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特許7330286洗浄に関して最適化された器具バネの簡単な製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】洗浄に関して最適化された器具バネの簡単な製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/28 20060101AFI20230814BHJP
   B25B 7/00 20060101ALN20230814BHJP
【FI】
A61B17/28
B25B7/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021556329
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2020055486
(87)【国際公開番号】W WO2020187553
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】102019106852.5
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ボグザー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/002347(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/128291(WO,A1)
【文献】特開昭53-128086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/28-17/295
A61B 17/3201
B25B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対して枢動可能な2つのグリップ要素と、バネ要素とを有するハンドヘルド医療用器具を製造する方法であって、
2つの前記グリップ要素を準備するステップであって、2つの前記グリップ要素の各々は、それらの一方の端部に形成されるピボットピン受容アイレットと、それらに形成される、前記バネ要素のための連結アイレットとを有する、ステップと、
前記バネ要素を準備するステップであって、前記バネ要素は、各バネ端部に配置されるピボットピンを有する、ステップと、
前記バネ要素の前記ピボットピンを、まだ互いに枢動可能に結合されていない前記グリップ要素の前記連結アイレットに挿入するステップと、
前記グリップ要素を、それらのピボットピン受容アイレットの領域において合わせ、ピボットピンを、重なり合っている前記ピボットピン受容アイレットに挿入することによって、前記グリップ要素を枢動可能に結合するステップと、を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、請求項1のプリアンブルに係る医療用ハンドヘルド器具を製造する方法に関し、特に、鉗子型又は鋏型の手術用ハンドヘルド器具であって、互いに対して枢動可能な2つのグリップ要素又はハンドルバーと、U字形状又はV字形状に曲げられたバネ要素、好ましくは板バネであって、2つのグリップ要素のうちの少なくとも1つが枢動されて基本位置から外れたときに、バネ要素を介して基本位置に枢動して戻ることができるように、2つのグリップ要素のうちの1つにそれぞれ接続された2つのバネ要素端部を有するバネ要素と、を有する、手術用ハンドヘルド器具を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第102017114260A1号は、互いに対して枢動可能な2つのグリップ要素と、2つのバネ要素端部を有するバネ要素とを有する医療用ハンドヘルド器具を示す。バネ要素端部は各々、2つのグリップ要素のうちの1つに接続されており、2つのグリップ要素のうちの少なくとも1つは、枢動されて基本位置から外れたときに、バネ要素を介して基本位置に枢動して戻ることができる。ハンドヘルド器具は、2つのバネ要素端部のうちの少なくとも1つが、バネ要素を形成することによって作り出されるフォームフィットを介して、対応するグリップ要素に接続されることを特徴とする。さらに、独国特許出願公開第102017114260A1号は、医療用ハンドヘルド器具を製造する方法を開示している。
