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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】ナノシリコン粉末製造装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/02 20060101AFI20230815BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20230815BHJP
【FI】
C01B33/02 Z
B82Y40/00
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021131922
(22)【出願日】2021-08-13
(65)【公開番号】P2022033050
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】202010813001.3
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521358970
【氏名又は名称】▲寧▼波▲広▼新納米材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】高 ▲書▼娟
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲鋼▼強
(72)【発明者】
【氏名】宋 財根
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 黎波
(72)【発明者】
【氏名】賀 吉白
(72)【発明者】
【氏名】王 佳雷
【審査官】青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102910630(CN,A)
【文献】特開2018-070443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ非移送アークトーチセット、反応釜、およびコレクターを含むナノシリコン粉末製造装置であって、
前記プラズマ非移送アークトーチセットは、シリコン粉末を加熱し気化させ、
前記反応釜は、前記気化されたシリコン粉末をナノシリコン粉末に冷却し、
前記コレクターは、前記ナノシリコン粉末を収集し、
前記プラズマ非移送アークトーチセットは、等弧度に分布されている少なくとも2つのプラズマアークトーチを含み、前記プラズマアークトーチが水平面に対して45°~90°の角度で配置され、
前記プラズマ非移送アークトーチセットに、フィーダーと給気管が接続され、前記フィーダーは前記プラズマ非移送アークトーチセットにシリコン粉末原料を投入して、加熱して気化し、前記給気管はガスを導入し、加熱による気化されたシリコン粉末原料を反応釜に吹き込み、ナノシリコン粉末に冷却され、
前記コレクターには冷却空気循環装置が接続され、前記冷却空気循環装置の出口端は前記反応釜に接続される、
ことを特徴とするナノシリコン粉末製造装置。
【請求項2】
前記プラズマ非移送アークトーチセットは、2~6本のプラズマ非移送アークトーチで構成される高温プラズマアークサークルである
ことを特徴とする請求項1に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項3】
前記プラズマアークトーチは3本設置され、前記プラズマアークトーチは水平面に対して45°の角度で配置される
ことを特徴とする請求項2に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項4】
前記コレクターにフィルターが設けられ、前記ナノシリコン粉末が前記フィルターでろ過された後に収集・包装される
ことを特徴とする請求項1に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項5】
前記ナノシリコン粉末の製造方法は、以下のステップを含み、
ステップ1、プラズマ非移送アークトーチセット、反応釜、コレクター、フィーダー、給気管、及び冷却空気循環装置に不活性ガスを導入し、気密試験を行い、
ステップ2、気密試験完了後に、不活性ガスを排出し、給気管を介して、当該ナノシリコン粉末製造装置に作動ガスを継続的に導入し、
ステップ3、プラズマ非移送アークトーチセット、反応釜、フィーダー、冷却空気循環装置を動作し、前記フィーダーからシリコン粉末原料を投入し、ナノシリコン粉末の製造を開始し、
ステップ4、前記コレクターにおけるナノシリコン粉末を収集し包装する
