(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】マイクロニードル組立体
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20230814BHJP
A61M 5/42 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
A61M37/00 510
A61M37/00 514
A61M5/42
(21)【出願番号】P 2022021040
(22)【出願日】2022-02-15
【審査請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0021095
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521337436
【氏名又は名称】ジーエル カンパニー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GL COMPANY Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】401, 76, Yeongudanji-ro, Ochang-eup, Cheongwon-gu, Cheongju-si, Chungcheongbuk-do , Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンオク
(72)【発明者】
【氏名】ユン ヨンスク
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェヒョン
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0009361(US,A1)
【文献】特開2010-184102(JP,A)
【文献】国際公開第2019/059265(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
A61M 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一側が開口され、開口された内側に機能性溶液が貯蔵される溶液貯蔵部111が備えられる本体110と、
前記溶液貯蔵部111の前方である前記本体110の他側に備えられ、前記溶液貯蔵部111とそれぞれ連通され、前記本体110の中央部位と、その外側に一定距離離間して放射状に、一定角度を成して2個~15個が設けられ、前記溶液貯蔵部111に貯蔵された機能性溶液を分配する複数の分配部120と、
それぞれの前記分配部120の前方に位置し、前記本体110の他側端部に突出して形成されており、皮膚との接触時に、先端部位が皮膚の皮下脂肪に圧入するニードルサポート130と、
前記ニードルサポート130の先端に結合され、皮膚との接触時に皮膚組織に挿入されるマイクロニードル140と、
前記分配部120の先端部位から前記ニードルサポート130の先端部位の外側に穿孔形成されており、前記分配部120に収容されている機能性溶液を前記ニードルサポート130の先端部位に伝達し、伝達された機能性溶液が、前記ニードルサポート130の先端部位から前記マイクロニードル140の外周縁と皮膚との間に形成されたギャップを介して、前記マイクロニードル140に沿って皮膚組織に供給されるようにする第1溶液放出流路150と、
を含んでな
り、
前記マイクロニードル140は、円錐状からなり、上下に貫通した中空部141が形成され、
前記ニードルサポート130は、前記マイクロニードル140の中空部141と連通し、前記マイクロニードル140の中空部141を介して機能性溶液が皮膚に伝達されるように形成される第2溶液放出流路131をさらに備えることを特徴とするマイクロニードル組立体。
【請求項2】
前記第1溶液放出流路150は、前記分配部120の先端から前記ニードルサポート130の先端部位の外周縁方向に傾斜して形成されることを特徴とする請求項1に記載のマイクロニードル組立体。
【請求項3】
前記本体110の外周縁に結合され、上端が前記マイクロニードル140の先端より低く、かつ前記本体110の先端より高い高さを有しており、前記マイクロニードル140の皮膚への挿入時に安定して挿入されるように前記本体110を支持するガイド160をさらに含むことを特徴とする請求項
1または2に記載のマイクロニードル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物のような機能性溶液の皮膚内部への注入を容易にするマイクロニードル組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロニードル(Microneedle)は、皮下注射を自らできるようにしたものであって、機能性溶液や薬物をより容易に皮下に注入するために用いられる。マイクロニードルは、注射器の恐怖及び痛症を避けることができるとともに、比較的安価の物流コストが要され、薬物量の正確な調節と、表皮層と真皮層の間の一定の標的深さへの薬物伝達を可能とするため、多様に用いられている。
