(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】加熱装置及びその製造方法、非燃焼加熱式喫煙具
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20230815BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20230815BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20230815BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/70
(21)【出願番号】P 2021571933
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020091097
(87)【国際公開番号】W WO2021232250
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】521528698
【氏名又は名称】深▲ゼン▼市華誠達精密工業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳平
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208354597(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第107252139(CN,A)
【文献】特開2001-297857(JP,A)
【文献】特表2015-506170(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108903062(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/20
A24F 40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非燃焼加熱式喫煙具に用いられる加熱装置であって、
第1加熱モジュールを含み、前記第1加熱モジュールは、タバコ葉と接触する第1ハウジングと、前記第1ハウジングに組み合わされ、導電して発熱する第1発熱部材と、前記第1発熱部材と第1ハウジングの間に設置される第1絶縁体、を含み、
前記第1発熱部材は通電後に発熱し、熱が、前記第1絶縁体を通じて前記第1ハウジングに伝導し、前記第1ハウジングを介してタバコ葉を燃焼させずに加熱することで煙を発生させる加熱装置
であって、
前記第1ハウジングは対向する両端が開放されたハウジングであり、前記第1ハウジングの内表面はタバコ葉と接触する加熱表面を形成し、
前記第1絶縁体は管状構造をなしており、前記第1ハウジングの外周に覆設され、
前記第1発熱部材は、前記第1絶縁体の長さ方向に沿って前記第1絶縁体内に嵌設されるとともに、前記第1ハウジングの外周に位置し、前記第1発熱部材の2つのリードは前記第1絶縁体の外部に伸出する加熱装置であって、
前記第1絶縁体の一端は開放されており、且つ前記第1ハウジングの開放端と連通して、タバコ葉を前記第1ハウジング内に挿入するための入口を形成しており、
前記第1絶縁体の反対側の他端は密閉されて密閉端を形成しており、前記密閉端に少なくとも1つの第1通気孔が設けられていることを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記第1加熱モジュールは、更に、前記第1ハウジングにおけるタバコ葉と接触する表面に設置される第1耐高温非粘着層を含み、
前記第1耐高温非粘着層の厚みは0.5~500μmであることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記第1ハウジングの一端は開放されて開放端を形成し、前記第1ハウジングの外表面はタバコ葉と接触する加熱表面を形成し、
前記第1発熱部材は、前記第1ハウジングの長さ方向に沿って前記第1ハウジング内に挿設され、前記第1発熱部材の2つのリードは前記第1ハウジングの開放端から外部に伸出し、
前記第1絶縁体は、前記第1ハウジング内に充填されて前記第1発熱部材を包囲することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記第1ハウジングの反対側の他端は密閉されて密閉端を形成し、前記密閉端はテーパー状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記第1絶縁体の端部には絶縁ベースが形成されており、
前記第1ハウジングの開放端の端面は、前記絶縁ベースと間隔を開けるか当接し、或いは、前記第1ハウジングの開放端の端部は前記絶縁ベースに嵌入することを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記第1発熱部材は、シート状、螺旋状又は管状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記加熱装置は、更に、第2加熱モジュールを含み、前記第1加熱モジュールは、軸方向に前記第2加熱モジュールに挿設され、前記第1加熱モジュールの外周と前記第2加熱モジュールの内周の間には、タバコ葉を収容するための環状空間が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記第2加熱モジュールは、両端が開放された筒状の第2ハウジング、前記第2ハウジングの外周に覆設される第2絶縁体、前記第2絶縁体内に嵌設されて前記第2ハウジングの外周に位置する第2発熱部材を含み、
