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▶ シェンジェン コア メディカル テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】血液ポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/17 20210101AFI20230814BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20230814BHJP
   A61M 60/411 20210101ALI20230814BHJP
   A61M 60/804 20210101ALI20230814BHJP
   A61M 60/818 20210101ALI20230814BHJP
   A61M 60/492 20210101ALI20230814BHJP
   A61M 60/508 20210101ALI20230814BHJP
【FI】
A61M60/17
A61M60/237
A61M60/411
A61M60/804
A61M60/818
A61M60/492
A61M60/508
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022543568
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 CN2021131267
(87)【国際公開番号】W WO2022134956
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】202011525102.7
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520245301
【氏名又は名称】シェンジェン コア メディカル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN CORE MEDICAL TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】余 ▲順▼周
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-511455(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0071576(US,A1)
【文献】特開2008-245503(JP,A)
【文献】特開2019-129637(JP,A)
【文献】国際公開第2006/068042(WO,A1)
【文献】特開2019-022428(JP,A)
【文献】特表2007-507257(JP,A)
【文献】特表2013-536021(JP,A)
【文献】特表2015-508678(JP,A)
【文献】特表2020-534085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 60/00-60/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液流入口と血液流出口を有するカニューレと、前記カニューレ内に設けられたインペラと、前記インペラを回転駆動することが可能な駆動ユニットと、を備える血液ポンプであって、
前記駆動ユニットは、筐体と、回転子と、固定子とを含み、前記筐体は前記カニューレに接続され、前記回転子は、回転軸と磁性体とを含み、前記回転軸は、一部が前記筐体に収容され、一部が前記筐体の外側に延在して前記インペラに接続され、前記磁性体は前記筐体内に収容され、前記磁性体は前記回転軸に設けられ、前記固定子は、前記回転軸の軸線を取り囲むように配置された複数のポストと、前記ポストの外周に巻回されるコイル巻線とを含み、前記コイル巻線は、前記磁性体と相互作用して前記回転軸を回転させる回転磁界を発生可能であり、前記磁性体と前記ポストは、前記回転軸の延在方向に沿って間隔で設けられていることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記磁性体は、前記回転軸の軸線に沿って間隔で配置された第1の磁性体と第2の磁性体とを含み、前記ポストが前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に位置し、前記コイル巻線が発生した回転磁界は、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体とそれぞれ相互作用して前記回転軸を回転させることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載の血液ポンプにおいて、前記ポストは、ロッド部と、前記ロッド部の両端にそれぞれ設けられた第1のヘッド部及び第2のヘッド部とを含み、前記第1の磁性体は前記第1のヘッド部に対向し、前記第2の磁性体は前記第2のヘッド部に対向することを特徴とする血液ポンプ。
【請求項4】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記ポストは、ロッド部と、前記ロッド部の一端に固定されたヘッド部とを含み、前記ヘッド部は前記磁性体と対向し、前記固定子はバックプレートをさらに含み、前記バックプレートは、前記ロッド部の前記ヘッド部から離れた一端に接続されることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項5】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記回転子は、前記回転軸に設けられたフライホイールをさらに含み、前記磁性体は前記フライホイールに固定されていることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項6】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記磁性体と前記ポストとの軸方向ピッチの範囲が0.1mm~2mmであることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項7】
請求項6に記載の血液ポンプにおいて、前記磁性体と前記ポストとの軸方向ピッチの範囲が0.1mm~0.5mmであることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項8】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記磁性体は、前記回転軸の軸線に沿って間隔で配置された第1の磁性体と第2の磁性体とを含み、前記固定子は、前記回転軸の軸線に沿って間隔で配置された第1の固定子と第2の固定子を含み、前記第1の固定子の前記コイル巻線が発生した回転磁界は、前記第1の磁性体と相互作用して前記回転軸を回転させることが可能であり、前記第2の固定子のコイル巻線が発生した回転磁界は、前記第2の磁性体と相互作用して前記回転軸を回転させることが可能であることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項9】
請求項8に記載の血液ポンプにおいて、前記回転子は、前記回転軸に設けられたフライホイールをさらに含み、前記フライホイールは前記第1の固定子と前記第2の固定子との間に位置し、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体は、前記フライホイールにそれぞれ固定されていることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項10】
