(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
A63F7/02 316C
(21)【出願番号】P 2019176365
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】共田 英夏
【審査官】中村 俊太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-131347(JP,A)
【文献】特開2018-166651(JP,A)
【文献】特開平05-161742(JP,A)
【文献】特開2001-293166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入賞困難又は入賞不能な第一状態及び前記第一状態よりも遊技球が入賞容易な第二状態に相互に作動可能に構成された普通電動役物と、
前記普通電動役物へ入賞した遊技球が通過可能な通路である入賞通路の特定の領域である特定領域を遊技球が通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する非電動役物と、
前記非電動役物が前記第一状態又は前記第二状態のいずれにあるかを検知する作動検知手段と、
前記第一状態から前記第二状態に作動した前記非電動役物へ遊技球が入賞する毎に所定の軸を中心とした所定角度の回転動作を行い、前記非電動役物へ規定数の遊技球が入賞した場合に前記非電動役物を前記第二状態から前記第一状態に作動させる基準位置に位置するギヤと、
前記ギヤが前記基準位置に位置することを検知する位置検知手段と、
前記作動検知手段によって前記非電動役物が前記第二状態から前記第一状態に作動したことが検知された場合に、前記ギヤが前記基準位置に位置するかを判断する位置判断手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記規定数が2以上であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特定領域は、第一特定領域及び第二特定領域の少なくとも二つの前記特定領域を含み、
前記非電動役物は、前記第一特定領域を遊技球が通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する第一非電動役物と、前記第二特定領域を遊技球が通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する第二非電動役物とを含み、
前記普通電動役物及び前記非電動役物を含む入賞口に遊技球が入賞することに応じて所定の遊技利益を付与する付与手段を備え、
前記第一非電動役物へ遊技球が入賞したことに起因して付与される遊技利益は、前記第二非電動役物へ遊技球が入賞したことに起因して付与される遊技利益よりも大きく、
前記位置検知手段は、少なくとも前記第一非電動役物に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非電動役物を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気的に制御されて作動する普通電動役物、特別電動役物とは異なり、電気的な制御によらずメカニカルに作動する、非電動役物を備えた遊技機が知られている。特許文献1は、非電動役物が開放したことを検知するセンサを設け、非電動役物が開放されているかをセンサの検知結果に応じて電気的な制御で監視する遊技機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技中に非電動役物が作動するタイミングは、遊技仕様によって様々である。したがって、センサの検知結果を単純に利用するのでは、非電動役物の作動が正常な遊技によるものか、不正な遊技によるものかを判断することが難しい場合があるといった問題がある。
【0005】
本発明は、非電動役物に関する遊技が不正なものである場合に、そのことを適切に検出できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、遊技球が入賞困難又は入賞不能な第一状態及び前記第一状態よりも遊技球が入賞容易な第二状態に相互に作動可能に構成された普通電動役物と、前記普通電動役物へ入賞した遊技球が通過可能な通路である入賞通路の特定の領域である特定領域を遊技球が通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する非電動役物と、前記非電動役物が前記第一状態又は前記第二状態のいずれにあるかを検知する作動検知手段と、前記第一状態から前記第二状態に作動した前記非電動役物へ遊技球が入賞する毎に所定の軸を中心とした所定角度の回転動作を行い、前記非電動役物へ規定数の遊技球が入賞した場合に前記非電動役物を前記第二状態から前記第一状態に作動させる基準位置に位置するギヤと、前記ギヤが前記基準位置に位置することを検知する位置検知手段と、前記作動検知手段によって前記非電動役物が前記第二状態から前記第一状態に作動したことが検知された場合に、前記ギヤが前記基準位置に位置するかを判断する位置判断手段とを備える。
【0007】
第二状態にある非電動役物を第一状態にするために、ギヤが用いられることがある。非電動役物への遊技球の入賞に伴うギヤの回転動作に不具合が生じた場合、非電動役物が第二状態から第一状態に作動したときに、ギヤが基準位置に配置されない事象が生じ得る。この状態で非電動役物が第一状態から第二状態に作動した場合、非電動役物へ入賞した遊技球が規定数に満たない状態で、非電動役物が第二状態から第一状態に作動に作動する可能性がある。本発明に係る遊技機は、非電動役物が第二状態から第一状態に作動した場合に、ギヤが基準位置に位置するかを判断できる。これにより、非電動役物が第二状態から第一状態に作動した場合にギヤが基準位置に位置しない不具合の発生が特定される。したがって、本発明に係る遊技機は、非電動役物に関する遊技が不正なものである場合に、そのことを適切に検出できる。
【0008】
前記規定数が2以上であってもよい。
【0009】
例えば、規定数が2である場合、遊技者は第二状態の非電動役物へ2個の遊技球が入賞することによって非電動役物が第二状態から第一状態に作動することを期待して遊技を進める。この場合において、非電動役物へ入賞した遊技球が規定数に満たない1個であるのに非電動役物が第二状態から第一状態に作動した場合には、遊技者は落胆する。遊技機は、このような事象の発生を抑止するため、規定数が2以上の非電動役物について、ギヤの回転動作に不具合が生じていないかを判断する。これにより、遊技機は、非電動役物に関する遊技を円滑に進めることができる。
【0010】
前記特定領域は、第一特定領域及び第二特定領域の少なくとも二つの前記特定領域を含み、前記非電動役物は、前記第一特定領域を遊技球が通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する第一非電動役物と、前記第二特定領域を遊技球が通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する第二非電動役物とを含み、前記普通電動役物及び前記非電動役物を含む入賞口に遊技球が入賞することに応じて所定の遊技利益を付与する付与手段を備え、前記第一非電動役物へ遊技球が入賞したことに起因して付与される遊技利益は、前記第二非電動役物へ遊技球が入賞したことに起因して付与される遊技利益よりも大きく、前記位置検知手段は、少なくとも前記第一非電動役物に設けられてもよい。
【0011】
普通電動役物へ遊技球が入賞することに起因して作動し得る第一非電動役物及び第二非電動役物が設けられる場合、いずれかの非電動役物へ遊技球が入賞したときに、他の非電動役物へ遊技球が入賞したときよりも遊技利益が大きくなるようにされることがある。遊技機は、入賞に起因する遊技利益がより大きい非電動役物について、少なくとも位置検知手段を設けるので、付与手段によって付与される遊技利益が本来の遊技によるものよりも少なくなるような不具合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】大当たり遊技中の電チュー等の基本動作を示すタイミングチャートである。
【
図4】大当たり遊技中の電チュー等の基本動作を示すタイミングチャートである。
【
図5】大当たり遊技中の電チュー等の基本動作を示すタイミングチャートである。
【
図7】入賞口ユニット20の内部構造を示す図である。
【
図8】入賞口ユニット20の内部構造を示す図である。
【
図9】入賞口ユニット20の内部構造を示す図である。
【
図10】第一非電動役物17が閉鎖状態と開放状態との間で切り替わる流れを示す説明図である。
【
図12】第二非電動役物18が閉鎖状態と開放状態との間で切り替わる流れを示す説明図である。
【
図13】第一非電作動センサ81が遮蔽板173Eを検知する動作を示す説明図である。
【
図14】第一非電ギヤセンサ85が遮蔽板176Dを検知する動作を示す説明図である。
【
図15】第一非電作動センサ81の出力信号と第一非電ギヤセンサ85の出力信号との関係を示すタイムチャートである。
【
図16】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図17】RAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。
【
図18】ROM53に記憶されている第一普通図柄決定テーブルの概念図である。
【
図19】第一電チュー13の開放パターン及び振分部作動パターンを示すタイムチャートである。
【
図20】ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルの概念図である。
【
図21】主基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。
【
図22】メイン処理において行われる第一普通図柄処理のフローチャートである。
【
図23】第一普通図柄処理において行われる第一許容数決定処理のフローチャートである。
【
図24】メイン処理において行われる第一普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図26】第一普通電動役物処理において行われる第二非電過剰入賞判断処理のフローチャートである。
【
図27】メイン処理において行われる第二普通図柄処理のフローチャートである。
【
図28】メイン処理において行われる第二普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図29】メイン処理において行われる第三普通図柄処理のフローチャートである。
【
図30】メイン処理において行われる第三普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図31】メイン処理において行われる第四普通図柄処理のフローチャートである。
【
図32】大当たり遊技終了コマンドの詳細を説明する説明図である。
【
図33】メイン処理において行われる第四普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図34】メイン処理において行われる非電動役物処理のフローチャートである。
【
図35】非電動役物処理において行われる確認スイッチ検知時処理のフローチャートである。
【
図36】非電動役物処理において行われる非電開放時処理のフローチャートである。
【
図37】非電動役物処理において行われる第一非電入賞時処理のフローチャートである。
【
図38】非電動役物処理において行われる第二非電入賞時処理のフローチャートである。
【
図39】非電動役物処理において行われる第一非電閉鎖時処理のフローチャートである。
【
図40】非電動役物処理において行われる第二非電閉鎖時処理のフローチャートである。
【
図41】非電動役物処理において行われる第一非電閉鎖判断処理のフローチャートである。
【
図42】第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行しているべきタイミングを説明するタイムチャートである。
【
図43】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、
図1及び
図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。パチンコ機1は、複数の普通電動役物に加えて第二種非電動役物を備えた、いわゆる一般電役タイプの遊技仕様の遊技機である。本願が開示する技術は、旧1種タイプ、旧2種タイプ、1種2種混合タイプ、普通機タイプ等、様々な遊技仕様の遊技機に適用できる。
【0014】
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(
図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(
図16参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。左右のスピーカ48の間には、パチンコ機1の製造元を示す「TOYOMARU」のロゴを表示可能なロゴ表示部36が設けられている。ロゴ表示部36の内部にはLED等の電飾部材が設けられており、ロゴを様々な色で表示できる。
【0015】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り8の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り8の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り8の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り8の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0016】
センター飾り8は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、報知演出を実行可能である。報知演出は、演出用の図柄である演出図柄(図示略)を変動させた後に、後述する第一普通当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させることで、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。
【0017】
センター飾り8の略中央下方には、遊技球が通過可能なゲート11が設けられている。ゲート11は、第一普通図柄の作動ゲートである。センター飾り8の右方には、複数の入賞口が一体に設けられたユニット部品である入賞口ユニット20が設けられている。入賞口ユニット20は、第一電チュー13、第一非電動役物17及び第二非電動役物18を備える。第一電チュー13は、普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)として設けられる電動チューリップ(以下、「電チュー」という。)の一つである。第一電チュー13は、入賞口ユニット20の上部に設けられる。第一電チュー13は、第一電チュー13の入口を開閉する開閉部材131を備える。入賞口ユニット20の上部に設けられた第一流路201(
図6参照)を流れる遊技球は、開閉部材131によって第一電チュー13の入口が開放された場合にのみ、第一電チュー13に入賞できる。第一電チュー13は、第四普通図柄の作動口である。
【0018】
第一非電動役物17は、入賞口ユニット20の略中央部に設けられる。第一非電動役物17は、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。第二種非電動役物は、電動役物(電気的動力によって動作する役物)以外の役物であり、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞した場合又は特定のゲートを通過した場合に作動する役物である。すなわち、第一非電動役物17の入口は、ソレノイド等によって電気的に開閉されるものではなく、機械的に開閉される。本実施形態では、第一非電動役物17が開放状態の場合にのみ、入賞口ユニット20の中央部に設けられた第五流路205(
図6参照)を流れる遊技球が第一非電動役物17に入賞できる。なお、第一非電動役物17は、入口が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開放状態が閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。第一非電動役物17は、第二普通図柄の作動口としても機能する。
【0019】
第二非電動役物18は、入賞口ユニット20の下部に設けられる。第二非電動役物18も、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。本実施形態では、第二非電動役物18が開放状態の場合にのみ、入賞口ユニット20の下部に設けられた第七流路207(
図6参照)を流れる遊技球が第二非電動役物18に入賞できる。なお、第二非電動役物18は、入口が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開放状態が閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。第二非電動役物18は、普通図柄の作動口として機能しない。以下、第一非電動役物17及び第二非電動役物18を総称する場合、単に、非電動役物という。
【0020】
入賞口ユニット20の略中央下方には、第二電チュー14が設けられている。第二電チュー14は、第三普通図柄の作動口である。第二電チュー14の左下方には、第三電チュー15が設けられている。第三電チュー15は、第一電チュー13と同様に、第四普通図柄の作動口である。第二電チュー14の右下方には、第四電チュー16が設けられている。第四電チュー16は、普通図柄の作動口として機能しない。第二電チュー14、第三電チュー15、第四電チュー16のそれぞれは、第一電チュー13と同様に、開閉部材141,151,161を備える。第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16のそれぞれの開閉部材141,151,161が開放された場合にのみ、遊技球は第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16に入賞できる。以下、第一電チュー13、第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16を総称する場合、単に、電チューという。電チューの各開閉部材131,141,151,161は、ソレノイドによって開閉される。電チューは、それぞれの開閉部材131,141,151,161が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材131,141,151,161が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。
【0021】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、各種の電飾部材、その他の入賞口及び遊技くぎ(図示略)等が設けられている。アウト口19は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、電チュー、非電動役物及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0022】
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、ゲート11を通過しやすい。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、電チュー及び非電動役物に入賞しやすい。左打ちされた遊技球が電チュー及び非電動役物に入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
【0023】
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一普通図柄表示部、第二普通図柄表示部、第三普通図柄表示部、第四普通図柄表示部、第一普通図柄記憶数表示LED、第二普通図柄記憶数表示LED、第三普通図柄記憶数表示LED及び第四普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一~第四普通図柄表示部は、それぞれ1の7セグメントLEDからなり、第一~第四普通当たり判定の結果を示す第一~第四普通図柄を、LEDの点灯及び消灯によって表示する。第一~第四普通図柄記憶数表示LEDは、第一~第四普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である保留球の個数(いわゆる「保留球数」)を表示する。第一普通図柄に係る保留球数を第一保留球数という。第二普通図柄に係る保留球数を第二保留球数という。第三普通図柄に係る保留球数を第三保留球数という。第四普通図柄に係る保留球数を第四保留球数という。以下では、第一~第四普通図柄を総称する場合、単に普通図柄という。
【0024】
図3から
図5を参照して、パチンコ機1の遊技例について説明する。パチンコ機1では、左打ちで遊技を開始して、遊技球がゲート11を通過することを契機として、第一当たり乱数が取得される。取得された第一当たり乱数に基づいて、第一普通当たり判定が行われる。パチンコ機1では、第一普通当たり判定において当たりと判定される確率(以下、「第一普通当たり確率」という。)は、約1/150である。なお、第一普通当たり確率は、約1/150より低くても高くてもよい。以下、第一普通当たり判定によって当たりと判定されることを、「第一普通当たり」ともいう。本実施形態において、ゲート11を通過した遊技球に対して、第一普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。
【0025】
パチンコ機1には、第一電チュー13が開放される第一普通当たり遊技に、「大出玉」及び「小出玉」の種類がある。パチンコ機1は、第一普通当たり遊技において第一電チュー13に遊技球が入賞することを契機として、他の電チュー及び非電動役物が連続的に開放する。パチンコ機1において、電チュー及び非電動役物が連続的に開放する遊技を、「大当たり遊技」という。大当たり遊技において払い出される賞球の総数は、大出玉の第一普通当たり遊技の実行を契機として大当たり遊技が行われる場合の方が、小出玉の第一普通当たり遊技の実行を契機として大当たり遊技が行われる場合よりも多い。
【0026】
図3及び
図4を参照して、大出玉の第一普通当たり遊技の実行を契機として行われる大当たり遊技について説明する。
図3に示すように、遊技球がゲート11を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄が変動を開始する。第一普通図柄の変動に同期して、表示画面28、スピーカ48等によって報知演出が行われる。普通図柄の変動のうち、当たりを示す図柄が確定表示される変動を当たり変動といい、はずれを示す図柄が確定表示される変動をはずれ変動という。
【0027】
第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定され、第一普通図柄の当たり変動の終了後に、大出玉の第一普通当たり遊技が行われたとする。第一普通当たり遊技は、第一普通当たりを示す第一普通図柄が確定表示された後に行われる。開放された第一電チュー13に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。第一普通当たり遊技で開放された第一電チュー13に遊技球を入賞させるため、遊技者は、遊技を左打ちから右打ちに変更する。一旦開放された第一電チュー13は、第一開放パターンP1(
図19参照)による開放の終了及び10個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、第一普通当たり遊技が実行されている間には、第一普通図柄は変動しない。
【0028】
第一電チュー13へ入賞した遊技球は、第一電チュー13へ入賞した遊技球のみが通過できる第一内部流路221(
図7及び
図8参照)を流下した後、第一特定領域231A又は第二特定領域232Aを通過する。遊技球が第一特定領域231Aを通過した場合、第一非電動役物17が開放状態になる。遊技球が第二特定領域232Aを通過した場合、第二非電動役物18が開放状態になる。開放状態の第一非電動役物17に第一閉鎖入賞数(本実施形態では2個)の遊技球が入賞すると、第一非電動役物17が閉鎖状態になる。開放状態の第二非電動役物18に第二閉鎖入賞数(本実施形態では1個)の遊技球が入賞すると、第二非電動役物18が閉鎖状態になる。なお、非電動役物への入賞に伴い、所定の賞球が払い出される。
【0029】
パチンコ機1では、大出玉の第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ入賞した遊技球のうち1個だけが第一特定領域231Aを通過し、その他は第二特定領域232Aを通過する。本実施形態では、複数の遊技球が第二特定領域232Aを通過した後、1個の遊技球が第一特定領域231Aを通過する。したがって、第一電チュー13へ10個の遊技球が入賞した場合、第二非電動役物18が9回の開閉を繰り返した後、第一非電動役物17が1回の開閉を行う。本実施形態では、第一普通当たり遊技の実行中に第二非電動役物18が開閉し、第一普通当たり遊技の実行中又は実行後に第一非電動役物17が開閉する。第一非電動役物17及び第二非電動役物18が開閉する詳しい構成については後述する。
【0030】
第一電チュー13は、第四普通図柄の作動口であるので、第一電チュー13へ遊技球が入賞することを契機として、第四当たり乱数が取得される。第一非電動役物17は、第二普通図柄の作動口であるので、第一非電動役物17へ遊技球が入賞することを契機として、第二当たり乱数が取得される。
【0031】
パチンコ機1は、複数の普通図柄のそれぞれについて、他の普通図柄に対して優先的に変動するか否かを示す変動優先順位を定める。具体的には、第四普通図柄の変動優先順位が最も高く、以降は第三普通図柄、第二普通図柄、第一普通図柄の順に変動優先順位が低くなる。第四保留球数が「1」以上である限り、第四普通図柄は他の普通図柄に優先して変動を開始する。第四保留球数が「0」であり、第三保留球数が「1」以上である場合には、第三普通図柄が第一普通図柄及び第二普通図柄に優先して変動を開始する。第三保留球数及び第四保留球数が「0」であり、第二保留球数が「1」以上である場合には、第二普通図柄が第一普通図柄に優先して変動を開始する。第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数が「0」である場合に、第一普通図柄が変動を開始する。パチンコ機1のこのような普通図柄の変動優先順位の関係を、以下では、「第四普通図柄>第三普通図柄>第二普通図柄>第一普通図柄」と表す。
【0032】
変動優先順位に基づいて普通図柄の変動が行われる。第一普通当たり遊技が終了した時点において第四保留球数が4個記憶されているので、第四普通図柄の変動が他の普通図柄の変動に優先して行われる。すなわち、取得された第四当たり乱数に基づく第四普通当たり判定が、他の普通当たり判定に優先して行われる。本実施形態では、第四普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第四普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第四普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第四普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率は、100%未満であってもよい。本実施形態において、第一電チュー13に入賞した遊技球に対して、第四普通当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第四保留球数)は「4」である。したがって、第一普通当たり遊技が1回行われることに応じて第四普通当たり判定は最大で4回行われ、第四普通当たり遊技も最大で4回行われる。なお、第四普通当たり遊技中には、第四普通図柄は変動しない。第四普通当たり判定では、第四普通当たり又ははずれのいずれかが、第四当たり乱数に基づいて判定される。
【0033】
第四普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第四普通図柄表示部に表示される第四普通図柄が変動を開始する。第四普通当たり判定によって第四普通当たりと判定されると、第四普通図柄の当たり変動が終了した後に、第四電チュー16の開閉部材161が開放される第四普通当たり遊技が行われる。第四普通当たり遊技は、第四普通当たりを示す第四普通図柄が確定表示された後に行われる。開放された第四電チュー16に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放した第四電チュー16は、所定の開放時間(以下、「第四開放時間」という。)の経過及び7個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。以下、第四保留球数が「0」になるまで、第四普通図柄の変動と第四普通当たり遊技とが、最大4回繰り返して実行される。以下、4個の第四保留球のそれぞれに対して実行される最大4回の第四普通当たり遊技を合わせて、以下では、「一連の第四普通当たり遊技」という。
【0034】
本実施形態では、最大第二保留球数は「2」である。一連の第四普通当たり遊技が終了し、第四保留球数が「0」になった時点において、第二保留球数が最大で「2」であり、第三保留球数は「0」である。したがって、一連の第四普通当たり遊技が終了すると、変動優先順位に基づいて第二普通図柄が変動開始できるようになる。すなわち、第二普通当たり判定が第一普通当たり判定に優先して行われる。本実施形態では、第二普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第二普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第二普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第二普通当たり」ともいう。なお、第二普通当たり確率は、100%未満であってもよい。
【0035】
第二普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第二普通図柄表示部に表示される第二普通図柄が変動を開始する。第二普通当たり判定によって第二普通当たりと判定されると、第二普通図柄の当たり変動が終了した後に、第二電チュー14の開閉部材141が開放される第二普通当たり遊技が行われる。第二普通当たり遊技は、第二普通当たりを示す第二普通図柄が確定表示された後に行われる。開放された第二電チュー14に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放した第二電チュー14は、所定の開放時間(以下、「第二開放時間」という。)の経過及び10個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。
【0036】