【0003】
マイクロニードルは、その形態によって使用方法がやや異なるが、その一つとして、
図1に示された方法が使用できる。
図1に示されたマイクロニードルの使用方法をより詳細に説明すると、皮膚10に薬物などの機能性溶液11を塗った後、マイクロニードル12を皮膚に挿入する。この際、中実体からなるマイクロニードル12に薬物などの機能性溶液11を付け、皮膚に挿入し皮膚に薬物がしみ込むようにする方法が用いられることもある。
【0004】
このようにマイクロニードル12を皮膚に挿入すると、マイクロニードル12と皮膚10との間には隙間が生じ、この隙間に機能性溶液11がしみ込むことになる。かかる方式は、マイクロニードル12と皮膚10との間の隙間が狭いため、機能性溶液11がしみこみにくいという問題がある。
【0005】
これを克服するために、中空状マイクロニードルの一側を皮膚に突き刺し、マイクロニードルの他側を介してマイクロニードルに薬物を注入する方式が用いられることもある。
【0006】
マイクロニードルに薬物を注入する方式の一例として、本出願人が出願し登録を受けた韓国登録特許第10-2188397号(発明の名称:マイクロニードル)が開示されており、これを
図2に示した。
【0007】
前記マイクロニードル100は、第1ベース10と、前記第1ベース10の上部面に一体に形成された第2ベース30と、前記第2ベース30の上部面に一体に形成されており、前記第1ベース10の下部面を貫通したテーパ溝と連通するニードルサポート50と、前記ニードルサポート50の上部面の中心部に一体に形成されており、前記テーパ溝と連通するニードル孔が形成されているニードル本体70と、からなる。
【0008】
この際、前記ニードルサポート50は円錐状で形成され、皮膚への施術時に、ニードル本体70により穿孔される皮膚の周囲を圧迫し、円滑な穿孔を支援する役割をする。
【0009】
前記マイクロニードル100は、ニードル本体70が皮膚を穿孔する時に、皮膚にほぼ垂直になるべきであり、また、ニードル本体70が1つからなり、外径は40~300μmと非常に小さいため、広い領域の皮膚に施術するためには、多数回の施術を繰り返さなければならないことから、施術時間が長くかかるという問題がある。
【0010】
多数回の施術が繰り返されることを減らすために、多数のニードルを行列形態で一定間隔にて配置する方式が用いられることもある。
【0011】
従来の中空状マイクロニードルを用いてアレイの形態としたものについては、韓国特許公開第10-2016-0150109号(発明の名称:中空マイクロニードルアレイ)が開示されている。
【0012】
前記中空マイクロニードルアレイは、前述のマイクロニードルに比べて、広い領域の皮膚施術時に時間を短縮することができるという利点があるが、皮膚施術時にニードルにより穿孔される皮膚の周囲を圧迫して円滑な穿孔を支援するニードルサポートが備えられていないため、ニードルのみによって皮下脂肪を穿孔し、皮下脂肪の下部に位置する皮膚組織へ薬物などの機能性溶液を伝達するには、ニードルが長くなるという問題がある。
【0013】
前述の中空状マイクロニードルは、いずれも、中空のニードルを介して薬物などの機能性溶液を皮膚に伝達するため、皮下脂肪の下部に位置する皮膚の治療には効果的であるが、皮下脂肪には大きく影響することができないという問題がある。
【0014】
皮下脂肪に影響を与えるようにするために、ニードルをより薄く皮膚に挿入して施術することができるが、一般ユーザは使用しにくいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、広い領域の皮膚施術時における時間を短縮するとともに、皮下脂肪の施術にも適用可能とするマイクロニードル組立体を提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、皮下脂肪だけでなく、皮下脂肪の下部の皮膚組織にも施術が可能であるようにするマイクロニードル組立体を提供することにある。
【0017】
