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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】押出機スクリュー取扱装置
(51)【国際特許分類】
   A23N 17/00 20060101AFI20230814BHJP
   B29C 48/265 20190101ALI20230814BHJP
   B29C 48/27 20190101ALI20230814BHJP
   B29C 48/25 20190101ALI20230814BHJP
   B29C 48/395 20190101ALI20230814BHJP
   A23P 30/20 20160101ALI20230814BHJP
   A23L 5/00 20160101ALN20230814BHJP
【FI】
A23N17/00 B
B29C48/265
B29C48/27
B29C48/25
B29C48/395
A23P30/20
A23L5/00 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021573716
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2020066165
(87)【国際公開番号】W WO2020249658
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/090752
(32)【優先日】2019-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517338205
【氏名又は名称】ビューラー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリシェ、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンカテーシュ、マンジュナータ ムタグッペ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0012393(KR,A)
【文献】特開2009-107194(JP,A)
【文献】米国特許第06081983(US,A)
【文献】実開平05-035245(JP,U)
【文献】特表2003-512199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 17/00
B29C 48/265
B29C 48/27
B29C 48/25
B29C 48/395
A23P 30/20
A23L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機(14)の少なくとも1つの押出機スクリュー(15)を抜き取る及び/又は挿入するための押出機スクリュー取扱装置(1)であって、前記装置は、前記押出機(14)のバレルから前記押出機スクリュー(15)を完全に抜き取る及び/又は前記押出機(14)のバレルに前記押出機スクリュー(15)を完全に挿入するのに好適であり、前記バレル内において、前記押出機(14)が食物又は動物飼料用製品を押し出すように動作しているとき、押出機スクリュー(15)は回転し、前記装置(1)は、
前記押出機スクリュー(15)の端部セクションに固定してかつ解除可能に取り付け可能であるように構成されている係止スクリューアセンブリ(12)と、
前記係止スクリューアセンブリ(12)を前記押出機(14)から離れるように移動させるための作動手段(12b)であって、前記装置(1)が前記押出機スクリュー(15)を抜き取るように動作しているとき、前記作動手段(12b)は、前記係止スクリューアセンブリ(12)に固定して取り付けられているときの前記押出機スクリュー(15)を前記押出機バレル(14)から移動させる、作動手段(12b)と
を備える押出機スクリュー取扱装置(1)において、
前記装置(1)は、
抜き取られる前記押出機スクリュー(15)の長さの少なくとも半分である、水平に配置されている上部セクション(8)と、
複数の車輪(3a、3b)と、
前記上部セクション(8)を支持し、前記複数の車輪(3a、3b)によって地面上に支持されている支持構造体(2、4、5)と、
前記上部セクション(8)の一方の端部上に、かつ前記一方の端部に向かって装着されている案内要素(11)であって、前記案内要素(11)は開口部(11a)を有し、前記押出機スクリュー(15)は、抜き取り時に前記開口部(11a)を通って移動することができる、案内要素(11)と、
前記上部セクション(8)上に装着されており、前記係止スクリューアセンブリ(12)の運動を案内するガイド手段(10)であって、前記係止スクリューアセンブリ(12)は、前記ガイド手段(10)に移動可能に接続されている、ガイド手段(10)と
を更に備え、
前記係止スクリューアセンブリ(12)は、前記押出機スクリュー(15)を固定してかつ解除可能に取り付けるための中央開口部(12a)を備え、
前記作動手段(12b)は、前記係止スクリューアセンブリ(12)の外面上に装着されており、
それによって、前記押出機スクリュー取扱装置(1)は、
前記押出機(14)からの抜き取り後に、前記押出機スクリュー(15)を輸送する、並びに
保守作業及び/又は洗浄作業を実施するための前記押出機スクリュー(15)へのアクセスを可能にするのに更に好適である
ことを特徴とする押出機スクリュー取扱装置(1)。
【請求項2】
