(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】ベッド用テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 23/02 20060101AFI20230815BHJP
A47C 21/00 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
A47B23/02
A47C21/00
(21)【出願番号】P 2019153621
(22)【出願日】2019-08-26
【審査請求日】2022-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】中尾 瑞歩
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-103335(JP,A)
【文献】実開平01-095131(JP,U)
【文献】実開平04-019270(JP,U)
【文献】実開平03-098675(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 23/00-23/02
A47C 21/00
A61G 7/05
A61G 12/00
A47G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドに設けられた左右の側柵に架設するベッド用テーブルにおいて、
使用時に左右の側柵に支持される支持部を左右側部に設けるとともに、非使用時にベッド用テーブルを係止するための係止部を裏側部に進退可能に設けて、係止部を後退させた収納姿勢から前進させてベッド用テーブルを係止するための係止姿勢に姿勢変更可能とし
、係止部の先端部分が収納姿勢で挿入される凹部を設けたことを特徴とするベッド用テーブル。
【請求項2】
ベッドに設けられた左右の側柵に架設するベッド用テーブルにおいて、
使用時に左右の側柵に支持される支持部を左右側部に設けるとともに、非使用時にベッド用テーブルを係止するための係止部を裏側部に進退可能に設けて、係止部を後退させた収納姿勢から前進させてベッド用テーブルを係止するための係止姿勢に姿勢変更可能とし
、係止部は、フックの基端部を前後回動自在とするとともに、フックの先端部に上方へ向けて押圧することでフックを回動させて収納姿勢から係止姿勢に姿勢変更させる押圧面を形成したことを特徴とするベッド用テーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに設けられた左右の側柵に架設するベッド用テーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、主に介護用や病院用のベッドなどにおいては、使用者が食事をしたり作業をしたり読書をしたりするために、左右側部に設けられた側柵の間に架設して使用されるベッド用テーブルが提供されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
このベッド用テーブルは、使用時には左右の側柵間に架設されるが、非使用時には、使用者の起床・就床の妨げにならないように左右の側柵から外して仕舞えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ベッド用テーブルを非使用時に仕舞えるようにするために、裏面にフックを取付けて、ベッドに設けられた側柵にフックを係止することでベッド用テーブルを収納することが考えられる。
【0006】
しかしながら、ベッド用テーブルの裏面にフックを取付ける場合には、フックを側柵に容易に係止できるようにするために、ベッド用テーブルの裏面にフックを大きく突出させる必要があり、テーブルとして使用する際や非使用時に収納する際などにフックが邪魔になるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に係る本発明では、ベッドに設けられた左右の側柵に架設するベッド用テーブルにおいて、使用時に左右の側柵に支持される支持部を左右側部に設けるとともに、非使用時にベッド用テーブルを係止するための係止部を裏側部に進退可能に設けて、係止部を後退させた収納姿勢から前進させてベッド用テーブルを係止するための係止姿勢に姿勢変更可能とし、係止部の先端部分が収納姿勢で挿入される凹部を設けることにした。
【0010】
また、請求項2に係る本発明では、ベッドに設けられた左右の側柵に架設するベッド用テーブルにおいて、使用時に左右の側柵に支持される支持部を左右側部に設けるとともに、非使用時にベッド用テーブルを係止するための係止部を裏側部に進退可能に設けて、係止部を後退させた収納姿勢から前進させてベッド用テーブルを係止するための係止姿勢に姿勢変更可能とし、係止部は、フックの基端部を前後回動自在とするとともに、フックの先端部に上方へ向けて押圧することでフックを回動させて収納姿勢から係止姿勢に姿勢変更させる押圧面を形成することにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0012】
