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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】ヒートポンプシステム
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/00 20060101AFI20230815BHJP
   F25B 41/40 20210101ALI20230815BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20230815BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20230815BHJP
   F25B 41/26 20210101ALI20230815BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
F25B43/00 C
F25B41/40 Z
F25B1/00 311Z
F25B13/00 311
F25B41/26 A
B60H1/32 613Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019033334
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020139641
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】591193691
【氏名又は名称】株式会社イズミ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204032
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 浩之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊和
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-184075(JP,A)
【文献】特開平09-328013(JP,A)
【文献】特開平11-223407(JP,A)
【文献】特開2014-058205(JP,A)
【文献】特開2017-144951(JP,A)
【文献】特開平07-108824(JP,A)
【文献】特開2003-113950(JP,A)
【文献】特開平07-083543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 13/00
F25B 41/00
F25B 43/00
B60H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温仕様の自動車空調に用いられるヒートポンプシステムであって、
冷房、暖房及び除湿との機能切り替えに応じ、4つの冷媒経路を各1対で2組の経路に切換え自在である四方切換弁ユニットと、
気密保持可能に積層された複数の金属板と比例制御弁が設けられたガスインジェクションユニットと、
液を分離する液分離ユニットと、
気密保持可能に積層された複数の金属板が設けられ、冷房、暖房及び除湿との機能切り替えを行う冷暖コントロールユニットと、
冷媒を凝縮させる凝縮器と、
前記冷媒を膨張させる蒸発器と、
前記冷媒を圧縮させる圧縮機と、
を備え、
前記四方切換弁ユニットは、暖房時及び除湿暖房時に、前記冷媒を前記冷暖コントロールユニットから流入して前記液分離ユニットに流出及び前記圧縮機から流入して凝縮器に流出し、冷房時に、前記冷媒を前記凝縮器から流入して前記液分離ユニットへ流出及び前記圧縮機から流入して前記冷暖コントロールユニットへ流出し、
前記ガスインジェクションユニットは、前記冷媒を、暖房時及び除湿暖房時に、前記凝縮器から流入し前記比例制御弁により前記圧縮機及び前記冷暖コントロールユニット流出するとともに前記除湿暖房時には前記蒸発器へ流出し、冷房時に、前記蒸発器から流入して前記凝縮器へ流出し、
前記液分離ユニットは、暖房時、除湿暖房時、冷房時ともに、前記冷媒を前記四方切換弁ユニットから流入して前記圧縮機へ流出し、
前記冷暖コントロールユニットは、前記冷媒を、暖房時及び除湿暖房時に、前記ガスインジェクションユニットから流入し前記四方切換弁ユニットへ流出し、冷房時には、前記四方切換弁ユニットから流入して前記ガスインジェクションユニットへ流出することを特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項2】
前記四方切換弁ユニットと前記液分離ユニットが合体されており、
前記圧縮機の配管端末は、前記冷媒が、前記比例制御弁を通じて前記ガスインジェクションユニット及び前記液分離ユニットから流入される2つの配管端末と、前記四方切換弁ユニットへ流出される1つの配管端末から構成され、
前記ガスインジェクションユニットは、前記冷媒を、暖房時及び除湿暖房時に、前記凝縮器から流入し前記比例制御弁により前記圧縮機及び前記冷暖コントロールユニットへ流出するとともに前記除湿暖房時には前記蒸発器へ流出し、冷房時に、前記蒸発器から流入して前記凝縮器へ流出することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項3】
前記四方切換弁ユニットと前記液分離ユニットが合体されており、
前記圧縮機の配管端末は、前記冷媒が、前記液分離ユニットから流入される1つの配管端末と、前記四方切換弁ユニットへ流出される1つの配管端末から構成され、
前記ガスインジェクションユニットは、前記冷媒を前記液分離ユニットに設けられた気体相の配管端末へ流入し、
前記液分離ユニットは、前記冷媒を前記ガスインジェクションユニットを通じて、暖房時に、前記冷暖コントロールユニットへ流出し、除湿暖房時には、前記蒸発器へ流出することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項4】
前記四方切換弁ユニットと前記液分離ユニットが分離されており、
前記圧縮機の配管端末は、前記冷媒が、前記ガスインジェクションユニット及び前記液分離ユニットから流入される2つの配管端末と、前記四方切換弁ユニットへ流出される1つの配管端末から構成されることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項5】
前記四方切換弁ユニットは、
前記冷媒が出入する第一の接続口と、
前記第一の接続口から前記冷媒が供給される筒体と、
前記筒体内に設けられ、接続形態として2者択一できるよう前記筒体の軸方向に移動可能な山形に形成されたスプールと、
前記スプールを通じで前記冷媒が出入する第二の接続口と、
を備え、
前記スプールの頂き面に凸部が設けられ、
前記筒体の内面に前記凸部を受ける凹部が設けられていることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のヒートポンプシステム。
【請求項6】
前記スプールは、金属で山形に成形されたスプールヘッドと、該スプールヘッドを固定するテフロンの台座とを有することを特徴とする請求項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項7】
前記第二の接続口に、積層された複数の金属板を設け、
前記金属板は、下板、中間板及び上板からなり、前記冷媒が流通可能となるよう抜き孔が穿設され、
前記下板、中間板及び上板の抜き孔の径は、前記第二の接続口の径よりも大きいことを特徴とする請求項に記載のヒートポンプシステム。
【請求項8】
前記ガスインジェクションユニット及び前記冷暖コントロールユニットを構成する前記気密保持可能に積層された複数の金属板の上部に、2以上の金属板から積層して構成される区分台座又は一体に成形された区分台座がさらに設けられることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項9】
さらに縦型の逆止弁を備え、
前記逆止弁は、
外筒と、
前記外筒の内側に設けられる内筒と、
前記内筒の底部に設けられ冷媒を流入させて、かつ流出させないための弁と、
前記内筒の側面に設けられ冷媒を流出させるためのポートとを有することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【請求項10】
さらに暖房用膨張弁、除湿用膨張弁、冷房用膨張弁のいずれか1以上を備え、
前記暖房用膨張弁、前記除湿用膨張弁、前記冷房用膨張弁は、
本体部と、
前記本体部内に設けられた支柱と、
前記支柱に固定され、前記支柱を上下方向に移動可能として前記冷媒の流量を調整するマグネット及びパルスモーターと、
前記本体部に固定されたスライサーと、
前記支柱が上下方向に過度な移動を防止する上部ストッパー及び下部ストッパーとを有し、
前記支柱には、前記上部ストッパー及び下部ストッパーを取り付け可能とする溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気温度が極低温にも対応可能な極低温仕様の自動車空調に用いられるヒートポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関自動車に対する冷暖房は、排熱に依存できるため、室内暖房のみならず、暖房に伴って生じる結露、すなわちフロントガラス内面の曇りを除去して視界確保するデフロスタ(defroster、以下、「除湿暖房」ともいう)も比較的簡便に構成できた。運行中であれば、排熱利用による温風確保が容易だったからである。
【0003】
内燃機関のみを駆動力に用いた車種の空調装置は、冷房のみをエンジンからベルト掛けして駆動する圧縮器で賄い、暖房は排熱利用すれば足りていた。したがって、冷房から暖房、及び除湿暖房に機能切換えする際、冷媒回路に流す冷媒ガスの方向を逆転させるまでもなく、冷房専用の圧縮器を停止して、排熱利用の温風を吹き込ませれば済むことであった。
【0004】
