(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】スティック状梱包品のピッキングシステムおよび二次梱包システム
(51)【国際特許分類】
B25J 9/06 20060101AFI20230814BHJP
B25J 15/08 20060101ALI20230814BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20230814BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20230814BHJP
B65B 5/06 20060101ALI20230814BHJP
B65B 5/08 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
B25J9/06 E
B25J15/08 P
B25J13/00 Z
B25J13/08 Z
B25J13/08 A
B65B5/06
B65B5/08
(21)【出願番号】P 2022175022
(22)【出願日】2022-10-31
【審査請求日】2022-10-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)展示日:令和4年9月13日 展示会名、開催場所:国際物流総合展 川田工業株式会社ブース(住所:東京都江東区有明3-11-1 東京ビッグサイト東展示棟No.1-101) (2)ウェブサイトの掲載日:令和4年9月22日 ウェブサイトのアドレス:https://nextage.kawadarobot.co.jp/expand/package
(73)【特許権者】
【識別番号】514074382
【氏名又は名称】カワダロボティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】力石 直也
(72)【発明者】
【氏名】山口 遼
(72)【発明者】
【氏名】菊池 稔
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 学
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/103300(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/208140(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/138169(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/066419(WO,A1)
【文献】特開2019-014003(JP,A)
【文献】特開2000-033903(JP,A)
【文献】特開2018-006309(JP,A)
【文献】特開2018-103267(JP,A)
【文献】特開2017-226062(JP,A)
【文献】実開昭60-039304(JP,U)
【文献】実開昭50-148784(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B65B 5/00 - 5/12
B65B 35/00 - 35/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々制御装置で制御されるロボットの腕を構成する2本の多関節アームと、
前記2本の多関節アームの一方に設けられた第1のハンドと、
前記2本の多関節アームの他方に設けられた第2のハンドと、
スティック充填包装機から投入されたスティック状梱包品を所定本数ずつ粗纏めする集積ユニットと、
前記集積ユニットで粗纏めされた所定本数のスティック状梱包品を前記2本の多関節アームの前記第1および第2のハンドの共通の作業範囲内に搬送する搬送装置と、
を備え、
前記第1および第2のハンドは各々、互いに内向きに嵌合可能で、前記粗纏めされた所定本数のスティック状梱包品を束にして前記搬送装置からピッキングするU字状の治具を有することを特徴とするスティック状梱包品のピッキングシステム。
【請求項2】
前記2本の多関節アームは、双腕ロボットの制御装置で作動制御される、その双腕ロボットの2本の腕であることを特徴とする、請求項1記載のスティック状梱包品のピッキングシステム。
【請求項3】
前記第1および第2のハンドのU字状の治具は各々、互いに剛性が異なる2枚の金属板が周方向に繋がった樋状をなしていて、互いに向き合って接近すると一方の治具の低剛性の金属板が弾性変形しながら他方の治具の高剛性の金属板の内側に入り込むことで互いに内向きに嵌合可能なものであることを特徴とする、請求項1記載のスティック状梱包品のピッキングシステム。
【請求項4】
前記第1および第2のハンドのU字状の治具は、粗纏めされたスティック状梱包品を囲う位置から、それらが置かれた搬送面に対し端辺を沿わせながら治具同士が接近する方向に移動させることで、スティック状梱包品を束にして把持するようにピッキングするものであることを特徴とする、請求項1記載のスティック状梱包品のピッキングシステム。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか1項記載のスティック状梱包品のピッキングシステムに加えて、