すなわち、本発明では、ベッドに設けられた左右の側柵に架設するベッド用テーブルにおいて、使用時に左右の側柵に支持される支持部を左右側部に設けるとともに、非使用時にベッド用テーブルを係止するための係止部を裏側部に進退可能に設けて、係止部を後退させた収納姿勢から前進させてベッド用テーブルを係止するための係止姿勢に姿勢変更可能とすることにしているために、係止部を収納姿勢とすることで係止部の突出量を低減させることができ、係止部を係止姿勢とすることで係止部を側柵等に容易に係止させることができる。
【0013】
特に、前記係止部を収納姿勢に付勢し、付勢力に抗して係止姿勢に姿勢変更させることにした場合には、係止部が不用意に突出してしまうのを防止することができる。
【0014】
また、前記係止部の先端部分が収納姿勢で挿入される凹部を設けることにした場合には、収納姿勢での係止部の突出量をより一層低減させることができる。
【0015】
また、前記係止部を、フックの基端部を前後回動自在とするとともに、フックの先端部に上方へ向けて押圧することでフックを回動させて収納姿勢から係止姿勢に姿勢変更させる押圧面を形成することにした場合には、両手でベッド用テーブルを持ち上げて側柵等に向けて降ろす動作によって係止部のフックを側柵等により一層容易に係止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係るベッド用テーブルの使用状態を示す平面図(a)、右側面図(b)。
【
図2】ベッド用テーブルを示す正面図(a)、平面図(b)、底面図(c)、左側面図(d)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係るベッド用テーブルの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1に示すように、ベッド用テーブル1は、ベッド2の基台3の左右側部に設けられた左右の側柵4,5の上に架設して使用される(
図1中に実線で示す。)。このベッド用テーブル1は、非使用時には、左右の側柵4,5や前側の側柵6(フットボード)や後側の側柵7(ヘッドボード)に係止して仕舞えるようになっている(
図1中に一点鎖線で示す。)。
【0019】
ベッド用テーブル1は、
図2に示すように、横長矩形板状の本体8の裏面左右端部に凹部9,9を形成し、各凹部9に縦長矩形板状の支持板10をスライド移動自在に設けている。
【0020】
支持板10には、外側端部に凹状の支持部11が設けられており、左右の支持板10の支持部11を左右の側柵4,5の上部に載置することで、ベッド用テーブル1を左右の側柵4,5に架設できるようになっている。この支持板10は、本体8の凹部9に収容した状態から左右外方へ向けて引き出した状態に移動させることができ、移動させた状態で締結具12で固定することができ、左右の側柵4,5の幅(距離)が異なる様々なベッド2に装着できるようになっている。
【0021】
また、ベッド用テーブル1は、本体8の裏面左右側上端部に、ベッド用テーブル1の非使用時に側柵4~7に係止するための係止部13,13が設けられている。なお、ここでは、ベッド用テーブル1の係止部13,13を側柵4~7に係止することにしているが、側柵4~7に限られず壁に設けたフック等のようにベッド用テーブル1を係止させることができるものであればよい。
【0022】
係止部13は、
図3に示すように、本体8の裏面上端部に凹部14を形成し、凹部14にフック15の基端部(上端部)を本体8の裏面に対して前後回動自在に取付けている。これにより、係止部13のフック15は、本体8に対して進退可能に設けられており、係止部13のフック15を後退させた収納姿勢(
図4(a)参照。)から前進させて側柵4~7に係止する係止姿勢(
図4(d)参照。)に姿勢変更可能となっている。なお、フック15の基端部分を本体8に形成した凹部14(本体8の裏側表面よりも一段下がった位置)に取付けることによって、フック15が本体8の裏面から突出する量を低減させている。
【0023】
また、係止部13は、フック15の基端部に左右それぞれに水平に伸延する回動軸16が設けられている。回動軸16には、一端を本体8の凹部14に固定するとともに他端をフック15に固定したバネ17が取付けられている。これにより、係止部13のフック15は、バネ17の付勢力によって収納姿勢に付勢されている。
【0024】
フック15は、収納姿勢において、基端部を前方に向けて水平に伸延させるとともに、中途部を前側下方に向けて前低後高状に傾斜させ、先端部を後側上方に向けて円弧状に折曲させるとともに先端部をフック15の回動方向と交差する方向に伸延させ、先端を後方に向けて水平に伸延させた形状としている。
【0025】
