(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】遺骨・遺灰入れ
(51)【国際特許分類】
A61G 17/08 20060101AFI20230815BHJP
A47G 33/00 20060101ALI20230815BHJP
【FI】
A61G17/08 Z
A47G33/00 L
(21)【出願番号】P 2019201098
(22)【出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】P 2019075088
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3208528(JP,U)
【文献】実開昭53-061349(JP,U)
【文献】登録実用新案第3182093(JP,U)
【文献】登録実用新案第3183581(JP,U)
【文献】米国特許第06295705(US,B1)
【文献】特開2006-141868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 17/00-17/08
A47G 33/00-33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
叩くと音が鳴るりん部と、遺骨又は遺灰を入れる収容部とを有し、
前記りん部
は基部と、前記基部から凹部を形成するように立設した側壁部を有し、
前記収容部は有底の筒部からなる収容室と、前記収容室に着脱可能に設けた蓋体とからなり、
前記収容部は前記りん部の側壁部の内側に載置してあり、
前記りん部の側壁部と前記有底の筒部の側壁部との間に隙間部を有することを特徴とする遺骨・遺灰入れ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺骨や遺灰を入れるための骨壺に関し、特に単に骨壺であるだけでなく、音が鳴る機能も有する遺骨・遺灰入れに係る。
【背景技術】
【0002】
従来、遺骨等は、骨壺に入れてお墓に収めるのが一般的であったが、近年は仏壇や身近なところに置き供養する、いわゆる手元供養といわれる形態が増えている。
【0003】
例えば特許文献1には、クリスタルガラス製の骨壺を開示する。
しかし、同公報に開示する骨壺は内部が見えるので、粉末状にした遺骨等に限られるだけでなく、単に手元に置くだけの機能しか有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、おりんとしての機能も有する遺骨・遺灰入れの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遺骨・遺灰入れは、叩くと音が鳴るりん部と遺骨又は遺灰を入れる収容部とを有することを特徴とする。
ここで、「遺骨・遺灰入れ」と表現したのは、遺骨を入れてもよく、遺灰を入れてもよい趣旨である。
また、故人の供養のみならず、ペットの供養に用いてもよい。
【0007】
本発明は、遺骨等を収容できるための収容部と、りん棒等にて叩くと音が鳴るりん部とを供えているものであれば、その構造に制限はない。
例えば、叩くと音が鳴るりん部と遺骨又は遺灰を入れる収容部とを有し、前記りん部と前記収容部とは一方を上部にし、他方を下部にして上下方向に載置可能である構造例が例として挙げられる。
この場合に、収容部は上部側に開口部を有し、前記りん部は前記開口部を上側から覆うものであってもよく、収容部は下部側のベース部と、前記ベース部から立設した収容筒部を有し、りん部は前記収容筒部を覆うものであってもよい。
また例えば、りん部は上部側に開口部を有し、前記収容部は前記りん部の開口部の内側底部に載置してある構造でもよい。
【0008】
本発明において、りん部は逆さのお椀形状であったり、下側の収容部又はりん部は底面が凸面形状であってもよく、このようにするとデザイン的にも優れる。
本発明に係るりん部の材質に限定はないが、音が長く鳴り響く点では黄銅合金等の金属製が好ましい。
本発明に係るりん部は、収容部を取り外して、おりんとして使用することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る遺骨・遺灰入れは、身近な所や仏壇等において供養できるとともに、りん棒等にて軽く叩いてお参りの際のおりんとしても機能する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る遺骨・遺灰入れの例を示し、(a)は外観図、(b)は断面図を示す。
【
図4】りん部を収容部の上端突部で受けた例を示す。
【
図5】収容部の上部のねじ部にりん部を螺合した例を示す。
【
図8】(a)~(d)は下部側をりん部にした例を示す。
【
図9】(a)~(d)は下部側のりん部を有底円筒状にした例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る遺骨・遺灰入れ(以下、遺骨等入れと称する。)の構造例を図に基づいて説明する。
図1は、全体として略球形の遺骨等入れの例を示す。
図1(b)に、断面図を示すように遺骨等を入れるための収容室23を備えた収容部20と、その上に設けたりん部10とからなる。
収容部20は、ベース部21とこのベース部21から立設した収容筒部22を有し、この収容筒部22の内側が空間部になっていて、上部の開口部23aから遺骨等を入れる収容室23になっている。
収容筒部22の根元側には、拡径した段差部21bを有する。
【0012】
ベース部21の底面は、仏壇等に載置しやすいように平坦な底部21aであってもよく、
図6に示すように左右,前後の揺動可能に凸面形状の底部21cであってもよい。
【0013】
りん部10は、収容筒部22を上側から覆うことができるようになっていて、球面状の項部12から周囲にスカート状に垂下したスカート部13を有する。
スカート部13の内側天井部が受け部11になっていて、収容筒部の上端の載置部22aに載置する。
この際に、スカート部13の下端部13aとベース部21側の段差部21bとの間に、所定の隙間部d1を形成するとともに、収容筒部22の外周面とスカート部13の内周面との間にも所定のクリアランスd2を形成してある。
これにより、りん部10をりん棒等で叩くと、おりんとして音が鳴る。
りん部は、音が大きく長く響くように、金属製であるのが好ましい。
【0014】
りん部の形状としては限定がなく、例えば
図2に示すようにダルマ型10Aにデザイン化したり、
図3に示すように四角形等の箱型10Bにしてもよい。
この際に、りん部が振動しやすいように、収容筒部22側の載置部を球面突部122aにしたり、円錐状の突起部222aにしてもよい。
また、
図5に示すようにスカート部13が長い場合には、収容筒部22の上端部側のおねじ部24と、りん部10Cの天井部側のめねじ部14にて、軽く螺合させてもよい。
さらには、
図7に示すようにスカート部13の短い逆さのお椀状のりん部10Dにしてもよい。
【0015】
図1~
図7は、上部側をりん部にした例を示したが、
図8,
図9に下部側をりん部にした例を示す。
図8(a)は、下側のりん部110の底部111aを緩やかな凸面にすることで揺らぎが生じ、基部111から外形が球形の一部になるように側壁部112を立設し、その内側の凹部の底面に収容部120を上から載置した例になっている。
収容部120は有底であり、筒部122からなる収容室123を有し、上側に着脱可能な蓋体124を設けてある。
りん部110と収容部120との間には、音が鳴りやすいように隙間部d
1を設けてある。
収容部120の収容室123の構造に制限はなく、
図8(b)に示すように円筒状であってもよい。
図8(c)は、下側のりん部110と上側の収容部120とで、全体として球形状にした例を示す。
図8(d)は、最もシンプルな構造例であり、りん部110の凹部内側の底部に容器形の収容部120を側壁部112の内側に隙間部d
1を有するように載置した例である。
図9(a),(b)は、下側のりん部110の構造を平坦な底部111aを有する有底筒状にし、収容部120をキノコ型の容器形状にした例を示す。
図9(c)は、収容蓋部120aをカップ形状にし、内側に収容部120を設けた例を示し、
図9(d)は内側に収容部120を直接載置した例を示す。
【0016】
10 りん部
11 受け部
12 項部
13 スカート部
20 収容部
21 ベース部
21a 底部
22 収容筒部
22a 載置部
23 収容室
110 りん部
111 基部
111a 底部
112 側壁部
120 収容部
122 筒部
123 収容室
124 蓋部
d1 隙間部
d2 クリアランス