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特許7330538偏光分解ラマン分光法を実施するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】偏光分解ラマン分光法を実施するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/65 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
G01N21/65
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021500900
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2019067339
(87)【国際公開番号】W WO2020011560
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】18183474.8
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507023887
【氏名又は名称】ダンマークス テクニスク ユニバーシテット
【氏名又は名称原語表記】DANMARKS TEKNISKE UNIVERSITET
【住所又は居所原語表記】Anker Engelunds Vej 101,DK-2800 Kongens Lyngby,Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オレクシ イルチェンコ
(72)【発明者】
【氏名】アニャ ボイセン
(72)【発明者】
【氏名】ロマン スリペツ
【審査官】吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-299146(JP,A)
【文献】国際公開第2015/025389(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/004917(WO,A1)
【文献】特表2013-511718(JP,A)
【文献】特開2007-003354(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151461(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62 - G01N 21/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料(15)についての偏光分解ラマン分光法を実施するための装置であって、前記装置が、
試料(15)に励起放射を供給するための少なくとも1つの光源(11)と
前記試料(15)からの光を、空間的に分離された波長成分の少なくとも1つのスペクトルに分配し、少なくとも1つの前記スペクトルの少なくとも一部を検出器(29)へ配向するための分光器(31)と、
前記試料(15)からの光のための偏光状態制御要素(27)であって、前記試料(15)から前記検出器(29)に向かって走行する少なくとも1つの光ビーム(25)の光路に配置された、偏光状態制御要素(27)と、
を備え、
前記偏光状態制御要素(27)は、少なくとも1つの偏光感応型光学要素(45,47)を備え、少なくとも1つの前記偏光感応型光学要素は、少なくとも1つの前記光ビーム(25)を、少なくとも2つの偏光された光ビーム(35a,35b,37a,37b)に分割するように構成されている、
装置。
【請求項2】
前記偏光状態制御要素(27)は、
光ビームを、少なくとも2つの分割されたビーム(35,37)に分割するように構成された少なくとも1つのビーム分割要素(33)と、
少なくとも2つの偏光感応型光学要素(45,47)と、
を備え、
なくとも2つの前記偏光感応型光学要素(45,47)は、少なくとも2つの前記分割されたビーム(35,37)のうちの少なくとも1つが1つの偏光感応型光学要素(45)を通過し、少なくとも2つの前記分割されたビーム(35,37)のうちの少なくとも別の1つが他の1つの偏光感応型光学要素(47)を通過するように配置されている、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
波長板(41)が、前記ビーム分割要素(33)と前記偏光感応型光学要素(45,47)のうちの1つとの間の少なくとも1つの光路に配置されている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記偏光状態制御要素(27)は、
前記光ビームを、3つの分割されたビームに分割するように構成された少なくとも1つのビーム分割要素と、
3つの偏光感応型光学要素と、
を備え、
