(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】風向灯
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230815BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20230815BHJP
F21V 5/04 20060101ALI20230815BHJP
G01P 13/02 20060101ALI20230815BHJP
F21W 111/06 20060101ALN20230815BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230815BHJP
【FI】
F21S2/00 664
F21S8/08
F21V5/04 650
F21V5/04 400
G01P13/02 A
F21W111:06
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2018204589
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】598155759
【氏名又は名称】日本光機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170070
【氏名又は名称】坂田 ゆかり
(72)【発明者】
【氏名】仲野 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】青木 謙児
(72)【発明者】
【氏名】福田 真哲
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0268764(US,A1)
【文献】特開2012-099234(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0073927(US,A1)
【文献】特開2017-216138(JP,A)
【文献】特開2012-079496(JP,A)
【文献】特開2016-162512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21S 8/08
F21V 5/00
G01P 13/02
F21W 111/06
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に立設された略棒状の支柱を有する支柱部と、
前記支柱に設けられた吹流しと、
前記支柱の前記吹流しよりも上側に設けられた複数の照明器具であって、前記支柱を上から見たときに前記支柱の周囲に略均等に配置された複数の照明器具と、
を備え、
前記照明器具は、板状部と、前記板状部の前記地面を向く第1面に設けられた1又は複数の光源部と、前記板状部及び前記光源部の周囲に設けられた略円錐台筒状の傘部と、を有し、
前記板状部は、前記傘部の直径が小さい側の端を覆い、
前記光源部は、発光部と、前記発光部が内部に設けられる空洞部を有するレンズと、を有し、
前記レンズは、ドーム形状のレンズ本体部を有し、
前記レンズ本体部は、略円環状の第1凸レンズ部と、前記レンズ本体部の外側の面かつ前記
レンズ本体部の中心軸である第1中心軸上に、外側に向けて突出する
ように略球欠形状に形成されており、当該略球欠形状を一部に含む球から前記略球欠形状を切断する切断面の半径より前記略球欠形状の高さが低い第2凸部と、を有し、
前記第1凸レンズ部は、前
記第1中心軸を通る第2面で切断した場合に、前記第1中心軸に対して所定の角度傾いた線と交差する部分の厚さが最も厚くなるように形成されている
ことを特徴とする風向灯。
【請求項2】
前記光源部は、前記照明器具の中心軸である第2中心軸と略直交する方向から前記照明器具を見たときに前記傘部から露出せず、
前記レンズ本体部の前記第1面及び前記傘に最も近い第1点と前記第1中心軸とを含み、かつ、前記第1面と略直交する面において、前記第1点を通り、前記第1面と略直交する第1線と、前記傘部の縁のうちの前記第1線に最も近い第2点と前記第1点とを結ぶ第2線とのなす角度が略50度~略80度である
ことを特徴とする請求項1に記載の風向灯。
【請求項3】
前記レンズ本体部には、径方向に延びるスリットが外側の面に複数形成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の風向灯。
【請求項4】
前記照明器具は、前記光源部を複数有し、