近年、乗用車の駆動方式が、内燃機関から電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)等に変遷している。このような車種、すなわち運行時に内燃機関を常時発動するとは限らない駆動方式の自動車の場合、空調を始めとする車載補助システム全般にわたって電動式に変えることが、自然の流れである。
【0005】
この流れに沿うように、自動車空調装置の圧縮器は、ベルト掛け駆動から電動機駆動に変えたものが相当に普及されている。なお、電気自動車(EV)には、プラグインハイブリッド車(plug-in hybrid car)、すなわちPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)又はPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)がある。PHEVは、コンセントから差込プラグを用いて直接バッテリーに充電できるハイブリッドカーである。
【0006】
また、上述した電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)等に用いる自動車空調装置に限らず、住居用で一般的な可逆ヒートポンプサイクルによる冷暖兼用型の空調装置において、冷房と暖房の機能切換えの際、フロン等の冷媒ガス「以下、単に「冷媒」ともいう」を冷媒回路に流す方向を逆転させる必要がある。一方、冷媒を圧縮して冷媒回路に流すための圧縮器は、一般的に入出力方向が一定である。すなわち、一般的な圧縮器は、吸入口と吐出口を逆転できない。したがって、冷媒回路に流す冷媒ガスの方向を逆転させるためには、冷媒回路の配管を四方弁で切換える必要がある。
【0007】
これに対し、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)等の場合、排熱利用による暖房等は不確実であり採用困難である。さらに、住居用の空調装置には不要だが、自動車空調装置には、デフロスタ(除湿暖房)が不可欠である。このデフロスタは、室内暖房用に発熱させる凝縮器のすぐそばに、除湿結露用に低温生成させる凝縮器、及び除湿弁を配設し、その除湿弁を絞る操作により機能させる。
【0008】
したがって、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)等の空調装置は、四方弁や除湿弁に加えて、それらを切換えるための電磁弁、それらへの配管等(以下、「四方弁周辺部」ともいう)が相当複雑になる。さらに、多数の電磁弁を制御する制御機能まで必要になる。
【0009】
また、空調装置は、主電動機具有車用でなくても、相当かさばる上に重量もあるので、車載用では特に小型軽量・薄型化の要望がある。この小型軽量・薄型化に加えて、組立作業性に優れ、生産性の向上を図って製作コストを低減する要望もある。このような要望に応じるため、つぎのような技術が開示されている。
【0010】
冷媒制御部材を予め一体に配管してユニット化されたヒートポンプ式冷凍機の配管ユニット(以下、単に「配管ユニット」ともいう)が知られている(例えば、特許文献1)。すなわち、ヒートポンプ式冷凍機(ヒートポンプ装置)における冷凍サイクル(冷媒回路)の冷媒制御部材を予め一体に配管してユニット化し、配管部品、配管溶接箇所が削減されて組立作業性に優れ、生産性の向上を図って製作コストを低減すると供に、室外機の小型化、薄型化を図るようにしたものである。
【0011】
特許文献1に記載の配管ユニットは、所定の冷媒通路に適合した箇所を膨出加工した二枚の側板を、互いの背面を接合して基板を形成し、両側板の膨出部分で基板に冷媒通路を形成し、冷媒通路に配管して冷媒制御部材を基板に一体に取付け、冷凍サイクル中に接続する配管口を、冷媒通路に配設する、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開平7-198229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1に記載の配管ユニットは、車載用でない。さらに外気が極低温の場合には、十分な暖房や除湿暖房機能が得られない。
【0014】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、冷媒制御部材を予め一体に配管してユニット化され、コンパクト化によるコストパフォーマンスの実現や、特に極低温に十分に対応可能なヒートポンプシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様に係るヒートポンプシステムは、極低温仕様の自動車空調に用いられるヒートポンプシステムであって、冷房、暖房及び除湿との機能切り替えに応じ、4つの冷媒経路を各1対で2組の経路に切換え自在である四方切換弁ユニットと、気密保持可能に積層された複数の金属板と比例制御弁が設けられたガスインジェクションユニットと、液を分離する液分離ユニットと、気密保持可能に積層された複数の金属板が設けられ、冷房、暖房及び除湿との機能切り替えを行う冷暖コントロールユニットと、冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記冷媒を膨張させる蒸発器と、前記冷媒を圧縮させる圧縮機と、を備え、前記四方切換弁ユニットは、暖房時及び除湿暖房時に、前記冷媒を前記冷暖コントロールユニットから流入して前記液分離ユニットに流出及び前記圧縮機から流入して凝縮器に流出し、冷房時に、前記冷媒を前記凝縮器から流入して前記液分離ユニットへ流出及び前記圧縮機から流入して前記冷暖コントロールユニットへ流出し、前記ガスインジェクションユニットは、前記冷媒を、暖房時及び除湿暖房時に、前記凝縮器から流入し前記比例制御弁により前記圧縮機及び前記冷暖コントロールユニット流出するとともに前記除湿暖房時には前記蒸発器へ流出し、冷房時に、前記蒸発器から流入して前記凝縮器へ流出し、前記液分離ユニットは、暖房時、除湿暖房時、冷房時ともに、前記冷媒を前記四方切換弁ユニットから流入して前記圧縮機へ流出し、前記冷暖コントロールユニットは、前記冷媒を、暖房時及び除湿暖房時に、前記ガスインジェクションユニットから流入し前記四方切換弁ユニットへ流出し、冷房時には、前記四方切換弁ユニットから流入して前記ガスインジェクションユニットへ流出することを特徴とする。
【0016】
このとき、本発明の一態様では、前記四方切換弁ユニットと前記液分離ユニットが合体されており、前記圧縮機の配管端末は、前記冷媒が、前記比例制御弁を通じて前記ガスインジェクションユニット及び前記液分離ユニットから流入される2つの配管端末と、前記四方切換弁ユニットへ流出される1つの配管端末から構成され、前記ガスインジェクションユニットは、前記冷媒を、暖房時及び除湿暖房時に、前記凝縮器から流入し前記比例制御弁により前記圧縮機及び前記冷暖コントロールユニットへ流出するとともに前記除湿暖房時には前記蒸発器へ流出し、冷房時に、前記蒸発器から流入して前記凝縮器へ流出しても良い。
【0017】
このとき、本発明の一態様では、前記四方切換弁ユニットと前記液分離ユニットが合体されており、前記圧縮機の配管端末は、前記冷媒が、前記液分離ユニットから流入される1つの配管端末と、前記四方切換弁ユニットへ流出される1つの配管端末から構成され、前記ガスインジェクションユニットは、前記冷媒を前記液分離ユニットに設けられた気体相の配管端末へ流入し、前記液分離ユニットは、前記冷媒を前記ガスインジェクションユニットを通じて、暖房時に、前記冷暖コントロールユニットへ流出し、除湿暖房時には、前記蒸発器へ流出しても良い。
【0018】
このとき、本発明の一態様では、前記四方切換弁ユニットと前記液分離ユニットが分離されており、前記圧縮機の配管端末は、前記冷媒が、前記ガスインジェクションユニット及び前記液分離ユニットから流入される2つの配管端末と、前記四方切換弁ユニットへ流出される1つの配管端末から構成されても良い。
【0020】
このとき、本発明の一態様では、前記四方切換弁ユニットは、前記冷媒が出入する第一の接続口と、前記第一の接続口から前記冷媒が供給される筒体と、前記筒体内に設けられ、接続形態として2者択一できるよう前記筒体の軸方向に移動可能な山形に形成されたスプールと、前記スプールを通じで前記冷媒が出入する第二の接続口と、を備え、前記スプールの頂き面に凸部が設けられ、前記筒体の内面に前記凸部を受ける凹部が設けられても良い。
【0021】
このとき、本発明の一態様では、前記スプールは、金属で山形に成形されたスプールヘッドと、該スプールヘッドとを固定するテフロン(登録商標)の台座を有するとしても良い。
【0022】
このとき、本発明の一態様では、前記第二の接続口に、積層された複数の金属板を設け、前記金属板は、下板、中間板及び上板からなり、前記冷媒が流通可能となるよう抜き孔が穿設され、前記下板、中間板及び上板の抜き孔の径は、前記第二の接続口の径よりも大きいこととしても良い。
【0023】
このとき、本発明の一態様では、前記ガスインジェクションユニット及び前記冷暖コントロールユニットを構成する前記気密保持可能に積層された複数の金属板の上部に、2以上の金属板から積層して構成される区分台座又は一体に成形された区分台座がさらに設けられても良い。
【0024】
このとき、本発明の一態様では、さらに縦型の逆止弁を備え、前記逆止弁は、外筒と、該外筒の内側に設けられる内筒と、該内筒の底部に設けられ冷媒を流入させ、かつ流出させないための弁と、該内筒の側面に設けられ冷媒を流出させるためのポートと有するとしても良い。
【0025】