ことを特徴とする請求項1に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項6】
好ましくは、加熱源としてのプラズマ非移送アークは、プラズマ層流非移送アークである
ことを特徴とする請求項5に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項7】
前記プラズマ非移送アークの電流が60~500Aであり、電圧が100~400Vである
ことを特徴とする請求項に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項8】
前記プラズマ非移送アークのアーク長さは500mmより長く、アークトーチのアーク長は300~600mmである
ことを特徴とする請求項に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項9】
前記作動ガスは、アルゴン、水素、窒素、アンモニア及びヘリウムのうちの一つ、または複数を含み、前記プラズマアークトーチの給気量は2~20m3/hである
ことを特徴とする請求項5に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項10】
前記シリコン粉末原料の平均粒径は5~45μmである
ことを特徴とする請求項5に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項11】
前記シリコン粉末原料の供給量は0.3~10kg/hである
ことを特徴とする請求項5に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項12】
前記ナノシリコン粉末の平均粒径は20~200nmである
ことを特徴とする請求項5に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項13】
前記ナノシリコン粉末は球形であり、酸素含有量が5%未満、炭素含有量が2%未満である
ことを特徴とする請求項5に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【請求項14】
原料は、複数のアークトーチによって形成されたメインアークの上方に投入されるのは好ましいが、メインアークの上方に限られない
ことを特徴とする請求項5に記載のナノシリコン粉末製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末製造装置の技術分野に関わり、より具体的にナノシリコン粉末製造装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、サイクル寿命が長く、安全性と信頼性が高いという利点がある。リチウムイオン電池は携帯型電子機器の主な電源である。また、リチウムイオン電池は、電動工具、自転車、スクーター、鉱山用ランプ、医療機器などの分野にも広く用いられている。高出力バッテリーは、主に新エネルギー車、大電流の充放電が必要な場合に用いられる。新エネルギー車などの産業の急速な発展に伴い、大容量で高出力のリチウムイオン電池へのニーズが急増している。現在市販されている負極材は黒鉛であり、黒鉛の理論容量は372mAh/gであるため、リチウム電池に対する容量のニーズを満たすことは困難である。リチウム電池の負極として、より容量の大きい材料を見つける必要がある。シリコンの理論容量は4200mAh/gで、黒鉛負極の容量よりはるかに大きいため、リチウムイオン電池の新しい負極材としてシリコンを用いることが研究されている。
しかし、大容量リチウムイオン電池の研究が遅れている。主要な原因としては、現在のリチウムイオン電池の正極材と負極材が既に理論容量に近づき、改善される余地がほとんどないからである。大容量リチウムイオン電池に対するニーズに応えるため、近年、大容量・低コストの新素材の研究開発がホットスポットとなっている。リチウムイオン電池の負極材に関しては、シリコンが新世代の大容量リチウムイオン電池に最も有望な負極材として注目されている。シリコンは、非常に大きな体積比容量と質量比容量を有している。シリコンは、負極材としての黒鉛と比べて、リチウムイオンの挿入脱離電位が高く、高速充放電プロセスにおけるリチウムの析出を効果的に回避でき、バッテリーの安全性を向上させることができる。しかし、体積効果の影響により、充放電プロセスにシリコン電極の構造が破壊され、活性物質が集電体から剥がれ、その結果、シリコン負極の可逆容量が低下し、サイクル性能が低下する。研究者は数多くの研究を重ねて、シリコンの粒子径が200nm未満に減少すると、シリコンの体積効果が非常に小さくなり、リチウムイオン電池の許容レベルに達することを発見した。
