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特許7330399メディアセッション管理を向上させる方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-10
(45)【発行日】2023-08-21
(54)【発明の名称】メディアセッション管理を向上させる方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 80/10 20090101AFI20230814BHJP
   H04L 65/1104 20220101ALI20230814BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20230814BHJP
【FI】
H04W80/10
H04L65/1104
H04W84/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022566435
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2022072415
(87)【国際公開番号】W WO2022246435
(87)【国際公開日】2022-11-24
【審査請求日】2022-10-31
(31)【優先権主張番号】63/190,730
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/746,914
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520353802
【氏名又は名称】テンセント・アメリカ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】シュアイ・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・ヴェンガー
(72)【発明者】
【氏名】シャン・リュウ
【審査官】新井 寛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/101388(WO,A1)
【文献】3GPP TS 23.255 V0.4.0,3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Application layer support for Unmanned Aerial System (UAS); Functional architecture and information flows; (Release 17),2021年04月26日,pp.11-15
【文献】3GPP TR 23.755 V17.0.0,3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Study on application layer support for Unmanned Aerial Systems (UAS); (Release 17),2021年04月01日,pp.11,43,44
【文献】Tencent,Procedure for UAS media session management,3GPP TSG SA WG6 #042-bis-e S6-210997,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG6_MissionCritical/TSGS6_042-BIS-e/Docs/s6-210997.zip>,2021年04月17日
【文献】Tencent,SIP session information request,3GPP TSG SA WG6 #043-e S6-211150,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG6_MissionCritical/TSGS6_043-e/Docs/S6-211150.zip>,2021年05月19日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04L 65/1104
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスイネーブラアーキテクチャレイヤ(SEAL)アーキテクチャにおけるセッション開始プロトコル(SIP)セッション管理の方法であって、
バーティカルアプリケーションレイヤ(VAL)サーバがネットワークリソース管理(NRM)サーバにSIPセッション情報要求を送って、(i)前記VALサーバに関連するVALクライアントと(ii)前記NRMサーバとの間に確立されたSIPセッションのリスト化物を取得するステップと、
前記SIPセッション情報要求に応じた、SIPセッション情報を含む応答メッセージを前記NRMサーバから前記VALサーバが受け取るステップであって、前記SIPセッション情報は前記VALクライアントと前記NRMサーバとの間に確立されたSIPセッションの前記リスト化物を含む、ステップと、
前記応答メッセージに基づいて複数のNRMサーバにわたって複数のSIPセッションを管理するステップであって、前記複数のNRMサーバは前記NRMサーバを含み、前記複数のSIPセッションは前記VALクライアントと前記NRMサーバとの間に確立されたSIPセッションの前記リスト化物を含む、ステップと
を備える方法。
【請求項2】
前記SIPセッション情報要求は、
前記VALクライアントのアイデンティティ(ID)と、
前記VALサーバのIDと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記SIPセッション情報要求は、
VALグループのアイデンティティであって、前記VALグループは前記VALクライアント及びVALコントローラに対応する、アイデンティティ
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記VALサーバは無人航空システムアプリケーションイネーブラ(UAE)サーバを含み、
前記VALクライアントは無人航空ビークル(UAV)を含み、
前記VALコントローラはUAVコントローラを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記応答メッセージはSIPセッションの前記リスト化物に含まれる前記SIPセッションに関連するセッションID及びセッションステータスを示し、前記SIPセッションの各々は対応するセッションID及び対応するセッションステータスに関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
管理する前記ステップは、
前記VALサーバが前記応答メッセージに基づいて前記複数のSIPセッションのSIPセッショントラフィックのリダイレクトを行なうステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
管理する前記ステップは、
前記VALサーバが前記応答メッセージに基づいてSIP接続要求のバランスをとるステップ
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
SIPセッションの前記リスト化物に含まれる前記SIPセッションは、前記SIPセッション情報要求を送る前記ステップの前に、前記NRMサーバがかかわってNRMクライアントによって開始される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を行うように構成された装置。
