(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】端末のページング応答速度を向上させる方法及び端末
(51)【国際特許分類】
H04W 68/02 20090101AFI20230814BHJP
H04W 48/16 20090101ALI20230814BHJP
H04W 48/00 20090101ALI20230814BHJP
H04W 76/27 20180101ALI20230814BHJP
【FI】
H04W68/02
H04W48/16
H04W48/00 110
H04W76/27
(21)【出願番号】P 2022525430
(86)(22)【出願日】2021-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2021079306
(87)【国際公開番号】W WO2021258774
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】202010579865.3
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521218881
【氏名又は名称】オナー デバイス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲スイ▼ ▲菲▼▲菲▼
(72)【発明者】
【氏名】孔 ▲令▼▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 帆
(72)【発明者】
【氏名】姚 琴波
【審査官】中元 淳二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0255484(US,A1)
【文献】国際公開第2019/213822(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/067944(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)のページング応答速度を向上させる方法であって、
前記UEにより、第1のネットワークの第1のセルにキャンプオンするステップであって、前記UEは無線リソースコントロール(RRC)接続状態にある、ステップと、
アクセスネットワークデバイスから受信したRRCインアクティブ状態についての指示に応答して、前記UEにより、前記RRCインアクティブ状態になるステップと、既定の条件が満たされる場合に、前記UEにより、前記第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、前記UEは前記RRCインアクティブ状態にあり、前記第1のセルと前記第2のセルとは同じセルであるかまたは異なるセルである、ステップと
を含む方法
であって、
前記UEが前記第1のネットワークの前記第2のセルにキャンプオンし、前記UEが前記RRCインアクティブ状態にある場合に、前記UEにより、前記アクセスネットワークデバイスに登録要求を送信するステップと、
前記アクセスネットワークデバイスから受信した登録成功応答に応答して、前記UEにより、前記RRCインアクティブ状態にある前記UEのUEコンテキストを削除し、RRCアイドル状態になるステップと
をさらに含む、方法。
【請求項2】
既定の条件が満たされる場合に、前記UEにより、前記第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、前記UEは前記RRCインアクティブ状態にある、前記ステップは、
前記既定の条件が満たされた後、前記UEにより、まず第2のネットワークの第3のセルにキャンプオンし、その後、前記第1のネットワークの前記第2のセルにキャンプオンするステップであって、前記UEは前記RRCインアクティブ状態にある、ステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記既定の条件は、前記第1のセルの信号がキャンピング条件を満たさないと前記UEが判定すること、又は前記UEが再起動させられること、又は前記UEが機内モードを有効にした後に前記機内モードを無効にすることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
既定の条件が満たされる場合に、前記UEにより、前記第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、前記UEは前記RRCインアクティブ状態にある、前記ステップは、
前記第1のセルの信号がセル再選択基準を満たすと前記UEが判定する場合に、前記UEにより、まず第2のネットワークの第3のセルを再選択し、その後、前記第1のネットワークの前記第2のセルを再選択するステップであって、前記UEは前記RRCインアクティブ状態にあり、前記第2のネットワークのネットワークタイプが前記第1のネットワークのネットワークタイプとは異なる、ステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
既定の条件が満たされる場合に、前記UEにより、前記第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、前記UEは前記RRCインアクティブ状態にある、前記ステップは、
前記既定の条件が満たされる場合に、前記UEにより、前記第1のネットワークの前記第2のセルにキャンプオンするステップであって、前記UEはRRCアイドル状態にならない、ステップ、又は
前記既定の条件が満たされる場合に、前記UEにより、前記第1のネットワークの前記第2のセルにキャンプオンし、前記RRCアイドル状態になり、その後、前記RRCインアクティブ状態になるステップ
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記UEにより、前記第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、前記UEは前記RRCインアクティブ状態にある、前記ステップの後、前記方法は、
アクセスネットワークデバイスによって送信されて前記UEによって受信された第1のRANページングに応答して、前記UEにより、前記アクセスネットワークデバイスに対するRRC接続を再開し、前記RRCインアクティブ状態から前記RRC接続状態に切り換わるステップ
をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記UEが前記第1のネットワークの前記第2のセルにキャンプオンし、前記UEが前記RRCインアクティブ状態にある場合に、前記UEにより、前記アクセスネットワークデバイスによって送信される第2のメッセージを受信するステップであって、前記第2のメッセージは、前記UEがRRCアイドル状態になるべきであることを指示するのに用いられる、ステップと、前記UEにより、前記RRCインアクティブ状態にある前記UEのUEコンテキストを削除し、前記RRCアイドル状態に切り換わるステップと
をさらに含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記RRCアイドル状態になることについての指示は解放シグナリングとコアネットワークページングとを含み、前記解放シグナリングはサスペンド設定を含まない、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、
前記UEが前記第1のネットワークの前記第2のセルにキャンプオンし、前記UEが前記RRCインアクティブ状態にある場合に、前記UEにより、ユーザ操作を受信するステップと、前記UEにより、前記アクセスネットワークデバイスにRRC接続再開要求を送信するステップと、前記UEにより、前記RRCインアクティブ状態から前記RRC接続状態に切り換わるステップと、前記UEにより、前記アクセスネットワークデバイスにアップリンクデータを送信するステップと
をさらに含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
プロセッサとメモリとを備えるユーザ機器(UE)であって、前記メモリは前記プロセッサに接続され、前記メモリはコンピュータプログラムコードを記憶するように構成され、前記コンピュータプログラムコードはコンピュータ命令を含み、前記コンピュータ命令が実行されると、前記UEに
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行させる、UE。
【請求項11】
コンピュータ命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ命令が電子デバイスで実行されるとき、前記電子デバイスに
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
1つ以上のプロセッサを備えるシステムオンチップであって、前記1つ以上のプロセッサによって命令が実行されるとき、前記1つ以上のプロセッサが
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行する、システムオンチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は端末技術の分野に関し、特に、端末のページング応答速度を向上させる方法及び端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ニューラジオ(New Radio,NR)システムでは、ユーザ機器(User Equipment,UE)のシグナリングのオーバーヘッドと電力消費量とを削減するために、無線リソースコントロール(Radio Resource Control,RRC)アイドル状態(すなわちRRC_IDLE状態)とRRC接続状態(すなわちRRC_CONNECT状態)との間の状態、すなわちRRCインアクティブ状態(すなわちRRC_INACTIVE状態)が導入されている。
【0003】
UEがRRC_INACTIVE状態にあるとき、コアネットワーク(CoreNetwork,CN)の観点からすると、UEはコアネットワークに対して接続管理接続状態(CM-CONNECTED)を維持している。この場合、UEとの間で最後にアタッチが行なわれたgNBがUEコンテキストと、アクセスモビリティ管理機能(access and mobility management function,AMF)/ユーザプレーン機能(user plane function,UPF)とのNG接続とを記憶している。UEとの間で最後にアタッチが行なわれたgNBは5Gアクセスネットワーク(NG-RAN)に属する。したがって、UEがRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECT状態に切り換わるときには、UEとgNBとの接続が再開されるだけで済み、コアネットワークは関与せず、これにより、UEとCNとの間のシグナリングが大幅に削減されることが可能である。
【0004】
RRC_IDLE状態にある場合と同様に、UEがRRC_INACTIVE状態にあるときにはUEの電力消費量は小さい。ただし、UEがRRC_IDLE状態にあるとき、ネットワーク側はUEのトラッキング・エリア・アイデンティティ(Tracking Area Identity,TAI)を記憶しているが、UEのサービングセルの識別子を記憶していないので、ネットワーク側がUEにサービスデータを配信する必要があるときに、ネットワーク側がCNページング(CN Paging)を配信してTAでUEをサーチする必要がある点に留意しなくてはならない。同様に、UEがRRC_INACTIVE状態にあるとき、NG-RANでは、UEの無線アクセスネットワークベース通知エリア(RAN-based notification area,RNA)の識別子を記憶しているが、UEのサービングセルの識別子を記憶していない。ネットワーク側がUEにサービスデータを配信する必要があるとき、まずネットワーク側はNG-RANを用いて無線アクセスネットワーク(radio access network,RAN)ページング(RAN Paging)を配信してRNAでUEをサーチする。RNAはTAに含まれ、このことは、RNAがTAよりも小さいことを意味する。
【0005】
いくつかの場面では、UEの実際の状態がネットワーク側によって記録されているUEの状態と合致しないおそれがある。たとえば、ネットワーク側によって記録されているUEの状態がRRC_INACTIVE状態であるが、UEがネットワークからのデタッチを行なったり別のシステムを再選択したりした後に再度NRセルにキャンプオンして、RRC_IDLE状態に切り換わる場合がある。ダウンリンクデータがUEに送信される必要があるとき、記録されているUEの状態(RRC_INACTIVE状態)に基づけば、まずネットワーク側がNG-RANを用いてRANページングを配信する必要がある。UEがRANページングのRNAの外側にとどまっているおそれがきわめて高いので、UEがRANページングに応答しないおそれがある。NG-RANによるRANページング配信のタイムアウトが生じたり既定回数のリトライが行なわれたりした後、そのときに限って、CNページングがネットワーク側によって送信される。その後、CNページングに応答してUEがRRC_IDLE状態からRRC_CONNECT状態に切り換わることができ、ネットワーク側によって配信されたデータを受信することができる。したがって、UEの実際の状態がネットワーク側によって記録されているUEの状態と合致しない場合、ネットワーク側のページングに対するUEの応答が緩慢なため、ユーザーエクスペリエンスが劣悪になる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願では、端末のページング応答速度を向上させる方法及び端末を提供し、本方法により、UEの状態と、ネットワーク側によって記憶されているUEの状態とが合致しないことを避けることができ、ネットワーク側のページングに対する端末の応答速度を向上させることができる。
【0007】
上記の目的を達成するために、本出願の実施形態では以下の技術的解決手段を提供する。
【0008】
第1の態様によれば、UEのページング応答速度を向上させる方法が提供される。本方法は、ユーザ機器UEが第1のネットワークの第1のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRC接続状態にある、ステップと、第1の既定の条件が満たされる場合に、第1のメッセージをアクセスネットワークデバイスがUEに送信するステップであって、第1のメッセージはUEがRRCインアクティブ状態になるべきであることを指示するのに用いられる、ステップと、UEがRRCインアクティブ状態にあることをアクセスネットワークデバイスが記録するステップと、受信された第1のメッセージに応答してUEがRRCインアクティブ状態になるステップと、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にあり、第1のセルと第2のセルとは同じセルであるかまたは異なるセルである、ステップとを含む。