従来技術では、ナノシリコン粉末の主な製造方法には、機械式ボールミル法及び様々な熱源を用いた化学蒸着法(CVD)が含まれる。そのうち、機械式ボールミル法で製造されたシリコン粉末は、粒径分布が広く、粒径分布を制御することができず、ボールミル媒体および溶剤がシリコン粉末を汚染し、ボールミル法によって製造されたシリコン粉末の純度を低下させることがある。一般的に、ボールミル法は湿式ボールミル粉砕であるため、乾燥工程が必要となる。乾燥工程ではシリコン粉末が酸化しやすい。化学蒸着法(CVD)は主にシランの熱分解反応に基づく方法であり、この方法で製造されたシリコン粉末は高純度で粒径分布が狭いが、シランは可燃性、爆発性、毒性の高いガスであり、輸送と保管に不便であり、生産時の条件制御が極めて厳格で、作業員に対する要求も非常に高い。シランが分解された後に、燃焼および爆発しやすい水素が生成され、また、シランが完全に分解されていない場合に、可燃性のオリゴマーシランが生成されるため、当該製造方法の安全性が低く、作業員に対して一定の中毒リスクがあると同時に、環境を汚染する有毒ガスが発生しやすい。また、シランの価格は粗粒シリコン粉末よりはるかに高いため、CVD法によって生産されたナノシリコン粉末は製造コストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記従来の問題点を鑑みてなされ、シリコン粉末の純度、生産量、および粒径分布の制御を大幅に改善でき、作業員および環境に悪影響を与える有毒、有害ガスの生成を抑えられるナノシリコン粉末製造装置を提供することを目的とする。
【0004】
上記目的を達成するため、本発明に係るナノシリコン粉末製造装置は、プラズマ非移送アークトーチセット、反応釜およびコレクターを含み、前記プラズマ非移送アークトーチセットは、シリコン粉末を加熱し気化させ、前記反応釜は、気化されたシリコン粉末をナノシリコン粉末に冷却し、前記コレクターは、ナノシリコン粉末を収集する。
前記プラズマ非移送アークトーチセットは、等弧度に分布される少なくとも2つのプラズマアークトーチを含み、前記プラズマアークトーチが水平面に対して45°~90°の角度で配置される。
前記プラズマ非移送アークトーチセットは、2~6本のプラズマ非移送アークトーチで構成される高温プラズマアークサークルである。
前記プラズマアークトーチは3本設置され、前記プラズマアークトーチは水平面に対して45°の角度で配置される。
前記コレクターにフィルターが設けられ、前記ナノシリコン粉末が前記フィルターでろ過された後に収集・包装される。
前記プラズマ非移送アークトーチセットに、フィーダーと給気管が接続され、前記フィーダーは前記プラズマ非移送アークトーチセットにシリコン粉末原料を投入し、加熱して気化し、前記給気管はガスを導入し、加熱による気化されたシリコン粉末原料を反応釜に吹き込み、ナノシリコン粉末に冷却される。
前記コレクターは冷却空気循環装置に接続され、前記冷却空気循環装置の出口端は前記反応釜に接続される。
前記ナノシリコン粉末の製造方法は、以下のステップを含み、
ステップ1、プラズマ非移送アークトーチセット、反応釜、コレクター、フィーダー、給気管、及び冷却空気循環装置に不活性ガスを導入し、気密試験を行い、
ステップ2、気密試験完了後に、不活性ガスを排出し、給気管を介してナノシリコン粉末製造装置に作動ガスが継続的に導入し、
ステップ3、プラズマ非移送アークトーチセット、反応釜、フィーダー、冷却空気循環装置を稼働し、フィーダーからシリコン粉末原料を投入し、ナノシリコン粉末の製造を開始し、
ステップ4、コレクターにおけるナノシリコン粉末が収集し包装する。
好ましくは、加熱源としてのプラズマ非移送アークは、プラズマ層流非移送アークである。
前記プラズマ非移送アークの電流が60~500Aであり、電圧が100~400Vである。
前記プラズマ非移送アークのアーク長さは500mmを超え、アークトーチのアーク長さは300~600mmである。
前記作動ガスは、アルゴン、水素、窒素、アンモニア及びヘリウムのうちの一つまたは複数を含み、前記プラズマアークトーチの給気量は2~20m3/hである。
前記シリコン粉末原料の平均粒径は5~45μmである。
前記シリコン粉末原料の供給量は0.3~10kg/hである。
前記ナノシリコン粉末の平均粒径は20~200nmである。
前記ナノシリコン粉末は球形であり、酸素含有量が5%未満、炭素含有量が2%未満である。
前記シリコン粉末原料は、複数のアークトーチによって形成されたメインアークの上方に投入されるのは好ましいが、メインアークの上方に限られない。