【0003】
独国特許出願公開第202010007995U1号には、1つの板バネが器具又は器具ハンドルの一方側にネジ留めされ、その自由端が器具の反対側又は他方の器具ハンドルに配置されている器具が開示されている。これにはいくつかの欠点がある。一般に、手術用器具では、ナットのネジ山とネジとの間の隙間を洗浄することが実質的に不可能であるため、ネジ山はできるだけ回避されるべきである。独国特許出願公開第202010007995U1号に係る器具では、板バネはネジ接続の領域において器具の内部に直接当接しており、その結果、板バネと器具との間には、非常に狭く、洗浄不可能な隙間を生じることにもなる。水分又は洗浄流体は、この隙間内では非常に乾燥しにくく、時間が経つと腐食作用をもたらすことがある。さらに、板バネはこの腐食しやすい領域において穿孔されており、その幾何学的形状は弱められている。これは、この位置において板バネが破損する危険性があることを意味する。板バネの自由端は、器具の移動中又は使用中、器具の反対側の支持領域において擦れる。長期的には、この摩擦は支持領域の表面品質を劣化させ、そこでの腐食に対する脆弱性を増大させることにもなる。
【0004】
独国特許出願公開第202009002433U1号には、2つのグリップ枝部を有する器具が開示されており、この器具では、各グリップ枝部に対して1つのネジ留め式の板バネ部が設けられている。2つの板バネ部は、2つのハンドル枝部を基本位置へ回し戻すように、互いに支持し合っている。その洗浄性に関して、独国特許出願公開第202009002433U1号に係る器具は、特にそのネジ接続が理由で、独国特許出願公開第202010007995U1号に係る器具と同じ欠点を有する。さらに、2つの板バネの自由端の接触領域に差し込み接続があり、これは比較的鋭利になっている。この場所は、器具の容易にアクセス可能なハンドル領域の中央に位置するので、ここでユーザの手術用手袋が容易に切断又は損傷されてしまう可能性がある。そして、器具が新品のときにこの接続箇所がきれいにバリ取りされていても、何回か使用すると、ある程度の摩耗やバリが発生する。
【0005】
2つの先行文献である独国特許出願公開第202010007995U1号及び独国特許出願公開第202009002433U1号は、製造も複雑かつ繊細である。バネを締結するためのネジは、板バネの穴を通ってハンドルのネジ山にねじ込まれる。この工程では、輸送、振動、又は器具の動きによってネジが緩まないように、十分なトルクでネジを締めることが重要である。このことは、特にネジ山が汚れており、動きを妨げてしまう場合には、保証されない可能性がある。さらに、バネ機構は交換が容易であるが、同様に扱いも容易である。ユーザは、ネジを緩めて洗浄するだけで済む。しかしながら、洗浄後に、ネジを適切に再び取り付けることは保証されていない。さらに、ネジが紛失される可能性があり、臨床作業の流れに混乱を引き起こす可能性がある。
【0006】
独国特許出願公開第202009001809U1号は、独国特許出願公開第202009002433U1号に係る器具のように、バネ機構が2つのネジ止めされた板バネ部から構成されている器具について言及している。少なくとも先述の鋭利な差し込み接続箇所の欠点を避けるために、玉継手の幾何学的形状が板バネ部同士の間に設けられている。しかしながら、ネジ接続および玉継手の幾何学的形状により、独国特許出願公開第202009001809U1号に係る器具は洗浄性に関して依然として不利である。さらに、独国特許出願公開第202009001809U1号に係るバネ機構は、示めされた幾何学的形状が板バネの自由端に溶接されなければならないか又は複雑に圧延されなければならないため、製造するのが複雑である。
【0007】
独国特許出願公開第202011052256U1号には、バネ機構が、ネジ止めされた板バネ部と、その自由端に連結して取り付けられた第2の部品とから構成された器具が記載されている。ネジ接続及びバネ機構の複雑さによって、独国特許出願公開第202011052256U1号に係る器具も比較的洗浄することが難しく、製造するのに手間がかかる。
【0008】