請求項8に記載の血液ポンプにおいて、前記第1の固定子と前記第2の固定子はいずれもバックプレートを含み、前記第1の固定子の前記バックプレートは、前記第1の固定子の前記ポストの一端に接続され、前記第1の固定子の前記ポストの他端は、前記第1の磁性体に近づく方向に延在し、前記第2の固定子の前記バックプレートは、前記第2の固定子の前記ポストの一端に接続され、前記第2の固定子のポストの他端は、前記第2の磁性体に近づく方向に延在していることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項11】
請求項8に記載の血液ポンプにおいて、前記第1の磁性体は2つであり、前記第1の固定子の前記ポストの両端は、2つの前記第1の磁性体に近づく方向にそれぞれ延在しており、前記第2の固定子は、前記第2の固定子の前記ポストの一端に接続されたバックプレートをさらに含み、前記第2の固定子の前記ポストの他端は、前記第2の磁性体に近づく方向に延在していることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項12】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記磁性体は、第1の磁性体と、第2の磁性体と、第3の磁性体と、第4の磁性体とを含み、前記固定子は、前記回転軸の中心軸線に沿って設けられた第1の固定子と第2の固定子とを含み、前記第1の固定子は前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に位置し、前記第2の固定子は前記第3の磁性体と前記第4の磁性体との間に位置し、
前記第1の固定子の前記コイル巻線は、前記第1の磁性体と第2の磁性体と相互作用して前記回転軸を回転させる回転磁界を発生可能であり、前記第2の固定子の前記コイル巻線は、前記第3の磁性体と第4の磁性体と相互作用して回転軸を回転させる回転磁界を発生可能であることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項13】
請求項12に記載の血液ポンプにおいて、前記回転子は、回転軸の軸線に沿って前記回転軸に間隔で設けられた第1のフライホイールと、第2のフライホイールと、第3のフライホイールとをさらに含み、前記第1のフライホイールには前記第1の磁性体が取り付けられ、前記第2のフライホイールには前記第2の磁性体と前記第3の磁性体とがそれぞれ取り付けられ、前記第3のフライホイールには前記第4の磁性体が取り付けられていることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項14】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記駆動ユニットは、前記筐体内に固定的に収容された遠位端軸受と近位端軸受とをさらに含み、前記遠位端軸受と前記近位端軸受は、前記回転軸の軸線に沿って配置され、且つ前記遠位端軸受は、前記近位端軸受よりも前記インペラに近接し、前記回転軸は前記遠位端軸受を貫設して前記近位端軸受に接続されていること
を特徴とする血液ポンプ。
【請求項15】
請求項14に記載の血液ポンプにおいて、前記筐体内には、前記遠位端軸受を収容するストッパ溝と、前記近位端軸受を収容するストッパ溝とがそれぞれ設けられていることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項16】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記駆動ユニットは、前記筐体内に固定的に収容された制御部材をさらに含み、前記制御部材は前記コイル巻線と電気的に接続され、前記筐体内には前記制御部材を収容するためのストッパ溝が設けられていることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項17】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記筐体は、第1の筐体と、第2の筐体と、第3の筐体とを含み、前記第3の筐体は前記固定子の外側に外嵌され、前記第1の筐体と前記第2の筐体は前記第3の筐体の両端にそれぞれ接続され、前記回転軸は、前記第1の筐体を貫通して前記インペラに接続していることを特徴とする血液ポンプ。
【請求項18】
請求項1に記載の血液ポンプにおいて、前記筐体には位置決め構造が設けられ、前記コイル巻線の接続線が前記位置決め構造内に固定されていること
を特徴とする血液ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年12月22日に中国特許庁に提出された、出願番号が202011525102.7で、発明名称が「血液ポンプ」の中国特許出願の優先権を主張し、その全内容を引用により本願に組み込んでいる。
【0002】
本願は医療機器の技術分野に関するものであり、具体的には血液ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0003】
ここでの記載は、本願に関連する背景情報のみを提供するものであり、必ずしも先行技術を構成するものではない。
【0004】
血管内血液ポンプは、例えば大腿または腋窩の動脈または静脈の血管内など、患者の血管内に経皮的に挿入されるように設計されており、患者の心臓内に進み、左心室補助装置または右心室補助装置として機能することができる。したがって、血管内血液ポンプは心内血液ポンプとも呼ばれる。
【0005】
血液ポンプは、主にインペラと、当該インペラを回転駆動するモータとを備え、モータがインペラを回転駆動すると、インペラはその中心軸を中心に回転し、血液を血液ポンプの血液流入口から血液流出口に送ることができる。モータが動作時に回転磁界を発生し、インペラには、当該回転磁界と相互作用する磁性体が設けられ、インペラをその中心軸を中心に回転させる。しかしながら、インペラ上の磁性体は、インペラに重量を増加させ、インペラのポンピング効率を低下させる。また、インペラの大きさと形状の設計は、その上の磁性体に制限され、インペラの加工が難しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例の目的の1つは、従来の血液ポンプが加工の難易度が高く、ポンピング効率が低いという技術的課題を少なくとも解決することができる血液ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施例で採用された技術的解決手段は、血液流入口と血液流出口を有するカニューレと、前記カニューレ内に設けられたインペラと、前記インペラを回転駆動することが可能な駆動ユニットと、を備える血液ポンプであって、
前記駆動ユニットは、筐体と、回転子と、固定子とを含み、前記筐体は前記カニューレに接続され、前記回転子は、回転軸と磁性体とを含み、前記回転軸は、一部が前記筐体に収容され、一部が前記筐体の外側に延在して前記インペラに接続され、前記磁性体は前記筐体内に収容され、前記磁性体は前記回転軸に設けられ、前記固定子は、前記回転軸の軸線を取り囲むように配置された複数のポストと、前記ポストの外周に巻回されるコイル巻線とを含み、前記コイル巻線は、前記磁性体と相互作用して前記回転軸を回転させる回転磁界を発生可能であり、前記磁性体と前記ポストは、前記回転軸の延在方向に沿って間隔で設けられている、血液ポンプを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本願の実施例により提供された血液ポンプは、少なくとも以下のような有益な効果を有する。磁性体をインペラに直接設けるのに比較すると、本願では、磁性体を回転軸に設けることにより、磁性体と固定子との軸方向ピッチが他の部品、特にインペラと筐体との軸方向ピッチ及び筐体の厚さの影響を受けないようにすることができ、磁性体と固定子との間に、より小さい軸方向ピッチを容易に得ることができる。磁性体と固定子のポストとの軸方向ピッチが小さくなると、磁性体とポストとの間の磁気密度が増加し、それに伴い駆動ユニットの出力パワー及びトルクも増加する。したがって、本願では、磁性体とポストとを軸方向に沿って間隔で回転軸に設けることにより、両者の間により大きい磁気密度を有させ、駆動ユニットの出力パワーを増加させることができる。また、磁性体が回転軸に設けられるため、本願のインペラの大きさ及び形状の設計は磁性体の影響を受けず、インペラの設計はより柔軟になり、インペラの加工の難易度が低減される。