前記3つの偏光感応型光学要素は、前記3つの分割されたビームのうちの第1のビームが前記偏光感応型光学要素のうちの第1の偏光感応型光学要素を通過し、前記3つの分割されたビームのうちの第2のビームが前記3つの偏光感応型光学要素のうちの第2の偏光感応型光学要素を通過し、前記3つの分割されたビームのうちの第3のビームが前記3つの偏光感応型光学要素のうちの第3の偏光感応型光学要素を通過するように配置されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
波長板が、前記ビーム分割要素と前記3つの偏光感応型光学要素のうちの1つとの間の少なくとも1つの光路に配置されている、
請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記ビーム分割要素と前記第1の偏光感応型光学要素との間の光路に、第1の波長板が配置されている、請求項4または5記載の装置。
【請求項7】
前記ビーム分割要素と前記第2の偏光感応型光学要素との間の光路に、第2の波長板が配置されている、請求項4から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記ビーム分割要素と前記第3の偏光感応型光学要素との間の光路には、波長板が配置されていない、請求項4から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記偏光状態制御要素(27)は、前記試料(15)と前記分光器(31)との間の光路に配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのビーム分割要素(87)が、前記光源(11)と前記試料(15)との間の光路に配置されており、前記ビーム分割要素(87)は、前記光源(11)からの光ビームを少なくとも第1のビーム(67,93)と第2のビーム(65,89,91)とに分割するように構成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
偏光操作された第2のビームを生成するために、前記ビーム分割要素(63,87)と前記試料(15)との間の少なくとも前記第2のビーム(65,89,91)の光路に、波長板(69,95,97)が配置され、
なくとも前記第1のビーム(67)と前記偏光操作された第2のビーム(71)とを合成し、合成されたビーム(67,71,89,91,93)を前記試料(15)上へ配向するための、少なくとも1つのビーム合成器(75,99,101)が設けられている、
請求項10記載の装置。
【請求項12】
なくとも1つの前記ビーム分割要素(87)は、前記光源からの前記光ビームを、第1のビーム(93)、第2のビーム(89)、および第3のビーム(91)に分割するように構成されており、
光操作された第2のビームを生成するために、前記ビーム分割要素(87)と前記試料(15)との間の前記第2のビーム(89)の光路に、波長板(95)が配置されており、
光操作された第3のビームを生成するために、前記ビーム分割要素(87)と前記試料(15)との間の前記第3のビーム(91)の光路に、さらなる波長板(97)が配置されている、
請求項10または11記載の装置。
【請求項13】
前記第1のビーム(93)、前記偏光操作された第2のビーム(89)および前記偏光操作された第3のビーム(91)を合成し、合成されたビームを前記試料(15)上へ配向するための、少なくとも1つのビーム合成器(85,99,101)が設けられている、請求項12記載の装置。
【請求項14】
2つ以上の異なる光源(11a,11b,11c)からの2つ以上の光ビームを合成し、合成されたビームを、前記試料(15)上へ配向するための、少なくとも1つのビーム合成器(85,99,101)が設けられている、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの前記光源(11,11a,11b,11c)からの光ビームは、偏光操作されたビームである、請求項14記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料、特に結晶性試料につき偏光分解ラマン分光法(polarization resolved Raman spectroscopy)を実施するための装置に関する。
【0002】
分光法は、一般に、光ビームの波長の関数として、エネルギまたは強度を測定するプロセスを意味する。分光法は、物理的物質、特に原子、分子またはイオンによる光の吸収、放出、または散乱を使用して、物質の物理的特性およびプロセスを定性的かつ定量的に研究するものである。
【0003】
分光計システムの動作中に、試料へ配向される光または放射は、入射放射と称されることがある。試料との接触後の入射放射の方向転換は、一般に、放射の散乱と称される。試料中の原子または分子が入射放射を反射するのではなく、入射放射の全部または一部を吸収するかぎりにおいて、試料は励起されうるので、試料のエネルギレベルがより高いエネルギレベルへ上昇しうる。光は、散乱もされうるが、入射放射と同じ波長を有しつづけることもあり、これは、一般にレイリー散乱光、または弾性散乱光と称される状態である。例えば分子の振動状態の変化中の試料によって散乱される入射放射は、異なるエネルギで散乱されることがあり、このような散乱光は、ラマン散乱光と称されうる。こうした現象は、試料の化学的特性、組成、および構造の同定を含む、物理的特性およびプロセスの定性的かつ定量的な研究のための分光法に関連して利用されてきた。
