(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-14
(45)【発行日】2023-08-22
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20230815BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2019232948
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100150304
【氏名又は名称】溝口 勉
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 紀久
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-044061(JP,A)
【文献】特開2016-126749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G10K 15/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置され、楽曲の予約に応じてカラオケ演奏を行い、楽曲の予約が入っていない場合にBGM(Back-Ground Music)演奏が可能なカラオケ装置であって、
撮影手段によって入店時に撮影された利用者の利用者識別情報に対応する歌唱履歴を取得し、当該利用者識別情報に歌唱履歴を対応付けて出力する取得部と、
前記取得部から出力された利用者識別情報と歌唱履歴を対応付けて記憶し、前記撮影手段によって退店時に撮影された利用者の利用者識別情報に対応する歌唱履歴を削除する記憶部と、
利用者が入店及び退店した際に、前記記憶部に記憶された歌唱履歴に基づいて、BGM演奏する楽曲リストを生成する生成部と、を有することを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記生成部は、カラオケ演奏済みの楽曲を、当該楽曲のカラオケ演奏中に在店した利用者の全てが退店するまで楽曲リストに含めないことを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記生成部は、利用者の歌唱履歴から抽出した楽曲にスコアを付与し、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストを生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記撮影手段によって歌唱中に撮影された利用者の利用者識別情報に基づいて利用者毎に歌唱実績を集計する集計部を有し、
前記生成部は、利用者の歌唱実績に応じて楽曲毎のスコアを補正し、補正後のスコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストを生成することを特徴とする請求項3に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記生成部は、現在から所定期間前までに歌唱された歌唱履歴を楽曲リストの生成に用いており、当該所定期間を在店中の利用者数に応じて変化させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケスナック等のナイト店で、カラオケ演奏の合間(曲間)に適切な楽曲をBGM(Back-Ground Music)として放音する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術は、多数のカラオケ装置からカラオケ演奏の歌唱履歴を集めて時間帯別に人気曲目リストを作成し、人気曲目リストの中から楽曲を選出してBGM演奏を行っている。時間帯等の演奏場面による客層の違いが考慮され、演奏場面毎に客層の嗜好性に沿ったBGMが選曲されることで、BGMを聴取した利用者に対して楽曲の予約が効果的に促されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カラオケボックスのグループ利用者は当然ながら互いに面識があり、グループ利用者の入退室も一緒である場合が多い。しかしながら、カラオケスナック等のナイト店の利用者は面識がないケースが多く、利用者の入退店が別々である場合が多い。このため、利用者の間で互いの好みが判らず、最初のカラオケ演奏の予約楽曲に困ることがある。特許文献1に記載の技術を用いて利用者に楽曲の予約を促す場合に、BGMとしては適切であっても、利用者がカラオケ歌唱できない楽曲であったり、他の利用者の好みではない楽曲であったりする可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、その場に居合わせた利用者の好みに合った楽曲をBGMとして放音して、利用者に対して楽曲の予約を効果的に促すことができるカラオケ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、店舗に設置され、楽曲の予約に応じてカラオケ演奏を行い、楽曲の予約が入っていない場合にBGM(Back-Ground Music)演奏が可能なカラオケ装置であって、撮影手段によって入店時に撮影された利用者の利用者識別情報に対応する歌唱履歴を取得し、当該利用者識別情報に歌唱履歴を対応付けて出力する取得部と、前記取得部から出力された利用者識別情報と歌唱履歴を対応付けて記憶し、前記撮影手段によって退店時に撮影された利用者の利用者識別情報に対応する歌唱履歴を削除する記憶部と、利用者が入店及び退店した際に、前記記憶部に記憶された歌唱履歴に基づいて、BGM演奏する楽曲リストを生成する生成部と、を有するカラオケ装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入店した利用者の利用者識別情報から当該利用者の歌唱履歴が記憶部に記憶され、退店した利用者の利用者識別情報から当該利用者の歌唱履歴が記憶部から削除される。記憶部には在店中の利用者の歌唱履歴だけが記憶されているため、この歌唱履歴から利用者の顔ぶれに応じたBGM演奏の楽曲リストが生成される。よって、利用者がカラオケ歌唱できる可能性が高く、その場に居合わせた利用者の好みに合わせた楽曲をBGMとして放音して、利用者に対して楽曲の予約を効果的に促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のカラオケ装置の構成図である。