【0009】
たとえば、第1の既定の条件は、UEとアクセスネットワークとの間でデータ伝送が検出されないというものである。たとえば、第2の既定の条件は、第1のセルの信号がキャンピング条件を満たさないと判定されたり、UEが再起動させられたり、UEが機内モードを有効にした後に機内モードを無効にしたりするというものである。
【0010】
すなわち、UEがRRCインアクティブ状態になるべきであることをアクセスネットワークデバイスが指示した後、UEが自動的にRRCアイドル状態になることがなかったり、UEがRRCアイドル状態になった直後にRRCインアクティブ状態になったりする。このようにして、UEの実際の状態が、アクセスネットワークデバイスによって記録されているUEの状態と合致する。その後、記録されたUEの状態に基づいてアクセスネットワークデバイスがRANページングを開始すると、UEが迅速に応答することもできる。これにより、記録されたUEの状態に基づいてアクセスネットワークデバイスがRANページングを開始する場合に、タイムアウト後や既定回数のリトライ後にCNページングが開始されるまでUEが応答を待たなければならないことが避けられる。したがって、本出願の実施形態で提供されている方法はUEのページング応答速度を向上させてユーザーエクスペリエンスを改善するのに有用である。
【0011】
可能な実現例では、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ステップは、第2の既定の条件が満たされた後、UEがまず第2のネットワークの第3のセルにキャンプオンし、その後、第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ステップを含む。
【0012】
従来技術では、UEが第1のネットワークの第1のセルからのデタッチを行なって第2のネットワークの第3のセルにキャンプオンすると、UEが自動的にRRCアイドル状態になる。UEが再度第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするときにも、UEはRRCアイドル状態にある。しかし、本出願の実施形態では、UEが再度第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするとき、そのときにアクセスネットワークデバイスによって記録されているUEの状態と合致するRRCインアクティブ状態にUEがある。
【0013】
可能な実現例では、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ステップは、第1のセルの信号がセル再選択基準を満たすとUEが判定する場合に、UEがまず第2のネットワークの第3のセルを再選択し、その後、第1のネットワークの第2のセルを再選択するステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にあり、第2のネットワークのネットワークタイプが第1のネットワークのネットワークタイプとは異なる、ステップをさらに含む。
【0014】
従来技術では、UEが第2のネットワークの第3のセルを再選択すると、UEが自動的にRRCアイドル状態になる。UEが再度第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするときにも、UEはRRCアイドル状態にある。しかし、本出願の実施形態では、UEが再度第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするとき、そのときにアクセスネットワークデバイスによって記録されているUEの状態と合致するRRCインアクティブ状態にUEがある。
【0015】
可能な実現例では、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ステップは、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCアイドル状態にならない、ステップ、又は第2の既定の条件が満たされる場合に、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンし、RRCアイドル状態になり、その後、RRCインアクティブ状態になるステップを含む。このようにして、UEをRRCインアクティブ状態に維持する2つの方法が提供される。
【0016】
可能な実現例では、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンしてUEがRRCインアクティブ状態になった後、本方法は、アクセスネットワークデバイスによって送信されてUEによって受信された第1のRANページングに応答して、UEがアクセスネットワークデバイスに対するRRC接続を再開し、RRCインアクティブ状態からRRC接続状態に切り換わるステップをさらに含む。
【0017】
RRCインアクティブ状態では、UEが第1のRANページングに迅速に応答することができる。しかし、従来技術では、自動的にRRCアイドル状態になった後、ネットワーク側によってCNページングが送信されるまでUEが第1のRANページングに応答することができない。したがって、本出願の実施形態ではUEのページング応答速度が向上する。
【0018】
可能な実現例では、本方法は、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンしてUEがRRCインアクティブ状態にあるときに、UEがアクセスネットワークデバイスに登録要求を送信するステップと、アクセスネットワークデバイスから受信した登録成功応答に応答して、UEが、RRCインアクティブ状態にあるUEのUEコンテキストを削除し、RRCアイドル状態になるステップとをさらに含む。
【0019】
言い換えると、UEが第1のネットワークのRRCインアクティブ状態にあるとき、再度第1のネットワークに登録することにUEが成功したことを示す応答を受信した後、UEがRRCインアクティブ状態にとどまらず、RRCアイドル状態になることができる。これにより、UEが第1のネットワークでRRCインアクティブ状態を脱するのを可能にする方法が提供される。
【0020】
可能な実現例では、本方法は、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンしてUEがRRCインアクティブ状態にあるときに、アクセスネットワークデバイスによって送信される第2のメッセージをUEが受信するステップであって、第2のメッセージはUEがRRCアイドル状態になるべきであることを指示するのに用いられる、ステップと、UEが、RRCインアクティブ状態にあるUEのUEコンテキストを削除し、RRCアイドル状態に切り換わるステップとをさらに含む。
【0021】
言い換えると、UEが第1のネットワークのRRCインアクティブ状態にあるとき、RRCアイドル状態になることについての指示をネットワーク側から受信した後、UEがRRCインアクティブ状態にとどまらず、RRCアイドル状態になることができる。これにより、UEが第1のネットワークでRRCインアクティブ状態を脱するのを可能にする別の方法が提供される。
【0022】
可能な実現例では、RRCアイドル状態になることについての指示が解放シグナリングとコアネットワークページングとを含み、解放シグナリングはサスペンド設定を含まない。
【0023】
可能な実現例では、本方法は、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンしてUEがRRCインアクティブ状態にあるときに、UEがユーザ操作を受信するステップと、UEがアクセスネットワークデバイスにRRC接続再開要求を送信するステップと、UEがRRCインアクティブ状態からRRC接続状態に切り換わるステップと、UEがアクセスネットワークデバイスにアップリンクデータを送信するステップとをさらに含む。
【0024】
言い換えると、UEが第1のネットワークのRRCインアクティブ状態にあるとき、RRC接続状態になることについてのユーザ指示を受信した後、UEがRRCインアクティブ状態にとどまらず、RRC接続状態になることができる。これにより、UEが第1のネットワークでRRCインアクティブ状態を脱するのを可能にするさらに別の方法が提供される。
【0025】
第2の態様によれば、UEのページング応答速度を向上させる方法が提供され、本方法は、ユーザ機器UEが第1のネットワークの第1のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRC接続状態にある、ステップと、アクセスネットワークデバイスから受信したRRCインアクティブ状態についての指示に応答してUEがRRCインアクティブ状態になり、既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にあり、第1のセルと第2のセルとは同じセルであるかまたは異なるセルである、ステップとを含む。
【0026】
可能な実現例では、既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ステップは、既定の条件が満たされた後、UEがまず第2のネットワークの第3のセルにキャンプオンし、その後、第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ステップを含む。
【0027】
可能な実現例では、既定の条件は、第1のセルの信号がキャンピング条件を満たさないとUEが判定すること、又はUEが再起動させられること、又はUEが機内モードを有効にした後に機内モードを無効にすることを含む。
【0028】
可能な実現例では、既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ステップは、第1のセルの信号がセル再選択基準を満たすとUEが判定する場合に、UEがまず第2のネットワークの第3のセルを再選択し、その後、第1のネットワークの第2のセルを再選択するステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にあり、第2のネットワークのネットワークタイプが第1のネットワークのネットワークタイプとは異なる、ステップをさらに含む。
【0029】
可能な実現例では、既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ステップは、既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンするステップであって、UEはRRCアイドル状態にならない、ステップ、又は既定の条件が満たされる場合に、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンし、RRCアイドル状態になり、その後、RRCインアクティブ状態になるステップを含む。
【0030】
可能な実現例では、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンしてUEがRRCインアクティブ状態になった後、本方法は、アクセスネットワークデバイスによって送信されてUEによって受信された第1のRANページングに応答して、UEがアクセスネットワークデバイスに対するRRC接続を再開し、RRCインアクティブ状態からRRC接続状態に切り換わるステップをさらに含む。
【0031】
可能な実現例では、本方法は、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンしてUEがRRCインアクティブ状態にあるときに、UEがアクセスネットワークデバイスに登録要求を送信するステップと、アクセスネットワークデバイスから受信した登録成功応答に応答して、UEが、RRCインアクティブ状態にあるUEのUEコンテキストを削除し、RRCアイドル状態になるステップとをさらに含む。
【0032】
可能な実現例では、本方法は、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンしてUEがRRCインアクティブ状態にあるときに、アクセスネットワークデバイスによって送信される第2のメッセージをUEが受信するステップであって、第2のメッセージはUEがRRCアイドル状態になるべきであることを指示するのに用いられる、ステップと、UEが、RRCインアクティブ状態にあるUEのUEコンテキストを削除し、RRCアイドル状態に切り換わるステップとをさらに含む。
【0033】
可能な実現例では、RRCアイドル状態になることについての指示が解放シグナリングとコアネットワークページングとを含み、解放シグナリングはサスペンド設定を含まない。
【0034】
可能な実現例では、本方法は、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンしてUEがRRCインアクティブ状態にあるときに、UEがユーザ操作を受信するステップと、UEがアクセスネットワークデバイスにRRC接続再開要求を送信するステップと、UEがRRCインアクティブ状態からRRC接続状態に切り換わるステップと、UEがアクセスネットワークデバイスにアップリンクデータを送信するステップとをさらに含む。
【0035】
第3の態様によれば、通信システムが提供され、本通信システムは、アクセスネットワークデバイスとユーザ機器UEとを含み、UEは、第1のネットワークの第1のセルにキャンプオンすることであって、UEはRRC接続状態にある、ことを行うように構成され、アクセスネットワークデバイスは、第1の既定の条件が満たされる場合に、UEに第1のメッセージを送信することであって、第1のメッセージは、UEがRRCインアクティブ状態になるべきであることを指示するのに用いられる、ことと、RRCインアクティブ状態にUEがあることを記録することとを行うように構成され、UEは、受信された第1のメッセージに応答してRRCインアクティブ状態になることと、第2の既定の条件が満たされる場合に第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンすることであって、UEはRRCインアクティブ状態にあり、第1のセルと第2のセルとは同じセルであるかまたは異なるセルである、こととを行うようにさらに構成される、通信システムが提供される。
【0036】
可能な実現例では、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンすることであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ことは、第2の既定の条件が満たされた後、UEがまず第2のネットワークの第3のセルにキャンプオンし、その後、第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンすることであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ことを含む。