【請求項10】
バーティカルアプリケーションレイヤ(VAL)サーバの少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法を行わせるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願は、2021年5月19日に出願された米国仮出願第63/190,730号’’METHOD AND APPARATUS OF ENHANCING MEDIA SESSION MANAGEMENT’’の優先権の利益を主張する2022年5月17日に出願された米国特許出願第17/746,914号’’METHOD AND APPARATUS OF ENHANCING MEDIA SESSION MANAGEMENT’’の優先権の利益を主張する。先の出願の開示の全体が本記載をもって参照によって援用される。
【0002】
本開示はメディアセッション管理に関する。
【背景技術】
【0003】
以下に記載されている背景の説明は本開示の背景を概略的示すためのものである。背景に関する本記載で説明されている範囲において、本願において氏名が掲載されている発明者が行なったものと、その他、出願時の先行技術としての地位を獲得し得ない説明の態様とは、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも自認されるものではない。
【0004】
無人航空ビークル(unmanned aerial vehicle:UAV)(無乗務員航空ビークルともいう)は、いかなる操縦人員、乗務員や乗客も搭乗しない航空機を含むことができる。UAVは無人航空機システム(unmanned aircraft system:UAS)の構成要素である。UASは地上コントローラと、UAVと通信するシステムとをさらに含むことができる。無人航空機システムの接続需要を支える通信システムが開発中である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様では、セッション開始プロトコル(SIP)セッション管理、たとえば、サービスイネーブラアーキテクチャレイヤ(SEAL)アーキテクチャにおけるSIPセッション管理のための方法及び装置を提供する。いくつかの例では、SIPセッション管理のための装置は受信回路と処理回路とを含む。
【0006】
本開示の一態様に係れば、サービスイネーブラアーキテクチャレイヤ(SEAL)アーキテクチャにおけるセッション開始プロトコル(SIP)セッション管理の方法が提供される。本方法では、バーティカルアプリケーションレイヤ(VAL)サーバがネットワークリソース管理(NRM)サーバにSIPセッション情報要求を送って、(i)VALサーバに関連するVALクライアントと(ii)NRMサーバとの間に確立されたSIPセッションのリスト化物を取得することができる。SIPセッション情報要求に応じた、SIPセッション情報を含む応答メッセージをVALサーバがNRMサーバから受け取ることができる。SIPセッション情報はVALクライアントとNRMサーバとの間に確立されたSIPセッションのリスト化物を含むことができる。応答メッセージに基づいて複数のNRMサーバにわたって複数のSIPセッションを管理することができ、複数のNRMサーバは上記のNRMサーバを含み、複数のSIPセッションはVALクライアントとNRMサーバとの間に確立されたSIPセッションのリスト化物を含む。
【0007】
一実施形態では、SIPセッション情報要求はVALクライアントのアイデンティティ(ID)とVALサーバのIDとの一方をさらに含むことができる。
【0008】
別の実施形態では、SIPセッション情報要求はVALグループのIDを含むことができ、VALグループはVALクライアント及びVALコントローラに対応することが可能である。
【0009】
いくつかの実施形態では、VALサーバは無人航空システムアプリケーションイネーブラ(UAE)サーバを含むことができ、VALクライアントは無人航空ビークル(UAV)を含むことができ、VALコントローラはUAVコントローラを含むことができる。
【0010】
本方法では、応答メッセージはSIPセッションのリスト化物に含まれるSIPセッションに関連するセッションID及びセッションステータスを示すことができ、SIPセッションの各々は対応するセッションID及び対応するセッションステータスに関連することが可能である。
【0011】
いくつかの実施形態では、複数のNRMサーバにわたって複数のSIPセッションを管理するために、応答メッセージに基づいてVALサーバによって複数のSIPセッションのSIPセッショントラフィックのリダイレクトを行なうことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数のNRMサーバにわたって複数のSIPセッションを管理するために、応答メッセージに基づいてVALサーバによってSIP接続要求のバランスをとることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、UAEサーバによってSIPセッション情報要求が送られる前に、SIPセッションのリスト化物に含まれるSIPセッションを、NRMサーバがかかわってNRMクライアントによって開始することができる。
【0014】
本開示の別の態様に係れば、装置が提供される。本装置は処理回路を有する。処理回路を、上記の方法のいずれかを実行するように構成することができる。
【0015】
本開示の態様では、コンピュータによって実行されるとき、上記の方法のいずれかをコンピュータに実行させる指示を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体も提供する。
【0016】
以下の詳細な説明と添付の図面とから、開示されている保護対象のさらなる特徴、性質及び様々な利点がより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態に係る無人航空システム(100)の概略図である。
図2】一実施形態に係るサービスイネーブラアーキテクチャレイヤ(SEAL)のネットワーク上の機能モデル(200)である。
図3】一実施形態に係るセッション開始プロトコル(SIP)セッション管理のプロセス(300)を示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態に係るSIPセッション管理のプロセスの概要を示すフローチャートを示す。
図5】一実施形態に係るコンピュータシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照して、無人航空システム(UAS)(100)は無人航空ビークル(UAV)(101)とコントローラ(102)とを含むことができる。コントローラ(102)はコントローラ(102)からUAV(101)に制御コマンドを通信するのにデータリンク(103)を用いることができる。コントローラ(102)は、データリンク(103)を通じて、超短波(VHF)及び/若しくは極超短波(UHF)並びに/又はデジタル及び/若しくはアナログ無線通信が可能な他の無線技術を介して通信を提供するように構成された少なくとも1つの通信回路を含んでもよい。コントローラ(102)はUAV(101)の1つ以上のモータ及び/若しくはエンジンなどの推進力部(114)の出力レベル並びに/又は典型的な航空機(図示せず)の操縦翼面を制御することができる。ヘリコプタ及び/又は航空機のものと同様のピッチ、ヨーやロールのようなより抽象的な命令を用いることもできる。熟練の操縦者が基本的な操縦を行なえば、UAV(101)内での制御信号の高度な機内処理によらずにUAV(101)を操作することができる。UAV(101)はヘリコプタ及び/又はその他一切の航空機の形態をとることができる。
