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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】電気車充電用ケーブル
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/42 20060101AFI20230814BHJP
   B60L 53/18 20190101ALI20230814BHJP
   B60L 53/66 20190101ALI20230814BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230814BHJP
   H02G 15/34 20060101ALI20230814BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20230814BHJP
【FI】
H01B7/42 C
B60L53/18
B60L53/66
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
H02G15/34
H01B7/00 310
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022515094
(86)(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 KR2020011936
(87)【国際公開番号】W WO2021045560
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】10-2019-0109891
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0112883
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513096691
【氏名又は名称】エルエス ケーブル アンド システム リミテッド.
(73)【特許権者】
【識別番号】522087763
【氏名又は名称】エルエス、イーブイ、コリア、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS EV KOREA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【弁理士】
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョンウン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェボク
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ドンギュン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ウクヨル
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-018748(JP,A)
【文献】特開昭59-184408(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0096259(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/42
B60L 53/18
B60L 53/66
H02J 7/00
H02G 15/34
H01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車充電器と電気車充電のためのケーブルコネクターとを連結する電気車充電用ケーブルであって、
前記電気車充電器から前記ケーブルコネクターの方向に供給された冷却流体が内側で流動する流体管を含む一対の冷却部と、
それぞれ一対の前記冷却部の周囲に沿って配置される複数の導体、前記導体の外側を包む絶縁層、及び前記冷却部と前記絶縁層との間の熱伝導性材料を含む一対の電力ユニットと、
一対の前記電力ユニットの外側を包むケーブルジャケットとを含
前記熱伝導性材料の粘度は常温を基準に10 cp~10 cpであり、
前記ケーブルジャケットの内部に接地導体及び前記接地導体を包む絶縁層を備える少なくとも一つの接地ユニットを含み、
一対の前記冷却部から供給された冷却流体が前記ケーブルコネクターの付近から前記電気車充電器の方向に回収される流体管からなる冷却流体回収部を含み、
前記冷却流体回収部は一対の前記電力ユニットに外接し、前記接地ユニットの反対側に備えられることを特徴とする、電気車充電用ケーブル。
【請求項2】
前記熱伝導性材料の熱伝導度は0.5W/m・K以上であることを特徴とする、請求項に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項3】
前記熱伝導性材料はシロキサンポリマーと熱伝導性金属酸化物との混合物からなることを特徴とする、請求項に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項4】
