(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】量水器ボックスの無線アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/22 20060101AFI20230815BHJP
G08C 17/00 20060101ALN20230815BHJP
【FI】
H01Q1/22 Z
G08C17/00
(21)【出願番号】P 2023034580
(22)【出願日】2023-03-07
【審査請求日】2023-03-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523082989
【氏名又は名称】MOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097043
【氏名又は名称】浅川 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100197996
【氏名又は名称】中村 武彦
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 勝己
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-019927(JP,A)
【文献】特開2017-195559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00- 1/52
G08C 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
量水器内に配置された無線モジュールを量水器の蓋の裏面に取り付ける導電性の固定部材と、
前記固定部材に接続されたアンテナ部と、
前記アンテナ部を収容して量水器の蓋に設けられた取付孔を塞ぐアンテナカバーと、を備える量水器ボックスの無線アンテナ装置。
【請求項2】
前記アンテナカバーは、前記取付孔に嵌り込む筒体と、筒体と一体に設けられ前記取付孔の周囲に載置されるつば部とを有し、前記筒体には前記アンテナ部の収容部が設けられる請求項1に記載の無線アンテナ装置。
【請求項3】
前記収容部は所定の深さを有する一方、前記アンテナ部は前記収容部の深さに対応する所定の長さを有する導電部材によって形成されている請求項2に記載の無線アンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナカバーは、前記取付孔内で量水器の蓋に固定された固定部材の上からアンテナ部材を介して前記量水器の蓋に固定される請求項1に記載の無線アンテナ装置。
【請求項5】
前記アンテナカバーは、前記固定部材が一体に形成されたアンダーケースを備え、前記アンテナ
部を収納した状態で前記アンダーケースに固定され、アンダーケースと一体に前記取付孔に装着される請求項1に記載の無線アンテナ装置。
【請求項6】
前記アンテナカバーは、前記筒体の外周面に前記取付孔の内周
面に固定される締結手段を有する請求項
2に記載の無線アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量水器ボックス内の情報を取得し、取得した情報を外部に送信可能な量水器ボックスの無線アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からマンホール蓋にアンテナを収容することにより、アンテナの利得性能や指向性能を損失させることなく、アンテナによる無線通信を確実に行なうことができる装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された無線アンテナ装置にあっては、通信装置がマンホール内部の低い位置に配置されているため、マンホール内部に水が浸入した場合に通信装置が水没するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、アンテナおよび無線モジュールをできるだけ量水器内の高い位置に配置して、アンテナの利得性能や指向性能を良好に維持するとともに、無線モジュールの水没を防ぐ量水器ボックスの無線アンテナ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の量水器ボックスの無線アンテナ装置は、量水器内に配置された無線モジュールを量水器の蓋の裏面に取り付ける導電性の固定部材と、固定部材に接続されたアンテナ部と、アンテナ部を収容して量水器の蓋に設けられた取付孔を塞ぐアンテナカバーと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の無線アンテナ装置によれば、アンテナ部を収容したアンテナカバーが量水器の蓋に固定されるので、アンテナが地表に近くに配置され、アンテナの利得性能や指向性能が良好に維持される。