前記光源部は、前記第1面と略直交する方向から見て、前記第1面の中心点を中心とする円上に略均等に配置されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の風向灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向灯に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、地面に立設された支柱の上部側に中央部が取り付けられて下方を照明する照明器具を具備する風向灯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、照明器具が1つであるため、照明器具が大型化してしまい、照明器具や光源の交換等の保守作業が容易でないという問題がある。また、特許文献1に記載の発明では、光源が露出しているため、光源から出た光が離着陸する飛行機等の操縦者や管制塔上の管制官の目に直接入ってしまうおそれがある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、小型で、光源から出た光が管制官や操縦者の目に直接入らない照明器具を有する風向灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る風向灯は、例えば、地面に立設された略棒状の支柱を有する支柱部と、前記支柱に設けられた吹流しと、前記支柱の前記吹流しよりも上側に設けられた複数の照明器具であって、前記支柱を上から見たときに前記支柱の周囲に略均等に配置された複数の照明器具と、を備え、前記照明器具は、板状部と、前記板状部の前記地面を向く第1面に設けられた1又は複数の光源部と、前記板状部及び前記光源部の周囲に設けられた略円錐台筒状の傘部と、を有し、前記板状部は、前記傘部の直径が小さい側の端を覆い、前記光源部は、発光部と、前記発光部が内部に設けられる空洞部を有するレンズと、を有し、前記レンズは、ドーム形状のレンズ本体部を有し、前記レンズ本体部は、略円環状の第1凸レンズ部を有し、前記第1凸レンズ部は、前記レンズ本体部の中心軸である第1中心軸を通る第2面で切断した場合に、前記第1中心軸に対して所定の角度傾いた線と交差する部分の厚さが最も厚くなるように形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る風向灯によれば、支柱の吹流しよりも上側には、複数の照明器具が設けられており、複数の照明器具は、支柱を上から見たときに支柱の周囲に略均等に配置されている。照明器具において、略円錐台筒状の傘部の直径が小さい側の端を覆う板状部の地面を向く面に1又は複数の光源部が設けられている。光源部のレンズは、ドーム形状のレンズ本体部を有し、レンズ本体部は、略円環状の第1凸レンズ部を有し、第1凸レンズ部は、レンズ本体部の中心軸である第1中心軸を通る第2面で切断した場合に、第1中心軸に対して所定の角度傾いた線と交差する部分の厚さが最も厚い。これにより、1つの光源部で広範囲を照らし、それにより光源部の数を減らし、照明器具を小型化することができる。また、傘部が板状部及び光源部の周囲に設けられているため、光源から出た光が管制官や操縦者の目に直接入らないようにすることができる。
【0008】
ここで、前記光源部は、前記照明器具の中心軸である第2中心軸と略直交する方向から前記照明器具を見たときに前記傘部から露出せず、前記レンズ本体部の前記第1面及び前記傘に最も近い第1点と前記第1中心軸とを含み、かつ、前記第1面と略直交する面において、前記第1点を通り、前記第1面と略直交する第1線と、前記傘部の縁のうちの前記第1線に最も近い第2点と前記第1点とを結ぶ第2線とのなす角度が略50度~略80度であってもよい。したがって、離着陸する飛行機等の操縦者が滑走路上の飛行機等から風向灯を見たとしても、光源部から出た光が目に直接入るおそれがない。
【0009】
ここで、レンズ本体部は、前記第1中心軸上に形成された第2凸部を有してもよい。これにより、レンズ本体部の中心軸上の光を外側に広げることができる。
【0010】
ここで、前記レンズ本体部には、径方向に延びるスリットが外側の面に複数形成されていてもよい。これにより、光が外側に広がりやすくなり、より広範囲を照らすことができる。
【0011】
ここで、前記照明器具は、前記光源部を複数有し、前記光源部は、前記第1面と略直交する方向から見て、前記第1面の中心点を中心とする円上に略均等に配置されていてもよい。これにより、少ない数の照明器具で効率よく吹流しを照らすことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、小型で、光源から出た光が管制官や操縦者の目に直接入らない照明器具を有する風向灯を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る風向灯1の概略を示す斜視図である。
【
図2】照明器具30の概略を示す図であり、照明器具30を斜め上からみた斜視図である。
【
図3】照明器具30の概略を示す図であり、照明器具30を斜め下からみた斜視図である。
【
図4】照明器具30の概略を示す図であり、照明器具30の正面図である。
【
図5】照明器具30の概略を示す図であり、照明器具30の底面図である。
【
図6】照明器具30の概略を示す図であり、照明器具30の平面図である。
【
図7】レンズ34bを拡大表示した図であり、要部を断面表示している。
【
図8】光源部34の配光特性を模式的に示す図である。
【
図9】照明器具30を面P(