前記第2発熱部材の2つのリードと前記第1発熱部材の2つのリードは、いずれも前記第2絶縁体の外部に伸出することを特徴とする請求項7に記載の加熱装置。
【請求項9】
前記第2加熱モジュールは、更に、前記第2ハウジングの内表面に設置される第2耐高温非粘着層を含み、
前記第2耐高温非粘着層の厚みは0.5~500μmであることを特徴とする請求項8に記載の加熱装置。
【請求項10】
前記第2絶縁体の一端は開放されており、且つ前記環状空間と連通しており、
前記第2絶縁体の反対側の他端は密閉されて密閉端を形成しており、前記密閉端に少なくとも1つの第2通気孔が設けられており、
前記第1加熱モジュールは、前記第2絶縁体の密閉端に固定されることを特徴とする請求項8に記載の加熱装置。
【請求項11】
前記第2発熱部材は発熱筒を含み、前記発熱筒の側壁に透かし部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の加熱装置。
【請求項12】
前記第1発熱部材は発熱筒を含み、前記発熱筒の側壁に透かし部が設けられていることを特徴とする請求項
1に記載の加熱装置。
【請求項13】
請求項
1~12のいずれか一項に記載の加熱装置を含むことを特徴とする非燃焼加熱式喫煙具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非燃焼加熱式喫煙具の技術分野に関し、特に、加熱装置及びその製造方法、非燃焼加熱式喫煙具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の低温非燃焼式タバコの加熱用ヒータは、加熱体の主な技術として、絶縁性の金属又はセラミックスの表面に厚膜印刷技術を利用して電気加熱導電層を印刷している。しかし、上記の技術には次のような欠点が存在する。
【0003】
抵抗体ペーストは、金属、合金粉末及びバインダーの混合物であり、混合にムラができるとの課題があるため、電気抵抗が不安定となり、製品の同一性に劣る。また、厚膜印刷で形成される電気加熱導電層は断面積が小さいため、長期的に高温環境下で動作しているうちに劣化による回路断絶が生じやすく、使用寿命が短い。このほか、従来の上記技術には、製造工程が大変多く、材料及び機器の価格が非常に高いなど、数多くの課題も存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術における上記の欠点に対し、製品の同一性が向上し、且つ使用寿命の長い加熱装置及びその製造方法、前記加熱装置を備える非燃焼加熱式喫煙具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は以下の通りである。即ち、非燃焼加熱式喫煙具に用いられる加熱装置を提供する。前記加熱装置は第1加熱モジュールを含む。前記第1加熱モジュールは、タバコ葉と接触する第1ハウジングと、前記第1ハウジングに組み合わされ、導電して発熱する第1発熱部材と、前記第1発熱部材と第1ハウジングの間に設置される第1絶縁体、を含む。
【0006】
前記第1発熱部材は通電後に発熱する。熱は、前記第1絶縁体を通じて前記第1ハウジングに伝導し、前記第1ハウジングを介してタバコ葉を燃焼させずに加熱することで煙を発生させる。
【0007】
好ましくは、前記第1加熱モジュールは、更に、前記第1ハウジングにおけるタバコ葉と接触する表面に設置される第1耐高温非粘着層を含む。
【0008】
好ましくは、前記第1耐高温非粘着層の厚みは0.5~500μmである。
【0009】
好ましくは、前記第1ハウジングの一端は開放されて開放端を形成し、前記第1ハウジングの外表面はタバコ葉と接触する加熱表面を形成する。
【0010】
前記第1発熱部材は、前記第1ハウジングの長さ方向に沿って前記第1ハウジング内に挿設され、前記第1発熱部材の2つのリードは前記第1ハウジングの開放端から外部に伸出する。
【0011】
前記第1絶縁体は、前記第1ハウジング内に充填されて前記第1発熱部材を包囲する。
【0012】
好ましくは、前記第1ハウジングの反対側の他端は密閉されて密閉端を形成し、前記密閉端はテーパー状をなしている。
【0013】
好ましくは、前記第1絶縁体の端部には絶縁ベースが形成されている。
【0014】
前記第1ハウジングの開放端の端面は、前記絶縁ベースと間隔を開けるか当接する。或いは、前記第1ハウジングの開放端の端部は前記絶縁ベースに嵌入する。
【0015】
好ましくは、前記第1発熱部材は、シート状、螺旋状又は管状をなしている。
【0016】
好ましくは、前記加熱装置は、更に、第2加熱モジュールを含む。前記第1加熱モジュールは、軸方向に前記第2加熱モジュールに挿設され、前記第1加熱モジュールの外周と前記第2加熱モジュールの内周の間には、タバコ葉を収容するための環状空間が形成されている。
【0017】
好ましくは、前記第2加熱モジュールは、両端が開放された筒状の第2ハウジング、前記第2ハウジングの外周に覆設される第2絶縁体、前記第2絶縁体内に嵌設されて前記第2ハウジングの外周に位置する第2発熱部材を含む。
【0018】
前記第2発熱部材の2つのリードと前記第1発熱部材の2つのリードは、いずれも前記第2絶縁体の外部に伸出する。
【0019】
好ましくは、前記第2加熱モジュールは、更に、前記第2ハウジングの内表面に設置される第2耐高温非粘着層を含む。
