IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 野田設計の特許一覧

特許7330426べた基礎用型枠及び断熱基礎梁の施工方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】べた基礎用型枠及び断熱基礎梁の施工方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/01 20060101AFI20230815BHJP
   E04B 2/84 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
E02D27/01 D
E04B2/84 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023046108
(22)【出願日】2023-03-23
【審査請求日】2023-05-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】310024398
【氏名又は名称】株式会社 野田設計
(74)【代理人】
【識別番号】100115598
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 脩
(72)【発明者】
【氏名】野田 光明
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-336658(JP,A)
【文献】特開2017-198034(JP,A)
【文献】特開2019-078079(JP,A)
【文献】特開平03-100232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/01
E04B 2/84
E04G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレキャストコンクリート製の板状部材及び柱状部材を用いて構築される小規模建築物のべた基礎用型枠であって、
上面に溝孔が形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条の何れか一方が縦方向に形成された平板部と、
前記平板部の下部に切欠部が形成された切欠平板部と、
前記平板部が曲折された曲折面を有し、L字型をなした上面に溝孔が二つ設けられた曲折平板部と、
正方形の上面と四つの矩形面とを有し、該矩形面の片側又は両側に前記平板部の前記側面が嵌合する凹条又は凸条が縦方向に形成された角柱と、を備え、
前記平板部の片面に断熱材を貼付し、該断熱材を挟んで該平板部と前記切欠平板部とを並列に立設し、直線的に配列した広幅配列群、断熱材を貼付した前記曲折平板部、及び前記角柱を用いて、基礎スラブの外周に断熱材が内在された断熱基礎梁を形成することを特徴とするべた基礎用型枠。
【請求項2】
前記広幅配列群は、捨てコン上に設置された幅止金具によって下部側を固定し、並列に立設している前記平板部と前記切欠平板部それぞれの前記溝孔にセパレータを挿入して上部側を固定することを特徴とする請求項1記載のべた基礎用型枠。
【請求項3】
前記断熱基礎梁の直線部分は、前記広幅配列群によって形成し、
前記断熱基礎梁の角部分は、前記広幅配列群が交差する箇所に前記角柱を立設し、前記切欠平板部それぞれの前記側面を隣接する二つの前記矩形面に嵌合させると共に、前記曲折平板部の前記曲折面に断熱材を貼付し、該断熱材を内側に向けて配置した該曲折平板部の側面それぞれに前記平板部それぞれの前記側面を嵌合させて形成することを特徴とする請求項1記載のべた基礎用型枠。
【請求項4】
下部に切欠部を有し、片面に配筋用の突起部が縦方向に形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条の何れか一方が縦方向に形成された板状部を備え、前記突起部を向き合わせた一対の前記板状部を並列に立設して直線的に配列した狭幅配列群を形成し、
前記直線部分から分岐する通常の基礎梁は、
前記広幅配列群から分岐する箇所に前記角柱を立設し、対向する二つの前記矩形面それぞれに前記切欠平板部の前記側面それぞれを嵌合させ、他の一つの該矩形面に前記狭幅配列群の前記側面それぞれを嵌合させて形成することを特徴とする請求項3記載のべた基礎用型枠。
【請求項5】
前記角柱は、中央部を縦方向に貫通する貫通孔を有し、前記広幅配列群若しくは前記配列群の前記側面が嵌合する前記矩形面の上段、中段及び下段それぞれの中央に、該貫通孔に連通する空洞部が形成されたことを特徴とする請求項3記載のべた基礎用型枠。
【請求項6】
前記角部分から分岐する通常の基礎梁は、
前記角柱の前記二つの矩形面を除く残余の矩形面に前記狭幅配列群の前記側面それぞれを嵌合させて形成することを特徴とする請求項3記載のべた基礎用型枠。