【
図2】第1実施形態の利用者の在店状況の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態の利用者の歌唱履歴の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態の利用者の楽曲毎の歌唱回数の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態の楽曲リストの一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態の楽曲リストの変形例を示す図である。
【
図7】第1実施形態のBGM演奏動作を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態のカラオケ装置の構成図である。
【
図9】第2実施形態の楽曲リストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1を参照して、第1実施形態のカラオケ装置20について説明する。
図1は、第1実施形態のカラオケ装置20の構成図である。
【0010】
図1に示すように、第1実施形態のカラオケ装置20は、カラオケスナック等のナイト店舗に設置されており、ネットワークを介してデータセンタ等に設置されたサーバ装置10に通信可能に接続されている。カラオケ装置20は、楽曲の予約に応じてカラオケ演奏を行い、楽曲の予約が入っていない場合にBGM演奏を行うように構成されている。サーバ装置10は、利用者の歌唱履歴を管理しており、入店した利用者の歌唱履歴をカラオケ装置20に提供して、その場に居合わせた利用者の好みに応じた楽曲をBGMとしてカラオケ装置20に選曲させている。
【0011】
カラオケ装置20は、カラオケ本体21と、モニタ22と、スピーカ23と、マイクロフォン24と、リモコン装置25とを備えている。モニタ22は、楽曲のカラオケ演奏に合わせて背景映像と共に歌詞テロップを表示する。スピーカ23は、楽曲の演奏音と共に利用者の歌唱音声を放音する。マイクロフォン24は、利用者の歌唱音声を歌唱音声信号に変換してカラオケ本体21に出力する。リモコン装置25は、カラオケ本体21に無線通信を介して送受信可能に接続されており、カラオケ本体21に対する楽曲予約等の利用者による各種操作を受け付けている。
【0012】
リモコン装置25によって楽曲が予約されて、カラオケ本体21によってカラオケ演奏が開始されると、歌詞テロップデータ及び背景映像データに基づいて歌詞テロップと背景映像がモニタ22に表示される。また、カラオケ演奏の伴奏音信号とマイクロフォン24からカラオケ本体21に入力された歌唱音声信号がミキサによって適切な比率でミキシングされて、このミキシング信号がアンプによって増幅されてスピーカ23から放音される。このように、利用者がカラオケ演奏に合わせて歌唱すると、スピーカ23から演奏音と共に歌唱音声が放音される。
【0013】
また、カラオケ装置20は、利用者の顔を撮影する撮影手段26を備えている。撮影手段26は、入店した利用者、退店した利用者、歌唱中の利用者を撮影してカラオケ本体21に顔画像データを出力する。利用者の入店時及び退店時の顔画像データによって在店状況が管理され、利用者の歌唱時の顔画像データによって利用者の歌唱実績が管理される。なお、撮影手段26は、利用者の入店時、退店時、歌唱時の顔が撮影可能な箇所に設置された複数のカメラによって構成されてもよい。特に、利用者の入店時及び退店時の顔は、出入口付近に設置された全天球カメラや半天球カメラによって撮影されてもよい。
【0014】
カラオケ本体21は、撮影手段26から入力された顔画像データに基づいて在店状況を認識すると、サーバ装置10から在店中の利用者の歌唱履歴を取得してBGM演奏用の楽曲リストを生成する。リモコン装置25によって楽曲が予約されるまでは、カラオケ本体21によって楽曲リストに従って楽曲のBGM演奏が順番に行われる。カラオケスナック等のナイト店のように互いに面識がない利用者が集まる場所であっても、その場に居合わせた複数の利用者の好みに沿った楽曲がBGMとして放音されて、BGMを聴取した利用者に対して楽曲の予約が促される。
【0015】
カラオケ本体21には、予約部31と、カラオケ演奏部32と、画像処理部33と、取得部34と、記憶部35と、生成部36と、BGM演奏部37とが設けられている。予約部31は、リモコン装置25から受信した楽曲IDを予約待ち行列に登録する。予約待ち行列には、予約された楽曲の楽曲IDが登録順に並べられている。カラオケ演奏部32は、予約待ち行列から楽曲IDを順番に読み出し、楽曲IDに対応する楽曲データを再生する。カラオケ演奏中には、楽曲データの再生に同期して、カラオケ本体21によって歌詞テロップ及び背景映像がモニタ22に表示される。
【0016】
画像処理部33は、撮影手段26から入力された顔画像データに各種画像処理を施して、利用者識別情報として利用者IDを出力する。この場合、顔画像データから顔領域を抽出する顔領域抽出処理、顔領域から特徴量を抽出する特徴量抽出処理、特徴量から利用者IDを特定する利用者ID特定処理等が実施される。なお、上記の処理に加えてサイズ調整やコントラストの調整処理等が行われてもよい。顔領域抽出処理としては、顔画像データのエッジ検出を利用した方法、顔画像データの画素値(色値)を利用した方法、パターンマッチングを利用した方法、ニューラルネットワークを利用した方法、これらを組み合わせた方法等の既知の方法が採用される。
【0017】
特徴量抽出処理としては、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)、SURF(Speed-Upped Robust Feature)等の既知の方法が採用される。顔の特徴量としては、例えば、目頭、目尻、鼻翼、口角、顎先等の濃淡の変化が大きな顔の輪郭的特徴を示す点が抽出される。また、カラオケ装置20には、利用者の基準特徴量と利用者IDが事前登録された店舗専用の顧客管理データベースが設けられている。画像処理部33では、顔画像データから抽出された特徴量と顧客管理データベースの基準特徴量が照合されて、この特徴量と類似の基準特徴量に対応付けられた利用者IDが特定される。顔情報の類否は、マッチングやニューラルネットワークを利用した既知の方法を用いて判定される。