【0020】
好ましくは、前記第2耐高温非粘着層の厚みは0.5~500μmである。
【0021】
好ましくは、前記第2絶縁体の一端は開放されており、且つ前記環状空間と連通している。
【0022】
前記第2絶縁体の反対側の他端は密閉されて密閉端を形成しており、前記密閉端に少なくとも1つの第2通気孔が設けられている。
【0023】
前記第1加熱モジュールは、前記第2絶縁体の密閉端に固定される。
【0024】
好ましくは、前記第2発熱部材は発熱筒を含み、前記発熱筒の側壁に透かし部が設けられている。
【0025】
好ましくは、前記第1ハウジングは対向する両端が開放されたハウジングであり、前記第1ハウジングの内表面はタバコ葉と接触する加熱表面を形成する。
【0026】
前記第1絶縁体は管状構造をなしており、前記第1ハウジングの外周に覆設される。
【0027】
前記第1発熱部材は、前記第1絶縁体の長さ方向に沿って前記第1絶縁体内に嵌設されるとともに、前記第1ハウジングの外周に位置する。前記第1発熱部材の2つのリードは前記第1絶縁体の外部に伸出する。
【0028】
好ましくは、前記第1発熱部材は発熱筒を含み、前記発熱筒の側壁に透かし部が設けられている。
【0029】
好ましくは、前記第1絶縁体の一端は開放されており、且つ前記第1ハウジングの開放端と連通して、タバコ葉を前記第1ハウジング内に挿入するための入口を形成している。
【0030】
前記第1絶縁体の反対側の他端は密閉されて密閉端を形成しており、前記密閉端に少なくとも1つの第1通気孔が設けられている。
【0031】
本発明は、更に、上記いずれかで述べた加熱装置の製造方法を提供する。前記製造方法は、第1加熱モジュールの製造を含み、前記第1加熱モジュールの製造は以下のステップを含む。
【0032】
S1.1:第1ハウジング、第1発熱部材及び第1絶縁体の絶縁ペーストを作製する。
【0033】
S1.2:前記第1ハウジングと第1発熱部材を成型金型内に配置して固定する。
【0034】
前記第1発熱部材は前記第1ハウジング内又は外周に位置する。
【0035】
S1.3:前記絶縁ペーストを前記成型金型に注入し、冷却して硬化させることで第1絶縁体の粗成型体を形成して、前記第1ハウジング及び第1発熱部材とともに第1加熱モジュールの半製品を形成する。
【0036】
前記粗成型体は前記第1ハウジング内に充填されて前記第1発熱部材を包囲する。或いは、前記粗成型体は、前記第1ハウジング及び第1発熱部材の外周を覆うとともに、前記第1ハウジングと第1発熱部材との間隔に充填される。
【0037】
S1.4:前記第1加熱モジュールの半製品を高温焼結し、前記粗成型体を硬化させて第1絶縁体を成型することで、第1加熱モジュールを取得する。
【0038】
好ましくは、前記加熱装置の製造方法は、更に、第2加熱モジュールの製造を含み、前記第2加熱モジュールの製造は以下のステップを含む。
【0039】
S2.1:第2ハウジング、第2発熱部材及び第2絶縁体の絶縁ペーストを作製する。
【0040】
S2.2:前記第2ハウジングと第2発熱部材を成型金型内に配置して固定する。
【0041】
前記第2発熱部材は前記第2ハウジングの外周に位置する。
【0042】
S2.3:前記絶縁ペーストを前記成型金型に注入し、冷却して硬化させることで第2絶縁体の粗成型体を形成して、前記第2ハウジング及び第2発熱部材とともに第2加熱モジュールの半製品を形成する。
【0043】
前記粗成型体は、前記第2ハウジング及び第2発熱部材の外周を覆うとともに、前記第2ハウジングと第2発熱部材との間隔に充填される。
【0044】
S2.4:前記第2加熱モジュールの半製品を高温焼結し、前記粗成型体を硬化させて第2絶縁体を成型することで、第2加熱モジュールを取得する。
【0045】
好ましくは、前記加熱装置の製造方法では、更に、前記第1加熱モジュールを軸方向に前記第2加熱モジュールに挿設する。
【0046】
前記第1加熱モジュールの外周と前記第2加熱モジュールの内周の間には、タバコ葉を収容するための環状空間が形成されている。前記第1発熱部材の2つのリードと前記第2発熱部材の2つのリードは、いずれも前記第2絶縁体の外部に伸出する。
【0047】
本発明は、更に、上記いずれかで述べた加熱装置を含む非燃焼加熱式喫煙具を提供する。
【発明の効果】
【0048】
本発明の加熱装置は、非燃焼加熱式喫煙具に用いられ、発熱部材、絶縁体及びハウジングを組み合わせて形成されて、発熱部材の通電による加熱でタバコ葉の加熱を実現する。前記加熱装置は、従来の厚膜印刷技術で形成される加熱導電層と比較して、製造がいっそう簡単且つ容易であり、製品の同一性及び寿命が大幅に向上する。また、生産に要する材料や機器がシンプル且つ安価であり、製品性能を向上させつつ、生産コストが大幅に低下する。
【0049】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施例における加熱装置の構造の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の第2実施例における加熱装置の断面構造の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の第2実施例における加熱装置の分解構造の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の第3実施例における加熱装置の断面構造の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の第4実施例における加熱装置の断面構造の概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の第4実施例における加熱装置の分解構造の概略図である。