このとき、本発明の一態様では、さらに暖房用膨張弁、除湿用膨張弁、冷房用膨張弁のいずれか1以上を備え、前記暖房用膨張弁、前記除湿用膨張弁、前記冷房用膨張弁は、本体部と、前記本体部内に設けられた支柱と、前記支柱に固定され、前記支柱を上下方向に移動可能として前記冷媒の流量を調整するマグネット及びパルスモーターと、前記本体部に固定されたスライサーと、前記支柱が上下方向に過度な移動を防止する上部ストッパー及び下部ストッパーとを有し、前記支柱には、前記上部ストッパー及び下部ストッパーを取り付け可能とする溝が形成されても良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、冷媒制御部材を予め一体に配管してユニット化され、コンパクト化によるコストパフォーマンスの実現や、特に極低温に十分に対応可能なヒートポンプシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムの概略図であり、四方切換弁ユニットと液分離ユニットが合体された場合のヒートポンプシステムの概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムの概略図であり、四方切換弁ユニットと液分離ユニットが分離された場合のヒートポンプシステムの概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのAタイプの暖房時における冷媒回路説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのAタイプの除湿暖房時における冷媒回路説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのAタイプの冷房時における冷媒回路説明図である。
図6】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのBタイプの暖房時における冷媒回路説明図である。
図7】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのBタイプの除湿暖房時における冷媒回路説明図である。
図8】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのBタイプの冷房時における冷媒回路説明図である。
図9】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのCタイプの暖房時における冷媒回路説明図である。
図10】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのCタイプの除湿暖房時における冷媒回路説明図である。
図11】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのCタイプの冷房時における冷媒回路説明図である。
図12】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのDタイプの暖房時における冷媒回路説明図である。
図13】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのDタイプの除湿暖房時における冷媒回路説明図である。
図14】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムのDタイプの冷房時における冷媒回路説明図である。
図15】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムに用いられるガスインジェクションユニットの斜視図である。
図16】ガスインジェクションユニットに設けられる積層された複数の金属板及び区分台座の概略図であり、図16(A)は当該金属板の平面図、図16(B)は当該金属板のA-A断面図、図16(C)はB-B断面図である。
図17】ガスインジェクションユニットに設けられる積層された複数の金属板を構成する上板の概略図であり、図17(A)は当該上板の平面図であり、図17(B)は当該上板の側面図である。
図18】ガスインジェクションユニットに設けられる積層された複数の金属板を構成する第一の中間板の概略図であり、図18(A)は当該第一の中間板の平面図であり、図18(B)は当該第一の中間板の側面図である。
図19】ガスインジェクションユニットに設けられる積層された複数の金属板を構成する第二の中間板の概略図であり、図19(A)は当該第二の中間板の平面図であり、図19(B)は当該第二の中間板の側面図である。
図20】ガスインジェクションユニットに設けられる積層された複数の金属板を構成する下板の概略図であり、図20(A)は当該下板の平面図であり、図20(B)は当該下板の側面図である。
図21】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムに用いられる冷暖コントロールユニットの斜視図である。
図22】冷暖コントロールユニットに設けられる積層された複数の金属板及び区分台座の概略図であり、図22(A)は当該金属板の平面図、図22(B)は当該金属板のC-C断面図、図22(C)はD-D断面図である。
図23】本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステムに用いられる四方切換弁ユニットの斜視図であり、図23(A)は当該四方切換弁ユニットと液分離ユニットが合体されている場合に用いられる四方切換弁ユニットの斜視図、図23(B)は四方切換弁ユニットの下部に設けられている積層された複数の金属板の斜視図で、図23(A)の底面から見た図、図23(C)は四方切換弁ユニットと液分離ユニットが分離された場合に用いられる四方切換弁ユニットの斜視図で、四方切換弁ユニットの下部にさらに積層された金属板が設けられた図である。
図24】四方切換弁ユニットに備えられた筒体の概略図であり、図24(A)は当該筒体の斜視図、図24(B)は当該筒体の側面の断面図、図24(C)は図24(B)のA-A断面図である。
図25】四方切換弁ユニットの概略図であり、図25(A)は図23(A)の底から見た図であり、図25(B)は図25(A)のA-A断面図である。
図26】ガスインジェクションユニットに設けられた比例制御弁の断面図である。
図27】逆止弁の断面図である。
図28】暖房用膨張弁、除湿用膨張弁、冷房用膨張弁の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100について説明する。本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100は、極低温仕様の自動車空調に用いられるヒートポンプシステムである。そして、当該ヒートポンプシステム100は、図1に示すように、冷房、暖房及び除湿との機能切り替えに応じ、4つの冷媒経路を各1対で2組の経路に切換え自在である四方切換弁ユニット10と、気密保持可能に積層された複数の金属板25と比例制御弁22が設けられたガスインジェクションユニット20と、液を分離する液分離ユニット30と、気密保持可能に積層された複数の金属板45が設けられ、冷房、暖房及び除湿との機能切り替えを行う冷暖コントロールユニット40と、冷媒を凝縮させる凝縮器50、又は冷媒を膨張させる蒸発器60と、上記冷媒を圧縮させる圧縮機70と、を備える。
【0029】
本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100によれば後述するように冷媒制御部材を予め一体に配管してユニット化され、コンパクト化によるコストパフォーマンスを実現できる。またガスインジェクションユニット20に設けられた比例制御弁22により、中温中圧された冷媒を圧縮機でさらに圧縮し、凝縮器50に送ることで、さらに高温の温風が得られ、特に極低温に十分に対応可能となる。以下に説明する。
【0030】
図1には、破線の矢印が暖房時の冷媒の流れの方向を、破線の丸印が除湿暖房時の冷媒の流れの方向を、実践の矢印が冷房の冷媒の流れの方向を表している。暖房時、除湿暖房時、冷房時でそれぞれ冷媒の流れの方向が異なる。後述する図2も同様である。
【0031】
本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100に備えられる四方切換弁ユニット10、ガスインジェクションユニット20、液分離ユニット30、冷暖コントロールユニット40からの冷媒の流れを暖房時、除湿暖房時、冷房時のそれぞれについて説明する。
【0032】
上記四方切換弁ユニット10は、暖房時若しくは除湿暖房時には、上記冷媒を上記冷暖コントロールユニット40から流入して上記液分離ユニット30に流出及び圧縮機70から流入して四方切換弁ユニット10を通じ凝縮器50に流出し、冷房時には、上記凝縮器50から流入して四方切換弁ユニット10を通じ上記液分離ユニット30へ流出及び上記圧縮機70から流入して上記冷暖コントロールユニット40へ流出する。
【0033】
上記ガスインジェクションユニット20は、暖房時若しくは除湿暖房時には、上記冷媒を上記凝縮器50から流入し上記比例制御弁22により上記圧縮機70及び/又は上記冷暖コントロールユニット40又は上記蒸発器60へ流出する。冷房時には、上記蒸発器60から流入して上記凝縮器50へ流出する。
【0034】
上記液分離ユニット30は、暖房時、除湿暖房時、冷房時ともに、上記冷媒を上記四方切換弁ユニット10から流入して上記圧縮機70へ流出する。
【0035】
上記冷暖コントロールユニット40は、暖房時若しくは除湿暖房時には、上記冷媒を上記ガスインジェクションユニット20から流入し上記四方切換弁ユニット10へ流出する。冷房時には、上記四方切換弁ユニット10から流入して上記ガスインジェクションユニット20へ流出する。
【0036】
四方切換弁ユニット10、ガスインジェクションユニット20、液分離ユニット30、冷暖コントロールユニット40には、配管端末が植設されている。上記の配管端末を通じて各機器に冷媒を流入・流出している。マニホールドが設けられることによっても、ユニット化され、コンパクト化することができる。そして、図1及び2に示すようにガスインジェクションユニット20には、好ましくは、暖房用膨張弁26、除湿用膨張弁23、第一の逆止弁24、第二の逆止弁27を設け、暖房時、除湿暖房時又は冷房時の冷媒回路に応じて使用する。同様に冷暖コントロールユニット40には、好ましくは、逆止弁41、冷房用膨張弁42、バッテリー用膨張弁43を設け、暖房時、除湿暖房時又は冷房時の冷媒回路に応じて使用する。それらは配管端末を通じて接続され冷媒が流通する。