第二電チュー14は第三普通図柄の作動口であるので、第二電チュー14へ遊技球が入賞することを契機として、第三当たり乱数が取得される。本実施形態では、最大第三保留球数は「4」である。第二普通当たり遊技が終了した時点において、第四保留球数が「0」であり、第三保留球数が最大で「4」であるので、第二保留球数が「0」でなくても第三普通図柄が変動優先順位に基づいて変動開始できるようになる。すなわち、第三普通当たり判定が第二普通当たり判定に優先して行われる。本実施形態では、第三普通当たり判定によって当たりと判定される確率(以下、「第三普通当たり確率」という。)は100%である。以下、第三普通当たり判定によって当たりと判定されることを「第三普通当たり」ともいう。なお、第三普通当たり確率は、100%未満であってもよい。
【0037】
第三普通当たり判定が行われると、図柄表示部24の第三普通図柄表示部に表示される第三普通図柄が変動を開始する。第三普通当たり判定によって第三普通当たりと判定さると、第三普通図柄の当たり変動が終了した後に、第三電チュー15の開閉部材151が開放される第三普通当たり遊技が行われる。開放された第三電チュー15に遊技球が入賞すると、入賞した遊技球の個数に応じて、所定数の賞球が払い出される。一旦開放した第三電チュー15は、所定の開放時間(以下、「第三開放時間」という。)の経過及び10個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖する。
【0038】
第三電チュー15は、第一電チュー13と同様に第四普通図柄の作動口であるので、第三電チュー15へ遊技球が入賞することを契機として、第四当たり乱数が取得される。第三普通当たり遊技が終了した時点において、第四保留球数が最大で4個記憶されているので、第四普通図柄の変動が他の普通図柄の変動に優先して行われる。このため、第三普通当たり遊技が終了すると、一連の第四普通当たり遊技が行われる。
【0039】
以降は、第三保留球数が「0」になるまでの間、第三普通当たり遊技と一連の第四普通当たり遊技とが繰り返して行われる。第三保留球数が「0」になると、第二普通図柄が変動できるようになる。このため、
図4に示すように、第二普通図柄の当たり変動が終了した後に、1回の第二普通当たり遊技が行われ、その後に第三普通当たり遊技と一連の第四普通当たり遊技とが最大で4回繰り返して行われる。その後、第二保留球数、第三保留球数及び第四保留球数が「0」になることで、大当たり遊技が終了する。第一保留球数が「1」以上である場合には、大当たり遊技が終了した後に第一普通図柄が変動優先順位に基づいて変動開始できるようになる。遊技者は、ゲート11に遊技球を通過させるため、遊技を右打ちから左打ちに戻す。大出玉の第一普通当たり遊技を契機として行われる大当たり遊技を、以下では、大出玉大当たり遊技ともいう。本実施形態では、大出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球は約4000個である。
【0040】
図5を参照して、小出玉の第一普通当たり遊技の実行を契機として行われる大当たり遊技について説明する。遊技球がゲート11を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われると、第一普通図柄が変動を開始する。第一普通当たり判定によって第一普通当たりと判定され、第一普通図柄の当たり変動の終了後に、小出玉の第一普通当たり遊技が行われたとする。小出玉の第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ入賞した遊技球は、すべて第二特定領域232Aを通過し、第一特定領域231Aを通過しない。したがって、第一電チュー13へ10個の遊技球が入賞した場合、第一普通当たり遊技中に第二非電動役物18が10回の開閉を繰り返す。第一電チュー13への遊技球の入賞に応じて第四保留球数が最大で「4」になるので、第一普通当たり遊技の終了後に一連の第四普通当たり遊技が1回行われる。これにより、大当たり遊技が終了する。第一保留球数が「1」以上である場合には、大当たり遊技が終了した後に第一普通図柄が変動優先順位に基づいて変動開始できるようになる。遊技者は、ゲート11に遊技球を通過させるため、遊技を右打ちから左打ちに戻す。
【0041】
小出玉の第一普通当たり遊技を契機として行われる大当たり遊技を、以下では、小出玉大当たり遊技ともいう。小出玉大当たり遊技では、第二普通図柄の作動口である第一非電動役物17が開放状態にならず、第一非電動役物17に遊技球が入賞しない。よって、第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16の連動が行われない。このため、小出玉大当たり遊技における電チュー及び非電動役物の連動する回数が、大出玉大当たり遊技におけるものよりも少なくなる。したがって、小出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球は、大出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球よりも少ない。本実施形態では、小出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球は約400個である。小出玉大当たり遊技は、大出玉大当たり遊技よりも遊技者にとっての有利度が低い大当たり遊技である。
【0042】
図6を参照して、入賞口ユニット20の概要について説明する。入賞口ユニット20の内部は、第一流路201、第二流路202、第三流路203、第四流路204、第五流路205、第六流路206及び第七流路207を備える。流路入口201Aは、第一流路201の上側端部に連結しており、入賞口ユニット20の外部を流れる遊技球は、流路入口201Aから入賞口ユニット20の内部に進入できる。第一流路201は、流路入口201Aから進入した遊技球の流路である。第一流路201は流路入口201Aから左方に延び、左端部から第一電チュー13の開閉部材131に向けて後下方へ傾斜して延びる。開閉部材131は、略左右方向に延びる板状の板状部131Aと略上下方向に延びる板状のストッパ131Bとを有する。開閉部材131は、板状部131Aが右方に位置するとともにストッパ131Bが前方に突出した状態で第一電チュー13の入口を閉鎖する。開閉部材131は、板状部131Aが右方から左方にスライドして第一流路201の左側端部と第一電チュー13の入口とを連結するとともにストッパ131Bが後方に退避した状態で第一電チュー13の入口を開放する。
【0043】
第一電チュー13の入口が閉鎖した状態で第一流路201を流れる遊技球は第一電チュー13へ入賞せず、開閉部材131の下方の第二流路202に流下する。第三流路203は、第二流路202の左側端部に接続し、第二流路202の前側を右下方へ傾斜して延びる。第二流路202から第三流路203に進入した遊技球は、第三流路203の右側端部において分岐する第四流路204、第五流路205及び第六流路206のいずれかに進入する。第五流路205に進入した遊技球は第一非電動役物17に向けて落下し、第一非電動役物17が開放状態であれば第一非電動役物17へ入賞し、第一非電動役物17が閉鎖状態であれば、第五流路205の下部に連結する第七流路207に進入する。第六流路206の下部も第七流路207に連結するので、第三流路203から第六流路206を流下した遊技球も、第七流路207に進入する。
【0044】
第七流路207に進入した遊技球は第二非電動役物18に向けて落下し、第二非電動役物18が開放状態であれば第二非電動役物18へ入賞し、第二非電動役物18が閉鎖状態であれば、第七流路207を下方に流下する。第四流路204へ進入した遊技球及び第二非電動役物18へ入賞せず第七流路207を流下した遊技球は、第四流路204の下側端部に設けられる流路出口204Aから、入賞口ユニット20の下方の遊技領域4に向けて排出される。
【0045】
図7を参照して、第一電チュー13へ入賞した遊技球K1が、第一電チュー13の内部の第一内部流路221及び第三内部流路232を流下して遊技盤2の後方に排出される様子について説明する。第一内部流路221、第三内部流路232及び後述する第二内部流路231は、入賞口ユニット20において第一流路201~第七流路207よりも後方に設けられる。第一内部流路221は、第一電チュー13から後方に延び、後側端部から右方に略直角に折れ曲がり、右側端部から下方に延びる。第一内部流路221の下側端部は第二内部流路231と第三内部流路232とに分岐する。この分岐部には、遊技球を第二内部流路231又は第三内部流路232に振り分けるための振分部21が設けられている。振分部21は、L状部21Aとストッパ21Bとを有する。L状部21Aは正面視でL字状の板状部材であり、ストッパ21Bは、上下方向に延びる薄板状の部材である。振分部21の未作動時には、L状部21Aが前方に突出し、ストッパ21Bが後方に退避する。振分部21の作動時には、L状部21Aが後方に退避し、ストッパ21Bが前方に突出する。以下では、作動時における振分部21の位置を作動位置、未作動時における振分部21の位置を未作動位置という。
図7は、振分部21が未作動時の場合の遊技球K1の流れを矢印Y1で示す。
【0046】
矢印Y1が示すように、第一電チュー13へ入賞した遊技球K1は、第一電チュー13への遊技球の入賞を検知する貫通型近接スイッチである第一電チュースイッチ71を前側から潜った後、第一内部流路221に進入する。第一内部流路221を流下して第二内部流路231と第三内部流路232との分岐部に到達した遊技球は、分岐部に突出したL状部21Aに接触することで、分岐部から左方に延びる第三内部流路232に誘導される。第三内部流路232は左側端部から下方に延びた後、後右方へ傾斜して延び、右側端部から下方に折れ曲がる。これにより、第三内部流路232を流下する遊技球は、第二非電動役物18の後側の領域である第二特定領域232Aを通過した後、第三内部流路232の下側端部の内部流路出口232Bから遊技盤2の後方に排出される。第二特定領域232Aと内部流路出口232Bとの間に設けられる貫通型近接スイッチである第二非電確認スイッチ84は、第二特定領域232Aを通過した遊技球を検知する。
【0047】
図8を参照して、振分部21の作動時に第一電チュー13へ入賞した遊技球K2,K3が、第一内部流路221を流下し、遊技球K3が遊技盤2の後方に排出される様子について説明する。遊技球K2は、振分部21の作動時において、第二内部流路231と第三内部流路232との分岐部に最初に到達した遊技球であり、遊技球K3は、遊技球K2よりも後に第一電チュー13へ入賞した遊技球である。
【0048】
振分部21の作動時には、分岐部においてストッパ21Bが突出し、L状部21Aが退避している。分岐部に配置される第二内部流路231の左端部231Cは、分岐部の下端から上方に突出しており、突出したストッパ21Bと左端部231Cとの間には、遊技球1個分の隙間が構成される。この状態で分岐部に最初に到達した遊技球K2は、突出したストッパ21Bと左端部231Cとの間に入り込んだ状態で保持される。分岐部から分岐する第二内部流路231の上下方向の長さは遊技球2個分よりも短い(本実施形態では、遊技球1.5個分程度)。このため、振分部21の作動時に遊技球K2よりも後に分岐部に到達した遊技球K3は、分岐部に配置される遊技球K2によって第二内部流路231への進入が阻害され、第三内部流路232に誘導される。よって、遊技球K3は、
図7に示した振分部21が未作動時の場合と同様に、矢印Y1が示すように第三内部流路232を流下し、内部流路出口232Bから遊技盤2の後方に排出される。
【0049】
図9を参照して、振分部21が作動時から未作動時に移行した後に、遊技球K2が第二内部流路231を流下して遊技盤2の後方に排出される様子について説明する。
図9は、遊技球K2の流れを矢印Y2で示す。振分部21が作動を終了すると、分岐部に突出したストッパ21Bが後方に退避し、L状部21Aが分岐部に突出した未作動時の状態になる。ストッパ21Bが退避することにより振分部21における遊技球K2の保持が解除され、遊技球K2は第二内部流路231を流下する。第二内部流路231は、分岐部から右下方へ傾斜して延び、右側端部から下方に折れ曲がる。これにより、第二内部流路231を流下する遊技球は、第一非電動役物17の後側の領域である第一特定領域231Aを通過した後、さらに第二内部流路231を流下し、第二内部流路231の下側端部の内部流路出口231Bから遊技盤2の後方に排出される。第一特定領域231Aと内部流路出口231Bとの間に設けられる貫通型近接スイッチである第一非電確認スイッチ83は、第一特定領域231Aを通過した遊技球を検知する。
【0050】
図10を参照して、第一非電動役物17の構造の詳細について説明する。
図10(1)に示すように、第一非電動役物17は、規制部材171、移動部材172、案内部材173、保持部材174、作動部材175及び第一ギヤ176を備える。
図10(1)に示す第一非電動役物17は、入口が閉鎖された閉鎖状態である。
【0051】
規制部材171は、第一非電動役物17の後上部に設けられ、入賞口ユニット20の内部に固定された軸部材171Aによって回転自在に支持される。軸部材171Aを中心に巻かれたトーションバネ171Bは、規制部材171と入賞口ユニット20の内部とを連結して、規制部材171を左側面視で時計回りに付勢する。軸部材171Aから後方に延びる板状の球当接部171Cは、第一特定領域231A(
図9参照)を通過する遊技球が当接する部分である。
【0052】
移動部材172は、規制部材171の下側に設けられ、入賞口ユニット20の内部に固定された軸部材172Aによって回転自在に支持される。軸部材172Aから後下方に延びる板状部172Bの後端部には、左右方向に長さを有する板状の球当接部172Cが設けられる。球当接部172Cは、第一特定領域231Aを通過し、球当接部171Cに当接した後の遊技球が当接する部分である。
【0053】
案内部材173は、第一非電動役物17の前部に設けられ、入賞口ユニット20の内部に固定された軸部材173Aによって回転自在に支持される。案内部材173は、第五流路205(
図6参照)に進入して第一非電動役物17に到達した遊技球を、第一非電動役物17の外部である第五流路205の下流部、又は第一非電動役物17の内部に案内する部材である。案内部材173は、一対の対向壁部173B、連結部173C,173Dを備える。一対の対向壁部173Bは、左右方向に隙間を開けて対向する。連結部173C,73Cは、一対の対向壁部173Bの間を左右方向に延びて連結する板状部であり、前方から順に隙間を開けて配置される(
図13参照)。
【0054】
保持部材174は、案内部材173の後部の位置に設けられ、入賞口ユニット20の内部に固定された軸部材174Aによって回転自在に支持される。軸部材174Aを中心に巻かれたトーションバネ174Bは、保持部材174と入賞口ユニット20の内部とを連結して、保持部材174を左側面視で時計回りに付勢する。保持部材174の下部には、軸部材174A及びトーションバネ174Bが設けられる保持部材174の上部から下方に延びるフック状のフック部174C(
図10(2)参照)が設けられる。
【0055】
作動部材175は、保持部材174のフック部174Cの近傍に設けられ、入賞口ユニット20の内部に固定された軸部材175Aによって回転自在に支持される。軸部材175Aを中心にまかれたトーションバネ175Bは、作動部材175と入賞口ユニット20の内部とを連結して、作動部材175を左側面視で時計回りに付勢する。作動部材175の本体部は、左右方向に沿う円筒状である。(
図14参照)。本体部の上部には、前方に延び、前端部が下方に折れ曲がる延設部175Cが設けられる。
【0056】
第一ギヤ176は、作動部材175の前下方に設けられる左側面視で略六角形状であり、入賞口ユニット20の内部に固定された軸部材176Aによって回転自在に支持される。第一ギヤ176は、六つの当接部176B、三つの特定部位176C及び三つの遮蔽板176Dを備える。当接部176Bは、第一非電動役物17の内部に入賞した遊技球が当たる部分であり、第一ギヤ176の左右方向中央部に形成される(
図14参照)。当接部176Bは、軸部材176Aに向けて円弧状に凹む湾曲面であり、遊技球の半径と略同じ曲率半径を有する。六つの当接部176Bは、軸部材176Aを中心とした周方向に沿って等間隔に配置される。特定部位176Cは、周方向に沿って隣接し合う二つの当接部176Bの連結部分から、左右方向の外側へ突出する(
図14参照)。各特定部位176Cは、軸部材176Aから離間するに従って先細る。六つの当接部176B及び三つの特定部位176Cの右側に設けられる三つの遮蔽板176Dは、軸部材176Aを中心とした周方向に沿って等間隔に配置される板状部である。
【0057】
図10及び
図11を参照して、第一非電動役物17が閉鎖状態と開放状態との間で切り替わる流れについて説明する。
図10(1)に示すように、第二内部流路231(
図9参照)を流下する遊技球K11が第一特定領域231A(
図9参照)に到達すると、球当接部171Cを押し下げる(矢印Y11)。
【0058】
図10(2)に示すように、球当接部171Cが押し下げられることにより、規制部材171が軸部材171Aを中心に回転する(矢印Y12)。球当接部171Cを押し下げた遊技球K11は、さらに球当接部172Cを押し下げる(矢印Y13)。球当接部172Cが押し下げられることにより、移動部材172が軸部材172Aを中心に回転する(矢印Y14)。移動部材172が回転することにより、移動部材172の先端部172Dがフック部174Cの上端に乗り上げて案内部材173の後部を押し上げ、案内部材173が、軸部材173Aを中心に回転する(矢印Y15)。また、保持部材174が、トーションバネ174Bの付勢力で回転し(矢印Y16)、フック部174Cが延設部175Cを押し上げる。延設部175Cが押し上げられることにより、作動部材175が軸部材175Aを中心に反時計回りに回転する(矢印Y17)。作動部材175の円筒状の部分の半径は当接部176Bの曲率半径と略同一である。反時計回りに回転した作動部材175は、トーションバネ175Bの付勢力で時計回りに回転する(矢印Y17)。円筒状の部分がいずれかの当接部176Bに上側から嵌まることで、作動部材175が第一ギヤ176の回転を規制する。なお、球当接部172Cを押し下げた遊技球K11は、第一非電確認スイッチ83(
図9参照)へ流下する。これにより、第一非電動役物17が開放状態となり、案内部材173の連結部173C,173Dの間に形成される開口部から第一非電動役物17の内部に遊技球が進入できるようになる。すなわち、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態になることで、遊技球が第一非電動役物17へ入賞できるようになる。
【0059】
図10(3)に示すように、第五流路205(
図6参照)を流下する遊技球K12が開放状態の第一非電動役物17に到達すると、連結部173C,173Dの間の開口部を介して遊技球K12が第一非電動役物17の内部に進入する(矢印Y18)。
図10(4)に示すように、第一非電動役物17の内部に進入した遊技球K12は(矢印Y19)、当接部176Bに当接し、第一ギヤ176を回転させる(矢印Y20)。回転する第一ギヤ176は、作動部材175を押し上げる。押し上げられた作動部材175は反時計回りに回転した後、トーションバネ175Bの付勢力で時計回りに回転する(矢印Y21)。トーションバネ175Bの付勢力により、第一ギヤ176の回転角度が60°に定められる。このとき、三つの特定部位176Cのいずれもフック部174Cを押し上げないので、第一非電動役物17は開放状態を維持する。なお、第一ギヤ176を回転させた後の遊技球K12は、第一ギヤ176の下方に設けられている貫通型近接スイッチである第一非電動役物スイッチ75(
図16参照)を通過した後、遊技盤2の後方に排出される。
【0060】
図11(5)に示すように、遊技球K12(
図10(4)参照)に続き第五流路205(
図6参照)を流下して開放状態の第一非電動役物17に到達した遊技球K13が、連結部173C,173Dの間の開口部を介して第一非電動役物17の内部に進入する(矢印Y22)。
図11(6)に示すように、第一非電動役物17の内部に進入した遊技球K13は(矢印Y23)、当接部176Bに当接し、第一ギヤ176を回転させる(矢印Y24)。回転する第一ギヤ176は、作動部材175を押し上げる。押し上げられた作動部材175は反時計回りに回転した後、トーションバネ175Bの付勢力で時計回りに回転する(矢印Y25)。トーションバネ175Bの付勢力により、第一ギヤ176の回転角度が60°に定められる。
【0061】
このとき、三つの特定部位176Cのいずれかがフック部174Cを押し上げる。押し上げられるフック部174Cによって延設部175Cが一時的に押し上げられるので、フック部174Cが延設部175Cにあたることなく前方に変位し、保持部材174が軸部材174Aを中心に回転する(矢印Y26)。保持部材174が回転することによって移動部材172の先端部172Dがフック部174Cの上端から脱落する。先端部172Dによって支持されなくなった案内部材173が軸部材173Aを中心に反時計回りに回転する(矢印Y27)。移動部材172は自重によって時計回りに回転する(矢印Y28)。規制部材171は、トーションバネ171Bの付勢力によって、時計回りに回転する(S29)。これにより、第一非電動役物17は閉鎖状態に戻り、第五流路205を流下して閉鎖状態の第一非電動役物17に到達した遊技球が連結部173C,173Dの間の開口部を介して第一非電動役物17の内部に進入できなくなる。閉鎖状態の第一非電動役物17の連結部173C,173Dの間の開口部を通過した遊技球は、第一非電動役物17内部に進入せず、第一非電動役物17よりも下方の第五流路205を流下する。すなわち、第一非電動役物17が閉鎖状態の場合には、遊技球が第一非電動役物17へ入賞できない。
【0062】
このように、第一非電動役物17は、電気的動力を用いることなく機械的に、閉鎖状態と開放状態との間で切り替わる。開放状態の第一非電動役物17に2個の遊技球が入賞すると、第一非電動役物17は開放状態から閉鎖状態に移行する。開放状態の第一非電動役物17を閉鎖させるために必要な第一非電動役物17への入賞球数を、以下では「第一閉鎖入賞数」という。すなわち、第一閉鎖入賞数は「2」である。
【0063】
図12を参照して、第二非電動役物18が閉鎖状態と開放状態との間で切り替わる流れについて説明する。
図12(1)に示すように、第二非電動役物18は、規制部材181、移動部材182、案内部材183、保持部材184、作動部材185及び第二ギヤ186を備える。規制部材181、移動部材182、案内部材183、保持部材184、作動部材185は、規制部材171、移動部材172、案内部材173、保持部材174、作動部材175と同一形状である。第二ギヤ186は、第一ギヤ176が三つ備える特定部位176Cと同じ形状の六つの特定部位186Cを備える。以下では、第二非電動役物18の動作のうち第一非電動役物17の動作と同じものについては、説明を適宜省略する。
【0064】
図12(1)に示すように、第三内部流路232(
図7参照)を流下する遊技球K21が第二特定領域232A(
図7参照)に到達すると、規制部材181の球当接部181Cを押し下げる(矢印Y31)。
図12(2)に示すように、球当接部181Cが押し下げられることにより、規制部材181が回転する。球当接部181Cを押し下げた遊技球K31は、さらに移動部材182の球当接部182Cを押し下げる(矢印Y32)。これにより、第二非電動役物18が開放状態になる。
【0065】
図12(3)に示すように、第七流路207(
図6参照)を流下する遊技球K22が開放状態の第二非電動役物18に到達すると、連結部183C,183Dの間の開口部を介して遊技球K22が第二非電動役物18の内部に進入する。
図12(4)に示すように、第二非電動役物18の内部に進入した遊技球K22は、当接部186Bに当接し、第二ギヤ186を、軸部材186Aを中心に回転させる(矢印Y33)。回転する第二ギヤ186は、作動部材185を押し上げる。押し上げられた作動部材185は反時計回りに回転した後、トーションバネ185Bの付勢力で時計回りに回転する(矢印Y34)。トーションバネ185Bの付勢力により、第二ギヤ186の回転角度が60°に定められる。なお、第二ギヤ186を回転避けた後の遊技球K22は、第二ギヤ186の下方に設けられている貫通型近接スイッチである第二非電動役物スイッチ76(
図16参照)を通過した後、遊技盤2の後方に排出される。
【0066】
このとき、六つの特定部位186Cのいずれかが、保持部材184の上部から下方に延びるフック部184Cを押し上げる。これを契機として、第二非電動役物18は閉鎖状態に戻る。これにより、第七流路207(
図6参照)を流下して閉鎖状態の第二非電動役物18に到達した遊技球が連結部183C,183Dの間の開口部を介して第二非電動役物18の内部に進入できなくなる。閉鎖状態の第二非電動役物18の連結部183C,183Dの開口部を通過した遊技球は、第二非電動役物18の内部に進入せず、第二非電動役物18よりも下方の第七流路207を流下する。すなわち、第二非電動役物18が閉鎖状態の場合には、遊技球が第二非電動役物18へ入賞できない。
【0067】
このように、第二非電動役物18は、第一非電動役物17と同様に、電気的動力を用いることなく機械的に、閉鎖状態と開放状態との間で切り替わる。開放状態の第二非電動役物18に2個の遊技球が入賞すると、第二非電動役物18は開放状態から閉鎖状態に移行する。開放状態の第二非電動役物18を閉鎖させるために必要な第二非電動役物18への入賞球数を、以下では「第二閉鎖入賞数」という。すなわち、第二閉鎖入賞数は「1」である。
【0068】
図13を参照して、第一非電作動センサ81が第一非電動役物17の案内部材173に設けられる遮蔽板173Eを検知する動作について説明する。遮蔽板173Eは、案内部材173に一体に設けられている板状部であり、一対の対向壁部173Bの右側に設けられている。第一非電作動センサ81は、汎用のフォトセンサであり、第一非電動役物17の右下方に配置される。第一非電作動センサ81は、第一非電作動センサ81の検知部に遮蔽板173Eがある場合に「ON」になり、検知部に遮蔽板173Eがない場合に「OFF」になる。
【0069】
図13(1)に示すように、第一非電動役物17が開放状態にある場合、遮蔽板173Eが第一非電作動センサ81の検知部に配置されない。
図13(2)に示すように、第一非電動役物17が閉鎖状態にある場合、遮蔽板173Eが第一非電作動センサ81の検知部に配置される。第一非電作動センサ81が「ON」の状態は第一非電動役物17が閉鎖状態であることに対応し、第一非電作動センサ81が「OFF」の状態は第一非電動役物17が開放状態であることに対応する。
【0070】
図示しないが、パチンコ機1は、第二非電動役物18の下方に、第一非電作動センサ81と同様の第二非電作動センサ82を備える。第二非電動役物18の案内部材183は、遮蔽板173Eと同一形状、同一構成の遮蔽板183Eを備える(
図12参照)。第二非電作動センサ82は、検知部に遮蔽板183Eがある場合に「ON」になり、検知部に遮蔽板183Eがない場合に「OFF」になる。すなわち、第二非電作動センサ82が「ON」の状態は第二非電動役物18が閉鎖状態であることに対応し、第二非電作動センサ82が「OFF」の状態は第二非電動役物18が開放状態であることに対応する。
【0071】
図14を参照して、第一非電ギヤセンサ85が、第一ギヤ176の遮蔽板176Dを検知する動作について説明する。第一非電ギヤセンサ85は、汎用のフォトセンサであり、第一非電動役物17の左下方に配置される。第一非電ギヤセンサ85は、第一非電ギヤセンサ85の検知部に遮蔽板176Dがある場合に「ON」になり、検知部に遮蔽板176Dがない場合に「OFF」になる。
【0072】
図14(1)に示すように、第一非電動役物17が正常に作動している状態において、閉鎖状態の第一非電動役物17では、三つの遮蔽板176Dのいずれかが第一非電ギヤセンサ85の検知部に配置される。
図14(2)に示すように、第一非電動役物17が開放状態になり、遊技球が第一非電動役物17へ1個入賞する毎に、第一ギヤ176が軸部材176Aを中心に60°回転する。三つの遮蔽板176Dは、軸部材176Aを中心とした周方向に沿って120°間隔に配置されている。したがって、開放状態の第一非電動役物17に1個目に入賞した遊技球によって第一ギヤ176が60°回転すると、遮蔽板176Dが第一非電ギヤセンサ85の検知部に配置されなくなる。図示しないが、第一非電動役物17に2個目の遊技球が入賞すると、第一ギヤ176が60°回転し、遮蔽板176Dが第一非電ギヤセンサ85の検知部に再び配置される。すなわち、第一非電動役物17に遊技球が1個入賞する毎に、第一非電ギヤセンサ85が「ON」と「OFF」とを繰り返す。第一閉鎖入賞数は「2」であるので、2個目の遊技球が第一非電動役物17に入賞することに伴い、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行する。
【0073】
何らかの不具合で、閉鎖状態の第一非電動役物17において第一ギヤ176の配置が正常な配置ではなく、三つの遮蔽板176Dのいずれかが第一非電ギヤセンサ85の検知部に配置されない配置になったとする。このような不具合は、パチンコ機1に振動が与えられたり、不正行為等によって第一ギヤ176等が破損したりした場合に生じ得る。その後に第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行した場合、第一閉鎖入賞数よりも少ない1個の遊技球の入賞によって第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行する。この場合、第二保留球が最大第二保留球数である「2」に至らずに大当たり遊技が進行するため、大当たり遊技における電チューの連動回数が本来の大出玉大当たり遊技よりも少なくなる。したがって、遊技者に払い出される賞球の数が本来の大出玉大当たり遊技が行われた場合よりも少なくなり、遊技者が落胆する可能性がある。このような事態を早期に検出できるようにするために、パチンコ機1は、第一非電動役物17に対して第一非電ギヤセンサ85を設けている。
【0074】
一方、第二非電動役物18については、第二閉鎖入賞数が「1」であり、第二非電動役物18が普通図柄の作動口として機能しない。このため、パチンコ機1は、第二非電動役物18には第一非電ギヤセンサ85に対応するセンサを設けていない。これに限られず、第二非電動役物18にも、第一非電ギヤセンサ85に対応するセンサが設けられてもよい。
【0075】
図15を参照して、第一非電動役物17の開閉動作が正常に行われる場合における第一非電作動センサ81の出力信号と、第一非電ギヤセンサ85の出力信号との関係について説明する。第一非電動役物17が閉鎖状態にある場合には、第一非電作動センサ81の検知部に遮蔽板173Eが配置されるので、第一非電作動センサ81が「ON」信号を出力する。第一非電動役物17が閉鎖状態にある場合には、第一ギヤ176の三つの遮蔽板176Dのいずれかが第一非電ギヤセンサ85の検知部に配置されるので、第一非電ギヤセンサ85が「ON」信号を出力する。
【0076】
第一非電動役物17が開放状態になると、第一非電作動センサ81の検知部に遮蔽板173Eが配置されなくなるので、第一非電作動センサ81が「OFF」になる。第一非電動役物17が開放状態になった後、1個目の遊技球が第一非電動役物17へ入賞するまでの間、第一非電ギヤセンサ85は「ON」信号の出力を継続する。その後、開放状態の第一非電動役物17へ1個目の遊技球が入賞すると、第一ギヤ176が60°回転し、この回転により遮蔽板176Dが第一非電ギヤセンサ85の検知部に配置されなくなるので、第一非電ギヤセンサ85が「OFF」になる。