バネ機構が対応するハンドル部と少なくとも部分的に複雑な方法で一体化されている器具は、例えば、独国特許出願公開第10137915B4号、独国特許出願公開第102007030874B4号、又は独国特許出願公開第102014102606A1号に記載されている。このような器具のさらなる例は、米国特許出願公開第2005/222588A1号又は米国特許出願公開第2003/083747A1号に開示されている。これらの器具は、製造が複雑であるという理由だけでなく、板バネ部の交換性又は分解性が良くないという理由からも不利である。
【0009】
(発明の開示)
上述の従来技術に係る器具の製造方法に鑑みて、本願の目的は、洗浄が容易であり、比較的摩耗が少なく、及び/又は比較的修理が容易である、ハンドヘルド医療用器具のコスト削減及び時間削減可能な製造方法を提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1の手順を有する医療用ハンドヘルド器具を製造する方法によって解決される。有利なさらなる展開は、従属請求項の主題である。
【0011】
したがって、本願は、互いに対して枢動可能な2つのグリップ要素/グリップ枝部(グリップハンドル、グリップレバー、レバーアーム)と、好ましくはU字形状又はV字形状に曲げられた、特に板バネ構造のバネ要素(プリテンションバネ)と、を有するハンドヘルド医療用器具を製造する方法に関する。そして、バネ要素の2つの端部(バネ要素端部)の各々は、2つのグリップ要素のうちの対応する1つに接続される。それから、2つのグリップ要素は、2つのグリップ要素のうちの少なくとも1つが他方のグリップ要素に対して枢動されて基本位置から外れたときに、バネ要素を介して基本位置に枢動して戻されるように、互いに接続される。
【0012】
換言すれば、ハンドヘルド医療用器具を製造するための本願の方法は、とりわけ、以下の方法ステップ、すなわち、(a)好ましくは同一構成の2つの(器具)グリップ要素を準備するステップであって、グリップ要素の各々は、グリップ要素の一方の端部に形成されるピボットピン受容アイレットと、グリップ要素に形成され、さらに好ましくは中央部にスロット穴が形成されている、好ましくは板バネ構造のバネ要素のための連結アイレットとを有する、ステップと、b)バネ要素を準備するステップであって、バネ要素は、各バネ端部に配置されるか、又は好ましくは、バネ要素と一体的に形成されるピボットピンを有する、ステップと、c)バネ要素のピボットピンを、まだ互いに枢動可能に結合されていない器具グリップ要素の連結アイレットに挿入するステップと、d)器具グリップ要素を、それらのピボットピン受容アイレットの領域において合わせ、好ましくはリベット形状又はネジ形状のピボットピンを、重なり合っている/位置合わせされたピボットピン受容アイレットに挿入することによって、器具グリップ要素を枢動可能に結合するステップと、を示された順序で提供する。
【0013】
この手順は、医療用ハンドヘルド器具の組み立てを単純化し、器具の特性、特にバネの予荷重を再現可能にする。
【0014】
本願に係る医療用器具を製造する方法は、特に、連結アイレットへのバネ要素のピボットピンの挿入が、グリップ要素の合体及びピボット結合の前に実行されることを特徴とする。換言すれば、バネ要素は、引っ掛ける前、最中、又は後に形成される必要なしに、対応するグリップ要素に引っ掛かることができるように、形成されているか、又は形成されることになる。
【0015】
したがって、好ましい実施形態では、2つのバネ要素端部と対応するグリップ要素とのフォームフィット接続は、2つのグリップ要素を接続することによって固定される。これにより、追加の作業手順を必要とせずに、医療用ハンドヘルド器具の安全な取り扱いが保証される。
【0016】
さらに、好ましくは、単にグリップ要素の接続を解除するだけで、医療用ハンドヘルド器具を洗浄又は修理のために分解できるように、2つのグリップ要素は、フォームフィッティング方式で接続及び接続解除されてもよい。
【0017】
本願によれば、製造方法において、連結アイレット/受容部は、ロック・アンド・キーの原理に従って対応するバネ要素端部をフォームフィッティング方式で受け入れるように設計されてもよい。受容部は、実質的にリング形状であってもよく、受容部の各々は、スリット部を有していてもよい。このスリット部を通して、対応するバネ要素端部を関連する受容部に挿入可能である。さらに、2つの対向する凹部がバネ要素端部の各々に形成されていてもよく、この凹部は、バネ要素端部が受容部に挿入された後に、バネ要素端部の周囲を把持する。