【0037】
図1及び2に示すように、暖房用膨張弁26、除湿用膨張弁23、第一の逆止弁24、第二の逆止弁27、逆止弁41、冷房用膨張弁42、バッテリー用膨張弁43は、ガスインジェクションユニット20及び冷暖コントロールユニット40を構成する前記気密保持可能に積層された複数の金属板25、45の上部に、2以上の金属板から積層して構成される区分台座28、48に当接される。なお、2以上の金属板から積層して構成される区分台座28、48も気密保持可能に積層されている。区分台座28、48の構造については後述する。
【0038】
本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100は、大きく4つのA,B,C,Dタイプに分別できる。それぞれのタイプについて、冷媒回路説明図の図3-14を用いて後述する。
【0039】
Aタイプは、図1に示すような四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が合体された場合のヒートポンプシステムである。圧縮機70の配管端末は、比例制御弁22を通じてガスインジェクションユニット20及び液分離ユニット30から流入される2つの配管端末と、四方切換弁ユニット10へ流出される1つの配管端末から構成され、つまり、上記圧縮機70の配管端末は、3つ口である。また、ガスインジェクションユニット20は、冷媒を凝縮器50から流入し比例制御弁22により圧縮機70及び冷暖コントロールユニット40又は蒸発器60へ流出することを特徴とする。
【0040】
Bタイプも、図1に示すような四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が合体された場合のヒートポンプシステムであるが、圧縮機70の配管端末は、冷媒を液分離ユニット30から流入される1つの配管端末と、四方切換弁ユニット10へ流出される1つの配管端末から構成され、つまり、上記圧縮機70の配管端末は2つ口である点でAタイプとは異なる。また、ガスインジェクションユニット20は、冷媒を液分離ユニット30に設けられた気体相の配管端末へ流入し、液分離ユニット30は、冷媒をガスインジェクションユニット20を通じて、冷暖コントロールユニット40又は蒸発器60へ流出することを特徴とする。
【0041】
Cタイプは、図2に示すような四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が分離された場合のヒートポンプシステムである。圧縮機70の配管端末は、冷媒をガスインジェクションユニット20及び液分離ユニット30から流入される2つの配管端末と、四方切換弁ユニット10へ流出される1つの配管端末から構成され、つまり、上記圧縮機70の配管端末は3つ口である。また、圧縮機70の配管端末は、冷媒をガスインジェクションユニット20及び液分離ユニット30から流入される2つの配管端末と、四方切換弁ユニット10へ流出される1つの配管端末から構成されることを特徴とする。
【0042】
Dタイプも、図2に示すような四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が分離された場合のヒートポンプシステムである。Dタイプは、冷暖コントロールユニット40を用いない代わりに四方切換弁ユニット10に逆止弁と冷房用膨張弁(図1では不図示)とをさらに備え冷媒回路を構成している。冷媒回路は後述する。圧縮機70の配管端末は、冷媒を液分離ユニット30から流入される1つの配管端末と、四方切換弁ユニット10へ流出される1つの配管端末から構成され、つまり、上記圧縮機70の配管端末は2つ口である。また、ガスインジェクションユニット20は、冷媒を液分離ユニット30に設けられた気体相の配管端末へ流入することを特徴とする。
【0043】
次に冷媒回路説明図を用いて、A,B,C,Dタイプの暖房時、除湿暖房時、冷房時の冷媒回路について、それぞれ順に説明する。
【0044】
最初にAタイプの冷媒回路について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のAタイプの暖房時における冷媒回路説明図である。実線が図中における冷媒が通る回路であり、破線は冷媒が通らない回路である。暖房時、除湿暖房時、冷房時で流れる冷媒回路が異なるので、実線又は破線で示している。矢印は冷媒の流れの方向である。これらは図4-14に示す冷媒回路説明図も同様である。また、図3における暖房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例制御弁22の入口と暖房用膨張弁26までの経路の冷媒は高温高圧(後述するが圧縮機70から凝縮器50に入る経路の冷媒はより高温高圧)である。比例制御弁22の出口から圧縮機70までが中温中圧である。一方、ガスインジェクションユニット20の暖房用膨張弁26から冷暖コントロールユニット40、室外凝縮器110、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。また、圧縮機70は3つ口の配管端末を有する。
【0045】
上述したようにAタイプは、四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が合体されている。合体されていることで、冷媒流路の短縮が可能となり、配管抵抗を減少することができる。また、四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30とのサクション配管の削減によるコストダウンが可能で、配管数の減少による省スペースも可能となる。
【0046】
図3のように、四方切換弁ユニット10は、冷媒を冷暖コントロールユニット40から室外凝縮器110を通じて流入して液分離ユニット30に流出する。また、四方切換弁ユニット10は、冷媒を圧縮機70から流入して凝縮器50に流出する。
【0047】
四方切換弁ユニット10は、4つの冷媒経路U,V,W,Xを各1対で2組の経路に区別して接続できる。また、2種類の接続形態UV、WX、又はWU、XVとして、2者択一に切換え自在である。例えば、第一の実施形態は、図3等のように、冷媒経路Uと冷媒経路Vとを連通させる一方で、冷媒経路Wと冷媒経路Xとを連通させる。一方、第二の実施形態は図5等のように冷媒経路Wと冷媒経路Uとを連通させる一方で、冷媒経路Xと冷媒経路Vとを連通させる。四方切換弁ユニット10の構造の詳細については、後述する。
【0048】
ガスインジェクションユニット20は、冷媒を凝縮器50から流入し、全て冷暖コントロールユニット40に流出せず、冷媒の一部を比例制御弁22により圧縮機70へ流出し、またそれと同時に冷媒の一部を冷暖コントロールユニット40へ流出する。圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20を通り、再び圧縮機70までの経路は、高温高圧の冷媒となるが、このように、冷媒が全て冷暖コントロールユニット40に入らず、ガスインジェクションユニット20に設けられた比例制御弁22により、中温中圧に膨張され、再び圧縮機70に入るので、冷媒を圧縮機でさらに圧縮でき、圧縮機70からの、より高温高圧にされた冷媒の流出量が増大し、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50までの経路がさらに高温高圧の冷媒となり、凝縮器50の能力が高まる。よって、その冷媒を凝縮器50に送り送風機120により送風することで、さらに高温の温風が得られ、特に極低温に十分に対応可能となる。
【0049】
また、車内の温度設定に応じて、ガスインジェクションユニット20に設けられた比例制御弁22により、圧縮機70又は冷暖コントロールユニット40へ流出する冷媒の量を調整する。例えば車内の温度をより高温にする場合には、ガスインジェクションユニット20から圧縮機70へ送る冷媒の量を多くすればよく、低温にする場合には圧縮機70へ送る冷媒の量を少なくすればよい。
【0050】
液分離ユニット30は、冷媒を四方切換弁ユニット10から流入して圧縮機70へ流出する。冷暖コントロールユニット40は、冷媒をガスインジェクションユニット20から流入し室外凝縮器110を通じて四方切換弁ユニット10へ流出する。なお、Aタイプの暖房回路、除湿暖房回路、冷房回路のガスインジェクションユニット20及び冷暖コントロールユニット40は独立している。なお液分離ユニット30とは、気体と液体とを分離する機能が設けられたユニットで冷媒回収などの作用をする。
【0051】
また、ガスインジェクションユニット20に除湿用膨張弁23、第一の逆止弁24、第二の逆止弁27、暖房用膨張弁26を設け、冷暖コントロールユニット40に逆止弁41、冷房用膨張弁42、バッテリー用膨張弁43を設け、暖房、除湿暖房、冷房の切替を行うことが好ましい。B,C,Dタイプも同様である。
【0052】
図4は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のAタイプの除湿暖房時における冷媒回路説明図である。図4における除湿暖房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例制御弁22の入口と除湿用膨張弁23までの経路の冷媒は高温高圧(圧縮機70から凝縮器50に入る経路の冷媒はより高温高圧)となる。比例制御弁22の出口から圧縮機70までが中温中圧である。一方、ガスインジェクションユニット20の除湿用膨張弁23から蒸発器60、冷暖コントロールユニット40、室外凝縮器110、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0053】
四方切換弁ユニット10は、冷媒を冷暖コントロールユニット40から室外凝縮器110を通じて流入して液分離ユニット30に流出する。また、四方切換弁ユニット10は、冷媒を圧縮機70から流入して凝縮器50に流出する。
【0054】