前記上部セクション(8)は、抜き取られる前記押出機スクリュー(15)と同じ長さである、又は前記押出機スクリュー(15)よりも長いことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記上部セクションは、前記上部セクション(8)の前記長さの少なくとも75%にわたって、少なくとも1つのアレイ(9)の開口部を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記アレイ(単数又は複数)(9)の開口部に挿入され得るストッパ要素(単数又は複数)(16)が提供されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記装置は、前記装置(1)を前記押出機(14)に固定してかつ解除可能に取り付けるための装置取り付け手段(5a)を更に備え、及び/又は、前記案内要素(11)は、前記案内要素(11)を前記押出機(14)に解除可能に取り付けるための案内要素取り付け手段(11b)を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ガイド手段(10)は、ガイドレール(10)を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記作動手段(12b)は、少なくとも1つの油圧シリンダ(12b)を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置(1)は、前記車輪(3a、3b)のうちの少なくとも1つを駆動するための車輪駆動手段と、駆動車輪制御手段(6、7a、7b)とを更に備えることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は、電力供給構成要素、油圧媒体供給構成要素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される動力構成要素(13a、13b、13c)を更に備えることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記支持構造体は、前記装置(1)の高さを調整するための高さ調整手段を備えることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記動力構成要素(13a、13b、13c)は、動力が前記作動手段(12b)、前記係止スクリューアセンブリ(12)、前記車輪駆動手段、前記装置取り付け手段(5)、及び前記高さ調整手段のうちの少なくとも2つに供給されるように、前記少なくとも2つに接続されていることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機(14)から押出機スクリュー(15)を抜き取るための方法であって、
a)請求項1~11のいずれか一項に記載の押出機スクリュー取扱装置の案内要素(11)を通って前記押出機(14)の前記押出機スクリュー(15)が延びるように、前記装置(1)を前記押出機(14)に近接して提供する工程と、
b)前記押出機スクリュー(15)の端部セクションを、前記装置(1)の係止スクリューアセンブリ(12)に固定してかつ解除可能に取り付ける工程と、
c)前記係止スクリューアセンブリ(12)上に装着されている少なくとも1つの作動手段(12b)を作動させる工程であって、前記作動手段(12b)は、前記案内要素(11)から離れるように、又は少なくとも1つのアレイ(9)の開口部のうちの第1の開口部若しくは第1の対の開口部内に配置されているストッパ要素(単数又は複数)(16)から離れるように前記係止スクリューアセンブリ(12)を押し、それによって、前記係止スクリューアセンブリ(12)、及び前記係止スクリューアセンブリ(12)に取り付けられている前記押出機スクリュー(15)の前記端部セクションを、前記押出機(14)から離れるように移動させる、作動させる工程と、
d)前記アレイ(単数又は複数)(9)の開口部のうちの第2の開口部又は第2の対の前記開口部に前記ストッパ要素(単数又は複数)(16)を挿入する工程であって、前記第2の開口部(単数又は複数)は、前記第1の開口部(単数又は複数)よりも前記押出機(14)から更に離れる、挿入する工程と、
を含む方法。
【請求項13】
工程c)及び工程d)は、前記押出機スクリュー(15)が前記押出機(14)から完全に抜き取られるまで繰り返されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程b)の前に、前記装置(1)は、前記押出機(14)に解除可能にかつ固定して取り付けられ、前記押出機スクリュー(15)が前記押出機(14)から完全に抜き取られた後に、前記装置(1)は、前記押出機スクリュー(15)が前記装置(1)上に輸送され得るように、前記押出機(14)から分離されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
保守作業及び/又は洗浄作業を食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機(14)の押出機スクリュー(15)に実施するための方法であって、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法によって、前記押出機(14)から前記押出機スクリュー(15)を抜き取る工程と、抜き取られた前記押出機スクリュー(15)が前記装置(1)上に装着されている状態で、選択された前記作業を前記押出機スクリュー(15)に実行する工程とを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機の少なくとも1つの押出機スクリューを抜き取るための押出機スクリュー取扱装置に関し、当該装置は、押出機バレルから押出機スクリューを完全に抜き取る、スクリューを輸送する、並びに、保守作業及び/又は洗浄作業を実施するためのスクリューへのアクセスを可能にするのに好適である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
押出機は周知であり、様々な技術分野において広範に使用されている。典型的には、原材料は、押出機のホッパーに装填され、加熱され得るバレル又はハウジング内に回転可能に装着されている押出機スクリューに導かれる。材料は、押出機内で処理され、典型的には押出機のヘッド及びダイセクションを介して押出機から出る。
【0003】
従来の押出機スクリューは、典型的には、コンベヤ要素及び/又は混錬機要素を含むことができる複数のスクリュー要素を担持する回転可能なシャフトを含む。