【0019】
搭載される電子設計装置の進歩により、操縦人員(すなわちユーザ)113からUAV(101)それ自体にいくつかの作業を移すことができる。UAV(101)などの多くのUAVは、UAV(101)の傾角及び加速度を感知する搭載制御回路(105)に接続される1つ以上のセンサ(104)を含むことができる。搭載制御回路(105)は小型化されかつ/又はユーザインタフェイスが存在しないコンピュータシステムであることが可能である。コントローラ(102)からのデータリンク(103)から受け取った制御入力に加えて、1つ以上のセンサ(104)によって取得される情報により、UAV(101)はコントローラ(102)から特別管制入力を取得しない限り安定を保つことができる。
【0020】
UAV(101)は、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)の1つ、たとえば、アメリカ合衆国によって運用されている全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)に用いられる受信器(106)を含むことができる。図1には、通信信号(107)を提供することができる1つの衛星(108)が示されており、GNSSが表現されている。ただし、UAV(101)の受信器(106)は、空間中のUAV(101)の位置を三角法で測量するために、3つ以上、通常は4つ以上のLOS(line-of-sight)衛星を含むGNSSから通信を受けてもよい。GNSS受信器(たとえば受信器(106))は中程度の正確度でUAV(101)の空間的な位置及び時間的な位置を定量することができる。UAV(101)には、安全な着陸を可能にするために、多くの場合に最も重要な垂直軸(たとえばZ軸)に対するセンサ(たとえば、超音波センサ及び/又はLIDARセンサ)をUAV(101)に追加することによってGNSSを補足することができる(図示せず)。UAV(101)がGNSS能力を有することにより、「帰投(fly home)」及び「自動着陸(auto-land)」機能をユーザに提供することができる。したがって、コントローラ(102)からの簡単なコマンド(たとえば、ボタン1つを押下)があったときや、コントローラからのデータリンク(103)が喪失した場合や、その他、重要な制御入力のタイムアウトが生じた場合に、帰投位置として定められた位置までUAV(101)が飛行することができる。
【0021】
UAV(101)は1つ以上のカメラ(109)も含むことができる。場合によっては、UAV(101)はカメラ(109)の1つとしてジンバル搭載カメラを含むことができる。高精細テレビ解像度など、UAV(101)のユーザ(113)にとって十分な品質の画像及び/又は動画を録画するのにジンバル搭載カメラを用いることができる。UAV(101)は動きの一部の軸又は全部の軸に対応するために他のカメラ(110)を含むことができる。移動する物体との衝突も、移動しない物体との衝突も防止するために、UAV(101)は他のカメラ(110)の信号に基づく機内信号処理を用いることができる。
【0022】
場合によっては、UAV(101)はカメラ(109)の1つとして「主使用(main)」カメラを含むことができる。「主使用」カメラの信号をデータリンク(111)を介して使用人員(たとえばユーザ(113))に向けてリアルタイムで通信することができ、コントローラ(102)に内蔵され、コントローラ(102)に取り付けられ、かつ/又はコントローラ(102)とは別体である表示装置(112)に表示することができる。データリンク(111)はデータリンク(103)と同一であってもデータリンク(103)とは異なってもよい。したがって、UAV(101)は「一人称視点(First Person View)」(FPV)として知られている手法を用いて、飛行の際に操縦人員の視線から問題なく外れることができる。
【0023】
技術の発展の結果として、UAV(たとえばUAV(101))を飛行させることが著しく容易になってきており、これにより、UAVは専門のUAV操縦者や熱心で裕福な愛好家だけでなく、一般の人々にも普及するようになってきた。その結果、約15年前に販売された、多い場合で数千台の典型的なヘリコプタとは対照的に、現在では毎年数百万台ものUAVが販売されている。これと同時に、ユーザ団体の知識、技量及び取り組みの平均が下がってきている。
【0024】
バーティカルアプリケーション(たとえば、UAVやvehicle to everything(V2X))をサービスイネーブラアーキテクチャレイヤ(SEAL)によってサポートすることができる。ユーザ端末(UE)及びサーバのSEAL機能的エンティティを1つ以上のSEALクライアント及び1つ以上のSEALサーバにそれぞれグループ化することができる。SEALは共通のサービスの集合(たとえば、グループ管理、位置管理)とリファレンスポイントとを含むことができる。SEALはそのサービスをバーティカルアプリケーションレイヤ(VAL)に提供することができる。VALはVALクライアント(たとえばUAV)とVALサーバとを含むことができる。
【0025】
図2はサービスイネーブラアーキテクチャレイヤ(SEAL)の典型的なネットワーク上の機能的モデル(200)を示す。モデル(200)をネットワークリソース管理に用いることができ、バーティカルアプリケーション(たとえば、UAVアプリケーションやvehicle to everything(V2X)アプリケーション)をサポートするために、モデル(200)は3GPP(登録商標)ネットワークシステム(213)などの3GPP(登録商標)無線ネットワークを用いたバーティカルアプリケーションレイヤ(VAL)(206)及びSEAL(207)を含むことができる。モデル(200)は共通のアプリケーションプレーンエンティティ及びシグナリングプレーンエンティティを含む機能的アーキテクチャとして示されている。モデル(200)の共通のサービスの集合(たとえば、グループ管理、設定管理、位置管理)をバーティカルアプリケーションにわたって共有することができる。
【0026】
図2に示されているように、VAL(206)はVALクライアント(201)とVALサーバ(203)とを含むことができる。SEAL(207)はSEALクライアント(202)とSEALサーバ(204)とを含むことができる。VALクライアント(201)とSEALクライアント(202)は互いに通信接続されてユーザ端末(212)を形成することができる。図2に示されているSEAL機能的アーキテクチャでは、ミッションクリティカルなバーティカルアプリケーションと他のバーティカルアプリケーションとをサポートする共通の能力を考慮することができる。
【0027】
図2を参照して、VALクライアント(201)がVAL-UU(205)リファレンスポイントを用いてVALサーバ(203)と通信することができる。VAL-UU(205)はユニキャスト配信モードとマルチキャスト配信モードとをサポートすることができる。
【0028】
ユーザ端末(212)及びサーバのSEAL機能的エンティティを1つ以上のSEALクライアント(202)及び1つ以上のSEALサーバ(204)にそれぞれグループ化することができる。SEAL(207)は共通のサービスの集合(たとえば、グループ管理、位置管理)とリファレンスポイントとを含むことができる。SEAL(207)はVAL(206)にサービスを提供することができる。