【0077】
その後、開放状態を続ける第一非電動役物17へ2個目の遊技球が入賞すると、第一ギヤ176がさらに60°回転する。この回転により第一ギヤ176の三つの遮蔽板176Dのいずれかが第一非電ギヤセンサ85の検知部に配置されるので、第一非電ギヤセンサ85が「ON」信号を出力する。同時に、第一非電動役物17が閉鎖状態になるので、第一非電作動センサ81の検知部に遮蔽板173Eか配置される。このため第一非電作動センサ81が「ON」信号を出力する。以降は、第一非電動役物17の開閉動作及び第一ギヤ176の回転動作に合わせて、第一非電作動センサ81及び第一非電ギヤセンサ85が、それぞれ「ON」と「OFF」とを繰り返す。このように、遊技が正常に進行する場合には、第一非電動役物17が閉鎖状態にある(第一非電作動センサ81が「ON」である)ときに、第一非電ギヤセンサ85が「ON」になる。
【0078】
遊技が正常に行われる場合、第一ギヤ176の回転動作は、開放状態の第一非電動役物17へ遊技球が入賞することによって行われる。第一非電動役物17が閉鎖状態の場合には、第一ギヤ176の回転動作が行われることがない。このため、遊技が正常に行われる場合、第一非電動役物17の閉鎖状態が維持される間には、第一非電ギヤセンサ85が「ON」の状態を維持する。
【0079】
仮に、なんらかの不具合により、第一非電動役物17の閉鎖状態中に第一ギヤ176の三つの遮蔽板176Dが第一非電ギヤセンサ85の検知部に配置されない配置になったとする。この状態で第一非電動役物17が開放状態になった場合、開放状態の第一非電動役物17へ第一閉鎖入賞数よりも少ない1個の遊技球が入賞することによって、第一非電動役物17が閉鎖状態になることがある。この場合、本来は1回の開放において2個の遊技球が入賞できる第一非電動役物17に対して遊技球が1個しか入賞しないことになるので、第一非電動役物17への入賞に対して払い出される賞球の数が、本来払い出されるものよりも少なくなる。また、第一非電動役物17は第二普通図柄の作動口でもあるので、本来は最大第二保留球数である2個の第二保留球が記憶されるのに対して、1個しか第二保留球が記憶されないことになる。この場合、この大当たり遊技における第二電チュー14、第三電チュー15及び第四電チュー16が連続的に開放される回数が、本来の大出玉大当たり遊技における開放回数の約半分になり、大当たり遊技全体に対して払い出される賞球の数が約半減する。パチンコ機1は、このような遊技者にとって不利益な遊技が行われることを防止するため、第一非電ギヤセンサ85を設けて、その出力信号によって第一ギヤ176が正常に回転動作をしているかを検出できるようにしている。
【0080】
なお、入賞口ユニット20の左上部の前面には、ギヤエラー解除孔20A(
図9参照)が設けられている。ギヤエラー解除孔20Aは、遊技者がパチンコ機1を遊技する通常の状態である、前面枠10(
図1参照)が閉じた状態では遊技球が入球できず、前面枠10が開いた状態でホールスタッフ等が遊技球を潜らせることによってのみ遊技球が入球できる孔部である。ギヤエラー解除孔20Aは、第一電チュースイッチ71の前側に連結している。すなわち、ギヤエラー解除孔20Aは、第一電チュー13が閉鎖していても第一電チュー13の内部へ遊技球を入球させることができる入球孔である。
【0081】
パチンコ機1は、電源がOFFからONにされた場合、初期動作として、所定時間(本実施形態では3秒)に亘って振分部21を未作動位置から作動位置に移動し、その後、振分部21を未作動位置に戻す動作を行う。ホールスタッフ等は、振分部21が作動位置に移動している間に遊技球をギヤエラー解除孔20Aから入球させることで、入球させた遊技球を第一内部流路221に流下させ、その遊技球を第二内部流路231と第三内部流路232との分岐部に保持させることができる。その後に所定時間が経過すると、振分部21が作動位置から未作動位置に戻ることによって遊技球の保持が解除されて、その遊技球は矢印Y2が示すように第二内部流路231を流下し、第一特定領域231Aを通過する(
図9参照)。すなわち、ホールスタッフ等は、初期動作中にギヤエラー解除孔20Aから入賞口ユニット20の内部に遊技球を入球させることによって、第一非電動役物17を強制的に開放状態にすることができる。
【0082】
開放状態になった第一非電動役物17へ遊技球が入球すると、第一ギヤ176が回転して、第一非電動役物17が閉鎖状態になる。第一非電動役物17は、開放状態から閉鎖状態に移行することによって、第一ギヤ176の遮蔽板173Eが第一非電作動センサ81の検知部に配置されるように構成されている。したがって、何らかの不具合により、第一ギヤ176の回転位置が正常な位置からずれた場合には、ホールスタッフ等は、パチンコ機1の電源を切り入りし、ギヤエラー解除孔20Aから遊技球を入球させる。そして、ホールスタッフ等は、強制的に開放状態になった第一非電動役物17へ遊技球を入球させることによって、第一ギヤ176の回転位置を正常な位置に戻すことができる。
【0083】
図16を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
【0084】
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力するクロック回路(図示略)からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
【0085】
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、外部端子板55、ゲートスイッチ61に接続している。サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板35及びロゴ表示部36に接続している。電飾基板35は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板35及びロゴ表示部36の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM(図示略)等を備え、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
【0086】
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
【0087】
中継基板47は、第一電チューソレノイド64、第二電チューソレノイド65、第三電チューソレノイド66、第四電チューソレノイド67、振分部ソレノイド68、第一電チュースイッチ71、第二電チュースイッチ72、第三電チュースイッチ73、第四電チュースイッチ74、第一非電動役物スイッチ75、第二非電動役物スイッチ76及び図柄表示部24に接続している。また、中継基板47は、前述の第一非電作動センサ81、第二非電作動センサ82、第一非電確認スイッチ83、第二非電確認スイッチ84及び第一非電ギヤセンサ85にも接続している。
【0088】
第一電チューソレノイド64は、第一普通当たり遊技中に第一電チュー13の開閉部材131を開閉する。第二電チューソレノイド65は、第二普通当たり遊技中に第二電チュー14の開閉部材141を開閉する。第三電チューソレノイド66は、第三普通当たり遊技中に第三電チュー15の開閉部材151を開閉する。第四電チューソレノイド67は、第四普通当たり遊技中に第四電チュー16の開閉部材161を開閉する。振分部ソレノイド68は、振分部21を作動する。第一電チュースイッチ71は、第一電チュー13に設けられており、第一電チュー13への遊技球の入賞を検出する。第二電チュースイッチ72は、第二電チュー14に設けられており、第二電チュー14への遊技球の入賞を検出する。第三電チュースイッチ73は、第三電チュー15に設けられており、第三電チュー15への遊技球の入賞を検出する。第四電チュースイッチ74は、第四電チュー16に設けられており、第四電チュー16への遊技球の入賞を検出する。第一非電動役物スイッチ75は第一非電動役物17への遊技球の入賞を検出する。第二非電動役物スイッチ76は、第二非電動役物18への遊技球の入賞を検出する。
【0089】
外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。ゲートスイッチ61は、ゲート11に設けられており、ゲート11への遊技球の通過を検出する。
【0090】
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
【0091】
図17を参照して、RAM52の第一普通当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一普通当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の第一普通図柄処理(
図22参照)において使用される。第一普通当たり関係情報記憶エリアには、複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態では、最大第一保留球数が「4」である。このため、第一普通当たり関係情報記憶エリアに、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。遊技球がゲート11を通過した際に、第一保留球数が4未満(0~3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
【0092】
各記憶エリアには、第一当たり乱数欄、第一図柄決定乱数欄及び第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一当たり乱数欄には、乱数発生回路56(
図16参照)によって発生された第一当たり乱数の値が記憶される。第一図柄決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一図柄決定乱数の値が記憶される。第一変動パターン決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一変動パターン決定乱数の値が記憶される。遊技球がゲート11を通過すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。第一当たり乱数は、第一普通当たり判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は、第一普通図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一普通図柄表示部に表示される第一普通図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。
【0093】
パチンコ機1において、第一普通図柄の変動時間は、第一普通当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主基板41で決定された第一変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、第一変動パターンに従って、第一普通図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一普通図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、変動を開始した第一普通図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第一普通図柄を、所定の時間(本実施形態では、0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、第一普通図柄の確定表示に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、表示画面28における演出図柄の表示による他、スピーカ48等によっても、第一変動パターンと同期した報知演出を実行する。
【0094】
なお、RAM52には、第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア及び第四普通当たり関係情報記憶エリアも、第一普通当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、第二普通図柄の変動時間及び第三普通図柄第四普通図柄の変動時間は、それぞれ一定の時間(2.0秒間)に定められている。このような場合には、第二普通当たり関係情報記憶エリア及び第三普通当たり関係情報記憶エリアに、第二変動パターン決定乱数欄及び第三変動パターン決定乱数欄が設けられなくてもよい。第二普通当たり乱数、第三普通当たり乱数、第四普通当たり乱数とともに取得されて第二普通当たり関係情報記憶エリア、第三普通当たり関係情報記憶エリア、第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、それぞれ第二乱数、第三乱数、第四乱数ともいう。第一~第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一~第四乱数のうち、後述する判定エリア以外のエリアに記憶されている第一~第四乱数が、第一~第四保留球に相当する。以下の説明では、第一当たり乱数、第二当たり乱数、第三当たり乱数及び第四当たり乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、単に、当たり乱数ともいう。
【0095】
図18を参照して、ROM53に記憶されている第一普通図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであることを示す普通図柄(以下、当たり図柄という。)を、普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。本実施形態では、第一普通図柄は、「第一普通当たりA」及び「第一普通当たりB」の2種類の当たり図柄を含む。第一普通図柄決定テーブルでは、当たり図柄のそれぞれに、第一普通図柄決定乱数の値(0~99)が対応付けられている。当たり図柄の割合は、第一普通図柄決定乱数の値に応じて定められおり、「第一普通当たりA」が50%、「第一普通当たりB」が50%である。第一普通当たりAが、前述の「大出玉」の第一普通当たり遊技に対応し、第二普通当たりBが、前述の「小出玉」の第一普通当たり遊技に対応する。
【0096】
第一普通図柄決定テーブルは、第一普通当たり遊技における第一電チュー13の開放パターンをいずれにするかを、当たり図柄に応じて定義している。「第一普通当たりA」には、第一開放パターンP1が対応付けられている。「第二普通当たりB」には、第二開放パターンP2が対応付けられている。したがって、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合に、「第一普通当たりA」の当たり図柄が決定されたときには、第一普通当たり遊技が第一開放パターンP1で実行される。第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合に、「第一普通当たりB」の当たり図柄が決定されたときには、第一普通当たり遊技が第二開放パターンP2で実行される。したがって、第一普通当たり判定によって第一普通当たりであると判定された場合、50%の割合で第一開放パターンP1による第一普通当たり遊技が、50%の割合で第二開放パターンP2による第一普通当たり遊技が、それぞれ実行される。なお、「第一普通当たりA」及び「第一普通当たりB」の割合は、任意に変更できる。
【0097】
図19を参照して、第一電チュー13の開放パターン及び振分部21の作動パターンについて説明する。第一電チュー13の開閉部材131は、当たり図柄に応じた開放パターンで第一普通当たり遊技に係る開閉動作を行う。なお、開閉部材131が開放した第一電チュー13に所定個数(本実施形態では、10個)の遊技球が入賞すると、各開放パターンによる開閉動作の途中であっても開閉動作が終了し、第一電チュー13が閉鎖する。この所定個数は、10個以外の任意の個数であってもよい。
【0098】
振分部21は、所定の振分部作動パターンで作動する。振分部作動パターンでは、第一普通当たり遊技が実行されると、第一普通当たり遊技の開始時点である時点T0から数秒経過した時点である時点T1までの間、振分部21が未作動位置に配置される。時点T1から時間TC(本実施形態では約0.1秒)が経過した時点T2までの間、振分部21は作動位置に配置される。次いで、時点T2から時点T6までの間、振分部21は未作動位置に配置される。次いで、時点T6から時点TD(本実施形態では約6秒)が経過した時点T7までの間、振分部21が作動位置に配置される。その後の振分部21は(第一開放パターンP1による)第一普通当たり遊技の終了時点である時点T8まで、未作動位置に配置される。
【0099】
第一開放パターンP1による第一普通当たり遊技においては、第一普通当たり遊技の開始時点である時点T0から10秒程度経過した時点である時点T5までの間、開閉部材131が閉鎖状態にされる。時点T0から時点T5までの間には、大出玉の第一普通当たり遊技による第一電チュー13の開放が開始することを示す開始演出が行われる。時点T5から時間TA(本実施形態では約1.8秒)が経過するまでの間、第一電チュー13が開放する。その後、時点T7までの間に時間TB(本実施形態では約1秒)の閉鎖を挟んで時間TAの第一電チュー13の開放が2回繰り返され、時間TAの第一電チュー13の開放が全体として3回行われる。時点T7から第一普通当たり遊技の終了時点である時点T8までの間には第一電チュー13は閉鎖を継続する。時点T7から時点T8までの間(本実施形態では約8秒)には、大出玉の第一普通当たり遊技が終了することを示す終了演出が行われる。
【0100】
第二開放パターンP2による第一普通当たり遊技においては、時点T0から時点T1までの間、開閉部材131が閉鎖状態にされる。時点T0から時点T1までの間には、小出玉の第一普通当たり遊技による第一電チュー13の開放が開始すること示す開始演出が行われる。時点T1から時間TAが経過するまでの間、第一電チュー13が開放する。その後、時点T3までに時間TBの閉鎖を挟んで時間TAの第一電チュー13の開放が2回繰り返され、時間TAの第一電チュー13の開放が全体として3回行われる。時点T3以降には第一電チュー13は閉鎖を継続する。時点T3から時点T5までの間(本実施形態では約4秒)には、小出玉の第一普通当たり遊技が終了することを示す終了演出が行われる。すなわち、小出玉の第一普通当たり遊技が終了するのは時点T5である。
【0101】
第二開放パターンP2による第一普通当たり遊技において第一電チュー13が開放する間に、振分部21が作動位置にある時間は僅かである。第二開放パターンP2による第一普通当たり遊技において第一電チュー13に入賞した遊技球が、第二内部流路231と第三内部流路232との分岐部(
図8参照)において振分部21のストッパ21Bと左端部231Cとの間に入り込むことはほとんどない。よって、第一普通当たり遊技が第二開放パターンP2で行われた場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞した遊技球のほぼ全部が第二内部流路231を流下し、遊技球が第三内部流路232を流下することはまずない。したがって、第一普通当たり遊技が第二開放パターンP2で行われた場合には、第一普通当たり遊技の実行に伴い第一非電動役物17が開放することはまずなく、ほとんどの場合で第二非電動役物18のみが開放する。すなわち、第一普通当たり遊技が第二開放パターンP2で行われた場合、ほぼ100%の割合で大当たり遊技が小出玉当たり遊技になる。
【0102】
一方、第一開放パターンP1による第一普通当たり遊技において第一電チュー13が開放する間のほとんどにおいて、振分部21が作動位置に配置される。第一開放パターンP1による第一普通当たり遊技において第一電チュー13に入賞した複数の遊技球のうち1個が、第二内部流路231と第三内部流路232との分岐部(
図8参照)において振分部21のストッパ21Bと左端部231Cとの間にほぼ100%の割合で入り込む。よって、第一普通当たり遊技が第一開放パターンP1で行われた場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞した複数の遊技球のうち1個が、ほぼ100%の割合で遊技球が第三内部流路232を流下する。したがって、第一普通当たり遊技が第一開放パターンP1で行われた場合には、第一電チュー13に向けて遊技球が発射されることが継続されれば、ほぼ100%の割合で第一非電動役物17が開放する。すなわち、第一普通当たり遊技が第一開放パターンP1で行われた場合、ほぼ100%の割合で大当たり遊技が大出玉当たり遊技になる。
【0103】
図20を参照して、ROM53に記憶されている第一変動パターン決定テーブルについて説明する。第一変動パターン決定テーブルは、第一普通当たり判定による判定結果(第一普通当たり又ははずれ、及び第一普通当たりの当たり図柄)に応じたテーブルを設けている。それぞれのテーブルには、第一変動パターン毎に第一変動パターン決定乱数の値(0~511)、及び第一普通図柄の変動時間(報知演出の変動時間)が対応付けられている。第一普通当たり判定が行われると、判定結果に応じたテーブルが参照され、第一当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。
【0104】
第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりである場合には、当たり図柄に応じたテーブルが設けられている。当たり図柄が小出玉(第一普通当たりB)の場合には、「ノーマルリーチA」、「リーチ演出A-1」、「リーチ演出B-1」、「リーチ演出C-1」、「リーチ演出D-1」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。当たり図柄が大出玉(第一普通当たりA)の場合には、「ノーマルリーチB」、「リーチ演出A-2」、「リーチ演出B-2」、「リーチ演出C-2」、「リーチ演出D-2」、「リーチ演出F」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。一方、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合には、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一普通当たり判定による判定結果が第一普通当たりとなる期待度は、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、「リーチ演出B」、「リーチ演出C」、「リーチ演出D」、「リーチ演出E」の順に高くなる。なお、リーチ演出とは、演出図柄が所定のリーチ状態を構成した後に、判定結果が第一普通当たりである可能性のあることを示す演出を実行する報知演出である。本実施形態において、「非リーチ」の第一変動パターンは、リーチ状態に至ることなく、演出図柄がはずれの判定結果を示す組合せで確定表示されて演出が終了する報知演出に対応している。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、第一普通当たり判定による判定結果がはずれである場合にのみ決定される。
【0105】
主基板41は、決定された変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを生成し、生成された変動パターン指定コマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御することで、報知演出を実行する。なお、報知演出に、演出図柄が用いられなくてもよい。また、主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一普通図柄を変動させる。
【0106】
図21から
図41を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(
図21参照)は、割込信号発生回路57(
図16参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0107】
図21に示すように、パチンコ機1の電源がONにされると、CPU51は、メイン処理を開始する。まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
【0108】
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、ゲート11、電チュー、非電動役物に設けられた各スイッチ(
図16参照)の検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」になる。次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている各種の時間カウンタの値が更新される。
【0109】
次いで、第一普通電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、第一普通電動役物処理では、第一普通当たりを示す第一普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第一普通当たり遊技の動作(主に第一電チュー13の開閉部材131の開閉動作)を制御するための処理が行われる(
図24及び
図25参照)。
【0110】
次いで、第一普通図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、第一普通図柄処理では、第一普通当たり判定、第一変動パターンの決定等の処理が行われる(
図22参照)。
【0111】
次いで、第二普通電動役物処理が行われる(S15)。詳細は後述するが、第二普通電動役物処理では、第二普通当たりを示す第二普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第二普通当たり遊技の動作(主に第二電チュー14の開閉部材141の開閉動作)を制御するための処理が行われる(
図28参照)。
【0112】
次いで、第二普通図柄処理が行われる(S16)。詳細は後述するが、第二普通図柄処理では、第二普通当たり判定等の処理が行われる(
図27参照)。
【0113】
次いで、第三普通電動役物処理が行われる(S17)。詳細は後述するが、第三普通電動役物処理では、第三普通当たりを示す第三普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第三普通当たり遊技の動作(主に第三電チュー15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる(
図30参照)。
【0114】
次いで、第三普通図柄処理が行われる(S18)。詳細は後述するが、第三普通図柄処理では、第三普通当たり判定等の処理が行われる(
図29参照)。
【0115】
次いで、第四普通電動役物処理が行われる(S19)。詳細は後述するが、第四普通電動役物処理では、第四普通当たりを示す第四普通図柄が図柄表示部24に表示された場合に、第四普通当たり遊技の動作(主に第四電チュー16の開閉部材161の開閉動作)を制御するための処理が行われる(
図33参照)。
【0116】
次いで、第四普通図柄処理が行われる(S20)。詳細は後述するが、第四普通図柄処理では、第四普通当たり判定等の処理が行われる(
図31参照)。
【0117】
次いで、非電動役物処理が行われる(S21)。詳細は後述するが、非電動役物処理では、非電動役物が関係する遊技が正常に行われているかを判断するための各種の処理が行われる(
図34参照)。
【0118】
次いで、払出処理(S22)、エラーチェック(S23)、及び情報出力処理(S24)が行われ、メイン処理が終了する。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」とされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、外部端子板55を介して、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
【0119】
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には大当たり遊技状態フラグ、第一普通当たり遊技中フラグ、第二普通当たり遊技中フラグ、第三普通当たり遊技中フラグ、第四普通当たり遊技中フラグ、第一変動フラグ、第二変動フラグ、第三変動フラグ、第四変動フラグ、第一開放フラグ、第二開放フラグ、第三開放フラグ、第四開放フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第一普通当たり遊技中フラグは、第一普通当たり判定において第一普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」になり、第一普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」になる。第二普通当たり遊技中フラグは、第二普通当たり判定において第二普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」になり、第二普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」になる。第三普通当たり遊技中フラグは、第三普通当たり判定において第三普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」になり、第三普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」になる。第四普通当たり遊技中フラグは、第四普通当たり判定において第四普通当たりと判定された後に「1」が記憶されて「ON」になり、第四普通当たり遊技が終了した後に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0120】
第一変動フラグは、第一普通図柄が変動している場合(変動中)に「1」が記憶されて「ON」になり、第一普通図柄が変動中でない場合には、「0」が記憶されて「OFF」になる。第二変動フラグは、第二普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」になり、第二普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第三変動フラグは、第三普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」になり、第三普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第四変動フラグは、第四普通図柄の変動中に「1」が記憶されて「ON」になり、第四普通図柄が変動中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0121】