ガスインジェクションユニット20は、冷媒を凝縮器50から流入し比例制御弁22により圧縮機70へ流出する。また、それと同時に蒸発器60を通じ冷暖コントロールユニット40へ流出する。このように、ガスインジェクションユニット20に設けられた比例制御弁22により、中温中圧に膨張され、再び圧縮機70に入るので、冷媒を圧縮機でさらに圧縮でき、圧縮機70からの、より高温高圧にされた冷媒の流出量が増大し、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50までの経路がさらに高温高圧の冷媒となり、凝縮器50の能力が高まる。一方、除湿用膨張弁23で膨張された低温冷媒は、(室内)蒸発器60に流入し、車内のガラス窓の除湿をすばやく行うことができる。
【0055】
液分離ユニット30は、冷媒を四方切換弁ユニット10から流入して圧縮機70へ流出する。冷暖コントロールユニット40は、冷媒をガスインジェクションユニット20から流入し室外凝縮器110を通じて四方切換弁ユニット10へ流出する。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のAタイプの冷房時における冷媒回路説明図である。図5における冷房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、室外凝縮器110、冷暖コントロールユニット40までの経路の冷媒は高温高圧となる。一方、冷暖コントロールユニット40から蒸発器60、ガスインジェクションユニット20、凝縮器50、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0057】
四方切換弁ユニット10は、冷媒を凝縮器50から流入して液分離ユニット30へ流出する。また、圧縮機70から流入して室外凝縮器110を通じて冷暖コントロールユニット40へ流出する。
【0058】
ガスインジェクションユニット20は、冷媒を蒸発器60から流入して凝縮器50へ流出する。
【0059】
冷暖コントロールユニット40は、冷媒を四方切換弁ユニット10から室外凝縮器110を通じて流入してガスインジェクションユニット20へ流出する。また、図5のようにバッテリーインバータ冷却器130を設け、冷暖コントロールユニット40から冷媒を流入しガスインジェクションユニット20に流出しても良い。このようにすれば冷却機能がより向上する。
【0060】
冷房回路の際、室外凝縮器110からの高温高圧の冷媒回路は、冷暖コントロールユニット40に設けられた冷房用膨張弁42とバッテリー用膨張弁43が一体となることで、コンパクトで施工性を向上させることができる。
【0061】
次にBタイプの冷媒回路について説明する。図6は本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のBタイプの暖房時における冷媒回路説明図である。図6における暖房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例制御弁22の入口と暖房用膨張弁26までの経路の冷媒は高温高圧(圧縮機70から凝縮器50に入る経路の冷媒は、より高温高圧)となる。比例制御弁22の出口から液分離ユニット30を通り、圧縮機70までが中温中圧である。一方、ガスインジェクションユニット20の暖房用膨張弁26から冷暖コントロールユニット40、室外凝縮器110、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0062】
暖房回路では、凝縮器50からの高温高圧の冷媒は比例制御弁22で中温に膨張を行い、100%の湿りガスが液分離ユニット30に流入する。流入したガス(冷媒)は比重が重く、液分離ユニット30内で二相に分離された気体相から凝縮器50に流入される。
【0063】
図6に示す経路の冷媒は、凝縮器50から中温中圧の冷媒が液分離ユニット30の気体相側に送られて圧縮機70に流入し、圧縮機70より圧縮して凝縮器50に流出するので、より高温高圧の冷媒が得られる。このとき、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例膨張弁22手前までの経路は高温高圧(液化)となる。一方、比例膨張弁22で膨張され中温・中圧となった冷媒は液分離ユニット30へ流入する。液分離ユニット30へ流入した中温・中圧の冷媒は、液分離ユニット30内で比重の差により気体相と液体相に2相分離され、液体相部分の中温中圧の冷媒ガスは、圧縮機70に流入されるため、凝縮器50の能力が向上する。一方、液分離ユニット30の液体相部分の冷媒(液化)は、暖房用膨張弁26へ流入し再び膨張され冷暖コントロールユニット40へ流入される。
【0064】
凝縮器50から中温中圧の冷媒が液分離ユニット30の気体相側に送られるとき、冷媒を垂直(真下)に流すのではなく、液分離ユニット30の壁面にあてるように当該液分離ユニット30内の配管を設けることが好ましい。冷媒を液分離ユニット30の壁面にあてる場合、液分離ユニット30の気体相側に送る部分に冷媒を直角方向に曲げるソケットを設けることが好ましい。このようにすれば、液分離ユニット30内の液相に冷媒が直接吹き出されるのを防ぐため、液分離ユニット30内のホーミング現象(泡立ち)を防止することができる。
【0065】
四方切換弁ユニット10は、冷媒を冷暖コントロールユニット40から室外凝縮器110を通じて流入して液分離ユニット30に流出する。また、圧縮機70から流入して凝縮器50に流出する。
【0066】
ガスインジェクションユニット20は、冷媒を凝縮器50から流入し比例制御弁22により液分離ユニット30を通じ圧縮機70及び/又は暖房用膨張弁26を通じて冷暖コントロールユニット40へ流出する。
【0067】
液分離ユニット30は、冷媒を四方切換弁ユニット10から流入して圧縮機70へ流出する。また、液分離ユニット30の下層にある中温中圧の冷媒は、ガスインジェクションユニット20に設けられる暖房用膨張弁26で再膨張され、冷暖コントロールユニット40に設けられる逆止弁41を通過し、室外凝縮器110を通じて液分離ユニット30に冷媒を流出する。
【0068】
冷暖コントロールユニット40は、冷媒をガスインジェクションユニット20から流入し室外凝縮器110を通じて四方切換弁ユニット10へ流出する。なお、Bタイプの暖房回路、除湿暖房回路、冷房回路のガスインジェクションユニット20及び冷暖コントロールユニット40は独立している。
【0069】
図7は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のBタイプの除湿暖房時における冷媒回路説明図である。図7における除湿暖房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例制御弁22入口までの冷媒は高温高圧(圧縮機70から凝縮器50に入る経路の冷媒は、より高温高圧)となる。比例制御弁22の除湿用膨張弁23出口から液分離ユニット30を通り、ガスインジェクションユニット20の除湿用膨張弁23入口までの冷媒は中温中圧となる。一方、ガスインジェクションユニット20の除湿用膨張弁23出口から蒸発器60、冷暖コントロールユニット40までの冷媒は低温低圧となる。
【0070】
Bタイプの除湿暖房時における冷媒回路では、ガスインジェクションユニット20が、冷媒を凝縮器50から流入し比例制御弁22により圧縮機70及び/又は蒸発器60へ流出する点で暖房時の冷媒回路と異なる。その他の点は、上記Bタイプの暖房時における冷媒回路と同様である。
【0071】
図8は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のBタイプの冷房時における冷媒回路説明図である。図8における冷房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、室外凝縮器110、冷暖コントロールユニット40までの経路の冷媒は高温高圧となる。一方、冷暖コントロールユニット40から蒸発器60、ガスインジェクションユニット20、凝縮器50、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0072】
四方切換弁ユニット10は、冷媒を凝縮器50から流入して液分離ユニット30へ流出及び圧縮機70から流入して室外凝縮器110を通じて冷暖コントロールユニット40へ流出する。
【0073】
ガスインジェクションユニット20は、蒸発器60から流入して凝縮器50へ流出する。液分離ユニット30は、冷媒を四方切換弁ユニット10から流入して圧縮機70へ流出する。冷暖コントロールユニット40は、四方切換弁ユニット10から室外凝縮器110を通じ流入してガスインジェクションユニット20へ流出する。
【0074】
次にCタイプの冷媒回路について説明する。図9は本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のCタイプの暖房時における冷媒回路説明図である。図9における暖房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例制御弁22の入口と暖房用膨張弁26までの経路の冷媒は高温高圧(圧縮機70から凝縮器50に入る経路の冷媒は、より高温高圧)となる。比例制御弁22の出口から圧縮機70までが中温中圧である。一方、ガスインジェクションユニット20の暖房用膨張弁26から冷暖コントロールユニット40、室外凝縮器110、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0075】
図9に示す経路の冷媒は、凝縮器50から全て冷暖コントロールユニット40に入らず、比例制御弁22を通り、圧縮機70に再び入るので、より高温高圧の冷媒が得られる。
【0076】
四方切換弁ユニット10は、冷媒を冷暖コントロールユニット40から室外凝縮器110を通じて流入して液分離ユニット30に流出する。また、圧縮機70から流入して凝縮器50に流出する。
【0077】
ガスインジェクションユニット20は、冷媒を凝縮器50から流入し比例制御弁22により圧縮機70及び/又は暖房用膨張弁26を通じて冷暖コントロールユニット40へ流出する。