前記冷却部または前記冷却流体回収部の流体管は、高耐熱プラスチック、ナイロン、ペルフルオロアルコキシアルカン(Perfluoroalkoxy alkane、PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、PolyTetra FluoroEthylene)素材またはウレタン素材からなることを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項5】
前記電力ユニットの導体は複数の素線導体が集合された集合導体であることを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項6】
前記電力ユニットを構成する複数の導体は前記冷却部の周囲に沿って配置される複数の導体からなる導体層の外径の9倍~11倍の大きさの複合ピッチを有するように前記冷却部の周囲に横巻きされることを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項7】
前記電力ユニット及び前記接地ユニットは、前記電力ユニットの外径の17倍~23倍の大きさの撚合ピッチを有するように撚合されることを特徴とする、請求項に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項8】
通信用導体及び前記通信用導体を包む絶縁層を含む通信ユニットを少なくとも一つ含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項9】
前記通信ユニットは前記電力ユニットまたは前記接地ユニットより直径が小さく、前記電力ユニットと前記接地ユニットの中心を連結する三角形の外側に配置されることを特徴とする、請求項に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項10】
前記ケーブルジャケットの表面温度が50℃以下になるように、前記電気車充電器から供給される冷却流体の温度及び流量が決定されることを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項11】
前記ケーブルジャケットは充実型であることを特徴とする、請求項1に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項12】
前記熱伝導性材料の熱伝導度は、0.5W/m・K~5.0W/m・Kであることを特徴とする、請求項3に記載の電気車充電用ケーブル。
【請求項13】
電気車充電器と電気車充電のためのケーブルコネクターとを連結する電気車充電用ケーブルであって、
絶縁層の内部に複数の集合導体が円周方向に配置された一対の電力ユニットと、
電気車充電器で冷却された冷却流体が前記電気車充電器と前記ケーブルコネクターとの間で前記電気車充電器から前記ケーブルコネクターの方向に流動し、前記電力ユニットの集合導体の内側に配置され、集合導体で発生する熱を冷却するための一対の流体管とを含み、
前記集合導体の通電の際に発生する熱の前記流体管の方向への伝逹効率を向上させるために、前記電力ユニットを構成する集合導体の間に充填される熱伝導性材料と、
前記電力ユニットの外側を包む充実型ケーブルジャケットとを含
前記熱伝導性材料の粘度は常温を基準に10 cp~10 cpであり、
前記ケーブルジャケットの内部に接地導体及び前記接地導体を包む絶縁層を備える少なくとも一つの接地ユニットを含み、
一対の前記流体管から供給された冷却流体が前記ケーブルコネクターの付近から前記電気車充電器の方向に回収される冷却流体回収部を含み、
前記冷却流体回収部は一対の前記電力ユニットに外接し、前記接地ユニットの反対側に備えられることを特徴とする、電気車充電用ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷却機能を備えた電気車充電用ケーブルに関する。より具体的には、本発明は、電気車の充電の際、電気車充電用ケーブルで発生する熱を冷却流体で効率的に冷却させ、冷却流体とともに熱伝導性材料を付け加えて冷却性能を向上させることにより、熱による内部構成の損傷を防止し、火災などの安全事故を予防し、ケーブルの直径を最小化することができる電気車充電用ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
電気車の普及とともに電気車充電器の設置が拡がっている。そして、短時間内の充電ができるように急速充電の可能な急速充電器が普及されている。緩速充電と違い、急速充電のための急速充電器の出力電圧は直流50V~450Vの範囲であり、出力電流は110Aに達し、前記急速充電器を介して電気車を充電するのにかかる時間は50分程度に過ぎない。電気車のバッテリー容量及び充電技術によって急速充電器の出力電流は増加すると予想される。
【0003】
このような急速充電器は、本体に電気車充電用ケーブルが連結され、充電用ケーブル端部にケーブルコネクターが装着され、ケーブルのコネクターを電気車に備えられた電気車コネクターに装着し、電気車充電器から電気車に電気を供給することになる。
【0004】
このような急速充電器は出力電流が100A以上であるので、これを電気車に伝達する電気車充電用ケーブルの発熱が問題となることがある。電気車充電用ケーブルで発生する熱を最小化するためには、電気車ケーブルの導体の直径を増加させるなどの方法があるが、発熱を充分に減少させにくく、電気車充電用ケーブルの重さを増加させる問題がある。