【0037】
可能な実現例では、第2の既定の条件は、第1のセルの信号がキャンピング条件を満たさないとUEが判定すること、又はUEが再起動させられること、又はUEが機内モードを有効にした後に機内モードを無効にすることを含む。
【0038】
可能な実現例では、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンすることであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ことは、第1のセルの信号がセル再選択基準を満たすとUEが判定する場合に、UEがまず第2のネットワークの第3のセルを再選択し、その後、第1のネットワークの第2のセルを再選択することであって、UEはRRCインアクティブ状態にあり、第2のネットワークのネットワークタイプが第1のネットワークのネットワークタイプとは異なる、ことをさらに含む。
【0039】
可能な実現例では、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンすることであって、UEはRRCインアクティブ状態にある、ことは、第2の既定の条件が満たされる場合にUEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンすることであって、UEはRRCアイドル状態にならない、こと、又は第2の既定の条件が満たされる場合に、UEが第1のネットワークの第2のセルにキャンプオンし、RRCアイドル状態になり、その後、RRCインアクティブ状態になることを含む。
【0040】
可能な実現例では、UEは、アクセスネットワークデバイスから受信した第1のRANページングに応答して、アクセスネットワークデバイスに対するRRC接続を再開し、RRCインアクティブ状態からRRC接続状態に切り換わることを行うようにさらに構成される。
【0041】
第4の態様によれば、コンピュータ命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータ命令がUEで実行されるとき、上記の態様とその、いずれかの可能な実現例とで説明されている方法をUEに実行させる、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0042】
第5の態様によれば、コンピュータで実行されるとき、上記の態様とその、いずれかの可能な実現例とで説明されている方法をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラムプロダクトが提供される。
【0043】
第6の態様によれば、プロセッサを含むシステムオンチップであって、命令がプロセッサによって実行されるとき、プロセッサが上記の態様とその、いずれかの可能な実現例とで説明されている方法を実施する、システムオンチップが提供される。
【0044】
第7の態様によれば、UEに含まれ、上記の態様及び可能な実現例の、いずれかの方法のUEの挙動を実施する機能を持つ装置が提供される。このような機能はハードウェアによって実施されても、ハードウェアによって実行される対応するソフトウェアによって実施されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは上記の機能に対応する少なくとも1つのモジュール又は部位を含み、たとえば、受信モジュール又は受信部、送信モジュール又は送信部、決定モジュール又は決定部、及び切換モジュール又は切換部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1A】本出願の実施形態に係る通信システムの概略構成図である。
【
図1B】先行技術におけるNRシステムでのUEの異なる状態機械間の切り換えを示す概略図である。
【
図1C】先行技術におけるNRシステム及びLTEシステムでの異なる状態機械間の切り換えを示す概略図である。
【
図2】本出願の実施形態に係る電子デバイスの概略構成図である。
【
図3A】本出願の実施形態に係るUEのページング応答速度を向上させる方法の概略フローチャートである。
【
図3B】先行技術のUEのいくつかのグラフィカルユーザインタフェイスの概略図である。
【
図3C】本出願の実施形態に係るUEのいくつかのグラフィカルユーザインタフェイスの概略図である。
【
図4】先行技術のUEページングの概略フローチャートである。
【
図5】本出願の実施形態に係るUEのページング応答速度を向上させる別の方法の概略フローチャートである。
【
図6】本出願の実施形態に係るシステムオンチップの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本出願の実施形態の説明では、別段記載されていない限り、「/」は又はの意味を表わす。たとえば、A/BはA又はBを表わす場合がある。本明細書中の用語「及び/又は」は関連する物を記述するための結合関係にすぎず、3つの関係が存在する場合があることを示す。たとえば、A及び/又はBは、Aのみ、AとBとの両方、Bのみ、という3つの場合を表わす場合がある。
【0047】
以下に、用語「第1」及び「第2」は説明のために用いられているのにすぎず、相対的な重要度を示したり示唆したり、示されている技術的特徴の数を暗示的に示したりするものと解釈されることはあり得ない。したがって、「第1」及び「第2」と定められた特徴は1つ以上のこのような特徴を明示的に含んでも暗示的に含んでもよい。本出願の実施形態の説明では、別段記載されていない限り、「複数の」は少なくとも2つを意味する。
【0048】
本出願の実施形態では、「例」や「たとえば」などの単語は例示や説明のために用いられる。本出願の実施形態で「例」や「たとえば」と説明されているいかなる例又は設計解決手段も、他の実施形態や設計解決手段よりも好ましいと解釈されたり有効であると解釈されたりしないものとする。特に、「例」や「たとえば」などの単語は、関連する概念を特定の仕方で提示することを意図されているものである。
【0049】
たとえば、本出願の実施形態で提供されている方法は、5Gシステム、LTEシステムや、UEがRRC_INACTIVE状態に切り換わるのを可能にするその他通信システムに適用可能である。本出願の実施形態では、本出願で提供されている技術的解決手段を適用可能なネットワークは限定されない。以下、例として5Gネットワークを用いて本出願の実施形態で提供されている技術的解決手段を説明する。
【0050】
図1Aは本出願の実施形態に係る5Gネットワークのアーキテクチャの概略図である。5Gネットワークは5Gコアネットワーク(5GC)と5Gアクセスネットワーク(NG-RAN)とを含む。
【0051】
5Gコアネットワーク(5G core,5GC)はアクセスモビリティ管理機能(access and mobility management function,AMF)/ユーザプレーン機能(user plane function,UPF)を含むが、これらに限定されない。AMFは非アクセス層(Non-access stratum,NAS)メッセージの暗号化とインテグリティ保護とを担い、UE登録、アタッチ、モビリティ、認証、SMSメッセージのトランスペアレント伝送などの機能を実施する。UPFは、intra/inter-systemモビリティアンカポイントとして、パケットルーティング及び転送、データパケットインスペクション、及びユーザプレーン部のポリシルール実施を担い、アップリンククラシファイアとして、データネットワークへのフローのルーティングをサポートし、ブランチポイントとして、マルチ・ホスト・プロトコル・データ・ユニット(protocol data unit,PDU)セッション、ユーザプレーンQoS処理、ダウンリンクパケットバッファリング、ダウンリンクデータ通知トリガをサポートするなどする。
【0052】
5Gアクセスネットワーク(NG-RAN)は、無線送受信機能又はデバイスに搭載可能なチップ(システム・オン・シップ(system on ship))若しくはコンポネント若しくはアセンブリを有するデバイスを含む。NG-RANは5G(たとえばNRシステム)のgNBや送信ポイント(TRP又はTP)と、5Gシステムの基地局のアンテナパネルの1つ又は一群(複数のアンテナパネルを含む)とを含んでもよいし、NG-RANはgNB又は送信ポイント、たとえば、ベースバンドユニット(BBU)、分散ユニット(distributed unit,DU)や、基地局機能を持つ路側機(road side unit,RSU)を形成するネットワークノードであってもよい。gNBはUEに対してNRユーザプレーンプロトコル及び制御プレーンプロトコルを用いてエンドノードを提供し、NGインタフェイスを用いて5GCに接続される。
【0053】
いくつかの例では、NG-RANはng-eNBをさらに含んでもよい。Option4の非スタンドアロン(NSA)ネットワーキングアーキテクチャでは、eLTEをサポートし5Gコアネットワークと協働するために4G基地局がアップグレードされる必要がある。アップグレードされた4G基地局はng-eNBと称されている。5G NRをアンカポイントとして用いて、5G NR(N)と4G eNB(E)とのdual connectivity(DC)を用いることから、このようなアーキテクチャはNE-DC(NR eNB Dual Connection)と称されている。同様に、Option7の非スタンドアロン(NSA)ネットワーキングアーキテクチャでは、4G基地局が5Gコアネットワークと協働する。アップグレードされた4G基地局はng-eNBとも呼ばれている。ただし、ng-eNBにアンカポイントがある場合、このようなアーキテクチャはNGEN-DC(NG-Enb NR Dual Connection)と称されている。ng-eNBはUEに対してE-UTRAユーザプレーンプロトコル及び制御プレーンプロトコルを用いてエンドノードを提供し、NGインタフェイスを用いて5GCに接続される。
【0054】
NG-RANの基地局(gNB、ng-eNBなど)がXnインタフェイスを用いて互いに接続されて通信を実施してもよい。
【0055】
理解を容易にするために、NRシステムのUEの状態機械(state machine)と状態の切り換えとをまず説明する。状態機械によって異なるイベントでのUEの挙動及び状態が定められる。
【0056】
図1Bに示されているように、NRシステムのUEの状態機械はRRC接続状態(すなわちRRC_CONNECT状態)とRRCインアクティブ状態(すなわちRRC_INACTIVE状態又はインアクティブ状態)とRRCアイドル状態(すなわちRRC_IDLE状態)とを含む。
【0057】
たとえば、UEが始動後にセルサーチを実行し、適切なセルを選択し、選択されたセルにキャンプオンする。この場合、UEがRRC_IDLE状態にある。この時点以降に、UEがRRC接続確立(establish)要求をネットワーク側に送信し、登録を実行する。UEがネットワーク側に対するRRC接続を確立した後、UEがRRC_IDLE状態からRRC_CONNECT状態に切り換わる。この場合、UEがRRC接続を用いてネットワーク側と通信してもよく、たとえば、制御プレーンデータ及び/又はユーザプレーンデータを送信する。UEとネットワーク側との間で所定の期間(たとえば期間1)内にデータが送信されない場合、ネットワーク側が解放(release)シグナリングを配信してコアネットワークとUEとの接続を直接解放してもよい。その後、UEがRRC_CONNECT状態からRRC_IDLE状態に切り換わる。この場合、UEがアクセスネットワークからのデタッチを行ない、アクセスネットワークがコアネットワークから切断される。
【0058】
上記の代わりに、UEとネットワーク側との間で所定の期間(たとえば期間1)内にデータが送信されない場合、ネットワーク側が、サスペンド設定(suspend)を搬送する解放シグナリングを送信してアクセスネットワークとUEとの接続を直接解放してもよい。その後、UEがRRC_CONNECT状態からRRC_INACTIVE状態に切り換わる。この場合、UEとの間で最後にアタッチが行なわれたアクセスネットワークがコアネットワークに引き続き接続されている。UEとネットワーク側との間でデータが送信される必要があるとき、UEとアクセスネットワークとの接続が迅速に再開(resume)されることが可能である。すなわち、UEがRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECT状態に迅速に切り換わることが可能である。
【0059】
上記の代わりに、UEがRRC_INACTIVE状態にとどまった後でもUEとネットワーク側との間で所定の期間(たとえば期間2)以内にデータが送信されない場合、ネットワーク側がコアネットワークとアクセスネットワークとの接続を完全に解放することができる。その後、UEがRRC_INACTIVE状態からRRC_IDLE状態に切り換わる。この場合、UEがRRC_IDLE状態にある場合において、UEとネットワーク側との間でデータが送信される必要があるとき、UEがネットワーク側に対する接続を再確立する必要がある。
【0060】
いくつかの実施形態では、既定の条件が満たされる(たとえば、一切のデータの受信又は送信が実行されなかったり、機内モードが有効にされたりする)ときに、UEがRRC解放などを能動的に開始することもできる。
【0061】
NRシステムでは、UEがRRC_INACTIVE状態、RRC_INACTIVE状態及びRRC_IDLE状態の間で切り換わることができることが分かる。これに加えて、UEが別のシステム(たとえばLTE/UMTS/GSM)とやり取りしてRRC状態を変更することも行なってもよい。
図1CはNRシステムとLTEシステムとの間で切り換わるやり取りの状態を示す概略図である。たとえば、NRのRRC_INACTIVE又はRRC_IDLE状態では、UEがLTEを再選択してもよく、LTEのRRC_IDLE状態に切り換わる。LTEのRRC_IDLE状態では、UEが再選択によりNRのRRC_IDLE状態に切り換わることができ、NRのRRC_INACTIVE状態には切り換わることができない。
【0062】
いくつかの場面では、ネットワーク側によって記録されているUEの状態がUEの実際の状態と合致しない場合がある。たとえば、UEがRRC_INACTIVE状態になるべきであることをネットワーク側が指示する場合、UEがRRC_INACTIVE状態にあることをネットワーク側が記録し、ネットワーク側の指示にしたがってUEがRRC_INACTIVE状態になる。現在のキャンピングセル(camping cell)がキャンピング条件(camping condition)を満たさないことをUEが検知すると、UEがネットワークからのデタッチを行なう。UEがネットワークを再度サーチして、キャンピング条件を満たす別のセルを検出して、そのセルにキャンプオンする。この場合、UEがRRC_IDLE状態に切り換わる。このとき、ネットワーク側によって記録されているUEの状態は元のままであり、依然としてRRC_INACTIVE状態である点に留意するべきである。