【0018】
換言すれば、バネ要素端部はそれぞれ、2つの対向する凹部を有してもよく、したがって、バネ要素端部はそれぞれ、ピボットピンとしてのT字形状端部を有する。T字形状端部の横棒は、各場合において、枢動軸として機能してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本願を好ましい構成例により詳細に説明する。
図1】好ましい実施形態による、本願に係る方法によって製造されるハンドヘルド医療用器具の詳細な斜視図を示す。
図2】好ましい実施形態による、バネ要素端部のグリップ要素との引っ掛かりの詳細な斜視図を示す。
図3】好ましい実施形態による、バネ要素端部の上面図を示す。
【0020】
同一又は機能的に同等の特徴は、個々の図において同じ参照符号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、好ましい実施形態に係る医療用ハンドヘルド器具2を示す。ハンドヘルド器具2は、鉗子型又は鋏型のものである。これは、ヒンジ8を介して互いに枢動可能に接続された2つのレバー/器具の枝部4及び6を有することを意味する。この目的のために、レバー4及び6はそれぞれ、ヒンジ8の領域において(ピボットピン)受容アイレットを有し、これらの受容アイレットは、医療用ハンドヘルド器具2を組み立てるために、それらの中心軸が実質的に整列するように合わせられる。以下に説明するように、レバー4及び6を合わせた後、リベット9が受容アイレットに通され、このようにして、2つのレバー4及び6はヒンジ8を介して互いに接続される。ここで、リベット9は、「ピボットピン」の一例である。
【0022】
ヒンジ8の一方側(遠位側)のハンドヘルド器具2の部分は、顎部10(部分的にのみ示される)である。ヒンジ8の他方側(近位側)の部分は、ハンドル部12である。ハンドヘルド器具2のハンドル部12を形成するレバー4及び6の近位部分は、以下、グリップ要素14及び16と呼ばれる。
【0023】
レバー4のグリップ要素14とレバー6のグリップ要素16は、実質的に互いに対称である。両グリップ要素14及び16は、それぞれ、ハンドヘルド器具2を把持する際に良好な触覚を確保するために、他方のグリップ要素16及び14とは反対を向いている面に、人間の手に適合したくぼみ18を有する。ハンドル部12の近位側で、グリップ要素14及び16の自由端において、グリップ要素14及び16は、それぞれの他方のグリップ要素16及び14とは反対を向いている面に、グリップ突起20及び22を有する。同様に、各自由端から手の幅分だけ離れたところで、グリップ要素14及び16は、他方のグリップ要素16及び14とは反対を向いている面に、グリップ突起24及び26を有する。グリップ突起20及び24又はグリップ突起22及び26はそれぞれ、ユーザがハンドル部12を把持するか、好ましくは把持すべきグリップ要素14及び16上の領域を画定する。グリップ突起20及び24又はグリップ突起22及び26は、ユーザの指が滑ることを防止することを意図したものである。
【0024】
バネ要素28が、グリップ要素14及び16の間に設けられている。バネ要素28は、実質的にU字形状又はV字形状であり、円弧部34を介して互いに接続された2つの脚部30及び32を有する。
【0025】
この2本の脚部30及び32、並びに円弧部34は、湾曲した板バネ形状の一体部品で形成されており、好ましくはバネ鋼製である。
【0026】
図2及び図3は、本願に準拠して製造される医療用ハンドヘルド器具2における、2つのバネ要素端部のうちの1つと対応するグリップ要素14、16との引っ掛かり及びバネ要素端部の構造を詳細に示している。図2は断面図ではなく、バネ要素28のハッチングは、むしろ明確性を向上させるためのものであることに留意されたい。さらに、図2では、バネ要素28の脚部30とグリップ要素14との間の接続のみが示されている。しかしながら、脚部32とグリップ要素16との間の接続も同様であることは言うまでもない。
【0027】