【0009】
本願の実施例に係る技術的解決手段をより明らかにするために、以下、実施例または例示的な技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な工夫をせずに、これらの図面により他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願の第1の実施例により提供された血液ポンプの斜視図である。
図2図1の血液ポンプの分解図である。
図3図1の血液ポンプのインペラと駆動ユニットとの連結を示す断面図である。
図4図3の血液ポンプのインペラと駆動ユニットの分解図である。
図5図3の駆動ユニットの回転子の構造概略図である。
図6図5の回転子の回転軸とフライホイールの構造概略図である。
図7図3の駆動ユニットの固定子の分解図である。
図8図7の固定子のバックプレートの構造概略図である。
図9図3の駆動ユニットの筐体の分解図である。
図10図9の筐体の第2の筐体の構造概略図である
図11】本願の第2の実施例により提供された血液ポンプのインペラと駆動ユニットの断面図である。
図12図11の駆動ユニットの回転子と固定子の分解図である。
図13図12の固定子の分解図である。
図14図11のインペラと駆動ユニットの分解図である。
図15図11の駆動ユニットの筐体の分解図である。
図16】本願の第3の実施例により提供された血液ポンプのインペラと駆動ユニットの断面図である。
図17図16の駆動ユニットの回転子と固定子の分解図である。
図18図16のインペラと駆動ユニットの分解図である。
図19図17の回転子の回転軸とフライホイールの構造概略図である。
図20図16の駆動ユニットの筐体の分解図である。
図21】本願の第4の実施例により提供された血液ポンプのインペラと駆動ユニットの断面図である。
図22図21の駆動ユニットの回転子と固定子の分解図である。
図23図22の固定子のポストの分解図である。
図24図21のインペラと駆動ユニットの分解図である。
図25】本願の第5の実施例により提供された血液ポンプのインペラと駆動ユニットの断面図である。
図26図25の駆動ユニットの回転子と固定子の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の目的、技術的解決手段および利点をより明らかにするために、以下、図面と実施例を参照しながら、本願をより詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施例は本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0012】
ある部品が別の部品に「固定」または「設置」されると称する場合、それが」部品に直接的または間接的に位置するようにしてもよい。ある部品が別の部品に「接続される」場合、それが別の部品に直接的に又は間接的に接続されてもよい。専門用語において、「上」、「下」、「左」、「右」等が標示した方位又は位置関係は、図面に示された方位又は位置関係に基づくものであり、説明しやすいためのものに過ぎず、装置又は部品が特定の方位を有しそして特定の方位で構築すると操作する必要があることを指す又は暗示するためのものではないため、本願に対する限定として理解されるべきではなく、当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の具体的な意味を理解することができる。「第1」、「第2」という用語は説明の目的だけに用いられ、比較的重要性を指示または暗示するか、あるいは示された技術的特徴の数を黙示的に指示するためのものとして理解すべきではない。別途明確かつ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ以上を意味する。
【0013】
本願が提供された技術的解決手段を説明するために、以下、具体的な図面と実施例を参照しながらより詳細に説明する。介入医療の分野では、通常、機器の術者から近い側を近位端、術者から遠い側を遠位端と定義する。
【0014】
図1図2に示すように、本願の第1の実施例は、インペラ10と、駆動ユニット20と、カニューレ30と、導管40を含む血液ポンプ100を提供する。インペラ10はカニューレ30内に回転可能に設けられ、駆動ユニット20はインペラ10を回転駆動することが可能であり、カニューレ30の近位端は駆動ユニット20の遠位端に接続され、導管40の遠位端は駆動ユニット20の近位端に接続されている。このうち、導管40は、洗浄ラインや、駆動ユニット20に電気的に接続された配線等の供給ラインを収容するためのものである。カニューレ30には血液流入口31と血液流出口32が設けられており、インペラ10が作動する時に、血液は血液流入口31からカニューレ30内に流入し、カニューレ30内の血流路に沿って血液流出口32から排出される。
【0015】
図3に示すように、駆動ユニット20は、カニューレ30の外に位置し、そしてカニューレ30の近位端に固定的に接続されている。駆動ユニット20は、筐体21と、筐体21に配置された回転子22および固定子23とを含む。筐体21はカニューレ30に接続され、具体的には、筐体21の遠位端はカニューレ30の近位端に固定的に接続されている。回転子22の一部は筐体21内に収容され、回転子22は筐体21に対して回転可能である。回転子22は、回転軸221と、回転軸221に嵌合された磁性体223とを含む。回転軸221は、一部が筐体21内に収容され、一部が筐体21外側に延在してインペラ10に固定的に接続されている。磁性体223は筐体21内に収容され、磁性体223は回転軸221に設けられている。固定子23は、回転軸221の軸線を取り囲むように配置された複数のポスト231と、ポスト231の外周に巻回されるコイル巻線232とを含み、コイル巻線232は、磁性体223と相互作用して回転軸221を回転させる回転磁界を発生可能である。このうち、磁性体223は、ポスト231から回転軸221の延在方向に間隔で設けられている。
【0016】
いくつかの実施例では、磁性体223とポスト231との軸方向ピッチを0.1mm~2mmとすることにより、磁性体223とポスト231との間により大きい磁気密度を有させ、駆動ユニット20の出力パワーを増加することができる。例えば0.1mm~0.5mmである。本願では、回転軸221に平行な延在方向(すなわち、回転軸の軸線の延在方向)を軸方向と定義し、軸方向に垂直な方向を径方向と定義する。
【0017】
なお、磁性体223またはポスト231の端面が傾斜面または非平坦面である場合に、ここでの磁性体223とポスト231との「軸方向ピッチ」というは、磁性体223の最も近位端の点とポスト231の最も遠位端の点との間の軸方向の距離を意味するか、あるいは、磁性体223の最も遠位端の点とポスト231の最も近位端の点との間の軸方向の距離を意味する。
【0018】
従来技術において磁性体をインペラに直接設けるのに比較すると、本願では、磁性体223を回転軸221に設けることにより、磁性体223と固定子23との軸方向ピッチが他の部品、特にインペラ10と駆動ユニット20の筐体21との軸方向ピッチ及び筐体21の厚さの影響を受けないようにすることができ、磁性体223と固定子23との間に、より小さい軸方向ピッチを容易に得ることができる。磁性体223と固定子23のポスト231との軸方向ピッチが小さくなると、磁性体223とポスト231との間の磁気密度が増加し、それに伴い駆動ユニット20の出力パワーも増加する。したがって、本願では、磁性体223とポスト231が軸方向に沿って間隔で回転軸221に設けられ、そして、磁性体223が回転軸221に設けられるため、本願のインペラ10の大きさ及び形状の設計は磁性体223の影響を受けず、インペラ10の設計はより柔軟になり、インペラ10の加工の難易度が低減される。
【0019】