【0018】
入店時の顔画像データから特定された利用者IDは画像処理部33から取得部34に出力され、退店時の顔画像データから特定された利用者IDは画像処理部33から記憶部35に出力される。歌唱時の顔画像データから特定された利用者IDは、歌唱日と楽曲IDと共に画像処理部33からサーバ装置10に送信される。サーバ装置10では利用者ID毎に歌唱履歴が管理されており、画像処理部33から送信された歌唱履歴によってサーバ装置10の歌唱履歴が更新される。なお、入店時、退店時、歌唱時の顔画像データは、例えば、顔画像データを撮影したカメラの設置位置等によって判別される。
【0019】
取得部34は、入店時に撮影された利用者(入店者)の利用者IDに対応する歌唱履歴をサーバ装置10から取得する。この場合、取得部34からサーバ装置10に利用者IDを含むリクエスト信号が送信される。サーバ装置10では、サーバに記憶された利用者IDとリクエスト信号に含まれる利用者IDが照合され、リクエスト信号と同じ利用者IDに対応付けられた歌唱履歴が抽出されて、サーバ装置10から取得部34に歌唱履歴を含むレスポンス信号が送信される。取得部34は、レスポンス信号から歌唱履歴を取得すると、利用者IDに歌唱履歴を対応付けて記憶部35に出力する。
【0020】
記憶部35は、取得部34から出力された利用者ID(入店者の利用者ID)と歌唱履歴を対応付けて記憶する。また、記憶部35は、退店時に撮影された利用者(退店者)の利用者IDに対応する歌唱履歴を削除する。この場合、記憶部35に記憶された入店者の利用者IDと画像処理部33から出力された退店者の利用者IDが照合され、退店者と同じ利用者IDに対応付けられた歌唱履歴が削除される。このようにして、記憶部35には在店中の各利用者の歌唱履歴だけが残されて、カラオケ装置20によって店舗における利用者の在店状況が管理されている。
【0021】
生成部36は、利用者が入店及び退店した際に、記憶部35に記憶された歌唱履歴に基づいて、BGM演奏する楽曲リストを生成する。この場合、利用者の歌唱履歴から抽出した楽曲にスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストが生成される。楽曲リストには、楽曲の楽曲IDがBGM演奏の演奏順に並べられている。本実施形態では、楽曲毎に歌唱回数(カラオケ演奏回数)に基づいてスコアが付与されており、歌唱回数が多い楽曲から順にBGM演奏される。なお、歌唱回数が同じ楽曲については、歌唱履歴からの抽出順に楽曲リストに楽曲IDが並べられる。
【0022】
BGM演奏部37は、楽曲リストから順番に楽曲IDを読み出し、カラオケ演奏と同様に楽曲IDに対応する楽曲データを再生する。この場合、カラオケ演奏よりも音量を小さくする等、BGM演奏用の演奏処理方式で楽曲データが演奏される。このように、在店中の利用者の歌唱履歴に基づいて楽曲リストが生成されて、楽曲リストに従ってBGM演奏が行われている。
【0023】
カラオケ装置20の各部の処理は、プロセッサを用いてソフトウェアによって実現されてもよいし、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。プロセッサを用いる場合には、プロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することで各種処理が実施される。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)が使用される。また、メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体によって構成されている。
【0024】
続いて、カラオケ装置20の処理動作について具体例を挙げて説明する。
図2は、第1実施形態の利用者の在店状況の一例を示す図である。
図3は、第1実施形態の利用者の歌唱履歴の一例を示す図である。
図4は、第1実施形態の利用者の楽曲毎の歌唱回数の一例を示す図である。
図5は、第1実施形態の楽曲リストの一例を示す図である。
図6は、第1実施形態の楽曲リストの変形例を示す図である。また、
図2-6では、
図1の符号を適宜使用して説明する。
【0025】
図2に示すように、2019年12月20日の17:00にカラオケスナックSが開店すると、17:00に利用者U1がカラオケスナックSに入店する。撮影手段26によって利用者U1の入店の様子が撮影され、画像処理部33によって利用者U1の顔画像データに応じた利用者ID1が取得部34に出力されて、取得部34からサーバ装置10に利用者ID1が送信される。このように、事実上、利用者U1の顔画像データが利用者ID1であると考えてよい。利用者U2の顔画像データと利用者ID2、利用者U3の顔画像データと利用者ID3、利用者U4の顔画像データと利用者ID4も同様である。
【0026】
図3に示すように、サーバ装置10には、利用者ID1と歌唱履歴H1が対応付けられた状態で事前登録されている。歌唱履歴H1には、少なくとも利用者U1が歌唱した楽曲の楽曲IDと歌唱日が含まれている。同様に、サーバ装置10には、利用者ID2と歌唱履歴H2、利用者ID3と歌唱履歴H3、利用者ID4と歌唱履歴H4が、それぞれ対応付けられた状態で事前登録されている。取得部34からサーバ装置10に利用者ID1が送信されると、サーバ装置10から取得部34に利用者ID1に対応付けられた歌唱履歴H1が返信される。
【0027】
図4及び
図5(A)に示すように、利用者U1の入店時に生成部36によって記憶部35の歌唱履歴H1に基づいて楽曲リストL1が生成される。具体的には、歌唱履歴H1から利用者U1が所定期間(本実施形態では直近の3カ月間)に歌唱したことがある楽曲毎の歌唱回数が抽出される(
図4のU1の行を参照)。利用者U1の楽曲毎の歌唱回数は、楽曲X01が6回、楽曲X03が8回、楽曲X04が2回、楽曲X05が4回、楽曲X06が5回、楽曲X07が4回、楽曲X09が3回、楽曲X11が3回、楽曲X13が5回、楽曲X15が3回、楽曲X16が2回である。
【0028】
生成部36によって歌唱履歴H1から抽出した楽曲X01、X03、X04、X05、X06、X07、X09、X11、X13、X15、X16に対して所定条件(本実施形態では歌唱回数)に基づいてスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL1が生成される。楽曲リストL1の演奏順序は、楽曲X03、X01、X06、X13、X05、X07、X09、X11、X15、X04、X16の順になる。楽曲X06とX13、楽曲X05とX07のように歌唱回数が同じ場合には、抽出した順に演奏順序が設定される。