前記製造装置は、ナノシリコン粉末の製造に限らず、ナノ金属粉末の製造に用いることも可能であり、特に非導電性粉末及びセラミック粉末、例えば窒化物、炭化物などの製造に適している。
【0005】
上記のように、本発明は以下の効果を有する。
1.物理蒸着法に基づき、粗粒のシリコン粉末を原料として用い、原材料のコストが削減され、有毒、有害なガスの使用と発生が防げられる。
2.製造されたナノシリコン粉末は、純度が高く、粒径分布の制御性も高く、製造プロセスが簡単で、生産量が高い。
3.複数のプラズマアークトーチを用いることにより、シリコン粉末原料の気化量が多くなり、シリコン粉末原料の均一な分布を実現し、1本のプラズマアークトーチの過大な電力による過度の正極損耗の問題を回避することができ、加熱ゾーンを増大し、シリコン粉末のガス化率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下、添付された図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明するが、これらの図面は本発明の好ましい実施形態を説明するものであり、本発明を限定するものではない。
図1図1は本発明に係るナノシリコン粉末製造装置の構成を示す図である。
図2図2は本発明の実施例1に係るプラズマ非移送アークトーチセットの構造の概略図である。
【発明を実施する形態】
【0007】
以下に添付図面を参照しながら、本発明のナノシリコン粉末製造装置を詳細に説明する。
【0008】
なお、本発明のナノシリコン粉末製造装置は、ナノシリコン粉末の製造に限らず、ナノ金属粉末、並びに非導電性粉末、セラミック粉末、例えば窒化物、炭化物などの製造にも適している。
【0009】
(実施例1)
図1に示したように、ナノシリコン粉末製造装置はプラズマ非移送アークトーチセット1、反応釜2およびコレクター3を含む。プラズマ非移送アークトーチセット1はシリコン粉末を加熱して気化させ、反応釜2は気化されたシリコン粉末をナノシリコン粉末に冷却し、コレクター3はナノシリコン粉末を収集する。
プラズマ非移送アークトーチセット1には、フィーダー4と給気管5が接続される。フィーダー4はプラズマ非移送アークトーチセット1にシリコン粉末原料を投入し、加熱して気化する。給気管5はガスを導入し、加熱により気化されたシリコン粉末原料を反応釜2に吹き込み、ナノシリコン粉末に冷却される。また、コレクター3にフィルターが設けられ、ナノシリコン粉末がフィルターでろ過された後に収集・包装される。エネルギー利用をさらに向上させ、省エネの目的を達成するため、コレクター3には冷却空気循環装置6が接続される。冷却空気循環装置6の入口と出口はコレクター3と反応釜2にそれぞれに接続される。
動作の際に、加熱により気化されたシリコン粉末原料は、ガスで反応釜2に吹き込まれ、ナノシリコン粉末に冷却され、そして、ガスに運送されてコレクター3に入り、フィルターを通過した後に収集・包装される。コレクター3内に入ったガスは冷却空気循環装置6に通じて反応釜2に導入され、これで、反応釜2によって冷却処理されたガスは再利用される。
【0010】
図2に示したように、プラズマ非移送アークトーチセット1は、等弧度に分布されている少なくとも2本のプラズマアークトーチ11を含み、プラズマアークトーチ11が水平面に対して45°~90°の角度で配置される。本実施例において、プラズマアークトーチ11は3本あり、プラズマアークトーチ11は水平面に対して45°の角度で配置される。
【0011】
ナノシリコン粉末の製造方法は以下のステップを含む。
ステップ1、プラズマ非移送アークトーチセット1、反応釜2、コレクター3、フィーダー4、給気管5、及び冷却空気循環装置6に不活性ガスを導入し、気密試験を行う。
ステップ2、気密試験が完了した後に、不活性ガスを排出し、給気管5を介して本実施形態のナノシリコン粉末製造装置に作動ガスを継続的に導入する。
ステップ3、プラズマ非移送アークトーチセット1、反応釜2、フィーダー4、冷却空気循環装置6を稼働させ、フィーダー4からシリコン粉末原料を投入し、ナノシリコン粉末の製造を開始する。
ステップ4、コレクター3におけるナノシリコン粉末を収集し包装する。
