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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】平行板導波路
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20230814BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20230814BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B6/00 301
H04N5/64 511A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021547764
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(86)【国際出願番号】 US2020019337
(87)【国際公開番号】W WO2020172610
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-09-29
(31)【優先権主張番号】62/809,366
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516201548
【氏名又は名称】ビュージックス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Vuzix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ, ロバート, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クネーベル, ミッチェル, ジー.
(72)【発明者】
【氏名】トラバース,ポール, ジェイ.
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-521350(JP,A)
【文献】国際公開第2018/135193(WO,A1)
【文献】特開2015-096883(JP,A)
【文献】特開2019-020723(JP,A)
【文献】特表2018-533108(JP,A)
【文献】特開2006-038962(JP,A)
【文献】特開2015-179297(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0340920(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
G02B 27/01
G02B 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波路アセンブリの製造方法であって、
第1の表面及び第2の表面を有するブランクを提供する工程であって、上記第1及び第2の表面は平坦でないか、又は互いに平行でない、工程と、
平坦面を提供する工程と、
上記平坦面に離型剤をつける工程と、
上記離型剤の上にコーティングをつける工程と、
上記コーティングに上記ブランクの上記第1の表面をつけ、上記第1の表面が上記平坦面から所定の距離に配置される工程と、
上記ブランクと上記平坦面との間の上記距離を測定して、上記コーティングの厚さを決定する工程と、
上記コーティングを硬化させ、これにより上記コーティングが上記第1の表面と結合される工程と、
を含むことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項2】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、上記コーティングは第1のコーティングであり、
上記方法は、
上記平坦面から上記ブランクを取り除く工程と、
上記平坦面に上記離型剤をつける工程と、
上記離型剤の上に第2のコーティングをつける工程と、
上記第2のコーティングに上記ブランクの上記第2の表面をつけ、上記第2の表面が上記平坦面から所定の距離に配置される工程と、
上記第2のコーティングを硬化し、これにより上記第2のコーティングは上記第2の表面と結合される工程と、
をさらに含むことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項3】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記第1のコーティングが第1の屈折率で構成され、上記第2のコーティングが第2の屈折率で構成されることを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項4】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記第1の屈折率が上記第2の屈折率に等しいことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項5】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記第1及び第2のコーティングが光学接着剤で構成されることを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項6】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記第2の表面に1又は複数の回折格