【請求項7】
前記角部分から通常の基礎梁が分岐する場合の前記曲折平板部は、前記断熱材を外側の曲折面に貼付することを特徴とする請求項6記載のべた基礎用型枠。
【請求項8】
上面に溝孔が形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条の何れか一方が縦方向に形成された平板部材、該平板部材の下部に切欠部が形成された切欠平板部材、該平板部材をL型に曲折し、上面2か所に溝孔が形成された曲折平板部材、及び正方形の上面と四つの矩形面を有する角柱を用いて、小規模建築物のべた基礎外周に断熱材を内在させた基礎梁を形成する断熱基礎梁の施工方法であって、
用地に地業を行った敷砂利上に防湿シートと断熱材とを設置し、捨てコンを打設して前記断熱基礎梁の施工領域を特定し、該施工領域に所定の間隔で幅止金具を設置する第一工程と、
前記側面相互を嵌合させて立設した複数の平板部に断熱材を貼付し、前記側面相互を嵌合させて立設した複数の前記切欠平板部と該断熱材を挟んで並列に配列した広幅配列群を形成する第二工程と、
前記広幅配列群にコンクリートを打設する第三工程と、を備えたことを特徴とする断熱基礎梁の施工方法。
【請求項9】
前記第一工程は、基礎スラブに基礎スラブ筋を配筋すると共に、前記施工領域に基礎梁下筋を配筋する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の断熱基礎梁の施工方法。
【請求項10】
前記第二工程は、前記広幅配列群を形成する前記平板部及び前記切欠平板部それぞれの前記溝孔にセパレータを差し込んで保持すると共に、基礎梁上筋を配筋する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の断熱基礎梁の施工方法。
【請求項11】
前記第二工程は、前記広幅配列群が交差する箇所に前記角柱を立設して前記矩形面に前記切欠平板部それぞれの前記側面を当接させ、前記曲折面に断熱材を貼付し、貼付した断熱材を内側に向けた前記曲折平板部の前記側面それぞれに前記平板部それぞれの前記側面を嵌合させる工程を含むことを特徴とする請求項8記載の断熱基礎梁の施工方法。
【請求項12】
前記第三工程は、前記広幅配列群の上部にせき板をあてがい、万力で押さえる工程を含むことを特徴とする請求項8記載の断熱基礎梁の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート製の部材によって構築され、特に下面に断熱材が配備された基礎スラブの外周に断熱材が内在する断熱基礎梁を形成するべた基礎用型枠、及び断熱基礎梁の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅などの小規模建築物においては、基礎をコンクリートで構築するのが一般的であるが、工数が多く、工期も長くなるという課題がある。
そこで、基礎梁部分を工場生産によるプレキャストコンクリート製とし、上部及び下部を接続金物で接続するための軸ボルトが両端付近に埋め込まれ、その軸ボルトに、上下方向複数段に配筋された鉄筋を接続したPC基礎梁部材が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、内部に鉄筋が埋め込まれ、それ自体で基礎梁が形成されるので、コンクリートを打設すればべた基礎が構築できるものの、重量がかさむため、人力のみで建て込むのは困難である。
そこで、人力で運べるコンクリート角柱や板状体を工場生産して、人力のみで簡便に型枠ができる上、型枠に打設したコンクリートが固化した後も脱型の必要が無く、高品質な基礎梁など短期間で構築できるべた基礎用型枠、及びべた基礎施工方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、寒冷地などにおいては建物の断熱性を向上させる必要があるが、べた基礎のコンクリート立ち上がり部を打ち継いでべた基礎を形成するのでコンクリートの打ち継部に経年変化でクラックが生じる恐れがあり、そのクラック部分から白蟻が床下に侵入する恐れがあるが、断熱材で塞がれているため、目視確認できないという課題がある。
そこで、断熱材の一部を着脱可能に配設してクラックの発生の有無を確認することができるようにした断熱基礎が提案されている(特許文献3参照)。
さらに、屋外側の型枠に断熱材を係止する係止金具を取り付けて、屋外側の型枠に沿って断熱材を配置し、その型枠内にコンクリートを流し込めば、断熱材が接合された立上り部とスラブ 部とが一体的に形成されるので、コンクリートが固まった後に型枠や係止金具の押さえ部以外の部分を取り外し、外側に断熱材が接合された立ち上がり部を形成する方法が提案されている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3744922号公報