【0029】
利用者U1によって楽曲が予約されるまでの間は、BGM演奏部37によって楽曲リストL1に従って楽曲のBGM演奏が行われる。利用者U1によって楽曲が予約されると、利用者U1の操作に応じてカラオケ演奏部32によってカラオケ演奏が行われる。例えば、楽曲X01のBGM演奏中に、利用者U1によって楽曲Aが予約されると、楽曲Aのカラオケ演奏が行われている間は楽曲X01のBGM演奏が中止される。また、楽曲Aのカラオケ演奏後に他に楽曲の予約がない場合、楽曲リストL1に従って楽曲X01の次の楽曲X06のBGM演奏が行われる。
【0030】
図2に示すように、17:30に利用者U2がカラオケスナックSに入店すると、撮影手段26によって利用者U2の入店の様子が撮影され、画像処理部33によって利用者U2の顔画像データに応じた利用者ID2が取得部34に出力される。取得部34からサーバ装置10に利用者ID2が送信され、サーバ装置10から取得部34に利用者ID2に対応付けられた歌唱履歴H2(
図3参照)が返信される。取得部34から記憶部35に利用者ID2と歌唱履歴H2が対応付けられた状態で出力されて、記憶部35によって利用者ID1、ID2に対応付けられた歌唱履歴H1、H2が記憶される。
【0031】
図4及び
図5(B)に示すように、生成部36によって利用者U2の入店時に記憶部35の歌唱履歴H1、H2に基づいて楽曲リストL2が生成される。具体的には、歌唱履歴H1、H2から利用者U1、U2が所定期間に歌唱したことがある楽曲毎の合計歌唱回数が抽出される(
図4のU1、U2の行を参照)。このとき、所定期間に利用者U1が歌唱したことがあっても、利用者U2が歌唱したことがない楽曲X03、X05、X09、X15については合計歌唱回数が抽出されない。利用者U1、U2が歌唱経験のある楽曲の歌唱回数だけが歌唱履歴H1、H2から抽出されている。
【0032】
利用者U1、U2の楽曲毎の合計歌唱回数は、楽曲X01が8回(利用者U1が6回、利用者U2が2回)、楽曲X04が5回(利用者U1が2回、利用者U2が3回)、楽曲X06が11回(利用者U1が5回、利用者U2が6回)、楽曲X07が11回(利用者U1が4回、利用者U2が7回)、楽曲X11が6回(利用者U1が3回、利用者U2が3回)、楽曲X13が12回(利用者U1が5回、利用者U2が7回)、楽曲X16が4回(利用者U1が2回、利用者U2が2回)である。
【0033】
生成部36によって歌唱履歴H1、H2から抽出した楽曲X01、X04、X06、X07、X11、X13、X16に対して歌唱回数に基づいてスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL2が生成される。楽曲リストL2の演奏順序は楽曲X13、X06、X07、X01、X11、X04、X16の順になる。このように、利用者U2の入店によって利用者U1、U2の歌唱履歴H1、H2を考慮した楽曲リストL2が生成され、楽曲が予約されるまでの間は楽曲リストL2に従って楽曲のBGM演奏が行われる。
【0034】
前回の楽曲リストにおいてBGM演奏が行われた楽曲が存在すれば、今回の楽曲リストの生成時に当該楽曲のBGM演奏の演奏順序が下げられることが望ましい。例えば、楽曲リストL1に従って楽曲X03、X01、X06のBGM演奏が既に行われた場合には、楽曲リストL2の演奏順序は楽曲X13、X07、X11、X04、X16、X01、X06の順になる(楽曲X03は元々楽曲リストL2に含まれていない)。すなわち、生成部36は、前回の楽曲リストにおいてBGM演奏が行われた楽曲に対して、今回の楽曲リストの生成時にスコアを減らすような補正処理を実施することが望ましい。
【0035】
図2に示すように、18:30に利用者U3がカラオケスナックSに入店すると、撮影手段26によって利用者U3の入店の様子が撮影され、画像処理部33によって利用者U3の顔画像データに応じた利用者ID3が取得部34に出力される。取得部34からサーバ装置10に利用者ID3が送信され、サーバ装置10から取得部34に利用者ID3に対応付けられた歌唱履歴H3(
図3参照)が返信される。取得部34から記憶部35に利用者ID3と歌唱履歴H3が対応付けられた状態で出力されて、記憶部35によって利用者ID1、ID2、ID3に対応付けられた歌唱履歴H1、H2、H3が記憶される。
【0036】
図4及び
図5(C)に示すように、生成部36によって利用者U3の入店時に記憶部35の歌唱履歴H1、H2、H3に基づいて楽曲リストL3が生成される。具体的には、歌唱履歴H1、H2、H3から利用者U1、U2、U3が所定期間に歌唱したことがある楽曲毎の合計歌唱回数が抽出される(
図4のU1、U2、U3の行を参照)。このとき、所定期間に利用者U1、U2が歌唱したことがあっても、利用者U3が歌唱したことがない楽曲X07、X13については合計歌唱回数が抽出されない。利用者U1、U2、U3が歌唱経験のある楽曲の歌唱回数だけが歌唱履歴H1、H2、H3から抽出されている。
【0037】
利用者U1、U2、U3の楽曲毎の合計歌唱回数は、楽曲X01が11回(利用者U1が6回、利用者U2が2回、利用者U3が3回)、楽曲X04が12回(利用者U1が2回、利用者U2が3回、利用者U3が7回)、楽曲X06が13回(利用者U1が5回、利用者U2が6回、利用者U3が2回)、楽曲X11が11回(利用者U1が3回、利用者U2が3回、利用者U3が5回)、楽曲X16が8回(利用者U1が2回、利用者U2が2回、利用者U3が4回)である。
【0038】
生成部36によって歌唱履歴H1、H2、H3から抽出した楽曲X01、X04、X06、X11、X16に対して歌唱回数に基づいてスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL3が生成される。楽曲リストL3の演奏順序は楽曲X06、X04、X01、X11、X16の順になる。このように、利用者U3の入店によって利用者U1、U2、U3の歌唱履歴H1、H2、H3を考慮した楽曲リストL3が生成され、楽曲が予約されるまでの間は楽曲リストL3に従って楽曲のBGM演奏が行われる。
【0039】