水平に形成されたフック15の先端部分は、収納姿勢において、本体8の裏面上部に形成された凹部18に挿入されている。なお、フック15の先端部分を本体8に形成した凹部18(本体8の裏側表面よりも一段下がった位置)に挿入することによって、フック15の先端と本体8の裏面との間に物や指などが不用意に挟まれるのを防止するとともに、フック15が本体8の裏面から突出する量を低減させている。
【0026】
また、後側上方に向けて折曲させたフック15の先端部外側は、収納姿勢において、フック15の回動方向よりも外側(前側)へ向かう方向と直交する面(押圧面19)が形成される。この押圧面19は、側柵4~7の上端部などで鉛直上方に向けて押圧することで、その押圧力の分力でフック15を前側上方へ向けて回動させるように作用し、フック15を収納姿勢から係止姿勢に姿勢変更させることができる。なお、押圧面19の前方(フック15の下端部)に円弧面(案内面20)を形成することで、押圧面19を押圧する側柵4~7の上端部などを案内面20に沿わせて押圧面19へと案内することができる。押圧面19は、上方への力を受けてフック15を収納姿勢から係止姿勢へ向けて姿勢変更させるように回動させる分力が作用する面であればよく、一定角度で傾斜する平面でもよく、傾斜角度が連続して変化する連続面(曲面)でもよい。
【0027】
ベッド用テーブル1は、以上に説明したように構成しており、使用時には、ベッド2の左右の側柵4,5の間隔に合わせて本体8から左右の支持板10を移動させ、左右の側柵4,5の水平な上端部分に支持板10の支持部11を載置し、これにより、本体8の表面(上面)を水平にした状態で左右の側柵4,5の上端部間に架設される。
【0028】
そして、ベッド用テーブル1は、非使用時には、係止部13のフック15を側柵4~7などに係止することで、ベッド2からの起床やベッド2への就床の妨げとならないようにすることができる。
【0029】
その際には、
図4に示すように、ベッド用テーブル1を持ち上げ、係止部13のフック15を側柵5の上端の直上方に位置させ(
図4(a))、その後、ベッド用テーブル1を降下させ、係止部13のフック15の先端部の案内面20を側柵5の上端に当接させる(
図4(b))。さらにベッド用テーブル1を降下させると、フック15の案内面20の作用で側柵5の上端がフック15の押圧面19に案内され、側柵5の上端でフック15の押圧面19を上方へ向けて押圧し、フック15がバネ17の付勢力に抗してフック15の先端が本体8の裏面から離反して隙間が形成されフック15が収納姿勢から係止姿勢へ向けて姿勢変更する(
図4(c))。その後、フック15の先端と本体8の裏面との間に形成された隙間から側柵5を挿通させ、フック15の先端部を側柵5に係止させる(
図4(d))。これにより、ベッド用テーブル1を側柵5に容易に係止することができる。
【0030】
以上に説明したように、上記ベッド用テーブル1は、使用時に左右の側柵4,5に支持される支持部11,11を左右側部に設けるとともに、非使用時にベッド用テーブル1を係止するための係止部13を裏側部に進退可能に設けて、係止部13を後退させた収納姿勢から前進させてベッド用テーブル1を係止するための係止姿勢に姿勢変更可能とする構成となっている。
【0031】
そのため、上記構成のベッド用テーブル1では、係止部13を収納姿勢とすることで係止部13の突出量を低減させることができ、係止部13を係止姿勢とすることで係止部13を側柵4~7等に容易に係止させることができる。
【0032】
また、上記ベッド用テーブル1は、係止部13を収納姿勢に付勢し、付勢力に抗して係止姿勢に姿勢変更させる構成となっている。
【0033】
そのため、上記構成のベッド用テーブル1では、係止部13が不用意に突出してしまうのを防止することができる。
【0034】
また、上記ベッド用テーブル1は、係止部13の先端部分が収納姿勢で挿入される凹部18を設けた構成となっている。
【0035】
そのため、上記構成のベッド用テーブル1では、収納姿勢での係止部13の突出量をより一層低減させることができる。
【0036】
また、上記ベッド用テーブル1は、フック15の基端部を前後回動自在とするとともに、フック15の先端部に上方へ向けて押圧することでフック15を回動させて収納姿勢から係止姿勢に姿勢変更させる押圧面19を形成した構成となっている。
【0037】
そのため、上記ベッド用テーブル1では、両手でベッド用テーブル1を持ち上げて側柵4~7等に向けて降ろす動作によって係止部13のフック15を側柵4~7等により一層容易に係止させることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 ベッド用テーブル 2 ベッド
3 基台 4~7 側柵
8 本体 9 凹部
10 支持板 11 支持部
12 締結具 13 係止部
14 凹部 15 フック
16 回動軸 17 バネ
18 凹部 19 押圧面
20 案内面