に結合され、スイッチ14は、チャイルドセーフティシートに設けられた第2の拘束デバイスに動作可能に結合される。第1及び第2の拘束デバイスのそれぞれは、可動部分を含んでもよく、アイドル位置と展開位置との間で独立して動作可能であってもよく、第1又は第2の拘束デバイスは、例証的に、アイドル位置における収納を容易にするために引っ込めることができ、展開位置において車両シート上でチャイルドセーフティシートを拘束するように適応した作用位置まで延ばすことができる。
前記スイッチ13は、オフ又は開状態とオン又は閉状態とを有し、前記スイッチ13の前記開状態及び前記閉状態のそれぞれは、前記第1の拘束デバイスのアイドル位置及び前記展開位置のうちの1つに一意的に対応することができる。構造の一例によれば、前記スイッチ13は、前記第1の拘束デバイスがアイドル位置にあるときに開くことができ、前記第1の拘束デバイスが展開位置にあるときに閉じることができる。
【0010】
同様に、前記スイッチ14は、オフ又は開状態及びオン又は閉状態を有し、前記スイッチ14の開状態及び閉状態のそれぞれは、前記第2の拘束デバイスのアイドル位置及び展開位置の1つに一意に対応することができる。構造の一例によれば、前記スイッチ14は、第2の拘束デバイスが展開位置にあるときに開くことができ、前記第2の拘束デバイスがアイドル位置にあるときに閉じることができる。
【0011】
前記アラートデバイス17は、前記スイッチ13、14及び前記アラートデバイス17を流れる電流によって作動するとアラート信号を発するように構成される。前記アラートデバイス17によって発せられるアラート信号は、限定はしないが、音、光、又はそれらの組み合わせを包含し得る。
【0012】
前記アラートシステム10では、前記第1の拘束デバイスが展開位置にあり、前記第2の拘束デバイスがアイドル位置にあるとき、前記スイッチ13及び14の両方が閉じられ、電流が前記スイッチ13及び14ならびに前記アラートデバイス17を介して前記直列回路に流れることができる。これにより、前記アラートデバイス17が作動して、前記チャイルドセーフティシートが適切に取り付けられていないことを介護者に警告するアラート信号を発する。前記チャイルドセーフティシートが、前記第1及び第2の拘束デバイスの両方でそれぞれの展開位置に適切に取り付けられると、前記スイッチ14が開いている間、前記スイッチ13が閉じられ、その結果、前記アラートデバイス17に電流が流れず、その結果、非アクティブになる。
【0013】
前記スイッチ13及び14に結合された前記第1及び第2の拘束デバイスは、前記チャイルドセーフティシートを車両の座席に拘束して保持するように適合されたいずれのデバイスを包含することができる。前記第1及び第2の拘束デバイスの例は、限定することなく、車両に設けられたISOFIXアンカーと解放可能に係合するように動作可能なラッチデバイス、前記チャイルドセーフティシートの背もたれ部分の上部領域に設けられ、車両シートの後方で車両に設けられたテザーアンカーに取り付け可能なトップテザー、前記チャイルドセーフティシートの底部に展開可能な、車両の床に接触するための支持脚、又は前記チャイルドセーフティシートから展開可能な、車両シートのシートバックに接触するための拡張パーツを包含することができる。
【0014】
図1に関連して、図2~6は、チャイルドセーフティシート100の一実施形態を示す様々な斜視図であり、図7は、前記チャイルドセーフティシート100における前記アラートシステム10の適用を示す概略平面図である。図2~7を参照すると、前記チャイルドセーフティシート100は、支持ベース102、チャイルドシート104、複数の拘束デバイス11及び12、及び前記アラートシステム10を包含することができる。前記支持ベース102は、車両のシートに設置されるようになっており、且つ前記チャイルセーフティドシート100に安定した支持を提供することができる。前記チャイルドシート104は、前記支持ベース102上に配置され、且つシート部分104A及び背もたれ部分104Bを有することができる。
【0015】
