IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】巻線装置および固定子製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/04 20060101AFI20230814BHJP
   H02K 15/085 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
H02K15/04 Z
H02K15/085
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022121471
(22)【出願日】2022-07-29
【審査請求日】2023-06-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 宏明
(72)【発明者】
【氏名】森 大介
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-246245(JP,A)
【文献】特開2010-172108(JP,A)
【文献】特開2015-195634(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0091801(US,A1)
【文献】特開平11-098779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/04
H02K 15/085
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパラ数の素線を有するパラ素線によりコイルを形成し、前記コイルを、複数の固定子スロットが形成された固定子鉄心に巻き付ける巻線装置であって、
前記パラ素線を巻き付けるボビンと、
前記ボビンから供給される前記パラ素線が巻き付けられて前記コイルが形成される巻枠と、
前記ボビンから供給される前記パラ素線を前記巻枠に巻き付けるフライヤと、
前記巻枠の下方に配されて、前記巻枠から落下した前記コイルを受けて、前記コイルを前記固定子スロットに挿入するコイル挿入装置と、
前記巻枠と前記コイル挿入装置との間に必要に応じて介在して、前記巻枠から落下した前記コイルを受けて前記コイルを反転させた上で前記コイル挿入装置に前記コイルを落下させる反転装置と、
を備えることを特徴とする巻線装置。
【請求項2】
前記反転装置は、
前記巻枠から落下した前記コイルを受ける回動板と、
前記回動板を反転させる回動軸と、
前記回動軸を回動させる軸回動駆動部と、
前記回動軸を軸方向に駆動する軸方向駆動部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の巻線装置。
【請求項3】
前記反転装置は、前記コイルが前記固定子鉄心に巻き付けられた状態を想定したときに前記固定子鉄心の径方向および軸方向に平行な仮想平面に沿って前記コイルを反転させることを特徴とする請求項2に記載の巻線装置。
【請求項4】
前記反転装置は、前記コイルが前記固定子鉄心に巻き付けられた状態を想定したときに前記固定子鉄心の径方向および周方向に平行な仮想平面に沿って前記コイルを反転させることを特徴とする請求項2に記載の巻線装置。
【請求項5】
前記コイル挿入装置または前記巻枠は、
前記巻枠から前記コイル挿入装置に直接に前記コイルを落とす場合に、前記コイルをガイドするために落下の経路の一部に伸ばすように構成された複数のガイド棒を有することを特徴とする請求項1に記載の巻線装置。
【請求項6】
固定子鉄心の組立てを行う固定子鉄心組立てステップと、
巻線の製造を行う巻線製造ステップと、
前記巻線を前記固定子鉄心に挿入する挿入ステップと、
を有し、
前記巻線製造ステップは、
所定のパラ数の素線を有するパラ素線を巻枠に巻き付けてコイルを形成するコイル形成ステップと、
前記コイルを反転させるか否かを判定するステップと、
反転させると判定されなかった場合は、複数のガイド棒を伸ばし、前記巻枠から前記コイルをコイル挿入装置に落とす第1のケースのステップと、
反転させると判定された場合は、反転装置を前記巻枠の下方に移動させ、前記巻枠から前記コイルを前記反転装置に落とした後に、前記コイルを前記コイル挿入装置に落とす第2のケースのステップと、
を有することを特徴とする固定子製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻線装置および固定子製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低・脱炭素化社会の実現に向け、電動車両の普及が進む。これらの駆動モータおよび発電機は広域な可変速運転が求められるため、ターン数が小さく大電流を流す構成が用いられる。モータの効率および熱的な制約のため、1ターンあたりの導体断面積を大きく設計する必要がある。この場合、ステータスロットへの収納効率の観点から、径の小さい素線を複数本束ねたパラ巻線がしばしば用いられる。パラ巻線は、素線1本あたりの断面積が小さく、表皮近接効果による損失の抑制が期待できる。一方、束ねられた素線(パラ素線)は電気的には並列接続され、中性点とコイル端子の間に閉回路が形成される。パラ素線がステータスロット内に収められたとき、素線位置の違いによるインダクタンスのばらつきが生じ、これに起因して、並列素線間の循環電流が生じ、損失となることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5441478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パラ巻線の循環電流による損失を抑制する手段として、束の中での素線の位置関係を入れ替える方法(転位)が知られている。これにより、局所的に(例えば1スロット内の単位で見た場合)素線間のインダクタンスのばらつきが生じても、端子から中性点までの合計インダクタンスを見た時にこれが減少し、循環電流による損失の抑制が期待される。