【0063】
たとえば、UEがNRシステムである場合において、UEとネットワーク側との間で所定の期間内にデータが送信されないとき、UEがRRC_INACTIVE状態になるべきであることをネットワーク側が指示する。UEがRRC_INACTIVE状態にある場合において、現在のサービングセルの信号がキャンピング条件を満たさないとき、UEがネットワークからのデタッチを行なう。UEがセルサーチを実行する。キャンピング条件を満たしかつセルサーチにより検出されたセルがLTEのLTEセルである場合、UEがLTEセルにキャンプオンする。この場合、UEがLTEのRRC_IDLE状態に切り換わる。しかし、UEがNRのRRC_INACTIVE状態にあることをNRのネットワーク側が依然として記録している。いくつかの例では、UEがLTEのセルに登録することに成功する。その後、データが送信される必要がある場合、UEがLTEネットワークに対するRRC接続を確立してLTEのRRC_IDLE状態からLTEのRRC_CONNECT状態に切り換わる。他の例では、UEがLTEのセルに登録することに成功しなかったり、LTEのセルがキャンピング条件を満たさなかったりする場合、UEがセルサーチを再度実行し、NRのセルを検出し、NRのセルにキャンプオンする。この場合、UEがNRのRRC_IDLE状態になる。しかし、UEがRRC_INACTIVE状態にあることをNRのネットワーク側が記録している。
【0064】
上記の代わりに、UEがRRC_INACTIVE状態にありかつ現在のキャンピングセルがセル再選択基準を満たすことをUEが検知すると、UEがセルを再選択する。UEが別のシステム(たとえば、LTEシステム)のセルを再選択し得るが、別のシステムに登録することに成功しないことによりまた元のNRシステムのセルを再選択する。UEが別のシステムのセルを再選択する場合、UEがNRのRRC_INACTIVE状態から別のシステムのRRC_IDLE状態に切り換わる。UEがまた元のNRシステムのセルを再選択すると、UEが別のシステムのRRC_IDLE状態からNRシステムのRRC_IDLE状態に切り換わる。このとき、ネットワーク側によって記録されているUEの状態は元のままであり、依然としてRRC_INACTIVE状態である点に留意するべきである。
【0065】
上記で説明されているように、ネットワーク側によって記録されているUEの状態がUEの実際の状態とは異なる場合、ネットワーク側のページングに対するUEの応答が緩慢なため、ユーザーエクスペリエンスが劣悪になる。したがって、本出願の実施形態で提供されているUEのページング成功率を向上させる方法では、RRC_INACTIVE状態で、UEがRRC_IDLE状態に自動的にならずに、特定の場面でRRC_INACTIVE状態にとどまったり、自動的にRRC_IDLE状態になってから特定の場面で迅速にRRC_INACTIVE状態になったりする。特定の場面には、RRC_INACTIVE状態のUEがネットワークからのデタッチを行なってから、再度元のシステムのセルにキャンプオンするものや、RRC_INACTIVE状態のUEがネットワークからのデタッチを行ない、別のシステムのセルにキャンプオンしてから、UEが別のシステムのセルに登録しなかったり当該セルに登録することに成功しなかったりするときに再度元のシステムのセルにキャンプオンするものや、RRC_INACTIVE状態のUEが別のシステムのセルを再選択するが、UEが別のシステムのセルに登録しなかったり当該セルに登録することに成功しなかったりするときに再度元のシステムのセルにキャンプオンするものが含まれるがこれらに限定されない。このようにして、本出願の実施形態で提供されている方法はネットワーク側によって記録されているUEの状態と合致するUEの実際の状態を維持することで、ネットワーク側のページングに対するUEの応答速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスが改善する。
【0066】
たとえば、本出願の実施形態では、UEはたとえば、携帯電話器、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ(personal computer,PC)、パーソナル・デジタル・アシスタント(personal digital assistant,PDA)、スマートウォッチ、ネットブック、ウェアラブルデバイス、拡張現実(augmented reality,AR)デバイス、仮想現実(virtual reality,VR)デバイス、車載デバイス、スマートスクリーン、インテリジェントビークル、インテリジェントサウンドボックス、ロボットなどであってもよい。本出願ではUEの具体的な形態は特定のものに限定されない。
【0067】
【0068】
UE100はプロセッサ110、外部ストレージインタフェイス120、内部メモリ121、ユニバーサル・シリアル・バス(universal serial bus,USB)インタフェイス130、充電管理モジュール140、電力管理モジュール141、バッテリ142、アンテナ1、アンテナ2、モバイル通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオモジュール170、スピーカ170A、受話器170B、マイクロフォン170C、イヤホンジャック170D、センサモジュール180、ボタン190、モータ191、インジケータ192、カメラレンズ193、ディスプレイ194、加入者識別モジュール(subscriber identification module,SIM)カードインタフェイス195などを含んでもよい。本発明の実施形態の構成がUE100に対する特定の限定を構成しないことが分かる。本出願の他の実施形態では、UE100は図に示されているものよりも多数であったり少数であったりする構成要素を含んでもよいし、一部の構成要素が組み合されてもよいし、一部の構成要素が分割されてもよいし、構成要素の配置が異なってもよい。図に示されている構成要素がハードウェアの形態で実施されても、ソフトウェアの形態で実施されても、ハードとソフトとの組合せの形態で実施されてもよい。
【0069】
プロセッサ110は1つ以上の処理ユニットを含んでもよい。たとえば、プロセッサ110はアプリケーションプロセッサ(application processor,AP)、モデム・プロセッシング・ユニット、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(graphics processing unit,GPU)、イメージ・シグナル・プロセッサ(image signal processor,ISP)、コントローラ、ビデオコーデック、デジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor,DSP)、ベースバンドプロセッサ及び/又はニューラル・ネットワーク・プロセッシング・ユニット(neural-network processing unit,NPU)などを含んでもよい。異なる処理部位が別体のデバイスであってもよいし、1つ以上のプロセッサに統合されてもよい。
【0070】
コントローラは命令動作コード及びタイムシーケンス信号に基づいて動作制御信号を生成してフェッチ命令及び実行可能命令を制御することができる。
【0071】
プロセッサ110にはメモリも配置されてもよく、メモリは命令及びデータを記憶するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサ110のメモリはキャッシュメモリである。メモリはプロセッサ110によって直近に用いられたり幾度も用いられたりする命令やデータを記憶することができる。命令やデータが再度用いられる必要がある場合、プロセッサ110はメモリから命令やデータを直接呼び出すことができる。これにより、何度もアクセスされることが避けられ、プロセッサ110の待ち時間が削減されることで、システムの効率が改善される。
【0072】
図2に示されているモジュールのインタフェイス接続関係は例として説明されているものにすぎず、UE100の構成に対する限定を構成しないことが分かる。本出願の他の実施形態では、上記とは異なり、UE100は上記の実施形態のものとは異なるインタフェイス接続方法を用いてもよいし、様々なインタフェイス接続方法の組合せを用いてもよい。
【0073】
充電管理モジュール140は充電器から充電入力を受け取るように構成されている。充電器は無線充電器であっても有線充電器であってもよい。有線充電のいくつかの実施形態では、充電管理モジュール140はUSBインタフェイス130を用いて有線充電器の充電入力を受け取ることができる。無線充電のいくつかの実施形態では、充電管理モジュール140はUE100の無線充電コイルを用いて無線充電入力を受け取ることができる。充電管理モジュール140はバッテリ142を充電するときに電力管理モジュール141を用いてUEに電力を供給することもできる。
【0074】
電力管理モジュール141はバッテリ142、充電管理モジュール140及びプロセッサ110に接続されるように構成されている。電力管理モジュール141はバッテリ142及び/又は充電管理モジュール140から入力を受け取り、プロセッサ110、内部メモリ121、ディスプレイ194、カメラレンズ193、無線通信モジュール160などに電力を供給する。電力管理モジュール141はバッテリ容量、バッテリサイクル数やバッテリのSOH(state of health)(漏電やインピーダンス)などのパラメータをモニタするように構成されることも可能である。他の実施形態では、上記とは異なり、電力管理モジュール141はプロセッサ110に配置されてもよい。他の実施形態では、上記とは異なり、電力管理モジュール141と充電管理モジュール140とが同じデバイスに配置されてもよい。
【0075】
UE100の無線通信機能はアンテナ1、アンテナ2、モバイル通信モジュール150、無線通信モジュール160、モデム・プロセッシング・ユニット、ベースバンドプロセッサなどを用いて実施されてもよい。
【0076】
アンテナ1及びアンテナ2は電磁波信号の送信及び受信を行なうように構成されている。UE100の各アンテナは1つ以上の通信バンドをカバーするように構成されることが可能である。アンテナはアンテナの利用効率を改善するために異なる目的に用いられることも可能である。たとえば、アンテナ1は無線ローカルエリアネットワークのダイバーシティアンテナとして転用されることが可能である。他の実施形態では、アンテナはチューニングスイッチと組み合せて用いられることが可能である。
【0077】
モバイル通信モジュール150はUE100に適用される2G/3G/4G/5Gを含む無線通信解決手段を提供することができる。モバイル通信モジュール150は少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、パワーアンプ、ローノイズアンプ(low noise amplifier,LNA)などを含んでもよい。モバイル通信モジュール150はアンテナ1を用いて電磁波を受信し、受信された電磁波にフィルタリング、増幅やその他処理を実行して、処理された電磁波を復調のためにモデム・プロセッシング・ユニットに送ることができる。また、モバイル通信モジュール150はモデム・プロセッシング・ユニットによって変調された信号を増幅し、増幅された信号を放射のためにアンテナ1を用いて電磁波に変換することもできる。いくつかの実施形態では、モバイル通信モジュール150の機能モジュールの少なくとも一部がプロセッサ110に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、モバイル通信モジュール150の機能モジュールの少なくとも一部と、プロセッサ110のモジュールの少なくとも一部とが同じデバイスに配置されてもよい。
【0078】
モデム・プロセッシング・ユニットは変調器と復調器とを含んでもよい。変調器は送信されることになる低周波ベースバンド信号を中高周波信号に変調するように構成されている。復調器は受信された電磁波信号を低周波ベースバンド信号に復調するように構成されている。その後、復調器は復調により取得された低周波ベースバンド信号を処理のためにベースバンドプロセッサに送る。ベースバンドプロセッサによって処理された後、低周波ベースバンド信号はアプリケーションプロセッサに送られる。アプリケーションプロセッサはオーディオデバイス(スピーカ170A、受話器170Bなどに限定されない)を用いて音響信号を出力したり、ディスプレイ194を用いて画像又は映像を表示したりする。いくつかの実施形態では、モデム・プロセッシング・ユニットは別体のデバイスであってもよい。他の実施形態では、モデム・プロセッシング・ユニットはプロセッサ110から独立していてもよく、モバイル通信モジュール150又は別の機能モジュールとともに同じデバイスに配置されてもよい。
【0079】
無線通信モジュール160は、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks,WLAN)(たとえばワイヤレスフィディリティ(wireless fidelity,Wi-Fi)ネットワーク)、ブルートゥース(登録商標)(bluetooth,BT)、全地球航法衛星システム(global navigation satellite system,GNSS)、周波数変調(frequency modulation,FM)、近距離無線通信(near field communication,NFC)、赤外線(infrared,IR)などを含むUE100に適用される無線通信解決手段を提供することができる。無線通信モジュール160は少なくとも1つの通信処理モジュールを統合した1つ以上のデバイスであってもよい。無線通信モジュール160はアンテナ2を用いて電磁波を受信し、電磁波信号に周波数変調及びフィルタリングを実行し、処理された信号をプロセッサ110に送る。無線通信モジュール160は送信されることになる信号をプロセッサ110から受信し、信号に周波数変調及び増幅を実行し、処理された信号をアンテナ2を用いて放射するために電磁波に変換することもできる。
【0080】