前記チャイルドセーフティシート100が車両シートに設置されるとき、前記拘束デバイス11及び12は、前記チャイルドセーフティシート100を拘束するために車両に設けられた対応する構造と係合するように展開され得る。一実施形態によれば、2つの拘束デバイス11を前記支持ベース102に接続することができ、1つの拘束デバイス12を前記チャイルドシート104に接続することができ、前記拘束デバイス12は前記2つの拘束デバイス11とは独立して動作可能である。例えば、前記2つの拘束デバイス11は、前記車両シートのシートバックの下端近くの車両に設けられたアンカー構造(例えば、ISOFIXアンカー)と解放可能に係合するように動作可能なラッチデバイスであり得る。前記2つの拘束デバイス11は、前記拘束デバイス11が、車両に設けられたアンカー構造との係合のために前記支持ベース102の端部から離れて延在する展開位置と、前記拘束デバイス11が引っ込められて前記支持ベース102に隣接して収納されるアイドル位置との間で支持ベース102に対して一斉に動くことができる。図2~4は、前記拘束デバイス11が展開位置にある前記チャイルドセーフティシート100を概略的に示し、図5及び6は、前記拘束デバイス11がアイドル位置にある前記チャイルドセーフティシート100を示す。
【0016】
前記拘束デバイス12は、前記背もたれ部分104Bの上部領域に設けられたトップテザーであり得、これは、車両のシートの後ろで車両に設けられたテザーアンカーに取り付けることができる。構造の一例によれば、前記拘束デバイス12は、前記チャイルドシート104に接続されたストラップ122と、前記ストラップ122の自由端に設けられたテザーコネクタ124とを包含することができる。前記拘束デバイス12は、前記ストラップ122が背もたれ部分104Bの最上部で伸ばされてテザーコネクタ124が前記車両シートの後方で車両に設けられた前記テザーアンカーと係合できる展開位置と、前記ストラップ122及び前記テザーコネクタ124が前記チャイルドシート104に隣接して収納できるアイドル位置との間で前記チャイルドシート104に対して移動可能である。偶発的な衝突の間、前記トップテザーは、前記チャイルドセーフティシート100が前方に旋回するのを防ぐことができ、その結果、子供が前部車両シート又はセンターコンソールの背面に衝撃を与える可能性が低くなる。図4は、前記拘束デバイス12が展開位置にある前記チャイルドセーフティシート100を概略的に示している。そして図6は、前記拘束デバイス12がアイドル位置にある前記チャイルドセーフティシート100を概略的に示す。
【0017】
図1~7を参照すると、前記アラートシステム10は、電源19で電力を供給できる直列回路に直列に接続された前記スイッチ13及び14と前記アラートデバイス17とを包含することができる。前記スイッチ13及び14と前記アラートデバイス17は、例えば、前記チャイルドセーフティシート100の前記支持ベース102内に配置されてもよい。前記スイッチ13は、開状態と閉状態を有し、前記スイッチ13の前記開状態及び前記閉状態のそれぞれは、前記拘束デバイス11のアイドル位置及び展開位置の一方に一意的に対応することができる。構成例によれば、前記スイッチ13は、前記拘束デバイス11がアイドル位置にあるとき、開いており、前記拘束デバイス11が展開位置にあるとき、閉じている。前記スイッチ14は、開状態及び閉状態を有し、前記スイッチ14の前記開状態及び前記閉状態のそれぞれは、前記拘束デバイス12の前記アイドル位置及び前記展開位置のうちの1つに一意的に対応することができる。構造の一例によれば、前記スイッチ14は、前記拘束デバイス12が展開位置にあるときに開かれ、前記拘束デバイス12がアイドル位置にあるときに閉じられる。
【0018】
構成の一例によれば、前記スイッチ13は、バイアスされたスイッチであり得る。例えば、前記スイッチ13は、外力が加えられていないときに閉状態に付勢することができ、前記アラートシステム10は、前記拘束デバイス11に接続されたスイッチングアクチュエータ151を包含することができる。ここで、前記スイッチングアクチュエータ151は、前記拘束デバイス11が展開位置とアイドル位置との間を移動して前記スイッチ13を開状態と閉状態との間で切り替えるときに、前記スイッチ13から離れるように、又は前記スイッチ13に向かって移動可能である。構造の一例によれば、前記スイッチングアクチュエータ151は、前記支持ベース102に対して横方向に延在する前記2つの拘束デバイス11に固定して接続されたバーを包含することができる。それにより、前記スイッチングアクチュエータ151は、前記拘束デバイス11と一緒に、展開位置とアイドル位置との間で移動することができる。