図2に示すように、19:00に利用者U4がカラオケスナックSに入店すると、撮影手段26によって利用者U4の入店の様子が撮影され、画像処理部33によって利用者U4の顔画像データに応じた利用者ID4が取得部34に出力される。取得部34からサーバ装置10に利用者ID4が送信され、サーバ装置10から取得部34に利用者ID4に対応付けられた歌唱履歴H4(
図3参照)が返信される。取得部34から記憶部35に利用者ID4と歌唱履歴H4が対応付けられた状態で出力されて、記憶部35によって利用者ID1、ID2、ID3、ID4に対応付けられた歌唱履歴H1、H2、H3、H4が記憶される。
【0040】
図4及び
図5(D)に示すように、生成部36によって利用者U4の入店時に記憶部35の歌唱履歴H1、H2、H3、H4に基づいて楽曲リストL4が生成される。具体的には、歌唱履歴H1、H2、H3、H4から利用者U1、U2、U3、U4が所定期間に歌唱したことがある楽曲毎の合計歌唱回数が抽出される(
図4参照)。このとき、所定期間に利用者U1、U2、U3が歌唱したことがあっても、利用者U4が歌唱したことがない楽曲X04については合計歌唱回数が抽出されない。利用者U1、U2、U3、U4が歌唱経験のある楽曲の歌唱回数だけが歌唱履歴H1、H2、H3、H4から抽出されている。
【0041】
利用者U1、U2、U3、U4の楽曲毎の合計歌唱回数は、楽曲X01が16回(利用者U1が6回、利用者U2が2回、利用者U3が3回、利用者U4が5回)、楽曲X06が17回(利用者U1が5回、利用者U2が6回、利用者U3が2回、利用者U4が4回)、楽曲X11が18回(利用者U1が3回、利用者U2が3回、利用者U3が5回、利用者U4が7回)、楽曲X16が15回(利用者U1が2回、利用者U2が2回、利用者U3が4回、利用者U4が7回)である。
【0042】
生成部36によって歌唱履歴H1、H2、H3、H4から抽出した楽曲X01、X06、X11、X16に対して歌唱回数に基づいてスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL4が生成される。楽曲リストL4の演奏順序は楽曲X11、X06、X01、X16の順になる。このように、利用者U4の入店によって利用者U1、U2、U3、U4の歌唱履歴H1、H2、H3、H4を考慮した楽曲リストL4が生成され、楽曲が予約されるまでの間は楽曲リストL4に従って楽曲のBGM演奏が行われる。
【0043】
図2に示すように、19:30に利用者U1がカラオケスナックSから退店すると、撮影手段26によって利用者U1の退店の様子が撮影され、画像処理部33によって利用者U1の顔画像データに応じた利用者ID1が記憶部35に出力される。記憶部35によって利用者ID1に対応付けられた歌唱履歴H1が削除されて、記憶部35には利用者ID2、ID3、ID4に対応付けられた歌唱履歴H2、H3、H4が記憶されている。このように、利用者U1の退店後は、カラオケスナックSに在店している利用者U2、U3、U4の歌唱履歴H2、H3、H4がカラオケ装置20によって管理されている。
【0044】
図4及び
図5(E)に示すように、生成部36によって利用者U1の退店時に記憶部35の歌唱履歴H2、H3、H4に基づいて楽曲リストL5が生成される。具体的には、歌唱履歴H2、H3、H4から利用者U2、U3、U4が所定期間に歌唱したことがある楽曲毎の合計歌唱回数が抽出される(
図4のU2、U3、U4の行を参照)。このとき、所定期間に利用者U1に歌唱されたことがないが、利用者U2、U3、U4に歌唱されたことがある楽曲X08、X14についても合計歌唱回数が抽出される。利用者U2、U3、U4が歌唱経験のある楽曲の歌唱回数だけが歌唱履歴H2、H3、H4から抽出されている。
【0045】
利用者U2、U3、U4の楽曲毎の合計歌唱回数は、楽曲X01が10回(利用者U2が2回、利用者U3が3回、利用者U4が5回)、楽曲X06が12回(利用者U2が6回、利用者U3が2回、利用者U4が4回)、楽曲X08が20回(利用者U2が3回、利用者U3が8回、利用者U4が9回)、楽曲X11が15回(利用者U2が3回、利用者U3が5回、利用者U4が7回)、楽曲X14が8回(利用者U2が1回、利用者U3が6回、利用者U4が1回)、楽曲X16が13回(利用者U2が2回、利用者U3が4回、利用者U4が7回)である。
【0046】
生成部36によって歌唱履歴H2、H3、H4から抽出した楽曲X01、X06、X08、X11、X14、X16に対して歌唱回数に基づいてスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL5が生成される。楽曲リストL5の演奏順序は楽曲X08、X11、X16、X06、X01、X14の順になる。このように、利用者U1の退店によって利用者U2、U3、U4の歌唱履歴H2、H3、H4を考慮した楽曲リストL5が生成され、楽曲が予約されるまでの間は楽曲リストL5に従って楽曲のBGM演奏が行われる。
【0047】
図2に示すように、20:30に利用者U4がカラオケスナックSから退店すると、撮影手段26によって利用者U4の退店の様子が撮影され、画像処理部33によって利用者U4の顔画像データに応じた利用者ID4が記憶部35に出力される。記憶部35によって利用者ID4に対応付けられた歌唱履歴H4が削除され、記憶部35には利用者ID2、ID3に対応付けられた歌唱履歴H2、H3が記憶されている。このように、利用者U1、U4の退店後は、カラオケスナックSに在店している利用者U2、U3の歌唱履歴H2、H3だけがカラオケ装置20によって管理されている。
【0048】
図4及び
図5(F)に示すように、生成部36によって利用者U4の退店時に記憶部35の歌唱履歴H2、H3に基づいて楽曲リストL6が生成される。具体的には、歌唱履歴H2、H3から利用者U2、U3が所定期間に歌唱したことがある楽曲毎の合計歌唱回数が抽出される(
図4のU2、U3の行を参照)。このとき、所定期間に利用者U4に歌唱されたことがないが、利用者U2、U3に歌唱されたことがある楽曲X04、X10についても合計歌唱回数が抽出される。利用者U2、U3が歌唱経験のある楽曲の歌唱回数だけが歌唱履歴H2、H3から抽出されている。
【0049】