【0004】
押出機の適切な機能を確実にするために、ある動作期間後にスクリューを洗浄、修理、又は更には交換する必要がある。
【0005】
独国特許出願公開第3331502A1号では、押出機のバレルからスクリューを抜き取るために、スリーブがスクリューの自由端において締結される。当該スリーブは、相手方要素を備える。押出機において提供されている油圧シリンダに接続されているヨークは、油圧シリンダが作動したとき、これらの相手方要素に押しあてられ、したがって、スリーブ及びスリーブ上に締結されているスクリューを押出機から離れるように軸方向に押す。その後、スリーブは、解除され、スクリューに沿って押出機の方向に移動し、スクリューにおいて再び締結され、油圧シリンダは、作動し、したがって、スリーブ及びスリーブ上に取り付けられているスクリューを押出機から更に遠くに押す。このプロセスは、スクリューが押出機バレルから完全に抜き取られるまで繰り返され得る。
【0006】
当該方法は、ある欠点を有する。スクリューが押出機バレルから更に抜き取られるにつれて、スクリューの重量に起因する変形のリスクが更にあり、これは、スクリューがバレルの外側で支持されていないためである。また、この文献では、バレルライナー又はスクリュー要素の損傷を防止するようにスクリューの抜き取りが実行され得ることを確実にせず、これは、スクリューシャフトが抜き取り時に適切に案内されないためである。
【0007】
更に、油圧シリンダは、抜き取りプロセスのために押出機に取り付けられる必要がある。また、次の抜き取り工程のためにスクリュー上にスリーブを再配置する工程は時間がかかり、これは、当該工程において、スリーブをスクリュー上に正確に配置及び締結する必要があるためである。当該工程は何回も繰り返される必要があり、これは、各工程において、スクリューが1つのスクリュー要素の長さのみに概ねわたって抜き取られるためである。
【0008】
米国特許第6,164,811A号では、押出機のスクリューは、ギヤボックス及び中空の駆動シャフト内のスクリューに取り付けられ得る抜き取り機を用いて、押出機のギヤボックスの中空の駆動シャフトによって後方に抜き取られ得る。好ましくは、ハンドルを用いる手動回転によって、スクリューは押出機から抜き取り機内へ抜き取られる。スクリューを完全に引き抜くために、当該抜き取り機は十分な長さを有する必要があり、これは、安定性に関する問題を起こす。また、抜き取り機内の抜き取られたスクリューは、洗浄及び/又は保守のためのアクセスが容易でない。
【0009】
当技術分野では、押出機バレルからスクリューを抜き取る、スクリューを輸送する、並びに、保守作業及び/又は洗浄作業を実施するためのスクリューへのアクセスを可能するための容易で効率的な方法が必要とされている。
【0010】
本発明の課題は、先行技術の欠点を克服し、上記の必要性を満たすことであった。
【0011】
本発明によれば、当該課題は、独立請求項に記載されている装置及び方法によって解決された。
【0012】
詳細には、本発明は、食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機の少なくとも1つの押出機スクリューを抜き取るための押出機スクリュー取扱装置であって、当該装置は、押出機のバレルから押出機スクリューを完全に抜き取るのに好適であり、バレル内において、押出機が食物又は動物飼料用製品を押し出すように動作しているとき、押出機スクリューは回転し、当該装置は、
押出機スクリューの端部セクションに固定してかつ解除可能に取り付け可能であるように構成されている係止スクリューアセンブリと、
係止スクリューアセンブリを押出機から離れるように移動させるための作動手段であって、装置が押出機スクリューを抜き取るように動作しているとき、作動手段は、係止スクリューアセンブリに固定して取り付けられているときの押出機スクリューを押出機バレルから移動させる、作動手段と
を備える押出機スクリュー取扱装置において、
装置は、
抜き取られる押出機スクリューの長さの少なくとも半分である、水平に配置されている上部セクションと、
複数の車輪と、
上部セクションを支持し、複数の車輪によって地面上に支持されている支持構造体と、
当該上部セクションの一方の端部上に、かつ当該一方の端部に向かって装着されている案内要素であって、当該案内要素は開口部を有し、押出機スクリューは、抜き取り時に開口部を通って移動することができる、案内要素と、
上部セクション上に装着されており、係止スクリューアセンブリの運動を案内するガイド手段であって、係止スクリューアセンブリは、ガイド手段に移動可能に接続されている、ガイド手段と
を更に備え、
係止スクリューアセンブリは、押出機スクリューを固定してかつ解除可能に取り付けるための中央開口部を備え、
作動手段は、係止スクリューアセンブリの外面上に装着されており、
それによって、押出機スクリュー取扱装置は、
押出機からの抜き取り後に、押出機スクリューを輸送する、並びに、
保守作業及び/又は洗浄作業を実施するための押出機スクリューへのアクセスを可能にするのに好適である
ことを特徴とする押出機スクリュー取扱装置に関する。
【0013】
本発明は、食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機の押出機スクリューの容易で効率的な抜き取りのための装置を提供する。当該装置は、このような押出機の端部に容易に近接し得、好ましくは、当該端部に取り付けられ得、バレルライナー又はスクリュー要素を損傷することなく、押出機バレルから押出機スクリューを、中心を保ったまま案内する(centered guiding)ことを可能にする。
【0014】