【0019】
図7を参照すると、前記拘束デバイス11が展開位置にあるとき、前記スイッチングアクチュエータ151は、前記スイッチ13から離れているため、前記スイッチ13上の前記スイッチングアクチュエータ151によって外力が加えられず、それにより、前記スイッチ13は、閉じた状態のままである。前記拘束デバイス11が展開位置からアイドル位置に変位すると、前記スイッチングアクチュエータ151が前記スイッチ13に向かって移動し、これに接触し、それにより、前記スイッチ13は、前記スイッチングアクチュエータ151によって閉状態から開状態に切り替わるように付勢される。前記拘束デバイス11がアイドル位置から展開位置に移動すると、前記スイッチングアクチュエータ151は、前記スイッチ13との接触から離れるように移動し、その結果、閉状態を回復することができる。図7は、展開位置に対応する構成の前記拘束デバイス11及び前記スイッチングアクチュエータ151を示す。図9は、アイドル位置に対応する構成における前記拘束デバイス11及び前記スイッチングアクチュエータ151を示す。
【0020】
構成の一例によれば、前記スイッチ14はまた、バイアスされたスイッチであり得る。例えば、前記スイッチ14は、外力が加えられていないときに閉状態に付勢することができ、前記アラートシステム10は、前記拘束デバイス12に接続されたスイッチングアクチュエータ152を包含することができ、ここで、前記スイッチングアクチュエータ152は、前記拘束デバイス12が展開位置とアイドル位置との間を移動して前記スイッチ14を閉状態と開状態との間で切り替えるときに、前記スイッチ14から離れるか又は近づくように移動可能である。構造の一例によれば、前記拘束デバイス12は、連結部18を介して前記スイッチングアクチュエータ152と接続することができ、それにより、前記スイッチングアクチュエータ152は、アイドル位置と展開位置との間の前記拘束デバイス12の変位によって移動駆動され得る。構造の一例によれば、前記スイッチングアクチュエータ152は、前記支持ベース102又は前記チャイルドシート104と組み立てられた摺動部品であり得る。別の構造の例によれば、前記スイッチングアクチュエータ152は、前記支持ベース102又は前記チャイルドシート104と組み立てられた回転部品であり得る。前記連結部18は、前記拘束デバイス12(例えば、そのストラップ122)に取り付けられた一端と、前記支持ベース102内部の前記スイッチングアクチュエータ152に取り付けられた他端とを有するケーブル又は可撓性ストリップを包含することができる。さらに、前記スイッチングアクチュエータ152は、前記スイッチングアクチュエータ152を前記スイッチ14から離れるように付勢するばね16と接続することができる。構造の一例によれば、切換えアクチュエータ152は、前記支持ベース102の内側に配置されてもよく、前記ばね16は、前記スイッチングアクチュエータ152及び前記支持ベース102にそれぞれ取り付けられた2つの端部を有することができる。
【0021】
図2~7を参照すると、前記拘束デバイス12がアイドル位置にあるとき、前記スイッチングアクチュエータ152は、前記スイッチ14から離れているため、前記スイッチ14に前記スイッチングアクチュエータ152によって外力が加えられず、それにより、前記スイッチ14は閉状態のままである。前記拘束デバイス12がアイドル位置から展開位置に変位すると、前記スイッチングアクチュエータ152が前記スイッチ14に向かって移動し、それと接触し、それにより、前記スイッチ14は、前記スイッチングアクチュエータ152によって付勢されて、閉状態から開状態に切り替わる。前記スイッチングアクチュエータ152は、前記連結部18を介して前記拘束デバイス12によって加えられる引張作用を介して前記スイッチ14に向かって移動することができる。前記拘束デバイス12が展開位置からアイドル位置に移動すると、前記ばね16は、前記スイッチングアクチュエータ152を付勢して、前記スイッチ14との接触から外れるように動かし得、その結果、前記スイッチ14は、閉状態を回復し得る。図7は、前記拘束デバイス12のアイドル位置に対応する構成の前記スイッチングアクチュエータ152を示し、図8は、前記拘束デバイス12の展開位置に対応する構成の前記スイッチングアクチュエータ152を示す。