前記ピッキングシステムの前記第1および第2のハンドの共通の作業範囲内に設置され、前記第1および第2のハンドの他方で供給された空の二次梱包袋を保持してその二次梱包袋の袋口を開け、その袋口から二次梱包袋内に前記第1および第2のハンドの前記U字状の治具で前記スティック状梱包品の束を投入される袋口開け装置と、
前記スティック状梱包品の束を投入されて収容した二次梱包品を前記袋口開け装置から前記第1および第2のハンドの一方で移載されて計量し、計量結果を出力する計量器と、
前記計量器から移載装置で移載された二次梱包品を分岐した排出先に前記計量結果に応じて排出する排出装置と、
を備えることを特徴とするスティック状梱包品の二次梱包システム。
【請求項6】
前記第1および第2のハンドは、前記U字状の治具でピッキングしたスティック状梱包品の束を圧縮して絞った状態で二次梱包袋の袋口へそれらの治具ごと挿入し、挿入後に前記U字状の治具の互いの間隔を広げて、二次梱包袋を広げながらその袋内にスティック状梱包品の束を落下させることを特徴とする、請求項5記載のスティック状梱包品の二次梱包システム。
【請求項7】
前記第1のハンドおよび第2のハンドの一方は開閉制御により前記二次梱包品を把持および解放可能なチャックを有し、他方はON-OFF制御により前記空の二次梱包袋を吸着および解放可能な吸着パッドを有することを特徴とする、請求項5記載のスティック状梱包品の二次梱包システム。
【請求項8】
前記スティック状梱包品のピッキングシステムは、前記計量器での計量結果を撮影するカメラを備え、前記2本の多関節アームの制御装置は、そのカメラの撮影画像から前記計量器での計量結果がOKかNGかを判定し、前記排出装置は、その判定結果に対応する排出先に前記二次梱包品を排出することを特徴とする、請求項5記載のスティック状梱包品の二次梱包システム。
【請求項9】
前記スティック状梱包品のピッキングシステムの前記2本の多関節アームはそれらの先端部に、前記第1および第2のハンドが有するU字状の治具で把持しているスティック状梱包品の束の重量を計測する重量センサを備え、前記2本の多関節アームの制御装置は、それらの重量センサの出力データからそのスティック状梱包品の束の重量がOKかNGかを判定し、NGの場合には前記第1および第2のハンドは、そのスティック状梱包品の束を前記袋口開け装置に投入せずに、前記排出装置として所定スペースに排出することを特徴とする、請求項5記載のスティック状梱包品の二次梱包システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汎用の多関節ロボットと簡易な治具とが組み合わされて構成され、所定量の梱包対象が一次梱包袋内に充填されたスティック状梱包品を自動的に所定本数ずつ纏めてピッキングするピッキングシステムおよび、そのピッキングシステムでピッキングしたスティック状梱包品を二次梱包袋内に袋詰めする二次梱包システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スティック状の梱包袋内に梱包対象が充填される梱包形態は、砂糖などの粒状の食品を小分け包装する場合に幅広く使用されている。このようなスティック状梱包品は一般的に、専用の自動機であるスティック充填包装機により大量生産されている。その一方で、自動機により大量生産されたスティック状梱包品は、数十本ずつ纏めて束にされた状態で袋などの包装資材により二次梱包されて出荷される。
【0003】
スティック状梱包品の二次梱包を行う作業は、人の手での作業や、専用の大型機械を使用している。特許文献1では、スティック状のワークをU字状の装置に載せて束ね、滑り台や押し出し機構などを組み合わせて、カップ状の二次梱包資材に、長手方向に立てた状態で挿入している。
【0004】
その一方、専用の大型機械を使用しない手法として特許文献2や3では、2本の多関節アームを持つ汎用の双腕ロボットと簡易な装置とを組み合わせて梱包対象のピッキングや二次梱包を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-016336号公報
【文献】特開2019-014003号公報
【文献】特開2018-104004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、専用の大型機械による自動化では、スティック状の製品の仕様(本数や二次梱包資材)が変わった場合に、大規模な設備の変更が必要となる。
【0007】
その一方、双腕ロボットと簡易な装置とを組み合わせて梱包対象のピッキングや二次梱包を行う手法は、二次梱包を行う梱包対象として主に定形の物を取り扱っており、スティック状梱包品の束のような、形が一意に定まりにくいワークでは、ピッキングや二次梱包中の脱落防止の必要上、作業効率が極めて悪い。また、スティック状梱包袋内の梱包対象の量の変更や、スティック状梱包品の二次梱包本数の変更や、二次梱包資材としての袋の種類・形状の変更等には対応しにくい。
【0008】