利用者U2、U3の楽曲毎の合計歌唱回数は、楽曲X01が5回(利用者U2が2回、利用者U3が3回)、楽曲X04が10回(利用者U2が3回、利用者U3が7回)、楽曲X06が8回(利用者U2が6回、利用者U3が2回)、楽曲X08が11回(利用者U2が3回、利用者U3が8回)、楽曲X10が6回(利用者U2が4回、利用者U3が2回)、楽曲X11が8回(利用者U2が3回、利用者U3が5回)、楽曲X14が7回(利用者U2が1回、利用者U3が6回)、楽曲X16が6回(利用者U2が2回、利用者U3が4回)である。
【0050】
生成部36によって歌唱履歴H2、H3から抽出した楽曲X01、X04、X06、X08、X10、X11、X14、X16に対して歌唱回数に基づいてスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL6が生成される。楽曲リストL6の演奏順序は楽曲X08、X04、X06、X11、X14、X10、X16、X01の順になる。このように、利用者U4の退店によって利用者U2、U3の歌唱履歴H2、H3を考慮した楽曲リストL6が生成され、楽曲が予約されるまでの間は楽曲リストL6に従って楽曲のBGM演奏が行われる。
【0051】
図2に示すように、21:30に利用者U2がカラオケスナックSから退店すると、撮影手段26によって利用者U2の退店の様子が撮影され、画像処理部33によって利用者U2の顔画像データに応じた利用者ID2が記憶部35に出力される。記憶部35によって利用者ID2に対応付けられた歌唱履歴H2が削除され、記憶部35には利用者ID3に対応付けられた歌唱履歴H3が記憶されている。このように、利用者U1、U2、U4の退店後は、カラオケスナックSに在店している利用者U3の歌唱履歴H3だけがカラオケ装置20によって管理されている。
【0052】
図4及び
図5(G)に示すように、生成部36によって利用者U2の退店時に記憶部35の歌唱履歴H3に基づいて楽曲リストL7が生成される。具体的には、歌唱履歴H3から利用者U3が所定期間に歌唱したことがある楽曲毎の歌唱回数が抽出される(
図4のU3の行を参照)。利用者U3の楽曲毎の合計歌唱回数は、楽曲X01が3回、楽曲X02が4回、楽曲X04が7回、楽曲X06が2回、楽曲X08が8回、楽曲X10が2回、楽曲X11が5回、楽曲X12が2回、楽曲X14が6回、楽曲X16が4回である。
【0053】
生成部36によって歌唱履歴H3から抽出した楽曲X01、X02、X04、X06、X08、X10、X11、X12、X14、X16に対して歌唱回数に基づいてスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL7が生成される。楽曲リストL7の演奏順序は楽曲X08、X04、X14、X11、X02、X16、X01、X06、X10、X12の順になる。このように、利用者U2の退店によって利用者U3の歌唱履歴H3を考慮した楽曲リストL7が生成され、楽曲が予約されるまでの間は楽曲リストL7に従って楽曲のBGM演奏が行われる。
【0054】
図2に示すように、22:00に利用者U3がカラオケスナックSから退店すると、撮影手段26によって利用者U3の退店の様子が撮影され、画像処理部33によって利用者U3の顔画像データに応じた利用者ID3が記憶部35に出力される。記憶部35によって利用者ID3に対応付けられた歌唱履歴H3が削除され、記憶部35にはいずれの利用者の歌唱履歴も記憶されていない。このため、カラオケ装置20にはカラオケスナックSに在店中の利用者がいないと認識され、楽曲リストL7に従った楽曲のBGM演奏が中止されると共に楽曲リストL7が削除される。
【0055】
なお、生成部36は、カラオケ演奏済みの楽曲を、当該楽曲のカラオケ演奏中に在店した利用者の全てが退店するまで楽曲リストに含めないことにしてもよい。例えば、利用者U1、U2の在店中の18:00に(
図2参照)、利用者U1、U2のいずれかによって楽曲X06のカラオケ演奏が行われた場合、カラオケ演奏済みの楽曲X06の予約を利用者U1、U2の在店中に促すことは好ましくない。このため、生成部36は、利用者U1、U2が退店するまで、楽曲X06のBGM演奏が行われないように、楽曲X06を含めずに楽曲リストを生成する。
【0056】
例えば、
図6(C)から
図6(G)の楽曲リストの変形例に示すように、利用者U3の入店時(18:30)には楽曲X04、X01、X11、X16の演奏順序で楽曲リストL3が生成される。利用者U4の入店時(19:00)には楽曲X11、X01、X16の演奏順序で楽曲リストL4が生成される。利用者U1の退店時(19:30)には楽曲X08、X11、X16、X01、X14の演奏順序で楽曲リストL5が生成される。利用者U4の退店時(20:30)には楽曲X08、X04、X11、X14、X10、X16、X01の演奏順序で楽曲リストL6が生成される。
【0057】
さらに、利用者U2の退店時(21:30)には楽曲X08、X04、X14、X11、X02、X16、X01、X06、X10、X12の演奏順序で楽曲リストL7が生成される。利用者U1、U2が退店しているため、生成部36によって楽曲X06を含めた楽曲リストが生成される。このように、利用者U1、U2のいずれかが在店中の楽曲リストL3、L4、L5、L6にはカラオケ演奏済みの楽曲X06が含められず、利用者U1、U2が退店した後の楽曲リストL7には楽曲X06が含められて、より適切な楽曲がBGMとして放音される。
【0058】
続いて、カラオケ装置20の処理動作について説明する。
図7は、第1実施形態のBGM演奏動作を示すフローチャートである。なお、
図7に示すフローチャートは一例を示すものであり、カラオケ装置20の処理動作はこのフローチャートに限定されない。また、
図7では、
図1の符号を適宜使用して説明する。
【0059】
図7に示すように、撮影手段26によって利用者の入店が撮影されると(ステップS01でYes)、画像処理部33によって入店時の顔画像データに応じた入店者の利用者IDxが出力される(ステップS02)。利用者の入店が撮影されない場合(ステップS01でNo)、ステップS07に処理が移行する。次に、カラオケ装置20からサーバ装置10に利用者IDxが送信され(ステップS03)、サーバ装置10からカラオケ装置20に利用者IDxに対応した歌唱履歴Hxが返信されて、取得部34によって歌唱履歴Hxが取得される(ステップS04)。次に、記憶部35によって入店者の利用者IDxと歌唱履歴Hxが対応付けられて記憶され(ステップS05)、生成部36によって歌唱履歴Hに基づいて楽曲リストが生成される(ステップS06)。