【0005】
電気車充電用ケーブルで発生する熱は火災の危険を増加させることができる。また、電気車充電のためにケーブルコネクターを電気車コネクターに装着するか電気車コネクターからケーブルコネクターを分離して充電器に据え置く過程で充電用ケーブルが使用者の身体に接触することがあり、充電用ケーブルの発熱が激しい場合、使用者の負傷、不快感または不安感を引き起こすことができるので好ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電気車の充電の際、電気車充電用ケーブルで発生する熱を冷却流体で効率的に冷却させ、冷却流体とともに熱伝導性材料を付け加えて冷却性能を向上させることにより、熱による内部構成の損傷を防止し、火災などの安全事故を予防し、ケーブルの直径を最小化することができる電気車充電用ケーブルを提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、電気車充電器本体と電気車充電のためのケーブルコネクターとを連結する電気車充電用ケーブルであって、冷却流体が内側で流動する流体管を含む冷却部と、前記冷却部の周囲に沿って配置される複数の導体、前記導体の外側を包む絶縁層、及び前記冷却部と前記絶縁層との間の熱伝導性材料を含む複数の電力ユニットと、前記電力ユニットの外側を包むケーブルジャケットとを含む電気車充電用ケーブルを提供することができる。
【0008】
また、前記熱伝導性材料の粘度は、常温を基準に、10cp~10cpであることができる。
【0009】
そして、前記熱伝導性材料の熱伝導度は0.5W/m・K以上であることができる。
【0010】
ここで、前記熱伝導性材料はシロキサンポリマーと熱伝導性金属酸化物との混合物からなることができる。
【0011】
この場合、前記電力ユニットは一対の電力ユニットを含み、一対の前記電力ユニットの内側の前記冷却部の冷却流体の流動方向は互いに反対方向であることができる。
【0012】
そして、前記ケーブルジャケットの内部に接地導体及び前記接地導体を包む絶縁層を備える少なくとも一つの接地ユニットをさらに含むことができる。
【0013】
また、前記電力ユニットは一対の電力ユニットを含み、一対の前記冷却部は前記電気車充電器から前記ケーブルコネクターの方向に供給される冷却流体が流動することができる。
【0014】
そして、一対の前記冷却部から供給された冷却流体を前記ケーブルコネクターの付近から前記電気車充電器の方向に回収する冷却流体回収部をさらに含むことができる。
【0015】
ここで、前記冷却流体回収部は一対の前記電力ユニットに外接し、前記接地ユニットの反対側に備えられることができる。
【0016】
この場合、前記冷却部または前記冷却流体回収部の流体管は、高耐熱プラスチック、ナイロン、ペルフルオロアルコキシアルカン(Perfluoroalkoxy alkane、PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、PolyTetra FluoroEthylene)素材またはウレタン素材からなることができる。
【0017】
そして、前記電力ユニットの導体は複数の素線導体が集合された集合導体であることができる。
【0018】
そして、前記電力ユニットを構成する複数の導体は前記冷却部の周囲に沿って配置される複数の導体からなる導体層の外径の9倍~11倍の大きさの複合ピッチを有するように前記冷却部の周囲に横巻きされることができる。
【0019】
ここで、前記電力ユニット及び前記接地ユニットは、前記電力ユニットの外径の17倍~23倍の大きさの撚合ピッチを有するように撚合されることができる。
【0020】
この場合、通信用導体及び前記通信用導体を包む絶縁層を含む通信ユニットを少なくとも一つ含むことができる。
【0021】
そして、前記通信ユニットは前記電力ユニットまたは前記接地ユニットより直径が小さく、前記通信ユニットと前記接地ユニットの中心を連結する三角形の外側に配置されることができる。
【0022】
ここで、前記ケーブルジャケットの表面温度が50℃以下になるように、前記電気車充電器から供給される冷却流体の温度及び流量が決定されることができる。
【0023】
この場合、前記ケーブルジャケットは充実型であることができる。
【0024】
そして、前記熱伝導性材料の熱伝導度は、好ましくは0.5W/m・K~5.0W/m・Kであることができる。
【0025】
また、前記課題を解決するために、本発明は、電気車充電器本体と電気車充電のためのケーブルコネクターとを連結する電気車充電用ケーブルであって、絶縁層の内部に複数の集合導体が円周方向に配置された一対の電力ユニットと、電気車充電器本体で冷却された冷却流体が電気車充電器とケーブルコネクターとの間で所定の方向に流動し、前記電力ユニットの集合導体の内側に配置されて集合導体で発生する熱を冷却するための一対の流体管とを含み、前記集合導体の通電の際に発生する熱の前記流体管の方向への伝逹効率を向上させるために、前記電力ユニットを構成する集合導体の間に充填される熱伝導性材料と、
【0026】
前記電力ユニットの外側を包む充実型ケーブルジャケットとを含む電気車充電用ケーブルを提供することができる。
【0027】
そして、前記電力ユニット内に備えられる一対の流体管の中で第1流体管を通して流動する冷却流体は電気車充電器からケーブルコネクターの方向に供給され、第2流体管を通して流動する冷却流体はケーブルコネクターから電気車充電器の方向に回収されることができる。