図3参照)で切断した図である。
【
図10】変形例に係るレンズ34b-1を拡大表示した図であり、要部を断面表示している。
【
図11】変形例に係るレンズ34b-2を拡大表示した図である。
【
図12】本発明の第2の実施の形態に係る照明器具30Aの概略を示す底面図である。
【
図13】照明器具30Aの概略を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の風向灯は、地面に立設された略棒状又は略筒状の取付部材に取り付けられるものである。
【0015】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る風向灯1の概略を示す斜視図である。風向灯1は、日中及び夜間の風向指示のために使用されるものであり、空港、ヘリポート等に設置される。ただし、風向灯1の設置場所はこれに限られず、例えば高速道路に設置してもよい。
【0016】
風向灯1は、主として、支柱部10と、吹流し20と、照明器具30と、航空障害灯40と、を有する。
【0017】
支柱部10は、主として、支柱11と、基台12と、アーム13と、を有する。支柱11は、略棒状であり、地面Gに埋設された基台12を介して地面Gに立設される。地面Gに立設された状態では、支柱11は鉛直方向に延設されている。支柱11は基台12に対して着脱可能であり、保守作業時に支柱11を傾けることが可能である。
【0018】
基台12と支柱11との間には、図示しない可接接手が設けられている。航空機等が風向灯1に接触すると、可折接手の部分で風向灯1が折れ、航空機等に与える損傷を軽減させる。
【0019】
支柱11には、吹流し20、照明器具30、航空障害灯40等が設けられている。航空障害灯40は支柱の上端に設けられている。航空障害灯40は公知であるため、説明を省略する。
【0020】
吹流し20は、主として、布等で形成された略筒状の筒状体21と、リング22と、取付部23と、を有する。リング22は、筒状体21の一方の端に設けられている。筒状体21のリング22が設けられた側の端が、取付部23を介して支柱11に取り付けられる。風が筒状体21にリング22側から流れ込み、リング22が設けられていない側から出ていくことで、筒状体21が風を受けて舞い上がる。風向きが変わることにより、吹流し20が支柱11の周りを回り、吹流し20の向きが変わる。
【0021】
照明器具30は、アーム13を介して支柱11に設けられている。照明器具30は、支柱11の吹流し20よりも上側に配置されており、上方から吹流し20を照らす。また、照明器具30は、複数(ここでは、4個)設けられており、複数の照明器具30は、支柱11を上から見たときに支柱11の周囲に略均等に配置されている。これにより、少ない数の照明器具30で効率よく吹流し20を照らすことができる。
【0022】
なお、本実施の形態では、風向灯1が4個の照明器具30を有するが、照明器具30の数や配置はこれに限られない。例えば、風向灯1が3個の照明器具30を有し、支柱11を上から見たときに3個の照明器具30が支柱11の周囲に略均等に配置されていればよい。
【0023】
図2~6は、照明器具30の概略を示す図である。
図2は、照明器具30を斜め上からみた斜視図であり、
図3は照明器具30を斜め下からみた斜視図である。
図4は、照明器具30の正面図であり、
図5は、照明器具30の底面図であり、
図6は、照明器具30の平面図である。なお、照明器具30の背面図、右側面図及び左側面図は、正面図と同一である。
【0024】
照明器具30は、主として、本体部31と、板状部32と、傘部33と、光源部34と、を有する。
【0025】
本体部31は、内部に光源部の駆動回路が設けられた略円錐台形状の部材である。本体部31の直径が狭い側の端には、アーム13に連結するための取付部31aが設けられている。本体部31は、取付部31aが鉛直方向上側に位置するようにアーム13に設けられる。
【0026】
板状部32は、本体部31の直径が広い側の端を覆うように設けられた略円板形状の部材である。照明器具30がアーム13に取り付けられた状態では、板状部32の面32aが地面Gを向いている。面32aには、光源部34が設けられる。
【0027】
傘部33は、板状部32及び光源部34の周囲に設けられた略筒状の部材である。傘部33は、軸方向の一方側から他方側に向かうに従って直径が漸次増大または減少する略円錐台筒状である。板状部32は、傘部33の直径が小さい側の端を覆う。傘部33の直径が大きい側の端は、開口しており、この開口部からは板状部32及び光源部34が視認可能である。
【0028】
傘部33は、板状部32及び光源部34を覆う。板状部32及び光源部34は、照明器具30の中心軸ax1と略直交する方向から照明器具30を見たときに、傘部33から露出しない。したがって、光源部34から出た光が離着陸する飛行機の操縦者の目や管制塔上の管制官の目に直接入らないようにすることができる。
【0029】