さらに、本発明のさらに他の目的は、ユーザの皮膚条件に応じてニードルの挿入深さを調節した施術が可能とする、マイクロニードル組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を解決するための本発明のマイクロニードル組立体は、一側が開口され、開口された内側に機能性溶液が貯蔵される溶液貯蔵部111が備えられる本体110と、前記溶液貯蔵部111の前方である前記本体110の他側に備えられ、前記溶液貯蔵部111とそれぞれ連通され、前記本体110の中央部位と、その外側に一定距離離間して放射状に、一定角度を成して2個~15個が設けられ、前記溶液貯蔵部111に貯蔵された機能性溶液を分配する複数の分配部120と、それぞれの前記分配部120の前方に位置し、前記本体110の他側端部に突出して形成されており、皮膚との接触時に、先端部位が皮膚の皮下脂肪に圧入するニードルサポート130と、前記ニードルサポート130の先端に結合され、皮膚との接触時に皮膚組織に挿入されるマイクロニードル140と、前記分配部120の先端部位から前記ニードルサポート130の先端部位の外側に穿孔形成されており、前記分配部120に収容されている機能性溶液を前記ニードルサポート130の先端部位に伝達し、伝達された機能性溶液が、前記ニードルサポート130の先端部位から前記マイクロニードル140の外周縁と皮膚との間に形成されたギャップを介して、前記マイクロニードル140に沿って皮膚組織に供給されるようにする第1溶液放出流路150と、を含んでなる。
【0019】
また、前記第1溶液放出流路150は、前記分配部120の先端から前記ニードルサポート130の先端部位の外周縁方向に傾斜して形成されることを特徴とする。
【0020】
また、前記マイクロニードル140は、円錐状からなり、上下に貫通した中空部141が形成され、前記ニードルサポート130は、前記マイクロニードル140の中空部141と連通し、前記マイクロニードル140の中空部141を介して機能性溶液が皮膚に伝達されるように形成される第2溶液放出流路131をさらに備えることを特徴とする。
【0021】
また、前記本体110の形状は、円筒状、四角柱状、楕円柱状、長方柱状および多角柱状から選択される何れか1つの形状からなり、前記ニードルサポート130の形状は、円錐状および多角錐状から選択される何れか1つの形状からなることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のマイクロニードル組立体は、前記本体110の外周縁に結合され、上端が前記マイクロニードル140の先端より低く、かつ前記本体110の先端より高い高さを有しており、前記マイクロニードル140の皮膚への挿入時に安定して挿入されるように前記本体110を支持するガイド160をさらに含むことを特徴とする。
【0023】
また、前記ガイド160は、前記マイクロニードル140の挿入深さが調節可能であるように、前記本体110との結合高さを調節可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
上記のような構成による本発明のマイクロニードル組立体は、第1溶液放出流路150を介して放出された機能性溶液が、マイクロニードル140により穿孔された皮膚組織とマイクロニードル140との間のギャップを介して前記マイクロニードル140に沿って皮膚組織に吸収されると、マイクロニードル140の周囲の皮膚組織の美容または治療施術が可能であるだけでなく、複数個のマイクロニードルを介して広い領域の皮膚施術時における時間を短縮することができるという利点がある。
【0025】
また、本発明のマイクロニードル組立体は、第1溶液放出流路150を介してマイクロニードル140により穿孔された皮膚周囲に機能性溶液が吸収されるようにするだけでなく、マイクロニードル140を介して、マイクロニードル140の前方周囲にも機能性溶液が皮膚に吸収されるようにすることを可能とするため、皮下脂肪だけでなく、皮下脂肪の下部の皮膚組織にも施術が可能となり、穿孔された皮膚組織の広い範囲の美容または治療施術が可能な利点がある。
【0026】
また、本発明のマイクロニードル組立体は、マイクロニードル組立体の使用時にマイクロニードル140が皮膚を穿孔する際に、本体110が皮膚の表面と接するか、ニードルサポート130の先端部位が皮膚の表面に圧入される時に、マイクロニードル組立体の本体110が、皮膚の表面と接するガイド160により安定して支持されるようにすることで、施術時にぶれることなく施術することができるという利点がある。
【0027】
また、 本発明のマイクロニードル組立体は、ガイド160と本体110との結合高さが調節可能であって、マイクロニードル140の皮膚組織への挿入深さが調節可能であるため、ユーザの皮膚条件に応じて、皮膚組織への機能性溶液の投入深さを調節し施術することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図3】本発明のマイクロニードル組立体を示した斜視図である。
【
図4】本発明のマイクロニードル組立体の分解斜視図である。
【
図5】本発明のマイクロニードル組立体の断面図である。
【
図6】本発明のマイクロニードル組立体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明のマイクロニードル組立体を詳細に説明する。
【0030】
図3は本発明のマイクロニードル組立体を示した斜視図であり、
図4は本発明のマイクロニードル組立体の分解斜視図であり、
図5は本発明のマイクロニードル組立体の断面図であり、