【0004】
入射放射が試料へ配向される場合、入射放射の波長は、散乱放射において、実質的に変化しないままであることがある。代替的に、入射放射が試料へ配向されている場合、散乱放射の波長が、入射波長とは異なる1つまたは複数の波長を取得することもある。入射放射と散乱放射とのエネルギ差は、ラマンシフトと称されうる。ラマン散乱光の分光測定により、当該散乱光の結果として生じる波長の測定を試みることができる。
【0005】
ラマン散乱光現象は、試料の化学的特性、組成および構造の同定を含む物理的特性およびプロセスの質および量を研究するための分光学的用途において有用である。ラマンシフト分光分析技術は、試料の定性的かつ定量的な研究に使用されている。入射放射が、試料からの光を散乱させるために使用され、散乱放射データが測定される場合、散乱放射は、試料に関連する1つまたは複数の周波ならびにそのシフトされた周波数の強度を形成しうる。当該周波数は、試料の化学的組成を同定するために使用することができる。
【0006】
ラマン分光計は、非弾性散乱光を測定するための分光計の一例であり、試料のラマンスペクトルを取得するために一般に使用されている。試料が例えばレーザなどからの単色光により照射されると、試料によって散乱された光は、入射光中に存在する波長成分とは異なる波長成分を含むことになる。通常、試料中に存在する分子の光のいわゆるラマン散乱は、この効果を生じる。ラマン分光計では、試料によって散乱された光が収集され、光源のものとは異なる波長を有する波長成分のスペクトル分布が、例えば可視化されたラマンスペクトルの形態で検出される。
【0007】
ラマンスペクトルの幾つかの測定において、ラマン散乱光の偏光に関する情報を取得することが望ましい場合がある。例えば、ラマン散乱の偏光依存特性は、例えば単結晶シリコン(Si)ウェハからなる基板の単結晶品質および結晶方位に依存する。
【0008】
Ramabadranらによれば、科学出版物“Intensity analysis of polarized Raman spectra for off axis single crystal silicon”, Materials Science & Engineering B 230, p. 31-42, 2018において、偏光後方散乱ラマン分光法を使用して、シリコンの切断軸線の結晶方位を同定することができると説明されている。
【0009】
Munissoらによれば、科学出版物“Raman tensor analysis of sapphire single crystal and its application to define crystallographic orientation in polycrystalline alumina”, Phys. Status Solidi B 246, No. 8, 1893-1900 (2009)において、多結晶アルミナ材料中の未知の結晶学的構造の実用的判定のためのテンソルアルゴリズムが提案されている。
【0010】
本発明の目的は、試料についての偏光分解分光法を実施するための効率的な手段を提供することである。
【0011】
この目的は、請求項1の特徴による装置によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明によれば、試料、特に結晶性試料についての偏光分解ラマン分光法を実施するための装置は、
試料に励起放射を供給するための少なくとも1つの光源、特に少なくとも1つのレーザと、
試料からの光、特に試料からのラマン散乱光を、空間的に分離された波長成分の少なくとも1つのスペクトルに分配し、少なくとも1つのスペクトルの少なくとも一部を検出器、特にCCD検出器へ配向するための分光器と、
試料からの光のための偏光状態制御要素であって、試料から検出器に向かって走行する少なくとも1つの光ビームの光路に配置された、偏光状態制御要素と、
を備え、
偏光状態制御要素は、少なくとも1つの偏光感応型光学要素、特にウォラストンプリズム(Wollaston prism)を備え、少なくとも1つの偏光感応型光学要素は、少なくとも1つの光ビームを少なくとも2つの偏光された光ビーム、特に直交偏光された光ビームに分割するように構成されている。
【0013】
検出されたスペクトルのそれぞれは、既知の偏光を有する偏光された光ビームから取得される。これは、入射ビームを、少なくとも1つの偏光感応型光学要素を出て検出器に向かって走行する少なくとも2つの偏光された光ビームへと分割する、少なくとも1つの偏光感応型光学要素の使用によるものである。検出器によるスペクトルの位置決めが同時に行われる。
【0014】