照明器具30には、3個の光源部34が設けられる。3個の光源部34は、板状部32の面32aと略直交する方向からみて(底面視において)、面32aの中心点(中心軸ax1)を中心とする円上に略均等に配置されている。
【0030】
光源部34は、
図5に示すように、主として、発光部34aと、レンズ34bと、を有する。発光部34aは、定電流が供給されることにより点灯する発光ダイオードであり、可視光を放射する。発光部34aは板状部32に設けられている。レンズ34bは、透光性を有し、発光部34aを覆うように板状部32に設けられている。
【0031】
図7は、レンズ34bを拡大表示した図であり、要部を断面表示している。レンズ34bは、ドーム形状のレンズ本体部341と、板状部32への取付部342と、発光部34aが内部に設けられる空洞部343と、凸部344と、を有する。
【0032】
取付部342は略板状であり、取付部342の下側にレンズ本体部341が設けられる。レンズ本体部341の外周面は、半楕円球状である。
【0033】
レンズ本体部341及び取付部342の内部には、空洞部343が形成される。空洞部343は、取付部342のレンズ本体部341が設けられていない側の面342aに開口している。また、空洞部343のレンズ本体部341内部に位置する部分の形状は、略円錐台形状である。取付部342が板状部32に取り付けられると、面342aが板状部32に当接し、板状部32に設けられた発光部34aが空洞部343の内部に設けられる。
【0034】
レンズ本体部341は、略円環状の凸レンズ部341aを有する。凸レンズ部341aは、レンズ本体部341の中心軸ax2を通る面で切断した場合に、中心軸ax2に対して所定の角度(角度θ)傾いた線bと交差する部分が最も厚くなるように形成されている。角度θは略35度~略65度であり、
図7に示す例では43度である。
【0035】
凸レンズ部341aの外側の壁面は、曲面であり、球の一部(略球欠形状)である。凸レンズ部341aの内側の壁面は、平面であり、レンズ本体部341の中心軸ax2を通る面で切断した場合に、線bと略直交する。
【0036】
凸部344は、略球欠形状であり、レンズ本体部341に設けられる。凸部344は、レンズ本体部341の中心軸ax2上に形成されている。本実施の形態では、凸部344の中心軸が中心軸ax2と略一致する。これにより、中心軸ax2上の光を外側に広げることができる。
【0037】
図8は、光源部34の配光特性を模式的に示す図である。
図8の縦軸は光度である。レンズ本体部341が略円環状の凸レンズ部341aを有するため、中心軸ax1上よりもその周囲が明るくなる。
図8に示すように、レンズ本体部341の中心軸ax2に対して角度θ傾いた線b(
図7参照)、つまり凸レンズ部341aの中心線の延長線上の近傍において特に光が強く、明るい部分が円環状に広がる。したがって、1つの光源部34でより広範囲を照らすことができる。
【0038】
次に、照明器具30における光源部34の配置について説明する。
図9は、照明器具30を面P(
図3参照)で切断した図である。面Pは、面32aと略直交する面であり、中心軸ax1を含む。面Pと面32aとが交わる線は線c(
図3、5参照)である。面P、線cは、レンズ本体部341の面32a及び傘部33に最も近い点345および中心軸ax2を含む。
【0039】
点345を通り、面32aと略直交する線を線eとする。また、傘部33の縁のうちの線eに最も近い点331と点345とを結ぶ線を線fとする。このとき、線eと線fとのなす角度γが略50度~略80度である。このため、斜め下から照明器具30を見上げたとしても、光が目に直接入りにくい。
【0040】
本実施の形態によれば、略円環状の凸レンズ部341aを設けることで、1つの光源部34で広範囲を照らすことができる。また、支柱11を上から見たときに複数の照明器具30を支柱11の周囲に略均等に配置することで、吹流し20を効率よく照らすことができる。これにより、光源部34の数を減らし、照明器具30を小型化することができる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、照明器具30の中心軸ax1と略直交する方向から照明器具30を見たとき、光源部34が傘部33から露出しないため、光源部34から出た光が離着陸する飛行機等の操縦者の目に直接入ることはない。
【0042】
特に、線eと線fとのなす角度γを略50度~略80度とすることで、風向灯1の下方に位置しない限り光源部34から出た光が直接目に入ることはない。したがって、離着陸する飛行機やヘリコプターの操縦者が地面G上に存在する滑走路上の飛行機やヘリコプターから風向灯を見たとしても、光源部から出た光が操縦者の目に直接入るおそれがない。
【0043】
なお、本実施の形態では、凸レンズ部341aの外側の壁面が1個の曲面を有したが、凸レンズ部341aの外側の壁面が複数の曲面を有してもよい。
図10は、変形例に係るレンズ34b-1を拡大表示した図であり、要部を断面表示している。レンズ34b-1のレンズ本体部341-1は、3個の略円環状の凸レンズ部341bを有する。言い換えれば、凸レンズ部341aの外側の壁面は、3個の曲面を有する。このように略円環状の凸レンズ部の形状を変化させて、所望の配光特性を得ることができる。