ここで、プラズマ非移送アークトーチセット1のプラズマ非移送アークは、プラズマ層流非移送アークである。プラズマ非移送アークのアーク長さは500mm以上であり、アークトーチのアーク長さは300~600mmである。プラズマ非移送アークの電流は60~500Aであり、電圧が100~400Vである。作動ガスは、アルゴン、水素、窒素、アンモニア及びヘリウムのうちの一つまたは複数を含み、作動ガスの給気量は2n~20nm3/hである。ここで、nはプラズマ非移送アークトーチセット1におけるプラズマアークトーチ11の数であり、各プラズマアークトーチ11の作動ガスの給気量は2~20m3/hである。本実施形態において、プラズマ非移送アークはアーク長さが300mmであり、電流が150Aであり、電圧が150Vであり、作動ガスがアルゴンであり、アルゴンガスの給気量が8nm3/hであり、nが3であり、即ち、アルゴンガスの給気量は24m3/hである。
【0012】
採用されたシリコン粉末原料の平均粒径は5~45μmであり、シリコン粉末原料の供給量は0.3~10kg/hである。これに対して、製造されたナノシリコン粉末の平均粒径は20~200nmであり、ナノシリコン粉末は球形であり、酸素含有量が5%未満、炭素含有量が2%未満である。本実施例に用いられたシリコン粉末原料は平均粒径が20μmであり、シリコン粉末原料の供給量が1.2kg/hであり、製造られたナノシリコン粉末の平均粒径が52nmである。
【0013】
シリコン粉末原料の気化率を向上させるため、シリコン粉末原料をフィーダー4に通じて複数の前記プラズマアークトーチ11によって形成されたメインアークに投入し、更に、シリコン粉末原料をフィーダー4に通じて複数の前記プラズマアークトーチ11によって形成されたメインアークの上方に投入する。
【0014】
(実施例2)
実施例2と実施例1との相違点は、実施例2におけるプラズマアークトーチ11が水平面に対して60°の角度で配置されることである。
【0015】
(実施例3)
実施例3と実施例1との相違点は、実施例3におけるプラズマアークトーチ11が水平面に対して90°の角度で配置されることである。
【0016】
(実施例4)
実施例4と実施例1との相違点は、実施例4におけるプラズマ非移送アークの電流が60Aであり、電圧が100Vであり、作動ガスがアルゴンであり、アルゴンガスの吸気量が2nm3/hであり、nが2であり、即ち、アルゴンガスの吸気量は4m3/hである。
【0017】
(実施例5)
実施例5と実施例1との相違点は、実施例5におけるプラズマ非移送アークの電流が500Aであり、電圧が400Vであり、作動ガスがアルゴンであり、且つアルゴンガスの吸気量が20nm3/hであり、nが6であり、即ち、アルゴンガスの吸気量は120m3/hである。
【0018】
(実施例6)
実施例6と実施例1との相違点は、実施例6に用いられたシリコン粉末原料の平均粒径は45μmであり、シリコン粉末原料の供給量は0.3kg/hであり、製造られたナノシリコン粉末の平均粒子径は200nmである。
【0019】
(実施例7)
実施例7と実施例1との相違点は、実施例7に用いられたシリコン粉末原料の平均粒径は5μmであり、シリコン粉末原料の供給量は10kg/hであり、製造されたナノシリコン粉末の平均粒子径は20nmである。
【0020】
(実施例8)
実施例8と実施例1との相違点は、実施例8におけるアークトーチのアーク長さは450mmである。
【0021】
(実施例9)
実施例9と実施例1との相違点は、実施例9におけるアークトーチのアーク長さは600mmである。
【0022】
以上のように、本発明は、加熱源として複数のプラズマ非移送アークトーチを用い、1本の非移送アークトーチを用いる場合と比べて3つのメリットを有する。第1、気化量が多い。第2、原料供給時に、原料を均一に分散させてプラズマアークに投入することができるため、1本の非移送アークへ原料供給の際に、アークの中心に原材料を投入しにくくシリコン粉末が完全に気化することができない問題は避けられる。第3、同じ加熱出力に対し、1本の非移送アークトーチは、過大な出力により過度の正極損耗を引き起こし、長期間に生産を行うことができない。また、プラズマ層流非移送アークを用いると、加熱ゾーンを拡大し、原材料を完全に気化させ、気化量を増やすのに非常に役立つ。即ち、本発明に係るナノシリコン粉末の製造装置は、様々なメリットを有する。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明の技術的思想に属する様々な実施形態は本発明の保護範囲に属する。当業者は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で、以上の実施例に対して行った変更または修正は、本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0023】
1 プラズマ非移送アークトーチセット
11 プラズマアークトーチ
2 反応釜
3 コレクター
4 フィーダー
5 給気管
6 冷却空気循環装置
図1
図2