【0078】
液分離ユニット30は、冷媒を四方切換弁ユニット10から流入して圧縮機70へ流出する。
【0079】
冷暖コントロールユニット40は、冷媒をガスインジェクションユニット20から流入し室外凝縮器110を通じて四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30へ流出する。
【0080】
Cタイプでは、四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が分離されている構造となっている。そして、圧縮機70の配管端末は、冷媒をガスインジェクションユニット20及び液分離ユニット30から流入される2つの配管端末と、四方切換弁ユニット10へ流出される1つの配管端末から構成される。なお、Cタイプの暖房回路、除湿暖房回路、冷房回路のガスインジェクションユニット20及び冷暖コントロールユニット40は独立している。
【0081】
図10は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のCタイプの除湿暖房時における冷媒回路説明図である。図10における除湿暖房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例制御弁22との入口と除湿用膨張弁23までの経路の冷媒は高温高圧(圧縮機70から凝縮器50に入る経路の冷媒は、より高温高圧)となる。比例制御弁22の出口から圧縮機70までが中温中圧である。一方、ガスインジェクションユニット20の除湿用膨張弁23から蒸発器60、冷暖コントロールユニット40、室外凝縮器110、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0082】
Cタイプの除湿暖房時における冷媒回路では、ガスインジェクションユニット20が、冷媒を凝縮器50から流入し比例制御弁22により圧縮機70及び/又は蒸発器60へ流出する点で暖房時の冷媒回路と異なる。その他の点は、上記Cタイプの暖房時における冷媒回路と同様である。
【0083】
図11は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のCタイプの冷房時における冷媒回路説明図である。図11における冷房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、室外凝縮器110、冷暖コントロールユニット40までの経路の冷媒は高温高圧となる。一方、冷暖コントロールユニット40から蒸発器60、ガスインジェクションユニット20、凝縮器50、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0084】
四方切換弁ユニット10は、冷媒を凝縮器50から流入して液分離ユニット30へ流出及び圧縮機70から流入して室外凝縮器110を通じて冷暖コントロールユニット40へ流出する。
【0085】
ガスインジェクションユニット20は、蒸発器60から流入して凝縮器50へ流出する。液分離ユニット30は、冷媒を四方切換弁ユニット10から流入して圧縮機70へ流出する。冷暖コントロールユニット40は、四方切換弁ユニット10から室外凝縮器110を通じて流入してガスインジェクションユニット20へ流出する。
【0086】
次にDタイプの冷媒回路について説明する。図12は本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のDタイプの暖房時における冷媒回路説明図である。図12における暖房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例制御弁22の入口と暖房用膨張弁26までの経路の冷媒は高温高圧(圧縮機70から凝縮器50に入る経路の冷媒は、より高温高圧)となる。比例制御弁22の出口から液分離ユニット30を通り、圧縮機70までが中温中圧である。また、液分離ユニット30、ガスインジェクションユニット20の暖房用膨張弁26までの経路内に第三の逆止弁31を設けることが好ましい。一方、ガスインジェクションユニット20の暖房用膨張弁26から、逆止弁41、室外凝縮器110、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0087】
四方切換弁ユニット10は、冷媒をガスインジェクションユニット20から逆止弁41、室外凝縮器110を通じて流入して液分離ユニット30に流出する。また、圧縮機70から流入して凝縮器50に流出する。
【0088】
ガスインジェクションユニット20は、冷媒を凝縮器50から流入し比例制御弁22により液分離ユニット30を通じ圧縮機70及び/又は暖房用膨張弁26から逆止弁41、室外凝縮器110を通じて四方切換弁ユニット10へ流出する。
【0089】
Dタイプでは、冷暖コントロールユニット40を用いず、四方切換弁ユニット10に逆止弁41と冷房用膨張弁42とをさらに備える。バッテリーインバータ冷却器130を用いた場合にはバッテリー用膨張弁43をさらに備えることが好ましい。そして、圧縮機の配管端末は、冷媒を液分離ユニット30から流入される1つの配管端末と、四方切換弁ユニット10へ流出される1つの配管端末から構成される。また、ガスインジェクションユニット20は、冷媒を液分離ユニット30に設けられた気体相の配管端末へ流入することを特徴とする。また、Dタイプでは、四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が分離されている。なお、Dタイプの暖房回路、除湿暖房回路、冷房回路のガスインジェクションユニット20は独立している。
【0090】
図13は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のDタイプの除湿暖房時における冷媒回路説明図である。図13における除湿暖房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、凝縮器50、ガスインジェクションユニット20の比例制御弁22の入口と除湿用膨張弁23までの経路の冷媒は高温高圧(圧縮機70から凝縮器50に入る経路の冷媒は、より高温高圧)となる。比例制御弁22の出口から液分離ユニット30を通り、圧縮機70までが中温中圧である。また、液分離ユニット30、ガスインジェクションユニット20の除湿用膨張弁23までの経路内に第三の逆止弁31を設けることが好ましい。一方、ガスインジェクションユニット20の除湿用膨張弁23から、逆止弁41、室外凝縮器110、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0091】
Dタイプの除湿暖房時における冷媒回路では、ガスインジェクションユニット20が、冷媒を凝縮器50から流入し比例制御弁22により液分離ユニット30を通じ圧縮機70及び/又は蒸発器60へ流出する。その他の点は、上記Dタイプの暖房時における冷媒回路と同様である。
【0092】
図14は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100のDタイプの冷房時における冷媒回路説明図である。図14における冷房回路の冷媒回路では、圧縮機70から四方切換弁ユニット10、室外凝縮器110、四方切換弁ユニット10に備えられた冷房用膨張弁42、バッテリーインバータ冷却器130がさらに設けられた場合はバッテリー用膨張弁43までの経路の冷媒は高温高圧となる。一方、四方切換弁ユニット10に備えられた冷房用膨張弁42から蒸発器60、ガスインジェクションユニット20、凝縮器50、四方切換弁ユニット10、液分離ユニット30を通じて圧縮機70に入る経路の冷媒は低温低圧となる。
【0093】
四方切換弁ユニット10は、冷媒を凝縮器50から流入して液分離ユニット30へ流出及び圧縮機70から流入して室外凝縮器110を通じて冷房用膨張弁42、蒸発器60へ流出する。
【0094】
ガスインジェクションユニット20は、蒸発器60から流入して凝縮器50へ流出する。液分離ユニット30は、冷媒を四方切換弁ユニット10から流入して圧縮機70へ流出する。
【0095】
以上が本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100の概略構成及び冷媒回路説明である。以下に本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100に用いられるガスインジェクションユニット20、冷暖コントロールユニット40、四方切換弁ユニット10、比例制御弁22、暖房用膨張弁26と除湿用膨張弁23と冷房用膨張弁42などの電子膨張弁230、逆止弁の構成について詳しく説明する。
【0096】
図15は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100に用いられるガスインジェクションユニット20の斜視図である。ガスインジェクションユニット20は、気密保持可能に積層された複数の金属板25と比例制御弁22が少なくとも設けられている。以下に気密保持可能に積層された複数の金属板25について、詳細に説明する。
【0097】
図16は、ガスインジェクションユニット20に設けられる積層された複数の金属板25の概略図であり、図16(A)は当該金属板25の平面図、図16(B)は当該金属板25のA-A断面図、図16(C)はB-B断面図である。ガスインジェクションユニット20に設けられている比例制御弁22は、複数の金属板25の上に、下記に説明する区分台座を通じて当接されている。これは省スペースのためである。除湿用膨張弁23、逆止弁24、暖房用膨張弁26も同様に複数の金属板25の上に、下記に説明する区分台座を通じて当接されている。
【0098】