【
図9】
図9は、本発明の第5実施例における加熱装置の断面構造の概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施例における非燃焼加熱式喫煙具の断面構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本発明の技術的特徴、目的及び効果がより明瞭に理解されるよう、図面を参照して本発明の具体的実施形態につき詳細に説明する。
【0052】
本発明の加熱装置は、非燃焼加熱式喫煙具に用いられ、タバコ葉を燃焼させずに加熱することで、霧化により煙を発生させてユーザに吸引させる。
【0053】
図1~3に示すように、本発明の第1実施例における加熱装置は、第1加熱モジュール10を含む。
【0054】
第1加熱モジュール10は、第1ハウジング11、第1ハウジング11に組み合わされる第1発熱部材12、第1発熱部材12と第1ハウジング11の間に設置される第1絶縁体13を含む。第1ハウジング11はタバコ葉と接触するために用いられ、第1発熱部材12は導電して発熱するために用いられる。第1絶縁体13は、第1発熱部材12と第1ハウジング11を隔離して、これらが接触することによる短絡等の問題を回避するために用いられる。第1発熱部材12は通電後に発熱する。熱は、第1絶縁体13を通じて第1ハウジング11に伝導し、第1ハウジング11を介してタバコ葉を燃焼させずに加熱することで、霧化により煙を発生させる。
【0055】
本実施例において、第1ハウジング11は、一端が密閉されて他端が開放されたハウジングである。第1発熱部材12は、第1ハウジング11の長さ方向に沿って第1ハウジング11内に挿設される。第1発熱部材12の2つのリード121は、第1ハウジング11の開放端から外部に伸出して外部電源に接続される。第1絶縁体13は、第1ハウジング11内に充填されて第1発熱部材12を包囲する。
【0056】
第1ハウジング11の内表面は第1絶縁体13にしっかりと密着し、第1ハウジング11の外表面はタバコ葉と接触する加熱表面を形成する。第1加熱モジュール10を使用する際には、第1ハウジング11をタバコ葉内に差し込み、加熱表面をタバコ葉内に進入させて加熱により霧化させる。
【0057】
第1加熱モジュール10をタバコ葉内に円滑に挿入するために、第1ハウジング11の密閉端はテーパー状をなしている。テーパー状端の上部の鋭端によって、タバコ葉への差し込みがより良好となる。第1ハウジング11の密閉端には、更に、通気又はペースト注入等のための貫通孔を設置してもよい。
【0058】
第1ハウジング11は、例えば、金属、セラミックス、石英、雲母、ガラス等の耐熱温度が500℃超の材料で構成される。
【0059】
具体的に、本実施例において、第1ハウジング11は扁平状の中空ハウジングである。扁平状の第1ハウジング11に対応して、第1発熱部材12は全体がシート状をなしており、長尺の金属シートを第1ハウジング11の内周に沿って屈曲させることで発熱本体を形成可能である。金属シートの両端は第1ハウジング11の開放端に対応しており、2つのリード121にそれぞれ接続される。
【0060】
第1発熱部材12における発熱本体のメートル抵抗(メートルあたり抵抗)は、リード121のメートル抵抗よりも大きい。
【0061】
第1発熱部材12は、抵抗が温度曲線を有する金属材料で構成され、好ましくは、ニッケルクロム合金、鉄クロムアルミ合金、ステンレス、ニッケル線、ニッケル鉄合金、銅ニッケル合金、チタン及びチタン合金等のうちの少なくとも1つで構成される。
【0062】
第1絶縁体13は、第1ハウジング11内に充填されて第1発熱部材12を包囲する。これにより、第1発熱部材12は第1絶縁体13内に嵌設されて、第1ハウジング11から絶縁される。前記第1絶縁体13は柱体構造をなしており、形状が第1ハウジング11の内周形状に対応している。
【0063】
好ましくは、第1絶縁体13は多孔質セラミックス材料で構成されており、電気絶縁性で熱伝導性に優れる等の性能を有する。製造時には、まず、多孔質セラミックス材料粉末やバインダー等を絶縁ペーストとしてから、注入、硬化等を経て一定の構造強度を有する絶縁体を形成する。
【0064】
更に、第1加熱モジュール10は、第1ハウジング11におけるタバコ葉と接触する表面に設置される第1耐高温非粘着層(図示しない)を含む。本実施例において、第1ハウジング11の外表面はタバコ葉と接触する加熱表面となっている。そのため、前記第1耐高温非粘着層を第1ハウジング11の外表面に設置することで、タバコ葉が第1ハウジング11から円滑に離脱できるよう保証する。これにより、使用後にタバコ葉の残渣が付着するとの事態が防止されるため、第1ハウジング11の外表面の清潔さが保証される。
【0065】
第1耐高温非粘着層は、300℃以上の高温に耐え得る材料で構成される。選択的に、第1耐高温非粘着層の厚みは0.5~500μmとする。
【0066】
前記第1実施例における加熱装置の製造方法は、第1加熱モジュール10の製造を含む。
図1~3を参照して、第1加熱モジュール10の製造は、以下のステップを含み得る。
【0067】
S1.1:第1ハウジング11、第1発熱部材12及び第1絶縁体13の絶縁ペーストを作製する。