【0022】
図7を参照すると、電源19は、1つ以上の電池セルを包含することができる。構造の一例によれば、電源19は、前記チャイルドセーフティシート100に、例えば前記チャイルドセーフティシート100の前記支持ベース102又は前記チャイルドシート104に、設けることができる。別の構造によれば、電源19は、前記アラートシステム10の電気回路から電気的に接続又は切断され得る外部電源の形態で提供される。
【0023】
前記アラートデバイス17は、前記スイッチ13及び14ならびに前記アラートデバイス17を流れる電流によって作動するとアラート信号を発するように構成される。前記アラートデバイス17によって発される前記アラート信号は、限定はしないが、音、光、又はそれらの組み合わせを包含し得る。
【0024】
前記アラートシステム10の例示的な動作は、図1~9を参照して以下に説明される。図5、6及び9を参照すると、前記拘束デバイス11はアイドル位置にあり、前記スイッチングアクチュエータ151は前記スイッチ13に接触して配置され、それにより前記スイッチ13は開状態に維持される。前記拘束デバイス12もまたアイドル位置にあり、前記スイッチングアクチュエータ152は前記スイッチ14から離間されているので、前記スイッチ14は閉状態のままである。その結果、直列接続されたスイッチ13及び14ならびにアラートデバイス17からなる電気回路は開いており、電流は前記アラートデバイス17を通って流れない。したがって、前記拘束デバイス11及び12がそれぞれのアイドル位置にあるとき、前記アラートデバイス17はいずれのアラート信号を発しない。
【0025】
図3及び7を参照すると、前記拘束デバイス12がアイドル位置にあり、且つ前記スイッチ14が閉状態にある間に、前記拘束デバイス11は、アイドル位置から展開位置に移動することができ、これは、前記スイッチングアクチュエータ151を前記スイッチ13から離れるように変位させる。前記拘束デバイス11の展開位置へのこの移動は、前記チャイルドセーフティシート100が車両シートに設置されたときに起こり得る。前記スイッチングアクチュエータ151が前記スイッチ13との接触から外れると、前記スイッチ13は開状態から閉状態に切り替わることができる。前記スイッチ13、14は共に閉状態であるため、前記直列接続されたスイッチ13、14とアラートデバイス17とからなる電気回路は閉じており、電流は、電源19から前記スイッチ13及び14ならびに前記アラートデバイス17を介して前記直列回路に流れることができる。その結果、前記アラートデバイス17が作動し、前記拘束デバイス12がまだアイドル位置にあるため前記チャイルドセーフティシート100が適切に取り付けられていないことを警告するアラート信号を発する。
【0026】
図4及び図8を参照すると、前記拘束デバイス11は展開位置にあり、前記スイッチ13は閉状態のままであるが、前記拘束デバイス12は、アイドル位置から展開位置に伸ばすことができ、これは、前記スイッチングアクチュエータ152を、前記ばね16の付勢作用に抗して前記スイッチ14に向かって移動するように引っ張る。これにより、前記スイッチングアクチュエータ152は、前記スイッチ14に接触してこれを付勢し、前記スイッチ14を閉状態から開状態に切り替えることができる。その結果、前記スイッチ13及び14ならびに前記アラートデバイス17からなる前記電気回路は開いており、電流は前記アラートデバイス17を流れない。したがって、前記アラートデバイス17は、前記拘束デバイス11及び12がそれぞれの展開位置にあるときに前記アラート信号の発信を停止する。
【0027】