【0028】
ここで、前記電力ユニット内に備えられる一対の流体管を通して流動する冷却流体は電気車充電器からケーブルコネクターの方向に供給され、一対の前記電力ユニットの絶縁層に外接する位置に、前記ケーブルコネクターの付近で回収された冷却流体が前記電気車充電器の方向に流動する冷却流体回収部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明による電気車充電用ケーブルによれば、電気車の急速充電の際、電気車充電用ケーブルで発生する熱を冷却流体で効率的に冷却させることができる。
【0030】
より具体的には、本発明による電気車充電用ケーブルによれば、一対の電力ユニットの中心部に冷却部をそれぞれ備えて安定的な冷却性能を確保することができる。
【0031】
また、本発明による電気車充電用ケーブルによれば、電力ユニットを構成する導体の間に熱伝導性材料を充填することにより、導体の通電の際、導体で発生する熱が冷却流体の流動する冷却部に早く伝逹されるようにして冷却性能を一層向上させることができる。
【0032】
また、本発明による電気車充電用ケーブルによれば、電力ユニット自体に冷却流路を備えることにより、電力ユニットとは別に冷却管を備える技術より電気車充電用ケーブルの全体直径を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】電気車と電気車充電器を示す図である。
図2】電気車に備えられる電気車コネクターと電気車充電用ケーブルを連結するケーブルコネクターを示す図である。
図3】本発明による電気車充電用ケーブルの断面図である。
図4図3に示す実施例の冷却部を備えた電力ユニットの拡大断面図である。
図5】電気車充電用ケーブルの電力ユニット導体の間に熱伝導性材料が注入されずに空間として形成される比較例と、電力ユニット導体の間に熱伝導性材料が注入された本発明の一実施例の通電試験結果グラフである。
図6】本発明による電気車充電用ケーブルの他の実施例を示す図である。
図7】本発明による電気車充電用ケーブルのさらに他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。しかし、本発明はここで説明する実施例に限定されず、他の形態に具体化することもできる。むしろ、ここで紹介する実施例は開示する内容が徹底的で完全になるように、かつ当業者に発明の思想が充分に伝達されるようにするために提供するものである。明細書全般にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【0035】
図1は電気車evと電気車充電器300を示す。
【0036】
電気車充電器300は、電気車に電力を供給するために、ケーブルコネクター200と電気車充電用ケーブル100を介して連結され、電気車充電用ケーブル100の端部にはケーブルコネクター200が備えられる。
【0037】
ケーブルコネクター200は電気車evに備えられた電気車コネクター400に装着されて電力を供給することができ、急速充電器の場合、短時間に電気車の充電を完了することができる。
【0038】
電気車充電器300と電気車evとを電気的に連結する電気車充電用ケーブル100は大きな電流容量によって熱が発生することができ、火災の危険または使用者不安感などの解消のために、本発明による電気車充電用ケーブル100は冷却流体で電気車充電用ケーブル100を冷却させる方法を使う。
【0039】
図2は電気車に備えられる電気車コネクター400と電気車充電用ケーブル100とを連結したケーブルコネクター200を示す。図2に示すケーブルコネクターは単一化標準の一つであるアメリカ・ヨーロッパ型‘コンボ’方式のコネクターで、単一のコネクターによって交流方式の緩速充電及び直流方式の急速充電のいずれも可能な形態のコネクターであり、本発明による電気車充電用ケーブル100の適用が可能である。
【0040】
しかし、本発明による電気車充電用ケーブル100は、図2に示すアメリカ・ヨーロッパ型‘コンボ’方式の他にも、日本‘チァデモ(CHAdeMO)’方式、またはルノ‘交流3相’方式またはその他の方式のケーブルコネクターにも適用可能である。
【0041】
図2に示すように、本発明による電気車充電用ケーブル100の端部にはケーブルコネクター200が装着され、前記ケーブルコネクター200は電気車evに備えられる電気車コネクター400に着脱可能に装着されることができる構造を有する。
【0042】
‘コンボ’方式のケーブルコネクターは交流方式または直流方式のコネクターが一体化し、それぞれのコネクターには交流充電部210、410と直流充電部230、430とがそれぞれ備えられる。
【0043】
このようなケーブルコネクターに連結された電気車充電用ケーブル100は急速充電の際に大きな電流量によって発熱が問題となることがあるので、本発明による電気車充電用ケーブル100は冷却流体を使って発熱問題を解決した。
【0044】
冷却流体を使用して電気車充電用ケーブル100を冷却する構造は既に紹介されたことがあるが、別途の冷却流体流路が電気車充電用ケーブル100内に備えられなければならないので、冷却効率が落ち、電気車充電用ケーブル100の直径が大きくなる問題があった。