これは、装置の上部セクションの一方の端部上に、かつ当該一方の端部に向かって装着されている案内要素内の開口部内に押出機スクリューを導くことと、装置の上部セクション上に設けられている係止スクリューアセンブリの中央開口部内に押出機スクリューを固定してかつ解除可能に取り付けることとによって達成される。当該係止スクリューアセンブリは、作動手段、好ましくは1つの油圧シリンダ、特に好ましい2つの油圧シリンダを含み、これらの作動手段は、係止スクリューアセンブリの外面上、好ましくは側面上に装着されている。これらの作動手段が作動したとき、これらの作動手段は、係止スクリューアセンブリを相手方要素から離れるように移動させ、したがって、係止スクリューアセンブリ内に固定して取り付けられている押出機スクリューを押出機バレルから抜き取る。抜き取り動作の開始時、案内手段は、作動手段、好ましくは油圧シリンダに対する相手方要素として機能し得る。代替的に、かつ作動手段、好ましくは油圧シリンダの第1のストローク後に必然的に、ストッパ要素は、装置の上部セクション内に設けられている2つのアレイの開口部内に提供される。これらのストッパ要素は、作動手段、好ましくは油圧シリンダに対する相手方要素として機能する。作動手段、好ましくは油圧シリンダの各ストロークの後に、ストッパ要素はシフトされ、係止スクリューアセンブリと係止スクリューアセンブリに隣接する押出機との間の2つのアレイの開口部に挿入される。2つのアレイの開口部は、好ましくは、上部セクションの一方の端部から上部セクションの他方の端部において設けられている案内要素まで、上部セクションの長さの少なくとも75%にわたって延びる。したがって、案内要素のより近くにある開口部から、案内要素からより遠くにある開口部までシフトされるストッパ要素に対して作動手段、好ましくは油圧シリンダのストロークを繰り返すことによって、押出機スクリューは段階的に抜き取られ得る。
【0015】
したがって、本発明はまた、食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機から押出機スクリューを抜き取るための方法であって、
a)上述の押出機スクリュー取扱装置の案内要素を通って押出機の押出機スクリューが延びるように、装置を押出機に近接して提供する工程と、
b)押出機スクリューの端部セクションを、装置の係止スクリューアセンブリに固定してかつ解除可能に取り付ける工程と、
c)係止スクリューアセンブリ上に装着されている少なくとも1つの作動手段を作動させる工程であって、当該作動手段は、当該案内要素から離れるように、又は少なくとも1つ、好ましくは2つのアレイの開口部のうちの第1の開口部若しくは第1の対の開口部内に配置されているストッパ要素(単数又は複数)から離れるように係止スクリューアセンブリを押し、それによって、係止スクリューアセンブリ、及び係止スクリューアセンブリに取り付けられている押出機スクリューの端部セクションを、押出機から離れるように移動させる、作動させる工程と、
d)アレイ(単数又は複数)の開口部のうちの第2の開口部又は第2の対の開口部にストッパ要素(単数又は複数)を挿入する工程であって、第2の開口部は、第1の開口部(単数又は複数)よりも押出機から更に離れる、挿入する工程と、
e)任意選択的に、工程c)及びd)を繰り返す工程と
を含む方法に関する。
【0016】
装置の上部セクションは、抜き取られる押出機スクリューの長さの少なくとも半分である水平長さを有し、好ましくは、抜き取られる押出機スクリューと同じ長さである、又は抜き取られる押出機スクリューよりも長い。特に好ましい実施形態によれば、装置の上部セクションは、2000~6000m、好ましくは3000~5000mm、より好ましくは3500~4500mmの長さを有し、好ましくは400~1000mm、より好ましくは500~800mmの幅を有する。それによって、押出機スクリューは、抜き取り時及び抜き取り後に適切に支持されている。押出機スクリューの重量に起因する損傷は生じない。更に、完全に抜き取られた押出機スクリューは、装置の上部セクション上に提供され、すなわち装着され、したがって、装置が押出機から解除された後に容易に輸送され得る。装置の上部セクションは開いているため、上部セクション上に提供されている押出機スクリューは、保守作業及び/又は洗浄作業を実施するために容易にアクセス可能である。
【0017】
したがって、本発明はまた、保守作業及び/又は洗浄作業を食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機の押出機スクリューに実施するための方法であって、本明細書に記載されている方法によって、押出機から押出機スクリューを抜き取る工程と、抜き取られた押出機スクリューが装置上に装着されている状態で、選択された作業を押出機スクリューに実行する工程とを含む方法に関する。
【0018】
本発明の装置は、食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機の少なくとも1つの押出機スクリューを抜き取るのに好適である。これらの押出機は既知であり、ここで詳細に説明される必要はない。好ましくは、押出機は単軸スクリュー押出機である。
【0019】
本発明による装置は、装置を押出機に向かって、かつ押出機から離れるように便利に移動させるための複数の車輪を備える。好ましくは、装置は、4つの車輪を備え、特に装置の各角部において1つの車輪を備える。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によれば、装置は、装置の容易な移動のための駆動車輪制御手段を備える。当該駆動車輪制御手段は、車輪駆動手段を介して、装置の少なくとも1つの車輪、好ましくは2つの車輪に動作可能に接続されている。駆動車輪制御手段は、ハンドルと、好ましくは電力によって車輪(単数又は複数)を作動させるためのプッシュボタンなどの制御部品とを備える。存在する場合、駆動車輪制御手段は、押出機に近接する又は押出機に取り付けられる側から遠くにある装置の側において設けられている。
【0021】
装置は、以下に記載されている上部セクションを支持し、複数の車輪によって地面上に支持されている支持構造体を備える。装置は、意図される目的に好適である任意の形態を有し得る。好ましい実施形態によれば、装置は、支持構造体として、金属管などの管のフレームを備え、車輪はフレームに取り付けられており、フレームは、以下に記載されている上部セクションを支持する。例えば、フレームは、矩形の管であってもよく、車輪は、矩形の管に取り付けられており、追加の管が、上部セクションを支持するために、矩形の管から上向きに延びる。