【文献】特許第6871495号公報
【文献】特開2005-163489号公報
【文献】特開2014-66050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2に記載された捨てコン上にコンクリート角柱を所定間隔で配置し、その上に板状部材を並列に載架する方法は、コンクリート打設時の圧力に抗する補強具が必要になる。
また、特許文献4に記載された断熱材の配置方法は、係止金具が必要な上、コンクリート打設後に型枠などを取り除く必要があり、手間がかかり、工期も短縮できない。
そこで、本願は規格化された軽量なプレキャストコンクリート製の部材や市販の金具を用いて、人力で、簡便に建て込むことや、補強具なしでコンクリートを注入することが可能であり、短期間で断熱材が内在する断熱基礎梁を構築することができる小規模住宅のべた基礎用型枠、及び断熱基礎梁の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プレキャストコンクリート製の板状部材及び柱状部材を用いて構築される小規模建築物のべた基礎用型枠であって、上面に溝孔が形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条の何れか一方が縦方向に形成された平板部と、
上記平板部の下部に切欠部が形成された切欠平板部と、上記平板部が曲折された曲折面を有し、L字型をなした上面に溝孔が二つ設けられた曲折平板部と、正方形の上面と四つの矩形面とを有し、該矩形面の片側又は両側に上記平板部の上記側面が嵌合する凹条又は凸条が縦方向に形成された角柱と、を備え、上記平板部の片面に断熱材を貼付し、該断熱材を挟んで該平板部と上記切欠平板部とを並列に立設し、直線的に配列した広幅配列群、断熱材を貼付した上記曲折平板部、及び上記角柱を用いて、基礎スラブの外周に断熱材が内在された断熱基礎梁を形成することを特徴とする。
上記広幅配列群は、捨てコン上に設置された幅止金具によって下部側を固定し、並列に立設している上記平板部と上記切欠平板部それぞれの上記溝孔にセパレータを挿入して上部側を固定することにより形成することができる。
このようにすれば、人力で、簡便に建て込むことや、補強具なしでコンクリートを注入することが可能であり、短期間で断熱材が内在する断熱基礎梁を構築することができる。
そして、上記断熱基礎梁の直線部分は、上記広幅配列群によって形成し、上記断熱基礎梁の角部分は、上記広幅配列群が交差する箇所に上記角柱を立設し、上記切欠平板部それぞれの上記側面を隣接する二つの上記矩形面に嵌合させると共に、上記曲折平板部の上記曲折面に断熱材を貼付し、該断熱材を内側に向けて配置した該曲折平板部の側面それぞれに上記平板部それぞれの上記側面を嵌合させて形成することができる。
また、下部に切欠部を有し、片面に配筋用の突起部が縦方向に形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条の何れか一方が縦方向に形成された板状部を備え、上記突起部を向き合わせた一対の上記板状部を並列に立設して直線的に配列した狭幅配列群を形成し、上記直線部分から分岐する通常の基礎梁は、上記広幅配列群から分岐する箇所に上記角柱を立設し、対向する二つの上記矩形面それぞれに上記切欠平板部の上記側面それぞれを嵌合させ、他の一つの該矩形面に上記狭幅配列群の上記側面それぞれを嵌合させて形成することができる。
なお、上記角柱は、中央部を縦方向に貫通する貫通孔を有し、上記広幅配列群若しくは上記配列群の上記側面が嵌合する上記矩形面の上段、中段及び下段それぞれの中央に、該貫通孔に連通する空洞部が形成されている。
そして、上記角部分から分岐する通常の基礎梁は、上記角柱の上記二つの矩形面を除く残余の矩形面に上記狭幅配列群の上記側面それぞれを嵌合させて形成することができる。
なお、上記角部分から通常の基礎梁が分岐する場合の上記曲折平板部は、上記断熱材を外側の曲折面に貼付する。
このようにすれば、べた基礎の外周は、断熱材が内在された断熱基礎梁が構築できるので、基礎スラブの下面にも断熱材を設置すれば、断熱材で隙間なく覆われたべた基礎が完成し、建築物の基礎部分が外気から受ける寒暖の影響を抑止することができる。
【0006】
本発明の断熱基礎梁の施工方法は、上面に溝孔が形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条の何れか一方が縦方向に形成された平板部材、該平板部材の下部に切欠部が形成された切欠平板部材、該平板部材をL型に曲折し、上面2か所に溝孔が形成された曲折平板部材、及び正方形の上面と四つの矩形面を有する角柱を用いて、小規模建築物のべた基礎外周に断熱材を内在させた基礎梁を形成する断熱基礎梁の施工方法であって、用地に地業を行った敷砂利上に防湿シートと断熱材とを設置し、捨てコンを打設して上記断熱基礎梁の施工領域を特定し、該施工領域に所定の間隔で幅止金具を設置する第一工程と、上記側面相互を嵌合させて立設した複数の平板部に断熱材を貼付し、上記側面相互を嵌合させて立設した複数の上記切欠平板部と該断熱材を挟んで並列に配列した広幅配列群を形成する第二工程と、上記広幅配列群にコンクリートを打設する第三工程と、を備えたことを特徴とする。