また、本願では、磁性体223とポスト231が回転軸221の延在方向に沿って(すなわち、軸方向に沿って)間隔で設けられ、軸方向の磁束による直接駆動により回転軸221を回転駆動させ、これにより駆動ユニット20の径方向の寸法を小さくすることができる。すなわち、本願は、駆動ユニット20全体の径方向の寸法を小さくした上で、駆動ユニット20の出力パワー及び負荷トルクを大きくすることができる。
【0020】
以下、駆動ユニット20の構造について具体的に説明する。
【0021】
図4に示すように、駆動ユニット20は、筐体21と、筐体21内にそれぞれ取り付けられた回転子22と、固定子23と、遠位端軸受24と、近位端軸受25と、制御部材26とを含む。図5に示すように、回転子22は、回転軸221と、フライホイール222と、磁性体223とを含む。回転軸221の遠位端は、筐体21の外側に延在してインペラ10に固定的に接続される。フライホイール222は、回転軸221に固定されている。磁性体223はフライホイール222に固定されており、固定子23が発生した回転磁界は、磁性体223と相互作用することにより、磁性体223と磁性体223に固定的に接続されたフライホイール222とを共に回転させ、これで回転軸221とインペラ10とを回転させることができる。
【0022】
いくつかの実施例では、磁性体223は、回転軸221を取り囲む複数の磁気ユニットを含み、隣接する2つの磁気ユニットは間隔で設けられる。隣接する2つの磁気ユニット間のギャップが小さすぎると、隣接する2つの磁気ユニット間に伸びる最も内側の磁界が、固定子23が発生した回転磁界と相互作用することができなく、回転軸221の回転速度に影響を与える。したがって、隣接する2つの磁気ユニットを間隔で設けられ、そして磁性体223と固定子23との間の軸方向のピッチの大きさに応じて、隣接する2つの磁気ユニット間のギャップの大きさを調整することができる。本実施例では、磁性体223は6つの磁気ユニットで構成され、6つの磁気ユニットは回転軸221の軸線を取り囲んで間隔で配置されている。各磁気ユニットは扇形の磁石であり、磁性体223が略円環状の構造となっている。なお、他の実施例では、磁性体223は、2個、4個、8個、または10個のような、より多くまたはより少ない磁気ユニットから構成されてもよい。
【0023】
図6に示すように、フライホイール222は、本体部2221と、取付ボス2222とを含む。本体部2221は、例えば円盤構造のような、略ディスク構造である。取付ボス2222は本体部2221に固定的に接続され、且つ取付ボス2222は本体部2221の固定子23に向かう側に位置し、回転軸221は本体部2221と取付ボス2222とを固定的に貫設する。磁性体223は本体部2221に固定され、そして取付ボス2221の外周を取り囲むように設けられている。
【0024】
具体的には、取付ボス2222は、本体部2221の中間部に位置している。取付ボス2222は、一端が本体部2221に固定的に接続され、他端が回転軸221の延在方向に沿って本体部2221から離れた方向に延在し、取付ボス2222の外径は、回転軸221の外径よりも大きいけれども、本体部2221の外径よりも小さい。本体部2221に取付ボス2221を設けることにより、磁性体223を組み立てる時の位置決めを容易にすることができ、磁性体223を本体部2221に良好に固定することができる。
【0025】
本願では、回転軸221にはフライホイール222が設けられ、そして磁性体223がフライホイール222に固定され、フライホイール222とともに回転軸221を回転させることにより、磁性体223と回転軸221との接続強度を増加し、回転軸221の回転時の安定性を向上することができる。本実施例では、フライホイール222は、回転軸221と一体成形の構造である。他の実施例では、フライホイール222は、接着や溶接等の他の方法で回転軸221に固定的に接続されてもよい。
【0026】
なお、本実施例のフライホイール222は一例のみに過ぎず、本願を限定するものではない。磁性体223を回転軸221に固定することができるものであれば、本願のフライホイール222は他の構成であってもよい。例えば、他の実施例では、フライホイール222は本体部2221のみを含み、磁性体223は、本体部2221の固定子23に向かう側に固定される;あるいは、フライホイール222は取付ボス2222のみを含み、磁性体223は、取付ボス2222の外周面に固定される;あるいは、フライホイール222は回転軸221の軸線を取り囲んで間隔で配置された複数の支持ロッドによって構成され、各支持ロッドは、一端が回転軸221に固定され、他端が径方向にそって回転軸221から離れた側に向けて延在し、支持ロッドの数は磁気ユニットと同じであり、各支持ロッドの固定子23に近い側には1つの磁気ユニットが固定されている。また、他の実施例では、回転軸221にフライホイール222を設けず、磁性体223は回転軸221に直接固定される;あるいは、回転軸221に固定溝を設け、磁性体223は当該固定溝内に嵌合される。
【0027】
図7に示すように、固定子23は、回転軸221の軸線を取り囲むように配置された複数のポスト231と、ポスト231の外周に巻回されるコイル巻線232と、バックプレート233とを含む。固定子23の中心には、軸方向に沿って貫通する通路が備えられ、回転軸221は当該通路を回転可能に貫設する。複数のポスト231は略円環構造に囲まれるために、回転軸221の軸線を取り囲むように配置され、回転軸221が当該略円環構造の中心から貫通する。磁気コアであるポスト231は、コバルト鋼等の軟磁性材料で製造される。各ポスト231は、ロッド部2311と、ロッド部2311の一端に固定されたヘッド部2312とを有し、ヘッド部2312は磁性体223と磁気的に結合されている。コイル巻線232は、ポスト231の数と同じである複数のコイル2321を含み、各ロッド部2311は、いずれも外周に対応する1つのコイル2321が巻回されている。コイル巻線232は、制御ユニット(図示せず)によって順次制御されて磁性体223を駆動するための回転磁界を生成する。バックプレート233は、ロッド部2311のヘッド部2312から離れた一端に接続して磁束回路を閉じ、これにより磁束を増加させて結合能力を向上させ、血液ポンプ全体の径方向の寸法を小さくした上で駆動ユニット20の出力パワーを増加させることに寄与する。バックプレート233も、ポスト231と同じ材質のコバルト鋼等の軟磁性材料で製造されている。
【0028】
図8に示すように、バックプレート233には第1の取付孔2331が設けられ、第1の取付孔2331と回転軸221とが隙間はめであり、回転軸221は第1の取付孔2331を回転可能に貫設する。バックプレート233には、コイル巻線232の接続線を通せるための退避溝2332がさらに設けられている。バックプレート233には、軸方向に沿って貫通する貫通孔2333が設けられ、組み立て時に、当該貫通孔2333を介してバックプレート233とロッド部2311との間に接着剤を注入することにより、ロッド部2311をバックプレート233に固定的に接続することができる。図8に示された実施例では、貫通孔2333は座ぐり構造であり、貫通孔2333の数はロッド部2311と同じであり、各貫通孔2333はロッド部2311の位置に対応している。なお、他の実施例では、貫通孔2333は、バックプレート233を貫通することができる限り、他の形態の孔構造であってもよいことを理解されたい;あるいは、バックプレート233に貫通孔2333を設けず、溶接等の他の接続手段により、ロッド部2311とバックプレート233とを固定的に接続する。
【0029】
遠位端軸受24と近位端軸受25は何れも筐体21内に固定的に収容され、遠位端軸受24と近位端軸受25は回転軸221の軸線に沿って配置され、遠位端軸受24は、近位端軸受25よりもインペラ10に近く、回転軸221は、遠位端軸受24を貫設して近位端軸受25に接続されている。制御部材26は筐体21内に固定的に収容され、制御部材26はコイル巻線232に電気的に接続されている。
【0030】