【0045】
本発明による電気車充電用ケーブル100は、電気車充電用ケーブル100を構成するそれぞれの電力ユニットの内部に流体管を備える冷却部を配置することにより、冷却部の外周面全体で吸熱するようにして冷却効率を向上させ、電気車充電用ケーブル100の直径を最小化しながらも安定的な冷却性能を確保した。これについて具体的に説明する。
【0046】
図3は本発明による電気車充電用ケーブル100の断面図を示し、図4図3に示す実施例の冷却部が備えた電力ユニットの拡大断面図である。
【0047】
本発明による電気車充電用ケーブル100は、電気車充電器本体と電気車充電のためのケーブルコネクターとを連結し、冷却流体が内側で流動する流体管83を含む冷却部80と、前記冷却部80の周囲に沿って配置される複数の導体1、前記導体の外側を包む絶縁層13、及び前記冷却部と前記絶縁層との間の熱伝導性材料14を含む複数の電力ユニット10と、接地導体21及び前記接地導体を包む絶縁層23を備える少なくとも一つの接地ユニット20と、前記電力ユニット10及び前記接地ユニット20の外側を包むケーブルジャケット70とを含んでなることができる。
【0048】
電気車充電用ケーブル100において、主に発熱が問題となる部分は電力を供給するための電力ユニット10a、10bであり、本発明による電気車充電用ケーブル100の電力ユニットは内部に冷却部80a、80bをそれぞれ備える特徴を有する。
【0049】
前記冷却部80は、冷却流体が内側の冷却流路81a、81bに沿って流動する流体管83a、83bを含んでなることができる。
【0050】
前記流体管83a、83bは、内径が3.5ミリメートル(mm)~9.5ミリメートル(mm)、外径が5.5ミリメートル(mm)~12ミリメートル(mm)であることができ、素材は高耐熱プラスチック、ナイロン、ペルフルオロアルコキシアルカン(Perfluoroalkoxy alkane、PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、PolyTetra FluoroEthylene)素材またはウレタン素材からなることができる。
【0051】
前記流体管83a、83bの大きさに関連して、前記流体管83a、83bの外径が5.5.ミリメートル(mm)~12ミリメートル(mm)の場合、内径が3.5ミリメートル(mm)より小さければ、流体管の厚さが余りに厚い場合に相当し、導体で発生する熱が冷却流体に円滑に伝達されなくて冷却性能が低下し、反対に流体管83a、83bの厚さが余りに小さければ、電気車充電用ケーブルの反復的なベンディングの際に流体管83a、83bのクラック発生またはそれによる冷却流体漏洩の可能性が増加することが確認された。よって、前述した範囲で素材または冷却負荷などによって流体管の内径及び外径の大きさを適切に決定することが好ましい。
【0052】
前記冷却部80a、80bの内側の冷却流路81a、81bを通して流動する冷却流体は冷却及び流動の可能な液体形態として提供されることができる。冷却流体は純粋な水以外にも、エチレングリコール、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩などの無機系添加剤、凍結防止剤、腐食防止剤、高温安全性向上剤、泡防止剤またはアルカリ性添加物の中で少なくとも1種以上が添加された形態の冷却液であることができ、電気車充電器の設置環境によって多様な液体を選定して使うことができる。また、冷却流体は水以外のオイルをベースとして構成されることができ、それによる多様な添加物が添加できる。
【0053】
前記冷却部の外側には複数の導体11a、11bが備えられることができる。前記導体11a、11bは単一導体または複数の素線導体が集合された集合導体であることができる。前記導体11a、11bの素材は伝導性の良い銅または銅合金素材からなることができる。
【0054】
図3に示す実施例は導体が集合導体からなる例を示すが、これに限定されない。導体を集合導体から構成する場合、図3に示すように、数十本の素線導体が集合されて構成されることができる。
【0055】
そして、複数の導体は、前記冷却部80a、80bの周囲に、前記冷却部の周囲に沿って配置される複数の導体からなる導体層の外径の9倍~11倍大きさの複合ピッチを有するように横巻きされて配置されることができる。
【0056】
前記複合ピッチが9倍より小さい場合、ピッチ方向に対するねじりに対する抵抗性が大きいため柔軟性が低下することがあり、複合ピッチが11倍より大きい場合、ベンディングによるストレスに弱くなって長期的耐久性に問題が発生することがある。
【0057】
そして、前記導体層の外側には導体層を包むテーピング層12がさらに備えられることができる。
【0058】
前記テーピング層12の外側には絶縁層13a、13bが備えられることができ、一対の電力ユニットの絶縁層は互いに異なる色相を有することができる。前記絶縁層の素材は、合成樹脂、例えばIEC 62893規格によるゴムまたはプラスチック素材からなることができる。
【0059】
そして、本発明による電気車充電用ケーブル100は、導体の通電の際に発生した熱が早く冷却部に伝達されるようにするために、導体間の空間に熱伝導性材料を備えることができる。
【0060】
前記熱伝導性材料は、例えばサーマルコンパウンド状の材料であることができ、フレキシブルなケーブルの導体の間に注入されなければならないので、ある程度の流動性を確保しなければならない。