ここで、上記第一工程は、基礎スラブに基礎スラブ筋を配筋すると共に、上記施工領域に基礎梁下筋を配筋する工程を含むことができる。
また、上記第二工程は、上記広幅配列群を形成する上記平板部及び上記切欠平板部それぞれの上記溝孔にセパレータを差し込んで保持すると共に、基礎梁上筋を配筋する工程を含むことが好ましい。
さらに、上記第二工程は、上記広幅配列群が交差する箇所に上記角柱を立設して上記矩形面に上記切欠平板部それぞれの上記側面を当接させ、上記曲折面に断熱材を貼付し、貼付した断熱材を内側に向けた上記曲折平板部の上記側面それぞれに上記平板部それぞれの上記側面を嵌合させる工程を含むことも好ましい。
また上記第三工程は、上記広幅配列群の上部にせき板をあてがい、万力で押さえる工程を含むことができる。
このようにすれば、工期短縮、工数削減を図った上、断熱材で隙間なく覆われたべた基礎が完成し、建築物の基礎部分が外気から受ける寒暖の影響を抑止することができるほか、防水・防虫も図ることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のべた基礎用型枠は、規格化され、工場生産された比較的軽量なコンクリート部材を用いるので、人力で簡便に建て込むことができる。また、コンクリートの打設が補強具なしで一度に行えるほか、そのまま残置して脱型作業や仕上げ作業が不要であるため、工期短縮、工数削減が図れる。そして、べた基礎の外周は、断熱材が内在された断熱基礎梁が構築できるので、基礎スラブの下面にも断熱材を設置すれば、断熱材で隙間なく覆われたべた基礎が完成し、建築物の基礎部分が外気から受ける寒暖の影響を抑止することができるほか、防水・防虫も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、べた基礎の基礎梁を構築する領域の捨てコン上に幅止金具を所定間隔毎に設置した図である。
図2図2は、本実施形態のべた基礎用型枠の全体を示す平面図である。
図3図3は、図2で示したべた基礎型枠のA-A断面を示す図である。
図4図4は、広幅配列群を形成する切欠平板部を示す図である。
図5図5は広幅配列群の長さ調整用の板状部材を示す図である。
図6図6は、断熱基礎梁を構築するべた基礎用型枠となる広幅配列群の形成手順を示す図である。
図7図7は、曲折平板部を示す図である。
図8図8は、曲折平板部を示す図である。
図9(a)(b)】図9(a)(b)は、広幅配列群が交差する箇所に立設する角柱の一例を示す上面図、及び正面図である。
図9(c)】図9(c)は、広幅配列群が交差する箇所に立設する角柱の一例を示す側面図である。
図9(d)】図9(d)は、図9(a)におけるc-c断面図である。
図9(e)】図9(e)は、図9(a)におけるd-d断面図である。
図10図10は、狭幅配列群を形成する板状部を示す図である。
図11図11は、狭幅配列群を形成する板状部を示す図である。
図12(a)】図12(a)は、広幅配列群が交差する箇所に立設する角柱の一例を示す平面図である。
図12(b)】図12(b)は、広幅配列群が交差する箇所に立設する角柱の一例を示す正面図である。
図12(c)】図12(c)は、図12(a)におけるc-c断面図である。
図12(d)】図12(d)は、図12(a)におけるd-d断面図である。
図13(a)】図13(a)は、断熱基礎梁の直線部分から通常の基礎梁が分岐する箇所のべた基礎用型枠を示す平面図である。
図13(b)】図13(b)は、図13(a)のA方向から見た正面図である。
図13(c)】図13(c)は、図13(a)の角柱近傍におけるc-c断面図である。
図13(d)】図13(d)は、図13(a)の角柱近傍におけるd-d断面図である。
図14(a)】図14(a)は、断熱基礎梁の角部分から通常の基礎梁が分岐する箇所のべた基礎用型枠を示す平面図である。
図14(b)】図14(b)は、図14(a)のc-c断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の実施形態のべた基礎用型枠及び断熱基礎梁の施工方法について図に基づいて説明する。
図1は、べた基礎の基礎梁を構築する領域の捨てコン上に幅止金具を所定間隔毎に設置した図である。
図1に斜線で示す住宅の建築用地Eには敷砂利Gが施され、その上に断熱材8が敷設されている。右上がり斜線で示すエリアは、べた基礎用型枠9を構築する箇所で、基礎スラブ11とレベルが均一になるように断熱材8の上に捨てコンDが施されている。
