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特許7330389制御装置、エネルギー変換システム、エネルギー変換方法、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】制御装置、エネルギー変換システム、エネルギー変換方法、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230814BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/00 Q
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022550017
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2020096062
(87)【国際公開番号】W WO2021253153
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-08-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ メン
(72)【発明者】
【氏名】ダン チーミン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ イーチェン
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-206784(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0052352(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第1の端部との間の第1の電圧、前記エネルギー貯蔵装置の負極と前記エネルギー変換装置の第2の端部との間の第2の電圧、前記エネルギー貯蔵装置の前記正極前記負極の間の第3の電圧を検出するように構成された検出ユニットであって
前記エネルギー貯蔵装置は、第1の接続ラインを介して前記エネルギー変換装置に接続され、
前記第1の接続ラインは、前記エネルギー貯蔵装置の前記正極と前記エネルギー変換装置の前記第1の端部とを接続するための第1のラインと、前記エネルギー貯蔵装置の前記負極と前記エネルギー変換装置の前記第2の端部とを接続するための第2のラインとを含み、
前記検出ユニットは、前記第1の接続ラインに接続された故障検出回路を含み、
前記故障検出回路は、第1のサンプリング回路、第2のサンプリング回路、及び第3のサンプリング回路を含み、前記第1のサンプリング回路、前記第2のサンプリング回路、及び前記第3のサンプリング回路は、各々前記第1のライン及び前記第2のラインと接続され、且つ、前記第1の電圧、前記第2の電圧、及び前記第3の電圧をそれぞれ検出する、検出ユニットと、
処理ユニットであって、
前記故障検出回路によって検出された前記第1の電圧、前記第2の電圧、及び前記第3の電圧と、前記故障検出回路の抵抗情報とから、前記エネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算することと、
前記抵抗値が抵抗閾値よりも大きい場合には、前記エネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給するように前記エネルギー貯蔵装置を制御するために、前記抵抗値が前記抵抗閾値よりも大きい状態下で、前記第1の接続ラインが閉状態になるように前記第1の接続ラインを制御することと、
を行うように構成されている、前記処理ユニットと、
を含む、制御装置。
【請求項2】
前記処理ユニットはさらに、前記抵抗値が前記抵抗閾値以下である場合には、前記エネルギー貯蔵装置が前記エネルギー変換装置を通して前記電気機器に電力を与えることを妨げるようにするために、前記抵抗値が前記抵抗閾値以下である状態下で、前記第1の接続ラインが切断状態になるように前記第1の接続ラインを制御するように構成されている、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
イッチアセンブリが前記第1の接続ラインに配設され、前記処理ユニットはさらに、
前記抵抗値が前記抵抗閾値よりも大きい状態下で、前記第1の接続ラインが前記閉状態になれるように前記スイッチアセンブリを閉じることと、
前記抵抗値が前記抵抗閾値以下である状態下で、前記第1の接続ラインが前記切断状態にあるように前記スイッチアセンブリを切断することと、
を行うように構成されている、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記スイッチアセンブリは、前記第1のライン及び前記第2のライン上にそれぞれ配設された第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットを含み、
記第1のサンプリング回路、前記第2のサンプリング回路、及び前記第3のサンプリング回路は、前記第1のスイッチユニット及び前記第2のスイッチユニットが切断状態にある場合に、前記第1の電圧、前記第2の電圧、及び前記第3の電圧をそれぞれ検出する、
請求項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1のサンプリング回路の前記第1の端部と前記第1のラインとの接続点は、前記第1のスイッチユニットと前記エネルギー変換装置との間に位置し、前記第1のサンプリング回路の前記第2の端部と前記第2のラインとの接続点は、前記第2のスイッチユニットと前記エネルギー貯蔵装置との間に位置し、前記第1のサンプリング回路は、前記第1のサンプリング回路内に与えられる第1のサンプリング点を通して第1のサンプリング電圧を取得するように構成され、
前記第2のサンプリング回路の前記第1の端部と前記第1のラインとの前記接続点は、前記第1のスイッチユニットと前記エネルギー貯蔵装置との間に位置し、前記第2のサンプリング回路の前記第2の端部と前記第2のラインとの前記接続点は、前記第2のスイッチユニットと前記エネルギー変換装置との間に位置し、前記第2のサンプリング回路は、前記第2のサンプリング回路内に与えられる第2のサンプリング点を通して第2のサンプリング電圧を収集するように構成され、
前記第3のサンプリング回路の前記第1の端部と前記第1のラインとの前記接続点は、前記第1のスイッチユニットと前記エネルギー貯蔵装置との間に位置し、前記第3のサンプリング回路の前記第2の端部と前記第2のラインとの前記接続点は、前記第2のスイッチユニットと前記エネルギー貯蔵装置との間に位置し、前記第3のサンプリング回路は、前記第3のサンプリング回路内に与えられる第3のサンプリング点を通して第3のサンプリング電圧を収集するように構成され、
前記処理ユニットはさらに、前記第1のサンプリング電圧と前記第1のサンプリング回路の抵抗情報とに基づいて前記第1の電圧を計算し、前記第2のサンプリング電圧と前記第2のサンプリング回路の抵抗情報とに基づいて前記第2の電圧を計算し、前記第3のサンプリング電圧と前記第3のサンプリング回路の抵抗情報とに基づいて前記第3の電圧を計算するように構成されている、
請求項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1の接続ラインを通して伝送された電流に対応する第1の検出電流値を収集するように構成された第1の電流収集回路をさらに含み、
前記処理ユニットはさらに、前記スイッチアセンブリが閉じた後に、前記エネルギー変換装置の入力または出力の電流に対応する第1の検出電流値、第2の検出電流値を取得することと、前記第1の検出電流値と前記第2の検出電流値との間の差の絶対値が、予め設定した電流差値閾値よりも小さい状態下で、前記スイッチアセンブリが閉状態になるように前記スイッチアセンブリを制御することと、を行うように構成されている、
請求項3~のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
エネルギー変換装置、エネルギー貯蔵装置、及び請求項1~のいずれかに記載の制御装置を含む、エネルギー変換システム。
【請求項8】
前記エネルギー変換装置は、
前記エネルギー変換装置の入力または出力の電流に対応する第2の検出電流値を収集するように構成された第2の電流収集ユニットと、
前記制御装置の処理ユニットに前記第2の検出電流値を伝送するように構成された伝達モジュールと、
を含む、請求項に記載のエネルギー変換システム。
【請求項9】
前記エネルギー変換装置は、
前記エネルギー貯蔵装置によって入力された電気エネルギーを受け取るかまたは前記電気エネルギーを前記エネルギー貯蔵装置に出力するように構成された第2の接続ラインと、