【0029】
1つ以上のSEALクライアント(202)がSEAL-UU(209)リファレンスポイントを用いて1つ以上のSEALサーバ(204)と通信することができる。SEAL-UU(209)はユニキャスト配信モードとマルチキャスト配信モードとをサポートすることができる。1つ以上のSEALクライアント(202)がSEAL-Cリファレンスポイント(208)を用いてサービスイネーブラレイヤサポート機能を1つ以上のVALクライアント(201)に提供することができる。1つ以上のVALサーバ(203)がSEAL-S(211)リファレンスポイントを用いて1つ以上のSEALサーバ(204)と通信することができる。1つ以上のSEALサーバ(204)が3GPP(登録商標)ネットワークシステムによって指定されている対応する3GPP(登録商標)インタフェイス(たとえば3GPP(登録商標)インタフェイス210)を用いて、3GPP(登録商標)ネットワークシステム(213)などの基盤となっている3GPP(登録商標)ネットワークシステムと通信してもよい。
【0030】
各SEALサービスのネットワーク上の機能的モデルに、特定の1つ以上のSEALクライアント(202)と1つ以上のSEALサーバ(204)をこれらに固有のSEAL-UU(209)リファレンスポイント及び3GPP(登録商標)ネットワークシステム(213)の特定のネットワークインタフェイス(210)とともに設けることができる。
【0031】
VALクライアント(201)はバーティカルアプリケーション(たとえば、UAV、V2Xクライアント)に対応するクライアント側機能を提供することができる。VALクライアント(201)は1つ以上のSEALクライアント(202)とのやり取りをサポートすることができる。
【0032】
VALサーバ(203)はバーティカルアプリケーション(たとえば、UAV、V2Xアプリケーションサーバ)に対応するサーバ側機能を提供することができる。
【0033】
SEALクライアント(202)は位置管理、グループ管理、設定管理、アイデンティティ管理、キー管理やネットワークリソース管理などの特定のSEALサービスに対応するクライアント側機能を提供することができる。1つ以上のSEALクライアントが1つ以上のVALクライアント(201)とのやり取りをサポートすることができる。SEALクライアントは2つのUEの間の、対応するSEALクライアントとのやり取りもサポートすることができる。たとえば、第1のUE(たとえばUE(212))の第1のSEALクライアント(たとえばSEALクライアント(202))が第2のUE(図示せず)の第2のSEALクライアント(図示せず)とやり取りすることができる。
【0034】
SEALサーバ(204)は位置管理、グループ管理、設定管理、アイデンティティ管理、キー管理やネットワークリソース管理などの特定のSEALサービスに対応するサーバ側機能を提供することができる。SEALサーバ(204)は1つ以上のVALサーバ(203)とのやり取りをサポートすることができる。
【0035】
典型的な3GPP(登録商標) 5G無線アーキテクチャでは、3GPP(登録商標)システム(たとえば、213)を用いたバーティカルアプリケーションをサポートするためのプロシージャ、情報フロー及びアプリケーションプログラムインタフェイス(API)をSEAL(たとえばSEAL(207))によって提供して3GPP(登録商標)システムを用いたバーティカルアプリケーションの効率的な利用及びデプロイを確保することができる。
【0036】
上位のアプリケーションレイヤのグループ管理動作をSEALグループマネージャ(group manager:GM)によって可能にすることができる。
【0037】
上位のアプリケーションレイヤのユニキャスト及びマルチキャストネットワークリソース管理に対するサポートをSEALネットワークリソースマネージャ(network resource manager:NRM)サーバ(たとえばSEAL NRMサーバ(404))によって可能にすることができる。
【0038】
Direct C2通信、Network-Assisted C2通信及びUAS Traffic Management(UTM)-Navigated C2通信という3つのC2(コマンド(command)及び制御(control))通信モードを5G無線技術でサポートすることができる。
【0039】
Direct C2は互いに通信するUAVコントローラとUAVとの直接のC2リンクを確立することができる。Direct C2通信のために無線ネットワークによって設定及びスケジューリングがなされた無線リソースを用いて、5Gネットワーク(たとえば、無線ネットワークシステム213)などの無線ネットワークにUAVコントローラとUAVとの両方を登録することができる。
【0040】
Network-Assisted C2通信では、UAVコントローラとUAVとが5Gネットワークなどの無線ネットワークにそれぞれのユニキャストC2通信リンクを登録して確立し、ネットワークを介して互いと通信することができる。
【0041】
UTM-Navigated C2通信では、事前に計画した飛行計画をUAVに提供することができ、UAVの飛行状態を定期的に監視し、変化する制約の最新のものに照らして飛行状態を確認し、ルートの更新を行ない、UAVを随時航行させるために、UAVとのC2通信リンクをUTMによって維持することができる。
【0042】
本開示では、SEALアーキテクチャでのセッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol:SIP)セッション管理のために情報フロー及びデータ要素を設けることができる。
【0043】
SIPは、音声、動画及び/又はメッセージングアプリケーションを含むことができるリアルタイムセッションの開始、維持及び終了に用いられるシグナリングプロトコルであることが可能である。音声動画通話に用いられるインターネット電話のアプリケーション、プライベートIP電話システム、インターネットプロトコル(IP)ネットワークを用いたインスタントメッセージング、及びLTEを用いた携帯電話通話(VoLTE)におけるマルチメディア通信セッションのシグナリング及び制御にSIPを用いることができる。
【0044】
SIPセッション(俗称として「通話」と称する場合があり、より正確にはダイアログと称する)は、ユーザエージェント(ユーザエージェントクライアントすなわちUAC)から別のユーザエージェント(ユーザエージェントサーバすなわちUAS)への送信勧誘(invitation)を介して形成される。たとえば、SIPセッションを、NRMサーバがかかわってNRMクライアントによって開始して確立することができる。この送信勧誘トランザクションは実質的にUACとUASとの間のスリーウェイハンドシェイクであり、これはUACによってUASに送られる最初のINVITEメッセージと、UASによってUACに送られる1つ以上の暫定応答と、UASによってUACに送られる最終応答と、UACによってUASに送られる確認応答とを含むか、これらからなる。これらのSIPメッセージはSession Description Protocol(SDP)を用いた各UACのメディア機能の記述を含むことができる。このようなセッション記述に基づいて、通話セットアップの際に共通のパラメータの集合についてネゴシエーションを行なうことができる。その後、音声、動画、テキストなどであるかにかかわらずメディアをUAから別のUAに送るのに当該共通のパラメータの集合を用いることができる。