図6は本発明のマイクロニードル組立体の断面図である。
【0031】
本発明に係るマイクロニードル組立体は、本体110と、分配部120と、ニードルサポート130と、マイクロニードル140と、第1溶液放出流路150と、を含んでなる。
【0032】
前記本体110は、一側が開口され、開口された内側に機能性溶液が貯蔵される溶液貯蔵部111が備えられる。前記本体110の溶液貯蔵部111の後部には、貯蔵された溶液を後述の分配部120及び第1溶液放出流路150に放出するために放出手段が備えられる。前記放出手段としては、韓国特許公開第10-2019-0111682号(発明の名称:注射器用マイクロニードルアレイ及びそれを含む注射器、並びに注射器用マイクロニードルアレイの製造方法)に開示されたシリンダとピストンロッドを用いることができ、液を放出するための他の公知の放出手段を用いてもよい。
【0033】
前記溶液貯蔵部111は、後述の複数の分配部120と連通する。前記溶液貯蔵部は1つからなり、先端部で複数の分配部120とそれぞれ連通している(
図5及び
図6参照)。
【0034】
前記溶液貯蔵部111の内周面は、溶液の放出方向に行くに従ってその断面積が次第に小さくなるように、テーパ状に形成されることが好ましい(
図5及び
図6参照)。
【0035】
前記分配部120は、前記溶液貯蔵部111の前方である前記本体110の他側に備えられ、前記溶液貯蔵部111とそれぞれ連通する。前記分配部120は、複数個からなり、前記本体110の中央部位と、その外側に一定距離離間して放射状に、一定角度を成して2個~15個が設けられ、前記溶液貯蔵部111に貯蔵された機能性溶液を分配する役割をする。前記分配部120の形状は、
図5及び
図6のように、前記溶液貯蔵部111と連通する部位が円柱状からなり、連通する部位の先端部位は後述のニードルサポート130の形状と同様に尖って形成されて円錐状からなっており、前記溶液貯蔵部111から伝達された機能性溶液が収容され、ニードルサポート130が備えられた方向に分配されるようにする。
【0036】
前記ニードルサポート130は、それぞれの前記分配部120の前方に位置し、前記本体110の他側端部に突出して形成されており、皮膚との接触時に、先端部位が皮膚の皮下脂肪に圧入する役割をする。前記ニードルサポート130の先端部にはマイクロニードル140が結合される。前記マイクロニードル140の挿入深さを長くするために、前記ニードルサポート130が皮膚に圧入されるようにすると、前記マイクロニードル140の挿入深さを長くすることができる。
【0037】
前記マイクロニードル140は、前記ニードルサポート130の先端に結合され、皮膚との接触時に皮膚組織に挿入される。前記ニードルサポート130は、合成樹脂材からなることが好ましく、前記マイクロニードル140は前記ニードルサポート130と一体に形成されることが好ましい。
【0038】
前記第1溶液放出流路150は、前記分配部120の先端部位から前記ニードルサポート130の先端部位の外側に穿孔形成されており、前記分配部120に収容されている機能性溶液を前記ニードルサポート130の先端部位に伝達し、伝達された機能性溶液が、前記ニードルサポート130の先端部位から前記マイクロニードル140の外周縁と皮膚との間に形成されたギャップを介して、前記マイクロニードル140に沿って皮膚組織に供給されるようにする役割をする。
【0039】
前記第1溶液放出流路150を介して放出された機能性溶液は、前記マイクロニードル140により穿孔された皮膚組織とマイクロニードル140との間のギャップを介して、前記マイクロニードル140に沿って皮膚組織に吸収される。
【0040】
このように、前記第1溶液放出流路150を介して放出された機能性溶液が、前記マイクロニードル140により穿孔された皮膚組織とマイクロニードル140との間のギャップを介して前記マイクロニードル140に沿って皮膚組織に吸収されると、マイクロニードル140の周囲の皮膚組織の、美容または治療の効果を奏することができる。
【0041】
この際、前記第1溶液放出流路150を介した機能性溶液の放出を容易にするために、前記第1溶液放出流路150は、
図5及び
図6のように、前記分配部120の先端から前記ニードルサポート130の先端部位の外周縁方向に傾斜して形成されることが好ましい。
【0042】
前記第1溶液放出流路150は1個が形成されてもよいが、前記第1溶液放出流路150を介した機能性溶液の放出時におけるマイクロニードル140の周囲の皮膚組織への均一な吸収のために、前記第1溶液放出流路150は、前記分配部120の先端から前記ニードルサポート130の先端部位の外周縁方向に、一定角度を成して放射状に2個~4個が形成されてもよい。
【0043】
前記第1溶液放出流路150の個数が1個である場合には、機能性溶液が放出される方向の反対側に位置したマイクロニードル140には機能性溶液が伝達され得るが、複数個が形成されたものに比べて少なく伝達される。