異なる偏光で検出されたスペクトルは、例えば測定されたスペクトルにシリコンのラマンテンソル散乱理論に基づくアルゴリズムを適用した場合、シリコンのような結晶性試料の結晶学的分析のために用いることができる。アルゴリズムは、例えば、前掲のRamabadranらによる科学出版物“Intensity analysis of polarized Raman spectra for off axis single crystal silicon”, Materials Science & Engineering B 230, p. 31-42, 2018に説明されている。アルゴリズムと共にスペクトルから取得される情報は、例えば、不規則に成長したSi多結晶の結晶面および面回転角を認識するために用いることができる。取得された情報は、例えば2DX線結晶構造分析において確立されているのと同じ基本方式を使用して、結晶学的マップの再構成のためにさらに使用することができ、これは、例えばB. Larson, W. Yang, G. Ice, J. Budai, J. Tischlerによる科学論文“3D X-ray structural microscopy with submicrometre resolution”, Nature, Vol.415, 887-890, (2002)に説明されている。
【0015】
試料でのラマン散乱は、特に試料の振動結合に起因しうる。このような振動結合は、入射光が振動結合と同じ偏光/配向を有するとき、最も効率的にポンピングされうる。振動結合は、入射光の偏光に対して直交する方向に配向される場合、低い効率でポンピングされることになる。したがって、試料から取得されるラマンスペクトルの分析を使用して、例えば結晶または結晶単位胞における原子結合または分子結合の配向を判定することができる。これは、多結晶サファイアもしくはシリコンのような多結晶構造、または結晶性薬物、アミノ酸、ペプチドもしくはタンパク質などのより複雑な単位胞を有する無機結晶もしくは有機結晶を有する試料、ならびに半導体、無機複合材料(セラミックス、圧電体および強誘電体、超伝導体など)、薬物および生体分子のような他の試料にも、適用可能である。
【0016】
また、ラマン散乱を使用して試料についての結晶分析を実施することは、X線回折、電子回折および中性子回折よりも費用効率が高い。例えば、X線回折は、高価な機器を必要とし、専門研究所でしか生成することができないシンクロトロン放射の使用さえ必要とすることがある。
【0017】
当該装置は、ラスタスキャンモードで用いることができる。特に、当該装置を使用して、試料の表面点で測定を行うことができる。その後、試料または表面上の焦点を移動させて、別の表面点について測定を行う。このようにして、表面をスキャンすることができ、複数の表面点から測定値を取得することができる。したがって、試料の結晶面の2Dまたは3D画像の生成を可能にしうる、2Dマッピングまたは3Dマッピングを実施することができる。
【0018】
好ましくは、当該装置は、試料を回転させるためのデバイスなどの可動部品を含まないので、使いやすいセットアップで実現可能である。しかし、特に試料の表面のスキャンを可能にするために、試料に照射されるビームの焦点に対して試料を移動させることが可能でありうる。
【0019】
少なくとも1つの偏光感応型光学要素は、特に、不規則に偏光された光、または偏光されていない光を、2つの別個の直線偏光された出射ビームに分離することができる、少なくとも1つのウォラストンプリズムであってよい。ウォラストンプリズムは、それぞれの底部で共に接合された2つのカルサイトプリズムから構成され、垂直な光軸を有する2つの直角三角形プリズムを形成することができる。ウォラストンプリズムは、様々な提供者から市販入手可能である。
【0020】
偏光状態制御要素は、光ビームを少なくとも2つの分割されたビーム、特に少なくとも2つの平行ビームに分割するように構成された少なくとも1つのビーム分割要素と、2つの分割されたビームのうちの1つが一方の偏光感応型光学要素を通過し、2つの分割されたビームのうちの他方が他方の偏光感応型光学要素を通過するように配置された、少なくとも2つの偏光感応型光学要素、特に2つのウォラストンプリズムと、を備えうる。
【0021】
したがって、試料から到来する光ビームは、ビームスプリッタであってよいビーム分割要素の使用によって、少なくとも2つの分割されたビームに分割することができる。分割されたビームのそれぞれは、ウォラストンプリズムなどの偏光感応型光学要素を通過し、ここで、分割されたビームのそれぞれは、2つの偏光された光ビーム、特に直交偏光された光ビームへとさらに分配される。少なくとも4つの偏光された光ビームのそれぞれのスペクトルは、検出器の異なる領域で同時に検出することができる。このように、当該装置は、少なくとも4つの検出チャネルを提供し、各チャネルが、試料から散乱された光の偏光分解されたスペクトルを検出することを可能にする。複数のスポットが、偏光された光によって試料へと照射される場合、各スポットは検出チャネルごとにスペクトルを形成することができるので、検出されるスペクトルの数を増やすことができる。このように、2つの照射スポットは、検出可能な8つのスペクトルをもたらすことができる。
【0022】