【0005】
代表的な例として、パラ巻線は機械的に以下の工程で製造される。
(1)パラ素線を整列させた状態で送り出す。
(2)表裏反転させる機構により送り出されるパラ素線をたとえば交互に反転させる。
(3)パラ素線の巻き始めの端点を掴み、巻き枠の外周を回転する機構によって、1極分のコイルを巻く。
(4)巻いたコイルを挿入ジグの爪の間に落とす。爪の間では、素線が一列に並ぶ。
(5)次の極を巻く。
(6)すべての極を挿入ジグに装着したら、ステータに挿入ジグを挿入し、コイルをステータに装着する。
【0006】
このように、(2)においてパラ素線反転させることにより、コイル挿入ジグの爪の間に整列する素線の順序を逆転させることができる。
【0007】
しかしながら、この方法では、反転させる際に、捻じれた状態でパラ素線が送り出されるため、これに伴い、絶縁被膜の損傷が懸念される。
【0008】
本発明の目的は、捻じれた状態でパラ素線を送り出すことなく、コイルを反転可能な巻線装置およびこれを用いた固定子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る巻線装置は、所定のパラ数の素線によりコイルを形成し、前記コイルを、複数の固定子スロットが形成された固定子鉄心に巻き付ける巻線装置であって、前記複パラ数の素線を巻き付けるボビンと、前記ボビンから供給される前記パラ数の素線が巻き付けられてコイルが形成される巻枠と、前記ボビンから供給される前記パラ数の素線を前記巻枠に巻き付けるフライヤと、前記巻枠の下方に配されて、前記巻枠から落下した前記コイルを受けて、前記コイルを前記固定子スロットに挿入するコイル挿入装置と、前記巻枠と前記コイル挿入装置との間に必要に応じて介在して、前記巻枠から落下したコイルを受けて前記コイルを反転させた上で前記コイル挿入装置に前記コイルを落下させる反転装置と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象とする固定子を含む回転電機の例を示す縦断面図である。
図2】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象とする固定子の固定子鉄心とコイルとの関係を示す斜視図である。
図3】第1の実施形態に係る巻線装置の構成を示す概念図である。
図4】第1の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す正面図である。
図5】第1の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す図4のV-V線矢視平面図である。
図6】第1の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す図5のVI-VI線矢視平面図である。
図7】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順を示すフロー図である。
図8】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの製造ステップの詳細な手順を示すフロー図である。
図9】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第1の状態を示す説明図である。
図10】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第2の状態を示す説明図である。
図11】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第3の状態を示す説明図である。
図12】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第4の状態を示す説明図である。
図13】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子のコイルの順序を示す説明図である。
図14】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子のコイルの反転を示す説明図である。
図15】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子のスロットに収納されたコイルを示す部分的な説明図である。
図16】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子のスロットに収納されたコイルの図15のA部の詳細を示す説明図である。