補助電源モジュールと、
前記第2の接続ライン内に配設された電流制限回路であって、前記第2の接続ラインから伝送された電流を制限して、前記制限された電流が前記補助電源モジュール内に入力されて前記エネルギー変換装置に対する電力を供給するように構成されている前記電流制限回路と、
を含む、請求項またはに記載のエネルギー変換システム。
【請求項10】
前記電流制限回路は、
電流制限抵抗器と、
前記電流制限抵抗器と並列に接続された第3のスイッチユニットであって、前記エネルギー変換装置が動作状態にある場合には、前記エネルギー変換装置によって閉じられて前記電流制限抵抗器に対して短絡を行う、前記第3のスイッチユニットと、
を含む、請求項に記載のエネルギー変換システム。
【請求項11】
エネルギー変換システムに適用されるエネルギー変換方法であって、前記エネルギー変換システムは、
エネルギー変換装置、エネルギー貯蔵装置、及び制御装置を含み、前記制御装置は検出ユニット及び処理ユニットを含み、
前記検出ユニットは、前記エネルギー貯蔵装置の正極と前記エネルギー変換装置の第1の端部との間の第1の電圧、前記エネルギー貯蔵装置の負極と前記エネルギー変換装置の第2の端部との間の第2の電圧、前記エネルギー貯蔵装置の前記正極前記負極の間の第3の電圧を検出するために用いられ、
前記エネルギー貯蔵装置は、第1の接続ラインを介して前記エネルギー変換装置に接続され、
前記第1の接続ラインは、前記エネルギー貯蔵装置の前記正極と前記エネルギー変換装置の前記第1の端部とを接続するための第1のラインと、前記エネルギー貯蔵装置の前記負極と前記エネルギー変換装置の前記第2の端部とを接続するための第2のラインとを含み、
前記検出ユニットは、前記第1の接続ラインに接続された故障検出回路を含み、
前記故障検出回路は、第1のサンプリング回路、第2のサンプリング回路、及び第3のサンプリング回路を含み、前記第1のサンプリング回路、前記第2のサンプリング回路、及び前記第3のサンプリング回路は、各々前記第1のライン及び前記第2のラインと接続され、且つ、前記第1の電圧、前記第2の電圧、及び前記第3の電圧をそれぞれ検出し、
前記エネルギー変換方法は、処理ユニットにおいて実行され、
前記故障検出回路によって検出された前記第1の電圧、前記第2の電圧、及び前記第3の電圧と、前記故障検出回路の抵抗情報とから、前記エネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算することと、
前記抵抗値が抵抗閾値よりも大きいときに、前記エネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給するように前記エネルギー貯蔵装置を制御するために、前記抵抗値が前記抵抗閾値よりも大きい状態下で、前記第1の接続ラインが閉状態になるように前記第1の接続ラインを制御することと、
を含む、前記エネルギー変換方法。
【請求項12】
前記抵抗値が前記抵抗閾値以下であるときには、前記エネルギー貯蔵装置が前記エネルギー変換装置を通して前記電気機器に電力を供給することを妨げるために、前記抵抗値が前記抵抗閾値以下である状態下で、前記第1の接続ラインが切断状態になるように前記第1の接続ラインを制御することをさらに含む、
請求項11に記載のエネルギー変換方法。
【請求項13】
イッチアセンブリが前記第1の接続ラインに配置され、
前記抵抗値が前記抵抗閾値よりも大きい状態下で、前記第1の接続ラインが閉状態になるように前記第1の接続ラインを制御することは、
前記抵抗値が前記抵抗閾値よりも大きいときに、前記第1の接続ラインが前記閉状態になるように前記スイッチアセンブリを閉じることを含み、
前記抵抗値が前記抵抗閾値以下である状態下で、前記第1の接続ラインが切断状態になるように前記第1の接続ラインを制御することは、
前記抵抗値が前記抵抗閾値以下であるときに、前記第1の接続ラインが前記切断状態になるように前記スイッチアセンブリをターンオフすることを含む、
請求項12に記載のエネルギー変換方法。
【請求項14】
前記スイッチアセンブリは、前記第1のライン及び前記第2のライン上にそれぞれ配設された第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットを含み
前記エネルギー変換方法はさらに、
前記第1のスイッチユニット及び前記第2のスイッチユニットが切断状態にあるときに、前記第1のサンプリング回路によって取得した第1のサンプリング電圧と、前記第1のサンプリング回路の抵抗情報とにより前記第1の電圧を計算することと、前記第2のサンプリング回路によって取得した第2のサンプリング電圧と、前記第2のサンプリング回路の抵抗情報とにより前記第2の電圧を計算することと、前記第3のサンプリング回路によって取得した第3のサンプリング電圧と、前記第3のサンプリング回路の抵抗情報とにより前記第3の電圧を計算することと、を含む、
請求項13に記載のエネルギー変換方法。
【請求項15】
前記制御装置はさらに、
前記第1の接続ラインを通して伝送された電流に対応する第1の検出電流値を収集するように構成された第1の電流収集回路を含み、
前記エネルギー変換方法はさらに、
前記スイッチアセンブリが閉じた後に、前記エネルギー変換装置内に入力された前記電流または前記エネルギー変換装置によって出力された前記電流に対応する前記第1の検出電流値、第2の検出電流値を取得することと、
前記第1の検出電流値と前記第2の検出電流値との間の差の絶対値が、予め設定した電流差値閾値よりも小さい状態下で、前記スイッチアセンブリが閉状態になるように前記スイッチアセンブリを制御することと、を含む、
請求項13または14に記載のエネルギー変換方法。
【請求項16】
前記エネルギー変換装置は、前記エネルギー貯蔵装置によって入力された電気エネルギーを受け取るか、または電気エネルギーを前記エネルギー貯蔵装置に出力するように構成された第2の接続ラインと、補助電力モジュールと、前記第2の接続ライン内に配設された電流制限回路と、を含み、
前記電流制限回路は、前記第2の接続ラインを通る電流を制限して、制限された前記電流が補助電源モジュール内に入力されて前記エネルギー変換装置に対する電力を供給するようにする、
請求項1315のいずれか1項に記載のエネルギー変換方法。
【請求項17】
前記電流制限回路は、電流制限抵抗器と、前記電流制限抵抗器と並列に接続された第3のスイッチユニットとを含み、
前記エネルギー変換装置が動作状態にあるときに、前記エネルギー変換装置は前記第3のスイッチユニットを閉じて前記電流制限抵抗器を短絡させる、
請求項16に記載のエネルギー変換方法。
【請求項18】
コンピュータプログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、請求項1117のいずれか1項に記載のエネルギー変換方法の各ステップを実施する、前記コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリー技術の分野に関し、詳細には、制御装置、エネルギー変換システム、エネルギー変換方法、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車技術の急速な発展に伴い、バッテリーのエネルギー密度が向上し、自動車が走行できるマイレージは増加している。ますます多くの電気自動車がエネルギー貯蔵及び電力網ディスパッチングの用途に関与し、ピーク抑制及びバレーフィリングの効果を実現している。また、自動車所有者に価格差補助金を給付できることから、自動車購入のコストが下がり、その結果、電気自動車の開発が促進されて、環境保護が良好になっている。電気自動車のエネルギー貯蔵装置は車載バッテリシステムであり、バッテリーパック、バッテリーセット、またはバッテリーコアとすることができる。エネルギー貯蔵装置は、バッテリーパックの電気エネルギーをエネルギー変換装置を通して放出して、電気器具に対する電気エネルギーを与えることができるか、または電気エネルギーを電力網に供給することができ、またエネルギー変換装置を通してバッテリーパックを充電することもできる。エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置を通して電気器具に対する電気エネルギーを与えるとき、エネルギー変換装置はエネルギー貯蔵装置の出力電気エネルギーを電気自動車の直流バスから得る。しかし、エネルギー貯蔵装置は外部装置の状態を知ることができないため、直流バス上の対応するリレーが直接閉じて外部に放電する場合、外部装置の短絡によって生じる電気車両のエネルギー貯蔵装置の短絡の問題が起こる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