上述した実施形態では、前記スイッチングアクチュエータ151と前記スイッチ13との間の接点を介して前記スイッチ13が開状態と閉状態との間を切り替え可能であり、前記スイッチ14は、前記スイッチングアクチュエータ152と前記スイッチ14との間の接点を介して、開状態と閉状態との間をで切り替え可能である一例について説明した。しかし、接触を必要としない他の機構が、前記スイッチ13又は14を開状態と閉状態との間で切り替えるために適用可能であり得ることが理解されるであろう。例えば、変形構造は、前記スイッチアクチュエータ151の近接を感知することができる前記スイッチ13にセンサを組み込むことができ、それにより、前記スイッチアクチュエータ151と前記スイッチ13との間の距離が、基準値よりも小さい場合に、前記スイッチ13を開くことができ、且つ、前記スイッチングアクチュエータ151と前記スイッチ13との間の距離が基準値よりも大きい場合には、前記スイッチ13を閉じることができる。同様に、変形構造は、前記スイッチングアクチュエータ152の近接を感知することができる前記スイッチ14にセンサを組み込むことができ、それにより、前記スイッチングアクチュエータ152と前記スイッチ14との間の距離が基準値よりも小さいときに前記スイッチ14を開くことができ、且つ、前記スイッチ14は、前記スイッチングアクチュエータ152と前記スイッチ14との間の距離が基準値よりも大きいときに閉じることができる。
【0028】
構成の上述の例では、前記スイッチ13は、前記スイッチングアクチュエータ151が前記スイッチ13から離れているときに閉じられ、前記スイッチングアクチュエータ151が前記スイッチ13に接触又は近接しているときに開かれる。前記スイッチ14は、前記スイッチングアクチュエータ152が前記スイッチ14から離間しているときに閉じられ、前記スイッチングアクチュエータ152が前記スイッチ14と接触するか又はそれに近接するときに開かれる。しかしながら、前記スイッチ13及び前記スイッチングアクチュエータ151の構成は、前記スイッチングアクチュエータ151が前記スイッチ13に接触するか又は近接するときに前記スイッチ13が閉じられる(すなわち、拘束デバイス11の展開位置に対応する)ように、且つ前記スイッチングアクチュエータ151が前記スイッチ13から離れているときに前記スイッチ13が開く(すなわち、拘束デバイス11のアイドル位置に対応する)ように変更されてもよいことが理解されるであろう。同様に、前記スイッチ14及び前記スイッチングアクチュエータ152の構成は、前記スイッチングアクチュエータ152が前記スイッチ14に接触又は近接したときに前記スイッチ14が閉じられる(すなわち、拘束デバイス12のアイドル位置に対応する)ように、且つ、前記スイッチングアクチュエータ152が前記スイッチ14から離れているときに前記スイッチ14が開く(すなわち、拘束デバイス12の展開位置に対応する)ように修正されてもよい。
【0029】
図10及び11はそれぞれ、前記チャイルドセーフティシート100に適用されたアラートシステム10bの変形構造を示す側面図及び概略平面図である。図10及び11を参照すると、前記アラートシステム10bは、前記アラートシステム10の前記スイッチ13及び前記スイッチングアクチュエータ151が、前記アラートシステム10bにおいてスイッチ13b、センサ151b及び制御信号エミッタ153bで置き換えられることを除いて、前述のアラートシステム10と同様であり得る。前の実施形態と同様に、前記スイッチ13b及び14ならびに前記アラートデバイス17は、電源19で電力を供給できる直列回路に直列に接続されている。前記スイッチ13bは、前記拘束デバイス11に動作可能に結合され、その結果、前記スイッチ13bの開状態及び閉状態のそれぞれは、前記拘束デバイス11のアイドル位置及び展開位置のうちの1つに一意的に対応し得る(例えば、アイドル位置に対応する開状態及び展開位置に対応する閉状態)。そして、前記スイッチ14は、前記拘束デバイス12に動作可能に結合され、その結果、前記スイッチ14の開状態及び閉状態のそれぞれは、前記拘束デバイス12のアイドル位置及び展開位置のうちの1つに一意的に対応し得る(例えば、展開位置に対応する開状態及びアイドル位置に対応する閉状態)。前記アラートシステム10bの違いは、前記スイッチ13bは、前記センサ151b及び前記制御信号エミッタ153bで制御できる電子スイッチであることである。構成の一例によれば、前記センサ151bは前記支持ベース102と組み立てることができ、前記制御信号エミッタ153bはそれぞれ前記スイッチ13b及び前記センサ151bと電気的に接続することができる。前記センサ151bは、前記拘束デバイス11の位置、例えば、前記拘束デバイス11がアイドル位置にあるか展開位置にあるか、を検出するように構成することができ、且つ、対応して検出信号を前記制御信号エミッタ153bに送信することができる。構成の一例によれば、前記センサ151bは、前記拘束デバイス11がアイドル位置にあるか展開位置にあるかを検出するために、前記2つの拘束デバイス11のうちの1つに隣接する位置で前記支持ベース102と組み立てることができる。