図17】第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子のスロットに収納されたコイルの図15のB部の詳細を示す説明図である。
図18】第1の実施形態に係る固定子の製造方法における巻枠から反転装置への落下前の状態を示す説明図である。
図19】第1の実施形態に係る固定子の製造方法における巻枠からコイル挿入装置への落下前の状態を示す説明図である。
図20】第2の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す正面図である。
図21】第2の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す図20のXXI-XXI線矢視平面図である。
図22】第2の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す図20のXXII-XXII線矢視側面図である。
図23】第2の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第1の状態を示す説明図である。
図24】第2の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第2の状態を示す説明図である。
図25】第2の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第3の状態を示す説明図である。
図26】第2の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第4の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る巻線装置および固定子製造方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象とする固定子20を含む回転電機1の例を示す縦断面図である。
【0013】
回転電機1は、回転子10、固定子20、フレーム31および2つの軸受32を有する。
【0014】
回転子10は、軸方向の両側を軸受32により回転可能に支持されて軸方向に延びたロータシャフト11、ロータシャフト11の径方向外側に取り付けられた回転子鉄心12、および回転子鉄心12の軸方向の両側でロータシャフト11に取り付けられた2つの内扇13を有する。
【0015】
固定子20は、フレーム31内に収納され、回転子鉄心12の径方向外側に配された円筒状の固定子鉄心21と、固定子鉄心21に巻回された固定子巻線22を有する。
【0016】
図2は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象とする固定子20の固定子鉄心21とコイル50との関係を示す斜視図である。固定子鉄心21は、周方向の一部を切り取って示している。また、説明の便宜上、固定子鉄心21のスロット25に収納されているコイル50を、固定子鉄心21から離した位置で示している。また、コイル50を、収納されているスロット25の幅よりも大きく表示している。
【0017】
固定子鉄心21は、打ち抜きにより所定の形状に形成されて軸方向に積層された複数の電磁鋼板21aを有する。したがって、固定子鉄心21の断面形状は、各電磁鋼板21aの形状に基づいている。
【0018】
固定子鉄心21の径方向の内面、すなわち、回転子鉄心12の外側表面に対向する面には、軸方向に延びて、周方向に互いに等しい間隔で全周にわたり、複数の固定子スロット25が形成されている。
【0019】
コイル50は、所定の本数(パラ数)の素線52からなるパラ素線51が、複数回巻かれて形成されている。コイル50は、コイル状部分の巻き始めの部分に接続するパラ素線51である第1引き出し部55と、コイル状部分の巻き終わりの部分に接続するパラ素線51である第2引き出し部56とを有する。
【0020】
コイル状部分は、互いに対向した直線的な部分のコイルサイド50a、50bと、コイルサイド50aとコイルサイド50bを接続する第1のコイルエンド50cおよび第2のコイルエンド50dを有する。コイルサイド50aは固定子スロット25のうちの第1のスロット25aに、また、コイルサイド50bは固定子スロット25のうちの第2のスロット25bに、それぞれ収納されている。第1のコイルエンド50cおよび第2のコイルエンド50dは、それぞれ固定子鉄心21の軸方向の外側に配される。
【0021】
第1引き出し部55と第2引き出し部56は、第1のコイルエンド50c側に接続されている。第1引き出し部55と第2引き出し部56を含む各コイルの引き出し部が、所定の接続方式により接続されて、全体として、固定子巻線22が形成される。
【0022】
ここで、説明の便宜上、方向の表現を定義する。まず、固定子鉄心21については、電磁鋼板21aの積層方向、言い換えれば組立て状態においてロータシャフト11の延びる方向を、z方向と呼ぶ。また、固定子鉄心21の径方向内側から外側に向かう方向、言い換えれば、組立て状態においてロータシャフト11の回転軸から離れる方向を、r方向と呼ぶ。また、周方向をΘ方向と呼ぶ。
【0023】