そして、捨てコンDの上には、べた基礎用型枠9を固定する幅止金具12,13を一定間隔毎に設置する。本実施形態の基礎梁は、基礎スラブ11の外周、すなわち建築物の外壁直下は断熱材8が内在する断熱基礎梁10であり、断熱基礎梁10よりも内側に形成する通常の基礎梁15に較べて幅広なので、型枠の幅も広くなる。従って、基礎スラブ11の外周に形成するべた基礎用型枠9は、内側に形成するべた基礎用型枠9よりもサイズの大きい幅止金具12を設置する(第一工程に相当する)。
なお、基礎スラブ11にも断熱材8が設置され、その上に基礎スラブ筋が配筋される。また、捨てコンDが施された基礎梁10,15の領域には基礎梁下筋が配筋される。
ここで示す、建築用地Eの大きさは、1000cm×546cm、断熱基礎梁10は、幅が250mm、(捨てコンの幅は450mm)、通常の基礎梁10は、幅が150mm(捨てコンの幅は350mm)で、高さが600mm又は426mmであり、幅止金具12,13、市販品が用いられ、設置間隔が303mmになっている。ただし、これらの数値は一例であって、これに限定されない。
【0010】
図2は、本実施形態のべた基礎用型枠の全体を示す平面図である。
図2に示す本実施形態のべた基礎用型枠9は、プレキャストコンクリート製の板状部材と柱状部材とを用いて構築される。
すなわち、上面片側が切削され、上面より低い位置に溝孔が形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条(図に現れない)の何れか一方が縦方向に形成された平板部1と、その平板部1の下部に切欠部が形成された切欠平板部2、平板部1が曲折された曲折面を有するL字型の曲折平板部3と、下部に切欠部を有し、片面に配筋用の突起部が縦方向に形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条の何れか一方が縦方向に形成された板状部5と、中央に貫通孔のある正方形の上面と四つの矩形面とを有し、矩形面の片側又は両側に凹条又は凸条が縦方向に形成された角柱4と、を用いる(詳細は後述する)。
断熱基礎梁の直線部分10aは、図6に基づいて詳述するように、平板部1の片面に断熱材8を貼付し、その断熱材8を挟んで平板部1と切欠平板部2とを並列に立設し、直線的に配列した広幅配列群6によって形成する。なお、並列に立設して配列した平板部1相互間及び切欠平板部2相互間は凸条と凹条とが嵌合するので配列は崩れない。また、並列に配列した平板部1と切欠平板部2の上面に形成された溝孔16にセパレータ14が挿入されるので、広幅配列群6は一定の間隔を保持してしっかりと固定される。
なお、通常の基礎梁の直線部分15aは、図10及び図11に基づいて詳述するように、一対の板状部5を並列に立設して直線的に配列した狭幅配列群7によって形成し、狭幅配列群7は、広幅配列群6と同様に、板状部5の側面の凸条と凹条が嵌合するので配列が維持され、またセパレータ14で板状部5相互の間隔が保持されるので、狭幅配列群7もしっかりと固定される。
また、断熱基礎梁の角部分10bは、図12及び図14に基づいて詳述するように、広幅配列群6が交差する箇所に角柱4を立設し、切欠平板部2それぞれの側面を矩形面に嵌合させ、曲折平板部3の曲折面に断熱材8を貼付し、その曲折平板部3の側面それぞれに平板部1それぞれの側面を嵌合させて形成する。
角柱4は、図9に基づいて詳述するように、中央の貫通孔に縦筋が配筋され、基礎梁上筋が上段の空洞にも配筋されるので、しっかりと立設し、さらに矩形面に嵌合する二方向の広幅配列群6によってしっかりと保持される(以上、第二工程に相当する)。
なお、通常の基礎梁の角部分15bは、狭幅配列群7が交差する箇所に角柱4を立設し、矩形面に板状部それぞれの側面を嵌合させて形成する。従って、その角柱4も広幅配列群6の交差箇所における角柱4と同様にしっかりと固定され、保持される。
そして、断熱基礎梁の直線部分10aから通常の基礎梁15が分岐する箇所は、図13に基づいて詳述するように、その分岐する箇所に角柱4を立設し、矩形面に切欠平板部2の側面それぞれを嵌合させ、他の矩形面に狭幅配列群7の板状部5の側面それぞれを嵌合させて形成する。
なお、べた基礎用型枠9は、打設されたコンクリートが固化して基礎梁10,15が完成した後も、脱型せず、基礎梁10,15の一部としてそのまま残置される。
【0011】
図3は、図2で示したべた基礎型枠のA-A断面を示す図である。