また、アンテナ部に接続された固定部材により、無線モジュールが蓋の裏面に取り付けられるため、無線モジュールの位置が地表に近くなり、量水器内に水が浸入したとしても無線モジュールの水没を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る無線アンテナ装置が装着された状態の量水器ボックスの斜視図である。
【
図2】上記実施形態に係る無線アンテナ装置の断面斜視図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係る無線アンテナ装置の断面斜視図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る無線アンテナ装置の組付手段を示す分解斜視断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る無線アンテナ装置の組立手段を示す分解斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の無線アンテナ装置について、図面を参照しながら実施形態に基づいて説明する。なお、図面は、無線アンテナ装置の構成部材、無線アンテナ装置の周辺部材を模式的に表したものであり、これらの実物の寸法および寸法比は、図面上の寸法および寸法比と必ずしも一致していない。また、重複説明は適宜省略する。
【0010】
(第1実施形態)
図1に示されるように無線アンテナ装置10は、量水器ボックス1の蓋2に取り付けられて使用される。無線アンテナ装置10は、電気式水道メータ3と無線モジュール4とがケーブル4cで接続されている。電気式水道メータ3から収集したデータは、有線接続を介して無線モジュール4に送信され、無線モジュール4が外部のサーバに送信する。無線モジュール4には無線通信制御部(図示せず)や電源部(図示せず)が設けられており、この電源部には主に電池が使用される。
【0011】
図2及び
図4に示されるように、本発明の第1実施形態に係る無線アンテナ装置10は、量水器ボックス1内に配置された無線モジュール4を蓋2の裏面に取り付ける導電性の固定部材7と、固定部材7に接続されたアンテナ部6と、アンテナ部6を収容して量水器ボックス1の蓋2に設けられた取付孔15を塞ぐアンテナカバー5とを備えている。
【0012】
蓋2の裏面である内側面2bには、量水器ボックス1の底方向に突出した固定スペーサ部2cが蓋2と一体に設けられている。本実施形態においては、蓋2と無線モジュール4との間に断熱材16を介在させており、固定スペーサ部2cは断熱材16に形成された貫通孔により蓋2の内側面2bから下方に突出している。
【0013】
本実施形態において、前記固定部材7にはボルトが用いられており、ボルト7の頭部である上部固定部7aがアンテナ部6と導通する一方、ボルトの軸部である下部固定部7bが無線モジュール4の無線通信制御部(図示せず)と導通する。
【0014】
下部固定部7bの先端部は、固定スペーサ部2cおよび断熱材16よりも下方に突出しており、外周面には締結用の雄ねじ7eが形成されている。無線モジュール4には、蓋2と対向する面に取付孔4aが形成されており、内周面には締結用の雌ねじ4bが形成されている。無線モジュール4は、下部固定部7bと取付孔4aとの互いの軸線を合わせた状態で、下部固定部7bに対して回転させることにより固定スペーサ部2cに締結される。また、取付孔4aの内周面には前記雌ねじ4bとともに無線通信制御部からの導通用の接点(図示せず)が下部固定部7bと接触するように配置されている。このため、下部固定部7bと無線モジュール4とは互に締結されるとともに電気的にも接続される。
【0015】
このように、無線モジュール4は、固定スペーサ部2cに設けられた固定部材7を用いて蓋2の裏面に固定されているため、量水器ボックス1の内部に水が浸入したとしても水没する恐れが少ない。
【0016】