【0030】
前記制御信号エミッタ153bは、前記センサ151bから受信した検出信号に応じて、前記スイッチ13bを開状態と閉状態との間で切り替える制御信号を出力することができる。前記アラートシステム10と同様に、前記アラートシステム10bの前記スイッチ13bは、前記拘束デバイス11がアイドル位置にあるときに開いており、且つ前記拘束デバイス11が展開位置にあるときに閉じている。
【0031】
前記アラートシステム10bの例示的な動作は、図10及び図11を参照して以下に説明される。図10及び図11を参照すると、前記拘束デバイス11及び12がそれぞれのアイドル位置にあるとき、前記スイッチ13bは開状態にあり、前記スイッチ14は閉状態にある。前記スイッチ13bの開状態は、例えば、前記拘束デバイス11がアイドル位置にあることを前記センサ151bが検出したことに応じて前記制御信号エミッタ153bが出力する制御信号の不在又は印加によって設定することができる。前記スイッチ14の閉状態は、前述のように、前記拘束デバイス12がアイドル位置にあるとき、前記スイッチ14から離間された前記スイッチングアクチュエータ152の位置によって設定することができる。その結果、前記直列に接続されたスイッチ13b及び14ならびにアラートデバイス17からなる電気回路が開かれ、電流が前記アラートデバイス17を通って流れない。したがって、前記拘束デバイス11及び12がそれぞれのアイドル位置にあるとき、前記アラートデバイス17はいずれのアラート信号を発しない。
【0032】
前記拘束デバイス12がアイドル位置のままであり、前記スイッチ14が閉状態のままである間、前記拘束デバイス11は、アイドル位置から展開位置に移動することができる(例えば、前記チャイルドセーフティシート100が車両シートに取り付けられている場合)。これは、前記センサ151bによって検出することができる。前記制御信号エミッタ153bは、前記センサ151bから受信した検出信号に応じて、前記スイッチ13bを開状態から閉状態に切り替える前記スイッチ13bに制御信号を出力することができる。前記スイッチ13b、14は共に閉状態であるため、前記直列接続されたスイッチ13b、14とアラートデバイス17とからなる電気回路は閉じており、電流は、電源19から前記スイッチ13b及び14ならびに前記アラートデバイス17を介して前記直列回路に流れることができる。その結果、前記アラートデバイス17が作動し、前記拘束デバイス12がまだアイドル位置にあるため前記チャイルドセーフティシート100が適切に取り付けられていないことを警告するアラート信号を発する。
【0033】
前記拘束デバイス11は展開位置のままであり、前記スイッチ13bは閉状態のままであるが、前記拘束デバイス12は、アイドル位置から展開位置に伸ばすことができ、これは、前述のように、前記スイッチアクチュエータ152を前記スイッチ14に向かって移動して引く。これにより、前記スイッチングアクチュエータ152は、前記スイッチ14と接触するか、又は前記スイッチ14に近接して配置することができ、これにより、前記スイッチ14を閉状態から開状態に切り替えることができる。その結果、前記スイッチ13b及び14と前記アラートデバイス17とからなる直列回路が開かれ、電流が前記アラートデバイス17に流れない。したがって、前記アラートデバイス17は、前記拘束デバイス11及び12がそれぞれの展開位置にあるときにアラート信号の発信を停止する。
【0034】