図3に示すように、断熱基礎梁10の型枠を設置する位置は、基礎スラブ11よりも一段低いレベルに敷き砂利Gを施し、その上に断熱材8が設置される。そして、広幅配列群6を構成する平板部1に貼付される断熱材8が当接する位置に、貼付される断熱材8の厚みと同程度の幅で、基礎スラブ11における断熱材8と同レベルとなるように断熱シート8aを平板部1の配列方向に設置する。そして、断熱シート8aの両側には隙間のないように、断熱シート8aと同レベルに捨てコンDを打設する。また、捨てコンDの上にサイズの大きい幅止金具を設置する(第一工程に相当する)。
そして平板部1の片面に断熱材8を貼付し、その断熱材8を挟んで平板部1と切欠平板部2とを並列に立設し広幅配列群を形成し、基礎スラブ筋及び基礎梁下筋、セパレータを設置し、べた基礎用型枠が構築される(第二工程に相当する)。
その後、図示していないせき板を平板部1にあてがい、万力で固定し、べた基礎用型枠にコンクリートを打設(第三工程に相当する。)すれば、断熱材によって隙間なく覆われたべた基礎が完成し、建築物の基礎部分が外気から受ける寒暖の影響を抑止することができるほか、防水・防虫も図れる。
【0012】
図4は、広幅配列群を形成する切欠平板部を示す図であり、図5は広幅配列群の長さ調整用の板状部材を示す図である。また、図4及び図5の(a)は上面図、(b)は正面図である。
なお、広幅配列群を形成する平板部は、切欠平板部の下部における切欠が無いないものと同じであり、図6で示すこととし、ここでは図示しない。
図4に示すように、切欠平板部2は、両側面2aに互いに嵌合する凸条と図に現れない凹条が縦方向に形成されている。また、上面2c片側が切削され、上面2cより低い位置にセパレータ14を差し込む溝孔16が設けられている。従って、切欠平板部2と平板部1と並列に立設してセパレータ14で固定して、順次、切欠平板部2の側面2a同士を嵌合させ、平板部1の側面1a同士を嵌合させて直線的に配列すれば広幅配列群6を形成することができる。
また、切欠平板部2は、下部が切り欠かれ、縦方向の長さが長い部分が2つあり、その両側は、縦方向の長さが短くなっている。従って、広幅配列群6の切欠平板部2と平板部1との間にコンクリートを打設すれば、外側の平板部1側はコンクリートが堰き止められ、内側の切欠平板部2側はコンクリートが基礎スラブ11側に流出する。従って、べた基礎の構築に当たりコンクリート打設を一気におこなうことができるので、工期を短縮することができる。
【0013】
図5に示す板状部材は、幅が切欠平板部の半分程度であるが、縦方向の長さが長い部分が1つあり、その両側は、縦方向の長さが短くなっている。そして、両側面に互いに嵌合する凸条と図に現れない凹条が縦方向に形成されているが、上面には溝孔が設けられていない。従って、広幅配列群の長さを調整するために用いられる。
なお、ここでは示していないが、平板部についても同様に、幅が半分程度のものを備え、広幅配列群の長さを調整するために用いられる。
ここで、本実施形態の平板部及び切欠平板部には、プレキャストする際に、D6程度のスターラップ筋が1条又は2条配筋されている。
そして、切欠平板部は幅が302mm、長さの長い部分は600mm又は426mm、短い部分は450mm、厚みが30mmに設定され、長さ調整用の板状部材は、幅が152mm、長さの長い部分は600mm又は426mm、短い部分は450mm、厚みが30mmに設定されている。また、平板部は、幅が302mm、長さが600mm又は426mm、厚みが30mmに設定され、長さ調整用の板状部材は、幅が152mm、長さが600mm又は426mm、厚みが30mmに設定されている。
ただし、ここで示す数値は一例であって、必ずしもこれらに限定されない。
【0014】
図6は、断熱基礎梁を構築するべた基礎用型枠となる広幅配列群の形成手順を示す図である。
図6に示すように、断熱基礎梁10を構築する型枠の設置位置は、段差を付けた敷砂利Gの上に断熱材8を設置し、その断熱材8を基礎スラブ11の敷砂利Gと同一レベルにする。
そして、広幅配列群6を構成する平板部1に接着剤で貼付された断熱材8の底面が当接する位置に、その断熱材8と同程度の幅の断熱シート8aを設置する。その断熱シート8aの両側には捨てコンDを隙間なく打設し、捨てコンDが断熱シート8aと同レベルになるようにする。
次に、平板部1及び切欠平板部2の横幅に合わせて、捨てコンDの上にサイズの大きい幅止金具12を固定する((第一工程に相当する)。
そして、基礎スラブ筋及び基礎梁下筋Fを配筋する。
次に、側面相互を嵌合させて配列した複数の平板部1の片面に断熱材8を接着剤で貼付し、貼付した断熱材8を内側に向けた平板部1と、側面相互を嵌合させて配列した複数の切欠平板部2とを並列に配列した広幅配列群6をサイズの大きい幅止金具12で底部を固定し、広幅配列群6の上部は、平板部1と切欠平板部2の上面の溝孔16にセパレータを差し込んで固定する。そして、セパレータ14の上に基礎梁上筋Fを横方向に配筋する(第二工程に相当する)。