【0044】
前記分配部120の先端から前記ニードルサポート130の先端部位の外周縁方向に一定角度を成して放射状に形成される前記第1溶液放出流路150の個数が4個を超えると、前記分配部120の先端から前記ニードルサポート130の先端部位の外周縁方向に一定角度を成して放射状に形成される前記第1溶液放出流路150の個数が過度に多くなって、マイクロニードル140を支持するニードルサポート130の強度が低下し、これにより、ニードルサポート130が陥凹する恐れが大きいため、その個数を制限することが好ましい。
【0045】
本発明は、マイクロニードル140により穿孔された皮膚周囲では、前記第1溶液放出流路150を介して機能性溶液が皮膚に吸収されるようにするだけでなく、マイクロニードル140を介して、マイクロニードル140の前方周囲にも機能性溶液が皮膚に吸収されるようにすることができる。
【0046】
そのために、前記マイクロニードル140は、
図6のように、円錐状からなり、上下に貫通した中空部141が形成され、前記ニードルサポート130には、前記マイクロニードル140の中空部141と連通し、前記マイクロニードル140の中空部141を介して機能性溶液が皮膚に伝達されるようにする第2溶液放出流路131がさらに形成される。
【0047】
前記本体110の形状としては多様な形状が可能であり、好ましくは、円筒状、四角柱状、楕円柱状、長方柱状および多角柱状から選択される何れか1つの形状からなることが好ましい。中でも、楕円柱状、長方柱状とする場合、前記ニードルサポート130を一列に配置し、これによるマイクロニードル140も一列に配置することで、幅の狭い部位の皮膚美容または皮膚治療に有用に適用することができる。
【0048】
前記ニードルサポート130の形状は、円錐状および多角錐状から選択される何れか1つの形状からなることが好ましい。
【0049】
前記ニードルサポート130が錐状からなる理由は、皮下脂肪に容易に圧入されるようにするためである。
【0050】
皮膚組織への機能性溶液の投入のために、マイクロニードル組立体のマイクロニードル140が皮膚を穿孔する時には、マイクロニードル140が皮膚に垂直になって穿孔することが好ましく、マイクロニードル組立体のマイクロニードル140が皮膚を穿孔する時に、本体110が皮膚の表面と接するか、ニードルサポート130の先端部位が皮膚の表面に圧入されるようにすることで、機能性溶液を皮膚に投入する。
【0051】
この際、皮膚が平面からなっている場合には問題ないが、皮膚は平面でない場合が殆どであり、マイクロニードル組立体の使用時にマイクロニードル140が皮膚を穿孔する際に、本体110が皮膚の表面と接するか、ニードルサポート130の先端部位が皮膚の表面に圧入される時に、マイクロニードル組立体の本体110が安定して支持されないという問題がある。また、マイクロニードル140の皮膚穿孔後に機能性溶液を皮膚に投入する時に、マイクロニードル組立体の本体110がぶれることがあるという問題がある。
【0052】
かかる問題を解決するために、本発明は、本体110に結合され、本体110を支持するガイド160を採択する(
図3及び
図4参照)。
【0053】
前記ガイド160は、前記本体110の外周縁に結合され、上端が前記マイクロニードル140の先端より低く、かつ前記本体110の先端より高い高さを有しており、前記マイクロニードル140の皮膚への挿入時に安定して挿入されるように、皮膚と接して前記本体110を支持する役割をする。
【0054】
この際、前記ガイド160は、前記マイクロニードル140の挿入深さが調節可能であるように、前記本体110との結合高さを調節可能であることが好ましい。
【0055】
前記ガイド160と前記本体110との結合は、一例として、ねじ結合されることができる。
【0056】
前記ガイド160と前記本体110との結合は、他の例として、前記本体110の外周縁には長さ方向に長く突出部112が形成され、前記ガイド160の内周縁に、前記突出部112に結合される凹溝161が長く形成されるようにして達成されてもよい(
図4参照)。
【0057】
前記ガイド160は、皮膚との接触時に皮膚への刺激が少ないように弾性材質からなってもよい。
【0058】
本発明の技術的思想は、上記の実施例に限定して解釈されてはならない。適用範囲が多様であることはもちろん、請求範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく当業者のレベルで様々な変形実施が可能である。したがって、このような改良および変更は当業者にとって明らかなことあるのであれば、本発明の保護範囲に属することになる。
【符号の説明】
【0059】
110 本体
111 溶液貯蔵部
112 突出部
120 分配部
130 ニードルサポート
131 第2溶液放出流路
140 マイクロニードル
141 中空部
150 第1溶液放出流
160 ガイド
161 凹溝