第一開放フラグは、第一電チュー13の開放中に「1」が記憶されて「ON」となり、第一電チュー13の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」になる。第二開放フラグは、第二電チュー14の開放中に「1」が記憶されて「ON」になり、第二電チュー14の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」になる。第三開放フラグは、第三電チュー15の開放中に「1」が記憶されて「ON」になり、第三電チュー15の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」になる。第四開放フラグは、第四電チュー16の開放中に「1」が記憶されて「ON」になり、第四電チュー16の閉鎖中に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0122】
図22を参照して、第一普通図柄処理(S14、
図21参照)の詳細について説明する。第一普通図柄処理が開始されると、遊技球がゲート11を通過したかが判断される(S31)。ゲート11に設けられたゲートスイッチ61が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、
図21参照)において、ゲートスイッチ61に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、遊技球がゲート11を通過していないと判断されて(S31:NO)、処理はS41の判断へ移行する。このフラグが「ON」の場合には、遊技球がゲート11を通過したと判断されて(S31:YES)、処理はS33の判断へ移行する。
【0123】
次いで、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S33)。第一保留球数が「4」である場合(S33:YES)、処理はS41の判断へ移行する。第一保留球数が「4」でない場合(S33:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S35)。次いで、第一乱数が取得され、第一普通当たり関係情報記憶エリア(
図17参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S36)。具体的には、第一当たり乱数欄には第一当たり乱数の値が、第一図柄決定乱数欄には第一図柄決定乱数の値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数の値がそれぞれ格納される。なお、第一乱数にこれら以外の種類の乱数が含まれていてもよい。処理はS41へ移行する。
【0124】
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S41)。第一~第四普通当たり遊技中フラグのうちいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S41:NO)、処理はメイン処理へ戻る。例えば、第一普通当たりの判定結果が導出され、その後に第二普通当たり、第三普通当たり又は第四普通当たりの各判定結果が導出された場合には、大当たり遊技において電チュー及び非電動役物が連動する。パチンコ機1は、いずれかの電チューが作動中の場合には、第一~第四普通図柄の変動時間を計測しないこととすることで、第一~第四普通当たり遊技が重複して行われないようにしている。
【0125】
第一~第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S41:YES)、第一普通図柄が変動中であるかが判断される(S42)。第一変動フラグが「OFF」の場合には、第一普通図柄が変動中でないと判断されて(S42:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S43)。第四保留球数が「1」以上である場合(S43:YES)、第一普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。
【0126】
第四保留球数が「0」である場合(S43:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S45)。第三保留球数が「1」以上である場合(S45:YES)、第一普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。第三保留球数が「0」である場合(S45:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S46)。第二保留球数が「1」以上である場合(S46:YES)、第一普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。第二保留球数が「0」である場合(S46:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S51)。第一保留球数が「0」である場合(S51:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0127】
第一保留球数が「1」以上である場合(S51:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S52)。第一普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一当たり乱数が、第一判定エリア(図示略)にシフトされる(S53)。
【0128】
次いで、第一普通当たり判定が行われる(S54)。ROM53には、第一普通当たり判定を行うためのテーブルである第一普通当たり判定テーブルが記憶されている。第一普通当たり判定テーブルは、第一普通当たり判定について「第一普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第一当たり乱数の乱数値を定義している。S54の処理では、第一普通当たり判定テーブルが参照されて、S53の処理で第一判定エリアにシフトされた第一当たり乱数が、「第一普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第一普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第一当たり乱数に基づく第一普通当たり判定が、第一当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第一普通当たり判定において、第一普通当たり確率(約1/150)で第一普通当たりと判定される。
【0129】
次いで、第一普通図柄決定テーブル(
図18参照)が参照されて、第一普通当たりと判定された場合の当たり図柄が、第一普通図柄決定乱数の値によって決定される(S55)。決定された当たり図柄は、RAM52に記憶される。なお、第一普通当たり判定の結果がはずれの場合には、所定のはずれ図柄が決定される。
【0130】
次いで、第一変動パターン決定テーブル(
図20参照)が参照されて、第一普通当たり判定の判定結果に応じた第一変動パターンの一つが、第一変動パターン決定乱数の値によって決定される。決定された第一変動パターンを指定するための第一変動パターン指定コマンドが生成される(S56)。生成された第一変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された第一変動パターン指定コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図21参照)によってサブ制御基板58及び中継基板47に送信され、報知演出の開始及び第一普通図柄の変動開始が指示される。決定された第一変動パターンに応じて定められている第一普通図柄の変動時間が、第一普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S58)。第一普通図柄が変動中であることを示す「1」が第一変動フラグに記憶されて「ON」になり(S59)、処理はメイン処理へ戻る。
【0131】
一方、S42の判断において、第一変動フラグが「ON」の場合には、第一普通図柄が変動中であると判断されて(S42:YES)、第一普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S61)。次いで、第一普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第一普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S62)。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第一普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S62:NO)、第一普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。第一普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第一普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S62:YES)、第一普通図柄停止コマンドが生成され(S63)、RAM52に記憶される。記憶された第一普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に、また、中継基板47を介して図柄表示部24に送信され、報知演出の終了及び第一普通図柄の変動停止が指示される。第一普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第一普通図柄の変動を停止する。次いで、第一普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第一変動フラグに記憶され「OFF」になる(S65)。
【0132】
次いで、S55で行われた第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりであるかが判断される(S66)。第一普通当たり判定の結果がはずれの場合(S66:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第一普通当たり判定の結果が第一普通当たりの場合(S66:YES)、大当たり遊技の開始を通知するための大当たり遊技開始コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S71)。記憶された大当たり遊技開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に送信される。次いで、大当たり遊技状態フラグが「ON」になり(S72)、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」になる(S73)。次いで、第一許容数決定処理(S76)が順に実行されて、処理はメイン処理へ戻る。
【0133】
図23を参照して、第一許容数決定処理(S76、
図22参照)の詳細について説明する。第一許容数とは、後述する第一非電入賞時処理(
図37参照)において用いる数であり、1回の大当たり遊技において第一非電動役物17へ入賞することが許容される遊技球の個数である。第一許容数は、RAM52に記憶される。第一許容数決定処理では、第一許容数が決定される。なお、パチンコ機1のRAMクリア実行直後における第一許容数は「0」である。
【0134】
第一許容数決定処理が開始されると、実行される第一普通当たり遊技が大出玉の第一普通当たり遊技であるかが判断される(S81)。この判断は、S55(
図22参照)で決定された当たり図柄が第一普通当たりAであるかによって行われる。実行される大当たり遊技が大出玉大当たり遊技である場合(S81:YES)、RAM52に記憶されている第一許容数に、第一閉鎖入賞数に等しい「2」が加算される(S82)。
【0135】
次いで、第一許容数が「4」よりも大きいかが判断される(S83)。第一許容数が「4」よりも大きい場合(S83:YES)、第一許容数が上限値の「4」とされて(S85)、処理はメイン処理へ戻る。第一許容数が「4」よりも小さい場合(S83:NO)、処理はメイン処理へ戻る。なお、実行される大当たり遊技が小出玉大当たり遊技である場合(S81:NO)、第一許容数が「0」に設定され(S86)、処理はメイン処理へ戻る。すなわち、パチンコ機1は、大当たり遊技の開始時点に第一許容数を設定する。
【0136】
遊技が正常に進行する場合、1回の大出玉大当たり遊技において第一非電動役物17が開放する回数は1回であり、開放した第一非電動役物17に入賞できる遊技球の個数は、第一閉鎖入賞数である「2」個である。一方、大当たり遊技中に遊技球の発射が中断されるなどの理由で、大出玉大当たり遊技において開放した第一非電動役物17に入賞した遊技球が2個に満たない場合には、第一非電動役物17が開放状態を継続したまま大当たり遊技が終了する。この状態で大出玉大当たり遊技が新たに開始した場合、開放している第一非電動役物17に遊技球が1個又は2個入賞して第一非電動役物17が閉鎖した後、さらに新たに開始した大出玉大当たり遊技に起因して第一非電動役物17が1回開放することがある。この場合、1回の大出玉大当たり遊技において最大4個の遊技球が第一非電動役物17に入賞することができる。パチンコ機1は、このような不正な遊技ではないがイレギュラーな遊技が行われることを想定して、大出玉大当たり遊技における第一許容数を一律に「2」とするのではなく、遊技の状況に応じて第一許容数を調整する。これにより、パチンコ機1は、正常な遊技でも生じ得るイレギュラーな遊技までも不正な遊技として検出することを回避している。
【0137】
一方、小出玉大当たり遊技が正常に行われる場合には、大当たり遊技中に第一非電動役物17が1回も開放しない。この場合において第一非電動役物17への遊技球の入賞があった場合には、何らかの不正行為(いわゆるゴト行為)が行われている可能性がある。したがって、パチンコ機1は、小出玉大当たり遊技が実行される場合には、第一許容数を「0」として、第一非電動役物17に1個でも遊技球の入賞があれば不正行為として検出できるようにしている。
【0138】
図24を参照して、第一普通電動役物処理(S13、
図21参照)の詳細について説明する。第一普通電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。第一普通電動役物処理では、前述の各種のフラグに加えて、開始演出中フラグ、終了演出中フラグが使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される。開始演出中フラグは、第一普通当たり遊技による第一電チュー13の開放が開始することを示す開始演出(大当たり遊技のオープニング演出)が実行中であるかを示すフラグであり、開始演出の実行中に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。終了演出中フラグは、第一普通当たり遊技が終了することを示す終了演出(大当たり遊技のうち第一普通当たり遊技のエンディング演出)が実行中であるかを示すフラグであり、終了演出の実行中に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0139】
図24に示すように第一普通電動役物処理が開始されると、大当たり遊技中であるかが判断される(S101)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合には、大当たり遊技中でないと判断されて(S101:NO)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合には、大当たり遊技中であると判断されて(S101:YES)、第一普通当たり遊技中であるかが判断される(S102)。第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には、第一普通当たり遊技中でないと判断されて(S102:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0140】
第一普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には、第一普通当たり遊技中であると判断されて(S102:YES)、第一普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、終了演出が実行中であるかが判断される(S103)。終了演出中フラグが「OFF」である場合には、終了演出が実行中でないと判断されて(S103:NO)、第一電チュー13が開放中であるかが判断される(S105)。第一開放フラグが「OFF」である場合には、第一電チュー13が開放中でない(閉鎖中である)と判断されて(S105:NO)、開始演出が実行中であるかが判断される(S121)。
【0141】
開始演出中フラグが「OFF」である場合には開始演出が実行中でないと判断されて(S121:NO)、開始演出の実行開始を指示するための開始演出開始コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S122)。記憶された開始演出開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に送信される。次いで、開始演出の実行時間が、RAM52のタイマカウンタに記憶される(S123)。
図19に示したように、本実施形態では、大出玉の第一普通当たり遊技が行われる場合と、小出玉の第一普通当たり遊技が行われる場合とで、開始演出の実行時間が異なる。CPU51は、S55で決定した第一普通図柄の当たり図柄に応じた実行時間をタイマカウンタにセットし、実行時間の計測を開始する。次いで、開始演出中フラグが「ON」になり(S125)、処理はメイン処理へ戻る。
【0142】
一方、開始演出中フラグが「ON」である場合には開始演出が実行中であると判断されて(S121:YES)、開始演出の実行時間が経過したかが判断される(S131)。開始演出の実行時間がまだ経過していない場合(S131:NO)、処理はメイン処理へ戻る。開始演出の実行時間が経過した場合(S131:YES)、開始演出中フラグが「OFF」になり(S132)、第一電チュー13を開放させるための第一電チュー開放コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S133)。本実施形態では、第一電チュー13を第一開放パターンP1で開放させるためのコマンド又は第二開放パターンP2で開放させるためのコマンドが、S55で決定した第一普通図柄の当たり図柄に応じて生成される。第一電チュー開放コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、コマンドが示す電チュー開放パターンで第一電チュー13の開閉部材131を開放させる。また、第一普通図柄の当たり図柄に応じた第一電チュー13の開放パターンがRAM52に記憶される(S135)。
【0143】
次いで、第一開放フラグが「ON」になる(S136)。振分部作動コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S138)。振分部作動コマンドは、振分部21を
図19に示した振分部作動パターンで作動させるためのコマンドである。振分部作動コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して振分部作動コマンドを受信した振分部ソレノイド68は、振分部21を振分部作動パターンで作動させる。次いで、第二非電過剰入賞判断処理が実行されて(S139)、処理はメイン処理へ戻る。第二非電過剰入賞判断処理の詳細については後述する。
【0144】
一方、第一開放フラグが「ON」である場合、第一電チュー13が開放中(第一電チュー13が所定の電チュー開放パターンで開閉動作を実行中)であると判断されて(S105:YES)、第一電チュー13へ入賞した遊技球の処理及び第一電チュー13の開閉動作を終了するための処理が行われる。まず、S135で記憶された電チュー開放パターン(第一開放パターンP1又は第二開放パターンP2)での第一電チュー13の開閉動作が終了したかが判断される(S106)。開閉動作がまだ終了しない場合(S106:NO)、第一電チュー13へ遊技球が入賞したかが判断される(S107)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第一電チュー13へ遊技球が入賞していないと判断されて(S107:NO)、処理はS109の判断へ移行する。
【0145】
一方、第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」となっている場合、第一電チュー13へ遊技球が入賞したと判断される(S107:YES)。このため、第一電チュー13へ入賞した遊技球の個数である第一入賞球数を計数するRAM52の第一入賞球数カウンタに「1」が加算される(S108)。次いで、第一入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S109)。第一入賞球数が「10」未満である場合(S109:NO)、継続して第一電チュー13が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
【0146】
第一入賞球数が「10」以上の場合(S109:YES)又は第一電チュー13の開閉動作が終了している場合(S75:YES)、第一電チュー13を閉鎖するための第一電チュー閉鎖コマンドが生成される(S111)。生成された第一電チュー閉鎖コマンドはRAM52に記憶され、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一電チュー開放コマンドを受信した第一電チューソレノイド64は、第一電チュー13の開閉部材131を閉鎖させる。次いで、第一開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」になる(S112)。
【0147】
次いで、終了演出の実行開始を指示するための終了演出開始コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S113)。記憶された終了演出開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に送信される。次いで、終了演出の実行時間が、RAM52のタイマカウンタに記憶される(S115)。
図19に示したように、本実施形態では、大出玉の第一普通当たり遊技が行われる場合と、小出玉の第一普通当たり遊技が行われる場合とで、終了演出の実行時間が異なる。CPU51は、S55で決定した第一普通図柄の当たり図柄に応じた実行時間をタイマカウンタにセットし、実行時間の計測を開始する。次いで、終了演出中フラグが「ON」になり(S116)、処理はメイン処理へ戻る。
【0148】
また、終了演出中フラグが「ON」であり終了演出が実行中である場合には(S103:YES)、
図25に示すように、終了演出の実行時間が経過したかが判断される(S141)。終了演出の実行時間がまだ経過していない場合(S141:NO)、処理はメイン処理へ戻る。終了演出の実行時間が経過した場合(S141:YES)、終了演出中フラグが「OFF」になる(S142)。
【0149】
次いで、第一確認数と第二確認数とが合計される(S143)。第一確認数とは、RAM52に記憶される値であり、第一普通当たり遊技中に遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過した回数である。本実施形態では、後述する確認スイッチ検知時処理(
図35参照)において、第一普通当たり遊技中のうち開始演出の終了後から終了演出の終了時までの間に遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過した回数が、第一確認数として累計される。第二確認数とは、RAM52に記憶される値であり、第一普通当たり遊技中に遊技球が第二非電確認スイッチ84を通過した回数である。本実施形態では、確認スイッチ検知時処理において、第一普通当たり遊技中のうち開始演出の終了後から終了演出の終了時までの間に遊技球が第二非電確認スイッチ84を通過した回数が、第二確認数として累計される。第一確認数と第二確認数との合計を、以下では合計確認数という。
【0150】
次いで、第一入賞球数と合計確認数と異なるかが判断される(S144)。第一入賞球数と合計確認数とが等しい場合(S144:NO)、処理はS146へ移行する。第一入賞球数と合計確認数とが異なる場合(S144:YES)、第一普電入出球不一致コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S145)。第一普電入出球不一致コマンドは、第一入賞球数と合計確認数とが等しくないことを通知するためのコマンドである。記憶された第一普電入出球不一致コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。
【0151】
本実施形態では、遊技が正常に行われる場合には、第一普通当たり遊技によって開放される第一電チュー13に入賞した遊技球のすべてが、第一非電確認スイッチ83又は第二非電確認スイッチ84のいずれかを通過する。第一入賞球数と合計確認数とが等しくない(第一普通当たり遊技中の第一電チュー13に入賞した遊技球の個数と、第一電チュー13から遊技盤2の後方に排出された遊技球の個数とが等しくない)場合には、何らかの不正行為が行われている可能性がある。このため、パチンコ機1は、第一入賞球数と合計確認数とが等しくない場合を検出し、エラーとして報知するために、第一普電入出球不一致コマンドを生成する。次いで、第一確認数及び第二確認数が「0」にクリアされる(S146)。第一開放フラグが「OFF」になり(S148)、第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」になる(S149)。処理はメイン処理へ戻る。
【0152】
図26を参照して、第二非電過剰入賞判断処理(S139、
図24参照)の詳細について説明する。第二非電過剰入賞判断処理は、第一普通当たり遊技が1回行われることによって第二非電動役物18へ入賞する遊技球の個数が、所定数以上であるかを検出する。本実施形態では、第一普通当たり遊技が開始されてから、次回に新たに第一普通当たり遊技が開始されるまでの間に第二非電動役物18へ入賞する遊技球の合計数(以下、「第二非電累積入賞球数」という。)が、11個以上である場合が検出対象となる。第二非電累積入賞球数はRAM52に記憶されており、後述する第一非電入賞時処理(
図37参照)において、第二非電動役物18へ遊技球が入賞する毎に加算される。本実施形態では、1回の第一普通当たり遊技において第一電チュー13に入賞できる遊技球の最大個数が10個である。また、第二非電動役物18の第二閉鎖入賞数は「1」個である。したがって、遊技が正常に行われるのであれば、第一普通当たり遊技が1回行われる場合に第二非電動役物18へ入賞する遊技球の最大個数は10個である。このため、パチンコ機1は、第二非電累積入賞球数がこれを超える「11個以上」である場合を、遊技が正常に行われていない状況として検出する。
【0153】
第二非電過剰入賞判断処理が開始されると、第二非電累積入賞球数が「11」以上であるかが判断される(S151)。第二非電累積入賞球数が「11」以上である場合(S151:YES)、第二非電過剰入賞コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S152)。第二非電過剰入賞コマンドは、第二非電累積入賞球数が異常値であることを通知するためのコマンドである。第二非電過剰入賞コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理はS153へ移行する。第二非電累積入賞球数が「11」未満である場合(S151:NO)、処理はS153へ移行する。次いで、第二非電累積入賞球数が「0」にクリアされて(S153)、処理は第一普通電動役物処理(
図24参照)へ戻る。
【0154】
なお、本実施形態では、パチンコ機1は、第二非電過剰入賞判断処理を、第一普通当たり遊技の開始演出の終了時点に実行する。このため、第二非電累積入賞球数は、第一普通当たり遊技の開始演出の終了時点から、次回に新たに開始される第一普通当たり遊技の開始演出の終了時点までの間に第二非電動役物18へ入賞した遊技球の合計数に相当する。第二非電過剰入賞判断処理の実行時点はこれに限られず、例えば、第一普通当たり遊技の開始演出の開始時点であってもよい。
【0155】
図27を参照して、第二普通図柄処理(S16、
図21参照)の詳細について説明する。第二普通図柄処理が開始されると、第一非電動役物17に遊技球が入賞したかが判断される(S161)。第一非電動役物スイッチ75に対応するフラグが「ON」の場合には遊技球が第一非電動役物17へ入賞していないと判断されて(S161:NO)、処理はS171の判断へ移行する。第一非電動役物スイッチ75に対応するフラグが「ON」の場合には第一非電動役物17へ遊技球が入賞したと判断されて(S161:YES)、処理はS163の判断へ移行する。
【0156】
次いで、第二保留球数が「2」であるかが判断される(S163)。第二保留球数が「2」である場合(S163:YES)、処理はS171の判断へ移行する。第二保留球数が「2」でない場合(S163:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S165)。次いで、第二乱数が取得され、第二普通当たり関係情報エリア(図示略)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S166)。処理はS171の判断へ移行する。
【0157】
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S171)。第一~第四普通当たり遊技中フラグのうちいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S171:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第二普通図柄の変動時間を計測しない。
【0158】
第一~第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S171:YES)、第二普通図柄が変動中であるかが判断される(S172)。第二変動フラグが「OFF」の場合には、第二普通図柄が変動中でないと判断されて(S172:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S173)。第四保留球数が「1」以上である場合(S173:YES)、第二普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。
【0159】
第四保留球数が「0」である場合(S173:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S175)。第三保留球数が「1」以上である場合(S175:YES)、第二普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。第三保留球数が「0」である場合(S175:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S181)。第二保留球数が「0」である場合(S181:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第二保留球数が「1」以上である場合(S181:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」減算される(S182)。第二普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二当たり乱数が、第二判定エリア(図示略)にシフトされる(S183)。