【0060】
次に、撮影手段26によって利用者の退店が撮影されると(ステップS07でYes)、画像処理部33によって退店時の顔画像データに応じた退店者の利用者IDyが出力される(ステップS08)。利用者の退店が撮影されない場合(ステップS07でNo)、ステップS10に処理が移行する。次に、記憶部35では、退店者の利用者IDyに対応付けられた歌唱履歴Hyが削除される(ステップS09)。次に、生成部36によって歌唱履歴Hに基づいて楽曲リストが生成される(ステップS10)。次に、カラオケ演奏中又はBGM演奏中ではない場合(ステップS11でYes)、かつ楽曲の予約がない場合(ステップS12でYes)に、BGM演奏部37によって楽曲リストに従って楽曲がBGM演奏される(ステップS13)。そして、カラオケ装置20の動作が停止するまで、ステップS01からステップS13の処理が繰り返される(ステップS14)。
【0061】
以上、第1実施形態によれば、入店した利用者の利用者IDから当該利用者の歌唱履歴が記憶部35に記憶され、退店した利用者の利用者IDから当該利用者の歌唱履歴が記憶部35から削除される。記憶部35には在店中の利用者の歌唱履歴だけが記憶されているため、この歌唱履歴から利用者の顔ぶれに応じたBGM演奏の楽曲リストが生成される。よって、利用者がカラオケ歌唱できる可能性が高く、その場に居合わせた利用者の好みに合わせた楽曲をBGMとして放音して、利用者に対して楽曲の予約を効果的に促すことができる。
【0062】
<第2実施形態>
第2実施形態のカラオケ装置40について説明する。
図8は、第2実施形態のカラオケ装置40の構成図である。
図9は、第2実施形態の楽曲リストの一例を示す図である。なお、第2実施形態のカラオケ装置40は、利用者の歌唱実績を考慮して楽曲リストを生成する点で第1実施形態のカラオケ装置20と相違する。したがって、第2実施形態については第1実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0063】
図8に示すように、第2実施形態のカラオケ装置40は、第1実施形態のカラオケ装置20(
図1参照)と略同様に構成されており、楽曲の予約に応じてカラオケ演奏を行い、楽曲の予約が入っていない場合にBGM演奏を行うように構成されている。カラオケ装置40は、カラオケ本体41と、モニタ42と、スピーカ43と、マイクロフォン44と、リモコン装置45と、撮影手段46とを備えている。カラオケ本体41には、予約部51と、カラオケ演奏部52と、画像処理部53と、取得部54と、記憶部55と、集計部58と、生成部56と、BGM演奏部57とが設けられている。
【0064】
集計部58は、撮影手段46によって歌唱中に撮影された利用者の利用者IDに基づいて利用者毎に歌唱実績を集計する。この場合、集計部58には歌唱時間を計時する計時手段が設けられている。画像処理部53から集計部58に歌唱者の利用者IDが出力され、集計部58によって利用者ID(利用者)毎に合計歌唱時間が歌唱実績として計時される。なお、計時手段によって歌唱時間が計時される代わりに、楽曲データに演奏時間情報が含まれていてもよい。集計部58によって楽曲データから演奏時間情報が取得されることで合計歌唱時間が計時される。
【0065】
生成部56は、利用者が入店及び退店した際に、記憶部55に記憶された歌唱履歴に基づいて、BGM演奏する楽曲リストを生成する。この場合、利用者の歌唱履歴から抽出した楽曲にスコアが付与される際に、このスコアが利用者の歌唱実績に応じて補正されて、補正後のスコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストが生成される。本実施形態では、合計歌唱時間が長い利用者のスコア(歌唱回数)に対しては小さな重み付け係数によって補正され、合計歌唱時間が短い利用者のスコアに対しては大きな重み付け係数によって補正される。
【0066】
例えば、
図9(A)に示すように、18:30にカラオケスナックSに利用者U3が入店したとき、集計部58によって利用者U1の合計歌唱時間が30分、利用者U2の合計歌唱時間が20分、利用者U3の合計歌唱時間が0分として歌唱実績が集計されている。合計歌唱時間が一番短い利用者の重み付け係数は2.0、合計歌唱時間が一番長い利用者の重み付け係数は0.5、その他の利用者の重み付け係数は1.0に設定される。このため、利用者U1の歌唱回数に対する重み付け係数は0.5、利用者U2の歌唱回数に対する重み付け係数は1.0、利用者U3の歌唱回数に対する重み付け係数は2.0に設定される。
【0067】
図9(B)に示すように、利用者U3の入店時には、生成部56によって利用者U1、U2、U3が所定期間に歌唱したことがある楽曲X01、X04、X06、X11、X16毎に歌唱回数が抽出される。歌唱履歴H1、H2、H3から抽出した楽曲に対して、歌唱回数に基づいてスコアが付与される際に、重み付け係数によって楽曲毎に歌唱回数が補正される。合計歌唱時間が一番長い利用者U1の歌唱回数に重み付け係数0.5が乗算され、合計歌唱時間が二番目の利用者U2の歌唱回数に重み付け係数1.0が乗算され、合計歌唱時間が一番短い利用者U3の歌唱回数に重み付け係数2.0が乗算される。
【0068】
生成部56によって楽曲毎のスコアが重み付け係数によって補正されると、補正後のスコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL8が生成される。利用者U1、U2、U3の楽曲毎の合計スコアは、楽曲X04が18.0、楽曲X11が14.5、楽曲X06が12.5、楽曲X01が11.0、楽曲X16が11.0であり、楽曲リストL8の演奏順序は楽曲X04、X11、X06、X01、X16の順になる。このように、合計歌唱時間が一番短い利用者U3の歌唱履歴H3の重要度を高くした楽曲リストL8が生成される。
【0069】
また、
図9(C)に示すように、20:30に利用者U4がカラオケスナックSから退店したとき、集計部58によって利用者U2の合計歌唱時間が35分、利用者U3の合計歌唱時間が45分として歌唱実績が集計されている。利用者U2の合計歌唱時間35分は、利用者の中で一番短いので、利用者U2の歌唱回数に対する重み付けは2.0に設定される。利用者U3の合計歌唱時間45分は、利用者の中で一番長いので、利用者U3の歌唱回数に対する重み付けは0.5に設定される。
【0070】