図9に示すように、具体的には、筐体21は、第1の筐体211と、第2の筐体212と、第3の筐体213とを含む。第3の筐体213は固定子23の外側に外嵌され、第1の筐体211と第2の筐体212は第3の筐体213の両端にそれぞれ接続され、回転軸221は第1の筐体211を貫通してインペラ10に接続している。具体的には、第1の筐体211と、第3の筐体213と、第2の筐体212とは、回転軸221の軸線に沿って順次配置されている。第1の筐体211は回転子22の遠位端に近接しており、第2の筐体212は回転子22の近位端に近接している。第1の筐体211は、略一端が開口で、他端が閉じている構造である。回転軸221の遠位端は、第1の筐体211を貫通してインペラ10に接続されている。第1の筐体211には、第1の筐体211の近位端から遠位端に向かう方向に沿って、連通されている第1の接続溝2110と、第1の取付溝2111と、第1のストッパ溝2112と、通過孔2113が設けられている。
【0031】
第1の接続溝2110は、第3の筐体213と接続するために使用される。組み立て時に、第3の筐体213の遠位端接続部材2131を第1の接続溝2110に挿入して、第1の筐体211と第3の筐体213とを固定的に接続させる。第1の取付溝2111は、磁性体223とフライホイール222を収容するために使用され、磁性体223とフライホイール222は、第1の取付溝2111内に回転可能に収容されている。このうち、第1の取付溝2111の内径は、磁性体223とフライホイール222の外径よりも大きく、これで回転時に磁性体223とフライホイール222が第1の取付溝2111の内壁に接触することが回避される。第1のストッパ溝2112は、遠位端軸受24を収容するために使用され、遠位端軸受24は、第1のストッパ溝2112内に固定される。このうち、遠位端軸受24は、第1のストッパ溝2112の側壁に当接し、これで遠位端軸受24の径方向に沿う移動が回避される。図6に示すように、回転軸221には遠位端制限部2211が設けられ、遠位端制限部2211は第1のストッパ溝2112の底壁に合わせて、遠位端軸受24を遠位端制限部2211と第1のストッパ溝2112との間に制限し、これで遠位端軸受24の軸方向に沿う移動が回避される。通過孔2113は、回転軸221の遠位端を貫通させるためのものである。通過孔2113と回転軸221とが隙間嵌めであり、回転軸221の遠位端は通過孔2113を通って筐体21の外側に延在してインペラ10に固定的に接続されている。
【0032】
図9図10に示すように、第2の筐体212は、略一端が開口で、他端が閉じている構造である。第2の筐体212には、第2の筐体212の遠位端から近位端に向かう方向に沿って、連通されている第2の接続溝2120と、第2の取付溝2121と、第2のストッパ溝2122と、第3のストッパ溝2123と、接続孔2124とが設けられている。第2の接続溝2120は、第3の筐体213に接続するために使用される。組み立て時に、第3の筐体213の近位端接続部材2132を第2の接続溝2110に挿入して、第2の筐体212と第3の筐体213とを固定的に接続させる。第2の取付溝2121はバックプレート233を収容するために使用され、バックプレート233は第2の取付溝2121内に固定されている。第2の取付溝2121の側壁には係止溝2126が設けられ、係止溝2126は第2の取付溝2121の側壁から第2の筐体212の外表面に向かって凹んでいる。図8に示すように、バックプレート233の側壁には、ストッパ突起2334が設けられている。組み立て時に、バックプレート233のストッパ突起2334が係止溝2126内に当接し、これでバックプレート233が第2の取付溝2121内で回転することが回避される。
【0033】
第2のストッパ溝2122は、制御部材26を収容するために使用され、制御部材26は、当該第2のストッパ溝2122内に固定される。本実施例では、制御部材26は、軸方向で重ねた2枚のPCB基板を含み、コイル巻線232の接続線は、対応するPCB基板にそれぞれ接続されている。各PCB基板には第2の取付孔が設けられ、第2の取付孔と回転軸221とが隙間嵌めであり、回転軸221は、当該第2の取付孔に回転可能に挿通している。なお、本実施例では、具体的なPCB基板の数が限定されなく、必要に応じて1枚、3枚またはそれ以上のPCB基板を設けてもよい。
【0034】
第3のストッパ溝2123は、近位端軸受25を収容するために使用され、近位端軸受25は、第3のストッパ溝2123内に固定されている。近位端軸受25は、第3のストッパ溝2123の側壁に当接し、これで近位端軸受25の径方向への移動が回避される。図6に示すように、回転軸221には近位端制限部2212が設けられ、近位端制限部2212は第3のストッパ溝2123の底壁に合わせて、近位端軸受25を近位端制限部2212と第3のストッパ溝2123との間に制限し、これで近位端軸受25の軸方向に沿う移動が回避される。接続孔2124は、導管40内の供給ライン(例えば、洗浄ラインや、PCB基板に電気的に接続された配線)を通せるためのものである。図10に示された実施例では、接続孔2124は3つであり、各接続孔2124は第2の筐体212を軸方向に貫通している。
【0035】
具体的には、図9に示すように、第3の筐体213は、略両端が開口した構造であり、第3の筐体213は、固定子23の外側に外嵌されている。第3の筐体213の両端には、遠位端接続部材2131と近位端接続部材2132とがそれぞれ設けられる。組み立て時には、遠位端接続部材2131が第1の筐体211の第1の接続溝2110内に挿入され、近位端接続部材2132が第2の筐体212の第2の接続溝2120内に挿入される。
【0036】
なお、本実施例の筐体21は一例のみに過ぎず、本願を限定するものではない。固定子23と回転子22の外側に外嵌され、固定子23と回転子22を封止する役割を果たすことができるものであれば、本願の筐体21は他の構成であってもよい。例えば、他の実施例では、筐体21は、回転子22の遠位端の外側に外嵌された第1の筐体211と、回転子22の近位端の外側に外嵌された第2の筐体212と、固定子23の外側に外嵌された第3の筐体213とを含む。このうち、第3の筐体213と第2の筐体212とは一体構造であり、または、第3の筐体213と第1の筐体211とは一体構造である。
【0037】
図11図12に示すように、本願の第2の実施例は、インペラ10と、駆動ユニットと、カニューレと、導管とを含む血液ポンプ100を提供する。駆動ユニットは、筐体21と、筐体21内に配置された回転子22および固定子23とを含む。回転子22は回転軸221を含み、回転軸221は、筐体21の外側に延在してインペラ10に接続される。
【0038】
第2の実施例の血液ポンプと第1の実施例との相違点として、回転子22の磁性体223は、回転軸221の軸線に沿って間隔で配置された第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとの2つであり、固定子23が第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとの間に位置し、固定子23が発生した回転磁界は、第1の磁性体223aと第2の磁性体223bと相互作用して回転軸221を回転させる。対応的に、回転子22は、軸方向に沿って間隔で回転軸221に配置された第1のフライホイール222aと第2のフライホイール222bとの2つのフライホイール222をさらに有する。第1の磁性体223aは第1のフライホイール222aに取り付けられ、第2の磁性体223bは第2のフライホイール222bには取り付けられている。
【0039】
図13に示すように、固定子23は、回転軸221の軸線を取り囲むように配置された複数のポスト231と、ポスト231の外周に巻回されるコイル巻線232とを含み、コイル巻線232が発生した回転磁界は、第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとそれぞれ相互作用して回転軸221を回転させる。