【0022】
好ましい実施形態によれば、装置の高さは、支持構造体内に含まれる高さ調整手段によって、例えば、車輪を装置に接続するねじによって調整され得る。これらのねじは、装置内にかつ装置から移動し得、既知のように所望の位置に固定され得る。これは、押出機スクリューが抜き取られる押出機の高さへの装置の高さの調製を可能にし、このため、押出機スクリューの抜き取りは、上述したように中心を保ったまま案内するように(in a centered guided manner)実施され得る。
【0023】
好ましい実施形態によれば、装置は、電力供給構成要素、油圧媒体供給構成要素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される動力構成要素を更に備える。これらの構成要素は、例えば駆動車輪制御手段への電力の供給のために、かつ係止スクリューアセンブリにおける油圧シリンダへの油圧媒体の供給のために機能する。これらの構成要素は、例えば、電池、電気モータのような電力発生器、又は油圧媒体用のタンクであり得、油圧媒体は、係止スクリューアセンブリにおいて設けられている油圧シリンダにホースなどの導管を介して油圧媒体用のタンクから供給され得る。好ましくは、当該動力構成要素は、動力が作動手段、好ましくは油圧シリンダ、係止スクリューアセンブリ、車輪駆動手段、装置取り付け手段、及び高さ調整手段のうちの少なくとも2つに供給されるように、当該少なくとも2つに接続されている。例えば、油圧媒体を供給するためのホース又は電気エネルギーを供給するためのケーブルが、この目的に使用され得る。
【0024】
好ましくは、これらの構成要素は、装置の上部セクションの下方に、例えば、管のフレームなどの支持構造体において設けられ得る。
【0025】
好ましい実施形態によれば、装置は、装置を押出機に固定してかつ解除可能に取り付けるための装置取り付け手段を更に備える。好ましくは、これらの手段は、上部セクションを支持するフレームなどの支持構造体の一方の端部において設けられている。装置を押出機に固定してかつ解除可能に取り付けるためのこれらの手段は、2つの構成要素を互いに解除可能に接続するのに好適な任意の従来の手段であってもよく、好ましくは、押出機のそれぞれの開口部に挿入され得るピン、ボルトを受容するための孔、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ピンの場合、これらは典型的には、ワッシャ及びナットなどの好適な相手方要素により、これらが挿入される開口部の他方側に固定される。
【0026】
本発明によれば、「固定して取り付ける(securely attaching)」とは、装置の通常動作時に中断されない取り付けを指す。本発明によれば、「解除可能に取り付ける(releasably attaching)」は、恒久的ではないが、必要とされなくなったとき解除され得る取り付けを指す。
【0027】
装置は、装置の残りの部分、すなわち、支持構造体によって、例えば上述のような管のフレームによって支持されている上部セクションを備える。好ましい実施形態によれば、上部セクションは、装置の残りの部分(フレーム部分などの支持構造体)と接続されており、それにより、上部セクションの高さは、例えば装置の残りの部分内にかつ装置の残りの部分から移動し得るよりもねじによって調整され得る。
【0028】
当該上部セクションは、上述したように中心を保ったまま案内するようにスクリューの抜き取りを可能にするために水平に配置されている。上述のように、装置の上部セクションは、好ましくは、抜き取られる押出機スクリューの長さの少なくとも半分である水平長さを有し、好ましくは、抜き取られる押出機スクリューと同じ長さである、又は抜き取られる押出機スクリューよりも長い。特に好ましい実施形態によれば、装置の上部セクションは、2000~6000m、好ましくは3000~5000mm、より好ましくは3500~4500mmの長さを有し、好ましくは400~1000mm、より好ましくは500~800mmの幅を有する。したがって、上部セクションは、好ましくは矩形形状を有する。
【0029】
特に好ましい実施形態によれば、当該上部セクションは、上部セクションの一方の端部から上部セクションの他方の端部において設けられている案内要素まで、上部セクションの長さの少なくとも75%にわたって、少なくとも1つ、好ましくは2つのアレイの開口部を備える。これらのアレイは、ストッパ要素の挿入のために機能する。
【0030】
本発明によれば、「一方の端部から(from one end)」とは、ここで、少なくとも1つ、好ましくは2つのアレイの開口部が、上部セクションのそれぞれの端部において始まる、又は上部セクションのそれぞれの端部からの上部セクションの全長さの1~10%の距離で始まることを意味する。
【0031】
好ましい実施形態によれば、装置の上部セクションは、矩形フレームの形態で設けられており、少なくとも1つ、好ましくは2つのアレイの開口部は、フレームのより長い部分内に設けられている。好ましくは、各アレイは、10~30個の開口部、より好ましくは15~25個の開口部からなる。開口部は、任意の形状を有してもよい。好ましい実施形態によれば、開口部は、開口部の入口を形成する正方面を有する三角柱の形態を有する。これは、楔形の下方セクションと、開口部内の油圧シリンダに対する相手方要素として機能するのに好適な形態を有する上方セクションとを有するストッパ要素の挿入を可能にし、したがって、作動手段、好ましくは油圧シリンダに対する安定した相手方要素を形成する。
【0032】
案内要素は、装置の当該上部セクションの一方の端部において、かつ当該一方の端部に向かって、すなわち、アレイの開口部が始まる端部から遠くにある端部において設けられており(すなわち、装着されており)、存在する場合には、駆動車輪制御手段が設けられている。換言すれば、案内要素は、押出機スクリューを抜き取るために押出機に近接する又は押出機に取り付けられる当該上部セクションの端部において、かつ当該端部に向かって、当該端部と後述する係止スクリューアセンブリとの間に設けられている。