コイル50についても同様に、固定子鉄心21に収納された状態を想定して、固定子鉄心21と同様の方向で表現する。コイル50については、固定子鉄心21に収納されていない状態であっても、同様の表現をするものとする。なお、Θ方向については、第1のコイルエンド50cあるいは第2のコイルエンド50dのたとえば中央部の接線方向をΘ方向と呼ぶ場合もある。
【0024】
図3は、第1の実施形態に係る巻線装置100の構成を示す概念図である。
【0025】
巻線装置100は、テンション装置101、ボビン103、巻線装置本体110、反転装置120、およびコイル挿入装置130を備える。
【0026】
ボビン103は円筒状であり、パラ素線51の供給を受けて、パラ素線51をその側面に巻き付ける。この際、ボビン103に供給されるパラ素線51は、テンション装置101によって一定の張力を受ける状態に維持されている。ボビン103は、昇降駆動モータ102によって、巻線装置本体110の高さ位置に対応して高さ位置が調節される。
【0027】
巻線装置本体110は、巻枠111、昇降駆動モータ112、プーリ113、およびフライヤ114を有する。
【0028】
フライヤ114は、巻枠111の周囲を旋回しながらボビン103からパラ素線51を受け入れてガイドするガイドリール114bおよびパラ素線51を所定の高さ位置に維持しながら巻枠111に供給するクランプ114c、クランプ114cからのパラ素線51をその周囲に巻き付け可能な巻枠111、およびこれらを支持する支持枠114aを有する。
【0029】
フライヤ114の支持枠114aは、外部に設けられた回転駆動モータ104によりベルト113aを介して回転駆動されるプーリ113に直結し、回転駆動モータ104により回転駆動される。巻枠111は支持枠114aの回転中心の中央に設けられ、昇降駆動モータ112により上下動が可能である。また、巻枠111には、上下動可能で、巻枠111に巻回されたコイル50を下方に払い落とすための払い落し部115が取り付けられている。
【0030】
以上が、巻枠111にパラ素線51を巻き付けるまでの工程に係る部分であるが、この部分についてはすでに知られている技術であり、図3に示す例に限定されず、すでに知られている他の方式、構成あるいは形態であってもよい。
【0031】
反転装置120は、巻枠111から下方に払い落とされたコイル50を受ける回動板122を有し、コイル50を反転させる。反転装置120は、巻枠111の下方の位置および下方から外れた位置の間を移動可能に構成されている。反転装置120については、後に図4ないし図6を引用しながら詳細を説明する。
【0032】
コイル挿入装置130は、コイル受け部131、コイル挿入部132、複数のガイド棒133、およびこれらを支持する支持枠134を有する。
【0033】
コイル受け部131は、反転装置120で反転されたコイル50を、あるいは反転装置120を介さずに直接に巻枠111から払い落とされたコイル50を、それぞれ受ける。
【0034】
コイル挿入部132は、コイル受け部131で受け取ったコイル50を、固定子鉄心21の固定子スロット25(図2)に挿入するための部分である。
【0035】
ガイド棒133は、コイル受け部131が巻枠111から払い落とされたコイル50を直接に受ける際に、コイル50がコイル受け部131の適切な位置となるように、コイル50をガイドする。ガイド棒133の長さは、その先端が巻枠111に届く必要はないが、この機能が確保できるに十分な長さとする。ガイド棒133は、反転装置120がコイル50を受ける状態の場合には、支持枠134内に収納されており、コイル受け部131が巻枠111から払い落とされたコイル50を直接に受ける際には、上方に延びるように構成されている。ここで、複数のガイド棒133を上方に伸ばすための機構については、図示を省略している。
【0036】
なお、反転装置120が回動中に、コイル50が完全に反転しないうちにガイド棒133から外れて落下することを防止するために、図示しないカバーあるいはストッパを設けて、反転後に開放可能に構成してもよい。
【0037】
コイル挿入装置130については、上下動可能な複数のガイド棒133を有する部分以外は、すでに知られている部分であり、この部分については、他の方式、構成あるいは形態であってもよい。
【0038】
なお、図3では、コイル挿入装置130が複数のガイド棒133を有し、複数のガイド棒133が、コイル挿入装置130から巻枠111に向かって上方に延びる場合を例にとって示したが、これに限定されない。以下では、この場合を例にとって説明するが、たとえば、巻線装置本体110が複数のガイド棒を有し、複数のガイド棒がコイル挿入装置130に向かって下方に延びることでもよい。
【0039】
図4は、第1の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す正面図である。図5は、第1の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す図4のV-V線矢視平面図である。図6は、第1の実施形態に係る巻線装置における反転装置を概念的に示す図5のVI-VI線矢視平面図である。
【0040】
反転装置120は、回動軸121、回動板122、複数のツメ124、回動駆動部125、軸方向駆動部126、および2つの軸受127を有する。
【0041】