【0061】
前記熱伝導性材料の熱伝導度は0.5W/m・K以上であることができ、より好ましくは0.5W/m・K~5.0W/m・K程度であることができる。
【0062】
前記熱伝導性材料の熱伝導度が0.5W/m・Kより小さければ、冷却部の性能が低下してケーブルジャケットの温度が上昇し、電力ユニットの側面では局部的で持続的な熱伝逹によって絶縁体の寿命が減るか熱伝導性材料の老化発生の可能性があり、5.0W/m・Kより大きい場合、ケーブル製造コストが大きく増加するか、後述する流動性または粘度条件を一緒に満たしにくいことが確認された。
【0063】
前記熱伝導性材料は、例えばシロキサンポリマーと熱伝導性金属酸化物の混合物からなることができるが、ある程度の流動性及び熱伝導性を有する多様な素材から構成されることができる。
【0064】
ある程度の柔軟性を保障しなければならない電気車充電用ケーブル100を構成するための前記熱伝導性材料の粘度は、常温(20℃)を基準に10cp~10cp程度を満たすことが好ましい。粘度が10cpより小さければ、流動性が余りに大きくなって導体層を取り囲むテーピング層12の外に遺失して、熱伝導性材料が導体の間に均一に充填された状態を維持することができないので、冷却効果が減少することがあり、粘度が10cpより大きければ、電気車充電用ケーブル100の柔軟性が減少し、ケーブルの反復的な曲がり及び移動が発生する使用環境の特性上、熱伝導性材料のクラックなどが発生して熱伝導性能が低下することがあるからである。
【0065】
図4に示すように、熱伝導性材料は導体または集合導体を構成する素線導体の間に注入され、導体発熱の際に導体の熱qを速かに収集して、冷却部を流動する冷却流体に伝達して冷却性能を一層向上させることができる。
【0066】
すなわち、導体の間を空間に構成すれば、導体の外周面から流体管の方向に放射される熱が流体管の方向には容易に伝達されるが、その他の方向に放射される熱は冷却部の方向に伝達されにくいか熱伝逹時間が大きくなることができる。
【0067】
しかし、前記導体の間に熱伝導性材料14が充填される場合、熱伝導性材料を介して熱qの移動及び伝達が速くなり、冷却部を流動する冷却流体の熱交換効率を向上させることができる。
【0068】
特に、前記冷却部80を構成する流体管の外周面に配置された導体は円周方向に隙間なく配置されることもできるが、少なくとも一部は離隔して配置されることができる。このような離隔した隙間に熱伝導性材料が充填されれば、導体で発生した熱の冷却部80への熱伝逹経路が一層拡がって冷却性能が一層向上することができる。
【0069】
前記電力ユニット10a、10bの内部に備えられる冷却部80a、80bを流動する冷却流体は図1の充電器300から流体管83a、83bに沿って流動し、電力ユニット10a、10bまたはケーブルコネクター端子などで発生する熱を冷却した後、図1の充電器300に回収されて冷却された後、再循環することができる。
【0070】
したがって、前記電力ユニット10a、10b、ケーブルコネクターなどの冷却に使用された冷却流体は電力ユニットの冷却部80a、80bに沿って流動し、電力ユニット10a、10b及びケーブルコネクターの冷却の後、ケーブルコネクターの付近で流路方向が変更され、電力ユニットの外側に備えられた別途の冷却流体回収部80cによって充電器300に回収されることができる。
【0071】
前記冷却流体回収部80cは、冷却部と同様に、内部に冷却流体が回収される回収流路81cが備えられ、回収流路81cを形成する流体管83cを含んでなることができる。
【0072】
すなわち、図3に示す実施例は、後述する図5に示す実施例と違い、前記電力ユニット10a、10bは一対からなり、一対の電力ユニット10a、10bの内部にそれぞれ備えられた冷却部80a、80bの内部を流動する冷却流体は前記電気車充電器から前記ケーブルコネクターの方向に供給され、一対の前記冷却部80a、80bを介してケーブルコネクターの方向に供給された冷却流体は、前記ケーブルコネクターの付近から前記電気車充電器の方向に回収する冷却流体回収部80cによって回収されることができる。
【0073】
したがって、一対の前記冷却部80a、80bを通して供給される冷却流体の流動方向は電気車充電器からケーブルコネクターへの方向と同一であり、冷却流体回収部80cの冷却流体の流動方向はその反対であることができる。
【0074】
このように、発熱の激しいそれぞれの電力ユニット10a、10bの内部に独立的な冷却部80a、80bを配置し、別途の冷却流体回収部80cによって冷却流体を回収する方法によって、高容量化及び高速化している充電器の発熱を安定的に緩和することができる。
【0075】
また、前記冷却流体回収部80cは、冷却流体を回収する機能の他にも、一対の電力ユニット10a、10bに外接するように配置されて冷却流体を回収する過程でも電力ユニット10a、10bを冷却させる機能を果たすことができる。
【0076】
そして、冷却流体回収のための冷却流体回収部80cは、一対の電力ユニット10a、10bを基準に接地ユニット20の反対側に配置されることにより、電気車充電用ケーブル100の内部の空間を最小化し、真円度を向上させ、電気車充電用ケーブル100の全体外径の減少に寄与することができる。
【0077】