以上のことを考慮して、本開示の目的は、制御装置、エネルギー変換システム、エネルギー変換方法、及び記憶媒体を提供することである。
【0004】
本開示の第1の態様によれば、制御装置であって、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第1の端部との間の第1の電圧、エネルギー貯蔵装置の負極とエネルギー変換装置の第2の端部との間の第2の電圧、及びエネルギー貯蔵装置の正極及び負極の間の第3の電圧を検出するように構成された検出ユニットと、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧により、エネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算することと、抵抗値が抵抗閾値よりも大きい場合に、エネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給するようにエネルギー貯蔵装置を制御することと、を行うように構成された処理ユニットと、を含む制御装置が提供される。
【0005】
いくつかの実施形態では、処理ユニットはさらに、抵抗値が抵抗閾値以下である場合には、エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置を通して電気機器に電力を与えることを妨げるように構成されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵装置は、スイッチアセンブリが配置された第1の接続ラインを通してエネルギー変換装置に接続され、処理ユニットはさらに、抵抗値が抵抗閾値よりも大きい状態下で、スイッチアセンブリを閉じて第1の接続ラインを閉状態にすることと、抵抗値が抵抗閾値以下である状態下で、スイッチアセンブリをターンオフして第1の接続ラインを切断状態にすることと、を行うように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、検出ユニットは、第1の接続ラインに接続された故障検出回路を含み、第1の接続ラインが切断状態にある場合には、第1の接続ライン及び故障検出回路は、エネルギー貯蔵装置とエネルギー変換装置との間の接続回路を構成し、処理ユニットはさらに、故障検出回路によって検出された第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧と、故障検出回路の抵抗情報とから、抵抗値を計算するように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の接続ラインは、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第1の端部とを接続するための第1のラインと、エネルギー貯蔵装置の負極とエネルギー変換装置の第2の端部とを接続するための第2のラインとを含み、スイッチアセンブリは、第1の回路及び第2の回路上にそれぞれ配設された第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットを含み、故障検出回路は、第1のライン及び第2のラインとそれぞれ接続された第1のサンプリング回路、第2のサンプリング回路、及び第3のサンプリング回路を含み、第1のサンプリング回路、第2のサンプリング回路、及び第3のサンプリング回路は、第1のスイッチングユニット及び第2のスイッチングユニットがオフ状態にある場合に、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧をそれぞれ検出する。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1のサンプリング回路の第1の端部と第1のラインとの接続点は、第1のスイッチユニットとエネルギー変換装置との間に位置し、第1のサンプリング回路の第2の端部と第2のラインとの接続点は、第2のスイッチユニットとエネルギー貯蔵装置との間に位置し、第1のサンプリング回路は、第1のサンプリング回路内に与えられる第1のサンプリング点を通して第1のサンプリング電圧を取得するように構成され、第2のサンプリング回路の第1の端部と第1のラインとの接続点は、第1のスイッチユニットとエネルギー貯蔵装置との間に位置し、第2のサンプリング回路の第2の端部と第2のラインとの接続点は、第2のスイッチユニットとエネルギー変換装置との間に位置し、第2のサンプリング回路は、第2のサンプリング回路内に与えられる第2のサンプリング点を通して第2のサンプリング電圧を収集するように構成され、第3のサンプリング回路の第1の端部と第1のラインとの接続点は、第1のスイッチユニットとエネルギー貯蔵装置との間に位置し、第3のサンプリング回路の第2の端部と第2のラインとの接続点は、第2のスイッチユニットとエネルギー貯蔵装置との間に位置し、第3のサンプリング回路は、第3のサンプリング回路内に与えられる第3のサンプリング点を通して第3のサンプリング電圧を収集するように構成され、処理ユニットはさらに、第1のサンプリング電圧と第1のサンプリング回路の抵抗情報とに基づいて第1の電圧を計算し、第2のサンプリング電圧と第2のサンプリング回路の抵抗情報とに基づいて第2の電圧を計算し、第3のサンプリング電圧と第3のサンプリング回路の抵抗情報とに基づいて第3の電圧を計算するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の接続ラインを通して伝送された電流に対応する第1の検出電流値を収集するように構成された第1の電流収集回路であって、処理ユニットはさらに、制御スイッチアセンブリが閉じた後に、エネルギー変換装置の入力または出力の電流に対応する第1の検出電流値、第2の検出電流値を取得することと、第1の検出電流値と第2の検出電流値との間の差の絶対値が、予め設定した電流差値閾値よりも小さい状態下で、スイッチコンポーネントが閉状態になるように制御することと、を行うように構成されている、第1の電流収集回路。
【0011】
本開示の第2の態様によれば、エネルギー変換装置と、エネルギー貯蔵装置と、前述の制御装置のうちのいずれか1つと、を含むエネルギー変換システムが提供される。
【0012】
いくつかの実施形態では、エネルギー変換装置は、エネルギー変換装置の入力または出力の電流に対応する第2の検出電流値を収集するように構成された第2の電流収集ユニットと、制御装置の処理ユニットに第2の検出電流値を伝送するように構成された伝達モジュールとを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、エネルギー変換装置は、エネルギー貯蔵装置によって入力された電気エネルギーを受け取るかまたは電気エネルギーをエネルギー貯蔵装置に出力するように構成された第2の接続ラインと、補助電源モジュールと、第2の接続回路内に配設された電流制限回路であって、第2の接続回路から伝送された電流を制限して、制限された電流が補助電源モジュール内に入力されてエネルギー変換装置に対する電力を供給するように構成されている電流制限回路と、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、電流制限回路は、電流制限抵抗器と、電流制限抵抗器と並列に接続された第3のスイッチングユニットであって、エネルギー変換装置が動作状態にある場合には、エネルギー変換装置によって閉じられて電流制限抵抗器に対して短絡を行う、第3のスイッチングユニットと、を含む。
【0015】
本開示の第3の態様によれば、エネルギー変換システムに適用されるエネルギー変換方法であって、エネルギー変換システムは、エネルギー変換装置、エネルギー貯蔵装置、及び制御装置を含み、制御装置は検出ユニット及び処理ユニットを含み、検出ユニットは、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第1の端部との間の第1の電圧、エネルギー貯蔵装置の負極とエネルギー変換装置の第2の端部との間の第2の電圧、及びエネルギー貯蔵装置の正極及び負極の間の第3の電圧を検出するために用いられ、エネルギー変換方法は、処理ユニットにおいて実行され、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧により、エネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算することと、抵抗値が抵抗閾値よりも大きいときに、エネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給するようにエネルギー貯蔵装置を制御することと、を含むエネルギー変換方法が提供される。
【0016】