巻枠111から下方に払い落とされたコイル50を受ける回動板122には、コイル50を所定の範囲に受けて保持するように、上面に複数のツメ124が設けられている。回動板122は、結合部123を介してその軸方向に延びた回動軸121に接続されている。
【0042】
回動軸121は、軸方向の2か所でそれぞれ軸受127により回転可能に支持されている。回動軸121は、回動駆動部125により回転軸周りを回動駆動される。なお、回動軸121は、たとえば180度回転し、また180度逆方向に戻るような回動動作を行うが、これに限定せず、一方向に回転を進める方式であってもよい。また、回動軸121は、回動板122が、巻枠111の直下となる位置と、反転装置120が、巻枠111とコイル挿入装置130のコイル受け部131との間の空間から外れた位置との間を移動可能に、軸方向駆動部126によって駆動される。
【0043】
ここで、巻枠111から払い落とされて回動板122上に載ったコイル50は、回動軸121とは図5に示すような位置関係にあるものとする。言い換えれば、巻枠111と反転装置120との相対関係が、以下となるような関係にある。
【0044】
前述(図2)の様に、コイル50には、第1引き出し部55および第2引き出し部56が存在する。今、便宜上、回動板122の上面を、第1の半面122aと第2の半面122bとに区分する。具体的には、平面的に透視して回動軸121の中心軸を境界として、2つの領域に区分する。このとき、第1引き出し部55および第2引き出し部56の両方が、第1の半面122aにあるような位置関係にあるものとする。これを言い換えれば、本実施形態においては、第1引き出し部55および第2引き出し部56の両方が、同じ半面にあるような方向に、回動軸121を設けるものとする。
【0045】
回動板122の上面に設けられた複数のツメ124は、回動板122の4つの辺のそれぞれにおいて、内側と外側の位置に取り付けられている。コイル50は、それぞれの位置での内側のツメ124と外側のツメ124の間に位置するようにガイドされる。なお、複数のツメ124の数および配置は例示であり、図5に示した例に限定されない。巻枠111からのコイル50を受けて、反転させて、コイル挿入装置130のコイル受け部131の適正な位置に落下させられるのであれば、複数のツメ124の数を増減し、あるいは配置を変更してもよい。また、ツメ124は、回動板122の上面から垂直方向ではなく、傾斜をもって取り付けられてもよい。あるいは、ツメ124は、曲がり部を有していてもよい。
【0046】
図7は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順を示すフロー図である。
【0047】
まず、固定子鉄心21の組み立てを行う(ステップS10)。具体的には、まず、必要数の電磁鋼板21aを製作する(ステップS11)。次に、電磁鋼板21aを積層して固定子鉄心21を組み立てる(ステップS12)。
【0048】
一方、固定子巻線22については以下の通りである。
【0049】
まず、最初のステップS21で、コイル数指標nを1とする(ステップS21)。
【0050】
次に、コイル50の製造を行う(ステップS30)。コイル50の製造ステップS30については、次の図8を引用しながら詳細な手順を説明する。
【0051】
次に、製造されたコイル50を固定子鉄心21に挿入する(ステップS22)。コイル50の固定子鉄心21への挿入には、コイル挿入装置130を用いる。
【0052】
次にコイル数指標nをn+1とし(ステップS23)、コイル総数Nを超えたか否かを判定する(ステップS24)。コイル総数Nを超えたと判定されなかった場合(ステップS24 NO)は、コイル50の製造ステップS30に戻り、次のコイル50を製造する。
【0053】
コイル総数Nを超えたと判定され場合(ステップS24 YES)は、第1のコイルエンド50c側(溶接側)の接続を行う(ステップS25)。具体的には、第1引き出し部55および第2引き出し部56を有するそれぞれのコイル50間で、所定の接続方針に基づいて、第1引き出し部55、第2引き出し部56を用いたコイル50間の接続を行う。この結果、固定子20の固定子巻線22が形成される。
【0054】
以上のように、固定子鉄心21に固定子巻線22が巻回された固定子20について、組立て後の試験を行う(ステップS26)。この後、必要に応じて例えばアクセサリ類の取り付け等を行う。
【0055】
なお、以上に述べた手順では、コイル50の挿入ステップS22の直前にコイル50の製造を行う(ステップS30)場合を例にとって示しているがこれに限定されない。たとえば、全てのコイル50をあらかじめ製造しておき、順次、挿入することでもよい。この場合は、図7において、コイルの製造ステップS30は、ステップS21の前に終了しておくこととなり、繰り返しは、コイル50の挿入(ステップS22)のみとなる。
【0056】
図8は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイル50の製造ステップS30の詳細な手順を示すフロー図である。
【0057】
まず、パラ数の素線52からなるパラ素線51を巻枠111に巻付けてコイル50を形成する(ステップS31)。
【0058】
次に、反転するか否かを判定する(ステップS32)。
【0059】