ガスインジェクションユニット20に設けられる積層された複数の金属板25は、図16(C)に示すように少なくとも上板251、第一の中間板252、第二の中間板253及び下板254から構成されている。上板251、第一と第二中間板252、253及び下板254のそれぞれに抜き孔が穿設されており、これら板を積層することで、それぞれの抜き孔を冷媒が通り、冷媒回路の一部を形成している。また、逆止弁を当接させるための逆止弁座、銅板、逆止弁天板(不図示)、膨張弁を当接させるためのブクミを設けても良い。
【0099】
また、図16(A)、(B)、(C)に示す様に、区分台座28を設けることが好ましい。区分台座28は、ガスインジェクションユニット20及びを構成する気密保持可能に積層された複数の金属板25の上部に設けられる。後述する図22に示す冷暖コントロールユニット40も同様である。
【0100】
区分台座28は、2以上の金属板から積層して構成され、図16(C)に示すように、例えば、4枚の金属版281、282、283、284から構成され、それぞれに冷媒回路を構成する抜き孔が形成されている。
【0101】
区分台座28は、ガスインジェクションユニット20に設けられる比例膨張弁22、除湿用膨張弁23、暖房用膨張弁26、ガスインジェクションユニット40に設けられる冷房用膨張弁42、バッテリー用膨張弁43の台座として用いられる。
【0102】
区分台座28を設けることで、比例制御弁22や除湿用膨張弁23、暖房用膨張弁26などの制御弁が冷媒を絞り膨張させる上で、冷媒コンパクトな空間が実現し、通過抵抗の効率化が可能となり、冷媒音の発生を防止することができる。
【0103】
なお区分台座に用いられる金属板の枚数や厚みは限定されず、枚数は2以上あれば良い。回路の長さや流量に応じて、枚数や厚みを適宜変更すれば良い。一方、区分台座は、複数の金属板を積層し組み合わせるのではなく、一体に成形されても良い。そのときシボリプレスなどで成形される。
【0104】
図17はガスインジェクションユニット20に設けられる積層された複数の金属板25を構成する上板251の概略図であり、図17(A)は当該上板251の平面図であり、図17(B)は当該上板251の側面図である。図17(A)に示す通り上板251には抜き孔が形成されている。また、上板251の厚みは1.0mm≦t≦2.0mm(tは厚み。以下同様。)が好ましく、1.5mmが特に好ましい。
【0105】
図18はガスインジェクションユニット20に設けられる積層された複数の金属板25を構成する第一の中間板252の概略図であり、図18(A)は当該第一の中間板252の平面図であり、図18(B)は当該第一の中間板252の側面図である。図18(A)に示す通り第一の中間板252には抜き孔が形成されている。また、第一の中間板252の厚みは3.0mm≦t≦4.0mmが好ましく、3.5mmが特に好ましい。
【0106】
図19はガスインジェクションユニット20に設けられる積層された複数の金属板25を構成する第二の中間板253の概略図であり、図19(A)は当該第二の中間板253の平面図であり、図19(B)は当該第二の中間板253の側面図である。図19(A)に示す通り第二の中間板253には抜き孔が形成されている。また、第二の中間板253の厚みは3.0mm≦t≦4.0mmが好ましく、3.5mmが特に好ましい。
【0107】
図20はガスインジェクションユニット20に設けられる積層された複数の金属板25を構成する下板254の概略図であり、図20(A)は当該下板254の平面図であり、図20(B)は当該下板254の側面図である。図20(A)に示す通り下板254には抜き孔が形成されている。また、下板254の厚みは1.0mm≦t≦2.0mmが好ましく、1.5mmが特に好ましい。
【0108】
図20に示す下板254に設けられた抜き孔が、ガスインジェクションユニット20の配管端末と接続し、それぞれの配管端末が凝縮器50、蒸発器60、四方弁ユニット10、圧縮機70、冷暖コントロールユニット40の配管端末へと接続され、冷媒が流通される。また、上記のように金属板25は、気密保持可能に積層される。
【0109】
図21は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100に用いられる冷暖コントロールユニット40の斜視図である。冷暖コントロールユニット40は、気密保持可能に積層された複数の金属板45が少なくとも設けられている。以下に気密保持可能に積層された複数の金属板45について、説明する。
【0110】
図22は、冷暖コントロールユニット40に設けられる積層された複数の金属板45の概略図であり、図22(A)は当該金属板45の平面図、図22(B)は当該金属板45のC-C断面図、図22(C)はD-D断面図である。逆止弁41、冷房用膨張弁42、バッテリー用膨張弁43が設けられた場合、複数の金属板45の上に当接されている。これは省スペースのためである。
【0111】
冷暖コントロールユニット40に設けられる積層された複数の金属板45は、図22(C)に示すように少なくとも上板451、第一の中間板452、第二の中間板453及び下板454から構成されている。上板451、第一と第二中間板452、453及び下板454のそれぞれに抜き孔が穿設されており、これら板を積層することで、それぞれの抜き孔を冷媒が通り、冷媒回路の一部を形成している。
【0112】
冷暖コントロールユニット40は、逆止弁を当接させるための逆止弁座455、銅板456を設けても良い。上記のように金属板45は、気密保持可能に積層される。
【0113】
次に四方切換弁ユニット10について説明する。図23は、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100に用いられる四方切換弁ユニット10の斜視図であり、図23(A)は当該四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が合体されている場合に用いられる四方切換弁ユニット10の斜視図、図23(B)は四方切換弁ユニット10の下部に設けられている積層された複数の金属板11の斜視図で、図23(A)の底面から見た図、図23(C)は四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が分離された場合に用いられる四方切換弁ユニット10の斜視図で、四方切換弁ユニット10の下部にさらに積層された金属板11’が設けられた図である。
【0114】
上述したA,Bタイプは図23(A)に示す四方切換弁ユニット10を用いる。なお、図23(A)に示すユニットの下部には、図23(B)に示した気密保持可能に積層された複数の金属板11が設けられている。C,Dタイプは図23(A)に示す積層された金属板11の下部にさらに積層された金属板11’を四方切換弁ユニット10に取り付け、図23(C)に示す四方切換弁ユニット10’を用いる。なお、A,Bタイプは四方切換弁ユニット10と液分離ユニット30が合体しているので、図23(B)に示す積層された金属板11の下部にさらに積層された金属板11’を用いなくとも良い。
【0115】
次に四方切換弁ユニット10の構成について説明する。図24は、四方切換弁ユニット10に備えられた筒体12の概略図であり、図24(A)は当該筒体12の斜視図、図24(B)は当該筒体12の側面の断面図、図24(C)は図24(B)のA-A断面図である。
【0116】
図24(A)(B)(C)に示すように、四方切換弁ユニット10は、冷媒が出入する第一の接続口13と、第一の接続口13から冷媒が供給される筒体12と、筒体12内に設けられ、接続形態として2者択一できるよう筒体12の軸方向に移動可能なスプール14と、スプール14を通じで冷媒が出入する3つの第二の接続口15、16、17とを備える。
【0117】
スプール14は山形に形成され、スプール14の頂き面に凸部18が設けられ、筒体12の内面に凸部18を受ける凹部19が設けられている。凹部19は、筒体12の内面に左右対称となるよう2つ設けることが好ましい。また、凸部18は凸形状であればよく、樹脂や金属のボールなどの突起物が用いられる。凹部19は凸形状を受ける凹形状であればよく、凹形状に曲げられた板バネが用いられる。冷房や暖房、除湿暖房を使用しない時期になると、冷媒は四方切換弁ユニット10には流通されなくなるが、係る場合、スプール14が車の振動等で筒体12の軸方向の中途半端な位置に移動してしまい、好ましくない。例えば図24(C)に示すようなスプール14の位置によると冷媒が第二の接続口16から17へ流れるが、上記のストッパー的な役割の凸部18及び凹部19が無ければ、車の振動等でスプール14が図のやや左に移動できるようになり、冷媒が第二の接続口15、16、17の3つともに流通できるようになる。また、中途半端な位置に移動した場合、四方切換弁ユニット10に冷媒を流すと、図24(C)に示すAの室とBの室の差圧が生まれないのでスプール14が移動できなくなる。よって、凸部18及び凹部19は上記の点を防止する。
【0118】
スプール14は、金属で山形に成形されたスプールヘッド144と、当該スプールヘッド144を固定するテフロンの台座145を有することが好ましい。スプール14は全て樹脂で成形されても良いが、係る場合には、剛性をもたせるために、樹脂を厚くしなければならず、一方で筒体12内の空間には限りがある。そこで、金属で山形に成形されたスプールヘッド144とすることで、スプール14が薄型化し、筒体12内の省スペース化ができ、様々な流量や圧力に対応できるようになる。また、スプール14は全て樹脂で成形された場合、取付の問題上、凸部18は同じく樹脂製となるが、樹脂製の場合には凹部19との摩擦で耐摩耗性の懸念がある。一方、金属で山形に成形されたスプールヘッド144とすることで、凸部18は金属製を選択でき、上記耐摩耗性が向上する。なお、金属はSUSなどが用いられ、スプールヘッド144はプレスで成形し、テフロンの台座145とモールド成形し一体化すればよい。
【0119】
第一の接続口13は、四方切換弁ユニットの冷媒経路Xに相当し、第二の接続口15、16、17はそれぞれ四方切換弁ユニットの冷媒経路U、V、Wに相当する。
【0120】