【0160】
次いで、第二普通当たり判定が行われる(S185)。ROM53には、第二普通当たり判定を行うためのテーブルである第二普通当たり判定テーブルが記憶されている。第二普通当たり判定テーブルは、第二普通当たり判定について「第二普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第二当たり乱数の乱数値を定義している。S185の処理では、第二普通当たり判定テーブルが参照されて、S183の処理で第二判定エリアにシフトされた第二当たり乱数が「第二普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第二普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第二当たり乱数に基づく第二普通当たり判定が、第二当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第二普通当たり判定において、第二普通当たり確率(100%)で第二普通当たりと判定される。
【0161】
次いで、第二普通図柄の変動を開始させるための第二普通図柄変動開始コマンドが生成され(S186)、RAM52に記憶される。第二普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第二普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第二普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S188)。第二普通図柄が変動中であることを示す「1」が第二変動フラグに記憶されて「ON」になり(S189)、処理はメイン処理へ戻る。
【0162】
一方、S172の判断において第二変動フラグが「ON」の場合には第二普通図柄が変動中であると判断されて(S172:YES)、第二普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S191)。次いで、第二普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第二普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S192)。第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第二普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S192:NO)、第二普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
【0163】
第二普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第二普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S192:YES)、第二普通図柄停止コマンドが生成され(S193)、RAM52に記憶される。記憶された第二普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。第二普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第二普通図柄の変動を停止する。次いで、第二普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第二変動フラグに記憶されて「OFF」になる(S195)。
【0164】
次いで、S185で行われた第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりであるかが判断される(S196)。第二普通当たり判定の結果がはずれの場合(S196:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第二普通当たり判定の結果が第二普通当たりの場合(S196:YES)、第二普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S198)。処理はメイン処理へ戻る。
【0165】
図28を参照して、第二普通電動役物処理(S15、
図21参照)の詳細について説明する。第二普通電動役物処理が開始されると、第二普通当たり遊技中であるかが判断される(S201)。第二普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には、第二普通当たり遊技中でないと判断されて(S201:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0166】
第二普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には第二普通当たり遊技中であると判断されて(S201:YES)、第二普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第二電チュー14が開放中であるかが判断される(S202)。第二開放フラグが「OFF」である場合には第二電チュー14が閉鎖中であると判断されて(S202:NO)、第二電チュー14を開放させるための第二電チュー開放コマンドが生成され(S221)、RAM52に記憶される。第二電チュー開放コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー14の開閉部材141を開放させる。次いで、第二開放時間が、第二開放時間カウンタに記憶される(S222)。次いで、第二開放フラグが「ON」となり(S223)、処理はメイン処理へ戻る。
【0167】
一方、第二開放フラグが「ON」である場合には第二電チュー14が開放中であると判断されて(S202:YES)、第二電チュー14へ入賞した遊技球の処理及び第二電チュー14を閉鎖するための処理が行われる。まず、第二開放時間が経過したかが判断される(S203)。第二開放時間カウンタの値が「0」でない場合には第二開放時間はまだ経過していないと判断されて(S203:NO)、第二電チュー14へ遊技球が入賞したかが判断される(S205)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第二電チュー14へ遊技球が入賞していないと判断されて(S205:NO)、処理はS209の判断へ移行する。
【0168】
一方、第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合、第二電チュー14へ遊技球が入賞したと判断される(S205:YES)。このため、第二電チュー14へ入賞した遊技球の個数である第二入賞球数を計数するRAM52の第二入賞球数カウンタに「1」が加算される(S206)。次いで、第二入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S209)。第二入賞球数が「10」未満である場合(S209:NO)、継続して第二電チュー14が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
【0169】
第二入賞球数が「10」以上の場合(S209:YES)又は第二開放時間が経過した場合(S203:YES)、第二電チュー14を閉鎖するための第二電チュー閉鎖コマンドが生成され(S211)、RAM52に記憶される。記憶された第二電チュー閉鎖コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二電チュー開放コマンドを受信した第二電チューソレノイド65は、第二電チュー14の開閉部材141を閉鎖させる。次いで、第二開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」になり(S212)、第二普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」になる(S213)。処理はメイン処理へ戻る。
【0170】
図29を参照して、第三普通図柄処理(S18、
図21参照)の詳細について説明する。第三普通図柄処理が開始されると、第二電チュー14へ遊技球が入賞したかが判断される(S231)。第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「OFF」の場合には第二電チュー14へ遊技球が入賞していないと判断されて(S231:NO)、処理はS241の判断へ移行する。
【0171】
第二電チュースイッチ72に対応するフラグが「ON」となっている場合には第二電チュー14へ遊技球が入賞したと判断されて(S231:YES)、第三保留球数が「4」であるかが判断される(S233)。第三保留球数が「4」である場合(S233:YES)、第三保留球数が最大第三保留球数に達しているため、処理はS241の判断へ移行する。第三保留球数が「4」でない場合(S233:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数に「1」が加算される(S235)。次いで、第三乱数が取得され、第三普通当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S236)。処理はS241の判断へ移行する。
【0172】
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S241)。第一~第四普通当たり遊技中フラグのうち少なくともいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S241:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第三普通図柄の変動時間を計測しない。
【0173】
第一~第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S241:YES)、第三普通図柄が変動中であるかが判断される(S242)。第三変動フラグが「OFF」の場合には、第三普通図柄が変動中でないと判断されて(S242:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S243)。第四保留球数が「1」以上である場合(S243:YES)、第三普通図柄の変動が行われず、処理はメイン処理へ戻る。第四保留球数が「0」である場合(S243:NO)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S251)。第三保留球数が「0」である場合(S251:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第三保留球数が「1」以上である場合(S251:YES)、RAM52に記憶されている第三保留球数が「1」減算される(S252)。第三普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第三当たり乱数が、第三判定エリア(図示略)にシフトされる(S253)。
【0174】
次いで、第三普通当たり判定が行われる(S255)。ROM53には、第三普通当たり判定を行うためのテーブルである第三普通当たり判定テーブルが記憶されている。第三普通当たり判定テーブルは、第三普通当たり判定について「第三普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第三当たり乱数の乱数値を定義している。S255の処理では、第三普通当たり判定テーブルが参照されて、S253の処理で第三判定エリアにシフトされた第三当たり乱数が「第三普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第三普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第三当たり乱数に基づく第三普通当たり判定が、第三当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第三普通当たり判定において、第三普通当たり確率(100%)で第三普通当たりと判定される。
【0175】
次いで、第三普通図柄の変動を開始させるための第三普通図柄変動開始コマンドが生成され(S256)、RAM52に記憶される。第三普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第三普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第三普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S258)。第三普通図柄が変動中であることを示す「1」が第三変動フラグに記憶されて「ON」となり(S259)、処理はメイン処理へ戻る。
【0176】
一方、S242の判断において、第三変動フラグが「ON」の場合には第三普通図柄が変動中であると判断されて(S242:YES)、第三普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S261)。次いで、第三普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第三普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S262)。第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第三普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S262:NO)、第三普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
【0177】
第三普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第三普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S262:YES)、第三普通図柄停止コマンドが生成され(S263)、RAM52に記憶される。記憶された第三普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。第三普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第三普通図柄の変動を停止する。次いで、第三普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第三変動フラグに記憶されて「OFF」になる(S265)。
【0178】
次いで、S255で行われた第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりであるかが判断される(S266)。第三普通当たり判定の結果がはずれの場合(S266:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第三普通当たり判定の結果が第三普通当たりの場合(S266:YES)、第三普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S268)。処理はメイン処理へ戻る。
【0179】
図30を参照して、第三普通電動役物処理(S17、
図21参照)の詳細について説明する。第三普通電動役物処理が開始されると、第三普通当たり遊技中であるかが判断される(S271)。第三普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には第三普通当たり遊技中でないと判断されて(S271:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0180】
第三普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には第三普通当たり遊技中であると判断されて(S271:YES)、第三普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第三電チュー15が開放中であるかが判断される(S272)。第三開放フラグが「OFF」である場合には第三電チュー15が閉鎖中であると判断されて(S272:NO)、第三電チュー15を開放させるための第三電チュー開放コマンドが生成され(S291)、RAM52に記憶される。第三電チュー開放コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー15の開閉部材151を開放させる。次いで、第三開放時間が、第三開放時間カウンタに記憶される(S292)。次いで、第三開放フラグが「ON」となり(S293)、処理はメイン処理へ戻る。
【0181】
一方、第三開放フラグが「ON」である場合には第三電チュー15が開放中であると判断されて(S272:YES)、第三電チュー15へ入賞した遊技球の処理及び第三電チュー15を閉鎖するための処理が行われる。まず、第三開放時間が経過したかが判断される(S273)。第三開放時間カウンタの値が「0」でない場合には第三開放時間はまだ経過していないと判断されて(S273:NO)、第三電チュー15へ遊技球が入賞したかが判断される(S275)。第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第三電チュー15へ遊技球が入賞していないと判断されて(S275:NO)、処理はS279の判断へ移行する。
【0182】
一方、第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている場合、第三電チュー15へ遊技球が入賞したと判断される(S275:YES)。このため、第三電チュー15へ入賞した遊技球の個数である第三入賞球数を計数するRAM52の第三入賞球数カウンタに「1」が加算される(S276)。次いで、第三入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S279)。第三入賞球数が「10」未満である場合(S279:NO)、継続して第三電チュー15が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
【0183】
第三入賞球数が「10」以上の場合(S279:YES)又は第三開放時間が経過した場合(S273:YES)、第三電チュー15を閉鎖するための第三電チュー閉鎖コマンドが生成され(S281)、RAM52に記憶される。記憶された第三電チュー閉鎖コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第三電チュー開放コマンドを受信した第三電チューソレノイド66は、第三電チュー15の開閉部材151を閉鎖させる。次いで、第三開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S282)、第三普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」になる(S283)。処理はメイン処理へ戻る。
【0184】
図31を参照して、第四普通図柄処理(S20、
図21参照)の詳細について説明する。第四普通図柄処理が開始されると、第一電チュー13へ遊技球が入賞したかが判断される(S301)。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「ON」となっている場合(S301:YES)、処理はS303の判断へ移行する。第一電チュースイッチ71に対応するフラグが「OFF」の場合(S301:NO)、第三電チュー15へ遊技球が入賞したかが判断される(S302)。第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「OFF」の場合(S302:NO)、処理はS311の判断へ移行する。第三電チュースイッチ73に対応するフラグが「ON」となっている場合(S302:YES)、処理はS303の判断へ移行する。
【0185】
次いで、第四保留球数が「4」であるかが判断される(S303)。第四保留球数が「4」である場合(S303:YES)、第四保留球数が最大第四保留球数に達しているため、処理はS311の判断へ移行する。第四保留球数が「4」でない場合(S303:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数に「1」が加算される(S305)。次いで、第四乱数が取得され、第四普通当たり関係記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S306)。処理はS311の判断へ移行する。
【0186】
次いで、全ての電チューが閉鎖中であるかが判断される(S311)。第一~第四普通当たり遊技中フラグのうち少なくともいずれかが「ON」の場合には、いずれかの電チューが開放中であると判断されて(S311:NO)、処理はメイン処理へ戻る。このようにして、パチンコ機1は、いずれかの電チューの開放中には、第四普通図柄の変動時間を計測しない。
【0187】
第一~第四普通当たり遊技中フラグのいずれもが「OFF」の場合、全ての電チューが閉鎖中であると判断されて(S311:YES)、第四普通図柄が変動中であるかが判断される(S312)。第四変動フラグが「OFF」の場合には、第四普通図柄が変動中でないと判断されて(S312:NO)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」以上であるかが判断される(S313)。第四保留球数が「1」以上である場合(S313:YES)、RAM52に記憶されている第四保留球数が「1」減算される(S314)。第四普通当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第四当たり乱数が、第四判定エリア(図示略)にシフトされる(S315)。
【0188】
次いで、第四普通当たり判定が行われる(S316)。ROM53には、第四普通当たり判定を行うためのテーブルである第四普通当たり判定テーブルが記憶されている。第四普通当たり判定テーブルは、第四普通当たり判定について「第四普通当たり」又は「はずれ」にそれぞれ対応する第四当たり乱数の乱数値を定義している。S316の処理では、第四普通当たり判定テーブルが参照されて、S315の処理で第四判定エリアにシフトされた第四当たり乱数が「第四普通当たり」又は「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第四普通当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第四当たり乱数に基づく第四普通当たり判定が、第四当たり乱数の記憶された順に行われる。本実施形態では、第四普通当たり判定において、第四普通当たり確率(100%)で第四普通当たりと判定される。
【0189】
次いで、第四普通図柄の変動を開始させるための第四普通図柄変動開始コマンドが生成され(S317)、RAM52に記憶される。第四普通図柄変動開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して、図柄表示部24に送信される。図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を開始する。次いで、予め定められている第四普通図柄の変動時間(本実施形態では、2秒)が、第四普通図柄変動時間カウンタに記憶される(S318)。第四普通図柄が変動中であることを示す「1」が第四変動フラグに記憶されて「ON」となり(S319)、処理はメイン処理へ戻る。
【0190】
一方、S312の判断において、第四変動フラグが「ON」の場合には第四普通図柄が変動中であると判断されて(S312:YES)、第四普通図柄変動時間カウンタの値から4msが減算される(S331)。次いで、第四普通図柄変動時間カウンタの値に基づいて、第四普通図柄の変動時間が経過したかが判断される(S332)。第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、第四普通図柄の変動時間がまだ経過していないと判断されて(S332:NO)、第四普通図柄の変動が継続され、処理はメイン処理へ戻る。
【0191】
第四普通図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には、第四普通図柄の変動時間が経過したと判断されて(S332:YES)、第四普通図柄停止コマンドが生成され(S333)、RAM52に記憶される。記憶された第四普通図柄停止コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって、中継基板47を介して図柄表示部24に送信される。第四普通図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、第四普通図柄の変動を停止する。次いで、第四普通図柄が変動中でないことを示す「0」が第四変動フラグに記憶されて「OFF」になる(S335)。
【0192】
次いで、S316で行われた第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりであるかが判断される(S336)。第四普通当たり判定の結果がはずれの場合(S336:NO)、処理はメイン処理へ戻る。第四普通当たり判定の結果が第四普通当たりの場合(S336:YES)、第四普通当たり遊技中フラグが「ON」とされる(S339)。処理はメイン処理へ戻る。
【0193】
また、S313の判断において、第四保留球数が「0」の場合には(S313:NO)、まだ第四普通当たり判定の行われていない第四保留球が存在せず、一連の第四普通当たり遊技が終了する。一連の第四普通当たり遊技が終了される際には、大当たり遊技も終了される場合があり、この場合には、大当たり遊技を終了させる処理を行う必要がある。そこで、まず、大当たり遊技中であるかが判断される(S321)。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合には大当たり遊技中でないと判断されて(S321:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0194】
大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合には大当たり遊技中であると判断されて(S321:YES)、第一普通当たり遊技が終了しているかが判断される(S322)。第一普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には第一普通当たり遊技が終了していないと判断されて(S322:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0195】
第一普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には第一普通当たり遊技が終了していると判断されて(S322:YES)、第三保留球数が「1」以上であるかが判断される(S325)。第三保留球数が「1」以上の場合には、まだ第三普通当たり判定の行われていない第三保留球が存在する。この時点では一連の第四普通当たり遊技が終了するのみであり、その後に第三普通当たり遊技が行われるので、大当たり遊技が継続する。したがって、第三保留球数が「1」以上の場合(S325:YES)、大当たり遊技は終了せず、処理はメイン処理へ戻る。
【0196】
一方、第三保留球数が「0」の場合(S325:NO)、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S326)。第二保留球数が「1」以上の場合には、まだ第二普通当たり判定の行われていない第二保留球が存在する。この時点では一連の第四普通当たり遊技が終了するのみであり、その後に第二普通当たり遊技が行われるので、大当たり遊技が継続する。したがって、第二保留球数が「1」以上の場合(S326:YES)、大当たり遊技は終了せず、処理はメイン処理へ戻る。
【0197】
一方、第二保留球数が「0」の場合(S326:NO)、一連の第四普通当たり遊技が終了し、第二保留球、第三保留球及び第四保留球が存在せず、第一普通当たり遊技も行われていないので、大当たり遊技が終了する。したがって、大当たり遊技状態フラグが「OFF」になる(S328)。大当たり遊技終了コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S329)。大当たり遊技終了コマンドは、大当たり遊技が終了することを通知するためのコマンドである。記憶された大当たり遊技終了コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、サブ制御基板58に送信される。その後、処理はメイン処理へ戻る。
【0198】
図32を参照して、S329(
図31参照)で生成される大当たり遊技終了コマンドの詳細について説明する。大当たり遊技終了コマンドは、「大当たり遊技正常終了」、「大当たり遊技異常終了A」~「大当たり遊技異常終了C」の4つの種別を含む。CPU51は、大当たり遊技が終了する時点において非電動役物が開放しているか否かを判断し、判断結果に応じた種別のコマンドを生成する(S329)。
【0199】
大当たり遊技が終了する時点において、第一非電動役物17及び第二非電動役物18が閉鎖している場合(第一非電作動センサ81及び第二非電作動センサ82のいずれも「ON」の場合)、CPU51は「大当たり遊技正常終了」の種別のコマンドを生成する。第一非電動役物17が閉鎖し、第二非電動役物18が開放している場合(第一非電作動センサ81が「ON」、第二非電作動センサ82が「OFF」の場合)、CPU51は「大当たり遊技異常終了A」の種別のコマンドを生成する。第一非電動役物17が開放し、第二非電動役物18が閉鎖している場合(第一非電作動センサ81が「OFF」、第二非電作動センサ82が「ON」の場合)、CPU51は「大当たり遊技異常終了B」の種別のコマンドを生成する。第一非電動役物17及び第二非電動役物18が開放している場合(第一非電作動センサ81及び第二非電作動センサ82のいずれも「OFF」の場合)、CPU51は「大当たり遊技異常終了C」の種別のコマンドを生成する。大当たり遊技終了コマンドは、サブ制御基板58のCPU581が4つの種別を判別できるように構成されている。
【0200】
図33を参照して、第四普通電動役物処理(S19、
図21参照)の詳細について説明する。第四普通電動役物処理が開始されると、第四普通当たり遊技中であるかが判断される(S341)。第四普通当たり遊技中フラグが「OFF」である場合には第四普通当たり遊技中でないと判断されて(S341:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0201】