ステップS32において反転すると判定されなかった場合(ステップS32 NO)には、まず、コイル挿入装置130から複数のガイド棒133を巻枠111に向かって延ばす(ステップS33)。その後に、払い落し部115によってコイル50を巻枠111から切り離し下方にあるコイル挿入装置130のコイル受け部131に落下させる(ステップS34)。
【0060】
ステップS32において反転すると判定された場合(ステップS32 YES)には、まず、反転装置120の回動板122が巻枠111の直下となる位置に軸方向駆動部126が回動軸121を移動させる(ステップS35)。その後に、払い落し部115によってコイル50を巻枠111から切り離し下方に落下させる(ステップS36)。次に、反転装置120により、コイル50を反転させる(ステップS37)。次に、反転装置120からコイル50を、下方にあるコイル挿入装置130のコイル受け部131に落下させる(ステップS38)。この際、反転装置120にカバーあるいはストッパを設けている場合はこれを開放することによりコイル50を落下させる。
【0061】
以上のように、ステップS32における判定結果によって、ステップS34またはステップS38により、コイル50が、コイル挿入装置130のコイル受け部131上に載った状態となる(ステップS39)。
【0062】
次に、反転装置120によるコイル50の反転の状況を、ステップを追って説明する。
【0063】
図9は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第1の状態を示す説明図である。これは、図8のフロー図におけるステップS36に対応する状態である。
【0064】
図5を引用しながら説明したように、コイル50の第1のコイルエンド50cは図9においての手前側、第2のコイルエンド50dは図9においての奥側となるように、コイル50は巻枠111において形成されている。したがって、第1引き出し部55および第2引き出し部56は、図9において手前側、すなわちz方向に配されている。また、図9において、コイル50の上方からコイル50を見た場合の電流の流れは、時計回りの方向である。
【0065】
図10は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第2の状態を示す説明図である。これは、図8のフロー図におけるステップS36の直後で、ステップS37の前の段階に対応する状態である。コイル50は、反転装置120の回動板122上で、複数のツメ124の間に治まった状態である。
【0066】
この状態から、図10に示すように、回動軸121を回動させると、コイル50は、r-z平面に沿って回動する。すなわち、コイル50の各部分は、原点を点Cとしてr軸およびz軸を含む平面に平行な平面内を移動する。
【0067】
図11は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第3の状態を示す説明図であり、図8のフロー図におけるステップS37を終了した状態である。また、図12は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第4の状態を示す説明図であり、図8のフロー図におけるステップS38の状態である。
【0068】
反転装置120による回動後の状態を、回動前の状態を示す図10と比較すると、以下の変化がある。
【0069】
(1)コイル50の第1のコイルエンド50cは図11、12においての奥側、第2のコイルエンド50dは図11、12においての手前側となっている。したがって、第1引き出し部55および第2引き出し部56は、図11、12において奥側、すなわちz方向と反対側に配されている。また、r方向にも逆転する。
【0070】
(2)図11、12において、コイル50の上方からコイル50を見た場合の電流の流れは、反時計回りの方向に変化している。
【0071】
以上のように、反転装置120による反転動作によって、コイル50は、z方向およびr方向の位置が逆転し、かつ、電流の流れも逆方向となっている。すなわち、極性も逆転している。
【0072】
図13は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子20のコイル50の順序を示す説明図である。図13は、1相分のコイル50が固定子鉄心21に装填されたときの極性と配置を示しており、並列回路数が1で、8極、同心巻の構成の例である。
【0073】
コイル50のコイル番号n(n=1~8)について、奇数番目は、周方向に互いに同じ方向を向いている。また、偶数番目は、周方向に互いに同じ方向を向いており、その方向は、奇数番目とは反対方向である。
【0074】
図14は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子20のコイル50の反転を示す説明図である。図13に示すような配置とするために、偶数番目のコイル50を、反転させる必要がある。その反転のために、本実施形態による反転装置120を用いることができる。
【0075】
図15は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子20のスロット25に収納されたコイル50を示す部分的な説明図である。なお、図15および後に引用する図16および図17は、同様の効果の説明のために特許文献1の図24に基づいている。
【0076】