いくつかの実施形態では、UE100のアンテナ1はモバイル通信モジュール150に接続され、アンテナ2は無線通信モジュール160に接続され、これにより、UE100は無線通信技術を用いてネットワーク及び別のデバイスと通信することができる。無線通信技術は汎欧州デジタル移動電話方式(global system for mobile communications,GSM)、汎用パケット無線サービス(general packet radio service,GPRS)、符号分割多元接続(code division multiple access,CDMA)、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access,WCDMA(登録商標))、時分割符号分割多元接続(time-division code division multiple access,TD-SCDMA)、ロングタームエボリューション(long term evolution,LTE)、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM及び/又はIR技術などを含んでもよい。GNSSは全地球測位システム(global positioning system,GPS)、グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム(global navigation satellite system,GLONASS)、北斗衛星測位システム(beidou navigation satellite system,BDS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system,QZSS)及び/又は静止衛星型補強システム(satellite based augmentation systems,SBAS)を含んでもよい。
【0081】
UE100はGPU、ディスプレイ194、アプリケーションプロセッサなどを用いて表示機能を実施する。GPUは画像処理を行なうマイクロプロセッサであり、ディスプレイ194及びアプリケーションプロセッサに接続されている。GPUはグラフィックの描画のために算術演算及びジオメトリ演算を行なうように構成されている。プロセッサ110は1つ以上のGPUを含んでもよく、プログラム命令を実行してディスプレイ情報の生成や変更を行なってもよい。
【0082】
ディスプレイ194は画像、映像などを表示するように構成されている。ディスプレイ194はディスプレイパネルを含む。ディスプレイパネルでは液晶ディスプレイ(liquid crystal display,LCD)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode,OLED)、アクティブマトリクス式有機発光ダイオード(active-matrix organic light emitting diode,AMOLED)、フレキシブル発光ダイオード(flex light-emitting diode,FLED)、Miniled、MicroLed、Micro-oLed、量子ドット発光ダイオード(quantum dot light emitting diodes,QLED)などを用いてもよい。いくつかの実施形態では、UE100は1つ又はN個のディスプレイ194を含んでもよい(Nは1を超える正の整数)。
【0083】
UE100の記憶容量を拡大するために、外部ストレージインタフェイス120が外部メモリカード(たとえば、Micro SDカード)に接続されるように構成されることが可能である。外部メモリカードは外部ストレージインタフェイス120を用いてプロセッサ110と通信してデータ記憶機能を実施する。たとえば、外部メモリカードには音楽や映像などのファイルが記憶される。
【0084】
内部メモリ121はコンピュータ実行可能プログラムコードを記憶するように構成されることが可能であり、実行可能プログラムコードは命令を含む。内部メモリ121はプログラム記憶領域とデータ記憶領域とを含んでもよい。プログラム記憶領域はオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能(たとえば、音響再生機能や画像再生機能)に必要なアプリケーションプログラムなどを記憶することができる。データ記憶領域はUE100の使用中に作成されるデータ(たとえば、オーディオデータや電話帳)などを記憶することができる。上記に加えて、内部メモリ121は高速のランダムアクセスメモリを含んでもよく、内部メモリ121は不揮発メモリ、たとえば、少なくとも1つのディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイスやユニバーサル・フラッシュ・ストレージ(universal flash storage,UFS)をさらに含んでもよい。プロセッサ110は内部メモリ121によって記憶されている命令、及び/又はプロセッサのメモリによって記憶されている命令を実行してUE100の様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行する。
【0085】
本出願の実施形態では、RRC_INACTIVE状態になることについてのネットワーク側の指示を受信した後、プロセッサ110(特にベースバンドプロセッサであってもよい)は、UEがRRC_INACTIVE状態になるというコンテキスト(第1のUEコンテキストと記載する)を内部メモリ121に記憶することができ、これにより、UEがネットワークからのデタッチ/セルの再選択を行なった後、記憶された第1のUEコンテキストに基づいてRRC_INACTIVE状態にとどまる。いくつかの例では、UEがネットワーク側に再度登録することに成功したと判定したり、RRC接続を解放することについてのネットワーク側の指示(たとえば、releaseシグナリングやCNページングシグナリング)を受信したりした後、プロセッサ110(特にベースバンドプロセッサであってもよい)は内部メモリ121から第1のUEコンテキストを削除することができる。
【0086】
UE100はオーディオモジュール170、スピーカ170A、受話器170B、マイクロフォン170C、イヤホンジャック170D、アプリケーションプロセッサなどを用いて音声機能、たとえば、音楽再生や録音を実施することができる。
【0087】
オーディオモジュール170はデジタルオーディオ情報を出力のためにアナログオーディオ信号に変換し、また、アナログオーディオ入力をデジタルオーディオ信号に変換するように構成されている。オーディオモジュール170はオーディオ信号の符号化及び復号を行なうように構成されることも可能である。いくつかの実施形態では、オーディオモジュール170がプロセッサ110に配置されてもよく、又はオーディオモジュール170の機能モジュールの一部がプロセッサ110に配置される。
【0088】
スピーカ170A(「ラウドスピーカ」とも称される)はオーディオ電気信号を音響信号に変換するように構成されている。UE100のスピーカ170Aを用いることにより、ユーザが音楽を聴いたりハンズフリーの着呼に応対したりすることができる。
【0089】
受話器170B(「レシーバ」とも称される)はオーディオ電気信号を音響信号に変換するように構成されている。着呼に応対したりボイスメッセージを聴いたりするとき、ユーザがUE100の受話器170Bを耳の近くに持ってくることによって発話を聴くことができる。
【0090】
マイクロフォン170C(「マイク」や「伝声器(sound transmitter)」とも称される)は音響信号を電気信号に変換するように構成されている。通話を行なったりボイスメッセージを送信したりするときに、ユーザがマイクロフォン170Cの近くで発話して音響信号をマイクロフォン170Cに入力することができる。UE100には少なくとも1つのマイクロフォン170Cが設けられてもよい。他の実施形態では、音響信号の収集に加えてノイズ除去機能を実施するために、UE100には2つのマイクロフォン170Cが設けられてもよい。他の実施形態では、これの代わりに、音響信号の収集、ノイズ除去の実施、音源の認識、指向性録音機能の実施などのために、UE100には3つ、4つ又はより多数のマイクロフォン170Cが設けられてもよい。
【0091】
イヤホンジャック170Dは有線ヘッドホンに接続されるように構成されている。イヤホンジャック170DはUSBインタフェイス130であってもよいし、3.5mmオープン・モバイル・ターミナル・プラットフォーム(open mobile terminal platform,OMTP)標準インタフェイスや米国セルラ通信工業会(cellular telecommunications industry association of the USA,CTIA)標準インタフェイスであってもよい。
【0092】
ボタン190は電源ボタン、ボリュームボタンなどを含む。ボタン190は機械式ボタンやタッチボタンであってもよい。UE100はボタン入力を受信して、UE100のユーザ設定及び機能制御に関するボタン信号入力を生成することができる。
【0093】
モータ191は振動によって注意を喚起することができる。モータ191は振動による着信の注意喚起に用いられることが可能であり、タッチに対する振動フィードバックに用いられることも可能である。たとえば、異なる振動フィードバック効果が異なるアプリケーション(たとえば、撮影や音声再生)に対するタッチ操作に対応してもよい。モータ191はディスプレイ194の異なるエリアに対するタッチ操作に対応する異なる振動フィードバック効果を提供することもできる。これの代わりに、異なる振動フィードバック効果が異なる適用場面(たとえば、時間リマインダ(time reminder)、情報受信、目覚まし時計やゲーム)に対応してもよい。タッチに対する振動フィードバック効果がカスタマイズされることも可能である。
【0094】
インジケータ192はインジケータライトであってもよく、充電状態やバッテリレベル変化を示すように構成されることが可能であり、また、メッセージ、不在着信、通知などを示すように構成されることも可能である。
【0095】
SIMカードインタフェイス195はSIMカードに接続されるように構成されている。SIMカードはSIMカードインタフェイス195に挿入されてUE100に接続されたり、SIMカードインタフェイス195から引き抜かれてUE100から分離されたりしてもよい。UE100は1つ又はN個のSIMカードインタフェイスをサポートすることができる(Nは1を超える正の整数)。SIMカードインタフェイス195はNano SIMカード、Micro SIMカード、SIMカードなどをサポートすることができる。複数のカードが同じSIMカードインタフェイス195に同時に挿入されることが可能である。複数のカードは同じタイプのカードであっても異なるタイプのカードであってもよい。SIMカードインタフェイス195は異なるタイプのSIMカードをサポートすることもできる。SIMカードインタフェイス195は外部メモリカードをサポートすることもできる。SIMカードを用いることでUE100はネットワークとやり取りして通話やデータ通信などの機能を実施する。いくつかの実施形態では、UE100でeSIM、すなわち埋め込み式SIMカードを用いる。eSIMはUE100に埋め込まれてもよく、UE100から分離不能である。
【0096】
以下の実施形態の技術的解決手段はすべて上記のハードウェアアーキテクチャを持つUE100で実施されることが可能である。以下、本出願の実施形態で提供されている技術的解決手段を詳細に説明する。
【0097】
本出願で示されている技術的解決手段の理解を容易にするために、RRC_INACTIVE状態とRRC_CONNECT状態との類似点及び相違点と、RRC_INACTIVE状態とRRC_IDLE状態との類似点及び相違点とをまず説明する。
【0098】
1.RRC_INACTIVE状態とRRC_CONNECTとの類似点及び相違点
類似点:(1)UEとNR-RANとの両方がUEアクセス層(access stratum,AS)コンテキストを記憶している。
【0099】
(2)制御プレーン/ユーザプレーンでのCN及びNG-RANに対する接続が確立されている。コアネットワークの観点からは、UEがCM-CONNECT状態にある。
【0100】
相違点:(1)RRC_CONNECT状態では、UEが位置するサービングセルの識別子をNG-RANが記憶している。RRC_INACTIVE状態では、UEが位置するサービングセルの識別子をNR-RANが記憶していないが、UEが位置するRNAを記憶しており、したがって、RNAでUEのページングが実行される必要がある。これに加えて、NG-RANで、UEにより用いられる間欠受信(discontinuous reception,DRX)サイクルが設定される。
【0101】
DRX過程では、UEがPDCCHサブフレームのモニタリングが実行されないスリープモード(sleep mode)に定期的に入り、モニタリングが必要なときにスリープモードから起動(wake up)し、これにより、UEの電力がセーブされる。
【0102】
(2)RRC_INACTIVE状態では、公衆陸上移動体通信網(Public Land Mobile Network,PLMN)の選択、セル再選択、ブロードキャストシステムメッセージ受信プロセス及びRNA関連のプロセスが実行されることが可能である。
【0103】
(3)RRC_CONNECT状態では、アップリンク/ダウンリンク指向性伝送、ネットワークの管理されたモビリティ、測定、スイッチングなどが実行されることが可能である。
【0104】
2.RRC_INACTIVE状態とRRC_IDLEとの類似点及び相違点
類似点:どちらの状態においても、PLMNの選択、セル再選択及びブロードキャストシステムメッセージ受信プロセスが実行されることが可能である。
【0105】
相違点:(1)RRC_IDLE状態では、UEが位置するTAをCNが記憶しているが、UEが位置するサービングセルの識別子を記憶しておらず、したがって、TA内のUEに対してネットワーク側がページングを行なう(すなわち、CNページングを配信する)。
【0106】
RRC_INACTIVE状態では、UEが位置するサービングセルの識別子をNR-RANが記憶していないが、UEが位置するRNAを記憶しており、したがって、RNA内のUEに対してネットワーク側がページングを行なう(すなわち、RANページングを配信する)。
【0107】
(2)RRC_IDLE状態でのDRXサイクルはUE専用としてNASによって設定されるか、commonとしてセルによって設定されるかし、RRC_INACTIVE状態でのDRXサイクルはRRC接続サスペンド時にNG-RANによって設定されることが可能である。
【0108】
(3)RRC_INACTIVE状態では、UEとNG-RANとの両方がUE ASコンテキストを記憶している。
【0109】
(4)RRC_INACTIVE状態では、制御プレーン/ユーザプレーンでのCN及びNG-RANに対する接続が確立されている。
【0110】
図3Aは本出願の実施形態に係るUEのページング応答速度を向上させる方法のフローチャートである。方法は具体的には以下のステップを含む。
【0111】