子が配置されていることを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項7】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記平坦面を回転させ、これにより上記コーティングを硬化させる前に上記コーティングが上記ブランクの上記第1の表面上に均一に分散される工程をさらに含むことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項8】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記ブランクを少なくとも部分的な真空にさらし、これにより上記コーティングを硬化させる前に上記ブランクの第1の表面が上記平坦面に対してより平行に近い位置に配置される工程をさらに含むことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項9】
導波路アセンブリの製造方法であって、
第1の表面及び第2の表面を有するブランクを提供する工程と、
平坦面を提供する工程と、
上記平坦面に離型剤をつける工程と、
上記ブランクの第1の表面にコーティングをつける工程と、
上記平坦面を上記コーティング中に降ろし、上記ブランクの第1の表面が上記平坦面から所定の距離に配置される工程と、
上記ブランクが上記コーティングを介して上記平坦面から吊り下げられる工程と、
上記コーティングを硬化させ、これにより上記コーティングが上記ブランクの第1の表面と結合される工程と、
を含むことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項10】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記コーティングを硬化させる前に、上記ブランクを少なくとも部分的に液体中に降ろす工程をさらに含むことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項11】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記ブランクの上記第1の表面の周縁に上記コーティングを毛管力により引き寄せる工程を含むことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【請求項12】
請求項に記載の導波路アセンブリの製造方法であって、
上記ブランクの第2の表面に対向する第2の平坦面を提供する工程と、
上記第2の平坦面に上記離型剤をつける工程と、
上記離型剤の上に第2のコーティングをつける工程と、
上記第2のコーティングに上記ブランクの第2の表面をつけ、上記ブランクの第2の表面が上記第2の平坦面から所定の距離に配置される工程と、
上記第2のコーティングを硬化させ、これにより上記第2のコーティングが上記ブランクの第2の表面と結合される工程と、
をさらに含むことを特徴とする導波路アセンブリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に虚像を伝達するための平行板導波路に関し、特に平行板導波路の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、軍事、商業、産業、消防及び娯楽のアプリケーションを含む、さまざまな用途向けに開発されている。これらのアプリケーションの多くでは、HMDユーザーの視野内にある実世界の画像に視覚的に重ね合わせることができるカラー虚像を形成することに特別な価値がある。平面導波路とも呼ばれる光学的に透明な平坦平行板導波路は、カラープロジェクターシステムによって生成された画像担持光(image-bearing light)をHMDユーザーに伝達する。その平面導波路は、狭い空間で画像担持光を伝達し、虚像をHMDユーザーの瞳孔に向け、HMDユーザーの視野内にある実世界の画像に虚像を重ね合わせることができる。
【0003】
そのような従来の結像光ガイド(imaging light guide)では、カラー画像プロジェクタ光源からの、コリメートされ相対的に角度が符号化された光ビームは、入力結合型回折光学素子のような入力結合型光学素子によって光学的に透明な平面導波路に結合される。入力結合型光学素子は、平行板平面導波路の表面に取り付けられ若しくは形成されてもよく、又は導波路内に配置されてもよい。そのような回折光学素子は、回折格子、ホログラフィック光学素子として、又は他の既知の方法で、形成することができる。例えば、回折格子は、表面レリーフ格子(surface relief grating)として形成することができる。平面導波路に沿って伝搬した後、回折されたカラー画像担持光は、同様の出力格子によって平面導波路の外に向けて戻すことができる。出力格子は、虚像の1又は複数の寸法(dimension)に沿って瞳拡大(pupil expansion)を提供するように配置することができる。さらに、1又は複数の回折回転格子は、導波路に沿って入力格子と出力格子との間に光学的に配置されて、虚像の1又は複数の寸法とができる。平行板平面導波路から出力された画像担持光は、観者に拡大されたアイボックス(eyebox)を提供する。
【0004】
HMDシステムは、虚像符号化光を観者の左眼に伝達するための少なくとも1つの画像伝達平面導波路と、虚像符号化光を観者の右眼に伝達するための少なくとも1つの画像伝達平面導波路から構成されてもよい。したがって、観者にステレオ画像を提供することができる。