それゆえ本発明は、既存の自動機(スティック充填包装機)と連結させて汎用の2本の多関節アームと周辺機器とを設置することで、スティック状梱包品の二次梱包用設備の大幅な小型化を可能とし、またスティック状梱包品の形状変更や数量変更時にも設備費用を抑え、プログラムの変更で異なるパターンの荷姿の二次梱包に対応できるスティック状梱包品のピッキングシステムおよび二次梱包システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を有利に解決する本発明のスティック状梱包品のピッキングシステムは、
各々制御装置で制御されるロボットの腕を構成する2本の多関節アームと、
前記2本の多関節アームの一方に設けられた第1のハンドと、
前記2本の多関節アームの他方に設けられた第2のハンドと、
スティック充填包装機から投入されたスティック状梱包品を所定本数ずつ粗纏めする集積ユニットと、
前記集積ユニットで粗纏めされた所定本数のスティック状梱包品を前記2本の多関節アームの前記第1および第2のハンドの共通の作業範囲内に搬送する搬送装置と、
を備え、
前記第1および第2のハンドは各々、互いに内向きに嵌合可能で、前記粗纏めされた所定本数のスティック状梱包品を束にして前記搬送装置からピッキングするU字状の治具を有することを特徴としている。
【0010】
また、前記課題を有利に解決する本発明のスティック状梱包品の二次梱包システムは、
前記スティック状梱包品のピッキングシステムに加えて、
前記ピッキングシステムの前記第1および第2のハンドの共通の作業範囲内に設置され、前記第1および第2のハンドの他方で供給された空の二次梱包袋を保持してその二次梱包袋の袋口を開け、その袋口から二次梱包袋内に前記第1および第2のハンドの前記U字状の治具で前記スティック状梱包品の束を投入される袋口開け装置と、
前記スティック状梱包品の束を投入されて収容した二次梱包品を前記袋口開け装置から前記第1および第2のハンドの一方で移載されて計量し、計量結果を出力する計量器と、
前記計量器から移載装置で移載された二次梱包品を分岐した排出先に前記計量結果に応じて排出する排出装置と、
を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のスティック状梱包品のピッキングシステムにあっては、集積ユニットが、スティック充填包装機から投入されたスティック状梱包品を所定本数ずつ粗纏めし、搬送装置が、その粗纏めされた所定本数のスティック状梱包品を第1および第2のハンドの共通の作業範囲内に搬送し、各々制御装置で制御されるロボットの腕を構成する2本の多関節アームが、第1および第2のハンドのU字状の治具を互いに内向きに嵌合させることで、前記共通の作業範囲内に搬送されたその粗纏めされた所定本数のスティック状梱包品を束にして搬送装置からピッキングする。
【0012】
従って、本発明のスティック状梱包品のピッキングシステムによれば、既存の自動機であるスティック充填包装機と連結させて汎用の2本の多関節アームと周辺機器としての集積ユニットおよび搬送装置とを設置することで、スティック状梱包品を第1のハンドおよび第2のハンドの互いに内向きに嵌合するU字状の治具で束にして脱落防止しつつ効率よくピッキングすることができ、しかもそれら第1および第2のハンドのU字状の治具の嵌合時の互いの間隔を変更することで、ピッキングするスティック状梱包品の形状変更や束の本数変更に容易に対応することができる。
【0013】
また、本発明のスティック状梱包品の二次梱包システムにあっては、前記スティック状梱包品のピッキングシステムの2本の多関節アームの第1および第2のハンドが、前記U字状の治具でピッキングしたスティック状梱包品の束を、前記第1および第2のハンドの共通の作業範囲内に設置された袋口開け装置が前記第1および第2のハンドの他方で供給されて保持するとともにその袋口を開いた二次梱包袋内に、前記U字状の治具の内側面で案内しながら投入し、次いで、前記2本の多関節アームの第1および第2のハンドの一方が、二次梱包袋内にスティック状梱包品の束を収容したその二次梱包品を、前記共通の作業範囲内に設置された計量器に搬送して計量し、その間に、前記第1および第2のハンドの他方が、前記袋口開け装置に、次のスティック状梱包品の束を収納するための空の二次梱包袋を供給する。
【0014】
そして計量器で計量された二次梱包品は、例えば前記第1および第2のハンドの一方で構成される移送装置で排出装置に移送され、計量器で所定重量範囲内と判明した二次梱包品は排出装置が合格品として、分岐した排出先のうちの所定排出先に排出し、その一方、計量器が所定重量範囲外と判明した二次梱包品は排出装置が不合格品として、分岐した排出先のうちの合格品と異なる所定排出先に排出する。
【0015】
従って、本発明のスティック状梱包品の二次梱包システムによれば、既存の自動機であるスティック充填包装機と連結させて、スティック状梱包品のピッキングシステムを構成する汎用の2本の多関節アームと集積ユニットと搬送装置とを設置するのに加えて、袋口開け装置と計量器と移送装置と排出装置とを設置することで、スティック状梱包品の二次梱包用設備の大幅な小型化を可能とし、またスティック状梱包品の形状変更や二次梱包本数変更時にも設備費用を抑え、2本の多関節アームの制御装置のプログラム変更で、異なるパターンの荷姿の二次梱包に柔軟に対応することができる。
【0016】