【0040】
第1の実施例と比較すると、第2の実施例の回転子22は2つの磁性体223を含み、固定子23が発生した回転磁界は2つの磁性体223とそれぞれ相互作用し、2つの磁性体223によって回転軸221を回転駆動することで、回転軸221の回転速度を大幅に向上させ、駆動ユニットの出力パワーと負荷トルクを増大させることができる。また、固定子23と2つの磁性体223とが軸方向に沿って間隔で設けられ、軸方向の磁束による直接駆動により回転軸221を回転駆動させ、これにより駆動ユニット20全体の径方向の寸法を大きくすることなく、駆動ユニット20の出力パワーと負荷トルクを大きくすることができる。
【0041】
以下、第2の実施例の血液ポンプ100の駆動ユニット20の構成について具体的に説明する。
【0042】
図14に示すように、駆動ユニット20は、筐体21と、筐体21内にそれぞれ取り付けられた回転子22と、固定子23と、遠位端軸受24と、近位端軸受25と、制御部材26とを含む。図12に戻り、回転子22は、回転軸221と、第1のフライホイール222aと、第2のフライホイール222bと、第1の磁性体223aと、第2の磁性体223bとを含む。回転軸221の遠位端は、筐体21の外側に延在してインペラ10に固定的に接続される。回転軸221には、第1のフライホイール222aと第2のフライホイール222bとが軸方向に間隔で配置され、固定子23が第1のフライホイール222aと第2のフライホイール222bとの間に位置している。第1の磁性体233aは、第1のフライホイール222aの固定子23に近い側に固定され、第2の磁性体233bは、第2のフライホイール222bの固定子23に近い側に固定されている。第2の実施例の回転子22の磁性体とフライホイールの具体的な構造は、第1の実施例の磁性体とフライホイールの構造と同じであり、ここでは説明を省略する。図13に戻り、固定子23は、回転軸221の軸線を取り囲むように配置された複数のポスト231と、ポスト231の外周に巻回されるコイル巻線232とを含む。固定子23の中心には、軸方向に貫通する通路が備えられ、回転軸221は当該通路に回転可能に通過する。
【0043】
第1の実施例と比較すると、第2の実施例の固定子23は、バックプレートを備えず、ポスト231は、ロッド部2311と、ロッド部2311の両端にそれぞれ設けられた第1のヘッド部2312aと第2のヘッド部2312bとを含む。第1のヘッド部2312aは第1の磁性体223aに対向し、第2のヘッド部2312bは第2の磁性体223bに対向する。磁気コアであるポスト231は、コバルト鋼等の軟磁性材料で製造される。このうち、第1の磁性体223aとポスト231との軸方向ピッチは0.1mm~2mmであり、例えば0.1mm~0.5mmである;第2の磁性体223bとポスト231との軸方向ピッチは0.1mm~2mmであり、例えば0.1mm~0.5mmである。コイル巻線232は、ポスト231の数と同じである複数のコイル2321を含み、各ロッド部2311は、いずれも外周にコイル2321が巻回されている。コイル巻線232は、制御ユニット(図示せず)によって順次制御されて2つの磁性体を駆動するための回転磁界を生成する。
【0044】
図15に示すように、筐体21は、第1の筐体211と、第2の筐体212と、第3の筐体213とを含む。このうち、第1の筐体211は回転子22の遠位端の外側に外嵌され、第2の筐体211は回転子22の近位端の外側に外嵌され、第3の筐体213は固定子23の外側に外嵌されている。第2の実施例における第1の筐体211と第3の筐体213の構造は第1の実施例と同じであるため、第1の筐体2112と第3の筐体213の具体的な構造については、ここでは説明を省略する。
【0045】
第2の筐体212は、略一端が開口で、他端が閉じている構造である。第2の筐体212には、第2の筐体212の遠位端から近位端に向かう方向に沿って、連通されている第2の接続溝2120と、第2の取付溝2121と、第2のストッパ溝2122と、第3のストッパ溝2123と、接続孔とが設けられている。このうち、第2の取付溝2121は、第2のフライホイール222bと第2の磁性体223bを収容するために使用され、第2のフライホイール222bと第2の磁性体223bは、第2の収容溝に回転可能に収容されている。第2の取付溝2121の内径は、第2のフライホイール222bと磁性体223bの外径よりも大きく、これで回転時に第2のフライホイール222bと第2の磁性体223bが第2の取付溝2121の内壁に接触することが回避される。
【0046】
第1の実施例と同じように、第2の接続溝2120は、第3の筐体213に接続するために使用される。第2のストッパ溝2122は、制御部材26を収容するために使用され、制御部材26は、当該第2のストッパ溝2122内に固定される。第3のストッパ溝2123は、近位端軸受25を収容するために使用され、近位端軸受25は、第3のストッパ溝2123内に固定されている。接続孔は、導管40内の供給ライン(例えば、洗浄ラインや、PCB基板に電気的に接続された配線)を通せるためのものであり、接続孔は第2の筐体212を軸方向に沿って貫通する。
【0047】
図16図17に示すように、本願の第3の実施例は、インペラ10と、駆動ユニットと、カニューレと、導管とを含む血液ポンプ100を提供する。駆動ユニットは、筐体21と、筐体21内に配置された回転子22および固定子23とを含む。回転子22は回転軸221を含み、回転軸221は、筐体21の外側に延在してインペラ10に接続される。
【0048】
第3の実施例と第1の実施例との相違点として、回転子22は、回転軸221の軸線に沿って間隔で配置された第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとの2つの磁性体を有し、固定子23は、回転軸221の軸線に沿って間隔で配置された第1の固定子23aと第2の固定子23bとの2つであり、第1の固定子23aが発生した回転磁界が第1の磁性体223aと相互作用して回転軸221を回転させることが可能であり、第2の固定子23bが発生した回転磁界が第2の磁性体223bと相互作用して回転軸221を回転させることが可能である。
【0049】
具体的には、第1の固定子23aと第2の固定子23bとは、第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとの間に位置している。さらに具体的には、回転子22のフライホイール222は、第1の固定子23aと第2の固定子23bとの間に位置し、第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとは、フライホイール222にそれぞれ固定されている。このうち、第1の固定子23aと第2の固定子23bとが構造が同じであり、いずれも複数のポスト231と、ポスト231の外周に巻回されるコイル巻線232とを含み、2つの固定子23のコイル巻線232が発生した回転磁界は、対応する磁性体とそれぞれ相互作用して回転軸221を回転させる。このうち、第1の固定子23aのポスト231と第1の磁性体223aとの軸方向ピッチは0.1mm~2mmであり、例えば0.1mm~0.5mmである;第2の固定子23bのポスト21と第2の磁性体223bとの軸方向ピッチは0.1mm~2mmであり、例えば0.1mm~0.5mmである。
【0050】
第1の実施例と比較すると、第3の実施例の駆動ユニット20は2つの固定子23を含み、2つの固定子23は、回転軸221に固定的に接続された2つの磁性体を同時に回転駆動するように、対応する磁性体とそれぞれ作用し、これにより回転軸221の回転速度を大幅に向上させ、駆動ユニットの出力パワーと負荷トルクを増大させることができる。また、2つの固定子23は軸方向に沿って回転軸221に配置されることにより、駆動ユニット20の径方向の寸法を大きくすることがない。すなわち、本実施例では、駆動ユニット20全体の径方向の寸法を大きくすることなく、駆動ユニット20の出力パワーと負荷トルクを大きくすることができる。
【0051】