図9(D)に示すように、利用者U4の退店時には、生成部56によって利用者U2、U3が所定期間に歌唱したことがある楽曲X01、X04、X06、X08、X10、X11、X14、X16毎に歌唱回数が抽出される。歌唱履歴H2、H3から抽出した楽曲に対して、歌唱回数に基づいてスコアが付与される際に、重み付け係数によって楽曲毎に歌唱回数が補正される。合計歌唱時間が一番長い利用者U3の歌唱回数に重み付け係数0.5が乗算され、合計歌唱時間が一番短い利用者U2の歌唱回数に重み付け係数2.0が乗算される。
【0071】
生成部56によって楽曲毎のスコアが重み付け係数によって補正されると、補正後のスコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストL9が生成される。利用者U2、U3の楽曲毎の合計スコアは、楽曲X06が13.0、楽曲X08が10.0、楽曲X04が9.5、楽曲X10が9.0、楽曲X11が8.5、楽曲X16が6.0、楽曲X01が5.5、楽曲X14が5.0であり、楽曲リストL8の演奏順序は楽曲X06、X08、X04、X10、X11、X16、X01、X14の順になる。このように、合計歌唱時間が一番短い利用者U2の歌唱履歴H2の重要度を高くした楽曲リストL9が生成される。
【0072】
以上、第2実施形態によれば、利用者がカラオケ歌唱できる可能性が高く、その場に居合わせた利用者の好みに合わせた楽曲がBGMとして放音される。このとき、相対的に歌唱が少ない利用者に適した楽曲がBGMとして選曲されて、当該利用者に楽曲の予約を促すことができる。
【0073】
なお、第2実施形態では、集計部によって利用者の合計歌唱時間が集計され、生成部によって合計歌唱時間に応じた重み付け係数によってスコアが補正される構成にしたが、この構成に限定されない。集計部によって利用者の歌唱実績が集計され、生成部によって歌唱実績に応じてスコアが補正されていればよい。例えば、集計部によって利用者の合計歌唱曲数が歌唱実績として集計され、合計歌唱曲数に応じた重み付け係数によってスコアが補正されてもよい。この場合、集計部にカウンタが設けられ、利用者の歌唱曲数がカウントされて歌唱実績として集計される。あるいは、集計部によって利用者の歌唱終了経過時間(非歌唱時間)が歌唱実績として集計され、歌唱終了経過時間に応じた重み付け係数によってスコアが補正されてもよい。この場合、集計部に計時手段が設けられ、利用者の歌唱終了時からの経過時間が計時されて歌唱実績として集計される。
【0074】
また、第1、第2実施形態では、サーバ装置で利用者ID毎に歌唱履歴が管理される構成にしたが、この構成に限定されない。カラオケ装置に利用者の歌唱履歴を管理する管理部が設けられ、カラオケ装置の管理部で利用者ID毎に歌唱履歴が管理されてもよい。この場合、画像処理部から管理部に歌唱中の顔画像データに応じた利用者IDが出力される度に、管理部によって利用者ID毎に歌唱履歴が更新される。よって、取得部は、入店時に撮影された利用者の利用者IDに対応する歌唱履歴を管理部から取得する。
【0075】
また、第1、第2実施形態では、生成部によって利用者の歌唱履歴から抽出した楽曲にスコアが付与され、スコアに基づいたBGM演奏の演奏順序で楽曲リストが生成されたが、この構成に限定されない。例えば、歌唱履歴からの楽曲の抽出順をBGM演奏の演奏順序にした楽曲リストが生成されてもよいし、歌唱履歴からの楽曲をランダムに並べてBGM演奏の演奏順序にした楽曲リストが生成されてもよい。
【0076】
また、第1、第2実施形態では、利用者が直近の3カ月間に歌唱したことがある全ての楽曲が生成部によって歌唱履歴から抽出される構成にしたが、この構成に限定されない。例えば、生成部は、利用者が直近の6カ月間に歌唱したことがある全ての楽曲を歌唱履歴から抽出してもよいし、利用者が直近の6カ月間に歌唱したことがあるのうち歌唱回数が多い順から所定数(例えば上位5曲)だけ歌唱履歴から抽出してもよい。
【0077】
また、生成部は、現在から所定期間前までに歌唱された歌唱履歴を楽曲リストの生成に用いているが、当該所定期間を在店中の利用者数に応じて変化させてもよい。例えば、在店中の利用者数が1人の場合には現在から3カ月前までに利用者に歌唱されたことがある楽曲が歌唱履歴から抽出され、在店中の利用者数が2人の場合には現在から4カ月前までに利用者に歌唱されたことがある楽曲が歌唱履歴から抽出される。また、在店中の利用者数が3人の場合には現在から5カ月前までに利用者に歌唱されたことがある楽曲が歌唱履歴から抽出され、在店中の利用者数が4人の場合には現在から6カ月前までに利用者に歌唱されたことがある楽曲が歌唱履歴から抽出されてもよい。これにより、在店中の利用者数が増えるのに従って、楽曲の抽出数が減ることを避けることができる。
【0078】
また、第1、第2実施形態では、歌唱履歴に楽曲IDと歌唱日が含まれる構成にしたが、この構成に限定されない。歌唱履歴には楽曲の採点結果が含まれていてもよく、生成部によって歌唱履歴に含まれる採点結果に基づいて楽曲が抽出されてもよい。この場合、カラオケ本体には、利用者の歌唱を採点する採点手段が設けられている。
【0079】
また、第1、第2実施形態では、顔画像データから抽出された特徴量を利用者IDと対応付けた当該店舗専用の顧客管理データベースをカラオケ装置が記憶し、顔画像データに応じた利用者IDを利用者識別情報とする構成にしたが、この構成に限定されない。利用者識別情報は、顔画像データそのものでもよい。この場合、カラオケ装置及びサーバ装置では、利用者識別情報の種類に適した照合処理が適宜実施される。
【0080】
また、第1、第2実施形態において、カラオケ装置に対してプログラムをインストールすることによって、カラオケ装置にBGM演奏の楽曲リストを生成する機能が追加されてもよい。このプログラムは記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0081】
また、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
【0082】
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0083】
20、40:カラオケ装置
21、41:カラオケ本体
26、46:撮影手段
33、53:画像処理部
34、54:取得部
35、55:記憶部
36、56:生成部
37、57:BGM演奏部
58 :集計部