【0033】
本発明によれば、「一方の端部において(at one end)」とは、ここで、案内要素が、上部セクションのそれぞれの端部において、又は、上部セクションのそれぞれの端部からの上部セクションの全長さの1~30%、好ましくは5~20%の距離に設けられていることを意味する。「当該一方の端部に向かって(towards the one end)」とは、ここで、案内要素が押出機の押出機スクリューと接続することができるように、案内要素が当該端部の方向に配置されていることを意味する。
【0034】
好ましくは、案内要素は、上部セクションに固定して(fixedly)接続されており、すなわち、案内要素は、上部セクション上で移動することができない。
【0035】
当該案内要素は開口部を有し、抜き取られる押出機スクリューは、抜き取り時に開口部を通って移動することができる。好ましくは、案内要素は、例えばねじによって互いに接続され得る上方部品及び下方部品を備える。押出機の押出機スクリューを挿入するために、上方部品は取り外され得、押出機の押出機スクリューは開口部に挿入され得、次いで、上方部品は案内手段の下方部品に再び取り付けられ得る。
【0036】
好ましい実施形態によれば、案内要素は、係止スクリューアセンブリの作動手段、好ましくは油圧シリンダに対する相手方要素として機能することができる部分を備える。これは、例えば、案内要素の開口部の各側にある金属シートなどの矩形シートであってもよい。
【0037】
好ましくは、案内要素はまた、案内要素を押出機に固定してかつ解除可能に取り付けるための装置取り付け手段を備える。案内要素を押出機に固定してかつ解除可能に取り付けるためのこれらの装置取り付け手段は、2つの構成要素を互いに解除可能に接続するのに好適な任意の従来の手段であってもよく、好ましくは、押出機のそれぞれの開口部に挿入され得るピン、ボルトを受容するための孔、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ピンの場合、これらは典型的には、ワッシャ及びナットなどの好適な相手方要素により、これらが挿入される開口部の他方側に固定される。
【0038】
したがって、本発明の特に好ましい実施形態によれば、案内要素は、装置の上部セクションの一方の端部において、かつ当該一方の端部に向かって設けられており、案内要素を押出機に固定してかつ解除可能に取り付けるための装置取り付け手段を備える。これは、スクリューの信頼性の高い案内を確実にし、スクリューは、当該案内要素により中心を保ったまま案内されるように単軸スクリュー押出機から抜き取られ、したがって、押出機のスクリュー要素又はバレルライナーへのいかなる損傷も防止する。
【0039】
案内要素が設けられている上部セクションの端部から遠くにある案内要素の側に、係止スクリューアセンブリが設けられている。当該係止スクリューアセンブリは、装置の上部セクション上に移動可能に設けられており、すなわち、係止スクリューアセンブリは、案内要素からかつ案内要素へ移動することができる。
【0040】
本発明によれば、係止スクリューアセンブリの運動を案内するためのガイド手段、好ましくはガイドレールは、装置の上部セクション上に設けられている(すなわち、装着されている)。係止スクリューアセンブリは、当該ガイド手段、好ましくはガイドレールに移動可能に接続されている。好ましい実施形態によれば、係止スクリューアセンブリは、レール上に固定して移動することができる滑動シューなどの構成要素を備え、係止スクリューアセンブリの滑らかで正確な移動を可能にする。特に好ましい実施形態によれば、ガイド手段、好ましくはガイドレールは、2つのアレイの開口部によって上部セクションの両側において制限されている上部セクションの内側部分内に設けられている。
【0041】
係止スクリューアセンブリは中央開口部を備え、押出機の押出機スクリューは、中央開口部内に固定してかつ解除可能に取り付けられ得る。当該開口部は、案内要素の好ましい実施形態の開口部として、2部分形態を有し得る。代替的に、かつ好ましくは、係止スクリューアセンブリは、押出機スクリューのねじ山に固定してかつ解除可能に取り付けることによって、押出機スクリューの端部セクションに固定してかつ解除可能に取り付け可能であるように構成されている。好ましくは、回転可能なロックが、案内要素から遠くにある開口部の出口において設けられ得、抜き取られる押出機スクリューは、ロックを回転させることによって締結される。
【0042】
本発明の装置は、係止スクリューアセンブリを押出機から離れるように移動させるための作動手段を備え、装置が押出機スクリューを抜き取るように動作しているとき、作動手段は、係止スクリューアセンブリに固定して取り付けられているときの押出機スクリューを押出機バレルから移動させる。これらの作動手段は、係止スクリューアセンブリの外面上、好ましくは係止スクリューアセンブリの側面上に装着されている。ガイドレールなどのガイド手段に沿って構成要素を移動させるための既知の任意の作動手段が採用され得るが、本発明によれば、ガイド手段は、少なくとも1つの油圧シリンダ、好ましくは2つの油圧シリンダを備えることが特に好ましい。
【0043】
したがって、特に好ましい実施形態によれば、係止スクリューアセンブリの側面上に、2つの油圧シリンダが設けられている。適切なサイズを有する任意の従来の油圧シリンダが使用され得る。これらの油圧シリンダは、ホースなどの従来の導管を介して、タンクなどの油圧媒体供給構成要素に接続され得る。
【0044】
油圧媒体が供給されたとき、油圧シリンダは作動する。好ましくは、この起動はユーザによって手動で行われる。本発明の当該好ましい実施形態によれば、相手方要素が提供され、作動した油圧シリンダは、相手方要素に押しあてられる。これらの相手方要素は、上述のように、第1のストロークの間、案内要素の部分であり得る。後続のストロークの間、好ましくは全てのストロークの間、ストッパ要素は、相手方要素として機能する。