【0068】
第1ハウジング11は、スタンピング、エッチング、切断、線引き、溶接、射出成形、焼結等のプロセスを通じて作製可能である。また、第1発熱部材12は、エッチング、切断、溶接、カール等のプロセスで作製可能である。
【0069】
前記ステップS1.1では、更に、第1ハウジング11の外表面に第1耐高温非粘着層を塗布する。
【0070】
S1.2:第1ハウジング11と第1発熱部材12を成型金型内に配置して固定する。
【0071】
第1発熱部材12は第1ハウジング11内に位置する。第1発熱部材12の長さ方向は第1ハウジング11の長さ方向と平行である。且つ、第1発熱部材12と第1ハウジング11は接触しないよう間隔を開ける。第1発熱部材12の2つのリード121は、第1ハウジング11の外部に位置する。
【0072】
S1.3:絶縁ペーストを成型金型に注入し、冷却して硬化させることで第1絶縁体13の粗成型体を形成して、第1ハウジング11及び第1発熱部材12とともに第1加熱モジュールの半製品を形成する。
【0073】
絶縁ペーストを注入する際には、主に、絶縁ペーストを第1ハウジング11内に注入するとともに、第1ハウジング11と第1発熱部材12との間隔にも充填する。
【0074】
粗成型体の形成後、粗成型体は第1ハウジング11内に充填されて第1発熱部材12を包囲する。
【0075】
S1.4:第1加熱モジュールの半製品を高温焼結し、粗成型体を硬化させて第1絶縁体13を成型することで、第1加熱モジュール10を取得する。
【0076】
第1加熱モジュールの半製品は、成型金型から取り出して焼結キャリアに載置し、高温焼結炉に配置して高温焼結を行う。これにより、粗成型体を硬化させて第1絶縁体13を成型し、第1ハウジング11と第1発熱部材12の間にしっかりと結合させることで、第1加熱モジュール10を形成する。
【0077】
図4及び
図5に示すように、本発明の第2実施例における加熱装置は、第1加熱モジュール20を含む。
【0078】
第1加熱モジュール20は、第1ハウジング21、第1ハウジング21に組み合わされる第1発熱部材22、第1発熱部材22と第1ハウジング21の間に設置される第1絶縁体23を含む。第1ハウジング21はタバコ葉と接触するために用いられ、第1発熱部材22は導電して発熱するために用いられる。第1絶縁体23は、第1発熱部材22と第1ハウジング21を隔離して、これらが接触することによる短絡等の問題を回避するために用いられる。第1発熱部材22は通電後に発熱する。熱は、第1絶縁体23を通じて第1ハウジング21に伝導し、第1ハウジング21を介してタバコ葉を加熱することで、霧化により煙を発生させる。
【0079】
第1ハウジング21は、一端が密閉されて他端が開放されたハウジングである。第1発熱部材22は、第1ハウジング21の長さ方向に沿って第1ハウジング21内に挿設される。第1発熱部材22の2つのリード221は、第1ハウジング21の開放端から外部に伸出して外部電源に接続される。第1絶縁体23は、第1ハウジング21内に充填されて第1発熱部材22を包囲する。
【0080】
第1ハウジング21の内表面は第1絶縁体23にしっかりと密着し、第1ハウジング21の外表面はタバコ葉と接触する加熱表面を形成する。第1加熱モジュール20を使用する際には、第1ハウジング21をタバコ葉内に差し込み、加熱表面をタバコ葉内に進入させて加熱により霧化させる。
【0081】
上記の第1実施例とは異なり、本実施例において、第1ハウジング21は円筒状の中空ハウジングである。第1ハウジング21の密閉端はテーパー状に設けられ、テーパー状端211を形成している。前記テーパー状端211は、第1ハウジング21に一体的に形成してもよいし、別体として設置してから接続し、一体的に形成してもよい。第1ハウジング21の密閉端には、通気又はペースト注入等のための貫通孔を設置してもよい。
【0082】
円筒状の第1ハウジング21に対応して、第1発熱部材22は螺旋状をなしており、且つ、第1ハウジング21の内径よりも小さな直径を有している。第1発熱部材1の発熱本体は、発熱線を螺旋状に巻いて形成される。発熱線の両端は第1ハウジング21の開放端に対応しており、2つのリード221にそれぞれ接続される。第1発熱部材22の発熱本体のメートル抵抗は、リード221のメートル抵抗よりも大きい。
【0083】
第1発熱部材22は、抵抗が温度曲線を有する金属材料で構成され、好ましくは、ニッケルクロム合金、鉄クロムアルミ合金、ステンレス、ニッケル線、ニッケル鉄合金、銅ニッケル合金、チタン及びチタン合金等のうちの少なくとも1つで構成される。
【0084】
第1絶縁体23は、第1ハウジング21内に充填されて第1発熱部材22を包囲する。これにより、第1発熱部材22は第1絶縁体23内に嵌設されて、第1ハウジング21から絶縁される。前記第1絶縁体23における第1ハウジング11に対応する内部空間は円柱体構造をなしている。
【0085】
好ましくは、第1絶縁体23は多孔質セラミックス材料で構成されており、電気絶縁性で熱伝導性に優れる等の性能を有する。製造時には、まず、多孔質セラミックス材料粉末やバインダー等を絶縁ペーストとしてから、注入、硬化等を経て一定の構造強度を有する絶縁体を形成する。
【0086】
更に、本実施例において、第1絶縁体23の端部には絶縁ベース231が形成されている。前記絶縁ベース231は、第1絶縁体23に一体的に形成される。
【0087】
第1ハウジング21の開放端の端面は絶縁ベース231に当接してもよいし、第1ハウジング21の開放端の端面が絶縁ベース231と間隔を開けてもよい。或いは、