なお、本発明のスティック状梱包品のピッキングシステムにあっては、前記2本の多関節アームは、双腕ロボットの制御装置で作動制御される、その双腕ロボットの2本の腕であってもよい。このようにすれば、2本の多関節アームの設置と位置決めと制御とを纏めて行うことができる。
【0017】
また、本発明のスティック状梱包品のピッキングシステムにあっては、前記第1および第2のハンドのU字状の治具は各々、複数本の指が横並びで延在するフォーク状をなしていて、互いに向き合って接近すると一方の治具の指が他方の治具の指の間に嵌合可能なものであってもよいが、前記第1および第2のハンドのU字状の治具は各々、互いに剛性が異なる2枚の金属板が周方向に繋がった樋状をなしていて、互いに向き合って接近すると一方の治具の低剛性の金属板が弾性変形しながら他方の治具の高剛性の金属板の内側に入り込むことで互いに内向きに嵌合可能なものであってもよい。このような樋状の治具によれば、スティック状梱包品を束にしてピッキングする際の第1および第2のハンドのU字状の治具の間隔を容易に変更することができる。
【0018】
さらに、本発明のスティック状梱包品のピッキングシステムにあっては、前記第1および第2のハンドのU字状の治具は、粗纏めされたスティック状梱包品を囲う位置から、それらが置かれた搬送面に対し端辺を沿わせながら治具同士が接近する方向に移動させることで、スティック状梱包品を束にして把持するようにピッキングするものでもよい。このようにすれば、U字状の治具からの脱落を防止しながらスティック状梱包品を搬送でき、しかも、そのU字状の治具同士の間隔を変えてスティック状梱包品の圧縮量を調整することで、各スティック状梱包袋内の梱包対象の量の変更にも容易に対応することができる。
【0019】
また、本発明のスティック状梱包品の二次梱包システムにあっては、前記第1および第2のハンドは、前記U字状の治具でピッキングしたスティック状梱包品の束を圧縮して絞った状態で二次梱包袋の袋口へそれらの治具ごと挿入し、挿入後に前記U字状の治具の互いの間隔を広げて、二次梱包袋を広げながらその袋内にスティック状梱包品の束を落下させる動作を行うものでもよい。このようにすれば、スティック状梱包品の束の投入と併せて二次梱包袋のマチを広げることができるので、二次梱包袋内にスティック状梱包品の束を確実に収容することができる。
【0020】
さらに、本発明のスティック状梱包品の二次梱包システムにあっては、前記第1および第2のハンドの一方は開閉制御により前記二次梱包品を把持および解放可能なチャックを有し、他方はON-OFF制御により前記空の二次梱包袋を吸着および解放可能な吸着パッドを有していてもよい。このようにすれば、二次梱包品を一方のハンドのチャックで把持して袋口開け装置から計量器に搬送するのと並行して、新たな二次梱包袋を他方のハンドの吸着パッドで保持して袋口開け装置に装着することができるので、スティック状梱包品の二次梱包用設備を小型化しつつ、二次梱包の作業効率を高めることができる。
【0021】
さらに、本発明のスティック状梱包品の二次梱包システムにあっては、前記スティック状梱包品のピッキングシステムが、前記計量器での計量結果を撮影するカメラを備え、前記2本の多関節アームの制御装置は、そのカメラの撮影画像から前記計量器での計量結果がOKかNGかを判定し、前記排出装置は、その判定結果に対応する排出先に前記二次梱包品を排出するものとしてもよい。このようにすれば、計量器での二次梱包品の計量結果の判定およびその結果に基づく排出装置の制御を簡易かつ安価に行うことができる。
【0022】
この一方、本発明のスティック状梱包品の二次梱包システムにあっては、前記スティック状梱包品のピッキングシステムの前記2本の多関節アームがそれらの先端部に、前記第1および第2のハンドが有するU字状の治具で把持しているスティック状梱包品の束の重量を計測する重量センサを備え、前記2本の多関節アームの制御装置は、それらの重量センサの出力データからそのスティック状梱包品の束の重量がOKかNGかを判定し、NGの場合には前記第1および第2のハンドは、そのスティック状梱包品の束を前記袋口開け装置に投入せずに、前記排出装置として所定スペースに排出するものとしてもよい。このようにすれば、二次梱包袋への袋詰めを行う前に不良品の生産を回避して二次梱包品の生産品質を高めることができ、しかも専用の計量器と排出装置を不要として二次梱包システムの構成を簡易かつ安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1-b】は、本発明の一実施形態のスティック状梱包品のピッキングシステムを備える本発明の一実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムを模式的に示す斜視図および平面図である。
【
図2-b】は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムを模式的に示す側面図および正面図である。
【
図3】(a),(b),(c)および(d),(e)は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの双腕多関節ロボットの右腕のハンドとしてのエンドエフェクタを示す斜視図、側面図、その一部拡大図、およびそのエンドエフェクタのチャックの開状態と閉状態を示す作動説明図である。
【