【0005】
知覚される虚像の再構成及び品質は、平面導波路表面が平坦であり、対向する表面が互いに平行である程度に依存する。したがって、非常に高い平坦度及び対向面の平行度を備えた平面導波路を構築する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、導波路アセンブリ及びそれを製造する方法を提供する。導波路アセンブリを作る技術におけるこの進歩は、とりわけ、コンパクトなヘッドマウントデバイス及び同様の画像化装置を使用する場合の虚像の伝達及び提示に利用することができる。
【0007】
第1の例示的な実施形態では、画像担持光を入力結合素子から出力結合素子に伝達するための導波路アセンブリは、第1の表面と第1の表面から距離を置いて配置されブランクの厚みを形成する第2の表面とを有する導波路ブランクを少なくとも含む。導波路アセンブリは、第1の表面につけられ第3の表面を形成する第1のコーティングと、第2の表面につけられ第4の表面を形成する第2のコーティングとをさらに含む。第3及び第4の表面の平坦度は、画像担持光ビームの波長の4分の1未満である。
【0008】
第2の例示的な実施形態では、導波路アセンブリの製造方法は、第1の表面と第2の表面とを有するブランクを提供する工程と、平坦面を提供する工程とを含む。この方法はさらに、平坦面に離型剤をつける工程と、離型剤の上にコーティングをつける工程とを含む。さらに、この方法は、ブランクの第1の表面をコーティングにつけ、第1の表面が平坦面から所定の距離に配置される工程と、コーティングを硬化させ、これによりコーティングが第1の表面と結合される工程とを含む。
【0009】
第3の例示的な実施形態では、導波路アセンブリの製造方法は、第1の表面及び第2の表面を有するブランクを提供する工程と、平坦面を提供する工程とを含む。この方法はさらに、平坦面に離型剤をつける工程と、ブランクの第1の表面にコーティングをつける工程とを含む。さらに、この方法は、平坦面をコーティング中に降ろし、ブランクの第1の表面は、平坦面から所定の距離に配置される工程と、ブランクは、コーティングを介して平坦面から吊り下げられる工程とを含む。この方法はまた、コーティングを硬化させ、これによりコーティングはブランクの第1の表面と結合される工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、本明細書の一部として本明細書に組み込まれている。本明細書に記載された図面は、現在開示されている主題の実施形態を例示し、本開示の選択された原理と教示とを例示するものである。しかし、図面は、現在開示されている主題のすべての可能な実施例を示すものではなく、いかなる方法によっても本開示の範囲を制限することを意図するものではない。
【0011】
図1】FIG.1は、本開示の一実施形態による、一次元の瞳拡大を提供する画像光ガイドの断面図を示す。
【0012】
図2】FIG.2は、本開示の一実施形態による、二次元の瞳拡大を提供する画像光ガイドの斜視図を示す。
【0013】
図3】FIG.3Aは、平坦でないフェース面を有する導波路ブランクの側面図を示す。
【0014】
FIG.3Bは、本開示の一実施形態による、1つのフェース面がコーティングされた導波路ブランクの側面図を示す。
【0015】
FIG.3Cは、本開示の一実施形態による、2つのフェース面がコーティングされ、外面の1つに回折光学素子を有する導波路ブランクの側面図を示す。
【0016】
図4】FIG.4A, FIG.4Bは、本開示の一実施形態による、表面がコーティングされた導波路ブランクの側面図を示す。
図5】FIG.4Cは、本開示の一実施形態による、表面がコーティングされた導波路ブランクの側面図を示す。
【0017】
FIG.4Dは、本開示の一実施形態による、表面がコーティングされた導波路ブランクの側面図を示す。
【0018】
図6】FIG.5A,FIG.5Bは、本開示の一実施形態による、表面がコーティングされた導波路ブランクの断面図を示す。
【0019】
図7】FIG.6A,FIG.6Bは、本開示の一実施形態による、2つの表面がコーティングされた導波路ブランクの側面図を示す。
図8】FIG.6Cは、本開示の一実施形態による、2つの表面がコーティングされた導波路ブランクの側面図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0020】
本発明は、明示的に反対に指定されている場合を除いて、様々な代替の配向及びステップシーケンスを想定し得ることが理解されるべきである。添付の図面に示され以下の明細書に記載される特定のアセンブリ及びシステムは、本明細書で定義される本発明の概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されるべきである。したがって、開示された実施形態に関連する特定の寸法、方向、又は他の物理的特性は、特に明記しない限り、限定的であると見なされるべきではない。また、そうではないかもしれないが、本明細書に記載の様々な実施形態における同様の要素は、一般に、本出願のこのセクション内で同様の参照番号で参照されることがある。
【0021】
「画像光ガイド」、「導波路」、「平行板導波路」及び「平面導波路」という用語は同義であると見なされ、本明細書では交換可能に使用される。
【0022】
実像投影の代替として、光学システムは虚像表示を生成することができる。実像を形成する方法とは対照的に、虚像は表示面上に形成されない。すなわち、表示面が虚像の知覚された位置に配置されたとしても、その面上に画像は形成されない。