図25は、四方切換弁ユニット10の概略図であり、図25(A)は図23(A)の底から見た図であり、図25(B)は図25(A)のA-A断面図である。図25(A)に示すように、図24(A)に示す筒体12に積層された複数の金属板11を設け冷媒を気密保持可能としている。図25(B)で説明すると、筒体12の上部に積層された複数の金属板11が設けられる。積層された複数の金属板11は、下板111、中間板112、上板113から構成されており、それら下板111、中間板112、上板113は、それぞれ冷媒が流通できるよう金属板11の抜き孔115、116、117が穿設されている。金属板11の抜き孔115、116、117は第二の接続口15、16、17に合うように接続され設けられている。
【0121】
下板111に穿設された抜き孔115、116、117の径は、第二の接続口15、16、17の径よりも大きくすることが好ましい。このようにすれば、接続性が向上し、さらに気密保持可能になる。
【0122】
次にガスインジェクションユニット20に設けられた比例制御弁22の構造について説明する。図26はガスインジェクションユニット20に設けられた比例制御弁22の断面図である。
【0123】
比例制御弁22は、図26に示すように、本体部221と、本体部221内に設けられた支柱222と、支柱222に固定され、支柱222を上下方向に移動可能として冷媒の流量を調整するマグネット223及びパルスモーター224と、本体部221に固定されたスライサー225と、支柱222が上下方向に過度な移動を防止する上部ストッパー226及び下部ストッパー227とを有し、支柱222には、上部ストッパー226及び下部ストッパー227を取り付け可能とする溝が形成されていることを特徴とする。
【0124】
パルスモーター224でマグネットを上下回転させると、支柱222が上下する。このとき上部ストッパー226及び下部ストッパー227は支柱に固定されているので、これらは同時に上下する。その上下量によって、冷媒の流量を調整している。流量を多くする場合には支柱222をより上にするためにパルス数を上げればよい。
【0125】
スライサー225は、本体部221に固定されている。また支柱には溝228が形成されており、支柱222の上部に上部ストッパー226、支柱222の下部に下部ストッパー227をその溝に取り付ける。スライサー225、上部ストッパー226及び下部ストッパー227を取り付けることで、支柱222が上下方向に移動しようとする場合、本体部221に固定されたスライサー225が上部ストッパー226及び下部ストッパー227にひっかかり、上部ストッパー226及び下部ストッパー227の間の距離のみ、支柱222が上下方向に移動可能となる。そうすることで、パルスモーターに不具合が生じたときの冷媒の過剰流出を防止できる。なお、上部ストッパー226及び下部ストッパー227は、例えばCリングを用いればよい。下記に説明する電子膨張弁も同様の構成である。
【0126】
比例制御弁22内は、矢印のAからBのように冷媒が流通する。比例制御弁22の支柱222に設けられた弁座222’を比例制御弁22の軸方向(図26でいう上下)に動かすことで冷媒の流量を調整する。
【0127】
また、弁座222’の長さを軸方向に大きくすることで、振動等によるブレを防止する。さらに比例制御弁22の上部229を曲面にすることが好ましい。このようにすれば耐内圧力が向上する。
【0128】
図27は、逆止弁の断面における概略図である。本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100は、図27に示すような、縦型の逆止弁41がさらに備えることが好ましい。逆止弁41は、外筒411と、外筒411の内側に設けられる内筒412と、内筒412の底部に設けられ冷媒を流入させ、かつ流出させないための弁413と、内筒412の側面に設けられ冷媒を流出させるためのポート(穴)414と有することを特徴とする。
【0129】
冷媒は、図27の実線の矢印のように逆止弁41内に流入して通過する。冷媒は弁413を図27でいう上に押し上げると、弁413と内筒412との間に隙間が生じ、その隙間から冷媒が内筒412内に流入する。そして流入した冷媒は、内筒412の側面に設けられポート(穴)414から流出し、外筒411と内筒412の間に設けられた隙間を通過し流出される。一方、図27左から冷媒がポート414を通じ内筒413内に流れても、弁413が設けられているので、弁か413から図27の左に冷媒が流出することはない。
【0130】
一般的な逆止弁は横型であるが、本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100に用いられる逆止弁41は、縦型である。上記逆止弁41の構造は、上記第一の逆止弁24、第二の逆止弁27にも適用できる。
【0131】
図28は暖房用膨張弁、除湿用膨張弁、冷房用膨張弁の断面図である。本発明の一実施形態に係るヒートポンプシステム100に用いられる暖房用膨張弁、除湿用膨張弁、冷房用膨張弁を総称して以下、電子膨張弁230という。電子膨張弁230は、図28に示す様に、本体部231と、本体部231内に設けられた支柱232と、支柱232に固定され、支柱232を上下方向に移動可能として冷媒の流量を調整するマグネット233及びパルスモーター234と、本体部231に固定されたスライサー235と、支柱232が上下方向に過度な移動を防止する上部ストッパー236及び下部ストッパー237とを有し、支柱232には、上部ストッパー236及び下部ストッパー237を取り付け可能とする溝238が形成されている。
【0132】
パルスモーター234でマグネットを上下回転させると、支柱232が上下する。このとき上部ストッパー236及び下部ストッパー237は支柱に固定されているので、これらは同時に上下する。その上下量によって、冷媒の流量を調整している。流量を多くする場合には支柱232をより上にするためにパルス数を上げればよい。
【0133】
スライサー235は、本体部231に固定されている。また支柱には溝238が形成されており、支柱232の上部に上部ストッパー236、支柱232の下部に下部ストッパー237をその溝に取り付ける。スライサー235、上部ストッパー236及び下部ストッパー237を取り付けることで、支柱232が上下方向に移動しようとする場合、本体部231に固定されたスライサー235が上部ストッパー236及び下部ストッパー237にひっかかり、上部ストッパー236及び下部ストッパー237の間の距離のみ、支柱232が上下方向に移動可能となる。そうすることで、パルスモーターに不具合が生じたときの冷媒の過剰流出を防止できる。
【0134】
以上、説明したように本発明によれば、小型軽量・薄型化に加えて、組立作業性に優れ、生産性の向上を図って製作コストを低減するため、冷媒制御部材を予め一体に配管してユニット化され、コンパクト化によるコストパフォーマンスの実現や、特に極低温に十分に対応可能なヒートポンプシステムを提供することを提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明に係る自動車空調用配管ユニットは、内燃機関を常時発動するとは限らない駆動方式の自動車、例えば、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)等に搭載されるヒートポンプシステムに採用される。
【0136】
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0137】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、ヒートポンプシステムの構成、動作も本発明の実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0138】
10、10’ 四方切換弁ユニット、11 (四方切換弁ユニットの)積層された複数の金属板、11’ (四方切換弁ユニットに設けられた複数の金属板の下部に設けられた)金属板、12 筒体、13 第一の接続口、14 スプール、15、16、17 第二の接続口、18 凸部、19 凹部、20 ガスインジェクションユニット、22 比例制御弁、23 除湿用膨張弁、24 第一の逆止弁、25 積層された複数の金属板(ガスインジェクションユニット)、26 暖房用膨張弁、27 第二の逆止弁、28 区分台座、30 液分離ユニット、31 第三の逆止弁、40 冷暖コントロールユニット、41 逆止弁、42 冷房用膨張弁、43 バッテリー用膨張弁、45 積層された複数の金属板(冷暖コントロールユニット)、48 区分台座、50 凝縮器、60 蒸発器、100 ヒートポンプシステム、110 室外凝縮器、120 送風機、130バッテリーインバータ冷却器、
111 下板、112 中間板、 113 上板、115、116、117 金属板の抜き孔、
144 スプールヘッド、145 テフロンの台座、
221 本体部、222 支柱、222’ 弁座、223 マグネット、224 パルスモーター、225 スライサー、226 上部ストッパー、227 下部ストッパー、228 溝、229 比例制御弁の上部、
230 電子膨張弁、231 本体部、232 支柱、233 マグネット、234 パルスモーター、235 スライサー、236 上部ストッパー、237 下部ストッパー、238 溝、
251 上板、252 第一の中間板、253 第二の中間板、254 下板、
281、282、283、284 (区分台座の)金属板、
411 外筒、412 内筒、413 弁、414 ポート、
451 上板、452 第一の中間板、453 第二の中間板、454 下板、455 逆止弁座、456 銅板、481、482、483、484 (区分台座の)金属板、
U,V,X,W 四方切換弁ユニットの冷媒経路、
A、B 四方切換弁ユニットに備えられた筒体の室
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
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図26
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図28