図4】(a),(b),(c)および(d)は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの双腕多関節ロボットの左腕のハンドとしてのエンドエフェクタを示す斜視図、側面図、正面図、およびその一部拡大図である。
【
図5】(a)および(b)は、上記実施形態のスティック状梱包品のピッキングシステムの集積ユニットおよび作業コンベアを示す平面図およびその拡大図である。
【
図6】(a),(b)および(c)は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの袋ストッカーを示す斜視図、正面図および側面図である。
【
図7】上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの袋口開け装置を示す斜視図である。
【
図8】(a),(b)および(c)は、その袋口開け装置の動作を順次に示す説明図である。
【
図9】(a)および(b)は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの2つのU字状の治具が作業コンベアからスティック状梱包品を掬って把持する動作を示す説明図、(c)および(d)は、スティック状梱包品の束におけるスティック状梱包品の本数が標準の場合とそれより少ない場合との、2つのU字状の治具での把持状態を示す説明図である。
【
図10】(a)は、袋口開け装置が保持する袋の袋口に先端を圧縮して絞った状態のスティック状梱包品の束と一緒に2つのU字状の治具の先端を挿入する状態、(b)は、2つのU字状の治具を挿入する前の袋の状態、(c)は、2つのU字状の治具を袋に挿入した後に先端を開いて袋の折り畳まれているマチを広げた状態、(d)は、2つのU字状の治具をそのまま袋に挿入した状態を示す説明図である。
【
図11】(a)は、二次梱包品を計量器で計量するとともに計量済み二次梱包品を計量OK品の排出先に排出する状態、(b)は、二次梱包品を計量器で計量するとともに計量済み二次梱包品を計量NG品の排出先に排出する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。ここに、
図1-a,
図1-bは、本発明の一実施形態のスティック状梱包品のピッキングシステムを備える本発明の一実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムを模式的に示す斜視図および平面図である。
図2-a,
図2-bは、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムを模式的に示す側面図および正面図である。
図3(a),
図3(b),
図3(c)および
図3(d),
図3(e)は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの双腕多関節ロボットの右腕のハンドとしてのエンドエフェクタを示す斜視図、側面図、その一部拡大図、およびそのエンドエフェクタのチャックの開状態と閉状態を示す作動説明図である。そして
図4(a),
図4(b),
図4(c)および
図4(d)は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの双腕多関節ロボットの左腕のハンドとしてのエンドエフェクタを示す斜視図、側面図、正面図、およびその一部拡大図である。
【0025】
また、
図5(a)および
図5(b)は、上記実施形態のスティック状梱包品のピッキングシステムの集積ユニットおよび作業コンベアを示す平面図およびその拡大図である。
図6(a),
図6(b)および
図6(c)は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの袋ストッカーを示す斜視図、正面図および側面図である。
図7は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの袋口開け装置を示す斜視図である。そして
図8(a),
図8(b)および
図8(c)は、その袋口開け装置の動作を順次に示す説明図である。
【0026】
図9(a)および
図9(b)は、上記実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの2つのU字状の治具が作業コンベアからスティック状梱包品を掬って把持する動作を示す説明図、
図9(c)および
図9(d)は、スティック状梱包品の束におけるスティック状梱包品の本数が標準の場合とそれより少ない場合との、2つのU字状の治具での把持状態を示す説明図である。
図10(a)は、袋口開け装置が保持する袋の袋口に先端を圧縮して絞った状態のスティック状梱包品の束と一緒に2つのU字状の治具の先端を挿入する状態、
図10(b)は、2つのU字状の治具を挿入する前の袋の状態、
図10(c)は、2つのU字状の治具を袋に挿入した後に先端を開いて袋の折り畳まれているマチを広げた状態、
図10(d)は、2つのU字状の治具をそのまま袋に挿入した状態を示す説明図である。そして
図11(a)は、二次梱包品を計量器で計量するとともに計量済み二次梱包品を計量OK品の排出先に排出する状態、
図11(b)は、二次梱包品を計量器で計量するとともに計量済み二次梱包品を計量NG品の排出先に排出する状態を示す説明図である。