好ましくは、波長板、特に半波長板または4分の1波長板が、ビーム分割要素と偏光感応型光学要素のうちの1つとの間の少なくとも1つの光路に配置されうる。波長板は公知であり、市販入手可能である。
【0023】
偏光感応型光学要素のうちの1つの前方の光路に配置された波長板は、この波長板を通って走行する分割されたビームの偏光の調整に役立つ。これにより、異なる偏光を有するラマンスペクトルを、異なる検出チャネルで検出することが可能となる。
【0024】
偏光状態制御要素は、光ビームを3つの分割されたビーム、特に少なくとも3つの平行ビームに分割するように構成された少なくとも1つのビーム分割要素と、3つの分割されたビームのうちの第1のビームが偏光感応型光学要素のうちの第1の偏光感応型光学要素を通過し、3つの分割されたビームのうちの第2のビームが3つの偏光感応型光学要素のうちの第2の偏光感応型光学要素を通過し、3つの分割されたビームのうちの第3のビームが3つの偏光感応型光学要素のうちの第3の偏光感応型光学要素を通過するように配置された3つの偏光感応型光学要素と、を備えうる。
【0025】
ビーム分割要素は、到来するビームを3つの分割されたビームに均等に分割することができる。したがって、各ビームは同じ強度を有しうる。
【0026】
3つの分割されたビームのそれぞれは、偏光感応型光学要素のうちの1つを通過し、分割されたビームのそれぞれは、さらに、2つの偏光された光ビーム、特に直交偏光された光ビームへと分配される。その結果、合計で6つの偏光された光ビームが分光器を通過することができ、検出器の使用によって検出可能な6つのスペクトルが存在する。したがって、当該装置は、ラマンスペクトルを同時に検出することができる6つの検出可能チャネルを提供する。
【0027】
好ましくは、波長板(waveplate)、特に半波長板(half-wave plate)または4分の1波長板(quarter-wave plate)が、ビームスプリッタと3つの偏光感応型光学要素のうちの1つとの間の少なくとも1つの光路に配置される。
【0028】
ビーム分割要素と第1の偏光感応型光学要素との間の光路に、第1の波長板、特に半波長板が配置可能である。
【0029】
好ましくは、ビーム分割要素と第2の偏光感応型光学要素との間の光路に、第2の波長板、特に4分の1波長板が配置される。
【0030】
好ましくは、ビーム分割要素と第3の偏光感応型光学要素との間の光路には、波長板は配置されない。
【0031】
したがって、3つの分割されたビームのうちの2つは、波長板を通って走行し、特に、ビームのうちの1つは半波長板を通って走行することができ、ビームのうちの別の1つは4分の1波長板を通って走行することができる。したがって、検出されうる6つのスペクトルは、振動ピークの偏光解消研究のための、直線レーザ偏光面に対応する、0°および90°の散乱ラマン信号、偏光回転測定のための+45°および-45°の散乱ラマン信号における分析器の回転として説明可能な情報と、2つのチャネルで検出可能な、左円偏光された光および右円偏光された光の一部として説明可能な情報とを含むことができる。6つの全てのチャネルの偏光角度は異なっていてよく、特定用途のために最適化することができる。スペクトルの取得後、既に述べたように、マトリクス偏光理論を測定されたスペクトルに適用し、振動ピーク、アーチファクトおよび配向分布パラメータの全偏光解消についての情報を復元することができる。
【0032】
偏光状態制御要素は、試料と分光器との間の光路に配置することができる。偏光状態制御要素は、特に、試料と分光器の入口スリットとの間に配置することができる。したがって、分割および偏光されたビームが分光器に入り、それぞれ分割および偏光されたビームのうちの1つに関連付けられた偏光分解された各スペクトルが、検出器によって、特に検出器の特定の領域において検出可能となる。
【0033】
少なくとも1つのビーム分割要素が、光源と試料との間の光路に配置可能となり、ビーム分割要素は、光源からの光ビームを少なくとも第1のビームと第2のビームとに分割するように構成される。したがって、光源由来の元のビームを分割することによって得られた少なくとも第1のビームおよび第2のビームが、試料に入射することができる。2つのビームは、その伝搬軸線の間のわずかに異なる角度で合成することができる。このような状況は、試料上または試料内の焦点面で、互いに局所的に分離された2つのスポットを生成することができる。したがって、検出器上で得られるスポットからのスペクトル応答は、互いに空間的に分離され、検出器の異なる領域において検出可能でありうる。
【0034】
偏光操作された第2のビームを生成するために、ビーム分割要素と試料との間の第2のビームの光路に、波長板、好ましくは半波長板または4分の1波長板を配置することができる。したがって、第2のビームの偏光は調整することができる。
【0035】
好ましくは、少なくとも1つのビーム合成器は、第1のビームと偏光操作された第2のビームとを合成し、合成されたビームを試料へ配向することができ、好ましくは、試料の同じ焦点面に空間的に分離された2つのスポットを生成する。このことはまた、検出器によって検出されるスペクトル応答が、空間的に互いに分離されるという効果を有しうる。これは、イメージングセンサの検出ウィンドウの異なる領域において、異なるスペクトルが検出可能となりうることを意味する。