第四普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合には第四普通当たり遊技中であると判断されて(S341:YES)、第四普通当たり遊技に関する制御が行われる。まず、第四電チュー16が開放中であるかが判断される(S342)。第四開放フラグが「OFF」である場合には第四電チュー16が閉鎖中であると判断されて(S342:NO)、第四電チュー16を開放させるための第四電チュー開放コマンドが生成され(S361)、RAM52に記憶される。第四電チュー開放コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四電チュー開放コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー16の開閉部材161を開放させる。次いで、第四開放時間が、第四開放時間カウンタに記憶される(S362)。次いで、第四開放フラグが「ON」となり(S363)、処理はメイン処理へ戻る。
【0202】
一方、第四開放フラグが「ON」である場合には第四電チュー16が開放中であると判断されて(S342:YES)、第四電チュー16へ入賞した遊技球の処理及び第四電チュー16を閉鎖するための処理が行われる。まず、第四開放時間が経過したかが判断される(S343)。第四開放時間カウンタの値が「0」でない場合には第四開放時間はまだ経過していないと判断されて(S343:NO)、第四電チュー16へ遊技球が入賞したかが判断される(S345)。第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「OFF」となっている場合には、第四電チュー16へ遊技球が入賞していないと判断されて(S345:NO)、処理はS349の判断へ移行する。
【0203】
一方、第四電チュースイッチ74に対応するフラグが「ON」となっている場合、第四電チュー16へ遊技球が入賞したと判断される(S345:YES)。このため、第四電チュー16へ入賞した遊技球の個数である第四入賞球数を計数するRAM52の第四入賞球数カウンタに「1」が加算される(S346)。次いで、第四入賞球数が「7」以上であるかが判断される(S349)。第四入賞球数が「7」未満である場合(S349:NO)、継続して第四電チュー16が開放されるので、処理はメイン処理へ戻る。
【0204】
第四入賞球数が「7」以上の場合(S349:YES)又は第四開放時間が経過した場合(S343:YES)、第四電チュー16を閉鎖するための第四電チュー閉鎖コマンドが生成され(S351)、RAM52に記憶される。記憶された第三電チュー閉鎖コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47に送信される。中継基板47を介して第四チュー開放コマンドを受信した第四電チューソレノイド67は、第四電チュー16の開閉部材161を閉鎖させる。次いで、第四開放フラグに「0」が記憶されて「OFF」となり(S352)、第四普通当たり遊技中フラグに「0」が記憶されて「OFF」になる(S353)。処理はメイン処理へ戻る。
【0205】
図34を参照して、非電動役物処理(S21、
図21参照)の詳細について説明する。非電動役物処理が開始されると、確認スイッチ検知時処理(S371)、非電開放時処理(S372)、第一非電入賞時処理(S373)、第二非電入賞時処理(S375)、第一非電閉鎖時処理(S376)、第二非電閉鎖時処理(S378)、第一非電非閉鎖判断処理(S379)が、順に行われる。
【0206】
図35を参照して、確認スイッチ検知時処理(S371、
図34参照)の詳細について説明する。確認スイッチ検知時処理では、第一非電確認スイッチ83又は第二非電確認スイッチ84が遊技球の通過を検知することに応じた処理が行われる。確認スイッチ検知時処理で使用されるフラグについて説明する。確認スイッチ検知時処理では、第一確認フラグ及び第二確認フラグが使用される。第一確認フラグ及び第二確認フラグは、RAM52に記憶される。第一確認フラグは、第一非電確認スイッチ83が遊技球の通過を検知した場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第二確認フラグは、第二非電確認スイッチ84が遊技球の通過を検知した場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0207】
確認スイッチ検知時処理が開始されると、第一非電確認スイッチ83が遊技球の通過を検知したかが判断される(S381)。遊技球の通過が検知されていない場合(S381:NO)、処理はS401の判断へ移行する。遊技球の通過が検知された場合(S381:YES)、第一確認フラグが「ON」になる(S382)。
【0208】
次いで、第一電チュー13が開閉動作を実行中であるかが判断される(S383)。本実施形態では、第一普通当たり遊技において開始演出が終了した時点から終了演出が終了する時点までの間を、第一電チュー13が開閉動作を実行中である期間としている。これは、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であり、且つ、第一開放フラグ又は終了演出中フラグが「ON」である場合に相当する。第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合(S383:NO)、第一非電確認異常コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S385)。第一非電確認異常コマンドは、第一非電確認スイッチ83が遊技球を検知した場合に第一電チュー13が開閉動作を実行中でないことを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電確認異常コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。
【0209】
遊技が正常に行われる場合には、第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合に遊技球が第一電チュー13へ入賞することがない。したがって、第一非電確認スイッチ83が遊技球を検知した場合に第一電チュー13が開閉動作を実行中でないときには、何らかの不正行為が行われている可能性がある。このため、パチンコ機1は、このような状況を検出し、エラーとして報知するために第一非電確認異常コマンドを生成する。本実施形態では、パチンコ機1は、不正行為をより厳密に検出するために、第一非電確認スイッチ83が遊技球の通過を検知した場合に第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であり、且つ、第一開放フラグ又は終了演出中フラグが「ON」であるときを検出している。これに限られず、第一非電確認スイッチ83が遊技球の通過を検知した場合に第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であるとき(第一大当たり遊技の開始演出の開始時点から終了演出の終了時点まで)が検出されてもよい。
【0210】
次いで、第一確認フラグが「OFF」になる(S386)。この処理は、不正行為が行われたことにより検知された第一非電確認スイッチ83への遊技球の通過を無効にするために行われる。これにより、パチンコ機1は、以降に第一確認フラグの状態を用いて行われる各種の処理に不具合が生じないようにしている。処理はS401の判断へ移行する。
【0211】
一方、第一電チュー13が開閉動作を実行中である場合(S383:YES)、前述の第一確認数に「1」が加算される(S391)。また、第二許容数に、第二閉鎖入賞数に等しい「2」が加算される(S392)。すなわち、パチンコ機1は、第一電チュー13の開閉動作の実行中に第一非電確認スイッチ83への遊技球の通過を検知した場合に、第二許容数を設定する。第二許容数とは、後述する第一非電非閉鎖判断処理(
図41参照)において用いる数であり、大出玉の第一普通当たり遊技において遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過してから第一非電動役物17が閉鎖するまでの間に第一非電動役物17へ入賞することが許容される遊技球の個数である。第二許容数は、RAM52に記憶される。なお、パチンコ機1のRAMクリア実行直後における第二許容数は「0」である。
【0212】
第一許容数について説明した場合と同様に、遊技が正常に進行する場合であっても、第一非電動役物17が開放状態を継続したまま大当たり遊技が終了することがある。大出玉の第一普通当たり遊技の開始前から第一非電動役物17が開放状態である場合、その第一非電動役物17への遊技球の入賞の検知タイミングが、第一非電確認スイッチ83が遊技球の通過検知タイミングよりも後になる場合がある。パチンコ機1は、不正ではないがイレギュラーな遊技が行われることを想定して、第二許容数を一律に「2」とするのではなく、第一非電確認スイッチ83が遊技球の通過を検知した時点に第二許容数を設定することとして、遊技の状況に応じて第二許容数を調整する。
【0213】
次いで、チェックタイマに確認時間である6秒がセットされる(S393)。チェックタイマは、確認時間を計測するためにRAM52に設けられるタイマカウンタである。確認時間とは、所定の条件が満たされた時点から第一非電動役物17が閉鎖するまでにかかる最大時間の目安である。すなわち、第一非電動役物17は、遊技が正常に進行していれば、所定の条件が満たされた時点から確認時間が経過するまでの間に閉鎖状態になっている。所定の条件とは、第一非電確認スイッチ83が遊技球の通過を検知した後に第一非電動役物17へ入賞した遊技球の個数の合計が第二許容数と等しく、且つ、第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合である。
【0214】
なお、パチンコ機1は、非電動役物が開放状態から閉鎖状態に移行した後、非電動役物が閉鎖状態を所定時間維持した場合に、非電動役物が完全に閉鎖したとみなしている。非電動役物が完全に閉鎖した状態を、以下では「完全閉鎖」という。本実施形態では、完全閉鎖に必要な所定時間(以下、「完全閉鎖時間」という。)は、第一非電動役物17及び第二非電動役物18ともに3秒間である。確認時間は、完全閉鎖時間よりも長い時間に設定されている。なお、S393では、チェックタイマに確認時間がセットされるのみであり、確認時間の計測(チェックタイマの減算)は、後述する別のタイミングで開始される。
【0215】
次いで、第二非電確認スイッチ84が遊技球の通過を検知したかが判断される(S401)。遊技球の通過が検知されていない場合(S401:NO)、処理は非電動役物処理(
図34参照)へ戻る。遊技球の通過が検知された場合(S401:YES)、第二確認フラグが「ON」になる(S402)。
【0216】
次いで、第一電チュー13が開閉動作を実行中であるかが判断される(S403)。この判断は、S383と同様の手法で行われる。第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合(S403:NO)、第二非電確認異常コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S405)。第二非電確認異常コマンドは、第二非電確認スイッチ84が遊技球を検知した場合に第一電チュー13が開閉動作を実行中でないことを通知するためのコマンドである。記憶された第二非電確認異常コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。
【0217】
第二非電確認異常コマンドが生成される目的は、第二非電確認スイッチ84が遊技球を検知した場合に第一電チュー13が開閉動作を実行中でない状況を検出し、エラーとして報知するためであり、第一非電確認異常コマンドが生成される目的と同様である。したがって、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」である場合(第一普通当たり遊技中である場合)に第二非電確認スイッチ84が遊技球を検出したときに、第二非電確認異常コマンドが生成されてもよい。
【0218】
次いで、第二確認フラグが「OFF」になる(S406)。この処理は、不正行為が行われたことにより検知された第二非電確認スイッチ84への遊技球の通過を無効にするために行われる。これにより、パチンコ機1は、以降に第二確認フラグの状態を用いて行われる各種の処理に不具合が生じないようにしている。処理は非電動役物処理へ戻る。一方、第一電チュー13が開閉動作を実行中である場合(S403:YES)、前述の第二確認数に「1」が加算されて(S408)、処理は非電動役物処理へ戻る。
【0219】
図36を参照して、非電開放時処理(S372、
図34参照)の詳細について説明する。非電開放時処理では、非電動役物が閉鎖状態から開放状態に移行することに伴う処理が行われる。非電開放時処理で使用されるフラグについて説明する。非電開放時処理では、第一非電完全閉鎖フラグ、第二非電完全閉鎖フラグ、第一非電開放中フラグ、第二非電開放中フラグが使用される。これらのフラグはRAM52に記憶される。第一非電完全閉鎖フラグは、第一非電動役物17が前述の完全閉鎖をしている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、完全閉鎖をしていない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第二非電完全閉鎖フラグは、第二非電動役物18が完全閉鎖をしている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、完全閉鎖をしていない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第一非電開放中フラグは、第一非電動役物17が開放状態にある場合に「1」が記憶されて「ON」になり、第一非電動役物17が閉鎖状態にある場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第二非電開放中フラグは、第二非電動役物18が開放状態にある場合に「1」が記憶されて「ON」になり、第二非電動役物18が閉鎖状態にある場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0220】
非電開放時処理が開始されると、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行したかが判断される(S411)。この判断は、第一非電開放中フラグが「OFF」の状態で第一非電作動センサ81から「ON」信号を受信したかによって行われる。第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行していない(開放状態又は閉鎖状態を維持している)場合(S411:NO)、処理はS422の判断へ移行する。
【0221】
第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行した場合(S411:YES)、第一非電開放コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S412)。第一非電開放コマンドは、第一非電動役物17が開放したことを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電開放コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理においてサブ制御基板58に送信される。
【0222】
次いで、第一電チュー13が開閉動作を実行中であるかが判断される(S413)。この判断は、S383等の判断と同様に、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であり、且つ、第一開放フラグ又は終了演出中フラグが「ON」であるかによって行われる。第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合(S413:NO)、第一非電異常開始コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S415)。第一非電異常開始コマンドは、第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合に第一非電動役物17が開放したことを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電異常開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。次いで、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行したことに伴い第一非電完全閉鎖フラグが「OFF」になり(S416)、処理はS421に移行する。
【0223】
遊技が正常に行われる場合には、第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合に遊技球が第一電チュー13へ入賞することがなく、第一電チュー13へ遊技球が入賞しない場合には非電動役物が開放することもない。したがって、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行した場合に第一電チュー13が開閉動作を実行中でないときには、何らかの不正行為が行われている可能性がある。このため、パチンコ機1は、第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合に第一非電動役物17が開放した場合を、第一非電動役物17の異常な開放として検出する。また、パチンコ機1は、この状況をエラーとして報知するために第一非電異常開始コマンドを生成する。
【0224】
なお、本実施形態では、パチンコ機1は、不正行為をより厳密に検出するために、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行した場合に第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であり、且つ、第一開放フラグ又は終了演出中フラグが「ON」であるときを検出している。これに限られず、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行した場合に第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であるとき(第一大当たり遊技の開始演出の開始時点から終了演出の終了時点まで)が検出されてもよい。
【0225】
この他、パチンコ機1は、S415の処理に替えて、第一電チュー13が開閉動作を実行中である場合に(S413:YES)、第一非電確認スイッチ83が遊技球の通過を検知した回数が1回を超えたか否かを判断してもよい。そして、パチンコ機1は、第一非電確認スイッチ83による遊技球の通過検知回数が1回を超えた場合(2回以上の通過検知があった場合)を、第一非電動役物17の異常な開放として検出してもよい。また、パチンコ機1は、このような異常な第一非電動役物17の開放を検出した場合に、第一非電異常開始コマンドを生成してもよい。
【0226】
本実施形態では、遊技が正常に行われる場合には、大出玉の第一普通当たり遊技が1回行われる間に、第一非電確認スイッチ83によって遊技球の通過が1回だけ検知される。このため、第一電チュー13が開閉動作を実行中である場合に第一非電確認スイッチ83による遊技球の通過検知回数が2回以上である場合には、何らかの不正行為が行われている可能性がある。したがって、パチンコ機1は、このような状況を検出し、エラーとして報知することによって、不正行為を抑制できる。大出玉の第一普通当たり遊技が1回行われる間に、第一非電確認スイッチ83によって遊技球通過が検知される回数が複数回の所定回数となる遊技仕様の場合もある。この場合には、パチンコ機1は、その所定回数を超える回数の遊技球の通過検知が第一非電確認スイッチ83によってされたときを検出してもよい。また、パチンコ機1は、第一電チュー13が開閉動作を実行中であり、且つ、大出玉の第一普通当たり遊技が実行中である場合に、第一普通当たり遊技が1回行われる間における第一非電確認スイッチ83による遊技球通過検知回数に基づいた上記判断を行ってもよい。
【0227】
一方、第一電チュー13が開閉動作を実行中である場合(S413:YES)、実行中の第一普通当たり遊技が小出玉の第一普通当たり遊技であるかが判断される(S418)。この判断は、S55(
図22参照)でRAM52に記憶された第一普通図柄の当たり図柄に基づいて行われる。実行中の第一普通当たり遊技が大出玉の第一普通当たり遊技である場合(S418:NO)、処理はS421の判断へ移行する。実行中の第一普通当たり遊技が小出玉の第一普通当たり遊技である場合(S418:YES)、第一非電不正作動コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S419)。第一非電不正作動コマンドは、小出玉の第一普通当たり遊技において第一非電動役物17が開放したことを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電不正作動コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理はS421へ移行する。
【0228】
遊技が正常に行われる場合には、小出玉の第一普通当たり遊技の実行中には第二非電動役物18のみが開閉動作を繰り返し、第一非電動役物17は開閉動作を行わない。したがって、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行した場合に小出玉の第一普通当たり遊技が実行されているときには、何らかの不正行為が行われている可能性がある。このため、パチンコ機1は、小出玉の第一普通当たり遊技の実行中に第一非電動役物17が開放した場合を、第一非電動役物17の不正な開放として検出する。また、パチンコ機1は、この状況をエラーとして報知するために第一非電不正作動コマンドを生成する。
【0229】
次いで、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行したことに伴い、第一非電開放中フラグが「ON」になる(S421)。第二非電動役物18が閉鎖状態から開放状態に移行したかが判断される(S422)。この判断は、第二非電開放中フラグが「OFF」の状態で第二非電作動センサ82から「ON」信号を受信したかによって行われる。第二非電動役物18が閉鎖状態から開放状態に移行していない(開放状態又は閉鎖状態を維持している)場合(S422:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。
【0230】
第二非電動役物18が閉鎖状態から開放状態に移行した場合(S422:YES)、第二非電開放コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S423)。第二非電開放コマンドは、第二非電動役物18が開放したことを通知するためのコマンドである。記憶された第二非電開放コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。
【0231】
次いで、第一電チュー13が開閉動作を実行中であるかが判断される(S425)。この判断は、S413等の判断と同様に、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であり、且つ、第一開放フラグ又は終了演出中フラグが「ON」であるかによって行われる。第一電チュー13が開閉動作を実行中である場合(S425:YES)、処理はS428へ移行する。
【0232】
第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合(S425:NO)、第二非電異常開始コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S426)。第二非電異常開始コマンドは、第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合に第二非電動役物18が開放したことを通知するためのコマンドである。記憶された第二非電異常開始コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。第二非電動役物18が閉鎖状態から開放状態に移行した場合に第一電チュー13が開閉動作を実行中でないときには、何らかの不正行為が行われている可能性がある。このため、パチンコ機1は、第一電チュー13が開放動作を実行中でない場合に第二非電動役物18が開放した場合を、第二非電動役物18の異常な開放として検出する。また、パチンコ機1は、この状況をエラーとして報知するために第二非電異常開始コマンドを生成する。
【0233】
次いで、第二非電動役物18が閉鎖状態から開放状態に移行したことに伴い第二非電完全閉鎖フラグが「OFF」になり(S428)、第二非電開放中フラグが「ON」になる(S429)。処理は非電動役物処理へ戻る。
【0234】
図37を参照して、第一非電入賞時処理(S373、
図34参照)の詳細について説明する。第一非電入賞時処理では、第一非電動役物17へ遊技球が入賞することに伴う処理が行われる。第一非電入賞時処理が開始されると、第一非電動役物17に遊技球が入賞したかが判断される(S431)。第一非電動役物スイッチ75に対応するフラグが「OFF」の場合には遊技球が第一非電動役物17へ入賞していないと判断されて(S431:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。
【0235】
第一非電動役物スイッチ75に対応するフラグが「ON」の場合には第一非電動役物17へ遊技球が入賞したと判断される(S431:YES)。この場合、第一非電動役物17へ入賞した遊技球の個数である第一非電入賞球数を計数するRAM52の第一非電入賞球数カウンタに「1」が加算される(S432)。次いで、RAM52に記憶されている前述の第一許容数から「1」が減算される(S435)。また、RAM52に記憶されている前述の第二許容数から「1」が減算される(S436)。第一許容数が「0」未満であるかが判断される(S438)。第一許容数が「0」以上である場合(S438:NO)、処理はS441の判断へ移行する。
【0236】
第一許容数が「0」未満である場合(S438:YES)、第一非電過剰入賞コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S439)。第一非電過剰入賞コマンドは、1回の大当たり遊技において第一非電動役物17へ入賞した遊技球の個数が第一許容数を超えたことを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電過剰入賞コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理はS441へ移行する。
【0237】
前述したように、第一許容数は大当たり遊技の開始時点に設定され、大出玉の第一普通当たり遊技が実行される場合には原則として「2」が、小出玉の第一普通当たり遊技が実行される場合には「0」が、それぞれ設定される。また、第一非電動役物17が開放状態を継続したまま、次回に大出玉の第一普通当たり遊技が実行される場合には、開放状態の第一非電動役物17の閉鎖に必要な入賞個数を考慮して、第一許容数が「3」又は「4(最大値)」に設定される(
図23参照)。パチンコ機1は第一許容数を設定した後、第一非電動役物17へ遊技球が入賞する毎に第一許容数を減算する。したがって、第一許容数が「0」未満になった場合には、第一非電動役物17へ入賞した遊技球の個数が正常な遊技における個数を超えることになる。このような場合には、何らかの不正行為によって第一非電動役物17へ遊技球が入賞している可能性がある。このため、パチンコ機1は、第一普通当たり遊技が大出玉又は小出玉のいずれであるかに応じた第一許容数を設定し、設定した第一許容数を超えて第一非電動役物17へ遊技球が入賞した場合を検出する。また、パチンコ機1は、この状況をエラーとして報知するために第一非電過剰入賞コマンドを生成する。
【0238】
次いで、第一非電動役物17が閉鎖状態であるかが判断される(S441)。この判断は、前述の第一非電開放中フラグの状態に基づいて行われる。遊技が正常に行われる場合には、第一非電動役物17に第一閉鎖入賞数(本実施形態では2個)の遊技球が入賞した場合に、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行する。第一非電開放中フラグが「ON」である場合には第一非電動役物17が開放状態であると判断されて(S441:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。
【0239】
第一非電開放中フラグが「OFF」である場合には第一非電動役物17が閉鎖状態であると判断されて(S441:YES)、第一非電動役物17が完全閉鎖しているかが判断される(S442)。この判断は、前述の第一非電完全閉鎖フラグの状態に基づいて行われる。第一非電完全閉鎖フラグが「OFF」である場合には第一非電動役物17が完全閉鎖をしていないと判断されて(S442:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。第一非電完全閉鎖フラグが「ON」である場合には第一非電動役物17が完全閉鎖をしていると判断される(S442:YES)。この場合、S431における「YES」の判断に係る第一非電動役物17への遊技球の入賞を無効にする第一非電入賞無効処理が行われる(S443)。第一非電入賞無効処理は、S431における「YES」の判断に係る第一非電動役物17への遊技球の入賞をなかったものにする。したがって、当該入賞に対する賞球の払い出しの不実行、当該入賞に起因して取得された第二乱数の破棄等の処理が行われる。
【0240】
次いで、第一非電無効入賞コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S445)。第一非電無効入賞コマンドは、第一非電動役物17が完全閉鎖している状態で第一非電動役物17へ遊技球が入賞したことを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電無効入賞コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理は非電動役物処理へ戻る。
【0241】
遊技が正常に行われる場合には、完全閉鎖している第一非電動役物17に遊技球が入賞することがない。したがって、第一非電動役物17が完全閉鎖している状態で第一非電動役物17への遊技球の入賞が検知された場合には、何らかの不正行為が行われている可能性がある。パチンコ機1は、第一非電動役物17が完全閉鎖している状態における第一非電動役物17への遊技球の入賞を、その入賞を無効にすべき不正な入賞であるとして検出する。そして、パチンコ機1は、第一非電入賞無効処理を実行し、また、パチンコ機1は、この状況をエラーとして報知するために第一非電無効入賞コマンドを生成する。
【0242】