図4に示すように、第1ハウジング21の開放端の端部が絶縁ベース231に嵌入することで、開放端の端面が絶縁ベース231内に位置する。これにより、絶縁ベース231は、第1ハウジング21の開放端の外周を包囲するとともに、第1発熱部材22のリード221を部分的に包囲して、構造の安定性を向上させる。
【0088】
第1加熱モジュール20は、更に、第1ハウジング21におけるタバコ葉と接触する表面に設置される第1耐高温非粘着層(図示しない)を含む。前記第1耐高温非粘着層の具体的な設置等については上記の第1実施例を参照すればよいため、ここでは改めて詳述しない。
【0089】
前記第2実施例における加熱装置の製造方法については、上記の第1実施例における加熱装置の製造方法を参照すればよいため、ここでは改めて詳述しない。
【0090】
図6に示すように、本発明の第3実施例における加熱装置は、第1加熱モジュール30を含む。
【0091】
第1加熱モジュール30は、第1ハウジング31、第1ハウジング31に組み合わされる第1発熱部材32、第1発熱部材32と第1ハウジング31の間に設置される第1絶縁体33を含む。第1ハウジング31はタバコ葉と接触するために用いられ、第1発熱部材32は導電して発熱するために用いられる。第1絶縁体33は、第1発熱部材32と第1ハウジング31を隔離して、これらが接触することによる短絡等の問題を回避するために用いられる。第1発熱部材32は通電後に発熱する。熱は、第1絶縁体33を通じて第1ハウジング31に伝導し、第1ハウジング31を介してタバコ葉を加熱することで、霧化により煙を発生させる。
【0092】
第1ハウジング31は、一端が密閉されて他端が開放されたハウジングである。第1発熱部材32は、第1ハウジング31の長さ方向に沿って第1ハウジング31内に挿設される。第1発熱部材32の2つのリード331は、第1ハウジング31の開放端から外部に伸出して外部電源に接続される。第1絶縁体33は、第1ハウジング31内に充填されて第1発熱部材32を包囲する。
【0093】
第1ハウジング31の内表面は第1絶縁体33にしっかりと密着し、第1ハウジング31の外表面はタバコ葉と接触する加熱表面を形成する。第1加熱モジュール30を使用する際には、第1ハウジング31をタバコ葉内に差し込み、加熱表面をタバコ葉内に進入させて加熱により霧化させる。
【0094】
本実施例において、第1ハウジング31は円筒状の中空ハウジングである。第1ハウジング31の密閉端はテーパー状に設けられ、テーパー状端311を形成している。前記テーパー状端311は、第1ハウジング31に一体的に形成してもよいし、別体として設置してから接続し、一体的に形成してもよい。第1ハウジング31の密閉端には、通気又はペースト注入等のための貫通孔を設置してもよい。
【0095】
円筒状の第1ハウジング31に対応して、第1発熱部材32は螺旋状をなしており、且つ、第1ハウジング31の内径よりも小さな直径を有している。第1発熱部材1の発熱本体は、発熱線を螺旋状に巻いて形成される。発熱線の両端は第1ハウジング31の開放端に対応しており、2つのリード331にそれぞれ接続される。第1発熱部材32の発熱本体のメートル抵抗は、リード331のメートル抵抗よりも大きい。
【0096】
第1ハウジング31及び第1発熱部材32の材料等の設置については、上記第2実施例の関連の記載を参照すればよい。
【0097】
更に、本実施例において、第1絶縁体33の端部には絶縁ベース331が形成されている。前記絶縁ベース331は第1絶縁体33に一体的に形成されており、且つ、直径が第1絶縁体33の直径よりも大きい。
【0098】
本実施例は、第1ハウジング31の開放端に収容部312が接続されており、絶縁ベース331が収容部312内に充填されるとの点で上記の第2実施例と異なっている。収容部312及び絶縁ベース331は、第1加熱モジュール30の装着底部として設置可能であり、喫煙具に対する加熱装置の装着を容易とする。
【0099】
更に、第1加熱モジュール30は第1耐高温非粘着層(図示しない)を含む。第1耐高温非粘着層の具体的な設置等については、上記の第1実施例を参照すればよい。
【0100】
前記第3実施例における加熱装置の製造方法については、上記の第1実施例における加熱装置の製造方法を参照すればよいため、ここでは改めて詳述しない。
【0101】
また、上記の第2、第3実施例における第1発熱部材22及び32は螺旋状に限らず、管状等のその他の形状としてもよい。
【0102】
図7及び
図8に示すように、本発明の第4実施例における加熱装置は、第1加熱モジュール40を含む。
【0103】
第1加熱モジュール40は、第1ハウジング41、第1ハウジング41に組み合わされる第1発熱部材42、第1発熱部材42と第1ハウジング41の間に設置される第1絶縁体43を含む。第1ハウジング41はタバコ葉と接触するために用いられ、第1発熱部材42は導電して発熱するために用いられる。第1絶縁体43は、第1発熱部材42と第1ハウジング41を隔離して、これらが接触することによる短絡等の問題を回避するために用いられる。第1発熱部材42は通電後に発熱する。熱は、第1絶縁体43を通じて第1ハウジング41に伝導し、第1ハウジング41を介してタバコ葉を加熱することで、霧化により煙を発生させる。
【0104】