【0036】
少なくとも1つのビーム分割要素は、光源からの光ビームを、第1のビーム、第2のビーム、および第3のビームに分割するように構成可能である。したがって、3つのビームは、試料に入射し、試料上または試料内の空間的に分離されたスポットへと集束させることができる。
【0037】
好ましくは、偏光操作された第2のビームを生成するために、ビーム分割要素と試料との間の第2のビームの光路に、波長板、例えば半波長板または4分の1波長板を配置することができる。
【0038】
さらに、偏光操作された第3のビームを生成するために、ビーム分割要素と試料との間の第3のビームの光路に、波長板、好ましくは半波長板または4分の1波長板を配置することができる。したがって、それぞれのビームの偏光を調整することができる。
【0039】
少なくとも1つのビーム合成器を設けて、第1のビーム、偏光操作された第2のビーム、および偏光操作された第3のビームを合成し、合成されたビームを試料へ配向することができる。
【0040】
少なくとも1つのビーム合成器および/またはビーム合成器の前後の光路は、合成されたビームが試料上または試料内の同じ焦点面に形成される空間的に分離された3つのスポットへ配向されるように配置されていることが好ましい。
【0041】
少なくとも1つのビーム合成器を設けて、2つ以上の異なる光源からの2つ以上の光ビームを合成し、合成されたビームを、試料へ、好ましくは、試料の同じ焦点面の空間的に分離された各スポットへ配向することができる。したがって、試料に入射し、試料からのラマン散乱光の生成に使用される光ビームは、2つ以上の光源によって供給することができる。光源は、異なる波長の光を供給することができ、例えば、1つの光源は780nmのレーザ光を供給することができ、別の1つの光源は785nmのレーザ光を供給することができ、さらに別の1つの光源は790nmのレーザ光を供給することができる。
【0042】
少なくとも1つの光源からの光ビームは、偏光操作されたビームであってよい。これは、例えば、光源から出射するビームの光路に配置された偏光子を使用することによって達成することができる。したがって、試料に入射する光ビームの少なくとも1つの偏光は、調整することができる。
【0043】
また、本発明は、結晶性試料の少なくとも1つの特性、特に結晶性試料の表面平面の配向を判定するためのシステムに関し、当該システムは、
本発明による装置と、
ラマンテンソル散乱理論を基礎としたアルゴリズムにおいて、試料についての測定値から、装置によって取得されたスペクトルを用いるように構成されたコンピュータシステムと、
を備え、アルゴリズムは、試料に関する結晶学的情報を取得するために、コンピュータシステムによって実行可能である。
【0044】
本発明はまた、結晶性試料の少なくとも1つの測定を実施する方法に関し、方法は、本発明による装置を使用して、試料から少なくとも2つのスペクトルを同時に取得するステップを含む。
【0045】
好ましくは、本方法は、特にコンピュータシステムに実装され、事前に与えられたアルゴリズムにおいて、試料に関する結晶情報を取得するためにスペクトルを用いるステップをさらに含む。
【0046】
以下、1つまたは複数の実施例を、以下の図面と共に記載するが、同様の数字は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】試料の偏光分解ラマン分光法を実施するための装置の第1の変形形態の概略図である。
図2】試料の偏光分解ラマン分光法を実施するための装置の第2の変形形態の概略図である。
図3】試料の偏光分解ラマン分光法を実施するための装置の第3の変形形態の概略図である。
図4】試料の偏光分解ラマン分光法を実施するための装置の第4の変形形態の概略図である。
【0048】
図1に示す装置は、試料15に励起放射の光ビーム13を供給するために、好ましくはレーザである少なくとも1つの光源11を備える。特にレーザビームである光ビーム13は、特に、2つの直交偏光されたレーザビームに分割される。このようして、好ましくは、2つの直交偏光されたレーザビーム13が、試料15に入射する。2つの直交偏光されたレーザビーム13は、ダイクロイックビームスプリッティングミラー17によって反射され、さらにミラー19,21によって、複数のレンズを備える対物レンズ23へ導かれ、レーザビーム13は試料15に集束する。
【0049】
直交するレーザビーム13は、その伝搬方向においてわずかにずれているので、対物レンズは、レーザビーム13を試料15の焦点面の写真から得られるウィンドウ301に示すように、空間的に分離された2つのスポット303,305に集束させる。
【0050】