【0027】
この実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムは、双腕多関節ロボット1と、図示しないスティック充填包装機から供給される、例えば粉砂糖を梱包対象としたスティック砂糖の如きスティック状梱包品15の供給数をカウントして粗纏めし、整列させる集積ユニット9と、集積ユニット9で整列されたスティック状梱包品15を双腕多関節ロボット1の作業範囲内に供給する搬送装置としての作業コンベア12とを備えるこの発明の一実施形態のスティック状梱包品のピッキングシステムと、二次梱包用の袋16aをストックする袋ストッカー10と、袋16aの開口部付近を開口させ、その状態で保持する袋口開け装置11と、二次梱包品17の重量を計測する計量器13と、計量器13に隣接して位置し、計量した二次梱包品17を排出する排出装置14と、を有する。排出装置14は、排出経路を分岐させて、合格(OK)品と不合格(NG)品とで異なる排出先に排出することができる。双腕多関節ロボット1の頭部には、計量器13での計量結果から合格(OK)品と不合格(NG)品とを判定するためのステレオビジョンカメラ1aが取り付けられている。
【0028】
双腕多関節ロボット1は2本の多関節アームとしての右腕2aおよび左腕2bを持つ。右腕2aの先端には第1のハンドとしてのエンドエフェクタ3aが取り付けられ、エンドエフェクタ3aは、スティック状梱包品15を掬い上げるU字状の治具4と、スティック状梱包品15を袋詰めした二次梱包品17を把持するチャック5とを有する。チャック5はエアシリンダ5aと可動爪5bと固定爪5cとから構成されており、双腕多関節ロボット1の制御装置による開閉制御によりエアシリンダ5aのロッドが伸縮すると可動爪5bが移動して二次梱包品17を把持および解放する。U字状の治具4は、例えば剛性の高い通常のステンレス板金4aとバネの性質を持つ剛性の低い薄板4bとで樋状に構成されている。
【0029】
左腕2bの先端には第2のハンドとしてのエンドエフェクタ3bが取り付けられ、エンドエフェクタ3bは、スティック状梱包品15を掬い上げるU字状の治具6と、双腕多関節ロボット1の制御装置によるON-OFF制御により空の袋16aを吸着および解放する吸着パッド7と、袋口開け装置11を操作する袋口開閉爪8とを有する。U字状の治具6はU字状の治具4と同様に、通常のステンレス板金6aとバネの性質を持つ薄板6bとで樋状に構成される。治具6の、袋16aの開口部に挿入する側の形状は、挿入しやすいように先端部が尖った形とされる。
【0030】
集積ユニット9は、スティック状梱包品15が上記のスティック充填包装機から供給された本数をカウントするためのセンサ9aと、スティック状梱包品15を作業コンベア12上にシュートするための板金9bと、シュートされたスティック状梱包品15の端を当接させてその端を整えるための整列部9cとを有する。板金9bは、作業コンベア12に対して傾斜するように固定されており、作業コンベア12側の出口の間隔が入口よりも狭くなっている。
【0031】
作業コンベア12は、双腕多関節ロボット1へスティック状梱包品15を供給するコンベア12aと、袋ストッカー10と袋口開け装置11と計量器13と排出装置14とを設置した作業台12bとを有する。集積ユニット9と作業コンベア12は連携しており、センサ9aのカウントが一定数に達すると作業コンベア12はコンベア12aを間欠駆動してスティック状梱包品15を双腕多関節ロボット1の正面の、右腕2aと左腕2bの共通の作業範囲内に供給する。
【0032】
袋ストッカー10は、二次梱包用の袋16aを一定の位置に押し出す昇降部10aと、押し出された袋16aが飛び出ないようにするための留め板10bとを有する。昇降部10aは滑車10cとワイヤー10dとおもり10eとから構成される機構で、袋16aの枚数に関わらず常に一定の力を袋16aに加える。
【0033】
袋口開け装置11は、二次梱包用の袋16aを吸着保持するための吸着パッド11aと、スライド部11bと、双腕多関節ロボット1が袋口開け動作をするためのハンドル11cとを有する。スライド部11bは、スプリング機構が内蔵されており、双腕多関節ロボット1の袋口開閉爪8の動作でスライドし、袋口開閉爪8を離すと元の位置に戻る機能を有する。
【0034】
計量器13は基本的に、計量結果を画面表示等で出力する通常の市販品とするが、計量結果の範囲を設定でき、その結果が範囲内のものをOK、範囲外のものをNGと画面表示等で出力できるものとしてもよい。排出装置14は、例えば計量器13に繋がる樋状の排出経路をそのままに保つか、排出経路の側壁を倒したり降下させたりする操作や排出経路自体を水平に回転させて向きを変える操作等を行うことで、互いに異なる図示しないOK品とNG品の排出先に選択的に接続することができ、排出先は実工程に合わせてコンベアやシュータなどから選択することができる。
【0035】
以下、この実施形態のスティック状梱包品の二次梱包システムの作動について説明する。
(I)スティック状梱包品15の集積
(1)スティック充填包装機から排出されたスティック状梱包品15を集積ユニット9に供給する。