虚像表示には、拡張現実のプレゼンテーションに固有の利点がいくつかある。例えば、虚像の見かけの大きさは、表示面の大きさや位置によって制限されない。さらに、虚像のソースオブジェクトは小さくてもよく、例えば、虫眼鏡はオブジェクトの虚像を提供する。実像を投影するシステムと比較して、ある程度離れているように見える虚像を形成することにより、より現実的な視聴体験を提供することが可能である。 虚像を提供することで、実像を投影するときに必要になる、スクリーン製品(screen artifact)を補正する必要もなくなる。
【0023】
図1(FIG.1)に示すように、単眼型の画像光ガイド10は、透明基板S、平面平行な内面12、平面平行な外面14、入力結合型回折光学素子IDO、及び出力結合型回折光学素子ODOを有する平面導波路アセンブリ22を含んでもよい。この例では、入力結合型回折光学IDOは、平面導波路アセンブリ22の内面12に配置された反射型の回折格子として示され、内面12は平面導波路アセンブリ22の外面14の反対側にあり、外面14を通って画像担持光W1は平面導波路アセンブリ22に入射する。しかし、入力結合型回折光学素子IDOは、代わりに、透過型回折格子、体積ホログラム若しくは他のホログラフィック回折要素、又は入射する画像担持光W1に回折を提供する他のタイプの光学部品であり得る。入力結合型回折光学素子IDOは、平面導波路アセンブリ22の内面12又は外面14に配置することができ、画像担持光W1が平面導波路アセンブリ22に接近する方向に依存する組み合わせで透過型又は反射型にすることができる。
【0024】
仮想表示システムの一部として使用される場合、入力結合型回折光学素子IDOは、実際の、仮想の、又はハイブリッドの画像源(図示せず)からの画像担持光W1を平面導波路アセンブリ22の基板Sに結合する。あらゆる実像又は画像の寸法は、先ず、入力結合型回折光学素子IDOに提示するために、虚像の異なるピクセルに対応する重なり合った角度的に関連するビームの配列(array)に変換され、例えば、焦点に向かって収束される。一般的に、角度的に関連するビームの1つを形成する各束(bundle)内の光線は平行に延びるが、角度的に関連するビームは、画像の長さ寸法に対応する2つの角度寸法で定義された角度で互いに相対的に傾斜している。
【0025】
画像担持光W1は(一般に第1の回折次数を介して)回折され、これにより入力結合型回折光学素子IDOによって画像担持光WGとして平面導波路アセンブリ22に方向を変えられ、内部全反射(total internal reflection (TIR))により平面導波路アセンブリ22に沿ってさらに伝搬する。角度的に関連するビームの異なる組み合わせに回折されるが、内部全反射によって設定された境界に沿って、画像担持光WGは、入力結合型回折光学素子IDOのパラメータから導出可能な符号化された形式で画像情報を保持する。出力結合型回折光学素子ODOは、符号化された画像担持光WGを受け取り、画像担持光WGを、観者の目の意図された位置に向かって画像担持光WOとして平面導波路アセンブリ22から回折する(これも一般的には第1の回折次数を介して)。一般的に、出力結合型回折光学素子ODOは、入力結合型回折光学素子IDOに対して対称的に設計され、出力された角度的に関連のある画像担持光WOのビームのうち、画像担持光W1の元の角度関係を復元することができる。さらに、出力結合型回折光学素子ODOは、元のフィールドポイントの位置と角度の関係を変更して、有限距離に焦点を合わせた出力虚像を生成できる。
【0026】
出力結合型回折光学素子ODOは、平面導波路アセンブリ22の内面12に配置された透過型回折格子として示されている。しかし、入力結合型回折光学素子IDOと同様に、出力結合型回折光学素子ODOは、平面導波路アセンブリ22の内面12又は外面14に配置することができ、画像担持光WOが平面導波路アセンブリ22から出る意図された方向をサポートする組み合せで、透過型又は反射型とすることができる。
【0027】
虚像を見ることができるいわゆるアイボックスE内の角度的に関連するビーム間のオーバーラップの1つの寸法を増加させるために、出力結合型回折光学素子ODOは、画像担持光WGに複数回遭遇しぞれぞれの遭遇時に画像担持光WGの一部のみ回折するように配置される。出力結合型回折光学素子ODOの長さに沿った複数の遭遇は、画像担持光WOの角度的に関連するビームのそれぞれの1つの寸法を拡大する効果があり、それにより、ビームが重なるアイボックスEの1つの寸法を拡大する。アイボックスEの拡大により、虚像を見る観者の目の位置に対する感度が低下する。
【0028】
図2(FIG.2)に示すように、一実施形態では、画像光ガイド20は、アイボックス74を2つの寸法において、すなわち、意図された画像のx軸及びy軸の両方に沿って、拡大するように配置される。2つの寸法のビーム拡大を実現するために、入力結合型回折光学素子IDOは、中間回折光学素子に向けて格子ベクトルk1を中心に画像担持光W1を回折するように向けられる。一実施形態では、中間回折光学素子は回転光学素子TOであってもよく、その格子ベクトルk2が、出力結合型回折光学素子ODOに向けて画像担持光WGを反射モードで回折するように向けられている。画像担持光WGの一部のみが回転光学素子TOとの複数の遭遇のそれぞれによって回折され、それにより、出力結合型回折光学素子ODOに接近する画像担持光WGの角度的に関連するビームのそれぞれが横方向に拡大される。回転光学素子TOは、画像担持光WGを、画像担持光WOとして平面導波路22を出る前に、画像担持光WGの角度的に関連するビームを2次元で縦方向に拡大するための格子ベクトルk3を有する出力結合型回折光学素子ODOに向かう方向に向ける。図示された格子ベクトルk1,k2,k3などの格子ベクトルは、平面導波路22に平行な面内にあり、回折光学素子の回折特徴(例えば、溝、線、罫線)に垂直な方向を指し、回折光学素子IDO,TO,及びODOの周期又はピッチd(すなわち、溝間の中心上の距離)に反比例した大きさを有する。