いくつかの実施形態では、抵抗値が抵抗閾値以下であるときには、エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給することを妨げる。
【0017】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵装置は、スイッチアセンブリが配置されている第1の接続ラインを通してエネルギー変換装置に接続され、抵抗値が抵抗閾値よりも大きいときに、エネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給するようにエネルギー貯蔵装置を制御することは、抵抗値が抵抗閾値よりも大きいときに、第1の接続ラインが閉状態になるようにスイッチアセンブリを閉じることを含み、抵抗値が抵抗閾値以下であるときに、エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給することを妨げることは、抵抗値が抵抗閾値以下であるときに、第1の接続回路が切断状態になるようにスイッチコンポーネントをターンオフすることを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、検出ユニットは、第1の接続ラインに接続された故障検出回路を含み、第1の接続ラインが切断状態にあるときには、第1の接続ライン及び故障検出回路は、エネルギー貯蔵装置とエネルギー変換装置との間の接続回路を構成し、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧により、エネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算することは、故障検出回路によって検出された第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧と、故障検出回路の抵抗情報とにより、抵抗値を計算することを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の接続ラインは、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第1の端部とを接続するための第1のラインと、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第2の端部とを接続するための第2のラインと、を含み、スイッチアセンブリは、第1のライン及び第2のライン上にそれぞれ配設された第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットを含み、故障検出回路は、第1のライン及び第2のラインとそれぞれ接続された第1のサンプリング回路、第2のサンプリング回路、及び第3のサンプリング回路を含み、エネルギー変換方法はさらに、
【0020】
第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットが切断状態にあるときに、第1のサンプリング回路によって取得した第1のサンプリング電圧と、第1のサンプリング回路の抵抗情報とにより第1の電圧を計算することと、第2のサンプリング回路によって取得した第2のサンプリング電圧と、第2のサンプリング回路の抵抗情報とにより第2の電圧を計算することと、第3のサンプリング回路によって取得した第3のサンプリング電圧と、第3のサンプリング回路の抵抗情報とにより第3の電圧を計算することと、を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、制御装置はさらに、第1の接続ラインを通して伝送された電流に対応する第1の検出電流値を収集するように構成された第1の電流収集回路を含み、エネルギー変換方法はさらに、制御スイッチアセンブリが閉じた後に、エネルギー変換装置内に入力された電流またはエネルギー変換装置によって出力された電流に対応する第1の検出電流値及び第2の検出電流値を取得することと、第1の検出電流値と第2の検出電流値との間の差の絶対値が、予め設定した電流差値閾値よりも小さい状態下で、スイッチアセンブリが閉状態になるように制御することと、を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、エネルギー変換装置は、第2の接続ラインと、補助電力モジュールと、電流制限回路と、を含み、第2の接続ラインは、エネルギー貯蔵装置によって入力された電気エネルギーを受け取るかまたはエネルギー貯蔵装置に電気エネルギーを出力するように構成され、電流制限回路は第2の接続ライン内に配設され、電流制限回路は、第2の接続回路を通る電流を制限して、制限された電流が補助電源モジュール内に入力されてエネルギー変換装置に対する電力を供給するようにする。
【0023】
いくつかの実施形態では、電流制限回路は、電流制限抵抗器と、第3のスイッチユニットとを含み、第3のスイッチユニットは電流制限抵抗器と並列に接続され、本方法は、エネルギー変換装置が動作状態にあるときに、エネルギー変換装置が第3のスイッチユニットを閉じて電流制限抵抗器を短絡させることを含む。
【0024】
本開示の第4の態様によれば、コンピュータプログラム命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラム命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前述した方法のステップを実施する、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0025】
制御装置、エネルギー変換システム、エネルギー変換方法、及び記憶媒体は、エネルギー貯蔵装置とエネルギー変換装置との間の電圧、エネルギー貯蔵装置の正極及び負極の間の電圧を検出し、電圧に基づいてエネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算し、エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給するか否かを、抵抗値により制御する。外部装置の短絡故障に起因してエネルギー貯蔵装置が短絡する問題を回避することができ、エネルギー貯蔵装置を保護することができ、さらに、エネルギー貯蔵装置及びエネルギー変換装置の入力または出力電流値の比較を通して、エネルギー変換装置及び回路に故障が存在するか否かを確認することができ、その結果、安全性及び信頼性が向上する。
【0026】
本開示の実施形態または従来技術における技術的解決法をより明瞭に例示するために、実施形態または従来技術の説明に用いた図面について以下で簡単に説明する。以下の説明での図面は、本開示のいくつかの実施形態のみであり、当業者にとっては、その図面により他の図面が、創造的取り組みを伴うことなく得られ得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の制御装置のいくつかの実施形態の第1の概略構造図である。
図2】本開示の制御装置のいくつかの実施形態の第2の概略構造図である。
図3】本開示の制御装置のいくつかの実施形態の第3の概略構造図である。
図4】本開示の制御装置のいくつかの実施形態における故障検出回路の第1の概略構造図である。
図5】Aは、本開示の制御装置のいくつかの実施形態における故障検出回路の第2の概略構造図である。Bは、本開示の制御装置のいくつかの実施形態における故障検出回路の第3の概略構造図である。
図6】本開示のエネルギー変換システムのいくつかの実施形態の第1の概略構造図である。
図7】本開示のエネルギー変換システムのいくつかの実施形態の第2の概略構造図である。
図8】本開示のエネルギー変換システムのいくつかの実施形態の第3の概略構造図である。
図9】本開示のエネルギー変換方法のいくつかの実施形態の概略フロー図である。
図10】本開示のエネルギー変換方法のさらなる実施形態の概略フロー図である。
図11】本開示のエネルギー変換方法のいくつかの実施形態における異常判断を例示する概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に本開示について、添付図面を参照してより十分に以下で説明する。添付図面では、本開示の典型的な実施形態を示している。本開示の実施形態における技術的解決法について、本開示の実施形態における図面を参照して明瞭かつ完全に説明する。説明した実施形態は、本開示のいくつかの実施形態のみであり、すべての実施形態ではないことが明らかである。他のすべての実施形態は、本明細書で開示した実施形態から当業者が任意の創造的取り組みを行うことなく得ることができるが、本開示の保護範囲に入る。本開示の技術的解決法について、種々の図面及び実施形態を参照して以下で様々に説明する。
【0029】