S301.UEが第1のネットワークのセルAにキャンプオンする。
【0112】
第1のネットワークはたとえば、5Gシステム(たとえばNRシステム)、LTEシステム(たとえば、NB-IoTシステム)や、UEがRRC_INACTIVE状態に切り換わるのを可能にする別の通信システムである。
【0113】
S302.UEが第1のネットワークの指示を受信してRRC_INACTIVE状態になる。この場合、第1のネットワークによって記録されているUEの状態がRRC_INACTIVE状態である。
【0114】
UEが第1のネットワークにキャンプオンし、登録に成功した後、UEが第1のネットワークに対するRRC接続を確立することを要求することができる。UEが第1のネットワークに対するRRC接続を確立した後、確立されたRRC接続を通じてデータ(ユーザプレーンデータ/制御プレーンデータ)が送信されることが可能である。この場合、UEが第1のネットワークのRRC_CONNECT状態にある。UEと第1のネットワークとの間で第1の既定の期間にわたってデータが送信されない場合、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態になるべきであることを第1のネットワークが指示することができる。
【0115】
特定の実現例では、第1のネットワーク内のコアネットワークデバイス(たとえばAMF)には初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)メッセージ又はUEコンテキスト修正要求(UE CONTEXT MODIFICATION REQUEST)メッセージで搬送されるRRCインアクティブ補助情報(RRC INACTIVE ASSISTANCE INFORMATION)があることが可能であり、当該コアネットワークデバイスは、UEがRRC_INACTIVE状態になることができるか否かを判定するのにNG-RANによって用いられるようにこのメッセージをNG-RANに配信することができる。RRCインアクティブ補助情報はUEに対して設定された登録領域(UE identity index value)、UE専用DRX(UE specific DRX)、定期登録更新タイマ(periodic registration update timer)、MICOモード指示(MICO mode indication)、UE id index値などを含む。UEアイデンティティインデックス値はgNB向けのUEのRANベース通知エリア(RAN-based notification area,RNA)を設定するための参照として用いられる。UE専用DRX及びUE id index値はUEに対してページングを行なうのに用いられる。定期登録更新タイマはgNB向けのRNA更新タイマを設定するための参照として用いられる。その後、第1のネットワークのNG-RANは特に、UEのタイプ、UEのアプリケーション、ネットワーク設定などに基づいて、UEがRRC_INACTIVE状態になるべきであることをいつ指示するのかを決定することができる。
【0116】
S303.UEが第1のUEコンテキストを記憶する。
【0117】
第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態になった後、UEは現在のUEコンテキスト、すなわち第1のUEコンテキストを記憶するので、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から第1のネットワークのRRC_CONNECT状態を迅速に復元したり、引き続き第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまったりすることができる。UEコンテキストはUE ASコンテキスト、たとえば、UEセキュリティアルゴリズム能力、UEアグリゲート最大ビットレート、作成されたPDUセッション情報リスト、RRCコンテキスト、モビリティ制限リストなどを含むが、これらに限定されない。モビリティ制限リストはUEアクセス禁止RAT、禁止TAリスト(barred TA list)、サービングTAリスト、PLMN及びELPLMNを含み、PDUセッション情報リストはセッションIND及びタイプ、選択されたスライス、セッションアグリゲート最大ビットレート、セッションで確立されるQoSフローなどを含む。
【0118】
上記に加えて、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態になった後、NG-RAN(具体的には、UEとの間で最後にアタッチが行なわれたgNBであってもよい)がUEコンテキストと、UEとAMF/UDPとのNG接続とを記憶するので、NG-RANがRRC接続を迅速に再開することができ、これにより、UEが迅速に切り換わって第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から第1のネットワークのRRC_CONNECT状態に戻ることが可能になる。
【0119】
本出願のいくつかの実施形態では、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にある場合において、第1のネットワークの現在キャンピングしているセルがキャンピング条件を満たさないことを検知したとき、UEがセルサーチを実行する。すなわち、ステップS303の後、ステップS304及びステップS305が実行されるか、ステップS304及びステップS306が実行されるかする。
【0120】
S304.セルAがキャンピング条件を満たさない場合、UEがセルサーチを実行する。
【0121】
UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にある場合において、第1のネットワークの現在キャンピングしているセルAがキャンピング条件を満たさないことを検知したとき、UEがネットワークからのデタッチを行ない、セルサーチを実行する。たとえば、UEがユーザによって第1のネットワークの信号品質が低い環境(たとえば、エレベータケージや地下)に持って行かれたり、ユーザが誤って機内モードを有効にしてから機内モードを無効にしたり、UEが異常な仕方で再起動させられたりした場合において、第1のネットワークの現在キャンピングしているセルAがキャンピング条件を満たさないことを検知したとき、UEがセルサーチを実行してセルが既定の条件を満たすことを検知し、セルにキャンプオンする。
【0122】
たとえば、第1のネットワークのセルAがキャンピング条件を満たすか否かの判定は、
(1)セルAのPLMNが、NASによって選択されたPLMNであること、又はセルのPLMNが、登録されているPLMNであること、又はセルのPLMNが等価PLMNリスト中のPLMNであること、
(2)セルAが禁止セル(barred cell)ではないこと、
(3)セルAのトラッキングエリア識別子(tracking area identifier,TAI)がローミング用のトラッキング禁止エリア(forbidden tracking areas for roaming)でのTAIではないこと、及び
(4)セルAがセル選択基準(cell selection criteria)を満たすこと(セル選択基準はSrxlev>0とSqual>0とを含み、Srxlevはセル選択受信(reception,RX)レベル値(cell selection RX level value(dB))を表わし、Squalはセル選択品質値(cell selection quality value(dB))を表わす)
という内容を含む。Srxlev及びSqualの具体的な計算方法については関連技術を参照する。
【0123】
S305.UEが第1のネットワークのセルBにキャンプオンすることを選択する場合、UEが第1のUEコンテキストに基づいて第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる。
【0124】
従来技術では、UEがキャンピング条件を満たす第1のネットワークのセルBを検出し、セルBにキャンプオンすることを選択し、UEが第1のUEコンテキストを削除し、第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から第1のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。しかし、本出願の本実施形態では、UEがセルBにキャンプオンした後、UEが第1のUEコンテキストを削除せず(すなわち、第1のUEコンテキストを保存)、第1のUEコンテキストに基づいて第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる。このとき、第1のネットワークによって記録されているUEの状態が依然としてRRC_INACTIVE状態である点に留意するべきである。
【0125】
本明細書では、UEが第1のUEコンテキストに基づいて第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまることは、UEがRRC_IDLE状態にならず、新たなセル(元のセルを含む)にキャンプオンした後に引き続きRRC_INACTIVE状態にあることと、UEがまずRRC_IDLE状態になり、その後、新たなセル(元のセルを含む)にキャンプオンした後に第1のUEコンテキストに基づいてRRC_INACTIVE状態になることとを含む点に留意するべきである。これについては本出願の実施形態では限定されない。
【0126】
したがって、本出願の実施形態で提供されている方法を用いれば、UEの実際の状態が第1のネットワーク側によって記録されているUEの状態と合致したままになっている。このようにして、第1のネットワークがダウンリンクデータを送信し、第1のネットワークがRANページングを用いてページングを実行すると、UEがRANページングに迅速に応答してRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECT状態に迅速に切り換わることができ、ダウンリンクデータを受信しアップリンクデータを送信することができる。これに加えて、UEがRRC_INACTIVE状態にあるときに、UEがユーザの操作に応答してRRC接続を能動的にかつ迅速に再開し、RRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECT状態に切り換わることもできる。しかし、従来技術では、UEがRRC_IDLE状態にある場合において、ユーザの操作が検出された場合、UEが第1のネットワークに対するRRC接続を再確立する必要があり、それからRRC_IDLE状態からRRC_CONNECT状態に切り換わるが、これは時間を要する。
【0127】
セルBとセルAとが同じであっても異なってもよい点に留意するべきである。セルBとセルAとが同じである場合、UEが第1のUEコンテキストに基づいて、RRC_INACTIVE状態に直接とどまる。セルBとセルAとが異なるが、セルBとセルAとが同じRNAに属する場合、UEが第1のUEコンテキストに基づいて引き続きRRC_INACTIVE状態にとどまることができる。セルBとセルAとが異なり、セルBとセルAとが同じRNAに属していない場合、UEがRNA更新(RNA Update,RNAU)手続きを開始する必要があるので、セルBがセルAからUEコンテキストを取得し、データ転送パスを更新する。RNA更新手続きが完了した後、セルBに対応するアクセスネットワークデバイスがサスペンド設定を含む解放シグナリングをUEに送信して、UEがRRC_INACTIVE状態になるべきであることを指示する。さらに、UEがサスペンド設定に基づいて、RNA設定情報を含む、RRCインアクティブ状態に関するパラメータ設定を更新する。この場合、UEがRNA更新の後に取得されるUEコンテキスト(第2のUEコンテキストと記載する)を記憶する。その後、UEが第2のUEコンテキストに基づいてRRC_INACTIVE状態にとどまることができる。適宜、UEが第1のUEコンテキストを削除する。
【0128】
S306.UEが第2のネットワークのセルCにキャンプオンしてから第1のネットワークのセルDにキャンプオンすることを選択する場合、UEが第1のUEコンテキストに基づいて第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる。
【0129】
従来技術では、UEが第2のネットワークのセルCがキャンピング条件を満たすことを検知し、セルCにキャンプオンすることを選択する場合、UEが第1のUEコンテキストを削除し、第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から第2のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。しかし、本出願のいくつかの実施形態では、UEがセルCにキャンプオンした後、UEが第1のUEコンテキストを削除せず(すなわち、第1のUEコンテキストを保存)、第1のUEコンテキストに基づいて第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる。このとき、第1のネットワークによって記録されているUEの状態が依然として第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態である点に留意するべきである。
【0130】
いくつかの例では、UEがセルCにキャンプオンした後にセルCに対する登録手続きを開始する。UEが第2のネットワークのセルCに登録することに成功した場合、UEが第1のUEコンテキストを削除し、第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から第2のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。その後、UEと第2のネットワークとの間でデータが送信されると、UEが第2のネットワークのRRC_IDLE状態から第2のネットワークのRRC_CONNECT状態に切り換わることができる。
【0131】