広幅配列群6は、断熱材8が貼付された平板部1を外側に向け、切欠部2bを有する切欠平板部2は内側を向けて配置することによって、断熱基礎梁10が形成されるので、コンクリート部分が外気に直に触れて冷やされたり熱せられたりするのを遮断し、住宅内の温度変化が外気によって変化することを緩和することができる。また、捨てコン及び打設されたコンクリートにより、防水・防虫も図れる。
【0015】
図7及び図8は、曲折平板部を示す図であり、図7は、上面の内側を切削して溝孔が形成された曲折平板部、図8は、上面の外側を切削して溝孔が形成された曲折平板部で、(a)は上面図、(b)は正面図である。
図7に示すように、曲折平板部3は、平板部1が曲折され、L字型の曲折面3bを有し、L字型をした上面3cの内側それぞれの中央を切削して溝孔16が2か所形成されている。そして側面3aそれぞれには、縦方向に凸条17と凹条18の何れか一方が形成されている。
この曲折平板部3は、広幅配列群6が交差して角をなすが、狭幅配列群7が分岐しない箇所に用いられ、曲折面3bの内側に断熱材8が貼付される。
【0016】
図8に示すように、曲折平板部3は、平板部1が曲折され、L字型の曲折面3bを有し、L字型をした上面3cの外側それぞれの中央を切削して溝孔16が2か所形成されている。そして側面それぞれには、縦方向に凸条と凹条の何れか一方が形成されている。
この曲折平板部3は、広幅配列群6が交差して角をなし、狭幅配列群7が分岐する箇所に用いられ、曲折面3bの外側に断熱材8が貼付される。
【0017】
図9は、広幅配列群が交差する箇所に立設する角柱の一例を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は、(a)におけるc-c断面図、(e)は、(a)におけるd-d断面図である。
なお、断面図において、1本の斜線がクロスする部分は、貫通孔を示し、空白の部分は、空洞部を示している。また、多数の斜線がクロスする部分は、角柱の断面を示している。
図9に一例を示す角柱4は、縦方向に四つの矩形面4bがあり、上面4cは、正方形で中央部に、主筋Fが縦方向に貫通する正方形の貫通孔4aがある。また、全ての矩形面4bの上段、中段、下段には、貫通孔4aに連通する矩形の空洞部4dがある。
図9(a)に一例を示す角柱4は、隣接する矩形面4bに広幅配列群6の切欠平板部2の側面2aが当接する。
図9(b)に示すように隣接する矩形面4bの左端と右端とに、切欠平板部2それぞれの側面2aに嵌合する凹条18又は凸条17が縦方向に形成されている。
また、図9(c)に示すように、広幅配列群6が当接しない矩形面4bには、曲折平板部3の断熱材8が当接するので、上段の空洞部4dそれぞれに、曲折平板部3をセパレータ14で固定するための溝孔16が設けられている。
そして、図6(d)、(e)に示すように、矩形面4bの上段、中段及び下段それぞれの中央部には、貫通孔4aに繋がる空洞部4dが設けられている。これらの空洞部4dは、基礎梁上筋Fを配筋するスペースとして活用されるほか、角柱4の軽量化にも貢献している。
ここで、上面3aは、1辺が150mmで、矩形面3bは、幅が150mm、高さが600mm又は426mm、貫通孔の1辺は50mm、空洞の高さは、上段が100mm、中段が150mm、下段が150mmであり、高さが600mmのものの重量は、23.4kgであるが、これらの数値には限定されない。
【0018】
図10及び図11は、狭幅配列群を形成する板状部を示す図であり、図10は広幅の板状部であり、図11は狭幅配列群の長さ調整用の狭幅の板状部である。そして、(a)は突起部が形成された側の平面を示し、(b)は上面を示す。
図10及び図11に示すように、板状部5の一方の平面には配筋用の突起部5bが縦方向に形成されており、両側面5aには互いに嵌合関係にある凹条18(図に現れない)と凸条17が縦方向に形成されている。
図10の広幅の板状部5は、配筋用の突起部5bが間隔を開けて2条形成され、その中間の上面5cが切削され、セパレータを差し込む溝孔16がある。
図11の狭幅の板状部5は、配筋用の突起部5bが1条のみ形成されている。
双方の板状部5は、突起部5bが形成された部分とその近傍は縦方向の長さが長く、その両側は、下部が切り欠かれて長さが短くなっている。
ここで、広幅の板状部5は幅が302mm、長さが600mm又は426mm、突起部5bは、幅が40mm、長さが600mm又は426mm、厚さが25mm、2条の間隔が110mmである。また、狭幅の板状部5は、幅が152mm、長さが600mm又は426mm、厚さが25mm、突起部5bは、長さが600mm又は426mm、幅が40mm、厚さが25mmである。ただし、ここで示した数値は一例であって、必ずしもこれ等の数値に限定されない。
【0019】
図12は、断熱基礎梁の角部分を構築するべた基礎用型枠を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA方向から見たべた基礎用型枠の正面図、(c)及び(d)は、(a)の角柱近傍におけるc-c断面図及びd-d断面図である。