前記冷却流体回収部80cは、高耐熱プラスチック、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、PolyTetra FluoroEthylene)素材またはウレタン素材からなることができる。
【0078】
また、本発明による電気車充電用ケーブル100は少なくとも一つの接地ユニット20を備えることができる。
【0079】
前記接地ユニットを構成する接地導体21も集合導体の形態に構成されることができ、接地絶縁層23の素材は電力ユニットの絶縁層と同様に、合成樹脂、例えばIEC 62893規格によるゴムまたはプラスチックなどの素材から構成されることができる。
【0080】
また、本発明による電気車充電用ケーブル100は少なくとも一つの通信ユニット30を備えることができる。
【0081】
通信ユニット30は導体31及び導体を包む絶縁層33を含んでなることができ、複数の通信ユニットを包んで仕上げるための通信ユニットジャケット35を含んでなることもできる。
【0082】
前記通信ユニット30は前記電力ユニット10または前記接地ユニット20より直径が小さく、前記電力ユニット10及び前記接地ユニット20の中心を連結する三角形の外側に配置されてケーブル直径の増加を最小化し、ケーブルの円形断面の形成に役立つことができる。
【0083】
前記絶縁層33はIEC 62893規格によるゴム、プラスチック素材などからなることができ、通信ユニットジャケット35もIEC 62893規格によるゴムまたはプラスチック素材などからなることができる。
【0084】
そして、ケーブルの円形断面の構成のために、図3に示すように、外径がほぼ同じに構成された一対の電力ユニット10a、10bと接地ユニット20の中心を連結する三角形が略正三角形に構成されることができる。
【0085】
前記接地ユニット20及び冷却流体回収部80cは、一対の電力ユニット10a、10bにそれぞれ外接するように、一対の電力ユニット10a、10bを挟んで互いに反対側に配置されることができる。
【0086】
そして、前記電力ユニット10a、10b及び前記接地ユニット20は、前記電力ユニット10a、10bの外径の17倍~23倍の大きさの撚合ピッチを有するように撚合されることができる。
【0087】
本発明による電気車充電用ケーブル100は、電力ユニット10a、10b、前記接地ユニット20、通信ユニット30a、30b及び冷却流体回収部80cを包むケーブルジャケット70を備えることができる。
【0088】
前記ケーブルジャケット70は、外部衝撃防止のために、充実型に構成されることができる。前記ケーブルジャケット70が充実型に構成されるので、別途の介在物なしにもケーブルの円形断面の構成が可能であり、ケーブル内の空間を除去して耐衝撃性を向上させることができる。
【0089】
前記ケーブルジャケット70の素材はIEC 62893規格によるゴムまたはプラスチック素材などから構成されることができる。
【0090】
図3と後述する図6及び図7に示す電気車充電用ケーブルのケーブルジャケットは充実型ジャケットとして示して説明するが、これに限定されない。前記ケーブルジャケット80は充実型の他にも単純被覆型ケーブルジャケットも適用可能である。
【0091】
図5は電気車充電用ケーブル100の電力ユニット導体の間に熱伝導性材料が注入されずに空間に構成される比較例と、電力ユニット導体の間に熱伝導性材料が注入された本発明の一実施例の通電試験結果を示すグラフである。
【0092】
具体的には、図5(a)は電気車充電器を介して400Aを供給する場合の試験結果を示し、図5(b)は電気車充電器を介して500Aを供給する場合の試験結果を示す。
【0093】
それぞれの比較例及び実施例で、冷却部を構成する流体管内部の冷却流路の直径は4ミリメートル(mm)、流体管の外径は6ミリメートル(mm)である冷却部が適用され、冷却部の周囲に配置された導体の直径は1.78ミリメートル(mm)であり、12個が備えられ、電力ユニットの外径は13ミリメートル(mm)であるケーブルが適用された。
【0094】
冷却部を流動する冷却流体としてエチレングリコール混合物が適用され、冷却部を構成する流体管はフッ素樹脂としてペルフルオロアルコキシアルカン(Perfluoroalkoxy alkane、PFA)素材が適用され、導体は銅材からなり、電力ユニットの絶縁層はエチルプロピレン(Ethylene Propylene、EPR)素材が使われた。
【0095】
前記冷却流体、前記熱伝導性材料、前記流体管及び前記絶縁層の熱伝導度はそれぞれ0.252[W/mK]、1.0[W/mK]、0.250[W/mK]及び0.286[W/mK]程度である。
【0096】
そして、前記実施例の電力ユニット導体の間に注入された熱伝導性材料はシロキサンポリマーと熱伝導性金属酸化物との混合物である。
【0097】
また、試験に使用された冷却流体はほぼ全区間で区間別温度偏差が最小化するように十分な流量で循環され、冷却流体はそれぞれ30℃、40℃及び50℃の3温度で試験を遂行し、ケーブルの全試験区間で冷却流体の温度がほとんど一定に維持されるように十分な流量で供給した。
【0098】