図12及び13は、それぞれ、前記チャイルドセーフティシート100に適用されるアラートシステム10cの変形構造を示す側面図及び平面図である。図12及び13を参照すると、前記アラートシステム10cは、前記アラートシステム10の前記スイッチ14及び前記スイッチングアクチュエータ152が前記アラートシステム10cのスイッチ14c、センサ152c及び制御信号エミッタ153cで置き換えられることを除いて、前述のアラートシステム10と同様であり得る。前の実施形態と同様に、前記スイッチ13及び14cならびに前記アラートデバイス17は、電源19で電力を供給できる直列回路で直列に接続され、前記スイッチ13は、前記拘束デバイス11に動作可能に結合される。その結果、前記スイッチ13の開状態及び閉状態のそれぞれは、前記拘束デバイス11のアイドル位置及び展開位置の一方(例えば、アイドル位置に対応する開状態及び展開位置に対応する閉状態)、及び前記拘束デバイス12に動作可能に結合された前記スイッチ14cに一意的に対応することができる。その結果、前記スイッチ14cの開状態及び閉状態のそれぞれは、前記拘束デバイス12のアイドル位置及び展開位置のうちの1つに一意的に対応し得る(例えば、展開位置に対応する開状態及びアイドル位置に対応する閉状態)。前記アラートシステム10cの違いは、前記スイッチ14cが、前記センサ152c及び前記制御信号エミッタ153cで制御できる電子スイッチであることである。構成の一例によれば、前記制御信号エミッタ153cは、それぞれ、前記スイッチ14c及び前記センサ152cと電気的に接続することができる。前記センサ152cは、前記拘束デバイス12がアイドル位置にあるか展開位置にあるかを検出するように構成され、それに応じて検出信号を前記制御信号エミッタ153cに送信することができる。構造の一例によれば、前記センサ152cは、例えば、そのストラップ122に隣接して、前記拘束デバイス12と組み立てられてもよい。
【0035】
前記制御信号エミッタ153cは、前記センサ152cから受信した検出信号に応じて、前記スイッチ14cを開状態と閉状態との間で切り替える制御信号を出力することができる。前記アラートシステム10と同様に、前記アラートシステム10cの前記スイッチ14cは、前記拘束デバイス12がアイドル位置にあるときに閉じられ、前記拘束デバイス12が展開位置にあるときに開かれる。
【0036】
前記アラートシステム10cの例示的な動作については、図12及び図13を参照して以下で説明する。図12及び図13を参照すると、前記拘束デバイス11及び12がそれぞれのアイドル位置にあるとき、前記スイッチ13は開状態にあり、前記スイッチ14cは閉状態にある。前記スイッチ13の開状態は、前述のように、前記拘束デバイス11がアイドル位置にあるとき、前記スイッチ13に接触又は近接する前記スイッチングアクチュエータ151の位置によって設定することができる。前記スイッチ14cの閉状態は、例えば、前記拘束デバイス12がアイドル位置にあることを前記センサ152cが検出したことに応じて、前記制御信号エミッタ153cが出力する制御信号によって設定することができる。その結果、前記直列接続されたスイッチ13及び14cとアラートデバイス17とからなる電気回路が開かれ、電流が前記アラートデバイス17を通って流れない。したがって、前記アラートデバイス17は、前記拘束デバイス11及び12がそれぞれのアイドル位置にあるとき、前記アラートデバイス17はアラート信号を発しない。
【0037】
前記拘束デバイス12がアイドル位置のままであり、前記スイッチ14cが閉状態のままである間、前記拘束デバイス11は、アイドル位置から展開位置に移動することができる(例えば、前記チャイルドセーフティシート100が車両シートに取り付けられている場合)。これは、前記スイッチングアクチュエータ151を離して前記スイッチ13との接触から外し、それにより前記スイッチ13を開状態から閉状態に切り替えることができる。前記スイッチ13、14cは共に閉状態であるため、前記直列接続されたスイッチ13、14cとアラートデバイス17とからなる電気回路は閉じており、電源19から前記スイッチ13及び14cならびに前記アラートデバイス17を介して前記直列回路に電流を流すことができる。その結果、前記アラートデバイス17が作動し、前記拘束デバイス12がまだアイドル位置にあるため前記チャイルドセーフティシート100が適切に取り付けられていないことを警告するアラート信号を発する。
【0038】
前記拘束デバイス11が展開位置のままであり、前記スイッチ13が閉状態のままである間、前記拘束デバイス12は、アイドル位置から展開位置に伸ばすことができ、これは、前記センサ152cによって検出することができる。前記センサ152cから受信した検出信号に従って、前記制御信号エミッタ153cは、前記スイッチ14cを閉状態から開状態に切り替える前記スイッチ14cに制御信号を出力することができる。その結果、前記スイッチ13及び14cと前記アラートデバイス17とからなる電気回路は開いており、前記アラートデバイス17には電流が流れない。したがって、前記アラートデバイス17は、前記拘束デバイス11及び12がそれぞれの展開位置にあるときにアラート信号の発信を停止する。