【0045】
SDPの仕様では、マルチメディアセッション(すなわちSIPセッション)はマルチメディア送信側及び受信側並びに送信側から受信側に流れるデータストリームの集合である。セッションをSDPユーザ名、セッションID、ネットワークタイプ、アドレスタイプ及びoriginフィールド内のアドレス要素によって定めることができる。セッションは、SDPのライン中でポートによって定められるユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)に対応する複数のリアルタイム・トランスポート・プロトコル(RTP)セッションを有することができる。
【0046】
3GPP(登録商標)では、UAVクライアントが、NRMサーバがかかわるSIPセッションなどのメディアセッションの確立を要求することができる。動画ストリーミングなどのメディアサービスのサービス継続を確実に行なうために、このようなSIPセッションを管理する必要がある。現在のところ、UAEサーバはNRMサーバがかかわってUAVクライアントとの間に確立されたSIPセッションの数を認識しない。NRMサーバが処理することができるよりも多くのSIPセッション要求が発生するときにサービスの中断が起こるおそれがある。
【0047】
VALサーバ(たとえばUAEサーバ)がUAVクライアントとNRMサーバとの間の既存のSIPセッションの認識能力を持つことを可能にすることによって、VALサーバは既存のSIPセッションの認識能力を得ることができ、複数のNRMサーバにわたってSIPセッションを管理することができる。たとえば、VALサーバはSIPセッショントラフィックのリダイレクトを行ないかつ/又はSIP接続要求のバランスをとることによってSIPセッションを管理することができる。
【0048】
図2を参照して、SEALアーキテクチャ(200)はネットワークリソース管理を提供する。ネットワークリソース管理(NRM)クライアント(202)はネットワークリソースの管理のためにVALクライアント(すなわちVALアプリケーション)(201)とやり取りするSEAL(207)の機能的エンティティであることが可能である。NRMクライアント(202)はNRMサーバ(204)とやり取りすることができる。
【0049】
NRMサーバ(204)は3GPP(登録商標)システムネットワークリソースを管理(たとえば、ユニキャスト、マルチキャスト)してVALアプリケーション(201)をサポートするSEAL(207)の機能的エンティティであることが可能である。
【0050】
NRMクライアント(202)とNRMサーバ(204)との間のネットワークリソース管理機能に関連するやり取りをNRM-UUリファレンスポイント(209)によってサポートすることができる。
【0051】
1つ以上のVALサーバ(203)とNRMサーバ(204)との間のネットワークリソース管理機能に関連するやり取りをNRM-Sリファレンスポイント(211)によってサポートすることができる。UAEサーバがVALサーバとして機能することができ、NRMサーバが図2のSEALサーバ(204)として機能することができ、NRMクライアントが図2のSEALクライアント(202)として機能することができる点に留意するべきである。
【0052】
メディアセッション管理では、SIPパッケージで用いられるSDPによってメディアパラメータに関する重要な情報を載せることができる。SDPはアナウンス及び送信勧誘のためにマルチメディア通信セッションを記述するためのフォーマットである。SDPの使用が大部分を占めるということは、voice over IP(VoIP)やビデオ会議などのストリーミングメディアアプリケーションのサポートでのSDPの使用が大部分を占めるということである。SDPはメディアストリームそれ自体を一切配信しないが、ネットワークメトリック、メディアタイプやその他関連特性のネゴシエーションのためにエンドポイント間で用いられる。特性及びパラメータの集合をセッションプロファイルと称する。
【0053】
典型的なSDP情報を以下のように用意することができる。
v=0
o=Client1 2398026505 2307593197 IN IP4 100.200.130.140
s=Client1 Audio Session
b=AS:64
b=RS:800
b=RR:2400
c=IN IP4 10.11.12.13
t=0 0
m=audio 15010 RTP/AVP 0 101
a=rtpmap:0 PCMU/8000
a=rtpmap:101 telephone-event/8000
a=sendrecv
’’v’’はプロトコルバージョンを示すことができる。’’o’’は所有者/作成者とセッション識別子とを示すことができる。’’s’’はセッション名を示すことができる。’’b’’は帯域幅情報を示すことができる。’’c’’は接続情報を示すことができる。’’t’’はセッションの開始時間及び終了時間を示すことができる。’’m’’はメディア・ポート・トランスポート・フォーマットのリストを表すことができる。’’a’’は0個以上のセッション属性ラインを示すことができる。
【0054】
上記のSDP情報などのSDP情報をVALサーバ(203)からNRMサーバ(204)に送ることができる。
【0055】
SDP情報中の重要なパラメータの1つは帯域幅情報である。帯域幅情報はメディアセッションを問題なく確立するように決められた最大帯域幅を示すことができる。
【0056】
SDP情報において、b=as:bitrateはメディアセッションに対して許容される最大ビットレートを示すことができる。たとえば、b=as:64は64kb/sの帯域幅が許容されることを示すことができる。
【0057】
SIPセッションが確立された後、既存のSIPセッションが何であるのかをUAEサーバが認識することができた方がよい。UAEサーバが既存のSIPセッションの認識能力を持つことを可能にする利点は、SIPセッショントラフィックのリダイレクトと、SIP接続要求の負荷分散との一方又はこれらの組合せによって複数のNRMサーバにわたってUAEサーバがSIPセッションを管理することができることであるといえる。
【0058】
典型的なSIPセッション管理(300)を図3に示すことができる。SIPセッション管理(300)により、VALクライアント(たとえば、UAV又はUAV-C)とNRMサーバ(302)とがかかわって確立された既存のSIPセッションについてVALサーバ(たとえばUAEサーバ(301))が認識することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、NRM-CリファレンスポイントとNRM-Sリファレンスポイントとの間にSIPセッションを確立することができる。NRM-CリファレンスポイントはVAL UE(たとえばUE(212))中の1つ以上のVALクライアントとネットワークリソース管理クライアントとの間のネットワークリソース管理機能に関連するやり取りをサポートすることができる。NRM-Sリファレンスポイントは1つ以上のVALサーバとネットワークリソース管理サーバとの間のネットワークリソース管理機能に関連するやり取りをサポートすることができる。NRM-SリファレンスポイントはCAPIF-2リファレンスポイントの例であるといえる。
【0059】
図3のステップ(S303)に示されているように、UAEサーバ(301)がセッション情報要求(たとえばSIPセッション情報要求)をNRMサーバ(302)に送ることができる。メディアセッション情報要求は以下のように表1に示されているデーポイントを含むことができる。