なお、第一非電動役物17へ遊技球が入賞してから遊技球が第一非電動役物スイッチ75を通過するまでには、一定の時間がかかる。このため、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行する直前に第一非電動役物17へ入賞した遊技球が第一非電動役物スイッチ75を通過する時点が、第一非電動役物17が閉鎖状態に移行した後であることがある。つまり、第一非電動役物17が閉鎖状態に移行した直後の第一非電動役物スイッチ75による入賞検知は、正常な遊技によって生じ得る。このため、パチンコ機1は、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行し、閉鎖状態を継続して完全閉鎖に至った場合における第一非電動役物スイッチ75による入賞検知を、第一非電入賞無効処理及び第一非電無効入賞コマンド生成の対象としている。
【0243】
図38を参照して、第二非電入賞時処理(S375、
図34参照)の詳細について説明する。第二非電入賞時処理では、第二非電動役物18へ遊技球が入賞することに伴う処理が行われる。第二非電入賞時処理が開始されると、第二非電動役物18へ遊技球が入賞したかが判断される(S451)。第二非電動役物スイッチ76に対応するフラグが「OFF」の場合には遊技球が第二非電動役物18へ入賞していないと判断されて(S451:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。
【0244】
第二非電動役物スイッチ76に対応するフラグが「ON」の場合には第二非電動役物18へ遊技球が入賞したと判断されて(451:YES)、RAM52に記憶されている前述の第二非電累積入賞球数に「1」が加算される(S453)。
【0245】
次いで、第二非電動役物18が閉鎖状態であるかが判断される(S455)。この判断は、前述の第二非電開放中フラグの状態に基づいて行われる。遊技が正常に行われる場合には、第二非電動役物18に第二閉鎖入賞数(本実施形態では1個)の遊技球が入賞した場合に、第二非電動役物18が開放状態から閉鎖状態に移行する。第二非電開放中フラグが「ON」である場合には第二非電動役物18が開放状態であると判断されて(S455:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。
【0246】
第二非電開放中フラグが「OFF」である場合には第二非電動役物18が閉鎖状態であると判断されて(S455:YES)、第二非電動役物18が完全閉鎖しているかが判断される(S456)。この判断は、前述の第二非電完全閉鎖フラグの状態に基づいて行われる。第二非電完全閉鎖フラグが「OFF」である場合には第二非電動役物18が完全閉鎖をしていないと判断されて(S456:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。第二非電完全閉鎖フラグが「ON」である場合には第二非電動役物18が完全閉鎖をしていると判断される(S456:YES)。この場合、S451における「YES」の判断に係る第二非電動役物18への遊技球の入賞を無効にする第二非電入賞無効処理が行われる(S458)。第二非電入賞無効処理は、S451における「YES」の判断に係る第二非電動役物18への遊技球の入賞をなかったものにする。したがって、当該入賞に対する賞球の払い出しの不実行等の処理が行われる。
【0247】
次いで、第二非電無効入賞コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S459)。第二非電無効入賞コマンドは、第二非電動役物18が完全閉鎖している状態で第二非電動役物18へ遊技球が入賞したことを通知するためのコマンドである。記憶された第二非電無効入賞コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理は非電動役物処理へ戻る。
【0248】
遊技が正常に行われる場合には、完全閉鎖している第二非電動役物18に遊技球が入賞することがないので、第二非電動役物18が完全閉鎖している状態で第二非電動役物18への遊技球の入賞が検知された場合には、何らかの不正行為が行われている可能性がある。パチンコ機1は、第二非電動役物18が完全閉鎖している状態における第二非電動役物18への遊技球の入賞を、その入賞を無効にすべき不正な入賞であるとして検出する。そして、パチンコ機1は、第二非電入賞無効処理を実行し、また、パチンコ機1は、この状況をエラーとして報知するために第二非電無効入賞コマンドを生成する。
【0249】
図39を参照して、第一非電閉鎖時処理(S376、
図34参照)の詳細について説明する。第一非電閉鎖時処理では、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行することに伴う処理が行われる。第一非電閉鎖時処理が開始されると、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行したかが判断される(S461)。この判断は、第一非電開放中フラグが「ON」の状態で第一非電作動センサ81が「OFF」になったかによって行われる。第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行していない(開放状態又は閉鎖状態を維持している)場合(S461:NO)、処理はS471の判断へ移行する。
【0250】
第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行した場合(S461:YES)、第一非電閉鎖コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S462)。第一非電閉鎖コマンドは、第一非電動役物17が閉鎖したことを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電閉鎖コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理においてサブ制御基板58に送信される。
【0251】
次いで、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行した後、第一非電動役物17の完全閉鎖時間である第一非電完全閉鎖時間の計測が開始される(S463)。この処理では、RAM52のタイマカウンタである第一非電完全閉鎖時間カウンタに前述の完全閉鎖時間(本実施形態では3秒)がセットされる。そして、時間の経過に応じたカウンタ値の減算が開始される。次いで、第一非電動役物17が閉鎖状態に移行したことに伴い、第一非電開放中フラグが「OFF」になる(S465)。
【0252】
次いで、第一確認フラグが「ON」であるかが判断される(S466)。第一確認フラグが「OFF」である場合(S466:NO)、処理はS471の判断へ移行する。第一確認フラグが「ON」である場合(S466:YES)、RAM52に記憶されている第一非電入賞球数が「2」未満であるかが判断される(S467)。第一非電入賞球数が「2」である場合(S467:NO)、処理はS467の判断へ移行する。
【0253】
第一非電入賞球数が「2」未満である(「1」又は「0」である)場合(S467:YES)、第一非電入賞不足コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S468)。第一非電入賞不足コマンドは、遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過した後に、第一非電動役物17へ入賞した遊技球の個数が第一閉鎖入賞数である「2」未満であることを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電入賞不足コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理はS471の判断へ移行する。
【0254】
第一普通当たり遊技において第一電チュー13へ遊技球が入賞したことに伴い遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過した後には、第一非電動役物17が開放する。このとき、第一非電動役物17へ向けた遊技球の発射が継続されれば、第一非電動役物17に遊技球が順次入賞する。第一閉鎖入賞数は「2」であるので、遊技が正常に行われる場合には、第一非電確認スイッチ83を遊技球が通過した後の第一非電入賞球数は「2」に到達する。第一非電入賞球数が「2」未満である場合には、第一非電動役物17の入口における球詰まり、第一非電動役物17の開放不良等の何らかのトラブルが生じている可能性がある。このため、パチンコ機1は、遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過した後に、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行した場合において、第一非電動役物17へ入賞した遊技球の個数が第一閉鎖入賞数である「2」未満であるときを検出する。そして、パチンコ機1は、この状況をエラーとして報知するために、第一非電入賞不足コマンドを生成する。
【0255】
次いで、第一非電完全閉鎖時間が経過したかが判断される(S471)。この判断は、第一完全閉鎖時間カウンタの値に基づいて行われる。第一非電完全閉鎖時間がまだ経過していない場合、又は第一非電完全閉鎖時間の計測が行われていない場合(S471:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。第一非電完全閉鎖時間が経過した場合(S471:YES)、第一非電完全閉鎖フラグが「ON」になる(S472)。第一許容数が「0」にクリアされる(S473)。
【0256】
前述したように、パチンコ機1は、第一非電動役物17が閉鎖した後、完全閉鎖に至った場合には、第一許容数を「0」とする。これにより、パチンコ機1は、完全閉鎖後の第一非電動役物17へ遊技球が入賞した場合を、第一許容数を超えた第一非電動役物17への入賞を不正なものとして検出できる。また、パチンコ機1は、第一非電動役物17が完全閉鎖に至らない場合には、第一非電動役物17が開放状態を継続したまま以降の遊技が進行しているとして、第一許容数を維持する。これにより、パチンコ機1は、第一非電動役物17が開放状態を継続したまま大出玉大当たり遊技が終了し、その後に新たに大出玉大当たり遊技が開始されるようなイレギュラーな遊技を不正な遊技として検出することを回避する。すなわち、パチンコ機1は、大出玉大当たり遊技の当初から第一非電動役物17が開放状態である場合には、開放状態の第一非電動役物17へ遊技球が入賞することにより第一非電動役物17が閉鎖した後、その大出玉大当たり遊技において新たに開放する第一非電動役物17へ遊技球が入賞するような場合を、不正な遊技ではないものとして取り扱うことができる。
【0257】
次いで、第二許容数が「0」にクリアされる(S474)。次いで、チェックタイマの値が「0」にクリアされる(S475)。すなわち、パチンコ機1は、第一非電動役物17が完全閉鎖に至った場合には、第一非電動役物17へ第二許容数の遊技球が入賞したか否かの判断、及び確認時間の計測を終了する。
【0258】
次いで、第一非電動役物17の完全閉鎖に伴い、第一非電入賞球数が「0」にクリアされる(S476)。第一非電動役物17が完全閉鎖した場合には、遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過したことに対応する第一非電動役物17の開放が終了したこととなるので、第一確認フラグが「OFF」になる(S477)。
【0259】
次いで、第一非電ギヤセンサ85が「ON」であるかが判断される(S478)。前述したように、遊技が正常に進行する場合、第一非電動役物17が閉鎖状態にある(第一非電作動センサ81が「ON」である)ときに、第一非電ギヤセンサ85が「ON」である。したがって、第一非電ギヤセンサ85が「ON」である場合(S478:YES)、遊技が正常に進行しているので、処理は非電動役物処理へ戻る。一方、第一非電ギヤセンサ85が「OFF」である場合(S478:NO)、第一非電ギヤ異常コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S479)。第一非電ギヤ異常コマンドは、第一非電動役物17が閉鎖状態にある場合に第一非電ギヤセンサ85が「OFF」であることを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電ギヤ異常コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理は非電動役物処理へ戻る。
【0260】
第一非電作動センサ81が「OFF」から「ON」になったばかりの状態においては、第一非電動役物17の案内部材173に設けられる遮蔽板173E(
図13参照)が、第一非電作動センサ81の検知部における位置が安定しない等の理由で、第一非電作動センサ81の「ON」状態が安定しないことがある。パチンコ機1は、第一非電作動センサ81が「OFF」から「ON」になった後、第一非電完全閉鎖時間を経過し、第一非電作動センサ81の「ON」状態が安定した状態でS478の判断を行う。これにより、パチンコ機1は、第一非電動役物17が閉鎖状態にある場合に第一非電ギヤセンサ85が「OFF」である異常の検出精度を高めている。第一非電作動センサ81が「ON」から「OFF」になった直後であっても、遮蔽板173Eの第一非電作動センサ81の検知部における位置が安定していれば、S478の判断は、第一非電動役物17が完全閉鎖に至るよりも前の閉鎖状態中に行われてもよい。また、第一非電作動センサ81が「ON」から「OFF」になった直後にS478の判断が行われてもよい。
【0261】
図40を参照して、第二非電閉鎖時処理(S378、
図34参照)の詳細について説明する。第二非電閉鎖時処理では、第二非電動役物18が開放状態から閉鎖状態に移行することに伴う処理が行われる。第二非電閉鎖時処理が開始されると、第二非電動役物18が閉鎖状態から開放状態に移行したかが判断される(S481)。この判断は、第二非電開放中フラグが「ON」の状態で第二非電作動センサ82が「OFF」になったかによって行われる。第二非電動役物18が開放状態から閉鎖状態に移行していない(開放状態又は閉鎖状態を維持している)場合(S481:NO)、処理はS492の判断へ移行する。
【0262】
第二非電動役物18が開放状態から閉鎖状態に移行した場合(S481:YES)、第二非電閉鎖コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S482)。第二非電閉鎖コマンドは、第二非電動役物18が閉鎖したことを通知するためのコマンドである。記憶された第二非電閉鎖コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理においてサブ制御基板58に送信される。
【0263】
次いで、第二非電動役物18が開放状態から閉鎖状態に移行した後、第二非電動役物18の完全閉鎖時間である第二非電完全閉鎖時間の計測が開始される(S483)。この処理では、RAM52のタイマカウンタである第二非電完全閉鎖時間カウンタに前述の完全閉鎖時間(本実施形態では3秒)がセットされる。そして、時間の経過に応じたカウンタ値の減算が開始される。そして、時間の経過に応じたカウンタ値の減算が開始される。次いで、第二非電動役物18が閉鎖状態に移行したことに伴い、第二非電開放中フラグが「OFF」になる(S485)。
【0264】
次いで、第二確認フラグが「ON」であるかが判断される(S486)。第二確認フラグが「OFF」である場合(S486:NO)、処理はS492の判断へ移行する。第二確認フラグが「ON」である場合(S486:YES)、RAM52に記憶されている第二非電入賞球数が「1」未満であるかが判断される(S488)。第二非電入賞球数が「1」である場合(S488:NO)、処理はS492の判断へ移行する。
【0265】
第二非電入賞球数が「1」未満である(「0」である)場合(S488:YES)、第二非電入賞不足コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S489)。第二非電入賞不足コマンドは、遊技球が第二非電確認スイッチ84を通過した後に、第二非電動役物18へ入賞した遊技球の個数が第二閉鎖入賞数である「1」未満であることを通知するためのコマンドである。記憶された第二非電入賞不足コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理はS492の判断へ移行する。
【0266】
遊技が正常に行われる場合には、大当たり遊技中に右打ちが継続して行われ、開放した第二非電動役物18へ第二閉鎖入賞数である「1」個の遊技球が入賞し、これに伴い、第二非電動役物18が閉鎖する。したがって、第二非電入賞球数が「1」未満であるのに第二非電動役物18が閉鎖した場合には、第二非電動役物18の開閉機構に何らかのトラブルが発生している可能性がある。このため、パチンコ機1は、第二非電動役物18が開放状態から閉鎖状態に移行したときに、第二非電入賞球数が「1」未満である場合を検出する。そして、パチンコ機1は、この状況をエラーとして報知するために第二非電入賞不足コマンドを生成する。
【0267】
次いで、第二非電完全閉鎖時間が経過したかが判断される(S492)。この判断は、第二完全閉鎖時間カウンタの値に基づいて行われる。第二非電完全閉鎖時間がまだ経過していない場合(S492:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。第二非電完全閉鎖時間が経過した場合(S492:YES)、第二非電完全閉鎖フラグが「ON」になる(S493)。第二非電動役物18の完全閉鎖に伴い、第二非電入賞球数が「0」にクリアされる(S495)。第二非電動役物18が完全閉鎖した場合には、遊技球が第二非電確認スイッチ84を通過したことに対応する第二非電動役物18の開放が終了したこととなるので、第二確認フラグが「OFF」になる(S496)。処理は非電動役物処理へ戻る。
【0268】
図41を参照して、第一非電非閉鎖判断処理(S379、
図34参照)の詳細について説明する。第一非電非閉鎖判断処理では、遊技が正常に進行する場合であれば第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行しているべきタイミングに第一非電動役物17が閉鎖しているかが判断される。第一非電非閉鎖判断処理が開始されると、第一確認フラグが「ON」であるかが判断される(S501)。第一確認フラグが「OFF」である場合(S501:NO)、処理はS506の判断へ移行する。
【0269】
第一確認フラグが「ON」である場合(S501:YES)、第二許容数が「0」であるかが判断される(S502)。第二許容数が「0」でない場合(S502:NO)、処理はS506の判断へ移行する。第二許容数数が「0」である場合(S502:YES)、第一電チュー13が開閉動作を実行中であるかが判断される(S503)。この判断は、S425等の判断と同様に、第一普通当たり遊技中フラグが「ON」であり、且つ、第一開放フラグ又は終了演出中フラグが「ON」であるかによって行われる。第一電チュー13が開閉動作を実行中である場合(S503:YES)、処理はS506の判断へ移行する。
【0270】
第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合(S503:NO)、S393(
図35参照)においてRAM52のチェックタイマにセットされた確認時間の計測(チェックタイマの減算)が開始される(S505)。処理はS506の判断へ移行する。
【0271】
次いで、確認時間が経過したかが判断される(S506)。この判断は、チェックタイマの値に基づいて行われる。確認時間がまだ経過していない場合(S506:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。なお、S475(
図39参照)でチェックタイマの値が「0」にクリアされている場合には、確認時間の経過の判断が行われず(S506:NO)、処理は非電動役物処理へ戻る。確認時間が経過した場合(S506:YES)、第一非電非閉鎖コマンドが生成され、RAM52に記憶される(S508)。第一非電非閉鎖コマンドは、遊技が正常に進行する場合であれば第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行しているべきタイミングに第一非電動役物17が閉鎖してないことを通知するためのコマンドである。記憶された第一非電非閉鎖コマンドは、次回に実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、外部端子板55及びサブ制御基板58に送信される。処理は非電動役物処理へ戻る。
【0272】
図42を参照して、遊技が正常に進行する場合であれば第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行しているべきタイミングについて説明する。
図42におけるT0、T7、T8は、
図19のT0、T7、T8に相当し、第一普通当たり遊技の開始時点、終了演出の開始時点、終了演出の終了時点(第一普通当たり遊技の終了時点)をそれぞれ示す。
【0273】
パチンコ機1において、大出玉の第一普通当たり遊技の終了演出の実行時間は、作動位置にある振分部21によって遊技球がストッパ21Bと左端部231Cとの間に保持される位置(
図8参照)から第一非電確認スイッチ83の位置まで遊技球が流下するために必要な時間よりも少なくとも長い時間に設定されている。このため、第一電チュー13が最後の開放を終え、終了演出が開始される時点T7に振分部21が作動位置から未作動位置に移動することによって流下を開始した遊技球は、終了演出の実行中(終了演出の終了よりも前)に第一非電確認スイッチ83を通過する。なお、小出玉の第一普通当たり遊技の終了演出の実行時間は、遊技球が第一電チュー13に入賞してから第二非電確認スイッチ84の位置まで遊技球が流下するために必要な時間よりも少なくとも長い時間に設定されている。
【0274】
第一非電動役物パターンAは、遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過した(遊技球が第一特定領域231Aを通過した)ことに伴い開放した第一非電動役物17が、終了演出の終了後まで開放を継続する場合を示す。開放した第一非電動役物17に第一閉鎖入賞数である「2」個の遊技球が入賞することにより、第一非電動役物17が閉鎖する。第一非電動役物17への2個目の遊技球の入賞が、終了演出の終了後に行われた場合に、第一非電動役物パターンAが生ずる。この場合、2個目の遊技球の入賞に伴い第一非電動役物17が閉鎖した後、第一非電完全閉鎖時間が経過することによって、第一非電動役物17が完全閉鎖の状態になる。
【0275】
前述したように、第一電チュー13が開閉動作を実行中である場合(S383:YES)、遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過した時点に、第二許容数が設定される(S392)。第一非電動役物パターンAにおいては、第二許容数に「2」が設定される。また、確認時間がチェックタイマにセットされる(S393)。その後、第二許容数が「0」であり(S502:YES)、且つ、第一電チュー13が開閉動作を実行中でない場合(終了演出の終了後)(S503:NO)、確認時間の計測が開始される(S505)。確認時間が経過するよりも前に第一非電動役物17が完全閉鎖に至った場合には、第二許容数及び確認時間がクリアされる(S474及びS475)。パチンコ機1は、確認時間を第一非電完全閉鎖時間よりも長い時間に設定している。第二許容数が「0」になった時点から確認時間が経過した時点を、時点T10とする。遊技が正常に行われ、遊技球の右打ちが継続して行われた場合には、確認時間が経過する時点T10よりも前の時点に第一非電動役物17が完全閉鎖の状態になる。すなわち、遊技が正常に進行する場合であれば第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行しているべきタイミングよりも前に第一非電動役物17が完全閉鎖している。したがって、第一非電動役物パターンAにおいては、確認時間が経過することがないので、第一非電非閉鎖コマンドが生成されない。
【0276】
第一非電動役物パターンBは、遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過したことに伴い開放した第一非電動役物17が、終了演出が終了するよりも前の時点に開放を終了する場合を示す。開放した第一非電動役物17への2個目の遊技球の入賞が、終了演出の終了よりも前の時点に行われた場合に、第一非電動役物パターンBが生ずる。第一非電動役物パターンBでは、第一非電完全閉鎖時間が経過した時点が、終了演出の終了時点よりも前になる。すなわち、遊技が正常に進行する場合であれば第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行しているべきタイミングよりも前に第一非電動役物17が完全閉鎖している。
【0277】
この場合、終了演出の終了時点よりも前の時点に第一非電動役物17が完全閉鎖に至り、この時点に第二許容数及び確認時間がクリアされる(S474及びS475)。したがって、第一非電動役物パターンBにおいては、確認時間が経過することがないので、第一非電非閉鎖コマンドが生成されない。
【0278】
第一非電動役物パターンCは、第一非電動役物17が開放した状態で第一普通当たり遊技が開始され、第一電チュー13へ入賞した遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過する直前に第一非電動役物17に遊技球が入賞して第一非電動役物17が閉鎖し、その直後に、遊技球が第一非電確認スイッチ83を通過したことに伴い第一非電動役物17が再び開放する場合を示す。第一非電動役物17へ遊技球が入賞してから、その遊技球が第一非電動役物スイッチ75を通過するまでに多少の時間がかかる。このため、第一非電確認スイッチ83への遊技球の通過が検知される時点よりも後の時点に、第一非電動役物スイッチ75による入賞検知が行われることがある。この場合、前回の大出玉大当たり遊技から第二許容数が持ち越されており、第一非電確認スイッチ83への遊技球の通過時に設定される第二許容数が「3」であるとする。その後、新たに開放した第一非電動役物17に2個の遊技球が入賞し、第一非電動役物17が閉鎖したとする。
【0279】
この場合、第一非電動役物17へ入賞した遊技球の個数が第二許容数である「3」個に等しくなるので、第二許容数が「0」になる(S502:YES)。
図42の例では、終了演出の実行中(第一電チュー13が開閉動作を実行中)に、新たに開放した第一非電動役物17が閉鎖し、終了演出の終了時点よりも前の時点に第一非電動役物17が完全閉鎖に至ったとする。この場合、第二許容数及び確認時間がクリアされる(S474及びS475)したがって、第一非電動役物パターンCにおいては、確認時間が経過することがないので、第一非電非閉鎖コマンドが生成されない。
【0280】
第一非電動役物パターンDは、第一ギヤ176の回転位置が正常な状態からずれること等により、開放した第一非電動役物17が、第一閉鎖入賞数よりも少ない「1」個の遊技球の入賞によって閉鎖する、イレギュラーな場合を示す。この場合、第一非電動役物17が閉鎖した後の第二許容数が「1」であるが、終了演出の終了時点よりも前の時点に第一非電動役物17が完全閉鎖に至ることによって第二許容数及び確認時間がクリアされる(S474及びS475)。したがって、第一非電動役物パターンDにおいては、確認時間が経過することがないので、第一非電非閉鎖コマンドが生成されない。パチンコ機1は、第一非電動役物17が完全閉鎖に至ることによって第二許容数及び確認時間をクリアする。これにより、パチンコ機1は、正常な遊技が行われたにもかかわらず、第一閉鎖入賞数よりも少ない遊技球の入賞によって第一非電動役物17が閉鎖する場合を、不正行為によるものとして検出しないようにしている。
【0281】
第一非電動役物パターンEは、第一非電動役物17がこじ開けられる等の不正行為により、第一非電動役物17に2個の遊技球が入賞したにもかかわらず、第一非電動役物17が閉鎖しない等の場合を示す。この場合、終了演出の終了までに第二許容数が「0」になっているので、終了演出が終了した時点から(S503:NO)確認時間の計測が開始される(S505)。この確認時間が経過する時点を、時点T9とする。その後、第一非電動役物17が開放を継続する場合には完全閉鎖に至らないので、確認時間が経過して時点T9が到来すると(S506:YES)、第一非電非閉鎖コマンドが生成される(S508)。すなわち、第一非電動役物パターンEは、遊技が正常に進行しておらず、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行しているべきタイミングが到来しても第一非電動役物17が完全閉鎖していない場合に相当する。
【0282】
図43及び
図44を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、各種の演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、非電動役物に関する各種のエラー報知の制御が行われる。エラー報知の制御には、電飾基板35、ロゴ表示部36、表示画面28、スピーカ48における各種の動作の制御が含まれる。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従ってCPU581によって実行される。
【0283】
サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。RAM582には、大当たり遊技演出実行中フラグ、第一非電遊技演出実行中フラグ、第一非電閉鎖実行フラグ等が記憶されている。大当たり遊技演出実行中フラグは、大当たり遊技中に実行される演出である大当たり遊技演出が実行中であるかを示すフラグであり、大当たり遊技演出の実行中に「1」が記憶されて「ON」になり、大当たり遊技演出の非実行中に「0」が記憶されて「OFF」になる。第一非電遊技演出実行中フラグは、第一非電動役物17の開閉動作中に行われる演出である第一非電遊技演出が実行中であるかを示すフラグであり、第一非電遊技演出の実行中に「1」が記憶されて「ON」になり、第一非電遊技演出の非実行中に「0」が記憶されて「OFF」になる。第一非電閉鎖実行フラグは、第一非電動役物17を開放状態から閉鎖状態にする閉鎖動作が実行されたかを示すフラグであり、閉鎖動作が実行されてから大当たり遊技が終了するまでの間に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0284】
図43に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から第一変動パターン指定コマンドを受信したかが判断される(S511)。第一変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S511:NO)、処理はS515の判断へ移行する。第一変動パターン指定コマンドを受信した場合(S511:YES)、第一変動パターン指定コマンドの示す第一変動パターンが特定され、特定された第一変動パターンがRAM582に記憶される(S512)。次いで、第一変動パターンに基づく報知演出の実行が開始される(S513)。処理はS515の判断へ移行する。
【0285】