以下、駆動ユニット20の構造について具体的に説明する。
【0052】
図18に示すように、駆動ユニット20は、筐体21と、筐体21内にそれぞれ設けられた回転子22と、第1の固定子23aと、第2の固定子23bと、遠位端軸受24と、近位端軸受25と、制御部材26とを含み、このうち回転子22は、回転軸221と、フライホイール222と、第1の磁性体223aと、第2の磁性体223bとを含む。図19に示すように、フライホイール222は、本体部2221と、第1の取付ボス2222aと、第2の取付ボス2222bとを含む。本体部2221は、例えば円盤構造のような、回転軸221に固定された略ディスク構造であり、第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとが本体部2221の軸方向の両側にそれぞれ固定されている。第1の取付ボス2222aと第2の取付ボス2222bとが本体部2221の軸方向の両側にそれぞれ設けられ、第1の磁性体223aが第1の取付ボス2222aの外周を取り囲むように設けられ、第2の磁性体223bが第2の取付ボス2222bの外周を取り囲むように設けられている。第3の実施例の2つの磁性体の構造は、第1の実施例の磁性体の構造と同じであり、ここでは説明を省略する。
【0053】
同様に、第3の実施例の各固定子23の構造は、第1の実施例の固定子の構造と同じであり、いずれも回転軸221の軸線を取り囲むように配置された複数のポスト231と、ポスト231の外周に巻回されるコイル巻線232と、バックプレート233とを含む。したがって、2つの固定子の具体的な構造については、ここでは説明を省略する。このうち、第1の固定子23aのバックプレート233は、第1の固定子23aのポスト231の第1の磁性体223aから離れた一端に接続され、第2の固定子23bのバックプレート233は、第2の固定子23bのポスト231の第2の磁性体223bから離れた一端に接続されている。
【0054】
図20に示すように、筐体21は、第1の筐体211と、第2の筐体212と、2つの第3の筐体213と、第4の筐体を含む。このうち、第1の筐体211は回転子22の遠位端の外側に外嵌され、第2の筐体211は回転子22の近位端の外側に外嵌され、2つの第3の筐体213は2つの固定子23の外側にそれぞれ外嵌され、第4の筐体214は、2つの第3の筐体213の間に位置するとともに、フライホイール222の外側に外嵌されている。第3の実施例における第2の筐体212と第3の筐体213の構造は第1の実施例と同じであるため、第2の筐体212と第3の筐体213の具体的な構造については、ここでは説明を省略する。
【0055】
第1の筐体211は、略一端が開口で、他端が閉じている構造である。第1の筐体211には、第1の筐体211の近位端から遠位端に向かう方向に沿って、連通されている第1の接続溝2110と、第1の取付溝2111と、第1のストッパ溝2112と、第4のストッパ溝2114と、通過孔2113が設けられている。第1の取付溝2111は第1の固定子23aのバックプレート233を収容するために使用され、バックプレート233は第1の取付溝2111内に固定されている。第1の取付溝2111の側壁に位置決め溝2116が設けられ、位置決め溝2116は第1の取付溝2111の側壁から第1の筐体211の外表面に向かって凹んでいる。図8に示すように、バックプレート233の側壁には、ストッパ突起2334が設けられている。組み立て時に、バックプレート233のストッパ突起2334が位置決め溝2116内に当接し、これでバックプレート233が第1の取付溝2111内で回転することが回避される。第4のストッパ溝2114は、制御部材26を収容するために使用され、制御部材26は、当該第4のストッパ溝2114内に固定される。本実施例では、制御部材26は3枚のPCB基板を含み、コイル巻線232の接続線は、対応するPCB基板にそれぞれ接続されている。このうち、1枚のPCB基板は第1の筐体211の第4のストッパ溝2114内に固定され、他の2枚のPCB基板は、軸方向に重ねて第2の筐体212内に固定されている。なお、本実施例でも、具体的なPCB基板の数が限定されなく、必要に応じて1枚、4枚またはそれ以上のPCB基板を設けてもよい。
【0056】
第1の実施例と同じように、第1の接続溝2110は、第3の筐体213に接続するために使用される。第1のストッパ溝2112は、遠位端軸受24を収容するために使用され、遠位端軸受24は、第1のストッパ溝2112内に固定される。通過孔2113は、回転軸221の遠位端を通過させるために使用され、回転軸221の遠位端は通過孔2113を通って筐体21の外側に延在してインペラ10に固定的に接続されている。第4の筐体214は、略両端が開口した構造であり、フライホイール222の外側に外嵌されている。第4の筐体214の両端には、第3の筐体213と嵌合する接続部がそれぞれ設けられ、これにより第4の筐体214とその両側に位置する第3の筐体213とが固定的に接続されている。第4の筐体214の内壁には位置決め構造2141が設けられており、コイル巻線232の接続線は当該位置決め構造2141内に固定されている。コイル巻線232の接続線を位置決め構造2141に固定することにより、コイル巻線232の接続線をフライホイール222から遠ざけるとともに、当該接続線のランダムな移動を回避でき、ひいてはフライホイール222が高速回転する際に当該接続線を損傷することを回避できる。
【0057】
図20に示された実施例では、位置決め構造2141は、軸方向に延在している溝構造であり、当該溝構造内にコイル巻線232の接続線が挟み込まれ、接続線のランダムな移動が回避される。なお、本実施例では、フライホイール222によるコイル巻線232の接続線の損傷を回避できるものであれば、位置決め構造2141の具体的な構成を限定しない。例えば、他の実施例では、位置決め構造2141は、間隔で設けられた2つの孔構造であり、コイル巻線232の接続線は、一方の孔構造を通って第4の筐体214の外側に延在し、接続線がフライホイール222を越えた後、他方の孔構造を通って第4の筐体214の内側に延在する。
【0058】
なお、本実施例の筐体21は一例のみに過ぎず、本願を限定するものではない。固定子23と回転子22の外側に外嵌され、固定子23と回転子22を封止する役割を果たすことができるものであれば、本願の筐体21は他の構成であってもよい。例えば、他の実施例では、筐体21は、回転子22の遠位端の外側に外嵌された第1の筐体211と、回転子22の近位端の外側に外嵌された第2の筐体212と、2つの固定子とフライホイールの外側に同時に外嵌された第5の筐体とを含む。
【0059】
図21図22に示すように、本願の第4の実施例は、インペラ10と、駆動ユニットと20、カニューレと、導管とを含む血液ポンプ100を提供する。駆動ユニットは、筐体21と、筐体21内に配置された回転子22および固定子23とを含む。回転子22は回転軸221を含み、回転軸221は、筐体21の外側に延在してインペラ10に接続される。
【0060】
第4の実施例と第2の実施例との相違点として、回転子22が、第1の磁性体223aと、第2の磁性体223bと、第3の磁性体223cと、第4の磁性体223dとの4つの磁性体を有する。固定子23は、第1の固定子23aと第2の固定子23bとの2つである。第1の固定子23aは、第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとの間に位置しており、第1の固定子23aが発生した回転磁界は、第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとそれぞれ相互作用して回転軸221を回転させることが可能である。第2の固定子23bは、第3の磁性体223cと第4の磁性体223dとの間に位置しており、第2の固定子23bが発生した回転磁界は、第3の磁性体223cと第4の磁性体223dと相互作用して回転軸221を回転させる。対応的に、回転子22は、第1のフライホイール222aと、第2のフライホイール222bと、第3のフライホイール222cとの3つのフライホイールを有し、第1のフライホイール222aと第2のフライホイール222bと第3のフライホイール222cとが、回転軸221の軸線に沿って回転軸221に間隔で設けられており、第1のフライホイール222aには第1の磁性体223aが取り付けられ、第2のフライホイール222bには第2の磁性体223bと第3の磁性体223cとが取り付けられ、第3のフライホイール222cには第4の磁性体223dが取り付けられている。