(2)集積ユニット9の板金9bは、傾斜が付けられているため、供給されたスティック状梱包品15は作業コンベア12上に滑り落ちるが、この時、作業コンベア12側の出口が狭くなっているため、スティック状梱包品15は、概略一纏まりに整列された状態で作業コンベア12上に滑り落ちる。また、整列部9cに当たることで、スティック状梱包品15の束の端が揃う。センサ9aはスティック状梱包品15の供給本数をカウントする。
(3)カウントが、操作者により予め設定された目標梱包本数に達したら、作業コンベア12を間欠駆動し、スティック状梱包品15を双腕多関節ロボット1の正面に送る。
【0036】
(II)袋の準備
(1)(I)の間に双腕多関節ロボット1は袋ストッカー10から左腕2bのエンドエフェクタ3bの吸着パッド7で空の袋16aを吸着して取り出す。
(2)左腕2bのエンドエフェクタ3bで空の袋16aを袋開け装置11の所定の位置に持ってゆく。
(3)エンドエフェクタ3bの袋口開閉爪8で、袋開け装置11の吸着パッド11aが袋16aの開口部付近の前後面を吸着するまでハンドル11cを押して吸着パッド11aを押し込む。
(4)双腕多関節ロボット1は左腕2bのエンドエフェクタ3bの吸着パッド7の吸着をオフ(OFF)にし、袋開け装置11から左腕2bのエンドエフェクタ3bを引き抜く。この時、押し込んだ吸着パッド11aがスライド部11bの機構で元の位置に戻ることで、袋16aの袋口が開く。
【0037】
(III)スティック状梱包品のピッキング
(1)双腕多関節ロボット1の前にスティック状梱包品15が供給されているかどうかを、双腕多関節ロボット1が頭部のステレオビジョンカメラ1aを使って認識する。
(2)供給されたスティック状梱包品15を双腕多関節ロボット1が右腕2aのエンドエフェクタ3aのU字状の治具4と左腕2bのエンドエフェクタ3bのU字状の治具6とを用いて作業コンベア12上から掬い取るようにして回収(ピッキング)する。
(3)掬い取って持ち上げる際に右腕2aのエンドエフェクタ3aのU字状の治具4と左腕2bのエンドエフェクタ3bのU字状の治具6との位置関係を調節し、スティック状梱包品15の束を適度に圧縮することで、動作の途中で落とすことなくスティック状梱包品15を把持することができる。
【0038】
今回用いているU字状の治具4,6は、通常のステンレス板金と薄いばね板との2種の板材を使用している。この構造により、スティック状梱包品15が変量した場合でも同じ治具である程度対応できる。例えば、スティック状梱包品15の本数が少ない時や、1本当たりの梱包対象の量が減った時等、回収したスティック状梱包品15の束を適度に圧縮することが望ましい場合には、通常の場合に比べて両手の位置関係を狭める必要がある。そこで、弾性変形できる素材を薄板4bと薄板6bに用いることにより、両手の位置関係を狭めても各々がばねの性質を持つ薄板4bと薄板6bとが変形することで、U字状の治具4,6同士が突き掛かることなく、スティック状梱包品15の束を適度に圧縮することができるようにしている。また、この回収作業を連続で行うためにはU字状の治具4とU字状の治具6とがその都度元の形状に戻る必要がある。そこでこの要素を満たす素材としてばね材を使用している。
【0039】
(IV)スティック状梱包品の袋詰め
(1)回収したスティック状梱包品15の束を右腕2aのエンドエフェクタ3aのU字状の治具4と左腕2bのエンドエフェクタ3bのU字状の治具6ごと袋16aに挿入する。この時双腕2a,2bの動作でU字状の治具4,6の先端を圧縮し、絞ることでU字状の治具4,6を袋16aに挿入しやすくする。
【0040】
(2)袋口開け装置11にセットされている袋16aは、吸着パッド11aの位置を調整するだけで袋の多品種対応ができるように、袋の開口部付近を吸着パット11aで吸着して開口させているが、それゆえ袋16aの奥は完全に開いてはいない。この状態でスティック状梱包品15の束を挿入すると袋16aのマチ16b等に接触してスティック状梱包品15が飛び出してしまい、正しい梱包状態とならない。そこでこの実施形態の二次梱包システムでは、U字状の治具4とU字状の治具6とで内側から袋16aを開くことで、折り畳まれているマチ16bを開き、袋16aの内面とスティック状梱包品15との接触や摩擦を減らしており、これにより、スティック状梱包品15の束を綺麗に二次梱包袋16に袋詰めすることができる。
【0041】
(V)計量
(1)二次梱包品17を右腕2aのエンドエフェクタ3aのチャック5で把持して袋開け装置11から取り出す。
(2)計量器13に置いてある前回袋詰めした二次梱包品17aの計量結果を、双腕多関節ロボット1の頭部のステレオビジョンカメラ1aを用いて確認する。なお、初回は計量器13に前回袋詰めした二次梱包品17aが置かれていないため、あらかじめスティック状梱包品15の束を袋詰めしてある二次梱包品17を計量器13に置き、計量結果は次回の袋詰めした二次梱包品17を計量器13に置く前に確認する。
(3)今回袋詰めした二次梱包品17を右腕2aのエンドエフェクタ3aで計量器13に移動させてからチャック5を開き、今回袋詰めした二次梱包品17を計量器13に置く。この時同時に、計量を終えた前回袋詰めした二次梱包品17aを右腕2aのエンドエフェクタ3aのチャック5の背面で押して、計量器13から排出装置14の樋状の排出経路上に移動させる。従って、右腕2aのエンドエフェクタ3aは移載装置としても機能する。
【0042】