【0029】
一実施形態では、図2に示すように、画像光ガイド20の入力結合型回折光学素子IDOは、画像源16によって生成された画像内の個々のピクセル又は同等の位置に対応する一連の角度的に関連するビームを含む入射画像担持光W1を受け取る。虚像を生成するための角度的に符号化されたビームの全範囲は、集束光学素子を備えた実ディスプレイ(real display)によって、ビームの角度をより直接的に設定するためのビームスキャナによって、又は1次元スキャナと共に使用される1次元実ディスプレイのような組み合わせによって、生成することができる。画像光ガイド20は、画像担持光WGを、回転光学素子TO及び出力結合型回折光学素子ODOの両方に、異なる向きで複数回遭遇させることで、2次元の画像における横方向に拡張された一連の角度的に関連するビームを出力する。平面導波路アセンブリ22の元の向きでは、回転光学素子TOは、y軸方向にビーム拡大を提供し、出力結合型回折光学素子ODOは、x軸方向に同様のビーム拡大を提供する。2つの回折光学素子IDO,ODOと回転光学素子TOの反射特性とそれぞれの周期dは、それらの素子のそれぞれの格子ベクトルの向きとともに、画像担持光WOとして画像光ガイド20から出力される画像担持光W1の角度的に関連するビーム間の意図された関係を実質的に維持しながら、2次元でのビーム拡大を提供する。
【0030】
画像光ガイド20に入力された画像担持光W1は、入力結合型回折光学素子IDOによって角度的に関連するビームの異なるセットに符号化されるが、画像を再構成するために必要な情報は、入力結合型回折光学素子IDOの系統的効果(systematic effects)を考慮することによって実質的に保存することができる。入力結合型回折光学素子IDOと出力結合型回折光学素子ODOの中間位置にある回転光学素子TOは、画像担持光WGの符号化に大きな変化を引き起こさないように配置することができる。このように、出力結合型回折光学素子ODOは、入力結合型回折光学素子IDOに関して対称的に配置することができる。一実施形態では、出力結合型回折光学素子ODOは、入力結合型回折光学素子IDOの回折特徴と同じ周期を共有する回折特徴を含んでもよい。同様に、一実施形態では、回転光学素子TOの周期は、入力結合型回折光学素子IDO及び出力結合型回折光学素子ODOの共通の周期と一致させることもできる。
【0031】
一実施形態では、図2に示すように、回転光学素子TOの格子ベクトルk2は、他の格子ベクトルに対して45度に向けられてもよい。別の実施形態では、回転光学素子の格子ベクトルk2は、画像担持光WGが120度回転するように、入力結合型回折光学素子IDO及び出力結合型回折光学素子ODOの格子ベクトルk1及びk3に対して60度に向けることができる。入力結合型回折格子素子IDO及び出力結合型回折光学素子ODOの格子ベクトルk1及びk3に対して回転光学素子の格子ベクトルk2を60度に向けることにより、格子ベクトルk1及びk3も互いに60度に向けられる。回転光学素子TOと、入力結合型回折光学素子IDOと、出力結合型回折光学素子ODOとによって共有される共通ピッチに格子ベクトルの大きさを依拠させて、3つの格子ベクトルk1,k2,k3(有向線分として)は正三角形を形成し、合計をゼロベクトルの大きさにし、これにより色分散などの不要な収差を引き起こす可能性のある非対称効果を回避する。
【0032】
平面導波路アセンブリ22に回折される画像担持光W1は、入力結合型光学素子によって効果的に符号化される。他の実施形態では、入力結合型光学素子は、格子、ホログラム、プリズム、又はミラーを含んでもよいが、これらに限定されない。入力で発生する光のあらゆる反射、屈折、及び/又は回折は、それに対応して、出力結合型光学素子によって対応して復号され、観者に提示される虚像を再形成する必要がある。入力結合型回折光学素子IDOと出力結合型回折光学素子ODOの中間位置に配置された回転光学素子TOは、符号化された光に実質的な変化が引き起こされないように、設計及び向き合わせされる。出力結合型回折光学素子ODOは、画像担持光WGを、アイボックス74を満たすように拡大された元の又は所望の形態の角度的に関連するビームに復号する。回転光学素子TOと入力結合型回折光学素子IDOと出力結合型回折光学素子ODOとの間で対称性が維持されているかどうか、又は画像担持光W1の角度的に関連するビームの符号化に変更が平面導波路22に沿って起こるかどうかにかかわらず、回転光学素子TO、入力結合型回折光学素子IDO及び出力結合型回折光学素子ODOは関連づけられてもよく、そのため、平面導波路アセンブリ22から出力される画像担持光WOが、画像担持光W1の元の又は所望の形態を保存するか、さもなければ保持し、重なり合う画像担持光ビームWOを用いて意図された虚像が生成される。
【0033】