用語「第1」、「第2」などは、以下では、記述的な違いに対してのみ用いており、他の特別な意味はない。
【0030】
いくつかの実施形態では、図1に示すように、本開示によって、検出ユニット11と処理ユニット12とを含む制御装置10が提供される。エネルギー貯蔵装置20は車載バッテリシステムであってもよい。たとえば、エネルギー貯蔵装置20は電気車両の車載電力バッテリシステムである。電気車両の車載バッテリシステムとしては、バッテリーパック、バッテリーセット、またはバッテリーセルが挙げられ、バッテリーパックはリチウムバッテリーパックであってもよい。
【0031】
エネルギー変換装置30は、双方向充放電をサポートする装置であってもよく、エネルギー貯蔵装置20に入力または出力する電気エネルギーに対して変換処理(たとえば、変圧及び変流)を行う。エネルギー変換装置30は、持ち運び可能なエネルギー変換装置などであってもよく、エネルギー変換装置30自体は電気エネルギーを伝えない。電力網は、エネルギー変換装置30を通してエネルギー貯蔵装置20を充電してもよく、またエネルギー貯蔵装置20が、エネルギー変換装置30を通して電気装置40に対する電気エネルギーを与えること、またはエネルギー貯蔵装置20の電気エネルギーをエネルギー変換装置30を通して電力網に供給して戻すことを可能にしてもよい。電気装置40は種々の家庭用電気器具などであってもよい。
【0032】
検出ユニット11は、エネルギー貯蔵装置20の正極とエネルギー変換装置30の第1の端部との間の第1の電圧、エネルギー貯蔵装置20の負極とエネルギー変換装置30の第2の端部との間の第2の電圧、及びエネルギー貯蔵装置20の正極とエネルギー貯蔵装置20の負極との間の第3の電圧を検出するための種々の検出回路を含んでいてもよい。
【0033】
処理ユニット12は、独立したコンポーネントとして実施してもよいし、またはBMS(バッテリー管理システム)と一体化してもよいし、またはエネルギー変換装置30と一体化してもよい。処理ユニット12は、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧から、エネルギー変換装置30に対応する抵抗値を計算する。抵抗値が抵抗閾値よりも大きいとき、処理ユニット12は、エネルギー変換装置30を通して電気機器40に電力を供給するようにエネルギー貯蔵装置20を制御する。また抵抗値が抵抗閾値よりも大きいとき、処理ユニット12は、エネルギー変換装置30を通して電力網とエネルギー変換を行うようにエネルギー貯蔵装置20を制御してもよい。電力網がエネルギー変換装置30を通してエネルギー貯蔵装置20を充電するか、またはエネルギー貯蔵装置20がエネルギー変換装置30を通して電力網に電力を供給する。抵抗値が抵抗閾値以下であるとき、処理ユニット12は、エネルギー貯蔵装置20がエネルギー変換装置30を通して電気機器40に電力を供給することを妨げ、また処理ユニット12は、エネルギー貯蔵装置20がエネルギー変換装置30を通して電力網とエネルギー変換を行うことを妨げてもよい。
【0034】
抵抗閾値は、エネルギー変換装置30が短絡しているか否かを判定するための閾値設定であり、抵抗閾値の大きさは、エネルギー変換装置30及び電気装置40の特定の種類により選択してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、図2に示すように、エネルギー貯蔵装置20は第1の接続ライン21を介してエネルギー変換装置30に接続され、第1の接続ライン21内にはスイッチアセンブリ22が設けられている。第1の接続ライン21はエネルギー貯蔵装置20のDCバスなどであってもよい。
【0036】
エネルギー変換装置30に対応する抵抗値が抵抗閾値よりも大きい状態下では、処理ユニット12はスイッチアセンブリ22を閉じるように制御し、またエネルギー変換装置30を通して電気機器40に電力を供給するようにエネルギー貯蔵装置20を制御する。
【0037】
エネルギー変換装置30に対応する抵抗値が抵抗閾値以下である状態下では、処理ユニット12はスイッチアセンブリ22を切断するように制御して、エネルギー貯蔵装置20をエネルギー変換装置30から切断し、また車両制御ユニット全体に対する充放電を妨げる警告メッセージを送って、対応する処理を行うようにユーザに促して、エネルギー貯蔵装置20を効果的に保護し、外部装置の短絡に起因するエネルギー貯蔵装置20の短絡を回避してもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、検出ユニット11は故障検出回路111を含む。故障検出回路111は第1の接続ライン21に接続されている。処理ユニット12はスイッチアセンブリ22を切断するように制御し、第1の接続ライン21が切断状態にある状態では、第1の接続ライン21及び故障検出回路111は、エネルギー貯蔵装置20とエネルギー変換装置30との間の接続回路を構成し、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧が故障検出回路111によって検出される。
【0039】
処理ユニット12は、故障検出回路111によって検出された第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧と、故障検出回路111に対応する抵抗情報とにより、エネルギー変換装置30に対応する抵抗値を計算し、抵抗値によりスイッチアセンブリ22のスイッチング動作を制御して、エネルギー貯蔵装置20をエネルギー変換装置30に対して切断されるかまたは接続されるように制御する。
【0040】
たとえば、エネルギー貯蔵装置20は電気車両の車載バッテリシステムである。エネルギー貯蔵装置20は、エネルギー変換装置30を通して外部の電気装置40に電気エネルギーを与えてもよいし、または電力網に電気エネルギーを供給して戻してもよいし、またはエネルギー変換装置30を通して充電されてもよい。エネルギー変換装置30が第1の接続ライン21に接続されて、処理ユニット12が第1の接続ライン21内のスイッチアセンブリ22を切断状態になるように制御する場合、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧は故障検出回路111によって検出される。
【0041】
処理ユニット12は、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧と、故障検出回路111に対応する抵抗情報とから、エネルギー変換装置30に対応する抵抗値を計算する。処理ユニット12は、抵抗値が、予め設定した抵抗閾値よりも大きいか否かを判定することによって、エネルギー変換装置30において短絡状態が存在するか否かを判定する。
【0042】
エネルギー変換装置30に短絡状態が存在する場合、処理ユニット12はスイッチアセンブリ22を切断するように制御する。エネルギー変換装置30に短絡状態がない場合、処理ユニット12はスイッチアセンブリ22を伝達状態になるように制御して、エネルギー貯蔵装置20がエネルギー変換装置30と伝達して、エネルギー貯蔵装置20がエネルギー変換装置30を通して放電または充電を行うようにする。
【0043】
制御装置は、エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置と接続され、第1の接続回路が切断状態にあるときに、故障検出回路及び第1の接続ラインを通してエネルギー貯蔵装置とエネルギー変換装置との間の接続回路をもたらすことができ、またエネルギー貯蔵装置の電気エネルギーと故障検出回路とを用いることによってエネルギー変換装置に対応する抵抗値を取得することができ、そして抵抗値により、エネルギー貯蔵装置をエネルギー変換装置に対して切断するかまたは伝達するように制御して、外部装置の短絡故障に起因してエネルギー貯蔵装置が短絡する問題を回避する。その結果、エネルギー貯蔵装置が保護されて、エネルギー貯蔵装置の充放電の安全性及び信頼性が向上する。また、故障検出回路は第1の接続回路に直接接続されているため、さらなる検出装置が必要ではなく、エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置と接続されている状態下で外部の検出装置を用いることによる検出動作によって生じる不都合な動作、潜在的な安全性欠陥などの問題が回避される。
【0044】
いくつかの実施形態では、図3に示すように、第1の接続ライン21は、エネルギー貯蔵装置20の正極とエネルギー変換装置30の第1の端部とを接続するための第1のライン211と、エネルギー貯蔵装置20の負極とエネルギー変換装置30の第2の端部とを接続するための第2のライン212とを含んでいる。スイッチアセンブリ22は、第1のライン211及び第2のライン212にそれぞれに設けられている第1のスイッチユニット221及び第2のスイッチユニット222を含んでいる。第1のスイッチユニット221及び第2のスイッチユニット222は種々の種類の電気スイッチ、リレーなどであってもよい。故障検出回路111は第1のライン211及び第2のライン212にそれぞれ接続されている。制御ユニット12は、第1のスイッチユニット221及び第2のスイッチユニット222の開または閉を制御する。