C1と表示されたコイル50は、パラ素線51が8層に巻かれており、スロット25aとスロット25bに収納されている。1から8までの層番号は、パラ素線51が巻枠111に巻かれた順序を示す。したがって、C1と表示されたコイル50は、パラ素線51が径方向内側から径方向外側に向かって巻かれている。一方、C2と表示されたコイル50は、C1と表示されたコイル50と同相のコイルであり、スロット25fとスロット25gに収納されている。C2と表示されたコイル50は、パラ素線51が径方向外側から径方向内側に向かって巻かれている。
【0077】
C1と表示されたコイル50とC2と表示されたコイル50は、渡り線Waにより互いに直列に接続されている。
【0078】
図16は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子20のスロット25に収納されたコイル50の図15のA部の詳細を示す説明図である。すなわち、図15でC1と表示されたコイル50の部分図である。また、図17は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法の対象となる固定子20のスロット25に収納されたコイルの図15のB部の詳細を示す説明図である。すなわち、図15でC2と表示されたコイル50の部分図である。これらの図では、パラ素線51内の素線52の数(パラ数)が17の場合を示している。
【0079】
C1と表示されたコイル50の部分図である図16と、C2と表示されたコイル50の部分図である図17とを比較すると、それぞれのパラ素線51内の素線52の径方向の分布が、互いにほぼ逆の分布となっている。
【0080】
パラ素線51がスロット25内に収められたとき、素線52のスロット25内における径方向の位置の違いによりインダクタンスの差が生ずる。しかしながら、素線52のスロット25内における径方向の位置が互いに逆転するコイル50を直列に接続したことにより、素線52のスロット25内における径方向の位置の違いによりインダクタンスの差が相殺され、ほぼ均一の状態に近づくこととなる。
【0081】
図18は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法における巻枠111から反転装置120への落下前の状態を示す説明図である。反転装置120は巻枠111から落下するコイル50を受け取り、コイル50を反転させる。反転装置120は、反転したコイル50を、コイル挿入装置130に落下させる。
【0082】
図19は、第1の実施形態に係る固定子の製造方法における巻枠111からコイル挿入装置130への落下前の状態を示す説明図である。この場合は、コイル50を反転させないため、反転装置120は用いられない。したがって、コイル50は、巻枠111から直接にコイル挿入装置130に落下することになる。この際、コイル50が、コイル挿入装置130上の適切な場所に落下するように、コイル挿入装置130から複数のガイド棒133が上方に延びて、コイル50をガイドする。
【0083】
以上のように、本実施形態によれば、巻き終えた単体の状態のコイル50を反転させる。したがって、パラ素線51に捻り加えた状態で送り出す工程なしに、コイル50を反転させることができる。この結果、素線52の絶縁被膜が損傷するリスクを軽減することができる。
【0084】
この結果、パラ素線51内の素線52間のインダクタンスのばらつきが生じても、必要な範囲のコイル50を確実に反転させることによって、端子から中性点までを通してみれば、インダクタンスのばらつきが減少し、循環電流による損失を抑制することができる。
【0085】
[第2の実施形態]
図20は、第2の実施形態に係る巻線装置100における反転装置120aを概念的に示す正面図である。図21は、第2の実施形態に係る巻線装置100における反転装置120aを概念的に示す図20のXXI-XXI線矢視平面図である。また、図22は、第2の実施形態に係る巻線装置100における反転装置120aを概念的に示す図20のXXII-XXII線矢視側面図である。
【0086】
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態における反転装置120aにおいては、回動軸121aの方向が、第1の実施形態における回動軸121と異なる。
【0087】
すなわち、巻枠111から払い落とされて回動板122上に載ったコイル50は、回動軸121とは図21に示すような位置関係にある。言い換えれば、巻枠111と反転装置120aとの相対関係が、以下となるような関係にある。
【0088】
今、便宜上、回動板122の上面を、第1の半面122cと第2の半面122dとに区分する。具体的には、平面的に透視して回動軸121aの中心軸を境界として、2つの領域に区分する。このとき、第1引き出し部55は第1の半面122cに、また、第2引き出し部56は第1の半面122cにある。これを言い換えれば、本実施形態においては、第1引き出し部55および第2引き出し部56が、それぞれ異なる半面にあるような方向に、回動軸121aを設けるものとする。
【0089】
図23は、第2の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第1の状態を示す説明図である。
【0090】