図2を引き続き参照すると、文字「R」は、目がアイボックス74内にある観者に見える虚像の向きを表す。図のように、表された虚像における文字「R」の向きは、画像担持光W1によって符号化された文字「R」の向きと一致している。x-y平面に対する入射画像担持光W1のz軸又は角度方向の周りの回転の変化は、出力結合型回折光学素子ODOからの出射光WOの回転又は角度方向の対応する対称的な変化を引き起こす。画像の向きの観点から、回転光学素子TOは、一種の光学リレーとして機能することができ、画像の1つの軸に沿って(例えば、y軸に沿って)画像担持光WGの角度的に符号化されたビームの拡大を提供する。出力結合型回折光学素子ODOは、画像担持光W1によって符号化された虚像の元の向きを維持しながら、画像の別の軸に沿って(例えば、x軸に沿って)画像担持光WGの角度的に符号化されたビームをさらに拡大する。入力結合型回折光学素子IDO及び出力結合型回折光学素子ODOと同様に、回転光学素子TOはいくつかの形態をとることができる。一実施形態では、回転光学素子TOは傾斜格子であってもよい。別の実施形態では、回転光学素子TOは正方格子であってもよい。別の実施形態では、回転光学体TOはブレーズド格子(blazed grating)であってもよい。回転光学素子TOの任意の実施形態において、回転光学素子TOは、平面導波路22の内面又は外面上に配置されてもよい。
【0034】
図2に示される画像光ガイド20は、画像コンテンツを観者に提供するHMDで使用されるタイプのものであってもよい。また、画像光ガイド20は、透明な平面導波路アセンブリ22を通して見える実世界の光景に虚像コンテンツを重ね合わせることができる拡張現実アプリケーションにも特によく適している。
【0035】
上述のように、画像担持光W1は、内部全反射(TIR)によって平面導波路アセンブリ22に沿ってさらに伝播される画像担持光WGとして入力結合型回折光学素子IDOによって符号化される。平面導波路アセンブリ22の表面が平坦でない、及び/又は互いに平行でない場合、符号化された画像担持光WGは表面12、14の各TIRで劣化する。画像担持光WGが、出力結合型回折光学素子ODOによって復号され平面導波路アセンブリ22を出て画像担持光WOになるとき、符号化された画像担持光WGの劣化により、得られる虚像の画質が著しく劣化する可能性がある。このような虚像画質の劣化を低減するために、平面導波路アセンブリ22を複数の層で構成してもよい。
【0036】
FIG.3Aに示すように、一実施形態では、導波路ブランク52は、第1の表面54及び第2の表面56を含んでもよい。一実施形態では、導波路ブランク52は、研磨された光学的に透明な基板である。FIG.3Aに示すように、第1の表面54及び第2の表面56は、平坦でなくてもよく、互いに平行でもなくてもよい。一実施形態では、導波路ブランク52の厚さは、0.5mmから2.5mmの厚さの範囲内であってもよい。導波路ブランク52は、ガラス又はポリマーなどの材料で形成してもよいが、これらに限定されない。一実施形態では、導波路ブランク52の屈折率は、1.5から2.0の範囲内であってもよい。平面導波路アセンブリとして潜在的に非平坦、非平行の導波路ブランク52を使用すると、平面導波路アセンブリ22を介して符号化された画像WGを伝達する際に、連続するTIRに集約された角度誤差のために、生成された虚像が著しく劣化することになる。すなわち、導波路22の非平坦及び/又は非平行の表面54,56は、画像担持光WGと導波路の表面54,56との各TIR相互作用のたびに、画像支持光WGの符号化を劣化させる。
【0037】
導波路ブランク52が薄くなるにつれて、導波路ブランクの表面54,56が平行又は平坦のいずれかになる傾向があるが、両方にはならない。高圧インプリント法(high pressure imprinting method)を入力結合型回折光学素子IDO及び出力結合型回折光学素子ODOの作成に利用してもよい。しかし、高圧インプリント法は、第1の表面54上に平坦なインプリント層を生成しようとする間に、導波路ブランク52を変形させる。さらに、従来の高圧インプリント法は、導波路ブランク52の表面54、56の1つのみに薄く均一なインプリント層を適用し、導波路ブランク52は元の不均一な形状に戻ることが可能である。
【0038】
FIG.4A~FIG.6Cに示すように、代わりに低圧インプリント法(low pressure imprinting method)を使用して、導波路ブランクの表面54,56の一方又は両方の上に入力結合型回折光学素子IDO及び出力結合型回折光学素子ODOを作成してもよい。導波路ブランク52の第1の表面54に低圧インプリント層58を適用して、空隙を埋め第1の表面54の光出力(optical power)を除去してもよい。次に、インプリント層58を有する導波路ブランク52は、導波路ブランクの表面56に適用される低圧インプリント層64(FIG.3Cも参照)を受けて、平坦で平行な表面を有する導波路アセンブリ22を作成してもよい。インプリント層58,64のいずれか、両方、又はどちらでもないものに回折格子を含むことができる。
【0039】