【0045】
いくつかの実施形態では、図4に示すように、故障検出回路111は、第1のサンプリング回路1110、第2のサンプリング回路1111、及び第3のサンプリング回路1112を含んでいる。第1のスイッチユニット221及び第2のスイッチユニット222が切断されている状態では、第1のサンプリング回路1110、第2のサンプリング回路1111、及び第3のサンプリング回路1112は第1、第2、及び第3の電圧をそれぞれ検出する。
【0046】
第1のサンプリング回路1110の第1の端部と第1のライン211との接続点が、第1のスイッチングユニット221とエネルギー変換装置30との間に位置し、第2の端部と第2のライン212との接続点が、第2のスイッチングユニット222とエネルギー貯蔵装置20との間に位置し、第1のサンプリング電圧が第1のサンプリング回路1110内に与えられる第1のサンプリング点を通して取得される。処理ユニット12は、第1のサンプリング電圧と第1のサンプリング回路1110の抵抗情報とに基づいて第1の電圧を計算する。
【0047】
第2のサンプリング回路1111の第1の端部と第1のライン211との接続点が、第1のスイッチユニット221とエネルギー貯蔵装置20との間に位置し、第2の端部と第2のライン212との接続点が、第2のスイッチユニット222とエネルギー変換装置30との間に位置し、第2のサンプリング電圧が、第2のサンプリング回路1111内に与えられる第2のサンプリング点を通して取得され、処理ユニット12は、第2のサンプリング電圧と第2のサンプリング回路1111の抵抗情報とに基づいて第2の電圧を計算する。
【0048】
第3のサンプリング回路1112の第1の端部と第1のライン211との接続点が、第1のスイッチユニット221とエネルギー貯蔵装置20との間に位置し、第2の端部と第2のライン212との接続点が、第2のスイッチユニット222とエネルギー貯蔵装置20との間に位置し、第3のサンプリング電圧第3のサンプリング回路1112内に置かれる第3のサンプリング点を通して取得され、処理ユニット12は、第3のサンプリング電圧と第3のサンプリング回路1112の抵抗情報とに基づいて第3の電圧を計算する。
【0049】
いくつかの実施形態では、図5Aに示すように、第1のスイッチユニットはS1であり、第2のスイッチユニットはS2である。第1のサンプリング回路1110は抵抗器R11及びR12を含み、第2のサンプリング回路1111は抵抗器R21及びR22を含み、第3のサンプリング回路1112は抵抗器R31及びR32を含む。第1のサンプリング回路1110、第2のサンプリング回路1111、及び第3のサンプリング回路1112内の抵抗器の抵抗は比較的大きく、通常、0.1メガオーム~10メガオームの範囲である。
【0050】
第1のサンプリング点はADC1であり、第1のサンプリング電圧はU1であり、第2のサンプリング点はADC2であり、第2のサンプリング電圧はU2であり、第3のサンプリング点はADC3であり、第3のサンプリング電圧はU3である。エネルギー変換装置30に対応するインピーダンスはR3であり、計算によって得ることができる。
【0051】
第1のスイッチユニットS1の外側は、エネルギー変換装置30に近い第1のスイッチユニットS1の側を指し、第1のスイッチユニットS1の内側は、エネルギー貯蔵装置20に近い第1のスイッチユニットS1の側を指す。第2のスイッチユニットS2の外側は、エネルギー変換装置30に近い第2のスイッチユニットS2の側を指し、第2のスイッチングユニットS2の内側は、エネルギー貯蔵装置20に近い第2のスイッチユニットS2の側を指す。Ubat1は、第1のスイッチユニットS1の外側とエネルギー貯蔵装置20の正極との間の電圧であり、Ubat2は、第2のスイッチユニットS2の外側とエネルギー貯蔵装置20の正極との間の電圧であり、Ubat3は、エネルギー貯蔵装置の正極と負極20との間の電圧であり、Ubat4はエネルギー変換装置30両端の電圧であり、具体的な計算式は以下の通りである。
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】
【0052】
以下の数式を数式(1-1)、(1-2)、(1-3)、(1-4)、及び(1-5):
【数6】
から取得することができる。
処理ユニット12は、数式(1-6)によりR3の値を計算し得る。R3の値が、予め設定した抵抗閾値以下である場合には、エネルギー変換装置30において短絡状態が生じていると判定されて、S1及びS2を切断状態に制御する。R3が、予め設定した抵抗閾値よりも大きい場合には、エネルギー変換装置30は正常であると判定されて、処理ユニット12はS1及びS2を閉に制御し、エネルギー貯蔵装置20はエネルギー変換装置30に電気エネルギーを出力する。
【0053】
処理ユニット12は、故障検出回路111に基づいて第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧を計算し、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧により、エネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算して、エネルギー変換装置において故障があるか否かを判定し得る。処理ユニット12はさらに、故障検出回路が収集した電圧に基づいて、回路内のスイッチに異常があるか否かを判定し得る。たとえば、Ubat1をUbat3と比較することによって、差が、予め設定した電圧閾値よりも小さい場合には、S1は動かないと判定され、Ubat2をUbat3と比較することによって、差が、予め設定した電圧閾値よりも小さい場合には、S2は動かないと判定される。
【0054】
いくつかの実施形態では、故障検出回路111における第1のサンプリング回路、第2のサンプリング回路、及び第3のサンプリング回路は種々の方法で実施してもよい。当業者であれば分かるように、第1のサンプリング回路、第2のサンプリング回路及び第3のサンプリング回路を、基準接地点を設定する方法で配設してもよく、すべて、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧を取得し得る。処理ユニット12は、第1の電圧、第2の電圧、第3の電圧、及び故障検出回路111に対応する抵抗情報から、エネルギー変換装置30に対応する抵抗値を計算する。
【0055】
たとえば、図5Bに示すように、故障検出回路111の第1のサンプリング回路1110は、抵抗器R13、R14、及びR15を含み、第2のサンプリング回路1111は抵抗器R23、R24、及びR25を含み、第3のサンプリング回路1112は抵抗器R33及びR34を含む。第1のサンプリング回路1110、第2のサンプリング回路1111、及び第3のサンプリング回路1112内の抵抗器の抵抗は比較的大きく、通常、0.1メガオーム~10メガオームの範囲である。第1のサンプリング点はADC4であり、第1のサンプリング電圧はU4であり、第2のサンプリング点はADC5であり、第2のサンプリング電圧はU5であり、第3のサンプリング点はADC6であり、第3のサンプリング電圧はU6である。前述した第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧を、同じ原理に基づいて取得することができる。処理ユニット12は、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧と、第1のサンプリング回路1110、第2のサンプリング回路1111、及び第3のサンプリング回路1112に対応する抵抗情報とから、エネルギー変換装置30に対応する抵抗値を計算する。
【0056】
いくつかの実施形態では、図3に示すように、本開示の制御装置はさらに、異なる種類であり得る第1の電流収集回路13、たとえばホール電流センサを含む収集回路などを含み得る。第1の電流収集回路13は、第1のライン211または第2のライン212内に設けてもよく、第1のライン211または第2のライン212を通して伝送される電流に対応する第1の検出電流値を収集する。
【0057】
処理ユニット12は、第1のスイッチユニット221及び第2のスイッチユニット222を閉に制御した後で、第1の電流収集回路13が取得した第1の検出電流値を取得し、エネルギー変換装置30に入力されるかまたはエネルギー変換装置30から出力される電流に対応する第2の検出電流値を収集して、第1の検出電流値及び第2の検出電流値に基づいて異常が生じているか否かを判定し、対応する動作を行う。