光学セットアップは、後方散乱ジオメトリにて配置され、これにより、対物レンズ23はまた、試料15、特に2つの照射スポット303,305から散乱された光を収集するために用いられる。後方散乱光ビーム25、少なくともレーザビーム13のスペクトル成分と異なる後方散乱光ビームのスペクトル成分は、ダイクロイックミラー17を通過し、試料15から散乱された光ビーム25のための偏光状態制御要素27に入ることができる。
【0051】
偏光状態制御要素27は、対物レンズ23によって収集されて検出器29に向かって走行する光ビーム25の光路において、分光器31を通過する前の光路に配置されている。偏光状態制御要素27は、光ビーム25を第1の分割されたビーム35と第2の分割されたビーム37とに分割するように構成されたビームスプリッタ33を備え、第1の分割されたビーム35と第2の分割されたビーム37とは、第1の分割されたビーム35がミラー39によって反射された後、互いに平行に走行する。
【0052】
第1のビーム35は半波長板41を通過し、第2のビーム37は、第2のビーム37の偏光状態をもたらしうる光学要素43、例えば4分の1波長板を通過する。
【0053】
続いて、第1のビーム35は、第1の偏光感応型光学要素、ここでは第1のウォラストンプリズム45を通過し、第1のビーム35を、図1に単一ビームとして示される2つの直交偏光されたビーム35a,35bに分割する。ビーム35aの偏光は例えば0°であってよく、ビーム35bの偏光は例えば90°であってよい。第2のビーム35は、第2の偏光感応型光学要素、ここでは第2のウォラストンプリズム47を通過し、第2のビーム37を、図1に単一ビームとして示される2つの直交偏光されたビーム37a,37bに分割する。ビーム37aの偏光は例えば+45°であってよく、ビーム37bの偏光は例えば-45°であってよい。
【0054】
図1の装置の光学システムはさらに、スリットレンズであってもよいレンズ系49を備え、ウォラストンプリズム45,47を出る偏光されたビーム35a,35b,37a,37bを、分光器31のスリット51を通して集束するように構成される。また、レンズ系49は、エッジフィルタを含みうる。
【0055】
分光器31は、スリットに焦点を有するコリメーションレンズ系53を備える。コリメーションレンズ系53は、ビーム35a,35b,37a,37bを、任意のエッジフィルタ(図示せず)および透過回折格子55を通過しうるコリメートビームに変換する。
【0056】
回折格子55は、各ビーム35a,35b,37a,37bを空間的に分離された波長成分の各スペクトルに分配し、各偏光されたビーム35a,35b,37a,37bのスペクトルを検出するために、各スペクトルの少なくとも一部を、集束レンズ系57を介して検出器29の画素のアレイ59へと配向する。
【0057】
ウィンドウ307は、画素のアレイ59で測定されるスペクトルを示す。図から見て取れるように、8つの異なるスペクトルを同時に測定することができる。スペクトルは、y軸に沿って互いに分離されている。x軸に沿って空間的に分布するスポットは、各スペクトルに含まれる異なる波長に関連する。
【0058】
当該8つのスペクトルは、試料15が異なる偏光の2つのビームを用いて、2つのスポットで照射されているという事実によっている。したがって、後方散乱ビーム25は、実際には、2つのスポット303,305および入射光の異なる偏光による2つの後方散乱ラマンビームを含む。したがって、異なる入射レーザ偏光からの試料の応答が同時に収集される。さらに、ビームスプリッタ33は、2つの後方散乱されたラマンビームのそれぞれを、各ウォラストンプリズム45,47を通過するように分割する。ゆえに、偏光されたビーム35a,35b,37a,37bのそれぞれは、異なるレーザ偏光で照射された2つのスポットに由来することにより、実際には2つのビームを含む。ゆえに、合計8つのビームが、ウォラストンプリズムを出て、分光器31の入口スリット51を通過する。このことは、スリット51の平面の写真から導出されたウィンドウ309において示されており、8つのビームが、ビーム相互の空間的な分離を行うスリット51を通って走行することが示されている。これにより、画素のアレイ59で検出可能な8つのスペクトルが説明される。
【0059】
図2の装置の光学セットアップは、実質的には図1の装置の光学セットアップに対応する。同様に、図2の装置は、上述のように8つのスペクトルを同時に検出することも可能である。
【0060】
図2の装置は、波長785nmの光を放出する光源としてのレーザ11を備える。レーザ11は、例えばダイオードレーザであってよい。ビームスプリッタ63は、レーザビーム61を2つのビーム65,67に分割する。ビーム65は、ビーム65の偏光を変化させる半波長板69を通って走行する。半波長板69から出たビーム71、およびビーム67は、ミラー73およびビームスプリッタ75によってレーザビーム13へと合成される。
【0061】
図1に関して説明したように、ビーム13は、したがって、実際には、異なる偏光を有する2つのビームから構成されている。ビーム67およびビーム71は、その伝搬軸線が互いにわずかにずれるように合成されることになる。これにより、試料の焦点面に(図1のスポット303,305と同様の)2つのスポットが生成される。ビーム67の伝搬軸線の調整は、例えば、ミラー73を傾けることによって可能である。