FIG.3Bに示すように、一実施形態では、低圧インプリント層58は、屈折率整合コーティング(index matching coating)でもよく、導波路ブランク52の第1の表面54に適用されてもよい。屈折率整合コーティング58は、導波路ブランク52の屈折率とほぼ一致する。一実施形態では、屈折率整合コーティング58の屈折率は、導波路ブランク52の屈折率の5%以内であってもよい。屈折率整合コーティング58のフェース面(face surface)14は、導波路を透過した画像担持光の波長の4分の1以内に平坦になっている。一実施形態では、屈折率整合コーティングのフェース面14は532nm以内に平坦であってもよい。一実施形態では、屈折率整合コーティングのフェース面14は、入力結合型回折光学素子IDOと出力結合型回折光学素子ODOの間に、0.15ミクロン以下の表面偏差(surface deviation)を有してもよい。さらに、一実施形態では、屈折率整合コーティングのフェース面14は、450nm/4から650nm/4の間の平坦度の仕様を有してもよい。さらに、一実施形態では、屈折率整合コーティング58は、紫外線(「UV」)硬化型のエポキシ又は他の透明材料であってもよい。例えば、屈折率整合コーティング58は、ノーランド光学接着剤(Norland Optical Adhesive(NOA))、LumipluS(登録商標)透明樹脂、ポリマー層、又は同様の製品であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0040】
FIG.3Cに示すように、低圧インプリント法の実施形態では、導波路ブランク52は、第1の表面54に適用される屈折率整合コーティング58を有してもよく、低圧インプリント層64は第2の表面56に適用されてもよい。低圧インプリント層64は屈折率整合コーティング64であってもよい。一実施形態では、屈折率整合コーティング58、64の屈折率は、導波路ブランク52の屈折率の1%以内であってもよい。別の実施形態では、屈折率整合コーティング58、64の屈折率は、導波路ブランク52の屈折率の0.5%以内であってもよい。屈折率整合コーティング64のフェース面12は、導波路で使用される波長の1/4以内に平坦であってもよい。一実施形態では、屈折率整合コーティングのフェース面12は532nm以内に平坦であってもよい。別の実施形態では、屈折率整合コーティング面12は、入力結合型回折光学素子IDOと出力結合型回折光学素子ODOの間に0.15ミクロン未満の表面偏差を含んでもよい。また、屈折率整合コーティング64はUV硬化型のエポキシであってもよい。例えば、屈折率整合コーティング64は、ノーランド光学接着剤(NOA)、ポリマー層、又はLumipluS(登録商標)透明樹脂であってもよいが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、フェース面12は、フェース面14に対し平行から6秒(arcsecond)未満の偏差を有してもよい。
【0041】
一実施形態では、回折光学素子IDO,ODO,TOは、屈折率整合コーティング58上又は中にインプリントされてもよい。一実施形態では、FIG.3Cに示すように、回折光学素子IDO,ODO,TOは、屈折率整合コーティング64上又は中にインプリントされてもよい。別の実施形態では、回折光学素子は、屈折率整合コーティング58、64上又は中にインプリントされていない。
【0042】
一実施形態では、屈折率整合コーティング64は、ホログラムを記録するのに適した乳剤であってもよい。したがって、入力結合型光学素子IDOは、入射画像担持光W1を入力結合するのに適した埋め込み型のホログラフィック光学素子(holographic optical element)であってもよい。
【0043】
導波路ブランク52は、埋め込み型の回折光学素子及び/又は1以上のビームスプリッタ、又は1以上の体積ホログラム(volume holograms)、及び/又はホログラフ的に形成されたポリマー分散型液晶(holographically formed polymer-dispersed liquid crystal(HPDLC))又は他の既知の構造を含み、入射画像担持光W1を入力結合し画像担持光WGを出力結合するためのアセンブリであってもよい。そのような構成では、屈折率整合コーティング58,64は、その中に又はその上に形成される追加の回折要素を有しなくてもよい。
【0044】
一実施形態では、FIG.4A~FIG.4Dに示すように、導波路アセンブリ22を製造する低圧インプリント法は、(1)定盤(surface plate)74の下向きの平坦面72に離型剤70をつけることを含んでもよい。定盤74は、平坦面72が地面と平行に配置されるように、吊り下げられるか又は向きを合わせられる。換言すれば、平坦面72は、定盤74に作用する重力ベクトルGに対して垂直に配置されている。一実施形態では、離型剤70はフルオロシラン(Fluorosilane)系の材料である。一実施形態では、定盤74のサイズが導波路アセンブリ22の製造中に安定性を提供するように、定盤74は導波路ブランク52よりも厚いブロックで構成されている。一実施形態では、定盤の平坦面72は、532nmでλ/4の平坦度を有してもよい。
【0045】
導波路アセンブリ22の製造はまた、(2)ある量の屈折率整合コーティング58を導波路ブランクの第1の表面54につけることを含んでもよい。導波路ブランクの第1の表面54は上向きであり、地面とほぼ平行に配置されている。一実施形態では、導波路ブランク52を最初に作業台又は面上に配置してもよい。次に、離型剤70がつけられた定盤74は、(3)導波路ブランクの第1の表面54につけられた屈折率整合コーティング58の中に下げられ、(4)導波路ブランクの第1の表面54は、平坦面72から所定の距離に配置されてもよい。一実施形態では、導波路ブランクの第1の表面54を平坦面72から所定の距離に配置することは、(5)導波路ブランクの第1の表面54と平坦面72との距離を測定することをさらに含んでもよい。次に、屈折率整合コーティング58を介して導波路ブランク52が結合された定盤74は、導波路ブランク52が屈折率整合コーティング58のみを介して定盤74から支持されるように持ち上げられる。毛管力により、屈折率整合コーティング58が導波路ブランクの第1の表面54の周縁に引き寄せられる。(6)その後、屈折率整合コーティング58を硬化させてもよい。一実施形態では、屈折率整合コーティング58は、UV光を介して硬化される。導波路アセンブリ22の製造は、(7)屈折率整合コーティング58が取り付けられた導波路ブランク52を、平坦面72から除去することをさらに含んでもよい。