【0045】
当該好ましい実施形態によれば、これらのストッパ要素は、各アレイの開口部に挿入され、このため、係止スクリューアセンブリの側部上に設けられている各油圧シリンダは1つのストッパ要素に押しあてられる。ストッパ要素は、アレイの開口部への挿入に好適な形態を有する。好ましい実施形態によれば、開口部は、開口部の入口を形成する正方面を有する三角柱の形態を有する。この場合、楔形の下方セクションと、油圧シリンダに対する相手方要素として機能するのに好適な形態を有する上方セクションとを有するストッパ要素が、開口部への嵌合挿入のために提供され、したがって、油圧シリンダに対する安定した相手方要素を形成する。
【0046】
ストッパ要素は、油圧シリンダのストロークに耐えるために必要な安定性を有する。例えば、ストッパ要素は鉄又は鋼から作製されている。
【0047】
上記の実施形態はまた、主に、1つのアレイの開口部と、係止スクリューアセンブリに取り付けられている1つの油圧シリンダとで実現され得る。しかしながら、上記の好ましい実施形態に記載されているように、2つのアレイの開口部と、係止スクリューアセンブリに取り付けられている2つの油圧シリンダとが採用されているとき、より安定した抜き取りが実現される。
【0048】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、押出機の押出機スクリューが案内要素を通って係止スクリューアセンブリの開口部に挿入され、開口部内に締結された後に、油圧シリンダが作動し、このため、油圧シリンダは、案内要素において提供されている相手方要素、又は少なくとも1つ、好ましくは2つのアレイの開口部のうちの第1の開口部若しくは第1の対の開口部内に提供されているストッパ要素(単数又は複数)である相手方要素から離れるように押す。このような各ストロークで、係止スクリューアセンブリは、好ましくは100~400mm、より好ましくは200~300mmの距離で上部セクションの他方側に移動する。各ストロークの後に、油圧シリンダは後退し、ストッパ要素は、押出機から更に離れる第2の開口部又は第2の対の開口部にストッパ要素を挿入すること、好ましくは係止スクリューアセンブリに隣接する開口部にストッパ要素を挿入することによって、アレイの開口部に沿ってシフトされる。次いで、油圧シリンダは再び作動し、次のストロークが実施される。
【0049】
このプロセスは、所望の長さで、好ましくは押出機スクリュー全体が押出機バレルから抜き取られるまで繰り返される。次いで、抜き取られたスクリューは、装置の上部セクション上に提供される(すなわち、装着される)。装置は、抜き取られた押出機スクリューを所望に応じて輸送され得るように、押出機から分離され得る及び/又は取り外され得る。これは、本発明の装置が、特に駆動車輪制御手段が設けられている場合に容易に移動するように設計されているため、非常に容易に行われ得る。
【0050】
装置の上部セクション上の抜き取られた押出機スクリューが容易にアクセス可能であるため、保守作業及び/又は洗浄作業は、抜き取られたスクリューが装置の上部セクション上に装着されている状態で、直接的かつ効率的に実施され得る。
【0051】
本発明は、洗浄作業及び保守作業を実施するためのより容易で効率的な方法を提供する。特に、押出機スクリューにアクセスするために、例えばホイストを用いて、単軸スクリュー押出機の全てのバレルを取り外す必要はない。本発明の装置が押出機及び押出機のスクリューに取り付けられ得るために、最後のバレルのみが取り外される必要がある。洗浄及び保守のための押出機の停止時間は、著しく低減する。
【0052】
本発明の装置では、食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機の少なくとも1つの押出機スクリューを当該押出機へ(再)挿入することも可能である。これは、食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機から押出機スクリューを抜き取るための上述の方法を逆の順序で実施することによって行われ得る。好ましくは、押出機スクリューの(再)挿入のために、複動式(又は「2方向」)油圧シリンダが作動手段として使用されてもよい。
【0053】
したがって、本発明はまた、食物用又は陸上/海洋動物飼料用押出機に押出機スクリューを挿入するための方法であって、
a)上述の押出機スクリュー取扱装置を押出機に近接して提供する工程であって、押出機の押出機スクリューは装置の案内要素を通って延びる、提供する工程と、
b)押出機スクリューの端部セクションを装置の係止スクリューアセンブリに固定してかつ解除可能に取り付ける工程と、
c)係止スクリューアセンブリ上に装着されている少なくとも1つの作動手段を作動させる工程であって、当該作動手段は、少なくとも1つ、好ましくは2つのアレイの開口部のうちの第1の開口部又は第1の対の開口部内に配置されているストッパ要素(単数又は複数)から離れるように係止スクリューアセンブリを押し、それによって、係止スクリューアセンブリ、及び係止スクリューアセンブリに取り付けられている押出機スクリューの端部セクションを押出機への方向に移動させる、作動させる工程と、
d)アレイ(単数又は複数)の開口部のうちの第2の開口部又は第2の対の開口部にストッパ要素(単数又は複数)を挿入する工程であって、第2の開口部は、第1の開口部(単数又は複数)よりも押出機により近い、挿入する工程と、
任意選択的に、工程c)及びd)を繰り返す工程と
を含む方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
次に、非限定的な実施形態及び図面を参照して、本発明についてより詳細に説明する。
図1図1は、本発明のスクリュー取扱装置の一実施形態を示す。
図2図2は、単軸スクリュー押出機から押出機スクリューを抜き取る、本発明の一実施形態の異なる段階を示す。
図3図3は、単軸スクリュー押出機から押出機スクリューを抜き取る、本発明の一実施形態の異なる段階を示す。