他の例では、UEがセルCにキャンプオンした後にセルCで登録手続きを開始しなかったりUEが登録手続きを開始するが、登録に失敗したりする場合、UEが再度第1のネットワークにキャンプオンし(たとえば、第1のネットワークのセルDにキャンプオン)、UEが第1のUEコンテキストに基づいて引き続き第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまることができる。セルDとセルAとが同じであっても異なってもよい。同様に、セルDとセルAとが同じである場合、又はセルDとセルAとが異なるが、セルDとセルAとが同じRNAに属する場合、UEが第1のUEコンテキストに基づいて引き続きRRC_INACTIVE状態にとどまることができる。セルDとセルAとが異なり、セルDとセルAとが同じRNAに属していない場合、UEがRNA更新(RNA Update,RNAU)手続きを開始する必要がある。RNAU手続きが完了する前、UEが第1のUEコンテキストに基づいてRRC_INACTIVE状態にとどまる。RNAU手続きが完了した後、UEがRNAを更新し、新たなUEコンテキストを生成する。UEが新たなUEコンテキストに基づいてRRC_INACTIVE状態にとどまることができる。適宜、UEが第1のUEコンテキストを削除する。従来技術では、UEが第2のネットワークにキャンプオンする場合、UEが第2のネットワークのRRC_IDLE状態にある点に留意するべきである。UEが第2のネットワークから第1のネットワークに切り換わると、UEが第1のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。
【0132】
他の実施形態では、UEがセルCにキャンプオンした後、UEが第1のUEコンテキストを削除せず(すなわち、第1のUEコンテキストを保存)、まず第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態になり、その後、第2のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わることができる点に留意するべきである。UEが再度第1のネットワークのセルDにキャンプオンした後、UEが第1のUEコンテキストに基づいてRRC_IDLE状態からRRC_INACTIVE状態になる。
【0133】
上記で説明されているように、UEがネットワークからのデタッチを行ない、第2のネットワークにキャンプオンしてから、再度第1のネットワークにキャンプオンするプロセスでは、UEが第1のネットワークによって記録されているUEの状態と合致する第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる。このようにして、第1のネットワークがダウンリンクデータを送信し、第1のネットワークがRANページングを用いてページングを実行すると、UEがRANページングに迅速に応答してRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECT状態に迅速に切り換わることができ、ダウンリンクデータを受信しアップリンクデータを送信することができる。
【0134】
さらにいくつかの他の実施形態では、UEが現在キャンプオンしているネットワークの識別子をUEのグラフィカルユーザインタフェイスによって表示することができる。たとえば、UEが現在キャンプオンしているネットワークの識別子をUEのグラフィカルユーザインタフェイスのステータスバーによって表示する。従来技術では、UEが5Gネットワークにキャンプオンして(すなわち、第1のネットワークが5Gネットワークである)RRC_INACTIVE状態になると、UEが
図3Bに示されている画面(1)を表示し、UEのステータスバーによって「5G」識別子が表示される。UEがネットワークからのデタッチを行なった場合、UEが
図3Bに示されている画面(2)を表示し、UEのステータスバーによって一切のネットワーク識別子が表示されない。UEが4Gネットワークにキャンプオンする(すなわち、第2のネットワークが4Gネットワークである)と、UEが
図3Bに示されている画面(3)を表示し、UEのステータスバーによって「4G」識別子が表示される。UEが4Gネットワークに登録することに成功しなかったり4Gネットワークに対する登録を開始しなかったりして、再度5Gネットワークにキャンプオンする場合、UEが
図3Bに示されている画面(4)を表示し、UEのステータスバーによって「5G」識別子が表示される。UEの画面のネットワーク識別子が頻繁に変化すると、ネットワークが非常に不安定であるとユーザが感じ、この結果、ユーザーエクスペリエンスが劣悪になる。
【0135】
本出願の実施形態の方法が用いられる場合、UEが5Gネットワークにキャンプオンして(すなわち、第1のネットワークが5Gネットワークである)RRC_INACTIVE状態になると、UEが
図3Cに示されている画面(1)を表示し、UEのステータスバーによって「5G」識別子が表示される。UEがネットワークからのデタッチを行なう場合でも、UEが5GのRRC_INACTIVE状態にとどまり、UEが
図3Cに示されている画面(2)を表示することができ、ステータスバーによって「5G」識別子が表示されたり、UEのステータスバーによって一切のネットワーク識別子が表示されなかったりする。UEが4Gネットワークにキャンプオンする(すなわち、第2のネットワークが4Gネットワークである)ときでも、UEが5GのRRC_INACTIVE状態にとどまり、
図3Cに示されている画面(3)を表示することができ、UEのステータスバーによって「5G」識別子が表示される。UEが4Gネットワークに登録することに成功しなかったり4Gネットワークに対する登録を開始しなかったりして、再度5Gネットワークにキャンプオンする場合、UEが
図3Cに示されている画面(4)を表示し、UEのステータスバーによって「5G」識別子が表示される。このように、UEの画面に表示されるネットワーク識別子(すなわち「5G」識別子)がほとんど変化しないので、ネットワークが不安定であるとユーザが感じず、これにより、ユーザーエクスペリエンスが改善させる。
【0136】
本出願の他の実施形態では、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にある場合において、第1のネットワークの現在キャンピングしているセルAがセル再選択条件を満たすことを検知したとき、UEがセル再選択手続きを実行する。すなわち、ステップS303の後、ステップS307及びステップS308がさらに実行されることが可能である。
【0137】
S307.セルAがセル再選択基準を満たす場合、UEがセル再選択を実行する。
【0138】
UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にあるとき、UEがセル再選択基準(cell reselection criteria)にしたがって信号品質が高いセルをサーチする。たとえば、ネットワーク側によって設定されている優先度情報に基づいて、セル再選択基準は以下の3つの場面(a)~(c)をカバーしてもよい。
【0139】
場面(a)では、対象セルの優先度がサービングセルの優先度よりも高い場合に、セル再選択を開始する条件が、
(1)既定の期間内に、対象セルのSrxlevが第1の閾値を超えること、及び
(2)UEが少なくとも1秒間サービングセルにキャンプオンすること
である。
【0140】
Srxlevはセル選択受信レベル(reception,RX)値を表わし、第1の閾値は、現在使用中の周波数よりも高い優先度を持つRAT/周波数をUEが再選択するときにSrxlevが満たす必要がある閾値条件を表わす。たとえば、第1の閾値はThreshX,High(単位はデシベル(dB))と標記されてもよい。上記とは別に、本出願の実施形態では、既定の期間の長さが標準にしたがって定められてもよく、既定の期間がTreselectionRATと標記されてもよい。既定の期間の長さが場合に応じて変化してもよい。たとえば、候補セルとサービングセルとが同一周波数内(intra-frequency)のセルである場合と異周波数間(inter-frequency)のセルである場合とで既定の期間の長さが異なってもよい。
【0141】
場面(b)では、対象セルの優先度がサービングセルの優先度と同じである場合に、セル再選択を開始する条件が以下の通りである。
【0142】
既定の期間内に、対象セルについて、RsがRsを超える。
【0143】
この場面のセル再選択基準はセルランキング基準(cell-ranking criteria)と称されたりR基準と略称されたりする場合がある。Rs及びRnはサービングセルのセルランキング基準、及び候補セルのセルランキング基準をそれぞれ表わす。一例では、RsとRnとを以下の式によって表わすことができる。
Rs=Qmeas,s+Qhyst-Qoffsettemp (1)
Rn=Qmeas,n-Qoffset-Qoffsettemp (2)
【0144】
Qmeas,s及びQmeas,nはセル選択の際にサービングセル及び候補セルによってそれぞれ用いられる基準信号受信パワー(reference signal receiving power,RSRP))の測定品質を表わし、Qhystはセルランキング基準のヒステリシス値を表わし、Qoffsetはセルのオフセットを表わし、Qoffsettempはセルに一時的に適用されるオフセットを表わす。上記とは別に、式(1)及び式(2)で用いられるパラメータがシステムメッセージから取得されてもよい。
【0145】
場面(c)では、対象セルの優先度がサービングセルの優先度よりも低い場合に、セル再選択を開始する条件が、
(1)既定の期間内で、対象セルのSrxlevが第2の閾値を超え、サービングセルのSrxlevが第3の閾値未満であること、及び
(2)UEが少なくとも1秒間サービングセルにキャンプオンすること
である。
【0146】
Srxlevはセル選択RXレベル値を表わし、第2の閾値及び第3の閾値は、現在使用中の周波数よりも低い優先度を持つRAT/周波数をUEが再選択するときに対象セルのSrxlev、及びサービングセルのSrxlevが満たす必要がある閾値条件を表わす。たとえば、第2の閾値はThreshServing,LowPと標記されてもよく、第3の閾値はThreshX,LowPと標記されてもよい(単位はデシベル(dB))。上記とは別に、本出願の実施形態では、既定の期間の長さが標準にしたがって定められてもよく、既定の期間がTreselectionRATと標記されてもよい。既定の期間の長さが場合に応じて変化してもよい。たとえば、候補セルとサービングセルとが同一周波数内(intra-frequency)のセルである場合と異周波数間(inter-frequency)のセルである場合とで既定の期間の長さが異なってもよい。
【0147】
上記とは別に、セル再選択基準は上記の例に限定されず、上記の例のセル再選択基準を基礎としていくつかの条件が付加されたり削除されたりすることも行なってもよい。上記とは別に、場面(a)及び場面(c)で、セル再選択を決定する条件としてSrxlevの代わりにSqualが用いられてもよい。
【0148】
S308.UEが第2のネットワークのセルEを再選択してから第1のネットワークのセルFを再選択する場合、UEが第1のUEコンテキストに基づいてRRC_INACTIVE状態にとどまる。
【0149】
従来技術では、UEが第2のネットワークのセルEを再選択する場合、UEが第1のUEコンテキストを削除し、第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から第2のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。しかし、本出願のいくつかの実施形態では、UEがセルEにキャンプオンした後、UEが第1のUEコンテキストを削除せず(すなわち、第1のUEコンテキストを保存)、第1のUEコンテキストに基づいて第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる。
【0150】
その後、UEが第2のネットワークのセルEに対する登録手続きを開始する。UEが第2のネットワークに登録することに成功する場合に、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から第2のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。すなわち、本出願の実施形態では、第1のネットワークに対してセル再選択手続きを実行したときから第2のネットワークに登録することに成功するまで、UEが第1のネットワークにとどまる。
【0151】
他の例では、UEが第2のネットワークに登録手続きを開始する前に第1のネットワークのセル(すなわちセルF)を再選択する場合、又はUEが第2のネットワークに登録することに成功せず、第1のネットワークのセルFを再選択する場合に、UEが第1のUEコンテキストに基づいて引き続き第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる。従来技術では、UEが第2のネットワークにキャンプオンする場合、UEが第2のネットワークのRRC_IDLE状態にある点に留意するべきである。UEが第2のネットワークから第1のネットワークに切り換わると、UEが第1のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。セルFとセルAとが同じであっても異なってもよい。他の内容についてはセルBの関連説明を参照する。本説明では詳細は重ねて説明しない。
【0152】
これに加えて、本例のUEのグラフィカルユーザインタフェイスについては、UEがネットワークからのデタッチを行ない、第2のネットワークにキャンプオンしてから、再度第1のネットワークにキャンプオンする場合に説明された上記の説明を参照する。本説明では詳細は重ねて説明しない。
【0153】
他の実施形態では、UEが第2のネットワークのセルEを再選択するとき、UEが第1のUEコンテキストを削除せず(すなわち、第1のUEコンテキストを保存)、第2のネットワークのRRC_IDLE状態になることができる点に留意するべきである。UEが第1のネットワークのセルFを再選択した後、UEが第1のUEコンテキストに基づいてRRC_IDLE状態からRRC_INACTIVE状態になることができる。
【0154】
したがって、UEがまず第2のネットワークを再選択し、その後、第1のネットワークを再選択するとき、UEが第1のネットワークによって記録されているUEの状態と合致する第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる。このようにして、第1のネットワークがダウンリンクデータを送信し、第1のネットワークがRANページングを用いてページングを実行すると、UEがRANページングに迅速に応答してRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECT状態に迅速に切り換わることができ、ダウンリンクデータを受信しアップリンクデータを送信することができる。
【0155】
上記の例では、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態にとどまる場面が詳細に説明されている。以下の例では、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から別の状態に切り換わる場面を説明する。
【0156】