【0039】
前記拘束デバイス11がISOFIXラッチデバイスであり、前記拘束デバイス12がトップテザーである前述の図では、アラートシステムは、前記拘束デバイス11が展開位置にあり、前記拘束デバイス12がアイドル位置にある不適切な設置に関してアラートを提供することができる。これは、介護者が実際に前記トップテザーの取り付けを省略している可能性があるためである。しかしながら、本明細書に記載のアラートシステムはまた、前記拘束デバイス12が展開位置にあり、前記拘束デバイス11がアイドル位置にあるときに、前記アラートシステムの単にスイッチの設定を変更することによってアラートを発するように構成されてもよいことが理解される。その場合、前記拘束デバイス12に関連付けられた前記スイッチは、前記拘束デバイス12が展開位置にあるときに閉じられ、前記拘束デバイス12がアイドル位置にあるときに開かれる。そして、前記拘束デバイス11に関連付けられた前記スイッチは、前記拘束デバイス11がアイドル位置にあるときに閉じ、前記拘束デバイス11が展開位置にあるときに開く。
【0040】
前述の実施形態は、前記拘束デバイス11及び12がISOFIXラッチデバイス及びトップテザーを包含するチャイルドセーフティシートを説明しているが、本明細書に記載の前記アラートシステムは、チャイルドセーフティシートに提供される他の拘束デバイスの不適切な設置を検出するために適用可能であり得ることが理解される。例えば、他の実施形態は、車両の床に接触するために前記チャイルドセーフティシートの底部に展開可能な支持脚、又は、車両シートのシートバックに接触するために前記チャイルドセーフティシートから展開可能な延長部分に動作可能に結合された前記スイッチ13、13b、14及び14cのいずれかを有し得る。
【0041】
対応して、様々な機構が、それに作動可能に連結された前記拘束デバイスに応じて、前記アラートシステムのスイッチを閉状態と開状態との間で切り替えるように適合され得る。前記拘束デバイスの1つが前記チャイルドセーフティシートの底部に展開可能な支持脚である一例では、リンク構造は、前記支持脚の可動関節を前記スイッチングアクチュエータ151又は152に接続して、それに関連するスイッチを前記支持脚がアイドル状態と展開状態の間を移動する際に開いたり閉じたりする。前記拘束デバイスの1つが、車両シートのシートバックに接触するために展開可能な支持脚又は延長部分である別の例によれば、前記スイッチングアクチュエータ151又は152に接続するリンク構造は、展開位置にある外部環境と接触するときに変位することができる、且つ、アイドル位置でのばね力により初期位置を回復することができる支持脚又は延長部分の端部に設けられた可動部分を包含することができる。
【0042】
前記拘束デバイスの1つが前記支持脚又は前記延長部分であるさらに別の例によれば、前記支持脚又は前記延長部分の端部は、展開位置を検出し、それに応じて検出信号を出力することができるセンサを有することができる(例えば、圧力センサ又は赤外線距離センサ)。その結果、それに関連する前記スイッチ13b又は14cを開状態と閉状態との間で切り替えることができる。
【0043】
本明細書に記載されている構造の利点には、構造及び操作が簡単であり、介護者がチャイルドセーフティシートを車両シートに適切に設置するのを効果的に支援できるアラートシステムを提供する能力が含まれる。
【0044】
前記チャイルドセーフティシートの実現は、特定の実施形態の文脈で説明されてきた。これらの実施形態は、例示的であることを意味し、限定的ではない。多くのバリエーション、変更、追加、及び改善が可能である。これら及び他の変形、修正、追加、及び改善は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内に含まれる場合がある。
【符号の説明】
【0045】
10 アラートシステム
13 スイッチ
14 スイッチ
17 アラートデバイス
19 電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13