上部固定部7aの上面にはアンテナ部6と接続するための導電溝7cが形成されている。導電溝7cは、上部固定部7aの直径方向の全長に亘って形成されている。このため導電溝7cは、上部固定部7aの外周面に2か所の開口部7dを有している。2か所の開口部7dには両側からアンテナ部6を挿入できるので、無線アンテナ装置10を組み立てやすくなる。また前述のように導電溝7cは、上部固定部7aの直径方向の全長に亘って形成されているので、導電溝7cに挿入されるアンテナ部6との接触面積が大きくなり、導電性を増すことができる。固定部材7は全体が導電性を有しているため、導電溝7cとアンテナ部6とが導通することにより、アンテナ部6と無線モジュール4の無線通信制御部(図示せず)とを導通させることができる。このように固定部材7は、1回の作業で無線モジュール4を固定スペーサ部2cに締結させるとともに、無線モジュール4とアンテナ部6とを導通させている。なお、固定部材7の材質は導電性であれば特に特定されず、銅、アルミニウム、銀等が用いられる。また、固定部材7がボルトに限られないことは勿論である。
【0017】
アンテナ部6は、アンテナ線により螺旋状に巻かれ垂直方向に軸を有するコイル部6aと、コイル部6aと固定部材7の導電溝7cとを電気的に接続するためのリード部6bとを備えている。
【0018】
コイル部6aは、アンテナカバー5と同軸上に伸びるように配置されている。コイル部6aは姿勢が上下方向に維持され、さらにコイル部6aの上端が蓋2の外側面2a付近まで延びている。このように地表に近く配置されたアンテナ部6は、利得性能や指向性能が良好に維持される。コイル部6aの両端までの長さは、例えば後述するアンテナカバー5の収容部13の深さに対応したものとなっている。
【0019】
なお、アンテナ部6の形状は上記のものに限定されない。アンテナ部6は、上下方向に所定の長さを有するフィルム状としてアンテナカバー5の収容部13に配置してもよい。フィルム状アンテナは、柔軟なフィルム上に導電性材料を用いて形成された平面状のアンテナである。フィルム状アンテナは、一般的には柔軟なポリイミドフィルムやポリエステルフィルムなどの基板上に形成され、その柔軟性から、様々な形状での使用が可能である。本実施形態においては、アンテナカバー5の内部形状に合わせた形状に加工されて用いられる。フィルム状アンテナの基板上には、導電性の金属パターンが形成され、導電性の金属パターンには、銅、アルミニウム、または銀などの金属が使用されている。導電性の金属パターンは、アンテナの周波数特性を調整するために設計され、多様な形状やサイズ、周波数特性を持つことが可能である。
【0020】
上記のように無線アンテナ装置10は、アンテナ部6を地表に近い蓋2の上面である外側面2a近くに配置されているため、地中深くに配置した場合と比較して微弱な電波でも通信可能である。このため、無線モジュール4に内蔵された電池(図示せず)の消耗を少なくすることができ、メンテナンスの期間を長くできるメリットがある。
【0021】
リード部6bは、上部固定部7aの外周の外側から固定部材7の軸心方向に向かって伸びている。リード部6bは、導電溝7cに接続するために上部固定部7aの上面よりも低く配置されており、導電溝7cの内部を固定部材7の軸心に向かって伸びている。リード部6bは、導電溝7cの底部、または側面と接触することによりアンテナ部6と無線モジュール4とを導通させるが、さらにリード部6bは導電溝7c内ではんだ付けされることにより、アンテナ部6と無線モジュール4とを確実に導通させることができる。
【0022】
アンテナカバー5は、量水器ボックス1の蓋2に設けられた取付孔15に嵌り込む筒体9と、筒体9と一体に設けられて取付孔15の周囲に載置されるつば部8と、を備えている。蓋2の外側面2aには、つば部8を収容するザグリ部14が設けられており、ザグリ部14の中央には、内周面に締結用の雌ねじ部14bが形成された取付孔15が設けられている。
【0023】
筒体9には、アンテナカバー5の裏面から突出する中央突出部9cと、中央突出部9cの外周面側であって中央突出部9cと同軸上に突出するパイプ状の外周円筒部9dと、中央突出部9cと外周円筒部9dとの間に形成される環状の溝部である収容部13とが設けられている。
【0024】
中央突出部9cは、前記固定部材7の導電溝7cを上方から塞ぐように、上部固定部7aの上面付近まで突出している。中央突出部9cの底面が上部固定部7aの上面と近接する位置にあるので、無線アンテナ装置10の組立後は、中央突出部9cがアンテナ部6や固定部材7の抜け止めを防止する機能を持つ。
【0025】
外周円筒部9dは、内径がコイル部6aの外径よりも大きく、外径がつば部8の外径よりも小さく形成されている。外周円筒部9dの外周面には、取付孔15の雌ねじ部にねじ止めされる雄ねじ部9aが設けられている。
【0026】