【0062】
図3の装置の光学セットアップは、前述した図1および図2の装置の光学セットアップと同様である。しかし、レーザ11によって放出された光は、ラインフィルタ79および直線偏光子81,83を有する幾つかの光学要素77,79,81,83を通過し、ミラー85によって反射され、ビームスプリッタ87の使用によって3つのビーム89,91,93に分割される。分割されたビーム89は波長板95を通過し、分割されたビーム91は波長板97を通過するが、ビーム93は波長板を通過しない。これにより、0°,45°および90°の偏光を有する3つのビームが得られ、これら3つのビームが、ビームスプリッタ99および101の使用によって、その伝搬軸線においてわずかに異なる角度で合成されて、試料15の焦点面のウィンドウ311に示すように、3つのスポット313,315,317を生じさせる。
【0063】
後方散乱光の経路は、実質的に、図1に関して上述した経路に対応している。その結果、異なる偏光の光によって生じる3つのスポット313,315,317と、偏光状態制御要素27においてこれらのスポットからのビームを分割することとによって、12個の偏光分解されたビームが、ウィンドウ321に示すように、シャッタを備えていてよいスリット51を通って走行する。その結果、ウィンドウ319に示すように、12個の偏光分解されたラマンスペクトルを、検出器29の画素のアレイ上で検出することができる。
【0064】
選択手段として、図3の装置の光学セットアップは、試料から到来する光ビームを3つの分割されたビームに分割するように構成された少なくとも1つのビーム分割要素を含む、偏光状態制御要素27を備えうる。ビーム分割要素と第1の偏光感応型光学要素、特に第1のウォラストンプリズムとの間の光路には、半波長板などの第1の波長板が配置されうる。ビーム分割要素と第2の偏光感応型光学要素、特に第2のウォラストンプリズムとの間の光路には、第2の波長板、特に4分の1波長板が配置されうる。ビーム分割要素と第3の偏光感応型光学要素、特に第3のウォラストンプリズム(図示せず)との間の光路には、波長板を配置することはできない。前述したように、各ウォラストンプリズムは、各入射ビームを2つの分離した直線的な出射ビームに分割する。
【0065】
このように、到来するビームごとに、3つのウォラストンプリズムが、分光器31に向かって走行する6つの出射ビームを生成する。スポット313,315,317におけるラマン散乱由来の3つのビームは、したがって、3つのウォラストンプリズムを出る18個のビームをもたらしうる。その結果、ウィンドウ319に示すように、18個のスペクトルを、検出器29の画素のアレイで検出することができる。
【0066】
図4の装置の光学セットアップは、実質的には図3の装置の光学セットアップに対応する。ただし、図4の装置は、780nm、785nm、790nmで直線偏光された光を照射する3つのレーザ11a,11bおよび11cを備える。レーザ11cからの光の偏光は波長板95によって45°だけ変更され、レーザ11bからの光の偏光は波長板97によって90°だけ変更される。3つのレーザからの光は、ミラー85およびビームスプリッタ99,101の使用によって、レーザビームが異なる方向にわずかに伝搬するように合成され、ウィンドウ323(対物レンズ23の焦点面の写真から得られる)に示すように、この場合にも、異なる偏光(0°,45°,90°)のレーザ光の3つのスポットが生じる。スポットは、異なるレーザ11a,11b,11cにより、異なる波長の光によって照射されたものである。
【0067】
測定されたスペクトルから取得される情報は、例えば、前述したRamabadranらの論文に説明されているアルゴリズムにおいて使用可能である。当該アルゴリズムは、ラマンテンソル散乱理論を基礎とすることができる。これにより、例えば、X線結晶構造解析と同じ基本方式の使用によって、試料の結晶学的マップを取得することができる。
【符号の説明】
【0068】
11 光源、レーザ
11a,11b,11c,61 レーザ
13 レーザビーム
15 試料
17 ダイクロイックミラー
19,21,39,73,85 ミラー
23 対物レンズ
25 光ビーム
27 偏光状態制御要素
29 検出器
31 分光器
33,63,75,87,99,101 ビームスプリッタ
35 第1の分割されたビーム
35a,35b 偏光されたビーム
37 第2の分割されたビーム
37a,37b 偏光されたビーム
41,69 半波長板
43,77 光学要素
45 第1のウォラストンプリズム
47 第2のウォラストンプリズム
49 レンズ系
51 スリット
53 コリメーションレンズ系
55 回折格子
57 集束レンズ系
59 画素のアレイ
65,67,71,89,91,93 ビーム
79 光学要素、ラインフィルタ
81,83 光学要素、偏光子
95,97 波長板
301,307,309,311,319,321,323 ウィンドウ
303,305,313,315,317 スポット
図1
図2
図3
図4