次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したかが判断される(S515)。大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S515:NO)、処理はS521の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S515:YES)、大当たり遊技演出の実行が開始される(S516)。CPU581は、S512で記憶した第一変動パターンが大出玉及び小出玉のいずれの当たり図柄に応じたものであるかに応じて、大出玉大当たり遊技及び小出玉大当たり遊技のそれぞれに応じた大当たり遊技演出を実行する。大当たり遊技演出実行中フラグが「ON」になり(S518)、処理はS521の判断へ移行する。
【0286】
次いで、主基板41から第一非電開放コマンドを受信したかが判断される(S521)。第一非電開放コマンドを受信していない場合(S521:NO)、処理はS531の判断へ移行する。第一非電開放コマンドを受信した場合(S521:YES)、第一非電遊技演出の実行が開始される(S522)。第一非電遊技演出は、第一非電動役物17の近傍の電飾の動作等によって行われる。次いで、第一非電遊技演出実行中フラグが「ON」になる(S523)。
【0287】
次いで、大当たり遊技演出が実行中であるかが判断される(S525)。この判断は大当たり遊技演出実行中フラグの状態に応じて行われる。大当たり遊技演出が実行中でない場合(S525:NO)、処理はS531の判断へ移行する。大当たり遊技演出が実行中である場合(S525:YES)、実行中の大当たり遊技演出に係る大当たり遊技が、小出玉大当たり遊技であるかが判断される(S526)。この判断は、S512で記憶した第一変動パターンが大出玉及び小出玉のいずれの当たり図柄に応じたものかによって行われる。なお、S526の判断は、第一普通図柄の当たり図柄を示すコマンドを主基板41から受信すること等、第一変動パターン以外の情報に基づいて行われてもよい。大当たり遊技が大出玉大当たり遊技である場合(S526:NO)、処理はS531の判断へ移行する。
【0288】
大当たり遊技が小出玉大当たり遊技である場合(S526:YES)、エラー報知である当たりイレギュラーB報知が実行されて(S528)、処理はS531の判断へ移行する。遊技が正常に行われる場合には、小出玉大当たり遊技の実行中には第二非電動役物18のみが開閉動作を繰り返し、第一非電動役物17は開閉動作を行わない。したがって、第一非電動役物17が閉鎖状態から開放状態に移行した場合に小出玉大当たり遊技が実行されているときには、何らかの不正行為が行われている可能性がある。このため、パチンコ機1は、小出玉大当たり遊技の実行中に第一非電動役物17が開放した場合を、第一非電動役物17の不正な開放として検出し、当たりイレギュラーB報知を実行する。当たりイレギュラーB報知の内容については後述する。
【0289】
なお、当たりイレギュラーB報知が行われる場合には、第一非電不正作動コマンドも生成され(S419)、生成された第一非電不正作動コマンドに基づくエラー報知動作も行われる。詳しくは後述するが、当たりイレギュラーB報知は、第一非電不正作動コマンドに基づくエラー報知動作よりも長い期間に亘って行われる。これにより、パチンコ機1は、第一非電不正作動コマンドに基づくエラー報知動作が終了した後の時点にも、小出玉大当たり遊技の実行中に第一非電動役物17が開放したことの証拠を残し、不正行為が行われた可能性があることを外部から検出しやすくしている。
【0290】
次いで、主基板41から第二非電開放コマンドを受信したかが判断される(S531)。第二非電開放コマンドを受信していない場合(S531:NO)、処理はS533(
図44参照)の判断へ移行する。第二非電開放コマンドを受信した場合(S531:YES)、第二非電遊技演出の実行が開始される(S532)。第二非電遊技演出は、第二非電動役物18の近傍の電飾の動作等によって行われる。処理はS533の判断へ移行する。
【0291】
図44に示すように、次いで、主基板41から第一非電閉鎖コマンドを受信したかが判断される(S533)。第一非電閉鎖コマンドを受信していない場合(S533:NO)、処理はS541の判断へ移行する。第一非電閉鎖コマンドを受信した場合(S533:YES)、第一非電遊技演出の実行が終了される(S535)。次いで、大当たり遊技演出が実行中であるかが判断される(S536)。大当たり遊技演出が実行中でない場合(S536:NO)、処理はS541の判断へ移行する。
【0292】
大当たり遊技演出が実行中である場合(S536:YES)、実行中の大当たり遊技演出に係る大当たり遊技が、大出玉大当たり遊技であるかが判断される(S538)。この判断は、S525の判断と同様に、S512で記憶した第一変動パターンが大出玉及び小出玉のいずれの当たり図柄に応じたものであるかに応じて行われる。大当たり遊技が小出玉大当たり遊技である場合(S538:NO)、処理はS541の判断へ移行する。大当たり遊技が大出玉大当たり遊技である場合(S538:YES)、第一非電閉鎖実行フラグが「ON」になり(S539)、処理はS541の判断へ移行する。
【0293】
次いで、主基板41から第二非電閉鎖コマンドを受信したかが判断される(S541)。第二非電閉鎖コマンドを受信していない場合(S541:NO)、処理はS543の判断へ移行する。第二非電閉鎖コマンドを受信した場合(S541:YES)、第二非電遊技演出の実行が終了される(S542)。処理はS543の判断へ移行する。
【0294】
次いで、主基板41から大当たり遊技終了コマンドを受信したかが判断される(S543)。大当たり遊技終了コマンドを受信していない場合(S543:NO)、処理はS555の判断へ移行する。大当たり遊技終了コマンドを受信した場合(S543:YES)、大当たり遊技演出の実行が終了される(S545)。次いで、終了した大当たり遊技演出に係る大当たり遊技が、大出玉大当たり遊技であるかが判断される(S546)。この判断は、S538の判断と同様に、S512で記憶した第一変動パターンが大出玉及び小出玉のいずれの当たり図柄に応じたものであるかに応じて行われる。大当たり遊技が小出玉大当たり遊技である場合(S546:NO)、処理はS555の判断へ移行する。
【0295】
大当たり遊技が大出玉大当たり遊技である場合(S546:YES)、受信した大当たり遊技終了コマンドの種別が「大当たり遊技異常終了A」、「大当たり遊技異常終了B」又は「大当たり遊技異常終了C」(
図32参照)のいずれかであるかが判断される(S548)。すなわち、大当たり遊技が終了する時点において、第一非電動役物17及び第二非電動役物18の少なくともいずれかが開放状態であるかが判断される。受信した大当たり遊技終了コマンドの種別が「大当たり遊技異常終了A」、「大当たり遊技異常終了B」又は「大当たり遊技異常終了C」のいずれかである場合(S548:YES)、右打ち継続示唆演出が実行される(S549)。処理はS555の判断へ移行する。
【0296】
大当たり遊技中に遊技球の発射が中断されること等によって、大当たり遊技が終了した場合に非電動役物が開放していることがある。開放している非電動役物に遊技球が入賞できる。右打ち継続示唆演出は、このような場合に遊技者に非電動役物に向けて遊技球を右打ちすることを示唆し、遊技者が本来受けるべき利益を逃さないようにするために行われる。右打ち継続示唆演出は、非電動役物へ遊技球が入賞するまで、又は所定時間が経過するまでの間に行われる。
【0297】
一方、受信した大当たり遊技終了コマンドの種別が「大当たり遊技正常終了」である場合(S548:NO)、第一非電閉鎖実行フラグが「ON」であるかが判断される(S551)。第一非電閉鎖実行フラグが「ON」である場合(S551:YES)、第一非電閉鎖実行フラグが「OFF」になり(S553)、処理はS555の判断へ移行する。第一非電閉鎖実行フラグが「OFF」である場合(S551:NO)、エラー報知である当たりイレギュラーA報知が実行されて(S552)、処理はS555の判断へ移行する。
【0298】
受信した大当たり遊技終了コマンドの種別が「大当たり遊技正常終了」である場合は、大当たり遊技が終了した時点に非電動役物が閉鎖している。遊技が正常に行われる場合には、大出玉大当たり遊技が開始されると右打ちが行われ、第一普通当たり遊技中に第一電チュー13へ遊技球が入賞したときには第一非電動役物17が開放する。大出玉大当たり遊技の実行中に第一非電閉鎖コマンドが受信されず、その大当たり遊技の終了時に「大当たり遊技正常終了」の大当たり遊技終了コマンドが受信された場合は、大出玉大当たり遊技の実行中に第一非電動役物17が開放していなかった場合に相当する。このような場合には、第一非電動役物17の開閉機構に何らかのトラブルが発生している可能性がある。
【0299】
パチンコ機1において、大出玉大当たり遊技において第一非電動役物17が開放しない場合には、第一非電動役物17に遊技球が入賞しないため第二保留球が記憶されず、大当たり遊技が小出玉大当たり遊技と同様の内容になる。この場合、本来の大出玉大当たり遊技において払い出される賞球の約1/10の賞球が払い出されるのみとなり、パチンコ機1は本来得られるべき利益を遊技者に付与することができない。このため、パチンコ機1は、大出玉大当たり遊技の実行中に第一非電閉鎖コマンドが受信されず、その大当たり遊技の終了時に「大当たり遊技正常終了」の大当たり遊技終了コマンドが受信された場合を検出する。そして、パチンコ機1は、第一非電動役物17に何らかのトラブルが発生していることを当たりイレギュラーA報知の実行によって遊技者及びホールスタッフ等に報知する。
【0300】
一方、受信した大当たり遊技終了コマンドの種別が「大当たり遊技異常終了A」、「大当たり遊技異常終了B」又は「大当たり遊技異常終了C」のいずれかである場合は、大当たり遊技が中断している場合に相当する。したがって、開放している非電動役物にその後に遊技球が入賞することで、大当たり遊技が再開する。特に、第一非電動役物17に遊技球が入賞した場合には、第二保留球が新たに記憶されるので、大当たり遊技の再開によって、本来の大出玉大当たり遊技を通じて払い出される賞球が確保される。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了時に非電動役物が開放している場合には、右打ち継続示唆演出を実行することによって、特段のエラー報知を行うことなく遊技者に本来の利益を付与することができる。
【0301】
パチンコ機1は、大当たり遊技によって払い出される賞球が多い方の大出玉大当たり遊技について、遊技者の利益を特に保護するために当たりイレギュラーA報知を実行する。なお、大当たり遊技の実行中に第二非電閉鎖コマンドが受信されず、その大当たり遊技の終了時に「大当たり遊技正常終了」の大当たり遊技終了コマンドが受信された場合は、大当たり遊技の実行中に第二非電動役物18が開放していなかった場合に相当する。このような場合についても、当たりイレギュラーB報知のようなエラー報知を行ってもよい。
【0302】
次いで、主基板41からその他のコマンドを受信したかが判断される(S555)。ここでは、前述の遊技の不具合、エラー等を報知するための各種のコマンドを、その他のコマンドとする。その他のコマンドを受信していない場合(S555:NO)、処理はS511(
図43参照)へ戻る。その他のコマンドを受信した場合(S555:YES)、受信したコマンドに対応する報知が実行される(S556)。処理はS511へ戻る。
【0303】
図45を参照して、S556で実行されるエラー報知の詳細を示す非電動役物エラー報知一覧について説明する。非電動役物エラー報知一覧は、非電動役物に関するエラー報知の内容の一覧表である。なお、非電動役物エラー報知一覧では、S555で各種のコマンドが受信されることによって行われるエラー報知に加えて、前述の当たりイレギュラーA報知及び当たりイレギュラーB報知も説明する。
【0304】
当たりイレギュラーA報知では、ロゴ表示部36(
図1参照)における「TOYOMARU」の文字のうち「MARU」の部分が青色で点灯される。実行が開始された当たりイレギュラーA報知は、次回に大当たり遊技が開始されるまで継続されて、その後終了する。
【0305】
当たりイレギュラーB報知では、ロゴ表示部36における「TOYOMARU」の文字のうち「MARU」の部分が黄色で点灯される。実行が開始された当たりイレギュラーB報知は、次回に大当たり遊技が開始されるまで継続されて、その後終了する。なお、当たりイレギュラーA報知及び当たりイレギュラーB報知が行われない場合には、ロゴ表示部36の「MARU」の部分が白色で点灯される。
【0306】
当たりイレギュラーA報知は大出玉大当たり遊技が実行される場合に行われる可能性があり、当たりイレギュラーB報知は小出玉大当たり遊技が実行される場合に行われる可能性がある。すなわち、当たりイレギュラーA報知と当たりイレギュラーB報知とが同時に行われることがないので、パチンコ機1は、これらの報知についてロゴ表示部36の「MARU」の部分を共通に使用し、発光色の違いによって報知の種別を判別可能にしている。この他、当たりイレギュラーA報知と当たりイレギュラーB報知とで異なる発光パターン(点滅速度が異なる等)を用いること等で、ロゴ表示部36のうち同じ部分が異なるエラー報知を行う部分として共有されてもよい。
【0307】
第二非電入賞不足コマンド(S489)が受信された場合には、第二非電入賞不足報知が実行される。第二非電入賞不足報知では、ロゴ表示部36における「TOYOMARU」の文字のうち「YO」の部分が橙色で点灯される。実行が開始された第二非電入賞不足報知は、次回に大当たり遊技が開始されるまで継続されて、その後終了する。なお、第二非電入賞不足報知が行われない場合には、ロゴ表示部36の「YO」の部分が白色で点灯される。
【0308】
第一非電入賞不足コマンド(S468)が受信された場合には、第一非電入賞不足報知が実行される。第一非電入賞不足報知では、ロゴ表示部36における「TOYOMARU」の文字のうち「TO」の部分が青色で点灯される。実行が開始された第一非電入賞不足報知は、次回に大当たり遊技が開始されるまで継続されて、その後終了する。第一非電入賞不足報知と第に非電入賞不足報知とは同時に行われる可能性があるので、第一非電入賞不足報知と第に非電入賞不足報知とでロゴ表示部36のうち異なる部分が使用される。なお、第一非電入賞不足報知が行われない場合には、ロゴ表示部36の「TO」の部分が白色で点灯される。
【0309】
当たりイレギュラーA報知及び当たりイレギュラーB報知と、第一非電入賞不足報知と、第二非電入賞不足報知とは、大当たり遊技中における非電動役物の状況によっては同時に行われることがある。このため、当たりイレギュラーA報知及び当たりイレギュラーB報知と、第一非電入賞不足報知と、第二非電入賞不足報知とで、ロゴ表示部36のうち異なる部分がそれぞれの報知を行う部分として用いられる。
【0310】
当たりイレギュラーA報知は、大当たり遊技中に遊技者が遊技球の発射を行わない場合にも行われ得るので、遊技者に遊技を直ちに中断させる等の対処が不要な場合も多い。第一非電入賞不足報知及び第二非電入賞不足報知は、遊技者の行う遊技が不正なためではなく、非電動役物の開閉機構に不具合がある場合に行われることもある。また、前述したように、当たりイレギュラーB報知の実行は、小出玉大当たり遊技の実行中に第一非電動役物17が開放したことの証拠を比較的長期間に亘って残すことが目的の一つである。したがって、パチンコ機1は、これらの報知動作についてはエラー音等の音を用いて周囲に広くエラーを報知する報知動作ではなく、ロゴ表示部36の点灯動作のみを用いた比較的穏やかな報知動作としている。
【0311】
パチンコ機1は、大当たり遊技の実行中における非電動役物の動作に何らかの異常が生じている可能性があることを報知する当たりイレギュラーA報知、当たりイレギュラーB報知、第一非電入賞不足報知及び第二非電入賞不足報知の4種類のエラー報知を、一つのロゴ表示部36を用いて同時に行うことができる。ロゴ表示部36の「TOYOMARU」の文字の部分は、パチンコ機1の製造元といった一定の観念を表すので、「TOYOMARU」の文字はひとまとまりに視認されやすい。このため、ホールスタッフ等は、ロゴ表示部36を視認することで、大当たり遊技の実行中における非電動役物の動作に何らかの異常が生じている可能性がある複数の事象の有無を一覧できる。したがって、パチンコ機1は、非電動役物の動作に複数の異常が生じている場合であっても、ホールスタッフが異常のそれぞれを見落とすことを抑制できる。一般的なエラー報知は、進行中の演出動作とは明らかに異なる電飾パターン、音、表示画面28における表示等によって行われることが多い。パチンコ機1は、ロゴ表示部36を用いたエラー報知を行うことで、エラー報知を遊技に伴う演出の一部であるかのように示すことができる。これにより、パチンコ機1は、遊技者にはエラー報知が行われていることを目立ちにくくする一方、エラー報知の内容を把握しているホールスタッフにはエラー報知に対応する事象の発生を容易に把握できるようにしている。
【0312】
なお、ロゴ表示部36は、一定の観念の他、一定の外観を表すものであってもよい。例えば、ロゴ表示部36が、パチンコ機1の機種名、演出のモチーフとする作品の作品名、パチンコ機1の演出に登場するキャラクタの名前、パチンコ機1の演出に用いられるキャラクタのセリフ等を、文字、絵柄、図案等を用いて表すものであってもよい。ロゴ表示部36は、電飾部材である他、LCD等の表示器、LED導光パネル等の導光板等で構成されてもよい。また、ロゴ表示部36は、前面枠10に設けられてもよいし、遊技盤2に設けられてもよい。
【0313】
第二非電確認異常コマンド(S405)が受信された場合には、第二非電確認異常報知が実行される。第二非電確認異常報知では、エラーが発生していることを示す所定のエラー音が、スピーカ48から短時間(本実施形態では数秒間)出力される。第一非電確認異常コマンド(S385)が受信された場合には、第一非電確認異常報知が実行される。第一非電確認異常報知では、スピーカ48からエラー音が短時間(本実施形態では数秒間)出力される。
【0314】
第二非電無効入賞コマンド(S459)が受信された場合には、第二非電無効入賞報知が実行される。第二非電無効入賞報知では、スピーカ48からエラー音が短時間(本実施形態では数秒間)出力される。第一非電無効入賞コマンド(S445)が受信された場合には、第一非電無効入賞報知が実行される。第一非電無効入賞報知では、スピーカ48からエラー音が短時間(本実施形態では数秒間)出力される。
【0315】
第一普電入出球不一致コマンド(S145)が受信された場合には、第一普電入出球不一致報知が実行される。第一普電入出球不一致報知では、エラーが発生していることを示すエラー表示である「係員をお呼びください」等の文字が、表示画面28に長時間(本実施形態では数十秒間)表示される。
【0316】
第二非電過剰入賞コマンド(S152)が受信された場合には、第二非電過剰入賞報知が実行される。第二非電過剰入賞報知では、「過剰入賞エラーです」等の音声で遊技者に警告を行う警告音声が、スピーカ48から長時間(本実施形態では数十秒間)出力される。第一非電過剰入賞コマンド(S439)が受信された場合には、第一非電過剰入賞報知が実行される。第一非電過剰入賞報知では、「過剰入賞エラーです」の警告音声に加えて所定のエラー音が、スピーカ48から長時間(本実施形態では数十秒間)出力される。第一非電過剰入賞報知及び第二非電過剰入賞報知は、いずれも非電動役物への遊技球の入賞が正常な遊技におけるものよりも過剰である場合に行われる。本実施形態では、第一非電動役物17への遊技球の入賞が過剰な場合には、第二非電動役物18への遊技球の入賞が過剰な場合よりも、遊技者に払い出される賞球が多くなりやすい。このため、パチンコ機1は、第一非電過剰入賞報知の報知動作のレベルを第二非電過剰入賞報知の報知動作のレベルよりも高くして、不正行為の抑止効果の向上を図っている。
【0317】
第一非電不正作動コマンド(S419)が受信された場合には、第一非電不正作動報知が実行される。第一非電不正作動報知では、所定のエラー音、「入賞口ユニットエラーです」等の音声による警告音声がスピーカ48から長時間(本実施形態では数十秒間)出力される。また、「入賞口ユニットエラーです。係員をお呼びください」等の文字によるエラー表示が表示画面28に長時間(本実施形態では数十秒間)表示される。
【0318】
第二非電異常開始コマンド(S426)が受信された場合には、第二非電異常開始報知が実行される。第二非電異常開始報知では、所定のエラー音、「入賞口ユニットエラーです」等の音声による警告音声が、パチンコ機1の電源がOFFにされるまでの間、スピーカ48から出力される。また、「入賞口ユニットエラーです。係員をお呼びください」等の文字によるエラー表示が、パチンコ機1の電源がOFFにされるまでの間、表示画面28に表示される。第一非電異常開始コマンド(S413)が受信された場合には、第一非電異常開始報知が実行される。第一非電異常開始報知では、所定のエラー音、「入賞口ユニットエラーです」等の音声による警告音声が、パチンコ機1の電源がOFFにされるまでの間、スピーカ48から出力される。また、「入賞口ユニットエラーです。係員をお呼びください」等の文字によるエラー表示が、パチンコ機1の電源がOFFにされるまでの間、表示画面28に表示される。
【0319】
第一非電ギヤ異常コマンド(S479)が受信された場合には、第一非電ギヤ異常報知が実行される。第一非電ギヤ異常報知では、所定のエラー音、「入賞口ユニットエラーです」等の音声による警告音声が、パチンコ機1の電源がOFFにされるまでの間、スピーカ48から出力される。また、「入賞口ユニットエラーです。係員をお呼びください」等の文字によるエラー表示が、パチンコ機1の電源がOFFにされるまでの間、表示画面28に表示される。第一非電非閉鎖コマンド(S508)が受信された場合には、第一非電非閉鎖報知が実行される。第一非電非閉鎖報知では、所定のエラー音、「入賞口ユニットエラーです」等の音声による警告音声が、パチンコ機1の電源がOFFにされるまでの間、スピーカ48から出力される。また、「入賞口ユニットエラーです。係員をお呼びください」等の文字によるエラー表示が、パチンコ機1の電源がOFFにされるまでの間、表示画面28に表示される。
【0320】
非電動役物エラー報知一覧は、これらのエラー報知を、報知の優先度が低い方から高い方に羅列している。報知の優先度は、エラー報知に係るトラブル及び不正行為等の重大性の高いものほど報知の優先度が高くなるようにされている。また、報知の優先度が高くなるほど、報知動作のレベル(報知動作の目立ちやすさ)が高くなるように報知動作の内容が定められている。「第一非電入賞不足報知」と「第二非電入賞不足報知」、「第一非電確認異常報知」と「第二非電確認異常報知」等、第一非電動役物17に関する報知と第二非電動役物18に関する報知として同種の事象を報知するものについては、第二非電動役物18に関するものよりも第一非電動役物17に関するものの優先度が高くされている。これは、第一閉鎖入賞数が第二閉鎖入賞数よりも多いこと、第一非電動役物17は第二普通図柄の作動口として機能するが第二非電動役物18は普通図柄の作動口として機能しないこと等が考慮された結果である。すなわち、第一非電動役物17に対して不正行為が行われた場合の方が、第二非電動役物18に対して同種の不正行為が行われた場合よりも、不正行為を行った者が得る不正な利益が大きくなる可能性が高いためである。CPU581は、S556(
図44参照)において、複数の報知動作の契機が同時期に発生した場合であって、それらの報知動作を同時に実行できない場合には、非電動役物エラー報知一覧が示す優先度が高い方の報知動作を低い方の報知動作に優先して実行する。
【0321】
当たりイレギュラーA報知及び当たりイレギュラーB報知を除くエラー報知については、エラー報知に対応するコマンドが主基板41から送信されることによって行われる。これらのエラー報知に対応するコマンドは、外部端子板55にも送信される。外部端子板55は、これらのエラー報知に対応するコマンドを受信した場合、遊技場管理用コンピュータに対してエラー情報を出力する外部出力を実行する。これにより、パチンコ機1に非電動役物に関するエラーが発生している場合には、遊技場管理用コンピュータによってもエラーの発生が特定される。したがって、パチンコ機1は、非電動役物に関する不正行為及びトラブルが発生した場合を多角的かつ迅速に特定し、不具合の抑制を図ることができる。
【0322】
以上説明したように、開放状態の第一非電動役物17へ遊技球が1個入賞する毎に、第一ギヤ176が所定の回転角度で回転する。閉鎖状態の第一非電動役物17には遊技球が入賞できない。遊技が正常に行われる場合、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行するときに、第一ギヤ176の遮蔽板176が第一非電ギヤセンサ85の検知部に配置される。何らかの不具合により、閉鎖状態の第一非電動役物17において第一ギヤ176が本来の位置からずれて配置された場合、その後に開放した第一非電動役物17へ第一閉鎖入賞数よりも少ない遊技球が入賞することによって、第一非電動役物17が閉鎖する可能性がある。この場合、遊技者に払い出される賞球が、本来の大出玉大当たり遊技によって払い出される賞球よりも少なくなることがある。また、第一非電動役物17が閉鎖状態の間に第一ギヤ176を破壊しようとする等の不正行為が行われる可能性もある。パチンコ機1は、第一非電動役物17が開放状態から閉鎖状態に移行した場合(S461:YES)、第一非電ギヤセンサ85が「ON」であるかを判断する(S478)。パチンコ機1は、第一非電ギヤセンサ85が「OFF」の場合には(S478:NO)、第一ギヤ176が正常な位置に配置されていないこととして特定できる。したがって、パチンコ機1は、第一非電動役物に関する遊技が不正なものである場合に、そのことを適切に検出できる。
【0323】
開放状態の第一非電動役物17を閉鎖させるために必要な第一閉鎖入賞数は「2」である。閉鎖状態の第一非電動役物17において第一ギヤ176が本来の位置からずれて配置された場合、その後に開放した第一非電動役物17へ第一閉鎖入賞数よりも少ない「1」個の遊技球が入賞することによって、第一非電動役物17が閉鎖する可能性がある。この場合、第一非電動役物17への遊技球の入賞によって記憶される第二保留球数が最大第二保留球数に満たなくなる等により、その後の大当たり遊技において払い出される賞球が、本来の大出玉大当たり遊技において払い出される賞球よりも少なくなることがある。パチンコ機1は、このような事象を抑止するため、第一閉鎖入賞数が「2」個である第一非電動役物17について、第二閉鎖入賞数が「1」個である第二非電動役物18に優先してS461及びS478の判断を実行する。パチンコ機1は、閉鎖に必要な入賞数が複数個である非電動役物について所定の判断を行うので、非電動役物に関する遊技を円滑に進めることができる。
【0324】
第一電チュー13へ入賞した遊技球は、第一電チュー13閉入賞した遊技球のみが通過できる流路232を流下した後、第一特定領域231A又は第二特定領域232Aを通過する。遊技球が第一特定領域231Aを通過した場合、第一非電動役物17が開放状態になる。遊技球が第二特定領域232Aを通過した場合、第二非電動役物18が開放状態になる。第一非電動役物17の第一閉鎖入賞数は「2」であり、第二非電動役物18の第二閉鎖入賞数は「1」である。また、第一非電動役物17は第二普通図柄の作動口として機能するが第二非電動役物18は普通図柄の作動口として機能しない。このため、第一非電動役物17にトラブルが生じた場合の方が、第二非電動役物18に対して同種のトラブルが生じた場合よりも、遊技の結果に重大な影響が及ぶ可能性が高い。パチンコ機1は、少なくとも第一非電動役物17についてS461及びS478の判断を実行する。これにより、パチンコ機1は、第一ギヤ176の不具合を確実に特定し、遊技者が不利益をこうむることを抑止できる。
【0325】
上記実施形態において、第一電チュー13が、本発明の「普通電動役物」に相当する。第一非電動役物17及び第二非電動役物18が、本発明の「非電動役物」に相当する。第一特定領域231A及び第二特定領域232Aが、本発明の「特定領域」に相当する。第一非電作動センサ81及び第二非電作動センサ82が、本発明の「作動検知手段」に相当する。第一ギヤ176が、本発明の「ギヤ」に相当する。第一非電ギヤセンサ85が、本発明の「位置検知手段」に相当する。
図39のS461の判断が行われたことに応じてS478の判断を行う主基板41のCPU51が、本発明の「位置判断手段」として機能する。第一閉鎖入賞数及び第二閉鎖入賞数が、本発明の「規定数」に相当する。賞球払出装置49が、本発明の「付与手段」に相当する。
【0326】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。パチンコ機1ではゲート11を通過することを契機として第一普通当たり判定が行われ、第一普通図柄が変動する。普通図柄の作動契機を与える部材は、ゲートの他、遊技球が入賞可能な入賞口であってもよい。すなわち、入賞口及びゲートのいずれもが、本発明の「通過口」を構成しうる。なお、パチンコ機1は、第一普通当たり判定及び第一普通図柄の変動が行わず、遊技球がゲート11を通過することを契機として第一普通当たり遊技が行われる構成であってもよい。
【0327】
上記実施形態において、第一非電動役物17及び第二非電動役物18のうちいずれかのみが設けられていてもよい。第一非電動役物17及び第二非電動役物18に加えてさらに別の非電動役物が設けられていてもよい。すなわち、パチンコ機1に設けられる非電動役物は、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。第一閉鎖入賞数及び第二閉鎖入賞数は、上記実施形態の例に限られず、任意の値であってもよい。
【0328】
第二~第四普通当たり確率が100%未満であってもよい。すなわち、第二~第四普通当たり判定によってはずれの判定結果が導出されてもよい。また、第一普通当たり確率が100%であってもよい。また、普通電動役物が連動する態様は、上記実施形態の例に限られない。したがって、例えば、第一非電動役物17が第三普通図柄又は第四普通図柄の作動口として機能してもよい。
【0329】
上記実施形態において、第一非電動役物17と第二非電動役物18との双方それぞれについて同種の不具合等を報知するエラー報知(例えば、第一非電入賞不足報知と第二非電入賞不足報知等)については、いずれかの非電動役物のみに設けられてもよい。第一非電動役物17と第二非電動役物18のうちいずれかのみに設けられているエラー報知(例えば、第一非電ギヤ異常報知等)については、上記実施形態では設けられていない方の非電動役物にも同様のエラー報知が設けられてもよい。
【0330】
大当たり遊技における電チューの連動の態様は上記実施形態のものに限られない。例えば、第二非電動役物18が第三普通図柄又は第四普通図柄の作動口として機能してもよい。第一電チュー13が第三普通図柄の作動口として機能し、第四普通図柄が設けられなくてもよい。
【0331】
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、非電動役物等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「第一作動入賞口」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【符号の説明】
【0332】
1 パチンコ機
11 ゲート
13 第一電チュー
17 第一非電動役物
18 第二非電動役物
41 主基板
49 賞球払出装置
51,581 CPU
52,582 RAM
53,583 ROM
58 サブ制御基板
81 第一非電作動センサ
82 第二非電作動センサ
85 第一非電ギヤセンサ
176 第一ギヤ
231A 第一特定領域
232A 第二特定領域