収容部13は、前述のように環状の溝形状をしている。収容部13は、半径方向の溝幅がアンテナ線の直径よりも大きく設定されており、螺旋状のアンテナ部6を収容することができる。また、収容部13は、筒体9の底面からつば部8の下面8bまで達する深さを有している。このようにアンテナカバー5の下端に開口した収容部13は、アンテナカバー5の上端付近まで所定の深さを有して形成されているため、アンテナ部6を蓋2に近いボックス内部の高い位置に配置することができる。
【0027】
所定の深さを有する収容部13は容積も大きく形成されるため、収容部13の深さに対応する所定の長さを有するアンテナ部6を、余裕を持って収容することができる。また、収容部13にはコイル部6aの長さの相違により固有周波数が異なる複数種類のアンテナを収容することができるので、無線アンテナ装置10の仕様バリエーションを増やすことができる。
【0028】
なお、収容部13は筒体9に垂直な方向に形成されている溝であり、アンテナ部6と同軸に形成されているので、アンテナカバー5を取付孔15に固定する際に、アンテナ部6を収容部13内に収容することができる。
【0029】
つば部8は筒体9よりも大径であり、ザグリ部14に収容される。アンテナカバー5は、つば部8を回転させることで蓋2の取付孔15にねじ止め固定され、取付孔15を塞ぐ。蓋2に固定された後のつば部8は、外側面2aと略面一になるように設定されている。つば部8の下面8bとザグリ部14との間にはOリング17等のシール材を配置させることもできる。Oリング17を用いることにより、アンテナ部6および固定部材7への浸水を防ぐことができる。
【0030】
上記のように無線アンテナ装置10は、無線モジュール4を量水器ボックス1の内部において蓋2に近い高い位置に固定されるため、量水器ボックス1の内部に水が浸入したとしても無線モジュールの水没を防ぐことができる。さらに無線アンテナ装置10は、アンテナ部6を地表近くに配置できるため、アンテナの利得性能や指向性能が良好に維持される。
【0031】
次に、無線アンテナ装置10の組付手段について説明する。
図4に示されるように、先ず固定部材7を蓋2の取付孔15内に設けられた固定スペーサ部2cにねじ止め固定する。次に固定部材7の上にアンテナ部6を載置して、導電溝7cにリード部6bをはんだ付けする。
【0032】
アンテナ部6を固定部材7に固定した後に、アンテナカバー5と取付孔15との互いの軸線を合わせた状態で、アンテナカバー5を取付孔15に固定する。その際、アンテナカバー5のつば部8の上面中央に設けられた六角穴12にレンチを差し込み、アンテナカバー5を回転させることで、アンテナカバー5を蓋2に締結させることができると同時に、アンテナ部6が収容部13に収容される。
【0033】
無線モジュール4の固定は、蓋2を上下逆にした状態で、蓋2の内側面2bから突出する固定部材7に無線モジュール4の取付孔4aを位置合わせし、無線モジュール4を回転させながら固定部材7に締結する。無線モジュール4は手のひらに載る程度のコンパクトな形状をしているので、容易に取付けることができる。無線モジュール4が固定部材7により蓋2と一体に形成された固定スペーサ部2cに固定されることで、無線モジュール4とアンテナ部6と間も同時に導通される。
【0034】
(第2実施形態)
図3及び
図5には本発明の第2実施形態に係る無線アンテナ装置20が示されている。この無線アンテナ装置20は、以下に説明する点で第1実施形態に係る無線アンテナ装置10と相違し、その他の点では、第1実施形態に係る無線アンテナ装置10と同一の構成からなる。したがって、同一の構成には同一の符号を用いることで詳細な説明を省略する。
【0035】
図3に示されるように、蓋2には、外側面2aから内側面2bまで貫通する貫通孔22が設けられている。本発明の第2実施形態に係る無線アンテナ装置20は、貫通孔22に装着されるアンテナカバー25と、アンテナカバー25と一体となって貫通孔22に装着されるアンダーケース21とを備えている。
【0036】
アンテナカバー25は、第1実施形態と同様、アンテナ部6を収容する収容部13が形成される筒体9を備えると共に、筒体9の下半部の外周面にはアンダーケース21を装着するための雄ねじ9bが設けられている。雄ねじ9bは、収容部13と同軸上に形成されているため、アンテナ部6を収容した状態でアンダーケース21を装着することができる。
【0037】
アンダーケース21は、アンテナカバー25の筒体9と同一面上にある外周面を形成する側部21aと、固定部材7を固定する底部21bとを備えている
【0038】
側部21aの内周面には、アンテナカバー25に装着するための雌ねじ21cが設けられている。アンテナカバー25の雄ねじ9bをアンダーケース21の雌ねじ21cに螺合することで、アンテナカバー25がアンダーケース21に装着され、両者の外周面には同一面上に円筒面26が形成される。