他方のグリップ要素16(図示せず)に対向する面において、グリップ要素14は、他方のグリップ要素16の方向に延在する2つの突起/受容部/連結アイレット36を有しており、当該アイレット36は、グリップ要素14が延在する方向に対して平行に延在する。受容部36は各々、それぞれの自由端において、受容部36の縁まで延在するスリット40を有するベアリングアイ38を有する。スリット40の幅は、バネ要素28の厚さよりもわずかにだけ大きい。
【0028】
バネ板形状のバネ要素28の接続部分は、図3に示すように、バネ要素28にT字形状端部44を形成するように配置された2つの凹部/切り欠き42を有する。換言すれば、接続部分は、T字形状端部44を形成するように配置された2つの突起を有する。T字形状端部44の横棒は、組み立てられたときにバネ要素28の枢動軸として機能する。したがって、T字形状端部44は、バネ要素28の「ピボットピン」の一例である。
【0029】
好ましい実施形態に従って、バネ要素28を対応するグリップ要素14に引っ掛けるために、T字形状端部44の横棒は、スリット40を通してベアリングアイ38に挿入される。この挿入中、バネ要素28の脚部30は、必然的にスリット40と平行に配向されなければならない(図2に示された組立位置A参照)。バネ要素28を取り付けるために、他方のグリップ要素16(図示せず)でも同様のことを行う必要がある。
【0030】
最後に、バネ要素28をグリップ要素14、16にしっかりと引っ掛ける又は係合するために、2つのグリップ要素14、16は、ヒンジ8において互いに接続される。好ましい実施形態に係る製造方法では、2つのグリップ要素14、16は、ヒンジ8において互いにリベット留めされる。しかしながら、この接続は、例えばネジ接続など、任意の他の方法で実施されてもよい。
【0031】
換言すると、本願によれば、バネ要素28は、まず、それぞれの脚部30、32のバネ要素端部が対応するグリップ要素14、16の受容部に入った状態で引っ掛けられる。続いて、この引っ掛かりは、2つのグリップ要素14、16をヒンジ8においてリベット9で接続することによって固定され、確保される。
【0032】
横棒がベアリングアイ38にはめこまれ、もうスリット40を通って動くことができないということ(図2の基本位置B参照)は、バネ要素28の脚部30、32が意図的に組立位置Aへと枢動されるまで維持される。しかしながら、バネ要素28の脚部30、32の組立位置Aへのそのような枢動は、バネ要素28を意図的に曲げる場合又はグリップ要素14、16の間の接続が緩む場合にのみ起こり得る。
【0033】
特に、ハンドヘルド器具2が使用されるときに、バネ要素28の脚部30、32が動く通常の枢動範囲C(図2参照)では、バネ要素28の端部は、グリップ要素14、16の受容部36又はベアリングアイ38にはめこまれたままである。
【0034】
図1から図3に示され、上述された、本願に係る方法によって製造されるハンドヘルド医療用器具の実施形態は、特許請求された発明の一実施例に過ぎない。
以下の項目は、出願当初の特許請求の範囲に記載されていた項目である。
(項目1)
互いに対して枢動可能な、好ましくは同一構成の2つのグリップ要素(14、16)と、好ましくは板バネ構造のバネ要素(28)とを有するハンドヘルド医療用器具(2)を製造する方法であって、
2つの前記グリップ要素(14、16)を準備するステップであって、2つの前記グリップ要素(14、16)の各々は、それらの一方の端部に形成されるピボットピン受容アイレットと、それらに形成され、好ましくは中央部にスロット穴のある、前記バネ要素(28)のための連結アイレット(36)とを有する、ステップと、
前記バネ要素(28)を準備するステップであって、前記バネ要素(28)は、各バネ端部に配置されるか、又は好ましくは、前記バネ要素(28)と一体的に形成されるピボットピン(44)を有する、ステップと、
前記バネ要素(28)の前記ピボットピン(44)を、まだ互いに枢動可能に結合されていない前記グリップ要素(14、16)の前記連結アイレット(36)に挿入するステップと、
前記グリップ要素(14、16)を、それらのピボットピン受容アイレットの領域において合わせ、好ましくはリベット形状又はネジ形状のピボットピン(9)を、重なり合っている前記ピボットピン受容アイレットに挿入することによって、前記グリップ要素(14、16)を枢動可能に結合するステップと、を有する方法。
図1
図2
図3