【0044】
なお、略円環状の凸レンズ部の外側の壁面が有する曲面の数及び配置は、これに限られない。例えば、略円環状の凸レンズ部の外側の壁面が小さな多数の曲面を有しても良い。また、略円環状の凸レンズ部の外側の壁面が有する複数の曲面の大きさは同じでなくてもよい。例えば、レンズ本体部が3個の略円環状の凸レンズを有する場合に、中央の凸レンズが大きく、両端の凸レンズが小さくてもよい。
【0045】
また、本実施の形態では、凸部344がレンズ本体部341の頂点に設けられているが、凸部344は必須ではない。例えば、レンズ本体部341の頂点に孔が形成されていてもよい。また、
図11に示すように、レンズ34b-2のレンズ本体部341-2の外側の面に、径方向に延びるスリット341cが複数形成されていてもよい。スリット341cにより、光が外側に広がりやすくなり、より広範囲を照らすことができる。
【0046】
また、レンズ34bは透光性を有していればよく、透明でもよいし、半透明でもよい。レンズ34bを半透明にする場合には、空洞部343の表面にシボ加工を行ってもよい。シボ加工を行うことにより、光が拡散しやすくなる。
【0047】
<第2の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態は、照明器具30が3個の光源部34を有したが、光源部34の数及び配置はこれに限られない。以下、第2の実施の形態にかかる風向灯(図示省略)について説明する。第1の実施の形態にかかる風向灯1と同一の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0048】
第2の実施の形態にかかる風向灯(図示省略)は、主として、支柱部10と、吹流し20と、照明器具30Aと、航空障害灯40と、を有する。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る照明器具30Aの概略を示す底面図である。
図13は、照明器具30Aの概略を示す側面図である。
図13では、要部を透視して示している。
【0049】
照明器具30Aは、主として、本体部31Aと、板状部32Aと、傘部33Aと、光源部34Aと、を有する。照明器具30Aは、光源部34Aを1個有する。
【0050】
光源部34Aは、主として、発光部34aと、レンズ34b-3と、を有する。レンズ34b-3は、レンズ34bを全体的に拡大したものであり、レンズ34bとレンズ34b-3とは相似である。
【0051】
光源部34Aは、照明器具30Aの中心軸ax1と略直交する方向から照明器具30を見たときに、傘部33Aから露出しない。傘部33Aは、傘部33と同様略円錐台筒状の部材であるが、傘部33よりも高さが高い。
【0052】
本体部31Aは、本体部31と同様、内部に光源部の駆動回路等が設けられた略円錐台形状の部材である。板状部32Aは、板状部32と同様、本体部31Aの直径が広い側の端を覆うように設けられた略円板形状の部材であり、光源部34Aが設けられている。照明器具30Aが有する光源部34Aは1つであるため、本体部31A及び板状部32Aの直径は、本体部31及び板状部32の直径より小さい。板状部32Aの地面Gを向く面は面32bである。
【0053】
次に、照明器具30Aにおける光源部34Aの配置について説明する。光源部34Aは、板状部32Aの略中央に設けられ、光源部34Aの中心軸が中心軸ax1と略一致する。
【0054】
レンズ34b-2のレンズ本体部341-3のうち、面32b及び傘部33Aに最も近い点を点346とする。点346を通り、面32aと略直交する線を線mとする。また、傘部33の縁のうちの線mに最も近い点332と点346とを結ぶ線を線nとする。このとき、線mと線nとのなす角度γが略50度~略80度である。このため、斜め下から照明器具30Aを見上げたとしても、光が目に直接入りにくい。
【0055】
本実施の形態によれば、レンズ34b-2を大きくすることで、照明器具30Aが有する光源部34Aを1つにすることができる。したがって、照明器具30Aを小型化することができる。
【0056】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。
【符号の説明】
【0057】
1 :風向灯
10 :支柱部
11 :支柱
12 :基台
13 :アーム
20 :吹流し
21 :筒状体
22 :リング
23 :取付部
30、30A:照明器具
31、31A:本体部
31a :取付部
32、32A:板状部
32a :面
32b :面
33、33A:傘部
34、34A:光源部
34a :発光部
34b、34b-1、34b-2、34b-3:レンズ
40 :航空障害灯
331、332:点
341、341-1、341-2、341-3:レンズ本体部
341a、341b:凸レンズ部
341c :スリット
342 :取付部
342a :面
343 :空洞部
344 :凸部
345、346:点