本実施例において、第1ハウジング41は、対向する両端が開放されたハウジングである。第1絶縁体43は管状構造をなしており、第1ハウジング41の外周に覆設される。第1ハウジング41の外表面は第1絶縁体43の内表面にしっかりと密着する。第1発熱部材42は、第1絶縁体43の長さ方向に沿って第1絶縁体43内に嵌設されるとともに、第1ハウジング41の外周に位置して、第1絶縁体43により第1ハウジング41から絶縁される。第1発熱部材42の2つのリード421は、第1絶縁体43の外部に伸出して外部電源に接続される。
【0105】
第1ハウジング41の内表面は、タバコ葉と接触する加熱表面を形成する。第1加熱モジュール40を使用する際には、タバコ葉を第1ハウジング41内に挿入して加熱表面に接触させ、加熱表面によりタバコ葉を加熱することで、加熱による霧化を行う。
【0106】
第1ハウジング41は、例えば、金属、セラミックス、石英、雲母、ガラス等の耐熱温度が500℃超の材料で構成される。
【0107】
具体的に、本実施例において、第1ハウジング41は円筒状の中空ハウジングであり、これに対応して、第1絶縁体43は円管状をなして第1ハウジング41の外周に覆設される。好ましくは、第1ハウジング41の端部が第1絶縁体43から伸出しないよう、第1絶縁体43の軸方向の長さは第1ハウジング41の軸方向の長さよりも大きくなっている。第1絶縁体43の一端は開放されており、且つ第1ハウジング41の開放端と連通して、タバコ葉を第1ハウジング41内に挿入するための入口を形成している。また、第1絶縁体43の反対側の他端は密閉されて密閉端を形成しており、前記密閉端に少なくとも1つの第1通気孔431が設けられている。
【0108】
円筒状の第1ハウジング41に対応して、第1発熱部材42は発熱筒を含む。前記発熱筒は、発熱シートを巻いて形成可能である。更に、発熱筒の側壁には透かし部422を設置可能である。2つのリード421は、発熱筒の端部の両側に対向して接続される。第1発熱部材42のメートル抵抗は、リード421のメートル抵抗よりも大きい。
【0109】
第1発熱部材42は、抵抗が温度曲線を有する金属材料で構成され、好ましくは、ニッケルクロム合金、鉄クロムアルミ合金、ステンレス、ニッケル線、ニッケル鉄合金、銅ニッケル合金、チタン及びチタン合金等のうちの少なくとも1つで構成される。
【0110】
好ましくは、第1絶縁体43は多孔質セラミックス材料で構成されており、電気絶縁性で熱伝導性に優れる等の性能を有する。製造時には、まず、多孔質セラミックス材料粉末やバインダー等を絶縁ペーストとしてから、注入、硬化等を経て一定の構造強度を有する絶縁体を形成する。第1絶縁体43の一部は、第1ハウジング41と第1発熱部材42との間隔に充填されてこれらを隔離する。
【0111】
更に、第1加熱モジュール40は、第1ハウジング41におけるタバコ葉と接触する表面に設置される第1耐高温非粘着層(図示しない)を含む。本実施例において、第1ハウジング41の内表面はタバコ葉と接触する加熱表面となっている。そのため、前記第1耐高温非粘着層を第1ハウジング41の内表面に設置することで、タバコ葉が第1ハウジング41から円滑に離脱できるよう保証する。これにより、使用後にタバコ葉の残渣が第1ハウジング41の内表面に付着するとの事態が防止されるため、第1ハウジング41の内表面の清潔さが保証される。
【0112】
第1耐高温非粘着層は、300℃以上の高温に耐え得る材料で構成される。選択的に、第1耐高温非粘着層の厚みは0.5~500μmとする。
【0113】
前記第4実施例における加熱装置の製造方法は、第1加熱モジュール40の製造を含む。
図7及び
図8を参照して、第1加熱モジュール40の製造は、以下のステップを含み得る。
【0114】
S1.1:第1ハウジング41、第1発熱部材42及び第1絶縁体43の絶縁ペーストを作製する。
【0115】
第1ハウジング41は、スタンピング、エッチング、切断、線引き、溶接、射出成形、焼結等のプロセスを通じて作製可能である。また、第1発熱部材42は、エッチング、切断、溶接、カール等のプロセスで作製可能である。
【0116】
前記ステップS1.1では、更に、第1ハウジング41の内表面に第1耐高温非粘着層を塗布する。
【0117】
S1.2:第1ハウジング41と第1発熱部材42を成型金型内に配置して固定する。
【0118】
第1発熱部材42は第1ハウジング41の外周に位置する。第1発熱部材42の長さ方向は第1ハウジング41の長さ方向と平行である。且つ、第1発熱部材42と第1ハウジング41は接触しないよう間隔を開ける。第1発熱部材42の2つのリード421は、第1ハウジング41の外部に位置する。
【0119】
S1.3:絶縁ペーストを成型金型に注入し、冷却して硬化させることで第1絶縁体43の粗成型体を形成して、第1ハウジング41及び第1発熱部材42とともに第1加熱モジュールの半製品を形成する。
【0120】
絶縁ペーストを注入する際には、主に、絶縁ペーストを第1ハウジング41及び第1発熱部材42の外周に注入するとともに、第1ハウジング41と第1発熱部材42との間隔にも充填する。
【0121】
粗成型体の形成後、粗成型体は第1ハウジング41及び第1発熱部材42の外周を覆うとともに、第1ハウジング41と第1発熱部材42との間隔に充填される。
【0122】
S1.4:第1加熱モジュールの半製品を高温焼結し、粗成型体を硬化させて第1絶縁体43を成型することで、第1加熱モジュール40を取得する。
【0123】
第1加熱モジュールの半製品は、成型金型から取り出して焼結キャリアに載置し、高温焼結炉に配置して高温焼結を行う。これにより、粗成型体を硬化させて第1絶縁体43を成型し、第1ハウジング41と第1発熱部材42の間にしっかりと結合させることで、第1加熱モジュール40を形成する。