図4図4は、単軸スクリュー押出機から押出機スクリューを抜き取る、本発明の一実施形態の異なる段階を示す。
図5図5は、単軸スクリュー押出機から押出機スクリューを抜き取る、本発明の一実施形態の異なる段階を示す。
図6図6は、単軸スクリュー押出機から押出機スクリューを抜き取る、本発明の一実施形態の異なる段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1には、本発明のスクリュー取扱装置1の一実施形態が示されている。装置1は、支持構造体として、この実施形態では互いに接続されている金属管から作製されたフレーム部品2、4、5を備える。フレーム部品5の一方の端部において、装置1を押出機、好ましくは単軸スクリュー押出機(ここでは図示せず)に取り付けるためのピン5aが設けられている。一対の前輪3a及び一対の後輪3bが、装置1の高さの調整を可能にするねじ接続によりフレーム部品2上に設けられている。
【0056】
駆動車輪制御手段6は、車輪駆動手段を介して、一対の前輪3aに動作可能に接続されており、したがって、装置1の容易な移動を可能にする。駆動車輪制御手段6の端部において、ハンドル7a及び制御パネル7bが設けられている。制御パネル7bを用いて、装置1の移動が制御され得る、すなわち、この実施形態では、制御パネル7b上のそれぞれのボタンが押されたとき、一対の前輪は電力で駆動される。
【0057】
フレーム部品5上には、装置1の上部セクション8が設けられている。当該上部セクション8は、2つのアレイの開口部9及び2つのガイドレール10を備える。
【0058】
上部セクション8の一方の端部において、案内要素11は固定して設けられている。案内要素11は、案内要素11の上方セクション及び下方セクションから形成された開口部11aを備える。上方セクションは、押出機、好ましくは単軸スクリュー押出機の押出機スクリューを案内要素11の開口部11aに挿入するために取り外され得る。更に、案内要素11を押出機、好ましくは単軸スクリュー押出機(ここでは図示せず)にボルト(ここには図示せず)により取り付けるために、孔11bが案内要素11内に設けられており、ボルトは、孔11b内に導かれ、押出機において解除可能に固定される。
【0059】
上部セクション8上には、更に、係止スクリューアセンブリ12が移動可能に設けられている。当該係止スクリューアセンブリ12は、ガイドレール10上を滑動することができる。当該係止スクリューアセンブリ12は開口部12aを備え、押出機、好ましくは単軸スクリュー押出機の押出機スクリューは、(ここでは図示しない係止リングにより)開口部12a内に固定してかつ解除可能に取り付けられ得る。係止スクリューアセンブリ12の各側部上に、油圧シリンダ12bが設けられている。
【0060】
装置1は、電力供給のための(例えば駆動車輪制御手段6用の)電池13aと、ホース(ここでは図示せず)を介して油圧シリンダ12bへ油圧媒体を供給するための油圧集合体13bと、油圧シリンダ12bの動作のための制御ユニット13cとを更に備える。
【0061】
図2図6は、押出機、好ましくは単軸スクリュー押出機から押出機スクリューを抜き取る、本発明による方法の一実施形態を示す。
【0062】
図2では、本発明によるスクリュー取扱装置1は、押出機スクリュー15を有する単軸スクリュー押出機14へ移動している。装置1は、案内要素11の孔(ここには図示せず)に挿入されているピン5a及びボルト(ここでは図示せず)を用いて、押出機14に取り付けられている。
【0063】
図3では、本発明によるスクリュー取扱装置1は、押出機14に取り付けられている。押出機15の押出機スクリュー15は、案内要素11の開口部11a内に導かれる。
【0064】
図4では、スクリュー係止アセンブリ12は、押出機スクリュー15上へ移動しており、このため、押出機スクリュー15は、スクリュー係止アセンブリ12の開口部12a内にある。係止リング12cを回転させることによって、押出機スクリュー15は、スクリュー係止アセンブリ12の開口部12a内に締結される。装置は、押出機14から押出機スクリュー15を引き出すための油圧シリンダの第1のストロークの準備ができている。第1のストロークは、油圧シリンダ12bを作動させることによって実施され、油圧シリンダ12bは、案内要素11の側部上に提供されている相手方要素11cから離れるように油圧シリンダ12b自体を押す。この実施形態では、相手方要素11cは、金属シートの形態を有する。
【0065】
図5では、油圧シリンダ12bの第1のストロークが実施された状態である。スクリュー係止アセンブリ12及びスクリュー係止アセンブリ12内に締結されている押出機スクリュー15は、約150~300mmの距離で押出機14から離れるように移動している。スクリュー係止アセンブリ12は、ガイドレール10上の滑動シュー12dにより移動する。次のストロークを実施するために、ストッパ要素16は、このとき、スクリュー係止アセンブリ12に隣接するアレイ9の開口部内に提供される。典型的には、ストッパ要素16によってアクセスされ得る、スクリュー係止アセンブリ12に最も隣接する開口部が、この工程において使用される。油圧シリンダ12bは、作動し、ストッパ要素16から離れるように油圧シリンダ12b自体を押し、このため、スクリュー係止アセンブリ12及びスクリュー係止アセンブリ12内に締結されている押出機スクリュー15は、各ストロークにおいて、約150~300mmの距離で押出機14から離れるように移動する。
【0066】
図6では、油圧シリンダ12bのストロークを繰り返した後、スクリュー係止アセンブリ12は、スクリュー取扱装置1の端部に到達し、それによって、スクリュー係止アセンブリ12内に締結されている押出機スクリュー15を押出機14から完全に抜き取ることが分かる。このとき、スクリュー取扱装置1は、押出機14から取り外され得、ハンドル7a及び制御パネル7bが取り付けられている駆動車輪制御手段6を使用して周囲へ移動することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6