【0060】
【表1】
【0061】
表1において「M」は「必須」を表し、「O」は「任意」を表す点に留意するべきである。したがって、VALユーザID及び/又はVALグループIDをメディアセッション情報要求に含めなくてもよい。
【0062】
表1に示されているように、データ要素は要求元アイデンティティ(ID)を含むことができ、これは、要求をNRMサーバ(302)に送るUAEサーバ(301)などのVALサーバのIDであることが可能である。データ要素はVALユーザ又はVAL UEのIDを含むことができる。VALユーザは承認されたユーザであることが可能であり、承認されたユーザは1つ以上のVALサービスに加入するのにVAL UEを用いることができる。典型的なVALユーザは図1のユーザ(113)であるといえる。VAL UEは、1つ以上のVALサービスに加入するのに用いられることが可能なユーザ端末であることが可能である。典型的なVAL UEは図1のUAV(101)であるといえる。
【0063】
VALユーザIDは、VALユーザを表す、VALサービスにおける固有の識別子である。たとえば、VALユーザIDはURIであってもよい。VALユーザIDは、VALサービスをVAL UEを介してVALユーザ向けに提供するための認証及び承認の目的に用いられる。VALユーザIDは、VALユーザがVALサービス契約を締結したVALサービスプロバイダも示す。VALユーザはいくつかのVALサービスプロバイダとVALサービス契約を締結してもよく、したがって、VALサービスプロバイダ毎に固有のVALユーザIDを取得済みであることになる。任意のSEALサービスにアクセスするのにVALユーザIDを用いることができる。いくつかの実施形態では、サービス契約に基づいて、VALユーザIDをVAL UE IDに対応させてもよい。
【0064】
VAL UE IDは、VAL UEを表す、VALサービスにおける固有の識別子である。たとえば、V2XサービスのVAL UE IDを高度道路交通システム(intelligent transport system:ITS)通信局(ITS-S)の識別子などの通信局IDに対応させることができる。VAL UE IDはVALメッセージを送ったりSEALサービスにアクセスしたりするためにVAL UEのアドレスを指定するのに用いられる。いくつかの実施形態では、サービス契約に基づいて、VAL UEアイデンティティとしてgeneric public subscription identifier(GPSI)を用いてもよい。
【0065】
引き続き表1を参照して、表1のデータ要素は、VALグループのIDであるVALグループIDを含むことができる。VALグループIDは、VALサービスに係るVALユーザ又はVAL UEの集合を表す、VALサービス(たとえば、UAVサービスやV2Xサービス)における固有の識別子である。VALユーザの集合は同じVALサービスプロバイダに属しても、異なるVALサービスプロバイダに属してもよい。VALグループidは、グループ定義がなされたVALアプリケーションサーバを示す。典型的なVALグループは図1のUAV(101)及びUAV-C(102)であるといえる。
【0066】
表1のデーポイントはSIPセッション情報をさらに含むことができる。SIPセッション情報は、NRMサーバ(302)にリスト化された既存のSIPセッションを要求するためのコマンド又は要求情報であることが可能である。
【0067】
これに加えて、SIPセッション管理のプロセス(300)に事前条件を適用することができる。たとえば、事前条件は、NRMクライアントが、NRMサーバがかかわったSIPセッションの開始及び確立を完了しているという条件であることが可能である。NRM-Cリファレンスポイントを通じてNRMサーバとVALクライアントがやり取りすることをさらに行なうことができる。したがって、VALクライアント(たとえばUAV)とNRMサーバ(たとえばNRMサーバ(302))との間にSIPセッションを確立することができる。
【0068】
引き続き図3を参照して、プロセス(300)はステップ(304)に進むことができ、本ステップでは、NRMサーバ(302)がUAEサーバ(301)に応答メッセージを送ることができる。いくつかの実施形態では、応答メッセージには表2の典型的なデータを設けることができる。
【0069】
【表2】
【0070】
上記の表2のように、応答メッセージはリスト化されたSIPセッションに関連するリスト化されたセッションIDを示す結果を含むことができ、当該SIPセッションはVALクライアント(たとえばUAV)とNRMサーバ(たとえばNRMサーバ(302))との間に確立されたSIPセッションである。結果はリスト化されたSIPセッションの現在のセッションステータスも示すことができる。VALユーザ、UE又はグループのIDがメディアセッション情報要求を用いて送られると、対応するVALユーザ、UE又はVALグループに関するSIPセッションリストをNRMサーバ(302)が返すことができる点に留意するべきである。したがって、複数のVALユーザID又は複数のUE ID又は複数のVALグループIDがNRMサーバ(302)に送られると、NRMサーバ(302)は複数のVALユーザ、複数のUE又は複数のVALグループのいずれかにそれぞれのSIPセッションIDのリストを返すことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、リスト化されたSIPセッションのセッションステータスは進行、受理、拒否、失敗、接続、キャンセルなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、セッションステータスは暫定応答(たとえば、処理中、呼出し中や通話転送中)、成功応答(たとえば、成功(OK)や受理)、リダイレクション応答(たとえば、複数の選択肢や一時的に移転)、クライアント失敗応答(たとえば、不正な要求、承認失敗、禁止、不検出、要求タイムアウト、一時的に利用不可、本機がビジー)、サーバ失敗応答(たとえば、サーバタイムアウト)及び全域失敗応答(たとえば、全域でビジー、拒絶、受理不能)を含むことができる。
【0072】
図4はたとえばSEALアーキテクチャにおけるSIPセッション管理のプロセス(400)を示す。図4に示されているように、プロセス(400)は(S401)から開始され、(S410)に進むことができる。(S410)では、バーティカルアプリケーションレイヤ(VAL)サーバがネットワークリソース管理(NRM)サーバにSIPセッション情報要求を送って、(i)VALサーバに関連するVALクライアントと(ii)NRMサーバとの間に確立されたSIPセッションのリスト化物を取得することができる。
【0073】
(S420)では、SIPセッション情報要求に応じた、SIPセッション情報を含む応答メッセージをVALサーバがNRMサーバから受け取ることができる。SIPセッション情報はVALクライアントとNRMサーバとの間に確立されたSIPセッションのリスト化物を含むことができる。
【0074】
(S430)では、応答メッセージに基づいて複数のNRMサーバにわたって複数のSIPセッションを管理することができ、複数のNRMサーバは上記のNRMサーバを含み、複数のSIPセッションはVALクライアントとNRMサーバとの間に確立されたSIPセッションのリスト化物を含む。
【0075】
一実施形態では、SIPセッション情報要求はVALクライアントのアイデンティティ(ID)とVALサーバのIDとの一方をさらに含むことができる。