【0124】
図9に示すように、本発明の第5実施例における加熱装置は、第1加熱モジュール50及び第2加熱モジュール60を含む。第1加熱モジュール50は、軸方向に第2加熱モジュール60に挿設される。第1加熱モジュール50の外周と第2加熱モジュール60の内周の間には、タバコ葉を収容するための環状空間70が形成されている。
【0125】
第1加熱モジュール50は、第1ハウジング51、第1ハウジング51内に挿設される第1発熱部材52、第1ハウジング51内に充填されて第1発熱部材52を包囲する第1絶縁体53を含む。第1ハウジング51の外表面は、タバコ葉と接触する加熱表面を形成する。第1加熱モジュール50は、上記第1~第3実施例における第1加熱モジュールとすることができる。
【0126】
第2加熱モジュール60は、両端が開放された筒状の第2ハウジング61、第2ハウジング61の外周に覆設される第2絶縁体63、第2絶縁体63内に嵌設されて第2ハウジング61の外周に位置する第2発熱部材62を含む。第2発熱部材62の2つのリード621と第1発熱部材52の2つのリード521は、いずれも第2絶縁体63の外部に伸出して外部電源に接続される。
【0127】
第2発熱部材62は発熱筒を含み、前記発熱筒の側壁に透かし部が設けられている。第2発熱部材62の具体的な設置及び材料の選択等については、上記の
図7に示した第4実施例における第1発熱部材42を参照すればよい。
【0128】
第2絶縁体63の一端は開放されており、且つ環状空間70と連通している。また、第2絶縁体63の反対側の他端は密閉されて密閉端を形成しており、前記密閉端に少なくとも1つの第2通気孔631が設けられている。第1加熱モジュール50は、第2絶縁体63の密閉端に固定される。
【0129】
第2加熱モジュール60は、更に、第2ハウジング61の内表面に設置される第2耐高温非粘着層(図示しない)を含み、300℃以上の温度に耐えることが可能である。第2耐高温非粘着層の厚みは0.5~500μmとする。
【0130】
理解し得るように、第2加熱モジュール60については、具体的に、上記第4実施例の第1加熱モジュールを参照すればよい。
【0131】
本実施例では、上記第1~第4実施例の加熱装置と比較して、第1加熱モジュール50及び第2加熱モジュール60を設置することで、タバコ葉の加熱及び霧化がより十分となり、発生する煙が一段と多くなるため、ユーザの然るべきニーズを満足させられる。
【0132】
前記第5実施例における加熱装置の製造方法は、第1加熱モジュール50の製造及び第2加熱モジュール60の製造を含む。
【0133】
第1加熱モジュール50については、上記第1実施例における第1加熱モジュールの製造方法を参照すればよい。第2加熱モジュール60の製造は、
図9を参照して、以下のステップを含む。
【0134】
S2.1:第2ハウジング61、第2発熱部材62及び第2絶縁体63の絶縁ペーストを作製する。
【0135】
S2.2:第2ハウジング61と第2発熱部材62を成型金型内に配置して固定する。
【0136】
第2発熱部材62は第2ハウジング61の外周に位置する。
【0137】
S2.3:絶縁ペーストを成型金型に注入し、冷却して硬化させることで第2絶縁体63の粗成型体を形成して、第2ハウジング61及び第2発熱部材62とともに第2加熱モジュールの半製品を形成する。
【0138】
粗成型体は、第2ハウジング61及び第2発熱部材62の外周を覆うとともに、第2ハウジング61と第2発熱部材62との間隔に充填される。
【0139】
S2.4:第2加熱モジュールの半製品を高温焼結し、粗成型体を硬化させて第2絶縁体63を成型することで、第2加熱モジュール63を取得する。
【0140】
第2加熱モジュール60の製造ステップについては、具体的に、上記第4実施例における第1加熱モジュールの製造方法を参照すればよい。
【0141】
更に、前記第5実施例における加熱装置の製造方法では、第1加熱モジュール50を軸方向に第2加熱モジュール60に挿設し、これらの間にタバコ葉を収容するための環状空間70を形成する。
【0142】
図10に示すように、本発明における非燃焼加熱式喫煙具は加熱装置1を含む。前記加熱装置1は、上記第1~第5実施例におけるいずれかの実施例の加熱装置である。
【0143】
本発明における非燃焼加熱式喫煙具は、更に、ケーシング2、電気供給バッテリ3及びカートリッジ4を含む。電気供給バッテリ3はケーシング2の一端内に設置される。また、加熱装置1はケーシング2の他端内に設置されて、互いに係合する固定ベース5及びロック部材6等によってケーシング2内に固定される。加熱装置1は電気供給バッテリ3に接続されて、電気供給バッテリ3から加熱装置に電気が供給される。
【0144】
カートリッジ4はケーシング2の他端に係合し、加熱装置1はカートリッジ4内に位置する。また、カートリッジ4には内部と連通する開口が設けられている。タバコ葉7(シガレット形式としてもよい)は、開口を通じてカートリッジ4内に挿入されて、加熱装置1に挿接される。加熱装置1は、電気供給バッテリ3から電気を供給されるとタバコ葉を加熱し、霧化させて煙を発生させる。
【0145】
以上は本発明の実施例にすぎず、これにより本発明の権利範囲は制限されない。本発明の明細書及び図面の内容を用いて実施される等価の構造又は等価のフローの変更、或いは、その他関連の技術分野における直接的且つ間接的な運用は、いずれも同様の理由で本発明の権利保護の範囲に含まれる。