【0046】
一実施形態では、屈折率整合コーティング58が硬化する前に、屈折率整合コーティング58を介して定盤74と結合された導波路ブランク52を、(8)所定の粘度及び浮力を有する液体80中に降ろして、導波路ブランク52を定盤の平坦面72に対してさらに水平にしてもよい。一実施形態では、液体80は水であってもよい。
【0047】
一実施形態では、FIG.5A及びFIG.5Bに示すように、導波路アセンブリ22を製造する方法は、定盤78の上向きの平坦面76を提供することを含んでもよい。定盤78は、平坦面76が地面及び平坦面72と平行に配されるように配置されるか又は向きを合わせられる。一実施形態では、定盤の上向きの平坦面76は、1又は複数の回折格子パターン82,84を含んでもよい。
【0048】
(9)より多くの離型剤70が平坦面76につけられ、ある量の離型剤70の上には、屈折率整合コーティング64がつけられる。導波路ブランクの第2の表面56は、屈折率整合コーティング64につけられてもよく、又はその逆も可能であり、導波路ブランクの第2の表面56は、平坦面76から距離を置いて配置されてもよい。必要に応じて、屈折率整合コーティング64の所望の厚さが導波路ブランク52に適用されることを確実にするために、導波路ブランクの第2の表面56から平坦面76までの距離を測定してもよい。その後、屈折率整合コーティング64を硬化させてもよい。導波路アセンブリ22の製造は、屈折率整合コーティング58,64が第1及び第2のフェース面54,56に取り付けられた導波路ブランク52を、平坦面72、76から取り除くことをさらに含んでもよい。
【0049】
別の実施形態では、FIG.6A及びFIG.6Cに示すように、導波路アセンブリ22を製造する方法は、上向きの平坦面76を有する定盤78を提供することを含んでもよい。離型剤70が平坦面76につけられ、離型剤70の上に、ある量の屈折率整合コーティング58がつけられる。導波路ブランクの第1の表面54は屈折率整合コーティング58につけられてもよく、又はその逆も可能であり、導波路ブランク第1の表面54は、平坦面76から距離を置いて配置されてもよい。必要に応じて、屈折率整合コーティング58の所望の厚さが導波路ブランク52に適用されることを確実にするために、導波路ブランクの第1の表面54から平坦面76までの距離を測定してもよい。
【0050】
一実施形態では、屈折率整合コーティング58が硬化する前に、屈折率整合コーティング58を介して定盤76と結合された導波路ブランク52を、真空チャンバー86内に配置し真空又は部分真空にさらして導波路ブランク52を定盤の平坦面76に対してさらに水平にしてもよい。次に、屈折率整合コーティング58は、例えば、紫外線への曝露を介して硬化させてもよい。次に、FIG.6Cに示すように、真空チャンバー86内の真空又は部分真空が解放されてもよく、導波路ブランク52が反転されてもよく、屈折率整合コーティング64を第2の表面56につける工程が同様に行われてもよい。
【0051】
一実施形態では、定盤74、78のうちの1又は複数は、導波路ブランク52を回転させるように動作可能な回転装置を含んでもよい。導波路ブランクの第1又は第2の第1の表面54、56を、屈折率整合コーティング58,64を介して定盤の平坦面72,76の何れかに結合した後、導波路ブランク52は、置かれた屈折率整合コーティング58、64が第1の表面54,56にわたって均一に広がるように、定盤74,78を介して回転させてもよい。上述したように、屈折率整合コーティング58,64はその後(例えば、所望の厚さについて)測定され、及び/又は硬化させてもよく、次いで、屈折率整合コーティング58、64が、導波路ブランク52の反対側の第1の表面54,56に同様につけられてもよい。
【0052】
有利なことに、本開示は、平面導波路の従来の製造で以前に得られたよりも高度に平坦で互いに平行である対向面を有する光学平面導波路を提供する。これにより、より高品質の虚像を観者に提示できる。
【0053】
本明細書に記載された実施形態の1又は複数の特徴を組み合わせて、描かれていない追加の実施形態を作成することができる。以上、様々な実施形態を詳細に説明してきたが、これらは例示のために提示されたものであり、限定されるものではないことを理解すべきである。開示された主題は、その範囲、精神、又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態、変形、及び変更で具現化することができることは、当業者には明らかであろう。したがって、上記の実施形態は、すべての点で例示的なものであり限定的なものではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、その意味と同等の範囲内に入るすべての変更は、そこに包含されることが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C