図21を引用しながら説明したように、コイル50の第1のコイルエンド50cは図23においての左手前側、第2のコイルエンド50dは図23においての右手前側となるように、コイル50は巻枠111において形成されている。したがって、第1引き出し部55は、図23において左手前側、および第2引き出し部56は左奥側に配されている。また、図23において、コイル50の上方からコイル50を見た場合の電流の流れは、反時計回りの方向である。
【0091】
図24は、第2の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第2の状態を示す説明図である。これは、図8のフロー図におけるステップS36の直後で、ステップS37の前の段階に対応する状態である。コイル50は、反転装置120の回動板122上で、複数のツメ124の間に治まった状態である。
【0092】
この状態から、図24に示すように、回動軸121aを回動させると、コイル50は、r-Θ平面に沿って回動する。すなわち、コイル50の各部分は、原点を点C1としてr軸およびΘ軸を含む平面に平行な平面内を移動する。
【0093】
図25は、第2の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第3の状態を示す説明図である。また、図26は、第2の実施形態に係る固定子の製造方法の手順におけるコイルの反転ステップの第4の状態を示す説明図であり、図8のフロー図におけるステップS38の状態である。
【0094】
反転装置120aによる回動後の状態を、回動前の状態を示す図24と比較すると、以下の変化がある。
【0095】
(1)コイル50の第1のコイルエンド50cは図25、26においての手前側、第2のコイルエンド50dは図25、26においての手前側となっている。これは、回動前の状態と同じである。なお、回動によって、第1引き出し部55は図中の右側から左側に、また第2引き出し部56は図中の左側から右側となるが、回動の前後で、いずれも手前側にある状態には変化がない。
【0096】
(2)図25、26において、コイル50の上方からコイル50を見た場合の電流の流れは、反時計回りの方向に変化している。
【0097】
以上のように、反転装置120aによる反転動作によって、コイル50は、Θ方向およびr方向の位置が逆転する。また、極性は逆転する。
【0098】
このように、本実施形態においては、z方向には逆転しないことから、引き出し線の位置は図中の手前側のままで、固定子鉄心21に対する軸方向の位置は変わらずに、極性およびr方向の配列を逆転させることができる。この結果、コイルエンドの結線処理を、固定子鉄心21の一方の端部側のみで実施できるというメリットがある。
【0099】
以上、説明した実施形態によれば、パラ素線に捻りを加えた状態で送り出す工程を用いずに、捻じれた状態でパラ素線を送り出すことなく、コイル50を反転可能な巻線装置100およびこれを用いた固定子20の製造方法を提供することができる。
【0100】
[その他の実施形態]
【0101】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1…回転電機、10…回転子、11…ロータシャフト、12…回転子鉄心、13…内扇、20…固定子、21…固定子鉄心、21a…電磁鋼板、22…固定子巻線、25…固定子スロット、25a…第1のスロット、25b…第2のスロット、31…フレーム、32…軸受、50…コイル、50a、50b…コイルサイド、50c、50d…コイルエンド、51…パラ素線、52…素線、55…第1引き出し部、56…第2引き出し部、100…巻線装置、101…テンション装置、102…昇降駆動モータ、103…ボビン、104…回転駆動モータ、110…巻線装置本体、111…巻枠、112…昇降駆動モータ、113…プーリ、113a…ベルト、114…フライヤ、114a…支持枠、114b…ガイドリール、114c…クランプ、115…払い落し部、120、120a…反転装置、121、121a…回動軸、122…回動板、122a…第1の半面、122b…第2の半面、122c…第1の半面、122d…第2の半面、123…結合部、124…ツメ、125…回動駆動部、126…軸方向駆動部、127…軸受、130…コイル挿入装置、131…コイル受け部、132…コイル挿入部、133…ガイド棒、134…支持枠
【要約】
【課題】巻線装置において、パラ素線に捻りを加えた状態でを送り出す工程を用いずに、コイルの反転を可能とする。
【解決手段】実施形態によれば巻線装置100は、パラ素線51によりコイル50を形成し複数の固定子スロットが形成された固定子鉄心に巻き付ける。巻線装置100は、パラ素線51を巻き付けるボビン103と、ボビン103から供給されるパラ素線51が巻き付けられてコイル50が形成される巻枠111と、パラ素線51を巻枠111に巻き付けるフライヤ114と、巻枠111の下方に配されて巻枠111から落下したコイル50を固定子スロットに挿入するコイル挿入装置130と、巻枠111とコイル挿入装置130との間に必要に応じて介在して巻枠111から落下したコイル50を受けて反転させた上でコイル挿入装置130にコイル50を落下させる反転装置120とを備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26