【0039】
底部21bには、ボルトなどからなる固定部材7が固定されている。固定部材7の固定方法は特に限定されない。例えば、アンダーケース21の底部21bにインサート成形によって一体に形成されていてもよいし、ねじ止めなどの締結手段によって一体に固定されてもよい。
【0040】
アンダーケース21にインサート成形された固定部材7にアンテナ部6を半田固定し、その上からアンテナカバー25を被せて両者を一体に結合することで、アンテナカバー25の収容部13にアンテナ部6が収容された状態で、無線アンテナ装置20が構成される。この無線アンテナ装置20は、蓋2に設けられた取付孔としての貫通孔22に嵌め込んで装着される。貫通孔22の内径寸法は無線アンテナ装置20の円筒面26の外形寸法よりわずかに大きい。そのため、無線アンテナ装置20を貫通孔22に嵌め込む際には、アンテナカバー25のつば部8の上面中央に設けた六角穴12にレンチを差し込み、無線アンテナ装置20を左右に回転させながら押し込むことで、両者間に隙間がない状態で装着される。
【0041】
無線アンテナ装置20は、蓋2の貫通孔22に装着された状態で、その底部から固定部材7が突出している。第1実施形態と同様、この固定部材7に無線モジュール4を締結することで、無線モジュール4を固定することができると共に両者が電気的に接続される。なお、無線アンテナ装置20のアンダーケース21は、蓋2の内側面2bより僅かに上方に配置されている。そのため、無線モジュール4は固定部材7に締結されたときに、内側面2bに当接することになり、アンダーケース21と無線モジュール4との間に隙間が形成される。なお、アンテナカバー25の下面とアンダーケース21との間にOリング27を配置させて防水機構を持たせてもよい。
【0042】
上記のように、無線アンテナ装置20を一体構造のものとして構成し、そのまま蓋2に設けた貫通孔22に装着可能としたので、無線アンテナ機能を持たない従来の量水器ボックスの蓋に貫通孔22を後加工するだけで、簡易に無線アンテナ装置20を装着することができる。
【0043】
次に、無線アンテナ装置20の組付手段について説明する。
図5に示されるように、蓋2には後加工により貫通孔22が設けられている。アンテナ部6を組付けたアンダーケース21にアンテナカバー25を一体に固定することで無線アンテナ装置20が構成される。こうして構成された無線アンテナ装置20を、蓋2の貫通孔22に嵌め込んで装着する。
【0044】
無線アンテナ装置20が装着された蓋2を上下逆にして、無線アンテナ装置20の底部から突出する固定部材7を、無線モジュール4の取付孔に無線モジュール4を回転させながら締結する。無線モジュール4は、無線アンテナ装置20との間で蓋2を挟み込むようにして固定されるので、例えば無線モジュール4を蓋2の内側面2bに貼り付ける方法などと比較して、取り付けが確実になる。
【0045】
このように、無線アンテナ機能を持たない従来の量水器ボックスの蓋にも、貫通孔22を後加工することにより、無線アンテナ装置20を簡易に装着することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 量水器ボックス
2 蓋
2a 外側面
2b 内側面
2c 固定スペーサ部
3 電気式水道メータ
4 無線モジュール
4a 取付孔
4b 雌ねじ
4c ケーブル
5 アンテナカバー
6 アンテナ部
6a コイル部
6b リード部
7 固定部材
7a 上部固定部
7b 下部固定部
7c 導電溝
7d 開口部
7e 雄ねじ
8 つば部
8b 下面
9 筒体
9a 雄ねじ部
9b 雄ねじ
9c 中央突出部
9d 外周円筒部
10 無線アンテナ装置
12 六角穴
13 収容部
14 ザグリ部
14b 雌ねじ部
15 取付孔
16 断熱材
17 Oリング
20 無線アンテナ装置
21 アンダーケース
21a 側部
21b 底部
21c 雌ねじ
22 貫通孔
25 アンテナカバー
26 円筒面
【要約】
【課題】アンテナおよび無線モジュールをできるだけ量水器内の高い位置に配置して、アンテナの利得性能や指向性能を良好に維持するとともに、無線モジュールの水没を防ぐ量水器ボックスの無線アンテナ装置を提供する。
【解決手段】本発明の無線アンテナ装置10は、量水器ボックス1内に配置された無線モジュール4を量水器ボックス1の蓋2の裏面に取り付ける導電性の固定部材7と、固定部材7に接続されたアンテナ部6と、アンテナ部6を収容して量水器ボックス1の蓋2に設けられた取付孔15を塞ぐアンテナカバー5とを備える。
【選択図】
図2