【0076】
別の実施形態では、SIPセッション情報要求はVALグループのIDを含むことができ、VALグループはVALクライアント及びVALコントローラに対応することが可能である。
【0077】
いくつかの実施形態では、VALサーバは無人航空システムアプリケーションイネーブラ(UAE)サーバを含むことができ、VALクライアントは無人航空ビークル(UAV)を含むことができ、VALコントローラはUAVコントローラを含むことができる。
【0078】
プロセス(400)では、応答メッセージはSIPセッションのリスト化物に含まれるSIPセッションに関連するセッションID及びセッションステータスを示すことができ、SIPセッションの各々は対応するセッションID及び対応するセッションステータスに関連することが可能である。
【0079】
いくつかの実施形態では、複数のNRMサーバにわたって複数のSIPセッションを管理するために、応答メッセージに基づいてVALサーバによって複数のSIPセッションのSIPセッショントラフィックのリダイレクトを行なうことができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、複数のNRMサーバにわたって複数のSIPセッションを管理するために、応答メッセージに基づいてVALサーバによってSIP接続要求のバランスをとることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、UAEサーバによってSIPセッション情報要求が送られる前に、SIPセッションのリスト化物に含まれるSIPセッションを、NRMサーバがかかわってNRMクライアントによって開始することができる。
【0082】
コンピュータ可読指示を用い、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体などの1つ以上のコンピュータ可読媒体に物理的に記憶されることが可能なコンピュータソフトウェアとしてコントローラとUAVとの両方で上述の無人航空システムの通信の態様を実施することができる。たとえば、図5は開示されている保護対象のいくつかの実施形態を実施するのに適するコンピュータシステム600を示す。
【0083】
コンピュータソフトウェアは、任意の適切なマシン語すなわちコンピュータ言語を用いてコード化することができ、このコンピュータ言語は、指示を備えるコードを生成するためのアセンブリ、コンパイル、リンクや同様のメカニズムによって処理される場合があり、この指示をコンピュータ中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)などの処理回路によって、直接実行したり、解釈、マイクロコードの実行などを通じて実行したりすることができる。
【0084】
指示は、たとえば、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォン、ゲーム機、モノのインターネットデバイスなどを含む様々なタイプのコンピュータ又はその構成要素で実行することができる。
【0085】
コンピュータシステム(600)の図5に示されている構成要素は当然典型的なものであり、本開示の実施形態を実施するコンピュータソフトウェアの使用又は機能の範囲に関していかなる限定の示唆も意図していない。さらには、構成要素の構成が、コンピュータシステム(600)の典型的な実施形態に示されている構成要素のいずれか1つ又はこれらの組合せに関連するなんらかの依存性や要求を持つと解釈するべきでもない。
【0086】
コンピュータシステム(600)はいくつかのヒューマンインタフェイス入力装置を含んでもよい。このようなヒューマンインタフェイス入力装置は、たとえば、触覚入力(キーストローク、スワイプ、データグローブの動きなど)、音声入力(音声、拍手など)、視覚入力(ジェスチャなど)、嗅覚入力(図示せず)を通じて1人以上の人間のユーザによる入力に応答するものであってもよい。ヒューマンインタフェイス装置を用いることで、音声(発話、音楽、周囲音など)、画像(スキャン画像、静止画像カメラから取得された写真画像など)、映像(二次元映像、立体映像を含む三次元映像など)など、人間による意識的な入力に必ずしも直接関連しないなんらかのメディアを取り込むこともできる。
【0087】
入力ヒューマンインタフェイス装置は、キーボード(601)、マウス(602)、トラックパッド(603)、タッチ画面(610)、データグローブ(図示せず)、ジョイスティック(605)、マイク(606)、スキャナ(607)、カメラ(608)の1つ以上(各々の1つのみが図示されている)を含んでもよい。
【0088】
コンピュータシステム(600)はいくつかのヒューマンインタフェイス出力装置も含んでもよい。このようなヒューマンインタフェイス出力装置は、たとえば、触覚出力、音、光及び嗅覚/味覚を通じて1人以上の人間のユーザの感覚を刺激してもよい。このようなヒューマンインタフェイス出力装置は、触覚出力装置(たとえば、タッチ画面(610)、データグローブ(図示せず)又はジョイスティック(605)による触覚フィードバック ただし、入力装置として用いられない触覚フィードバック装置も存在することが可能)、音声出力装置(スピーカ(609)、ヘッドホン(図示せず)など)、視覚出力装置(CRT画面、LCD画面、プラズマ画面、OLED画面を含む画面(610)など 各々にはタッチ画面入力機能があったりなかったりし、触覚フィードバック機能があったりなかったりする 上記の画面のいくつかは、二次元視覚出力を出力したり、立体グラフィック出力などの手段を通じて三次元以上の出力を出力したりする能力があってもよい バーチャルリアリティグラス(図示せず)、ホログラムディスプレイ及び発煙剤タンク(図示せず))及びプリンタ(図示せず)を含んでもよい。
【0089】
コンピュータシステム(600)は、CD/DVD又は同様の媒体(621)を用いるCD/DVD ROM/RW(620)を含む光学媒体、thumb-drive(622)、リムーバブルハードドライブやソリッドステートドライブ(623)、テープやフロッピディスクなどのレガシ磁気媒体(図示せず)、セキュリティドングルなどの特化型のROM/ASIC/PLDベースのデバイス(図示せず)などの人間が直接操作し得る記憶装置及びこれに関連する媒体も含むことができる。
【0090】
ここで開示されている保護対象に関連して用いられている用語「コンピュータ可読媒体」が伝送媒体、搬送波又はその他一時的な信号を含まないことも当業者は当然理解する。
【0091】
コンピュータシステム(600)は1つ以上の通信ネットワーク(655)に対するインタフェイス(654)も含むことができる。ネットワークはたとえば、無線ネットワーク、有線ネットワーク、光学ネットワークであることが可能である。さらに、ネットワークはローカル、広域、大都市圏、車両用及び産業用、リアルタイム、遅延耐性などのネットワークであることが可能である。ネットワークの例には、Ethernetなどのローカルエリアネットワーク、無線LAN、GSM、3G、4G、5G、LTEなどを含むセルラネットワーク、ケーブルテレビ、衛星テレビ及び地上波テレビを含むテレビの有線又は無線広域デジタルネットワーク、CANBusを含む車両用及び産業用などが含まれる。いくつかのネットワークには、いくつかの汎用データポート又はペリフェラルバス(649)(たとえば、コンピュータシステム(600)のUSBポートなど)に取り付けられる外部ネットワークインタフェイスアダプタが必要であることが一般的であり、他のネットワークについては、後述のようにシステムバスに取り付けることによってコンピュータシステム(600)のコアに組み込まれることが一般的である(たとえば、PCコンピュータシステムにはEthernetインタフェイスが組み込まれたりスマートフォンコンピュータシステムにはセルラネットワークインタフェイスが組み込まれたりする)。このようなネットワークのいずれを用いても、コンピュータシステム(600)は相手方と通信することができる。このような通信は、一方向、受信専用(たとえば、テレビ放送)、一方向送信専用(たとえば、CANbusから特定のCANbusデバイス)又は双方向、たとえば、ローカル若しくは広域デジタルネットワークを用いた他のコンピュータシステムに対する双方向の通信であることが可能である。上述のこのようなネットワーク及びネットワークインタフェイスの各々にいくつかのプロトコル及びプロトコルスタックを用いることができる。