図5の試験結果から、それぞれ400Aと500Aの電流を供給する場合、いずれも冷却流体の温度に表面温度が比例することを確認することができ、電気車充電用ケーブル100の表面温度を比較した結果、400Aの供給試験では冷却流体の温度によってケーブル表面温度が約8℃程度の差が発生し、500Aの供給試験では冷却流体の温度によってケーブル表面温度が約10℃程度の温度差が発生することが測定された。
【0099】
前述した熱伝導性材料の熱伝導度が1.0[W/mK]であり、加熱された空気の熱伝導度が0.03[W/mK]程度であると仮定することができるので、電力ユニットを構成する導体の間から冷却部への熱伝逹効率が30倍程度上昇するので、電力ユニットを構成する導体の間に熱伝導性材料が充填される場合、供給電流の大きさによって偏差はあるが、冷却流体を適用して導体で発生する熱を冷却するにあたり、熱伝導性材料を付け加えることにより、8℃~10℃程度の追加的な冷却効果があることを確認することができた。
【0100】
図6は本発明による電気車充電用ケーブル100の他の実施例を示す。図3を参照して開示した説明と重複する説明は省略する。
【0101】
図3に示す実施例は、電力ユニットの冷却のために供給された冷却流体の回収のための冷却流体回収部が円形パイプ形態に構成されるが、図6に示す実施例で、前記冷却流体回収部80c’は円形パイプ形態ではない成形フィラー(shaped filler)または扇形の形態に構成されることができる。
【0102】
前記冷却流体回収部80c’を成形フィラー(shaped filler)または扇形の形態に構成する場合、冷却流体の回収のための十分な回収流路面積を確保することができ、ケーブルの円形断面の維持に役立つことができる。
【0103】
すなわち、図3に示す実施例で、電力ユニット内部の冷却部を構成する流体管83の大きさと冷却流体回収部80c’の大きさとが同一の場合、2個の流体管を通して供給される冷媒の回収のための流路面積が足りないことがあり得る。
【0104】
しかし、冷却流体回収部80c’を、図6に示すように、ケーブル内部の空間を充分に活用するように、成形フィラー(shaped filler)または扇形の形態に構成すれば、十分な冷却流体回収流路を確保しながらもケーブルの円形断面の維持に役立つことができる。
【0105】
図7は本発明による電気車充電用ケーブル100のさらに他の実施例を示す。図3または図6を参照して開示した説明と重複する説明は省略する。
【0106】
図7に示す前記電気車充電用ケーブル100の内部には、一つの接地ユニット30、及び一対の電力ユニット10a、10bを備え、電力ユニット10a、10bの中心にそれぞれ冷却部80を備え、冷却部80を構成する流体管を通して冷却流体が流動し、電力ユニットを構成する導体の間に熱伝導性材料を充填することにより、電気車充電用ケーブル100の冷却性能を向上させた点で共通する。
【0107】
一対の前記電力ユニット10a、10bに備えられた冷却部80a、80bの中で、電気車充電器300側から供給される冷却流体をいずれか一電力ユニット10a、10bの冷却部80aまたは80bを通して供給し、他の電力ユニット10a、10bの冷却部80bまたは80aを通して回収する方法を使う。
【0108】
すなわち、一冷却部は冷却流体の供給手段として使い、他の冷却部は冷却流体の回収手段として使うことができる。
【0109】
すなわち、図7に示す実施例は、図3または図6に示す実施例と違い、別途の冷却流体回収のための回収管は省略されたが、電力ユニットの内部に冷却部を備えるという点で共通し、冷却流体の供給温度及び流量を調節するか、高容量または高速充電ではない場合には十分な冷却性能を提供することができることを確認した。
【0110】
そして、図3図6及び図7に示す実施例はいずれも冷却流体及び熱伝導性材料によって冷却性能が向上することができ、ケーブルジャケットの表面温度が目標温度、例えば60℃以下になるように冷却流体の流量、初期供給温度などを制御することにより、電気車充電用ケーブル100の耐久性を向上させ、安全事故を防止することができる。
【0111】
図3図6及び図7を参照して説明した本発明による電気車充電用ケーブル100によれば、電気車の急速充電の際、電気車充電用ケーブル100で発生する熱を冷却流体及び熱伝導性材料によって効率的に冷却させることができ、電力ユニットの中心部に冷却部をそれぞれ備えて安定的な冷却性能を確保することができ、電力ユニットを構成する内部構成を耐熱性に優れた素材から構成して外部方向の熱伝逹または内部方向の熱伝逹を最小化することにより、使用者の不快感または不安感を減らし、外部ジャケットの被覆の際に発生し得る内部構成のメルティングなどの問題を防止することができ、さらに電力ユニットの中心部に冷却流路を備えることにより、電力ユニットの外部のみに冷却部を備える技術より電気車充電用ケーブル100の全体直径を減少させることができることを確認することができる。
【0112】
本明細書は本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術分野の当業者は以下で敍述する特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更して実施することができるであろう。したがって、変形実施が基本的に本発明の特許請求範囲の構成要素を含むならばいずれも本発明の技術的範疇に含まれるものと見なさなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7