図12(a)に示すように、広幅配列群6が交差する箇所に角柱4を立設し、切欠平板部2それぞれの側面2aを角柱4の矩形面4bに嵌合させる。
また、曲折平板部3の曲折面3bの内側に断熱材8を貼付して、平板部1それぞれの側面1aに曲折平板部の側面3aそれぞれを嵌合させて断熱基礎梁の角部部分15bを構築するべた基礎用型枠9を形成する。
広幅配列群6は、平板部1及び切欠平板部2の上面の溝孔16にセパレータ14が差し込まれて両者が相互に固定される。そして曲折平板部3は、図12(a)(d)に示すように、L字型をした上面3cの2か所の溝孔16と角柱4の上段の空洞4dに設けた溝孔16にセパレータ14が差し込まれて角柱4に固定される(第二工程に相当する)。
【0020】
図13は、断熱基礎梁の直線部分から通常の基礎梁が分岐する箇所のべた基礎用型枠を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA方向から見た正面図、(c)は、(a)の角柱近傍におけるc-c断面図、(d)はd-d断面図である。
図13に示すように、断熱基礎梁の直線部分10aから通常の基礎梁15が分岐する箇所は、広幅配列群6の分岐する箇所に角柱4を立設し、対向する2つの矩形面4bに切欠平板部の側面2bそれぞれを嵌合させ、他の矩形面4bに狭幅配列群7の板状部の側面5aそれぞれを嵌合させて形成する。
【0021】
図14は、断熱基礎梁の角部分から通常の基礎梁が分岐する箇所のべた基礎用型枠を示す図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)のc-c断面図である。
図14に示すように、断熱基礎梁の角部分10bから通常の基礎梁15が分岐する箇所は、曲折平板部3の曲折面3bの外側に断熱材8を貼付し、曲折平板部3は、貼付した断熱材8を内側に向けて、配置する。そして、図示していない平板部1それぞれの側面1aに曲折平板部の側面3aそれぞれを嵌合させる。また、切欠平板部2それぞれの側面2aは、角柱4の隣接する矩形面4bに嵌合させる。また、分岐する基礎梁15は、狭幅配列群7の側面それぞれを残余の矩形面4bに嵌合させて形成する。その場合、二つの狭幅配列群7を嵌合させれば、分岐する基礎梁15は二方向になるし、一つの狭幅配列群7を嵌合させれば、分岐する基礎梁15は一方向になる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
断熱材が内在された断熱基礎梁が構築できる型枠が、規格化された少品種のプレキャストコンクリートによって、人力で簡便に施工できるようになるので、その型枠を用いれば、断熱構造の住宅用べた基礎を簡便かつ少人数で短期間に構築可能になる。
【符号の説明】
【0023】
1 平板部
1a 側面
1c 上面
2 切欠平板部
2a 側面
2b 切欠部
2c 上面
3 曲折平板部
3a 側面
3b 曲折面
3c L字型の上面
4 角柱
4a 貫通孔
4b 矩形面
4c 正方形の上面
4d 空洞
5 板状部
5a 側面
5b 突起部
5c 上面
5d 切欠部
6 広幅配列群
7 狭幅配列群
8 断熱材
8a 断熱シート
9 べた基礎用型枠
10 断熱基礎梁
10a 直線部分
10b 角部分
10c 分岐箇所
11 基礎スラブ
12 幅止金具
13 サイズの大きい幅止金具
14 セパレータ
15 通常の基礎梁
15a 直線部分
15b 角部分
16 溝孔
17 凸条
18 凹条
【要約】
【課題】人力で、簡便に建て込むことや、補強具なしでコンクリートを注入することが可能であり、短期間で断熱材が内在する断熱基礎梁を構築することができる。
【解決手段】プレキャストコンクリート製の板状部材及び柱状部材を用いて構築される小規模建築物のべた基礎用型枠であって、
上面に溝孔が形成され、側面それぞれに、互いに嵌合する凸条又は凹条の何れか一方が縦方向に形成された平板部と、平板部の下部に切欠部が形成された切欠平板部と、平板部が曲折された曲折面を有し、L字型をなした上面に溝孔が二つ設けられた曲折平板部と、矩形面の片側又は両側に平板部の側面が嵌合する凹条又は凸条が縦方向に形成された角柱と、を備え、断熱材を挟んで平板部と切欠平板部とを並列に立設した広幅配列群、断熱材を貼付した曲折平板部、及び前記角柱を用いて断熱基礎梁を形成する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9(a)(b)】
図9(c)】
図9(d)】
図9(e)】
図10
図11
図12(a)】
図12(b)】
図12(c)】
図12(d)】
図13(a)】
図13(b)】
図13(c)】
図13(d)】
図14(a)】
図14(b)】