【0061】
具体的には、各固定子23は、回転軸221の軸線を取り囲むように配置された複数のポスト231と、ポスト231の外周に巻回されるコイル巻線232とを含む。図23に示すように、ポスト231は、ロッド部2311と、ロッド部2311の両端にそれぞれ設けられた第1のヘッド部2312aと第2のヘッド部2312bとを含む。このうち、第1の固定子23aのポスト231と、第1の磁性体223aおよび/または第2の磁性体223bとの軸方向ピッチは0.1mm~2mmであり、例えば0.1mm~0.5mmである。第2の固定子23bのポスト231と、第3の磁性体223cおよび/または第4の磁性体223dとの軸方向ピッチは0.1mm~2mmであり、例えば0.1mm~0.5mmである。
【0062】
第2の実施例と比較すると、第4の実施例では、2つの固定子23が4つの磁性体を駆動して3つのフライホイール222を回転させることにより、駆動ユニット20の出力パワーと負荷トルクを大幅に増加させることができる。また、2つの固定子23は軸方向に沿って間隔で設けられ、軸方向の磁束による直接駆動によりフライホイール222を回転駆動させ、これにより駆動ユニット20全体の径方向の寸法を大きくすることなく、駆動ユニット20の出力パワーと負荷トルクを大きくすることができる。
【0063】
第4の実施例の各固定子23は第2の実施例の固定子の構造と同じであるため、固定子23の具体的な構造については、ここでは説明を省略する。同様に、第4の実施例における筐体21の構造は第3の実施例の筐体の構造と同じであるため、筐体21の具体的な構造については、ここでは説明を省略する。
【0064】
図25図26に示すように、本願の第5の実施例は、インペラ10と、駆動ユニットと20、カニューレと、導管とを含む血液ポンプ100を提供する。駆動ユニットは、筐体21と、筐体21に配置された回転子22および固定子23とを含む。回転子22は回転軸221を含み、回転軸221は、筐体21の外側に延在してインペラ10に接続される。
【0065】
第5の実施例と第2の実施例との相違点として、回転子22が、2つの第1の磁性体223aおよび223bと、1つの第2の磁性体223cとの3つの磁性体を有し、2つの第1の磁性体223aおよび223bと1つの第2の磁性体223cとが、回転軸221の軸線に沿って回転軸221に間隔で設けられている。固定子23は、第1の固定子23aと第2の固定子23bとの2つである。第1の固定子23aと第2の固定子23bとが、回転軸221に沿って間隔で設けられている。このうち、第1の固定子23aは、第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとの間に位置し、第1の固定子23aが発生した回転磁界が第1の磁性体223aと第2の磁性体223bとそれぞれ作用して回転軸221を回転させる;第2の固定子23bは、第2の磁性体223cに対向し、第2の固定子23bが発生した回転磁界が第2の磁性体223cと作用して回転軸221を回転させる。対応的に、回転子22は、回転軸221の軸線に沿って回転軸221に間隔で設けられた第1のフライホイール222aと第2のフライホイール222bの2つのフライホイールを含む。第1のフライホイール222aには第1の磁性体223aが取り付けられ、第2のフライホイール222bには第1の磁性体223bと第2の磁性体223cがそれぞれ取り付けられている。
【0066】
具体的には、第1の固定子23aは、回転軸221の軸線を取り囲むように配置された第1のポスト231aと、第1のポスト231aの外周に巻回されるコイル巻線232とを含む。第1のポスト231aは、ロッド部と、ロッド部の両端にそれぞれ設けられた第1のヘッド部と第2のヘッド部とを含む。第2の固定子23bは、回転軸221の軸線を取り囲むように配置された複数の第2のポスト231bと、第2のポスト231bの外周に巻回されるコイル巻線232と、バックプレート233とを含む。第2のポスト231bは、ロッド部と、ロッド部の一端に接続されたヘッド部とを含み、バックプレート233は、ロッド部2311のヘッド部から離れた一端に接続されている。このうち、第1のポスト231aと、第1の磁性体223aおよび/または第2の磁性体223bとの軸方向ピッチは0.1mm~2mmであり、例えば0.1mm~0.5mmである。第2のポスト231bと、第3の磁性体223cとの軸方向ピッチは0.1mm~2mmであり、例えば0.1mm~0.5mmである。
【0067】
第2の実施例と比較すると、第5の実施例では、2つの固定子23が3つの磁性体を駆動して2つのフライホイール222を回転させることにより、駆動ユニット20の出力パワーと負荷トルクを大幅に増加させることができる。また、2つの固定子23は軸方向に沿って間隔で設けられ、軸方向の磁束による直接駆動によりフライホイール222を回転駆動させ、これにより駆動ユニット20全体の径方向の寸法を大きくすることなく、駆動ユニット20の出力パワーと負荷トルクを大きくすることができる。
【0068】
第5の実施例における第1の固定子23aの構造は第2の実施例の固定子の構造と同じであり、第2の固定子23bの構造は第1の実施例の固定子の構造と同じであるため、第1の固定子23aと第2の固定子23bの具体的な構造については、ここでは説明を省略する。同様に、第5の実施例における筐体21の構造は第3の実施例の筐体の構造と同じであるため、筐体21の具体的な構造については、ここでは説明を省略する。
【0069】
本願の目的に反しないことを前提として、各実施例における技術方案の自由な組み合わせから形成される新たな技術方案も、本願の保護を請求する範囲であることが理解すべきである。当業者が明確に理解することができるのは、上記のシステム、装置及びユニットの具体的な動作過程は、説明の便宜及び簡潔のために、前記の方法の実施例における対応する過程を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0070】
上記は本願の選択的な実施例に過ぎず、本願を限定するためのものではない。当業者にとっては、本願は様々な変形や変化を有することができる。本願の精神および原則の範疇においてなされたあらゆる修正、等価置換および改良などは、本願の請求の範囲に含まれるはずである。
【符号の説明】
【0071】
10 インペラ
20 駆動ユニット
21 筐体
22 回転子
23 固定子
24 遠位端軸受
25 近位端軸受
26 制御部材
30 カニューレ
31 血液流入口
32 血液流出口
40 導管
100 血液ポンプ
211 第1の筐体
212 第2の筐体
213 第3の筐体
214 第4の筐体
221 回転軸
222 フライホイール
223 磁性体
231 ポスト
232 コイル巻線
233 バックプレート
2110 第1の接続溝
2111 第1の取付溝
2112 第1のストッパ溝
2113 通過孔
2114 第4のストッパ溝
2116 位置決め溝
2120 第2の接続溝
2121 第2の取付溝
2122 第2のストッパ溝
2123 第3のストッパ溝
2124 接続孔
2126 係止溝
2131 遠位端接続部材
2132 近位端接続部材
2141 構造
2211 遠位端制限部
2212 近位端制限部
2221 本体部
2311 ロッド部
2312 ヘッド部
2321 コイル
2331 第1の取付孔
2332 退避溝
2333 貫通孔
2334 ストッパ突起
図1
図2
図3
図4
図5
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