【0058】
異常の発生を判定する種々の方法がある。たとえば、処理ユニット12は、充電または放電が異常であると判定し、第1の検出電流値と第2の検出電流値との間の差の絶対値が、予め設定した差閾値よりも大きい状態に対して、対応する動作を行う。差閾値は特定の用途シナリオに従って設定してもよく、0に近い値であってもよい。
【0059】
たとえば、処理ユニット12が第1のスイッチユニット221及び第2のスイッチユニット222を閉に制御した後で、第1の検出電流値と第2の検出電流値との間の差の絶対値が差閾値よりも大きいか否かが判定される。絶対値が差閾値以下である場合には、第1の検出電流値と第2の検出電流値とは基本的に同じであり、動作状態は正常状態である。絶対値が差閾値よりも大きい場合、第1の検出電流値と第2の検出電流値との間の差はより大きく、動作状態は異常状態である。
【0060】
異常状態に対応する動作は、アラームメッセージを送って、ユーザに、第1の検出電流値及び第2の検出電流値などを取得するための取得回路、装置などをチェックするように通知することであってもよい。また第1の電流取得回路13による電流取得を用いて、取得回路、装置などをチェックし、さらにエネルギー変換装置及び回路に故障があるか否かを確認してもよく、その結果、信頼性が向上する。
【0061】
図6に示すように、本開示によって、前述の実施形態のいずれかの場合と同様に、エネルギー貯蔵装置20、エネルギー変換装置30、及び制御装置10を含むエネルギー変換システムが提供される。
【0062】
いくつかの実施形態では、図7に示すように、エネルギー変換装置30は、第2の接続ライン31、第2の電流収集ユニット32、及び伝達モジュール33を含んでいる。第2の接続ライン31は第1の接続ライン21に接続されている。第2の接続ライン31は、エネルギー貯蔵装置20から出力された電気エネルギーを第1の接続ライン21を通して受け取るか、または電力網などの電気エネルギーを第1の接続ライン21を通してエネルギー貯蔵装置20に出力する。
【0063】
第2の電流収集ユニット32は、エネルギー変換装置30に入力またはエネルギー変換装置30から出力された電流に対応する第2の検出電流値を収集するように構成されている。第2の電流収集ユニット32を第2の接続ライン31内に設けて、第2の検出電流値を収集してもよい。第2の電流収集ユニット32は異なる種類、たとえばホール電流センサを含む収集回路などであってもよい。伝達モジュール33は、第2の電流収集ユニット32が取得した第2の検出電流値を取得して、第2の検出電流値を制御装置10の処理ユニット12に伝送する。伝達モジュール33は、処理ユニット12と種々の方法で、たとえばCANバス伝達などを用いて伝達してもよい。
【0064】
エネルギー変換装置30は、補助電源モジュール35及び電流制限回路34を含んでいる。エネルギー変換装置30は独自の電気エネルギーを有しておらず、外部の電気エネルギーを取得して、エネルギー変換装置30に電力を供給することによって、エネルギー変換装置30を動作させる必要がある。電流制限回路34は第2の接続ライン31内に配置されている。電流制限回路34は、第2の接続ライン31を通して入力される電流を制限して、制限された電流が補助電源モジュール35に入力され、伝達モジュール33などに電力を供給して、エネルギー変換装置30を動作させる。電流制限回路34が電流を制限することによって、エネルギー変換装置30などの外部装置の短絡に起因するエネルギー貯蔵装置20の短絡が回避される。
【0065】
いくつかの実施形態では、図8に示すように、電流制限回路は電流制限抵抗器R4を含む。第2の接続ライン31は、エネルギー貯蔵装置30の正極及び負極とそれぞれ伝達するための第3のライン311及び第4のライン312を含む。電流制限抵抗器R4が第3のライン311内に設けられている。電力変換装置30は、電流制限抵抗器R4と並列に接続された第3のスイッチングユニットS3を含んでいる。
【0066】
処理ユニット12がS1及びS2を閉に制御すると、電流制限回路R4は、補助電源モジュール35に入力される電流を制限して、補助電源モジュール35に入力される電流を減らすことができ、電源が開始したときに過剰電流に起因するエネルギー変換装置30のコンポーネントに対する損傷を回避することができ、その結果、保護効果が実現される。エネルギー変換装置30が動作状態になった後で、第3のスイッチングユニットS3を閉じて電流制限抵抗器R4を短絡させて、R4による消費電力を減らす。
【0067】
またエネルギー変換装置30は、制御モジュール36、電力モジュール37、及び主電源モジュール38を含む。主電源モジュール38も補助電源モジュール35もそれ自体は電力を有しておらず、エネルギー変換装置30には、外部から入力される電力が供給される。電力モジュール37は、エネルギー貯蔵装置20によって入力される電流を変換して、変換された電流を電気機器40に与えるか、または電力モジュール37は、外部ネットワークによって入力される電流を変換して、変換された電流をエネルギー貯蔵装置20に与える。制御モジュール36を用いて電力モジュール37などを制御する。制御モジュール36は伝達モジュール33と一体化してもよい。
【0068】
処理ユニット12が、エネルギー変換装置30に対応する抵抗値が抵抗閾値よりも大きいと判定したとき、すなわち、抵抗値が安全値であるとき、S1及びS2を直接閉じて、R4は、補助電源モジュール35に入力される電流を制限する。補助電源モジュール35の場合、動作電圧範囲はUmin-Umaxであり、補助電源モジュール35の最大動作電流がI1ならば、R4の選択に対して以下の要件が作られる。
【数7】
【数8】
【0069】
連立方程式(1-7)及び(1-8)によって、次のように計算することができる。
【数9】
ここで、Pは、抵抗器R4が耐えることができる最大加熱電力であり、Ubatminは、エネルギー貯蔵装置20(バッテリーパック)が放電モードをサポートすることができる最低電圧であり、また安全上、R4は数式(1-9)の状態下でなければならず、選択した抵抗値が大きいほど、抵抗値は良好である。
【0070】
補助電源モジュール35が動作状態になった後で、S3を閉じて、制御モジュール36及び電力モジュール37を動作させる。第1の電流収集回路はホール電流センサ131を含み、第2の電流収集ユニットはホール電流センサ321を含んでいる。伝達モジュール33は、ホール電流センサ321が取得した第2の検出電流値を、CANバスなどの伝達方法を通して処理ユニット12に伝送する。
【0071】
処理ユニット12は、ホール電流センサ131が収集した第1の検出電流値を取得し、伝達モジュール33によって送られた第2の検出電流値を受け取る。処理ユニット12は、異常が生じていると判定し、第1の検出電流値と第2の検出電流値との間の差の絶対値が、予め設定した差閾値よりも大きいときには警告情報を送って、ユーザに、エネルギー変換装置30及びエネルギー貯蔵装置20の動作状態をチェックするように促し、取得回路、装置などのチェッキングを実現することができ、さらに、充放電回路が異常であるか否かを確認することによって、信頼性が向上する。
【0072】
いくつかの実施形態では、本開示によって、前述の実施形態のいずれか1つによるエネルギー変換システムに適用されるエネルギー変換方法が提供される。エネルギー変換システムは、エネルギー変換装置、エネルギー貯蔵装置、及び制御装置を含み、制御装置は検出ユニット及び処理ユニットを含む。検出ユニットは、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第1の端部との間の第1の電圧、エネルギー貯蔵装置の負極とエネルギー変換装置の第2の端部との間の第2の電圧、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー貯蔵装置の負極との間の第3の電圧を検出するために用いられる。エネルギー変換方法は処理ユニットにおいて実行される。図9は、本開示のエネルギー変換方法のいくつかの実施形態の概略フロー図である。図9に示すように、
【0073】
ステップ901では、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧により、エネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算する。
【0074】
902では、抵抗値が抵抗閾値よりも大きいときに、エネルギー貯蔵装置を、エネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給するように制御する。