(VI)二次梱包品の排出
(V)の双腕多関節ロボット1の頭部のステレオビジョンカメラ1aを用いて確認した計量結果から双腕多関節ロボット1の図示しない制御装置が、あらかじめ与えられたプログラムに基づき二次梱包品17が正常品かNG品かを判別し、その判別結果に応じて右腕2aのエンドエフェクタ3aで排出装置14の排出経路を操作して、その排出経路を所定の排出先に繋げ、その排出経路上の二次梱包品17を右腕2aのエンドエフェクタ3aのチャック5を用いて押して所定の排出先に排出する。なお、二次梱包品17が正常品かNG品かの判別を計量器13自体が行って判別結果を画面表示等で出力してもよく、その場合には、その判別結果を双腕多関節ロボット1の制御装置が、頭部のステレオビジョンカメラ1aを用いて確認し、その判別結果に応じて右腕2aのエンドエフェクタ3aで排出装置14を操作するとともに二次梱包品17を排出先に排出してもよい。
【0043】
その他、(V)の計量工程の別の実施例として、双腕多関節ロボット1の例えば右腕2aの手首部やエンドエフェクタ3aに計量を行うためのセンサを取り付けることで、ピッキング時に同時に計量を行うことも可能である。このようにすれば、何らかの要因でピッキングに失敗して規定の重量を把持できていない場合に、そのスティック状梱包品15の束を双腕多関節ロボット1の近傍の所定のエラー排出場所に排除し、(IV)の袋詰め作業自体をスキップすることで、袋詰めを行う前に未然に不良品を生産しないようなシステムを構成することができる。
【0044】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができ、例えば、2本の多関節アームを、双腕多関節ロボット1の双腕で構成する代わりに独立した2台の多関節ロボットで構成してもよい。
【0045】
また、二次梱包品を排出装置に移載する移載装置を、上記実施形態では第1のハンドで構成したが、計量器または排出装置に設けられて例えば第1のハンドで操作され、二次梱包品を計量器から排出経路に移動させるスライド部材等で構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
かくしてこの発明のスティック状梱包品のピッキングシステムによれば、既存の自動機であるスティック充填包装機と連結させて汎用の2本の多関節アームと周辺機器としての集積ユニットおよび搬送装置とを設置することで、スティック状梱包品を第1のハンドおよび第2のハンドの互いに内向きに嵌合するU字状の治具で束にして脱落防止しつつ効率よくピッキングすることができ、しかもそれら第1および第2のハンドのU字状の治具の嵌合時の互いの間隔を変更することで、ピッキングするスティック状梱包品の形状変更や束の本数変更に容易に対応することができる。
【0047】
また、本発明のスティック状梱包品の二次梱包システムによれば、既存の自動機であるスティック充填包装機と連結させて、スティック状梱包品のピッキングシステムを構成する汎用の2本の多関節アームと集積ユニットと搬送装置とを設置するのに加えて、袋口開け装置と計量器と移載装置と排出装置とを設置することで、スティック状梱包品の二次梱包用設備の大幅な小型化を可能とし、またスティック状梱包品の形状変更や二次梱包本数変更時にも設備費用を抑え、2本の多関節アームの制御装置のプログラム変更で、異なるパターンの荷姿の二次梱包に柔軟に対応することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 双腕多関節ロボット
1a ステレオビジョンカメラ
2a 右腕
2b 左腕
3a エンドエフェクタ
3b エンドエフェクタ
4 U字状の治具
4a ステンレス板金
4b 薄板
5 チャック
5a エアシリンダ
5b 可動爪
5c 固定爪
6 U字状の治具
6a ステンレス板金
6b 薄板
7 吸着パッド
8 袋口開閉爪
9 集積ユニット
9a センサ
9b 板金
9c 整列部
10 袋ストッカー
10a 昇降部
10b 留め板
10c 滑車
10d ワイヤー
10e おもり
11 袋口開け装置
11a 吸着パッド
11b スライド部
11c ハンドル
12 作業コンベア
12a コンベア
12b 作業台
13 計量器
14 排出装置
15 スティック状梱包品
16a 袋
16b マチ
17 二次梱包品
17a 前回袋詰めした二次梱包品
【要約】
【課題】二次梱包用設備の大幅な小型化を可能とし、スティック状梱包品の形状や数量の変更にも容易に対応し得るシステムを提供する。
【解決手段】ロボットの腕を構成する2本の多関節アームの一方に設けられた第1のハンドおよび他方に設けられた第2のハンドが各々有するU字状の治具と、スティック状梱包品を所定本数ずつ粗纏めする集積ユニットと、集積ユニットで粗纏めされた所定本数のスティック状梱包品を第1および第2のハンドの共通の作業範囲内に搬送する搬送装置と、二次梱包袋の袋口を開け、第1および第2のハンドのU字状の治具が搬送装置からピッキングしたスティック状梱包品の束をその袋内に投入される袋口開け装置と、スティック状梱包品の束を収容した二次梱包品を計量し、計量結果を出力する計量器と、その計量結果に応じて二次梱包品を排出する排出装置とを備える、スティック状梱包品の二次梱包システムである。
【選択図】
図1-a