いくつかの場面では、UEが第1のネットワークにアップリンクデータを送信する必要があるとき、UEがRRC接続を再開するためにRRC_INACTIVE状態から能動的にRRC_CONNECT状態になることができる。これの代わりに、UEにダウンリンクデータを送信する必要があるとき、第1のネットワークがRRC接続を再開するために、RANページングを用いてUEに対してページングを行なうことができ、それからUEがRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECT状態になる。
【0157】
他の場面では、UEがネットワークからのデタッチを行ない、再度第1のネットワークにキャンプオンした後、又はUEが第2のネットワークを再選択するが、第2のネットワークに登録しないか登録に成功しないかして、再度第1のネットワークにキャンプオンした後、UEが第1のネットワークのRRC_CONNECT状態にとどまる。
図4は本出願の実施形態に係るUEのページング速度を向上させる別の方法のフローチャートである。本出願の本実施形態では、ステップS305又はステップS306又はステップS308の後、ステップS401及びステップS402、又はステップS403がさらに実行される。ステップは具体的には以下の通りである。
【0158】
S401.UEがRRC_INACTIVE状態にあるとき、UEが第1のネットワークに対する登録手続きを開始する。
【0159】
S402.第1のネットワークに登録することに成功したことを示すメッセージをUEが受信した後、UEが第1のUEコンテキストを削除し、第1のネットワークのRRC_CONNECT状態から第1のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。
【0160】
いくつかの実施形態では、UEが第1のネットワークにおいてRRC_INACTIVE状態にある場合において、UEがキャンプオンするセルの位置が変化(たとえば、UEが位置するTAが変化)した場合、UEが第1のネットワークに対する位置更新登録手続きを開始する。あるいは、UEが位置更新登録手続きを定期的に開始する。あるいは、UEの能力が変化したり、ユーザがUEを操作(たとえば、ユーザがUEをオフにした後にUEを再起動したり、ユーザが機内モードを有効にした後に機内モードを無効にしたりする)したりするときに、UEが再度第1のネットワークに対する登録手続きを開始する。UEが再度第1のネットワークに登録することに成功した後、UEが第1のUEコンテキスト(又は第2のUEコンテキスト)を削除し、RRC_CONNECT状態からRRC_IDLE状態に切り換わる。
【0161】
S403.RRC_IDLE状態になることについての第1のネットワークの指示をUEが受信した後、UEが第1のUEコンテキストを削除し、第1のネットワークのRRC_CONNECT状態からRRC_IDLE状態に切り換わる。
【0162】
さらにいくつかの他の実施形態では、UEが第1のネットワークにおいてRRC_INACTIVE状態にあり、UEと第1のネットワークとの間で第2の既定の期間内にデータが送信されない場合、第1のネットワークがUEとコアネットワーク側とのNG接続を解放し、RRC_IDLE状態になることについての指示(たとえば、realseシグナリングやCNページングシグナリング)をUEに送信する。RRC_IDLE状態になることについての指示をUEが受信した後、UEが第1のUEコンテキスト(又は第2のUEコンテキスト)を削除し、RRC_INACTIVE状態からRRC_IDLE状態に切り換わる。
【0163】
言い換えると、UEがRRC_INACTIVE状態になった後、UEがネットワークからのデタッチを行なったりUEが再選択を実行したりした後でも、UEがRRC_INACTIVE状態にとどまる。UEが再度第1のネットワークに登録することに成功した後にのみ、UEがRRC_INACTIVE状態からRRC_CONNECT状態に切り換わる。従来技術と比較して、本出願の実施形態では、ネットワークからのデタッチ又は再選択を行なう場面でUEがRRC_INACTIVE状態にある時間が延長され、UEの実際の状態と、ネットワーク側によって記録されているUEの状態とが合致しないことに起因するネットワークのページングに対する応答の緩慢さが抑えられ、ネットワーク側のページングに対するUEの応答速度が向上する。
【0164】
さらにいくつかの他の場面では、上記の説明から、UEがネットワークからのデタッチを行なったりセルを再選択したりして、別のネットワーク(たとえば第2のネットワーク)にキャンプオンした後、UEがUEと第2のネットワークとの接続を確立するために第2のネットワークに対する登録手続きを開始することができることが分かる。
図5は本出願の実施形態に係るUEのページング成功率を向上させる別の方法のフローチャートである。方法は具体的には以下のステップを含む。
【0165】
S500.UEが第1のネットワークに対するRRC接続を確立する。この場合、UEがRRC_CONNECT状態にあり、第1のネットワークによって記録されているUEの状態がRRC_CONNECT状態である。第1のネットワークはたとえば5Gネットワークである。
【0166】
S501.UEがRRC_INACTIVE状態になるべきであることを指示すると第1のネットワークが判定する。
【0167】
UEと第1のネットワークとの間で第1の既定の期間内にデータが送信されないとき、UEがRRC_INACTIVE状態になるべきであることを指示すると第1のネットワーク(具体的には、たとえばgNBであってもよい)が判定する。
【0168】
S502.第1のネットワークがRRC_INACTIVE状態になるべきであることについての指示、たとえばRrcConnRelsese(Suspend)シグナリングをUEに送信する。
【0169】
S503.UEがRRC_INACTIVE状態になる。
【0170】
これに加えて、第1のネットワークによって記録されているUEの状態がRRC_INACTIVE状態である。
【0171】
S504.UEが第1のUEコンテキストを記憶する。
【0172】
S505.UEが第2のネットワークを再選択する。
【0173】
S506.UEが登録要求、たとえばTau_Requestシグナリングを第2のネットワークに送信する。
【0174】
たとえば、第1のネットワークは5Gネットワークであり、第1のネットワークのアクセスネットワークデバイスがgNBである。第2のネットワークはLTEネットワークであり、第2のネットワークのアクセスネットワークデバイスがeNBである。
【0175】
S507.第2のネットワークがUEを登録し、UEに登録成功応答、たとえばTAU_ACPシグナリングを返す。
【0176】
S508.UEがRRC_IDLE状態になる。
【0177】
S509.UEが第1のUEコンテキストを削除する。
【0178】
言い換えると、UEがRRC_INACTIVE状態になった後、UEがネットワークからのデタッチを行なったりUEが再選択を実行したりした後でも、UEがRRC_INACTIVE状態にとどまる。UEが第2のネットワークに登録することに成功した後にのみ、UEが第1のネットワークのRRC_INACTIVE状態から第2のネットワークのRRC_IDLE状態に切り換わる。UEが第2のネットワークでのサービスをトリガとして動作を開始するとき、UEがRRC_IDLE状態からRRC_CONNECT状態に切り換わる。従来技術と比較して、本出願の実施形態では、ネットワークからのデタッチ又は再選択を行なう場面でUEがRRC_INACTIVE状態にある時間が延長され、UEの実際の状態と、ネットワーク側によって記録されているUEの状態とが合致しないことに起因するネットワークのページングに対する応答の緩慢さが抑えられ、ネットワーク側のページングに対するUEの応答速度が向上する。
【0179】
本出願の実施形態ではシステムオンチップをさらに提供する。
図6に示されているように、システムオンチップは少なくとも1つのプロセッサ1101と少なくとも1つのインタフェイス回路1102とを含む。プロセッサ1101とインタフェイス回路1102とは回路を用いて相互接続されることが可能である。たとえば、インタフェイス回路1102は別の装置(たとえば、UE100のメモリ)から信号を受け取るように構成されることが可能である。別の例では、インタフェイス回路1102は別の装置(たとえばプロセッサ1101)に信号を送るように構成されることが可能である。たとえば、インタフェイス回路1102はメモリに記憶されている命令を読み込んで命令をプロセッサ1101に送ることができる。命令がプロセッサ1101によって実行されると、上記の実施形態のUE100(たとえば携帯電話器)によって実行されるステップをUEに実行させることができる。当然、システムオンチップは他のディスクリートデバイスをさらに含んでもよい。本出願の実施形態ではこれは特定のものに限定されない。
【0180】
本出願の実施形態では、UEに含まれ、上記の実施形態のいずれかの方法のUEの挙動を実施する機能を持つ装置をさらに提供する。このような機能はハードウェアによって実施されても、ハードウェアによって実行される対応するソフトウェアによって実施されてもよい。ハードウェア又はソフトウェアは上記の機能に対応する少なくとも1つのモジュール又は部位を含み、たとえば、通信モジュール又は通信部、決定モジュール又は決定部、及び切換モジュール又は切換部を含む。
【0181】
本出願の実施形態ではコンピュータ命令を含むコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、コンピュータ命令がUEで実行されると、上記の実施形態のいずれかの方法をUEに実行させる。
【0182】
本出願の実施形態ではコンピュータプログラムプロダクトをさらに提供し、本コンピュータプログラムプロダクトがコンピュータで実行されると、上記の実施形態のいずれかの方法をコンピュータに実行させる。
【0183】
本出願の実施形態ではUEのグラフィカルユーザインタフェイスをさらに提供し、UEはディスプレイ、カメラレンズ、メモリ及び1つ以上のプロセッサを含み、1つ以上のプロセッサはメモリに記憶されている1つ以上のコンピュータプログラムを実行するように構成され、本グラフィカルユーザインタフェイスはUEが上記の実施形態のいずれかの方法を実行するときに表示されるグラフィカルユーザインタフェイスを含む。
【0184】
上記の機能を実施するために、端末などが、すべての機能を実施する対応するハードウェア構成及び/又はソフトウェアモジュールを含むことが分かる。本明細書に開示されている実施形態を参照して説明されている例の部位及びアルゴリズムステップが本出願の実施形態のハードウェア、又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組合せによって実施されることが可能であることに当業者は当然きわめて容易に想到する。ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって機能が実行されるか否かは技術的解決手段の具体的な用途と設計の制約とに依存する。説明されている機能を実施するのに具体的な用途毎に異なる方法を当業者は用いることができるが、この実施が本発明の実施形態の範囲を超えるとは当然みなされない。
【0185】
本出願の実施形態では、端末デバイスなどについて機能モジュールの分割が上記の方法例に基づいて実行されてもよい。たとえば、機能モジュールが機能との1対1対応の分割により得られてもよいし、2つ以上の機能が1つの処理モジュールに統合されてもよい。当該統合されたモジュールはハードウェアの形態で実施されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実施されてもよい。本発明の実施形態のモジュールの分割は一例であり、論理機能の分割にすぎない点に留意するべきである。実際の実施では別の分割の仕方がある場合がある。
【0186】
上記の実現例の説明を通じて、簡便かつ簡潔に説明するために、上記が機能モジュールの分割の一例を説明しているのにすぎないことを当業者は明確に理解することができる。実際に適用する際、機能が所望通りに異なる機能モジュールに割り当てられることが可能であり、すなわち、装置の内部構成が異なる機能モジュールに分割され、上記で説明されている全部又は一部の機能が完遂される。上記の説明のシステム、装置及び部位の詳細な動作プロセスについては、上記の方法の実施形態の対応するプロセスを参照する。本説明では詳細は重ねて説明しない。
【0187】
本出願の実施形態の機能部位が1つの処理部位に統合されてもよいし、部位の各々が物理的に単独で存在してもよいし、2つ以上の部位が1つの部位に統合されてもよい。統合された部位がハードウェアの形態で実施されてもよいし、ソフトウェア機能部位の形態で実施されてもよい。
【0188】
ソフトウェア機能部位の形態で実施され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、統合された部位がコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づけば、本出願の実施形態の技術的解決手段の、先行技術に対して貢献する必須部分若しくは部分、又は技術的解決手段のすべて若しくはいくつかがソフトウェア製品の形態で実施されてもよい。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(たとえば、パーソナルコンピュータ、サーバやネットワークデバイス)やプロセッサに本出願の実施形態の上記の方法のステップのすべて又はいくつかを実行させるいくつかの命令を含む。上記の記憶媒体は、フラッシュメモリ、リムーバブルハードディスク、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスクや光ディスクなどのプログラムコードを記憶することができるあらゆる媒体を含む。
【0189】
上記は本出願の特定の実施形態を説明するのにすぎず、一方で、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願で開示されている技術範囲内のあらゆる変形又は置換が当然本出願の保護範囲に含まれる。したがって、本出願の保護範囲は当然請求項の保護範囲にしたがうものになっている。
【符号の説明】
【0190】
1 アンテナ
2 アンテナ
100 UE
110 プロセッサ
120 外部ストレージインタフェイス
121 内部メモリ
130 USBインタフェイス
140 充電管理モジュール
141 電力管理モジュール
142 バッテリ
150 モバイル通信モジュール
160 無線通信モジュール
170 オーディオモジュール
170A スピーカ
170B 受話器
170C マイクロフォン
170D イヤホンジャック
180 センサモジュール
190 ボタン
191 モータ
192 インジケータ
193 カメラレンズ
194 ディスプレイ
195 SIMカードインタフェイス
1101 プロセッサ
1102 インタフェイス回路