【0092】
上述のヒューマンインタフェイス装置、人間が直接操作し得る記憶装置及びネットワークインタフェイスをコンピュータシステム(600)のコア(640)に取り付けることができる。
【0093】
コア(640)は、1つ以上の中央処理装置(CPU)(641)、グラフィックス処理装置(GPU)(642)、フィールドプログラマブルゲートエリア(FPGA)(643)の形態をとる特化型プログラム可能処理装置、特定のタスク用のハードウェアアクセラレータ(644)、グラフィックアダプタ(650)などを含むことができる。このようなデバイスを、読出し専用メモリ(ROM)(645)、ランダムアクセスメモリ(646)、内部にあってユーザが直接操作し得ないハードドライブ、SSDなどの内部大容量ストレージ(647)とともにシステムバス(648)を通じて接続してもよい。いくつかのコンピュータシステムでは、システムバス(648)は、追加のCPU、GPUなどによって拡張を可能にする1つ以上の物理的なプラグの形態をとる直接操作し得るものであることが可能である。周辺機器をコアのシステムバス(648)に直接取り付けるか、ペリフェラルバス(649)を介して取り付けるかすることができる。一例では、画面(610)をグラフィックアダプタ(650)に接続することができる。ペリフェラルバスのアーキテクチャにはPCI、USBなどが含まれる。
【0094】
CPU(641)、GPU(642)、FPGA(643)及びアクセラレータ(644)は、組み合されて上述のコンピュータコードを構築することができるいくつかの指示を実行することができる。当該コンピュータコードをROM(645)又はRAM(646)に記憶することができる。RAM(646)には過渡的データも記憶することができる一方で、不変データをたとえば内部大容量ストレージ(647)に記憶することができる。1つ以上のCPU(641)、GPU(642)、大容量ストレージ(647)、ROM(645)、RAM(646)などと密接に関連することができるキャッシュメモリを用いることにより、メモリデバイスのいずれかに対する高速記憶及び読出しを可能にすることができる。
【0095】
コンピュータ可読媒体には様々なコンピュータ実施動作を実行するためのコンピュータコードを搭載することができる。媒体及びコンピュータコードは本開示のために特別に設計及び構成されたものであることが可能であるし、コンピュータソフトウェア技術の当業者によく知られ、当業者が入手可能な種類のものであることが可能である。
【0096】
限定例としてではなく一例として、アーキテクチャ(600)を有し、特にコア(640)を有するコンピュータシステムは、1つ以上のプロセッサ(CPU、GPU、FPGA、アクセラレータなどを含む)が1つ以上の有形のコンピュータ可読媒体で実施されたソフトウェアを実行した結果として機能を提供することができる。このようなコンピュータ可読媒体は、上述されているような、ユーザが直接操作し得る大容量ストレージに関連する媒体であることが可能であり、さらには、コア内蔵大容量ストレージ(647)やROM(645)など、コア(640)の非一時的な性質を持つ特定のストレージであることも可能である。本開示の様々な実施形態を実施するソフトウェアをこのようなデバイスに記憶してコア(640)によって実行することができる。コンピュータ可読媒体は個々の要求に応じて1つ以上のメモリデバイスやチップを含むことができる。ソフトウェアにより、コア(640)、特にコア(640)中のプロセッサ(CPU、GPU、FPGAなどを含む)が、RAM(646)に記憶されているデータ構造の定義と、ソフトウェアによって定義されているプロセスに応じたこのようなデータ構造の修正とを含む、上記で説明されている特定のプロセス又は特定のプロセスの特定の部分を実行することができる。これに加えて、又はこれの代わりとして、本出願で説明されている特定のプロセス又は特定のプロセスの特定の部分を実行するようにソフトウェアの代わりに動作したり、ソフトウェアと協働したりすることができる回路(たとえばアクセラレータ(644))にロジックがハードワイヤードされたり、ロジックが別の仕方で実施された結果としてコンピュータシステムは機能を提供することができる。必要に応じて、「ソフトウェア」と記載されている場合にはロジックを包含する場合があり、逆も可能である。必要に応じて、「コンピュータ可読媒体」と記載されている場合には、実行されるソフトウェアを記憶する回路(集積回路(IC)など)や、実行されるロジックを実施する回路や、これらの両方を包含する場合がある。本開示にはハードウェアとソフトウェアとの任意の適切な組合せが含まれる。
【0097】
本開示ではいくつかの典型的な実施形態を説明してきたが、変形例、置換例及び様々な代替均等例が存在し、これらは本開示の範囲に含まれる。したがって、当業者であれば、本出願で明示的に示されていたり説明されていたりしなくても、本開示の原理を実施し、したがってその精神及び範囲内にある多数のシステム及び方法を想起することができることが分かる。
【符号の説明】
【0098】
100 無人航空システム
101 無人航空ビークル
102 コントローラ
103 データリンク
104 センサ
105 搭載制御回路
106 受信器
107 通信信号
108 衛星
109 カメラ
110 カメラ
111 データリンク
112 表示装置
113 ユーザ
114 推進力部
200 SEALアーキテクチャ
201 VALクライアント
202 SEALクライアント
203 VALサーバ
204 SEALサーバ
205 VAL-UU
206 VAL
207 SEAL
208 SEAL-Cリファレンスポイント
209 SEAL-UU
210 ネットワークインタフェイス
211 SEAL-S
212 ユーザ端末
213 無線ネットワークシステム
300 SIPセッション管理
301 UAEサーバ
302 NRMサーバ
404 SEAL NRMサーバ
600 アーキテクチャ
600 コンピュータシステム
601 キーボード
602 マウス
603 トラックパッド
605 ジョイスティック
606 マイク
607 スキャナ
608 カメラ
609 音声出力装置スピーカ
610 タッチ画面
620 DVD ROM/RW
621 媒体
622 thumb-drive
623 ソリッドステートドライブ
640 コア
641 CPU
642 GPU
643 FPGA
644 アクセラレータ
645 ROM
646 RAM
647 大容量ストレージ
648 システムバス
649 ペリフェラルバス
650 グラフィックアダプタ
654 インタフェイス
655 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5