【0075】
図10は、本開示のエネルギー変換方法の別の実施形態の概略フロー図である。図10に示すように、
【0076】
ステップ1001では、エネルギー変換装置に対応する抵抗値を、第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧により計算する。
【0077】
ステップ1002では、抵抗値が抵抗閾値よりも大きいか否かを判定し、そうである場合にはステップ1003に入り、そうでない場合はステップ1004に入る。
【0078】
ステップ1003では、エネルギー貯蔵装置を、エネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給するように制御する。また本方法は、エネルギー貯蔵装置を、エネルギー変換装置を通して電力網とエネルギー変換を行うように制御するステップを含むことができる。
【0079】
1004では、エネルギー貯蔵装置は、エネルギー変換装置を通して電気機器に電力を供給することが妨げられる。本方法はさらに、エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置を介して電力網とエネルギー変換を行うことを妨げることを含んでいてもよい。
【0080】
エネルギー貯蔵装置は、第1の接続ラインを通してエネルギー変換装置と接続され、第1の接続ライン内にはスイッチアセンブリが配設されている。処理ユニットはさらに、抵抗値が抵抗閾値よりも大きいときには、スイッチアセンブリを閉じて第1の接続回路を閉状態にし、抵抗値が抵抗閾値以下であるときには、スイッチコンポーネントをターンオフして第1の接続回路を切断状態にする。
【0081】
検出ユニットは、第1の接続ラインと接続された故障検出回路を含んでいる。第1の接続ラインが切断状態にあるときに、第1の接続ライン及び故障検出回路は、エネルギー貯蔵装置とエネルギー変換装置との間の接続回路を構成する。処理ユニットはさらに、故障検出回路によって検出された第1の電圧、第2の電圧、及び第3の電圧と、故障検出回路の抵抗情報とにより、抵抗値を計算する。
【0082】
第1の接続ラインは、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第1の端部とを接続するための第1のラインと、エネルギー貯蔵装置の正極とエネルギー変換装置の第2の端部とを接続するための第2のラインとを含んでいる。スイッチアセンブリは、第1の回路及び第2の回路上にそれぞれ配設された第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットを含んでいる。故障検出回路は、第1のライン及び第2のラインとそれぞれ接続された第1のサンプリング回路、第2のサンプリング、回路及び第3のサンプリング回路を含んでいる。処理ユニットはさらに、第1のスイッチユニット及び第2のスイッチユニットが切断状態にあるときに、第1のサンプリング回路が取得した第1のサンプリング電圧と第1のサンプリング回路の抵抗情報とにより第1の電圧を計算し、第2のサンプリング回路が取得した第2のサンプリング電圧と第2のサンプリング回路の抵抗情報とにより第2の電圧を計算し、第3のサンプリング回路が取得した第3のサンプリング電圧と第3のサンプリング回路の抵抗情報とにより第3の電圧を計算する。
【0083】
制御装置はさらに、第1の接続ラインを通して伝送された電流に対応する第1の検出電流値を収集するように構成された第1の電流収集回路を含む。図11は、本開示のエネルギー変換方法のいくつかの実施形態による異常判定の概略フローチャートである。図11に示すように、
【0084】
ステップ1101では、制御スイッチアセンブリが閉じた後に、エネルギー変換装置に入力された電流またはエネルギー変換装置から出力された電流に対応する第1の検出電流値及び第2の検出電流値を取得する。
【0085】
ステップ1102では、第1の検出電流値と第2の検出電流値との間の差の絶対値が、予め設定した電流差値閾値よりも小さい状態下で、スイッチコンポーネントを閉状態になるように制御する。
【0086】
いくつかの実施形態では、エネルギー変換装置は、エネルギー貯蔵装置によって入力された電気エネルギーを受け取るかまたはエネルギー貯蔵装置に電気エネルギーを出力するように構成された第2の接続ライン、補助電力モジュール、及び第2の接続ライン内に配設された電流制限回路を含む。電流制限回路は、第2の接続ラインを通っている電流を制限して、制限された電流が補助電源モジュール内に入力されてエネルギー変換装置に対する電力を供給するようにする。
【0087】
電流制限回路は、電流制限抵抗器と、電流制限抵抗器と並列に接続された第3のスイッチングユニットとを含んでいる。エネルギー変換装置が動作状態にあるときに、エネルギー変換装置は第3のスイッチユニットを閉じて電流制限抵抗器を短絡させる。
【0088】
いくつかの実施形態では、本開示によってさらに、コンピュータ命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ命令は、プロセッサによって実行されると、前述の実施形態のいずれかの場合と同様にエネルギー変換の方法を実施する。
【0089】
本開示を、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/またはブロック図を参照して説明している。当然のことながら、フローチャート図及び/またはブロック図の各フロー及び/またはブロック、ならびにフローチャート図及び/またはブロック図におけるフロー及び/またはブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施することができる。これらのコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに与えてマシンを製造して、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートフローまたはフロー(複数)及び/またはブロック図ブロックまたはブロック(複数)において特定された機能を実施するための手段が形成されるようにしてもよい。
【0090】
またこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に特定の方法で機能するように命令することができるコンピュータ可読メモリに記憶して、コンピュータ可読なメモリに記憶された命令が、フローチャートフローまたはフロー(複数)及び/またはブロック図ブロックまたはブロック(複数)に特定された機能を実施する命令手段を含む製造品を製造するようにしてもよい。
【0091】
前述の実施形態における制御装置、エネルギー変換システム、エネルギー変換方法、及び記憶媒体は、エネルギー貯蔵装置とエネルギー変換装置との間の電圧と、エネルギー貯蔵装置のアノード及びカソード間の電圧とを検出し、電圧に基づいてエネルギー変換装置に対応する抵抗値を計算し、抵抗値により、エネルギー貯蔵装置がエネルギー変換装置を通して電気装置に電力を供給するか否かを制御する。外部装置の短絡故障によりエネルギー貯蔵装置が短絡する問題を回避することができ、エネルギー貯蔵装置を保護することができ、エネルギー変換装置及び回路に故障が存在するか否かを、エネルギー貯蔵装置及びエネルギー変換装置の入力または出力電流値の比較を通してさらに確認することができ、安全性及び信頼性が向上し、ユーザの経験を利用することを改善することができる。
【0092】
本開示の方法及びシステムは多くの方法で実施し得る。たとえば、本開示の方法及びシステムは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェア、ハードウェア、及びファームウェアの任意の組み合わせで実施し得る。方法のステップに対する前述した順番は単に説明用であり、本開示の方法のステップは、特に記載のない限り、具体的に前述した順番に限定されない。さらに、いくつかの実施形態では、本開示を、記録媒体に記録されたプログラムとして具体化してもよく、プログラムには本開示による方法を実施するための機械可読命令が含まれる。したがって、本開示は、本開示による方法を実行するためのプログラムを記憶する記録媒体にも及ぶ。
【0093】
本開示の説明は例示及び説明の目的上与えており、網羅的であること、または開示した形式での開示に限定されることは意図していない。多くの変更及び変形が当業者にとって明らかである。実施形態の選択及び説明は、本開示の原理及び実際の応用の説明が最良となり、また他の当業者が、特定の用途に適した種々の変更を加えた種々の実施形態に対する開示を理解できるようになされた。
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